自然毒のリスクプロファイル:巻貝:フグ毒
詳細版
有毒種 | 日本で中毒原因となる有毒種は、小型ではエゾバイ科のバイBabylonia japonica[1]、ムシロガイ科のキンシバイNassarius (Alectrion) glans[2]、大型ではフジツガイ科のボウシュウボラ[3]である。
![]() ![]() ![]() 図1 バイ 図2 キンシバイ 図3 ボウシュウボラ [ 6~7cm ] [ 4cm程度 ] [ 20~24cm ] (図1と図3は「有毒魚介類携帯図鑑(緑書房)」より転載)
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中毒発生状況 | バイによるフグ毒中毒は1957年に新潟県寺泊産、1980年に福井県坂尻産のもので発生している[1]。 キンシバイによる中毒は2007年に長崎県、2008年に熊本県、2015年に長崎県で各1件発生し、それぞれ1名の患者を出している。 ボウシュウボラによる中毒は1979年から1987年にかけて静岡県、和歌山県、宮崎県で各1件発生し、患者総数は4名である[3,5,6]。 |
毒成分 | |
(1)名称および化学構造 | 魚類:フグ毒に同じ。 |
(2)化学的性状 | 魚類:フグ毒に同じ。 |
(3)毒性 | 魚類:フグ毒に同じ。 |
(4)中毒量 | 魚類:フグ毒に同じ。 |
(5)作用機構 | 魚類:フグ毒に同じ。 |
(6)分析方法 | 魚類:フグ毒に同じ。 |
中毒対策 | バイについては、有毒部位の除去が困難であるため、本種を喫食しないことが中毒防止に繋がる。 ボウシュウボラでは、中腸腺を含む内蔵を除去すれば中毒は防止できる。キンシバイは筋肉と中腸腺を含む内蔵のいずれも有毒部位であるため[2]、本種を喫食しないことが中毒防止に繋がる。 |
参考事項 | 小型巻貝によるフグ毒中毒は中国大陸では320件以上、台湾でも9件が報告されている[4]。中国大陸ではムシロガイ科のZeuxis samiplicutus、台湾では同科のオキナワハナムシロとサメムシロ、マクラガイ科のジュドウマクラなども有毒で、中毒を引き起こしている[4]。ムシロガイ科のアラレガイNiotha clathrata[7]とオオハナムシロ(ハナムシロガイ)Zeuxis siquijorensis[8]、オキニシ科のオオナルトボラTutufa bufo[9]からもフグ毒の検出例がある。
![]() ![]() ![]() 図4 アラレガイ 図5 ハナムシロガイ 図6 オオナルトボラ [ 2~2.5cm ] [ 3~4cm ] [ 14~20cm ] (「有毒魚介類携帯図鑑(緑書房)」より転載) |
文献 |
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厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課
水産安全係
電話 03-5253-1111(内線4244)