水痘

水痘(すいとう)とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる、かゆみを伴う発しんが全身に出現する感染症です。空気感染、飛まつ感染、接触感染により広がり、その潜伏期間は感染から2週間程度(10日~21日)と言われています。

水痘は主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われています。小児における合併症は、皮膚の二次性細菌感染、脱水、肺炎、髄膜炎、脳炎などがあります。成人での水痘も稀にみられますが、成人に水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高いと言われています。

主な症状

発しんの発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発しんは紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされています。 
 

▼写真1:体幹部に出現した水疱・膿疱

 

▼写真2:痂皮化(かさぶた)した発しん

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治療方法

通常、発しんに対し外用剤を用いて治療します。抗ウイルス薬(アシクロビル)は重症水痘、水痘の重症化のリスクのある免疫不全者には第一選択薬となります。
発しんなどの症状が出現し水痘を疑う場合、医療機関に電話等で水痘の疑いがあることを伝え、医療機関の指示を仰ぐようにしてください。

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感染経路

感染した人のせきのしぶき(飛まつ)を吸い込んだり(飛まつ感染)、感染者と接触したりすること(接触感染)により感染すると言われています。家庭のほか、学校などの施設内でも感染の伝播がみられます。感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2週間程度(10日~21日)くらいとされています。

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予防と対策

水痘にはワクチンがあり、現在国内では乾燥弱毒生水痘ワクチン(以下、水痘ワクチン)が用いられています。水痘ワクチンの1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。
また、家庭内接触での発症率は90%と報告されており、家庭内での感染を防ぐために水疱(水ぶくれ)に触れた後の確実な手洗いやタオルの共用を避けるといったことも重要です。
水痘が流行している家庭内や施設での予防では、72時間以内の水痘ワクチンの緊急接種による発症の防止、症状の軽症化が期待できます。

水痘ワクチンの接種の対象者とスケジュールは以下のページをご覧ください。

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発生状況

24時間以上の入院を必要とする水痘症例は、感染症法上5類感染症に定められています。また、入院を必要としない水痘症例については小児科定点報告対象疾患として報告されています。
最新の発生状況については、下記の感染症発生動向調査をご参照ください。

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