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2013年8月9日 第23回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録
○日時
平成25年8月9日(金)15:00~16:30
○場所
厚生労働省22階 専用第14会議室
○出席者
本田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、西沢委員 |
○議題
日本年金機構の平成24年度の業務実績に関する評価について
○議事
○本田部会長
それでは、ただいまから、社会保障審議会日本年金機構評価部会を開催いたします。
委員の皆様には、御多忙のところ、また、大変お暑い中、御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
本日の委員の出欠状況でございますけれども、斎藤委員が、今、ちょっといらっしゃいませんけれども、出席の予定で、もうすぐおいでになるということでございますので、始めさせていただきたいと思います。
それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。
本日の主な議題は、「日本年金機構の平成24年度の業務実績に関する評価について」でございます。
本日付で田村厚生労働大臣より、「日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果」につきまして、社会保障審議会の西村会長あて諮問がなされておりますので、これについての審議を行いたいと思いますが、本日の審議に先立ちまして、日本年金機構から報告事項がございます。 関係資料につきましては、委員の皆様の机の上に置いてありますので、まずは、これにつきまして、機構のほうから説明をお願いします。
○日本年金機構副理事長
副理事長でございます。1点、御報告させていただきます。
お手元に袋の外に資料を配らせていただいておりますけれども、「事務センターにおける事務処理遅延・書類紛失等について」というペーパーでございます。この資料にございますように、兵庫の事務センターにおきまして、遺族年金請求書等の事務処理遅延が判明をいたしまして、調査をいたしました結果、書類の紛失等があることが判明をいたしました。調査に時間を要しましたけれども、おおむねの全体像が明らかになり、お客様への対応もある程度進みましたので、事案についてこの場で御説明するとともに公表させていただくものでございます。
事案のあらましを簡単に御説明いたしますと、1枚おめくりいただいて、2ページのところに「判明の経緯」ということで書かせていただいておりますけれども、本年1月に兵庫の事務センターにおきまして、事務処理遅延がある旨の情報提供がございました。兵庫の事務センターに対しまして、事実確認の指示をいたしますとともに、ブロック本部も入って調査をいたしました結果、遺族年金請求書等について、平成22年から24年にかけてでございますけれども、1枚目の紙にお戻りいただいて1.のところに書いてございますように、事務処理の遅延が180件、書類の紛失が57件、添付書類確認漏れが13件、合わせて250件の問題事案があることが判明したものでございます。
この調査と並行する形で、該当のお客様には、お詫びと事情説明を行いまして、必要な年金支払等を行っておりまして、現時点で、1ページの表の右のところにございますように、233件につきましては、事務処理が完了いたしてございます。お客様の年金請求書の紛失あるいは処理の遅延、こういったことはあってはならないことでございますので、機構として深く反省しているところでございます。
事務処理が完了していないものが、まだ残り17件ございますので、これらにつきましては早期に事務処理が完了するよう努めてまいりますとともに、このようなことが起きないように、再発防止に努めてまいりたいと考えております。
具体的には、3ページ目のところに4.と書かせていただいておりますけれども、本年5月に処理放置となっている書類がないかということで、すべての年金事務所、事務センターに、総点検を指示いたしております。また、毎年3月と9月を書類整理月間ということで、未処理届出書の確認・点検を実施するよう指示をいたしてございます。
それから、昨年10月に、「受付進捗管理システム」というのを導入したわけでございますが、これによりまして、受付・保管の状況の管理を確実に行ってまいりたいと考えております。
また、今後の内部監査におきまして、処理放置となっている届出書がないかを重点項目として監査する。こういった取組を行ってまいりたいと考えているところでございます。
いずれにいたしましても、多くのお客様に御迷惑をかけることになってしまいました。この点について深くお詫びを申し上げたいと思います。
○本田部会長
ありがとうございました。ただいまの報告についてですが、まだ未処理もあるようですので、できるだけ迅速にちゃんと処理できるよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、機構の業務実績の評価につきまして、前回の部会で各委員から御意見等がございましたので、それを踏まえた変更点等を中心に説明していただきたいと思います。事務局のほうからよろしくお願いします。
○事業企画課長
それでは、お手元の資料1をごらんいただきたいと思っております。こちらの資料1でございますが、厚生労働大臣からの諮問書ということでございます。その中身でございますが、1ページおめくりいただきますと、(別紙)と書いておりまして「日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果」ということで、諮問の段階でございますので(案)とさせていただいておりますが、これにつきまして、本日、審議会の評価部会のほうから御意見をちょうだいしたいということでございます。
1~4ページまでが、いわゆる総論部分で総括的評価の部分ということでございますが、本日、お手元に〈机上配付資料〉といたしまして、横書きのペーパーで主な修正点を書かせていただいておりますので、それも踏まえて説明をさせていただきたいと思います。それから、もう一点、(別添)ということで、個別評価シートもおつけしております。ともに前回、本部会で事務的たたき台と説明させていただきまして、各委員から御意見をちょうだいしたものを踏まえまして、前回の資料から修正をして、正式に本日の諮問とさせていただいております。それもあわせて、本日の修正点をごらんいただきながら、総括的事項と個別評価シートの修正点について御説明させていただきたいと考えております。
まず、(別紙)の「日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果」のほうではなくて、済みません、別添のほうの「日本年金機構平成24年度個別評価シート(案)」のほうからごらんいただきたいと思います。前回との修正点でございますが、ページをおめくりいただきまして、目次は前回と変わっておりません。
1ページでございます。まず、1ページの一番下の「○」のところの「また」以下で書いてあるところでございます。ここの部分につきましては、前回は一番上の「○」の最後のところに書いていたということでございます。これにつきまして、木間委員から、機構の実績報告書には、特に記載がない中で、一番最初の「○」に書かれていることについてどうなのかという御意見をちょうだいしたところでございますので、そういう意味で、実績報告書に書かれている事項以外の事項ということで、一番下の「○」のところの「なお」の、その下の「また」のところで記載させていただいたという処理にさせていただいております。
個別評価シートの修正はそこでございまして、続きまして、総論的部分のほうでございます。お手元の(別紙)「日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果」の縦書きのペーパーの修正についてご説明をさせていただきたいと思います。ページで言いますと、3ページでございます。最初の「○」のところ、「お客様の声を反映させる取組」のところでございますが、前回、岩瀬委員から、いわゆる覆面調査や「年金事務所におけるお客様モニター会議」について、お客様の声を反映させる取組が必ずしも十分ではないところもあるのではないか、という御意見をいただいております。それを踏まえまして、文言の修正を行うとともに、3ページの最初の「○」の一番最後のところでございますが、「今後もお客様の声を幅広く頂き、着実にサービス向上に結びつけるよう、取り組まれたい」という修正をいたしておるところでございます。
それから、もう一点、修正点というところでございます。1枚めくりまして4ページでございます。上から10行目、一番最後の総括的部分のところで、「平成24年度の業務運営については」というところでございます。このパラグラフも、岩瀬委員からの御意見を踏まえまして、同様の観点から、ここに書いてございました「お客様の声を踏まえた」という部分を削除する形での修正を施していただいておるところでございます。なお、前回、岩瀬委員のいただいた御意見を踏まえまして、年金事務所における「お客様モニター会議」、これにつきましては、本年度・平成25年度モニター募集に当たっては、旧社会保険庁及び日本年金機構の勤務経験者は募集対象から除くこととしたというふうに日本年金機構から報告を受けているところでございます。
私のほうからは以上でございます。
○本田部会長
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いします。前回、議論していただいた意見を踏まえての御説明だったと思います。皆様、委員から御意見があったらお願いいたします。岩瀬委員。
○岩瀬委員
冒頭の説明とこの評価のリンクについてお聞きしたいのですけれども、まず、先ほどの説明でわからないので、少しお聞きしたいのですが、事務処理遅延があったというのは、これは処理をしないで、どこかに放置していたと。それと紛失というのは、これは捨てちゃったということですか。そこのところを教えていただけますか。
○日本年金機構副理事長
処理遅延は、例えばここに書いてございますように、機構本部に1回送って、ちょっと不備があるので、返戻をされたものの処理が行われてなかったもの等でございます。したがって、処理が行われていなかったというのは御指摘のとおりです。
それから、紛失のほうは、捨てたかどうかということは必ずしもわからないのですが、本来、受け付けされている書類で処理も終わってないものがなかったということでございます。
○岩瀬委員
つまり1件や2件だと紛失というのはわかるのですけれども、これは57件、結構な数だと思うのですが、これが紛失するってどういうことなのか、よくわからないんですけれども、その調査結果を教えていただけますか。
○日本年金機構副理事長
紛失のそれぞれの状態というのは必ずしもよくわからないのですけれども、いずれにしても、処理が終わらない形のものが、現物がない。コピー等が残っているものも一部にはあったのですけれども、そういうことでございます。ですから、例えば廃棄をしたとか、そういう可能性もございますし、そこは現物がそこの段階ではなかったというふうに御理解いただきたいと思います。
○岩瀬委員
全然わからないのですけれども、結局これは処理をした人、紛失した人、あるいは放置した人というのは特定できているのですか。
○日本年金機構副理事長
関係者かどうかわかりませんけれども、基本的にある特定の職員の担当しているものについて、処理遅延とか紛失というのがあったということです。ただ、調査のほうは、そこだけに絞るというのではなくて、兵庫事務センターの給付の関係のグループのいろんな書類等について、そういうものがないかどうかということを、一定の期間でございますけれども、点検をいたしております。
○岩瀬委員
その特定の方にはヒアリング当然しているのでしょう。
○日本年金機構副理事長
当然してございますが、まだ事実関係というか、そこら辺、どのような関与がその職員含めてあったのかはもう少し調査が必要だと考えております。
○岩瀬委員
済みません、長くなって申しわけないんですけれども、これ、ことしの1月か2月にわかって、もう半年以上たつのですが、まだわからない。
○日本年金機構副理事長
基本的には大量の数ということで、そこは大変、私ども申しわけなく思っておりますが、まずお客様に対して、きちんと説明する事務処理というのをどちらかといえば優先してまいりました。おっしゃるように、もっと早く調べをつけるべしというのはおっしゃられるとおりだと思いますので、できるだけ早く、背景的なところも含めて確認し、必要な措置をとりたいと考えております。
○岩瀬委員
当然のことだとは思うんですけれども、原因はこれから調査をして、はっきりさせたのをもう一度公表してくれるということだと思うのですが、これだけの紛失や遅延があったということに関して、この評価が「C」ということですけれども、もう一段階下げる必要があるのではないかと思うんですけれども、それについては年金局はどういうふうにお考えなのか、教えていただけますか。
○事業企画課長
今回の兵庫事務センターにおいて事務処理遅延のこの案件の該当する箇所はどこなのかということでございますが、恐らくこの個別評価シートで言いますと、16ページの基本的には「給付事務に関する事項」ということになるのではないかと思っております。給付事務に関する事項は、迅速な決定、正確な支給ということで、こういう事務処理の遅延があったということで、迅速な支給に差し障りがあったというところに当てはまると考えておるところでございます。
この評価、16ページごらんいただきますと、「C」という形で、年度計画を達成しているものではないという評価になっておりますので、このところの評価は、本日の諮問書のほうでは、引き続き「C」で、変えていない形で出させていただいているということでございます。
○岩瀬委員
それはそういうお考えだと思うんですけれども、私、これは、これだけの大量な紛失及び遅延というのは、「C」で済まないのではないかと思いますので、もう一度考え直していただけないかという気がしますけれども、大幅な改善の余地があるのではないでしょうか、これに関しては。
○日本年金機構副理事長
私どもは評価を受ける立場ですけれども、確かに先ほど来、御説明しているように、処理遅延や処理放置というのは、残念ながら、まだ事務処理誤りの中でございますけれども、今回は紛失というのが相当の件数でもございますので、私どもとしては、これは心して取り組んでいかなければいけない。改善の余地はあるというふうに私どもとしては考えております。
○岩瀬委員
そういうふうに当然お考えで、そういうふうな心構えでやられると思うんですけれども、こういう問題というのはきちんと処理をするというか、厳しい評価をしない限りは、やり過ごしちゃったら、また同じようなことが起こる可能性があると思うんですね。けじめをつける意味でも、きちんと評価を厳しくやる必要があると思いますけれども、それはお願いしたいということです。
○本田部会長
今の点については、委員の中でどう考えるか。年金局は年金局の評価もありますし、機構は機構のみずからの評価があります。最終的に、きょうの報告をもって、我々は評価をどのように考えるか、ということです。年金局、何か御発言あったら、どうぞ。
○事業企画課長
もう一つ、申し上げますと、先ほど報告がおくれたのではないかというふうに委員から御指摘がございましたが、同じく内部統制につきましても、35ページでございますが、一応「C」という形になっておりまして、他のいろんな、この1年間の事案との関係も踏まえますと、平成24年計画を下回っているということで「C」というそのままという形で、本日はここに諮問書を置かせていただいているということでございます。
○本田部会長
委員の方から御意見ございますか。
○西沢委員
意見というか、プロセスなのですけれども、事務センターで書類がなくなるということで、2ページ目の上のほうに「受付簿」とあるのですけれども、「受付簿」というのは、事務センターに置いてあるのか、それとも年金事務所に、通常考えると年金事務所に書類を持って行って、年金事務所で受け付けて、センターに送るのか、どうなっているのか。あるいは書類を、例えば年金事務所で受け付けていたら、年金事務所である程度、配偶者の方が亡くなられた日とか、機械で入力しておけば、そこでかなりの手続が終わっているはずですけれども、そうでなくて、全部センターに送って、事務センターでやるとなってしまうと、年金事務所に余り何も残らないし、あるいはルートとして社労士の方などから直接センターに送られてくるのか。ですので、一番最初に書類を受け付けている場所で、ある程度紙ベースの裁定請求書の記録を電子化なり何かしておけば、こういったことというのは減ると思うんですけれども、そこら辺、教えていただけたらと思います。
○日本年金機構副理事長
本件、平成22年からということでございまして、基本的にはお客様は事務所に書類を持って来られると思います。事務所でも受け付けたという実績を残して、それを事務センターに送って、事務センターは事務センターで進達を受けたという実績を残していくということに基本的にはなります。ただ、そういう実績を残しながら、今は現物が動いていくという形になってございます。
実は去年の9月までは、基本的にそういうのを、もちろんデータベース的な管理はするわけですけれども、そういう形でやっていましたが、去年の10月に、これも機構発足以降、判明いたしました事務処理の遅延とかいろいろ問題事案を受けまして、22年のたしか6月だったと思いますけれども、事務処理誤りの総合再発防止策というのをつくりまして、その中で受け付けの進捗管理をきちんとしなければいけない。そのためにはシステムを導入しなければいけないということでその中に入れまして、つくるのに時間かかったのですが、去年の10月に「受付進捗管理システム」というのができました。それは最初受け付けたところでバーコードを貼って、そのバーコードで後のステータスを管理していくという形で、今、やってございます。まだ動き出して1年たっておりませんけれども、それによって進捗管理をきちんとやる。非常に処理に時間かかっているというものがあれば、それも警告ができると、こういう形で今は処理するようにいたしているところでございます。
○西沢委員
年金事務所では裁定請求書に書いてある情報をデータベース化したりはしないで、単にバーコードを貼ってセンターへ送っちゃうんですか。
○日本年金機構副理事長
基本的には形式的な審査をして、それを事務センターに送る形になってございます。将来的には、おっしゃられるように、例えばそういうふうなのを電子媒体化してやるとか、そういうことも検討課題だとは思っておりますけれども、今の段階ではそういうことになっております。
○西沢委員
そうすると、物だけだとなくなりやすいですね。宅急便ではないですけれども、いち早く情報は、受け取ってすぐに新鮮なうちに電子化しておいたほうがいいと思うので、感想です。
○本田部会長
今の点は機構のほうで検討していただけますか。
○日本年金機構副理事長
そういうことを含めてやっていこうということで、今、検討しているところでございます。
○岩瀬委員
これは死亡されている方がいると書いていますけれども、こういう遅延とか紛失がなければちゃんと支給されていたということなんですか。
○日本年金機構副理事長
遅延している間に、未支給年金を請求される方が亡くなられているということであれば、御存命中に、もし遅延がなければお支払いできた。審査の時間、若干かかると思いますけれども、そういうケースだと考えております。
○岩瀬委員
そういうケースなわけですね。
○日本年金機構副理事長
本件ここに書いてある1件については、要は申請されて、まだ処理がされないうちにお亡くなりになったと、こういうことでございます。
○岩瀬委員
それって結構ひどいんじゃないですか。
○日本年金機構副理事長
その点は大変申しわけなく思っています。
○岩瀬委員
やはり、これはもう一つ、下げていただかないと同意しにくいという感じですね。
○本田部会長
何か御意見はございますか。今、岩瀬委員のおっしゃった件についてでもいいですし、それ以外でも、後ほどまた整理させていただきたいと思いますけれども、木間委員。
○木間委員
それ以外のことでよろしいですか。
○本田部会長
はい。
○木間委員
「モニター会議」のことですが、OBを含まないということで済ませられることなのかということについて、意見を2点申し上げます。1つは、評価の視点に挙げられている目的と現場の乖離についてです。モニター会議は評価の視点の中に書かれていますが、何のためにモニター会議を開くのか。目的が見失われてしまって、会議を開催することが目的になっていたのではないかという感じがいたしております。モニター会議を重ねているうちに、現場の受けとめ方が評価の視点と乖離してきていたのかもしれません。このことは、モニター会議以外のことにも言えるのかもしれません。現場の声を聞いて、目的を遂行する方途をとらえ直すといった柔軟な対応があってもよいのではないかと感じました。
2点目は職員の意見の反映です。岩瀬委員に連絡してきた職員は、ばからしくて勤労意欲がそがれると言っています。組織の中で声を上げにくい状況は推測できます。けれども、職員の貴重な意見は、いかにすれば本部に届くのかといった工夫をすることが求められている事例ではないかということを感じました。
以上です。
○本田部会長
今のモニター関係については、前回、岩瀬委員から御指摘もあって、先ほど報告がありましたように、これまでは社保庁のOBは募集対象の除外規定に入っていなかったが、今年度から除外規定に明記し、社保庁および年金機構の勤務経験者は募集対象から除くこととしたという報告がありました。今、木間委員がおっしゃったように、いわゆる時効給付の問題にしましても、きょう御説明いただいた問題も、まさに職員の方々の意見というものを有効に使いながらどうやって改善していくかが非常に大事であり、木間委員からありましたように、ぜひ機構のほうでも、そういう立場で制度をお使いいただきたい。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
ありがとうございます。モニター会議につきましても、OBは除外するということもありますが、一般の方により多く御参加いただくというのが大事だと思っています。そういう意味でポスターを貼るのももう少しいろんなところに貼るとか、それぞれいろんな各団体にもお声がけするとか、そんなことも並行してやっていこうと思います。モニター会議自体も、今までもただ漫然とやるのではなくて、そこでいただいた御意見を共通の部分、あるいは本部でやらなければいけないもの、それから個々の事務所、例えばそこの事務所だと駐車場が少ないとか、そういうものを抽出して、モニターの方に全部機構の対応の考え方をお返しするということもやっています。
この前、岩瀬先生からもありました覆面調査の質問の件もそうですけれども、ここ3年間いろいろやってきましたが、ある意味ちょっとマンネリ化の面も確かにあると思っていますので、御指摘踏まえて、なかなか一挙に変わらないかもしれませんけれども、少しずつ本来の目的に従うような事業をやっていきたいとは思っております。
○本田部会長
ほかに御意見はありますか。石井委員。
○石井委員
流れ的には、24年10月にはバーコード活用の新しいというのでしょうか、「受付進捗管理システム」が導入をされて、そして、紛失事案の発生はそのシステム導入前の24年8月までが発生時期と、こういう整理になっておるかと思いますが、3枚目のところのシステム導入の直前の記載で、25年5月に他に処理放置となっている書類がないか、すべての年金事務所、事務センターに、総点検を指示されたそうですが、その結果というのはもう既に出ているのでしょうか。
○日本年金機構副理事長
24年10月に受付管理システムを入れましたので、それから後、受け付けたものは一応それにのっけてやっていくということ。ただ、それ以前に受け付けたもの等もございます。残念ながら処理の遅延であるとか、そういうふうなものが、過去事務処理誤りでございますので、こういう形で総点検をし、中にはこういった事務処理の遅延があったとか、そういうふうな報告は実は若干来ております。これらは事実関係をもう少し確認した上で公表していくということにしたいと考えております。
○日本年金機構理事長
5月の総点検は私が指示したものでございます。1月にこの機構に参りましたが、書類の取扱い、事務の流れということに関しましては、改善すべき点がある極めて問題が大きい、というふうに私自身認識をいたしております。すべての書類はお金に結びついているわけです。結びついてないものもございますけれど、そういう意味で、すべて財産権に結びついているという認識が基本的には、これを確立する上でまだやらなければいけないことはたくさんあると思っています。5月に総点検を指示し、その上で過去のものがあったらば、その制裁については一定の配慮をする。だから全部報告するよう指示したものでございます。
この結果については、今、内容を精査いたしておりまして、できるだけ早くお客様のところに到達するという作業を指示しているところでございます。この内容についても、できるだけ早く公表をいたしたいと思っておりますが、兵庫の事務センターに関しましては極めて大量でございますので、現時点で公表させていただいたということでございます。
御指摘をいただいている点については、1つひとつ胸に響くといいますか、心が痛むものがございます。銀行で申しますと、お客様からお預かりしたお金を入金もせずに置いておくと同じことでございます。そういう問題であるということを末端まで認識をさせ、かつシステムとして、こういうことが起きないようにどういうふうに担保していくか。今、副理事長が申し上げましたとおり、受付進捗管理システムに関しましては、一定の効果が出ていると思っております。
しかしながら、まだ仕事のやり方、風土、この点に関しては是正をすべき点が多くあると思っておりますので、いましばらくお時間をちょうだいして、信頼をいただける機構にするべく全員で努力をしてまいりますので、何とぞ引き続きの御指導と、本件に関しまして、私どもが今までこの半年間努力してきた結果についてお認めをいただけますようにお願いをする次第でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
○岩瀬委員
事実関係のことをお聞きしたいのですが、5月にすべての年金事務所、事務センターに総点検を指示されたと。これは理事長名で文書を出したのですか。
○日本年金機構副理事長
理事長の指示を受けて、関係部から出してございます。それから、あわせて、これは非常に重要なんで、趣旨等を私ども内部に知らせるペーパーがございますので、そういうので趣旨も説明をしてございます。
○岩瀬委員
ここで6月でほぼ調査をして、件数を確定したと書いていますね。普通だと6月段階で確定した段階で出すというのが普通だと思うんですけれども、それを前倒しで5月に出したというのはどういう理由なんでしょうか。それと6月の段階でほぼ件数を確定した段階で、2カ月公表しなかった理由を教えていただけますか。
○日本年金機構副理事長
兵庫の事務センターでこういうふうな事案があったということだけではなくて、ほかにも処理遅延とかそういうふうなものが現実にございます。申しわけございませんけれども、これらは事務処理誤り報告等で、こういうのがありますというのを公表させていただいておりますが、そういうことを踏まえて、それから、先ほど資料の中にもございましたけれども、記録関係の照会票についての記述がございましたが、特別便の回答ですね、そういうふうなところも踏まえて、改めて5月に総点検を指示した、こういうことでございます。
それから、この公表のタイミングですけれども、一応6月に大体概数というか、案件自体はわかりましたが、個々のお客様に当たっていかないと実際の状況等も必ずしも分からないので、その後、お客様に当たって、一わたり接触できる方は接触をしたという状況でございます。そういう状況で、先ほど申し上げたように、17件を除いて処理が一応事務手続、事務処理終わっておりますので、そこまで進んだところで公表させていただいたというふうに御理解をいただけたらと思っております。
○岩瀬委員
もう一点、事実関係。済みません、近畿ブロック職員による事務センターの受付簿と請求書を突合したと書いていますけれども、近畿ブロックが、そういう作業に入るというのは、これは機構本部が近畿ブロックに指示したのですか。
○日本年金機構副理事長
本部としての指導のもとに行っているということでございます。最初に話があったときに、最初は事務処理遅延ということだけだったのですけれども、現地にきちんと入って調べなければいけないという近畿ブロック本部のほうのイニシアチブの部分と、それから、本部がその話をその段階からよく聞きながら、そういうことでやってくださいという指示をしながらやっています。本部からも現地には何回か入ってございます。
○岩瀬委員
近畿ブロックが動いたというのは、本部が指示をして、近畿ブロックが動いたのか、近畿ブロックが自主的にやったのか、あるいは事務センターが近畿ブロックに相談してやったのか、その辺の事実関係を正確に教えていただけますか。
○日本年金機構副理事長
事務センターがというよりは、むしろ近畿ブロックが自発的に動かなければいけない、ということでこういう案件があるという報告を私どものところに来たときには、ブロック本部として動きますということとあわせて報告を聞いておりますので、その段階で本部からもそのとおりやってくださいというふうに申し上げたように記憶してございます。
○本田部会長
石井委員。
○石井委員
まだ最終的な結論ということの報告ということではないというお話かと思っておりますが、最終の御報告をいただく際に、1つ、明確にコメントをしていただきたいことがあります。それは、流れとしては、昨年10月から「受付進捗管理システム」、私も前回こういうシステムありますよねと申し上げたシステムが導入をされました。この導入によって、今回、それ以前の年度において発生したこれらの残念な事実が完全に問題解決されるのか、払拭されるのかということについてはコメントをしていただきたいのですね。再発防止策をしっかりと記載するということは、原因究明が当然はっきりとなされたということで、その原因究明をした結果、受付進捗管理システムを導入することによって、その問題点をすべて解決できたと、こういうつながりで物事の整理がつくのかどうかということについてだけは、繰り返しになるのですが、しっかりと御説明をいただければと思います。
○日本年金機構理事長
現在、昨年の10月以前と10月以降についての処理遅延の状況について調査をしております。残念ながら10月以降も発生しております。これは受付進捗管理システムの浸透と申しますか、現場に対して、常にこれを登録して使わせるということを徹底していかなくてはいけないわけでございますけれども、ここに徹底を欠いている面があると思っています。したがいまして、現在、私は監査部の直接所管していますが、監査部を使いまして、受付進捗管理システムの利用状況について徹底して監査を行っております。
兵庫に関しても、先ほどの御質問に関連しますが、ブロックがやった調査というのが完璧であったかどうかということは、本部としてもう一度確認しなければならないと思っております。したがいまして、8月の下旬でございますが、監査部を使いまして、もう一度徹底した監査を行います。このとき私も行って参ります。各職員の意見も十分に聞いた上で、システム的な、あるいは制度的な要因以外に体制面での問題等がないかどうかということも含めて把握したいと思っていまして、今、御報告申し上げました内容を、もう一度、徹底的に正確性を担保するということを本部の責任で行ってまいりたいと、思っております。
○本田部会長
今、石井委員からお話がありましたけれども、今後しかるべきタイミングで部会もございますので、その進捗状況等について、また御説明いただきたいと思います。
○岩瀬委員
ちょっと今のお話聞いていて、もう一度、確認したいのですけれども、進捗管理システム、24年10月導入したのですが、これは徹底的に使われてないということなんですか。
○日本年金機構理事長
使われておりますが、例えば事務所がお客様から書類を受け付けます。受け付けした際に書類が不備なものがあります。それを受け付けた書類とするのか、しないのかということに関しては、取扱いが事務所ごとに異なっているということが判明しました。これをすべて登録させるということが必要だと思っておりまして、受付進捗管理システムを運用する上で、どこに問題点があるかということを、今までもお聞きしておりますが、現実に私の手足となっています監査部を基本的に使って、どこに問題点があるか、調査を行っています。
○岩瀬委員
わかりました。
○本田部会長
斎藤委員。
○斎藤委員
おくれて申しわけありませんでした。途中からなので、とんちんかんなことを申し上げるかもしれませんけれども、今のお話を伺っていて大変残念だと思いました。年金機構が新しく生まれ変わって、国民の皆様の信頼にこたえるようにとほとんどの方は多大な努力をしていらっしゃるのにこういうことで信頼が失われたというのはとても残念です。書類を紛失したなどの事故を起こした職員の手落ちは当然ありますが、年金機構に対しても、この処理についてちょっと苦言を申し上げたいと思います。
3月の時点である程度わかったのであれば、危機管理といたしましては、「今、こういう事象が起きていて、まだ詳しいことはわかっていませんが、一生懸命努力して解明に努めています」ということを、まず第一報で言う。そして、それから詳しい情報がわかったところで、原因を述べるとともに謝罪をするというステップを踏んで、国民の信頼にこたえ努力をするべきだったと思うのです。その間半年近くあったのでは、さらに年金機構に対する信頼を失わせるものになったのではないかと思いまして、大変残念に思っております。
○本田部会長
ありがとうございます。
○日本年金機構理事長
御指摘を重く受けとめたいと思います。年金機構の考え方としては、すべて処理が終わってから公表するという考え方であったという説明を先ほどしておりました。しかしながら、私はそうではないと思っています。御指摘を踏まえて、お客様・国民の皆様に早くお伝えすべきことに関してはお伝えすべきだと考えています。御指摘に沿って運営するべく努力をしてまいります。ありがとうございました。
○斎藤委員
そうでないと隠蔽体質という疑いを持たれてしまうので、とりあえず悪いニュースは一刻も早く、というのがいいのではないかと思います。
○日本年金機構理事長
かしこまりました。重く受けとめさせていただきます。
○岩瀬委員
これは全部処理してから公表するというのが方針だと。全部処理してないのですけれども、結局これ、評価としては隠蔽したという評価が成り立つのだと思うんですね。それについてどうお考えなのか、教えていただけますか。
○日本年金機構副理事長
私どもとしては、いずれにしても、事実関係が明らかになった段階で公表することを、今までのルールということで申し上げましたが、公表について申し上げると、例えば年金額のお知らせが間違っていただとか、例えば去年の2月に、源泉徴収の取り過ぎがあったのですが、これはお客様にすぐ御迷惑をかけます。ですから2月の初めにわかって、2月15日にお支払いするので、その前にこれはお知らせをすることにしました。
一方で、そうでない案件については、一般的なルールとしては、処理が完了したものを公表させていただいておりますけれども、事態が重要なものなどは、斎藤委員から御指摘がありましたように、完了を待たなくても、こういうことがあったと公表することは必要だと考えておりますので、今後、その辺、心がけていきたいと思っています。いずれにしても、私どもとして、この事態を隠蔽しようとか、そんなつもりは全くなかったということだけは申し上げさせていただきたいと思います。
○岩瀬委員
でも、これ、隠蔽という評価成り立つと思うんですけれども、それについてどうお考えですか。
○日本年金機構副理事長
本件だけ見ると、まだここまでということでございますが、御案内のように、毎月事務処理誤りについては、お客様がこれは公表しないでくれと、特段あったものを除いて、件数的にはプレスリリースの格好で、それから個別の案件につきましてはホームページに登載する格好で公表させていただいておりますので、そういうことから言うと、確かにおくれたことについては、今回の御指摘よくわかりますけれども、私どもとして隠蔽する意図は全くなかったということは御理解をいただけたらと思います。
○年金管理審議官
済みません、私から。今のこの事務処理誤りの発表のところにつきましてですが、お客様の書類を紛失しているということはあってはならないことで、こういうようなことがあったということについてはまことに残念と思っておりますが、同時に、今、発表の関係で言いますと、例えばこういう事態が起きて、お客様のほうから声を上げていただかないと大変なことが起こってしまうとかというようなことでは実はなくて、まさに受付簿で全部残っている。けれども、物がない。そうすると、そもそも紛失したということの事実の確定も含めて、受付簿に基づいて、当該お客様に接触をして、そこでお客様との間で確定をするということで言いますと、隠蔽というか、まさにお客様との関係では、その時点で接触をして、こういう事態が起きましたとお詫びをして処理するということをやっていたということで、その辺、隠蔽というような意識ではなかったのだろうと思います。
ただ、実は私どものほうも、この1月でこういう調べをしているということで、こういうことをやっているということを、実は3月の末の時点で私ども年金局にも一報があったということでございまして、これについては、私どもとしても、その時点でこれの公表についてどうするのかということについて、しっかりと相談をすべきであったかなというふうに反省をいたしております。今後、こういうようなことについては、私どもとしても気をつけていきたいというふうに思っています。
ただ、同時に、もう一つ、先ほどの評価全体のことに関して言いますと、評価の「C」とするか、「D」するか、ここにつきましては、きょうこの場で先生方に御議論いただいて決めていただくべきことでありますけれども、私の今、伺っての感じでございますが、先ほどの全体の厚い資料の「個別評価シート(案)」のところの最後、先ほど岩瀬先生おっしゃった話ですが、この横長のものの細かい1ページの始まる前のところに判定基準「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の考え方がございます。「C」は24年度計画をやや下回っている。「D」は24年度計画を下回っており、大幅な改善が必要。これはこういう事態が起きたということについては、大幅な改善が必要というふうに評価できるのではないかということが、岩瀬先生のお考えということだと思いますが、全体、給付のところについて言いますと、先ほど課長のほうから申し上げましたように、16ページ、17ページのところになりますが、例えばサービススタンダードの内容が守られているかということでありますとか、いわゆる老齢年金のターンアラウンドをしっかりやったか、全体として給付が適時適切に支払われるかどうかということについて、全体として機構が仕事をしたのかということの評価になるわけでございます。
この点については、私どもの先ほどの至らない点も含めて、今回のこの事案については大変残念と思いますけれども、一方で、この給付全体について、先ほどちょっとお話もありましたが、機構の職員全体では一生懸命それなりにやっているという中で、ここのところで、これを「D」というところまでしてしまうのかどうかということについては、ここは御議論いただきたいと思いますけれども、私としては、ここは「D」にするというよりも「C」のままで、ただ、御指摘については厳しく受けとめなければいけないと、そういうふうに理解したいと考えますけれども、いかがでございましょうか。
○大山部会長代理
確かに皆さんのおっしゃるとおり非常に残念なことが起きたなと思っているんですけれども、やはり石井委員が言われたとおり、再発防止をどうするかだと思います。というのは、私が知っている限りでも年金の業務は物すごいいろんな書類を取扱いするものを大量に扱うということから見れば、変な言い方ですけれども、故意はないと思うんですが、過失による紛失というのはあり得ると思うんですね。バーコードの進捗管理を入れたということで、事務処理の漏れや遅延防止がなくなっているのかと思うと、残念ながらそこまでまだ十分な効果が出てないということもあるわけですけれども、今回の事例を見ると、例えば添付書類の確認漏れの話とか、書類の中でも添付のものがなくなっているとか、いろんなものかあって、これは一足飛びに、先ほど言うように、残念ながらシステムで考えるときには過失が主ですけれども、故意も考えなければいけないことがあり得て、そこまで考えると、システム的には非常に工夫が必要になってくるだろうと思います。
中長期で、中期というのは数年先という意味で申し上げると、書類の紛失の話についても電子化していくことが、当然これから流れとしてあるわけですので、この辺のところをよく見据えて、システム全体のあるべき姿はお考えになって、こういうものを避けるように工夫をしていただけたらよろしいのではないかと思います。
言い方を変えると、いたずらに、今、あるシステムを強化することだけをやって何とかしようとするのは必ずしも得策とは言えないのではないかと思うこともあります。ちょっと普通に聞いていただくと逆のことを言っているように聞こえるかもしれませんけれども、やはりそこは、それよりも本来、事務のやり方として、例えば職員の人が1つのものを扱ったら、それが終わるまでは絶対交代しないというのはおやりだとは思うんですけれども、何かで人が変わった途端に、そこでわからなくなることもありますし、いろんな例があり得るかなと思いますので、ぜひ、その辺はしっかりお考えいただければと思います。
可能性としてなんですけれども、これはペンディングはあり得ないのかもしれないのですが、再発防止策がどうとれるのかで、この最後の評価は決まるのではないかという気もするんですね。確かに岩瀬委員がおっしゃるとおり、これは大きな問題だというのもわかりますし、その辺のところについては、私の個人的な意見で言えば、再発防止のところについて、例えば最低限、文章の本文の中に書き込むとか、防止策を書くのではなくて、こうしなければいけないということはどこかに追加するぐらいのことは必要かなと思います。これはきょうで決めなければいけないんですね。そこのところの確認なんですけれども。
○本田部会長
進め方なんですけれども、確かにまことに残念ながら、きょうのこの時点で、事務処理云々の話が出てきた。このことの具体的な内容、今、ほとんど委員の方から、今後のことについてもありましたので、機構のほうでも、また、年金管理審議官のほうからもお話がありましたけれども、年金局のほうも、本当は今回の件はもっと早い段階で情報を入手していたと思うんです。先ほど、気づきませんでしたとおっしゃったけれども、年金局のほうも機構とよく、当然こういうことがあったら意思疎通を図っておられるはずですね。我々はきょうこの話を聞いて非常に残念な思いをしましたけれども、きょうの部会は、24年度の評価と、前回やりましたことを中心に議論している中でこの話が出てきました。
先ほど説明ありましたように、この問題、決して給付のほうが「C」だから云々ではなくて、給付だけでなくて、基本的には内部統制のほうなり、コンプライアンスなり、そちらのほうも非常に重要な案件だと思うんですね。そういう意味から言えば、内部統制なりコンプライアンス等についても「C」評価となっていますので、あえて「D」にするのか、「C」にするのか、これは委員の中でちょっとあれで、もちろんそちらのほうは諮問されているわけですから、こちらがどう判断するかということでございますので、そういうことで、済みませんけれども、今回の事務処理遅延と書類紛失の案件については、今、各委員の御意見等を踏まえて、今後の対策を慎重を期しながら再発防止に努めていただきたいということで、あと、評価関係で何かございますか。
○斎藤委員
私は給付に関しては「C」でもいいのかなというふうに感じております。ただ、情報公開の推進に関する事項というところ、これは評価が「A」になっておりますけれども、ここには事件・事故、・事務処理誤りについて云々という項目がございます。それに照らし合わせますと、ここで「A」をつけるというのはいかがなものかと思います。
○本田部会長
承りました。年金局のほう、何か、ありますか。
○斎藤委員
40ページを見ております。
○本田部会長
それでは、御意見として。
○岩瀬委員
評価の話に関して事実関係のことを聞きたいのですけれども、書類がなくなるって、1件でもなくなっちゃいけない話だと思うんですが、57件というのは結構なボリュームだと思うんですね。普通の業務をしていて57件なくなることは常識で考えられないと思うんです。捨ててしまうという、故意にやらない限りは57という数字は出てこないと思うんですけれども、その辺、ヒアリングの結果、どうだったんですか。
○日本年金機構副理事長
その職員がどの程度これにかかわり、どの程度責任があったかということの調べはまだ尽きておりませんので、これはこれからやっていくことなので、本件とはちょっと切り離して申し上げると、実際に書類の紛失等であった事例でございますが、例えばロッカーを整理していたらあったとか、何年かたって出てくるとか、そういうふうなものも現実にございます。それはどういうことかというと、書類を、これも私どもよく現場に言っていますけれども、属人的に管理をするというか、組織として管理をしていないということなので、例えば個人の机の中にある、あるいは、どこか探すとひょっとしてあるかもしれない。今回かなりそこら辺、徹底的に調べていますけれども、それが見つからないというふうなことなどもございました。あるいはこれもあった事例ですけれども、キャビネットとキャビネットの間に落ちていたというふうな、たくさんの数ではないですけれども、そういうふうなものもございますので、いずれにしても、本件について、そこら辺の事情がどうだったのかというのをもう少し調べる必要があると考えております。
○岩瀬委員
ちょっと考えられない。これ、年金の請求の書類ですね。それを属人的に管理するということはあり得るんですか。キャビネットの間に落ちるということはあるかもしれないと思いますけれども、いろんな書類がなくなることはあると思うんですが、年金の裁定請求書がなくなるというのは、私も年金事務所幾つか視察しましたけれども、あり得ないことだと思うんです。
○日本年金機構副理事長
紛失があってはならないというのはおっしゃられるとおりで、それで、属人的と申し上げたのは、本当は例えば給付のグループであれば、給付のグループとしてきちんと管理をし、まだ処理が終わってない書類はここにあるよと。その人が仮に、例えばその職員が病気で休んでも、かわりの人が処理できると、こういう流れにしなければいけない。受付進捗管理システムでステータスの管理をやるとともに、そういった物事の管理をしなければいけないと考えています。
ただ、現実的には、例えばキャビネットが足りないとか、そういうことで、個人の机の中にあるといったことなどもございます。そこら辺、機構になって、キャビネットをきちんと確保するとか、そこにきちんと保管し、個人の情報だし、1つひとつがお客様の年金権につながる重要な書類ですから、その管理をきちんとしていく。一人が自分で担当して、そこで完結するということだとチェックもできませんので、組織として管理をする。全体がうまく動いているかどうかは上司がきちんとチェックをしていくということでやるべしということでずっとやってきておりますけれども、さらにその点を徹底していかなければいけないことだと思っております。
○本田部会長
斎藤委員。
○斎藤委員
申しわけありません、会長が御意見として承りますとおっしゃったのですけれども、意見ではなくて、「A」ではなくて、せめて「B」にはしていただきたいと思っております。
○本田部会長
評価の件については、御意見として、皆さんの意見で最後は決めなければいかんですから。
それでは、評価の関係で御意見ありませんか。今、具体的に2~3、評価の中身についてありましたので、ここで一たん休憩をしまして、まだ、ほかにあれば別ですけれども、おおむね大体議論は尽きたと思います。あと、具体的な諮問いただいたこの評価の中で、少し検討したいと思いますので、一たん休憩をとらせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
済みませんけれども、その間、暑いですから、水でも飲んでいただいて。
(休 憩)
○本田部会長
それでは、部会を再開いたします。これまで24年度の評価につきまして、先ほどからいろいろと御議論ありましたので、一応私のほうで、西村会長あての評価結果につきましての報告書を作成いたしましたので、報告文案について、まず事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○事業企画課長
本案の修正点について御説明させていただきます。
まず答申書でございますが、そちらに出ておりますように、
社会保障審議会会長 西村 周三 殿。
日本年金機構評価部会部会長 本田 勝彦。
今般、年金裁定業務について、処理遅延や書類の紛失などが発生したことを踏まえ、再発防止に取り組む旨を記述する等の修正を求める。その他、厚生労働省案を主に妥当と認める。
という形で案を用意させていただいております。
それに伴いまして、修正点ということでございますが、お手元に配っておりますこの修正案でございますが、個別評価の16ページに、「一部の事務センターにおける年金裁定業務において、処理遅延や書類の紛失などが発生したことは極めて遺憾である。原因を徹底的に究明し、再発防止に取り組まれたい」というふうに書く。
それから、総合評価の2ページの給付事務のところでございますが、そちらのほうに、「また」の前のところでございますが、「また、今般、年金裁定業務において、処理遅延や書類の紛失などが発生したことは極めて遺憾であり、原因を徹底的に究明した上で、再発防止に取り組まれたい」と書く。
あわせて、先ほど御指摘いただきました情報公開に関する事項のところの評価につきまして、現在、諮問案では「A」となっておりますが、これを踏まえまして、答申を受け「B」という形に修正するという形の修正案でございます。
○本田部会長
今、御説明ありましたように、今までの議論を踏まえまして、今回の案件等ありましたけれども、給付と内部統制は「C」ということ、情報開示するには、先ほど申し上げましたように、アニュアルレポート等の問題もございましたので、「A」から「B」ということで、それを踏まえて報告書(案)をつくっていただきました。
それでは、済みませんけれども、報告書(案)を読んでいただけますか。
○事業企画課長
それでは、答申案を読ませていただきます。
平成25年8月9日
社会保障審議会
会長 西村 周三 殿
日本年金機構評価部会
部会長 本田 勝彦
日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果について
平成25年8月9日付け厚生労働省発年0809第1号をもって社会保障審議会に諮問のあった標記については、本部会は、審議の結果、下記のとおり結論を得たので報告する。
記
「日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果」について、今般、年金裁定業務において、処理遅延や書類の紛失などが発生したことを踏まえ、再発防止に取り組む旨を記述する等の修正を求める。その他、厚生労働省案は、おおむね妥当と認める。
以上でございます。
○本田部会長
今、読んでいただきました報告(案)によりまして、西村会長あて、報告するということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○本田部会長
ありがとうございました。
それでは、そのようなことで報告させていただきます。なお、これを受けまして、西村会長より田村厚生労働大臣あて答申が行われることになりますので、その旨御了承いただきたいと思います。
なお、機構に対しましては、厚生労働大臣のほうから、業務実績に関する評価を示すに当たりまして、答申の趣旨を十分踏まえていただければというふうに思っております。
きょうもいろんな御議論ありましたけれども、もう既に25年度もかなり進んできました。どうか、今後とも機構の皆さんに頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
どうも長時間ありがとうございました。
それでは、次回の会合等につきまして、事務局のほうからお願いします。
○事業企画課長
次回の日程でございます。9月下旬ごろの開催を予定しております。後日改めて日程調整等も御連絡させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
○本田部会長
きょういろいろとありましたけれども、石井委員からもありましたけれども、9月下旬ぐらい、また10月に行うときに、もし進捗状況があったら、御説明をいただきたいと思います。
それでは、本日の会議はこれで終了といたします。どうも長時間ありがとうございました。
(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)
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