伝染性紅斑

伝染性紅斑でんせんせいこうはんとは

両頬に赤い発しん(紅斑)が出ることから「リンゴ病」とも呼ばれる、小児に多い感染症です

伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。小児を中心にみられる流行性の発しん性の病気です。両頬がリンゴのように赤くなることから、「リンゴ病」と呼ばれることもあります。

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主な症状

約10~20日の潜伏期間の後、微熱やかぜの症状などがみられ、その後、両頬に蝶の羽のような境界鮮明な赤い発しん(紅斑)が現れます(写真1)。続いて、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がります(写真2)が、これらの発しんは1週間程度で消失します。

中には長引いたり、一度消えた発しんが短期間のうちに再び出現したりすることがあります。成人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもありますが、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復します。

▼写真1:両側の頬に出現した蝶翼状の発しん
写真1.両側の頬に出現した蝶翼状の発しん

▼写真2:上肢伸側に出現した発しん
写真2.上肢伸側に出現した発しん

多くの場合、頬に発しんが出現する7~10日くらい前に、微熱やかぜのような症状がみられ、この時期にウイルスの排出が最も多くなりますが、発しんが現れたときにはウイルスの排出はほとんどなく、感染力もほぼ消失しています。


 

引用:伝染性紅斑とは| 国立感染症研究所(外部サイト)

 

妊娠中又は妊娠の可能性がある方へ

これまで伝染性紅斑に感染したことのない女性が妊娠中に感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。熱や倦怠感が出現した後に発疹が出るなど、伝染性紅斑を疑う症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。また、感染しても症状がない場合(不顕性感染)もあるため、周囲に伝染性紅斑の人がいる場合は、妊婦健診の際に、医師に伝えてください。

伝染性紅斑の家族がいる場合や、流行している地域で多くの小児と接する機会がある職業の方などは特に注意が必要です。かぜ症状がある方との接触をできる限り避け、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染予防を行ってください。


 

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感染経路

感染した人の咳のしぶき(飛まつ)を吸い込むことによる感染(飛まつ感染)や、感染者と接触したりすることによる感染(接触感染)が知られています。

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治療方法

伝染性紅斑に、特別な治療法はありません。基本的には軽い症状の病気のため、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。

 

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予防と対策

伝染性紅斑を予防するワクチンや薬はありません

前述の通り、紅斑が出ている時期にはほとんど感染力がないため、かぜ症状のある人はこまめな手洗いや、せきやくしゃみをする時には口と鼻をハンカチ等でおおうなどの「咳エチケット」を心がけることが大切です。

感染症対策へのご協力をおねがいします

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発生状況

国内の発生状況

伝染性紅斑は、感染症発生動向調査において5類定点把握疾患に分類されています。全国約3,000カ所の小児科定点からの報告に基づいて発生動向が収集・分析されています。
この調査によると、年によって若干のパターンの違いはあるものの、年始から7月上旬頃にかけて増加し、9月頃に最も少なくなる季節性を示すことが多いですが、流行が少ない年には、はっきりした季節性がみられないこともあります。
患者さんの年齢分布では、5~9歳での発生が最も多く、ついで0~4歳が多いとされています。

最新の発生状況については、下記の感染症発生動向調査をご参照ください。   


 

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医療機関・自治体の皆さまへ

事務連絡

感染症法に基づく医師の届出のお願い

指定届出機関(小児科定点医療機関)は、発生状況を週ごとにとりまとめて、保健所に届け出てください。

届出基準・届出様式

都道府県により届出様式が異なる場合がありますので、最寄りの保健所にご確認ください。
 

 

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関連リンク

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