第103回 厚生科学審議会感染症部会 議事録

日時

令和8年4月22日(水)10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(5階)

議題

(1)「蚊媒体感染症に関する特定感染症予防指針」の改正について
(2)感染症対策上の必要性の高い医薬品の承認申請について(報告)
(3)麻しんの現状と対策について(報告)
(4)匿名感染症関連情報の第三者提供に係る年間実績について(報告)

議事

○小谷エイズ対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまから、第103回「厚生科学審議会感染症部会」を開催します。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
 私、本日議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 本日は、ウェブと対面のハイブリッドで開催することとしております。
 ウェブ参加の方々が御発言される場合には、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントをしていただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。タイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえないなどのトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、今回から新しく感染症部会に加わられました委員を御紹介いたします。
 慶應義塾大学法学部教授の詫摩佳代様です。
○詫摩委員 よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 次に、委員の出欠状況について御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえ、委員のお名前をこちらから申し上げるので、一言お返事をいただければと思います。
 五十音順によろしくお願いいたします。
 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 越田委員。
○越田委員 越田でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 島田委員。
○島田委員 島田です。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 詫摩委員。
○詫摩委員 詫摩です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 原委員。
○原委員 原です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 松本委員。
○松本委員 松本です。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 宮﨑委員。
○宮﨑委員 宮﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 なお、小西委員、成田委員から御欠席の連絡をいただいております。また、四柳委員から途中中座されるとの御連絡をいただいております。
 また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構より葛西様。
○葛西参考人 葛西です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 砂川様。
○砂川参考人 砂川と申します。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 関様。
○関参考人 関です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 俣野様。
○俣野参考人 俣野です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 東京都より小竹様。
○小竹参考人 小竹です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 以上の御参加をいただいております。
 以上、現在、感染症部会委員19名のうち17名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
 議事次第及び委員名簿、座席図、資料1、2、3、4、参考資料1から4となります。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 承知しました。
 改めまして、おはようございます。
 本日も感染症部会、よろしくお願いします。
 本日、ハイブリッドということですので、会場の皆様には挙手をしていただいて、また、リモートの先生方におかれましては、「挙手ボタン」を押していただいて、発言のときはどうぞよろしくお願いします。また、積極的な御発言をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、議事に入ってまいります。
 議事次第を御覧ください。今日は4件ございます。
 1件目が審議事項、残り3件は報告事項となっております。
 まず、最初の議題1「『蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針』の改正について」でございます。
 資料1がありますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○大塚感染症情報管理室長 スライドに沿って御説明させていただきます。
 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針の改正についてでございます。
 スライドの2ページ目をお願いします。
 最初に指針の位置づけと蚊媒介感染症に係る状況について御説明させていただきます。
 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針は、感染症法第11条に基づき、蚊媒介感染症の総合的な予防を推進するために定められています。
 この指針は、少なくとも5年ごとに再検討することとされており、前回の改正は令和3年でした。
 この指針は、平成26年の代々木公園でのデング熱の国内感染発生を契機に、平成27年に策定されました。その後、ジカウイルス感染症の流行やネッタイシマカの国内定着リスクなどを踏まえて、改正が行われてきました。
 最後の改正である令和3年以降の近年の状況といたしましては、2024年以降、デング熱やチクングニア熱が世界各地で大規模に流行しています。スライドに、BlueDotが作成した世界のデング熱感染者のグラフを掲載しております。グラフからも、2024年に大きく患者数が増加していることが分かります。なお、こちらのデータは報道ベースの数値も含むグラフであり、正確な患者数を示すものではないことに御留意いただきますようお願いいたします。
 また、チクングニア熱については、昨年、欧州や中国でも感染例が報告されており、蚊媒介感染症は熱帯地域だけの問題ではなくなってきております。
 2024年にWHOとユニセフが公表した文書では、気候変動による環境変化が蚊媒介感染症のリスク増加の要因の一つであると位置づけられており、我が国の気候変動適応計画でも、ヒトスジシマカの生息域拡大や活動期間が長期化する可能性があることが言及されています。
 先月には、JIHSが「チクングニア熱の発生状況とリスク評価」を公表し、その中で、輸入感染症を起点として国内発生の可能性があると言及されています。
 こうした状況を踏まえると、これらの蚊媒介感染症については、国内で感染が拡大する可能性が高い状況にあると言えます。
 次のスライドをお願いします。
 こうした状況においては、自治体における蚊媒介感染症対策の重要性がより高まってまいりますので、全国の都道府県及び保健所設置自治体を対象にアンケートを実施し、蚊媒介感染症への対策の実態を調査いたしました。
 自治体における蚊媒介感染症対策の流れは、スライド上部の矢羽根のとおり、まず行動計画を策定し、行動計画に基づいたリスク評価を行い、平時の蚊媒介感染症対策を実施し、有事の際には速やかな対応を実施するというものですが、アンケートの結果、それぞれの対策フェーズにおいて課題があることが明らかとなりました。
 スライドの中段部分を御覧ください。
 まず、行動計画等の整備については、6割以上の自治体で整備されておらず、リスク評価に基づく平時の蚊媒介感染症対策として、約6割の自治体でリスク地点の選定を実施しておらず、清掃や蚊の調査の対応が行われておりませんでした。
 有事対応の事前の準備という点では、殺虫剤等の備蓄や人材養成を実施していない自治体が半数以上に上っています。
 こうした課題に対処するため、スライドの3段目にこれからの対応策を記載しております。
 行動計画の整備不足については、指針に行動計画等の整備の着実な実施について記載するほか、行動計画策定に当たって都道府県等の皆様に御参照いただく手引をより分かりやすく改訂いたします。
 また、リスク評価によるリスク地点の選定や、リスク地点における清掃や蚊の調査など、平時の対応不足についても同様に指針にリスク評価の着実な実施について記載し、手引にリスク地点における清掃や蚊の調査など、それぞれの手順を明確化します。
 有事対応の準備不足については、引き続き、平時からの殺虫剤の備蓄や散布機の整備についても検討するとともに、駆除に当たって事業者に委託する場合は、連携していただきます。また、人材の養成についても、JIHSや厚生労働省において実施する研修の機会を拡大する予定です。
 スライドの4ページ目をお願いします。
 こちらは、こうした対策を含め、今後の蚊媒介感染症対策と指針改正のポイントをまとめております。
 ポイントは主に、指針に世界的な状況を追記すること、都道府県等における対応強化のため指針への追記をし、国の支援も充実させること、研究開発に関する最新知見を踏まえた対策を指針へ追記することの3点です。
 1つ目の蚊媒介感染症に関する世界的な状況につきましては、デング熱やチクングニア熱の患者の世界的増加、インバウンドの増加、気候変動の影響等を背景に、輸入感染症例を起点とした国内感染拡大の可能性とその対策強化の必要性を指針に記載しました。
 2つ目の都道府県等における対応・整備の強化についてでございますが、国内発生時の初動対応は自治体が中心となるため、行動計画の整備、リスク評価の実施、積極的疫学調査や蚊の密度調査などの蚊媒介感染症を実施する自治体職員の人材育成、検疫所との連携といった項目をより明確に、かつ着実に実施するよう記載を強化しました。
 また、指針には記載しておりませんが、国としても自治体を支援する体制を強化いたします。具体的には、地方公共団体向け手引等の記載を整理し、行動計画の作成のための手順をより分かりやすく改訂する予定です。
 また、JIHSによる研修を拡大するとともに、厚生労働省による動物由来感染症対策技術研修会での蚊対策の研修を毎年の実施とする予定です。
 引き続き、感染症法に基づく駆除費用の一部を国が負担することを継続する予定でございます。
 これらにより、自治体が平時からの備えを進め、国内発生時に迅速に対応できる体制を整えることを支援してまいります。
 最後、3つ目、研究開発に関する最新の知見を踏まえた対策の実施についてです。
 デング熱やチクングニア熱については、重点感染症に指定されていることも踏まえ、蚊媒介感染症のワクチンについて研究開発を推進すること、最新の知見を踏まえた研究を関係機関等と協力して進めることなどを明記いたしました。
 本指針については、部会で御議論いただいた後、パブリックコメントを実施し、所要の法令改正手続を経て、速やかな公布を目指してまいります。
 次のページでございますが、御参考として、国内で蚊からウイルスが検出された場合と、国内感染症例の患者が発生した場合の初動概要を掲載しております。
 世界的な流行、気候変動、インバウンドの増加など、蚊媒介感染症を取り巻く環境は大きく変化しております。国内で感染が拡大する可能性があることから、平時からの備えがこれまで以上に重要です。今回の指針改正と国の支援強化を通じて、自治体と連携しながら、国内での感染拡大を防ぐための体制をより確実なものとしていきたいと考えております。
 御説明は以上です。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 どうも御説明ありがとうございました。
 今御説明いただいたとおり、我々、平成26年の代々木公園での70年ぶりのデング熱の流行というものも記憶に新しいわけですけれども、その後、新型コロナの感染症流行があり、指針が令和3年に改定されたわけですけれども、2ページで御説明いただいたとおり、最近のデング熱がまた非常に世界的に感染者が増えているというところ、また、チクングニア熱に関しても、日本の近くでは中国でも感染者の増加が報告されているというところですから、気候変動の影響もあって、いつまた日本に国内流行、あるいは、さらに国内で定着をしていくといったリスクも今後考えられるというところですから、ぜひ今回の特定感染症予防指針の改定に伴って、3ページで示していただいたような課題についてしっかりと対応していこうというところだと理解をしています。
 今日は、媒介蚊の専門であるJIHS感染研の葛西参考人にも御参加していただいていますので、もし葛西参考人が特定感染予防指針の改正について何か御意見とかがあれば、今もし御発言があればお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○葛西参考人 今、脇田先生にまとめていただきましたように、最近、蚊媒介感染症、特にデング熱とチクングニア熱に関する国内感染のリスクが高まっておりますので、これを機に指針を改正するというのは非常によいことだと思っておりまして、今回出していただきました指針の改正案も全面的に私はいいことだと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、今回の改正について今御説明があったところですけれども、委員の皆様から、あるいは参考人の先生方から御意見、御質問等あればお受けしたいと思いますので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 それでは、順番に御指名させていただきます。まず、島田委員、お願いします。
○島田委員 よろしくお願いいたします。
 御説明を先生方ありがとうございました。
 私からは2点質問させていただけたらと思います。
 改正に人材育成のことが入れられたというのはとてもよかったと思います。どうもありがとうございます。
 その点に関して、例えば厚生局ごとに地方に行って何か研修をする予定がありますかということが一つ。
 もう一つは、どうしても基本的に輸入感染症である蚊媒介感染症は、人で見つかる確率のほうが多いのかなと思いますが、例えばクリニックベースでデング、チクングニア、ジカなどの検査ができる体制があるのか、それとも、なければどのように整えていく計画があるか。
 以上2点です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 数人ずつまとめてレスポンスいただいていきますので、次に白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いいたします。
 御説明ありがとうございました。
 自治体の6割ぐらいが調査もしていない。全部はやっていないということだと思うのですけれども、東京都なんかもかなり経験をされたということで、調査の公表などもしていらっしゃると思うのですが、どのような形で調査をして、実際公表というか結果がどうだったかということを、ぜひ自治体ごとに公表していただきたいというか、それをまとめたところがJIHSだったりすると、自治体が検索しやすいような形で公表していただきたいなと思っています。それによって、自分事ではないと思っているところが、やはりやらないといけないかなというふうに、こういうやり方だったらできるのではないかということの学びにもなるかなと思いました。
 もう一つは、今、指針の改定という中で、行動計画なども具体的にということで、自治体への支援も具体的に計画していただいていると思うのですけれども、自治体のほうは、さきにパンデミックを経験したということで、感染症予防計画や健康危機対処計画を保健所、地方衛生研究所でつくっているはずなのですが、パンデミックだけではなくて、保健所とか自治体によりますけれども、ここに慢性感染症とかを入れているところもありますので、蚊媒介感染症についても、感染症予防計画に入れているのか、そうでないのかとか、そういう調査もしていただきながら、ぜひここにも含めていただくということが必要なのではないかなと思いました。ちょうどこの指針と予防計画が整合性を持って自治体で対応できるように実効性を持つということを目指したいと思いますので、改めての御支援をよろしくお願いしたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 次に詫摩委員に御意見を伺って、そこで一旦レスポンスを聞きたいと思いますので、詫摩委員、よろしくお願いします。
○詫摩委員 どうもありがとうございます。
 費用の点で1点質問がございます。
 今の御説明ですと、主に蚊を駆除する際の費用の一部を国が負担するというふうに説明があったと思うのですけれども、これ以外にも例えば人件費だったりとか、その調査の費用だったりとか、いろいろ各自治体にこの改正に伴う費用が発生すると思うのですけれども、蚊の駆除に関する費用のみが補助されるという理解でよろしいでしょうか。その場合に、それで各自治体がやろうというようなインセンティブになるのかを少し疑問に思ったところです。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま3名の委員の先生から御意見いただきましたが、ここで事務局にレスポンスをいただければと思います。よろしくお願いします。
○大塚感染症情報管理室長 ありがとうございます。
 まず、島田委員からの御質問でございます。人材育成について、例えば厚生局ごとに行っていく必要があるかどうかという点につきましては、現時点では、国で、厚生局ごとなどではなくて、1か所で実施する、ハイブリッドなども用いて行うことを検討しているという状況でございます。厚生局の地点ごとだとか、少し地域を限定して行う研修の必要性については、JIHSの先生方とも検討してまいりたいと考えます。
 2点目でございます。人で見つかる場合のクリニックでの状況でございますが、デング熱の検査については、現在、入院を要する方に対して、速やかに重点的な治療を開始することを目的とするもののみ保険適用がなされることとなっております。委員御指摘のとおり、入院を受け入れていないクリニック等においては検査キットを置いていないということもあると承知しております。
 御指摘の点につきましては、今後、エビデンスが集積されて、入院を受け入れないクリニック等においても、検査を保険適用することが必要となった場合には、関係者とその必要性を含めて検討していきたいと考えております。
 次に、白井委員の御質問でございます。自治体の調査状況の公表につきましては、自治体にも御相談しながら検討を進めてまいりたいと思います。
 2点目でございますが、感染症予防計画に含める点でございますが、こちらに入れられるかどうかというところ。
○鷲見感染症対策部長 感染症対策部長でございます。
 予防計画との関係でございますけれども、今、特定指針という形で、今回、蚊媒介について個別のものという形にしておりますけれども、予防計画との関係についてはまた事務局のほうで整理したいと思います。ありがとうございます。
○大塚感染症情報管理室長 次に、詫摩委員の御質問でございます。費用の点については、現時点で蚊の駆除のみの費用でよいのかというところでございますが、その御理解でよいのではないかと考えております。
 今回の問題が、行動計画の整備というところで大きな問題があったと考えております。そこはお金が大きくかかるようなものではなくて、まずそこを整備していただくこと。自治体の方々にヒアリングをさせていただいたところでも、費用が足りないからというような点で進められていないという状況ではなく、今回、費用の不足というよりはむしろ行動計画の整備ができていないというところに問題があったと考えており、まずはそこを支援させていただくという形で考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 地域の研修については、蚊の分布といったものも地域によって違いがあるかどうかとか、その辺もあるかもしれませんので、JIHS感染研、葛西先生ともよく相談していただいて、その辺りを検討していただければなと感じました。
 それでは、続きまして、四柳委員、お願いします。
○四柳委員 ありがとうございます。
 2点ほどコメントをさせていただければと思います。
 最初は、平時の対策あるいは予防に関するものということになりますけれども、水に関する対策ということになります。代々木公園のときにも、古タイヤが非常に問題になったと思いますし、今回の中国の広東省仏山市におけるチクングニヤ熱への対応でも、結局徹底をした水環境のコントロールにより感染を収束に持っていったと思います。
 したがって、水環境記載というのは何らかの形であったほうがいいのではないかなと私は思います。今のところ少なくとも予防指針上は記載がないような状況で、恐らく手引の中で具体的な対策ということで書き込まれるのではないかなと思っております。自治体にとっては水環境のコントロールは非常に大事なことだと思いますので、その記載に関してを再度御検討いただければありがたいなと思います。
 もう一点目は手引に関してです。2023年に最後に出ているとおり、今後改訂されると思いますが、現在は文字での記載がほとんどです。こういったように蚊媒介感染症の種類が非常にだんだんと増えていくと、フローチャートなり、表なり、そういったものを作って、一枚物で分かりやすく示さないと、地方自治体においても現場においても対応が難しいのではないかと思いますのでこれから先、本省でも、あるいはJIHSでも分かりやすいような情報発信をお願いできればなと思います。
 私のほうからは以上2点でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 また後ほど事務局にレスポンスしていただきます。
 それでは、次に宮﨑委員、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。宮﨑です。
 私のほうからはコメントと質問が1つございます。
 まず、今回の指針の改定で、研修等を通じて人材育成をするということが書き込まれたことは非常にすばらしいことだと思いますし、現実的なことだと思いました。ありがとうございます。
 その上で、平時のリスク評価の実施ということについて具体的に御質問をしたいのですけれども、葛西参考人が本日出席されておりますが、例えば葛西先生がやられているような、蚊を捕まえて、そこにどのようなウイルスがいるというような解析をできる専門家は国内にも非常に少ないと感じております。
 そういった中で、平時のリスク評価を行うときに、人材育成ということと一体化させるという意味もありますが、ぜひ平時の蚊が持っているウイルス等の疫学調査のような形でリスク評価を実施できるような体制をつくっていただけると、非常に現実的で有効だと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、森田委員から御意見を伺って、またレスポンスいただきたいと思います。森田委員、よろしくお願いします。
○森田委員 どうもありがとうございます。
 今の宮﨑先生の意見とも重複するのですけれども、1990年代に日本脳炎が超低流行になって以降、地方の衛生研究所の蚊のリスク評価ができる人材が定年になった後、補塡されていないという現実があって、この領域の人材育成が喫緊の課題だろうと、一つのテーマだろうと思います。
 今回の指針の改定の中にも、そのことはJIHSで人材育成をやると書かれております。ここのところはしっかりやっていただいて、地方の蚊のリスク評価ができる専門家の育成ということを、アカデミアも協力できると思いますので、しっかりやっていただきたいと考えております。
 その他、今回の指針の改定については私は賛成でございます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、またここで3名の委員からの御意見、御質問に事務局からレスポンスをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○大塚感染症情報管理室長 四柳委員の御意見でございますが、平時からの水環境のコントロール、この点は非常に重要なことと認識しております。毎年、夏の時期に、やはり予防という点で注意啓発していく際にも、たまり水の対策というのは厚生労働省からも発信しているところで、非常に重要な点と考えております。
 また、指針への記載、手引への記載という点、いま一度見直しまして、きちんとその点が伝わるような形にしてまいりますので、引き続き、この点を重点的に対応してまいります。
 2番目の点でございますが、一枚物で分かりやすい情報資材の作成をという点、かしこまりました。この点、作成をし、お示しさせていただきたいと思います。
 次に、宮﨑委員の御意見でございますが、人材育成の点でございます。森田委員からの御意見とも重複するところでございますが、今回指針に人及び媒介蚊についての積極的疫学調査の研修、また、蚊の捕集、同定、密度調査、駆除に関する研修と、加えて病原体検査の研修としており、地衛研を含む自治体の職員の皆様に、リスク評価の実施方法、また、それに基づく蚊の調査方法等の技術を身につけていただくことを想定しております。この点に関しましても研修でしっかりと対応してまいりたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、また続けて委員の皆様から御意見を伺っていきます。小竹参考人、お願いします。
○小竹参考人 東京都の小竹でございます。
 本日、コメントでございます。
 今回の予防指針の改正については、方向性について特に異論はございません。国内外での蚊媒介感染症の発生状況を踏まえますと、指針改正のポイントにもありましたように、平時からの備えが大変重要だと考えております。多くの自治体において行動計画の整備やリスクの評価を着実に実施することができますように、自治体が取り組みやすいよう、分かりやすい情報発信など、国による支援を充実させていただきたいと思っております。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、土井委員、お願いします。
○土井委員 お願いします。
 2014年のデング熱のときは、東京都や厚労省から適宜情報発信があったと記憶しているのですけれども、それでも報道が先行して不安が高まるというようなこともあったように記憶をしております。
 今回、蚊媒介感染症ということで、平時・有事の情報共有ですとか情報発信の在り方という点について、これは人材育成の中に入ってくるところかもしれませんが、御検討いただければという点が一つです。
 もう一点は、今、御説明の中で主に都道府県ということで案内がされていたと思うのですけれども、指針の改正案のほうは都道府県及び市町村という形で記載があります。今回の件に関して、都道府県と市町村の役割分担ですとか連携をどのように想定されているのかという点について御教示をいただければと思います。
 以上2点でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
 指針改正の方向性、内容に関しては賛同いたします。
 ほかの委員の御意見と重複する内容かもしれませんけれども、発生源管理について一つコメントをさせていただければと思います。
 2014年のデング熱の発生の際には、その発生源が大規模な公園で、行政等による積極的な介入が行われたと記憶しております。一方で、今後の話なのですが、民家ですとか民間の施設など、行政が直接介入しにくいと思われる比較的小規模な水源なども蚊の発生源として重要かと思うのですけれども、そうしたところへの予防的な介入がどのように行われるのかなというふうにちょっと疑問に感じております。
 こうした比較的小規模で、かつ、民間で所有されている発生源になると思われるような水源に関しても、今後の手引の改正等で蚊の発生予防策について分かりやすく実効性のある内容として、かつ、また広く周知、普及していただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、森川委員、お願いします。
○森川委員 大塚室長の答弁と少し重なってしまうのかもしれないのですけれども、平時の蚊の調査というのは、例えば検疫所が業務として行っているのは、航空機が海外から到着したときに、航空機内に蚊かいるかどうかというのを例えば捕集網で捕獲したり、あるいは検疫所の管轄区域内で二酸化炭素で蚊を誘引して捕獲するトラップを設けて、定期的に蚊の調査をされているのですけれども、それは海外からデング熱とかチクングニア熱を持ったような蚊が入ってくるかどうかという平時の調査であります。
 それと別に、例えばヒトスジシマカが温暖化によって北上していると。これは媒介可能な蚊の分布が広がっている、あるいはネッタイシマカがもし定着するようなことがあれば、それ自体でジカ熱とかチクングニア熱が発生するわけではないのですけれども、リスクが高まると。この2点で蚊の調査は必要だと思うのですけれども、地方自治体でのリスク地点の選定とか調査というのは、この両方の面からリスク選定されていくのか、その辺を教えていただければと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 これは一部、葛西参考人にも伺ったほうがいいかもしれませんので、後ほど伺います。
 それでは、原委員、お願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
 今回の改定で、疫学研究についても県や市町村と共同して行うという文言が入ったことは非常によかったかなと思いました。
 私の質問は、今の森川委員の御質問とちょっと近いかと思うのですけれども、リスク地点の選定に関して、3枚目の資料でいくと、総合的なリスク評価の中で、必要があればリスク地点の選定を行うと言ってしまった場合は、全ての自治体で行わないということもあり得るのかなと思いましたので、5年ごとの改定ということであれば、今回の改定で全自治体でそういったリスク地点の評価をしながらモニタリングをしていくとか、そういう方向性なのかどうかというところを教えていただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 また様々御意見、御質問いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、情報発信あるいはリスク評価の在り方といった調査のところ、事務局にレスポンスいただければと思います。よろしくお願いします。
○大塚感染症情報管理室長 まず、御意見いただきました自治体が取り組みやすい方法をという点、承りました。
 また、報道の関係で、情報発信の重要性について土井委員から御指摘がございました。おっしゃるとおりリスクコミュニケーションへの備えについては重要な事項と考えており、今回の資料の最後のページに参考資料として添付している5ページ目のとおり、有事の場合にあっては速やかに公表を行うこととなりますが、情報発信の内容については、JIHSにも必要に応じて技術的助言等をいただきながら、正確な情報発信に努めてまいります。
 一方、有事だけでなくて、平時からのリスクコミュニケーションについても重要ですので、先月、JIHSが「チクングニア熱の発生状況とリスク評価」を公表した際にも、記者の方向けの勉強会を実施いたしました。このように、引き続き丁寧な対応を心がかけてまいりたいと思います。
 土井委員からの2点目の御質問でございます。スライド5ページ目の右側の「適宜、他自治体と連携」としている部分となりますが、具体的には、地方公共団体向けの手引にも記載されており、広域での対応が必要となる場合にあっては、市町村間の区域を越えた一体的な対応を必要とすることが想定されます。都道府県において、感染症の専門家、媒介蚊の専門家、医療関係者、保健所を設置する市、特別区及び市町村の担当者、蚊の防除を行う事業者等からなる蚊媒介感染症対策のための会議を設置して、地域の実情に応じて会議を開催することが望まれます。
 また、蚊の駆除に当たっては、感染症法第28条第2項に基づき、都道府県はまん延防止が困難であると認めるときには、区域を管轄する市町村に駆除するように指示し、または都道府県の職員に駆除させることとなっていることから、そのような指示系統の下で対応を行っていただくことを想定しております。緊急時の対応マニュアルに、デング熱発生時の対応の流れとしてこれらのフローも掲載しております。
 次に、坂本委員の御意見でございます。この点は、手引の記載をいま一度見直します。大規模な発生場所だけではなくて、比較的小規模な発生場所についてもきちんと対応できる形になっているかというところをいま一度見直しまして、もし分かりにくい記載などがございましたら、その点を見直してまいりたいと思います。
 次に、森川委員、原委員からの、リスク地点の調査というところでございますが、海外からの渡航者が多く滞在するような場所ですとか、長期滞在者が多く滞在している場所などの観光施設、また寺社、公園、イベント会場を想定しております。手引にもその点を記載させていただいており、自治体でのリスク地点の選定において参考としていただいております。
 また、蚊の調査を実施する職員が、事前に選定したリスク地点に赴いて、蚊の密度調査や、必要があれば当該リスク地点にいる蚊を捕まえてウイルス保有の調査を行います。具体的には、先ほどお話しさせていただいていることとも重複しますが、流行地から多くの人が訪れることが予想されるか、また感受性者のばく露機会が多いか、この2つの項目に該当する管内の屋外の施設があった場合には、年平均気温や蚊の生息好適地を加味してリスク地点を選定し、蚊の密度調査、自治体によってはウイルス保有の調査を行います。そういった意味では、基本的にはヒトスジシマカが生息している地域がこういった調査の対象になります。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 今、最後のところは、葛西先生にも、もし何かコメントがあればいただきたいなと思うのですけれども、今、自治体のほうで蚊の密度調査、それからその蚊に含まれている病原体の調査等々ありましたけれども、これは自治体のほうでかなりそれが今できる状況にあるのか、あるいはさらに研修等々が必要になってくるか、その点いかがですか。
○葛西参考人 現状は、自治体で蚊からウイルスを分離したりとか、蚊の調査自体ができる人材がいるというところはなかなか少ないのではないかと思います。
 というのは、一応担当が例えば微生物部門とかで決められたとしても、異動が3年とか2年置きに行われて、私たちは毎年蚊に関する技術研修を行っているのですけれども、そういう研修を行っても、覚えていった方がすぐに異動されていて、なかなか専門家と言われる人たちが定着できない状況にあるということで、今回、指針の中でも、厚労省さんが「着実に実施すること」という言葉を結構入れていただけたので、もうちょっとそういう専門性のある方を置いていただけるというふうになることを期待しております。
 それから、先ほど森川先生のほうからヒトスジシマカの北上という気候変動の面と、ネッタイシマカの定着という両方の面でというお話だったのですけれども、今、ヒトスジシマカが北海道以外で分布していることが分かっていて、北海道で間もなく定着するのではないかという予測を基に毎年調査をやっていますけれども、これも競争的研究資金で、いつ途切れるか分からないような資金で、限られた人材でやっておりますので、今後、自治体の方自身で調査していただいて、侵入しただけではなくて、密度がどういうふうに気候変動とともに上がっていくかというようなことも詳細に調べていただくことが重要ではないかと思っています。
 ネッタイシマカに関しても、今のところ気候だけで言えば、種子島とか屋久島よりも南では定着可能であるのですけれども、かつて沖縄なんかでも分布していたのですが、例えば戦争時であれば、防火水槽など水たまりが結構たくさんあって、発生しやすい状況があったのですけれども、今は気候以外の部分もいろいろファクターがあって、感染研のほうで予想、モデル解析を行いながら、今後の方向性を考えていって、もし定着するようなリスクが高まってきたら、自治体の方に実際に動いていただく、そんなようなことかなと考えています。リスク自体は今も、近い将来存在すると考えております。
○脇田部会長 葛西先生、どうもありがとうございました。
 自治体で調査等々を実施するに当たって、やはり専門家をしっかり育成すると同時に、専門家が定着するということが重要だということでした。地方衛生研究所の人材育成の難しさというところもあると承りました。ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。それでは、会場のほうから、越田委員、よろしくお願いします。
○越田委員 金沢市保健所から参りました越田でございます。
 指針の改正に関しましては、私は全面的に賛成させていただきます。
 加えて、意見を2点と質問を1点述べさせていただきます。
金沢市保健所管内で、昨年チクングニア感染症が診断されました。大学病院から、不明熱熱で、どの様な感染症か分からない小児がいるのでと検査依頼が保健所にありました。金沢市保健所では、検査室でジカ熱、チクングニア熱、デング熱をPCRで診断できる体制をとっておりましたので、すぐに検査を行ったところ、夕方にはチクングニア陽性の結果が出ました。チクングニアの感染がはっきりした小児は旅行者でしたし、比較的全身症状がよかったので、その後、日本国内の旅行を継続されました。
 1つ目の意見は、蚊媒介感染症のPCR検査は私共中核市レベルの保健所検査室でも可能ですので、迅速な診断のためにも都道府県の地方衛生検査所だけでなく、検査室を持っている中核市レベルの保健所の検査体制を整えて、迅速な診断に繋げることができるようにしてはどうかということです。
 
 2点目の意見は、細かい話で申し訳ありませんが、参考資料1の改正案の9ページの一番下、蚊媒介感染症に罹患した方が、次に献血をするときには、治癒後あるいは症状消失後も一定期間献血を控えるのはもっともなことだと思いますいますが、一定期間という表現がが少し曖昧です。例えば年単位なのか、月単位なのか、もう少し分かりよく記載されると現実的ではないかと思いました。5年間、10年間献血を控える必要はないと思いますので、一定期間の言い回しをもう少し具体的に記載しては如何かと思います。
 
 質問は、リスク評価に関するものです。日本脳炎の場合は過去に養豚場の豚の抗体価の上昇によってアラートの発信がありましたが、本日話題の蚊媒体感染症には増幅動物がいないので、間接的証明によるアラートの発信は難しい。従って先ほど飛行機の中で蚊を捕獲して直接的証明に繋げるとのことでした。では、海上交通、船舶によって運ばれる蚊がいるとすればどのような形で上陸するのでしょうか?葛西先生にお尋ねしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 大曲委員、それから笹本委員、順番にお願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。大曲です。
 越田先生のおっしゃったことを伺っていて、僕も臨床のほうで少し思ったのですが、うまく文面は落とし込めていなかったのですけれども、要は地域において自治体と医療機関の連携の中で適切な検査体制を組むといいますか、そうしたことをぜひ御検討いただけるような文面を加えていただければと思います。
 というのも、10年前の流行があってよかったのは、検査キットとか迅速キットが承認されて使えるようになったということなのですけれども、2021年頃に学会で調査をやってみたのです。そうすると、最初は感染症指定医療機関と学会が指定したいわゆる蚊媒介感染症を診るという医療機関なのですけれども、実際にマラリアの検査ができると回答していただいたのは、回答していただいた263の医療機関のうち41%で、デングの検査が自分のところでできるとお答えになったのは39%なのです。では、何でこの数字なのだという話になるのですけれども、実際に病院で検査をやっている側からすると、迅速キットを使う機会はあまりないのですけれども、買うとそれなりの額になります。無駄になるのでふだんから置いておけないという事情もよく分かりますし、先ほど検査の適応の話もありまして、ちょっと敷居が高いからというところもあるので、現場としては使いにくい面があるのだろうと思います。
 となると、自治体での検査というところに頼りたくなるわけなのですけれども、そこにしてもできるかどうか、キャパシティーの問題というところも絡んでくるので、一方的には決められない話かなとも思っています。最終的には自治体と医療機関が補い合いながら対応するということが現実的には重要かなと思っておりますので、その辺りを意識していただけるような文面を盛り込んでいただければと思いました。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 笹本委員、お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
 画面のほうに参考資料1の9ページが見えていますけれども、10ページに「医療の提供」というところがございます。今回は修正は予定されていないのですが、中ほどには「ジカウイルス感染症及びチクングニア熱」と書いてありますので、ここにデング熱が入っていない経緯等についてお教えてください。
 それから、「診断及び治療体制の整備」、また「医療関係者に対する普及啓発」については、非常に重要ですので、本会としてもしっかりやっていきたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、会場の3名の委員の皆様から御意見いただきましたので、また事務局からレスポンスをいただければと思います。よろしくお願いします。
○大塚感染症情報管理室長 まず、検査体制の確保というところで御意見いただいた点について、どういった記載が可能なのかというところを事務局で検討させていただきたいと思います。非常に重要な御指摘ありがとうございました。
 次に、献血の一定期間のところでございますが、実は疾患ごとに一定の期間が決まっておりまして、それぞれの疾患によって変わってきますのでこういった書き方をさせていただいたのですけれども、もう少し規模感が分かりやすい記載に変えられるかどうか検討させていただきたいと思います。
 葛西先生、蚊の点の御質問について、お願いしてもよろしいでしょうか。
○葛西参考人 越田先生の質問でよろしかったでしょうか。飛行機、船のお話ですね。
○大塚感染症情報管理室長 はい、お願いします。
○葛西参考人 検証後の調べで、毎年、日本の国際空港で日本にいてはいけないネッタイシマカが捕獲されています。毎年のように捕獲されていて、昨年度で言うと少なくとも4回生きたまま捕獲されたりして、幼虫が30個体見つかった事例もありました。ですので、虎視たんたんとそういう外来の蚊が日本に侵入して定着を伺っているというのは事実でありまして、特にネッタイシマカに関しては、かつては熱帯のみに分布できるような蚊でしたけれども、最近ではブラジル、アルゼンチンなどで温帯にも適応したような集団が生まれつつある、できつつあるということが分かっていますので、そういうものも今後警戒していかなければいけないだろうなと思っているところです。
 あと、船に関しましても、私たちは集団遺伝学的解析というものをやることで、海外から、日本と同じヒトスジシマカなのですけれども、そちらに抵抗性を持ったようなものも侵入してきている事例が分かっていますので、非常に確率は低いので、そこまで大きく今のところ気にする必要はないかもしれないですけれども、そういう抵抗性の遺伝子を持ったようなものも侵入してきているということで、私たちはそういうものにも気をつけながら研究をふだんやっているところであります。
○大塚感染症情報管理室長 ありがとうございます。
 笹本委員から、10ページ目のデング熱もというところの御指摘でございますが、そこの段の後段のところで、「現時点では国内感染症例の報告がない」というところで、ジカウイルス感染症とチクングニア熱を記載させていただいております。デング熱については、輸入症例を発端とするというところとは考えておりますが、国内感染症例がこれまでございましたので省かせていただいておりました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、白井先生、手が挙がっています。よろしくお願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
 改めて、委員の先生方のお話や事務局の御説明をお聞きして、リスク評価については、海外の方が常にいらっしゃる大都市とかだけには限らず、大規模イベントなんかが地方で行われたりするマスギャザリングもあると思いますので、そういうときに必ずリスク評価をその地域がやるということも指針から読み取れるようにしていただきたいなと思います。
 ただ、そういうときに、なかなか検査の専門家が育たないとか、検査は地衛研でもできるレベルであるというお話を聞きましたら、一つの自治体の地衛研ではなかなか難しかったり、技術の継承が難しいというお話があるのであれば、自治体間の連携というか、地方衛生研究所のブロックごとの連携もあると思いますし、保健所長会の地方ブロックもありますので、ブロックの中での連携がこの検査であったり、リスク評価であったり、できるような仕組みができたらいいのではないかなと思っておりますので、そういうことについての技術的助言も厚労省のほうからお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。時間も大分来ていますので、そろそろと思いますが、もしなければ、今の点についても何かレスポンスはございますか。
○大塚感染症情報管理室長 白井委員、御指摘ありがとうございました。
 大規模公園とかではなくて、そういったイベント等でも読み取れるようにというところで、いま一度文言を見直しまして、もし読み取れないようなところがありましたらその点対応させていただきます。
 自治体間の連携につきまして、どういった対応が可能なのか、御意見を踏まえて検討させていただきます。
○脇田部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、皆様から多くの御意見をいただきまして、ありがとうございました。ただ、今の議論を通しても、蚊媒介感染症に関する危機感といいますか認識というものは共有されていると感じたところでございます。
 事務局から今回提案された特定感染症予防指針の改正につきましては、賛同の御意見が多く、それから、意見は多くいただきましたので、その点は事務局でまた整理をしていただけるということにして、感染症部会として、この改正について了承するということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 そうしましたら、事務局におかれましては必要な手続を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に入ってまいります。議題2を御覧ください。「感染症対策上の必要性の高い医薬品の承認申請について」でありますが、医薬品のことですので、COIについてまず御報告をお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
 本日御出席されている委員の過去3年度にわたる関連企業からの寄附金などの受け取り状況について申告をいただきました。
 事務局において当該内容を確認いたしまいたところ、その結果、審議不参加となる基準に該当された委員はいらっしゃいませんでしたので、その旨御報告いたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、資料2の説明を事務局からお願いいたします。
○守川パンデミック対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 パンデミック対策推進室長の守川でございます。
 資料2について御説明申し上げます。
 感染症対策上の必要性の高い医薬品の承認申請について、第11回危機対応医薬品等に関する小委員会で御議論をいただきまして、御承認いただきましたので、御報告申し上げたいと思います。
 次のページをお願いいたします。
 まず、背景でございます。「感染症対策上の必要性の高い医薬品の承認申請について」という通知が発出されてございまして、公衆衛生危機管理の観点から早期の承認が必要と考えられる感染症対策上の必要性の高い医薬品の承認申請に係る考え方が整理されているところでございまして、本通知におきまして、感染症対策上の必要性の高い医薬品に該当するものは、健康・生活衛生局感染症対策部の要望を受け、医薬局において決定され、PMDAにおいて通知されることとされてございます。
 本件におきましては、第90回厚生科学審議会感染症部会、本部会におきまして、感染症対策上の必要性の高い医薬品の該当性については、厚生科学審議会感染症部会MCM小委員会において審議を行うというところが御議論され、御承認いただいているところでございます。
 次のページをお願いいたします。
 こちらも感染症部会等で御議論いただきました内容でございます。
 上の背景の2ポツ目でございます。発生はまれでございますが一定の頻度がある輸入感染症、その他希少性の高い感染症等の重点感染症に関しましては、感染様式でございましたり疾病伝播の傾向から直ちに特例承認制度等を適用する必要性はない医薬品であったといたしましても、感染対策上の必要性や公衆衛生危機管理の観点から早期の承認につなげるための手順を整備する必要があるということを御議論、御整理いただいたところでございます。
 右側の赤いところを御覧になっていただきますと、これが感染症対策上の必要性の高い医薬品の場合の承認のフロー図になってございます。
 1番目、1といたしましては、厚労省におきまして、感染症対策上必要性の高い医薬品について検討いたしまして、赤字のところでございますが、MCM小委員会にて御議論、御審議いただくと。
 2といたしましては、MCM小委員会において了承が得られた場合、厚生労働省(医薬局医薬品審査管理課)に対し、早期承認の要望を行い、3番目といたしまして、医薬局医薬品審査管理課にて要望を受理いただきまして、PMDAのほうに対して通知をするという流れになってございます。
 次のページをお願いいたします。
 感染症対策上の必要性の高い医薬品に該当する医薬品の条件がこのページに書いてございまして、簡単に申し上げますと、該当する医薬品、上の赤のところでございますけれども、1点目といたしまして、重点感染症に対する医薬品その他の感染症対策上の必要性の高い医薬品であること、2つ目といたしまして、国内で発生が極めて少なく又は発生していない等の理由で、国内の医療環境下における患者を対象とした有効性に関する比較試験の実施が困難であること、3番目といたしまして、その用途に関しまして、外国において承認されていること、4番目といたしまして、申請者が、外国の承認申請において提出した資料を日本においても提出することができるといったところが書いてございます。
 2ページ目にお戻りいただきたいと思います。
 それも踏まえまして、現状でございます。
 1ポツ目でございます。エボラ出血熱に関しましては、感染力、また罹患した場合の重篤性から見た危険性が極めて高く、感染症法における一類感染症に分類され、また、重点感染症のうちのGroup Bに分類されているところでございます。
 エボラ出血熱に関しましては、治療薬であるアンスビマブ、アトルティビマブ、マフティビマブ、オデシビマブにつきましては、令和6年度の厚生労働科学特別研究事業におきまして、欧米では承認されているが国内では承認されていない医薬品のうち国内開発未着手の医薬品、ドラッグ・ロスと言われるものの一つとされてございます。
 それに関しまして、方針でございますが、一番下の四角のところでございますが、エボラ出血熱の重篤性や発生時の社会的インパクト等を踏まえまして、公衆衛生危機管理の観点からドラッグ・ロスを早期に解消し国内発生時に備えるため、以下の医薬品における、感染症対策上の必要性の高い医薬品に該当するものとしてはどうかということを御議論いただきまして、御承認いただきましたので、御報告申し上げます。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 MCMで感染症対策上及び公衆衛生危機管理の観点から早期に承認が必要な医薬品について、今回、エボラ出血熱の医薬品について、MCM小委員会で御検討いただいて、これを感染症対策上の必要性の高い医薬品に該当するということで御承認をいただいたという御報告をいただきました。
 それでは、委員の皆様から御質問、御意見等があれば。また、小委員会に御出席された先生方からも、もし何か追加のコメント等があればお願いと思います。
 まず、森川委員、お願いします。
○森川委員 ありがとうございます。
 エボラ出血熱とか、あるいは炭素の毒素に対する抗体医薬なんかもそうなのですけれども、アメリカのFDAの場合は、有効性試験を人ではできないようなものに関してはアニマルルールがあって、例えば霊長類とか齧歯類とか複数の評価できるアニマルモデルで代替するということが認められておりますが、日本にはそのシステムがないと。
 FDAはさらに、安全性とか有効性に関しても動物に置き換えて、AIを使ったりあるいは人の臓器モデルを使ったりして、安全性・有効性に関しても動物実験を不要とするというような動きがあるのですけれども、日本の医薬品承認ではその辺がまだ遅れていると思うのですが、こういうものを承認する場合、日本の医薬品の承認制度と少し違うところに関してはどうお考えなのでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 事務局からレスポンスいただきますけれども、感染症部会でなかなか医薬品の承認のルールのところまで踏み込むのは難しいかもしれませんが、事務局から、今の森川委員の御指摘に関してレスポンシスいただければと思います。
○守川パンデミック対策推進室長 大変重要な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 先ほどの説明の中で申し上げました通知、今回の参考資料2の中に書いてございますが、基本的には考え方といたしまして2ページの2でございますけれども、審査及び調査の実施に当たりまして、一部の試験結果について提出を求めないまたは承認後の提出とすることで差し支えないことと書いてあるところでございますけれども、外国におきまして、動物試験の成績のみで承認されまして、その後も新たなデータが得られていない場合は、患者さんを対象とした試験成績を提出することは必要ないと現時点では記載されてございます。
 ただし、(3)にも書いてございますように、申請者におかれましては、外国承認後から本邦における承認申請までの間に、海外で得られた知見等を我々のほうに提出していただくといったところを記載してございますので、そういったところでお答えになってございますでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 森川先生、参考資料2のところで今、御説明をいただきましたが、外国といいますか、当然米国でのデータがあれば、それを使って承認は可能と理解をしました。
 いかがでしょうか。
○森川委員 ありがとうございます。分かりました。
○脇田部会長 なので、日本でもそういった海外のデータを基に承認が可能であると。そのデータは動物のデータも含むということだということでありました。
 そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。それでは、次に進みたいと思います。
 次の議題、3番目「麻しんの現状と対策について」ということで、麻しんはかなり流行状況が懸念されているところですけれども、資料3について事務局からまず説明いただいて、その後、砂川参考人からも御説明いただくということにしたいと思います。
 まず、事務局からお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。感染症対策課の小谷でございます。
 麻しんの現状と対策についての御報告を感染症対策課と予防接種課のほうから併せてさせていただきたいと思います。
 3ページ目までおめくりください。
 皆様御存じのとおり、麻しんにつきましては、5類感染症全数把握という疾患になっております。
 症状としては、感染後通常10~12日間の潜伏期間を経て発症、発熱、上気道炎症状、結膜炎症状等が現れます。その2~4日後に発疹が生じ、再度発熱、3~4日後解熱しますが、いわゆる合併症として肺炎、中耳炎、脳炎等があり、麻しんが死亡率が0.1%と比較的高い疾患です。
 また、感染から数年後に約10万例に1例の割合で亜急性硬化性全脳炎(SSPE)等の脳症を発症することもあると。
 また、感染後は、全身の免疫細胞に感染する関係上、一過性に強い全身の免疫機能の低下等もあるということも挙げられているところでございます。
 感染経路は、空気感染を主とし、発症前日から解熱後3日間程度他者へ感染させる能力があり、同時に基本再生産数が12~18と極めて高い感染能力を持っております。
 一方で、治療については対症療法のみで、予防についてはワクチンが最も有効というところ、ここまでは公衆衛生的に皆様御存じのところだと思っております。
 今、現状につきましては、2015年にWHOのほうから、我々日本においては麻しんの排除認定を受け、引き続き麻しんの排除状態を維持することを目的とし、サーベイランスであるとかワクチンのしっかりとした接種などのところを取り組んでいることであります。
 発生の予防及び蔓延の防止については、診断した医師は直ちに届出を行うということを求めており、同時に、定期予防接種の接種率が95%以上となることを目的とした指針等の記載がございます。
 麻しんの排除認定については、先ほど少し述べましたが、2010年5月を最後に麻しんの土着株の感染伝播は確認されておりません。2015年3月27日に、WHOにより日本は麻しんの排除認定を達成したとの認定を受け、排除状態を維持しておりますが、2026年4月5日時点の速報値で、2026年時点で今、299例の報告があるといったところでございます。
 1枚おめくりください。
 述べましたとおり、日本の麻しんの累計報告数は299例で、直近10年で最も感染者の多かった2019年の同時期は412例でございましたが、比較すると7割程度でございますが、COVID-19感染症流行期以降最多という状態になっているところでございます。
 本年2月に愛知県の高校での集団感染が確認されたほか、各地でも散発的な麻しんの感染が報告されています。
 右に都道府県別の累積報告数がございますが、最も多いのは東京都で、次に多いのは鹿児島県という形になってございます。
 基本的に、2010年5月を最後に麻しん土着株の感染伝播は確認されていないことから、近年の麻しんの発生は海外から持ち込まれたものと考えられているところでございます。
 次のページを御覧ください。
 その中で、海外との往来の活発化の中で、どこの地域が多いのかという観点で見ると、インドネシア等を推定感染地域とする輸入事例の報告が増加しております。
 一方で、他方、国内感染症例も増加しています。現時点で全体の3分の2が国内発生となっているという状況もございます。
 1枚おめくりください。
 世界の状況にあえてここで目を向けてみると、2025年については世界的にも増加が見られております。麻しんの排除認定国であったアルメニア、オーストリア、アゼルバイジャン、スペイン、英国、ウズベキスタン、カナダが麻しんの排除認定の取消しという形になっております。
 昨今、大きな政策の変更もございました米国においては、2026年に報告された報告症例数は4月9日時点で1,714例という形になっております。昨年2025年の時点で年間2,283例であった中、既にその半数を超えており、今後の動向がかなり懸念される状況でございます。
 また、諸外国における麻しん含有ワクチンの接種率でございますけれども、イギリス、カナダいずれも95%を下回っており、非常に低下している状況があるということはこちらの場でも御説明させていただきたいと思っております。
 続きまして、ワクチンについて、予防接種課のほうから御説明いただきます。
○佐野予防接種課長補佐 予防接種課でございます。
 8ページ目を御覧ください。
 まず、定期接種に関します基本的な情報をおまとめしております。
 対象年齢に関しましては、1期が生後12か月~生後24か月、1歳の年齢になっておりまして、2期が小学校就学前の1年間と定められてございます。
 定期接種に関するこれまでの経緯ですけれども、8ページ目の中段になります。
 昭和51年の法改正を契機といたしまして、昭和53年から麻しんの定期接種を開始しておりまして、当初は1回接種で開始してございます。その後、平成18年に接種回数を1回から2回へ変更いたしまして、また、3期、4期と、その間、1回接種であった方に対するいわゆるキャッチアップ接種を行ってございます。
 続きまして、9ページ目を御覧ください。
 定期接種に使用しておりますワクチンですけれども、麻しん風しん混合ワクチン、いわゆるMRワクチンと呼ばれているものを使用してございますが、有効性に関してですけれども、接種した方のうち95%程度の方が麻しんウイルスと風しんウイルスに対する免疫を獲得することができるとされてございます。
 また、2回の接種を行うことで、1回接種では十分な抗体獲得が行われなかった場合でも、接種した集団の免疫獲得率を押し上げることが可能となるとされております。
 日本の定期接種と同様に、世界的にも2回接種が現在標準的な接種回数となってございます。
 安全性に関しましては、一般的な副反応であります注射部位の紅斑でしたり腫脹、発熱、発疹などが見られるということですが、重大な副反応としてアナフィラキシーやADEM等についても報告があるところでございますが、報告頻度といたしましては100万~150万人に1人と、非常にまれという報告がございます。
 続きまして、10ページ目を御覧ください。
 定期接種の接種状況についてまとめてございます。
 先ほど、感染症課のほうから冒頭御説明させていただいておりますが、接種率の目標につきましては、特定感染症予防指針において95%以上と定めているところでございますが、近年接種率が低下傾向にございまして、直近ですと令和6年度の接種率は1期が92.7%、2期は91.0%となってございます。
 続きまして、11ページ目を御覧ください。
 こちらは2期の状況になってございます。先ほど申し上げましたとおり、2期に関しましても、コロナ禍以降、接種率は低下傾向にあるという状況となっております。
 12ページ目を御覧ください。
 MRワクチンの供給見込みについてまとめたスライドとなってございます。
 MRワクチンにつきましては、製造販売業者が3社ございまして、第一三共と阪大微研、武田の3社でございますが、現在、武田につきましては、出荷が停止となっている状況でございます。
 その関係で、残る2社に関しましても限定出荷を行っていたところですけれども、今年1月に限定出荷が解除となっておりまして、武田につきましても、今年の6月より出荷再開をする見込みということで公表されてございます。
 結果といたしまして、令和8年度の医療機関への納入量といたしましては、例年度と同等以上となる見込みとなってございます。
 また、MRワクチンの需要状況を踏まえまして、さらなる前倒し出荷等について依頼をしているところでございます。
 予防接種課からは以上になります。
○小谷エイズ対策推進室長 続きまして、こちらの状況を踏まえました今般の麻しんの増加に対する対策について御説明させていただきます。
 14ページ目を御覧ください。
 御説明させていただきましたとおり、麻しんは世界的に流行が進んでおり、日本においても感染者数が増加している状況、かつ、ワクチンの接種が低下しているという状況を踏まえまして、我々としても対策を打っているところでございます。幾つかの保健所、医療機関等に、海外渡航者に対する注意喚起を2月の時点で行い、また、この時点で正しい情報発信の重要性ということも改めて認識いたしましたので、3月17日に記者向けの勉強会を行いました。
 その後、感染者数の増加等も踏まえまして、自治体、医師会等の皆様方に、予防接種の積極的な推進と同時に、修飾麻しんという観点もございまして、なかなか患者を診たことがないとか、もしくは見逃してしまうケースもあるという御指摘もいただきましたので、JIHSの御協力もいただき医師向けのリーフレットを作成し、関係学会、医師会の皆様の御協力の下、周知させていただいているところでございます。
 その上で、4月3日に厚生労働大臣からも国民に向けて、任意接種対象者を含めた予防接種の推進、麻しんを疑う症状が見られた場合の受診行動のほか、都道府県、市町村別の接種率を公表し、注意喚起を行っていただいております。
 このほか、4月13日の時点で渡航者向けのⅩでの予防接種の推奨と注意喚起、4月8日には海外からの入国者への多言語ポスターにての注意喚起などを行っており、自治体向けにおいては、発生時における対応ガイドラインの改定なども予定しておるところでございます。
 実際、国内での感染伝播事例発生時におきましては、各自治体の積極的疫学調査の支援であるとか、FETPの担当者の派遣を含めた支援を行っておりますし、諸外国政府への連絡等を実施しております。引き続き、JIHSや自治体等、関係各所と連携した麻しん対策を実施していくというふうに取り組んでおります。
 続いて、15ページ目を御覧ください。
 こちらにつきましては、MRワクチンの積極的な推進についてということで述べさせていただいておりますので、御参考とさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。
 1点だけ、資料の誤記がございましたので御説明させていただきます。資料3ページ目にお戻りください。
 数字上の誤りでございます。事務局のほうから訂正をさせていただきますが、2026年4月5日時点の速報値と記載がございますが、2026年4月21日時点での速報値でございましたので、修正させていただきます。大変失礼いたしました。
 事務局からの説明は以上となります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 続きまして、砂川参考人から、参考資料3と4についての御説明をお願いいたします。
○砂川参考人 国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所、応用疫学研究センター長の砂川と申します。
 幾つか紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、JIHS感染研では、麻しんの発生に関するリスクアセスメントの情報を第11週現在という形で4月10日に公表をしております。少し情報が古くなってきておりますけれども、こちらの内容について紹介をさせていただきます。
 次のスライドをお願いします。
 簡単にまとめておりますけれども、基本的に世界ではワクチン接種率が特にコロナ禍で低下した国が非常に多くありまして、その低下の状況、それからワクチン忌避という状況、それから公衆衛生部局のいろいろな能力の低下というところも相まって、麻しんの発生が増加するという状況が起こっていると分析されます。このような世界の状況にも関連して、日本国内でもワクチンの接種率の低下という状況があり、感受性者の蓄積が起こっていると考えております。
 後で動向についてはできるだけ新しい情報をお伝えしたいと思います。現在のところ、いわゆる死亡者であるとか脳炎などの重症者に関して国内での情報はないのですが、今後患者が増加していきますと、そのような重症者の発生が懸念されると思っております。
 次のスライドをお願いします。
 JIHS感染研では、感染症サーベイランス研究部を中心としまして、IDWR、週報を出しておりますが、先週の情報を第14週までの情報として、注目すべき感染症で麻しんを取り上げております。この内容について少し紹介します。
 次のスライドをお願いいたします。
 先ほど御紹介のあった、昨日公表のあった速報値が299例だったのですが、その前の週の第14週は236例という形になっております。特に重要なのが、年齢中央値27歳の男性が3分の2ぐらいを占めているという形になり、多い自治体として、先ほども御説明がありましたが、東京都、鹿児島県、愛知県、千葉県、神奈川県等々とありますが、上位の3県などは、いわゆる高等学校などでの集団感染事例があったというところでありました。
 次のスライドをお願いします。
 麻しんが年齢が小さい方に感染を起こしていくと重症にもなっていくという状況ですけれども、今のところ1歳~5歳の8例という形にはなっております。接種歴がないという方がそのうちの6例を占めているという状況になっております。
 後で紹介をさせていただきますので、次のスライドをお願いします。
 2回接種歴のある方の感染についての懸念というか、情報が出回ってきておりますけれども、日本で若い方、特に2000年4月1日以後に出生された方は2回接種歴を制度として享受されている方々なのですが、この年代の方々から非常にたくさんの麻しんが出ているというわけではありませんので、全体を眺めると2回接種者では発症リスクが相対的に低いのではないかと考えております。後で説明をいたします。
 麻しんウイルスについては、遺伝子型はB3が6割、D8が4割という形になっております。
 次のスライドをお願いいたします。
 第14週までの情報につきまして、疫学的な特徴を可能な限り説明したいと思いまして、短くまとめておりますので紹介をいたします。
 次のスライドをお願いします。
 こちらは発生動向です。
 次のスライドをお願いします。
 先ほど、年齢中央値が、第14週現在27歳ということをお伝えいたしました。20歳代、それから10歳代、そして30歳代ということで、非常に行動がアクティブな年齢の方々が多いというのが特徴になっております。
 いわゆる対象の年齢の方で麻しんのワクチンの2回接種を完了されていない方が7割ぐらいになっております。
 やはり海外からのウイルスの侵入が懸念されるわけでありますが、国内で感染された方々が66%、3分の2ぐらいを占めているという状況になっています。
 次の部分は非常に重要なのですが、2回接種を受けられた方から、その次に感染があった方というのは、家族内において確認された方が、基本的に今のところ1例のみが確認されています。これは2026年、今年の現時点の情報なのですが、ちなみに2025年の266例の情報の中でも、2次感染者から3次感染があった症例は、非常に濃厚な接触をしていた方の間で1例のみでした。
 上のグラフです。10歳代というところを見ていただくと、2回接種をしている方が多いことが見てとれるかと思います。この方々の多くが高校の感染事例の中で、いわゆる接触者調査を通して、軽い症状でもしっかり検出をされて検査に回るという影響も受けているとは言えるかと思います。
 次のスライドをお願いいたします。
 次のスライドの中で、先ほどのスライドにも関係してきますが、2回接種を受けておられる方が多い中で、10代の方々のうちの8割が接触者調査の中で見つかった方であるということになります。その観点でいきますと、20歳代、30歳代以降の方々は、接触者調査ではなく、いわゆる患者さんとして病院を受診されたということが考えられる方々です。
 今年の重要なメルクマールとなると私どもが考えているのが、50例以上などの大規模な集団発生が今後起きるかというところでありまして、海外、特に北米などではそのような大規模な集団感染が、感受性者が蓄積されている地域であるとか、特定の集団の中にウイルスが入ってしまって発生するということを繰り返しておりますので、そういった現象が国内でもあると、日本の麻しん排除の維持が懸念される状況も起こり得るということで、心配をしております。
 次のスライドをお願いいたします。
 これが私のほうで説明する最後のスライドになるかと思うのですが、2回接種を受けた方々と完了されていない方々で症状の差があるのではなかろうかというところで比べた図となります。発熱は両方、ほとんど100%近いぐらいあったのですが、発疹については、未完了者のほうが9割ぐらいに対して、接種を受けた方は7割ぐらいと。発熱、発疹、カタル症状という3主徴を満たす症例は、接種を完了されていない方々は75%ぐらいあったわけですが、2回接種を受けた方は半分を切っているということ。それから、数は非常に少ないのですが、肺炎とか腸炎とかいわゆる合併症を発症した方につきましても、このように数が少ないのでなかなか単純な比較は難しいですけれども、現状では大きな差を認めているというところで、やはり2回接種をしっかり受けていることで重症化もしっかり防げているということは言えると思うところです。
 ちなみに、届け出られた麻しんの中で、いわゆる検査診断を受けておられる方がほぼほぼ大半というか、全例が検査診断を受けているというのが日本国内の大きな特徴となっており、これはいわゆる保健所と地方衛生研究所の強力な連携が、最初の医療機関ももちろんなのですが、見てとれるかなと思うところであります。
 私からの補足の説明は以上となります。
○脇田部会長 砂川参考人、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局及び砂川参考人から麻しんの現状について報告をいただきましたが、これから御意見を伺っていきたいと思います。
 まず、最初に私から砂川先生に御質問したいのですけれども、今、10代~20代の感染者が多いということで、抗体価のデータを見ると、やはり抗体価はその年代で低下をしてくるということがあるわけです。以前の流行のときは、この年代に追加接種を行ったということもあると思うのですけれども、現状そういった追加接種の必要があるかどうかというところを御意見いただきたいということ。
 もう一つ、定期接種率が低下していると。95%以上が求められるところ、91%程度になっているというところで、その影響があるのか。それから、先ほどの特定のグループあるいは集団で感受性者が多いと大規模流行になりやすいという話がありましたけれども、現在そういった特定の集団が日本国内にどこか存在する可能性があるかというところについて御意見いただければと思います。
○砂川参考人 脇田先生、御質問どうもありがとうございます。
 まず、抗体価が低下していることが指摘されているような先ほど申し上げた20代の方々、2000年4月1日以後に生まれたような方々に対する考え方というところが最初の御質問だったかなと思います。それに関係して、追加接種の必要性なども御質問いただいたのかなと思いました。
 まず、2回接種を受けた方からの発症については、2回接種を受けていることで、明らかに症状においてもより軽微になっていきますし、それから感染性の低下という点でも、2回接種というのが非常に鍵になるかなと思います。
 もう一つ、排除環境の下で、ワクチンだけで得られた免疫を持っている方々の、自然のブースター効果が欠如している状況の中で、抗体価の低下が起こっているというのが世界的にも幾つかの論文によって指摘されていることです。
 しかしながら、抗体価が下がることが、イコール防御能が消失するということではありません。検査のやり方による数値の変化もありますし、液性免疫のみならず、細胞性免疫の存在に関する指摘も強調されているところであります。
 ということで、感染伝播の抑制やワクチンの供給も含めて、2回接種をまず推し進めていくことが今一番重要なのではないかと思うところで、私個人は、抗体価の低下があるから3回目の追加接種のキャンペーンを考えるという段階ではないのではと思うところです。
 その一方で、いわゆる個人を守るという観点で、特に麻しんウイルスに曝露される確率が高い医療従事者であったり、福祉・教育の関係者、不特定多数の方々と出会う職業の方々であったりという職種の方で、希望される個人が3回目の接種を検討することはあってもいいと思うところです。しかし、国内のワクチン供給量を常に考えないといけない部分もありますので、その辺りはよく考える必要があるだろうと思っています。
 国内でいわゆるポケットと言えるような特定の集団があるかという点については、例えばワクチン接種を全く受けないという信条を持っている方々の集団において集団発生が起こった例は過去にもあり、そのようなグループが存在する可能性はありますが、恐らく全国的には把握されていないだろうと思います。
 それ以外では、例えば自治体のレベルとかでワクチン接種率が下がっている、あるいは常に低いというのが最近の沖縄県などでは見られていますので、そのような地域で感受性者が蓄積していくと、最終的にそこがいわゆる火薬庫みたいな形で大きな流行が発生するリスクは想定されるところです。
 重要なことは、ワクチン接種率を見る際には全国的に押しなべて見るのではなくて、市町村レベルとか、より細かく見ていくことで、どこにリスクが潜んでいるのかをしっかり見ていくことが必要です。また、個人がワクチンを全般的に忌避する、あるいは何となく避けるという風潮が国内でも大きくなっている感じがしますので、必要なワクチンは受けるという対応を社会が求める、後押しすることが必要ではないかなと思っています。
 脇田先生、私、質問に答えているでしょうか。以上です。
○脇田部会長 十分理解しました。なので、定期接種率の低下、特に自治体、地域によって差があるかというところ、低いところにはしっかりとキャンペーンしていく必要性があるということだろうなと感じたところです。どうもありがとうございました。
 それでは、委員の皆様からまた御意見をいただいていきたいと思います。島田委員、お願いします。
○島田委員 ありがとうございます。
 厚労省の皆様とJIHSの先生方の資料のおかげで、いろいろ啓発が進んでいるかと思います。どうもありがとうございました。また、資料の御説明もありがとうございました。
 厚労省と砂川先生のお話からもありましたけれども、今年数が増えているということでしたが、厚労省様から説明があったように、排除の認定は2015年にしていただいたのですけれども、一方で、今年は、その排除のステータスを失う危険はないだろうかというのを危惧しているところです。
 遺伝子型を検査していただいているわけですが、世界中でD8とB3しかないので、遺伝子型だけでは分からないのです。なので、そこの自治体とあそこの自治体、もしくはここのクラスターとあそこのクラスターで遺伝子配列を詳しく見て、本当に相同性がないか、同じ塩基配列をもつ麻疹ウイルスが伝播していないかというのを見ることが大事なのですが、その点、地衛研から例えば感染研に集めて相同性をきちんと見ているとかというのはどの程度行われているのか。また、塩基配列の相同性を持つウイルスが今どの程度循環しているか。恐らく半年ぐらい循環しているかと思うのですが、その辺り、厚労省のほうで把握されていたら、もしくはほかの先生方。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 ちょっと時間が押してきてしまっているので、質問も簡潔にしていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 後ほどまとめて事務局からレスポンスをいただくようにしたいと思います。
 それでは、白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
 質問とコメントとありますが、質問は簡単なのですけれども、今、発症者のうち、50歳以上の報告があったのですが、最高年齢の方は何歳なのでしょうかということと、もしその方が免疫不全とか低下をしているような方であれば、年齢が高くても発症するのではないかなと思うのですが、それを教えていただきたい。
 コメントとしては、2回接種の推奨を砂川先生もおっしゃいましたが、家族以外の2次感染は今の報告の中ではないと考えると、保健所の一部の調査でも、家族以外の2次感染の方は2回接種の方ではいないというような公衆衛生雑誌にアクセプトされた論文もありますので、そういう2回接種を勧めていきたいです。
 また、要望になりますけれども、PCR検査は地衛研でお願いすることになるのですけれども、保健所に届けられるのは臨床診断も含めてかなりたくさん出てくるのです。そのうち全部を行政検査にしてしまうと、行政の予算をオーバーするという危惧もありまして、できるだけPCRなんかもコマーシャルベースでできないかと思いますし、そのうちの陽性分だけ引き上げて遺伝子分析をしていただくというような仕組みになればいいかなと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 詫摩委員、お願いします。
○詫摩委員 詫摩です。
 1点コメントさせてください。
 ワクチン接種率の低下は非常に憂慮すべき事態であって、欧米なんかだと誤情報に基づくワクチン忌避ということが大きな背景としてはあるわけですけれども、日本でも、そういった誤情報に基づくワクチン忌避、先ほどもお話にあったように、そういったものが台頭しているということはあると思いますけれども、一方で2期の接種なんかに関して言うと、ただ面倒くさいというような理由でワクチン接種率が低下しているという事情もあると思いますので、いろいろな理由の分析みたいなことを行って、各理由に即したアプローチが必要なのかなと感じました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 ありがとうございます。
 質問としては、砂川先生がおっしゃっていた男女差があり、男性が非常に多いということの理由が何かあれば教えていただきたいということが一つ。
 あと、自治体として今ワクチン接種を進めてはいるのですけれども、厚労省が示されたデータから、ワクチンが今潤沢にあると考えていいのかどうかということが1点。
 もう一つの質問として、島田先生のご質問ともかぶるのですけれども、川崎市においては、最初にB3が流行して、今はD8にシフトしている状況で、ほとんどがD8になっていますので、本当に全ゲノム解析とかをしてきちんと調べないといけないかなと思っています。そういったことを、今後どういうふうにやっていくかということを教えていただきたいなと思いました。
 それと、現状の課題をお伝えしますと、自治体の中でも感染源の推定ができないほどの広がり方を徐々にしてきているような気がします。一つの理由としては、砂川先生がおっしゃったような典型的でない、熱がない事例とか、発熱後、数日置かずにすぐに発疹が出る事例とか、下痢が先行してしまうような事例もありまして、なかなか判断が難しいということで、アンテナを高くしておかないといけないなと思っています。
 このような状況では対策をきちんとしていくしかないので、個人的には、きちんと文科省等とも連携して、未就学児と小学校・中学校の生徒の中の未接種児を母子手帳で洗い出して、まずはその人たちにしっかりワクチンを接種したいという気持ちがあるのですけれども、なかなかその連携ができていないのが現状でして、そういった対策をしていただければいいなと思っているところです。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
 医療機関、実際に麻しんの患者さんが受診したというところが周囲でも増えております。医療機関で麻しんの患者さんを診ますと、保健所からの御指導もあって、比較的大規模な接触者調査、あと大勢の就業停止、場合によっては部門の利用停止といったことが発生して、病院の運営と経営上に大きな影響を受けることになります。
 砂川先生から御説明いただいた2回接種歴がある方の2次感染リスクがそれほど高くはないといったことですとか、そういった非常に重要な情報、データを指導に当たられる保健所の方々、あと医療機関ともぜひ今後も広く共有いただいて、リスクに見合った適正な接触者調査の規模、あと就業停止の指導などが行われるようにしていただけると大変ありがたいです。
 もう一点、検査体制についてなのですが、行政による麻しんのPCR検査を休日を挟む場合などにお願いしますと、結果判明までに数日を要するということがございます。麻しんの可能性が臨床的に非常に高い場合などは、当然就業停止も接触者調査も隔離も継続するわけなのですけれども、先ほど三﨑先生がおっしゃったように、すごく判断に迷うケースが増えておりまして、早めに結果を得て、隔離を解除する、就業停止になっている職員を戻すといったことができれば、病院の運営上も非常に助かります。
 今、多くの検査がなされていて非常に大変な状況かと思いますけれども、麻しんの流行が継続している状況を踏まえまして、休日を挟む場合などでも、今後大きな大型連休もありますが、なるべく早めに結果がいただけるような体制になりますと、医療機関としても大変ありがたいです。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、森川委員、お願いします。
○森川委員 今のコメント、御質問と重なるのですけれども、用意された資料3の4ページのグラフだけを見ると、ワクチン接種していない場合よりも2回接種した人のほうがかかりやすいのではないか、麻しんを発症しやすいのではないかというような印象を素人の方が見ると抱いてしまうリスクがあるなと思っていまして、これをそのまま出すとすると、砂川先生のおっしゃったコメントとかをつけないと、特にアンチワクチン派の人たちがこれを見ると、ワクチン接種を2回したほうがかかりやすいのではないかという誤解を招いてしまうというリスクがあると思いますので、そこの表示の仕方とかを少し工夫していただければなと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、小竹参考人、お願いします。
○小竹参考人 東京都の小竹です。
 都においても本当に麻しんの患者さんが増加しておりまして、都内の保健所におきましては、日々、疫学調査や関係機関との調整など、何とか頑張って今のところはやっていけているという状況でございます。もちろん地域的な偏りはあるのですけれども、かなり集中しているところは結構保健所のほうも逼迫してきている状況もあるかなと思っております。都におきましては、今お話がありましたようにワクチン接種の呼びかけや医療機関受診時の注意など幅広く繰り返し広報しているといったような状況でございます。
 先ほどお話がありましたように、砂川先生からの情報を私たちも幅広く提供していただけたらありがたいと思っておりまして、ワクチンを2回打っていても発症している小学生とかがたくさん今回おりましたので、対策の難しさも感じているところでございます。
 検査体制につきましては、東京都のほうでもまた整えていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今後も厚労省さんと情報交換しながら、一緒に進めていけたらと考えております。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、会場のほうから、越田委員、お願いします。
○越田委員 何点か意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、接種率ですが、分母をどう取るかによって微妙に変わってくる。国の調査では、1期に関しましては、10月1日現在の基本台帳、2期に関しては4月1日です。そうしますと、特に1歳児は結構市町村をまたぐ住居の移動があります。転出前の自治体で既に接種してしまっているが、転出後の自治体では未接種とカウントされてしまう。そうするとどうしても接種率が下がる傾向があったりするので、公表される接種率にはある程度そういった要素があるという観点で接種率の推移を見ていかねばならないと思います。また、そのためには全国一律で予防接種歴が確認できるようなシステム、全国統一システムが確立される必要があると感じております。
 接種率算出のための基準の日についてはきちんとした基準がないので、例えばDPTであるとかほかのワクチンに関しましては、自治体によって恐らく自治体の基準で接種率を出しているのではないかなという気がいたしますので、その検証をしていただきたいと思っております。
 2点目は、免疫力の落ちている方、例えば麻疹のアウトブレークの際に、がんの治療であるとか免疫抑制剤を飲んでいらっしゃる方にとっては、麻疹が命取りになる可能性がある病気であるということをいま一度啓発する必要があるのではないかと思います。はしかは怖い病気だけれども、治れば大丈夫というわけではない、個体のバックグランドによっては、はしかの感染によって命を落とすことがあることを認識し、世の中に優しい心を持つ必要がある、従って、全ての国民がワクチンをしましょうという論法で、接種勧奨を進めていく必要があるのではないかと思います。
 もう一点は、特に多くの方に接するような職業に就く際、例えば教員であるとか、保育士であるとか、バスの運転手もそうかもしれません。採用時にきちんと検査、聞き取りによってワクチンの接種歴を把握する。そして、ワクチンの2回接種が確認できない方には、追加接種をしていただく。石川県教育委員会は新規に採用された教職員については接種歴の調査をしております。更に必要に応じて、ワクチンを接種してから教壇に立っていただくというような仕組みとしています。
 以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 様々な御意見をいただきました。PCR検査の在り方、それからゲノム解析、あるいは非典型例の増加、ワクチンを含む対策の在り方といったところです。
 それでは、砂川先生からもコメントいただければと思いますので、まず砂川先生、今の御意見、御質問に対して何かコメントがあればお願いします。
○砂川参考人 先ほど白井先生から御指摘のあった、いわゆる2回接種を受けていて発症された方からの感染については、家族内に加えて、2025年の例とかは、非常に仲よしの友人間での感染例はあったわけです。いわゆる濃厚接触者について考えていただくということが重要です。また、2回接種を受けていて軽い麻しんを発症した方との接触者が、接種歴の全くない方であれば、感染のリスクは増し、典型麻しんを発症してしまうことになりますので、その辺に気をつけていただきたいと思いました。
 また、男女比の点につきましては、例えば集団発生のあった学校が男子校であったかとかは公表されてはいないと思います。ただ、一部の自治体で報告されていたような、例えば20代の感染事例で飲食店勤務の方の男性が多かったとか、そのような指摘もあったりしますので、母集団で男性が多いところにウイルスが入っていったという要素もあるのかなと思っています。
 最後に、ウイルスの検査につきましては、感染研の旧ウイルス第三部のほうで全体的な比較を行っておりますが、今、N450遺伝子領域以外も含めて、いろいろ検討していただいていると思います。その辺り、より強化した対応になるように、疫学側からも連携をより深めてやっていきます。
 以上になります。
○脇田部会長 では、事務局のほうからもレスポンスいただければと思います。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 また砂川先生にもお伺いしたことも多々あるのですけれども、最高齢の方が何歳かとかは、さすがに我々も把握していないところがございます。
 幾つか御指摘、御質問いただいた中で大きな重要な点としましては、特に三﨑委員からもいただきました未就学児に対する接種について、間を打っていない方に対して、文科省との連携をといったところでした。それ以外にも、どういったところが連携しながら進めていくべきかといったところについては、我々としても大きな宿題として検討させていただきたいなと思っております。
 実際、幾つか坂本委員であるとか白井委員のほうからも、検査体制をどう確保していくかというところ、やはり地衛研等の中の連携という部分が重要になってくるかと思います。都道府県との連携という観点に関して言うのであれば、まさに県単位でかなり差は出てきてはいるものの、いつどう広がっていくのか分からない現状の中において、連携をしっかり取り組んでいただきたいということ、さらには今、砂川先生からも御指摘いただきましたように、検査体制の拡充といったところを感染研の中でも検討いただいているところではございますので、まさにこういったものをしっかりと取り組むような形で今後周知の場を持っていきたいなと考えているところでございます。
 また、森川委員、小竹参考人、越田委員からいただきましたが、情報発信をどういった方にどうしていくのかということの重要性という点については、非常に我々としても重要視しております。麻しんに関して言うのであれば、どうワクチンを接種してもらうのかといったところ、どう危険性を認識してもらうのかといったところの重要性が非常に高いと思っておりますので、様々な形で既に発信はしてきているところでございますが、これは1回やったから終わりではなくて、継続的な形で様々なチャンネルを使いながら様々な方に届くような形の情報発信にしっかり努めていきたいと考えているところでございます。
 幾つか接種歴の問題であるとかワクチンは十分なのか等の論点についてきましては、予防接種課のほうから御説明さしていただきます。
○佐野予防接種課長補佐 予防接種課でございます。
 まず、詫摩委員などから御指摘がございました定期接種の接種率低下の要因と、それに対する対策といった観点でコメントをさせていただきます。
 接種率低下の要因に関して、国として公的な見解でしたり公的な調査は行っていないところですけれども、JIHSのほうで行っていただいた研究、インタビュー調査では、先ほど詫摩委員から海外の事例について御報告いただいたところですけれども、それと同様に、不正確な情報、否定的なワクチン関連の情報の拡散、あと最近麻しん風しんの流行がないことによるリスク認識の低下、こういったことが接種率の低下に影響しているのではないかといったような報告がございます。
 厚生労働省といたしましても、特に2期の点を御指摘いただいたところで、2期に関しましては就学前1年間という時期となっております。昨年出させていただきました事務連絡におきましても、その時期に合わせて、就学前健診の情報などを活用しながら、接種勧奨をしていくことも検討していただくよう自治体のほうにはお願いしておりまして、そういった2期の特性に合わせた対策は引き続き検討させていただきたいと思います。
 続きまして、ワクチンの供給が潤沢かどうかという点に関して、なかなかこの点難しい点はございますが、砂川参考人からもコメントがございましたように、追加での対策をどのようにやるのかという点は、供給の問題と非常に密接なところがございまして、供給の数のみをもって十分であるというのはなかなか明言することは難しいところでございますが、本日の資料12ページ目でもお示しさせていただきましたように、令和8年度に関しましても例年と同等以上の本数のワクチンを供給できる見込みでございまして、今後の定期接種以外の接種数にもよってくるところでございますが、いずれにせよ供給に関して万全の対応ができるよう、製造販売業者とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 予防接種課からは以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 さらに追加の御意見はいかがでしょうか。宮﨑委員、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
 先ほど、麻しんの遺伝子型あるいは検査等についての質問があったところですけれども、地方衛生研究所では、麻疹ウイルスのB3型、D8型の区別は基本的に可能になっております。昨年、2025年に実施された厚生労働省精度管理事業でも、75施設において遺伝子型の解析がシークエンス解析を含め正確に実施されております。したがって、このデータで、一定の解像度をもって同一の株の感染であるか否かの区別ができる体制に自治体レベルでなっているという認識です。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、さらなる追加がなければ議論はここまでにしたいと思うのですけれども、結局、はしかという感染症が以前の小児の感染症というよりも、今現在かなり病像が変わってきているというところで、ワクチンが普及したことによって集団免疫ができた。それによってブースター効果というものが得られないということですから、高齢者で免疫が減っているような方にも感染の可能性があるし、それから修飾麻しん、非典型例が増加してくるといった、これから麻しんの対策もそれに合わせて変えていかなければいけないということが示されているのだろうと私としては理解をしています。
 今日様々御指摘いただきましたので、厚労省、JIHS、そして地方自治体一体となってはしかの対策を進めていくということが、地域における麻しん比率の循環というものを起こさない、排除状況を継続するということが非常に重要だと思いますので、委員の皆様にも引き続きよろしくお願いしたいと思っております。
 それでは、これで麻しんの議題についても終了したいと思います。本日いろいろ議論いただいたところで、対策を進めていっていただければと考えております。
 次に、最後の議題になります。議題の4番目「匿名感染症関連情報の第三者提供に係る年間実績について」の御報告でございます。
 事務局から、資料4について御説明をお願いいたします。
○大塚感染症情報管理室長 資料4の2ページ目をよろしくお願いします。
 匿名感染症関連情報の第三者提供に係る年間実績について御報告させていただきます。
 匿名感染症関連情報の第三者提供や公表の可否等については、匿名感染症関連情報の第三者提供に関する小委員会において専門的観点から審査を行い、感染症部会長が感染症部会における追加の審査が必要と認めた案件については、感染症部会で審議することとされています。
 昨年度の1年間、感染症部会で審議される案件はございませんでした。
 審査結果については、年1回感染症部会で御報告することとされており、今回御報告させていただいております。
 資料は次のページをお願いします。
 令和7年度の新規申出の承諾件数は3件でした。
 内訳は、NDB/DPCDBとの連結が1件、NDBとの連結が1件、連結なしのiDB単独が1件です。
 その他の実績ですが、現時点で公表された成果物はございません。
 不適切利用の発生もございません。
 実地監査の実施については、2件実施しております。
 以上、昨年度の匿名感染症関連情報の第三者提供について御報告させていただきました。
○脇田部会長 御説明どうもありがとうございました。
 私から1点、そうしますと成果物としてはまだ論文あるいは学会での発表といったものはないという理解でよろしいですか。
○大塚感染症情報管理室長 はい、そうです。
○脇田部会長 これがさらに活用されて、さらに研究が進んで、成果物になるということをぜひ期待したいところではありますが、委員の皆様から何か御質問、御意見等ございますでしょうか。特によろしいですか。
 時間が押していますので、それではこちらは終了させていただきまして、本日御報告いただいた方向性で進めていただければと思います。
 それでは、用意しました議題は以上になりますが、委員の先生方、何か御発言はございますか。よろしいですか。
 ありがとうございました。
 それでは、事務局にお返ししたいと思います。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
 本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
 この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を御説明させていただく予定としております。
 次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日は、お忙しい中、御出席いただきありがとうございました。
○脇田部会長 皆様、どうもありがとうございました。
 失礼いたします。