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第36回労働政策審議会勤労者生活分科会 議事録
雇用環境・均等局勤労者生活課
日時
令和8年7月15日(水)15:00~17:00
場所
会議会場及び傍聴会場 厚生労働省専用第21会議室
(千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館17階)
出席者
【公益代表委員】
山本(眞)分科会長、戎野委員、小川委員、鹿住委員、中益委員、浪波委員、藤澤委員、山本(陽)委員
【労働者代表委員】
【使用者代表委員】
阿久澤委員、石井委員、大橋委員、木村委員、合田委員、渡辺委員
【ヒアリング対象者・団体】
池本 洋一氏(株式会社リクルートSUUMO編集長兼SUUMOリサーチセンター長)
労働金庫連合会(営業推進企画部次長 背戸 義久氏)
【事務局】
田中雇用環境・均等局長、大隈大臣官房審議官(雇用環境、均等担当)、安達勤労者生活課長、奥山勤労者生活課長補佐、折口勤労者生活課長補佐
山本(眞)分科会長、戎野委員、小川委員、鹿住委員、中益委員、浪波委員、藤澤委員、山本(陽)委員
【労働者代表委員】
佐保委員、杉山委員、仁平委員 、松田委員
【使用者代表委員】
阿久澤委員、石井委員、大橋委員、木村委員、合田委員、渡辺委員
【ヒアリング対象者・団体】
池本 洋一氏(株式会社リクルートSUUMO編集長兼SUUMOリサーチセンター長)
労働金庫連合会(営業推進企画部次長 背戸 義久氏)
【事務局】
田中雇用環境・均等局長、大隈大臣官房審議官(雇用環境、均等担当)、安達勤労者生活課長、奥山勤労者生活課長補佐、折口勤労者生活課長補佐
議題
(1)勤労者財産形成促進制度に関する今後の検討における主な視点
(2)有識者等からのヒアリング
(2)有識者等からのヒアリング
議事
- 議事内容
- ○山本(眞)分科会長 皆様おそろいのようですので、ただいまから第36回「労働政策審議会勤労者生活分科会」を開催いたします。
今回より公益代表委員の小川幹夫委員が新たに着任されておりますので、よろしくお願いいたします。
本日は、小川幹夫委員、鹿住倫世委員、中益陽子委員、藤澤陽介委員、山本陽子委員、阿久澤まり委員、木村恵利子委員、合田陽子委員、渡辺茂美委員がオンラインで出席されています。
なお、鹿住倫世委員は御都合により途中退室ということでございます。
また、武重里咲委員、萩原一人委員は御欠席でございます。
以上のとおりですので、本日は全員の3分の2以上または公労使委員の各3分の1以上のご出席を賜り、労働政策審議会令第9条の規定による開催に必要な定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
なお、本日は議題2の「有識者等からのヒアリング」のために、株式会社リクルートSUUMO編集長兼SUUMOリサーチセンター長の池本様、労働金庫連合会営業推進企画部次長の背戸様のお二方にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の分科会は対面とオンラインを併用する形式になっておりますので、開催に当たりまして、事務局から発言方法等について説明をいただきます。
○安達勤労者生活課長 事務局の勤労者生活課長の安達でございます。
本日の分科会は、対面のほか、Zoomによるオンライン形式でも御出席いただいておりますので、開催に当たりまして、簡単に操作方法について御説明いたします。オンラインの方は、事前にお送りしております「会議の開催・参加方法について」も併せて御参照ください。
分科会の進行中は皆様のマイクをオフにしていただくようお願いします。御発言される場合には、会場内の皆様におかれては挙手を、オンライン参加の方は「手を挙げる」ボタンを押していただき、分科会長から指名があった後に、マイクをオンにしていただき、お名前を名乗っていただいた上で御発言ください。御発言が終わりましたら、オフに戻してください。
なお、会議進行中に音声が途切れる等の通信トラブルが生じた場合は、事前にお知らせしております電話番号までお電話いただくか、Zoomのチャット機能を利用いただき、事務局まで御連絡ください。
また、本日は対面参加の方とオンライン参加の方と両方いらっしゃいます関係で、指名の順番については前後することがあるかと思います。なるべく挙手の順番となるように配慮したいと思いますが、その点、御了承いただけますと幸いです。
それでは、本日はよろしくお願いいたします。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
それでは、議事に入らせていただきます。
頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラをお持ちの方は撮影を終了してください。
それでは、本日の議題1「勤労者財産形成促進制度に関する今後の検討における主な視点」に入ります。
まず、事務局から説明をお願いいたします。
○安達勤労者生活課長 事務局でございます。
前回、3月の分科会で、この勤労者財産形成促進制度の今後のあり方について議論を深めるべきではないかという御意見を複数の委員からいただいたことを踏まえて、今回を含め、今後議論させていただければと思っておりますけれども、その前提となる幾つかの参考となる資料を準備させていただきましたので、順次御説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料1を御覧いただきたいと思います。
1ページめくりまして、過去の財形制度のこれまでの改正の経緯でございます。
財形制度でございますけれども、昭和46年に法律が公布・施行され、その後累次の改正を行ってきております。主立ったところでいいますと、1975年の非課税限度額の100万から500万円の引上げや、財形貯蓄を行う勤労者に事業主拠出による上乗せ給付を行う、いわゆる財形給付金制度の創設、1977年の財形融資制度の創設でございますとか、1982年の財形年金貯蓄制度の創設、また、1994年には限度額の500万から550万円の引上げ等の見直しを行ってきたところでございます。
そういった中で、今後、幅広く議論を行うに当たって、全体像ということで、2ページでございますが、まず資料を準備させていただいております。
前回の分科会での御意見等を踏まえ、資料を整理させていただいておりますけれども、累次の見直しを行ってきたという中で、勤労者を取り巻く環境というのが、働き方の変化等により就業期間が長くなっている等の状況が生まれている。また、賃上げが進む一方で、勤労者の生活とも関係する住宅価格の高騰も生じているといった様々な状況の変化を踏まえ、財形制度について以下のような論点から検討してはどうかということで整理をさせていただいているところでございます。
具体の論点については、次の3ページを御覧いただければと思います。
まず大きな項目の1点目、勤労者の就業実態の変化に応じた財形制度の環境整備ということで、いわゆる非課税となる財形貯蓄の加入開始可能年齢の取扱いでございます。高齢者雇用安定法における法制度の整備でございますとか、高齢者の就業期間の長期化等を踏まえ、加入開始可能年齢の上限のあり方についてどう考えるかというものでございます。
2点目でございます。非課税財形のポータビリティについてということで、前回もお話があったかと思いますけれども、金融機関が財形業務を廃止した場合等において、これまで行っていた非課税財形を解約せざるを得ないような状況が生まれているという中で、これまで認められていなかった金融機関や事業主の都合による預替えについてどう考えるかという論点でございます。
続いて、今と類似の論点でございますけれども、事業主負担で積み立てる財形給付金についても、金融機関や事業主都合で中途解約せざるを得ないような事例が発生しているという状況の中で、財形貯蓄に係る積立対象となる金銭の取扱いについてどう考えるかというものでございます。
続いて大項目の2ということで、賃金が上昇し、住宅価格が高騰する中での財形制度の構築ということで、1点目が非課税限度額の取扱いでございます。現行、年金・住宅を合算して550万円が上限とされているところ、この取扱いをどう考えるかというものでございます。
2点目、住宅のニーズに合わせた財形住宅貯蓄のあり方についてということでございまして、この財形住宅貯蓄の払出要件でございますが、住宅の購入、大規模なリフォームが対象とされているところ、住宅に対するニーズの多様化を踏まえ、この払出要件のあり方についてどう考えるかというものでございます。
次のページを御覧いただければと思います。
次は融資の方でございます。財形持家融資については、積立期間や金額など一定の要件を満たす財形貯蓄を行っている方を対象に融資を行うとなっているところでございますけれども、金利の環境、ニーズの変化等を踏まえ、勤労者の利便性の向上を図る観点から、この融資のあり方についてどう考えるかというものでございます。
2点目でございます。後でデータもお示しいたしますけれども、この財形持家融資の利用状況というのは近年減少傾向にあるという中で、制度の安定性を図る観点から、この財形持家融資のあり方についてどう考えるかという論点でございます。
続いて、その他ということで、金融機関の事務負担の軽減等の観点から、制度の事務手続の要件、対象商品の規制についてどう考えるかといった論点でございます。
続きまして、関連の資料等を幾つか準備させていただいております。
資料2を御覧いただければと思います。
まず2ページでございます。
財形貯蓄制度の概要でございます。財形貯蓄制度については、右の図にありますように、事業主が勤務者の給与天引きによって預入代行を行って、金融機関に貯蓄を行うというものを特徴としておりまして、財形貯蓄の種類については、預貯金のほかにも、ページ中央上部の枠に記載がありますけれども、合同運用信託等の種類で対応は可能となっているところであり、類型については、目的を問わない一般財形貯蓄、また、目的に年金として受け取りを行う財形年金貯蓄、住宅の取得等に充当する財形住宅貯蓄に分かれているところでございます。
1ページおめくりいただければと思います。
要件でございますけれども、一般財形貯蓄については3年以上の期間にわたって定期に金銭の払い込みを行います。また、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄についてはそれぞれ5年以上の期間にわたって定期の払い込みを行います。一方で、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄については、加入開始年齢が55歳未満である等の要件があるところでございます。
1ページおめくりいただいて、対象者等でございます。当然勤労者であること、また、勤務先や財形貯蓄制度を実施していることでございますけれども、もう一つ、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄はそれぞれ一人1契約ということになっております。
利子非課税については、その下にありますけれども、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は元本合計550万となっており、一方で生命保険・損害保険の場合は元本が385万という取扱いになっているところでございます。
より詳細な比較については5ページにありますけれども、割愛させていただいております。
もう一つ、財形給付金制度というものがありまして、これは労使の合意に基づいて、事業主が財形貯蓄を有する勤労者のために毎月最高10万円までの金銭を拠出し、7年経過ごとに元利合計額の給付金を支給する財形給付金制度というものがございまして、この概要をおつけしております。
また、類似の制度として、次の7ページにありますけれども、財形基金制度の概要もつけております。取り扱う金融機関が異なるというのが大きな差でございます。
次いで8ページでございます。
財形持家融資制度でございますけれども、要件については左の方に書いてありますが、財形貯蓄を1年以上継続し、50万円以上の残高を有している勤労者に対して持家の取得等の資金を融資するというものでございまして、事業主等を通じて行う転貸融資は独立行政法人勤労者退職金共済機構が行います。一方で、公務員についてはその共済組合が行う直接融資ということでやっております。また、会社において融資制度がない場合等の場合に、住宅金融支援機構及び沖縄振興開発金融公庫が行う直接融資という類型もございます。限度額は財形の貯蓄残高の10倍、最大4,000万円までとなっております。その他の条件は下の方につけております。
より詳細な内容等については次のページにつけておりますので、適宜御参照いただければと思います。
次いで、さきの3月の分科会でも議論になった、1点目は財形年金貯蓄制度等の加入開始可能年齢の上限の法律上の文言でございますけれども、55歳未満の勤労者という文言は財形法の第6条第2項の中に出てきているところでございます。
次のページでございます。
財形住宅貯蓄契約についても、第6条第4項の中に出てきているところでございます。
一方で、次の12ページ、13ページでございますけれども、非課税限度額の550万円については租税特別措置法の中で規定されております。
次いで14ページ、15ページは預替えに関する文言でございますけれども、財形貯蓄の預替えができる場合というのは法令で定める場合にのみ認められていて、一般財形については貯蓄保有歴3年以上で任意に可能となっているわけですけれども、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄については、上の方に書いてありますけれども、預替えできる要件が非常に限定的になっているというような取扱いになっております。
次いで17ページを御覧いただければと思います。
今回の見直しの検討の議論の参考となる政府の決定文書等でございます。
まず「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」ということで、令和6年の3月に閣議決定されたものでございます。この中で、上のほうでございますけれども、財形貯蓄というのは資産形成を始める際の重要な選択肢となっており、多くの勤務者が利用できるようにすることが重要であるとされつつ、その下でございますけれども、様々な環境の変化等を踏まえつつ、必要な制度の整備、改善に向けた検討を進めることが重要であるとされているところでございます。
続いて次のページ、住生活基本計画でございます。本年3月27日に閣議決定されたものでございますけれども、下のほうでございます。基本的な施策、これは当面10年で取り組む施策の方向性というので示されているものでございますけれども、現下の住宅取得環境を踏まえて、もろもろ文言が書いてある中で、住宅取得を支援する新たな手法の検討というものが盛り込まれております。
その具体的な施策例として、2つ目のポツでございますけれども、財形住宅貯蓄制度の活用など、関連制度も踏まえた支援策の検討という文言が組み込まれているところでございます。
次いで21ページからでございます。3月の分科会と重なる部分もありますけれども、各種データ等についておつけしているところでございます。
まず21ページ、勤労者の貯蓄をめぐる状況についてということで、金融資産の割合についてお示しさせていただいております。
1ページおめくりいただいて22ページ、23ページでございますけれども、世帯主別に見た貯蓄現在高の推移、また、次のページは準貯蓄額の推移でございますが、ともに勤労者以外の世帯と比べて勤労者世帯のほうが低いという状況が続いているところでございます。
また、23ページの右でございますが、近年、勤労者世帯の家計において可処分所得はおおむね増加傾向で推移しているというものでございます。
次いで財形貯蓄制度の実施状況についてということで、24ページにまとめております。一般、年金、住宅それぞれ残高及び契約件数の推移を記載しているところでございますので、御参照賜れればと思います。
次いで、次の25ページ、事業所の導入状況についてということでお付けしているところでございますけれども、これは3月と同じデータでございます。
26ページから、3月の分科会での議論の中で高齢者をめぐる環境の変化ということで言及があったものでございますけれども、令和3年に施行された改正高齢者雇用安定法でございます。70歳までの就業の確保というのが努力義務で設定されているところでございます。
次いで、次のページでございます。厚生年金の支給開始年齢の引上げということで、過去の年金制度改革によって厚生年金の支給開始年齢が段階的に上がっているところでございます。
こういったこともひとつ関係している面もあると思いますけれども、次のページでございますが、年齢階級別の就業率ということで、60代の就業率というのは2000年代から非常に上昇しているということになっております。
続きまして、非課税限度額の議論の参考資料ということで今回準備させていただいております。
賃金構造基本統計調査の一般労働者の所定内給与でございますけれども、平成6年、最後に財形貯蓄の非課税限度額の引上げを行った年でございますけれども、この時点以降、一般労働者の所定内給与はおおむね横ばい傾向で推移してきているところですけれども、近年大きく上昇しており、平成6年と比べますと大体2割程度月額賃金は上がっているというような状況でございます。
次のページ、これは3月にもお示ししておりますけれども、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄を開始する年齢でございます。若い世代で加入する人が多いわけですけれども、50代にも一定の新規加入者が認められるという旨を確認賜れればと思います。
次いで制度の改善に関する期待でございますけれども、論点の一つになっております利子非課税の拡大、年齢の引上げについては3番目、4番目の順位となっているところでございます。
次いで、次のページでございます。財形制度を利用する動機でございますけれども、「給与天引きにより簡単に貯蓄できるから」というのが最も高くなっており、次いで税制上の優遇措置というものが来ております。
次のページでございます。勤労者の持家をめぐる状況でございますけれども、左側のグラフでありますが、20代の約2割、30代の約4割が持家であるという状況であり、また、右でございますが、持家でない世帯の中で、20代でいうと約5割、30代の約4割が今後10年以内の持家取得を予定しているというデータがございます。
次いで34ページ、住宅ローンの状況でございます。新規貸出額は近年増加傾向で推移しているところでございます。
35ページ、これは前回の議論の中で足元での住宅ローンの金利の上昇というものが話題になっていたことを踏まえ、準備させていただいたところでございます。ここでは住宅金融支援機構が提供するフラット35の借入金利で見ておりますけれども、直近の1年程度で上昇傾向にあることが見てとれるということでございます。
次のページ、これも金利の上昇傾向の中で返済負担というのが大きくなっているのではないかという議論があったことを踏まえ、関連資料を幾つか準備させていただいております。
まず返済負担率という概念、世帯年収に占める年間返済額でございますけれども、金融機関が審査を行う際に、約9割の金融機関がこの返済負担率を考慮しているというデータでございます。
次いで、次のページでございます。返済負担率については、15%から20%以内というのは26.2%、10%から15%以内が21.7%ということで、全体の約6割が返済の負担率を20%に抑えているというデータがあります。
次のページでございます。関連するデータでございますけれども、将来金利上昇によって返済額が増加した場合の対応を聞いた調査でございます。月々の返済額が3万円増えてくると、どう対応していいのか見当がつかない、分からないと回答する方が3割に達するというデータがございます。
次のページでございます。前回3月の分科会で公益委員の先生から御紹介いただいたデータでございます。フラット35を利用されている方についての融資の状況でございます。注目いただきたいのは、全国でもそうですが、地域を問わず借入時の融資額は増加しているという状況でございます。
次のページ、とりわけ価格が上がっているマンションについて、マンション購入者の借入時の資金の状況というところを見ますと、特に首都圏について、必要となる頭金、手持金が増加しているという状況が見てとれるということでございます。
その裏返しでございますが、住宅の価格というのは、この15年間で住宅総合で見て1.5倍に上昇して、とりわけマンションは2.2倍に上昇しているというデータでございます。
次の42ページでございますけれども、財形持家転貸融資を利用した方に限って住宅価格を聞いたデータでございますが、平成12年から1.4倍に上昇しているという結果がございます。
次いで財形持家転貸融資制度の実施状況でございますけれども、令和7年度までつけておりますが、近年は減少傾向が続いているということでございます。
今の部分と裏返しでございますけれども、次のページでございます。財形持家転貸融資の融資残高というのは減少傾向で推移してきているということでございます。
その融資残高が減少しているということが主な要因となりますけれども、次の45ページでございます。財形持家転貸融資業務を担っている独立行政法人勤労者退職金共済機構における財形勘定の当期損益の推移を見たものでございますけれども、当期損益は減少傾向で推移しており、令和7年度には赤字に転じたというところでございます。
以上が関連するデータ等でございます。
続いて、資料3を御覧いただければと思います。
前回の分科会で様々な御議論をいただいたということも踏まえて、主な意見をまとめさせていただいております。
1ページをご覧いただきますと、まず非課税財形の加入開始可能年齢に関する意見を複数いただいております。高齢期の就業というのが広がる中で、非課税財形の加入開始可能年齢の引上げをするべきという意見を複数いただいていたものと認識しております。
一方で、下のほうですけれども、加入開始可能年齢の引上げの議論に関して、金融機関の事務負担への懸念の声にも配慮した検討をお願いするといった声もいただいたと認識しております。
次いで、次のページでございます。
財形貯蓄制度については、低金利の状況が非常に長く続いたという中で残高が減少してきた等の議論があったところでございますけれども、2024年の金融政策の変更等もあって金利のある世界になったという中で、今後、財形貯蓄の重要性が高まるのではないかということが期待されるという意見をいただいたところでございます。
次いでその下のところ、これは複数意見をいただいたところでございますけれども、物価高、住宅価格が高騰する中で、非課税財形について限度額の引上げを検討するべきではないかといった御意見を複数いただいたものと認識しております。
次のページでございます。
非課税財形について、金融機関の財形業務が廃止されることなどによって、勤労者の意思によらず解約せざるを得ないケースが発生しているという中で、他行に預替えをすることなどで計画的に積み立ててきた財形貯蓄を継続できる等の措置を講ずる必要があるのではないかといった御意見をいただいたところです。
続きまして、財形制度の普及促進等についてということで、これも複数いただいたところでございますけれども、とりわけ中小企業の事業主について導入割合が低いという中で、この部分への対応を強化するべきではないか。また、財形制度の魅力も含めて周知広報に努めるべきではないかといった御意見をいただいたところでございます。
続いて、資料4でございます。前回の3月の分科会の中で、今後の進め方についてスケジュール感をお示しいただきたいということで御要望があったことを踏まえ、準備させていただいたところでございます。
今回、勤労者生活分科会での議論ということになりますけれども、12月の取りまとめを目指して、本日の議論も踏まえつつ、個別の論点について順次検討するということにしてはどうかということでお示しさせていただいているところでございます。
以上、長くなりましたけれども、事務局からの説明は以上でございます。
○山本(眞)分科会長 今、勤労者財産形成促進制度の見直しについて事務局から説明がありました。
御質問、御意見はおありと思いますけれども、議題2のヒアリングを先に行って、その後でまとめて伺うようにしたいと思いますが、もし今の段階で先に何か発言したいという御要望があるようであれば承りますが、いかがでしょうか。ヒアリングを先にしてよろしいでしょうか。
それでは、議題2の「有識者等からのヒアリング」に入りたいと思います。
事務局から進め方について御説明をお願いいたします。
○安達勤労者生活課長 それでは、まず本日ヒアリングをさせていただく、池本様、背戸様、参考人の席にお移りいただければと思います。
外部有識者からのヒアリングにつきまして御説明いたします。
改めての御紹介になりますが、本日は株式会社リクルートSUUMO編集長兼SUUMOリサーチセンター長の池本様。
○池本様 池本です。よろしくお願いします。
○安達勤労者生活課長 労働金庫連合会営業推進企画部次長の背戸様にお越しいただいております。
○労働金庫連合会 背戸でございます。よろしくお願いいたします。
○安達勤労者生活課長 お忙しいところ、御出席いただきありがとうございます。
本日は、勤労者財産形成促進制度の議論に関連して、池本様には住宅市場をめぐる状況等についてお話を伺い、また、背戸様には財形貯蓄を多く取り扱う金融機関の視点からそれぞれお話を伺い、その後、質疑応答の時間を取らせていただく形とさせていただきたいと思います。
なお、御発言のお時間はそれぞれ10分程度でお願いできればと思っております。
○山本(眞)分科会長 それでは、ただいま事務局から説明がありましたとおり進めさせていただきます。
では、初めに株式会社リクルートSUUMO編集長兼SUUMOリサーチセンター長の池本様、よろしくお願いいたします。
○池本様 よろしくお願いします。
では、10分ということなので、かいつまんでお話をさせていただけたらと思います。
そうしたら、いきなり飛ばしまして、5ページを開いていただけたらと。
1点だけすみません。私は住生活基本計画というのを策定するときの委員もやっておりましたので、今の住宅政策全般について少し把握した上でお話をさせていただきます。
5ページは、先ほど御説明もあったとおり、価格が高いよということなのですが、特にはマンションが非常に高くなっているというデータでございます。
特にマンションなのですけれども、6ページに行っていただきますと、今の金利が大体1%ぐらいだとすると、年収の8倍ぐらいというのが一つの目安で、金利が2%とか3%に上がってくるともう少し年収倍率を下げなくてはいけないということなのですけれども、要はキャパオーバーぎみの8倍以上の人たちというのが新築マンション購入者のうちの20%程度まで占めているということで、ちょっと無理しながら買っている可能性があるという状況になっております。
では、次に行っていただいて、現在のマーケットをざっと申し上げるとこんな感じで、マンションは価格が高くなり過ぎて、今、問合せ数とか供給数も減少ぎみです。一方で、中古マンションは供給が横ばいで、都心は問合せが減りぎみ、これも高過ぎかなという感じです。新築一戸建ては供給がやや減少、ほぼ横ばいですけれども、問合せは東京が増加、郊外が微減、これは都心部のマンションが高過ぎる中で、戸建てのほうがましだということで、東京の戸建ては人気になっている。
今の情勢を受けて、多分一昔前は考えにくかった中古戸建てが今、供給も伸びているし、問合せも伸びています。そして、もう一つは賃貸も伸びています。賃貸は逆に物件が足らなくて、掲載件数が減っているという状況になっているということでございます。
売買価格が高すぎるなら、賃貸でもいいではないかという意見もあるのですが、次の8ページなのですが、賃貸だと20年間家賃を払い続けても当然不動産としての資産は残らないということなのですけれども、仮に右のほうです。4,000万円の物件を月々35年返済で払い終わったときに、一定の価格が維持できるエリアで購入した場合、20年後の純資産として、2,000万ぐらいの純資産がたまるということになります。一定の利便性のある郊外とかで買える金額の住宅を中古住宅のリノベーションを中心に供給していって、何とか価格が維持できるようなエリアの中で買っていただくというのがいいのではないかと考えております。ですから、買えないから借りるしかないという考えは資産形成の意味においてはどうかなと思っております。
次をお願いします。1ページ飛ばしまして10ページです。
こんな価格高騰の中だとさぞ買う気を失っているのではないかとお感じになるかもしれません。もちろんそういう方もいらっしゃるのですけれども、我々の調査でいきますと、今、住宅の購入検討層のうち、50%がこのタイミングは買い時だと感じていると。不思議ですねと思うのですけれども、その中でも、右のグラフなのですが、年代別で見ると20代、30代、若い世代のほうが買い時だと答える確率が高いのです。お金がないのにちょっと不思議かなと。
では、次のページに行って11ページです。
何でかというと、実は価格の先高感にあるのです。インフレ社会に入っているっぽいということで、これから物件価格はさらに高くなる。ナフサの話の報道とかを見ていても、建築費が安くなるイメージはないということで、高くなるのであれば、今買ったほうが結果としてはいいかもということで早めに手を打ちたいと考える方々がいらっしゃるわけです。
12ページ目、新築マンションの購入者アンケートにおいても20代、30代の比率が増加傾向でございます。これがさっき言っていた早いうちに資産形成していきたいということで、ちょっとアメリカっぽい感じですかね。ある程度クレジットスコアがついたら家は買う。なぜなら家を買えば大体値段が上がるからというのがアメリカの考え方なのですけれども、早めに動きたいという若い層がいるということがデータで見えてきました。
では安全に買えているのかというので、13ページです。新築分譲マンションを首都圏で買っていらっしゃる方のうち、頭金ゼロで買っていらっしゃる方が今20%いらっしゃるという状態です。
一方で、先ほど御説明の中で頭金は増えているという話が出ていましたよね。これはどう符合するのかということなのですが、この同じページの右のほうです。全額キャッシュで買う人も結構いらっしゃるのです。これは特に都市の高額マンションで、株だとかほかの不動産の売却益だとかで結構お金を持っていらっしゃる投資家、もしくは50代、60代、70代の方々がキャッシュで買っているという実態があって、平均頭金を引き上げている可能性はあるかなと思います。
ちなみに、14ページ目は、今、金利上昇局面でございますので、金利が上がっていくと当然借入限度額みたいなものの審査基準的には下がっていくはずですよね。そうするとどれぐらい下がるのかというと、金利が1%ぐらい上がると、本来は8,000万借りられる人が6,800万ぐらいしか借りられないという可能性も出てくるというような状況です。
では、次のページに行っていただいて、そんな中、どうやって頭金もゼロの中で買っているのというと、超長期ローンを使っていますということです。超長期ローンというのは、35年を超える40年返済、50年返済といったローンを使って買う人が新築マンションで32.6%、新築戸建てで21%です。ですけれども、先日、戸建ての大手のビルダーさんと話すと、感覚で今年は5割ぐらいが35年超のローンを御案内している状況だということです。
これがどうなのかというのが16ページ目です。もちろん銀行も審査をちゃんとしているわけですから、絶対に貸せない人に貸しているわけではないと思うのですけれども、一つの大きな問題は、50年返済だと30歳で借り入れて60歳でそろそろ子供も出ていったから買い替えようかなと思ったときに、4,000万のうちまだ残債が2,000万以上残っているという状態だと、その次の住み替えとかに結構ネックになる可能性もあるし、もちろん返済期間が長いので、人生何があるか分からないというところでいうと、そういった返済が滞るリスクなども高まるかなというところでございます。
17ページです。そんな中、残価設定型住宅ローンというものが設けられまして、住宅金融支援機構が保険の主になることによって、30%分は残価で据え置く。これは元本返済が要らない。70%分だけ元本と利息分を払ってねという仕組みがつくられて、多分これから民間金融機関がこの融資保険を使って発表していくのだと思うのですけれども、超長期ローンに対抗する一つの手段としてこのような手が今打たれたという状況でございます。
最後は私の私見でございますけれども、この残価設定ローンはよいのですけれども、こんなのができたら良いと思っているのが20年残価ローンというものです。子育ての間で子供部屋が必要で本当に広い家が必要なのは20年間ぐらいなのですよね。この20年間の間だけちょっと大きめの家に住むという形なのですけれども、それが終わったらまたコンパクトな家に住み替えればいいということをある意味促進しやすくするために20年間の残価設定。20年であると、残価も多分50%ぐらいは見られるような地域が多いのではないかなと思いますので、50%を残価額として、50%を元本返済していくみたいな商品などができてくると、20年後にまた住み替えるということもある意味必然的に考える。車のほうでも残価ローンができて新車の買い換え年数が短くなったデータがありますので、循環型の社会を目指していくということでいうと、このようなローンのあり方もあるのかなと思っています。
ただ、いずれにしても、先ほどの財形の話に絡めて申し上げると、頭金がないような状態で突っ込んでいる方々が結構多い。金利がある社会になってきたということでいうと、財形融資の様々な諸条件の見直しが必要になりつつあるという局面かなと思っております。
最後のページについて、
これも私見なのですけれども、今、東京ではみんな駅近とか都心とかがいいと言うのですよ。高いのに無理して買いに行っている。なぜかと言えば、資産価値なのですよね。でも、考え方によっては、そのぐらい高い物件を無理して買うのではなくて、郊外のちょっと安い物件を買ってくださいと。そこで余力を持たせてくださいと。月3万ぐらい余力を持っていただければ、それを積立NISAとかで投資運用で回してくださいと。そうすれば、不動産では郊外だからそんなに値上がらない。結構値下がるかもしれない。でも、安く買っている分、余力のある投資資金をちゃんと運用すれば、家計の中においてのお金はちゃんとマネジメントできるのではないですかという考え方もあるので、あまり住宅だけで判断せず、金融投資とかを含めてセットでこれから考える時代に入ってきたのかなと思っております。
以上でございます。
○山本(眞)分科会長 池本様、ありがとうございました。
それでは、続いて労働金庫連合会の営業推進企画部次長の背戸様、お願いいたします。
○労働金庫連合会 改めまして、労働金庫連合会の背戸と申します。
私のほうからは、簡単ではございますが、財形貯蓄に係る取組と現状に関しましてお話しさせていただきます。よろしくお願いいたします。
早速財形のお話になりますが、3ページを御覧ください。
こちらは労金の財形の取引状況になります。2026年3月末現在で約208万件と多くの方に支持いただいておりまして、業態別で件数、残高ともに第1位になっております。
年齢別件数を見ますと50代の方が多くなっておりますが、これは団塊ジュニア世代の50代の人口が多いことに加えて、当時、今のようにNISAですとかiDeCoといった商品がなかったなかで、勤労者の主力商品というのが財形といったこともあり、この層が件数の多いゾーンになっております。
4ページを御覧ください。
こちらは労金が考える財形の位置づけですが、資産形成という観点でお話をさせていただきます。
労金が推奨する資産形成の考え方として、安全性、流動性、収益性の3つのポイントがございます。この3つのポイント全てを満たす万能な制度、商品はないので、いろいろな制度や商品を上手に利用しながら、組み合わせながら資産形成をしていきましょうということを労金では推奨しております。
例えば、不測の事態、病気だとか災害といった事態に備えて、預金商品で流動性を確保しながら収益性が期待できる投資性商品を運用する。そうすることによりまして、いざというときも対応できる資産形成を行うことができますよという御案内をしております。
こういった資産形成のコツをお客様、事業主様にお伝えし、御理解いただきながら、貯蓄商品といたしましては財形貯蓄を御案内しております。
5ページと6ページにつきましては、財形と同様の積立型商品の特徴だったり、メリット、デメリット、商品性の違いを記載しておりますので、後ほどお読み取りいただければと思います。
では、7ページを御覧ください。
労金が財形でどんな取組をしているかといったお話ですが、まず、資産形成支援の取組としましては、企業から財形制度の導入の御相談があれば、導入までに必要な調整、手続、スケジュール、そういったアドバイスを行ったり、企業や労働組合で実施されている研修にお邪魔しまして、資産形成をお話しする中で財形貯蓄を御案内しております。
あと、労金の強みになりますけれども、職域を通じた対面での相談、御提案といったところもございます。
顧客利便性の向上/事業主の事務負荷軽減として、労金では非対面チャネルでの財形サービスにも力を入れておりまして、労金のインターネットバンキングですとリアルタイムで財形の残高が照会できます。あと、年に1回から2回残高通知書が金融機関から郵送されますが、労金では紙に変えてウェブ上で電子媒体として受け取ることができます。あと、事業主によってはインターネットバンキングで一般財形を一部払い出し(普通預金への振替)ができたり、これも一部企業ですけれども、一般財形の解約ですとか払い戻しといった特定の手続を紙に変えてデータで処理を行っているところもございます。こういった取組を通じて財形の利用促進を図っております。
8ページを御覧ください。
こちらは2年前に財形利用者の方にアンケートを取った結果となります。
左側の財形のメリットは何ですかといった質問に対しましては、半数以上の方が給与天引きで積み立てできることをメリットに感じております。
右側が財形を利用してよかったということは何ですかという質問ですが、給与天引きで気づかないうちに貯蓄できたといった方が6割以上、急な出費があったときに財形で補填することができたという方が3割いらっしゃいました。この急な出費があったときに補填できたというのは、財形の流動性に通じる回答ではないのかなと思います。
9ページを御覧ください。
こちらは財形を実施している事業主の方に聞いたものになります。
まず主な意見としては、財形を福利厚生制度としてしっかり従業員へ案内していますよというお話や、給与天引きが大きなメリットだけど、金利が上がれば福利厚生制度としてもっといいのにねという意見がございました。
主な要望としましては、赤字で記載していますが、定年延長したので非課税財形の加入年齢を引き上げてもらいたい、非課税限度額を引き上げてもらいたい、ほかの金融機関への預替えだとかポータビリティを拡充してほしいといった御要望がございました。
10ページを御覧ください。
こちらは財形を利用している方へ話を聞いたものになります。主な意見としましては、先ほどのアンケートと同様の内容になりますが、給与天引きでいつの間にか貯まっていてよかったという声がございました。主な要望に関しましては、事業主の声と同じような内容になりますけれども、限度額の引き上げ、財形住宅貯蓄の加入開始可能年齢の引上げ、財形の手続をもっと楽にしてほしいといった要望がございました。
こういった要望の声が実際の契約状況にも表れている部分がございまして、11ページを御覧ください。
こちらは労金の財形の新規申し込み状況の年齢別の数値になります。先ほどの厚労省さんの資料の中にもありましたけれども、御覧いただきたいのが赤丸で囲っている部分になります。財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄ともに45歳以上から上限年齢55歳未満までのゾーンで新規申し込みニーズが一定程度あることがうかがえるのかなと思います。特に50歳以上のゾーンに関しましては、新規契約上限年齢の55歳になる前に駆け込みで申し込んでいることが見受けられます。非課税財形の申し込み上限年齢が仮に55歳以上になったとしても、ニーズはあるのではないかと考えられます。
12ページを御覧ください。
こちらの非課税財形の年齢別の残高分布となります。注目いただきたいのは赤枠の500万円から550万円のゾーンになりますが、40歳代から非課税限度額が550万円近くに達している方は結構いらっしゃるかなと思います。限度額が550万円に近くなったらどんな手続をしているのかといいますと、積立てを休止したり、あとは積立額を最低の1,000円まで減額したり、上限を超えないように調整している方がいらっしゃいます。
なかには限度額を超えて積み立てている方もいらっしゃいますが、一方で限度額550万円に張り付いて積立てができない方ですとか、550万円付近で滞留している方がいらっしゃるのが現状となります。
続いて、13ページを御覧ください。
こちらは最近の動向のお話になります。最近、財形業務を廃止する金融機関がございます。業務を廃止する金融機関で契約されている方というのはほかの金融機関に預替えができますが、企業からはそういった預替えの御相談が労金に多くございました。
企業からの相談というのが印象的で、実際の相談内容というのが青囲みになります。財形業務を廃止する金融機関があるから別の金融機関に預替えさせて財形を継続させたいですとか、財形を存続させていきたいから当面業務を廃止する予定のない金融機関で受け入れてほしいですとか、非常に多くの御相談をいただきました。昨年だけでも約100社から御相談をいただいております。
実際に財形業務廃止に伴って労金への預替えとなったのが、下に記載しているとおり、約110億円もございました。企業で財形をどう位置づけているのかというのは、ふだんのやり取りの中ではなかなか気づかないところではありましたが、こういった金融機関の業務廃止の際に企業さんの声を聞きますと、やはり福利厚生制度として財形をしっかりと位置づけている企業さんが多くいらっしゃるのだなというのがはっきりと分かる機会でした。
14ページを御覧ください。
最後に、これまでお話しした内容を踏まえまして、労金から3つ要望させていただきます。1つ目が財形非課税契約時の年齢制限(55歳未満)の引上げ、2つ目は非課税限度額550万円の引上げ、3つ目は非課税財形のポータビリティの拡充、預替え対象の拡大、以上3点の要望をお願いして労金からの説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山本(眞)分科会長 背戸様、どうもありがとうございました。
それでは、ただいまお二人の方からお話しいただいたことについて、委員の皆様、御質問などがありましたら挙手などでお知らせください。オンラインの方は挙手ボタンを押していただければと思います。
いかがでしょうか。
では、石井委員、お願いします。
○石井委員 共働き世帯が増えてきて、今まではどちらかというと給与の多い男性が主に住宅ローンを担ってきたパターンが多かったと思いますが、女性活躍の推進もあり、両方でローンを抱えていくという世代が増えてきているかと思います。そうなると、女性も自立していくことにより、離婚といったことも今まで以上に出てくる可能性もあると思われます。そうなったときのローンの取り扱いについてどのようにフォローしているのか。そして、財形年金についても、その辺りはどのように対策を立てていくのかというのが疑問に思いました。
以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、どちらからにいたしましょうか。
○池本様 先に私から。
御承知おきのとおり、ペアローンであるとか収入合算というものは非常に増えています。これは恐らく金融機関側の融資姿勢の変化もあるかなと思っていまして、従前、女性が働くと言っても、恐らく与信でいうと0.5掛けぐらいでしか見てこなかったのかもしれないと思うのですけれども、今は子供を産んで割とすぐ復職して定年近くまで働かれるということが見えてきているので、完全に2馬力上で掛ける2みたいな形で融資が出るようになってきた。だから、価格が高騰する中でも、マンションの高いものとかでも1.何億みたいなものをまさにペアローンとか収入合算とかで買うというパワーカップルというのがよくメディアとかでも登場しています。
一方で、確かにおっしゃるとおり、離婚もそこそこありますので、ただ、離婚をしたときに、運がよければ、比較的今はインフレ社会でマンション価格とかが高く売却できたりするので、そういった意味では、残債をきちんと消して、うまくお別れできるというケースもありますけれども、やはりそれが郊外とかかなり物件価格が下がるようなエリアでいくと、離婚でストレスがある中で、ローンの抹消もできないということが一部出てくるかなと思いますので、地域によっては、今、石井委員がおっしゃっていたようなことについての課題感というのは出てきているかなと思います。
一旦以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
背戸様のほうは、何かございますか。
○労働金庫連合会 池本様よりお答えいただいているのですけれども、確かに労金でもペアローンというのは増えております。労金で御案内する際は、やはり返済負担率を下げるという意味で、財形住宅貯蓄を利用した事前の積立てが重要になりますよというところは御案内しておるところでございます。
以上です。
○池本様 1点補足すると、私が入社した30年ぐらい前はそもそも頭金が2割ないと買えなかったのですよ。それはなぜかというと、物件価格が下がる前提で、買った瞬間に2割下がると言われていたので、頭金を入れておけば、最悪、すぐ離婚があったりして急遽売却しなくてはいけないというときにも売れたということなのです。だけれども、それが今、頭金ゼロでも民間金融機関が貸すという前提になっていますので、そこでいうと以前よりリスクが大きい。そういった意味では、頭金の重要性みたいなことというのは、おっしゃるとおり、もう少し国民の皆様に知っていただいて、ない中で買うというのはそういうリスクもあるのだよというようなことをお伝えしていく必要はあるのかもしれません。結婚して子供が生まれて、私たちは離婚なんてしないよと思っている人たち聞く耳があるかは分かりませんが、啓蒙の必要はあるかなと思います。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。なかなか真実を突いていると思いました。
オンラインで御参加の山本委員、お願いします。
○山本(陽)委員 御説明ありがとうございました。
池本様と労金連合会様にそれぞれ質問させていただきたいのですけれども、まず池本様のほうに2点質問があります。マンションとかは20代とか30代の方の需要、購入希望はすごく伸びているということだったのですけれども、50代後半ですとか60代以降の方の買い替えですとか購入の希望の状況というのはどういうふうになっているのか、需要が伸びているのかというのを教えていただきたいです。その際に、財形がもし加入年齢引上げ等があった場合に、それがどういうふうにうまく作用するのか、うまく生かせるのか、何かモデルのようなものがありましたら教えていただきたいというのが一点です。
2つ目にお聞きしたいのが、戸建てとか郊外のほうの戸建てに需要が伸びている。新築のマンションが高いので、便利なところのマンションはなかなか購入できないので、郊外とか一戸建てのほうに移っているということなのですけれども、そうすると、例えば通勤時間が延びるとか、少し生活の利便性をないがしろにして、それでも新しい物件を購入しようという向きがやはり多いのでしょうか。そういう場合、生活の一つのコストが上がっているというか、ふだん生活する上でのコストが上がっていて、それも住宅取得の一つの大きなハードルになっていると思うのですけれども、立地といった面で生活条件が改悪になっているとか、そういったことがあるのかというのをお聞きしたいです。
労金連合会様のほうには債権に対する需要のお話を聞きたいのですけれども、例えば資料の3ページですとか11ページで財形の契約状況ですか新規申し込みの件数を年齢階級別で見せていただいておりまして、50代も非常に新規の申し込み、駆け込みが多いということだったのですけれども、こういった状況というのは最近増えているという理解でよろしいのでしょうか。昔からあったのだけれども、近年さらに退職の年齢が上がってきて、それに伴って50歳以上の方の希望も近年上がってきているのかというのをお聞きしたいです。よろしくお願いします。
○山本(眞)分科会長 では、まず池本様、お願いします。
○池本様 1つ目の御質問の50代以上のニーズがどうかということなのですけれども、お示しした12ページの資料を見ていただきますと、20代、30代も伸びているのですが、その右のほうです。50代と60代以上、結構濃い黒に近いようなところも同じように伸びているという形になっております。これは新築マンションのデータだけではなく、ほかにもデータを見ていますけれども、今、50代、60代の購入は伸びています。ですから、マーケットとしては若い世代と50代、60代が伸びていて、その真ん中が伸びていない。そんな状況でまず捉えていただいてよいかなと思います。
ただ、60代ぐらいになると、ローンを使って買うという人たちは10%とか20%とか、大分減ってくるのです。やはりキャッシュがないと買えないと皆さん思い込んでらっしゃるというところがありますので、先ほど財形貯蓄の出番が何かその世代に対してということでしたけれども、おっしゃるとおり、その人たちが財形でもしローンとかがちゃんとためている分の5倍とか10倍とかで借り入れてできるということであれば、第2の人生を支えるという意味においてすごく魅力的な商品として映る可能性はあるが、今、ほとんど知らないという状態かなと思います。
リバース60という割とシニア向けのローンがあるのですけれども、これも認知がほとんどされていないということで、基本的には金融機関の窓口とか、不動産会社さんが提携ローンとして紹介する。こういう窓口でちゃんと知られないと普及しないので、その辺りが少しセットで考えていくべき事象かなと思います。
もう一個、都心が高くて郊外に行っているけれども、郊外に行くと通勤時間も長くなって経済的なコスト負担も高くなってみたいなお話が御質問であったかと思います。
まず、新築分譲マンションでいうとおっしゃるとおりです。都心では買えないので、海浜幕張であるとか、少し郊外のほうで供給している、何とか今の年収で買える金額の郊外に移動しているという実態はあります。戸建てはそこまで価格の上昇でもないので、そこまで郊外にということはないです。
もう一つのトレンドとしては、駅からの距離はあまり妥協しないです。ですから、郊外に行ってもいいけれども駅徒歩圏に暮らしたいという人たち、要は電車通勤の時間は多少長くなっても構わないからというニーズが今はちょっと高いかなという形になっています。
生活コストという意味でいうと、子育て中の皆さんからすると保育園のお金だったり、給食費だったりいろいろあると思うのですけれども、やはり都心の自治体のほうがかなり財政的に豊かなので、実は埼玉と東京の都境、県境とかでいうと、ぎりぎり東京に住んだほうが得みたいな形で、23区が人気があるというのが実情です。各自治体が独自で制度を敷けるので、郊外の自治体がもう少し子育て支援とかが都心と同等になってくれば、生活コストも同じか安く済むという形になるのですが、郊外か23区どちらに住むか結構悩んでらっしゃる消費者が多いというのが今の実態かなと思います。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
では、背戸様、お願いします。
○労働金庫連合会 御質問ありがとうございます。
私への質問は、退職年齢の延長によって、50代の新規申し込みがここ最近増えているのですかという内容だったと思います。手元に数十年という過去の資料がないのですが、ここ数年、5~6年は同じような推移をしております。50代の申し込みというのは一定程度こういった波形をしているところでございます。今後、定年延長とともに就業機会の確保の努力義務化といったところもありましたら、もっとここのニーズというのは高まってくるのかなと考えております。
以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
山本委員、よろしいですか。
ほかに御意見のある方はいらっしゃいますか。
仁平委員、お願いします。
○仁平委員 御説明いただきありがとうございました。。
まず、池本様に質問させていただきます。資料13ページの「マンション 自己資金ゼロ比率」では頭金ゼロや5%未満の方が半分弱いることに非常に驚いております。ある程度リスクを下げるという意味では、頭金を準備することが大事だと思っております。財形を知らないという課題をクリアした場合、この上限額を引き上げるということは一定の効果があるとお考えか聞かせていただきたいと思います。
また、背戸様には、要望事項で3点具体的に書いていただいておりますが、この会議においても労側あるいはほかの委員の皆さんからも、財形年金貯蓄については加入開始可能年齢の引上げが必要であること、そして、非課税限度額の550万については引上げが必要であること、そのための法改正をすべきではないかという意見がでております。同じお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、順番で池本様から、お願いします。
○池本様 池本から。
頭金がない中で突っ込んで買うということについては、一定のリスクはやはりあると思います。特に金利がある世界に入ってきたときには、しかも、超長期ローンとかでかなりストレッチしたぎりぎりの金額まで買い込んでいくということは、将来どうかなと思うところは正直あります。まず前提はそうですね。
その上で、今は積立NISAとか様々な金融資産を運用する仕組みが出てきています。私の意見としては、多様な選択肢があったほうがいいと思うので比較的安全な財形というものがもう少し枠として広がっていくということについては、よいかなと思っています。もちろん多少のリスクを負ってハイリスクハイリターンな投資信託みたいなもので積立てをしていくという人たちがいてもいいと思いますし、人それぞれ考え方はありますので、その多様な人たちの中の一つを支援するという意味において拡大していくというのは賛成でございます。
以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、背戸様、お願いします。
○労働金庫連合会 御質問ありがとうございます。
要望事項に関しまして、3月の分科会の中で委員の皆さんから出たお話と同様に、やはり制度改善というのは非常に必要だと考えております。70歳までの就業機会の確保の努力義務化で、実際に65歳まで定年延長をされている企業も多くあるかなと思います。あと、物価の上昇、住宅価格の高騰ですとか、社会情勢に加えまして、財形の加入者だとか財形の事業主の声が非常に多く上がっております。我々労金としても、これまで財形は利息があまりつかなかったので、給与天引きが一番のメリットでしたが、これから金利の上昇局面に当たりましては、利息が非課税というのも非常に大きなメリットになってくるのかなとは考えております。財形を普及促進するに当たりましては、こういった局面のときに財形を見直しするというのは非常に重要なタイミングだと考えております。
以上です。
○山本(眞)分科会長 どうもありがとうございます。
仁平委員、よろしいですか。
○仁平委員 はい。ありがとうございます。
○山本(眞)分科会長 ほかにお二方に御質問がある方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございます。ヒアリングについてはここまでとさせていただきます。改めて池本様、背戸様におかれましては、御多用の中御出席いただき、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。
では、こちらで御退席いただいて結構ですので、よろしくお願いします。
それでは、ここまでの議題1、議題2を通して委員の皆様から御意見や御質問をお出しいただければと思います。会場の方は挙手で、オンラインの方は挙手ボタンでお知らせください。よろしくお願いいたします。
仁平委員、お願いいたします。
○仁平委員 ありがとうございます。
まず、本日審議会を開催できたことはとてもよかったと思っております。この間、何度意見を申し上げてもなかなか前進しなかったというのが私の印象でした。そのような意味で、このような機会を持てたこと自体がやはり大きな前進だと思っております。
その上で、示していただいた論点案については、私はこれでよろしいと思っております。資料4で進め方についても御提起があった論点で具体的にどのように12月に向けて進めていくのかお考えをお聞かせいただければと思っております。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、オンラインで御出席の鹿住委員、お願いいたします。
○鹿住委員 ありがとうございます。すみません。あと10分ほどで退出しないといけないので、先に発言させていただきます。
1点質問と1点意見です。1つ目が財形住宅貯蓄なのですが、近年、先ほどの御説明のように非常に物件の価格が上がっているということで、特に一戸建てなどで定期借地権の契約をした土地に自分で家を建てるというパターンも都心などでは結構増えてきていまして、そういった場合もその融資の対象になるのかということを教えていただきたいと思います。マンションでも定期借地権つきマンションというのはありますので、そういったところも対象になるかということを確認させてください。
それから、意見なのですが、財形年金貯蓄のほうで、やはり今日の労金さんの資料の中でも50代の方の加入が多いと。60歳以降の働き方というのが多様化していて、企業によっては一旦定年退職して再雇用するというところもありまして、そうすると、現役時代と比べて収入が少ないときには6割とか半分とかと下がってしまう。一方、公的年金は65歳以上ということですので、その間のつなぎとしてこの財形年金貯蓄を活用する方というのも結構多いのではないかと。一方、50代で入って55歳から60歳の据置期間があると、本当はもう少し積み立ててたくさん年金として受け取りたいのだけれどもという方もいらっしゃると思いますので、例えば任意で据置きをしないで積立てを続けるということもできるようにするとか、そういった制度の改正というのも必要なのではないかという意見でございます。
以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、事務局のほうからコメントと回答をお願いします。
○安達勤労者生活課長 まず、仁平委員からの御質問でございますけれども、今回本格的に議論するのが1回目ということですので、まずはこういう形で委員の皆様にいろいろな御意見を伺う中で、論点の整理を図っていきたいと思います。今日の論点のペーパーのとおり現時点では「どう考えるか」となっておりますが、一定の論点が整理できた段階で、最終的には年末に向けて分科会としての意見の取りまとめを行っていきたいと考えているところでございます。それが現時点でのお答えでございます。
次いで鹿住委員からの御指摘に関する幾つかでございます。
まず、土地を借りてそこに持家を建てるというのも融資の対象になります。これが一点。
もう一つ、年金の部分について、据置きについては、据置期間を必ず置かなければいけないというわけではございませんので、御質問、お話の中にあったように、据置きを置かずにずっと積み立ててきて60歳以降払い出すというのは現行でも可能でございます。
もう一つ、御発言の中にありました65歳まで、例えば60歳以降に払い出しを行って、公的年金が支給される間のつなぎ的に活用いただいている方も相当数いると聞き及んでおります。
事務局からは以上でございます。
○山本(眞)分科会長 仁平委員、よろしいですか。
○仁平委員 はい。
○山本(眞)分科会長 鹿住委員、よろしいですか。
○鹿住委員 はい。ありがとうございます。
○山本(眞)分科会長 そのほか、委員の方で御意見のある方はいらっしゃいますか。
大橋委員、お願いいたします。
○大橋委員 ありがとうございます。
私も本当にこの分科会が開かれてよかったなと思いますし、仁平委員が御発言された趣旨とほぼ同じ思いであります。今回の資料で論点としてお示しいただいた加入開始可能年齢の引上げや非課税限度額の引上げについては、いずれも前向きに検討を進めることが適当であると思っております。
他方で、加入開始可能年齢の引上げに伴い、二重加入の防止策の検討にあたっては、受付金融機関の事務負担が最小限となるように留意していただきたいと思います。
また、非課税財形のポータビリティ向上のため、金融機関や事業者の都合により継続が困難になる場合、預替えを可能にするような柔軟な仕組みを設けるべきであると考えます。
1点、財形持家転貸融資制度に関する質問です。資料2の43ページに本制度の実施状況をお示しいただいておりますけれども、資金交付額は平成15年をピークにして大きく減少しています。この要因について、もし厚労省のほうでお分かりになるところがあれば教えていただけますと幸いです。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、佐保委員。
○佐保委員 ありがとうございます。
まず、事務局から示された論点案につきましては、私のほうも異論はございません。
その上で、本日はキックオフということでございますので、前回も同様の発言をしたかと思いますが、改めて発言をしておこうと考えております。昨今の高齢者の就業機会の増加、就業年齢がどんどん上昇していること、また、生活費用や住宅費用の増加などの背景を考えてみますと、やはり財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の年齢制限については引き上げるべきだと考えておりますし、非課税限度額につきましては30年以上変更がないということでございますので、これも引上げをすべきだと考えております。こういった改善をすることは、労働者の福祉向上にとっても重要であると考えております。
先ほどのヒアリングの中で、池本さんから御説明がありました頭金ゼロのリスクといったことや、労金連合会の背戸様の資料にありました利用者からすれば給与天引きで気づかないうちに貯蓄できていたといったことも考えますと、労働者の選択肢を増やすこと、それから、給与天引きによる資産形成はとても重要であると考えておりますので、前向きに検討していただけたらと思っております。
もちろん、財形貯蓄のポータビリティの向上、手続の簡素化についてもしっかり議論すべきと考えております。
私からは以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、事務局からコメントと質問へのお答えをお願いします。
○安達勤労者生活課長 ありがとうございます。
まず、大橋委員がおっしゃったものの中で、年齢の引上げを検討するに当たって金融機関の負担に配慮するようにということだったかと思いますが、その部分については具体的なあり方というのを整理し、お示しさせていただく中で検討を進めさせていただければと思っております。
また、融資の件数が減ってきている要因は様々あります。一つは、金利がこの間少し低下してきたという状況の中で、民間の金融機関が住宅ローンの貸し出しを増やしてきていたというで減ってきているというのは一因としては聞いておりますけれども、少しお時間をいただいて、次回以降、より詳細な要因が分かりましたら御報告をさせていただければと思っております。
以上です。
○山本(眞)分科会長 よろしいですか。
ほかに御意見のある方はいらっしゃいますか。
浪波委員、お願いします。
○浪波委員 今、財形持家転貸融資のお話がございましたが、ここについて私のほうから少しコメントさせていただきます。
勤労者退職金共済機構が実施しています財形持家転貸融資の商品性は、5年固定商品で年率2.53%であり民間の変動金利が1%を超える状況ですし、フラット35など全期間固定も3%を超えるような状況ですので、商品性としてはまずまずの水準かなと思っています。変動金利では将来の金利上昇リスクが怖いし、全期間固定では少し金利が高いと思っているユーザーからすると、幅広い選択肢を提供する意味では非常に有意義な商品かなと思われます。
一方で、事務局からもございましたように、かなり長期で実績が低迷しているという話もございまして、これについては金利以外の商品性の見直しについても少し必要かなと思われます。
一つは融資額です。現状では融資額が財形貯蓄の残高の10倍、または最高4,000万円という限度がかかっております。財形貯蓄の限度額を今回引き上げたとしても、この限度額がそのままであれば4,000万円を超えられませんので、こういった制度改正についても必要なのかなと思っています。これは何十年も限度額を変えていませんので、少しそういったところも御検討の余地があるのかなと思っています。
もう一点、財形持家転貸融資については、事業主の負担軽減措置が必要だというような制度になっていまして、例えばローン利用者に5年間1%の利子補給をするというような形で決められているのですが、これも長年融資の制度の上で条件になっているのですが、こういったところももし利用低迷の原因であれば、見直すということも必要かなと思っていますので、併せて御検討いただけたらと思っております。
以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインで御参加の木村委員、お願いします。
○木村委員 御説明ありがとうございました。
私も、過去に発言した内容の繰り返しにはなりますけれども、今回の見直しに関して、論点に挙げられております非課税限度額の引上げですとか、あるいは加入開始年齢の引上げといったところは基本的には賛成です。やはり中小企業が財形制度を導入するということは、福利厚生を充実させるという意味で非常にメリットが高いと思っておりますし、金利が高くなってきていることでなおさらそこの魅力度、これまでにはなかった部分が注目されているといったこともあります。この機会に制度自体をより魅力あるものにする、そして、財形を導入している企業だということのPRは人材確保の面でも意味のあることかなと考えております。
その上で1点、これは過去にも発言させていただいたのですけれども、事務局の資料2の25ページの導入企業の割合が財形は年々減少しているということ、そして、規模が小さいほどその導入割合が低いということについて、具体的な分析といいますか、要因はどこに一番あるのか、再度、現状どのように考えているかをお聞かせいただきたいと思います。
先ほど労金の御説明いただいた資料の中でも、この財形の利用者のメリットというところで、給与天引きで使える非常にシンプルな制度であるといったことがメリットに挙げられておりましたけれども、そうであれば、小規模の企業ほどこの財形制度は使いやすいのではないかなとは思っているのですけれども、データとしてはどんどん下がっていますので、周知の面だけなのか、あるいはほかに何か考えられることがあるのかといったところをお聞かせいただきたいなと思っております。
以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
今のお二方の御発言について事務局よりコメントをお願いします。
○安達勤労者生活課長 ありがとうございます。
まず1点目の浪波委員の御指摘の関係ですけれども、おっしゃるとおり、財形持家融資の融資条件については、残高の10倍なり限度額4,000万等の要件については、実は長年変えていないという状況にあることはおっしゃるとおりでございます。ですので、今回はそういう議論の中で、当然この分科会での御議論を経てですけれども、必要な検討を行っていくというのはあってしかるべきなのかなと思っております。補足できるような資料があれば、また次回以降お出しすることも含めて考えさせていただきたいと思っております。ありがとうございます。
もう一点、今御質問いただいた中小企業への導入率が下がっているという話について、実は長年この分科会でも繰り返し公労使の皆様から御指摘いただいているところでございます。
もともとこの財形制度というのは三者協力と言われて、金融機関だけではなくて事業主さんも給与天引きの協力をするということを通じて財産形成に協力するという立てつけであるがゆえに、ここはいろいろな意見があるわけですけれども、そういう給与天引きを行うための事務をすることについて、とりわけ中小企業さんになればなるほどなかなか協力が昔に比べると得にくくなっているというような状況があるという意見をよくお聞きします。当然、その前提として、先ほど委員からおっしゃっていただいたような広報、周知という努力が十分なのかという部分もあろうかと思います。ただ、広報、周知の部分以外にも、そういった給与天引きに係る事務負担の部分での協力というのがなかなか得づらくなってきているかと思います。
もう一つはその裏表なのですけれども、融資の際に、先ほど浪波委員もおっしゃっていた事業主様の負担軽減措置を行っていただくというのも制度の利用の前提となっているところ、それがあるがためになかなか融資のほうの理由というのも一定制限がかかっているという議論もここはあるところでございますので、その辺りも含めて今後検討するのかなと思っているところでございます。
全てお答えできているかどうか定かではございませんが、現時点でお答えできる範囲については以上でございます。
○山本(眞)分科会長 木村委員、よろしいですか。
○木村委員 ありがとうございました。
○山本(眞)分科会長 そのほか御意見のある方はいらっしゃいますか。
オンラインの阿久澤委員、お願いします。
○阿久澤委員 阿久澤と申します。本日はありがとうございました。
前回の議論を踏まえて、有識者の方へのヒアリングとかインタビューなどの時間もいただきまして、非常に有益な時間になったなと思っていまして、私のほうも今回の論点の方向性については異論なく、加入開始可能年齢の引上げですとか非課税限度額の見直しについても賛成というか、異論なく考えております。
そういった中でも、先ほどの労金様からの御説明で、財形貯蓄に入る年齢が20代だけではなくて50代も少し増えているみたいな特徴を改めて今回知ることができまして、やはりそういったところにニーズがあるのだなということを理解いたしましたので、企業としても高齢期まで安心して働けるような環境整備ですとか、人材確保とか、あるいはエンゲージメントみたいな観点でも非常に重要かなと思っていますので、ぜひこの方向で議論だったりをさせていただければなと思っています。
また、先ほど前の方もおっしゃっていましたけれども、数年変わってきていないところもあったかなと思いますので、加入者年齢のところですかね。ずっと見直しがされていないというところもありましたので、今回の平均寿命とか職業年齢が延びていくところも踏まえますと、やはりそこを適切に見直していくということで年齢だけで制度の利用機会を制限するような合理性だと低下しているかなと思いましたので、企業側としてもぜひ今回の見直しの方向で議論させていただければと思ってのコメントまでになります。
以上になります。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
では、戎野委員、よろしくお願いします。
○戎野委員 ありがとうございます。
私からも1点感想と1点質問をさせてください。
これまで多くの委員がおっしゃっていたように、私も今後の進め方、また、論点については賛成しております。十分な審議を確保するとともに、かなりスピード感を持って進めていくということが、今の社会的ニーズを踏まえた対応として重要だと感じているところであります。
もう一点は、質問なのですけれども、これは45ページの退職金共済機構の当期損益の推移のところで、これは右肩にずっと下がってきまして、ここしばらくの間はちょっと下がったり上がったりという横ばい、そして、今回とうとう赤になってしまったわけなのですが、この読み方というのは新しいフェーズに入ったという問題意識を持つべきなのか、これまでの流れと判断すべきなのか、素人でもありますので、ぜひ教えていただきたいと思います。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
今の御質問に対してのお答えをお願いいたします。
○安達勤労者生活課長 ありがとうございます。
今の御質問でございますが、その前のページの融資残高の推移というのをご覧いただければと思いますが、長期的に減少傾向にあるという中で今回赤字になったということでございますので、そういう面でいうと厳しい状況が続いてきているということだと思っております。その中で、こういう状況になっていることを踏まえてどう対応すべきなのかということについては、論点案にもつけさせていただいたと思いますけれども、この分科会の中でもしっかりと検討させていただきながら、いろいろな対応も考えられると思いますので、検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
○山本(眞)分科会長 つまり、これからこれについても検討するということでよろしいですか。
○安達勤労者生活課長 はい。
○山本(眞)分科会長 そのようです。
ほかに御意見のある方はいらっしゃいますか。
杉山委員、お願いします。
○杉山委員 労金協会の杉山でございます。
論点及び今後の進め方でございますけれども、前回、私は長く発言をさせていただきましたが、私どもの要望をほぼほぼ取り入れていただいたということで感謝を申し上げたいと思いますし、この進め方で全く異論はないということでございます。
それから、今日改めて池本様から示していただいた資料は非常に興味深いなというところで、特に50代、60代でも住宅のニーズが高いということについては、私どもも住宅ローンというのを扱っていますので、実際にこの世代の住宅ローンはそんなにないのですが、よくいろいろ言われているのは、お子様がひとり立ちされて、もう一回住宅を持つというときに駅近のところに例えばマンションを購入したり、この世代でも初めて購入されるという方もいらっしゃるのかなと思いますけれども、そういう様々のニーズのところに、どちらかというと年齢の引上げというのが財形年金貯蓄に着目していたところはあったのですけれども、ローンのニーズとか、実際は自己資金をためたいということなどを考えると、非課税で住宅のところについても改めてニーズがあるなと少し感じたところでございます。
その点で申し上げますと、この間、住宅の取得価格が上がっているというのは先ほどの資料でも御提示いただいておりましたけれども、私どもの住宅ローンで見ても、ウクライナから始まってナフサの問題で、この3年間ぐらいで、個々人に差異はあるのですけれども、平均で言っても300万ぐらい住宅ローンが特に都市部では平均額が上がっていますので、一人当たりでいうと多い方は500万とか700万とか、申込み金額を上げざるを得ない。こんな話も聞いておりますので、そんな点も含めると、金利が上がってきていますので、どれだけ自己資金を充てられるかという観点からも、こういう金利上昇期においては非課税枠のところも非常に重要性が増してくるのかなと改めて感じたところでございます。
それから、もう一点お話をしておきたいと思うのですけれども、40代、50代のところでも財形の新規契約があるというところで、これはライフサイクルのところで早い方ですとお子様がひとり立ちをされてくると、大学などに行くと仕送りを含めていろいろ資金がかかるのですけれども、資金的に余裕ができるので、50代から一気に老後の資金を非課税財形でためるという積立ての仕方というのも実際にパターンとしてはありますので、そんなところから言うと、55歳でも65歳まであと10年あるわけですから、ここのところをなるべく56歳とか57歳でも積み立てられるということは非常に意義があるなと。非課税枠を使い切るということでいうと、若いときからこつこつということもありつつ、その年齢から一気に積立てをしたいというニーズもあると思いますので、そんな点も含めて、これらの年齢の引上げであるとか非課税限度額のアップ、それから、ポータビリティ性確保、こういった点については非常に重要な見直しではないかなと改めて感じたところでございます。
以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
では、オンラインで御参加の渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 ありがとうございます。
今日いろいろお話を伺えて、特に池本様、背戸様からヒアリングという形で新たな情報いただけたのは非常に学びにもなりまして、大変感謝しております。
いただいていた論点についても、ほかの皆様と同じように異論は全くないのですけれども、1点要望というか提案というか、この後の検討についてコメントさせていただければと思います。
今日のお話も年齢であるとか限度額が引上げになるというところに対して非常にポジティブなお話があったので、比較的皆さんそこに対して異論はないのであろうなと思うのです。ですので、ここについては逆に何かデメリットとか課題というのがあるのかというところを中心的に議論できればいいのかなと思っていますので、論点に対して比較的整理がしやすい部分になってくるのかなと認識しています。
一方で、これからの制度のあり方とか持続性みたいなもの、あるいは認知というようなお話も途中出ていたかと思うのですけれども、いろいろなデータを見るにつけ、課題として明確に出てきている部分に対して、この制度自体を今後どうしていくのかという議論のところが比較的重たい。この年末、12月ぐらいまでに取りまとめるというところに対して、非常に負荷の高いところになってくるのかなと思いますので、勤労者の財産形成促進制度というところを検討するという大目的に対していうと、そちらに時間をかけていくべきなのかなとも思いますので、今いただいている論点に対して軽重をつけて時間配分して検討していけるといいのではないかなと感じておりますので、御検討いただけるとありがたいです。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
事務局のほうからコメントをお願いします。
○安達勤労者生活課長 ありがとうございます。
軽重をつけて、また、効率的に議論をするということも含めて、しっかりやっていきたいと思っております。
また、例えば年齢の面でいきますと、先ほど御発言いただいた中にもあったとおり、事務処理的なところをどうするかといった課題も一方ではあるところでございますので、そういった課題への対応も含めて、今後、事務局のほうで議題設定等も含めてしっかりやっていきながら、一方でスピード感を持ってという御発言もいただいたと思いますので、うまくバランスを取って進めていきたいと思います。ありがとうございます。
○山本(眞)分科会長 ほかに御発言、御意見のある方はいらっしゃいますか。
松田委員、お願いします。
○松田委員 御指名ありがとうございます。
先ほど質問いただいたところと重複するところもありますが、課題としては、制度が拡充されたとしても、認知が高まっていかないと利用者は増えないという点かと思います。
今後の進め方については異論ありませんが、認知の面をどうやって高めていくかということを分科会の中でいろいろ意見を出し合っていくことが大事かと思っています。実際に制度が拡充されても、使用者数が増えないことにはあまり意味のないことになってしまうかなと思いますので、その点、ぜひご検討いただきたいと思ってございます。よろしくお願いします。
私からは以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
そこについて今後どうするか、事務局のほうからコメントをお願いします。
○安達勤労者生活課長 繰り返しになりますが、その点も含めてしっかりと検討していきたいと思います。ありがとうございます。
○山本(眞)分科会長 石井委員、お願いします。
○石井委員 今の話に少しつながるところですが、おまとめいただいた財形制度の現状等についての5ページ、各制度の比較というところでおまとめになられているところ、この中で預貯金とか保険商品等とあると思いますが、この「等」の中には投資信託といったものも入っていると思われます。そうなると、どういう商品のニーズが今高いのか等、その辺りの分析をしながら、NISAとのすみ分け等も考えたりする必要があるかもしれないので、その辺りの課題を整理しながら活用のニーズを探っていくことが必要かと思いました。
以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局よりコメントをいただければと思います。
○安達勤労者生活課長
財形貯蓄の種類につきましては2ページ、見づらくて恐縮なのですけれども、預貯金のほか、有価証券、具体的にいいますと証券投資信託の受益証券等、株式投資信託等、こういったものを対象にしております。
具体の国民の金融資産については、別の21ページにつけておりますけれども、今後、そもそもこの財形制度で対象となっている商品の取扱いというのは、恐らく現下の金融商品に関する国民のニーズを捉えてどうするかという御意見だと思いますので、当然そこは検討すべき課題だと思っておりますので、今後しっかりと検討できればと思っております。ありがとうございます。
○山本(眞)分科会長 ほかによろしいでしょうか。
大橋委員。
○大橋委員 ありがとうございます。
先ほど厚労省からお話があった金融機関の事務処理の問題に関連して、1点申しあげます。資料1の3ページに記載の「住宅のニーズに合わせた財形住宅貯蓄のあり方について」に関連して、仮に払出し要件の緩和を議論するのであれば、住宅に関する小規模な支出が実際に増加しているデータを今後お示しいただけると、より議論がしやすいと思います。よろしくお願いいたします。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
事務局としても、それでよろしいですか。
○安達勤労者生活課長 はい。
○山本(眞)分科会長 では、事務局にはその方向で資料を準備していただこうと思います。
ほかによろしいでしょうか。
それでは、本日は議題2つ、以上とさせていただいて、有識者の方々のヒアリングとか、皆さんからのいろいろな御意見をいただきましたので、今後については、引き続きこの制度の見直しについて議論を行うために事務局のほうで働いていただくようにしたいと思います。先ほどもスピード感もという御意見もありましたので、委員の皆様にはいろいろ日程等で御無理を申し上げるかもしれませんけれども、せっかく動き出したところですので、どんどん進めていけたらなと思っていますので、次回以降の分科会の開催については事務局にお願いをして、日程調整も含め、あと、論点のさらなる深掘りも含めて準備をお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
○安達勤労者生活課長 承知いたしました。
○山本(眞)分科会長 では、そこの点を踏まえてよろしくお願いいたします。
では、本日の分科会は以上といたします。
特に何か御発言はありますか。大丈夫ですか。
それでは、事務局のほうは何かございますか。
○安達勤労者生活課長 次回以降の分科会につきましては、先ほどいただいた御意見等も踏まえて調整させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○山本(眞)分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

