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日本紅斑熱について


日本紅斑熱は、病原体(リケッチア)を保有するダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。
近年、国内で年間200件を超える発生報告があり、死亡者も報告されています。
感染症法では四類感染症に位置付けられています。

 

1 日本紅斑熱について

1 病原体

 

リケッチアの一種 リケッチア・ジャポニカ(Rickettsia japonica)

 

2 感染経路

 

病原体を保有するダニに刺咬されることで感染する。

 

3 潜伏期

 

2~8日

 

4 症状と診断

 (1)    臨床症状:
頭痛、発熱、倦怠感を伴う。
発熱、発疹、刺し口が主要三徴候であり、ほとんどの症例にみられる。
つつが虫病との臨床的な鑑別は困難である。
※ただし、詳細に観察すると、
・発疹が体幹部より四肢末端部に比較的強く出現する(つつが虫病では主に体幹部にみられる)
・つつが虫病に比べ、刺し口の中心の痂皮(かさぶた)部分が小さい
などの特徴がある。
検査所見:CRPの上昇、肝酵素(AST、ALT)の上昇、血小板の減少など

(2)    診断:
血清診断:主に、間接蛍光抗体法、間接ペルオキシダーゼ法による血清診断が行われる。
※紅斑熱群リケッチアは種間で血清学的交差反応が強く、R. japonicaを抗原として用いれば全ての紅斑熱群リケッチア症の診断が可能であり、輸入感染症にも対応できる。
また、類似疾患との鑑別のため、つつが虫病リケッチアの抗原を併用することが望ましい。
また、ペア血清を用いた抗体上昇を確認することが望ましい。急性期においてはIgM抗体も検出されないことが少なくない。
病原体診断:刺し口の痂皮、皮膚(発疹部)の生検、抗菌薬投与前の急性期末梢血中からのリケッチアDNA検出。

 

5 治療

本症を早期に疑い適切な抗菌薬を投与することが極めて重要である。
第一選択薬はテトラサイクリン系の抗菌薬である。
なお、βラクタム系の抗菌薬は全く効果がない。
 

6 予防

ワクチンはないため、媒介ダニの刺咬を防ぐことが極めて重要である。また、発生時期および発生地を知り、野山など感染するおそれがある地域に立ち入らないことが重要である。
なお、農作業や森林作業でやむを得ず立ち入る際には、
(1) 長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かない
(2) ダニ忌避剤を使用する
(3) 作業後早めに入浴し、ダニの付着について確認を行う
ことが大切である。

7 疫学

日本紅斑熱を媒介するダニは、ヤマアラシチマダニ(Haemaphysalis hystricis)、キチマダニ(Haemaphysalis flava)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)など野山等に生息しているダニであることが強く示唆されており、ヒトは野山に入った際にこれらのダニに刺咬され感染する。
しかし、全てのダニがリケッチアを保有しているわけではなく、リケッチアを保有するダニに刺咬された場合にのみ感染する。
リケッチアはダニからダニへと継卵感染により受け継がれる。また、媒介ダニは幼虫、若虫、成虫のいずれも哺乳動物を刺咬し、吸血する。
自然界で保菌あるいは感染した動物としては、げっ歯類や野生のシカ、イノシシなどが公衆衛生上重要である。
なお、患者の発生は媒介ダニの活動が活発化する4月~10月に見られ、特に9月、10月に多い。

【参考:国立感染症研究所HP 発生動向調査年別報告数一覧(全数把握)】
https://www.niid.go.jp/niid/ja/ydata/8114-report-ja2017-20.html

 

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