2026年3月26日 第39回労働政策審議会労働政策基本部会議事録

政策統括官付政策統括室

日時

令和8年3月26日(木)10:00~12:00

場所

厚生労働省専用第21会議室

出席者

委員(五十音順)
相原委員、阿部部会長、石原委員、浦委員、大橋委員、岡本委員、川﨑委員、佐々木かをり委員、佐々木勝委員、武田委員、橋本委員、山川委員、山田委員
事務局
山田厚生労働審議官、青山総括審議官、河野政策立案総括審議官、岡政策統括官付参事官、藤木政策統括官付労働経済調査官、松下労働基準局総務課長、菱谷職業安定局雇用政策課長、山口大臣官房参事官(雇用環境政策担当)、澤口人材開発統括官付参事官(人材開発政策担当)

議題

(1)部会長の選挙及び部会長代理の指名について
(2)部会の今後の進め方について
(3)その他

議事

○岡政策統括官付参事官 定刻になりましたので、ただいまから第39回「労働政策審議会労働政策基本部会」を開催いたします。
 皆様におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、委員改選後第1回目ですので、冒頭につきましては、私が司会を務めさせていただきます。昨年7月より政策統括官付参事官に着任いたしました岡と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、令和7年4月27日付で委員改選が行われましたので、御報告いたします。新しい名簿は、資料1のとおりでございますが、今回から新たに公益財団法人国際労働財団理事長の相原康伸様。
○相原委員 どうぞよろしくお願い申し上げます。
○岡政策統括官付参事官 中央大学経済学部教授の阿部正浩様。
○阿部委員 阿部でございます よろしくお願いします。
○岡政策統括官付参事官 情報産業労働組合連合会副中央執行委員長の浦早苗様。
○浦委員 よろしくお願いいたします。
○岡政策統括官付参事官 学習院大学法学部教授、橋本陽子様。
○橋本委員 橋本です。よろしくお願いいたします。
○岡政策統括官付参事官 以上の4名の方に新規にお入りいただきました。
 また、事務局にも昨年7月に異動がございましたので、御報告いたします。
 厚生労働審議官の山田です。
○山田厚生労働審議官 よろしくお願いします。
○岡政策統括官付参事官 総括審議官の青山です。
○青山総括審議官 よろしくお願いいたします。青山です。
○岡政策統括官付参事官 政策統括官に就任いたしました辺見でございますが、本日、別の公務によって欠席しております。
 なお、本日は、所用により、入山委員、冨山委員は御欠席です。
 また、大橋委員は途中での御退出と伺っております。
 次に、議事に入ります前に、オンラインでの開催に関しまして留意事項を説明いたします。
 まず、原則としてカメラはオン、マイクはミュートとしていただきたいと思います。
 委員の皆様は、御発言の際には、「参加者パネル」の御自身のお名前の横にある「挙手ボタン」を押して、司会者から御指名があるまでお待ちください。司会者から指名後、マイクのミュートを解除して御発言いただくようにお願いいたします。また、発言終了後は、マイクをミュートに戻し、再度「挙手ボタン」を押して挙手の状態を解除してください。
 なお、通信状態などによって音声での発言が難しい場合は、チャットで発言内容をお送りいただきたいと思います。
 また、会の途中で音声等のトラブルがございましたら、チャット機能、あるいは事前に事務局からお送りしております電話番号まで御連絡いただくようにお願いいたします。
 それでは、本日の議事に入ります。
 最初の議題は、部会長の選任でございます。
 部会長につきましては、労働政策審議会令第7条第4項に基づき、部会に属する公益を代表する本審の委員から部会長が選任されることとなっております。この基本部会におきましては、阿部委員お一人でございますので、阿部委員に部会長をお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、以後の議事の進行につきましては、阿部部会長にお願いしたいと思います。

(阿部委員、部会長席へ移動)

○阿部部会長 ただいま部会長に選出されました阿部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。今後は皆様の御支援、御協力をいただきながら、部会を運営してまいりたいと思います。
 最初に、労働政策審議会令第7条第6項の部会長代理は、部会長があらかじめ指名することとされております。そこで、部会長代理として大橋委員を御指名させていただきたいと思います。大橋委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○大橋委員 よろしくお願いいたします。
○阿部部会長 それでは、次の議題(2)の部会の今後の進め方に移ってまいりたいと思います。
 具体的な進め方としては、まず、資料2の「1.テーマ案について」、事務局から御説明をいただいた後、これについて自由討議を行っていただきたいと思っております。
 その次に、資料2の「2.部会における議論の進め方について」の(1)2040年の我が国の予測について事務局から御説明をいただいた後、これについても自由討議を行っていただきたいと思います。
 その後、資料2の「2.部会における議論の進め方について」の(2)2040年に向けた新技術等が与える労働市場への影響について、事務局から御説明いただいた後、これについても自由討議を行っていただきます。
 そして、最後に「3.部会のスケジュールについて」、事務局から御説明いただいた後、これについても自由討議を行っていただきたいと思っております。
 なお、資料2の2、(2)2040年に向けた新技術等が与える労働市場への影響については、①から③までの項目ごとに事務局から説明していただいた後、これについて自由討議を行っていただきたいと思います。
 では、事務局から資料2の「1.テーマ案について」、御説明いただきたいと思います。
○岡政策統括官付参事官 それでは、資料2を御覧いただきたいと思います。
 テーマ案でございますけれども、2040年頃までに進展・発展が予想される新技術及び新産業等を踏まえた労働市場への影響ということで、趣旨でございますが、第4期では、労働者の多くを占める地方を中心に、人口減少社会を見据えた地方における課題、労働政策等について議論を行っていただきました。議論の中では、社会にAIをはじめとした新技術の活用が広がっていくことで、社会構造が大きく変わっていく可能性が高いという御意見や、これらの新技術については、地方においても積極的に導入していくことが重要であるとの御意見を数多くいただきました。
 これに加えまして、新技術の活用や社会構造の変化により新しい産業が生まれる可能性が高く、例えば、我が国では、2050年のカーボンニュートラルの実現と経済成長の両立を実現するための施策として、成長志向型カーボンプライシング構想の具体化を進めており、GX関係の産業が新たに生まれる可能性がございます。
 また、今後はAIとフィジカルが融合したソリューション(AIロボティクス)の社会実装が加速すると見込まれ、人手不足が深刻な現場での活用が不可欠となる可能性もございます。
 以上のような状況を踏まえまして、第5期ではAIロボティクスを含めた新技術及び新産業(市場拡大が見込まれる分野を含む)が2040年頃に我が国の労働市場にどのような影響を与えるかについて御議論いただいてはどうか。また、第4期での議論、我が国では地方における人口や我が国の全体の付加価値に占める割合が高いことを踏まえまして、第5期でも引き続き地方において大きな影響を与える可能性がある新技術等についても議論を行ってはどうかということで、このテーマ案について御提案したいと思っております。よろしくお願いいたします。
○阿部部会長 では、自由討議に移りたいと思います。ただいま御説明いただきました「1.テーマ案について」、御意見、御質問等がある委員は挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。オンラインの方も大丈夫ですかね。
 では、委員の皆様から御意見等がございませんので、今期は、本テーマについて議論を行うこととしたいと思います。
 では、事務局から「2.部会における議論の進め方について」の(1)2040年の我が国の予測について説明をお願いします。
○岡政策統括官付参事官 それでは、資料2の1ページ目の下のほうでございますが、2の(1)2040年の我が国の予測についてです。
 議論の前提となる2040年の我が国の予測につきましては、横断的なテーマを扱う部会ということでございますので、労働政策と他の分野との政策連携の強化の観点から、厚労省だけでなく、他省庁で行った推計も参考にしてはどうかということで、資料の1ページ目から次のページにかけて幾つか例示を挙げてございます。1つ目は、厚生労働省が行いました雇用政策研究会の報告書でございます。それから、JILPTの2023年度版の労働力需給の推計でございます。これらによりますと、2040年には、今後、労働参加が促進された場合でも労働供給量がほぼ横ばいとされておりまして、我が国の経済成長のためには、新技術等による省力化の推進が重要な課題であるとされております。これらを踏まえまして、新技術等による省力化が労働市場に及ぼす影響について議論をしてはどうかというのが1つ目でございます。
 ②のところでございますが、経済産業省の経済産業政策新機軸部会の第4次中間整理で今後の人材需要の推計等をしてございます。これによりますと、2040年においては、事務職、大卒以上の文系人材が余剰となる一方で、AIやロボット等の活用人材、あるいは大卒以上の理系人材が不足するといった予測がされてございます。こうした職種間・学歴間のミスマッチが発生する可能性があるとされておりますので、これらを踏まえますと、成長分野への労働移動、あるいはそれに必要なリスキリングの実施などが課題となってくる。そういったことで産業構造・就業構造の変化が労働市場に及ぼす影響について議論してはどうかということでございます。
 ③でございます。総務省の第32次地方制度調査会の答申によりますと、地方においては、例えばインフラが老朽化して、それの更新需要が高まってくるわけですが、一方で、その維持管理・更新のために必要な人材が減少していくということとされております。インフラ関連に限りませんけれども、こうした地方の人材の確保を含めて新技術等が地方の労働市場に及ぼす影響について議論してはどうかということでございまして、これに関連しまして、厚生労働省以外に、経産省や総務省等の他省からもヒアリングをしてはどうかということでございます。
 その下にございますが、2040年の我が国の姿につきまして、先ほどのテーマ案のところにありましたように、AIロボティクスの社会実装が加速する可能性が高いということで、これらの国内外の状況とか先行事例等を委員の皆様、あるいはほかの方からプレゼンしていただいてはどうか。また、新技術等の利用に関する海外の事例、あるいは海外における地方部の新技術等の活用事例なども収集しながら議論をしていってはどうかということでございます。
参考で、これらに関連するような様々な報告書がございますので、ここに紹介させていただいております。
 以上でございます。
○阿部部会長 それでは、自由討議に移ります。ただいま説明のありました2040年の我が国の予測について、御意見、御質問等がある委員は挙手をお願いしたいと思います。佐々木委員、お願いします。
○佐々木(勝)委員 大阪大学の佐々木です。
 いつもは画面越しで皆様にお会いしていますが、今日は初めて対面で参加させていただきました。大阪から来るということで、前泊させていただきまして、久しぶりに東京で泊まりました。泊まったところは、ここから日比谷線で4つぐらい離れた築地駅の近くのホテルです。最近、人手不足という話を聞き、感覚的には分かっているのですが、大阪にいると、それをあまり実感しない部分があります。しかし、東京では最初に間違ったホテルへ行ってしまいましたが、そこのフロント従業員はアジア人の方でした。次に正しいホテルに行ったら、そこには2人のフロント従業員がいて、1人は南アジアの方で、もう1人は中国人の方でした。晩飯を食べに行こうかと思って最寄りの町中華へ行きました。そこの店員は中国人だろうなと思ったら、それも南アジアの人でした。今日の朝、朝食を取ろうと思ってホテルのカフェテリアに行ったら、最初に僕のチケットを取りに来た方は東ヨーロッパの方でした。ここまで外国人労働者に頼るほど、すごく人手不足なのだなと思いながら、朝食のお盆とか茶碗を片付けようとすると分別は全部セルフでやらなければいけませんでした。改めて人手不足なのだなと感じました。
 そういう意味では日本は人材不足であり、そしてミスマッチが起きているというところがあるのですけれども、ここで大卒・院卒理系等が不足しているとありますが、むしろこのようなエッセンシャルな部分のほうが非常に人手不足になっているのかなという印象を持ちました。
 また、このように大卒・院卒理系が必要だと言われて、一時期デジタル人材が必要だったことを思い出しました。プログラミングを習えとか言われた割には、今はもう生成AIができてしまって、細かいコードの組み方を分からなくてもプログラミングができるような時代になってしまいました。新しい技術の発展というのは、何か社会を変えるようなイノベーションだけではなく、誰でも使えるような技術を開発していくというのも、ある意味新技術の革新ではないのかなと思っておりますので、ここまでAI・ロボット等利活用人材、大卒・院卒理系等が不足というのにとらわれずに、新しい技術があって、それがどう社会課題の解決に生かされるのかというところを理解できるような、そういう人材を育成すればよいと思います。2040年、つまり、これから14年後ですけれども、速いスピードで必要なスキルというのがコロコロ変わっていったり、求められる技能がコロコロ変わっていったりしても、それについていけるような人材というのは、そういう新しい技術、全体の構造を理解して、それを社会課題に生かせるか、ビジネスに生かせるか、そういうマインドを持てるような人材を育成するというのが必要なのかなと思います。そういう意味では、今後大学教育も含めて、一言でリスキリングと言いますけれども、そういう方向性も考えていく必要があるのかなと思いました。
 以上です。
○阿部部会長 ありがとうございます。
 では、佐々木委員、どうぞ。
○佐々木(か)委員 イー・ウーマンの佐々木と申します。続けて佐々木で申し訳ございませんが。
 今、佐々木先生がおっしゃったことと観点が似ていると思うのですけれども、私たちはどういう人を増やすことによって労働市場が活性化してくるかと考えると、先生が御指摘になったように、過去においては「プログラミングができる人」というようなことだったのが、今はそうではなくて、「AIを使える人」というのを育てなければならないのだろうなと思うのです。
 以前、ITからDXと言っていた時代があって、そのときにも、DXというのは仕組みを変えていくことであって、昨日書いていた手書きのものをただパソコンで打つのではないですよということが言われたけれども、今、世界で「DX」という単語を聞くのは日本だけではないかというぐらい、もうみんなAIになっていると思うのです。
 今度AIになると、今回のテーマのフィジカルAIのようなものは、誰もが使えるようにというもので開発するということですが、労働市場からすると、今、既に生成AIとかいろんなAIツールがありますけれども、これを日々使って仕事ができる人とできない人がいて、これを使っていいよと言っても、どう使っていいか分からない、どんな質問をしていいか分からない、そこで言われたことを自分の中では対応し切れないという人が出てきているなと見ています。
 よって、これから2040年に向けて労働市場として教育という面で。文科省とも連携するということを事前にも聞いたのですが、そういうことを考えたときに、どんなスキルがある人かというよりも、素養、それもスキルかもしれませんけれども、ちゃんと質問ができる人、何が課題なのかを見つけるとか、適切な質問ができるとか、その質問に対して、自分がそれをクリエーティブに受け取って、また自分で一歩先をつくり出すと。漠然とした表現で申し訳ないですが、そういったスキルを高めていかないと、技術はどんどん進んでいくので。Aという技術を学ぶ、Bという技術を学ぶという時代が終わったのかなという意味で、全体的に新しい視点を取り入れる人材。私はダイバーシティというのが専門なのでそういう視点から考えますが、いい質問ができて、使える人を育てるということが一番重要なのかなと思っているので、ここも検討していきたいと思っています。
 以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 川﨑委員、どうぞ。
○川﨑委員 ありがとうございます。川﨑です。どうぞよろしくお願いいたします。ウェブ越しが多かったのですけれども、今日は会場に来ております。
 私のほうからは方向性について2点コメントをさせていただければと思っています。1点目は①で、新しい技術が出てくると、今回省力化によっての労働市場に及ぼす影響にフォーカスをされたというところではありますけれども、一方で、省力化になるまでの新技術を興してくるということ。新しい産業がそこにもあるわけで、そこでの人材の活用、そこでの産業の大きさ、そういったものがどういうインパクトを労働市場に及ぼすかという観点も持っていてもいいのではないのかなと思います。ヒアリング先が経産省も入っているということでありますので、日本全体の競争力をどう上げていくのかといったところでは、今、例えば半導体関連の工場が地方にもできているわけで、そういうふうになってくると、新しい技術を普及させるがための産業も当然興ってきます。そこに対しての人材をどう見ていくのかといったような観点が1つ検討の候補としてあるのではないかと思っています。
 もう一つが②の人材のところで、これはどちらかというと大卒・院卒文系というところがフォーカスされていますけれども、実は地方で見ていくと、地方で高校を卒業すると、大学に進学すれば都会に出ていってしまって人材がいなくなるとよく言われますが、一方で、高卒で就業する人たちもたくさんいます。あるいは高専卒で就業する人たちもいます。その人たちが地方に残っていくと。一方、彼らの離職率が問題になっている面があります。そういう意味では、地方での高卒・高専卒の人材の活用の在り方が、ひいては人手不足、地方でのインフラの老朽化等々による社会課題への解決につながっていくという観点からも、地方の人材の在り方にも焦点を当てられればいいのではないのかなと思っています。
 私からはこの2点になります。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 オンラインで石原委員から手が挙がっておりますので、石原委員、お願いします。
○石原委員 おはようございます。石原でございます。今日はオンラインのほうで失礼しております。
 先ほどこの前の自由討議のときも挙手をさせていただいたのですけれども、私、今、AIを活用して社会課題を解決していくという会社におりますのでなおさら思うのですが、まず2040年で本当にいいのですかという話が1つ大きなテーマだと思っております。AIの進歩が物すごく速くて、例えばAGI、汎用人工知能というのは2027年から2028年ではないかと言われていたり、例えばイーロン・マスクは、シンギュラリティはもう来たよと今年の頭に発言しているんですけれども、シンギュラリティというのは、人間の知能全体よりもAIの知能が超えて、AIがそこから自律AI研究を始めていくということが起こると言われている年なのですが、その頃は社会のありようがめちゃめちゃ変わるよと。これは昔は2045年と言われていたのですけれども、今は2030年の早いうちに来ると言われている中で、2040年を前提にした議論で本当にいいのですかとちょっと気になってはいます。
 逆に言うと、2040年の頃にと言われていることの一部は、2030年を迎える前に起きる。例えば物が古くなっていくスピードとか、日本の人口、デモグラフィーがどうなっていくかとかは多分変わらず、2040年が見越せるのですけれども、技術の進歩に関しては、2040年なんて、逆にどこまで進歩するか分からないというときに、2040年フォーカスが本当にいいのかと。手前の話になりますが、そこが1点気になっておりますというのが1つです。
 あとは、テクノロジーの時代になるからこそ、若者をどうするかという話よりも、中高年以上の人たちをどうするかという話にフォーカスすべきなのだろう。若者は勝手にAIなり何なりに自走していく、自分でついていくと思うのですが、そこで取り残されるのは、実は若い人たちでなくて、中高年であり、あるいは職場でAIを使うという経験をしない、今、仕事に就いていない方たちだったりするということでありますので、フォーカスをするのもそちらをなるべく取り上げるべきではないかと思っております。
 といいますのも、もう一つ理由がありまして、相対的に若者が減っていく国なわけですから、若者に働いてもらいたい、若者を雇用したいというニーズはこの先堅調に推移していくことが分かっているわけです。若手に関しては完全に売り手市場になっていくというときに、もちろん、そういう大きな流れからこぼれ落ちる弱者の方がいて、その方たちをどうするかという話はあるのですけれども、一方でそこは結構潤沢に明るい労働市場が見えているという中で、逆に言うと、テクノロジーで仕事の中身が変わっていくのだけれども、そこのスキルを変えられないので働けなくなるのではないかという中高年の辺りにもうちょっとフォーカスがあってもいいのかなと思いまして、その辺がちょっと気になっておりますということ。
 先ほどの2点、テクノロジーの進化に対して、2040年フォーカスで本当に意味がある議論ができるのかという辺りが気になってございます。
 以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 先ほど御指名できず、すみませんでした。今、私の手元にモニターが来ましたので、これからは大丈夫だと思います。
 それでは、大橋先生、お願いいたします。
○大橋委員 本日オンラインでの出席で申し訳ございません。
 第5期における部会の検討テーマに関する大きな方向性には異論ございません。
 以下、若干気づいた点を3点申し上げたいと思います。まず、1点目、AIロボティクスの社会実装ということですが、これは省力化に焦点が当たりがちだと思いますけれども、データ蓄積を通じて質の向上にもつながり得る等といった点もしっかり視野に置くべきなのかなと思います。例えば点検モニタリングの中で、従来、安全性の確保のために目視・打音をしていたというところから、点群データを使った点検モニタリングを通じて安全性が高まるということもあり得ると思いますし、ほかの事例もいろいろあるのだと思いますが、省力化に加えてそうした点もしっかり見ていく必要があるのかなと思うのが1点です。
 2点目ですが、ちょっと論点が違うかもしれませんが、特定技能としての外国人労働者の受入れということに関しても実は重要なイシューだと思っていますが、そうした取組を行う際に、日本語とか、あるいは日本社会への適応を各企業で対応するのは、特に慣れない中小企業を含めて難しい側面があるのだろうなと思っています。そうした取組を促す際に、例えば業界全体で特定技能の受入体制を整えるようなこと、そうした取組は鉄道分野とかでやられ始めたと聞いていますけれども、そうした業界内の取組をしていく中で、AIとかロボティクスが特定技能の導入を容易にし得る側面があるのだろうなと思っています。雇用環境が変わる中で、そうした必要な対策を検討するような間口は本部会においてちょっと広めに取っておくのがいいのかなというのが2点目です。
 3点目は、冒頭の佐々木先生などの御指摘にも近いところだと思うのですが、現在の日本成長戦略とかで議論しているテーマと2040年を含めた将来の就業構造を併せて考えてみると、技能労働者が圧倒的に足りないということは見えているのではないかと思います。具体的には造船とか原子力とか、既に議論されているのではないかと思いますけれども、それ以外の日本が強みのある業種でも不足感が相当強いのだろうなと思います。
 2点目で述べた業界内での取組というのもそうした側面で必要だと思いますが、同時に、工業高校とかを含む地域の教育機関のてこ入れと、あるべき賃金報酬の在り方もしっかり議論しながら、教育を所掌する府省を巻き込んだ議論に早めに手を打たないと、日本成長戦略が目指す尺と合わないのではないかと思います。ここでの議論をしっかり遅滞なく他府省に発注して、その政策立案につなげていくような本部会における事務局案の体制もしっかりしていただくことが重要かなと思っています。
 以上です。ありがとうございます。
○阿部部会長 ありがとうございます。
 皆様からたくさん御意見がございました。もしかしたらまだ御発言のある委員がいらっしゃるかもしれないですが。では、武田委員、お願いします。
○武田委員 ありがとうございます。
 大きな方向性としては賛同いたします。その上で意見を3点述べます。
 一点目は、本部会が始まるに当たり、この数年でAIが急速に浸透し、進化も著しい中で、雇用市場で何が起きているのかを最初に押さえなければいけないと思います。アメリカでは相当分析が進んでおり、例えばChatGPTの一般活用が広まってソフトウエア業界などでは大きく二極化が起きています。「大卒・院卒理系が不足する」との結果とは異なり、30代後半以降の雇用が伸び、新卒の雇用が抑制されるとの結果が示されています。背景として、これまでの就労経験において一定以上働いた方は暗黙知が蓄積おり、AIをうまく活用するとともに、AIで代替できない部分の暗黙知を活用したスキルが非常に重要になってきていることがあります。一方で、暗黙知や、経験知の蓄積が十分でない方々については、AIに勝らないという結果が現時点では得られています。
 また、日本でも高専人材の奪い合いが発生しており、先ほど話題に上がったエッセンシャルワーカーや現場の製造業の分野では、人手不足をAIが代替し切れない状況が少なくとも現状では生じていると思います。
 2点目は、フィジカルAIの導入によりどのようにタスクが変化していくかについてです。技術の変化を完全に予測することは難しいと思います。ただ、一定程度のシナリオを持ち、それに備え、活用していくことは重要と考えます。決して後ろ向きな発想だけではなく、先ほども御意見がありましたように、できることも増えていきます。建設現場やインフラの点検、医療・介護現場等々、100%代替できるかどうかは別として、補完により、安全性や体力面、危険度合いに応じて、これまでは担い手が不足していた分野に、操作性が上がることによって入りやすくなっていく面もあると思います。さらに、生産性が上昇することによって賃金が適切に支払われる環境になっていけば、ミスマッチもうまく解消していく方向性を見出せる可能性もあります。補完関係によって供給力を増やし付加価値を高める方向の議論もぜひ取り入れていただければと思います。
 3点目、非常に重要なことは「非AI力」と思います。技術のスピードが速いため、リスキリングに取り組んでいる間に、次の技術に変わってしまう状況が生じています。そのため、最低限AIの進化に全員がついていくことは必須ですが、それだけでは不十分で、むしろ問われるのは、佐々木委員が先ほどおっしゃられたとおり、「非AI力」の重要性を再確認する必要があると考えます。
 なお、本文には「AIとフィジカルが融合したソリューション(AIロボティクス)」と記載がありましたが、フィジカルAIはロボティクスだけではありません。その点は例えば「等」をつけておくなど、必要があれば修正いただければと思います。
 以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。よろしいですか。
 今、多くの委員の皆様から御意見を頂戴したと思っております。今後議論する中で、皆様からいただいたテーマを私と事務局で相談しながら、順に皆さんと議論できたらいいなと思います。その中で、労働市場への影響を考えるという意味では、特定の労働者ではなくて、もっと幅広に今後2040年にかけてどういう影響があるのかというのを議論すべきだろうなと思いましたし、また、石原委員がおっしゃったように、2040年でいいのかというのも少し考えておく必要もあるのかなと思いますので、この辺りもおいおいヒアリングでいろいろ御知見のある方々に御意見をいただきながら、皆さんと議論できればと思います。また、武田委員がおっしゃったように、足元で何が起こっているかということも大事だと思いますので、それについてもできれば早い段階で議論できたらいいなと思いました。
 事務局のほうはそれでいいですか。何かありますか。
○岡政策統括官付参事官 ありがとうございます。
 今、部会長がおっしゃられたように、今日いただきました御意見を踏まえまして、この案にこだわらず、ちょっと視野を広げて御議論いただければと思いますし、それに必要なヒアリング等、あるいは資料の収集なども事務局で行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○阿部部会長 そのようにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、次の「2.部会における議論の進め方について」の(2)2040年に向けた新技術等が与える労働市場への影響について、事務局から説明をお願いします。
○岡政策統括官付参事官 それでは、3ページの①新技術等による省力化が労働市場に及ぼす影響ということでございまして、主な論点として、省力化に伴う労働供給量の維持について。それから、人手不足業界等への省力化を中心とした新技術の導入状況と課題について。それから、働く場所にとらわれない就労者が生産性向上をどう図るか、あるいは健康をどう確保していくか。そのための人材マネジメント手法について。それから、省力化の推進に関する企業への導入支援の在り方について。こういった観点で御議論いただいてはどうかということです。
 それに関連いたしまして、ヒアリング先の候補として、例えば外食関係、建設関係、小売関係、先ほどエッセンシャルの話がございましたが介護関係、先ほど運輸の関係もありましたので、運輸関係なども考えられます。そういったところからヒアリングしてはどうかということでございます。
 以上でございます。
○阿部部会長 ありがとうございます。
 では、自由討論に移りたいと思います。既に先ほどもこの辺りに議論が及んだかと思うのですが、御質問、御意見がございましたら御発言いただきたいと思います。御発言のある委員は挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。それでは、浦委員、お願いします。
○浦委員 雇用政策研究会報告でも御指摘がありますように、労働人口の減少や高齢化が進む中において、多様な個人の労働参画の促進と生産性向上が重要であるということは、まさにそのとおりであると思います。
 一方で、労働参画を拡大していくためには、新技術による省力化の実現のみでは難しく、働きやすい環境整備と併せて進めるべきではないかと考えます。具体的には長時間労働の是正や継続的なリスキリング、高齢期になっても安心して安全に働ける環境づくり、障害者が合理的配慮を受けながら働ける環境整備などが想定されます。
 なお、多様な働き方の拡大という名の下に、安定的な雇用形態からギグワーカーなどの保護の弱い就労形態へ安易な置き換えが進むことは問題であり、労働者保護の観点からも十分留意する必要がございます。
 また、新技術の活用が長時間労働の撲滅や危険作業の代替など、労働安全衛生の向上につながるような観点から検討されることも必要と思います。特に危険・有害作業を含むいわゆる3K分野においては、新技術の活用による労働環境の改善が期待されることから、こうした分野における研究開発や導入が進むよう、政策的な支援の在り方についても検討する必要があるのではないかと思います。
 諸外国を見た際に、AIなどの新技術の利活用に関し、規制の差異も見受けられ、そういった影響についても考慮する必要がございます。
 なお、日本においては、人間中心のAI社会原則を基に、今後のAIなどの研究開発や利活用において、人間の尊厳の尊重はもとより、多様な人々が多様な幸せを追求できる社会、かつ持続可能な社会の実現を目指し、労使などステークホルダーが対話しながら進めていくことが大切だと思います。
 発言は以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 オンラインで岡本委員から手が挙がっておりますので、岡本委員、お願いいたします。
○岡本委員 ありがとうございます。
 私は、新技術などによる地方への影響について発言をさせていただきたいと思います。地方においては、農業、漁業などの一次産業や中小企業の割合も高く、さらに人材不足や経済的余力、ノウハウ不足などの課題があることは、これまでも指摘されてきたかと思います。ヒアリング先の検討に当たっては、地方の実情やAI自動化技術に詳しい研究者のほか、例えば中小企業基盤整備機構など先進的な事例収集だけではなく、中小企業の実態や課題の把握といった観点からも検討していただいたらどうかと思います。この点は先ほども何人かの方から意見が出ていたかと思います。
 また、地方の活力を維持し続けるためには、労働力不足解消に向けた新技術の導入にとどまらず、民間の消費の拡大や、良質な雇用の創出など、政策的な支援が重要ではないでしょうか。
 第4期でも議論となっていたところですが、資料3の63ページ、労働参加率を見ても、地方では女性を中心に労働参加の伸び代が大きいと考えられます。一方で、64ページの数字を見ますと、まだこんな感じなのかと啞然としてしまいますが、L字カーブの解消や固定的な性別役割意識の見直しなど、これまでも様々な場面で議論はされていると思いますけれども、ジェンダーギャップの解消に向けた取組を一層進めていくことが重要だと思います。
 また、第4期の報告では、地方の中小企業について、求職者が企業のキャリアパスや職務内容を十分に把握できていないという情報ギャップの問題も指摘されていました。企業情報の積極的な開示や情報発信を進めて、企業や産業の魅力を可視化する取組が求められていると思います。さらに、地方においては、AIなど新技術のスキルを有する人が都市部に労働移動せず、その地域で就労し続けられるように、地方の企業の処遇、雇用環境の整備に対する十分な支援が必要だと考えます。
 また、新技術に関する公的な職業訓練や支援策について、地域偏在が発生しないような予算措置を行うとともに、ハローワークによるきめ細かなマッチング支援やJEEDなどの公的機関の活用を通じて、中小企業の人材確保や能力開発を後押ししていくことも必要なのではないかと思います。JEEDは、本当にいろんな活動をされていますし、もっといろいろなことで活動をアピールしていくべきではないかと感じました。以上、こうした視点も含めて議論やヒアリングなどをしていただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 それでは、山田委員、お願いします。
○山田委員 山田でございます。ありがとうございます。
 私から3点ぐらいコメントさせていただきたいのですけれども、最初に、この前の総論のところで委員の先生方がおっしゃったこととも関わるのですが、特に新技術の労働市場に及ぼす影響ということに関しては、既にかなりいろんな分析の蓄積とか、武田委員がおっしゃいましたけれども、アメリカではかなり分析が進んでいますし、そういうのをフレームとして整理したほうがいいのではないかなと思います。もちろん、生成AIで一段また変わったとはいえ、デジタル技術ということでは共通項を持っているということなのだと思うのです。よくある議論では、こういうデジタル技術というのは雇用を代替していく効果と、もう一つは労働を補完するというか、「オーグメンテーション」という言葉をよく使っていますけれども、生産性を上げて賃金を上げたりしていくと。その2つがフレームとしては分けられるわけですが、恐らくそれが職種と職種のレベルによって出方が違うということなので、その辺、私が見た範囲でも、例えばILOがかなり整理された議論をしていますので、その辺り、全体、議論の出発点として整理していくという作業をされたらいいのではないかなと思います。
 その上で、次の論点にも関わってしまうのですが、まとめて申し上げたいと思います。これも先ほどあった議論で、AIの影響というのは全体に影響してくるので、デジタル関係に直接関わっている人だけではなくて、特に使う側というのはあらゆるものに影響していく。AIはいわゆる汎用目的技術と言われているものになるだろうと考えられていますので、ところが、先ほど申し上げたように、職種によって影響の出方がどうも違うようだということが分かってきているので、先ほどの議論の中でありましたけれども、特に現場労働に対するインパクトの部分が焦点になってきているし、恐らく労働需給を考えていくと、ここが本当に不足するというのは、様々なレポートの中でも明らかにされてきていますので、ここにフォーカスしていくということが1つ重要な論点だと思います。
 ヒアリングするところも、個別には本当に困って対応している先進的な企業も出てきています。例えば介護でも本当に人手不足で、技術を使って生産性を倍にしたような事例なども出てきていますので、そういう企業さんに具体的にヒアリングをしていって、どんな形の使い方がされているのか、どういう可能性があるのか、そんなヒアリングをしながらやっていくということが大事ではないかなと。これが2点目です。
 もう一つも先ほどの議論であったのですけれども、結局、AIの進歩というのは日進月歩なので、何ができるかというのは、もう先が読めないと。先ほども議論があったと思うのですが、それはメタスキルというものではないかなと思うのです。具体的なスキルの前に、変化に対してどう対応していけるかという能力、メタスキルという考え方があると思うのですけれども、こういうものがどういうふうに育成されるのかというのは、一定の蓄積というのはあると思います。あと、それを具体的にリスキリングとか育成のプロセスにどう落とし込んでいけばいいのか。この辺も専門家、見つかればヒアリングをして考えていけば、提案としてはかなり面白いところにつながっていくのではないか。
 取りあえずその3点を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインで橋本委員が手を挙げていらっしゃいますので、橋本委員、お願いいたします。
○橋本委員 初めて参加させていただきます。学習院大学で労働法を担当している橋本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初のテーマ案でGXについても触れられておりますが、その後の具体的テーマのところにあまり反映されていないかなとも思いましたので、その点について少し申し上げられればと思います。近年、諸外国の労働法において、気候変動と労働法というテーマについて徐々に議論されるようになってきております。その主な関心は「公正な移行」という概念で、気候変動を抑止するための産業構造の変化によって影響を受ける労働者の不利益を最小限に抑えることが、ILOの2015年のガイドラインによって重要な課題だと指摘されています。この公正な移行の概念は日本でも知られていると思います。2023年5月に制定されたGX推進法3条の目的規定に「公正な移行」というのも入っております。というので、最先端の実務についてのヒアリングも行われるということですので、GXに向けた企業の取組や雇用における影響についても本部会で取り上げて勉強させていただければと思っております。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 ほかに。では、佐々木委員、お願いします。
○佐々木(か)委員 ありがとうございます。
 ヒアリングについてですけれども、ヒアリング先を探すときに、通常ですと、よい事例を持った企業様に来ていただいたりしてお話しいただくということがあると思うのですが、例えば導入がうまくいかなかった事例とか、せっかくオンラインが活用できる時代なので、海外の企業様に海外での好事例、先ほどから2040年でいいのかと。私もよくないと思うのですけれども、現在アメリカやヨーロッパでこんなふうにやっているという事例をヒアリングできたらいいのではないかなと思いました。国内外で事例をヒアリングする設定をいただけたらと思ったのが1点。
 AI活用で、私も先ほど申し上げた教育、使えるような人、武田さんの言葉だと、非AI力。今の山田先生だと、メタスキルということかと思うのですが、それを個人の労働者に私たちが求めるだけではきっと足りなくて、できれば調査データがあればいいなと思うのが、うまくいっている会社の経営者のAI活用力とそこの会社のAI活用率や成功率との関係。あるいは学校であれば、教員のAI知識とその子供たち。それは小学生から大学院生までいると思うのですが、教員がAIをどのぐらい使えているのかということと成果の関係。この辺りが調査されるといいのではないかなと。トップがしっかりとAIを日々活用したり、考えたり、勉強したりしているところは、多分どんどん社内にも浸透させていて、労働環境もよくしたりしていくのかなと思うので、この関係はもしデータがあれば開示いただきたいですし、なければ少し調査対象なのかなと思ったということ。
 2点でございます。以上です。
○阿部部会長 ありがとうございます。
 では、山川委員、お願いします。
○山川委員 山川と申します。よろしくお願いします。
 私はこの部会、最初からふわっと参加していまして、最近事情があって、これまでに出た報告書を全部読むというちょっと変態的な行動も取ってみたのですけれども、部会の性質上、当然仕方ないと思うのだけれども、何となく同じ話をずっとしているなという印象は正直ありました。それはいいのだけれども、これまでそこそこ調べたところはばさっと捨象するとか、敷衍するにしてもそこはあまりやらなくていい。
 何が言いたいかというと、ある程度論点を絞ってもうちょっと深掘りしたような報告書が出せたほうがいいのかなと。でないと、前の報告書と結構ダブる点が多くなってきてしまうのかなという気もしましたので、今回であれば、「新技術等による」という縛りをかなり明確にした上で、ある程度重要な論点。今出てきたメタスキルであれば、多分多くの委員の方々が御関心があると思うから、そこを割と深掘りする。広く浅くよりは、ある程度論点を絞ったほうが有益な報告書ができるのではないかという印象を持っています。
 以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 皆さんから御意見をいただきましたので、特に山川委員がおっしゃられた論点を絞るという点については、私と事務局のほうで相談させていただきます。
 取りあえず本日は今後の進め方について議論するということですので、幅広く委員の皆様から御意見を伺いまして、佐々木委員からもヒアリング先についていろいろと言及がありましたので、今後委員の皆様も含めて、今後の進め方、まず私と事務局で相談させていただいて考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、相原委員、どうぞ。
○相原委員 御説明がなかった②のところでもよろしいですか。
○阿部部会長 ②③はこれから説明を事務局からお願いしようと思っているところでございます。
 では、かなり②③にも踏み込んで委員の皆様から御指摘いただいてはおりますが、改めて②と③の部分について、事務局から説明をお願いいたします。
○岡政策統括官付参事官 今、部会長から御指摘がありましたように、①も②も③も密接な論点でしたので、最初から全体を通して御議論いただければよかったなと反省しております。資料の②と③を簡単に御説明させていただきたいと思います。
 まず、②は新技術等による産業構造・就業構造の変化が労働市場に及ぼす影響ということで、主な論点として、先ほど御意見の中でありましたけれども、1つは賃金への影響。それから採用、「若手採用への」とありますが、先ほど中高年の影響というのもございましたけれども、雇用への影響です。それから職種間・学歴間のミスマッチ。それから学校教育と労働政策の連携ということで、先ほどのテーマのところでは理系人材とか大学の理系卒などに言及しましたが、皆様から御議論がありましたように、現場人材、あるいは工業高校卒ですとか、そういった人材も当然必要になってくると思います。
 それから、スキル需要を踏まえた必要なリスキリングということで、これも技術が日進月歩で進んでいく中で、普遍的なその前段階のリスキリングというのも必要ではないかという御意見がございましたが、また、企業が求める技能についても同様かと思います。あとは新産業等成長分野への労働移動と労働市場の見える化等の推進について。こういったことについて改めて御議論いただいてはどうかと思っております。
 また、ヒアリング先として、先ほど文科省の話もございましたし、GXの話もございました。それから、新技術関係ということで、関連する企業にヒアリングをしてはどうかということでございます。
 ③は新技術等による地方への影響ということで、専門人材、エッセンシャルワーカーをはじめとした人材確保の可能性。それから地域の産業、中小企業における新技術等への導入支援。それから多様な働き方、長時間労働の削減とかそういった御意見もございましたので、働き方の関係。それから人材育成の在り方と課題についてということで、こちらも自治体、関連するような企業からヒアリングをしてはどうかということでございます。
 以上でございます。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見、御質問があればお願いします。では、相原委員、お願いします。
○相原委員 ありがとうございます。今回から委員を務めます相原と申します。よろしくお願いいたします。
 1つ目は、この部会として、大変進化のスピードの速い新技術ですけれども、どういう期待があるのかということは冒頭で確認をしておく必要があると思っています。日本経済を牽引し得る成長分野の拡大というのは筆頭に上がってくると思いますが、その牽引も、経済のパイの拡大と社会課題の解決といった質的な対応という面からの期待があると思います。
 また、人口減少・超高齢化ですから、そういう社会的な負の側面を軽減・克服するという側面が強調されていいと思います。
 もう一つは、新技術に適応する、それに伴って能力向上を果たしますから、働く人に対する適切な賃金上昇が伴って当然であり、こういう目標観が掲げられるべきだと思っています。したがって、ヒアリング先の話もありますけれども、産業や教育、社会や労働、各対策分野を一体的に議論していくという場になれば建設的だと思います。労働環境を改善していくというブライトサイドの話も含めて、そういう光の部分を拡張していく、社会全体の底上げの期待ということでフォーカスされるだろうと思います。
 2点目は社会的なセーフティネットの観点に触れたいと思います。これは少しダークサイドになりますけれども、新技術はもちろん期待されますが、その反面で就労構造、産業構造の激変が伴うため、これに対する事前対処が不可欠だと思っています。したがって、テクノロジーは進化が速いですけれども、生活の安定を損なう事態に対して適切にワークする、重層的で、かつ機動的な政労使協働による社会的セーフティネットの整備があらかじめ必要だということは強調したいと思います。したがって、適切な労働移動を可能とするいわゆる失業なき労働移動のための積極的な雇用政策が有効であるということを確認できればと思います。
 3点目は企業行動の観点ですけれども、産業構造の変化に伴ってスキルの習得、蓄積をするのは大変時間がかかるものです。一方で、OECDの統計を見ても、日本の人材投資というのは、主要国の中でも最低水準に甘んじてきたというのが実態だと思います。雇用形態や企業規模によって能力開発機会にも差異があることも明らかとなっています。
 したがって、これはいろんな分析の仕方がありますけれども、1つは、この間、非正規雇用労働の拡大で明らかなように、長らく企業が人材に投資するというインセンティブが停滞していて、改善されなかった証左であると考えられます。新技術の導入タイミングをもって、改めて企業行動を大きく反転させていく、ヒューマンキャピタルを積み上げるという好機にするべきだと考えます。
 4点目に、労使間での情報共有、協議ということにフォーカスすべきと思います。産業構造の変化に伴うスキルの変化への対応、もしくは中小企業も含めてどのようにリスキリングのメニュー開発できるかどうか、スキルと賃金の関係の見える化なども今後の課題だと思いますので、適切な処遇改善に反映される仕組み、継続的な能力開発の必要性が多くの労働者に伝わるような、こういう仕組みを全体で組み上げていくべきだと思います。
 エッセンシャルの話もありましたが、大変な人手不足にあります。人手不足でありながらも、賃金が見劣りする状況は変わっておりません。したがって、新産業のこの話とは別かもしれませんが、構造的な課題を抱える足元の実態も踏まえて、労務費の適切な価格転嫁、さらには公定価格の見直しなど、賃上げにつながる政策的な支援が必要だということも補足的に申し上げたいと思います。
 いずれにしても、目指すべきは労働者が安心して、かつ安定的に就労を可能とし、新技術を使いこなし、そして高付加価値を支える、こういう雇用社会をつくっていくべきであり、この実現を可能にするためには労使の話し合い、協議が必要不可欠であるということを申し上げておきたいと思います。
 ありがとうございました。
○阿部部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、部会における議論の進め方については、ここでひとまず終えまして、3番目の部会のスケジュールについて、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○岡政策統括官付参事官 それでは、資料4ページでございますが、「3.部会のスケジュールについて」でございます。次回以降については、これから日程調整をさせていただきますが、まずは今日様々御意見をいただきましたので、それを踏まえまして、関係省庁や関連する企業、自治体、有識者の方からヒアリングを行いたいと思いますし、また、今日、海外の状況とか足元の状況などのデータや、既に議論が進んでいるものがあるということで御指摘いただきましたので、可能な範囲で資料を収集していきたいと思っております。そういったものを踏まえて御議論を続けていただきまして、必要に応じまして途中で論点整理、あるいは中間まとめというのもしていき、最終的には年度末までに報告書を取りまとめまして、本審のほうに報告をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○阿部部会長 部会のスケジュールについて御説明いただきましたが、これについて御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、今期はこのようなスケジュールで進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日は皆様から多数御意見をいただきました。私の記憶が正しければ、AIの議論は2013年、2014年頃から始まって、特に経済学の分野でもAIについていろいろ議論が出てきたと思います。それからもう既に10年以上たっていますけれども、当時言われていたようなことが今起こっているのだろうかというと、そこまで激しいことはまだまだ起こっていないのではないかなと私自身は考えております。さらに二十数年前に、ITが雇用・労働にどう影響するかという話がありましたけれども、それもまた思った以上に大きな影響はなくて、いつの間にかITにうまく適応していたのではないかというところもあるかなと思うのですが、ただ、私が関わった調査ですと、今のところ民間企業の約3割程度がAIを利用していますということでした。ただ、地方部の企業はあまり利用されていないような状況で、今後AIの利用が進んでくると、労働市場や雇用に大きな影響を与える可能性もあるのではないか。さらにAIというのは物すごい急速な進歩、ロボットもそうなのだろうと思うのですが、進んでくるということを考えると、あらかじめいろんなシナリオをつくって、それに対応した労働市場政策、あるいは雇用政策を考えていくということが大事なのだなというのを、今日改めて皆様の御意見をお聞きしながら思った次第です。
 本日いただいた皆様の意見を事務局と私で相談しまして、皆様の意見を十分勘案して今後の進め方を考えてみたいと思っております。またその段階で委員の皆様に御相談を申し上げることがあるかと思いますが、その節はよろしくお願いいたします。
 皆様のほうから何か御発言があれば最後に伺いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、最後に、次回の日程等について事務局からお願いしたいと思います。
○岡政策統括官付参事官 次回の日程につきましては、調整の上、追って御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○阿部部会長 それでは、以上で本日の労働政策基本部会は終了させていただきと思います。御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございました。オンラインの方々もありがとうございました。