オウム病について
主にオウムなどの愛玩用の鳥からヒトに感染し、肺炎などの気道感染症を起こします。
鳥を飼っており、治りにくい咳や息苦しさなどの症状を感じたらオウム病を疑って病院を受診し、鳥を飼っていることを医師に伝えましょう。
オウム病とは
1 病原体
オウム病クラミジア Chlamydophila psittaci
2 感染動物
主に鳥類
3 感染経路
インコ、オウム、ハト等の糞に含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えることによって感染
4 潜伏期
1~2週間
5 診断と治療
- (1)臨床症状: 潜伏期後、突然の発熱で発病する。初期症状として悪寒を伴う高熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられる。呼吸器症状として咳、粘液性痰などがみられる。軽い場合は風邪程度の症状であるが、高齢者などでは重症になりやすい。胸部レントゲンで広範な肺病変はあるが、理学的所見は比較的軽度である。重症になると、呼吸困難、意識障害、DICなどがみられ、診断が遅れると死亡する場合もある。発症前にトリとの接触があったかどうかが診断のための参考となる。
- (2)診断:咽頭拭い液、喀痰、血液から病原体や病原体遺伝子の検出、血清から抗体の検出
- (3)治療: テトラサイクリン系薬が第一選択薬である。マクロライド系、ニューキノロン 系薬がこれに次ぐ。
6 予防
鳥との接触を避け、むやみに触らない。特に妊婦は注意しましょう。
鳥を飼うときは、ケージ内の羽や糞をこまめに掃除する。
鳥の世話をした後は、手洗い、うがいをする。
健康な鳥でも保菌している場合が有り、体調を崩すと糞便や唾液中に菌を排出し感染源となる場合があるので、鳥の健康管理に注意する。
口移しでエサを与えないなど、節度ある接し方をする。