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第221回労働政策審議会職業安定分科会 議事録
日時
令和8年2月26日(木)9:00~11:00
場所
- 会場
- 厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 12階公園側)
- 傍聴会場
- 厚生労働省 職業安定局第2会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)
議事
2026-2-26 労働政策審議会職業安定分科会(第221回)
○阿部分科会長 おはようございます。
出席予定の委員の皆様、お集まりですので、ただいまから第221回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
皆様方におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の黒澤委員、使用者代表の久保委員が御欠席と伺っております。
また、使用者団体の小阪委員は、遅れての御出席予定と伺っております。馬渡委員は、途中で御退席予定であり、御退席後は、全国中小企業団体中央会の労働政策部長の田上様が代理で出席されます。
本日の分科会は、Zoomによるオンラインと会場での開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局より送付しております「職業安定分科会の開催・参加方法について」に沿って操作いただきますよう、よろしくお願いいたします。
当会議においては、原則ペーパーレスとしております。また、オンラインで御参加いただいている委員の皆様におかれましては、原則として画面をオンにしていただくようお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
議題1です。「(1)職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○髙島需給調整事業課長 需給調整事業課長の髙島です。よろしくお願いいたします。
議題の1番、職業安定法施行規則の一部を改正する省令案の諮問に関して御説明をさせていただきます。
こちらにつきましては、昨年、労働力需給制度部会において御議論いただき、諮問をさせていただいた内容に基づきまして、この分科会でも諮問をさせていただくものとなります。
資料につきましては、資料1-1、1-2及び参考資料の1を準備させていただいております。
資料1-1は諮問書となりますので、まずは、それに先立ちまして、改正の趣旨、概要につきまして、資料1-2を用いて御説明をさせていただければと思います。
資料1-2を御覧ください。1ページ目になります。
有料職業紹介事業者は、事業所ごとに専属の職業紹介責任者を自己の雇用する労働者の中から選任することと、職業安定法令で定められております。
こちらの制度につきまして、規制改革実施計画が昨年の6月に閣議決定をなされておりまして、その計画の中で、こちらの検討につきまして事項が盛り込まれておりました。
その内容でございますけれども、職業紹介サービスの質の確保を前提とした上で、デジタル技術を徹底活用すること等により、一定の要件を満たす場合には、職業紹介責任者に複数事業所を兼任させることを可能とする方向で見直しを検討するということとなっております。
こちらの閣議決定の中では、職業紹介責任者、こちらは、例えば求職者、求人者からの苦情の処理ですとか、個人情報の管理に関すること、あるいは公共職業安定所との連携等が業務となっているのですけれども、この職業紹介責任者の専任の義務が、職業紹介事業者の重大な人材配置や、地方を含む新たな事業所の開設等の障壁になっているといったような指摘も、この規制改革実施計画の中で触れられておりました。
こちらを踏まえまして、この見直しの具体的な内容につきまして、労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会において議論をさせていただきまして、成案を取りまとめましたので、以下の改正の概要につきまして御説明をさせていただきます。
改正の概要、2つの○がございます。
1つ目の部分が、先ほどの閣議決定の中で触れられておりました、兼任に当たっての一定の要件について整理したものとなっております。
職業紹介責任者の兼任ということで、職業安定法施行規則第24条の6第1項に定められている内容となります。
こちらは、まず、有料職業紹介事業者が事業所を新設する場合にあっての要件緩和とすることといたしました。そうした新設をする場合にあって、当該新設事業所を新設する事業年度の翌事業年度末までの間の措置といたしました。ですので、最大2年間ということになります。
加えまして、当該有料職業紹介事業者が有料の職業紹介事業を行っている他の事業所の職業紹介責任者についても、一定の経験の要件を課すことといたしました。
それにつきまして、この資料の3行目の括弧書きの中に書いておりますけれども、職業紹介責任者として実務に従事した期間が通算して10年以上であるものに限ると。通算といいますのは、労働力需給制度部会の議論の中で、出産、育児等により、その業務から一時的に離れる方もいらっしゃるということを想定して、連続ではなく通算ということとしたものになります。
こうした要件のもとで、既存事業所に置かれている職業紹介責任者の方が、新設事業所の職業紹介責任者として兼任させることができることとするとなりました。
この場合において、以下、「また」から始まる段落は、さらなる細部の要件となります。この場合において、当該他の事業所または新設事業所において、職業紹介に係る業務に従事する者の合計の人数は、職業紹介責任者1人につき50人以下とするというものとなります。
こちらは、現行の法令において、職業紹介責任者は、職業紹介事業所において、スタッフの方の数が50人以下の場合に1人置く。50人超えた場合は、さらにその方を増やしていくというルールになっておりますので、その要件を維持することといたしております。
既存事業所で50人以下の場合、新設事業所で50人以下の場合ということだけではなくて、合計して、その職業紹介責任者が管理するスタッフの方の人数が50人以下の場合は1人、それを超える場合には1人ずつ増やしていくという形の要件を加えたものとなっております。
「また」ということになりますけれども、既存事業所または新設事業所において、職業紹介に係る業務に従事する者の数が50人を超えるときは、当該職業紹介に係る業務に従事する者の数が50人を超える事業所の職業紹介責任者のうち、少なくとも1人以上は、当該事業所に専属の職業紹介責任者とするというものになっております。
こちらの要件でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、職業紹介責任者の方が、その管理監督をする職業紹介事業所のスタッフの方の数に要件を課しております。今回、兼任を認めるに当たりまして、大きな事業所の方が兼任の責任者ばかりにならないように、50人を超える大きな職業紹介事業所においては、職業紹介責任者の方、複数置かれる中のうち、少なくとも1人以上は専任の方をきちんと置いていただくという要件を設けたものとなっております。
2つ目の○、兼任させるに当たって提出する書類というのは、手続的な事項となります。先ほど申し上げましたとおり、議論でまとまった一定の要件の中には、職業紹介事業所を新設する場合についての緩和であると説明をさせていただきました。
職業紹介事業所の新設というのは、職業安定法令においては、労働局に届出をいただくことになっております。その届出に当たって必要な書類あるいは紹介責任者を兼任される場合は、その責任者個人の方に関する書類などは、既に一度労働局はいただいておりますので、そうした場合には、重ねて提出することは不要とする、そういった見直しをする旨の内容が、こちらの2つ目の○に定められております。
次の2ページ目に移らせていただきます。
※印のところになりますけれども、先ほど閣議決定の内容を御紹介させていただいた際、その一定の要件のもとで兼任を可能とするというもののほかに、職業紹介サービスの質の確保を前提とした上でということが閣議決定において触れられておりました。
この職業紹介サービスの質の確保についても、あわせて労働力需給制度部会で議論をいただきました。その内容が※印に定められているものとなります。
職業紹介サービスの質を確保する観点から、職業紹介責任者を兼任する事業所については、次の留意事項を遵守することを許可条件として付すこととするとなっております。
4つのポツがありまして、御紹介をさせていただきます。
1つ目が、情報通信技術を活用した統括管理を行うための連携体制の整備を行うこと。
2つ目、必要に応じて実地管理、要は、必要な場合には、兼任先、ふだんは常駐していないような職業紹介事業所にも直接行くことができるということ。実地管理に切り替えることが可能な体制を確保すること。
3つ目、統括管理の実施状況の継続的確認及び必要な改善を行うこと。
4つ目、都道府県労働局による指導監督等の実施に当たり職業紹介責任者を兼任させていることによる支障を生じさせないことの4点となります。
以上につきまして、労働力需給制度部会で御議論いただきまして成案をまとめさせていただいたものとなります。
こちらの内容につきまして、職業安定法施行規則の改正を、先ほど申し上げた改正の概要の2つの○が伴うものとなりますので、本分科会で諮問させていただいた後に、所要の法令の作業を行いまして、来年度、令和8年4月1日の施行を予定しているものとなります。
以上が改正の見直しの概要の全体像となっております。職業安定法施行規則の改正を伴うもの、先ほどの資料の1-2の中で、2つの○で御説明をさせていただいたものにつきまして、要綱の形でまとめさせていただきまして、諮問させていただくものが資料の1-1となります。内容は同じものですので、こちらの説明については省略をさせていただきます。
また、参考資料1では、労働力需給制度部会で御議論いただく際に、資料として提出をいたしました規制改革実施計画の抜粋でございますとか、職業紹介責任者の概要についての資料、そのほか、今回の兼任を行う際の配置のイメージ等につきまして、労働力需給制度部会で御議論いただく際に提出させていただいた資料を、参考資料としておつけをさせていただいております。
需給制度部会での諮問の際には、おおむね妥当との報告をいただいております。何とぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
それでは、本件について、御質問、御意見がありましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。
いかがでしょうか。
平山委員、お願いいたします。
○平山委員 ありがとうございます。労働者委員の平山でございます。まず、御説明ありがとうございました。
ただいまの説明の中でも触れられていたのですけれども、諮問事項の内容については、特段の異論はございませんが、一言意見を申し上げたいと思います。
先ほどの説明の中で質の確保と確認事項について触れられておりましたので、改めてということになるかもしれませんが、職業紹介事業者のマッチング機能やサービスの質が低下しないように、まずは定期的な実施調査などをいただきたいということが1つです。
また、職業紹介責任者の兼任を認める際の要件や留意事項につきましては、厳格に確認をした上で、適正な運用が確保されるようにお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
事務局から何かありますか。
○髙島需給調整事業課長 御発言いただきまして、ありがとうございました。
1点目に御指摘をいただきました、質の確保のためのところにつきまして、御説明させていただきましたとおり、許可の条件に当たって付与させていただくとともに、御発言でもいただきましたとおり、都道府県労働局における職業紹介事業者の定期的な確認の際に、こうした点につきましても確認をさせていただきまして、兼任をすることによって質の低下が生じることのないように、きちんとその運営をしてまいりたいと考えております。
2点目の要件のチェックにつきましても承りました。
○阿部分科会長 それでは、新田委員、お願いいたします。
○新田委員 経団連の新田でございます。丁寧な説明をありがとうございました。
諮問内容につきましては、御説明にありましたとおり、既に労働力需給制度部会で十分な議論がなされた結果と承知をしておりまして、異論等はございません。
ただ、今回の内容については、先ほど参考資料の中でも図を用いて御紹介をいただきましたけれども、実務的に影響のある部分もかなりあると思っています。専属が必要なケースなど、しっかりと今回の改正内容を周知していただいて、現場で混乱が起きないように努めていただきたいことをお願い申し上げます。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
では、どうぞ。
○髙島需給調整事業課長 新田委員、御発言ありがとうございました。
御指摘の周知の件につきましては、私どものほうで、実際、都道府県労働局において届出を受理したり、あるいは定期的なチェックを行うこととなりますので、都道府県労働局には、既にこうした議論がなされていることは伝達をいたしております。
また、その施行に当たりまして、今回答申をいただきましたらという話ではございますけれども、答申をいただきまして、法令の準備をした際には、あわせてリーフレットなども準備をいたしまして、事業者の皆様にも、この内容について周知を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
○阿部分科会長 ほかに御意見、御質問はございませんか。
よろしいでしょうか。それでは、特にないようでしたら、労働力需給制度部会ではおおむね妥当という報告をしておりますので、当分科会としても、議題1について、厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案を表示)
○阿部分科会長 表示されました報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、そのように報告をさせていただきます。本議題は以上となります。
続きまして、議題2「労働保険の保険料の徴収等に関する法律第十二条第五項の規定に基づき失業等給付費等充当徴収保険率を変更する件案要綱について(諮問)」、それから、議題3の「労働保険の保険料の徴収等に関する法律第十二条第八項の規定に基づき育児休業給付費充当徴収保険率を変更する件案要綱について(諮問)」をまとめて行いたいと思います。
議題2と議題3、2つについて事務局からの説明と質疑応答を一括して行う形にしたいと思います。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
○堀雇用保険課長 雇用保険課長です。
議題2及び議題3といたしまして、令和8年度の雇用保険料率に係る告示案について、まとめて御説明をいたします。
まず、初めに参考資料の2「令和8年度雇用保険料率関係告示案関係資料」に基づきまして、告示案の概要について御説明をいたします。
4ページを御覧ください。
下半分の図でお示ししているとおり、雇用保険におきましては、失業等給付、雇用保険二事業、育児休業給付それぞれで保険料率を設定し、安定的な運営の確保のために、積立金等に積立てを行っているところでございます。
5ページを御覧ください。
失業等給付の財政につきましては、コロナ禍の雇用調整助成金支給のための二事業への貸出し等を通じ、積立金水準が低下しておりましたけれども、このところの堅調な雇用情勢や保険料率の引き上げによりまして、現在緩やかに回復をしているところでございます。
6ページを御覧ください。
雇用保険二事業の財政につきましては、コロナ禍の雇用調整助成金の支出などによりまして、安定資金残高は枯渇し、失業等給付の積立金から累計で2.9兆円を借り入れておりました。
なお、この2.9兆につきましては、昨年度、雇用保険部会等においても御議論いただきつつ、1兆円の控除を行い、残余について雇用保険二事業の剰余金から返済を行うこととされたところでございます。
10ページを御覧ください。
失業等給付に係る雇用保険料率につきましては、原則1,000分の8とされていますが、財政状況に照らして一定の要件を満たす場合には、労働政策審議会の意見を聞いて、厚生労働大臣が変更することが可能となっております。
その下に法律の規定に基づく計算式がございますけれども、積立金に会計年度末の差引剰余を加えた額が年間支出額の2倍を超えれば、保険料率を引き下げられる仕組みとなっておりまして、令和6年度の決算額をこの式に当てはめますと、弾力倍率が2.69ということになりますので、保険料率の引下げが可能な状況となってございます。
11ページを御覧ください。
雇用保険二事業の弾力倍率につきましては、0.54ということで1.5を下回っておりますので、保険料率の引下げができないということでございます。
12ページを御覧ください。
保険料率の設定に当たりましては、安定的な財政運営と保険料負担軽減の両立を図ることが重要と考えており、雇用保険部会におきましては、複数の試算をお示しし、御議論をいただいたところです。
試算の前提として、試算①は、直近1年間の受給者実人員の平均値をベースとしたもの。
試算②は、令和6年法改正に伴う基本手当の給付制限緩和による影響を踏まえた行動変容を想定し、それによる受給者増を考慮した推計値となっております。
具体的なシミュレーションは、次の13ページ以降にございます。
保険料率を令和7年度と同じ0.7%から0.5%まで変更した場合のそれぞれについて試算を提示いたしました。
13ページから15ページまで、二事業の剰余金の2分の1を積立金に組み入れるという前提で、まず、13ページ、保険料率0.7%を維持した場合ですと、両試算とも失業等給付の弾力倍率は2倍を上回り、3倍、4倍に至るという試算になっております。
おめくりいただきまして、14ページ、0.6%に引き下げた場合におきましては、保険料収入は減収となりますが、二事業からの組入れにより、両試算とも失業等給付の弾力倍率は2倍を超える水準で、令和13年度までは推移するという見込みでございます。
最後に15ページ、料率を0.5%に引き下げた場合ですが、試算①の場合は令和9年度、試算②の場合は、令和8年度に弾力倍率が2を割り込むという見込みとなっており、保険料率の引上げが必要になるという試算になってございます。
続きまして、育児休業給付についてでございます。22ページを御覧ください。
育児休業給付につきましては、本則0.5%の料率でありますところ、弾力倍率が1.2を上回った場合には、0.4%まで引き下げることができる規定となってございます。
令和6年度の決算額に当てはめますと、1.70となっており、令和7年度と同様に令和8年度の保険料率についても、本則からの引下げが可能な状況となっております。
25ページに試算をお示ししておりますが、育児休業給付に係る保険料率を0.4%にした場合であっても、令和12年度まで弾力倍率は料率引下げの基準となる1.2倍を上回る見込みであることをお示ししております。
1ページにお戻りいただければと思いますが、以上を踏まえまして、雇用保険部会におきまして、雇用保険二事業による失業等給付からの借入額につきましては、着実に返済を進めつつ、今後の景気動向への備えなどの観点から、雇用安定資金の積立ても行っていくことが必要であることから、令和7年度決算において差引剰余が生じた場合には、当該剰余の2分の1を雇用安定資金に組入れ、残余の2分の1を失業等給付の積立金に繰り入れることとし、令和8年度の雇用保険料率につきましては、失業等給付の保険料率を本則0.8%から0.2%、今年度の0.7%から0.1%引下げ、0.6%にする。また、育児休業給付の保険料率は0.4%にするという結論をいただいたところでございます。
最後に、それぞれの告示案について御説明をさせていただきます。
失業等給付の保険料率について、資料2-1が諮問文と告示案の要綱、資料2-2が概要になります。資料2-2に沿って御説明を申し上げます。
おめくりいただきまして「1.制定の趣旨」といたしまして、雇用保険の保険料率につきましては、労働保険の保険料の徴収等に関する法律によりまして、次の1から3、失業等給付、育児休業給付、二事業のそれぞれの保険料率を合計して得た1,000分の16.5とされておるところでございます。
2つ目の○にありますように、先ほど触れました弾力条項によって、財政状況に照らして一定の要件を満たしますと、保険料率を変更することができることとされております。
「2.告示案の概要」の部分ですが、令和8年度の失業等給付費等充当徴収保険率につきましては、法律上の本則である1,000分の8から1,000分の2引下げ、令和7年度からは1,000分の1低い、1,000分の6とするということでございます。
「4.適用期日等」につきましては、本日御了承いただきましたら、3月中旬に告示を行いまして、本年4月1日から適用することを考えてございます。
続きまして、育児休業給付の保険料率でございます。
こちらも資料3-1が諮問文と告示案の要綱、3-2が概要でございまして、資料3-2に沿って御説明を申し上げます。
おめくりいただきまして「1.制定の趣旨」の部分は、先ほどと同様でございます。
「2.告示案の概要」といたしまして、令和8年度の育児休業給付費充当徴収保険率を本則である1,000分の5から1,000分の1引下げ、令和7年度と同じ1,000分の4とするものでございます。
「4.適用期日等」は、先ほどと同様、本年4月1日より適用することを考えてございます。
この失業等給付、育児休業給付の保険料率の変更の告示案につきましては、1月30日の雇用保険部会におきまして、要綱を諮問させていただきまして、おおむね妥当との報告をいただいたところでございます。
その際、雇用保険部会の委員の皆様から様々御意見をいただいたところでございます。
まず、保険料率を引き下げることは、事業者の負担軽減になるが、積立金の積み上がる速度が緩やかになる等の懸念もあること。
また、二事業からの積立金の組入額や保険料率については、毎年財政状況等も踏まえて、丁寧に審議会で検討する必要があること。
さらに、業種ごとの保険料率について、現在の働き方の実態を踏まえた適切な保険料率の検討をしていく必要があること、こういった御意見をいただいたところでございます。
こういった御意見を踏まえまして、今後の議論や財政運営に当たってまいりたいと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、本件につきまして、御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。
では、石橋委員、お願いします。
○石橋委員 ありがとうございます。石橋でございます。
諮問内容に特段の異論はございません。先ほど雇用保険部会の御意見を御紹介いただきましたが、雇用保険二事業から、失業等給付の積立金への組入額や、各保険料率について、来年度以降についても、様々な試算を踏まえたうえで、労使の負担や安定的な財政運営の観点から、丁寧な検討を本分科会委員の立場からも重ねてお願いをさせていただきます。
以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
では、新田委員、お願いいたします。
○新田委員 経団連の新田でございます。説明ありがとうございました。
私も諮問内容については、雇用保険部会等でもしっかり議論されたということですので、異論等はございません。
ただ、従前から何度も申し上げているとおり、特に雇用保険財政については、健全化が非常に重要な課題だと認識をしておりますので、今後も引き続き、財政状況については注視しながら、検討を進めていただきたいと思います。
加えて、育児休業給付の関係については、近年、男性の育児休業が非常に増えてきており、取得率だけではなくて、日数も増加傾向にあると承知しております。
したがいまして、育児休業給付に関する財政状況についても、引き続きしっかりと注視していただきたいということを、要望として申し上げておきます。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
ただいま、石橋委員、新田委員から御発言がございました。これについて、何か事務局からあればお願いします。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
雇用保険の財政運営につきましては、安定的な運営が必要と考えております。今、御指摘いただきましたように、今後の財政運営につきましても、失業等給付の状況や、男性の育児休業取得率の状況あるいは取得日数の状況など、その時々の様々な状況を勘案し、毎年シミュレーションを行って丁寧な議論をしてまいりたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ほかに御質問、御意見ございますか。
では、特にないようでしたら、まずは、議題2の失業等給付費等充当徴収保険率を変更する告示案要綱について、これは、雇用保険部会では、おおむね妥当という報告をしておりまして、当分科会におきましても厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案の表示)
○阿部分科会長 ただいま、議題2に関する報告文案が表示されておりますが、このとおり労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、そのように報告をさせていただきます。
続きまして、議題3のほう、育児休業給付費充当徴収保険率を変更する告示案要綱について、これも雇用保険部会においては、おおむね妥当という報告をしております。当分科会におきましても厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案の表示)
○阿部分科会長 ただいま表示されております報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、そのように報告をさせていただきます。議題2、議題3は以上となります。
続いて、議題4ですが「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○堀雇用保険課長 雇用保険課長でございます。
議題4といたしまして、広域求職活動費の見直しに関する雇用保険法施行規則の一部改正について御説明させていただきます。
まず、広域求職活動費の概要につきまして、参考資料3に沿って御説明をさせていただきます。
まず、1ページを御覧いただければと思います。
この広域求職活動費は、雇用保険の受給資格者が求職活動を行うに当たって、ハローワークの紹介で住居所から離れた事業所を訪問する場合に、交通費等を支給することで、その方の求職活動を援助し、再就職の促進を図るという制度でございます。
2ページを御覧ください。
昨年実施をいたしました広域求職活動費の支給状況に係る集計結果の概要が、上欄に記載をされております。
直近の支給データに基づきますと、1人当たりの基本手当受給期間における広域求職活動費の平均受給回数は1.6回であり、受給回数が3回以下の方が約96%を占めるということが分かってございます。
他方で、受給回数に制限がないため、受給回数が多い方の中には、面接態度の不良による不採用や採用辞退、内定辞退を繰り返すこと等によって、広域求職活動費を繰り返し受給する実態も見られたところでございます。
このため、再就職の促進を図るとともに、適正支給の観点から、少なくとも3回の広域求職活動費の支給を可能としつつ、就職困難者については、その事情にも配慮するといった観点から、この下にございますように支給回数の上限を設けることとし、それぞれ基本手当の所定給付日数を30で割った回数とすること。また、見直しに当たっては、施行日について、3か月から4か月程度の周知期間を置いて施行することにつきまして、雇用保険部会で御議論をいただいたところでございます。
続きまして、これを踏まえた省令案について御説明をいたします。
資料の4-1が諮問文と省令案の要綱、4-2が概要になります。
資料4-2に沿って御説明を申し上げます。
資料4-2、表紙をおめくりいただきまして「1.改正の趣旨」といたしまして、先ほど御説明いたしましたとおり、広域求職活動費につきましては、支給回数に上限がないという点が課題となっておりましたので、これに一定の制限を設ける改正を行うこととしております。
「2.改正の概要」でございますが、広域求職活動費の支給回数の上限を基本手当の所定給付日数を30で割った回数にすること等を記載しております。
「4.施行期日等」でございます。本日御了承いただくことができましたら、3月下旬に改正省令を公布し、先ほど申し上げたとおり、一定の周知期間を置くこととし、本年8月1日から施行することを考えております。
この広域求職活動費の改正省令案につきましては、1月30日の雇用保険部会で要綱を諮問させていただきまして、それに対して、おおむね妥当との報告をいただいたところでございます。
雇用保険部会におきましては、施行に向けて丁寧な周知を行うことについて御意見をいただいたところでございます。
御意見を踏まえまして、今後の制度運営に当たっていきたいと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
本件につきまして、御質問、御意見がございましたら挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
西委員、お願いいたします。
○西委員 ありがとうございます。
この広域求職活動費に支給制限を受けることは、異論はありません。ただ、制度の周知のことで少し発言をしたいと思います。
求人を出した事業所が、その求人の事務担当者以外に面接をする人を選ぶ人、多くの事業所では役員さんとかになると思うのですけれども、その役員さんまで含めて、この制度を知っておく必要があるのではないかと思います。この制度を知らないと、遠隔地からの求人者の面接を事業所側がちゅうちょするというか、避けてしまうかもしれない、来ないのではないかということで、制度の周知が事業所側にも必要と思い、発言をさせてもらいました。
○阿部分科会長 では、事務局からお願いいたします。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
この広域求職活動費につきましては、雇用保険部会においても、改正内容の丁寧な周知ということが必要という声もいただいておりますし、今、御指摘いただいたように、事業主を含めて、広く周知が必要と考えております。
改正に当たりましては、今回の改正内容について追記をしたリーフレットを作成するなど、周知を図りたいと考えておりますので、御指摘を踏まえて対応してまいりたいと思います。
以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
特にないようでしたら、雇用保険部会では、おおむね妥当という報告をしておりますので、当分科会としても議題4について、厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案の表示)
○阿部分科会長 表示されております報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、そのように報告をさせていただきます。
本議題は以上となります。
続いて議題5です。
「緊急時における雇用調整助成金の在り方について」です。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○立石雇用開発企画課長 それでは、議題5について御説明を申し上げます。
関係する資料につきましては、資料5の報告書案と、それから、データとして参考資料4を準備しておりますので、御覧をいただければ幸いでございます。
まず、資料5の報告書案について、お開きいただければと思います。
前回の御議論におきましては、事務局から基礎的な資料とたたき台をお示しし、御議論をいただきましたところ、それらを踏まえまして、今回報告書案の形として提出をさせていただいております。
また、参考資料4につきましては、前回の基礎的な資料に掲載をしていなかったデータ類で、今回、報告書案に記載をさせていただいているデータについて提出をさせていただいております。
それでは、資料5でございます。
「1 はじめに」でございます。ここでは、雇調金の意義、それから、今回議論を行うに至った経緯などを書かせていただいております。
まず、1段落目で、雇用調整助成金が雇用安定事業の1つとして、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合の支援として、事業実施がなされていること。
また、続いて、労働者の失業リスクに対しては、雇用保険制度やハローワークによる就職支援といった支援策はあるが、失業後の支援策では、労働者にとっては円滑な再就職が進まない場合があることや、事業主にとっては、事業再開のタイミングでの人材確保のコストが発生することなどから、急激な事業縮小を乗り切る意義がある一時的な雇用維持策として書いてございます。
また、3段落目につきましては、平時にのみならず、危機が発生する都度、特例措置が行われてきており、特例が長期に及んだ場合には、労働移動の阻害や労働者の能力の低下等の指摘がなされつつも、その実施を通じて社会課題に対応してきたことの記載をしてございます。
その上で、最後の段落でございますが、今回の検討の経緯として、当分科会におきまして、このような危機時における雇用の維持安定への支援については、平時から検討をしておく必要がある旨の御指摘をいただいたこと、それを受けて、過去の特例措置の具体例、その効果等に係る調査や研究分析結果等を踏まえつつ、今後の在り方について検討を行って、その方向性や考え方についてまとめたので報告をするという書き方とさせていただいております。
続きまして「2 雇用調整助成金の主な支給要件等とその考え方」でございます。
2ページにおめくりいただければと思いますが、ここでは、現行制度の主な支給要件等につきまして、一覧表で整理をいたしますとともに、主な要件についての考え方についても整理をさせていただいております。
まず「① 生産量要件」というところでございます。
生産量要件につきましては、事業主が事業活動の縮小を余儀なくされている事実を確認するために、最近3か月間の売上高の月平均値が前年同期比10%以上低下したことという要件とされてございます。
緊急時におきましては、迅速な支援が重要ということから、例えば、最近3か月の売上高を最近1か月間の売上高とするように、短期間で業績低下が確認された場合でも、対象とするような特例措置を講じてきたということを記載してございます。
3ページに参りまして「② 支給日数・期間及びクーリング要件」でございます。
1年100日、3年150日の支給日数及び期間の条件が設けられていること、また、過去の受給の終了時点から1年超の期間が経過していることが要件とされてございます。
この要件の趣旨でございますけれども、恒常的に助成金に依存した事業運営が行われることがないようにするとともに、この支給期間内に助成を受けながら事業回復の見極めや事業転換等経営改善を目指すという趣旨で設けられているものでございます。
なお、緊急時といたしましては、支給日数の引上げ、支給期間の延長、また、クーリング要件を課さないこととするなどの特例措置を講じてきたものでございます。
「③ 助成率」についてでございます。
休業手当につきましては、労働基準法上、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合におきましては、使用者に給与手当の支払いが義務づけられているという一方で、雇調金におきましては、景気変動時の失業予防の公益性という観点から、支払った休業手当に対し、大企業については2分の1、中小企業については3分の2という高率の助成率が適用されているというものでございます。
なお、緊急時におきましては、個々の危機時の状況を踏まえて、助成率を引き上げる特例措置が講じられてきたものでございます。
3につきましては、過去の特例措置に関する事例の整理を行わせていただいております。
過去の特例措置につきまして、その原因を、経済変動、自然災害等及び感染症の3つに分類した上で、その内容を整理しております。
4ページにお進みをいただきますと、まず「(1)経済変動」でございます。
経済変動に係る特例措置の代表例といたしましては、リーマンショックにおける対応がございますので、その内容を記載してございます。
まず、平成20年の12月に中小企業への対策として、中小企業緊急雇用安定助成金という名前で新設する形で措置をいたしまして、生産量要件の緩和、助成率の引上げ、支給日数の拡充等を実施しております。
次に、大企業につきましては、段階的な拡充がなされておりまして、同年の12月に生産量要件の緩和を行った後、翌年の2月に助成率の引上げや支給日数の拡充などを行うといったような形で、段階的な特例を行ったことを記載しているところでございます。
「(2)自然災害等」でございます。
自然災害等の特例措置についての過去の例を見ますと、前回お出しした資料にございましたが、かつては特例措置の対応が定まっていない時期というのもございましたが、直近10年間の事例では、おおむね、以下の「① 政府全体の動き」「② 企業活動への影響」、これは激甚災害法12条に基づく、いわゆる本激、局激指定の状況、また「③ 雇用への影響」といった判断要素を踏まえて、特例措置の実施が判断されているという状況でございます。
5ページにお進みいただきまして、5行目からですが、特例の内容について、いわゆる本激指定の場合につきましては、まずは、生産量要件の緩和などについて、災害に伴う経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた全国の事業主を対象として実施、その上で、助成率の引上げなどについては、特に被害の大きい地域に所在をする事業主に限定して実施、また、支給期間、支給日数につきましては、支給期間は1年、また、支給日数は300日という形で実施をしてきたということを記載してございます。
また、22行目からは、いわゆる局激指定の場合でございますけれども、この場合には迅速な支援のために、生産量要件について緩和を実施しつつも、支給期間1年及び支給日数100日については、平時の制度と同様ということで、全国の事業主を対象として実施してきたものでございます。
ここで、参考資料4のほうをお開きいただけますと幸いでございます。
参考資料4の1ページ目でございます。
平成28年の熊本地震、こちらは本激の例を御覧いただいてございます。こちらは、2016年の4月に発災をしてございますけれども、発災前の月平均の雇調金対象の休業労働者数は約1,400人となってございますけれども、発災月の2016年4月には、3万327人と急激に対象者数が増えてございます。こちらで発災直後の休業ニーズを特例でしっかりと支えていることが分かるかと思います。
その後、ぐっと下がってまいりまして、発災後1年には、震災発災前の休業者数と、おおむね同等かそれ以下という形になっておりまして、特例期間1年ほどで、ニーズを満たせているのではないかということが分かるという資料になってございます。
次のページを御覧いただきますと、こちらも同じく熊本地震時の雇調金の支給日数でございます。
左側は特例措置の対象の7県、右側は熊本県のみを取り出してございますけれども、いずれも、雇調金の支給日数は、10日以下が半数ぐらいになっておりまして、100日を超えているのは数パーセントとなってございます。
特例の場合の支給日数300日となってございますけれども、ニーズを満たしているということが分かるのではないかと思ってございます。
また、次の3ページ目、こちらも本激の平成30年の7月豪雨の例でございます。こちらも熊本地震と同様でございますけれども、発災前の平均月約1,169人となっておりますが、発災直後、6月28日に発災しておりますけれども、7月の休業労働者数は7,478人ということで、ニーズをお支えしているものと思っております。
その後、減少しておりまして、2019年5月に少し増えているように見えておりますけれども、ここは個別企業の大規模休業案件があったということを確認しておりまして、豪雨被害という意味では、1年間で順調に減りまして、ほぼ平時に戻っているというデータでございます。
次の4ページにつきましても、平成30年豪雨時の雇調金支給日数でございまして、熊本地震と同様の傾向となっているところでございます。
恐れ入ります、資料5のほうにお戻りをいただければと存じます。
こういったデータを踏まえまして、29行目からの記載ございますけれども、平成28年の熊本地震では、発災直後の休業者数について、発災前の平均と比べて21.7倍となっており、特例措置により、発災直後における急激な休業ニーズの増加に迅速に対応してきたという記載を入れさせていただいております。
続きまして「(3)感染症」についてでございます。
6ページのほうに行っていただきまして、感染症特例措置の原因とする事例といたしましては、過去にSARS、それから新型インフルエンザに係る事業主支援のために、生産量要件の緩和を行ったという事例があるところでございます。
ただし、助成率の引上げといったその他の特例措置は実施されていなかったところでございます。
しかし、令和2年のコロナ流行下におきましては、政府が休業を要請するという前例のない状況におきまして、政府の緊急事態宣言なども踏まえながら、特例措置を行っていったというものでございます。
16行目からでございますけれども、令和2年2月に生産量要件の緩和、次に3月にクーリング要件の撤廃、そして、助成率の引上げ、それから4月には支給日数の上限の撤廃という形で、段階的に特例を拡充していきまして、最終的には、さらなる助成率の引上げということで、解雇なしの場合には、中小企業10分の10であるとか、雇用保険の基本手当日額上限を超えた上限額の設定などの手厚い休業支援を実施したという事実関係を記載してございます。
また、特例の内容につきましては、感染状況等を踏まえ、段階的に縮小する措置が取られたというものでございます。
その財源につきましても記載をしてございまして、24行目からですけれども、雇調金は、雇用安定事業により実施され、財源は事業主のみが負担する雇用保険料によって賄われているが、異例の措置を行う中で、支給決定額が約6.5兆円に、及び雇用安定資金が枯渇したこと、また、ポツに書いてございますが、以下の、例えば緊急雇用安定助成金の創設ですとか、雇用保険の基本手当日額上限を超える部分の財源の実施に係る財源を確保する必要が生じたということから、必要な法改正を経て、一般会計の活用が行われたということも記載をさせていただいてございます。
7ページでございます。
「4 過去の特例措置に関する調査・研究等の整理」について記載をしております。
ここでは、リーマン期とコロナ期に関しまして、JILPTにおける調査研究や、厚労省の業務統計、それから諸外国の制度の調査分析結果等を踏まえて、そこから得られた示唆について整理をしている項目でございます。
(1)のリーマン期でございます。
まず、リーマン期におきましては、支給決定額で1.3兆円、産業別の受給事業所割合について見ると、製造業が53%と特に大きくなっているところでございます。
また、19行目から御覧いただきますと、雇調金の効果について、JILPTの調査におきましては、相対的に入職率、離職率を低く抑えているということ。また、受給終了後に離職や廃業が集中すること、といったことが指摘されたところでございます。
こういったことにつきましては、いたずらに生産性の低い企業や、そうした分野での雇用を温存するといった特例措置への指摘に通ずる面もあるが、JILPTの分析におきましては、むしろ雇調金によって雇用失業情勢の最も厳しい時期を後ろに分散化させるとともに、雇用失業情勢が少し落ち着いた状態で、円滑な再就職を促進する効果を持つと捉えることが適当であると指摘がなされていたところでございます。
また、29行目からにつきましては、JILPTの調査におきまして、完全失業率に係る雇調金の活用効果の推計についても記載をさせていただいてございます。
8ページのほうを御覧いただければと存じます。
「(2)コロナ期について」の整理でございます。
コロナ期は、支給決定額は6.5兆円、産業別の受給事業所割合を見ると、幅広い産業で利用されておりまして、製造業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業といった形で広く活用されてございます。
14行目は、今回新たに参考資料4でお示ししているデータを引いたものでございますので、後ほど御覧いただければと存じますけれども、雇用保険適用事業所に占める受給事業所の割合について見ますと、令和2年に約18%、令和3年に約14%などとなっておりまして、いずれもリーマンショック期の同様のデータの最高値であります平成22年の約5%を大きく上回っているということで、コロナ期の受給規模が非常に大きかったということをここで記載をさせていただいております。
また、JILPTの調査では、コロナ期におきましては、コロナ初期に大量の失業発生を回避する役割を果たしたこと、また、受給終了直後に離職が集中して、その後の純雇用成長率は減少傾向にあること、また、廃業確率の低下及び雇用量の維持については、短期的な効果にとどまること、受給が長期に及んだ場合、その効果が失われる傾向があること、また、受給事業所の離職者は非受給事業所の離職者より、再就職に時間がかかる、また、休業期間中に従業員のモチベーションや生産性の低下等を課題と感じた事業所の割合は、受給事業所で高く、受給が長期化した事業所ほど高い傾向ということなどが指摘をされたところでございます。
34行目の段落では、労働経済白書における完全失業率への雇調金の抑制効果についても記載をさせていただいております。
9ページに参りまして、3行目のところでございます。
こうした様々な効果があった一方で、受給事業所による多くの不正受給が発生したということも記載をさせていただいております。
これには、膨大な支給申請がある中で、労働者の雇用維持のために迅速な支給を優先せざるを得なかったという実情などが影響した可能性があるということを記載させていただいております。
「(3)リーマンショック期とコロナ期との比較」でございます。
前回の御議論の際にJILPTの高橋主任研究員に御発表いただいた内容でございますが、リーマン期とコロナ期における雇用調整助成金の緊急時の雇用維持効果に関する分析結果の考察について、御報告いただいたことを記載してございます。
受給事業所と非受給事業所を比較すると、両時期に共通することとして、雇調金の受給は廃業率を低く抑えたということ、危機の影響を強く受けた業種、リーマン期においては製造業、コロナにおいては宿泊・飲食サービス業等において、危機の初期における雇用維持を可能にしたことが指摘された。
他方で、相違点として、リーマン期においては、高影響業種において危機発生からほぼ一貫して受給事業所の雇用のほうが維持回復する傾向、また、受給事業所の純雇用成長率も増加傾向だが、コロナ期においては、高影響業種において、一定期間の経過後は受給事業所のほうが、雇用が減少し、また、事業所の純雇用成長率も減少傾向にあったことなどが指摘された旨を記載してございます。
これは、両時期における影響を受けた業種や、雇用失業情勢の違いによって、雇用維持効果にも違いが現れたものと考えられ、危機の特性も踏まえて分析結果を考察することの重要性について御示唆をいただいたところでございます。
「(4)各国におけるコロナ期の雇用維持スキーム」でございます。
各国の対応としては、雇用保険財源による既存のスキーム、10ページに参りますけれども、それを有していたドイツ、フランス、それから日本では、その特例措置を活用したこと、また、既存スキームがなかったイギリス及びアメリカにおきましては、一般財源による新たな制度を創設して対応したということを記載してございます。
また、欧州の3国、それから日本の感染防止のための社会制限措置と雇用維持のスキームについて、社会制限措置の厳格度の各国の推移でございますとか、その終了時期について記載をしてございます。
それから、欧州の3国と日本のコロナ禍の高影響業種である宿泊・飲食業における雇用維持スキームの適用者数と、社会制限措置の厳格度の推移については、いずれも整合的に推移していたということなどを記載しております。
19行目、「これらのことから」ということで、コロナ期においては、各国において失業予防のための雇用維持スキームの特例的運用ないし創設が行われたが、その終了時期には差異があり、また、欧州3国や日本の感染防止対策の推移に応じて、雇用維持スキームの内容や、その対象者数が変化していたことが分かるということでまとめてございます。
25行目の5、過去の特例、調査・研究等を踏まえた今後の緊急時の雇用調整助成金の在り方」についてでございます。
まず「(1)緊急時の特例措置の意義」について記載をしておりまして、前回たたき台のときの記載を踏まえて、その意義を整理させていただいております。
33行目から御覧いただければと思いますが、循環的な景気変動や個社の取引関係の不調等の経営不振に対応する平時の支援内容よりも手厚い特例措置を危機時に講じることにより、事業主に対して一定期間、強力に雇用維持を促すということは、個々の労働者、事業主におけるセーフティーネットとして有効であり、社会全体にとっても合理的な措置であると考えられると整理をしてございます。
その上で「(2)今後の緊急時の特例措置の在り方について」でございます。
こちらにつきまして、①経済変動、②自然災害等、③コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機ということで分類をいたしまして、前回たたき台の記載や御意見、調査研究結果における雇調金の効果分析などを踏まえて、以下、記載をさせていただいてございます。
まず「① 経済変動について」でございます。
経済変動につきましては、リーマンショック時における特例措置が前例となりまして、特例措置の実施方法としては、まずは生産量要件の緩和等を行った上で、危機の影響を見極めて、助成率や支給日数の引上げ等を行うなど、危機の状況に応じた対応が必要であるとしております。
特例措置の内容や期間につきましては、当該経済変動の影響の大きさや労働市場の状況と併せて、これまで御覧いただきました研究分析結果なども踏まえて、特例措置によって得られる効果を的確に踏まえて対応することが重要であるとした上で、4に述べた過去の特例措置の研究分析結果を見ますと、リーマン期におきましては、危機の初期において高い雇用維持効果があったが、受給終了後に離職が集中しているということがございまして、したがって、雇調金により全ての雇用を維持するといったことは、実際には困難であるということが読み取れると。そして、これらを勘案すれば、雇調金の効果については、雇用失業情勢の厳しい時期を後ろに分散化させるとともに、雇用失業情勢が少し落ち着いた状態で、円滑な労働移動を促進する効果として捉え、その最大化を図ることとすることが適当であると整理をさせていただいております。
そして、特例措置の内容や期間について判断を行うに当たっては、データや影響を受けている業種等をきめ細かく注視しながら、現場を熟知する公労使が当分科会において議論を行い、定期的に判断を行うことが適当であるとさせていただいております。
12ページに行っていただきまして「また、その際」ということで、過去の例などを見ましても、注釈の13、14などにもつけさせていただいておりますけれども、必要に応じて休業だけではなくて教育訓練の推進ですとか、また、他の施策による雇用維持支援の有効性についても併せて検討することが有効であるということも記載をさせていただいております。
「マル2 自然災害について」でございます。
災害につきましては、突然発生して迅速な初動が必要であるということ、様々な規模の災害がある中で、特例措置の実施に関する予測可能性を高めることが、円滑な対応につながること、また、過去に頻回発生しておりまして、おおむね一定の対応パターンが形成されつつあることなどを踏まえて、改めて、当分科会において、特例措置実施の判断基準や内容について基本方針を定め、災害発生時には、その方針に沿って迅速対応することが適当であるとさせていただいております。
また、過去例を踏まえまして、以下の「(ア)政府全体の動き」「(イ)企業活動への影響」として、激甚法の指定、それから「(ウ)雇用への影響」の3点を特例措置実施の要件とすることが適当と考えられるとしております。
特例措置の内容につきましては、いわゆる局激指定の場合には、全国の事業主に係る生産量要件を緩和することが適当であるとしております。
また、28行目からですが、いわゆる本激指定の場合には、それに加えて、被災地に所在する事業主に対して手厚い支援を行うため、助成率や支給日数の引上げを基本として対応していくことが適当であると整理をさせていただいております。
13ページに参りまして、特例措置の期間につきましては、最近の例として1年としているものが多く、また、先ほど参考資料4を御覧いただきましたように、実績を見ましても、特例措置における雇調金対象休業労働者数は、発災直後にピークを迎えて、発災後1年程度で平時の状態に戻っているということを踏まえまして、また、長期の特例措置に係るJILPTの調査分析結果では、雇用維持効果は初期の段階には確認されるが、利用が長期に及んだ場合は失われるとしていることなども踏まえて、その期間は1年間を基本とすることが適当であると整理をしてございます。
また、支給日数につきましては、いわゆる本激指定の場合には、300日に引上げ、いわゆる局激指定の場合は、平時と同様の100日とすべきであると記載をしてございます。
その上で、地震と豪雨が続いた能登の例などもありますことから、個々の事例への判断に当たりましては、被災地の状況なども踏まえつつ、当分科会において、公労使が議論の上で適切に判断を行うこととするとしております。
また、その際、必要に応じ休業のみならず、教育訓練の推進や在籍型出向支援など、他の施策による雇用維持支援の有効性についても検討することが有効であるとしてございます。
「③ コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機について」でございます。
まず、コロナ期の対応につきましては、感染拡大防止のために政府が経済・社会活動や移動を制限せざるを得ず、事業活動が急激に縮小したという異例の事態、これに迅速に対応するために、既存施策である雇調金の最大限の活用により対応を行ったものであり、従来の雇用安定事業による雇用対策の範疇に必ずしも収まらない趣旨を含む、緊急対応の側面を有するものであったと整理をいたしております。
そして、今後このような異例の危機が再び発生した場合には、①経済変動や、②自然災害等の場合とは、必要な対応が異なるということも考えられ、また、前回の委員の御指摘を踏まえまして、当分科会においては、国民全体の共同連帯によって対処すべき状況と考えられる場合には、政府全体で合理的かつ効果的な対応の在り方について検討が行われることを望むという意見が多くあったということを記載させていただいております。
その上で、仮に雇調金の特例措置が求められる場合について検討するとしまして、4の研究分析結果で述べた、危機の初期における雇用維持効果と受給終了後の離職の集中という結果、また、長期間の受給等が労働者の生産性に与える影響と、14ページでございますが、これを踏まえれば、経済変動の章と同様の書きぶりにはなりますが、その効果を雇用失業情勢の厳しい時期の分散化と、雇用失業情勢が落ち着いた状態での円滑な労働移動の促進と捉えて、効果の最大化を図るように検討した上で、危機の状況に応じて順次必要な対応を講じ、見直していくことが重要であるとしてございます。
また、こちらも前回いただいた御意見を踏まえた記載でございますが、さらに、危機への対応により、雇用保険二事業が本来目的とする事業を行えない、ひいては雇用保険財政に多大な影響が及ぶような状況とならないよう、当分科会において、政府による二事業の財政検証の結果など、所要のデータ等を注視しながら、公労使が議論し、特例措置の内容や期間を適切に判断することが重要であるとしております。
なお、コロナ期には当分科会における公労使の議論のタイミングが必ずしも適切でない場合があったとの指摘があったと、事務局である厚生労働省においては、この指摘を重く受け止めるとともに、拠出者としての意見を含め公労使の知見に基づく検討や議論が、特例措置の内容や期間にかかる政策判断に十分に反映されるよう、当分科会の柔軟な開催方法等効果的な工夫を講じることが必要であると記載をさせていただいてございます。
大変足早な御説明で恐縮でございますが、事務局からの御説明につきましては、以上でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
では、本件について、御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。
では、まず、田上様からお願いいたします。
○田上代理 馬渡委員の代理でございます。全国中央会の田上と申します。
雇用調整助成金の緊急時の在り方について、報告書案の形におまとめいただき、ありがとうございました。
また、いろいろな意見を集約していただき、反映していただいたと思っております。ありがとうございます。
今後の緊急時の特例措置の在り方についての部分に、1点、意見をさせていただければと思います。
雇用保険二事業は、さきのコロナ禍期を経て、事業者が積み立てたストックを消費し、さらに多額の借金を抱えたような状況になっております。従来の雇用安定事業では想定されていない内容を含む特例措置を繰り返し長期的に実施したことで、今は借金を返済しながら事業を行うことを余儀なくされているような状況だと思います。
今後の緊急時の対応において、さらに借金を重ねるということは、雇用保険二事業の保険料率の上昇等により、事業の在り方が問われ、また、事業がさらに不安定となり、本来目的とする事業も行えない状況に及ぶおそれがあろうかと思います。労働者と折半で積み立てている失業等給付のほうから借り入れてまで対応するものではないと考えます。
今後、再び借入れが必要となるような状況においては、借り入れることなく、政府全体を通して一般財源から拠出することを求めるべきだと考えますので、意見として申し上げます。
以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
では、清田委員からも手が挙がっていますので、お伺いしたいと思います。
○清田委員 ありがとうございます。日本商工会議所の清田でございます。
御説明ありがとうございます。また、お取りまとめに感謝申し上げます。
雇調金の特例措置のこれまでの検証を通じまして、今後の在り方を整理いただいたものと承知しております。
雇調金の特例措置の効果として、危機時の初期において高い雇用維持効果を発揮することが、それぞれのケースで共通しているということから、特例措置の役割を雇用失業情勢の最も厳しい時期を後ろに分散化させ、雇用失業情勢が少し落ち着いた状態で円滑な再就職を促進することと整理をいただいたことは、適当であると受け止めております。
御記載のとおり、危機時の初期の捉え方については、その時々の状況を丁寧に確認していただくことが重要であると考えております。
自然災害においては、1年程度で平時に戻っているということを例に、特例の期間について1年を基本とする点は理解いたしますが、災害の影響の大きさや復旧状況など、個々の事案において丁寧に確認していくことが重要だと考えます。
また、リーマンショックにおいても、高影響業種においては、危機発生からほぼ一貫して受給事業所のほうが雇用の維持、回復傾向があったことということからも、必ずしも1年という期間のみで判断することは適当ではなく、雇用情勢を丁寧に見ていくことが必要であると理解をしております。
あわせまして、雇調金の役割として、危機初期時の雇用維持効果を重視するということと整理をいただいたことに対しまして、危機の影響から脱し切れていないような事業者に対しては、総合的な支援を継続することが必要だと思っております。
雇用就業面での教育訓練の支援の充実とともに、資金繰り、販路開拓、事業転換など政府全体での支援がどのような状況にあるのかということを確認しながら、雇調金の継続等を検討していくことも重要であると考えます。
最後に、コロナ禍など、異例な緊急時の対応について、雇用安定事業のみならず、国民全体の共同連帯で対処すべき状況においては、政府全体で検討が行われることを望む意見が多くあったと記載をいただいております。繰り返し申し上げることとなり恐縮ですが、同様の危機時におきまして、このコロナ禍における対応を前例とするということは、認められないことを再三申し上げてまいりました。この点につきましては、意見のみに終えるのではなく、政府の労働政策審議会において多く意見があったということは、ぜひ、重く受け止めていただきたいと思います。将来の同様の危機時には、ぜひ、国民全体の共同連帯で対処していくという方針にのっとって対処をいただきたく、お願いしたいと思います。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
新田委員も手が挙がっておりますので、新田委員もここでお願いいたします。
○新田委員 経団連の新田でございます。
詳細な説明をありがとうございました。
この報告書案は、過去の緊急時における対応の経緯あるいは実績、そして、この分科会における様々な意見、議論を踏まえて、取りまとめていただいたと承知しております。改めて感謝申し上げたいと思います。
内容に関しましては、かねてより申し上げてきた内容が適切に反映されていると受け止めているところでございます。
先に今後の話をするのも何ですが、この報告書がまとまれば、政府内において、この報告書の内容をしっかりと共有され、再びこういう事態が起きないことを切に願っておりますが、同様の緊急事態が生じた際の基本方針として、この報告書を明確に位置づけていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
その上で、内容に関して1点だけ、申し上げたいと思います。
報告書案の9ページ3行目から不正受給に関するくだりがあります。この部分は、非常に重要な指摘だと思っておりまして、この点が追加されたことを非常に評価しております。
一方で、10ページ以降の、この報告書のまさに肝と言うべき、「5 今後の緊急時の雇用調整助成金の在り方」を見る限り、今しがた申し上げた不正受給等々の部分に対する受けの記述がないように思います。この点についても、「5」のところに何らかの記述を入れていただきたいと思いますので、御検討方、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、冨髙委員からお願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
まず、説明と取りまとめに感謝申し上げたいと思います。
前回の分科会での意見を踏まえた整理、修正と受け止めておりまして、方向性に違和感はございません。
また、最後の部分に記載はございますけれども、緊急時であるからこそ、当分科会における議論が重要なのだということも明確に記載いただいておりますので、この点は実効性を持って進めていただきたいと思います。
その上で、今後の緊急時の雇調金の在り方について、2点意見を申し上げたいと思います。
まず、1点目ですが、今後の緊急時の特例措置の中で、経済変動、自然災害等、コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機の3つに分類・整理していただきましたが、いずれの危機においても雇調金に加えまして、教育訓練や在籍型出向など、その他の雇用維持支援策を複合的に活用していくことが非常に重要だと考えております。この点、経済変動と自然災害等においては記載されているのですが、コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機では記載されておりませんので、この部分にも記載いただきたいと思います。
それから、2点目は資料の13ページ、財源の取扱いについてです。この間、本分科会や雇用保険部会において、一般財源による措置を求める意見は少なくなかったと考えています。この点、13ページの27行目から31行目にかけて、工夫をされた記載になっていると思うのですが、この間の一般財源の活用に対する意見を踏まえれば、もう少し委員の意見を分かりやすくストレートに記載いただいても良いのではないかと思いました。
なお、14ページの5行目から記載がありますが、コロナ禍においては、雇用安定資金の枯渇により、二事業だけではなく失業等給付の積立金にも影響が及んだことを考えれば、雇用に対する広範囲かつ重大な危機が迫った際には、雇用保険制度を適切に機能させるという観点からも、一般財源の投入について臨機応変に検討することは非常に重要だと考えておりますので、この点も改めて意見として申し上げておきたいと思います。
以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、中窪委員、お願いいたします。
○中窪委員 ありがとうございます。公益委員の中窪です。
前回、最後のところでコロナ禍類似という言葉を使っていたのが、少し違和感があったことを申しましたのに対して、今度、コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機ということで、より広く書き直していただきまして、落ち着きがよくなったと思います。
さらに、国民全体の共同連帯によって対処すべき状況という、若干奥ゆかしいですけれども、そこの精神を示すような言葉も入ってよくなったと思いますので、お礼を申し上げたいと思います。
もう一点、先ほどの清田委員と私も同じ意見でありまして、コロナのときに非常に不正受給がたくさん出てきて、それでこの分科会でも、いろいろな対処を、制裁の強化ですとか、警告をするとかしたのですけれども、1つの課題といいますか、反省材料として残ったと思います。これについて、9ページのところで指摘されているのは結構ですけれども、今後のところで何かあってもいいのかなという感じがいたしました。もちろん不正受給の問題はマル3に限らないことでありますけれども、特にマル3のときには、そういうこともあったということを踏まえて、何か書いていただければいいなと、私も思いました。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
田上様、清田委員、新田委員、冨髙委員、中窪委員それぞれから御意見を頂戴しました。事務局から何かあれば、お願いいたします。
○立石雇用開発企画課長 委員の皆様に御意見を頂戴いたしまして、大変ありがとうございました。
今回の報告書案は前回の御指摘を踏まえて整理させていただいたところでございます。
二事業の雇調金の特例措置についてのJILPTなどにおける調査分析結果を踏まえますと、報告書案に書かせていただいたとおり、初期の雇用維持効果がある一方で、受給終了後に離職が多く発生しているといったことを踏まえて、今回、雇用失業情勢の厳しい時期を後ろ倒しする効果ということで、整理をさせていただいたところでございます。
その際の初期の効果について、その初期というものをどのように捉えるかについて、丁寧に議論をしてほしいという御意見を清田委員からいただいたところでございます。
自然災害につきましては、基本1年と打ち出しているところでございますけれども、、まさに能登の事例などもございますので、個々の事例において丁寧に、当分科会において御議論いただくと記載をさせていただいております。
あと、経済危機、それからコロナ禍などの異例の緊急対応を要する危機時につきましても、1年という期限は、ここでは示しておりませんで、まさに危機の状況を踏まえまして、そのときそのときに現場を熟知する公労使の皆様に、この分科会の場で御議論いただきたいという旨を、今回、整理をさせていただいているところでございます。
また、前回に引き続きまして、一般財源でやるべきという御指摘を、今回も頂戴いたしたと認識をしているというところでございます。
その書き方につきましては、少し工夫をしましたねと御指摘をいただいたところでございますが、私ども雇用安定分科会の事務局といたしましては、雇用安定資金で行っていただく雇用調整助成金の効果、また、その対応につきましては、今回整理をさせていただいたところでございますし、また、一般財源につきましては、安定分科会の御提言として、こうするべきとまで書くことは、なかなか難しい部分もございますが、国民全体の共同連帯という書き方でございますが、皆様からいただいた御趣旨のほうを、なるべく打ち出す形とさせていただいたところでございます。
また、不正受給のことにつきましても御指摘をいただきました。実際、コロナのときに全体の支給件数が多かったということもありますし、迅速支給ということもある中で、不正受給の件数が多く上がっているということを踏まえて、その事実のほうを記載させていただいたものでございますけれども、5の今後の在り方のところについて、それを受ける記載がないということの御指摘をいただきましたので、その記載の仕方について、また分科会長と御相談等をさせていただきながら、検討させていただければと思っております。
また、雇調金以外の御支援に加えて、その他の雇用維持支援も重要であるということを冨髙委員からいただいたところでございます。
③のコロナには、この部分について書いていないところがございますので、そちらについても、また、工夫をさせていただいて、指摘を踏まえて、記載のほうを追記させていただければと存じます。
本日いただきました御意見も踏まえて、また、ブラッシュアップをさせていただければと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ほかに御質問、御意見ございませんか。
では、どうぞ。
○村山局長 職業安定局長でございます。
本日も本件に関しましては、公労使各側の委員の皆様方から幅広い御意見をいただきましてありがとうございました。個々の点につきましては、先ほど、雇用開発企画課長からお答えを申し上げたとおりでございます。
その上で、労使双方から御提起いただきました、特に国民全体の共同連帯でという部分の記述等、この分科会における本件に関する議論の経過に関しましては、政府部内、必要な調整を図って、この場に出しているものでございます。今後も関係省庁とよく調整して今日御意見いただきました資金繰りの点など、他省の所管にわたる部分もありますので丁寧に取りまとめていきたいと思います。特にコロナ期における本件の取扱いを振り返りますに、現実問題としては、関係府省もございますが、それ以上に、やはり議院内閣制のもとでは、与党との関係というのが非常に大きなテーマであったと、皆様にも共通の御理解をいただけるところではないかなと思います。
こうした非常に皆様の熱心な御議論を踏まえて、こうした報告書を取りまとめる過程におきましては、与党のしかるべき場でも、もし、そういうタイミング、または場がいただけるのであれば、私どものほうからもしっかりと御説明して、労使から挙がっている御意見を伝えていきたいと考えておりますことを付言申し上げます。もし仮に、そうした場に労使の皆さんも御一緒する機会があれば、ぜひ、またお力添えもいただければと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○阿部分科会長 ほかに御質問、御意見ございませんか。
特にないようでしたら、本日出た意見も踏まえまして、事務局におかれましては、次回の報告書取りまとめの議論に向けて、御対応いただくようにお願いいたします。
本議題は以上とします。
本日予定されている議題は以上で終了いたしましたが、この際、委員から御発言はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、本日予定されている議題は以上で終了いたしましたので、本日の分科会は、これで終了いたします。ありがとうございました。
○阿部分科会長 おはようございます。
出席予定の委員の皆様、お集まりですので、ただいまから第221回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
皆様方におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の黒澤委員、使用者代表の久保委員が御欠席と伺っております。
また、使用者団体の小阪委員は、遅れての御出席予定と伺っております。馬渡委員は、途中で御退席予定であり、御退席後は、全国中小企業団体中央会の労働政策部長の田上様が代理で出席されます。
本日の分科会は、Zoomによるオンラインと会場での開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局より送付しております「職業安定分科会の開催・参加方法について」に沿って操作いただきますよう、よろしくお願いいたします。
当会議においては、原則ペーパーレスとしております。また、オンラインで御参加いただいている委員の皆様におかれましては、原則として画面をオンにしていただくようお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
議題1です。「(1)職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○髙島需給調整事業課長 需給調整事業課長の髙島です。よろしくお願いいたします。
議題の1番、職業安定法施行規則の一部を改正する省令案の諮問に関して御説明をさせていただきます。
こちらにつきましては、昨年、労働力需給制度部会において御議論いただき、諮問をさせていただいた内容に基づきまして、この分科会でも諮問をさせていただくものとなります。
資料につきましては、資料1-1、1-2及び参考資料の1を準備させていただいております。
資料1-1は諮問書となりますので、まずは、それに先立ちまして、改正の趣旨、概要につきまして、資料1-2を用いて御説明をさせていただければと思います。
資料1-2を御覧ください。1ページ目になります。
有料職業紹介事業者は、事業所ごとに専属の職業紹介責任者を自己の雇用する労働者の中から選任することと、職業安定法令で定められております。
こちらの制度につきまして、規制改革実施計画が昨年の6月に閣議決定をなされておりまして、その計画の中で、こちらの検討につきまして事項が盛り込まれておりました。
その内容でございますけれども、職業紹介サービスの質の確保を前提とした上で、デジタル技術を徹底活用すること等により、一定の要件を満たす場合には、職業紹介責任者に複数事業所を兼任させることを可能とする方向で見直しを検討するということとなっております。
こちらの閣議決定の中では、職業紹介責任者、こちらは、例えば求職者、求人者からの苦情の処理ですとか、個人情報の管理に関すること、あるいは公共職業安定所との連携等が業務となっているのですけれども、この職業紹介責任者の専任の義務が、職業紹介事業者の重大な人材配置や、地方を含む新たな事業所の開設等の障壁になっているといったような指摘も、この規制改革実施計画の中で触れられておりました。
こちらを踏まえまして、この見直しの具体的な内容につきまして、労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会において議論をさせていただきまして、成案を取りまとめましたので、以下の改正の概要につきまして御説明をさせていただきます。
改正の概要、2つの○がございます。
1つ目の部分が、先ほどの閣議決定の中で触れられておりました、兼任に当たっての一定の要件について整理したものとなっております。
職業紹介責任者の兼任ということで、職業安定法施行規則第24条の6第1項に定められている内容となります。
こちらは、まず、有料職業紹介事業者が事業所を新設する場合にあっての要件緩和とすることといたしました。そうした新設をする場合にあって、当該新設事業所を新設する事業年度の翌事業年度末までの間の措置といたしました。ですので、最大2年間ということになります。
加えまして、当該有料職業紹介事業者が有料の職業紹介事業を行っている他の事業所の職業紹介責任者についても、一定の経験の要件を課すことといたしました。
それにつきまして、この資料の3行目の括弧書きの中に書いておりますけれども、職業紹介責任者として実務に従事した期間が通算して10年以上であるものに限ると。通算といいますのは、労働力需給制度部会の議論の中で、出産、育児等により、その業務から一時的に離れる方もいらっしゃるということを想定して、連続ではなく通算ということとしたものになります。
こうした要件のもとで、既存事業所に置かれている職業紹介責任者の方が、新設事業所の職業紹介責任者として兼任させることができることとするとなりました。
この場合において、以下、「また」から始まる段落は、さらなる細部の要件となります。この場合において、当該他の事業所または新設事業所において、職業紹介に係る業務に従事する者の合計の人数は、職業紹介責任者1人につき50人以下とするというものとなります。
こちらは、現行の法令において、職業紹介責任者は、職業紹介事業所において、スタッフの方の数が50人以下の場合に1人置く。50人超えた場合は、さらにその方を増やしていくというルールになっておりますので、その要件を維持することといたしております。
既存事業所で50人以下の場合、新設事業所で50人以下の場合ということだけではなくて、合計して、その職業紹介責任者が管理するスタッフの方の人数が50人以下の場合は1人、それを超える場合には1人ずつ増やしていくという形の要件を加えたものとなっております。
「また」ということになりますけれども、既存事業所または新設事業所において、職業紹介に係る業務に従事する者の数が50人を超えるときは、当該職業紹介に係る業務に従事する者の数が50人を超える事業所の職業紹介責任者のうち、少なくとも1人以上は、当該事業所に専属の職業紹介責任者とするというものになっております。
こちらの要件でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、職業紹介責任者の方が、その管理監督をする職業紹介事業所のスタッフの方の数に要件を課しております。今回、兼任を認めるに当たりまして、大きな事業所の方が兼任の責任者ばかりにならないように、50人を超える大きな職業紹介事業所においては、職業紹介責任者の方、複数置かれる中のうち、少なくとも1人以上は専任の方をきちんと置いていただくという要件を設けたものとなっております。
2つ目の○、兼任させるに当たって提出する書類というのは、手続的な事項となります。先ほど申し上げましたとおり、議論でまとまった一定の要件の中には、職業紹介事業所を新設する場合についての緩和であると説明をさせていただきました。
職業紹介事業所の新設というのは、職業安定法令においては、労働局に届出をいただくことになっております。その届出に当たって必要な書類あるいは紹介責任者を兼任される場合は、その責任者個人の方に関する書類などは、既に一度労働局はいただいておりますので、そうした場合には、重ねて提出することは不要とする、そういった見直しをする旨の内容が、こちらの2つ目の○に定められております。
次の2ページ目に移らせていただきます。
※印のところになりますけれども、先ほど閣議決定の内容を御紹介させていただいた際、その一定の要件のもとで兼任を可能とするというもののほかに、職業紹介サービスの質の確保を前提とした上でということが閣議決定において触れられておりました。
この職業紹介サービスの質の確保についても、あわせて労働力需給制度部会で議論をいただきました。その内容が※印に定められているものとなります。
職業紹介サービスの質を確保する観点から、職業紹介責任者を兼任する事業所については、次の留意事項を遵守することを許可条件として付すこととするとなっております。
4つのポツがありまして、御紹介をさせていただきます。
1つ目が、情報通信技術を活用した統括管理を行うための連携体制の整備を行うこと。
2つ目、必要に応じて実地管理、要は、必要な場合には、兼任先、ふだんは常駐していないような職業紹介事業所にも直接行くことができるということ。実地管理に切り替えることが可能な体制を確保すること。
3つ目、統括管理の実施状況の継続的確認及び必要な改善を行うこと。
4つ目、都道府県労働局による指導監督等の実施に当たり職業紹介責任者を兼任させていることによる支障を生じさせないことの4点となります。
以上につきまして、労働力需給制度部会で御議論いただきまして成案をまとめさせていただいたものとなります。
こちらの内容につきまして、職業安定法施行規則の改正を、先ほど申し上げた改正の概要の2つの○が伴うものとなりますので、本分科会で諮問させていただいた後に、所要の法令の作業を行いまして、来年度、令和8年4月1日の施行を予定しているものとなります。
以上が改正の見直しの概要の全体像となっております。職業安定法施行規則の改正を伴うもの、先ほどの資料の1-2の中で、2つの○で御説明をさせていただいたものにつきまして、要綱の形でまとめさせていただきまして、諮問させていただくものが資料の1-1となります。内容は同じものですので、こちらの説明については省略をさせていただきます。
また、参考資料1では、労働力需給制度部会で御議論いただく際に、資料として提出をいたしました規制改革実施計画の抜粋でございますとか、職業紹介責任者の概要についての資料、そのほか、今回の兼任を行う際の配置のイメージ等につきまして、労働力需給制度部会で御議論いただく際に提出させていただいた資料を、参考資料としておつけをさせていただいております。
需給制度部会での諮問の際には、おおむね妥当との報告をいただいております。何とぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
それでは、本件について、御質問、御意見がありましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。
いかがでしょうか。
平山委員、お願いいたします。
○平山委員 ありがとうございます。労働者委員の平山でございます。まず、御説明ありがとうございました。
ただいまの説明の中でも触れられていたのですけれども、諮問事項の内容については、特段の異論はございませんが、一言意見を申し上げたいと思います。
先ほどの説明の中で質の確保と確認事項について触れられておりましたので、改めてということになるかもしれませんが、職業紹介事業者のマッチング機能やサービスの質が低下しないように、まずは定期的な実施調査などをいただきたいということが1つです。
また、職業紹介責任者の兼任を認める際の要件や留意事項につきましては、厳格に確認をした上で、適正な運用が確保されるようにお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
事務局から何かありますか。
○髙島需給調整事業課長 御発言いただきまして、ありがとうございました。
1点目に御指摘をいただきました、質の確保のためのところにつきまして、御説明させていただきましたとおり、許可の条件に当たって付与させていただくとともに、御発言でもいただきましたとおり、都道府県労働局における職業紹介事業者の定期的な確認の際に、こうした点につきましても確認をさせていただきまして、兼任をすることによって質の低下が生じることのないように、きちんとその運営をしてまいりたいと考えております。
2点目の要件のチェックにつきましても承りました。
○阿部分科会長 それでは、新田委員、お願いいたします。
○新田委員 経団連の新田でございます。丁寧な説明をありがとうございました。
諮問内容につきましては、御説明にありましたとおり、既に労働力需給制度部会で十分な議論がなされた結果と承知をしておりまして、異論等はございません。
ただ、今回の内容については、先ほど参考資料の中でも図を用いて御紹介をいただきましたけれども、実務的に影響のある部分もかなりあると思っています。専属が必要なケースなど、しっかりと今回の改正内容を周知していただいて、現場で混乱が起きないように努めていただきたいことをお願い申し上げます。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
では、どうぞ。
○髙島需給調整事業課長 新田委員、御発言ありがとうございました。
御指摘の周知の件につきましては、私どものほうで、実際、都道府県労働局において届出を受理したり、あるいは定期的なチェックを行うこととなりますので、都道府県労働局には、既にこうした議論がなされていることは伝達をいたしております。
また、その施行に当たりまして、今回答申をいただきましたらという話ではございますけれども、答申をいただきまして、法令の準備をした際には、あわせてリーフレットなども準備をいたしまして、事業者の皆様にも、この内容について周知を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
○阿部分科会長 ほかに御意見、御質問はございませんか。
よろしいでしょうか。それでは、特にないようでしたら、労働力需給制度部会ではおおむね妥当という報告をしておりますので、当分科会としても、議題1について、厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案を表示)
○阿部分科会長 表示されました報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、そのように報告をさせていただきます。本議題は以上となります。
続きまして、議題2「労働保険の保険料の徴収等に関する法律第十二条第五項の規定に基づき失業等給付費等充当徴収保険率を変更する件案要綱について(諮問)」、それから、議題3の「労働保険の保険料の徴収等に関する法律第十二条第八項の規定に基づき育児休業給付費充当徴収保険率を変更する件案要綱について(諮問)」をまとめて行いたいと思います。
議題2と議題3、2つについて事務局からの説明と質疑応答を一括して行う形にしたいと思います。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
○堀雇用保険課長 雇用保険課長です。
議題2及び議題3といたしまして、令和8年度の雇用保険料率に係る告示案について、まとめて御説明をいたします。
まず、初めに参考資料の2「令和8年度雇用保険料率関係告示案関係資料」に基づきまして、告示案の概要について御説明をいたします。
4ページを御覧ください。
下半分の図でお示ししているとおり、雇用保険におきましては、失業等給付、雇用保険二事業、育児休業給付それぞれで保険料率を設定し、安定的な運営の確保のために、積立金等に積立てを行っているところでございます。
5ページを御覧ください。
失業等給付の財政につきましては、コロナ禍の雇用調整助成金支給のための二事業への貸出し等を通じ、積立金水準が低下しておりましたけれども、このところの堅調な雇用情勢や保険料率の引き上げによりまして、現在緩やかに回復をしているところでございます。
6ページを御覧ください。
雇用保険二事業の財政につきましては、コロナ禍の雇用調整助成金の支出などによりまして、安定資金残高は枯渇し、失業等給付の積立金から累計で2.9兆円を借り入れておりました。
なお、この2.9兆につきましては、昨年度、雇用保険部会等においても御議論いただきつつ、1兆円の控除を行い、残余について雇用保険二事業の剰余金から返済を行うこととされたところでございます。
10ページを御覧ください。
失業等給付に係る雇用保険料率につきましては、原則1,000分の8とされていますが、財政状況に照らして一定の要件を満たす場合には、労働政策審議会の意見を聞いて、厚生労働大臣が変更することが可能となっております。
その下に法律の規定に基づく計算式がございますけれども、積立金に会計年度末の差引剰余を加えた額が年間支出額の2倍を超えれば、保険料率を引き下げられる仕組みとなっておりまして、令和6年度の決算額をこの式に当てはめますと、弾力倍率が2.69ということになりますので、保険料率の引下げが可能な状況となってございます。
11ページを御覧ください。
雇用保険二事業の弾力倍率につきましては、0.54ということで1.5を下回っておりますので、保険料率の引下げができないということでございます。
12ページを御覧ください。
保険料率の設定に当たりましては、安定的な財政運営と保険料負担軽減の両立を図ることが重要と考えており、雇用保険部会におきましては、複数の試算をお示しし、御議論をいただいたところです。
試算の前提として、試算①は、直近1年間の受給者実人員の平均値をベースとしたもの。
試算②は、令和6年法改正に伴う基本手当の給付制限緩和による影響を踏まえた行動変容を想定し、それによる受給者増を考慮した推計値となっております。
具体的なシミュレーションは、次の13ページ以降にございます。
保険料率を令和7年度と同じ0.7%から0.5%まで変更した場合のそれぞれについて試算を提示いたしました。
13ページから15ページまで、二事業の剰余金の2分の1を積立金に組み入れるという前提で、まず、13ページ、保険料率0.7%を維持した場合ですと、両試算とも失業等給付の弾力倍率は2倍を上回り、3倍、4倍に至るという試算になっております。
おめくりいただきまして、14ページ、0.6%に引き下げた場合におきましては、保険料収入は減収となりますが、二事業からの組入れにより、両試算とも失業等給付の弾力倍率は2倍を超える水準で、令和13年度までは推移するという見込みでございます。
最後に15ページ、料率を0.5%に引き下げた場合ですが、試算①の場合は令和9年度、試算②の場合は、令和8年度に弾力倍率が2を割り込むという見込みとなっており、保険料率の引上げが必要になるという試算になってございます。
続きまして、育児休業給付についてでございます。22ページを御覧ください。
育児休業給付につきましては、本則0.5%の料率でありますところ、弾力倍率が1.2を上回った場合には、0.4%まで引き下げることができる規定となってございます。
令和6年度の決算額に当てはめますと、1.70となっており、令和7年度と同様に令和8年度の保険料率についても、本則からの引下げが可能な状況となっております。
25ページに試算をお示ししておりますが、育児休業給付に係る保険料率を0.4%にした場合であっても、令和12年度まで弾力倍率は料率引下げの基準となる1.2倍を上回る見込みであることをお示ししております。
1ページにお戻りいただければと思いますが、以上を踏まえまして、雇用保険部会におきまして、雇用保険二事業による失業等給付からの借入額につきましては、着実に返済を進めつつ、今後の景気動向への備えなどの観点から、雇用安定資金の積立ても行っていくことが必要であることから、令和7年度決算において差引剰余が生じた場合には、当該剰余の2分の1を雇用安定資金に組入れ、残余の2分の1を失業等給付の積立金に繰り入れることとし、令和8年度の雇用保険料率につきましては、失業等給付の保険料率を本則0.8%から0.2%、今年度の0.7%から0.1%引下げ、0.6%にする。また、育児休業給付の保険料率は0.4%にするという結論をいただいたところでございます。
最後に、それぞれの告示案について御説明をさせていただきます。
失業等給付の保険料率について、資料2-1が諮問文と告示案の要綱、資料2-2が概要になります。資料2-2に沿って御説明を申し上げます。
おめくりいただきまして「1.制定の趣旨」といたしまして、雇用保険の保険料率につきましては、労働保険の保険料の徴収等に関する法律によりまして、次の1から3、失業等給付、育児休業給付、二事業のそれぞれの保険料率を合計して得た1,000分の16.5とされておるところでございます。
2つ目の○にありますように、先ほど触れました弾力条項によって、財政状況に照らして一定の要件を満たしますと、保険料率を変更することができることとされております。
「2.告示案の概要」の部分ですが、令和8年度の失業等給付費等充当徴収保険率につきましては、法律上の本則である1,000分の8から1,000分の2引下げ、令和7年度からは1,000分の1低い、1,000分の6とするということでございます。
「4.適用期日等」につきましては、本日御了承いただきましたら、3月中旬に告示を行いまして、本年4月1日から適用することを考えてございます。
続きまして、育児休業給付の保険料率でございます。
こちらも資料3-1が諮問文と告示案の要綱、3-2が概要でございまして、資料3-2に沿って御説明を申し上げます。
おめくりいただきまして「1.制定の趣旨」の部分は、先ほどと同様でございます。
「2.告示案の概要」といたしまして、令和8年度の育児休業給付費充当徴収保険率を本則である1,000分の5から1,000分の1引下げ、令和7年度と同じ1,000分の4とするものでございます。
「4.適用期日等」は、先ほどと同様、本年4月1日より適用することを考えてございます。
この失業等給付、育児休業給付の保険料率の変更の告示案につきましては、1月30日の雇用保険部会におきまして、要綱を諮問させていただきまして、おおむね妥当との報告をいただいたところでございます。
その際、雇用保険部会の委員の皆様から様々御意見をいただいたところでございます。
まず、保険料率を引き下げることは、事業者の負担軽減になるが、積立金の積み上がる速度が緩やかになる等の懸念もあること。
また、二事業からの積立金の組入額や保険料率については、毎年財政状況等も踏まえて、丁寧に審議会で検討する必要があること。
さらに、業種ごとの保険料率について、現在の働き方の実態を踏まえた適切な保険料率の検討をしていく必要があること、こういった御意見をいただいたところでございます。
こういった御意見を踏まえまして、今後の議論や財政運営に当たってまいりたいと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、本件につきまして、御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。
では、石橋委員、お願いします。
○石橋委員 ありがとうございます。石橋でございます。
諮問内容に特段の異論はございません。先ほど雇用保険部会の御意見を御紹介いただきましたが、雇用保険二事業から、失業等給付の積立金への組入額や、各保険料率について、来年度以降についても、様々な試算を踏まえたうえで、労使の負担や安定的な財政運営の観点から、丁寧な検討を本分科会委員の立場からも重ねてお願いをさせていただきます。
以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
では、新田委員、お願いいたします。
○新田委員 経団連の新田でございます。説明ありがとうございました。
私も諮問内容については、雇用保険部会等でもしっかり議論されたということですので、異論等はございません。
ただ、従前から何度も申し上げているとおり、特に雇用保険財政については、健全化が非常に重要な課題だと認識をしておりますので、今後も引き続き、財政状況については注視しながら、検討を進めていただきたいと思います。
加えて、育児休業給付の関係については、近年、男性の育児休業が非常に増えてきており、取得率だけではなくて、日数も増加傾向にあると承知しております。
したがいまして、育児休業給付に関する財政状況についても、引き続きしっかりと注視していただきたいということを、要望として申し上げておきます。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
ただいま、石橋委員、新田委員から御発言がございました。これについて、何か事務局からあればお願いします。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
雇用保険の財政運営につきましては、安定的な運営が必要と考えております。今、御指摘いただきましたように、今後の財政運営につきましても、失業等給付の状況や、男性の育児休業取得率の状況あるいは取得日数の状況など、その時々の様々な状況を勘案し、毎年シミュレーションを行って丁寧な議論をしてまいりたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ほかに御質問、御意見ございますか。
では、特にないようでしたら、まずは、議題2の失業等給付費等充当徴収保険率を変更する告示案要綱について、これは、雇用保険部会では、おおむね妥当という報告をしておりまして、当分科会におきましても厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案の表示)
○阿部分科会長 ただいま、議題2に関する報告文案が表示されておりますが、このとおり労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、そのように報告をさせていただきます。
続きまして、議題3のほう、育児休業給付費充当徴収保険率を変更する告示案要綱について、これも雇用保険部会においては、おおむね妥当という報告をしております。当分科会におきましても厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案の表示)
○阿部分科会長 ただいま表示されております報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、そのように報告をさせていただきます。議題2、議題3は以上となります。
続いて、議題4ですが「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○堀雇用保険課長 雇用保険課長でございます。
議題4といたしまして、広域求職活動費の見直しに関する雇用保険法施行規則の一部改正について御説明させていただきます。
まず、広域求職活動費の概要につきまして、参考資料3に沿って御説明をさせていただきます。
まず、1ページを御覧いただければと思います。
この広域求職活動費は、雇用保険の受給資格者が求職活動を行うに当たって、ハローワークの紹介で住居所から離れた事業所を訪問する場合に、交通費等を支給することで、その方の求職活動を援助し、再就職の促進を図るという制度でございます。
2ページを御覧ください。
昨年実施をいたしました広域求職活動費の支給状況に係る集計結果の概要が、上欄に記載をされております。
直近の支給データに基づきますと、1人当たりの基本手当受給期間における広域求職活動費の平均受給回数は1.6回であり、受給回数が3回以下の方が約96%を占めるということが分かってございます。
他方で、受給回数に制限がないため、受給回数が多い方の中には、面接態度の不良による不採用や採用辞退、内定辞退を繰り返すこと等によって、広域求職活動費を繰り返し受給する実態も見られたところでございます。
このため、再就職の促進を図るとともに、適正支給の観点から、少なくとも3回の広域求職活動費の支給を可能としつつ、就職困難者については、その事情にも配慮するといった観点から、この下にございますように支給回数の上限を設けることとし、それぞれ基本手当の所定給付日数を30で割った回数とすること。また、見直しに当たっては、施行日について、3か月から4か月程度の周知期間を置いて施行することにつきまして、雇用保険部会で御議論をいただいたところでございます。
続きまして、これを踏まえた省令案について御説明をいたします。
資料の4-1が諮問文と省令案の要綱、4-2が概要になります。
資料4-2に沿って御説明を申し上げます。
資料4-2、表紙をおめくりいただきまして「1.改正の趣旨」といたしまして、先ほど御説明いたしましたとおり、広域求職活動費につきましては、支給回数に上限がないという点が課題となっておりましたので、これに一定の制限を設ける改正を行うこととしております。
「2.改正の概要」でございますが、広域求職活動費の支給回数の上限を基本手当の所定給付日数を30で割った回数にすること等を記載しております。
「4.施行期日等」でございます。本日御了承いただくことができましたら、3月下旬に改正省令を公布し、先ほど申し上げたとおり、一定の周知期間を置くこととし、本年8月1日から施行することを考えております。
この広域求職活動費の改正省令案につきましては、1月30日の雇用保険部会で要綱を諮問させていただきまして、それに対して、おおむね妥当との報告をいただいたところでございます。
雇用保険部会におきましては、施行に向けて丁寧な周知を行うことについて御意見をいただいたところでございます。
御意見を踏まえまして、今後の制度運営に当たっていきたいと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
本件につきまして、御質問、御意見がございましたら挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
西委員、お願いいたします。
○西委員 ありがとうございます。
この広域求職活動費に支給制限を受けることは、異論はありません。ただ、制度の周知のことで少し発言をしたいと思います。
求人を出した事業所が、その求人の事務担当者以外に面接をする人を選ぶ人、多くの事業所では役員さんとかになると思うのですけれども、その役員さんまで含めて、この制度を知っておく必要があるのではないかと思います。この制度を知らないと、遠隔地からの求人者の面接を事業所側がちゅうちょするというか、避けてしまうかもしれない、来ないのではないかということで、制度の周知が事業所側にも必要と思い、発言をさせてもらいました。
○阿部分科会長 では、事務局からお願いいたします。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
この広域求職活動費につきましては、雇用保険部会においても、改正内容の丁寧な周知ということが必要という声もいただいておりますし、今、御指摘いただいたように、事業主を含めて、広く周知が必要と考えております。
改正に当たりましては、今回の改正内容について追記をしたリーフレットを作成するなど、周知を図りたいと考えておりますので、御指摘を踏まえて対応してまいりたいと思います。
以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
特にないようでしたら、雇用保険部会では、おおむね妥当という報告をしておりますので、当分科会としても議題4について、厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案の表示)
○阿部分科会長 表示されております報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○阿部分科会長 ありがとうございます。
それでは、そのように報告をさせていただきます。
本議題は以上となります。
続いて議題5です。
「緊急時における雇用調整助成金の在り方について」です。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○立石雇用開発企画課長 それでは、議題5について御説明を申し上げます。
関係する資料につきましては、資料5の報告書案と、それから、データとして参考資料4を準備しておりますので、御覧をいただければ幸いでございます。
まず、資料5の報告書案について、お開きいただければと思います。
前回の御議論におきましては、事務局から基礎的な資料とたたき台をお示しし、御議論をいただきましたところ、それらを踏まえまして、今回報告書案の形として提出をさせていただいております。
また、参考資料4につきましては、前回の基礎的な資料に掲載をしていなかったデータ類で、今回、報告書案に記載をさせていただいているデータについて提出をさせていただいております。
それでは、資料5でございます。
「1 はじめに」でございます。ここでは、雇調金の意義、それから、今回議論を行うに至った経緯などを書かせていただいております。
まず、1段落目で、雇用調整助成金が雇用安定事業の1つとして、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合の支援として、事業実施がなされていること。
また、続いて、労働者の失業リスクに対しては、雇用保険制度やハローワークによる就職支援といった支援策はあるが、失業後の支援策では、労働者にとっては円滑な再就職が進まない場合があることや、事業主にとっては、事業再開のタイミングでの人材確保のコストが発生することなどから、急激な事業縮小を乗り切る意義がある一時的な雇用維持策として書いてございます。
また、3段落目につきましては、平時にのみならず、危機が発生する都度、特例措置が行われてきており、特例が長期に及んだ場合には、労働移動の阻害や労働者の能力の低下等の指摘がなされつつも、その実施を通じて社会課題に対応してきたことの記載をしてございます。
その上で、最後の段落でございますが、今回の検討の経緯として、当分科会におきまして、このような危機時における雇用の維持安定への支援については、平時から検討をしておく必要がある旨の御指摘をいただいたこと、それを受けて、過去の特例措置の具体例、その効果等に係る調査や研究分析結果等を踏まえつつ、今後の在り方について検討を行って、その方向性や考え方についてまとめたので報告をするという書き方とさせていただいております。
続きまして「2 雇用調整助成金の主な支給要件等とその考え方」でございます。
2ページにおめくりいただければと思いますが、ここでは、現行制度の主な支給要件等につきまして、一覧表で整理をいたしますとともに、主な要件についての考え方についても整理をさせていただいております。
まず「① 生産量要件」というところでございます。
生産量要件につきましては、事業主が事業活動の縮小を余儀なくされている事実を確認するために、最近3か月間の売上高の月平均値が前年同期比10%以上低下したことという要件とされてございます。
緊急時におきましては、迅速な支援が重要ということから、例えば、最近3か月の売上高を最近1か月間の売上高とするように、短期間で業績低下が確認された場合でも、対象とするような特例措置を講じてきたということを記載してございます。
3ページに参りまして「② 支給日数・期間及びクーリング要件」でございます。
1年100日、3年150日の支給日数及び期間の条件が設けられていること、また、過去の受給の終了時点から1年超の期間が経過していることが要件とされてございます。
この要件の趣旨でございますけれども、恒常的に助成金に依存した事業運営が行われることがないようにするとともに、この支給期間内に助成を受けながら事業回復の見極めや事業転換等経営改善を目指すという趣旨で設けられているものでございます。
なお、緊急時といたしましては、支給日数の引上げ、支給期間の延長、また、クーリング要件を課さないこととするなどの特例措置を講じてきたものでございます。
「③ 助成率」についてでございます。
休業手当につきましては、労働基準法上、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合におきましては、使用者に給与手当の支払いが義務づけられているという一方で、雇調金におきましては、景気変動時の失業予防の公益性という観点から、支払った休業手当に対し、大企業については2分の1、中小企業については3分の2という高率の助成率が適用されているというものでございます。
なお、緊急時におきましては、個々の危機時の状況を踏まえて、助成率を引き上げる特例措置が講じられてきたものでございます。
3につきましては、過去の特例措置に関する事例の整理を行わせていただいております。
過去の特例措置につきまして、その原因を、経済変動、自然災害等及び感染症の3つに分類した上で、その内容を整理しております。
4ページにお進みをいただきますと、まず「(1)経済変動」でございます。
経済変動に係る特例措置の代表例といたしましては、リーマンショックにおける対応がございますので、その内容を記載してございます。
まず、平成20年の12月に中小企業への対策として、中小企業緊急雇用安定助成金という名前で新設する形で措置をいたしまして、生産量要件の緩和、助成率の引上げ、支給日数の拡充等を実施しております。
次に、大企業につきましては、段階的な拡充がなされておりまして、同年の12月に生産量要件の緩和を行った後、翌年の2月に助成率の引上げや支給日数の拡充などを行うといったような形で、段階的な特例を行ったことを記載しているところでございます。
「(2)自然災害等」でございます。
自然災害等の特例措置についての過去の例を見ますと、前回お出しした資料にございましたが、かつては特例措置の対応が定まっていない時期というのもございましたが、直近10年間の事例では、おおむね、以下の「① 政府全体の動き」「② 企業活動への影響」、これは激甚災害法12条に基づく、いわゆる本激、局激指定の状況、また「③ 雇用への影響」といった判断要素を踏まえて、特例措置の実施が判断されているという状況でございます。
5ページにお進みいただきまして、5行目からですが、特例の内容について、いわゆる本激指定の場合につきましては、まずは、生産量要件の緩和などについて、災害に伴う経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた全国の事業主を対象として実施、その上で、助成率の引上げなどについては、特に被害の大きい地域に所在をする事業主に限定して実施、また、支給期間、支給日数につきましては、支給期間は1年、また、支給日数は300日という形で実施をしてきたということを記載してございます。
また、22行目からは、いわゆる局激指定の場合でございますけれども、この場合には迅速な支援のために、生産量要件について緩和を実施しつつも、支給期間1年及び支給日数100日については、平時の制度と同様ということで、全国の事業主を対象として実施してきたものでございます。
ここで、参考資料4のほうをお開きいただけますと幸いでございます。
参考資料4の1ページ目でございます。
平成28年の熊本地震、こちらは本激の例を御覧いただいてございます。こちらは、2016年の4月に発災をしてございますけれども、発災前の月平均の雇調金対象の休業労働者数は約1,400人となってございますけれども、発災月の2016年4月には、3万327人と急激に対象者数が増えてございます。こちらで発災直後の休業ニーズを特例でしっかりと支えていることが分かるかと思います。
その後、ぐっと下がってまいりまして、発災後1年には、震災発災前の休業者数と、おおむね同等かそれ以下という形になっておりまして、特例期間1年ほどで、ニーズを満たせているのではないかということが分かるという資料になってございます。
次のページを御覧いただきますと、こちらも同じく熊本地震時の雇調金の支給日数でございます。
左側は特例措置の対象の7県、右側は熊本県のみを取り出してございますけれども、いずれも、雇調金の支給日数は、10日以下が半数ぐらいになっておりまして、100日を超えているのは数パーセントとなってございます。
特例の場合の支給日数300日となってございますけれども、ニーズを満たしているということが分かるのではないかと思ってございます。
また、次の3ページ目、こちらも本激の平成30年の7月豪雨の例でございます。こちらも熊本地震と同様でございますけれども、発災前の平均月約1,169人となっておりますが、発災直後、6月28日に発災しておりますけれども、7月の休業労働者数は7,478人ということで、ニーズをお支えしているものと思っております。
その後、減少しておりまして、2019年5月に少し増えているように見えておりますけれども、ここは個別企業の大規模休業案件があったということを確認しておりまして、豪雨被害という意味では、1年間で順調に減りまして、ほぼ平時に戻っているというデータでございます。
次の4ページにつきましても、平成30年豪雨時の雇調金支給日数でございまして、熊本地震と同様の傾向となっているところでございます。
恐れ入ります、資料5のほうにお戻りをいただければと存じます。
こういったデータを踏まえまして、29行目からの記載ございますけれども、平成28年の熊本地震では、発災直後の休業者数について、発災前の平均と比べて21.7倍となっており、特例措置により、発災直後における急激な休業ニーズの増加に迅速に対応してきたという記載を入れさせていただいております。
続きまして「(3)感染症」についてでございます。
6ページのほうに行っていただきまして、感染症特例措置の原因とする事例といたしましては、過去にSARS、それから新型インフルエンザに係る事業主支援のために、生産量要件の緩和を行ったという事例があるところでございます。
ただし、助成率の引上げといったその他の特例措置は実施されていなかったところでございます。
しかし、令和2年のコロナ流行下におきましては、政府が休業を要請するという前例のない状況におきまして、政府の緊急事態宣言なども踏まえながら、特例措置を行っていったというものでございます。
16行目からでございますけれども、令和2年2月に生産量要件の緩和、次に3月にクーリング要件の撤廃、そして、助成率の引上げ、それから4月には支給日数の上限の撤廃という形で、段階的に特例を拡充していきまして、最終的には、さらなる助成率の引上げということで、解雇なしの場合には、中小企業10分の10であるとか、雇用保険の基本手当日額上限を超えた上限額の設定などの手厚い休業支援を実施したという事実関係を記載してございます。
また、特例の内容につきましては、感染状況等を踏まえ、段階的に縮小する措置が取られたというものでございます。
その財源につきましても記載をしてございまして、24行目からですけれども、雇調金は、雇用安定事業により実施され、財源は事業主のみが負担する雇用保険料によって賄われているが、異例の措置を行う中で、支給決定額が約6.5兆円に、及び雇用安定資金が枯渇したこと、また、ポツに書いてございますが、以下の、例えば緊急雇用安定助成金の創設ですとか、雇用保険の基本手当日額上限を超える部分の財源の実施に係る財源を確保する必要が生じたということから、必要な法改正を経て、一般会計の活用が行われたということも記載をさせていただいてございます。
7ページでございます。
「4 過去の特例措置に関する調査・研究等の整理」について記載をしております。
ここでは、リーマン期とコロナ期に関しまして、JILPTにおける調査研究や、厚労省の業務統計、それから諸外国の制度の調査分析結果等を踏まえて、そこから得られた示唆について整理をしている項目でございます。
(1)のリーマン期でございます。
まず、リーマン期におきましては、支給決定額で1.3兆円、産業別の受給事業所割合について見ると、製造業が53%と特に大きくなっているところでございます。
また、19行目から御覧いただきますと、雇調金の効果について、JILPTの調査におきましては、相対的に入職率、離職率を低く抑えているということ。また、受給終了後に離職や廃業が集中すること、といったことが指摘されたところでございます。
こういったことにつきましては、いたずらに生産性の低い企業や、そうした分野での雇用を温存するといった特例措置への指摘に通ずる面もあるが、JILPTの分析におきましては、むしろ雇調金によって雇用失業情勢の最も厳しい時期を後ろに分散化させるとともに、雇用失業情勢が少し落ち着いた状態で、円滑な再就職を促進する効果を持つと捉えることが適当であると指摘がなされていたところでございます。
また、29行目からにつきましては、JILPTの調査におきまして、完全失業率に係る雇調金の活用効果の推計についても記載をさせていただいてございます。
8ページのほうを御覧いただければと存じます。
「(2)コロナ期について」の整理でございます。
コロナ期は、支給決定額は6.5兆円、産業別の受給事業所割合を見ると、幅広い産業で利用されておりまして、製造業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業といった形で広く活用されてございます。
14行目は、今回新たに参考資料4でお示ししているデータを引いたものでございますので、後ほど御覧いただければと存じますけれども、雇用保険適用事業所に占める受給事業所の割合について見ますと、令和2年に約18%、令和3年に約14%などとなっておりまして、いずれもリーマンショック期の同様のデータの最高値であります平成22年の約5%を大きく上回っているということで、コロナ期の受給規模が非常に大きかったということをここで記載をさせていただいております。
また、JILPTの調査では、コロナ期におきましては、コロナ初期に大量の失業発生を回避する役割を果たしたこと、また、受給終了直後に離職が集中して、その後の純雇用成長率は減少傾向にあること、また、廃業確率の低下及び雇用量の維持については、短期的な効果にとどまること、受給が長期に及んだ場合、その効果が失われる傾向があること、また、受給事業所の離職者は非受給事業所の離職者より、再就職に時間がかかる、また、休業期間中に従業員のモチベーションや生産性の低下等を課題と感じた事業所の割合は、受給事業所で高く、受給が長期化した事業所ほど高い傾向ということなどが指摘をされたところでございます。
34行目の段落では、労働経済白書における完全失業率への雇調金の抑制効果についても記載をさせていただいております。
9ページに参りまして、3行目のところでございます。
こうした様々な効果があった一方で、受給事業所による多くの不正受給が発生したということも記載をさせていただいております。
これには、膨大な支給申請がある中で、労働者の雇用維持のために迅速な支給を優先せざるを得なかったという実情などが影響した可能性があるということを記載させていただいております。
「(3)リーマンショック期とコロナ期との比較」でございます。
前回の御議論の際にJILPTの高橋主任研究員に御発表いただいた内容でございますが、リーマン期とコロナ期における雇用調整助成金の緊急時の雇用維持効果に関する分析結果の考察について、御報告いただいたことを記載してございます。
受給事業所と非受給事業所を比較すると、両時期に共通することとして、雇調金の受給は廃業率を低く抑えたということ、危機の影響を強く受けた業種、リーマン期においては製造業、コロナにおいては宿泊・飲食サービス業等において、危機の初期における雇用維持を可能にしたことが指摘された。
他方で、相違点として、リーマン期においては、高影響業種において危機発生からほぼ一貫して受給事業所の雇用のほうが維持回復する傾向、また、受給事業所の純雇用成長率も増加傾向だが、コロナ期においては、高影響業種において、一定期間の経過後は受給事業所のほうが、雇用が減少し、また、事業所の純雇用成長率も減少傾向にあったことなどが指摘された旨を記載してございます。
これは、両時期における影響を受けた業種や、雇用失業情勢の違いによって、雇用維持効果にも違いが現れたものと考えられ、危機の特性も踏まえて分析結果を考察することの重要性について御示唆をいただいたところでございます。
「(4)各国におけるコロナ期の雇用維持スキーム」でございます。
各国の対応としては、雇用保険財源による既存のスキーム、10ページに参りますけれども、それを有していたドイツ、フランス、それから日本では、その特例措置を活用したこと、また、既存スキームがなかったイギリス及びアメリカにおきましては、一般財源による新たな制度を創設して対応したということを記載してございます。
また、欧州の3国、それから日本の感染防止のための社会制限措置と雇用維持のスキームについて、社会制限措置の厳格度の各国の推移でございますとか、その終了時期について記載をしてございます。
それから、欧州の3国と日本のコロナ禍の高影響業種である宿泊・飲食業における雇用維持スキームの適用者数と、社会制限措置の厳格度の推移については、いずれも整合的に推移していたということなどを記載しております。
19行目、「これらのことから」ということで、コロナ期においては、各国において失業予防のための雇用維持スキームの特例的運用ないし創設が行われたが、その終了時期には差異があり、また、欧州3国や日本の感染防止対策の推移に応じて、雇用維持スキームの内容や、その対象者数が変化していたことが分かるということでまとめてございます。
25行目の5、過去の特例、調査・研究等を踏まえた今後の緊急時の雇用調整助成金の在り方」についてでございます。
まず「(1)緊急時の特例措置の意義」について記載をしておりまして、前回たたき台のときの記載を踏まえて、その意義を整理させていただいております。
33行目から御覧いただければと思いますが、循環的な景気変動や個社の取引関係の不調等の経営不振に対応する平時の支援内容よりも手厚い特例措置を危機時に講じることにより、事業主に対して一定期間、強力に雇用維持を促すということは、個々の労働者、事業主におけるセーフティーネットとして有効であり、社会全体にとっても合理的な措置であると考えられると整理をしてございます。
その上で「(2)今後の緊急時の特例措置の在り方について」でございます。
こちらにつきまして、①経済変動、②自然災害等、③コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機ということで分類をいたしまして、前回たたき台の記載や御意見、調査研究結果における雇調金の効果分析などを踏まえて、以下、記載をさせていただいてございます。
まず「① 経済変動について」でございます。
経済変動につきましては、リーマンショック時における特例措置が前例となりまして、特例措置の実施方法としては、まずは生産量要件の緩和等を行った上で、危機の影響を見極めて、助成率や支給日数の引上げ等を行うなど、危機の状況に応じた対応が必要であるとしております。
特例措置の内容や期間につきましては、当該経済変動の影響の大きさや労働市場の状況と併せて、これまで御覧いただきました研究分析結果なども踏まえて、特例措置によって得られる効果を的確に踏まえて対応することが重要であるとした上で、4に述べた過去の特例措置の研究分析結果を見ますと、リーマン期におきましては、危機の初期において高い雇用維持効果があったが、受給終了後に離職が集中しているということがございまして、したがって、雇調金により全ての雇用を維持するといったことは、実際には困難であるということが読み取れると。そして、これらを勘案すれば、雇調金の効果については、雇用失業情勢の厳しい時期を後ろに分散化させるとともに、雇用失業情勢が少し落ち着いた状態で、円滑な労働移動を促進する効果として捉え、その最大化を図ることとすることが適当であると整理をさせていただいております。
そして、特例措置の内容や期間について判断を行うに当たっては、データや影響を受けている業種等をきめ細かく注視しながら、現場を熟知する公労使が当分科会において議論を行い、定期的に判断を行うことが適当であるとさせていただいております。
12ページに行っていただきまして「また、その際」ということで、過去の例などを見ましても、注釈の13、14などにもつけさせていただいておりますけれども、必要に応じて休業だけではなくて教育訓練の推進ですとか、また、他の施策による雇用維持支援の有効性についても併せて検討することが有効であるということも記載をさせていただいております。
「マル2 自然災害について」でございます。
災害につきましては、突然発生して迅速な初動が必要であるということ、様々な規模の災害がある中で、特例措置の実施に関する予測可能性を高めることが、円滑な対応につながること、また、過去に頻回発生しておりまして、おおむね一定の対応パターンが形成されつつあることなどを踏まえて、改めて、当分科会において、特例措置実施の判断基準や内容について基本方針を定め、災害発生時には、その方針に沿って迅速対応することが適当であるとさせていただいております。
また、過去例を踏まえまして、以下の「(ア)政府全体の動き」「(イ)企業活動への影響」として、激甚法の指定、それから「(ウ)雇用への影響」の3点を特例措置実施の要件とすることが適当と考えられるとしております。
特例措置の内容につきましては、いわゆる局激指定の場合には、全国の事業主に係る生産量要件を緩和することが適当であるとしております。
また、28行目からですが、いわゆる本激指定の場合には、それに加えて、被災地に所在する事業主に対して手厚い支援を行うため、助成率や支給日数の引上げを基本として対応していくことが適当であると整理をさせていただいております。
13ページに参りまして、特例措置の期間につきましては、最近の例として1年としているものが多く、また、先ほど参考資料4を御覧いただきましたように、実績を見ましても、特例措置における雇調金対象休業労働者数は、発災直後にピークを迎えて、発災後1年程度で平時の状態に戻っているということを踏まえまして、また、長期の特例措置に係るJILPTの調査分析結果では、雇用維持効果は初期の段階には確認されるが、利用が長期に及んだ場合は失われるとしていることなども踏まえて、その期間は1年間を基本とすることが適当であると整理をしてございます。
また、支給日数につきましては、いわゆる本激指定の場合には、300日に引上げ、いわゆる局激指定の場合は、平時と同様の100日とすべきであると記載をしてございます。
その上で、地震と豪雨が続いた能登の例などもありますことから、個々の事例への判断に当たりましては、被災地の状況なども踏まえつつ、当分科会において、公労使が議論の上で適切に判断を行うこととするとしております。
また、その際、必要に応じ休業のみならず、教育訓練の推進や在籍型出向支援など、他の施策による雇用維持支援の有効性についても検討することが有効であるとしてございます。
「③ コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機について」でございます。
まず、コロナ期の対応につきましては、感染拡大防止のために政府が経済・社会活動や移動を制限せざるを得ず、事業活動が急激に縮小したという異例の事態、これに迅速に対応するために、既存施策である雇調金の最大限の活用により対応を行ったものであり、従来の雇用安定事業による雇用対策の範疇に必ずしも収まらない趣旨を含む、緊急対応の側面を有するものであったと整理をいたしております。
そして、今後このような異例の危機が再び発生した場合には、①経済変動や、②自然災害等の場合とは、必要な対応が異なるということも考えられ、また、前回の委員の御指摘を踏まえまして、当分科会においては、国民全体の共同連帯によって対処すべき状況と考えられる場合には、政府全体で合理的かつ効果的な対応の在り方について検討が行われることを望むという意見が多くあったということを記載させていただいております。
その上で、仮に雇調金の特例措置が求められる場合について検討するとしまして、4の研究分析結果で述べた、危機の初期における雇用維持効果と受給終了後の離職の集中という結果、また、長期間の受給等が労働者の生産性に与える影響と、14ページでございますが、これを踏まえれば、経済変動の章と同様の書きぶりにはなりますが、その効果を雇用失業情勢の厳しい時期の分散化と、雇用失業情勢が落ち着いた状態での円滑な労働移動の促進と捉えて、効果の最大化を図るように検討した上で、危機の状況に応じて順次必要な対応を講じ、見直していくことが重要であるとしてございます。
また、こちらも前回いただいた御意見を踏まえた記載でございますが、さらに、危機への対応により、雇用保険二事業が本来目的とする事業を行えない、ひいては雇用保険財政に多大な影響が及ぶような状況とならないよう、当分科会において、政府による二事業の財政検証の結果など、所要のデータ等を注視しながら、公労使が議論し、特例措置の内容や期間を適切に判断することが重要であるとしております。
なお、コロナ期には当分科会における公労使の議論のタイミングが必ずしも適切でない場合があったとの指摘があったと、事務局である厚生労働省においては、この指摘を重く受け止めるとともに、拠出者としての意見を含め公労使の知見に基づく検討や議論が、特例措置の内容や期間にかかる政策判断に十分に反映されるよう、当分科会の柔軟な開催方法等効果的な工夫を講じることが必要であると記載をさせていただいてございます。
大変足早な御説明で恐縮でございますが、事務局からの御説明につきましては、以上でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
では、本件について、御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。
では、まず、田上様からお願いいたします。
○田上代理 馬渡委員の代理でございます。全国中央会の田上と申します。
雇用調整助成金の緊急時の在り方について、報告書案の形におまとめいただき、ありがとうございました。
また、いろいろな意見を集約していただき、反映していただいたと思っております。ありがとうございます。
今後の緊急時の特例措置の在り方についての部分に、1点、意見をさせていただければと思います。
雇用保険二事業は、さきのコロナ禍期を経て、事業者が積み立てたストックを消費し、さらに多額の借金を抱えたような状況になっております。従来の雇用安定事業では想定されていない内容を含む特例措置を繰り返し長期的に実施したことで、今は借金を返済しながら事業を行うことを余儀なくされているような状況だと思います。
今後の緊急時の対応において、さらに借金を重ねるということは、雇用保険二事業の保険料率の上昇等により、事業の在り方が問われ、また、事業がさらに不安定となり、本来目的とする事業も行えない状況に及ぶおそれがあろうかと思います。労働者と折半で積み立てている失業等給付のほうから借り入れてまで対応するものではないと考えます。
今後、再び借入れが必要となるような状況においては、借り入れることなく、政府全体を通して一般財源から拠出することを求めるべきだと考えますので、意見として申し上げます。
以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
では、清田委員からも手が挙がっていますので、お伺いしたいと思います。
○清田委員 ありがとうございます。日本商工会議所の清田でございます。
御説明ありがとうございます。また、お取りまとめに感謝申し上げます。
雇調金の特例措置のこれまでの検証を通じまして、今後の在り方を整理いただいたものと承知しております。
雇調金の特例措置の効果として、危機時の初期において高い雇用維持効果を発揮することが、それぞれのケースで共通しているということから、特例措置の役割を雇用失業情勢の最も厳しい時期を後ろに分散化させ、雇用失業情勢が少し落ち着いた状態で円滑な再就職を促進することと整理をいただいたことは、適当であると受け止めております。
御記載のとおり、危機時の初期の捉え方については、その時々の状況を丁寧に確認していただくことが重要であると考えております。
自然災害においては、1年程度で平時に戻っているということを例に、特例の期間について1年を基本とする点は理解いたしますが、災害の影響の大きさや復旧状況など、個々の事案において丁寧に確認していくことが重要だと考えます。
また、リーマンショックにおいても、高影響業種においては、危機発生からほぼ一貫して受給事業所のほうが雇用の維持、回復傾向があったことということからも、必ずしも1年という期間のみで判断することは適当ではなく、雇用情勢を丁寧に見ていくことが必要であると理解をしております。
あわせまして、雇調金の役割として、危機初期時の雇用維持効果を重視するということと整理をいただいたことに対しまして、危機の影響から脱し切れていないような事業者に対しては、総合的な支援を継続することが必要だと思っております。
雇用就業面での教育訓練の支援の充実とともに、資金繰り、販路開拓、事業転換など政府全体での支援がどのような状況にあるのかということを確認しながら、雇調金の継続等を検討していくことも重要であると考えます。
最後に、コロナ禍など、異例な緊急時の対応について、雇用安定事業のみならず、国民全体の共同連帯で対処すべき状況においては、政府全体で検討が行われることを望む意見が多くあったと記載をいただいております。繰り返し申し上げることとなり恐縮ですが、同様の危機時におきまして、このコロナ禍における対応を前例とするということは、認められないことを再三申し上げてまいりました。この点につきましては、意見のみに終えるのではなく、政府の労働政策審議会において多く意見があったということは、ぜひ、重く受け止めていただきたいと思います。将来の同様の危機時には、ぜひ、国民全体の共同連帯で対処していくという方針にのっとって対処をいただきたく、お願いしたいと思います。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
新田委員も手が挙がっておりますので、新田委員もここでお願いいたします。
○新田委員 経団連の新田でございます。
詳細な説明をありがとうございました。
この報告書案は、過去の緊急時における対応の経緯あるいは実績、そして、この分科会における様々な意見、議論を踏まえて、取りまとめていただいたと承知しております。改めて感謝申し上げたいと思います。
内容に関しましては、かねてより申し上げてきた内容が適切に反映されていると受け止めているところでございます。
先に今後の話をするのも何ですが、この報告書がまとまれば、政府内において、この報告書の内容をしっかりと共有され、再びこういう事態が起きないことを切に願っておりますが、同様の緊急事態が生じた際の基本方針として、この報告書を明確に位置づけていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
その上で、内容に関して1点だけ、申し上げたいと思います。
報告書案の9ページ3行目から不正受給に関するくだりがあります。この部分は、非常に重要な指摘だと思っておりまして、この点が追加されたことを非常に評価しております。
一方で、10ページ以降の、この報告書のまさに肝と言うべき、「5 今後の緊急時の雇用調整助成金の在り方」を見る限り、今しがた申し上げた不正受給等々の部分に対する受けの記述がないように思います。この点についても、「5」のところに何らかの記述を入れていただきたいと思いますので、御検討方、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、冨髙委員からお願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
まず、説明と取りまとめに感謝申し上げたいと思います。
前回の分科会での意見を踏まえた整理、修正と受け止めておりまして、方向性に違和感はございません。
また、最後の部分に記載はございますけれども、緊急時であるからこそ、当分科会における議論が重要なのだということも明確に記載いただいておりますので、この点は実効性を持って進めていただきたいと思います。
その上で、今後の緊急時の雇調金の在り方について、2点意見を申し上げたいと思います。
まず、1点目ですが、今後の緊急時の特例措置の中で、経済変動、自然災害等、コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機の3つに分類・整理していただきましたが、いずれの危機においても雇調金に加えまして、教育訓練や在籍型出向など、その他の雇用維持支援策を複合的に活用していくことが非常に重要だと考えております。この点、経済変動と自然災害等においては記載されているのですが、コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機では記載されておりませんので、この部分にも記載いただきたいと思います。
それから、2点目は資料の13ページ、財源の取扱いについてです。この間、本分科会や雇用保険部会において、一般財源による措置を求める意見は少なくなかったと考えています。この点、13ページの27行目から31行目にかけて、工夫をされた記載になっていると思うのですが、この間の一般財源の活用に対する意見を踏まえれば、もう少し委員の意見を分かりやすくストレートに記載いただいても良いのではないかと思いました。
なお、14ページの5行目から記載がありますが、コロナ禍においては、雇用安定資金の枯渇により、二事業だけではなく失業等給付の積立金にも影響が及んだことを考えれば、雇用に対する広範囲かつ重大な危機が迫った際には、雇用保険制度を適切に機能させるという観点からも、一般財源の投入について臨機応変に検討することは非常に重要だと考えておりますので、この点も改めて意見として申し上げておきたいと思います。
以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
では、中窪委員、お願いいたします。
○中窪委員 ありがとうございます。公益委員の中窪です。
前回、最後のところでコロナ禍類似という言葉を使っていたのが、少し違和感があったことを申しましたのに対して、今度、コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機ということで、より広く書き直していただきまして、落ち着きがよくなったと思います。
さらに、国民全体の共同連帯によって対処すべき状況という、若干奥ゆかしいですけれども、そこの精神を示すような言葉も入ってよくなったと思いますので、お礼を申し上げたいと思います。
もう一点、先ほどの清田委員と私も同じ意見でありまして、コロナのときに非常に不正受給がたくさん出てきて、それでこの分科会でも、いろいろな対処を、制裁の強化ですとか、警告をするとかしたのですけれども、1つの課題といいますか、反省材料として残ったと思います。これについて、9ページのところで指摘されているのは結構ですけれども、今後のところで何かあってもいいのかなという感じがいたしました。もちろん不正受給の問題はマル3に限らないことでありますけれども、特にマル3のときには、そういうこともあったということを踏まえて、何か書いていただければいいなと、私も思いました。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
田上様、清田委員、新田委員、冨髙委員、中窪委員それぞれから御意見を頂戴しました。事務局から何かあれば、お願いいたします。
○立石雇用開発企画課長 委員の皆様に御意見を頂戴いたしまして、大変ありがとうございました。
今回の報告書案は前回の御指摘を踏まえて整理させていただいたところでございます。
二事業の雇調金の特例措置についてのJILPTなどにおける調査分析結果を踏まえますと、報告書案に書かせていただいたとおり、初期の雇用維持効果がある一方で、受給終了後に離職が多く発生しているといったことを踏まえて、今回、雇用失業情勢の厳しい時期を後ろ倒しする効果ということで、整理をさせていただいたところでございます。
その際の初期の効果について、その初期というものをどのように捉えるかについて、丁寧に議論をしてほしいという御意見を清田委員からいただいたところでございます。
自然災害につきましては、基本1年と打ち出しているところでございますけれども、、まさに能登の事例などもございますので、個々の事例において丁寧に、当分科会において御議論いただくと記載をさせていただいております。
あと、経済危機、それからコロナ禍などの異例の緊急対応を要する危機時につきましても、1年という期限は、ここでは示しておりませんで、まさに危機の状況を踏まえまして、そのときそのときに現場を熟知する公労使の皆様に、この分科会の場で御議論いただきたいという旨を、今回、整理をさせていただいているところでございます。
また、前回に引き続きまして、一般財源でやるべきという御指摘を、今回も頂戴いたしたと認識をしているというところでございます。
その書き方につきましては、少し工夫をしましたねと御指摘をいただいたところでございますが、私ども雇用安定分科会の事務局といたしましては、雇用安定資金で行っていただく雇用調整助成金の効果、また、その対応につきましては、今回整理をさせていただいたところでございますし、また、一般財源につきましては、安定分科会の御提言として、こうするべきとまで書くことは、なかなか難しい部分もございますが、国民全体の共同連帯という書き方でございますが、皆様からいただいた御趣旨のほうを、なるべく打ち出す形とさせていただいたところでございます。
また、不正受給のことにつきましても御指摘をいただきました。実際、コロナのときに全体の支給件数が多かったということもありますし、迅速支給ということもある中で、不正受給の件数が多く上がっているということを踏まえて、その事実のほうを記載させていただいたものでございますけれども、5の今後の在り方のところについて、それを受ける記載がないということの御指摘をいただきましたので、その記載の仕方について、また分科会長と御相談等をさせていただきながら、検討させていただければと思っております。
また、雇調金以外の御支援に加えて、その他の雇用維持支援も重要であるということを冨髙委員からいただいたところでございます。
③のコロナには、この部分について書いていないところがございますので、そちらについても、また、工夫をさせていただいて、指摘を踏まえて、記載のほうを追記させていただければと存じます。
本日いただきました御意見も踏まえて、また、ブラッシュアップをさせていただければと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ほかに御質問、御意見ございませんか。
では、どうぞ。
○村山局長 職業安定局長でございます。
本日も本件に関しましては、公労使各側の委員の皆様方から幅広い御意見をいただきましてありがとうございました。個々の点につきましては、先ほど、雇用開発企画課長からお答えを申し上げたとおりでございます。
その上で、労使双方から御提起いただきました、特に国民全体の共同連帯でという部分の記述等、この分科会における本件に関する議論の経過に関しましては、政府部内、必要な調整を図って、この場に出しているものでございます。今後も関係省庁とよく調整して今日御意見いただきました資金繰りの点など、他省の所管にわたる部分もありますので丁寧に取りまとめていきたいと思います。特にコロナ期における本件の取扱いを振り返りますに、現実問題としては、関係府省もございますが、それ以上に、やはり議院内閣制のもとでは、与党との関係というのが非常に大きなテーマであったと、皆様にも共通の御理解をいただけるところではないかなと思います。
こうした非常に皆様の熱心な御議論を踏まえて、こうした報告書を取りまとめる過程におきましては、与党のしかるべき場でも、もし、そういうタイミング、または場がいただけるのであれば、私どものほうからもしっかりと御説明して、労使から挙がっている御意見を伝えていきたいと考えておりますことを付言申し上げます。もし仮に、そうした場に労使の皆さんも御一緒する機会があれば、ぜひ、またお力添えもいただければと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○阿部分科会長 ほかに御質問、御意見ございませんか。
特にないようでしたら、本日出た意見も踏まえまして、事務局におかれましては、次回の報告書取りまとめの議論に向けて、御対応いただくようにお願いいたします。
本議題は以上とします。
本日予定されている議題は以上で終了いたしましたが、この際、委員から御発言はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、本日予定されている議題は以上で終了いたしましたので、本日の分科会は、これで終了いたします。ありがとうございました。

