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2014年2月21日 第97回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

職業安定局

○日時

平成26年2月21日(金)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館厚生労働省省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

(1)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱について(諮問)
(2)雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3)雇用政策基本方針の改正について

○議事

○阿部分科会長 おはようございます。定刻になりましたので、ただ今から、第 97 回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催します。本日の委員の出欠状況です。公益代表の岩村委員、太田委員、玄田委員、労働者代表の勝野委員、中島委員、使用者代表の河本委員、田沼委員、深井委員、深澤委員が御欠席です。なお、宮本委員は間もなく御到着ではないかと思います。

 それでは、議事に入りたいと思います。最初の議題ですが、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱について」です。本件については、平成 26 1 29 日付で労働政策審議会会長より、厚生労働大臣宛に行われた建議に沿って作成され、本日付で厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛諮問を受けております。では、事務局から説明をお願いします。

○派遣・請負労働企画官 おはようございます。議題 1 について御説明します。資料はお手元の資料No. 1 と参考資料 1 2 を御参照ください。ただ今、分科会長よりお話がありましたように、本年 1 29 日付けで労働政策審議会会長から厚生労働大臣宛に行われた建議については参考資料 1 に付けています。 2 についてはこの建議の中身の内容をポンチ絵として付けていますので、御参照ください。

 資料No. 1 です。 1 枚目が、本日付けで厚生労働大臣より労働政策審議会宛に、貴会の意見を求めるという形で諮問が行われました。諮問が行われた内容が次ページ以降に付いている要綱です。読み上げをして御説明に代えさせていただきます。

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改 正する法律案要綱

 第一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正

 一 特定労働者派遣事業の廃止

 一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の区分を廃止し、労働者派遣事業を全て許可制とすること。

 二 労働者派遣事業の許可の基準

 労働者派遣事業の許可の基準として、申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであることを追加するものとすること。

 三 労働者派遣契約の内容

 労働者派遣契約の当事者は、当該労働者派遣契約の締結に際し、派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称及び所在地その他派遣就業の場所に加え、組織単位 ( 労働者の配置の区分であって、配置された労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が当該労働者の業務の配分に関して直接の権限を有するものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。 ) についても定めなければならないものとすること。

 四 就業条件等の明示

 派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするとき ( 八の 1 ( ) から ( ) までのいずれかに該当する場合を除く。 ) は、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、次の事項についても明示しなければならないものとすること。

( )  当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所における組織単位の業務について派遣元事業主が六の 2 に抵触することとなる最初の日

( )  当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所の業務について派遣先が八の 1 に抵触することとなる最初の日

 五 派遣先への通知

1  派遣元事業主は、労働者派遣をするときは、当該労働者派遣に係る派遣労働者が八の 1 ( ) の厚生労働省令で定める者であるか否かの別についても派遣先に通知しなければならないものとすること。

2  派遣元事業主は、派遣先に通知をした後に当該労働者派遣に係る派遣労働者に関する健康保険法第三十九条第一項の規定による被保険者の資格の取得の確認の有無に関する事項等に変更があったときについても、遅滞なく、その旨を当該派遣先に通知しなければならないものとすること。

 六 労働者派遣の期間

1  派遣元事業主が、労働者派遣の期間制限に抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行わない旨を派遣先及び派遣労働者に対し通知しなければならないこととしている規定を削除すること。

2  派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣 ( 八の 1 ( ) から ( ) までのいずれかに該当するものを除く。 ) を行ってはならないものとすること。

 七 特定有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等

1  派遣元事業主は、その雇用する有期雇用派遣労働者であって派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して一年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるもの ( 以下「特定有期雇用派遣労働者」という。 ) その他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるもの又は派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であった者であって雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるもの ( 以下「特定有期雇用派遣労働者等」という。 ) に対し、次のいずれかの措置を講ずるように努めなければならないものとすること。

( )  派遣労働者として就業させることができるように就業の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。

( )  派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。

( ) ( ) 及び ( ) のほか、特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であって雇用の安定に特に資すると認められるものとして厚生労働省令で定めるものその他の雇用の安定を図るために必要な措置として厚生労働省令で定めるものを講ずること。

2  派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して三年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある特定有期雇用派遣労働者に対し、 1 ( ) から ( ) までのいずれかの措置を講じなければならないものとすること。

3  厚生労働大臣は、 2 に違反した派遣元事業主に対し、指導又は助言した場合において、当該派遣元事業主がなお 2 に違反したときは、当該派遣元事業主に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができるものとすること。

4  労働者派遣事業の許可の取消し事由として、 3 の指示を受けたにもかかわらず、なお 2 に違反したときを追加するものとすること。

 八 労働者派遣の役務の提供を受ける期間

1  派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの業務について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものとすること。ただし、当該労働者派遣が次のいずれかに該当するものであるときは、この限りでないものとすること。

( )  無期雇用派遣労働者に係る労働者派遣

( )  雇用の機会の確保が特に困難である派遣労働者であってその雇用の継続等を図る必要があると認められるものとして厚生労働省令で定める者に係る労働者派遣

( )  事業の開始等のための業務であって一定の期間内に完了することが予定されている業務等に係る労働者派遣

( )  当該派遣先に雇用される労働者が労働基準法第六十五条第一項及び第二項の規定により休業する場合等における当該労働者の業務に係る労働者派遣

2 1 の派遣可能期間は、三年とするものとすること。

3  派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの業務について、派遣元事業主から三年を超える期間継続して労働者派遣 (1 ( ) から ( ) までのいずれかに該当するものを除く。 ) の役務の提供を受けようとするときは、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの業務に係る労働者派遣の役務の提供が開始された日以後当該事業所その他派遣就業の場所ごとの業務について 1 に抵触することとなる最初の日の一月前の日までの間 (4 において「意見聴取期間」という。 ) に、三年を限り、派遣可能期間を延長することができるものとすること。当該延長に係る期間が経過した場合において、これを更に延長しようとするときも、同様とするものとすること。

4  派遣先は、派遣可能期間を延長しようとするときは、意見聴取期間に、厚生労働省令で定めるところにより、当該派遣先の事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、当該過半数組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならないものとすること。

5  派遣先は、派遣可能期間を延長したときは、速やかに、 4 の過半数組合等に対し、派遣可能期間を延長した理由その他の厚生労働省令で定める事項について説明しなければならないものとすること。

6  派遣先は、派遣可能期間を延長したときは、速やかに、派遣元事業主に対し、当該事業所その他派遣就業の場所ごとの業務について 1 に抵触することとなる最初の日を通知しなければならないものとすること。

7  厚生労働大臣は、 1 ( ) の厚生労働省令の制定又は改廃をしようとするときも、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならないものとすること。

8  派遣先は、派遣可能期間が延長された場合において、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、派遣元事業主から三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣 (1 ( ) から ( ) までのいずれかに該当するものを除く。 ) の役務の提供を受けてはならないものとすること。

9  厚生労働大臣は、派遣先が 1 4 5 若しくは 8 に違反しているとき、又はこれらに違反して指導若しくは助言を受けたにもかかわらずなおこれらに違反するおそれがあると認めるときについても、当該派遣先に対し、必要な措置等をとるべきことを勧告することができるものとすること。

10  厚生労働大臣は、 9 の勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができるものとすること。

 九 特定有期雇用派遣労働者の雇用の推進

 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して一年以上の期間同一の特定有期雇用派遣労働者に係る労働者派遣 ( 八の 1 ( ) から ( ) までのいずれかに該当するものを除く。 ) の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該業務に労働者を従事させるため労働者を雇い入れようとするときは、当該業務に従事した特定有期雇用派遣労働者 ( 継続して就業することを希望する者として厚生労働省令で定めるものに限る。 ) を、遅滞なく、雇い入れるように努めなければならないものとすること。

 十 派遣先に雇用される労働者の募集に係る事項の周知

1  派遣先は、当該派遣先の同一の事業所その他派遣就業の場所において派遣元事業主から一年以上の期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けている場合において、当該事業所その他派遣就業の場所において労働に従事する通常の労働者の募集を行うときは、当該募集する労働者が従事すべき業務の内容等を当該派遣労働者に周知しなければならないものとすること。

2  派遣先は、当該派遣先の同一の事業所その他派遣就業の場所において労働に従事する労働者の募集を行うときは、当該事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して三年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある特定有期雇用派遣労働者 ( 継続して就業することを希望する者として厚生労働省令で定めるものに限る。 ) に対し、当該募集する労働者が従事すべき業務の内容等を当該派遣労働者に周知しなければならないものとすること。

 十一 段階的かつ体系的な教育訓練等

1  派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならないものとすること。この場合において、当該派遣労働者が無期雇用派遣労働者であるときは、当該無期雇用派遣労働者がその職業生活の全期間を通じてその有する能力を有効に発揮できるように配慮しなければならないものとすること。

2  派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の求めに応じ、当該派遣労働者の職業生活の設計に関し、相談の機会の確保その他の援助を行わなければならないものとすること。

 十二 直接雇用の推進

 派遣元事業主がその雇用する派遣労働者等の雇用の安定を図るために講ずるよう努めることとされている措置として、派遣労働者以外の労働者としての就業の機会を確保することが含まれることを明記するものとすること。

 十三 待遇に関する事項等の説明

 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあったときは、均衡を考慮した待遇の確保のため配慮すべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該派遣労働者に説明しなければならないものとすること。

 十四 派遣先における適正な派遣就業の確保等

1  派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣労働者を雇用する派遣元事業主からの求めに応じ、当該派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する労働者が従事する業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練については、厚生労働省令で定める場合を除き、派遣労働者に対しても実施するよう配慮しなければならないものとすること。

2  派遣先は、当該派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対しても、利用の機会を与えるよう配慮しなければならないものとすること。

3  派遣先は、派遣元事業主により派遣労働者の賃金が適切に決定されるようにするため、派遣元事業主の求めに応じ、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する当該派遣先の労働者の賃金水準に関する情報を提供することその他の厚生労働省令で定める措置を講ずるよう配慮しなければならないものとすること。

4 3 のほか、派遣先は、十一の措置等が適切に講じられるようにするため、派遣元事業主の求めに応じ、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者の業務の遂行の状況その他の情報であって当該措置に必要なものを提供する等必要な協力をするよう努めなければならないものとすること。

 十五 派遣元責任者

1  派遣元責任者の要件に、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有する者として厚生労働省令で定める基準に適合するものであることを追加するものとすること。

2  派遣元責任者の職務に、派遣労働者についての教育訓練の実施及び職業生活の設計に関する相談の機会の確保に関することを行うことを追加するものとすること。

 十六 派遣元管理台帳及び派遣先管理台帳

 次の事項を、派遣元管理台帳及び派遣先管理台帳の記載事項に追加するものとすること。

( )  無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別

( )  八の 1 ( ) の厚生労働省令で定める者であるか否かの別

( )  教育訓練 ( 厚生労働省令で定めるものに限る。 ) を行った日時及び内容

 十七 事業主団体等の責務

1  派遣元事業主を直接又は間接の構成員とする団体は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等が図られるよう、構成員に対し、必要な助言、協力その他の援助を行うように努めなければならないものとすること。

2  国は、事業主団体に対し、派遣元事業主の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関し必要な助言及び協力を行うよう努めるものとすること。

 十八 その他

 六の 2 に違反した者に対し所要の罰則を科すこと、労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、あらかじめ、派遣元事業主に対し派遣先の事業所その他派遣就業の場所の業務について八の 1 に抵触することとなる最初の日を通知することその他所要の規定の整備を行うものとすること。

 第二 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正

 一 労働契約申込みみなし制度

 労働者派遣の役務の提供を受ける者が次のいずれかに該当する行為を行った場合についても、労働契約の申込みをしたものとみなすものとすること。

( )  第一の八の 1 に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること ( 同八の 4 の意見の聴取の手続のうち厚生労働省令で定めるものが行われないことにより同八の 1 に違反することとなったときを除く。 )

( )  第一の八の 8 に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること。

 二 その他所要の規定の整備を行うこと。

 第三 その他

 一 施行期日

 この法律は、一部の規定を除き、平成二十七年四月一日から施行するものとすること。

 二 特定労働者派遣事業に関する経過措置

 この法律の施行の際現に特定労働者派遣事業を行っている者は、施行日から起算して三年を経過する日までの間は、第一の一にかかわらず、引き続きその事業の派遣労働者 ( 業として行われる労働者派遣の対象となるものに限る。 ) が常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業を行うことができるものとすること。

 三 同一の派遣労働者に係る労働者派遣期間の制限に関する経過措置

 第一の六の 2 及び八の 8 は、施行日以後に締結される労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣について適用するものとすること。

 四 同一の派遣先の事業所その他派遣就業の場所に係る派遣可能期間の制限に関する経過措置

 第一の八の 1 は、施行日以後に締結される労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣について適用し、施行日前に締結された労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣については、なお従前の例によるものとすること。

 五 経過措置等

 二から四までのほか、この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律について所要の規定の整備を行うこと。

 以上です。

○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、本件について、御質問、御意見がありましたら御発言ください。

○新谷委員 今、要綱の内容を御説明いただきましたが、具体的な論議は労働力需給制度部会において行うということでよろしいのですか。  

○需給調整事業課長 具体的な論議は需給部会のほうで議論させていただきたいと考えています。

○阿部分科会長 よろしいでしょうか。ほかにはありませんでしょうか。特にないようでしたら、本件については、本日の議論を踏まえ、具体的な内容については、今ありましたように、当分科会の「労働力需給制度部会」で御審議をいただくことが適当かと考えますので、そのように取り計らうこととしてよろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 では、次の議題に移ります。次の議題は、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省例案要綱について」です。本件については、本日付で厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛諮問を受けています。事務局から説明をお願いします。

○雇用開発課長 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について御説明します。資料No. 2-1 、今回お諮りする省令改正案の要綱を示しております。 2 枚目が諮問文の本文です。 3 枚目以降が省令案要綱の内容で、その第一に「労働移動支援助成金制度の改正」の内容について示しております。次のページの第二に「キャリアアップ助成金制度の改正」、さらに 4 ページの第三に「キャリア形成促進助成金制度の改正」の内容について示しております。第二の後半部分の二及び第三については、来週に予定している職業能力開発分科会で御審議いただくことになっております。

 次に資料No. 2-2 、今回の省令改正の趣旨について 1 に示しております。昨年末に閣議決定された経済対策に基づいて、平成 25 年度補正予算が編成されて、今月 6 日に国会で可決、成立しております。この中で雇用関係助成金の拡充が盛り込まれていることから、その施行に必要となる省令について所要の改正を行うものです。改正の具体的内容については資料 2 ページと 3 ページを使い御説明いたします。

 労働移動支援助成金の拡充は、昨年 6 月に閣議決定された日本再興戦略に掲げられた「失業なき労働移動の実現」を目的とする政策で、平成 26 年予算案として 301 億円、平成 25 年度の補正予算としては 4 億円を計上しております。図の左側の「送り出し企業」とある所が事業規模の縮小等により離職者の発生を余儀なくされた企業を意味しており、この離職者を図の右側にある受入れ企業に円滑に移動させることが、この助成金の目的になります。

 事業主は事業再編・事業縮小により離職者を発生させる場合、雇用対策法に基づきその離職者に対して、再就職支援をするという努力義務が課されております。 1 か月に 30 人以上離職するような場合は、その再就職支援の内容を再就職援助計画に記載して、ハローワークへ提出して認定を受ける必要があります。労働移動支援助成金のうち再就職支援奨励金の部分は、送り出し企業がこの再就職支援の努力義務を果たすために、再就職支援会社に再就職支援を委託した場合の経費の一部、あるいは就職活動のために特別な有給休暇を離職者、離職予定者に与える場合の賃金の一部を助成するものです。この度その要件を拡充して、平成 26 年度当初予算案で 85 億円を計上しております。

 またこの度の拡充において、再就職支援奨励金のほかに送り出し企業からの離職者を雇い入れたり、あるいは移籍によって受け入れたりで御本人に訓練を施すことがあった受入れ企業に対しても、新たに受入れ人材育成支援奨励金を支給することとして、平成 26 年度当初予算で 216 億円を計上しております。労働移動支援助成金の全体のスキームは以上のとおりですが、その具体的な拡充内容については 3 ページです。

 まず、送り出し企業に対する再就職支援奨励金です。支給対象の事業主としては、現行では中小企業のみを対象としていましたが、これを大企業にも拡大するとしております。また支給段階としては現行では就職実現時の成功報酬のみでしたが、制度利用のインセンティブを高める観点から、支援委託時においても 10 万円の定額を前倒しで支給したいと考えております。なおこの 10 万円の支給のためには事業主と再就職支援会社との間で再就職支援の実施を図る契約を締結して、事業主がその経費の全額を支払った後に支給申請していただき、支給する形になるので、単なる計画の作成だけでは支給にならないことを申し添えたいと思います。また支給額は現行では委託費用の 2 分の 1 45 歳以上で 3 分の 2 でしたが、これを大企業で 2 分の 1 3 分の 2 、中小企業で 3 分の 2 5 分の 4 と拡充をしております。また※ですが、現行では離職後 2 か月以内、 45 歳以上の場合は 5 か月以内に再就職した場合を対象としておりましたが、現実問題として再就職には半年以上必要とする場合もありますから、これを離職後 6 か月以内、 9 か月以内に実現した場合にということで、要件を付け加えております。支給の上限額についても記載のとおりです。

 次に 2 番です。再就職支援の一部として対象者に対する訓練を盛り込んだ場合、再就職を実現した時点で 1 1 か月 6 万円を上乗せする。それから複数の対象者相互の意見交換、情報交換などを行って、グループワークを遂行した場合には、 1 万円を上乗せするとしております。

 さらに 3 番、離職者が離職前から就職活動をしやすくするよう御本人に特別な有給休暇を与えた場合に、再就職を実現した時点で休暇 1 日当たり 4,000 円、中小企業は 7,000 円を支給したいと考えております。なお、これに関しては、休暇付与の対象者が民間の再就職支援会社による支援の委託対象者でなくても、支給対象になり得るものです。

 続いて受入れ企業に対する受入れ人材育成支援奨励金の創設です。この奨励金は再就職援助計画の対象となった離職者を雇い入れた場合、あるいは送り出し企業と受入れ企業の間の契約に基づいて、労働者を移籍の形で受け入れた場合。あるいは当初は在職出向であったが、その後本人の能力を見極めて移籍に切り替えた場合、御本人に対して訓練を行っていこうという事業主に対して支給するものです。支給額は OFF-JT の場合は 1 時間当たり 800 円、それから 30 万円を上限とした訓練経費。 OJT の場合は 1 時間当たり 700 円です。

 以上が労働移動支援助成金の拡充についての御説明です。

 続いてキャリアアップ助成金の拡充について御説明いたします。資料 4 ページです。キャリアアップ助成金については、有期契約労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用労働者の企業内のキャリアアップを促進するため、正規雇用転換や人材育成、処遇改善等の取組みを実施した事業主に対して助成するものです。今回の改正による拡充については、表の「正規雇用等転換」を行った場合の助成内容です。1の有期契約労働者を正規雇用に転換した場合の支給額について、 1 人当たり現行の 40 万円から 50 万円、大企業の場合は 30 万円から 40 万円に引き上げるものです。3の無期契約労働者を正規雇用に転換した場合の支給額については、現行の 20 万円から 30 万円、大企業については 15 万円から 25 万円に引き上げるものです。併せて正規雇用に転換した場合に助成上限人数を現行の 10 人に最大 5 人を上乗せするとともに、特に派遣労働者を正規雇用で直接雇用する場合には 1 人当たり 10 万円を加算する措置を新設しております。

 次に表の上から 3 段目、「処遇改善」を行った場合の助成内容です。全ての有期契約労働者等について基本給の賃金テーブルを改定して、一定割合以上増額させた場合の助成措置です。現行は 3 %以上増額させた場合という要件がありますが、これを 2 %以上ということで緩和することとし、更に「職務評価」の手法を活用した場合の上乗せ金額を現行の 10 万円から 20 万円、大企業は 7 5,000 円から 15 万円に引き上げるとしております。

 また表の上から 5 段目、「短時間正社員」について、転換したあるいは雇入れした場合の助成内容は、有期契約労働者等を短時間正社員に転換した場合の支給額を 1 人当たり現行の 20 万円から 30 万円、大企業は 15 万円から 25 万円に引き上げるとしております。なお表の上から 2 段目、「人材育成」の項目及び次の 5 ページの「キャリアアップ形成促進助成金」の拡充については、職業能力開発分科会で御審議いただく内容となっております。以上がキャリアアップ助成金の拡充内容です。ただ今御説明したものは全て平成 27 年度中、即ち平成 28 3 31 日までの時限措置になっております。

 以上、雇用関係助成金の拡充に係る雇用保険法施行規則の改正について、本日御審議いただいた内容を踏まえて、今月末の 28 日に公布、翌 3 1 日付けで施行したいと考えております。説明は以上です。よろしくお願い申し上げます。

○阿部分科会長 それでは本件について御質問、御意見がございましたら御発言ください。

○住野委員 労働移動支援助成金の拡充に関して、労働者の同意について質問したいと思います。日本再興戦略に掲げられたこの労働移動支援助成金の拡充については、これまでも労働側として幾度となく懸念を表明いたしました。取り分け大企業も助成の対象とすることによって、企業の安易なリストラを助長することにはならないかといったこともこれまで発言いたしました。特に慎重に検討すべき旨も何度も指摘したわけですけれども、まず 2 点質問したいと思います。

1 つは、本助成金の支給に当たっては、その前段で、企業が作成した再就職援助計画を公共職業安定所長が認定することになっておりますが、この認定要件に労働移動の対象となる労働者全員の同意は含まれているのかというのが 1 つ目です。 2 つ目は、労働者の同意が認定要件になっている場合でも、事業主や民間人材ビジネスが労働者に同意を強要していないかどうかのチェックが働く仕組みになっているのかを確認しておきたいと思います。

○雇用開発課長 労働移動支援助成金の支給については、再就職援助契約計画を作成して、それをハローワークに提出して、認定を受けるという手続があります。その認定手続の中で労働組合の合意が 1 つの条件になっており、リストラに至る過程等々について組合の理解を得られないようなものについては、支給対象にならないという基本的な仕組みがあります。その中で個々の A さん、 B さんの同意まで取るという仕組みにはなっておりませんが、総括的に労働組合の合意の形を取るようになっております。

 労働者に対して退職を強要することの御懸念ですが、再就職支援会社が、労使で解雇が決定する前に、本人に、解雇に応じろ、退職に応じろというような働きかけをするということになった場合は、再就職支援会社は解雇された人の再就職支援が本務ですので、それは少し行きすぎではないかと私どもは考えております。そこまでやった再就職会社に助成金が間接的にも流れることは、なかなか国民的にも御理解を得られないのではないかと考えております。そこをガードするための 1 つの方法として、離職者御本人に再就職支援会社から解雇通告のあった前に退職の働きかけがなかったという本人証明を取って、それを手続に添付するという手続をしておりますので、これによって御懸念のようなことにはならないと考えております。

○阿部分科会長 よろしいでしょうか。

○住野委員 はい、ありがとうございます。

○阿部分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○林委員 同じく労働移動支援助成金の拡充案のうち、再就職支援奨励金の拡充について、その助成金の扱いと認定要件について 2 点質問いたします。まず、前々回の当分科会で労働移動支援型の政策に特化するのではなく、雇用調整助成金による雇用維持機能の重要性について指摘をいたしました。この場においても、改めてこの重要性については確認をしたいと思います。その上で、この労働移動支援助成金について更に確認したいと思います。まず、今回新たに職業紹介事業者に再就職に係る支援を委託した時点で 1 人につき 10 万円を助成するとあります。括弧書きの中に実際に委託費用の支払いを終えていることが要件とありますが、この中身について少し細かい確認です。例えば、再就職実現後に支払う金額は当然この 10 万円を大きく上回る金額だろうと思いますが、委託した時点での手付金というか、企業がこの業者に当初支払う金額が 10 万円に満たない場合で、再就職が実現した場合に、全額を払いますという契約の場合には、どの時点でこの 10 万円が支払われるのか。またその場合には支援委託時にはこの 10 万円というものは発生しないのかどうかの確認です。

 もう 1 つは、本助成金が企業の安易なリストラを助長することになりかねないという懸念は付いて回ろうかと思います。当然、この助成金を利用するに当たっては、労働者を解雇しないために、企業は最大限の努力をしておかなければならないということだろうと思います。例えば、先ほど申し上げた雇用調整助成金を利用することもその 1 つであろうかと思います。この点からも助成金の認定要件をどうするのかは、非常に重要なポイントではないかと思います。例えば、毎年黒字を出し続けている企業など、経済的な事情ではなくて、経済的な事情以外の理由から本助成金の申請を行った場合も認定されることになるのかどうか。再就職援助計画の認定要件のうち、企業が本助成金を申請する理由、経緯に関してどういう要件があるのか。またそのチェック機能があればお教えいただきたいと思います。以上です。

○雇用開発課長 まず、 1 点目の雇用維持政策は以前にも議論になったところであり、労働移動の支援を図るという政策に、雇用維持政策から転換することを申し上げておりますが、雇用維持政策自体を否定して廃止する考えはありませんので、そこのところは依然として守るべきものは守るということについては、繰り返し申し上げておきたいと思います。

 手付金と言われておりますが、委託時に 10 万円を支払うということで、もしもその 10 万円に満たないような金額になった場合に、 10 万円は支払われるのか。分割払いの場合はどうなるのかという話ですが、これは当初の委託契約の時点で全額を確定をさせていただいて、その全額を支払った上で申請をしていただく形になっておりますので、分割払いになってしまった分割の前半部分しか支給対象になりませんので、普通は全額を支払うだろうと。このアウトプレスメント会社の業界においては、契約と同時に全額を支払うというのが慣行になっておりますので、それに沿ったものになっております。仮に委託額が 20 万円未満になると、 2 分の 1 にするという特例を設けております。ということで決して事業主側が過剰な助成を受けることのないように、そこは配慮していきたいと思っております。

 適切でない企業がその助成金の対象になるのではないかという話ですが、まず、再就職支援会社はこの助成金を取り扱う上で、職業安定局長に適正な実施を行うことについて、同意書を出すことになっております。その同意書の中に適正な処理をするということを表明していただく形になるので、それに反するようなことがあれば同意書の取消しになります。そういうことが抑止効果になって、適正な処理が図られるのではないかということが 1 つ考えられます。再就職支援会社も最近は各事業所からパフォーマンスをよく見られるということであり、再就職の実績が高い、低いによりどこの再就職支援会社を選ぶのかも、事業主側が適格に選ぶ形になってきておりますので、不適正な事業所は淘汰される形にもなるかなと思います。

 事前に追い出し部屋をやったり、適当でないリストラの過程があったといった場合には、そういうことがないように労働組合の同意が 1 つの要件になっておりますので、逆に言うと労働組合の合意を得られないようなリストラをした場合は、この助成金の対象にならないので、そういうことを十分に周知をして、また整理解雇の四要件についても十分に周知をして、この制度の適格な運用を図ることで考えていきたいと思っております。

○林委員 確認ですが、同意書は、どなたとどなたの同意書でしょうか。

○雇用開発課長 これは各民間職業紹介事業者から、労働局に提出していただき、宛先は職業安定局長ですが、この助成金の適正な処理をしますということについて同意をしていただく、一種の契約関係になりますが、これをしていただくことになります。これが抑止効果となるのではないかなと思っております。

○阿部分科会長 よろしいですか。

○林委員 はい、分かりました。

○阿部分科会長 では、ほかにいかがですか。

○新谷委員 今のやり取りで何点か教えてほしいのです。度々労働組合の同意が要件になるというお話ですが、残念ながら労働組合の組織率は現在 17.7 %ということで、 8 割以上の職場で労働組合がない中で、対象となる事業場の従業員の同意をどのように取り付けるのかというところをもう少し教えていただけませんか。

○雇用開発課長 この労働組合がある場合は、当然その労働組合の代表の方の署名をいただくことになりますし、労働組合のない場合については労働者を代表する方を選任いただいて、その方の署名をいただく。これについては労働組合との合意といういろいろな手続がありますが、それと同様の並びの手続になろうかと思います。

○新谷委員 従業員の同意を取りつける際に、過半数代表という仕組みをお使いになると思うのですが、その過半数代表の選出の問題も厚生労働省のシンクタンクである JILPT の研究報告でも度々出てきている問題であり、 4 割近くが不適切、要するに法が求める適切な選出手続を踏んでいないわけです。過半数代表者を使用者が指名する、管理職がなる、社員会の代表が自動的に横すべりするなどの実態がある中で、労働組合の同意またはそれに準ずる過半数代表者の同意ということですが、その選出手続についても要件として課しているのでしょうか。

○雇用開発課長 選出手続というか、どういった形で代表者を選んで署名がなされていますかということは、現場の労働局の窓口で確認することにはしております。

○新谷委員 重要なポイントだと思います。この労働移動支援助成金の拡充により、巨額な金が流れていくわけですが、この労働移動に関しては、新聞を賑わしたように、無理やり企業から追い出してしまうというケースが幾つもあり、労働組合があってもなくてもそういう実態があるわけです。特に労働組合のない所は今言ったように、過半数代表という非常に形骸化した制度を利用することになりますので、助成金の拡充に当たっては、集団的な同意をどのように取り付けたのかについて、厳格なチェックをお願いしたいと思います。労働基準法では施行規則 6 条の 2 に手続要件が規定されています。もちろん免罰規定ですので、当然厳格な運用がなされているわけですが、集団的な同意を適切に取り付けたことがきちんと担保されることが必要だと思います。 300 億円近いお金が流れていくわけですから、当該事業場の労働組合や従業員の意に反した労働移動が行われないように、お願いしたいと思います。関連して、適切な労務管理ができているかどうか。例えばリストラに関して、個別労働紛争が頻発しているような企業、つまり労働移動に関して個別の労働者から労働審判であるとか、労働局へのあっせんの申し入れ、あるいは裁判などが起こっている場合に対しても、この助成金が支払われるのかどうかを確認させてください。

○雇用開発課長 ただいまの要件においては、労働組合あるいは労働者の代表者の合意が 1 つの要件になっておりますので、それがある中で個別個別の労働者で紛争が起きているといった場合にどうするのかという問題ですが、これについては今のところの条件では労働組合全体の合意があれば、支給対象にすることになっております。と申しますのは、できるだけこれは再就職援助計画の対象になった労働者の 1 日も早い再就職を目指すということですので、全体的に企業側、あるいは労働組合で一応合意に達したという部分の方について、助成金の対象にならないといったことになると、かえって不都合、不利益にもなりますので、全体的な利益を考えて、個別労働紛争があったということについては、特段今のところは除外規定にはなっていない状況です。

○新谷委員 この助成金の拡充は、これまでの政府の政策の動きを見たときに、もともとは産業競争力会議の中で、行き過ぎた雇用維持から失業なき労働移動の実現ということで、雇用調整助成金とこの労働移動支援助成金の金額を逆転させるという大きな政策決定があって、それを厚生労働省として渋々、私たちはそのように見えるのですが、渋々受け入れているものと感じるところです。私どもが一番懸念するのが今回の金額の拡充です。今まで一人当たりの上限が 40 万円で最大 300 人ですから、 1 社当たり最高で 1 2,000 万円だったものが、今度は上限を一人当たり 60 万円に引き上げた上で、最大 500 人分を支給するということですから、 1 社当たり 3 億円という金が流れていって、そこでリストラ計画を実行していく。それについて助成をするということなのです。ですから非常に気にするのは、無理やりリストラされてしまいかねないことと、先ほども説明の中にあったように、離職した労働者御本人のスキルなどと関係ないところ、例えばエンジニアだった人を倉庫の仕事に就かせる、介護労働にしかあっせんしないなどといった事例も新聞等で出ています。再就職支援企業にとっては、労働者が何割再就職を実現できたかが企業としてのパフォーマンスなのですが、再就職する御本人にとっては、これまで自分培ってきた職業能力と必ずしも関連のない所にあっせんされるという実例も出てきているわけです。

 厚生労働省が定点調査を行っている転職者の実態調査では、 40 代半ばから 50 代の方の転職の実績を見たときに、転職後の賃金の変化を見ると、中高年層と言われるところは賃金が減少する人が非常に多いのです。だから 1 社あたり 3 億円近い金をつぎ込んで、労働移動を支援するということですが、その結果が雇用の質の劣化を招く可能性が非常に大きいと思っています。雇用の質が劣化しないようにすることは、まさしく厚生労働省としてやるべきことだと思います。官邸主導でこうした動きが出てきたからやるということなのでしょうが、我々にとっては非常に危ない政策と感じますので、適切な運用になるように是非、現場の運用を厳格にやっていただきたいとお願いしておきたいと思います。以上です。

○雇用開発課長 雇用の劣化の話がありましたが、これについて 1 つコメントを申し上げておきたいと思います。雇用の質を評価するに当たり、普通は労働条件、賃金、労働時間等を含めて評価をしていくことが多いかと思います。再就職をした場合に日本の労働市場においては、どうしても賃金が低下してしまう傾向があるわけです。そういう中で、できるだけ賃金が低下しない形の再就職ができることが望ましいと考えています。そのために本人の職業能力がよりアップできるならば、その低下幅を少なくできるでしょうし、場合によっては賃金を上げることができるかもしれないという意味で、訓練の重要性があろうと思っております。そういった意味で労働移動支援助成金にも訓練のメニューを加算的に付け加えております。ほかの産業ポリテクセンターにも訓練のメニューを付け加えるということで、そこの重視をしていきたいということが 1 点です。

 また 1 つは、受入れ企業の拡大と申しますか、受入れ産業の育成も必要なことであり、政府全体で今、成長戦略を着実に進めようとしておりますが、その成果として新しい産業が興り、そこに良質な雇用が生まれるならば、その賃金の、雇用の劣化というものもできるだけ食い止めることができるのではないかと考えているわけです。

 もう 1 つの観点としては、雇用の劣化というか、雇用の質を見るに当たって、本人の満足度、就職満足度といったものも見なければいけないということではないか。いろいろな調査を見ると、就職の満足度は労働条件の高低のみならず、新しい再就職会社で自分の貢力感、どれだけ会社に貢献できて、自分の能力を発揮できるかといったことの要素も無視できないという調査もあるわけです。例えば、大企業中心の人が中小企業へ再就職をして、大企業で培った知識・能力をいかして、再就職先の中小企業の経営を立て直す。今までボーナスをもらえなかった人たちが今日からボーナスをもらえるといった顔を見て、嬉しかったという話があるわけです。そういった場合に賃金がたとえ下がったとしても、それを雇用の劣化と言っていいのか。一元的に賃金が下がるだけでは議論できない側面もあるわけであり、本人それぞれのキャリアを考えて、最適な職場を考えてフィットするような職場にあっせんするといった意味も一方では重要かなと。そういった意味で雇用の質も考えなければいけない。そういった意味で政府全体としてはキャリアアップと申しますか、キャリア・コンサルティングの様々な施策の充実といったものも併せて、これも頑張っていきたいと考えております。全体的には今、申し上げたようなできるだけ賃金の低下がないような訓練といったところで、当面は頑張っていきたいなと考えております。

○阿部分科会長 よろしいですか。いろいろあると思いますが、私も数年前に研究したところでは、移動後に、直後は確かに賃金が下がるケースが多いのですが、数年たって、前の水準まではいかないですが、比較的その企業の同僚、勤続年数、年齢、同等の賃金まではキャッチアップできる。転職による賃金のペナルティはあまり大きくなかったです。数年後にはキャッチアップするというようなことなので、今、事務局から御説明があったように、再就職後の訓練の拡充あるいはキャリア・コンサルティングの拡充といったものは比較的有効になるのではないか。日本経済がどうなるか分かりませんが、確かに仕事がなくなっている職種、業種はもちろんあります。その中で仕事を探すことがむしろ非効率で、だったらもっと新しい仕事に転換していったほうがいいケースもたぶんあると思うのです。この政策がどのような効果をもたらすかは、これから拡充していくわけですから、何年かたってチェックをして、それを我々研究者がやらなければいけないなとは思いますが、その PDCA サイクルを回しながら、どういった政策がより効率的なのか、望ましいのかはこの場でも議論する機会がいつかはあるのではないかと思います。

 そのようにしていきたいと思いますが、ほかに御質問、御意見がございませんでしたら、「概ね妥当」と当分科会はこの厚生労働省案を認めたいと思います。そしてその旨を私から労働政策審議会長に御報告申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○阿部分科会長 それでは報告文案の配布をお願いします。

                                 ( 報告文案配布 )

○阿部分科会長 では、お手元に配布していただいた報告文案により、労働政策審議会会長宛報告することとしてよろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○阿部分科会長 ありがとうございます。それではそのように報告させていただきます。では、次の議題ですが、「雇用政策基本方針の改正について」です。事務局から説明をお願いします。

○雇用政策課長 雇用政策基本方針の改正について御説明いたします。資料No.3-1と資料No.3-2、参考資料 3 と参考資料 4 を御覧ください。基本方針の改正案の内容に入る前に、今回の改正の趣旨について御説明いたします。参考資料 3 を御覧ください。この雇用政策基本方針は、雇用対策法施行規則第 1 条に基づき、雇用対策法第四条第一項各号に掲げる事項について講じようとする施策に関し、その基本となる事項を定めるものです。基本方針は、当面 5 年程度の間の中期的な雇用政策の方向性を示すものです。前回、現行の基本方針を平成 20 年に策定しております。これが制定から 5 年を経過していることなどを踏まえ、今般、雇対法施行規則第一条第二項の規定に基づいて、基本方針の全部を改正しようというものです。

 なお、今回の改正案の御提示に先立ち、平成 25 9 月から阿部先生にも委員に入っていただき、有識者からなる雇用政策研究会を開催しました。そこで、今後 5 年程度の間に重点的に実施すべき雇用政策の方向性について検討していただきました。その結果がこの 2 月に報告書としてまとめられました。報告書の概要を参考資料 4 としてお配りしております。今回の基本方針の改正案の内容については、この研究会報告書を参考にしております。

 改正案の概要が資料No. 3-1 、本文が資料No. 3-2 です。資料No. 3-1 も御覧いただきながら、資料No. 3-2 に沿って説明していきます。「はじめに」の所では、現状認識等を述べております。現下の情勢について、雇用情勢は一部に厳しさが見られるものの改善が進んでいる。一方で少子高齢化に伴う人口減少、グローバル化による産業競争の激化が進んでおります。デフレからの脱却、経済を持続的な成長軌道にのせていくことが喫緊の課題です。こういうことを踏まえ、雇用政策については「成長を支える」ものであることが求められております。

 そのために、人的資本の量的な拡大、また人的資本の質の向上、更には人的資本のポテンシャルの最大活用を実現することが必要である。これによって、労働力供給が減っていく中で、経済成長のボトルネックとなるようなことを回避するということ。併せて、その成長に必要なイノベーションの担い手を育成することを目指すことが必要である。

 一方で、経済成長はそれ自体が目的ということではなく、飽くまで国民にとって良質な雇用を提供することが必要になる。良質な雇用とは、すなわち「公正の確保・安定の確保・多様性の尊重」を満たす雇用機会を保障すること。誰もが仕事を通じた経済的な自立と成長を目指せる雇用社会を実現する政策であることもまた必要である。

 仮に経済成長が達成できず、また労働参加が適切に進まない場合には、 2030 年時点での就業者が 2012 年から 821 万人減少すると見込まれている。ここに出てくる数字は、研究会が行った需給推計を基にしています。参考資料 4 の最後の所にシミュレーションということで詳しい数字を載せてありますので、詳細は後ほどそちらを御覧いただければと思います。

 経済成長と労働参加が進まない場合は 821 万人の減少。一方で、若者・女性・高齢者等の労働市場への参加と経済成長が適切に進む場合では、就業者数が 167 万人の減少にとどまることが、このシミュレーションの結果として見込まれる。この基本方針の役割は、こうした 2030 年までの長期的な経済社会の姿を展望した上で、当面 5 年程度の間に取り組むべき政策の基本的な方向性を明らかにすることです。

 第 1 として、労働市場の将来ビジョンを描いております。ここでは、「内部労働市場」と「外部労働市場」の観点から課題を述べております。内部労働市場については、企業内での人材の長期的な育成と安定的な雇用というのは、今後も重視されるべきということで、過度の雇用維持のための支援策は行うべきではありませんけれども、甚大かつ急激な外的ショックの際の雇用維持のための公的支援は引き続き必要と述べております。ただし、内部労働市場についての課題として、労働者のキャリアの選択や専門性が重視されていないこと。変化が急激であるのに対し、人材の内部育成だけでは間に合わないおそれがある。中高年正社員の過剰感を感じている企業もあるといった課題があります。

 一方、外部労働市場については、事業活動のスピードが速まっていること。労働者の職業生涯の長期化を踏まえると、人材の最適配置を実現するには、企業の枠を超えた外部労働市場を通じた人材の再配置機能の強化が必要になる。その強化のためには、能力開発・能力評価制度の整備、マッチング機能の強化、良質な雇用機会の創出の 3 点が必要です。

 このうち能力開発・能力評価制度とマッチング機能については、これからの労働市場を支える重要な「労働市場インフラ」ということで、その戦略的強化が今後の雇用政策の重要課題と位置付けております。一方で、良質な雇用機会の創出については、産業政策が牽引役となることが期待されるわけですけれども、雇用政策と連携を図っていくことが重要です。

 こういう内部労働市場、外部労働市場それぞれの課題を踏まえた今後のビジョンですけれども、それぞれの企業が内部労働市場と外部労働市場のベスト・ミックスを追求していくことが重要であること。それぞれの企業がベスト・ミックスを追求できるように、雇用政策としては、企業の様々な選択が可能になるような政策が必要ということ。企業に求められる対応として、内部労働市場の在り方と外部労働市場の在り方が密接に関連するということで、外部労働市場と企業内の雇用管理制度との関係付けについても考慮することが求められると記載しております。

 こういう認識を踏まえ、今後の雇用政策の基本方針ということで 2 つの軸を挙げております。 1 つが社会全体での人材の最適配置・最大活用。もう 1 つが、危機意識を持って「全員参加の社会」を実現する。この 2 つが大きな軸となります。この 2 つの軸に沿った雇用政策の基本的な方向性です。 1 つ目が人的資本の質の向上と職業能力の「見える化」です。人的資本の育成ルートの多元化です。具体的には企業内の人材育成の他に、公的職業訓練、民間教育訓練など、能力開発ルートの多元化を進めていく。それぞれについて、それ以降記述しております。

 企業内については、 OJT 、ジョブ・ローテーションといった、これまで我が国の企業が進めてきた人材育成については一層広まることが望まれます。また、 OFF-JT についても更に戦略的に取り組んでいくことが重要。能力開発の点では、非正規・女性といった方についての教育訓練の積極的な実施が必要。キャリア・コンサルティングについても重要。こういうことに対して、企業が自社の従業員のために実施する訓練というのは、一義的には企業の責任ではあるが、必要な場合にはその訓練を行う企業への支援について強化を図っていく。

 一方、企業内の他に個人主導の能力開発へも支援していく。キャリア・コンサルティングの普及を進めていく。中長期的なキャリア形成に資する知識・技能の習得のための経済的支援を進めていく。

 能力開発機会については、民間部門と公共部門が連携をして進めていくということで、民間機関の質の向上を目指す。ものづくり分野については、ポリテクセンター・カレッジにおいて高度な訓練を実施していく。こうした公共と民間の適切な役割分担の下で訓練のベスト・ミックスを目指していく。職業能力の評価については「見える化」を目指していくということで、業界検定などの実践的な能力評価のツールを整備するということで、能力評価の物差しの整備を進めてまいります。また、この「見える化」に役立つジョブ・カードの活用も一層促進をしてまいります。能力評価、教育訓練、キャリア形成支援、マッチングなど様々な制度を統合的に運用していくことも行っていきます。

7 ページで「マッチング機能の強化」です。これについては外部労働市場全体として、様々な機関が連携してマッチング機能の最大化を目指してまいります。その中で、安定所の役割としては、求人情報を他のマッチング機関に提供する、安定所の利用者に対して、他のマッチング機関の情報提供を行うということで、外部市場全体としてのマッチング機能を高めるインフラとしての役割を果たすことを目指していく。民間人材ビジネスについては、ビジネスモデルの開発を支援するなど、環境整備を進めてまいります。加えて、行政と業界団体が連携して業界の質の向上を推進していく。民間人材ビジネスと安定所の連携も、民間人材ビジネスへの事業の委託などを通じ、ノウハウの構築を図ってまいります。地方公共団体と安定所の連携についても、これまで取り組んできた一体的実施、雇用対策協定などにより、更に推進をしてまいります。

8 ページです。ハローワークが労働市場のインフラとしての機能を果たす一方、ハローワーク自身の機能の向上も目指してまいります。ハローワークごとの評価制度の導入、職員の専門性の向上、 IT の活用などを進めてまいります。その他のマッチング機能として、産業雇用安定センターの機能の充実も図ってまいります。失業なき労働移動が今後重要ということで、そのために各種のツールを組み合わせ、一体的な支援を検討してまいります。

8 ページの (2) 「雇用管理」については、企業の中の雇用管理の改善のために、 9 ページに入って、企業の雇用管理に関する啓発・指導を行政としても行ってまいります。また、企業の情報開示を推進するということで、企業の自主的な改善努力を促進してまいります。労使コミュニケーションについては、ここでは労働者による仕事の工夫を引き出すとか、労働者の苦情や不満を解消するといったことで、生産性の向上にも寄与する側面に注目しております。施策としては、企業外の紛争処理の制度について周知を図る、あるいは労働法等について学校段階から効果的な周知を図っていくといったこと。個別の企業の中では解決できない問題については、企業の枠を超えた労使での話合いも重要である。

(3) 「全員参加の社会」の実現に向けてです。これは、各層で必要な支援を進めていくのですけれども、横断的に重要になるのが「全員参加の社会」にふさわしい働き方の構築ということで、 1 つは多様な働き方の構築です。ここでは、非正規の問題を取り上げておりますが、非正規雇用労働者についてはいろいろな方を含んでいるということで、一括りにせず、それぞれの層に応じて適切に対応していくことが重要である。特に不本意非正規の方については、正規雇用への転換に向けた支援を行うこと。必ずしも不本意ではない方についても、希望に応じてキャリアアップを図ることができるような支援を行う。派遣の方については、キャリアアップや直接雇用の推進を図っていくこと。また、「多様な正社員」についても普及・促進を図ってまいります。

 横断的な課題の 2 点目として、「労働時間の問題」があります。恒常的な長時間労働をなくしていくことと、年次有給休暇を円滑に取得できる働き方を実現するということで、社会全体のコンセンサスを形成し、総合的な対策を講じていくことを掲げております。具体的な例として、「働き方・休み方改善指標」といった形で、その企業の取組を促していくことを例として挙げております。

 2以降が各層別の対策です。最初に「若者」を挙げております。若者については、在学中から職場への移行、転職といった各段階での総合的かつ体系的な対策を推進してまいります。そのために教育行政と労働行政の連携強化を図ってまいります。学校段階では、キャリア教育の推進、働く上での基本的な権利を学ぶ機会の提供。学校段階から、ジョブ・カードの活用を含めたキャリア・コンサルティングの充実を図ってまいります。企業選択に資するように、各企業の情報開示も推進してまいります。特にインターンシップが重要ということでインターンシップが円滑にできるような環境の整備も図ってまいります。

 これまでの対策で漏れているかもしれない中退者等についても、安易な無業、フリーター等の選択をしないような取組が必要であると書いてあります。若者の「使い捨て」が疑われる企業については、法違反の是正、パワハラの予防・解決等の取組を進めてまいります。ニートについては、若者サポートステーション等、一層の支援強化を図ってまいります。

 次は「高齢者」です。高齢者については、これから団塊の世代が 65 歳を超えていくということで、ここは「シニアの社会参加モデル」の構築が非常に大きな課題です。雇用も含め、その他の形態も含め、様々な働き方や活躍の場を創造することが重要ということで、企業の業務設計、シルバー人材センター、企業から地域への移行の架け橋となるような取組を進めていくことが重要です。

 次は「女性」です。女性については継続就業、離職後の再就職のどちらも重要と書いてあります。 13 ページで、特に継続・再就業についてですが、継続就業については有期雇用の女性の育児休業の取得について、その周知、代替要員の確保などを支援していくと書いてあります。女性の活躍のためにはポジティブ・アクションを進めていく。特に経済的インセンティブを付与していくと書いてあります。再就職について様々な施策がありますけれども、インターンシップ、トライアル雇用、マザーズハローワークといったものを活用し、総合的な支援措置を講じていくことにしております。

 「男性の働き方」もここで 1 つ項目を設けております。男性の働き方にも多様性・柔軟性を確保し、家事・育児参加を促進していくことを挙げております。

 次は「障害者」についてです。 13 ページから 14 ページに移ります。ここについては雇用施策と福祉施策との連携を図っていくということ。特に精神障害者の求職者が増えているということで、企業に対する支援策の拡充を図ってまいります。企業のみならず、保護者、学校、医療機関などの理解を得ることも重要ということで、関係者への啓発も重要ということで、そういう取組も図ってまいります。

 「様々な事情・困難を抱えた方への対応」ということで、生活保護受給者については、「一体的実施」を活用した就労支援の強化。新たに法律が成立した生活困窮者に関しては、この法律に基づいて就労支援を進めてまいります。一人親家庭についても、就業による自立の支援が必要と。刑務所出所者などへの目配りもしていくと書いてあります。

15 ページは「外国人材」です。この報告書の中では、高度外国人材の受入れ及び定着を支援していくことが重要である。定住者等については、就業推進のための企業の雇用管理の改善等を進めていくこと。外国人技能実習制度については、技能実習制度の適正化を図ることとしております。外国人労働者の受入れの範囲については、労働市場の他に医療・社会保障、教育等国民生活への影響も踏まえ、国民的議論が必要と書いてあります。

(4) 「良質な雇用の創出」です。雇用志向の積極的な産業政策が必要ということで、産業政策と雇用政策の調和を図ってまいります。

 サービス業などの人手不足産業については雇用環境の改善が必要ということで、業界が関係行政機関とも連携しながら主体的に取り組むことが望まれます。そのために雇用政策としても支援を進めてまいります。

 最後に「地域の雇用機会の確保」です。地域における人口減少が懸念されるわけですが、地域雇用政策、地方公共団体の地域づくりに関する方針と調和を図りながら、ハローワーク等を通じて就労支援策を進めてまいります。

 駆け足でしたけれども、以上です。

○阿部分科会長 本件について御質問、御意見がありましたらお願いいたします。高橋委員どうぞ。

○高橋委員 全体としてはよろしいのではないかと思います。 2 点意見というか、質問も含めて申し述べます。 1 点目は、報告書本文の 3 ページから 4 ページにかけて書かれている、「労働市場の将来ビジョン」に関わる記述の所です。そもそも非常に細かい指摘なので余り重要ではないかもしれませんが、 3 「労働市場の将来ビジョン」というのは、 2 ページの下から 4 行目に、第 1 「労働市場の将来ビジョン」とあって、同じものが大項目と小項目とあって、これがそもそも違和感があるのですが、それは抜きにします。通常、「将来ビジョン」というと、将来的な展望だとか、将来的な構想的なものが書かれるべきものだろうと思って読んだのです。

 通常だと、例えば現行の労働市場の構造を前提にして、余り全員参加型社会が進まない場合は、例えば 10 年後、 20 年後の労働市場はこんな姿になってしまうと。しかしながらこの基本方針が目指すところの全員参加型社会が実現すれば、このような労働市場が実現して、それが経済成長をどれだけ押し上げるとか、そうしたものが本来ビジョンと銘打つならば書かれてくるべきものなのではないかと。ところが、 3 ページから読ませていただくと、特にそうしたことは一切なく、取り分け私としては非常に違和感を持ちましたのは、 4 ページの「外部労働市場の活用に向けた職務要件や労働条件の明確化」という所を読むと、いろいろなことが企業に求められる。企業に求めることが将来ビジョンなのかというのがすごい違和感があります。

 取り分けこの中身に更に言及すると、「労働条件の明確化」の所の 2 行目の一番最後の所から「外部からの人材調達を行おうとするポストに関しては、職務要件や労働条件など労働契約内容を精緻化する」というのは、何のことを言っているのかがよく分からないのです。意味が全然よく分からないので教えていただきたいのです。その後にまたコメントしたいと思います。

 また「労働移動の可能性が高い労働者層については、配置・処遇に当たって企業共通的な職業能力の形成や能力に対する適切な評価に配慮する」とありますが、これも「労働移動の可能性が高い労働者層」というのは一体何のことなのか。これを、労働移動の可能性が高くない労働者層とは分けて配置・処遇するということなのか、ちょっと意味が全く分からないので説明していただいた上でコメントしたいと思います。

2 点目は非常にテクニカルな話として、余り重要ではないかもしれませんが、 5 ページに「企業内の人材育成の深化」とあります。 1 段落目は「望まれる」と、 2 段落目の語尾を追っていくと「重要である」「望まれるとともに」「望まれる」と言って、「加えて」と言って「キャリア・コンサルティングの普及を図る」として、最後に「企業が」という形になっています。最後に、キャリア・コンサルティングと、最後の段落の所は政府の雇用政策の所だと思いますけれども、恐らく流れとしては、 1 段落目、 2 段落目の後に最後の段落を持ってきて、 1 段落目と 2 段落目が望まれるので、その企業に対していろいろな支援を行うと。それで「加えて」という形でキャリア・コンサルティングの普及も図るという形に文章の流れを再構成したほうがよろしいのではないかと思いました。以上 2 点です。

○阿部分科会長 事務局からお願いいたします。

○雇用政策課長  2 点目からなのですが、改めて読み直してみると御指摘のとおりかと思います。書いている趣旨としては、最後の「企業への支援について、強化を図る」というのは、企業内の OJT OFF-JT について、行政としても政策として支援をするという趣旨でした。今の順番のままでは分かりにくくなっておりますので、後で精査をさせていただきますが、基本的には御指摘いただいたように、最後の段落を 2 段落目の後に持っていくことで整理が付くのかと思っております。

 最初の御質問なのですが、内容が分からないということでしたので、趣旨を御説明いたします。ここは、外部からの人材調達を行おうとするポストに関して職務要件や労働条件などを精緻化するというのは、研究会の報告をそのまま持ってきている所です。研究会で、どういう流れでこういう話が出てきたかというと、今の企業が外部から求人をして人を採用しようとする場合に、どうも求人の内容でどういう能力を求めているのか、どういう職務のポストに人を求めているのかが必ずしも明らかになっていない。それが中途採用等の障害になっているのではないかということで、こういった職務要件等の明記、精緻化を、精緻化という言葉が適切だったかどうかなのですが、明らかにすることが必要という御指摘を踏まえて書いております。

 また、その次の「労働移動の可能性が高い労働者層については」の所ですが、これも趣旨としては同じなのですが、比較的流動的な、あるいは流動的になることが見込まれる労働者については、能力形成に当たっても労働移動されることも念頭に置いて、これはどこまで企業に求められるかというのはあるのですけれども、そういうことも念頭に置いた能力の形成とか、あるいは培ってきた能力をちゃんと評価をしてあげることが必要ではないかという御指摘があって書いているものです。

○高橋委員 「外部からの人材調達を行おうとするポストに関しては」というのは、中途採用をイメージされているということですか。外部からの人材というのは、広い意味では新卒採用だって外部からの人材調達になるのですけれども。

○雇用政策課長 研究会の中では、新卒採用も含めた御議論もありましたけれども、それはどこまで一般化できるか、そこまで確定をした議論ではありませんでしたので、中途採用に限定とか、一般も新卒も含めるかという点については確定したものではありません。

○高橋委員 そのポストで募集したとしても、その方がずうっとそのポストに定年までとどまり続けるかどうかは分かりませんし、そこだけ職務要件とか、労働条件を精緻化するというのが、果たして労務管理としてどうなのかがよく分からないのです。なぜこんなことが企業に一般的に求められるのか本当に理解できないなと。改めて聞いて、これを企業に求めるのはどうもおかしいし、ビジョンでもないのではないかと思います。

 労働移動の可能性が高いかどうかは管理する側として明確に分かるわけでもありません。仮に判明したとしても、その人たちを他の社員とは別に配置・処遇に当たって。そもそも外部に出ていくことを前提に企業共通的な職業能力の形成にしていくとか、それはどうなのですか。そんな人事管理をするということがあったら、その企業は恐らく競争に負けてしまうのではないか。従業員と一体感を持って取り組んでいく企業風土を形成していくことによって、自社の存続と成長・発展があるのではないかと思います。

 そういう余り一般的でないことをビジョンとして企業に求めるという内容はちょっと問題なのではないかと思います。私の個人的な意見としては、ここの記述は削除が望ましいですし、削除をしないとしても、「企業に求める」という書き方はなくて、「そういうことが考えられる」程度の話なのではないかと思います。以上意見です。

○阿部分科会長 私から少し説明したいと思います。私の個人的な意見なのかもしれませんが、ここでいう外部からの人材調達を行おうとするポストというのは、もう少し詳細を言えば、例えばパートタイマーとかアルバイトとか、半分外部労働市場に出ているようなポストを、私の中では想定しております。確かに高橋委員がおっしゃるとおり、企業一体となって競争力を発揮していくことは望ましいと思います。ただ、一方でそういう外部労働市場で仕事を探したり、仕事に就いたりしている人たちの割合も市場全体では 3 割から 4 割と増えているのも事実です。その辺りの生産性を上げるとか、あるいは仕事のマッチングを高めていくことは重要だと認識した上で、こうした記述になったのではないかと思っています。

 ですから、ここの前段の所で、内部労働市場と外部労働市場という話があります。その内部労働市場の活用というのは、従前どおり、多分企業がやっていく労務管理で、その一方で外部労働市場というものも形成されてきていて、その外部労働市場をもう少し効率的というか、生産性を高めるような人事労務管理の在り方も検討していただきたいという気持ちが入っているのではないかと思いますが、事務局はいかがでしょうか。

○雇用政策課長 阿部先生に御解説いただいたとおりかと思います。この部分については、研究会報告の中で、先ほどそのまま持ってきたと申し上げましたが、正確に言うとちょっと略した所があります。そこが重要だったのかと思います。研究会報告のほうでは、 2 行目の「動向を踏まえる必要がある」の後に、「例えば」と入っております。例示として「労働契約内容の精緻化」等々が挙がっておりました。そこを、全体を編集する過程で落としてしまった関係で、このやり方だけが唯一だというように見えてしまって、違和感があったのではないかと思います。

 ここについては、企業に求められるという趣旨で書いているのですけれども、今の高橋委員の御意見を伺っていて、更に政策にしていく上ではより議論を熟していくことが必要なのかと感じた次第です。

○阿部分科会長 この点については、後ほどもお話させていただきますが、内容をもう一度精査・吟味させていただいて、表現ぶりなり、今あったような点も踏まえて、また事務局と相談して取りまとめたいと思います。できるだけ皆さんの御意見を踏まえたいと思います。それに付け加えて、高橋委員から何かありますか。

○高橋委員 その括る言葉として、これが将来ビジョンなのかどうかというところです。そこも含めて御検討いただければと思います。

○阿部分科会長 そうですね、それも踏まえて検討させていただきます。他にありますか。

○中村委員 今、分科会長が言われた、労働市場の外部とか内部という区分の仕方はきちんと議論する必要があると思います。分科会長の発言には私は非常に違和感を感じました。私ども流通関係では、パートなどいわゆる外部労働市場で多くの方を雇っている産業もあるわけです。その間の労使関係なり、企業はどうするかというと、そういう人たちを今までのイメージでいう企業内部の労働者として、高橋委員が言われたように、いかに一体感をもって事業運営を行うかというのは正しく企業のマネジメントの本質なので、それをどううまく調和させるかだと思います。逆に言うと、外部と内部を切り離すのではなくて、もちろん転勤だとかは別の話ですけれども、基本的に内部の枠組みの形でやっていくのが、過去に取られてきた政策の在り方だったと思います。それを全く分断する考え方は違うと思います。

○阿部分科会長 すみません、よろしいですか。

○中村委員 幾つかの所で、「企業に求められる」とか、「企業は内部を自ら責任を持って外部を選択してやる」という表現ぶりなのですけれども、違和感としては、これは正しく労使がそれぞれ自らの中でやりながら、実際の労働者のキャリア形成も含めてどうしていくかを議論して、解を一生懸命見付けていくというのが実態であるのだろうと思います。分科会長の発言は、ちょっと趣旨が違ったのだったら申し訳ないと思っています。

○阿部分科会長 今、私に御意見というか御質問があったようです。私は、分断させようというようなことを言ったつもりは全くありません。外部労働者に出てくるような仕事が増えていて、そこの労務管理が適切に行われている企業ももちろんありますが、余りされていない現実もあるわけです。その辺りをどのようにしていくかということが、政策的に求められるし、当然企業のほうにも考えていただきたい問題ではないかと考えているということです。

 この問題は、日本経済が今のような段階に来て、非正規雇用者を含め、外部労働市場で働く人たちが増えているのは事実です。その人たちの生産性を引き上げることも非常に大事な課題だと思っていて、このように内部労働市場と、外部労働市場の話が出てきているのではないかと思っています。

 中村委員がおっしゃっていることはそのとおりだと思いますが、ただ、一部というか部分的には雇用管理されていない層もあるのも事実ですから、その辺りをどうするかということが政策的に焦点が当たってくるのではないかということです。何かありますか。

○新谷委員 これは、先ほどの労働移動支援助成金と通底する問題なのですけれども、今の政権の政策運営が昨年 6 月にまとめられた日本再興戦略もそうなのですが、労働移動の背中を押す、それには外部労働市場の活性化が必要とされています。要するに、労働移動すれば経済成長につながるというシナリオの中で、今の政策決定がされている気がしております。

 今回まとめられた基本方針については、厚生労働省として、こうした官邸を中心とした政策の流れをギリギリ押しとどめているというのが私の印象です。やはり政府、霞が関の中で労働者を扱う省庁は厚生労働省しかないわけです。経済産業省の経済政策中心の政策では、個々の労働者の保護をどうするかということを考える人が余りいなくて、厚生労働省だけがそれを考える省庁だと思うのです。

 今回まとめていただいた内容について個別に見るといろいろと違和感がある所はあるのですが、やはり厚生労働省としては今の政権の中で、是非踏ん張っていただいて、労働者の保護であるとか、内部労働市場の重要性であるとか、労使コミュニケーションの重要性ということはきっちりと今後も守っていただきたいと思っております。

 その上で要望といいますか、直近で気になる点がありますので申し上げておきます。 15 ページに「良質な雇用の創出」とあり、本当にこれは書いてあるとおりなのですけれども、「良質な雇用の創出を伴う産業の発展が大事である」ということで、先ほどの労働移動支援助成金とこれまた通底する問題です。要するに成長産業で、かつそこで労働条件が良い産業が形成されていけば、労働者は自発的に移っていきます。ところが、今、政府の政策は、先に雇用の流動化を進め、良質な雇用の創出は後から付いてくるという考え方です。これは順序が逆ではないかといつも思うのです。まず、良質な雇用の創出を行っていくべきだと思います。ここで挙がっているようなサービス業、特に介護や建設においては、離職率が高いとか、処遇が低いと言われています。研究会報告の冊子にもそのデータが出ています。医療・介護については成長産業と言われているのですけれども、全く雇用の質の改善が進まないのです。

 その中で 15 ページの上に「外国人材の活用」と書いてあります。これは直接関係ないのですけれども、今、政府でまとめられようとしている新しい成長戦略の中に、外国人の技能実習生の活用が盛り込まれようとしています。介護の分野については離職率が高い、人が集まらないという中で外国人を使おうというわけです。 EPA は介護福祉士を取る目的で勉強するわけですけれども、そういう目的ではなくて、技能実習の枠を使って、介護労働者の不足を補おうという検討がなされております。建設業についても技能実習の拡大が検討されています。

 今ある産業の問題点を放置しながら、外国人によって穴埋めするというのを官邸ではお考えになられているようですけれども、是非ここは厚生労働省としても頑張ってもらって、雇用の質をどう上げていくか、これをどう実現するのかということを先に厚生労働省として検討・実現していただきたいと思いますので、強くその点は要望しておきます。

○阿部分科会長 いろいろ御意見がありましたが、先ほど申しましたとおり、皆様の御意見を踏まえ、この基本方針の改正案については修正等を考えて、私と事務局で相談していきたい、取りまとめたいと考えます。皆さんもそれでよろしいでしょうか。

○澤田委員  9 ページと 10 ページ辺りになるのですが、非正規労働者に関することが書いてあります。この中には多様な働き方を実現していくのだとあります。その働き方の中には、例えば非正規の働き方がいいという人もいるし、正規になりたいという人もあるのだという書き方になっています。この間、非正規労働者が増えてきた現実は、国民全てが知っているわけです。その中で非正規の多くは女性と言われています。今までは正規であったものが非正規に置き換えられてきたわけです。非正規が増えてきた大きな理由の中には、正規が非正規に置き換えられた実態があるわけですので、多様な働き方が非正規でいいとか、正規でいいというだけではないというところも含めて考えていただきたいと思います。

○鎌田委員 言いたいことはいろいろあるのですが 1 点だけ。 12 ページの「シニアの社会参加モデル」の構築の部分についてです。御存じのように高齢化が進み、高齢者の就業機会の確保が非常に大きな課題となっていると思います。現在、高年齢者雇用安定法の改正によって、定年した希望者全員を継続雇用するということが法改正によって推進されているところです。企業においても、今、非常に大変な苦労をしながら受入れを進めています。また、労働組合としてもそこは努力しておられるのだろうと思います。

 年金開始年齢の問題として、今現在は 65 歳ですけれども、今後更にそれが繰り下がっていくことも現実化するかどうか分かりませんが、そういう想定ができる中で、私の印象としては継続雇用を年金開始年齢に合わせてどんどん年齢を上げていくことが果たして可能なのか。そういうことも真剣に考えていかなければいけないと考えております。

 そうすると、企業の定年者を企業が受け入れる、継続雇用するということも大切ですが、全体としてこういう高年齢者を社会全体としてどのように受皿を作っていくかということが非常に大きな課題であるだろうと。ここに書かれている問題意識も恐らく同じだと思うのです。ただ、これを読むと、「シルバー人材センターがホワイトカラー向けの業務を拡充すること」というように書かれているのですが、シルバー人材センターが果たしてそのようなものとして動いているのかというと、若干疑問を感じております。もちろんそういう方向も考えることは大切だと思いますが、私は諸外国の例を見ると、ホワイトカラーでかなり経験を積んだ方が、コンサルタントという形で、自分で起業するような形で就業機会を確保することが行われています。そういう方向を政策としても追求しているのではないかと思います。

 したがって、雇用を確保することはもちろん大切ですが、就業機会をどのように確保していくのかという観点からも、このような経験豊富な人たちを、どのように活用していくかということも含めて考えていっていただければと思います。

○阿部分科会長 皆様からいろいろな御意見を頂戴しましたので、先ほども申しましたように、私と事務局で相談して取りまとめていきたいと思いますが、そういうことで御了解いただけますか。

                                   ( 異議なし )

○阿部分科会長 それでは、雇用政策基本方針の改正案については、修正の上で当分科会としては了承したいと思います。よろしくお願いいたします。

 最後に、「その他」の事項があります。議題としては「その他」ですが、参考資料 5-1 から参考資料 5-3 としてお配りしている、高年齢者有期雇用特別部会での議論について私から御報告いたします。 12 26 日に開催の、第 94 回職業安定分科会において、高年齢者有期雇用特別部会の設置について了承されました。その後 1 14 日から労働条件分科会有期雇用特別部会と合同で、労働契約法の無期転換ルールの特例などについて議論がなされ、 2 14 日に特別部会として報告書が取りまとめられました。

 労働政策審議会で、第 7 条第 9 項及び労働政策審議会職業安定分科会運営規程付則第 4 項により、特別部会が議決をしたときは、当該議決をもって分科会の議決とすることとなっており、また労働政策審議会令第 6 条第 9 項及び労働政策審議会運営規程第 9 条の規定により、分科会の議決をもって労働政策審議会の議決とすることができると定められております。

 お手元にお配りしております参考資料 5-1 のとおり、労働政策審議会として、厚生労働大臣宛建議を行いました。また、この建議に基づき、 2 20 日付け厚生労働省発基 0220 1 号をもって、労働政策審議会に諮問のあった、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案要綱について、同様に高年齢者有期雇用特別部会でおおむね妥当と判断し、厚生労働大臣宛答申を行っております。以上御報告申し上げます。

 予定されている議題は以上で終了いたしましたが、皆様の中で特に御発言があればお願いいたします。特にないようでしたら、本日の分科会はこれで終了いたします。本日の会議に関する議事録については、労働政策審議会運営規程第 6 条により、分科会長のほか 2 人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては、労働者代表の林委員、使用者代表の坂倉委員にお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局総務課

(電話):03-5253-1111(内線5711)

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