ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第22回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録(2013年7月25日)
2013年7月25日 第22回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録
○日時
平成25年7月25日(木)13:00~15:00
○場所
厚生労働省12階 専用第12会議室
○出席者
本田部会長、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、西沢委員 |
○議題
平成24事業年度の業務実績に関する評価(事務方たたき台)について
○議事
○本田部会長
ただいまから、社会保障審議会日本年金機構評価部会を開催いたします。
委員の皆さんには、本日も大変お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございました。
初めに、委員の皆さんの出欠状況について、事務局からお願いします。
○事業企画課長
本日の出欠状況でございますが、本日は、あらかじめ大山委員から御欠席ということで伺っております。また、西沢委員におかれましては、10分程度おくれられると御連絡を受けておるところでございます。
○本田部会長
それでは、議題に入ります前に、前回の部会以降、厚生労働省及び日本年金機構におきまして人事異動があったということでございますので、事務方より御紹介をお願いいたしたいと思います。
○事業企画課長
前回の部会以降、新たに人事異動ございましたので、私のほうから御紹介をさせていただきます。
まず、厚生労働省側のほうでございますが、樽見年金管理審議官でございます。
○年金管理審議官
どうぞ、よろしくお願いします。
○事業企画課長
梶野政策企画官でございます。
○政策企画官
梶野です。よろしくお願いします。
○事業企画課長
池上給付事業室長でございます。
○給付事業室長
よろしくお願いいたします。
○事業企画課長
私、事業企画課長の赤澤と申します。よろしくお願いします。
日本年金機構側でございますが、野口審議役でございます。
○日本年金機構審議役
よろしくお願いいたします。
○事業企画課長
峯村経営企画部長でございます。
○日本年金機構経営企画部長
よろしくお願いいたします。
○事業企画課長
以上でございます。
○本田部会長
それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。本日の主な議題は、「日本年金機構の平成24年度の業務実績に関する評価について」でございます。
それでは、まず、本日の部会の進行について、事務方のほうからお願いいたしたいと思います。
○事業企画課長
本日、机の上に第22回社会保障日本年金評価部会の進行についてという資料を置かせていただいております。それをごらんいただけたらと思います。本日の議事進行の進め方でございますが、資料1にございます「個別評価シート」、これにつきまして、大きく4つのパーツに分けて御議論いただきたいと思っております。そちらの1枚紙ございますように、まず最初に「年金記録問題への対応に関する事項」、2番目のパーツとして「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項(1.~3.)」、3番目のパーツといたしまして「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項(4.~6.)、そして最後が「業務運営の効率化に関する事項」から「業務運営における公正性及び透明性の確保等の事項」、「予算、収支計画及び資金計画」ということの4つのパーツでございます。
こうした形で資料1に沿いまして、個別評価の御説明なり、御意見を賜った後で、本日つけております資料2でございますが、「日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果」として、総括的評価のたたき台を用意しておりますので、こちらのほうでさらに御議論いただければと思っておるところでございます。よろしくお願いいたします。
○本田部会長
それでは、今、事務局から説明がございましたようなやり方で進めさせていただきたいと思います。まず、日本年金機構の平成24年度個別評価シートの「1 年金記録問題への対応に関する事項」につきまして事務方より説明をお願いいたしたいと思います。
○事業企画課長
それでは、お手元にございます資料1をごらんいただけたらと思っております。1枚おめくりいただきますと、目次ということになっておりまして、先ほどのパーツに分かれるような形で目次がございます。まず最初は1~6ページまでのところについて御議論をいただきたいと思っております。
資料をおめくりいただきまして、1ページでございます。資料のつくり方といたしましては、一番左に平成24年度計画及び評価の視点。それから、(イ)として、日本年金機構から提出されている平成24年度業務実績報告書、(ウ)日本年金機構の自己評価、(エ)として、一番右の欄、厚生労働省の評価という形で並べさせていただいております。本日は、厚生労働省の評価の欄を中心に御説明させていただけたらと思っておるところでございます。
それでは、まず最初の「(1)ねんきん特別便、ねんきん定期便の処理、再裁定の迅速化」についてでございます。
ねんきん特別便等の各種便につきましては、おおむね工程表のとおり着実に実施しているという現状にあること。それから、一番右の欄の4番目の「○」をごらんいただきますと、再裁定処理を迅速に行うために平均処理期間、約0.3カ月程度を短縮させたということから、年度計画をおおむね達成できたのではないかということで、たたき台としては「B」評価ということで本日挙げさせていただいているところでございます。
引き続きまして、ページをおめくりいただきまして、ページ2でございます。
「(2)紙台帳とコンピュータ記録の突合せ」でございます。
これにつきましては、一番右の欄でございますが、最初の「○」のところに書いてございますように、平成25年3月末をめどに進めることとしておりました受給者に係る突合せ作業、これが平成24年12月までにほとんどすべて終了させたということで、当初の予定を前倒ししたということ、そして昨年度を上回る約3万件の突合せ作業を実施したことを踏まえまして、私どものたたき台としては「A」評価という形で提示させていただいているところでございます。
続きまして、2ページの下、(3)「『ねんきんネット』等による情報提供」ということでございます。
これにつきましては、1枚おめくりいただきますと3ページ、右端に書いてございますように、電子版「ねんきん定期便」をはじめとした各種通知の電子版を開始したこと。それから、その下の「○」にございます「ねんきんネット」につきましては、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」の実施に伴い、「持ち主不明記録検索」機能を追加し、記録問題の解決に向けた取組を実施されたということ、これらをもちまして、評価結果として、たたき台としては「A」という形でお示しさせていただいているところでございます。
引き続きまして、ページで言いますと4ページになります。「(4)厚生年金基金記録との突合せ」でございます。
厚生年金基金記録との突合せについては、一番右のところでございますが、第一次審査の提出期限である平成24年10月直前に大量の受付があったにもかかわらず、第一次審査をすべて審査を終了したこと等を踏まえまして、本日、御提示させていただきますたたき台としては、「A」評価ということで挙げさせていただいているところでございます。
引き続きまして、「その他の年金記録問題」ということで、ページ数でいきますと、1枚おめくりいただきまして5ページでございます。
「(5)その他の年金記録問題」としては、一番右端、基礎年金番号の重複付番解消、これについて、4項目の重複者について解明作業を進めるため、抽出条件に住所履歴や配偶者情報を加えるシステム改修を実施されたこと。それから、氏名、性別、生年月日の3項目の一致者についても、基礎年金番号の重複付番の解消を進められたということで、本日のたたき台としては「B」評価という形で挙げさせていただいたところでございます。
まず、最初のパーツにつきましては、以上のとおりでございます。
○本田部会長
ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、御意見または御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。斎藤委員。
○斎藤委員
全般的な考え方について、皆様の御意見を伺いたいのですが、年金記録問題は、大変な努力をしていただいて、すばらしい成果を上げていると思うのですが、これ以上、どうしようもないところまで来ているというのが現実だろうと思います。岩盤にぶち当たったというような言い方を年金記録問題特別委員会の会長はおっしゃっていました。昨年あたりから、数字的にはスローダウンをしていると思います。それだけに、さらに解明をするのが困難になってきているわけです。量のほうではふえていないが、質のほうではかなり御苦労、努力というのが高まっているのではないかと推測いたします。
そのあたりというのはなかなか数字では判断できないところですが、今までの進捗を考えて、そのあたりを推測すべきなのか、あるいは淡々と実績を見ていくべきなのか、そのあたりは皆様どうお考えなのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○本田部会長
今の御質問は委員の意見も聞きたいということでしょうか。その前に、今、斎藤委員がおっしゃったように、記録問題、岩盤に突き当たって非常に云々というところについて、何か機構のほうからありましたら。
○日本年金機構記録問題対策部長
年金機構から現状について簡単に御説明いたしますと、今、特に未統合記録の解明についてのお話をされたのだと思います。21年度以降、特別便など各種便を最初に送付いたしまして統合を進めてまいりまして、そのときは3カ月当たり100万件のようなペースで進んできておりましたが、その特殊便への対応がおおむね進みまして、その後、紙台帳とコンピュータ記録の突合せですとか、基金記録との突合せなどについての対応に移ってまいりまして、さらにそういうものについての記録訂正などを進めてきているわけでございます。
今、申し上げた特殊便での対応、あるいは突合せの対応につきましては、基本的には国にある記録を機構も含めた国の中で確認をして未統合記録の統合に結びつけていくという作業を行っているわけでございますが、記録そのものが最初から正確ではない。例えば誤った氏名で、事実とは違う氏名でお勤めになって、その名前で記録がつくられたり、あるいは事実とは違う生年月日でお勤めになったという場合には、そういう誤った記録でそもそも登録されておりますので、その記録を見ていくという、今までのアプローチ、紙台帳と突合せるとか、各種便を送るというようなアプローチではできることには限界があります。今申し上げたようなものについては、従前のアプローチでは対応は難しいという点がありまして、斎藤委員おっしゃったように、次第に足元では当初と比べますと、解明のペースが落ちてきていまして、過去1年間で100万件程度の解明という状態になっております。
機構といたしましては、今、申し上げたような点については、まさに御本人の申し出を踏まえて対応していくというのが基本的な流れになってまいりますので、御承知のように、新たなアプローチといたしまして、ことしの1月から「気になる年金記録、再確認キャンペーン」というものを開始いたしまして、隠された情報、国の記録には入っていない情報を御本人から得て統合を進めていくという第二のステージに今進んでいるというところでございますので、岩盤に突き当たっているという点については、今、申し上げたように、新たな手法を用いてさらに解明を進めていくという状態にあるということでございます。
○本田部会長
ありがとうございました。今、斎藤委員からのご発言について、委員の皆さん何かございませんか。私の感じを申し上げれば、もともと評価部会を始めるとき、年度計画という説明なかったので、そこから始めるべきではないかということで、年度計画をやっていただいていますから、やはり評価というのはそういう年度の計画をベースにしてどう考えていくか。今、非常に難しくなった中で、第二ステージに入る。これも当然機構なり、また厚労省のほうでいろいろと考えながら記録問題を解決しようとして、我々のほうでも年度計画の中で聞いているわけですから、評価に当たっては、その年度の計画を中心にしながらというふうに考えていますけれども、皆さんいかがですか。
そういうことで、斎藤委員、よろしいですか。
○斎藤委員
はい。
○本田部会長
もし1番目のこの点についても御意見がなければ、次に入りたい。木間委員。
○木間委員
1ページの評価の最初のところの7行目の「ねんきん特別便の一部において受付件数とご本人への調査結果の回答件数に差がある状況が判明したことについて、その対応等適切に行われたい」と書いてあるのですが、これはわかる人はわかっていることで、私だけがわからなかったのであれば仕方ないかもしれないですが、きょう早目に来て、厚労省の方に説明を受けましたが、わからないのは私だけではないと思うのです。評価「B」というのは、それで「B」になったのではないようですが、実績報告書には記載がなくてよいものだろうかという気がいたしました。
○本田部会長
厚労省のほうから。
○事業企画課長
この一番上の部分は、いわゆる年金特別便を発送いたしまして、お客様に御回答した件数と処理件数が一致していない件数が4万件程度あるという問題の件でございます。各年度の評価というのは、機構の業務状況について評価をするということになっておりまして、事業計画に必ず出ているところではないのですが、24年にそのことが対外的に判明したことも踏まえまして、ここに書かせていただいておるということでございます。ただ、委員御指摘のとおり、文言がわかりにくいという御指摘と、書く場所の問題等も御指摘いただいたかと思いますので、また、どういうふうに書けばわかりやすくなるのかということも踏まえて、またこちらのほうで検討させていただけたらと思っております。
○本田部会長
木間委員、よろしいですか。非常にわかりにくかったんですけれども、私も。
○岩瀬委員
この書きぶりの理解なんですけれども、受け付けたけれども、その受け付けたものがどこかへ行ってしまって回答ができなかったということなんですか。
○日本年金機構記録問題対策部長
事実関係を年金機構から御説明をいたしますと、スタートとしましては、受け付けた数と処理を行った数のそれぞれの数字の間に差があったというのが事実でありまして、その差がある原因については、処理が行われてないという場合と、処理は行われているけれども、処理を終えたという入力だけが行われてないケース、両方考えられますので、改めてどちらなのかということを、この半年間かけて精査をいたしまして、その結果、一定の部分、4万件弱の数については、最終的に処理が確かに行われたと確認できるというところまで至りませんでしたので、改めて御本人に年金記録の再確認をお願いという手紙をお送りをして、その分の整理がなされたかどうかを確認することにしたということでございます。
○岩瀬委員
つまり4万件に関しては、再度の回答をしていただきたいというのを出して、もう既に出したということなわけですね。それが4万件返ってきて、これからその分は全部処理をしたかどうかをチェックするという手順でよろしいのでしょうか。
○日本年金機構記録問題対策部長
処理につきましては、先ほど申し上げたような状況について、年金記録特別委員会に御報告をいたしました。その際に、よく数字について精査する必要があるのではないかなどの御意見をいただきましたものですから、現在改めて、一旦把握した約4万件の数というのが、本当に処理が終わってないのかどうかということを、また新たな手法で、再度、今、再確認をしているところでございます。現在の予定としましては、再確認の結果を踏まえまして、秋、11月の下旬ぐらいになろうかと思いますけれども、そのころに初めてになりますけれども、再確認のお願いを送付する予定にいたしております。
○岩瀬委員
らしいです。
○本田部会長
わかりました。それでは続けて、「2 提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」の「1.適用事務に関する事項」から「3.給付事務に関する事項」まで、事務方から御説明をお願いいたします。
○事業管理課長
事業管理課長でございます。御説明申し上げます。資料で申しますと7ページになります。最初がまず適用関係でございます。適用関係でも国民年金ということでございます。
「(1)国民年金の適用事務の確実な実施」ということにつきましては、年度計画に基づきまして、一番右の厚生労働省の評価欄に沿って御説明申し上げますが、住基ネットにより、把握した20歳到達者に対する適用は確実に行っていたというふうに考えてございます。一方、第3号被保険者不整合記録問題につきましては、種別変更届を届け出ていただくような勧奨やそれでもまだ届け出が行われない場合には職権で種別変更の手続を実施するといった不整合記録の是正の取組も行われているということでございます。
なお、課題といたしまして、○2の最後のところにございますが、今後、健保組合や共済組合等に係る情報の提供方法について、さらに踏み込んで関係団体と調整していただきたいと考えております。
○3ハローワークが実施する雇用保険受給者説明会等において、届出勧奨といった事務も行っていると認められます。全体といたしまして、年度計画の目標をおおむね達成しているということで「B」と評価させていただいてございます。
続きまして、厚生年金の適用の関係が8ページ目になります。
厚生年金につきましては、未適用事業所、右端の一番上の「○」の3行目のところに「未適用事業所(適用事業所となる可能性がある事業所、以下、『適用調査対象事業所』という。)としてございます。未適用事業所と従来言っていましたけれども、本来、事業所があることを把握いたしますと、それに対して適用していくことになりますが、調査をしてみた上で、これはもともと厚生年金に実は適用にならない事業所もかなりございます。未適用事業所と一律に言ってしまうと、適用すべきものを適用できてないというような誤解を生ずる可能性があるので、「適用調査対象事業所」と表記をさせていただいております。
適用調査対象事業所につきましては、半減目標というのを掲げて取り組んでいるということでございますが、3年以内に半減するという目標を掲げて取り組んでおりますが、重点加入指導につきましても、あるいは適用事業所に対する調査につきましても、目標値を上回る数字が出ております。これは機構の評価欄にそれぞれ数字の記載もございますが、目標を上回る調査等を実施したということで、評価は「A」とさせていただいております。
続きまして、11ページからが、今度「保険料等収納事務に関する事務の評価」ということでございます。11ページ目は国民年金でございます。
国民年金の納付率向上につきましては、一番右の厚生労働省の評価欄にございますとおりですが、17年度以降低下傾向にあった現年度納付率の低下傾向につきましては一定の歯止めもかかったということで、24年度分については59%というような数字になってございます。あるいは過年度1年目の納付率も上昇、過年度2年目の納付率の下げ幅も縮小といった成果もございました。
また○4、○5にございますけれども、各事務所ごとの数字を見ましても納付率は上回る等の成績が上がってきてございます。ただ、一番左側にもともとの数値目標がございますけれども、現年度納付率ですと、60%を達成するという目標に対しまして59%、過年度分1年目につきましても、前年度分から+4ポイントというところですけれども、実質的では3.9ポイントというような形で、残念ながら数字的には目標を下回ったということで評価としては「B」評価とさせていただきました。全体としては納付率が下げ止まっているという点では評価できるのですが、そういうマイナス面もございましたので、プラスマイナスで「B」評価とさせていただいてございます。
それから、14ページ目からが「厚生年金の徴収対策」の関係でございます。
厚生年金の徴収対策につきましては、口座振替実施率を前年度と同等以上の水準を確保する等の目標を掲げて取り組んでいただいていますが、一番右端の厚生労働省の評価欄をごらんいただきますとおり、船員保険はマイナスですが、厚生年金、健康保険ではプラスという成績達成できている。また収納率につきましても、厚年で+0.1%というような成績が達成できているということで、前年同等以上という数字が出ておりますので、評価としては「A」評価とさせていただいてございます。
それから、16ページ目、「給付事務に関する事項」ということになります。
給付事務につきましては、一番右端の厚生労働省の評価欄でございますけれども、年金の迅速な決定についてのサービススタンダードというのがございまして、サービススタンダードの内容につきましては、ちょうど表の真ん中辺、左から2列目のところに、ちょうど上から3行目以下書いてございますが、老齢基礎年金、老齢厚生年金等ですと2カ月以内に請求者のところへ年金証書が届くというような目標、障害基礎年金ですと3カ月以内、障害厚生年金ですと3カ月半以内というような目標を掲げて取り組んでいただいておりますが、その達成率につきましては、右端の厚生労働省の評価欄、それぞれ老齢基礎年金は97.8、%老齢厚生年金97.5%というような数字で、おおむね90%以上目標は達成できているわけでございますが、障害厚生年金について、23年度から比べると改善は認められるもののまだ目標には達していないと。59%ということで、90%の目標に比べるとかなり厳しい数字になってございます。
それから、正確な支給という点につきましては、次の17ページ目に移って、一番右端の欄に記載がありますとおりでございますが、時効特例給付について、不統一な処理がかなり多数行われていたことが判明しております。これについてはきちんと是正、再発防止が必要な状態になっているということがございます。
その他、年金受給に結びつけていく取組、ターンラウンド方式、あるいは請求を行っていない方へのお知らせの送付、住民票コードの活用といった部分については適切に実施されているということでございますが、全体としては、評価は「C」とさせていただいているところでございます。
私からは以上でございます。
○本田部会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、お願いいたします。西沢委員。
○西沢委員
ありがとうございました。14ページ目で1つ質問ですけれども、14ページの一番右側に口座振替実施率というのがありまして、厚年で83%、0.3%伸びていますので御努力されていると思うんですけれども、これ以外の方々は、例えば金融機関の窓口で納付票などを添えて払っているか、あるいは年金機構の方が現金でもらいに行っている、2つのパターンが考えられると思うんですけれども、現金でもらいに行くよりは納付票を添えてもらって納めてもらうのが効率性の面からいいと思うんですが、17%の事業所がどういうふうにして納めているのかがあれば教えていただきたいのと、あと、もう一つ、これに関連しまして、厚年の保険料の徴収は、ほかの役所でも似た業務があると思うんですね。例えば税務署であれば源泉所得税の徴収がありますし、市町村であれば特別住民税の徴収があるので、こういった類似業務があるものについては、類似業務を行っている行政機関がどのような成果を上げているのかを、ここで報告しないまでも、あわせて調べていただくと、この数字がより客観的に評価できると思いますので、それはお願いも含めて意見として申し上げます。
○本田部会長
それでは。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
ありがとうございます。後のほうでおっしゃいました源泉徴収の関係とか、特に税金の関係の納め方、その対策、それについては、これからも、特に市町村などとはいろいろ連携もとりながらやる部分がありまして、お話も聞いたり、参考にさせていただいているところですが、なかなかお互いに徴収は苦労している面がございますので、さらに意思疎通して勉強していきたいと思います。
納付の関係ですが、基本的には口座振替をしていただくか、納付書で納めていただくか、どちらかの方法をとるというのを基本にしております。
○西沢委員
現金で集めたりというのはないんですか。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
基本的に強制徴収の場合以外は。
○本田部会長
西沢委員。
○西沢委員
五月雨式で、8ページ目で、未適用事業所について、御説明の中では必ずしもすべてが適用すべき対象でないことから「適用調査対象事業所」と名称を変えるとありましたけれども、厚生年金の場合、例えば法人だと1人でも適用事業所になると思いますので、適用対象でないものというのはどういうものがあるのでしょうか。全くのペーパーカンパニーであるとか、そこら辺、さらに教えていただけたらと思うんですが。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
基本的にはペーパーカンパニーの場合が多いのですけれども、いわゆる活動実態のないものもありますし、何といいましょうか、お給料の払われてないところだと、役員さんだけとか、いろんな形態がございまして、そういうところだと全く関係なくなってしまいますので。
○本田部会長
今のでわかりましたか。
○西沢委員
はい。
○本田部会長
それでは、適用から給付までの項目はよろしいですか。何か御意見ございますか。もしないようでしたら、次に行きたいと思います。
続きまして「2 提供サービスその他の業務の質の向上に関する事項」の「4.相談、情報提供に関する事項」から「6.電子申請等の推進に関する事項」まで、事務方から御説明をお願いいたします。
○事業企画課長
それでは、引き続きまして、18~27ページまでの事項につきまして御議論をいただきたいと思います。まず「4.相談、情報提供に関する事項」のうちの「(1)年金相談の充実」ということでございます。
一番右端の厚生労働省の評価のところでございますが、最初の「○」のところでございます。年金相談につきましては、相談スキルを持った正規職員に対応する相談体制を整備する取組をされたということが書いてございますし、その下の「また」以下のところでございます。年度計画に掲げた各種取組に着実に取り組んだ結果、平均待ち時間が改善が図られたということとなっているところでございます。
また、その下の「○」でございますが、「ねんきんダイヤル」の応答率につきましても、平成23年度の60.1%から平成24年度では78.7%に改善し、中期計画の目標応答率70%以上を1年前倒しで達成したということから、年度計画を上回るということで、たたき台として評価「A」という形で御提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、ページをおめくりいただきまして21ページでございます。「相談、情報提供に関する事項」の「(2)分かりやすい情報提供の推進」ということでございます。
これにつきましては、社会保険事業の効果的な周知活動という事項と、年金個人情報の提供の充実という両面あるわけでございますが、まず前者につきましては、21ページのもう一度右のところをごらんいただきたいと思いますが、社会保険事業の効果的な周知活動につきましては○1のところでございます。コンビニでの納付、電子納付、クレジットカードの納付方法についてさまざまな周知を図って、いずれの納付方法も前年度を上回る水準を確保したという状況。
○2地域に根ざした地域年金展開事業を開始したということ。
22ページ、○4「ねんきん定期便」につきましても、未送達の方に対して、その後、住所変更処理が行われた場合に自動的に再送付する仕組みを構築されたこと等を踏まえまして、年度計画をおおむね達成したと見られますことから、こちらは「B」評価という形で、本日たたき台として提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、24ページ、「5 お客様の声を反映させる取組に関する事項」についてでございます。
これにつきましては、同じく(エ)の厚生労働省の評価、一番右のところでございますが、まず、2番目の「○」ですが、窓口対応等の接遇スキル向上のため、「サービス推進の手引き」を作成して、民間企業主催の講習を活用した研修を実施したこと。
3番目の「○」でございますが、目標達成に向けた各種取組を進めてやってきたというふうに書いておるところでございます。「サービス・業務改善コンテスト」等の定期的な開催もあって、着実に実施してきたというふうに考えておりますが、一方で、年金の業務運営組織として、真に求められるサービスは、「正しく適用して、正しく記録を管理し」ということにございますので、今後とも真のサービス向上に向けた取組の充実を図っていただきたいということで、評価といたしましては、「A」評価という形で、本日たたき台として提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、6のところでございます。ページ数で言いますと27ページ、「電子申請等の推進に関する事項」ということでございます。
電子申請につきましては、厚生労働省の評価、一番右のところ、主要16手続に係る平成24年度の電子申請の利用率は前年度を上回っておりますが、政府の新たなオンライン利用計画に定める目標値は下回っているという状況でございます。
それから、2番目の「○」でございますが、各種の届出の添付資料につきまして、画像ファイルによる添付を可能にしたことによりまして、電子申請に係る届出件数で見ますと、前年度から増加しているという状況にございます。これらを踏まえまして、年度計画をおおむね達成したと見られることから、評価としては「B」という形で、こちらをたたき台として提示させていただいているところでございます。
3つ目のくくりにつきましては以上のとおりでございます。
○本田部会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、岩瀬委員。
○岩瀬委員
まず基本的なことをお尋ねしたいのですけれども、18ページで、各種取組に着実に取り組んだ結果、待ち時間が少なくなったと。各種取組というのはどういう取組なのか、まず教えていただけますか。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
年金局のほうの評価は別としまして、私どもでやった施策としましては、これは急に去年からやったというより、今までの積み重ねももちろんありますけれども、例えばよりスキルのある人を窓口に配置するということで、なるべく正職員の比率を高めるとか、あるいはいろんな研修を通じてスキルを上げていくとか、そういったことをやってきております。
それから、「ブース仕分け」と呼んでいますけれども、担当者のスキルに差がある場合には、なるべく難しいケースのブースと簡単なケースのブースと分けまして、銀行でもコンシェルジュがハイカウンターとローカウンターに分けるイメージなのですが、これも最初に記録回復委員会のほうから御提案いただいて、そんなこともやってきております。
あと、混みぐあいの状況というのも、なるべくインターネットでもわかるようにして、見て、今、混んでいるからまたにしようかとか、そんな状況も、全部の事務所でできているわけではありませんけれども、そういった情報提供をしてなるべく窓口へ来られる方を分散することもやってきています。更に本質的には、いろんなお尋ね等に来られる場合についても、例えば文章などはわかりやすい文章をつくれば、それだけ来訪するお手間も減ることになるわけでして、これはなかなか難しいのですけれども、一般の方にご参加頂く文書モニター会議などもやりまして、極力わかりやすいものにしていくようにしています。
さらにもっと大きな戦略でいえば、窓口に来られるよりは、例えばコールセンターで済めばなるべくコールセンターで受ける、さらにいえば、「ねんきんネット」で見ていただいて、それでいろんな御疑問などを解決する、これがすごく効いているとはなかなか言えないのですけれども、できるだけ、ある種お客様へのサービス向上という点もありますけれども、いろんな対策を打っているというのが事実関係であります。
○岩瀬委員
そういうことをされているというのはよくわかったのですけれども、基本的に年金記録問題が起こったときのような殺到する人が少なくなっているので、窓口で待ち時間が減っているのではないかと普通は考えるのですけれども、そうではなくて、こういう政策というか、対応が効いているというのはどういうところで評価されているんですか。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
もちろん評価は年金局のほうになってしまいますけれども、事実としては、当然来客数が減ってきているというのもあると思いますが、対策と多分両方の効果だと思います。それを定性的に、これがこれだけ、これがこれだけというのは言えないと思いますし、それから、ブース数自体も都市部では込むようなところはブース数自体をふやしていくとか、そんなこともやってはきております。
○本田部会長
機構のほうの評価は「S」なんですね。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
そうです。今回の評価は年金局です。
○本田部会長
斎藤委員。
○斎藤委員
今の岩瀬委員の疑問、私も同じように思っていたので報告書87ページのところに混雑状況を確認しましたそれによれば平均の相談件数が激減しているわけではないので、やはり相談なさる方が激減したというよりも、機構の努力のたまものかなと思います。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
ありがとうございます。
○岩瀬委員
意地悪なことを言うのも委員の務めだと思っていますので、もうちょっと言わせていただきたいのですけれども、24ページのモニター会議の件ですけれども、18カ所、一般の声を集めてそれをいろいろサービス改善に努めたということをお書きになっていますが、モニター会議の中には機構のOB、元社保庁OBを入れているところがあって、そういうのは事前に全員外さないと一般の声を集めたということにならないのではないかと思うんですが、モニターを募集する際にそういうチェックをしなかったというのはどういうことなんしょうか。
○日本年金機構サービス推進部長
お答えします。まず社会保険庁OBの方も、私たちのお客様だという観点で考えておりました。それから、実際応募なさった方の過去の経歴を機構のほうで確認する手段がないということもありますので、今回は社会保険庁OBの方を排除するという考え方では示しておりませんでした。
○岩瀬委員
お客様はお客様だと思うんですけれども、より一般の声を聞かないと、つまり業務にたけた人の声を聞くのではなくて、全く何もわからない人たちの声を聞いていって、それを反映させないと、私はこのモニター会議やった意味は余りないと思うんですね。そういうふうにお考えにならないのだったらならないでいいんですけれども、これ、機構の職員の人からもらったメールですけれども、「社保庁の職場をむちゃくちゃにした元幹部OBがモニターしているなんてインチキもいいところだ。中央の評価委員会はこのことを知っているのか。ばからしくて勤労意欲をそがれる」というのが来ているわけです。だから、そういうのはきちんとやるべきだと思います。現場に対する影響はすごく大きいと思います。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
個別な事例がわかりかねるところありますけれども、例えば人数に制限があって、その中でOBがいっぱい占めていて、一般の方とがはじかれるということは多分ないと思います。ホームページなどで広くモニターを公募していますが、むしろなかなか応募していただく方が少ないぐらいの感じですから、むしろ努力すべきはいろんな方法で周知をして、より多くの一般の方にモニターとして来ていただく、そういったこともやっていきたいと思います。
○岩瀬委員
ある事務所の何人かの中で、一般の人は1人しかいなくて、あとOBだと。だから、そういうのは避けるべきだと思います。それは12カ所の事務所なんだから、きちんと調べた上でまた対応を考えていただきたいと思います。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
今年度も、もう準備はスタートはしていますので、むしろ幅広く、より多くの一般の方に来てもらおうということだと思いますが。
○岩瀬委員
そういう趣旨。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
そういう方向で、御趣旨は身内の意見ばかりでなくて、むしろ一般の広く意見を聞くべしと、それは全くおっしゃるとおりだと思いますので、より多く一般の方に来ていただくような工夫をしていきたいと思います。
○岩瀬委員
ぜひお願いします。
○日本年金機構理事長
今の御指摘は極めて貴重な御指摘だと思いますので、編成も含めてより実質的な御意見をいただけるように、私どもとしても仕掛けも含めて見直して努力をしてまいりたいというふうに思っています。
○本田部会長
斎藤委員。
○斎藤委員
研修のほうで申し上げることなのかもしれませんけれども、「分かりやすい情報提供の推進」のところで少しひっかかります。私どもの会社で、2カ所からお給料をいただいている者がいます。煩雑な手続がすごく難しくて、それで何度かお電話をしたのですが、電話をするたびに違う回答をもらっていたり、たらい回しにされたりということでかなり担当者が怒っておりました。それがただ1つの例外であればいいのですけれども、そういう煩雑なものに対する教育がどのくらいなされているのか、私どもの会社の例から見てちょっと心配になりました。
○本田部会長
お答えどうですか。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
今、御指摘いただいた、2事業の事業所にお勤めになる方の手続は確かに煩雑な手続を求められております。なるべく負担がかからないような、職員にとってもかなり負担かかる部分ございますので、その改善についていろいろ機械化を進めたりとかしてやっているところでございまして、もう一つは、今、おっしゃられましたように、職員の周知が足りない部分もまだ徹底していかなければいけないものもかなり残っています。それは我々のほうで対策を講じて職員を徹底していきたいと思っています。
○本田部会長
西沢委員。
○西沢委員
今の斎藤委員のというのは、斎藤委員の会社にお勤めの方が、別の会社にも勤めていて、両方が厚生年金の適用事業所で、例えば斎藤委員の会社から30万、ほかの会社から30万というときには、それぞれ標準報酬を年金機構に報告するということですね。私、前から気になっていて、厚生年金保険法とか読んでも、そこはさらっと書いてあるのですけれども、それが手続にどう落ちてくるかよくわからないんですね。2つ以上だと、2つからちゃんと取るんですよというようなことがさらっと書いてあるのですけれども、だから、それを職員の方への周知徹底がなされてないというのは、法律そのものを読んでも、多分法律自体があいまいなんですね。それを本来、事業主の方に余り負担をかけるようなものではないと思うんですね。事業主の方に負担かけるようなものであれば、事業主の方もまじめに届け出ようと思わないですし、例えば悪い会社であれば、A、B2つの会社をつくって、Aだけで届け出ましょうと、標準報酬、事業主負担を軽減しましょうとか、物すごく善良なる会社が、そういう手間を持っているというのは、単に周知だけではなくて、法律自体ももしおかしいのであれば、年金機構のほうから政府のほうに言ってほしいですね。
私が言ったことが間違っていたら訂正していただければありがたいですけれども。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
仕組み自体がかなりおっしゃるとおり複雑でして、御本人が届け出なければいけないということと、2事業から報酬があると、それぞれの報酬を足して標準報酬のどれに当たるかということを決定しなければいけない。つまり納めているところのお給料で標準報酬を決めていくというやり方ではなくて、合算しなければいけないんです。保険料を按分していくという仕組みになっています。だからかなり手間がかかるというか、難しいやり方になっていますので、それを間違いなく、ちゃんと複数箇所の勤め先からお届けをいただいて情報をとって、標準報酬をきちんと決めて、お給料に応じて保険料を割って、それぞれに幾らですとやると、そういう仕組みなんですね。
○西沢委員
全く関係ない会社だとほとんど不可能だと思うんですね。グループ会社であればいいのですけれども、だから、それはひとえに年金機構だけの問題ではなくて、法律自体だと思うんです。
○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
済みません、何と答えていいかわかりませんけれども、制度的な対応が必要かなとは思いますが、現在やっているやり方でやれる範囲のことは我々のほうでやらなければいけませんので、その範囲で、例えばこの時期、あるいは12月などには2事業にお勤めの方は、こういう手続が必要ですから、この辺は徹底してくださいというようなことを事業主の方にお知らせをしたりというようなことをして、なるべくそういう漏れがないようにというのに努めているところなんですけれども。
○本田部会長
年金機構の目的、もちろん年金業務を知っているということもありますけれども、もう一つは現場の経験から、制度に対して改善のためであれば厚労省のほうへ行き、制度改正云々と、これも年金機構の業務の一つですから、現場の実態を見て、今、おっしゃったようなことで、制度を変えることによって改善ができるというあれがあれば、それはそれで厚労省のほうに意見を出すということは必要なのではないか、そういうふうに思いますけれども。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
まさしくおっしゃるとおりだと思っています。私のところは、「お客様の声」も担当してますが、普通の会社だと商品自体をこう変えてくれという話が当然あるわけですが、私どもは商品自体を自分でつくっておらず、いわば委託販売ですので、そういう意味で、年金制度という商品をお客様がこういうふうに変えてくれという要望やご意見があるというのをお伝えするのも我々の使命だと思っています。
そういう意味で、お客様から頂いた制度に対するいろんなお考え、ご要望も一定の単位で年金局に報告していますし、それから、たしか23年の3月だったと思いますけれども、「お客様の声」や、私どもの現場での制度に対する改善要望を一度まとめました。それらは、例えば「受給資格期間を10年に縮めたらどうでしょうか」とか、「男性にも遺族基礎年金を支給したらどうでしょうか」、という大きな話から、「提出様式をB系列のものはやめてくれ」など、大きなものから小さいものまでありますけれども、そういった要望を年金局のほうに提出しまして、その中の幾つかは先般の一連の制度改正の中でも実施していただきました。
これは、大規模な作業でありましたので、毎年毎年そんなこともできませんが、また節目節目、特に来年以降新しい制度改正が入ってきますので、それを実際運用してみて、あるいはお客様がそういった新しい制度に対面して、どんなお考えがあるのかというのをまたまとめて年金局のほうへもお伝えする、そういったことも今後の話でありますけれども、また考えていきたいと思います。
○本田部会長
それでは、次に進めてよろしいですか。
それでは、続きまして、「3 業務運営の効率化に関する事項」から「5 予算、収支計画及び資金計画」まで、事務局から御説明をお願いいたします。
○事業企画課長
それでは、4番目のパーツの部分、28~46ページまでになりますが、こちらのほうを御説明させていただきたいと思います。「3 業務運営の効率化に関する事項」のまず「1.効率的な業務運営体制に関する事項」についてです。
右端の厚生労働省の評価のところでございますが、工程表に基づきまして、受付進捗管理システムの開発等の作業を進めて、その導入を平成24年度に行ったということ。
それから、事務処理誤り総合再発防止策については、各種留意点等の情報提供や、2番目の「・」に書いてございますような、説明誤りや誤解への対応としてのお客様に説明した内容確認シートの作成といった各種取組を着実に実施したということで、計画をおおむねどおり達成できたのではないかということで「B」評価という形で提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、30ページでございます。もう一つ、「2.運営経費の抑制等に関する事項」ということでございます。
一番右端の厚生労働省の評価のところでございます。そちらに出ております「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」、いわゆる給与特例法の成立を踏まえまして、国と同様に給与減額支給措置等を講じたということ。
2番目の「○」、一般管理費、業務経費につきましては、一般競争入札の実施がおおむね計画どおりであったことや複数年契約、本部での一括調達によりコスト削減に努めたということ。こういうことを踏まえまして、おおむね計画どおりということで、「B」評価を提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、1ページおめくりいただきまして31ページでございます。「3.外部委託の推進に関する事項」ということでございます。
これにつきましては、市場化テスト等々についての外部委託の実施等々についてということでございますが、一番右端の厚生労働省の評価の上から3つ目の「○」のところをごらんいただきますと、委託事業者からの定期的な報告を求めること等による質の維持・向上に努めたということ。
さらにその下の「○」でございますが、外部委託業務のサービス品質の維持・向上を図るためのガイドラインを作成するといった取組を進めているところでございまして、おおむね年度計画を達成できたのではないかということで「B」評価という形でたたき台として提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、32ページ、「4.社会保険オンラインシステムの見直しに関する事項」ということでございます。
社会保険オンラインシステムの見直しにつきましては、いわゆる基本設計補完工程の着手に向けた調達仕様書の見直しや各種資料作成などに適切に取り組んだということで、これにつきましても、おおむね計画どおりということで「B」評価という形で提示をさせていただいているところでございます。
引き続きまして、33ページをごらんいただけたらと思います。「3 業務運営の効率性に関する事項」の一番最後、「5.その他業務運営の効率化の取組に関する事項」ということでございます。
一番右端の厚生労働省の評価のところでございますが、一番最初の「○」でございます。競争性のある契約の割合は8割を超えて83.6%となっておりまして、おおむね計画を達成できているのではないかということ。
2番目の「○」でございますが、調達計画額からの削減は、数値目標を上回る17.4%となっているということから、これにつきましても、計画をおおむね達成できたのではないかということで、「B」という形でたたき台を提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、35ページをごらんいただきたいと思います。「4 業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」ということで、最初の「1.内部統制システム構築に関する事項」ということでございます。
これにつきましては、一番右の厚生労働省の評価のところでございますが、最初の「○」に書いてございますように、組織風土改革ということで、平成22年以降、「組織風土改革実践プロジェクトチーム」を設置して、各種研修やリスクアセスメント調査などの取組を行ってきたということでございますが、その下にございますように、現金紛失の発生による職員の逮捕事案といった問題も発生しましたし、さらにその下のところですが、先ほども事業管理課長から説明がありました時効特例給付業務におきまして、不統一・不公平があったことにつきまして、組織としての風通しの悪さやガバナンス不足があったことは否めないということで、評価としましては「C」評価という形にさせていただいたところでございます。
引き続きまして、ページをおめくりいただきまして40ページ、「2.情報公開の推進に関する事項」ということでございます。
一番右のところ、厚生労働省の評価でございますが、アニュアルレポートにおいて、例えば障害者向けの音声媒体の作成といった各種工夫を行ったということ。
年金記録問題への対応に関する業務について、ホームページを通じて定期的に進捗状況を公表しているということ。
事件・事故・事務処理誤りについて、「事件・事故・事務処理誤り対応要領」に基づいて着実に実施しているということから、年度計画を上回る状況ではないかということで、評価結果としては「A」という形でさせていただいているところでございます。
引き続きまして、1ページおめくりいただきまして、41ページでございます。「3.人事及び人材の育成に関する事項」ということでございます。
一番右端の厚生労働省の評価というところでございます。相応のスキルのある職員を安定的な確保のため、有期職員から正規職員に登用する制度を実施して、平成24年7月には280人を正規職員に登用したということ。
また、24年度より年金事務所長登用試験、管理職登用試験を実施し、能力・実績本位の人材登用に向けた取組が図られたということ。
また、3番目の「○」、人事評価につきましても、事業実績を反映した実績となるように改善を行い、4番目の「○」、研修についても、研修実施後のフォローアップや効果測定を踏まえた研修内容の改善を図ったということで、厚生労働省の評価といたしましては、年度計画を上回るということで「A」評価ということでたたき台として提示させていただいているところでございます。
引き続きまして、ページをおめくりいただきまして、45ページ、「4.個人情報の保護に関する事項」ということでございます。
一番右の厚生労働省の評価のところでございますが、個人情報漏えいの主な原因は誤送付ですが、その件数が22年以降増加しているというような状況にもありますので、個人情報の適正な保護・管理に向けて、確実な取組の実施が必要であるということで、厚生労働省の評価としては「C」という形でつけさせていただいたところでございます。
1枚おめくりいただきまして、46ページでございます。一番最後、「5 予算、収支計画及び資金計画」ということで、予算における運用を計画的に行うことができたかということでございますが、これにつきましては、先ほどからも申し上げておりますように、最初の「○」のところ、複数年契約の実施、本部一括調達ということで、コスト削減に努めているということと、そちらによる人件費の不用額の処理につきましても、欠員補充等ができなかったという点はございますが、おおむね計画どおりではないかということも踏まえまして「B」評価という形にさせていただいたところでございます。
一番最後の4番目のくくりにつきましては、以上のとおりでございます。
○本田部会長
ありがとうございます。それでは、ただいまの説明に対する御意見なり、御質問ございましたら、お願いいたします。岩瀬委員。
○岩瀬委員
40ページのアニュアルレポートについてお尋ねをします。厚労省の評価では、「親しみやすい内容にする各種工夫を行ったことは評価できる」とありますが、一般に読んで、あれがわかりやすくつくられているとはとても思わないんですけれども、どういう点を評価したのか、具体的に教えていただけないでしょうか。
○事業企画課長
端的に申し上げますと、そちらに書いてございますように、トピックスの作成とか、Q&A方式による特集記事を書いたとか、「ねんきん掲示板」にコラム形式を設けたとか、そういう意味で、国民にとって、だらだらと書いている感じではなくて、めりはりの効いた書き方をされているなという部分、それから障害者向けの音声媒体を作成されたという部分につきまして、確かに委員おっしゃいますように、いろいろ見方はあるのだと思いますが、私どもとしては、各種工夫を行ったということで評価できるとさせていただいているところでございます。
○岩瀬委員
このトピックスを作成したり、Q&Aを作成したり、これは毎回やっていることで、特に今回新しくやられたことではないわけですね。だらだらやっているという印象しか私は持たないのですけれども、それと見たときの印象とか、デザイン、写真の使い方、イラストの使い方、どれをとってもすごくわかりにくい。ずっと私は意見を言ってきていますけれども、余り反映されてないという感じがすごくするんですね。これを普通の人が見て、読みたいというふうな内容になってないと思うんですね。そこら辺はどういうふうに評価されているのでしょうか。
○日本年金機構経営企画グループ長
年金機構からお答えさせていただきます。いろんな見方があろうかと思いますけれども、今年でアニュアルレポートの発行は3回目でございます。毎年いろいろな工夫をして改善をしてまいりました。ただ、中身読むと、中には字が小さいとか、グラフがわかりにくいとかあると思いますので、それはまた来年に向けて改善してまいりたいと考えております。
○本田部会長
今の件について、いいアイディアでもあったら、またぜひ御指導のほど。
○岩瀬委員
もう一点、お聞きしたいのですけれども、アニュアルレポートに関して、前々からも言っていることのもう一つなんですが、これは文書作成の部分と印刷・製本の部分を分けて発注していますね。これ何で一本化しないのか、これは本当に不思議でしようがない。一本化したほうが造本率が下がるというのは常識だと思うんですけれども、それをやらないというのはどういうことなんでしょうか。
○日本年金機構経営企画グループ長
御指摘どおり、企画と印刷・製本別々に入札しています。これは業務内容が異なっておりますので、それぞれ専門業者があるので、別々に調達を行って幅広く関係業者を参加を募ったほうが、多くの業者が入札に参加して価格面でも競争が働くというのが我々の考えです。一括して行うという御指摘ですが、そうなると企画と印刷・製本両方行う必要があるので、大業者(大企業)になるので、物によると思うんですが、このアニュアルレポートでどれぐらいの業者が参加いただけるかというところが若干問題あるのではないかと考えていますが、いずれにせよ、価格も安く、質も高いものにしていきたいということは我々も考えております。
○岩瀬委員
本当に考えてやってもらっているとはちょっと信じがたいのですけれども、大業者でないと、これは別に入札できないというわけではなくて、コンテンツをつくるところに印刷・製本も込みでやってほしいと言えば、そこが印刷所を持ってなくてもきちんと印刷所との契約をそこにしてもらってつくれば安くなるはずなんです。これ、貴重な税金使っているわけですから、少しでも安くするという努力をぜひやっていただきたいと思います。何か入札の機会がふえるというと、聞こえはいいけれども、国民の貴重な税金ですから、その辺はもうちょっと考えていただきたいと思います。
○日本年金機構副理事長
貴重な税金を使ってできるだけわかりやすくつくっていくということだと思っています。調達の仕方は、これまでそういうふうに2つに分けてやっていました。どういうのがよりいいものをつくって安くできるかということだと思いますので、さらに検討していきたいと思います。
○本田部会長
斎藤委員。
○斎藤委員
アニュアルレポートのほうに戻って恐縮ですが、目標でこれを作成する云々ございます。それの目標に沿った形できちんとやっていらっしゃるというふうには評価いたしますので、そうであるならば、多分「B」なんだろうと思うんですね。「A」というのはそれをはるかに超えてすばらしい、ものすごい改善したというのが「A」というランクづけになっているわけですので、期待以上に大きくわかりやすく、親しみやすくなったかと言われると、私も岩瀬委員と同じように、そこまで改善されたのだろうかというふうに思います。単に作成し、公表するというのが目標であったのならば、目標のつくり方をちょっと反省しなければいけないと思います。
○本田部会長
今のは御意見として。あと、何かございますか。
○事業企画課長
アニュアルレポートが一番最初に出ておりますが、そのほかにもそちらに出てございますように、年金記録問題の対応に関する定期的な情報提供とか、事務処理誤りについての事業の概要等の情報の月次公表、そういう部分も含めて、私どもとしては総合的に「A」という形で御提示させていただいているところでございますが、当然たたき台ということでございますので、そこは委員の皆様の御議論をいただければ幸いであると考えているところでございます。
○斎藤委員
年金記録問題の進捗状況は、ことしから発表することになったわけではなくて、定期的に出すことがもう決まっていて、それにのっとった形で今年度も行われたと思いますので、特にそれを高く評価ということではないのではないかという気がいたします。ただ、ホームページ、「ねんきんネット」といったところでの御努力は評価はいたしますが。
○本田部会長
一応御意見として受けとめておいていただければ。よろしいですか。
それでは、次に、「日本年金機構の平成24年度の業務実績の評価結果」、今まで各論やってまいりました。それを全部踏まえた上での24年度の業務実績の評価結果のたたき台について、事務局からまず御説明をお願いしたいと思います。
○事業企画課長
それでは、資料2をごらんいただけたらと思います。評価結果の総論編ということでございます。
1枚おめくりいただきまして、「1.評価の視点」と書いてございます。
この評価の視点のところは、機構の成り立ち、どういう使命を持ってきたかということ、それを踏まえて評価を行ったという総論中の総論という事項を書かせていただいておるところでございます。
その上で、その下の1ページの「2.平成24年度業務実績全般の評価」ということで、基本的には「○」で書いておりますパーツは、先ほど御説明しました個別の評価を総括的にまとめているものということでございます。
簡単に御説明させていただきますと、最初の「○」でございますが、平成24年度における年金記録問題への対応についての取組を充実させたということを書いております。
それから、2ページ目の最初の「○」でございますが、国民年金の適用につきまして、年度計画の目標である60%上回ることができなかったけれども、平成17年以降低下傾向にあった現年度納付率については歯止めがかかったことは評価できるのではないか。
2番目の「○」でございますが、厚生年金保険等の適用・収納につきましては、さまざまな情報を活用して適用調査対象事業所を把握しているということ。今後はさらに適用の促進につなげていただくことが課題というようなことを書いております。
それから、3番目の「○」のところでございます。給付事務につきましては、障害厚生年金につきましては、達成率90%とは依然として乖離しているということで、引き続き処理期間の短縮化に向けた取組が必要であるということでございます。
2ページの一番最後の「○」、年金相談につきましては、1ページおめくりいただきまして3ページでございます。スキルを持った正規職員の整備等取組を着実に実施したということ。
それから、3ページの一番最初の「○」、お客様の声を反映させる取組につきましても、年度計画に基づく取組を着実に実施したということ。
それから、上から2番目の「○」、業務運営の効率化につきましては、一定の成果を上げておりますが、一層の効率化に向けた取組の強化を図る必要があるということ。
3つ目の「○」、内部統制システムにつきましては、先ほどから御説明しております問題事案や時効特例給付をめぐる問題について書いているところでございます。
4つ目の「○」、人事・人材の育成のところでございますが、人材登用や研修の充実に努めたが、今後とも引き続き取組の強化を図っていただきたいということが書いてございます。
3ページの一番下でございます。個人情報の保護ということにつきましても、先ほどから御説明しておりますように、対策が必要ということで、4ページ、より一層の取組をすべだと。
4ページの一番最初の「○」でございますが、予算の執行につきましても、計画的かつ効果的な執行管理に引き続き努めていただく必要があるということを書いております。
こういった基本的な個別事項の取りまとめた形にしておりまして、4ページの最初の「○」の後、ちょっとあいたところ以降、平成24年度の業務運営につきましては、年金記録問題の解決に向けた取組の拡充や年金相談の平均待ち時間の短縮などを計画的に進めて、おおむね適切に行われたのではないか。
機構の基幹業務というべき、適用、徴収、給付につきましても、多くの評価項目について、年度目標を達成するなど、これまで以上の成果が見られたのではないか。特に国民年金保険料の現年度納付率につきましては、歯止めをかけることができたのではないかということを書かせていただいて、その下の「また」で、時効特例給付に係る問題点につきまして指摘をさせていただいた上で、4ページの一番下のところでございます。「本部、現場の役職員は、本評価結果を十分に受けとめるとともに、平成25年度の年度計画を改めて確認し、業務の推進を図られたい」ということで、総括的にまとめさせていただいているということでございます。
以上でございます。
○本田部会長
先ほどまで議論しました各論に沿って全体をまとめたのがこれだろうと思いますが、何か御意見がありましたら、岩瀬委員。
○岩瀬委員
3ページ目のお客様の声を反映させる取組について意見を言いたいのですけれども、前回のこの委員会でも質問させていただいて、その後、いろいろ機構のほうから資料をいただきまして、自分なりにちょっと検討してみたのですが、その資料を読み込めば読み込むほど、特に覆面調査に関して疑念が深まったということです。
具体的にどういうことかというと、仕様書に書かれていることが、調査票にきちんと反映されてない。なおかつ、それを調査するというのは一体機構が何を考えて仕様書をつくったのかということがまずわからないんですけれども、仕様書では単にアイコンタクトができているか、服装がいいかとか、そういうセールスの態度だけではなくて、きちんと年金の説明ができるか、難しい質問に対して、後で追っかけて質問に対して回答出していくように、そこもチェックしろというのは仕様書に書いているにもかかわらず、それが反映されてない評価票をつくってそれで調査をしている。
ここで説明を受けたときに、それは事前に十何箇所に職員がいて、全調査員を集めてきちんと研修していると、そういう説明があったと思いますけれども、4分の1ぐらいは職員の立ち会いもしていない。それと年金相談窓口と国民年金の窓口は原則別の人間がやるのだというふうなことを仕様書に書いているけれども、4割ぐらいが同じ調査員がやっている。原則というのはどういうことなのかという感じがしますね。
あと、エビデンスのとり方にしても、全員が窓口に行けば、当然自分の年金記録を打ち出してもらっているわけですから、年金記録を打ち出してもらうと、その中に時間と日付が入るわけです。そこを切り取ってエビデンスとして貼るのだったらわかるんだけれども、年金事務所の名前だけ切り取って貼っている。こんなのはパソコンで幾らでもつくれるという感じもするわけです。何でハードエビデンスとなる時間と日時を入れなかったのか、これもよくわからない、調査の仕方として、非常に私はずさんな気がします。
細かく時間を見てみますと、年金事務所に行って、その足で街角の年金相談センターに行っているのですけれども、5分の移動時間で行けるわけがないんです。これは堺ですけれども、堺東年金事務所から、堺東の街角の年金相談センターに5分、幾ら隣接していても無理だと思います。それ以外に10分以下というのが結構あるわけです。これだけのコストをかけて、これだけ準備もしてやって、年金事務所に入って出てくる時間を全部出してもらいましたけれども、10分以下、中には5分というのもある。こんなのできちんとした覆面調査ができたのかというのも非常に疑問なんです。
そういう調査結果をもとにいろんな評価をされているようだけれども、それでいいのかどうかというのをまずお聞きしたいのと、多少のことは誤差だというのであれば、それはそういうお考えをお聞きしたいのと、きちんとした正確な報告にはなってないと思うんですね。機構が出してきた業務実績の案には、それをこれから書き直す御意思があるのかどうか、その辺ちょっと教えていただけませんか。
○日本年金機構サービス推進部長
この場で答えられることについて申し上げます。まず、エビデンスのとり方でございますが、基本的に来訪時間自体に重要な意味があるという認識ではなくて、来訪の事実は別の資料、例えば封筒であるとか、名刺であるとか、こういったところで確認できます。来訪時間については調査員の記載で十分と考えまして、委員がおっしゃるような形でない、エビデンスのとり方をさせていただきました。
それから、調査の業務委託の仕様書の中で、十か条の「もう一言」であるとか、回答ができない場合でも2日以内に状況を伝えるというようなことは書かれてないのではないかというお話がありましたが、プラスとなる「もう一言」と、回答できない場合の2日間以内の確認の状況の連絡というのは、いずれも仕様書の「調査の視点」というところに示しております。ただ、プラスとなる「もう一言」のみをチェック項目とした場合、お客様に有益となる情報というものは、お客様個々でケースが違うために、これを言わなければいけないとかといったような明確な基準があるわけではないので、具体的に把握することは困難です。
それから、回答ができない場合の2日間以内の確認状況の連絡についてですが、その場で質問に対する回答ができている場合が基本的に100%であったということで、今回の対象になる案件はありませんでした。ただ、今回、プラスの「もう一言」について、今後、設問内容を工夫して、プラスとなる「一言」を誘導できるようなシチュエーションのシナリオを検討したいと考えております。
それから、研修会に、全員立ち会っていないという件ですが、確かにおっしゃるとおり全ての研修会に立ち会っておりません。全てに立ち会うということは考えておりませんで、例えば参加者の方が1名、2名のところについては、現場の業者の責任者の方にお任せするとか、東京地区は2会場ありましたけれども、1会場は参加しておりますので、それを見れば2会場目も同じような形でやっているというような判断の中で、全部は立ち会っていませんでした。
それから、堺東の件でございますが、距離感的なことは私もよくわからないので、これにつきましては確認をさせていただきたいと思います。
それと覆面調査に対しても、機構評価部会でどう考えているかということですが、当方としては、委託業者が現実に訪問してないにもかかわらず、調査結果を捏造して、不適切な調査を行ったということは考えておりません。お客様の声を反映させる取組に関する事項については、覆面調査の結果だけではなく、お客様満足度アンケートや、コールセンターアンケート等の結果等々も踏まえまして、総合的に判断をさせていただいております。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
実績報告書の件ですが、これは月末に確定して、年金局のほうへお出ししたということでして、むしろ御議論としては、これに基づいてご評価をどういただくかということではないかと思います。
○岩瀬委員
プラスとなる一言云々かんかんに関して、今回できなかったと、今、おっしゃいましたけれども、シナリオをつくる段階で、それが出るようなシナリオをなぜつくらなかったのか、おかしいのではないかと私は思いますけれども。
○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
前回も御説明しましたけれども、どのミステリーショッパーにも普遍的に妥当する質問というのを考えなければいけないんので、これはなかなかむつかしい面があります。ただ、ここのところ、記録問題もあったので、期間確認の質問を設定してきましたが、確かに同じ質問を2年間続けていますので、これも確かに芸がないといえば芸もないというふうに思っていますので、今、上野も答弁しましたけれども、もう少し「もう一言」のところへつながるような、具体的アイディアが今、あるわけではありませんけれども、質問なり、シナリオなりは工夫してみたいと思います。
○岩瀬委員
堺の件ですけれども、もらった住所で見ると、南瓦町2丁目と中瓦町1丁目で、とてもじゃないけれども、入った時間と出た時間書いているわけです。出た時間から入った時間まで5分で入れるなんて普通考えられない。これ以外にもいろいろありますから。
○日本年金機構サービス推進部長
おっしゃるとおり、時間の部分については、委員の御指摘のとおり、レポートでも御報告させていただきましたけれども、徹底が足りなかったと思います。中には窓口に座った時間で書いている調査員もいますし、実際に事務所に入った時間と出た時間を記入したという調査員もいました。そこら辺の徹底は次回に向けてさせていただきたいと思います。
○岩瀬委員
ということは、ここの評価結果の書きぶりというのが、私、書き直していただかないと納得できない。モニター会議の件も、一般の人以外に。
○本田部会長
それは具体的には。
○岩瀬委員
3ページ目の「○」。
○本田部会長
「お客様の声を反映」云々という。
○岩瀬委員
そうですね。
○本田部会長
先ほども説明がありましたけれども、これは厚労省のほうの評価でしょうから、機構のほうではなくて、いろんな取組を見れば、お客様目線でのサービス向上に努めたというのは私はいいのではないかという感じがするんですけれども、ここにあるいろんな調査、やり方等について、岩瀬委員がおっしゃったようなことが、もし機構にとって非常に有意義なことがあると思いますから、それはそれで改善していただきますけれども、ここはあくまでも、お客様の声を反映させる取組についてはどうだったかということを厚労省なりの評価ですね。これはちょっと甘いよというのが、岩瀬委員だったら、それでいいんだと思います。
○岩瀬委員
4ページ目も同じようなことが出ていたのですけれども、「サービス改善の取組など、計画的に進め、概ね適切に行われた」、これは適切に行ったのかどうかというのは非常に疑問なんですけれども、意見ですので。
○本田部会長
意見で。木間委員。
○木間委員
4ページの時効特例給付業務に関してですが、厚労省による日本年金機構の業務実績の評価でありますから、こういう書き方になるのだと思いますけれども、これを読んで、私はいささか違和感を覚えました。といいますのは、調査委員会の報告書の中に、例えば、この業務に対する厚労省の姿勢、対応については、不統一、不公平の要因ないしは背景事情の1つとなっているように思われる、といったことが書かれています。そうすると、4ページのこの記述はいささか、いや、かなり一方的と私は感じました。
以上です。
○事業管理課長
機構の調査委員会のほうで、時効特例給付の問題をめぐりまして、単に機構側のみに問題があったばかりではなくて、厚生労働省側にも、例えば疑義照会での対応、そういったところのよかったのか、あるいは機構の担当部署に対する指導監督のあり方が適切だったかどうかという点が確かに御指摘をいただいているということでございます。これはこちらのほうで記述させていただいているのは、機構の評価なので、こういう書き方になってございますが、そこは厚生労働省が責任がないという趣旨では決してございません。
○本田部会長
そこはちゃんと厚労省は厚労省で適切にやられるということですね。これは機構のほうのあれですから。
○石井委員
済みません。
○本田部会長
石井委員。
○石井委員
これはちょっと教えていただきたいだけですけれども、きょう会議の初めに、資料として使われた1の最初のところの書き出しで、特別便の一部について受付件数と回答との間に差があるという話がございました。1つお聞きしたいのですけれども、当該業務にかかわっているのは年金機構の職員のみなのか、あるいは外部委託業者もかかっているのかというのを教えていただきたい。
○日本年金機構記録問題対策部長
特別便の処理については、今回の事案に関わるものは基本的には機構の職員で処理を行っております。
○石井委員
ということは、外部委託業務とは関係がない。
○日本年金機構記録問題対策部長
特別便のこの件につきましては外部委託業務とは関係ございません。
○石井委員
私自身、この委員になって、最初にお台場のほうに見学に連れて行っていただいて、あれは要するに一番問題になっていた突合問題ですけれども、そのときに御説明受けたときに、書類を受け入れてから、どのプロセスの段階に当該書類があるかということをバーコードによって管理をされていて、すべて認識ができるのだと、こういうお話をお聞きしてかなりびっくり、感激したというか、少し言葉をなくしたぐらいに管理システムが発達しているのだなというふうに実感をしたのですが、それに対して、この件は今のようなことが行われたとすれば、自動的にインプットとアウトプットの関連ですぐに整理がつくはずなんですけれども、それが結果的には行われてなかったというのが、どうもよく理解ができていないんですね。
それから、4万という数に対して、母集団というのでしょうか、全体は何件なんでしょうか。1,000万件の中の4万件?と。ただ、お台場のシステムは全く1件も漏らさないというような形でつくられていたので、もしそうだとすると、同じ機構の中でシステムとして建て付けが全然違うものがいまだにあるんですかと、お聞きしたいのですけれども。
○日本年金機構記録問題対策部長
今、2点、御質問ありましたうちの後の2つ目のほうです。どのぐらいのケースについての数なのかという点につきましてでありますが、ねんきん特別便全部で1億873万人に対してお送りをしまして、回答がありましたのが8,170万人であります。そのうち漏れ、誤りがないというものについては、それで作業が終わりますので、今回の件には関係ございません。漏れ、誤りありという回答があったものが処理の対象になります。これが1,307万件ございました。この1,307万件につきまして、本当に漏れ、誤りがあるのかどうか。また誤りがあるとすれば、正しいものは何なのかというのを調べていくというのが特別便の処理の内容ということでございます。それに対してパーセンテージで言いますと、1%以下ということになりますけれども、0.数%ということでございますが、処理が終わった後、確認できないものが残っているということでございます。
それから、処理のシステムでございますが、恐らく先生ごらんになったのは、紙台帳とコンピュータシステムの処理ではないですか。
○石井委員
ではないです。
○日本年金機構副理事長
事実関係を少し確認したいと思いますが、数年前の話ですから、基本的にお客様から御返事いただいたものをどう処理するかという処理ステップという作業があって、そこは外部委託をしていた部分がございます。ただ、最終に右左の判断とか、そこは職員が見るということでやっているので、先ほど対策部長のほうから、そういうふうにお答えをしたということで、いずれにしても事実関係を確認してみたいと思います。
○石井委員
私は実は勝手に、それは外部委託業者が行ったことなのですというふうにお答えいただいたとすると、だとすると、外部委託の推進に関して適切なチェックがされてなかったのではないんですか、と発言しようと思っていたら全く違う回答いただいてしまって、そうすると今度は、実は4万件の発生箇所は一体どこなんだという話になって、この発生箇所がよくわからないのですが、複数、何十箇所にも及ぶのか、あるいは非常に限定された箇所なのかというようなことは当然おわかりになっているのだろうし、実はそうやって考えていったときに、42ページの先ほど説明していただいた資料の中の人事評価を随分きちんやり始めているというコメントがございまして、人事評価というのと、実は人事考課という問題と給与の体系という問題と非常に大きな問題が絡んでくるのですが、この機構にとって一番重要な財産というのは人なので、そして人のサービスをきちんとやっていくということで、装置産業でも何でもないわけですね、本質は。
そういう状況の中で、そうすると当機構の職員が直接それをやっていたのだということになったときに、それと人事評価とのかかわりというのは現実的にはどういうふうになるのか。まだ特殊法人になられてからそれほど年数がたっていないので、今、その方向として、そういうものをしかかっているということであってももちろん構わないのですけれども、最終的には人事評価と、そういった結果として出てきた業務の問題というのはつながりながらきちんと人事的な整理がされていくというのが組織として多分必要なことなのかと思われるのですが、そのあたりというのは、今、どんな状況なのかというのを教えていただければと思うんです。
○日本年金機構副理事長
概括的なちょっとお答えになってしまいますけれども、最初に外部委託業者の問題の指摘がありました。もちろん外部委託業者で、例えば書類を誤送付してしまうとか、そういうふうな問題事案というか、事故的なものというか、事務処理誤り的なものというのは現実にございます。そういうときにはきちんとこれを指導して直してもらって、外部委託の管理としてこれはやっていかなければいけないということでございます。
それから、職員についても、まだ事務処理誤りも多いわけでございます。こういうふうなものもどう定量的に見ていくのはなかなか難しいところございますけれども、事務処理誤りであるとか、ほかのサービスの指標であるとか、こういうふうなものも含めて人事評価の中にできるだけ取り組んでいくということであろうと思っています。もちろんそういう数量的なものではなくて、この職員は非常に優秀でできると、いろんなことをてきぱきと処理するし、お客様対応もいいとか、こういう職員はそれで評価をいたしますし、一方で、事務処理誤りとか処理遅延がちょっと多いなというふうなのは、それに応じた評価をしていって指導していくということであろうと考えています。そういうのが、将来的にはその職員の昇給とか昇格につながっていくということであろうと。人事評価自体もまだ発展途上ということでございますので、まだまだ工夫は必要であると思いますけれども、そういうような取組を引き続きやっていきたいと思っています。
○本田部会長
御意見はよろしいですか。
○石井委員
はい。
○本田部会長
それでは、「日本年金機構平成24年度個別評価シート」と「日本年金機構の平成24年の業務実績の評価結果」につきまして、委員の方からいろんな御質問なり、また御意見等が出されました。そこの指摘のあった点等につきましては、事務局において考えながら作業を進めて、次回厚生労働大臣から評価書案の諮問があった場合、それにつきまして受けて最終的な審議ということにいたしたいと思います。きょうの御意見等も踏まえながら、事務局のほうでも検討していただきたいと思います。
それでは、本日の議題等がすべて終了いたしましたので、次回の日程等につきまして、事務局から。
○事業企画課長
次回の日程につきましては、委員の皆様方にあらかじめお時間をいただいておりました8月9日(金曜日)を予定させていただいているところでございます。後日、正式な御案内を差し上げますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○本田部会長
それでは、本日の会議はこれにて終了とさせていただきます。委員の皆様には長時間にわたりいろいろと御意見をいただきまして、まことにありがとうございました。
(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)
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