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2014年3月5日 第4回 ブランコ作業における安全対策検討会 議事録

労働基準局安全衛生部安全課

○日時

平成26年3月5日(水) 14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第10会議室


○出席者

検討会参集者(50音順、敬称略)

石原 成昭 清水 尚憲
杉本 旭(座長) 中西 勲
西田 收 山田 忠彦

参考人

相川 淑紀 (一般社団法人 全国特定法面保護協会 技術部長)
久保田 好男 (一般社団法人 全国特定法面保護協会 安全委員長)
佐藤 功 (一般社団法人 全国特定法面保護協会 安全委員)

厚生労働省

一瀬 壽幸 (安全対策指導業務分析官)
野澤 英児 (建設安全対策室長)

○議題

(1)報告書(案)の検討
(2)その他

○議事

○杉本座長 それでは、定刻まで5分ありますが、第4回「ブランコ作業における安全対策検討会」を開催いたします。

 まず最初に、事務局のほうから本日の出席状況の報告、資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、本日の出席状況でございますが、ごらんのとおり全委員に出席いただいております。 あわせて、前回に引き続きまして、一般社団法人全国特定法面保護協会さんから相川技術部長、久保田安全委員長、佐藤安全委員のお三方に御参加いただいていることをまず御報告申し上げます。

 なお、事務方について、安全衛生部長と安全課長の両名につきましては、当初出席予定だったのですが、急遽外せない所用が入ったため、今回欠席ということにさせていただいております。

次に、資料確認をさせていただきます。クリップ留めにしていますが、議事次第1枚と、報告書(案)という資料1というものがあるかと思います。資料等に不足がございましたら、またお知らせいただければと思います。

○杉本座長 ないようですので、それでは、議題「(1)報告書(案)の検討」について、前回の検討会で議論いたしました内容や、法面作業での現状も踏まえまして、事務局で報告書(案)の修正を行っておりますので、前回からの修正点を含めまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○事務局 それでは、資料1の報告書(案)に従いまして、前回の検討会で御意見をいただいた点を踏まえて修正した内容を中心に御説明を申し上げます。

 表紙の裏に目次が載っていますので、まずこちらをごらんいただければと思います。

 前回同様、報告書は4つの章立てとしております。構成については前回と同じですが、まず「1 はじめに」ということで、本検討会の設置に至った背景、検討会の目的、検討の対象とした作業の範囲というものを記載しています。次に、「2 ブランコ作業をめぐる現状」ということで、ブランコ作業に係る労働災害発生状況、これまでの対策ということで記載しております。次に、「3 ブランコ作業における安全対策について(提言)」ということで、求められる対策について、「提言」という形で記載をしております。最後「4 おわりに」ということで、締めくくりになっております。

 以下、報告書(案)の本文に従って個別の説明をしてまいります。

まず、1ページ目の「はじめに」です。

「(1)検討会設置の趣旨・目的」を記載していますが、前回の説明では、基本的に検討会の設置要綱をベースに記載をしたと説明しましたが、前回の報告書案ではビルメンテナンス業のことを中心に記載していたところ、今回は建設業関係の記載も加筆をしています。

(2)は検討会での対象作業について記載しています。ここは、最初の段落にありますとおり、「作業床の設置が困難な場合の高所作業であって、作業箇所の上方からロープを吊るし、当該ロープにより身体を保持して行う作業」ということで、これを本報告書では「ブランコ作業」として取り扱って、検討会の報告書の対象とする作業としているところです。

2段落目、3段落目、2ページに移りますけれども、どの程度の勾配のものまでこの報告書の対象にするのか、きちんと示しておくべきであるということで、関連の記載をしました。具体的な勾配については、3段落目、1ページ目から2ページ目にかけての記載になりますが、労働安全衛生法令では、勾配が40度以上の斜面上を転落することは墜落に含まれるという省令の条文や解釈があるということで、勾配40度以上の斜面での作業を対象としています。

ここまでは前回の説明と一緒ですが、前回、法面保護協会さんのほうから御意見をいただいた内容を踏まえ、3段落目の最後に「ただし、斜面作業については、作業箇所の状況に応じて斜面作業特有の作業方法を採る実態にも鑑み、検討を行った」という内容の記載を追記させていただいております。

4段落目のなお書きについては、前回と一緒です。勾配が40度未満の緩斜面について、ブランコ作業における墜落防止措置とは別の対策になりますが、「勾配に応じ、必要な墜落防止措置を採ることが必要である」という記載をしています。

なお、最後、「(参考)」の記載についても前回と同様の記載としています。簡単に触れておきますと、本検討会では、ブランコ作業を行うことになる業種として、ビルメンテナンス業と建設業という2つの業種を念頭に置いて、この報告書(案)でもそこを中心に記載をしているところでございますが、林業についても斜面での伐採作業などの対象作業があるのではないかということも想定されましたので、その点について確認しました。その結果として、林業における伐採作業などでブランコ作業を行うケースはほとんどなく、「本検討会の検討結果が林業における伐木や造林等の作業に与える影響は極めて限定的である」ということを記載しています。

次に、2ページ目の下「2 ブランコ作業をめぐる現状」という章に移ります。

(1)として死亡災害の発生状況を記載しています。先ほど申し上げましたとおり、ブランコ作業は主にビルメンテナンス業と建設業において行われていますが、ビルメンテナンス業での年別の死亡災害の発生件数が表1のとおり、建設業の件数が表2のとおりとなっております。どちらの業種においても年間数件の死亡災害が発生しつつ推移をしているという状況であり、両業種で書きぶりを合わせておりますが、内容は前回と同じです。

これらの死亡災害については、報告書の末尾に資料としてその概要と原因を添付してございます。資料1-1がビルメンテナンス業、資料1-2が建設業のものでございます。これらの災害のパターンを類型化いたしますと、ここに記載した6つの類型に分けられるということで、その詳しい内容につきましては、報告書の一番最後のページに掲載しております。これらについても内容は前回から修正はございません。

次に、「(2)ブランコ作業に対するこれまでの対策」ということで、アからウということで記載をしております。

アとイにおいては行政での対策、ウは関係業界における自主的な取り組みによる対策でございます。

ここも基本的に修正はありません。ただ、ウの中で(イ)に法面保護協会さんの取り組みの記載をしていますが、前回「手引き」の策定時期と改訂時期について法面保護協会さんから御指摘がありましたので、それを踏まえ、手引きの策定を「平成16年」、改訂を「平成20年」と時期を修正しました。

次に、4ページの真ん中の下あたり、3の具体的な提言の説明に移ります。

まず、総論部として(1)に「対策の基本的方向性」を記載しております。ここについては前回からの修正はございませんが、基本的な考え方のところですので、繰り返しになって恐縮ですが、重ねて説明します。

検討会の開催要綱や本報告書(案)の「はじめ」になどにおいても記載しておりますとおり、高所作業というのは、作業床の設置により行うことが大原則です。

ブランコ作業については、この大原則が当てはまらない、作業床の設置が困難な場合に特例的に行う作業になりますが、その墜落防止対策としては、ロープの点検、あるいはロープの切断防止措置やその確認といったような中身であり、人の注意力や技能に依存したものがほとんどであり、これまでの労働災害防止対策とは特徴、性質が異なっています。

このため、ブランコ作業の安全対策においては、丸数字の1で、安全対策の多重化により墜落のリスクを極力下げることと、丸数字の2で、安全教育の確実な実施により作業者の安全に係る意識、知識と技能の向上を図ることの2点が基本的な対策の柱になるということで記載をさせていただいております。

5ページ目の(2)以降が個別具体的な対策になります。

まず、(2)で「用具等について」ということで書いています。前回は「用具」と「緊結元」という2項立てで記載をしていましたが、今回、「用具」のうち、わかりやすくするために「ロープ」を独立した項目として立て、他の用具との区別をしました。

つまり、「ア ロープについて」「イ ブランコ作業に使用する用具について」「ウ ロープ支持物(ロープの緊結元)について」という3項立てとしています。

このうち、「ア ロープ」については、前回から記載の変更はございません。

次に、イの用具については構成を若干変えております。前回の報告書(案)では、項として独立させた「ロープ」を除くと、次に「安全帯」というのを項立てしていたのですが、「安全帯」の項を後ろに回しました。従って、項立ての順番としては「(ア)連結器具、下降器具及びグリップ(墜落阻止器具)」「(イ)身体固定・保持のための用具」「(ウ)安全帯」としています。

以下、項立てに従って説明をしていきます。

まず、「(ア)連結器具、下降器具及びグリップ(墜落阻止器具)」については、前回と同様の記載としております。

次に、「(イ)身体固定・保持のための用具」でございます。ここは前回「ブランコ台」としていた箇所になります。ここについては、前回、山田委員からブランコ台をきちんとした用具として位置づけるべきであるという御意見をいただきましたので、その点を踏まえて、今般記載を修正しました。

具体的には、ブランコ作業を行う場合、作業をしているときに体が固定・保持できることが要件として求められており、ブランコ台がその機能を有しているほか、斜面作業において使用している傾斜面用ハーネスが身体固定・保持の機能を具備しているということなどを踏まえまして、これらをひっくるめて「身体固定・保持のための用具」として位置づけています。

なお、これらの用具を使用している場合であっても、墜落防止機能は安全帯で確保すべきであるというふうに記載をしています。

この機能を有する用具等ということで、前回は文字だけでわかりづらかった部分もあるので、「ブランコ台」の絵と「傾斜面用ハーネス」の絵を入れております。

次に、「(ウ)安全帯」です。

前回の案では、安全帯の規格でいうところのハーネス型、いわゆるフルハーネスタイプの安全帯であるべきと記載していました。もう少し細かく言うと、安全帯の規格では胴ベルト型安全帯とハーネス型安全帯の2種類があり、前回の報告書案では胴ベルト型安全帯を対象から外していたのですが、今回は胴ベルト型も含めて、安全帯の規格に適合する安全帯であればよい、ということにしました。

ここの修正につきましては、先ほどブランコ台に係る項のところで説明したとおり、ブランコ作業では身体固定・保持の機能が必要になるということに基づいています。現場の実態を調べてみましたところ、斜面での作業、垂直面での作業、いずれの作業についても身体固定・保持の機能を有して、かつハーネス型安全帯の基準に適合するハーネス型安全帯というものは開発されていないという現状があり、その開発・普及には相応の時間がかかるのことが判明しましたので、ハーネス型安全帯については、「ハーネス型の安全帯であることが適当である」というふうに表現ぶりを弱めつつ、「ブランコ作業に適したハーネス型安全帯の速やかな開発・普及が望まれる」という結びとしました。

なお、ビジュアル的に分かりやすくするため、安全帯の規格でいうところの安全帯の例として、胴ベルト型安全帯の例を2つ「一本つり状態で使用する胴ベルト型安全帯の例」と、8ページ「U字つり状態で使用する胴ベルト型安全帯の例」、「ハーネス型安全帯の例」を1つ付け加えさせていただきました。

続きまして、ウの緊結元についてですが、確認方法のところで「材質、構造等を確認する」という文言を入れていますが、それ以外は前回と同じ表現にしております。

続きまして、9ページからの「作業に係る危険の防止」についてです。

項立ては前回と同じく、まずアとして事前の措置である計画段階での安全確保、イとして当日、本作業に入る前の準備段階での安全確保、ウとして本作業中の安全確保、最後にエのその他ということで、大きく4つに分けて記載をしています。

以下、変更点を中心に順に説明をいたします。

まず、「ア 計画段階での安全確保」のうち、(ア)に現場の状況調査、記録の記載をしております。ここについては、前回山田委員から御意見をいただいておりましたが、元請発注者に係る内容の記載を加筆させていただいております。

具体的に申し上げますと、(3)のアの(ア)の2段落目のなお書きの部分になります。事前調査を行う場合に、例えばビルのガラス清掃であれば、ビルの屋上への立入調査などが含まれますが、そのためには元請や発注者の協力がどうしても必要になるということに留意をする必要があるということで、「下請が事前調査を行うのに当たって、必要な協力をすることが適当である。」というふうに加筆をしています。

次に、「(イ)調査結果を踏まえた作業計画の策定」について。ここは丸数字の1から丸数字の7まで項目を立てておりますが、このうち丸数字の1と丸数字の5の2カ所を修正しました。

丸数字の1については、法面保護協会さんから御指摘をいただいた内容を踏まえたものです。前回は「作業箇所への入場の経路及びロープ緊結場所の設定」という表現にしていましたが、「緊結場所の設定」を「緊結元の確認」という表現に修正しています。これは、例えば斜面作業において、ロープの緊結元として立木などを使用する場合に、緊結場所となり得る立木等が現場にあるかどうかというものをちゃんと確認してくださいという趣旨で、こういう記載をしています。

また、丸数字の5については、前回特に指摘はなかったのですが、前回の案では「作業を行う労働者の人数及び氏名」という書き方をしていました。ここの記載について、事務局内部で検討をする中で、氏名まで記載する必要はないのではないかという議論があり、その点を踏まえて「氏名」を削除したところです。

「(ウ)作業指揮者の選任」は、大きな修正点はございません。

10ページ目に移りまして、「イ 準備段階での安全確保」ということで、(ア)から(ク)まで項目を立てていますが、以下、主な修正点を中心に説明をしていきます。

「(ア)悪天候時の作業禁止」「(イ)照度の保持」という2つの項目についての修正点はありません。

 (ウ)は「ロープ、用具、安全帯及び保護帽の作業開始前点検の実施」ということで項目を立てました。ここについては、2点修正しています。前回は入っていなかったのですが、今回、安全帯と保護帽も点検の対象として入れたという点が1点目の修正です。2点目の修正については、前回は「作業前点検」と記載していたところについて、法令上の用語では「作業開始前点検」という用語を使っていますので、法令上の用語に合わせて「作業開始前点検」と修正をしています。

(エ)は「準備作業中の墜落を防止するための措置」についてです。前回の検討会でも御指摘をいただいたところですが、基本的に準備作業を行う場合、安衛則の第519条の適用を受ける場所になりますので、519条に加えまして、520条、521条の適用を受けることという記載をしておりまして、ここは特段の修正はしておりません。

「(オ)ロープの緊結元の選定」については、ブランコ作業で使用するメインロープ、ライフラインの緊結元は、それぞれ異なる緊結元をとることにより、片方の緊結元が外れた場合でももう一本で墜落を防止するということ、安全対策の多重化の概念を盛り込んだ記載としているところでございまして、最初の段落については修正ございません。

ただ、2段落目で、同時に複数のロープを同一の緊結元に緊結することについて、単に「好ましくない」という記載を前回はしていたのですが、それでも十分な強度があればよいので、今回はそのことを前提として、「十分な強度を有する緊結元を使用すべきである」というふうに若干記載を修正しました。

(カ)については、タイトルを「安全帯等の使用」ということで修正をしております。

 「(キ)ロープの緊結及び緊結状況の確認」については、特段の修正点はございません。

 「(ク)ロープの切断防止措置」については、前回、山田委員のほうから屋上の準備作業における対策は非常に重要であるという御意見をいただいております。その点も踏まえて、養生材を使用した切断防止措置の例を写真つきで載せさせていただいております。具体的には12ページのところで「置き型養生材」と「巻き付け型養生材」という2つの写真がございますが、これらを使った切断防止措置の例ということで、「パラペットの養生」と「構造物の養生」の例を載せています。構造物のほうは、鉄筋のところにロープが触れるところは巻き付け型養生材を使って養生するのだということで、こういう例を写真つきで載せております。

 それから、(キ)のロープの緊結と(ク)の切断防止措置、これらの措置が確実になされていることの確認作業において、リスクを極力低減するという考え方に基づきまして、「確認は複数名で行うことが適当である」と明記をしております。

実は前回の案では、(ク)の後に(ケ)として複数名での確認を行う最低限の体制について、作業指揮者と作業者の2名体制と記載しておりましたが、実態として単独作業もあり得るという御指摘もありましたので、その点踏まえ、ここの記載は削除をしております。

続いて、「ウ 本作業中の安全確保」について御説明します。

前回の報告書(案)同様、構成としては、(ア)にロープの2本使用、(イ)に物体の落下を防止するための措置の2点を記載しております。

まず、(ア)のロープの2本使用ですが、前回、山田委員からライフラインは作業中、無荷重であるということをきちんと書くべきであるという御意見をいただきましたので、そこのところが分かるような書き方をしております。具体的には「作業中に常時荷重のかかる作業用のメインロープと、作業中に荷重がかからない安全帯の取付設備としてのライフラインの2本のロープを使用させるべきである」という書き方に修正をしております。

また、斜面作業におけるライフラインの代替措置として、セーフティブロックの使用というものを記載していますが、ここは前回と同じです。

あわせて、ここも視覚的にわかりやすいようにということで、ロープの2本使用をしているビルの屋上のロープ緊結状況について、写真を例示として掲載しています。

「(イ)物体の落下を防止するための措置」について。西田委員から三者災害の防止に関して記載を入れておくべきであるという御意見をいただきましたので、最初の段落に「三者災害の防止にも資する重要な対策の一つである」ということで記載を追加しました。

その後に続く丸数字の1から丸数字の4の記載については修正ございません。

「エ その他」については、(ア)(イ)ともに修正はありません。

「オ 斜面での作業における留意事項」ということで、ライフラインの代替措置として、セーフティブロックを使用するということを記載していると先ほど申し上げましたが、その際の満たすべき要件を記載しております。

要件の2点目について、前回、法面保護協会さんから意見をいただいておりまして、その意見を踏まえまして、「ワイヤーが作業箇所の最下部まで到達するだけの長さを有すること」というふうに表現を修正させていただいております。

次に、(4)の安全衛生教育についてです。

修正点としては、学科教育の(ウ)のところです。前回は「ブランコ作業における墜落防止措置及び作業手順」としていたのですが、今回は「作業手順」を「作業方法」と修正してございます。

また、イの実技のところで「(イ)用具等の点検」としております。前回は「用具の点検」で、「等」がなかったのですけれども、これだとロープや安全帯の点検が外れてしまうので、「用具等」の点検という形に修正をさせていただいております。

16ページ目に移りますが、「4 おわりに」ということで、「本検討結果を踏まえ、厚生労働省においては、労働安全衛生法令の見直しに向け、速やかな対応が求められる」という記載とさせていただいておりまして、ここは前回からの変更点はございません。

この後に関連資料を載せておりますが、ここで1点修正したい点を申し上げたいと思います。

19ページに参集者名簿と検討会の開催経緯を載せてございます。法面保護協会さんから前回、参考人にしてくださいという御意見をいただいたので、「参考人」と書いております。

その下に「検討会の開催経緯」というものがあります。今回も含めて合計4回検討会を行った経過を載せていますが、これとは別に現場視察を2回行っております。その記載が抜けていましたので、追加して修正をさせていただきたいと思います。具体的には、平成2512月5日にビルガラス清掃現場の視察を、平成26年2月7日に法面作業現場の視察を行っておりますので、これら2件の視察を「開催経緯」に盛り込むこととしたいと考えております。

最後になりますけれども、先ほどの「おわりに」のところでも触れているとおり、今後この報告書を踏まえて、必要な法令の整備等、所要の対応のための作業に入っていくこととなります。ただし、ここで使っている用語などについて、法令上の整理などの過程で一部修正が入る可能性もありますので、あらかじめ御承知おきいただきますよう、お願い申し上げます。

資料1の報告書(案)の修正点等の説明は以上です。

○杉本座長 ありがとうございました。

 それでは、改めましてただいまの報告書(案)について、章ごとに分けて検討していきたいと思います。

まず、「1 はじめに」について、(1)で趣旨・目的、(2)で対象とする作業の範囲について記載されておりますけれども、これらについての御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。1ページと2ページの頭のところです。

 これは審議されてきたことが結論づけられていると思いますけれども。

座長の余計な発言かもしれないけれども、ずっとやってみましたら、これは飛行機の墜落に似ているのです。飛行機というのは事故を経験しながら改良すると堂々と言うのですね。事故を経験しながら技術を上げてきたのだと。ということは、どういうことかというと、事故の原因を徹底的に追求するのです。事故がこうやって起こったということをメーカーさん、ユーザーさん、全員が共有するまで原因追及をやるのです。今は誰の責任というのがあるのですが、誰の責任というよりも、こうやって飛行機は落ちるのだということを理解しようということで、それを皆さんで共有し、解決して、事故なしにしていくのですね。

事故なしの再スタートでして、また事故があると、徹底的にそれを追求して、また、皆さん、これで事故はありませんからと言って、事故はないよということで改めてスタートしていくという厳格さがあるのです。

この分野も、どういうことが起こったかという原因を追求して、これがこういうふうにわかったということ、実際に運用する方や実際にブランコで作業する方、皆さんがこれで事故なしというところまでやっていかなければならないという皆様の願いをつくづく思いましたので、よろしくお願いいたします。

ということで、「1 はじめに」のところはいいですか。

では、次に「2 ブランコ作業をめぐる現状」につきまして、議論をいたしたいと思います。

(1)で死亡災害の発生状況。

(2)でこれまでの対策ということで、アとイで行政の対策の状況、ウで関係業界での自主的対策の状況を取りまとめてもらっております。基本的には事実関係の修正のみで、大きな修正はないということでしたが、これらについての御意見がございましたら、御討論よろしくお願いいたします。2のところですから2ページの一番下のところから4ページの3分の2ぐらいのところまでだと思います。この部分でいかがでしょうか。

 また変なことを言ってしまいますけれども、この事故が起こったときに死んでしまいますね。そのときの労働安全問題、補償の問題とか、そういうのでごたごたしていないのですか。

○西田委員 ありますね。

○杉本座長 労働災害は無過失責任で、わざとやるわけではないですから、徹底的に労働者の立場に立って助けていく、補償していくという精神が最後にないと、やはり労働者は浮かばれませんから、そういう前提でいろんなことをやっていただきたいなと思います。 これも議長権利でもって余計なことを加えますけれども、そういうごたごたがあるようでは、ブランコ作業という危険作業をこなしていくという権利はないと思いますので、よろしくお願いいたします。

 そういうことも含めまして、皆さんの御意見をいただければと思います。「ブランコ作業をめぐる現状」ということで、2ページから4ページの3分の2ぐらいのところですが、御意見よろしくお願いします。

 大変貴重なデータがあるわけですが、我々の常識からすると、わかった事故も起こっているわけで、対策がとれていないで起こった事故を「インジュリー」と言うのです。「アクシデント」というのは、ここまで来たらこれ以上わからない、これはアクシデントですよ、これは偶然ですよということ。アメリカは明確にインジュリーとアクシデントの違いがわかるのですね。これは本当にやり尽くして、アクシデントですよというところまでやるには、災害の経験というのが無にされてはいけない。こうやって起こったのだと。したがって、同じことが起こるということはアクシデントではないのだというふうに心していくには、教育が重要なのですね。決まりをつくって、決まりを守ってもらう、わかってもらう、そのためこのデータが活用されなければならないと思います。無駄話かもしれませんけれども、少なくとも死亡事故のデータが再発することだけは絶対にないよう、よろしくお願いいたします。

 皆さん、いかがでしょうか。

では、これはこのとおりでまとめていただきました。

次に、「3 ブランコ作業における安全対策について(提言)」について議論をいたします。

ここはもう少し細かく議論をしていただきたいと思います。まず、「(1)対策の基本的方向性」について御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。4ページから5ページの4分の3ぐらいのところまでであります。

 明らかにここにもまとめておりますけれども、「非常にリスクの高い作業である一方で、その安全対策の要点を『人』の注意力や技術に依存せざるを得ない」と書かれておりますが、まさにそのとおりで、上から落っこってしまいますからね。

 ブランコ作業というのは、ちゃんとやるという人間にとっては最高の作業ではないかと思うのです。ちゃんとやらない人間にとっては、非常に危ないという意味で、逆に言うと、正しいやり方でやるといったときの大プレゼントの作業ではないかと思うのです。

余計な話ですけれども、ドイツ人は何で安全装置をつけるのだと。ドイツ人は安全装置を大体切るのです。何でドイツ人は「じゃま」となって、安全装置をつけると切ってしまうのかと尋ねたら、海外労働者が多いので注意書きや教育ができない。だから、注意書きを読める、教育ができている国内のドイツの人は安全装置が必要なしとして切るのですね。つまり、安全装置はどうしてつけるかというと、外国人労働者は注意書きが読めないからであって、作業者に任すことができれば要らないのですね。余計な話ですけれども。

 そんなことで、皆さんの御意見をいただければと思います。ここの部分はどうでしょうか。

 またこれも余計な話をしますけれども、最後にまとめて言う段階になっていますので、まとめ役の私として勝手なことを言います。

 前回言いましたが、安全というのは、止める権利なのです。やめる権利なのです。リスクアセスメントは何かというと、最後に止まって、呼んで、待つということ。止まって、分からないときは無理をするな、分からなければ止まって待て、そのためには誰を呼べというのがリスクアセスメントの結論なのです。

同じように、何で2人でチェックするかというと、不安に対してちょっと待てということ。待てという経緯が、2人でやると一番出てくるのです。分からないときに落下事故が起こってしまうのです。分かってオーケーですからね。そうすると、待てというのがきちんとあるというのが安全の最後の手段です。

ここに安全教育の確実な実施というのがありますけれども、うまく処理しようというのは、うまくやってしまおうというのでなくて、正しい処理とは、むしろ、分からないときは待つ、確かめることなのです。そういうことを徹底的に最後にできる、信用して当てにできるという管理体制を教えられていく必要があると思っています。

私だけでなく、皆さんから御意見をいただければと思います。どうですか。

 山田委員、これを自分のところに持っていったら、私の自信のある方法がこれで実現できるぞという話に。

○山田委員 日本人が幾ら優秀でも、優秀でない方がいるから災害が起こるわけです。だから、どなたがやっても安全にできるような作業方法にしなくてはいけないわけです。そういうふうに思っているだけです。

○杉本座長 わかりました。

ということですね。先ほど言ったように、何でも分かって仕事ができないというわけにいかない。俺は全部分かるというのでなくて、むしろ分からないという状況が起こるのが当然なんですね。分からないという時に何をするか、そちらのほうが権威を持つ。やってみたらだめだったというのではだめですね。分からなければ、賭をしないで確かめる。これが権威ある正しい対応です。

共通性、わからないというところに権威を持たせるというぐらいわかっているといいますか、きちんとしていかなければいけない。ちょっとパラドックスになるかなとも思います。

 ということで、では、次のところへ行っていいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○杉本座長 5ページの下から4分の1のところ「(2)ブランコ作業に使用する用具等について」。前回の報告書(案)から安全帯の記載とブランコ台の記載について大きく修正がありましたが、それらを含めまして、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。

 どうぞ、お願いします。

○山田委員 ライフラインという定義をもう少し明確に入れたほうがいいのではないかなと思うのですが。ロープが切れてとか、ロープがほどけてなどという問題でなくて、まず最初にライフラインという定義をしっかり「ライフライン」という項目でつけるべきではないのかなと考えます。

○杉本座長 なるほどね。大変いいところをついていますね。多重化と言いますけれども、二重にしますと、先にどちらが来て、次にこちらが来るのだというのを定義しておかないと、どちらが来るかわからないとなると、今、言ったように同時故障があるのですね。2本、つられてね。弱くなったところで1本切れたら、2本同時に切れてしまうとかね。これをきちんと定義しておけばね。

○山田委員 そうですね。作業中だけでなくて、屋上の安全管理体制にもつながるので、そういう定義は入れたほうがいいのではないかなと。

○杉本座長 がちっとした定義はともかく、内容的にはどういうふうになりますか。立場としては。

○山田委員 無荷重の部分でいいのですが、項目としてあったほうがいいのではないかなと。

○事務局 項目を立ててほしいということですか。

○山田委員 はい。

○杉本座長 ある意味、役目が違うということですね。

○山田委員 そうですね。

○杉本座長 色も同じかもしれないし、太さも同じかもしれないけれども、役目が違う。こうやって定義されているのだと。

○一瀬安全対策指導業務分析官 最初に6ページの6行目に「ライフライン」という言葉が出てくるのですが、ここでは「墜落阻止用の親綱」ということで最初に言っておりまして、「メインロープ」のほうは、上から3行目「身体保持用の親綱」という言い方をしていまして、基本的にはこういうものだろうと思っているのですが、特にそれに書き加えてどんなことを。

○山田委員 例えば(ウ)では「安全帯」が出ているではないですか。(イ)は「身体固定・保持のための用具」ということで、できればそれと同じ項目で「ライフライン」というところを入れていただいたほうが、「墜落阻止用の親綱」という中では、やはり作業中の話なのです。ではなくて、屋上でもライフラインは必要だと思いますので、それも含めて総合的に1つの項目として入れたほうがいいのではないかなと。

私は、屋上の安全管理体制が全てだと思っていますので、ロープがほどけてどうのこうのとか、ロープが切れてどうのこうのではなくて、ロープ作業の根本的なところは、屋上の安全管理体制だと思いますので、そこでもライフラインは必要だと思うので、それを入れていただければなと思っております。

○西田委員 具体的にはどの辺に項目的には。

○山田委員 例えば「ロープ」のアとイの間でいいのではないでしょうか。

○西田委員 例えばアが「メインロープについて」で、イが「ライフラインについて」と。

○山田委員 そんな形とかですね。

○杉本座長 「ロープについて」の中ではなくて、独立させて。

○山田委員 そうですね。

○杉本座長 つまり、イとして、「ロープ」の下のところに「ライフイラン」というのが特別にある。先ほどの親綱というのは、ある意味で機能的なものだと。こちらは安全のためなのだというふうにやって、認識を改めておくと。

○山田委員 そうですね。

○杉本座長 それをインターロックと言うのです。インターロックにはちゃんと役目がありまして、インターロックされる側とする側がある。

○佐藤安全委員 報告書ではこれでいいのではないですか。

○杉本座長 報告書では。

○佐藤安全委員 はい。

○西田委員 我々のほうで、これを受けてビルメンのブランコ用のマニュアルを改訂することになりますので、そちらのほうに盛り込みます。

○杉本座長 わかりました。そういう要望があったということですね。確かにそのほうが頭ではしっかりしますね。

 インターロックというのは、上下対象に書いてあるのですね。だけど、インタロックは必ず下の側に書くのですね。この安全がこいつを守っているのですね。逆にしてはいけませんよというのがあるのですね。そういうこともあって、アドバイスといいますか、そういうのが指摘されたということで、まとまっていくのに法律の中でどう反映されるかはお任せいただいて、御指摘があったことは尊重すべきだと思います。

 ほかにございますか。

 それでは、これは審議オーケーという形にして。

次に、「(3)作業に係る危険の防止」について、写真などを入れている点と、三者災害について、新たに加筆した点などが前回からの主な修正点でありますけれども、御意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

どうぞ。

○清水委員 12ページに置き型養生材と巻き付け型養生材の写真がありますが、これはほかにも変わった形があるのですか。それともこれしかないのですか。

○西田委員 あとは単純に布状のものを養生材として使うというのがありますけれども、代表的なものは、置き型のアルミ製のものと巻き付け型の帆布みたいなものでつくってあるものです。

○清水委員 わかりました。

○西田委員 中には、木材で専用のものをつくったり、金属で専用のものをつくったりというケースももちろんありますね。

○清水委員 ほかにもいろいろあるのですね。

○西田委員 あります。

○清水委員 そうすると、これは一例なのですね。

○西田委員 そう言われれば、そうですね。

○清水委員 これでなければいけないというものではないのですか。

○西田委員 そうですね。

ただ、「置き型養生材」「巻き付け型養生材」という区分けをしてしまうと、金属のものでも木材のものでも「置き型の養生材」というくくりにはなりますので。

○杉本座長 ロープが2本一遍に切れたという事故がありましたね。ずれて同じところをすっているわけですね。同じところをすっていて、粉が出て、糸くずまであって、それで、ああいう仕事をやっていて、ああ、怖いなと思わないのですかね。実際落っこちて死んでしまった。あの仕事というのは、そういう感覚なのですか。

○西田委員 特殊な事例だと思いますね。

○杉本座長 僕は驚いたのだけれども、平気なのか。1本に命を委ねていて、同じところでぎりぎりやったら、我々はすぐ怖いなと思ってしまうね。

○西田委員 ロープは切断するというリスクがありますので、それと金属のエッジと接触させれば切れるのは当たり前。

○杉本座長 同じところですからね。ちょっとずれれば、また違うところに行きますからね。同じところでずっとやって、ぷっつんと切れたら、今度こちら側に力がどーんと行きますからね。全部お手上げになってしまうのは、津波の電源3つがやられるのと同じですね。

そういうことなので、ある意味で教えるものをちゃんと教えていかなければ。正しく怖がれということになるのですかね。ちょっと話がそれていますけれども。

○西田委員 教育の問題だと思いますね。

○杉本座長 あと、ダブル、二重系というのもちゃんとやらなければいけないですね。二重というのは、冗長系で言うと、同じものが2つあると、どちらが壊れるかわからないから、1個が壊れても、同時には壊れないだろうというので、助かるというものだけれども、ロープ2本というブランコ作業の場合は、「待機冗長」と言うのです。一方のほうを待たせておくのです。使わないようにするのです。こちらだけを使って、待っているのです。それで1個がぼーんとやられると、待っていたやつが、おっと、と頑張るいうわけで、最後の頼りとなる。これを待機冗長と言うのです。ただ単に2本というのは、冗長系と言って、待機冗長系は単なる冗長系とは違うということを教えておかなければいけない。

 深層防護というのはみんな待機冗長だね。こちらがやられたら、次のが待っていますから。次にこれが待っていますから。待っていたのも一緒にやられたのがこの前の津波事件です。要するに、待機冗長という考え方。

それから、確認なども考え方の違う人が待っていなければいけないですね。フールプルーフで2人のフールがやってもだめで、同じミスをやってしまうのです。違う考え方の人が2人で待っていれば互いにチェックし合うのです。違うところを見てくれるから、やはりだめだよ、もう一回ちゃんと確認しようよなどという話が出てくるのです。だけど、二人ともだめな人同士の確認だと、二人とも優先順位は生産性ですから、俺はいいよ、俺もいいよとなってしまって、2人ともすぐいいよになって安全確認のOKが出てしまうのですね。だから、そういう意味では、確認というのも、一方が生産第一なら、一方が安全第一みたいに見方が違う同士でやると、チェックのポイントが変わってくるので却っていいわけだ。

そういう考え方があるのだということです。ただ単に形式的に教育するのではなくて、君たちの命はという話ですからね。というコメントになりましょうか。

どうぞ。

○清水委員 ちょっと前に戻って申しわけないですが、5ページの「安全対策の多重化」のところです。姿勢保持用のロープと墜落防止用のロープのことを言っていると思うのですが、上から3行目の終わりのほうから身体を支えているロープを二重化するというふうに書いてあるのですけれども、墜落防止用のロープは支えていないですね。だから、ここは書きぶりを変えたほうがいいかもしれない。両方に負荷がかかっている感じの書きぶりになっていると思うのです。

○杉本座長 その意味ではちょっと矛盾しているね。

○清水委員 どうなのでしょうね。

○事務局 ここは、恐らく身体を支えている、要は、荷重のかかっているロープ、先ほどの山田委員から御発言いただいた内容を踏まえつつ、荷重のかかっているメインロープと荷重のかかっていないライフライン、この2系統というような書き方になるのですか。

○杉本座長 うんうん。

○事務局 では、その方向で書き方を工夫させていただきたいと思います。

○杉本座長 そうそう。今、言ったみたいに、これは待機冗長と冗長が混在しているのだ。どちらがどちらかわからないけれども、2本あれば同時に故障することはないだろうみたいな話で冗長系を組むのか、こちらは待っているのだと。これを使うのですから、ちょきちょききますから、そうすると、こちらは待っているのだという待機冗長というのと混在している。2本使えば何となく多重系でいいだろうみたいな話になっているので、そこを整理すれば非常にいい内容になると思うのですね。

 では、これはよろしくお願いいたします。

○事務局 はい。

○杉本座長 これは変えていただけると思います。

 それでは、どうでしょうか。どうぞ。

○石原委員 先ほど12ページの「置き型養生材」と「巻き付け型養生材」の写真のところの話がありましたけれども、同じ12ページや他のページの写真を見ますと、他の方法があるようであれば「・・・の例」と記載されていますので、12ページの「置き型養生材の例」「巻き付け型養生材の例」という表現が良いと思います。

○杉本座長 例にすぎないとしても、いろいろ発明して改良してくださいという思いがありますからね。工夫がありますね。こういうものがあることを全然知らなかったというところから始まって、それから広がっていきますからね。「例」ということでいいと思いますけれども、いかがですか。「例」という形でまず出していくという意味で、この写真のところには「例」としたらどうかという案です。

○西田委員 この写真に「例」と。

○石原委員 この写真の表題では、「置き型養生材」と決め付けて書いてあるため、他の方法がないように思えてしまいます。

 他の写真のように、例えば同じページの「ロープの切断防止措置の例」とか、13ページの写真は「ロープの2本使用の例」と書いてありますように、ほかの方法もあるよ、これは一例ですよ、と分かるように、写真の表題を「・・・の例」と記載すると良いと思います。

○事務局 「・・・の例」を入れるということで、あくまでも一例であると。

○石原委員 「・・・の例」と書き入れることで、方法はこれだけではないですよ、他の方法もありますよ、ということになると思います。この報告書の他の写真の表題を見ると、すべてそういう表現になっていますので、その方が良いかなと思いました。

○西田委員 確かに。

○杉本座長 そうですね。

あとはどうですか。

では、(3)は終わりまして、(4)に移ります。

15ページの「(4)作業者に対する安全衛生教育」について御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。

教育は非常に重要だと思いますね。教育をきちんと行うことができないのだったら、この作業は相当危険になってしまうでしょうね。

それから、この法律を受けて、それぞれの分野、例えば今の斜面の分野ではこうやっているのだ、あるいはビルメンのほうはこうやっているのだということで、具体的に自分たちに合ったものが改めてつくられて、実行上のあることが教育されていくのではないかと想像しているのです。

あるいは質問をちゅうちょしたところがありましたら、前に戻っても結構です。予定より早く進行していますので。どうぞ。

○清水委員 15ページの(4)の一番下の「用具等の点検」の中には廃棄基準も含んでいるのですね。

○杉本座長 それはいかがですか。

○西田委員 こういうことが点検の結果、確認されたら、廃棄しますよということを含めているのだというふうに解釈していますけれども。

○清水委員 はい。

○杉本座長 基本的に廃棄基準はどうやって決めていくのですか。

○西田委員 やはり目視、触手(手で直接触って確認すること)ですね。

○杉本座長 これが基準だという相当徹底した決め方で決めていくのでしょうね。

○西田委員 そうですね。国産品は何年という決め方をしているのが多いのですけれども、輸入品は何年という決め方をしていないですね。

○杉本座長 国際規格を担当して感じましたのは、メーカーさんは、10年もちますみたいな安易なところで言うのですね。だけど、決めるのはユーザーですから、ユーザーが集まって、何年にしようよという標準化をすることが重要なのですね。決めたのは私たちだと。メーカーが大分もちますよぐらいのことを言っても、やはりシビアに考えて、みんなで廃棄基準を決める。1人で決めてしまうと得してしまうからね。だから、廃棄基準みたいなやつはみんなで集まって決めるのですね。それを標準化するのです。

最近のメーカーさんは非常に耐久性のあるものをつくってきたとなったら、その情報を交換しながら、みんなで標準化を上げていくのです。標準化するということの意味があるのです。だから、事故を防ぐ前に、みんなでちゃんと取り決めてやろうよというところ、公平なのだよということ。エクイティー法、そういう考え方でいこうではないかということがありますので。

○西田委員 ただ、一概に1年とか2年とか言っても、使われた方が結構違っていたりもしますので。

○杉本座長 決め方を標準化するのです。どうやって決めようかと。勝手に決めないでいこうというのをやるのですね。それで起こったときには、これはインジュリーでなくてアクシデントにしましょうと。

アメリカではインジュリーという事故とアクシデントという事故を物すごく気にするのです。全然違うのです。何億円違うのです。It was only an accident、アクシデントですよという判決をしたのと、これはインジュリーですと言ったものでは、びっくりするぐらい違うのだね。

これはアクシデントにしましょうよというのをやるためには、みんなで集まって、それだったらアクシデントではないよ、いや、ここまで行けばもうアクシデントでしょみたいな話で決めていって、それでみんな進歩させましょうというか、PDCAを回しましょうというふうになります。

だから、国際規格から言うと、安全だけは抜け駆けはいかぬというので、公平にやりましょうと。アクシデントですから、最後は事故が起こるのだからね。起こるのだったら、みんなで公平に最高のことをやったのだから、みんなで責め合うのはよしましょう、保険屋さんにお願いしましょうというか、そういう精神なのですね。びっくりします。そういうところで割り切りますね。

そんなことに法律が利用されればね。一番厳しいところを詰めておいて、さらにそれを運用するためには、自分たちに合ったものをさらにちょっと厳しくしていくのですね。そうすると、アクシデントになる。

 前のほうに戻って構いませんけれども、何かございませんでしょうか。

私は、指揮者という存在がポイントだと思いますね。指揮者と作業者の多重系ですね。権威を持っているのは指揮者ですから、役目としては指揮者のほうがライフラインになるわけです。だけど、指揮者が急げよ、急げよ、もっと早くやれみたいな話を言うのと、指揮者が俺の目の黒いうちはこんなのはだめだというふうに言うかで、安全性が全然変わってくるのではないかと思うのです。だから、2人までにして確認するというのはなかなか厳しいかなと思いますけれども、指揮者の権威で安全を守れるなというふうに思いますね。

どうですか。何か御意見がございましたら。

指揮者と作業者の2人で仕事をするというのと、1人でいいのだよというのでは、このシステムは全く安全性が変わってくるのではないかと思うのだね。現場と仕事の条件で指揮者抜きの1人しかできないという時に、人単に半分になるということでなく、安全確認の大権威を失うわけですからね。たとえ事故が起こらないとしても、本当のシステムで安全がつくられているかどうか。偶然に事故が起こらないだけで、偶然は長くは続かない。この辺はいかがですか。ちょっと心配しているのです。

必ず指揮者がいて、2人のうち1人が確認する役目だというのは、なかなか適用できないという場面があるかもしれないけれども、これだけはだめだとはっきり言う。ブランコ作業というのは、これが指揮者の安全確認が最後の砦、ヒューズ構造になっているのだよというのをきちんと押さえたら、人間の待機冗長系の決定的な役目、俺が後ろに待っている、目の黒い俺が待っているのだからということになって、本当の多重系が常にあって、安全がこれに支えられるのではないかなと思う。

何かあったときでも、事故というのはこうやって防ぐのだということの最後の守り役は、指揮者の責任感ではないかなと思うのです。それがないと、どうしても業務上過失に対する言い訳が立たない。これはインジュリーで、It was an accident、アクシデントですよとなかなか言えなくなってしまうなと思って心配しております。

論議を吹っかけているのだけれども、どうですか。

 では、「4 おわりに」になりますが、これは前回と同じように「一定の結論を得た」と記載されておりますけれども、本日の議論を踏まえる方向で取りまとめることとしておりますが、いかがでしょうか。16ページになります。これでうまくまとまったということは。

○西田委員 きょう、宿題みたいになっているのは、5ページの「身体を支えているロープを2系統確保すれば、1系統に不具合が生じたとしても、残る1系統により身体の保持を確保することができる」という文章を変更するというところが宿題みたいになってしまっているということですか。

○事務局 今、お伺いした中であったのは、今、西田委員がおっしゃった、3の(1)の「ア 安全対策の多重化」の中の記載を修正するという点。それから石原委員から御指摘いただいた12ページの「ロープの切断防止措置」の「置き型養生材」「巻き付け型養生材」となっているところを「の例」というふうに修正をかける。その2点だと認識しておりますけれども、それでよろしいですか。

○西田委員 はい。僕もそのように理解しています。

では、それは後日メールか何かで御連絡いただいてという格好になるのですか。

○事務局 修正して、最終的にはどういう形でまとめるかということになろうかと思います。修正しまして、またメールで皆様方にも御確認いただく。微修正でございますので、お忙しい皆様にあえて集まっていただかなくてもよろしいということであれば、座長とも相談しながら修正をさせていただいて、皆様方にメールで御報告させていただくということでよろしいでしょうか。

○西田委員 それがよいと思います。

○杉本座長 そういうことで、意見を皆さんにいただいたということで、残りの仕事をお願いいたします。

以上で報告書(案)を一通り検討いたしました。

本日の議論で御意見等が出て、修正する部分がありますが、御多忙中の皆さんに再度集まっていただくことではないと思いますので、もしよければ、事務局で修正したものを座長が確認して、皆さんにメールで御連絡するということで御了解をいただければと思います。

 それでは、これで事務局に戻していいですか。

○事務局 はい。

○杉本座長 では、よろしくお願いいたします。

○事務局 最後になりますので、事務局を代表いたしまして安全対策指導業務分析官の一瀬から一言御挨拶を申し上げます。

○一瀬安全対策指導業務分析官 昨年の10月から4回にわたりまして、お忙しい中を検討会に御参加いただき、熱心に御検討いただきましてありがとうございました。

 若干報告書の修正がございますけれども、この報告書を踏まえまして省令の改正の作業を進めてまいりたいと思います。

また、法令だけでなくて、それ以外の部分でも御提言をいただいておりますので、関係する団体などとも連携しながら対策を進めていきたいと思っております。

報告書にもありますように、ブランコ作業では6年間でビルメンテナンス、建設業合わせて27名の方が亡くなって、非常に大きな課題でございますので、着実に対策を進めてまいりたいと思います。

半年近くにわたりまして御検討いただきました。改めてお礼を申し上げまして、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○事務局 それでは、以上をもちまして終了したいと思います。

○杉本座長 どうもお疲れさまでした。御協力ありがとうございました。


(了)

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