健康・医療チクングニア熱について

クリミア・コンゴ出血熱ウイルスによる出血熱を特徴とする感染症です。このウイルスは、哺乳動物とマダニの間で維持されていますが、ヒトはウイルスを有するマダニに刺されたり、ヒツジなどの家畜を解体する作業中に血液に触れたりした場合に感染します。患者体液との直接的接触でも感染することがあります。特異的な治療法はなく、死亡率の高い感染症で、特に、中央アジアや中東では毎年患者が発生しています。最近ではインドやパキスタンでも患者が報告されており、2016年にはスペインにおいて初めて患者が報告されました。

草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに刺されない予防措置を講じると共に、もし発症した場合には、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

1.チクングニア熱について

1 病原体

トガウイルス科アルファウイルス属に属するチクングニアウイルス

2 感染経路

チクングニアウイルスを保有するヤブカ属のネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどに刺されることで感染する

3 潜伏期

2~12日(通常3~7日)

4 診断と治療

(1)臨床症状:

潜伏期後、患者の大多数は急性熱性疾患の症状を呈する。発熱と関節痛は必発であり、発疹は8割程度に認められる。関節痛は四肢(遠位)に強く対称性で、その頻度は手首、足首、指趾、膝、肘、肩の7順であり、関節の炎症や腫脹を伴う場合もある。関節痛は急性症状が軽快した後も、数週間から数か月にわたって続く場合がある。その他の症状としては、全身倦怠感・頭痛・筋肉痛・リンパ節腫脹である。血液所見では、リンパ球減少、血小板減少が認められる。重症例では神経症状(脳症)や劇症肝炎が報告されている。

(2)診断:血液から病原体の検出や病原体遺伝子の検出、 血清から抗体の検出


(3)治療:対症療法

5 予防

流行地域で活動する場合は、でぎるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊にさされないよう注意する

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2.ガイドライン

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3.リンク

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