自然毒のリスクプロファイル:魚類:異常脂質

概要版


(日本産魚類大図鑑(東海大学出版)より転載)
アブラボウズ

(東京都市場衛生検査所提供)
バラムツ

(東京都市場衛生検査所提供)
アブラソコムツ
有毒種 ギンダラ科のアブラボウズ、クロタチカマス科のバラムツおよびアブラソコムツ。
有毒部位 筋肉
中毒発生状況 アブラソコムツによる食中毒は、散発的に発生していたが、1990年に発生の報告があった以降、報告はない。
中毒症状 下痢
毒成分 アブラボウズはトリグリセリド(トリグリセリドは通常の脂質成分であるが、アブラボウズの場合は筋肉の脂質含量が50%近くに達する)。バラムツとアブラソコムツはワックスエステル(単にワックスともいう)。
備考 バラムツは1970年に、アブラソコムツは1981年に食用禁止

リスクプロファイリング・魚類:異常脂質

カサゴ目ギンダラ科アブラボウズ属アブラボウズ

(日本産魚類大図鑑(東海大学出版)より転載)
 
標準和名 アブラボウズ
英名 Skilfish
学名 Erilepis zonifer
地方名 オシツケ(神奈川県小田原)
形態的特徴 背びれは2基あり、近縁のギンダラと比べると両背びれは非常に接近している。 幼魚は体表に白い斑点があるが、成熟するにつれて一様に濃い灰色に変わる。全長2 m近くに達する。
分布 北日本の太平洋岸~ベーリング海の水深400 mの岩場に生息。
有毒部位 肝臓
毒成分 トリグリセリド

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スズキ目クロタチカマス科バラムツ属バラムツ

(東京都市場衛生検査所提供)
 
標準和名 バラムツ(別名タマカマス)
英名 Oilfish、caster-oil fish
学名 Ruvettus pretiosus
形態的特徴 棘状の固い鱗をもつことが大きな特徴で、皮膚を逆なですると痛い。第2背びれと尻びれ後方には離鰭(りき)がある。全長3 mに達する。
分布 世界中の温帯・熱帯海域。日本では相模湾以南の太平洋側。数百mの深海に生息するが、夜間には浮上して延縄や刺し網にかかることが多い。
有毒部位 筋肉
毒成分 ワックスエステル(単にワックスともいう)

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スズキ目クロタチカマス科アブラソコムツ属アブラソコムツ

(東京都市場衛生検査所提供)
 
標準和名 アブラソコムツ
英名 Escolar
学名 Lepidocybium flavobrunneum
形態的特徴 側線が著しく波状に曲がっていること、肌は滑らかで特殊な鱗(大きな円形の鱗のまわりを小さい円有孔管状鱗が取り囲んでいる)をもつこと、第1背びれは著しく低いことが特徴である。全長1.5 mに達する。
分布 世界中の温帯・熱帯海域。日本では福島以南の太平洋側。バラムツ同様に数百mの深海に生息するが、夜間には浮上して延縄や刺し網にかかることが多い。
有毒部位 筋肉
毒成分 ワックスエステル

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厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課

水産安全係

電話 03-5253-1111(内線4244)