動物等取扱業者のための野兎病Q&A
- 1.野兎病について
- Q1 野兎病とはどのような病気ですか。
- Q2 ヒトや動物での発生はこれまでどのような地域で報告されていますか。また日本でも報告されていますか。
- Q3 ハムスターが野兎病に感染する原因と、感染した場合、どのような症状が見られますか。
- 2.ヒトの感染経路、症状、治療について
- Q4 野兎病はどのようにして感染しますか
- Q5 ハムスター以外から野兎病が感染することはありますか。
- Q6 野兎病は、ヒトからヒトへ感染しますか。
- Q7 野兎病にかかった時はどのような症状がでますか。
- Q8 野兎病に感染した場合どの位で症状がでますか。
- Q9 野兎病の症状は通常どの位続きますか。
- Q10 野兎病の治療方法はありますか。
- 3.輸入あるいは、国内の販売施設等で飼育されるハムスターへの対応
- Q11 ハムスターは、カナダをはじめとして世界からどの程度輸入されていますか。また、現在、動物等取扱業で飼育しているハムスターは大丈夫でしょうか。
- Q12 ペットショップなどで飼育されているハムスターで野兎病に関して注意すべきことは、ないでしょうか。
- Q13 今後、販売のために輸入や国内で繁殖・飼育するハムスターに対してどのような対策が必要でしょうか。
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1.野兎病について
Q1 野兎病とはどのような病気ですか。
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A 野兎病菌を原因とする感染症で、本来は、野ウサギや野ネズミなどの野生の齧歯類の病気であり、ヒトに対しては感染動物との接触などにより感染する動物由来感染症の一つです。
Q2 ヒトや動物での発生はこれまでどのような地域で報告されていますか。また日本でも報告されていますか。
A
ヒトの野兎病は、北半球で確認されており、米国では、毎年200名程度が感染しています。我が国でも以前は感染した野ウサギからヒトの感染が確認されていましたが近年ではまれです。
また、動物での感染事例として、近年米国において、プレーリードックがこの病気に感染していたことが報告されています。なお、我が国でも、野ウサギなどの一部の野生動物から野兎病が確認されています。
Q3 ハムスターが野兎病に感染する原因と、感染した場合、どのような症状が見られますか。
A
野兎病が野ネズミなどの齧歯類で確認されている地域では、野兎病に感染した野ネズミとの接触により、あるいは、野兎病菌を持っているダニなどの吸血によりハムスターなどの齧歯類が感染することが考えられます。また、過去に海外で発生した、シリアンゴールデンハムスターの繁殖場での流行時には、身を縮ませる、毛を逆立てるなどの症状を呈した後48時間以内に死亡したとされています。なお、症状で野兎病であることを断定することは困難であり、通常より死亡率が高いなどの異常が発生した場合、保健所や獣医師に相談する必要があります。
2.ヒトの感染経路、症状、治療について
Q4 野兎病はどのようにして感染しますか
A
ヒトは感染した動物(野ウサギ、野ネズミなどの齧歯類)に直接接触することにより皮膚から感染する他に、野兎病菌を持ったダニなどにヒトが刺されることで感染することがあります。また、海外では汚染した生水の摂取や汚染された塵芥の吸入で感染した事例もあります。
Q5 ハムスター以外から野兎病が感染することはありますか。
A
野兎病に感染した野生のネズミ、リスなどの齧歯類、ウサギから直接あるいは、これらに感染した動物に寄生したダニやノミなどにヒトが刺されることにより感染します。
Q6 野兎病は、ヒトからヒトへ感染しますか。
A
通常、ヒトからヒトへ感染することはありません。
Q7 野兎病にかかった時はどのような症状がでますか。
A
突然、悪寒、波状熱(39~40℃)、頭痛、筋肉痛、菌の侵入部位に近いリンパ節の腫脹と疼痛などの症状を示します。また、野兎病菌が侵入した皮膚(傷口や咬まれた部位)に潰瘍もできます。
Q8 野兎病に感染した場合どの位で症状がでますか。
A 感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は1~7日間ですが、通常3日間程度です。
Q9 野兎病の症状は通常どの位続きますか。
A 抗生物質の投与を2週間程度行えば、症状はなくなります。
Q10 野兎病の治療方法はありますか。
A 全身治療の方法として、抗生物質のストレプトマイシンが良く効きます。また、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、マクロライド系抗生物質が有効です。局所治療としては、膿瘍となったリンパ節を穿刺し、排膿(3~4日ごと)し、ストレプトマイシンの局所注入又は病巣の掻爬(そうは)を行います。
3.輸入あるいは、国内の販売施設等で飼育されるハムスターへの対応
Q11 ハムスターは、カナダをはじめとして世界からどの程度輸入されていますか。また、現在、動物等取扱業で飼育しているハムスターは大丈夫でしょうか。
A 我が国には、平成15年には、年間約50万匹のハムスターが輸入され、その殆どが欧州からの輸入でした。また、今回、野兎病が確認されたハムスターも含め、カナダからの輸入は認められませんでした。
このことから、現在、販売等のために飼育されているハムスターについて、特段の対応の必要はありませんが、動物等取扱業者の責務として、今後とも輸入・販売されるハムスターの衛生管理に努める必要があります。万一、動物等取扱業者で飼育されているハムスターに異常を認めた場合には、保健所に相談すべきです。
Q12 ペットショップなどで飼育されているハムスターで野兎病に関して注意すべきことは、ないでしょうか。
A 所有するハムスターを綿密に観察し、病気に気づいたり死亡率が通常より高い場合は、保健所や獣医師に相談すべきです。
Q13 今後、販売のために輸入や国内で繁殖・飼育するハムスターに対してどのような対策が必要でしょうか。
A ハムスターを含めた齧歯類によるヒトの野兎病感染を防止するためには、まず、野兎病に感染のおそれのある、野生で捕獲されたウサギや齧歯類の輸入や保管を避けるべきです。
なお、厚生労働省は、ハムスターを含めた齧歯類などの輸入動物を原因とする感染症の発生を防止するために、平成17年9月1日より、動物の輸入届出制度を実施します。届出に際しては、狂犬病の症状を示していないこと、野兎病を含めペストな ど計7種類の感染症が発生していない施設で出生以来保管されていたことを証明する輸出国政府機関発行の証明書の添付が必要となります。当然のことながら、輸入届出制度開始以前であっても、こうした野兎病感染防止対策のとれたハムスターを輸入すべきです。
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