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第106回 厚生科学審議会感染症部会 議事録
日時
令和8年7月8日(水)10:00~12:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム(5階)
議題
(1)感染症指定医療機関の指定基準のあり方について
(2)入国時感染症ゲノムサーベイランスについて(報告)
(2)入国時感染症ゲノムサーベイランスについて(報告)
議事
○小谷エイズ対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまから第106回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。これまでと同様、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で御用意しておりますYouTube撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。
本日はウェブと対面のハイブリッドで開催することとしております。ウェブ・対面参加者ともに、御発言される場合は挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてからの御発言をお願いいたします。タイムラグが生じますが御了承願います。
また、対面参加者におかれましては、お手元のマイクを使用し御発言いただきますよう、お願いいたします。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
次に、委員の出欠状況について御報告いたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順に、大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
越田委員。
○越田委員 越田です。おはようございます。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
小竹委員。
○小竹委員 小竹です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
小西委員。
○小西委員 小西でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
笹本委員。
○笹本委員 笹本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
鈴木委員。
○鈴木委員 鈴木です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
詫摩委員。
○詫摩委員 詫摩です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
原委員。
○原委員 原です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
松本委員。
○松本委員 松本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
なお、島田委員、四柳委員から御欠席の連絡をいただいております。
また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構より影山様。
○影山参考人 影山です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
鈴木様。
○鈴木参考人 鈴木です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
御参加をいただいております。
以上、感染症部会委員19名のうち17名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
(カメラ退室)
○小谷エイズ対策推進室長 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿、座席図、資料1~2、参考資料1になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、ここからの進行は、脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 皆様、改めまして、おはようございます。
今日も感染症部会をよろしくお願いいたします。
早速、議事に入ってまいりますが、議事次第を御覧ください。
今日は、審議事項が1件、報告事項が1件となっています。
最初の議題「感染症指定医療機関の指定基準のあり方について」でございます。
資料1が提出されていますので、こちらを事務局から御説明していただきます。
よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
資料1に沿って御説明させていただきます。
1枚おめくりください。
感染症指定医療機関の指定基準に係る背景と現状について、御説明させていただきます。
感染症患者の隔離及び医療の提供を適切に行うことを目的として、1999年の感染症法設立時に、感染症指定医療機関制度が導入されております。
一類感染症等の患者の入院を担当する第一種感染症指定医療機関は、全ての都道府県に1か所指定することを目指し、2019年4月1日付で全都道府県において指定が完了しています。こちらについては、56医療機関108床が現在指定されております。
二類感染症または新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当する第二種感染症指定医療機関については、二次医療圏で1か所程度指定することを目指していたところ、2025年4月1日時点で361医療機関1,802床が指定されているところでございます。
この指定基準については、感染症法制定以降、大きな見直しは行われておりません。そのため、その後の医療の進歩とか、医療体制の変化などを踏まえて見直しを行う必要があると考えております。
また、感染症指定医療機関の指定基準については、病室の面積・構造、空調、給水・排水等の設備に係る要件を定めておりますが、他方、診療に関する要件については、感染症の医療の経験を有する医師の勤務とか、重症の救急患者に対し医療を提供する体制の確保等を求めております。
ただ、一類・二類感染症や新型インフルエンザ等感染症の患者の診療に当たって求められる具体的な能力の目安は、今回の基準の中では設けられておりません。
一類感染症発生を想定した訓練の実施とか、都道府県が感染症指定医療機関を指定した後に、当該医療機関が基準を満たし続けているかを確認する仕組みについても、現在においては指定基準に定められていないところでございます。
こういった中、また、先日、当部会でも御報告させていただきましたが、現在、アフリカを中心とした形でエボラ出血熱、マールブルグ等においてPHEICが宣言されております。
特にエボラ出血熱においては、これまで3回PHEICが宣言されておりますが、現在において、国内における一類感染症患者の発生は、感染症法が制定されてから一度もないのが現状でございます。
1枚おめくりください。
ここからは、参考資料、情報提供という形になります。
「第一種感染症指定医療機関の指定基準」について、表現させていただいております。
先ほど述べさせていただきましたとおり「病室の要件」と「病院の要件」という形で大きく分けております。
「病室の要件」としましては、例として「一床の感染症病床を設置する個室とし、前室を有する」ものとか、天井の高さ「陰圧制御が可能である」ことなどが定められております。
「病院の要件」としては「当該病院で微生物学的検査を迅速に行うことができる設備を有する」ほか「その診療科名中に内科、小児科及び外科を有し、それぞれに常時勤務する医師がある」などの指定が設けられております。
続いて、ページをおめくりください。
現在の「特定感染症指定医療機関及び第一種感染症指定医療機関の一覧」という形で提示させていただいております。
新感染症を含めた第一種感染症に対しても対応が可能と指定されている特定感染症指定医療機関は、4医療機関10床。
第一種感染症指定医療機関については、56医療機関108床が指定されております。
1枚おめくりください。
続けて「第二種感染症指定医療機関の指定基準・指定状況」について御報告させていただきます。
同様に「病室の要件」と「病院の要件」が設けられており、現在、第二種感染症指定医療機関においては、361医療機関1,802床が指定されているところでございます。
1枚おめくりください。
こうした感染症病床においての基準病床数に係る関係規定も、こちらで御報告させていただきます。
医療法施行規則の中の第30条の30の4の項目として、感染症病床が定められております。
厚生労働大臣の指定を受けている特定感染症指定医療機関の感染症病床、都道府県の知事の指定を受けている第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関の感染症病床については、この指定について、この資料の下段でございますが、第一種感染症指定医療機関は、都道府県の区域ごとに1か所、第二種感染症指定医療機関については、二次医療圏ごとに1か所という形で定められているところでございます。
1枚おめくりください。
こうした基準病床と指定病床数について、現在、各都道府県においてどのように定められているのか、明示したものになっています。
そうした背景を踏まえまして、8ページ目を御覧ください。
ただ、他方「感染症指定医療機関の基準のあり方に関する検討に資する研究」も行われております。
こちらは、令和5~6年度厚生労働行政推進調査事業費補助金の中で行われたものになっておりますが、感染症指定医療機関の施設基準について、現状と合わない点が見られることなどを踏まえて、アンケート調査、インタビュー調査などが行われたものになっております。
結果として、第一種感染症指定医療機関の中では、人工透析器や人工呼吸器を室内に持ち込むと、現行の病室床面積の基準では、医師や看護師が治療を行うためのスペースが確保できない可能性がある。
その他、人工呼吸器管理が可能な割合は約7割、ECMOを提供可能な割合は約3割といった回答結果が得られておりました。
この研究としての「考察」の中では、人員の確保や、検査体制等の事前の準備・計画の立案を盛り込む必要が施設基準の中ではあるというものであったり、一類感染症のそもそもの希少性を鑑みると、全ての一種感染症指定医療機関で重症患者や小児・妊婦が対応できるように整備することは現実的ではなく、地理的状況を鑑みながら複数の県で共同して、重症患者や小児・妊婦といった特別な背景を持つ患者への医療を提供できる体制づくりが必要という形の考察をいただいておりました。
次のページを御覧ください。
こちらは、昨今発出されております「PHEICの宣言を受けたエボラ出血熱に係る協力依頼について」に基づきまして、都道府県等に対して、一類感染症に対する体制整備の状況について、調査を近日実施いたしました。
一類感染症の発生時に、管内で患者を受け入れる体制は整備されている一方で、一類感染症の対応に係るマニュアルの整備や、都道府県と医療機関等との一類感染症に係る訓練は、全ての自治体で実施されてはいないことがこの中で分かりました。
最後のページになります。
こういった背景を踏まえまして「感染症指定医療機関の指定基準の見直しに係る論点(案)」という形で提示させていただきます。
感染症指定医療機関の指定基準について、感染症の発生状況、感染症指定医療機関の現状、患者の診療に当たって求められる能力、医療の進歩や医療体制の変化等を踏まえながら、改めて見直すこととしてはどうか。
第一種感染症指定医療機関については、各都道府県で一類感染症患者を受け入れる体制は整備されており、一部の医療機関においては重症患者の治療も可能であるところ、制度面からもその体制維持を図るため、以下の論点について検討した上で、指定基準を見直すこととしてはどうか。
論点としましては、全ての第一種感染症指定医療機関で、疑似症及び患者の受入れ、及び一次診療を確実に行う体制を維持できるよう、都道府県と医療機関等との一類感染症の発生を想定した訓練の実施や、指定後も基準を満たしているか、定期的に確認する仕組みを指定基準に設けることとしてはどうか。
また、一類感染症患者に対する高度医療については、特定感染症指定医療機関または一部の第一種感染症指定医療機関に集約し、都道府県域を超えた地域連携の中で診療体制を構築することを指定基準上、明確にするとともに、それらの医療機関については、一類感染症患者の治療に求められるハード・ソフト面の要件を整理した上で、別途基準を設けることとしてはどうかとさせていただいております。
なお、第二種感染症指定医療機関については、引き続き論点を整理した上で、次回以降の感染症部会で御議論させていただくこととしたいと考えております。
指定基準見直しを踏まえた中でのイメージとして、下の図でも述べさせていただいておりますので、御参考としていただければ幸いです。
以上、事務局からの御説明でした。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、大曲委員から参考資料1が提出されていますので、大曲委員に御説明していただきます。
よろしくお願いします。
○大曲委員 脇田先生、ありがとうございます。
国立健康危機管理研究機構の大曲と申します。
私どもは病院もありまして、特定感染症病床を用意しております。そこでは、一類感染症の疑似症の受入れの経験がございます。今回の議論をする上で、実際の運用の実態をお伝えできればと思います。
もう一つは、今後の運用を考える上で、ほかの国の状況は参考になると思いますので、米国の感染症指定医療機関に関する知見、これは主に研究班の知見になりますが、こちらを御紹介したいと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、めくっていただいて、4ページまで飛んでいただければと思います。
4ページ目には、我々の特定感染症病床の沿革をお示ししました。
最初は、2003年でありまして、当時はSARSが起こった頃です。
ということで、病床を開設したというところで、疑似症を6例受けています。
その後、大きな動きがあったのは、2009年の新型インフルエンザのときでありまして、発熱外来を設けて、患者を4人受け入れたところです。
2014年は、もう10年以上前になりますが、エボラのいわゆる世界的なアウトブレークがありまして、この年には、年をまたいで4例の疑似症の受入れをしております。
2015年と2016年にかけては、この時期は大変でして、特に韓国、中東を中心にMERSのアウトブレークがあった時期でありまして、MERSの疑似症を4例入れています。
実は、このときのエボラ対応とMERS対応の反省で、世の中の考え方も変わりまして、ちゃんと治す必要があるということで、集中治療ができるようにしたわけですが、病棟のスペックが十分ではなかったので、配管の工事とか拡張を2018年から2019年にかけて行っています。
直近では、2020年に重症のCOVID-19の患者3例の受入れをしております。
改築をしておいたおかげで、この重症の患者さん方は、ECMO、人工呼吸まで行うことができました。
こういう状況でございます。
1枚おめくりください。
5枚目でありますが、イメージをつかんでいただくために、病棟の図をお示ししております。
ピンクが病室です。我々は4床持っています。
下の図で「今回の導線」とありますが、まず、部屋に入ると「前々室」がありまして、その左下に「前室1」があります。
このように部屋を確保しておりまして、清潔・不潔の区別や、PPEの着脱のスペースを設けているところです。
あとは、機材処理等で、排水をどうしているのかということなのですが、高圧の蒸気滅菌器等を設けておりまして「オートクレーブ」を通して滅菌しておりますし、排水に関しても煮沸して、環境に戻しております。
専用の「検査室」もつくっております。
というのも、一般の病院の中央棟の検査室で、安全に検体を用いた検査ができるかどうか、非常に難しいところですので、専用の検査スペースを持っている。
そして、診療スペースは広く取ってありまして、ECMO等の機材もちゃんと入れられるようにしております。
1枚おめくりください。
6枚目でありますが、実際にどのようなことを疑似症発生時にはするのかということで、お示ししました。
過去には大分事例がありますが、その一部を改編しております。
まず「発生覚知から病棟開棟」でありますが、第1報を行政からいただきます。患者さんの状況が知らされまして、45分に正式な受入れ要請をいただきます。
我々としては、病院長の了解を取りまして、総合指揮者をはじめとして、オンコールの医師、有志の医師、看護師が登院して準備します。
そして、患者さんは、搬送車両で対象者宅から運ばれてきまして、我々の病院のゲートに着くところです。
「参集人員」を右にお示ししましたが、疑似症発生時の最初の受入れのときは、比較的大人数が要ります。このときは、感染症の医師6名で当たりました。
総合指揮は1名。これは外部とのコミュニケーション等で非常に重要です。
病棟のリーダーが1名です。ナースステーションで指揮をします。
実際に病室に入る医師が2名でありました。
これ以外にも、内部の調整、大きく言うと外回りの者が2人おりました。
看護師は2名であります。防護具を着用して中に入る者が1名で、外回りは重要ですので、1名置いておりました。
7ページ目でございます。
実際に患者さんが来られまして、アイソレーターで入っておられましたので、病室に入っていただく。
医師2名体制で、採血や診察を始めます。
ここでは、院内の検査室でもろもろの検査を行います。この中では、マラリアの迅速検査とかFilm array等も含まれます。
というのも、もろもろの判断をするときに、例えばエボラの疑似症疑いだったというときに、ほかの感染症や病気の診断がつくかということは、その後の判断に非常に重要ですので、この検査は極めて重要であります。
あとは、レントゲンもやりましたし、行政検査の検体を取りまして、行政機関に搬出するところでございました。
また人員を右にお示ししましたが、追加が必要になります。
例えば検査技師が必要になりますし、診療放射線技師も、1人ではできませんので、3名呼んでおります。
受入れのときはこうでしたが、ECMOを行うとなると、臨床工学技士も入る必要が出てきますし、集中治療の医師も入っていただきたいですし、ナースも、集中治療の認定を持ったぐらいの経験と技能がないと対応できないので、そのような方々も呼びます。
8ページ目でございます。
実際に検査が感染研の村山庁舎に届きます。
このときは、我々の下で行った検査で、そもそも下痢症の症状があったのですが、病原性を持つ微生物が便から検出されましたということで、大体診断はついたと。
夜になりましたので、夜勤のスタッフに引継ぎを行いました。
18時44分に、行政検査でエボラウイルスのPCRの陰性が確定しました。
このときは比較的早く確定しましたが、実際にはさらに時間がかかるほうがむしろ多いです。
結果が出たことを患者さんに御説明して、御退院いただいたところでございます。
このときは、夜にかかりましたので、日勤は医師2名、看護師2名。
夜も同じ体制で行っておりまして、全体の統括は、時間外でも連絡が来ますので、引き続き対応してもらいました。
9枚目に移ります。
事後の反省ということで、毎回反省と検討をしておりますが、このときに分かったのは、想定外に人員が多く必要であるところです。
確保はできましたが、実際の確保の方法とか、参集をどうするのかということに関しては、方法をもう一度洗練させたほうがいいだろうという反省があったのが1点。
2点目は、患者さんへの事前説明が重要であるということであります。
健康観察になっているだけでもストレスがかかった状況の患者さんに、この病棟に入っていただいて、医療を受けていただくとなると、多くの方は相当なストレスにさらされますし、ちゃんと配慮しないと混乱されるということもありますので、搬送前からの十分な説明。我々がしっかりと説明して、御納得いただくことが非常に重要です。
あとは、平時の訓練であります。
チェックリスト等は作っておりまして、それに基づいて行っています。
作っている範囲では非常に役に立つのですが、漏れもありますし、課題も出てきますので、これを改善していくことが重要でございます。
10ページ目に移ります。
では、どういう準備が必要かということですが、平時の準備でありますが、要は、いつ患者さんが来られても、対応できるような体制を平時から運用しておくことが重要です。
マニュアル等はもちろん重要でして、机上・実地訓練を通じてブラッシュアップしていく必要がありますし、人員がたくさん要るというのは先ほどお示ししたとおりですし、訓練が非常に重要ですので、兼任のかかっている看護師はおりますが、月1回ミーティングをしていますし、年2回、ほかの職種はPPE着脱の訓練をしていますし、多職種連携の大きな訓練は年2回以上行っています。最近は回数が増えていますが、練度を高めるための訓練は非常に重要でございます。
設備・物品の管理、特に厳密な機能的な管理、備蓄の量の管理も非常に重要であります。
あとは、連絡体制です。院内での連絡体制も重要ですし、私たちは機構という大きなボディーがありますので、その中での連絡体制も非常に重要であります。
11ページに移ってまいります。
診療スペースの確保が重要だという点ですが、一般的な病室の個室と同等の広さでは、とても診療を安全にはできないところで、かなりの広さが必要です。
大きな機材が入ります。ポータブルのエックス線等が入りますし、それらはすぐには外に出せないので、置いておけるだけのスペースが必要ですし、PPEの着脱をする、あるいはPPEを着て立ち回りをするにも、相当なパーソナルスペースが要りますので、広さは要る。
あとは、高度治療をやるということになりますと、挿管もするし、人工呼吸もするし、ECMOもするということになりますと、相当の広いスペースが要るところであります。
1枚おめくりください。12枚目でございます。
あとは、実際にかなり高度な医療を隔離環境下で行うのですが、非常に大変です。
ですので、感染症の病床でも、一般診療と同レベルの標準医療を提供するための設備・施設は、しっかりと整備が必要です。
検査室ですが、検体を中央棟の中央検査室で検査するのは、エアロゾルが出るのではないか等を考えると、リスクがありますので、専門の検査室が必要です。
右には、私たちの感染症の病床の中にある検査室の写真をお示ししましたが、我々は病棟内に、個別の専用の検査室をこのように持っております。
あとは、大型機器の運用がなかなか難しいところであります。これは先ほど述べたとおりです。
もう一つは、代替手段が要るということで、例えばCT等をどんどん撮るわけにはいきませんので、代替法としては、最近は、新興・再興感染症の診療ではエコーがかなり使われますので、これもちゃんとした機器を持って、習熟しておくことが必要でございます。
1枚おめくりください。13枚目でございます。
「臨床情報と患者検体の保存体制」であります。
これは、大いにコロナの反省を受けてのところでありますが、いわゆるウイルス性の出血熱ですが、まれであります。
まれですので、確定症・疑似症の情報、あるいは検体は、調査・研究のために極めて重要な資源になりますし、受入れ機関は、感染症による健康危機に備える、あるいは対応する研究・開発の拠点としての機能は求められています。それはコロナで明らかになりました。
ということで、有事でも情報・検体を頂くことが、研究手順、あるいは調査手順がしっかりと行くように、同意取得のプロセスとかマニュアルの整備、訓練は必要ですし、頂いた検体の安全な管理方法の確立も必要です。
もう一つは、二次利用です。
高度の研究機関、そして国内研究ネットワークで得たものを使っていただけるように、ハブ機能が現在求められております。
1枚おめくりいただきますと、前半に申し上げたことをまとめてお示ししております。
綿密なマニュアル整備と繰り返しの実践訓練が要る。
人員がかなり要りますので、その動員体制、持続性も非常に重要であります。
特殊な診療に耐え得る施設・設備と検査機能の確保も重要です。
そして、現代的には、有事でも研究ができる体制の構築が必須でございます。
これが前半です。
後半に、今後の日本の体制を考える上で、米国の体制が参考になると思いましたので、米国のNational Emerging Special Pathogens Training and Education Center「NETEC」と我々は呼んでおりますが、そこの中核医療機関等の治療環境について御報告いたします。
16ページ目を御覧ください。
一言でのまとめをお示ししておりますが、米国では、NETECというネットワークを中核とする階層型の特殊な病原体のケアシステムで治療環境を整備しているところです。
これが始まったのは、2014~2015年のエボラ出血熱で、米国では、国内発症例があったところであります。実際に診療も完結する必要がありました。
ということで、これを契機にして、全医療機関にエボラ出血熱等への一時対応を求めつつ、治療は少数の中核拠点に集約する階層型のネットワークを米国は構築しています。
その中でも、中核となる拠点の医療機関「RESPTC」と呼ばれていますが、ここが高度の隔離・集中治療・検査・臨床研究の機能を担っているところです。
RESPTCのようなところに求められるのは、要点は3件で、高度隔離環境のまま集中治療・透析・検査が可能である。
迅速な検査体制。
平時からの臨床研究への準備状況、即応体制ができているところでございます。
17ページ目を御覧ください。
ただ、これも実は歴史がございます。発展してきたところです。
2015年当初は、NETECがつくられまして、もともとは国家的な研修と教育を行うためのセンターだったのです。
ただ、これがやがて発展していって、診療ネットワークの運営にまで係ることになります。
その下にRESPTCがありますが、これは医療機関のネットワークであります。
地域の特殊病原体治療の中核を担う医療機関のネットワークでありまして、米国の保健福祉省、いわゆるHHSが定めた10の地域が全米でありますが、その10地域の一つ一つごとに1拠点を持っている。少なくとも1拠点がある。ですので、合計の施設数は、今13であります。
もう一つは、研究のネットワークでありまして、SPRNがあります。
これは、RESPTCをつなぐ他施設の臨床研究ネットワークで、これもNETECがつくったもので、現在でもしっかりと稼働しております。
ここで始まったのですが、実際、何を行ったかといいますと、実際に運用してみると、なかなか維持管理が大変だということになりました。
ということで、少し発展しております。
18ページ目を御覧ください。
具体的には、今は重大な影響を及ぼす感染症の疑い例、もしくは確定例の患者に対する4段階の施設レベルから成る階層的な医療提供体制に発展しています。今「NSPS」と呼ばれていますが、このようになっております。
下にそれを表でお示ししましたが、一般の医療機関がレベル4、一番下に当たります。
「症例の同定・隔離・初期安定化、上位施設へ搬送」というところで、外来を含む大多数の医療機関が含まれています。
もう一つ上のレベル3は、評価をする「Assessment Centers」でありまして、患者さんの状態の安定化と高次医療機関に送るための搬送調整、迅速な検査。これは恐らく、Film array等であると思いますが、それを行う。
もう一つ上のレベル2になりますと、専門的治療がしっかりと行えるような施設になります。全経過の治療が行える。
そのさらに上の最高レベルの拠点が「RESPTC」と言われるところでありまして、機能としては、先ほど申し上げたところであります。現在、全米に13施設がございます。
1枚おめくりください。
階層ごとになっていると申し上げましたが、どれぐらいレベルが違うのかということを表に示しております。
3、2、1と数が減るごとにレベルが上がっていくわけなのですが、例えばレベル3の「Assessment Center」ですと、患者さんを診る時間の想定としては最大36時間で、一床以上あればよくて、訓練は年1回程度になっています。検査は簡易検査でいいと。
これがレベル2になると、治療も一応できることが必要になりますので、VHF(出血熱)の患者さん1~2例は診てくれ、少なくとも7日間は診られるだけの備蓄は持っておいてくれ、21日間は逐次補給する、年2回はトレーニングをするとお示ししてあります。
一番左の「RESPTC」になりますと、こちらはウイルス性の出血熱を2例を診る、これも7日以上は確実に備蓄しておく、トレーニングは四半期ごとに行うということで、かなりレベルが上がっております。
1枚おめくりいただきますと、20ページ目には、実際に一番レベルの高いところ、レベル1の治療施設で求められるスペック、人員・施設・設備が書かれております。
基本的には、ここから患者さんを搬送することはなくて、自分たちは引き受けるところで、最終的に全経過を自分たちで行うところです。
設備は個室等がありますし、陰圧管理専用空調は日本と似ていますし、隔離室内で全ての集中治療ができます。
検査も独立して、個別の検査機器がありますし、人員体制もしっかりと整えられていて、診療科で横断した準備計画、集中治療専門看護師も確保、医師、環境サービス要員、感染管理の専門家、リハビリも含めて検査・呼吸器ケアの人員が確保されています。
もちろん、それらの教育も非常に重要で、定期的にNETECに基づいて行われていますし、PPEの備蓄も最低7日分、いざとなれば補充して、21日間は供給できる。
あとは、全米にまたがっていますので、搬送が非常に重要になってくるので、それぞれの州や地方と連携して、全米の中での院間搬送計画もつくられています。
小児とかの対応は、小児病院との連携でありました。
例えばアトランタですと、エモリー大学病院で成人を引き受けて、子供は子供病院で引き受けるという連携がされております。
21ページ目を御覧ください。
これはちょっと前になりますが、エモリー大学病院のユニットの状況を模式図で示したものであります。このような状況で行っているところです。
分かりやすく言いますと、エモリーでは、テキサスで二次感染を起こした看護師さん方を受けていますが、ここで診たということでございます。かなり高度な集中治療まで行っておりました。
1枚めくっていただきますと、22ページ目でありますが、日本とどう違うのかというところなのですが、似ているところも大分ありますが、根本的な違いで言いますと、日本では、どちらかといえば感染症法に基づく病原体で分けているところ。
米国は機能で分けているところが大きな違いではなかろうかと思います。
立地・搬送に関しましては、日本では各都道府県に1か所ということになっていますが、米国では、人の出入り等を考えて、人口のこと、あるいは空港や港に近いところ、ラボが近くにあるか、あとは搬送にかかる時間を検討して、医療機関の指定をしているところでございました。
研究に関しても、しっかりと行っているところです。
日本も、iCROWNで研究を行っております。
1枚おめくりいただいて、23ページ目を御覧いただければと思います。
ただ、米国のこの体制も、徐々に出来上がってきたものであります。そこには課題があったということです。
具体的には、広く医療機関を指定し続けることには限界があるということです。
日米ともに、感染症指定医療機関の維持は簡単ではありません。多数を指定すると能力が不均一になりますし、そもそも維持が困難になります。
ということで、米国は、高度な診療機能は一部の医療機関で行うことにしたそうです。
もうちょっと細かく言いますと、2014~2016年に、全米で56のEbola treatment centerを指定したのだそうですが、実際に2019年、2022年に調査をしてみると、それに求められるだけの設備とか機能を持っている病院が、それぞれ64%、59%ということで、なかなか維持できていなかった。
その問題を見ると、政府資金が少なかった、あるいはそうすると、地方の資金で運用することになりますが、なかなか難しかったということになります。
こうした維持困難を受けて、連邦は、2022年に機能を中核に集約して、なおかつ階層化して対応することを行っております。
1枚おめくりください。
24ページ目には「臨床研究・臨床試験を迅速に開始する体制」が組まれているところでございます。
こちらは、先ほど申し上げた米国では、特殊病原体研究ネットワーク(SPRN)を用いて研究体制が敷かれています。
これが稼働した一番大きなところは、コロナの最初の段階で、いわゆるレムデシビルの治験が行われましたが、それの最初の立ち上げは、ネブラスカ大学に置いたCentral IRBを用いて、迅速倫理審査をした後に、SPRNのネットワークで一気に治験を立ち上げたと聞いています。非常に迅速でした。
日本もこれに学んで、今、iCROWNという臨床研究ネットワークを立ち上げて運用しているところでして、2026年では59機関が参画しているところでございます。
次をおめくりください。あと数枚です。
25ページ目でありますが、経緯も含めてですが、日本の第一種指定医療機関の現状であります。
1999年の感染症法の成立時に、各都道府県に第一種を1か所という概念が提示されています。
ただ、当時からいろいろと議論があったそうで、慎重論としては、一種は希少なので、各県に整備するほどの必要はないのではという御意見もあったようですし、推進論としては、航空網の発展で、どの都道府県でも発生し得るし、第一種は地域の感染症診療のリーダーとしての役割が期待されているのだという議論がありました。
最終的には、全都道府県の設置となりましたし、整理としては、階層のない横並びということになっております。
最後に、26ページ目です。
まとめでございますが、このような内容を含めまして、岡部先生と私が分担させていただいた研究班では、指定医療機関の在り方として、機能、人員、施設間の連携、研究、監査を要件化する案を提示させていただいております。
こちらにお示しした内容自体は、先ほど申し上げてきたことのまとめでございます。
「残存する課題」としては、今日の議論でありますが、特定・第一種指定医療機関間の役割分担。
都道府県をまたぐ搬送。
監査体制は要るのではないかということ。
診療・看護の統一したひな形の整備。これは、厚労科研でも手がつけられているところです。
あとは、研究体制が実際の運用で残っているかと思います。
すみません。長くなりましたが、私からは以上でございます。
○脇田部会長 大曲先生、どうもありがとうございました。
今日、もう一人参考人として、JIHS感染研の鈴木忠樹先生にも来ていただいています。
鈴木先生は、感染研で主に検体の受入れの窓口的なところを担っていただいているわけですが、鈴木先生からも、感染症指定医療機関の指定基準に関する御意見があれば、伺っておきたいと思います。
お願いします。
○鈴木参考人 ありがとうございます。
JIHS感染研の鈴木と申します。よろしくお願いいたします。
先ほど大曲先生から詳細に御提言があったところですが、私はラボの専門家として、大曲先生の御発表を拝見しておりまして、第一種指定医療機関の指定基準に関して非常に重要な御示唆があったと考えております。
一番重要なのが、理想的な第一種指定医療機関としては、第一種病室入院患者の検査のための専用区画を備えていることと考えています。
現在の一種感染症指定医療機関の指定基準の病院の要件として当該病院で微生物検査を迅速に行うことができる設備があるというのはありますが、必ずしも専用区画をもとめているものではないと考えています。
一類感染症のような非常にリスクの高い病原体の検査をする場合には、専用区画で、ほかの検査と切り分けた形での検査が非常に重要と考えております。
また、このような感染症の確定診断は、行政検査として、感染研のような機関で実施されることになっていると考えますが、医療現場で使用可能な様々な迅速検査系が開発されていますので、そういうものを適切に活用して、暫定的であっても現場でのリスク評価を迅速化させ、より安全に診療していくことが重要と考えています。そのような検査も活用できるような体制が望ましいと考えています。
また、病原体検査だけではなくて、ルーチン検査として実施される一般の臨床検査用の検体の取扱いにおいても感染性リスクはありますので、その検査も、専用区画で対応していくべきだと思います。
さらに、大曲先生の御発表の中でありましたように、行政検査を行う場合は、地方衛生研究所や感染研への検体の搬送が必ず発生しますので、検体の搬送のための梱包の責任者などが常駐していることも、これらの医療機関に求められると考えております。
検体の搬送や梱包は、簡単なようで、かなりリスクが高い行為ですし、病院の中だけでは完結できない作業になりますので、事前のトレーニングが重要と考えております。
私からは以上となります。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
ただいま事務局、それから参考人の先生方にお話をいただいたところですが、感染症指定医療機関は、感染症法の創設のときに決められて導入され、整備が進んできた。
ただ、コロナの経験も経て、医療が進歩、あるいは医療体制の変化ということもあって、見直しを行っていく必要がある。
今般、エボラのアウトブレーク、ハンタウイルス感染症のアウトブレークがあって、患者が国内で発生したときに、対応がどのようにできるのかというところもあり、今回の議論になっていると理解しています。
論点としては、事務局資料の10ページにお示しいただいたとおり、今回は一種感染症指定医療機関と特定を議論するということですが、疑似症と患者の受入れ体制、一次診療を各自で行う体制の維持、訓練を行っていくというところ、基準を満たしているか、定期的に確認する。先ほど大曲先生からは監査というお話がありましたが、そういったところ。
さらに、一種感染症指定医療機関・特定感染症指定医療機関とあるわけですが、先ほどもあったとおり、現在、全ての都道府県に一種指定医療機関があるわけですが、その機能を集約していくことが必要かどうかも検討していくところでやっています。
大曲先生からは、平時の準備として、施設としてはマニュアルの整備が重要だということですが、事務局資料におかれましては、マニュアルの整備ができていないところも4分の1程度あるとお示ししていただきました。
それから、人員の確保です。
施設としては、高度医療を行うためのスペース。ECMOとか人工呼吸器、簡易のレントゲン装置といったものを入れるようなスペースが確保できるか。
それから、鈴木忠樹先生からもありましたが、検査体制の確保。
そして、臨床研究の準備をしておくということです。
アメリカの状況もお話しいただきました。
鈴木忠樹先生からは、検査の体制。
検体の搬送に関するマニュアルの整備も非常に重要だというお話があったと思います。
というところで、こういった見直しに係る論点は様々あると思うのですが、委員、参考人の皆様から御意見を伺っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、森川委員、お願いします。
○森川委員 ありがとうございます。
資料1の10ページの高度医療に関しては「特定感染症指定医療機関又は一部の第一種感染症指定医療機関に集約し」というのはいいと思うのですが、そうしますと、それ以外の例えば一種感染症指定医療機関に疑い症例の患者さんが搬送されて、PCR等で確定診断されて、例えばエボラ出血熱の患者だということが確定したときに、特定感染症指定医療機関または一部の第一種感染症指定医療機関で、高度医療ができるところへ患者を搬送するための搬送体制が整備されているのかが大きな問題になると思うのです。
例えば成田とか関空、羽田には、疑い患者さんが飛行機で来た場合には、そういう患者さんを輸送するシステムがあるのですが、例えば新潟県で疑い症例が出た場合に、NCGMに患者さんを輸送するシステムがあるのかどうか。
例えばイギリスの場合は、対応医療機関が2つで、診断はロンドンのコリンデールと、西の方にポートンダウンがありますが、患者さんを輸送するシステムは、例えばヘリコプターによる航空輸送を含めて整備されているのですが、そういうシステムがないと、日本の場合、患者さんを高度医療、必要な機関に搬送することができるのかどうか。そこの整備も必要かなと思っています。
あと、患者さんが確定した場合、PCRだけではなくて、感染性ウイルスが排出されているかどうかは、例えば回復してきたときに、エボラ出血熱とかマールブルグ病の患者さんは、かなり長期にわたってPCRは陽性になるけれども、感染性ウイルスは出ないという症例があるのです。感染性ウイルスが分離できるのかどうかは、回復患者さんの退院の一つのマーカーになると思うのですが、そうすると、PCRも含めてですが、検体の輸送、特に確定した患者さんの血液とかは、感染症法上では、臨床検体という扱いであれば一種病原体に当たらないとなるのかもしれませんが、例えば航空機で感染研、あるいは長崎大学に検体を輸送しようとするときに、IATAで飛行機の機長がそれを拒否することができる体制もありますし、あるいはそれ以外のシステムで運ぶ場合に、搬送業者が搬送してくれるのかという問題も解決しなければいけないのかなと思います。
先ほど鈴木先生から地方衛生研究所で検査がという話がありましたが、例えばエボラウイルスの血液からPCRをするために、検査キットでRNAを抽出する液に入れて、ここまでやったら不活化されているはずだということで、アメリカでは、検体を外に出したら、それでは不活化が不十分だったということがあって、多分、COVID-19のときは、ここまでやればウイルスが完全に不活化できているから、検査できるというようなことは研究されたと思うのですが、今、いろいろな抽出キットがありますので、それで本当にウイルスが不活化されるのか、確約できないと、地方衛生研究所で検体の処理ができるのかという問題もありますので、その辺も必要かなと思いました。
その辺は、影山先生が詳しいと思うのですが、よろしくお願いします。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
詫摩委員、お願いします。
○詫摩委員 どうもありがとうございました。
先ほど大曲先生の御説明で、最後に、都道府県間の輸送が課題だと述べられていたと思うのですが、そのとおりだと思います。
一方で、資料1の4ページの各都道府県における一覧を拝見しますと、都道府県とか地域による病床数の格差がすごく気になりまして、例えば北海道には1つしか病院がなくて、病床数が2と。
なので、そもそも地方とか都道府県による指定機関の数の偏りをどう対処するのかということと、例えば北海道から東北とか東京への輸送の体制みたいなものも、一つ課題としてあるのではないかと感じました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続いて、宮﨑委員、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
私も今、輸送のことを申し上げようと思ったのですが、検体にしても、患者さんの搬送にしても、思っている以上に現実的には非常に大変な作業になるので、輸送をどの程度やるか、具体的にどうやるかということも考えると同時に、輸送のことを考える際に大事になるのは、地域性かと思います。
今、事務局案でも出ておりますが「特定感染症指定医療機関又は一部の第一種感染症指定医療機関に集約」すると書いてありますが、このことは、現実的なことを考えると、やるべきことが非常に多いと思います。
その中で、大曲先生のお話に出てきたように、人的なスタッフの規模感が、我々が通常、感染症の診療とか様々な診療をすること以上に必要になるところだと思います。
恐らく、今、NCGMが最も体制が整えられているのだと思いますが、前回の事案で、感染症医が6名、そのほかに専門の検査とか画像等を感染症病棟の中に入ってできるような方をそろえて、それをターンオーバーしていくことが必要になってくると、かなりの人的な体制が必要になりますので、これを現在の特定感染症指定医療機関、または一部の第一種で、どの病院をどのように指定していくのかは非常に難しい問題かと思います。
具体的に考えられるのが、大曲先生先生が、アメリカの体制で、RESPTCとして最も高次の機能を担うものが10施設程度あると御紹介いただきましたが、そのような形で、今、第一種・特定感染症指定医療機関がありますが、ある程度高次機能が担えるようなところを地域の偏在なくつくっていくことが、今回の見直しで必要になるのかなと思いました。
以上です。
ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続いて、松本委員、お願いします。
○松本委員 私も、先ほどのお二人の先生とかなり共通している部分があるのですが、地域の偏在というところから考えますと、今、おそらく、実際に患者さんを受け入れる可能性が高いと思われる特定感染症指定医療機関が関西に2つ、関東にも2つ指定されていますが、例えば北海道、あるいは九州といった遠方で実際の感染者が出たら、そこまで本当に患者さんを運べるのかということも考えなければいけないと思います。もちろん、第一種の指定医療機関でも対応しなければいけませんが、先ほど大曲先生からお話しいただいたように、実際に医療現場でエボラ患者に対応するとなると、医療スタッフにしろ管理体制にしろ、高度なレベルが求められると思います。そうすると、特定感染症指定医療機関を現在の関東、関西の4施設だけでなく、例えば北海道とか九州にも追加で指定して、どの地域で感染者が出てもある程度対応できる体制を整えることが現実的ではないかと思います。
もう一点ですが、現在の指定基準は非常に大ざっぱで「感染症の医療の経験を有する医師」という基準で、しかも「医師」しか基準には載せられていません。しかし実際には、大曲先生がお話しされたように、看護師を始めとして様々な職種が対応しますので、対応する可能性のある医療従事者は医師に限らず教育や訓練ができるような体制を作っておく必要があると思います。そのような意味で、基準の見直しを求めたいと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
今のは、北海道、九州等で発生したときに、本当に対応できるかというところで、むしろ特定の医療機関をそういったところにも増やしていったらどうかというところと、感染症の専門家、ドクター、ナース、そのほかにしても、専門家の基準をつくっていくべきではないかといった御意見だったと思います。
続きまして、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 我々は、今般のエボラ出血熱対応を通じまして、都道府県における第一種感染症指定医療機関の位置づけについて、改めて認識したところです。
私からは「論点」の2つ目の三角についてです。
一類感染症に対応する高度医療においては、都道府県の枠を超えた機能集約化の提案だと理解しております。
先ほど大曲委員からありましたように、即時に対応できる医療機関の確保は、医療調整をする行政にとって非常に重要なことだと思っております。
一方で、都道府県としましては、地域医療計画等において、第一種感染症指定医療機関を頂点とした医療体制を既に構築しております。
もし御提案のように医療体制を広域化する場合、実効性を担保するには、行政間をまたいだ関係各所の調整システムの構築が必要かと思います。
特に対象となる一類感染症等は、感染症法に基づく入院措置、入院勧告を取るため、患者の移動に当たりましては、医療機関のみならず、行政間の連携が必須となります。
実動に当たって、国において感染症法下における患者の入院・搬送の調整の在り方についても御支援を頂戴できればと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
これも、実務的に非常に重要な御指摘だったと思います。
地域を超えて広域の体制を整えるときに、実際に搬送を行うときの問題点を御指摘いただいたと思います。
ありがとうございました。
続いて、土井委員、お願いします。
○土井委員 ありがとうございます。
先ほど大曲委員からの情報提供にもありましたように、一部の特定、あるいは第一種の指定医療機関では、感染対策を適切に行えることに加えて、人工呼吸とかECMOといった重症患者への高度医療を提供できる体制づくりが求められているものと理解しました。
一方で、そのような対応能力は、第一種の指定医療機関の中でも、必ずしも均一ではないという御報告も先ほどあったかと思います。
コロナ対応における私どもの経験でも、こういった重症患者さんの診断・治療を進めていくには、感染症に携わる部門だけではなくて、救急や集中治療の医師とか、病棟スタッフなど、非常に多くの職種との連携が不可欠であったと実感しております。
ですので、指定基準の見直しに当たっては、感染症とか感染管理の分野はもちろんなのですが、集中治療、救急医療、また、先ほど森川委員、宮﨑委員からも御指摘がありましたが、患者さんの搬送体制などに関わる専門家とか、関連学会にも御参画いただいて、発生はまれですが、備えが必要となるような重症の感染症、あるいは疑似症の患者さんに対して、持続可能で実効性のある医療提供体制をどのように構築していくかという観点からも、幅広い御検討をいただければと思い、発言させていただきました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
まだ多くの委員の先生から手が挙がっていますので、最後まで意見を伺って、それから事務局にレスポンスいただくことにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
続いて、坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
まず、特定・第一種感染症指定医療機関で、一類感染症等の患者さんに対して適切な医療を提供できるような体制にさらに整えていくという方向性については、非常に重要な取組だと思いますし、賛同いたします。
その上で、1点要望があるのですが、今回の見直しは、第一種・特定感染症指定医療機関の体制整備が中心と理解していますが、実際には、健康観察中の患者さんが発症したときなど、必ずしも指示された番号に連絡する、自治体の指示を仰ぐといったことをせずに、救急搬送で一般の医療機関に運ばれてきたり、あるいはウオークインで受診するといったことも起こり得ると思います。
一方で、一般の医療機関のマインドとしては、そういった一類感染症を持つような患者さんがうちに来るはずはないといった意識も持っているのではないかと思いますし、初期対応の経験、あるいは準備が必ずしも十分ではない実情があると思います。
こうした第一種感染症指定医療機関と、地域で救急医療を担うような一般の医療機関との連携の在り方、例えば初発の受入れから移送までを想定した合同訓練といったことなども含めて、ぜひ今後の検討事項としていただけますとありがたいと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 ありがとうございます。
大変有意義な御説明をありがとうございました。
少し異なる論点から述べさせていただきます。リスクコミュニケーションの視点からは、特に初発の患者さんに対しては、国民や市民の関心が非常に高いと思われますので、病院単位の広報手段、広報スポークスマン的な人材による対応を予め決めておく必要があるのではないかと思っております。
初発患者の場合は医療機関内の全ての情報を管理・集約して、いつ、どのような手段でリリースするかということをきちんと決めておくことも大切ではないかと思いました。
どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
患者が発生した場合、特に初発患者の場合のリスクコミュニケーションですね。これもマニュアル化しておく。
これは、厚生労働省とともに発表を行っていくことになると思いますので、そういった体制の確保ということですね。
ありがとうございます。
原委員、お願いします。
○原委員 ありがとうございました。
私も、論点に挙がっております、第一種感染症指定医療機関で疑似症患者の受入れ、診断、一次治療を行って、高度医療について、特定感染症指定医療機関で集約していくという点について、賛成です。
その中で、今までにも先生方から意見が上がったように、地域格差があったり、搬送までの時間とか方法といった問題もあると思いますので、もう少し地域的なものなども加味して、特定感染症指定医療機関については設定していただきたいと思いました。
また、いずれにしても、非常に人員が必要であるということも大曲委員から示していただきましたので、感染症指定医療機関の中でそういった医療従事者を養成するような仕組みをつくっていく必要があると思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、森田委員、お願いします。
○森田委員 ありがとうございます。
私も、一種感染症指定医療機関の集約化に関しては賛成でございます。
理由は、ほかの委員の先生方がおっしゃったこととほぼ同じなのですが、もう一つ重要な論点として、岡部先生、大曲先生の研究班の提言にありました、監査を要件化することが重要なのではないかと思います。
一種・二種・三種病原体保有機関は、定期的な監査を厚生労働省から受けておりまして、これによって、年々、安全がより担保できるようなシステムへバージョンアップしていることがございます。
そういう意味で、指定医療機関の定期的な監査を要件化することが必要だと思っているのですが、先日、レクのときに厚労省の方にお伺いしたときに、それをするとして、担うのはどこでしょうというところで、これは都道府県ではないでしょうかというような意見をお伺いしたのですが、そうすると、ダブルスタンダードとか、クオリティーが一定化しないということもありますので、医療機関の集約化ができて、監査を要件化できたときには、この監査は、ぜひ厚生労働省が責任を持って実施するという形が、基準を一定に保つという意味でも必要なのではないかと考えております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、小竹委員、お願いします。
○小竹委員 東京都の小竹でございます。
これまでいただいた意見と大体同じなのですが、東京都からも5点要望させていただきたいと思います。
まず、原則として、一類感染症患者の受入れにつきましては、各都道府県内で完結させるものと考えております。
その上で、一類感染症の治療について、特定感染症指定医療機関または一部の第一種感染症指定医療機関に集約することにつきましては賛成なのですが、一部の医療機関に負担が集中することも想定されますので、役割に応じた財政的な支援、人材確保などの支援等、必要なインセンティブについて、併せて御検討いただきたいと思っております。
2点目ですが、先ほど宮城県の方からもお話がありましたが、都道府県を超えた地域連携の中で診療体制を構築するとありますが、各地域における役割分担が明確でない段階におきましては、かなり厳しいかと思っております。
どこの自治体がどこに依頼するかとか、どのように搬送するかとか、そういったところの調整方法などについても、それぞれ自治体同士に任されたということであっては、かなり厳しいと思っておりますので、国において地域ごとの受入れ、治療体制、役割分担などについて、早期に整理していただきたいと思っております。
3点目ですが、特定感染症指定医療機関または一部の第一種の医療機関に集約する場合、その医療機関の所在地を所管する保健所にとてつもない負担がかかってしまうことは容易に想定されることでございます。
現行の仕組みですとそうなってしまいますので、そういったことがないように、御考慮いただければと思っているところです。
4点目ですが、県域を越えた移送につきましては、国が主体となって調整等を行っていただきたいと考えます。
また、移送のときは、消防や警察機関の協力が不可欠であると思っておりますので、総務省の消防庁等とも十分に調整いただければと思います。
5点目ですが、先ほどお話もありましたが、指定後も基準を満たしているか、確認する仕組みは、基準上、明確化することにつきましては、指定制度の実効性を確保する観点から大事だと思っております。
一方で、訓練や確認が、医療機関や都道府県におきまして過度な負担となることも想定されますので、頻度や方法、確認項目につきまして、実態を踏まえて、国のほうでしっかりと検討していただきたいと思っております。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、三﨑委員ですね。
○三﨑委員 ありがとうございます。三﨑です。
私は、今までの皆様の御意見とほぼ一緒で、どちらにしても指定基準の見直しは絶対に必要なものではないかと思います。
書いていただいている論点につきましても、妥当だと思いますので、この内容について、私自身は賛同いたします。
また、示されているように、従来の病室・病院の要件のみでは不十分で、重症患者さんをきちんと診断・治療できて、なおかつ、検査体制や移送体制も整備されているということになると、病院一つで完結できるものではありませんので、行政とか、その中の検査を担う地衛研とか、そういったところとも連携することも盛り込んでいただけたらと思います。
そうやってできた基準を実際に使っていく際には、資料1の9ページの調査に整備していない医療機関がかなりあるというような内容が大まかに書かれていますが、もう少し細かい要件を一つ一つ、どの程度整備されているのか、あるいはそれができそうなのかといった綿密な調査をした上で、全国にどのぐらい基準を満たす医療機関があって、どのぐらいの医療機関が基準に達することができそうなのかといったことを明確にした上で考えていく必要があるのかなと思いました。意見です。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
最後に、大曲委員からお願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。
私も3点ございます。
どちらかというと、実際に対応に当たる医療機関からの意見という観点ですが、1点目は、先ほど土井委員もおっしゃったように、この感染症対応には、かなり高度な技能を有する医療従事者が複数関わる必要がありますので、そうした各専門的な医療に関わる学会等のお力添えもいただきながら、そういう体制づくりができればと思っています。
集中治療も本当にそうですし、実際、感染症病床でECMOでの治療となりますと、例えば医師にしても、看護師にしても、集中治療の経験があって、感染症の心得もある方がいらっしゃらないと、とてもできないということが分かりましたし、内部の検討の中でも議論になったのは、例えば妊婦さんがいらっしゃったとして、感染している状況で出産されたと。そのときに、NICUが必要であると。では、NICUで受け入れるときに、どうするのだみたいな話が出てきました。そのときには、当然、専門の先生もいるわけであります。
というところで、感染症を診るということになると、集中治療もそうですし、関連して様々な領域の専門医療も必要になってきますので、そうした専門医療の学会の方々にも関わっていただく体制づくりができればと思います。これが1点。
2点目は、監査の件は、実は私もすごく大事だと思っています。ぜひ行っていただきたいところです。
というのも、理由は、病院で実際に受入れ体制を整えようとして、対応の感染症のいわゆる責任者がいろいろと動いておるのですが、端的には、なかなか病院の中で理解を得られないということがあります。ですので、人員にしても、もろもろのリソースにしても、配分が得られない。
具体的なところを詰めていくと、結局、病院としてやるべきことがはっきりと決まっていないので、それを監査されるわけでもないので、病院の中のリーダーシップの決断として、なかなかリソースを割いていただけないという悩みをかなり多く聞かされております。
その解決のための方法の一つとして、監査はぜひお願いできればと思います。
最後の1点は、この話はどうしようかと思ったのですが、大事なところなので、申し上げると、補償の話であります。
具体的にどういうことかといいますと、恐らく、実際にエボラの確定した事例を診療するとなると、少なくとも21日間は医療をすることになると思います。
そうすると、長くなればなるほど人員確保が非常に厳しくなってきまして、私の想定では、エボラ診療の看護単位の確保のためには、恐らく、病棟を1つか2つは閉じないと対応できないだろうと思っています。
似たようなことは、実際、特殊な背景を持っている患者さんだともっと話が難しくなりまして、例えば先ほど申し上げたように、これが小児科の患者さんだったらどうするかとか、NICUが必要な患者さんだったらどうするかということになると、その部門自体の活動性が相当に落ちた状況で長期間進むことにもなりかねないと思います。
ここで、恐らく病院としては、収益がかなり低下するわけなのですが、そこの補償がないと、病院としては相当に臨みにくいだろうと思いますし、各診療科も、エボラ診療にマンパワーを割くにしても、その辺りの補償がない状況では決断しにくいだろうと思っています。
ですので、実際にお受けするには、そういう面もあるのだということで、補償の点も御検討いただければと思っております。
私からは以上でございます。
○脇田部会長 大曲先生、ありがとうございます。
新たな論点として、先ほどNETECのところで出てきましたが、妊婦さん、あるいは小児、特に新生児の対応をどのような体制で行うか。
それから、例えばエボラと診断されれば、21日間の医療をやると。
その体制確保のために、病棟を閉鎖する必要が出てきたり、あるいは風評被害でかなり収益が落ちる可能性があるといったときに、どのようにそれを補償していくかという論点もあるというお話でした。
大曲先生、1点確認なのですが、監査体制、オーディットは、NETECでどのような体制で行っているかは御存じですか。
○大曲委員 ありがとうございます。
少なくともNETECの中で、いわゆるピアレビューではないのですが、相互チェックをやっているようです。
NETECの本部の中でチェックをするためのもろもろの規定とか、チェックのためのチェックリスト等を作って、それを各医療単位といいますか、医療単位がHHSで10ありますが、その中での中心となるようなRESPTCの医療機関の人たちが各医療機関に行ってオーディットすると。そこで評価をしているようであります。少なくとも、そういう専門家間のピアレビューはあります。
ただ、恐らくは、行政的なチェックも別の観点で行われているのだろうと思うのですが、行政的なチェックの内容自体は、今、手元にはないので、御紹介はできないところです。
○脇田部会長 分かりました。
監査のお話は、かなり多くの委員からいただきましたので、どのような体制を取っていくべきなのかというところで、米国の状況も参考にできればと思いました。
笹本委員、御発言ください。
よろしくお願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
ありがとうございます。
新型コロナのときには、各医療機関の方、特に第一種・第二種を含む感染症に係る医療に従事された皆様は大変御苦労されました。心から感謝申し上げます。
また、大曲先生、詳しく教えていただきまして、ありがとうございます。
現在、内閣官房で新型インフルエンザ等対策政府行動計画を策定して、これをもとに、各都道府県で、対策行動計画を策定し実施していただいております。
この中には、様々な緊急性の高い、あるいは重症な感染症に対して第一種、第二種感染症指定医療機関による対応があります。
皆様御承知と思いますが、感染症指定医療機関の指定状況や要件を変更は、厚労省に限らず、全省庁・全都道府県的な対応が必要な話ですし、感染症指定医療機関による様々な分野の様々な対応を前提とした体制が構築されておりますので、ぜひ十分に御留意いただいて、変更に伴う影響とその対応等を全省庁的な観点も視野に入れて考えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
委員及び参考人の皆様、様々な御意見をいただいて、ありがとうございました。
大部にわたるので、まとめるのは難しいのですが、様々な論点があったと思います。
指定医療機関の必要な要件に関して、スペースの確保、人員の確保、検査体制、臨床研究の重要性、あるいは監査を行うといったところ。
それから、日米で違ったレベル設定をしているということで、どちらかというと、アメリカは能力というか、機能に重点を置いたレベル区分を行っているといったお話がありました。
検査あるいは実際に患者さんが発生した場合には、検体の搬送、あるいは患者さんの搬送にもかなり論点があるといったお話。
それから、ウイルスの検査。これは、ウイルスの分離までの検査をやらなくてはいけないところで、今のところ感染研が実施していますが、地衛研でどのように関与していただくかといったところ。
それから、専門人材の確保、学会の関与も必要だといったところがございました。
リスコミのお話。
オーディットの要件化。
それから、医療機関には支援が必要ではないかといったところ。
それから、地域を超えた搬送、医療機関への収容となると、調整のメカニズムは非常に難しくなるので、国が関与していただく必要がある。
それから、特殊な患者さん、妊婦・新生児対応といったところ。
補償の問題等がございました。
では、申し訳ないのですが、事務局からまとめてレスポンスいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 皆様方、大変貴重な御意見、また、各種方面からいただきまして、誠にありがとうございます。
大きな方向性として、検討を進めるに当たっては、皆様方に御賛同いただけたのかなと認識しております。
他方、多くの論点、座長からもおまとめいただいたように、移送とか検査の体制、訓練の重要性、病院の体制など、非常に多くの意見をいただきましたので、しっかりと受け止めて、適切な要件もろもろを考えていけたらと思っております。
また、三﨑委員からいただきました、綿密な調査が必要ではないかということにつきましては、我々としてもしっかりと実行して、その上で、適切な指定基準を提示できればと考えておりますので、引き続き御指導いただければと思っております。
以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございます。
本当に多くの意見をいただきましたが、そこを整理していただいて、また議論を進めていければと思いますが、さらに御意見、御質問等がある委員の先生方はいらっしゃいますでしょうか。
参考人の先生からも。
大丈夫ですか。
ありがとうございます。
方向性には賛同するということですが、多くの意見をいただきました。
こちらを整理していただいて、必要な手続を進めていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に参ります。
次は御報告で「入国時感染症ゲノムサーベイランスについて」であります。
こちらは、資料2が提出されています。
事務局、影山参考人から御説明いただくことになっております。
よろしくお願いします。
○助廣検疫検査専門官 ありがとうございます。
資料2につきまして、私、企画・検疫課の助廣から御説明させていただきます。
2ページ目を御覧ください。
まず、入国時感染症ゲノムサーベイランスについてです。
本事業の内容についてですが、入国時ゲノムサーベイランスは、新型コロナウイルスが五類に移行した令和5年5月8日から、積極的疫学調査として開始しております。
その後、令和6年度からは予算事業に移行して、現在も実施しているところです。
本サーベイランスにつきましては、海外から流入が懸念される感染症の病原体の変異や動向を幅広く把握するとともに、検査・解析後の残余検体をiCROWNと連携して、感染症の重症化因子等の解明に寄与することを目的として実施しております。
具体的な実施内容につきましては、下段に記載しているとおりになりますが、主要国際空港である成田、羽田、中部、関空、福岡にある検疫所におきまして、検疫感染症に該当はしないのだけれども、発熱等の症状がある入国者のうち、調査に協力いただける方を対象に、検体として鼻腔拭い液を採取しております。
その後、採取した検体につきましては、民間検査会社において網羅的PCR検査を実施した後、検査の結果、新型コロナウイルス、またはインフルエンザウイルスが陽性だった検体について、ゲノム配列解析を実施した後、JIHSにて系統判定を行っております。
検査・解析後の残余検体は、その後、iCROWNに入れることになるのですが、iCROWNに格納するまでが本事業の対象の範囲となっております。
また、新型コロナ・インフルエンザウイルスを除いた病原体の分離は、本事業では実施しておりません。
そのため、こちらにつきましては、iCROWNに提供したものは、本事業とは別の研究利用が可能となる体制というところで現状は整備しております。
また、調査結果につきましては、厚生労働省ホームページに月ごとにまとめて掲載しております。
次のページを御覧ください。3ページ目です。
こちらは、入国時ゲノムサーベイランス事業において検査できる項目を上段に示しております。
検査できる項目につきましては、15項目になります。
次のページをお願いします。
「結果の概要」についてです。
こちらには、令和5年度から令和7年度までの3年間の結果をまとめております。
各項目の詳細につきましては、次のページ以降で御説明させていただきますので、このページにつきましては割愛させていただきます。
次のページをお願いします。
結果について御説明します。
まず、協力者数の推移についてです。
協力者数につきまして、月ごとの推移をグラフで表しております。
協力者の数につきましては、令和5年度は全体で884件、令和6年度が1,994件、令和7年度が1,840件という結果になっております。
令和5年度は、月平均が100件に満たなかったところなのですが、予算事業に移行した後、令和6年度以下からは月平均が150件を超える結果となっております。
この結果につきましては、本事業では、従来、協力者に対して網羅的PCR検査の結果を還元していないところだったのですが、令和6年度からは、網羅的PCR検査の結果は還元しないものの、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルスの簡易検査の結果をその場でお伝えすることを実施しておりまして、こうした工夫により、協力を得やすくなったものと考えております。
また、協力者は、大体夏休み、冬休み等、大型連休に増加するような傾向が見られました。
具体的に、協力者につきましては、下段に記載しているとおりなのですが、5空港において検疫時に確認した有症者のうち、14.2%から協力を得られている状況です。
次のページをお願いします。
続きまして、網羅的PCR検査における病原体の検出割合について、示しております。
令和5年度につきましては、新型コロナウイルスの検出率が最も高く、五類移行直後にピークを示しておりました。
令和6年度と令和7年度につきましては、インフルエンザウイルスの検出率が最も高くなっております。
各年度とも、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスで全体の半数以上を占めるような結果となっております。
また、検出限界以下、グラフのグレーの部分になってくるのですが、こちらが全体の20%を占めており、令和6年度と令和7年度は、インフルエンザについて高い割合を示しておりました。
その他の病原体につきましては、ライノ・エンテロウイルスが最も多かったのですが、その割合につきましては15%にとどまっているような結果でした。
次のページをお願いします。
続いて、渡航先別につきまして、円グラフで示しております。
年度ごとの渡航先につきましては、アジア地域が最も多いような結果になっており、年度による大きな変化は見られませんでした。
次のページをお願いします。
協力者の傾向についてですが、こちらにつきましては、令和5年度は聴取を行っておりませんので、令和6年度と令和7年度の結果のみになります。
令和6年度、令和7年度とも、協力者の地域構成に大きな差はありませんでした。日本人協力者が全体の約8割を占めている状況です。
日本以外の地域におきましては、アジアが最も多いような結果になっております。
また、日本人を除く協力者について、訪日外客数の割合と比較した場合であっても、アジア地域が最も多く、本サーベイランスに協力する構成比と類似したような傾向が見られました。
一方で、訪日外客数は年々増加しているにもかかわらず、日本人以外の協力者の割合が増加していないような結果にもなっております。
次のページをお願いします。
海外滞在期間別について、円グラフに示しております。
こちらも、令和5年度につきましては聴取を行っておりませんので、令和6年度と令和7年度の結果のみになります。
令和6年度、令和7年度とも、海外滞在期間が10日以内の者が約7割を占めている状況でした。
また、海外在住者からの協力は、全体の15%未満となっております。
この結果の傾向につきましては、本サーベイランスの協力者の約8割が日本人であるところから、こういった構成比になったのではないかと考えております。
次のページをお願いします。
続いて、感染症別の推移について、グラフで示しております。
月別に陽性率を表したものになります。
新型コロナウイルスにつきましては、さきに説明したとおりになりますが、令和5年度が最も高い割合で検出されておりまして、その後、減少するような傾向が見られました。
また、月別では、4月から9月頃にかけてピークが見られているような結果でした。
ただ、右下の「参考」になりますが、国外における発生状況との比較では、令和6年度の7月から10月は、欧州に滞在歴のある者からの検出率が高い傾向が見られております。
左下になりますが、新型コロナウイルスの系統につきましては、3年間で280系統が確認されている状況です。
続いて、インフルエンザウイルスA/H1についてなのですが、11ページ目になります。
こちらは、令和6年度が最も高い検出率となっております。
特に12月から1月にかけてピークがございました。
また、下段の国外の発生状況との比較におきましても、令和7年度の12月から1月については、欧州に滞在歴のある者からの検出が多いような傾向が見られております。
次のページをお願いします。
こちらは、A/H3の推移になっております。
こちらは、令和7年度が最も多いという結果になっております。
特に8月以降に増加傾向を示しておりまして、11月にピークが見られております。
次のページをお願いします。
インフルエンザBについてなのですが、インフルエンザBにつきましても、A/H3と同様に、令和7年度が最も多く検出されておりました。
特に1月以降に増加傾向を示しておりまして、2月にピークが見られています。
新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスとも、本サーベイランスの検出状況については、海外の発生動向が少なからず影響していることが伺えるような結果となりました。
また、現時点におきましては、国内において、公衆衛生上のリスクとなる新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスの株は確認されていない状況であると、JIHSの先生からコメントをいただいているところです。
次のページをお願いします。
こちらは参考資料です。
「国内における病原体/ゲノムサーベイランスによる検出状況」を示しております。
次のページをお願いします。
最後になりますが「本事業の成果と発展性」というところで記載しております。
本資料につきましては、国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所の影山先生より御報告いただきたいと思いますので、影山先生、よろしくお願いいたします。
○影山参考人 JIHS感染研の影山です。
私から本事業の成果と発展性について、御説明させていただきます。
まず「世界で未検出の新規変異株・国内未発生変異株に対する早期検知および警戒機能の有効性」ということで、本サーベイランスにおいても、国内未発生の新型コロナウイルスの検出も確認しておりまして、本事業が新規の変異株の国内流入をいち早く察知する早期警戒システムとして機能し、空港という特定の場所で有症者を対象にスクリーニング検査を行うことによって、国内定点よりも早くウイルス変異の動向を捉えることも可能と考えます。
「インフルエンザウイルスゲノム解析による次期ワクチン製造株選定への貢献」につきましては、JIHSが実施しておりますインフルエンザウイルスの詳細解析によりまして、WHOが選定するワクチン推奨株の作製、国内の次期シーズンのワクチン製造株決定を支援する重要な科学的な根拠となっております。
特に海外での流行初期段階で株を捕捉できる本事業のデータは、ワクチンの有効性を担保する上で、極めて高い価値を有するものと考えられます。
令和7年度に本事業によって分離されましたB/Tokyo/EIS13-175/2025という株があるのですが、こちらは、WHOが推奨するワクチン候補株に選定されまして、また、国内で使用されるワクチンには本株が選定されました。
続きまして「細菌性呼吸器感染症の監視と流入リスク評価」です。
百日咳菌やマイコプラズマ・ニューモニエなど、細菌性の病原体について、入国時の監視によって、薬剤耐性株を含む国内への流入状況を把握することで、国内のアウトブレーク予測や医療機関への早期注意喚起に直結すると考えられます。
それから「主要な呼吸器感染症病原体の推移を把握」。
これは、ライノウイルスやRSウイルスを含め、多種多様な病原体が本事業で検出されておりますが、新型コロナウイルスは4月から9月、インフルエンザウイルスは冬季にピークを迎えるといった季節性の推移が可視化されます。これによって、臨床現場における鑑別診断や公衆衛生対策の最適化にも有用であると考えられます。
続いて「国内外のサーベイランスデータ統合による包括的なリスク評価体制の構築」。
国内の「急性呼吸器感染症病原体定点サーベイランス事業(ARIサーベイランス)」と本事業による入国時の感染症ゲノムサーベイランスデータとの比較・分析によって、国内の病原体の流入から国内流行に至るプロセスを包括的に把握することが可能になるかもしれないということと、将来的なパンデミックに対しましては、国家レベルの健康危機管理能力の向上につながると考えられます。
最後に「iCROWN事業との連携による病原体情報・病原体リソースの蓄積と研究開発への寄与」ですが、本事業での解析後の残余検体がiCROWNに格納されます。
分離した病原体株、あるいは病原体情報が蓄積されることで、次世代ワクチンの開発、診断キットの精度検証、治療薬の耐性評価などの創薬・研究開発を加速させる基盤となり得るのではないかと考えられます。
私からは以上になります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
入国時感染症ゲノムサーベイランスについて、概要と、成果と発展性というところで御説明をいただきました。
それでは、委員、参考人の皆様から御質問、御意見等があれば、お願いしたいと思います。
まず、詫摩委員、お願いします。
○詫摩委員 どうもありがとうございました。
非常に有意義な事業だと拝察いたしました。
一方で、現状では、資料2の4ページで御説明があったとおり、有症者の14.2%ということで、かなり少ないのではないかと感じました。
かつ、その中の8割が日本人ということで、全体のベースをいかに上げていくのかということと、かつ、外国人の協力者をどのように拡大していくのかということが今後の課題なのかなと思いましたので、インセンティブを高めることも含めて、調査の対象を広げていくことが課題なのではないかと感じました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続いて、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
この研究の今後の発展性について、質問させていただきたいと思います。
先ほど検査項目を拝見したところ、どちらかというと、既知の病原体を対象にしたゲノムサーベイランスということで、すなわち、指定感染症をターゲットにしたサーベイランスだと理解しました。
感染症の歴史を見ると、国内より国外で新たな感染症が発生するリスクが高いことを鑑みますと、現行サーベイランスの陰性検体から、ホールゲノムシーケンス等で積極的に新たな病原体を検索するなどの模索等も必要かなと思っていますので、もしこれに関して何か取組があったら、現状単位で教えていただければと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、小竹委員、お願いします。
○小竹委員 東京都の小竹でございます。
今後の発展性が期待されるすばらしい事業だと思っております。
都からは、2点要望を伝えたいと思います。
この事業は、iCROWN事業と連携して、病原体の動向を今後見ていくのですけれども、麻疹など、海外の感染動向が国内に大きく影響を与えるような感染症につきましても、状況に応じて、現行の検査項目に加えることについて、御検討いただければと思います。
もう一点は、このサーベイランスに加えまして、空港敷地内の下水サーベイランスの実施につきましても、国土交通省と御協議の上、検討を進めていただければと思っております。
東京都からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
先ほど詫摩委員から御指摘があった、協力者の割合が比較的低いので、それをどのように増やしていく、確保するのかというところと、それを補完するような意味で、空港の下水サーベイランスという協力がなくても、検体は確保できるところがあるのでというお話かと思いました。
ほかにいかがでしょうか。
よろしいですか。
そうしましたら、ただいまの委員の皆様の御意見に対して、事務局からレスポンスいただけますでしょうか。
○助廣検疫検査専門官 事務局です。
貴重な御意見をありがとうございました。
まず、現状といたしまして、協力者が有症者のうち14.2%で、少ないのではないかというような御発言につきまして、まさにそのとおりだと感じているところがございます。
そのため、我々としましても、外国の方々の協力者を増やすという点におきましては、説明文書を日本語、英語のみならず、アジア地域に特化した中国語であったり、韓国語であったり、あるいは東南アジアのタイ、ミャンマー、インドネシア、ベトナム語であったりを作成して、現在、それについての効果を確認しているところになります。
インセンティブというようなところにおきましては、現状はまだ簡易キットでうまみをつけているところなのですが、こちらにつきましては、これ以上、また何かしら検討が必要になったときには、中のほうで考えたいと思っております。
ありがとうございます。
続いて、小竹委員の御質問から先にお答えさせていただきたいと思っております。
下水サーベイランスにつきましては、現時点では、つなげていくところは実施していないのですが、下水サーベイランス、あるいはARI入国時感染症ゲノムサーベイランスについては、新型インフルエンザ等行動計画におきましても重層的サーベイランスとして位置づけられておりますので、今後、一体的な監視体制として活用されていくものではないかと考えております。
また、麻疹についても、貴重な御意見をありがとうございます。
現行の項目に加えるところについても、なかなかハードルが高いと考えているところになりますが、現在、呼吸器感染症というところで実施しておりまして、その残余検体をiCROWN事業と連携して、入れていくような取組をしておりますので、その後の研究で利活用されるようなところに寄与できればと考えております。
最後に、発展性というところで御意見をいただいたところかと思います。
国外でのリスクが高い新感染症であったり、未知の感染症というところで、陰性検体の模索というところで御意見をいただいたところになりますが、こちらにつきましては、JIHSの影山先生からコメントをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
あわせて、麻疹につきましても、何かコメントができれば、お願いできればと思います。
○影山参考人 ありがとうございます。
御質問ありがとうございます。
まず、発展性といいますか、陰性検体の詳細な解析ということですが、こちらは、本事業の中ではできないということですので、今、iCROWN事業に検体を譲渡しまして、その後、利活用研究という形で、陰性検体について詳細解析の実施を計画しているところであります。
実際、この部分の研究については、AMED研究で採択いただきましたので、検体の譲渡の手続が少し遅れていたところもあって、まだ取りかかれていないのですが、実際に陰性検体について、未知の病原体も含めて、どういったウイルスがあるのかということをしっかりと見ていくことは非常に重要ですので、そこは研究として実施していく予定になっております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
不明病原体の検査は重要であるのですが、何か新たな病原体が流行したときに、常にこれまでの残余検体で振り返って検査ができるような体制を取っていくことが非常に重要なので、そのためにiCROWNで検体を確保されていると理解しています。
常にNGSで不明病原体の検査をやっていくかというと、コストの面等もあるので、そこは影山先生の研究班でもまた検討していただければと思いました。
それから、麻疹のお話がありました。
麻疹は、日本ではエリミネーションされている感染症で、今回の国内での患者発生についても、輸入からの二次感染ぐらいまではあったところになるわけですから、こういった入国時のサーベイランスもぜひ活用していくべきなのではないかと感じるところです。
ただ、これが検査の仕組みとして項目に入っていれば非常にやりやすいわけですが、そこの技術的なところも影山先生に検討していただければと思うところなので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、越田委員、お願いします。
○越田委員 詳細な御説明をありがとうございました。
15ページの下から2つ目、国内のARIサーベイランスとゲノムサーベイランスをお互いに補完する形で、流行を追っていかねばならないと、改めて思いました。
3ページを御覧になっていただきますと、ARIサーベイランスでは、クラミジアやマイコプラズマといった感染症の把握が難しいので、併せてゲノムサーベイランスの結果に着目していくことが大切でないかと思います。
ありがとうございました。
○脇田部会長 越田委員、ありがとうございました。
そうですね。
それに加えて、細菌性呼吸器感染症で、百日咳、マイコプラズマといったところがあって、ここもいわゆる薬剤耐性の百日咳菌、あるいはマイコプラズマの輸入が問題になったところがあるので、こういったものもしっかりと監視できる体制は重要かなと感じているところです。
そのほかにいかがですか。
大丈夫ですか。
越田先生の御意見は、御意見というところで、事務局には特にレスポンスをいただかないところですが、特にこれ以上なければ、入国時感染症ゲノムサーベイランスは非常に重要な事業だというところで、成果も出していただいて、今日御報告いただいた方向でまた進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、そのほかに委員の皆様、あるいは事務局から何かございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、議事を事務局にお返ししたいと思います。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
この後、当方で記者ブリーフィングとして、議事の概要等を御説明させていただく予定としております。
次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日はお忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。これまでと同様、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で御用意しておりますYouTube撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。
本日はウェブと対面のハイブリッドで開催することとしております。ウェブ・対面参加者ともに、御発言される場合は挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてからの御発言をお願いいたします。タイムラグが生じますが御了承願います。
また、対面参加者におかれましては、お手元のマイクを使用し御発言いただきますよう、お願いいたします。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
次に、委員の出欠状況について御報告いたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順に、大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
越田委員。
○越田委員 越田です。おはようございます。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
小竹委員。
○小竹委員 小竹です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
小西委員。
○小西委員 小西でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
笹本委員。
○笹本委員 笹本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
鈴木委員。
○鈴木委員 鈴木です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
詫摩委員。
○詫摩委員 詫摩です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
原委員。
○原委員 原です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
松本委員。
○松本委員 松本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
なお、島田委員、四柳委員から御欠席の連絡をいただいております。
また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構より影山様。
○影山参考人 影山です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
鈴木様。
○鈴木参考人 鈴木です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
御参加をいただいております。
以上、感染症部会委員19名のうち17名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
(カメラ退室)
○小谷エイズ対策推進室長 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿、座席図、資料1~2、参考資料1になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、ここからの進行は、脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 皆様、改めまして、おはようございます。
今日も感染症部会をよろしくお願いいたします。
早速、議事に入ってまいりますが、議事次第を御覧ください。
今日は、審議事項が1件、報告事項が1件となっています。
最初の議題「感染症指定医療機関の指定基準のあり方について」でございます。
資料1が提出されていますので、こちらを事務局から御説明していただきます。
よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
資料1に沿って御説明させていただきます。
1枚おめくりください。
感染症指定医療機関の指定基準に係る背景と現状について、御説明させていただきます。
感染症患者の隔離及び医療の提供を適切に行うことを目的として、1999年の感染症法設立時に、感染症指定医療機関制度が導入されております。
一類感染症等の患者の入院を担当する第一種感染症指定医療機関は、全ての都道府県に1か所指定することを目指し、2019年4月1日付で全都道府県において指定が完了しています。こちらについては、56医療機関108床が現在指定されております。
二類感染症または新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当する第二種感染症指定医療機関については、二次医療圏で1か所程度指定することを目指していたところ、2025年4月1日時点で361医療機関1,802床が指定されているところでございます。
この指定基準については、感染症法制定以降、大きな見直しは行われておりません。そのため、その後の医療の進歩とか、医療体制の変化などを踏まえて見直しを行う必要があると考えております。
また、感染症指定医療機関の指定基準については、病室の面積・構造、空調、給水・排水等の設備に係る要件を定めておりますが、他方、診療に関する要件については、感染症の医療の経験を有する医師の勤務とか、重症の救急患者に対し医療を提供する体制の確保等を求めております。
ただ、一類・二類感染症や新型インフルエンザ等感染症の患者の診療に当たって求められる具体的な能力の目安は、今回の基準の中では設けられておりません。
一類感染症発生を想定した訓練の実施とか、都道府県が感染症指定医療機関を指定した後に、当該医療機関が基準を満たし続けているかを確認する仕組みについても、現在においては指定基準に定められていないところでございます。
こういった中、また、先日、当部会でも御報告させていただきましたが、現在、アフリカを中心とした形でエボラ出血熱、マールブルグ等においてPHEICが宣言されております。
特にエボラ出血熱においては、これまで3回PHEICが宣言されておりますが、現在において、国内における一類感染症患者の発生は、感染症法が制定されてから一度もないのが現状でございます。
1枚おめくりください。
ここからは、参考資料、情報提供という形になります。
「第一種感染症指定医療機関の指定基準」について、表現させていただいております。
先ほど述べさせていただきましたとおり「病室の要件」と「病院の要件」という形で大きく分けております。
「病室の要件」としましては、例として「一床の感染症病床を設置する個室とし、前室を有する」ものとか、天井の高さ「陰圧制御が可能である」ことなどが定められております。
「病院の要件」としては「当該病院で微生物学的検査を迅速に行うことができる設備を有する」ほか「その診療科名中に内科、小児科及び外科を有し、それぞれに常時勤務する医師がある」などの指定が設けられております。
続いて、ページをおめくりください。
現在の「特定感染症指定医療機関及び第一種感染症指定医療機関の一覧」という形で提示させていただいております。
新感染症を含めた第一種感染症に対しても対応が可能と指定されている特定感染症指定医療機関は、4医療機関10床。
第一種感染症指定医療機関については、56医療機関108床が指定されております。
1枚おめくりください。
続けて「第二種感染症指定医療機関の指定基準・指定状況」について御報告させていただきます。
同様に「病室の要件」と「病院の要件」が設けられており、現在、第二種感染症指定医療機関においては、361医療機関1,802床が指定されているところでございます。
1枚おめくりください。
こうした感染症病床においての基準病床数に係る関係規定も、こちらで御報告させていただきます。
医療法施行規則の中の第30条の30の4の項目として、感染症病床が定められております。
厚生労働大臣の指定を受けている特定感染症指定医療機関の感染症病床、都道府県の知事の指定を受けている第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関の感染症病床については、この指定について、この資料の下段でございますが、第一種感染症指定医療機関は、都道府県の区域ごとに1か所、第二種感染症指定医療機関については、二次医療圏ごとに1か所という形で定められているところでございます。
1枚おめくりください。
こうした基準病床と指定病床数について、現在、各都道府県においてどのように定められているのか、明示したものになっています。
そうした背景を踏まえまして、8ページ目を御覧ください。
ただ、他方「感染症指定医療機関の基準のあり方に関する検討に資する研究」も行われております。
こちらは、令和5~6年度厚生労働行政推進調査事業費補助金の中で行われたものになっておりますが、感染症指定医療機関の施設基準について、現状と合わない点が見られることなどを踏まえて、アンケート調査、インタビュー調査などが行われたものになっております。
結果として、第一種感染症指定医療機関の中では、人工透析器や人工呼吸器を室内に持ち込むと、現行の病室床面積の基準では、医師や看護師が治療を行うためのスペースが確保できない可能性がある。
その他、人工呼吸器管理が可能な割合は約7割、ECMOを提供可能な割合は約3割といった回答結果が得られておりました。
この研究としての「考察」の中では、人員の確保や、検査体制等の事前の準備・計画の立案を盛り込む必要が施設基準の中ではあるというものであったり、一類感染症のそもそもの希少性を鑑みると、全ての一種感染症指定医療機関で重症患者や小児・妊婦が対応できるように整備することは現実的ではなく、地理的状況を鑑みながら複数の県で共同して、重症患者や小児・妊婦といった特別な背景を持つ患者への医療を提供できる体制づくりが必要という形の考察をいただいておりました。
次のページを御覧ください。
こちらは、昨今発出されております「PHEICの宣言を受けたエボラ出血熱に係る協力依頼について」に基づきまして、都道府県等に対して、一類感染症に対する体制整備の状況について、調査を近日実施いたしました。
一類感染症の発生時に、管内で患者を受け入れる体制は整備されている一方で、一類感染症の対応に係るマニュアルの整備や、都道府県と医療機関等との一類感染症に係る訓練は、全ての自治体で実施されてはいないことがこの中で分かりました。
最後のページになります。
こういった背景を踏まえまして「感染症指定医療機関の指定基準の見直しに係る論点(案)」という形で提示させていただきます。
感染症指定医療機関の指定基準について、感染症の発生状況、感染症指定医療機関の現状、患者の診療に当たって求められる能力、医療の進歩や医療体制の変化等を踏まえながら、改めて見直すこととしてはどうか。
第一種感染症指定医療機関については、各都道府県で一類感染症患者を受け入れる体制は整備されており、一部の医療機関においては重症患者の治療も可能であるところ、制度面からもその体制維持を図るため、以下の論点について検討した上で、指定基準を見直すこととしてはどうか。
論点としましては、全ての第一種感染症指定医療機関で、疑似症及び患者の受入れ、及び一次診療を確実に行う体制を維持できるよう、都道府県と医療機関等との一類感染症の発生を想定した訓練の実施や、指定後も基準を満たしているか、定期的に確認する仕組みを指定基準に設けることとしてはどうか。
また、一類感染症患者に対する高度医療については、特定感染症指定医療機関または一部の第一種感染症指定医療機関に集約し、都道府県域を超えた地域連携の中で診療体制を構築することを指定基準上、明確にするとともに、それらの医療機関については、一類感染症患者の治療に求められるハード・ソフト面の要件を整理した上で、別途基準を設けることとしてはどうかとさせていただいております。
なお、第二種感染症指定医療機関については、引き続き論点を整理した上で、次回以降の感染症部会で御議論させていただくこととしたいと考えております。
指定基準見直しを踏まえた中でのイメージとして、下の図でも述べさせていただいておりますので、御参考としていただければ幸いです。
以上、事務局からの御説明でした。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、大曲委員から参考資料1が提出されていますので、大曲委員に御説明していただきます。
よろしくお願いします。
○大曲委員 脇田先生、ありがとうございます。
国立健康危機管理研究機構の大曲と申します。
私どもは病院もありまして、特定感染症病床を用意しております。そこでは、一類感染症の疑似症の受入れの経験がございます。今回の議論をする上で、実際の運用の実態をお伝えできればと思います。
もう一つは、今後の運用を考える上で、ほかの国の状況は参考になると思いますので、米国の感染症指定医療機関に関する知見、これは主に研究班の知見になりますが、こちらを御紹介したいと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、めくっていただいて、4ページまで飛んでいただければと思います。
4ページ目には、我々の特定感染症病床の沿革をお示ししました。
最初は、2003年でありまして、当時はSARSが起こった頃です。
ということで、病床を開設したというところで、疑似症を6例受けています。
その後、大きな動きがあったのは、2009年の新型インフルエンザのときでありまして、発熱外来を設けて、患者を4人受け入れたところです。
2014年は、もう10年以上前になりますが、エボラのいわゆる世界的なアウトブレークがありまして、この年には、年をまたいで4例の疑似症の受入れをしております。
2015年と2016年にかけては、この時期は大変でして、特に韓国、中東を中心にMERSのアウトブレークがあった時期でありまして、MERSの疑似症を4例入れています。
実は、このときのエボラ対応とMERS対応の反省で、世の中の考え方も変わりまして、ちゃんと治す必要があるということで、集中治療ができるようにしたわけですが、病棟のスペックが十分ではなかったので、配管の工事とか拡張を2018年から2019年にかけて行っています。
直近では、2020年に重症のCOVID-19の患者3例の受入れをしております。
改築をしておいたおかげで、この重症の患者さん方は、ECMO、人工呼吸まで行うことができました。
こういう状況でございます。
1枚おめくりください。
5枚目でありますが、イメージをつかんでいただくために、病棟の図をお示ししております。
ピンクが病室です。我々は4床持っています。
下の図で「今回の導線」とありますが、まず、部屋に入ると「前々室」がありまして、その左下に「前室1」があります。
このように部屋を確保しておりまして、清潔・不潔の区別や、PPEの着脱のスペースを設けているところです。
あとは、機材処理等で、排水をどうしているのかということなのですが、高圧の蒸気滅菌器等を設けておりまして「オートクレーブ」を通して滅菌しておりますし、排水に関しても煮沸して、環境に戻しております。
専用の「検査室」もつくっております。
というのも、一般の病院の中央棟の検査室で、安全に検体を用いた検査ができるかどうか、非常に難しいところですので、専用の検査スペースを持っている。
そして、診療スペースは広く取ってありまして、ECMO等の機材もちゃんと入れられるようにしております。
1枚おめくりください。
6枚目でありますが、実際にどのようなことを疑似症発生時にはするのかということで、お示ししました。
過去には大分事例がありますが、その一部を改編しております。
まず「発生覚知から病棟開棟」でありますが、第1報を行政からいただきます。患者さんの状況が知らされまして、45分に正式な受入れ要請をいただきます。
我々としては、病院長の了解を取りまして、総合指揮者をはじめとして、オンコールの医師、有志の医師、看護師が登院して準備します。
そして、患者さんは、搬送車両で対象者宅から運ばれてきまして、我々の病院のゲートに着くところです。
「参集人員」を右にお示ししましたが、疑似症発生時の最初の受入れのときは、比較的大人数が要ります。このときは、感染症の医師6名で当たりました。
総合指揮は1名。これは外部とのコミュニケーション等で非常に重要です。
病棟のリーダーが1名です。ナースステーションで指揮をします。
実際に病室に入る医師が2名でありました。
これ以外にも、内部の調整、大きく言うと外回りの者が2人おりました。
看護師は2名であります。防護具を着用して中に入る者が1名で、外回りは重要ですので、1名置いておりました。
7ページ目でございます。
実際に患者さんが来られまして、アイソレーターで入っておられましたので、病室に入っていただく。
医師2名体制で、採血や診察を始めます。
ここでは、院内の検査室でもろもろの検査を行います。この中では、マラリアの迅速検査とかFilm array等も含まれます。
というのも、もろもろの判断をするときに、例えばエボラの疑似症疑いだったというときに、ほかの感染症や病気の診断がつくかということは、その後の判断に非常に重要ですので、この検査は極めて重要であります。
あとは、レントゲンもやりましたし、行政検査の検体を取りまして、行政機関に搬出するところでございました。
また人員を右にお示ししましたが、追加が必要になります。
例えば検査技師が必要になりますし、診療放射線技師も、1人ではできませんので、3名呼んでおります。
受入れのときはこうでしたが、ECMOを行うとなると、臨床工学技士も入る必要が出てきますし、集中治療の医師も入っていただきたいですし、ナースも、集中治療の認定を持ったぐらいの経験と技能がないと対応できないので、そのような方々も呼びます。
8ページ目でございます。
実際に検査が感染研の村山庁舎に届きます。
このときは、我々の下で行った検査で、そもそも下痢症の症状があったのですが、病原性を持つ微生物が便から検出されましたということで、大体診断はついたと。
夜になりましたので、夜勤のスタッフに引継ぎを行いました。
18時44分に、行政検査でエボラウイルスのPCRの陰性が確定しました。
このときは比較的早く確定しましたが、実際にはさらに時間がかかるほうがむしろ多いです。
結果が出たことを患者さんに御説明して、御退院いただいたところでございます。
このときは、夜にかかりましたので、日勤は医師2名、看護師2名。
夜も同じ体制で行っておりまして、全体の統括は、時間外でも連絡が来ますので、引き続き対応してもらいました。
9枚目に移ります。
事後の反省ということで、毎回反省と検討をしておりますが、このときに分かったのは、想定外に人員が多く必要であるところです。
確保はできましたが、実際の確保の方法とか、参集をどうするのかということに関しては、方法をもう一度洗練させたほうがいいだろうという反省があったのが1点。
2点目は、患者さんへの事前説明が重要であるということであります。
健康観察になっているだけでもストレスがかかった状況の患者さんに、この病棟に入っていただいて、医療を受けていただくとなると、多くの方は相当なストレスにさらされますし、ちゃんと配慮しないと混乱されるということもありますので、搬送前からの十分な説明。我々がしっかりと説明して、御納得いただくことが非常に重要です。
あとは、平時の訓練であります。
チェックリスト等は作っておりまして、それに基づいて行っています。
作っている範囲では非常に役に立つのですが、漏れもありますし、課題も出てきますので、これを改善していくことが重要でございます。
10ページ目に移ります。
では、どういう準備が必要かということですが、平時の準備でありますが、要は、いつ患者さんが来られても、対応できるような体制を平時から運用しておくことが重要です。
マニュアル等はもちろん重要でして、机上・実地訓練を通じてブラッシュアップしていく必要がありますし、人員がたくさん要るというのは先ほどお示ししたとおりですし、訓練が非常に重要ですので、兼任のかかっている看護師はおりますが、月1回ミーティングをしていますし、年2回、ほかの職種はPPE着脱の訓練をしていますし、多職種連携の大きな訓練は年2回以上行っています。最近は回数が増えていますが、練度を高めるための訓練は非常に重要でございます。
設備・物品の管理、特に厳密な機能的な管理、備蓄の量の管理も非常に重要であります。
あとは、連絡体制です。院内での連絡体制も重要ですし、私たちは機構という大きなボディーがありますので、その中での連絡体制も非常に重要であります。
11ページに移ってまいります。
診療スペースの確保が重要だという点ですが、一般的な病室の個室と同等の広さでは、とても診療を安全にはできないところで、かなりの広さが必要です。
大きな機材が入ります。ポータブルのエックス線等が入りますし、それらはすぐには外に出せないので、置いておけるだけのスペースが必要ですし、PPEの着脱をする、あるいはPPEを着て立ち回りをするにも、相当なパーソナルスペースが要りますので、広さは要る。
あとは、高度治療をやるということになりますと、挿管もするし、人工呼吸もするし、ECMOもするということになりますと、相当の広いスペースが要るところであります。
1枚おめくりください。12枚目でございます。
あとは、実際にかなり高度な医療を隔離環境下で行うのですが、非常に大変です。
ですので、感染症の病床でも、一般診療と同レベルの標準医療を提供するための設備・施設は、しっかりと整備が必要です。
検査室ですが、検体を中央棟の中央検査室で検査するのは、エアロゾルが出るのではないか等を考えると、リスクがありますので、専門の検査室が必要です。
右には、私たちの感染症の病床の中にある検査室の写真をお示ししましたが、我々は病棟内に、個別の専用の検査室をこのように持っております。
あとは、大型機器の運用がなかなか難しいところであります。これは先ほど述べたとおりです。
もう一つは、代替手段が要るということで、例えばCT等をどんどん撮るわけにはいきませんので、代替法としては、最近は、新興・再興感染症の診療ではエコーがかなり使われますので、これもちゃんとした機器を持って、習熟しておくことが必要でございます。
1枚おめくりください。13枚目でございます。
「臨床情報と患者検体の保存体制」であります。
これは、大いにコロナの反省を受けてのところでありますが、いわゆるウイルス性の出血熱ですが、まれであります。
まれですので、確定症・疑似症の情報、あるいは検体は、調査・研究のために極めて重要な資源になりますし、受入れ機関は、感染症による健康危機に備える、あるいは対応する研究・開発の拠点としての機能は求められています。それはコロナで明らかになりました。
ということで、有事でも情報・検体を頂くことが、研究手順、あるいは調査手順がしっかりと行くように、同意取得のプロセスとかマニュアルの整備、訓練は必要ですし、頂いた検体の安全な管理方法の確立も必要です。
もう一つは、二次利用です。
高度の研究機関、そして国内研究ネットワークで得たものを使っていただけるように、ハブ機能が現在求められております。
1枚おめくりいただきますと、前半に申し上げたことをまとめてお示ししております。
綿密なマニュアル整備と繰り返しの実践訓練が要る。
人員がかなり要りますので、その動員体制、持続性も非常に重要であります。
特殊な診療に耐え得る施設・設備と検査機能の確保も重要です。
そして、現代的には、有事でも研究ができる体制の構築が必須でございます。
これが前半です。
後半に、今後の日本の体制を考える上で、米国の体制が参考になると思いましたので、米国のNational Emerging Special Pathogens Training and Education Center「NETEC」と我々は呼んでおりますが、そこの中核医療機関等の治療環境について御報告いたします。
16ページ目を御覧ください。
一言でのまとめをお示ししておりますが、米国では、NETECというネットワークを中核とする階層型の特殊な病原体のケアシステムで治療環境を整備しているところです。
これが始まったのは、2014~2015年のエボラ出血熱で、米国では、国内発症例があったところであります。実際に診療も完結する必要がありました。
ということで、これを契機にして、全医療機関にエボラ出血熱等への一時対応を求めつつ、治療は少数の中核拠点に集約する階層型のネットワークを米国は構築しています。
その中でも、中核となる拠点の医療機関「RESPTC」と呼ばれていますが、ここが高度の隔離・集中治療・検査・臨床研究の機能を担っているところです。
RESPTCのようなところに求められるのは、要点は3件で、高度隔離環境のまま集中治療・透析・検査が可能である。
迅速な検査体制。
平時からの臨床研究への準備状況、即応体制ができているところでございます。
17ページ目を御覧ください。
ただ、これも実は歴史がございます。発展してきたところです。
2015年当初は、NETECがつくられまして、もともとは国家的な研修と教育を行うためのセンターだったのです。
ただ、これがやがて発展していって、診療ネットワークの運営にまで係ることになります。
その下にRESPTCがありますが、これは医療機関のネットワークであります。
地域の特殊病原体治療の中核を担う医療機関のネットワークでありまして、米国の保健福祉省、いわゆるHHSが定めた10の地域が全米でありますが、その10地域の一つ一つごとに1拠点を持っている。少なくとも1拠点がある。ですので、合計の施設数は、今13であります。
もう一つは、研究のネットワークでありまして、SPRNがあります。
これは、RESPTCをつなぐ他施設の臨床研究ネットワークで、これもNETECがつくったもので、現在でもしっかりと稼働しております。
ここで始まったのですが、実際、何を行ったかといいますと、実際に運用してみると、なかなか維持管理が大変だということになりました。
ということで、少し発展しております。
18ページ目を御覧ください。
具体的には、今は重大な影響を及ぼす感染症の疑い例、もしくは確定例の患者に対する4段階の施設レベルから成る階層的な医療提供体制に発展しています。今「NSPS」と呼ばれていますが、このようになっております。
下にそれを表でお示ししましたが、一般の医療機関がレベル4、一番下に当たります。
「症例の同定・隔離・初期安定化、上位施設へ搬送」というところで、外来を含む大多数の医療機関が含まれています。
もう一つ上のレベル3は、評価をする「Assessment Centers」でありまして、患者さんの状態の安定化と高次医療機関に送るための搬送調整、迅速な検査。これは恐らく、Film array等であると思いますが、それを行う。
もう一つ上のレベル2になりますと、専門的治療がしっかりと行えるような施設になります。全経過の治療が行える。
そのさらに上の最高レベルの拠点が「RESPTC」と言われるところでありまして、機能としては、先ほど申し上げたところであります。現在、全米に13施設がございます。
1枚おめくりください。
階層ごとになっていると申し上げましたが、どれぐらいレベルが違うのかということを表に示しております。
3、2、1と数が減るごとにレベルが上がっていくわけなのですが、例えばレベル3の「Assessment Center」ですと、患者さんを診る時間の想定としては最大36時間で、一床以上あればよくて、訓練は年1回程度になっています。検査は簡易検査でいいと。
これがレベル2になると、治療も一応できることが必要になりますので、VHF(出血熱)の患者さん1~2例は診てくれ、少なくとも7日間は診られるだけの備蓄は持っておいてくれ、21日間は逐次補給する、年2回はトレーニングをするとお示ししてあります。
一番左の「RESPTC」になりますと、こちらはウイルス性の出血熱を2例を診る、これも7日以上は確実に備蓄しておく、トレーニングは四半期ごとに行うということで、かなりレベルが上がっております。
1枚おめくりいただきますと、20ページ目には、実際に一番レベルの高いところ、レベル1の治療施設で求められるスペック、人員・施設・設備が書かれております。
基本的には、ここから患者さんを搬送することはなくて、自分たちは引き受けるところで、最終的に全経過を自分たちで行うところです。
設備は個室等がありますし、陰圧管理専用空調は日本と似ていますし、隔離室内で全ての集中治療ができます。
検査も独立して、個別の検査機器がありますし、人員体制もしっかりと整えられていて、診療科で横断した準備計画、集中治療専門看護師も確保、医師、環境サービス要員、感染管理の専門家、リハビリも含めて検査・呼吸器ケアの人員が確保されています。
もちろん、それらの教育も非常に重要で、定期的にNETECに基づいて行われていますし、PPEの備蓄も最低7日分、いざとなれば補充して、21日間は供給できる。
あとは、全米にまたがっていますので、搬送が非常に重要になってくるので、それぞれの州や地方と連携して、全米の中での院間搬送計画もつくられています。
小児とかの対応は、小児病院との連携でありました。
例えばアトランタですと、エモリー大学病院で成人を引き受けて、子供は子供病院で引き受けるという連携がされております。
21ページ目を御覧ください。
これはちょっと前になりますが、エモリー大学病院のユニットの状況を模式図で示したものであります。このような状況で行っているところです。
分かりやすく言いますと、エモリーでは、テキサスで二次感染を起こした看護師さん方を受けていますが、ここで診たということでございます。かなり高度な集中治療まで行っておりました。
1枚めくっていただきますと、22ページ目でありますが、日本とどう違うのかというところなのですが、似ているところも大分ありますが、根本的な違いで言いますと、日本では、どちらかといえば感染症法に基づく病原体で分けているところ。
米国は機能で分けているところが大きな違いではなかろうかと思います。
立地・搬送に関しましては、日本では各都道府県に1か所ということになっていますが、米国では、人の出入り等を考えて、人口のこと、あるいは空港や港に近いところ、ラボが近くにあるか、あとは搬送にかかる時間を検討して、医療機関の指定をしているところでございました。
研究に関しても、しっかりと行っているところです。
日本も、iCROWNで研究を行っております。
1枚おめくりいただいて、23ページ目を御覧いただければと思います。
ただ、米国のこの体制も、徐々に出来上がってきたものであります。そこには課題があったということです。
具体的には、広く医療機関を指定し続けることには限界があるということです。
日米ともに、感染症指定医療機関の維持は簡単ではありません。多数を指定すると能力が不均一になりますし、そもそも維持が困難になります。
ということで、米国は、高度な診療機能は一部の医療機関で行うことにしたそうです。
もうちょっと細かく言いますと、2014~2016年に、全米で56のEbola treatment centerを指定したのだそうですが、実際に2019年、2022年に調査をしてみると、それに求められるだけの設備とか機能を持っている病院が、それぞれ64%、59%ということで、なかなか維持できていなかった。
その問題を見ると、政府資金が少なかった、あるいはそうすると、地方の資金で運用することになりますが、なかなか難しかったということになります。
こうした維持困難を受けて、連邦は、2022年に機能を中核に集約して、なおかつ階層化して対応することを行っております。
1枚おめくりください。
24ページ目には「臨床研究・臨床試験を迅速に開始する体制」が組まれているところでございます。
こちらは、先ほど申し上げた米国では、特殊病原体研究ネットワーク(SPRN)を用いて研究体制が敷かれています。
これが稼働した一番大きなところは、コロナの最初の段階で、いわゆるレムデシビルの治験が行われましたが、それの最初の立ち上げは、ネブラスカ大学に置いたCentral IRBを用いて、迅速倫理審査をした後に、SPRNのネットワークで一気に治験を立ち上げたと聞いています。非常に迅速でした。
日本もこれに学んで、今、iCROWNという臨床研究ネットワークを立ち上げて運用しているところでして、2026年では59機関が参画しているところでございます。
次をおめくりください。あと数枚です。
25ページ目でありますが、経緯も含めてですが、日本の第一種指定医療機関の現状であります。
1999年の感染症法の成立時に、各都道府県に第一種を1か所という概念が提示されています。
ただ、当時からいろいろと議論があったそうで、慎重論としては、一種は希少なので、各県に整備するほどの必要はないのではという御意見もあったようですし、推進論としては、航空網の発展で、どの都道府県でも発生し得るし、第一種は地域の感染症診療のリーダーとしての役割が期待されているのだという議論がありました。
最終的には、全都道府県の設置となりましたし、整理としては、階層のない横並びということになっております。
最後に、26ページ目です。
まとめでございますが、このような内容を含めまして、岡部先生と私が分担させていただいた研究班では、指定医療機関の在り方として、機能、人員、施設間の連携、研究、監査を要件化する案を提示させていただいております。
こちらにお示しした内容自体は、先ほど申し上げてきたことのまとめでございます。
「残存する課題」としては、今日の議論でありますが、特定・第一種指定医療機関間の役割分担。
都道府県をまたぐ搬送。
監査体制は要るのではないかということ。
診療・看護の統一したひな形の整備。これは、厚労科研でも手がつけられているところです。
あとは、研究体制が実際の運用で残っているかと思います。
すみません。長くなりましたが、私からは以上でございます。
○脇田部会長 大曲先生、どうもありがとうございました。
今日、もう一人参考人として、JIHS感染研の鈴木忠樹先生にも来ていただいています。
鈴木先生は、感染研で主に検体の受入れの窓口的なところを担っていただいているわけですが、鈴木先生からも、感染症指定医療機関の指定基準に関する御意見があれば、伺っておきたいと思います。
お願いします。
○鈴木参考人 ありがとうございます。
JIHS感染研の鈴木と申します。よろしくお願いいたします。
先ほど大曲先生から詳細に御提言があったところですが、私はラボの専門家として、大曲先生の御発表を拝見しておりまして、第一種指定医療機関の指定基準に関して非常に重要な御示唆があったと考えております。
一番重要なのが、理想的な第一種指定医療機関としては、第一種病室入院患者の検査のための専用区画を備えていることと考えています。
現在の一種感染症指定医療機関の指定基準の病院の要件として当該病院で微生物検査を迅速に行うことができる設備があるというのはありますが、必ずしも専用区画をもとめているものではないと考えています。
一類感染症のような非常にリスクの高い病原体の検査をする場合には、専用区画で、ほかの検査と切り分けた形での検査が非常に重要と考えております。
また、このような感染症の確定診断は、行政検査として、感染研のような機関で実施されることになっていると考えますが、医療現場で使用可能な様々な迅速検査系が開発されていますので、そういうものを適切に活用して、暫定的であっても現場でのリスク評価を迅速化させ、より安全に診療していくことが重要と考えています。そのような検査も活用できるような体制が望ましいと考えています。
また、病原体検査だけではなくて、ルーチン検査として実施される一般の臨床検査用の検体の取扱いにおいても感染性リスクはありますので、その検査も、専用区画で対応していくべきだと思います。
さらに、大曲先生の御発表の中でありましたように、行政検査を行う場合は、地方衛生研究所や感染研への検体の搬送が必ず発生しますので、検体の搬送のための梱包の責任者などが常駐していることも、これらの医療機関に求められると考えております。
検体の搬送や梱包は、簡単なようで、かなりリスクが高い行為ですし、病院の中だけでは完結できない作業になりますので、事前のトレーニングが重要と考えております。
私からは以上となります。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
ただいま事務局、それから参考人の先生方にお話をいただいたところですが、感染症指定医療機関は、感染症法の創設のときに決められて導入され、整備が進んできた。
ただ、コロナの経験も経て、医療が進歩、あるいは医療体制の変化ということもあって、見直しを行っていく必要がある。
今般、エボラのアウトブレーク、ハンタウイルス感染症のアウトブレークがあって、患者が国内で発生したときに、対応がどのようにできるのかというところもあり、今回の議論になっていると理解しています。
論点としては、事務局資料の10ページにお示しいただいたとおり、今回は一種感染症指定医療機関と特定を議論するということですが、疑似症と患者の受入れ体制、一次診療を各自で行う体制の維持、訓練を行っていくというところ、基準を満たしているか、定期的に確認する。先ほど大曲先生からは監査というお話がありましたが、そういったところ。
さらに、一種感染症指定医療機関・特定感染症指定医療機関とあるわけですが、先ほどもあったとおり、現在、全ての都道府県に一種指定医療機関があるわけですが、その機能を集約していくことが必要かどうかも検討していくところでやっています。
大曲先生からは、平時の準備として、施設としてはマニュアルの整備が重要だということですが、事務局資料におかれましては、マニュアルの整備ができていないところも4分の1程度あるとお示ししていただきました。
それから、人員の確保です。
施設としては、高度医療を行うためのスペース。ECMOとか人工呼吸器、簡易のレントゲン装置といったものを入れるようなスペースが確保できるか。
それから、鈴木忠樹先生からもありましたが、検査体制の確保。
そして、臨床研究の準備をしておくということです。
アメリカの状況もお話しいただきました。
鈴木忠樹先生からは、検査の体制。
検体の搬送に関するマニュアルの整備も非常に重要だというお話があったと思います。
というところで、こういった見直しに係る論点は様々あると思うのですが、委員、参考人の皆様から御意見を伺っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、森川委員、お願いします。
○森川委員 ありがとうございます。
資料1の10ページの高度医療に関しては「特定感染症指定医療機関又は一部の第一種感染症指定医療機関に集約し」というのはいいと思うのですが、そうしますと、それ以外の例えば一種感染症指定医療機関に疑い症例の患者さんが搬送されて、PCR等で確定診断されて、例えばエボラ出血熱の患者だということが確定したときに、特定感染症指定医療機関または一部の第一種感染症指定医療機関で、高度医療ができるところへ患者を搬送するための搬送体制が整備されているのかが大きな問題になると思うのです。
例えば成田とか関空、羽田には、疑い患者さんが飛行機で来た場合には、そういう患者さんを輸送するシステムがあるのですが、例えば新潟県で疑い症例が出た場合に、NCGMに患者さんを輸送するシステムがあるのかどうか。
例えばイギリスの場合は、対応医療機関が2つで、診断はロンドンのコリンデールと、西の方にポートンダウンがありますが、患者さんを輸送するシステムは、例えばヘリコプターによる航空輸送を含めて整備されているのですが、そういうシステムがないと、日本の場合、患者さんを高度医療、必要な機関に搬送することができるのかどうか。そこの整備も必要かなと思っています。
あと、患者さんが確定した場合、PCRだけではなくて、感染性ウイルスが排出されているかどうかは、例えば回復してきたときに、エボラ出血熱とかマールブルグ病の患者さんは、かなり長期にわたってPCRは陽性になるけれども、感染性ウイルスは出ないという症例があるのです。感染性ウイルスが分離できるのかどうかは、回復患者さんの退院の一つのマーカーになると思うのですが、そうすると、PCRも含めてですが、検体の輸送、特に確定した患者さんの血液とかは、感染症法上では、臨床検体という扱いであれば一種病原体に当たらないとなるのかもしれませんが、例えば航空機で感染研、あるいは長崎大学に検体を輸送しようとするときに、IATAで飛行機の機長がそれを拒否することができる体制もありますし、あるいはそれ以外のシステムで運ぶ場合に、搬送業者が搬送してくれるのかという問題も解決しなければいけないのかなと思います。
先ほど鈴木先生から地方衛生研究所で検査がという話がありましたが、例えばエボラウイルスの血液からPCRをするために、検査キットでRNAを抽出する液に入れて、ここまでやったら不活化されているはずだということで、アメリカでは、検体を外に出したら、それでは不活化が不十分だったということがあって、多分、COVID-19のときは、ここまでやればウイルスが完全に不活化できているから、検査できるというようなことは研究されたと思うのですが、今、いろいろな抽出キットがありますので、それで本当にウイルスが不活化されるのか、確約できないと、地方衛生研究所で検体の処理ができるのかという問題もありますので、その辺も必要かなと思いました。
その辺は、影山先生が詳しいと思うのですが、よろしくお願いします。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
詫摩委員、お願いします。
○詫摩委員 どうもありがとうございました。
先ほど大曲先生の御説明で、最後に、都道府県間の輸送が課題だと述べられていたと思うのですが、そのとおりだと思います。
一方で、資料1の4ページの各都道府県における一覧を拝見しますと、都道府県とか地域による病床数の格差がすごく気になりまして、例えば北海道には1つしか病院がなくて、病床数が2と。
なので、そもそも地方とか都道府県による指定機関の数の偏りをどう対処するのかということと、例えば北海道から東北とか東京への輸送の体制みたいなものも、一つ課題としてあるのではないかと感じました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続いて、宮﨑委員、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
私も今、輸送のことを申し上げようと思ったのですが、検体にしても、患者さんの搬送にしても、思っている以上に現実的には非常に大変な作業になるので、輸送をどの程度やるか、具体的にどうやるかということも考えると同時に、輸送のことを考える際に大事になるのは、地域性かと思います。
今、事務局案でも出ておりますが「特定感染症指定医療機関又は一部の第一種感染症指定医療機関に集約」すると書いてありますが、このことは、現実的なことを考えると、やるべきことが非常に多いと思います。
その中で、大曲先生のお話に出てきたように、人的なスタッフの規模感が、我々が通常、感染症の診療とか様々な診療をすること以上に必要になるところだと思います。
恐らく、今、NCGMが最も体制が整えられているのだと思いますが、前回の事案で、感染症医が6名、そのほかに専門の検査とか画像等を感染症病棟の中に入ってできるような方をそろえて、それをターンオーバーしていくことが必要になってくると、かなりの人的な体制が必要になりますので、これを現在の特定感染症指定医療機関、または一部の第一種で、どの病院をどのように指定していくのかは非常に難しい問題かと思います。
具体的に考えられるのが、大曲先生先生が、アメリカの体制で、RESPTCとして最も高次の機能を担うものが10施設程度あると御紹介いただきましたが、そのような形で、今、第一種・特定感染症指定医療機関がありますが、ある程度高次機能が担えるようなところを地域の偏在なくつくっていくことが、今回の見直しで必要になるのかなと思いました。
以上です。
ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続いて、松本委員、お願いします。
○松本委員 私も、先ほどのお二人の先生とかなり共通している部分があるのですが、地域の偏在というところから考えますと、今、おそらく、実際に患者さんを受け入れる可能性が高いと思われる特定感染症指定医療機関が関西に2つ、関東にも2つ指定されていますが、例えば北海道、あるいは九州といった遠方で実際の感染者が出たら、そこまで本当に患者さんを運べるのかということも考えなければいけないと思います。もちろん、第一種の指定医療機関でも対応しなければいけませんが、先ほど大曲先生からお話しいただいたように、実際に医療現場でエボラ患者に対応するとなると、医療スタッフにしろ管理体制にしろ、高度なレベルが求められると思います。そうすると、特定感染症指定医療機関を現在の関東、関西の4施設だけでなく、例えば北海道とか九州にも追加で指定して、どの地域で感染者が出てもある程度対応できる体制を整えることが現実的ではないかと思います。
もう一点ですが、現在の指定基準は非常に大ざっぱで「感染症の医療の経験を有する医師」という基準で、しかも「医師」しか基準には載せられていません。しかし実際には、大曲先生がお話しされたように、看護師を始めとして様々な職種が対応しますので、対応する可能性のある医療従事者は医師に限らず教育や訓練ができるような体制を作っておく必要があると思います。そのような意味で、基準の見直しを求めたいと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
今のは、北海道、九州等で発生したときに、本当に対応できるかというところで、むしろ特定の医療機関をそういったところにも増やしていったらどうかというところと、感染症の専門家、ドクター、ナース、そのほかにしても、専門家の基準をつくっていくべきではないかといった御意見だったと思います。
続きまして、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 我々は、今般のエボラ出血熱対応を通じまして、都道府県における第一種感染症指定医療機関の位置づけについて、改めて認識したところです。
私からは「論点」の2つ目の三角についてです。
一類感染症に対応する高度医療においては、都道府県の枠を超えた機能集約化の提案だと理解しております。
先ほど大曲委員からありましたように、即時に対応できる医療機関の確保は、医療調整をする行政にとって非常に重要なことだと思っております。
一方で、都道府県としましては、地域医療計画等において、第一種感染症指定医療機関を頂点とした医療体制を既に構築しております。
もし御提案のように医療体制を広域化する場合、実効性を担保するには、行政間をまたいだ関係各所の調整システムの構築が必要かと思います。
特に対象となる一類感染症等は、感染症法に基づく入院措置、入院勧告を取るため、患者の移動に当たりましては、医療機関のみならず、行政間の連携が必須となります。
実動に当たって、国において感染症法下における患者の入院・搬送の調整の在り方についても御支援を頂戴できればと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
これも、実務的に非常に重要な御指摘だったと思います。
地域を超えて広域の体制を整えるときに、実際に搬送を行うときの問題点を御指摘いただいたと思います。
ありがとうございました。
続いて、土井委員、お願いします。
○土井委員 ありがとうございます。
先ほど大曲委員からの情報提供にもありましたように、一部の特定、あるいは第一種の指定医療機関では、感染対策を適切に行えることに加えて、人工呼吸とかECMOといった重症患者への高度医療を提供できる体制づくりが求められているものと理解しました。
一方で、そのような対応能力は、第一種の指定医療機関の中でも、必ずしも均一ではないという御報告も先ほどあったかと思います。
コロナ対応における私どもの経験でも、こういった重症患者さんの診断・治療を進めていくには、感染症に携わる部門だけではなくて、救急や集中治療の医師とか、病棟スタッフなど、非常に多くの職種との連携が不可欠であったと実感しております。
ですので、指定基準の見直しに当たっては、感染症とか感染管理の分野はもちろんなのですが、集中治療、救急医療、また、先ほど森川委員、宮﨑委員からも御指摘がありましたが、患者さんの搬送体制などに関わる専門家とか、関連学会にも御参画いただいて、発生はまれですが、備えが必要となるような重症の感染症、あるいは疑似症の患者さんに対して、持続可能で実効性のある医療提供体制をどのように構築していくかという観点からも、幅広い御検討をいただければと思い、発言させていただきました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
まだ多くの委員の先生から手が挙がっていますので、最後まで意見を伺って、それから事務局にレスポンスいただくことにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
続いて、坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
まず、特定・第一種感染症指定医療機関で、一類感染症等の患者さんに対して適切な医療を提供できるような体制にさらに整えていくという方向性については、非常に重要な取組だと思いますし、賛同いたします。
その上で、1点要望があるのですが、今回の見直しは、第一種・特定感染症指定医療機関の体制整備が中心と理解していますが、実際には、健康観察中の患者さんが発症したときなど、必ずしも指示された番号に連絡する、自治体の指示を仰ぐといったことをせずに、救急搬送で一般の医療機関に運ばれてきたり、あるいはウオークインで受診するといったことも起こり得ると思います。
一方で、一般の医療機関のマインドとしては、そういった一類感染症を持つような患者さんがうちに来るはずはないといった意識も持っているのではないかと思いますし、初期対応の経験、あるいは準備が必ずしも十分ではない実情があると思います。
こうした第一種感染症指定医療機関と、地域で救急医療を担うような一般の医療機関との連携の在り方、例えば初発の受入れから移送までを想定した合同訓練といったことなども含めて、ぜひ今後の検討事項としていただけますとありがたいと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 ありがとうございます。
大変有意義な御説明をありがとうございました。
少し異なる論点から述べさせていただきます。リスクコミュニケーションの視点からは、特に初発の患者さんに対しては、国民や市民の関心が非常に高いと思われますので、病院単位の広報手段、広報スポークスマン的な人材による対応を予め決めておく必要があるのではないかと思っております。
初発患者の場合は医療機関内の全ての情報を管理・集約して、いつ、どのような手段でリリースするかということをきちんと決めておくことも大切ではないかと思いました。
どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
患者が発生した場合、特に初発患者の場合のリスクコミュニケーションですね。これもマニュアル化しておく。
これは、厚生労働省とともに発表を行っていくことになると思いますので、そういった体制の確保ということですね。
ありがとうございます。
原委員、お願いします。
○原委員 ありがとうございました。
私も、論点に挙がっております、第一種感染症指定医療機関で疑似症患者の受入れ、診断、一次治療を行って、高度医療について、特定感染症指定医療機関で集約していくという点について、賛成です。
その中で、今までにも先生方から意見が上がったように、地域格差があったり、搬送までの時間とか方法といった問題もあると思いますので、もう少し地域的なものなども加味して、特定感染症指定医療機関については設定していただきたいと思いました。
また、いずれにしても、非常に人員が必要であるということも大曲委員から示していただきましたので、感染症指定医療機関の中でそういった医療従事者を養成するような仕組みをつくっていく必要があると思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、森田委員、お願いします。
○森田委員 ありがとうございます。
私も、一種感染症指定医療機関の集約化に関しては賛成でございます。
理由は、ほかの委員の先生方がおっしゃったこととほぼ同じなのですが、もう一つ重要な論点として、岡部先生、大曲先生の研究班の提言にありました、監査を要件化することが重要なのではないかと思います。
一種・二種・三種病原体保有機関は、定期的な監査を厚生労働省から受けておりまして、これによって、年々、安全がより担保できるようなシステムへバージョンアップしていることがございます。
そういう意味で、指定医療機関の定期的な監査を要件化することが必要だと思っているのですが、先日、レクのときに厚労省の方にお伺いしたときに、それをするとして、担うのはどこでしょうというところで、これは都道府県ではないでしょうかというような意見をお伺いしたのですが、そうすると、ダブルスタンダードとか、クオリティーが一定化しないということもありますので、医療機関の集約化ができて、監査を要件化できたときには、この監査は、ぜひ厚生労働省が責任を持って実施するという形が、基準を一定に保つという意味でも必要なのではないかと考えております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、小竹委員、お願いします。
○小竹委員 東京都の小竹でございます。
これまでいただいた意見と大体同じなのですが、東京都からも5点要望させていただきたいと思います。
まず、原則として、一類感染症患者の受入れにつきましては、各都道府県内で完結させるものと考えております。
その上で、一類感染症の治療について、特定感染症指定医療機関または一部の第一種感染症指定医療機関に集約することにつきましては賛成なのですが、一部の医療機関に負担が集中することも想定されますので、役割に応じた財政的な支援、人材確保などの支援等、必要なインセンティブについて、併せて御検討いただきたいと思っております。
2点目ですが、先ほど宮城県の方からもお話がありましたが、都道府県を超えた地域連携の中で診療体制を構築するとありますが、各地域における役割分担が明確でない段階におきましては、かなり厳しいかと思っております。
どこの自治体がどこに依頼するかとか、どのように搬送するかとか、そういったところの調整方法などについても、それぞれ自治体同士に任されたということであっては、かなり厳しいと思っておりますので、国において地域ごとの受入れ、治療体制、役割分担などについて、早期に整理していただきたいと思っております。
3点目ですが、特定感染症指定医療機関または一部の第一種の医療機関に集約する場合、その医療機関の所在地を所管する保健所にとてつもない負担がかかってしまうことは容易に想定されることでございます。
現行の仕組みですとそうなってしまいますので、そういったことがないように、御考慮いただければと思っているところです。
4点目ですが、県域を越えた移送につきましては、国が主体となって調整等を行っていただきたいと考えます。
また、移送のときは、消防や警察機関の協力が不可欠であると思っておりますので、総務省の消防庁等とも十分に調整いただければと思います。
5点目ですが、先ほどお話もありましたが、指定後も基準を満たしているか、確認する仕組みは、基準上、明確化することにつきましては、指定制度の実効性を確保する観点から大事だと思っております。
一方で、訓練や確認が、医療機関や都道府県におきまして過度な負担となることも想定されますので、頻度や方法、確認項目につきまして、実態を踏まえて、国のほうでしっかりと検討していただきたいと思っております。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、三﨑委員ですね。
○三﨑委員 ありがとうございます。三﨑です。
私は、今までの皆様の御意見とほぼ一緒で、どちらにしても指定基準の見直しは絶対に必要なものではないかと思います。
書いていただいている論点につきましても、妥当だと思いますので、この内容について、私自身は賛同いたします。
また、示されているように、従来の病室・病院の要件のみでは不十分で、重症患者さんをきちんと診断・治療できて、なおかつ、検査体制や移送体制も整備されているということになると、病院一つで完結できるものではありませんので、行政とか、その中の検査を担う地衛研とか、そういったところとも連携することも盛り込んでいただけたらと思います。
そうやってできた基準を実際に使っていく際には、資料1の9ページの調査に整備していない医療機関がかなりあるというような内容が大まかに書かれていますが、もう少し細かい要件を一つ一つ、どの程度整備されているのか、あるいはそれができそうなのかといった綿密な調査をした上で、全国にどのぐらい基準を満たす医療機関があって、どのぐらいの医療機関が基準に達することができそうなのかといったことを明確にした上で考えていく必要があるのかなと思いました。意見です。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
最後に、大曲委員からお願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。
私も3点ございます。
どちらかというと、実際に対応に当たる医療機関からの意見という観点ですが、1点目は、先ほど土井委員もおっしゃったように、この感染症対応には、かなり高度な技能を有する医療従事者が複数関わる必要がありますので、そうした各専門的な医療に関わる学会等のお力添えもいただきながら、そういう体制づくりができればと思っています。
集中治療も本当にそうですし、実際、感染症病床でECMOでの治療となりますと、例えば医師にしても、看護師にしても、集中治療の経験があって、感染症の心得もある方がいらっしゃらないと、とてもできないということが分かりましたし、内部の検討の中でも議論になったのは、例えば妊婦さんがいらっしゃったとして、感染している状況で出産されたと。そのときに、NICUが必要であると。では、NICUで受け入れるときに、どうするのだみたいな話が出てきました。そのときには、当然、専門の先生もいるわけであります。
というところで、感染症を診るということになると、集中治療もそうですし、関連して様々な領域の専門医療も必要になってきますので、そうした専門医療の学会の方々にも関わっていただく体制づくりができればと思います。これが1点。
2点目は、監査の件は、実は私もすごく大事だと思っています。ぜひ行っていただきたいところです。
というのも、理由は、病院で実際に受入れ体制を整えようとして、対応の感染症のいわゆる責任者がいろいろと動いておるのですが、端的には、なかなか病院の中で理解を得られないということがあります。ですので、人員にしても、もろもろのリソースにしても、配分が得られない。
具体的なところを詰めていくと、結局、病院としてやるべきことがはっきりと決まっていないので、それを監査されるわけでもないので、病院の中のリーダーシップの決断として、なかなかリソースを割いていただけないという悩みをかなり多く聞かされております。
その解決のための方法の一つとして、監査はぜひお願いできればと思います。
最後の1点は、この話はどうしようかと思ったのですが、大事なところなので、申し上げると、補償の話であります。
具体的にどういうことかといいますと、恐らく、実際にエボラの確定した事例を診療するとなると、少なくとも21日間は医療をすることになると思います。
そうすると、長くなればなるほど人員確保が非常に厳しくなってきまして、私の想定では、エボラ診療の看護単位の確保のためには、恐らく、病棟を1つか2つは閉じないと対応できないだろうと思っています。
似たようなことは、実際、特殊な背景を持っている患者さんだともっと話が難しくなりまして、例えば先ほど申し上げたように、これが小児科の患者さんだったらどうするかとか、NICUが必要な患者さんだったらどうするかということになると、その部門自体の活動性が相当に落ちた状況で長期間進むことにもなりかねないと思います。
ここで、恐らく病院としては、収益がかなり低下するわけなのですが、そこの補償がないと、病院としては相当に臨みにくいだろうと思いますし、各診療科も、エボラ診療にマンパワーを割くにしても、その辺りの補償がない状況では決断しにくいだろうと思っています。
ですので、実際にお受けするには、そういう面もあるのだということで、補償の点も御検討いただければと思っております。
私からは以上でございます。
○脇田部会長 大曲先生、ありがとうございます。
新たな論点として、先ほどNETECのところで出てきましたが、妊婦さん、あるいは小児、特に新生児の対応をどのような体制で行うか。
それから、例えばエボラと診断されれば、21日間の医療をやると。
その体制確保のために、病棟を閉鎖する必要が出てきたり、あるいは風評被害でかなり収益が落ちる可能性があるといったときに、どのようにそれを補償していくかという論点もあるというお話でした。
大曲先生、1点確認なのですが、監査体制、オーディットは、NETECでどのような体制で行っているかは御存じですか。
○大曲委員 ありがとうございます。
少なくともNETECの中で、いわゆるピアレビューではないのですが、相互チェックをやっているようです。
NETECの本部の中でチェックをするためのもろもろの規定とか、チェックのためのチェックリスト等を作って、それを各医療単位といいますか、医療単位がHHSで10ありますが、その中での中心となるようなRESPTCの医療機関の人たちが各医療機関に行ってオーディットすると。そこで評価をしているようであります。少なくとも、そういう専門家間のピアレビューはあります。
ただ、恐らくは、行政的なチェックも別の観点で行われているのだろうと思うのですが、行政的なチェックの内容自体は、今、手元にはないので、御紹介はできないところです。
○脇田部会長 分かりました。
監査のお話は、かなり多くの委員からいただきましたので、どのような体制を取っていくべきなのかというところで、米国の状況も参考にできればと思いました。
笹本委員、御発言ください。
よろしくお願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
ありがとうございます。
新型コロナのときには、各医療機関の方、特に第一種・第二種を含む感染症に係る医療に従事された皆様は大変御苦労されました。心から感謝申し上げます。
また、大曲先生、詳しく教えていただきまして、ありがとうございます。
現在、内閣官房で新型インフルエンザ等対策政府行動計画を策定して、これをもとに、各都道府県で、対策行動計画を策定し実施していただいております。
この中には、様々な緊急性の高い、あるいは重症な感染症に対して第一種、第二種感染症指定医療機関による対応があります。
皆様御承知と思いますが、感染症指定医療機関の指定状況や要件を変更は、厚労省に限らず、全省庁・全都道府県的な対応が必要な話ですし、感染症指定医療機関による様々な分野の様々な対応を前提とした体制が構築されておりますので、ぜひ十分に御留意いただいて、変更に伴う影響とその対応等を全省庁的な観点も視野に入れて考えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
委員及び参考人の皆様、様々な御意見をいただいて、ありがとうございました。
大部にわたるので、まとめるのは難しいのですが、様々な論点があったと思います。
指定医療機関の必要な要件に関して、スペースの確保、人員の確保、検査体制、臨床研究の重要性、あるいは監査を行うといったところ。
それから、日米で違ったレベル設定をしているということで、どちらかというと、アメリカは能力というか、機能に重点を置いたレベル区分を行っているといったお話がありました。
検査あるいは実際に患者さんが発生した場合には、検体の搬送、あるいは患者さんの搬送にもかなり論点があるといったお話。
それから、ウイルスの検査。これは、ウイルスの分離までの検査をやらなくてはいけないところで、今のところ感染研が実施していますが、地衛研でどのように関与していただくかといったところ。
それから、専門人材の確保、学会の関与も必要だといったところがございました。
リスコミのお話。
オーディットの要件化。
それから、医療機関には支援が必要ではないかといったところ。
それから、地域を超えた搬送、医療機関への収容となると、調整のメカニズムは非常に難しくなるので、国が関与していただく必要がある。
それから、特殊な患者さん、妊婦・新生児対応といったところ。
補償の問題等がございました。
では、申し訳ないのですが、事務局からまとめてレスポンスいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 皆様方、大変貴重な御意見、また、各種方面からいただきまして、誠にありがとうございます。
大きな方向性として、検討を進めるに当たっては、皆様方に御賛同いただけたのかなと認識しております。
他方、多くの論点、座長からもおまとめいただいたように、移送とか検査の体制、訓練の重要性、病院の体制など、非常に多くの意見をいただきましたので、しっかりと受け止めて、適切な要件もろもろを考えていけたらと思っております。
また、三﨑委員からいただきました、綿密な調査が必要ではないかということにつきましては、我々としてもしっかりと実行して、その上で、適切な指定基準を提示できればと考えておりますので、引き続き御指導いただければと思っております。
以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございます。
本当に多くの意見をいただきましたが、そこを整理していただいて、また議論を進めていければと思いますが、さらに御意見、御質問等がある委員の先生方はいらっしゃいますでしょうか。
参考人の先生からも。
大丈夫ですか。
ありがとうございます。
方向性には賛同するということですが、多くの意見をいただきました。
こちらを整理していただいて、必要な手続を進めていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に参ります。
次は御報告で「入国時感染症ゲノムサーベイランスについて」であります。
こちらは、資料2が提出されています。
事務局、影山参考人から御説明いただくことになっております。
よろしくお願いします。
○助廣検疫検査専門官 ありがとうございます。
資料2につきまして、私、企画・検疫課の助廣から御説明させていただきます。
2ページ目を御覧ください。
まず、入国時感染症ゲノムサーベイランスについてです。
本事業の内容についてですが、入国時ゲノムサーベイランスは、新型コロナウイルスが五類に移行した令和5年5月8日から、積極的疫学調査として開始しております。
その後、令和6年度からは予算事業に移行して、現在も実施しているところです。
本サーベイランスにつきましては、海外から流入が懸念される感染症の病原体の変異や動向を幅広く把握するとともに、検査・解析後の残余検体をiCROWNと連携して、感染症の重症化因子等の解明に寄与することを目的として実施しております。
具体的な実施内容につきましては、下段に記載しているとおりになりますが、主要国際空港である成田、羽田、中部、関空、福岡にある検疫所におきまして、検疫感染症に該当はしないのだけれども、発熱等の症状がある入国者のうち、調査に協力いただける方を対象に、検体として鼻腔拭い液を採取しております。
その後、採取した検体につきましては、民間検査会社において網羅的PCR検査を実施した後、検査の結果、新型コロナウイルス、またはインフルエンザウイルスが陽性だった検体について、ゲノム配列解析を実施した後、JIHSにて系統判定を行っております。
検査・解析後の残余検体は、その後、iCROWNに入れることになるのですが、iCROWNに格納するまでが本事業の対象の範囲となっております。
また、新型コロナ・インフルエンザウイルスを除いた病原体の分離は、本事業では実施しておりません。
そのため、こちらにつきましては、iCROWNに提供したものは、本事業とは別の研究利用が可能となる体制というところで現状は整備しております。
また、調査結果につきましては、厚生労働省ホームページに月ごとにまとめて掲載しております。
次のページを御覧ください。3ページ目です。
こちらは、入国時ゲノムサーベイランス事業において検査できる項目を上段に示しております。
検査できる項目につきましては、15項目になります。
次のページをお願いします。
「結果の概要」についてです。
こちらには、令和5年度から令和7年度までの3年間の結果をまとめております。
各項目の詳細につきましては、次のページ以降で御説明させていただきますので、このページにつきましては割愛させていただきます。
次のページをお願いします。
結果について御説明します。
まず、協力者数の推移についてです。
協力者数につきまして、月ごとの推移をグラフで表しております。
協力者の数につきましては、令和5年度は全体で884件、令和6年度が1,994件、令和7年度が1,840件という結果になっております。
令和5年度は、月平均が100件に満たなかったところなのですが、予算事業に移行した後、令和6年度以下からは月平均が150件を超える結果となっております。
この結果につきましては、本事業では、従来、協力者に対して網羅的PCR検査の結果を還元していないところだったのですが、令和6年度からは、網羅的PCR検査の結果は還元しないものの、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルスの簡易検査の結果をその場でお伝えすることを実施しておりまして、こうした工夫により、協力を得やすくなったものと考えております。
また、協力者は、大体夏休み、冬休み等、大型連休に増加するような傾向が見られました。
具体的に、協力者につきましては、下段に記載しているとおりなのですが、5空港において検疫時に確認した有症者のうち、14.2%から協力を得られている状況です。
次のページをお願いします。
続きまして、網羅的PCR検査における病原体の検出割合について、示しております。
令和5年度につきましては、新型コロナウイルスの検出率が最も高く、五類移行直後にピークを示しておりました。
令和6年度と令和7年度につきましては、インフルエンザウイルスの検出率が最も高くなっております。
各年度とも、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスで全体の半数以上を占めるような結果となっております。
また、検出限界以下、グラフのグレーの部分になってくるのですが、こちらが全体の20%を占めており、令和6年度と令和7年度は、インフルエンザについて高い割合を示しておりました。
その他の病原体につきましては、ライノ・エンテロウイルスが最も多かったのですが、その割合につきましては15%にとどまっているような結果でした。
次のページをお願いします。
続いて、渡航先別につきまして、円グラフで示しております。
年度ごとの渡航先につきましては、アジア地域が最も多いような結果になっており、年度による大きな変化は見られませんでした。
次のページをお願いします。
協力者の傾向についてですが、こちらにつきましては、令和5年度は聴取を行っておりませんので、令和6年度と令和7年度の結果のみになります。
令和6年度、令和7年度とも、協力者の地域構成に大きな差はありませんでした。日本人協力者が全体の約8割を占めている状況です。
日本以外の地域におきましては、アジアが最も多いような結果になっております。
また、日本人を除く協力者について、訪日外客数の割合と比較した場合であっても、アジア地域が最も多く、本サーベイランスに協力する構成比と類似したような傾向が見られました。
一方で、訪日外客数は年々増加しているにもかかわらず、日本人以外の協力者の割合が増加していないような結果にもなっております。
次のページをお願いします。
海外滞在期間別について、円グラフに示しております。
こちらも、令和5年度につきましては聴取を行っておりませんので、令和6年度と令和7年度の結果のみになります。
令和6年度、令和7年度とも、海外滞在期間が10日以内の者が約7割を占めている状況でした。
また、海外在住者からの協力は、全体の15%未満となっております。
この結果の傾向につきましては、本サーベイランスの協力者の約8割が日本人であるところから、こういった構成比になったのではないかと考えております。
次のページをお願いします。
続いて、感染症別の推移について、グラフで示しております。
月別に陽性率を表したものになります。
新型コロナウイルスにつきましては、さきに説明したとおりになりますが、令和5年度が最も高い割合で検出されておりまして、その後、減少するような傾向が見られました。
また、月別では、4月から9月頃にかけてピークが見られているような結果でした。
ただ、右下の「参考」になりますが、国外における発生状況との比較では、令和6年度の7月から10月は、欧州に滞在歴のある者からの検出率が高い傾向が見られております。
左下になりますが、新型コロナウイルスの系統につきましては、3年間で280系統が確認されている状況です。
続いて、インフルエンザウイルスA/H1についてなのですが、11ページ目になります。
こちらは、令和6年度が最も高い検出率となっております。
特に12月から1月にかけてピークがございました。
また、下段の国外の発生状況との比較におきましても、令和7年度の12月から1月については、欧州に滞在歴のある者からの検出が多いような傾向が見られております。
次のページをお願いします。
こちらは、A/H3の推移になっております。
こちらは、令和7年度が最も多いという結果になっております。
特に8月以降に増加傾向を示しておりまして、11月にピークが見られております。
次のページをお願いします。
インフルエンザBについてなのですが、インフルエンザBにつきましても、A/H3と同様に、令和7年度が最も多く検出されておりました。
特に1月以降に増加傾向を示しておりまして、2月にピークが見られています。
新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスとも、本サーベイランスの検出状況については、海外の発生動向が少なからず影響していることが伺えるような結果となりました。
また、現時点におきましては、国内において、公衆衛生上のリスクとなる新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスの株は確認されていない状況であると、JIHSの先生からコメントをいただいているところです。
次のページをお願いします。
こちらは参考資料です。
「国内における病原体/ゲノムサーベイランスによる検出状況」を示しております。
次のページをお願いします。
最後になりますが「本事業の成果と発展性」というところで記載しております。
本資料につきましては、国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所の影山先生より御報告いただきたいと思いますので、影山先生、よろしくお願いいたします。
○影山参考人 JIHS感染研の影山です。
私から本事業の成果と発展性について、御説明させていただきます。
まず「世界で未検出の新規変異株・国内未発生変異株に対する早期検知および警戒機能の有効性」ということで、本サーベイランスにおいても、国内未発生の新型コロナウイルスの検出も確認しておりまして、本事業が新規の変異株の国内流入をいち早く察知する早期警戒システムとして機能し、空港という特定の場所で有症者を対象にスクリーニング検査を行うことによって、国内定点よりも早くウイルス変異の動向を捉えることも可能と考えます。
「インフルエンザウイルスゲノム解析による次期ワクチン製造株選定への貢献」につきましては、JIHSが実施しておりますインフルエンザウイルスの詳細解析によりまして、WHOが選定するワクチン推奨株の作製、国内の次期シーズンのワクチン製造株決定を支援する重要な科学的な根拠となっております。
特に海外での流行初期段階で株を捕捉できる本事業のデータは、ワクチンの有効性を担保する上で、極めて高い価値を有するものと考えられます。
令和7年度に本事業によって分離されましたB/Tokyo/EIS13-175/2025という株があるのですが、こちらは、WHOが推奨するワクチン候補株に選定されまして、また、国内で使用されるワクチンには本株が選定されました。
続きまして「細菌性呼吸器感染症の監視と流入リスク評価」です。
百日咳菌やマイコプラズマ・ニューモニエなど、細菌性の病原体について、入国時の監視によって、薬剤耐性株を含む国内への流入状況を把握することで、国内のアウトブレーク予測や医療機関への早期注意喚起に直結すると考えられます。
それから「主要な呼吸器感染症病原体の推移を把握」。
これは、ライノウイルスやRSウイルスを含め、多種多様な病原体が本事業で検出されておりますが、新型コロナウイルスは4月から9月、インフルエンザウイルスは冬季にピークを迎えるといった季節性の推移が可視化されます。これによって、臨床現場における鑑別診断や公衆衛生対策の最適化にも有用であると考えられます。
続いて「国内外のサーベイランスデータ統合による包括的なリスク評価体制の構築」。
国内の「急性呼吸器感染症病原体定点サーベイランス事業(ARIサーベイランス)」と本事業による入国時の感染症ゲノムサーベイランスデータとの比較・分析によって、国内の病原体の流入から国内流行に至るプロセスを包括的に把握することが可能になるかもしれないということと、将来的なパンデミックに対しましては、国家レベルの健康危機管理能力の向上につながると考えられます。
最後に「iCROWN事業との連携による病原体情報・病原体リソースの蓄積と研究開発への寄与」ですが、本事業での解析後の残余検体がiCROWNに格納されます。
分離した病原体株、あるいは病原体情報が蓄積されることで、次世代ワクチンの開発、診断キットの精度検証、治療薬の耐性評価などの創薬・研究開発を加速させる基盤となり得るのではないかと考えられます。
私からは以上になります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
入国時感染症ゲノムサーベイランスについて、概要と、成果と発展性というところで御説明をいただきました。
それでは、委員、参考人の皆様から御質問、御意見等があれば、お願いしたいと思います。
まず、詫摩委員、お願いします。
○詫摩委員 どうもありがとうございました。
非常に有意義な事業だと拝察いたしました。
一方で、現状では、資料2の4ページで御説明があったとおり、有症者の14.2%ということで、かなり少ないのではないかと感じました。
かつ、その中の8割が日本人ということで、全体のベースをいかに上げていくのかということと、かつ、外国人の協力者をどのように拡大していくのかということが今後の課題なのかなと思いましたので、インセンティブを高めることも含めて、調査の対象を広げていくことが課題なのではないかと感じました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続いて、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
この研究の今後の発展性について、質問させていただきたいと思います。
先ほど検査項目を拝見したところ、どちらかというと、既知の病原体を対象にしたゲノムサーベイランスということで、すなわち、指定感染症をターゲットにしたサーベイランスだと理解しました。
感染症の歴史を見ると、国内より国外で新たな感染症が発生するリスクが高いことを鑑みますと、現行サーベイランスの陰性検体から、ホールゲノムシーケンス等で積極的に新たな病原体を検索するなどの模索等も必要かなと思っていますので、もしこれに関して何か取組があったら、現状単位で教えていただければと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、小竹委員、お願いします。
○小竹委員 東京都の小竹でございます。
今後の発展性が期待されるすばらしい事業だと思っております。
都からは、2点要望を伝えたいと思います。
この事業は、iCROWN事業と連携して、病原体の動向を今後見ていくのですけれども、麻疹など、海外の感染動向が国内に大きく影響を与えるような感染症につきましても、状況に応じて、現行の検査項目に加えることについて、御検討いただければと思います。
もう一点は、このサーベイランスに加えまして、空港敷地内の下水サーベイランスの実施につきましても、国土交通省と御協議の上、検討を進めていただければと思っております。
東京都からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
先ほど詫摩委員から御指摘があった、協力者の割合が比較的低いので、それをどのように増やしていく、確保するのかというところと、それを補完するような意味で、空港の下水サーベイランスという協力がなくても、検体は確保できるところがあるのでというお話かと思いました。
ほかにいかがでしょうか。
よろしいですか。
そうしましたら、ただいまの委員の皆様の御意見に対して、事務局からレスポンスいただけますでしょうか。
○助廣検疫検査専門官 事務局です。
貴重な御意見をありがとうございました。
まず、現状といたしまして、協力者が有症者のうち14.2%で、少ないのではないかというような御発言につきまして、まさにそのとおりだと感じているところがございます。
そのため、我々としましても、外国の方々の協力者を増やすという点におきましては、説明文書を日本語、英語のみならず、アジア地域に特化した中国語であったり、韓国語であったり、あるいは東南アジアのタイ、ミャンマー、インドネシア、ベトナム語であったりを作成して、現在、それについての効果を確認しているところになります。
インセンティブというようなところにおきましては、現状はまだ簡易キットでうまみをつけているところなのですが、こちらにつきましては、これ以上、また何かしら検討が必要になったときには、中のほうで考えたいと思っております。
ありがとうございます。
続いて、小竹委員の御質問から先にお答えさせていただきたいと思っております。
下水サーベイランスにつきましては、現時点では、つなげていくところは実施していないのですが、下水サーベイランス、あるいはARI入国時感染症ゲノムサーベイランスについては、新型インフルエンザ等行動計画におきましても重層的サーベイランスとして位置づけられておりますので、今後、一体的な監視体制として活用されていくものではないかと考えております。
また、麻疹についても、貴重な御意見をありがとうございます。
現行の項目に加えるところについても、なかなかハードルが高いと考えているところになりますが、現在、呼吸器感染症というところで実施しておりまして、その残余検体をiCROWN事業と連携して、入れていくような取組をしておりますので、その後の研究で利活用されるようなところに寄与できればと考えております。
最後に、発展性というところで御意見をいただいたところかと思います。
国外でのリスクが高い新感染症であったり、未知の感染症というところで、陰性検体の模索というところで御意見をいただいたところになりますが、こちらにつきましては、JIHSの影山先生からコメントをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
あわせて、麻疹につきましても、何かコメントができれば、お願いできればと思います。
○影山参考人 ありがとうございます。
御質問ありがとうございます。
まず、発展性といいますか、陰性検体の詳細な解析ということですが、こちらは、本事業の中ではできないということですので、今、iCROWN事業に検体を譲渡しまして、その後、利活用研究という形で、陰性検体について詳細解析の実施を計画しているところであります。
実際、この部分の研究については、AMED研究で採択いただきましたので、検体の譲渡の手続が少し遅れていたところもあって、まだ取りかかれていないのですが、実際に陰性検体について、未知の病原体も含めて、どういったウイルスがあるのかということをしっかりと見ていくことは非常に重要ですので、そこは研究として実施していく予定になっております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
不明病原体の検査は重要であるのですが、何か新たな病原体が流行したときに、常にこれまでの残余検体で振り返って検査ができるような体制を取っていくことが非常に重要なので、そのためにiCROWNで検体を確保されていると理解しています。
常にNGSで不明病原体の検査をやっていくかというと、コストの面等もあるので、そこは影山先生の研究班でもまた検討していただければと思いました。
それから、麻疹のお話がありました。
麻疹は、日本ではエリミネーションされている感染症で、今回の国内での患者発生についても、輸入からの二次感染ぐらいまではあったところになるわけですから、こういった入国時のサーベイランスもぜひ活用していくべきなのではないかと感じるところです。
ただ、これが検査の仕組みとして項目に入っていれば非常にやりやすいわけですが、そこの技術的なところも影山先生に検討していただければと思うところなので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、越田委員、お願いします。
○越田委員 詳細な御説明をありがとうございました。
15ページの下から2つ目、国内のARIサーベイランスとゲノムサーベイランスをお互いに補完する形で、流行を追っていかねばならないと、改めて思いました。
3ページを御覧になっていただきますと、ARIサーベイランスでは、クラミジアやマイコプラズマといった感染症の把握が難しいので、併せてゲノムサーベイランスの結果に着目していくことが大切でないかと思います。
ありがとうございました。
○脇田部会長 越田委員、ありがとうございました。
そうですね。
それに加えて、細菌性呼吸器感染症で、百日咳、マイコプラズマといったところがあって、ここもいわゆる薬剤耐性の百日咳菌、あるいはマイコプラズマの輸入が問題になったところがあるので、こういったものもしっかりと監視できる体制は重要かなと感じているところです。
そのほかにいかがですか。
大丈夫ですか。
越田先生の御意見は、御意見というところで、事務局には特にレスポンスをいただかないところですが、特にこれ以上なければ、入国時感染症ゲノムサーベイランスは非常に重要な事業だというところで、成果も出していただいて、今日御報告いただいた方向でまた進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、そのほかに委員の皆様、あるいは事務局から何かございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、議事を事務局にお返ししたいと思います。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
この後、当方で記者ブリーフィングとして、議事の概要等を御説明させていただく予定としております。
次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日はお忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。

