2020年の制度改正

高齢期の就労が拡大する中で長期化する高齢期の経済基盤を充実できるよう、また、中小企業を含むより多くの企業や個人が制度を活用できるよう、制度の見直しを行いました。

                                       2020年改正の施行について

◇DCの運営管理機関の登録手続きの見直し(2020年6月5日施行)



DCの運営管理機関として登録を受けようとするときには登録申請書を提出する必要があり、登録事項に変更があったときは、その旨を届け出る必要があります。

これまで登録事項には役員の住所が含まれていましたが、金融機関を監督する類似の業法において、現在は登録事項から削除していることから、運営管理機関の登録においても「役員の住所」を登録事項から削除しました

 


◇iDeCo継続投資教育の企業年金連合会への委託(2020年6月5日施行)



企業型DCを実施する事業主は、継続投資教育を行うことが努力義務として課されていますが、この継続投資教育の実施を企業年金連合会や運営管理機関に委託することができます。

iDeCoを実施する国民年金基金連合会も継続投資教育を行うことが努力義務として課されており、この継続投資教育の実施を運営管理機関に委託できますが、企業年金連合会には委託することができませんでした。

企業年金連合会が提供するオンライン教材などをiDeCoの加入者等も利用できるようにするなど、効果的な継続投資教育を可能とするため、国民年金基金連合会も企業年金連合会に継続投資教育の実施を委託することができるようになりました






 

関係法令

   


通知等

 



◇中小企業向け制度(簡易型DC・iDeCoプラス)の対象範囲の拡大(2020年10月1日施行)

 

中小企業向けに設立手続を簡素化した「簡易企業型年金(簡易型DC)」や、企業年金の実施が困難な中小企業がiDeCoに加入する従業員の掛金に追加で事業主掛金を拠出することができる「中小事業主掛金納付制度(iDeCoプラス)」について、制度を実施可能な従業員規模を100人以下から300人以下に拡大しました
 



 

 

iDeCoプラスの概要については「iDeCo公式サイト」をご参照ください。
「iDeCo公式サイト」 中小事業主掛金納付制度(愛称「iDeCo+」(イデコプラス))について

 

  





 

◇企業型DCの規約変更手続の見直し(2020年10月1日施行)



企業型DCにおいては、規約変更について労使合意を得てから厚生労働大臣の承認を受ける必要がありますが、その変更が、
『「軽微」である場合は、労使合意が必要ですが、届出のみで可』、
『「特に軽微」である場合は、労使合意が不要で、届出のみで可』とされていました。
この企業型DCの規約変更の届出の手続を一部簡素化し、軽微な変更・特に軽微な変更のうち、省令で定めるものについては、届出を不要としました。
例)資産管理機関の名称及び住所の変更
 


 


関係法令

   


通知等

 

 

◇iDeCoの脱退一時金の受給要件の見直し(2021年4月1日施行)



iDeCoの中途引き出し(=脱退一時金の受給)が例外的に認められているのは、通算の掛金拠出期間が3年以下であることや、資産額が少額であることなどの一定の要件を満たした場合に限られています。
2021年4月からは、通算の掛金拠出期間の要件が3年以下から5年以下へ拡大されます。

 


関係法令

 


通知等

 

 

◇運用の方法の除外方法の改善(2021年7月28日施行)



運営管理機関が提示している運用の方法(運用商品)を除外するには、除外しようとする運用の方法に運用の指図を行っている加入者等の3分の2以上の同意を得る必要があります。

これまで3分の2以上の同意を得られて除外することが決定した運用の方法は、新たに購入することが停止されるとともに、加入者等が既に保有している運用の方法を売却する必要がありました。

運用の方法を除外する際、既に保有している運用の方法を売却する取扱いは、例えば、手数料などで除外対象の運用の方法が同種の他の運用の方法よりも劣っている場合には、望ましくない運用の方法を保有し続けることを避けるという点では、適当であると言えます。

一方、例えば、労使の協議を踏まえて商品構成を見直し、同種の運用の方法の本数を減らして代わりにリスク・リターン特性の異なる運用の方法を追加する場合等は、既に保有している運用の方法を売却しない取扱いが適当な場合も考えられます。

こうした点を踏まえ、運用の方法の除外方法として、保有している運用の方法を売却せずに新規購入のみを停止する除外を行うこともできるよう、対応の選択肢を追加しました。(確定拠出年金制度について(平成13年8月21日年発第213号) 別紙 第6)




 

 

◇同意取得手続が不要とされる場合の運用の方法の除外の追加(2021年7月28日施行)


運用の方法の除外について、次の事由により運用の方法を除外しようとするときは、運用の指図を行っている加入者等の同意取得が不要とされています。(確定拠出年金法第26条第1項ただし書、確定拠出年金法施行規則第20条の2)

 (1) 運用の方法に係る契約の相手方が欠けたこと
 (2) 運用の方法が投資法人の発行する投資証券等の場合にあっては、当該投資法人が登録の取消しを受けたこと
 (3) 運用の方法に係る契約の相手方について破産手続開始の決定があったこと
 (4) 運用の方法が投資信託の受益証券の場合にあっては、投資信託約款の規定により信託契約期間を変更して償
      還(以下「繰上償還」という。)されたこと

このうち、(4)の投資信託の受益証券が繰上償還される場合については、「投資信託及び投資法人に関する法律」(昭和26年法律第198号)の規定に基づき所要の手続を経て償還されることから、運営管理機関の判断によることなく、当該運用の方法の提供を停止せざるを得ないため、運用の指図を行っている加入者等の同意を取得することなく運用の方法から除外することを可能としています。

信託商品についても、投資信託と同様に、信託約款の規定に基づき終了して償還される場合は、運営管理機関の判断によることなく、当該運用商品の提示を停止せざるを得ないため、運用の指図を行っている加入者等の同意を取得することなく運用の方法から除外することを可能とします。



 

◇企業型年金にかかる業務報告書の見直し(2022年3月1日施行)

        
        
企業型年金を実施する事業主は、事業年度ごとに、その企業型年金に係る業務報告書を確定拠出年金法施行規則(平成13年厚生労働省令第175号)様式第7号により作成し、毎事業年度終了後3月以内に地方厚生(支)局長に提出することとしていました。

2022年(令和4)年3月1日以後に終了する事業年度に係る業務報告書からは、以下(1)~(9)の事項について、企業型記録関連運営管理機関(企業型RK)を通じて、電磁的方法により厚生労働大臣に提出することとしました。

 (1) 企業型年金規約に係る承認番号
 (2) 厚生年金適用事業所の名称
 (3) 事業年度
 (4) 企業型年金加入者等の状況
 (5) 事業主掛金及び企業型年金加入者掛金の状況
 (6) 返還資産額の状況
 (7) 個人別管理資産の状況
 (8) 指定運用方法の状況
 (9) 企業型年金加入者の資格を喪失した者の状況

なお、改正前の業務報告書から削除した事項のうち、「資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置の実施状況」(いわゆる継続投資教育)など事業主に課せられた努力義務については、概ね5年に1度程度で地方厚生(支)局からの依頼に基づき、事業主から履行状況を報告していただき、その実施を促していくこととしました。




 

関係法令

 

 

通知等

 

 

◇受給開始時期の選択肢の拡大(2022年4月1日施行)



2022年4月から、公的年金の受給開始時期の選択肢の拡大に併せて、確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)における老齢給付金の受給開始の上限年齢を70歳から75歳に引き上げます
 
これによって、確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)における老齢給付金は、60歳(加入者資格喪失後)から75歳までの間で受給開始時期を選択することができるようになります。

 


 




   

◇企業型DC・iDeCoの加入可能年齢の拡大(2022年5月1日施行)

 
 

企業型DC



これまで企業型DCでは、原則60歳未満の厚生年金被保険者を加入者とすることができました。また、60歳以降は、規約に定めがある場合、60歳前と同一事業所で引き続き使用される厚生年金被保険者について65歳未満の規約で定める年齢まで加入者とすることができました。
 
企業の高齢者雇用の状況に応じたより柔軟な制度運営を可能とするため、2022年5月からは厚生年金被保険者(70歳未満)であれば加入者とすることができるようになります。ただし、企業によって加入できる年齢などが異なります









 

iDeCo



これまでiDeCoでは60歳未満の国民年金被保険者が加入可能でしたが、高齢期の就労が拡大していることを踏まえ、2022年5月からは国民年金被保険者であれば加入可能となります。

60歳以上のiDeCoについては、国民年金の第2号被保険者又は国民年金の任意加入被保険者であれば加入可能となります。
また、これまで海外居住者はiDeCoに加入できませんでしたが、国民年金に任意加入していればiDeCoに加入できるようになります。
 
※国民年金の任意加入被保険者とは、60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときに、60歳以降も国民年金に加入している者です。
詳しくは、以下の日本年金機構のホームページをご覧ください。
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html
 



 




※ご注意ください

・企業型DCまたはiDeCoの老齢給付金を受給された方は、改正により企業型DCまたはiDeCoの加入要件を満たした場合であっても、それぞれ再加入することができません。
(企業型DCの老齢給付金を受給された方は、企業型DCには再加入できません。同じくiDeCoの老齢給付金を受給された方は、iDeCoには再加入できません。)

・公的年金を65歳前に繰上げ請求された方は、改正によりiDeCoの加入要件を満たした場合であっても、iDeCoに加入することができません。



こちらのチラシもご参照ください。(企業型DC・iDeCoの加入者・運用指図者の皆さまへ[PDF形式:554KB])






 

◇iDeCoの脱退一時金の受給要件の見直し(2022年5月1日施行)

 


これまで、iDeCoの中途引き出し(=脱退一時金の受給)が例外的に認められているのは、国民年金の保険料免除者であるものに限られていました。
また、iDeCo加入者が海外に居住して国民年金被保険者(第1・2・3号)に該当しなくなった場合、iDeCoに加入することもできず、保険料免除者に該当することはなく中途引き出しもできませんでした。

2022年5月からは、国民年金被保険者となることができない者で、通算の掛金拠出期間が短いことや、資産額が少額であることなどの一定の要件を満たす場合には、iDeCoの脱退一時金を受給できるようになります。







◇制度間の年金資産の移換(ポータビリティ)の改善(2022年5月1日施行)

 


継続的な老後の所得確保に向けた取組を行いやすい環境づくりのため、これまでに2004年と2016年の法改正で、個人の転職等の際の制度間の資産移換を可能としてきました。

引き続き移換手続きの改善を図り、2022年5月からは、「終了した確定給付企業年金(DB)からiDeCoへの年金資産の移換」と、「加入者の退職等に伴う企業型DCから通算企業年金への年金資産の移換」を可能とします。
(「通算企業年金」とは、DBや企業型DCが共同で設立し会員となっている企業年金連合会が、退職者等向けに運用する年金の一つです。)







 


◇企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和(2022年10月1日施行)

 

 

これまで企業型DC加入者のうちiDeCoに加入できるのは、iDeCo加入を認める労使合意に基づく規約の定めがあり、かつ事業主掛金の上限を引き下げた企業の従業員に限られていました。
 
2022年10月からは、企業型DCの加入者は規約の定めや事業主掛金の上限の引き下げがなくても、iDeCoに原則加入できるようになります。
ただし、企業型DCの事業主掛金額とiDeCoの掛金額は、それぞれ以下の表のとおりであることが必要です。
また、企業型DCの加入者掛金の拠出(マッチング拠出)を選択している場合や、企業型DCの事業主掛金が月単位ではなく年単位の拠出となっている場合などは、iDeCoには加入できません










※ 企業型DCと確定給付型を実施している場合は、5.5万円→2.75万円、3.5万円→1.55万円、2.0万円→1.2万円





規約の定めや事業主掛金の上限の引下げがなくても、企業型DC加入者がiDeCoに加入できるように改善を図ることに併せて、マッチング拠出を導入している企業の企業型DC加入者は、マッチング拠出かiDeCo加入かを加入者ごとに選択できるようなります





※ 企業型DCと確定給付型を実施している場合は、5.5万円→2.75万円、3.5万円→1.55万円、2.0万円→1.2万円


   

◇企業型DC、iDeCoの拠出限度額にDBごとの掛金額を反映(システム改修等ののち、政令で定める日から施行)

 

企業型DC、iDeCoの拠出限度額について、全ての確定給付型の事業主掛金額を一律月額2.75万円と評価している点を見直し、確定給付型ごとの事業主掛金額(仮想掛金額)を反映することで、公平できめ細かな算定方式に改善を図ります。

 





※1 確定給付型の事業主掛金額は、確定給付型ごとにその給付水準からDCと比較可能な形で評価したもの(仮想掛金額)で、複数の確定給付型に加入している場合は合算。確定給付型には、公務員の年金払い退職給付を含む。

※2 施行日の時点で、企業型DCと確定給付型を併せて実施している事業主については、「5.5万円ー確定給付型の事業主掛金額」が2.75万円を下回るときは、企業型DCの拠出限度額を2.75万円とし、施行日前の既存規約に基づいた従前の掛金拠出が可能。ただし、施行日以後、確定給付型・企業型DCの設計を見直した場合は、新たな拠出限度額を適用。[経過措置]