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第127回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会議事録
1.日時
令和8年1月14日(水) 9時00分~9時20分
2.場所
厚生労働省専用第15会議室(※一部オンライン)
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎第5号館 12階)
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎第5号館 12階)
3.出席委員
- 公益代表委員
-
- 京都大学大学院人間・環境学研究科教授 小畑 史子
- 明治大学法学部教授 小西 康之
- 慶應義塾大学医学部・大学院健康マネジメント研究科教授 武林 亨
- 大阪大学大学院高等司法研究科教授 水島 郁子
- 労働者代表委員
-
- 日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員 岩﨑 優弥
- 日本化学エネルギー産業労働組合連合会副事務局長 金井 一久
- 日本食品関連産業労働組合総連合会副会長 白山 友美子
- 全日本海員組合政策局長 立川 博行
- 日本労働組合総連合会副事務局長 冨髙 裕子
- 全国建設労働組合総連合書記次長 松尾 慎一郎
- 使用者代表委員
-
- 三菱マテリアル(株)イノベーションセンター長 足立 美紀
- 一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹 笠井 清美
- 東京海上ホールディングス株式会社人事部シニアマイスター 砂原 和仁
- 日本通運(株)人財戦略部次長 武知 紘子
- 日本製鉄株式会社人事労政部部長 福田 寛
- 西松建設株式会社安全環境本部安全部担当部長 最川 隆由
4.議題
(1)労災保険制度の在り方について
5.議事
○小畑部会長 定刻となりましたので、ただいまから「第127回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」を開催いたします。本日の部会は、会場及びオンラインの両方で実施いたします。本日の委員の出欠状況ですが、中野委員、宮智委員が御欠席と伺っております。出席者は現在16名ですが、公益代表、労働者代表、使用者代表、それぞれ3分の1以上の出席がありますので、定足数を満たしていることを御報告いたします。カメラ撮影等はここまでといたしますので、御協力をお願いいたします。
それでは、議題に入ります。本日の議題は、「労災保険制度の在り方について」です。前回の労災保険部会では、論点整理について御議論いただきました。本日は、報告案について御議論いただきたいと思います。前回の論点整理と各委員からの御意見を踏まえた報告案を、事務局に作成していただきました。まず、事務局から報告案について御説明をお願いいたします。
○労災管理課長 それでは、資料「労災保険制度の見直しについて(報告)(案)」を御覧ください。前回、令和7年12月18日の部会の論点整理を基に、各委員からの御意見を踏まえ事務局が作成した報告案です。本部会では、令和7年9月から12月までの間、労災保険制度の具体的な課題について8回にわたって御議論いただいたところですが、冒頭に、「労災保険部会では、令和7年9月2日以降、就業構造の変化や働き方の多様化等を踏まえ、労働災害に対するセーフティネットを整備する観点から、精力的に議論を進めてきたところである。」こと、「当部会において労災保険制度の見直しについて検討を行った結果は、下記のとおりである。」こと、「この報告を受けて、厚生労働省においては、法的整備を含めた所要の措置を講ずることが適当である。」とまとめています。
「記」以下について、論点整理からの変更点を御説明します。まず、1 適用関係の(1)暫定任意適用事業です。労働者代表委員からの、「施行までの期間は、例えば5年など、あまりに長く取るべきではないと考えており、この点、今後報告書案をまとめるに当たって、その点に留意した記載としていただきたい」との御意見を踏まえ、論点整理では「施行までに十分な期間」でしたが、3行目のとおり、「円滑な施行に必要な期間」に修文しております。
続いて、(2)の特別加入制度についてです。「また」から始まる3段落目ですが、労働者代表委員からの「特別加入団体の承認取消しがあった場合の対応として、「特別加入者の不利益を軽減するための工夫を行う」としているが、この表現では加入者保護の観点では十分ではない。特別加入団体の取消しなどがあった場合でも、保険料を納めた期間内は特別加入者としてみなすなどして、確実に保険関係が継続するような措置を講じるべきであり、報告書の表現もその趣旨が明確となるようなものとすべき」との御意見を踏まえ、論点整理では、「特別加入者の不利益を軽減するための工夫を行う」でしたが、「消滅させる時期に配慮することが適当である」と修文しております。
また、同じく労働者代表委員からの、「特別加入の範囲を広げていく以前に、労基法の労働者概念を拡大して労災保険法本体の保護の範囲を拡大していくことが重要。こうした課題感も報告書で言及しておくべき」との御意見を踏まえ、4段落目の最初に、「なお、労災保険法の強制適用の範囲については、労働基準法上の「労働者」概念に関する議論も踏まえつつ、労働基準法との関係も含めた労災保険制度の位置づけ等も含め、専門的な見地から引き続き議論を行う必要があるが」という文章を追加しております。
2ページ、2 給付関係です。(1)の遺族(補償)等年金について、部会における使用者代表委員の御意見を踏まえ、最後に、「なお、遺族(補償)等年金の制度趣旨・目的を踏まえ、生計維持要件、給付期間、支給要件の妥当性を含めて遺族(補償)等年金の在り方を判断するため、これらの点について専門的な見地から引き続き議論を行う必要がある」という段落を追加しております。
3ページ、(4)の遅発性疾病に係る労災保険給付の給付基礎日額です。関係する通達の表現と合わせるため、1段落目の「最後」を、論点整理の「最終」から、そして1段落目と2段落目の「離職」を、同じく「退職」からそれぞれ修正しております。続いて、3 徴収関係の(1)メリット制についてです。こちらも2段落目について先ほどと同様、通達の表現に合わせるため、「最後」、「離職」と文言を修正しております。
(2)労災保険給付が及ぼす徴収手続の課題についてです。表現の適正化の観点から、1段落目の「同一災害」を、論点整理の「同一事故」から修正するとともに、「支給決定(不支給決定)」の次に、「(以下「支給決定等」という。)」という文言を追加しております。
4ページですが、「また」から始まる段落の「メリット収支率の算定の基礎となった労災保険給付に関する情報」の次に、「(以下「メリット基礎情報」という。)」を追加するとともに、実態把握の結果に基づき必要な検討を行うものとして、事業主に対する支給決定等に関する情報、すなわち「支給決定に関する情報」と「不支給決定に関する情報」、及び「メリット基礎情報」の3つの情報提供の在り方であることを明示するよう修正しております。
最後に4つ目の「なお」から始まる段落に、「事業主への情報提供は認めるべきではない」という労働者代表委員の御意見とその理由を、5つ目の「また」から始まる段落に、「事業主に、請求人と同時に同じ情報を提供し、請求人へと同様に決定理由も提供すべき」という使用者代表委員の御意見とその理由を記載しております。また、形式的な修正ですが、論点整理は各項目の文末は「○○が適当」という表現でしたが、報告案では、「○○が適当である」と修正するとともに、箇条書きであった各項目の冒頭に、「また」や「なお」等を追加して体裁を整えております。
なお、参考資料は、前回の部会における委員の主な御意見をまとめたものです。事務局からの説明は以上です。
○小畑部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から御説明がありました報告書案につきまして、御意見を伺いたいと思います。御意見等がございましたら、会場の委員におかれましては挙手を、オンラインで参加の委員におかれましては、チャットのメッセージから「発言希望」と御入力いただくか、挙手ボタンで御連絡をお願いいたします。いかがでしょうか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 まずはこの間、報告案を取りまとめいただきました事務局の皆様に感謝申し上げます。
労働側の報告案の受け止めについて申し上げる前に、1点特別加入制度に関して確認をさせていただきたい点があります。前回部会の論点整理における「特別加入者の不利益を軽減するための工夫を行うことが適当」という部分について、先ほど御報告いただいたとおり、「消滅させる時期に配慮することが適当」と記載を修文していただきました。この部分ですけれども、具体的にどのような措置を講じようとしているのか、この点だけお伺いしたいと思います。
○小畑部会長 では、事務局からお答えをお願いいたします。
○労災管理課長 この点につきましては、要件に該当しない特別加入団体が生じた際には、保険関係の消滅に先立ちまして、特別加入団体への改善命令を含む業務指導を行うことを考えています。また、それでも改善が見込めないため承認を取り消すこととなる場合には、特別加入者が不利益を被ることのないよう、次のような運用面での配慮を予定しております。具体的には、他に当該特別加入団体と同種の事業又は作業に係る特別加入団体が存在している場合には、都道府県労働局から他の特別加入団体への移行を勧奨すること、原則として十分な期間が経過してから、保険関係を消滅させることなどを考えております。
○小畑部会長 冨髙委員、いかがでしょうか。
○冨髙委員 ありがとうございました。これまでも申し上げているように、特別加入団体の承認の取消しがあった際に、加入者本人が突如無保険になるようなことについて懸念していますので、是非、今御説明があったように、行政として適切な加入者保護を図っていただきたいと思います。
その上で、報告案の受け止めについて申し上げたいと思います。改めてとなりますが、労災保険制度は、業務上の災害があった労働者と遺族の迅速かつ公正な保護を図る重要なセーフティネットですが、働き方が多様化する中、近年は全体的な制度検証は行われてきませんでした。そうした中で、昨年9月以降4か月にわたって、本日を含めて9回、短期集中ではありましたが、適用、給付、徴収の3点の視点から制度全体の検証を行って、労災保険制度のセーフティネット機能強化に向けた見直しの結論を導くことができました。この点は非常に意義があるものと考えています。
一方で、この間労使の意見の隔たりがある論点もありました。特に、徴収面でのメリット制、また、労災支給決定情報の事業主への提供という論点は、労使の意見の溝が深かったと考えています。
まず、メリット制です。今回は「存続」という結論とされましたが、これまでも申し上げているように、労災かくしや、保険給付受給者への不利益取扱いについての実態把握をしっかり行った上で、制度の在り方について引き続き継続的に検証していくことが必要であると考えております。
また、事業主への情報提供についてです。たとえ提供する情報をどんなに限定したとしても、それを糸口に情報提供を受けた事業主が労災保険給付請求者に不当なプレッシャーなどを与える懸念があり、こうしたことが生じれば労災請求の萎縮を招く可能性が拭えないという懸念はこれまで労働側から繰り返し申し上げてきたとおりです。さらに、そもそも労災支給決定情報の有無にかかわらず、事業場で何らか事故が生じた際に再発防止を図ることは事業主として当然の責務であり、この点も繰り返し申し上げてきました。こうした点で、労働側としては、事業主への情報提供を行うべきではないと申し上げてまいりましたけれども、この考えには今も変わりはなく、報告案に意見を付さざるを得なかった点は残念に思います。
ただ、先ほども申し上げたとおり、報告案全体を見てみますと、適用面での暫定任意適用事業の見直しや特別加入制度の適正化、給付面での遺族(補償)年金の見直し、また、対象は十分と言えませんが労災保険給付請求権の消滅時効期間の延長、さらには、遅発性疾病の給付基礎日額の見直しなどが示されています。こういった点は、労災保険制度のセーフティネット機能の拡充という点で重要な見直しであると考えており、確実に法改正などにつなげていくべきであると考えています。
今後は、この報告に基づいて、法案要綱、また、条文の作成等を行っていく流れになりますが、事務局におかれましては、法案要綱や条文に本報告の内容を正確に反映していただくことをお願い申し上げて、労働側としては報告案を了承することとしたいと思います。以上です。
○小畑部会長 ありがとうございました。他に御質問、御意見等はございますか。笠井委員、お願いいたします。
○笠井委員 使用者側を代表し、私から発言させていただきます。まず、昨年9月から8回にわたる当部会での議論を経て、本日、報告案の提示に至ったことについて、取りまとめに当たられた小畑部会長並びに事務局を務める厚生労働省の皆様に対し、敬意を表したいと思います。報告案の内容は、当部会に先立つ労災保険制度の在り方に関する研究会の中間報告書、それから、この間の部会における議論をおおむね踏まえたものと認識しています。適用、給付、徴収と3つの分野に分けた上で、労災保険制度全体にわたり幅広く見直しを提言することは、意義のあることと受け止めております。暫定任意適用事業や家事使用人の部分など、労使が方向性を共有し提言する部分も少なからずあります。
その一方、冨髙委員も言及されましたように、報告案の中には労使で立場に隔たりのある中身も含まれております。とりわけ、労災保険給付が及ぼす徴収手続の課題については、労使双方が意見を付しております。
使用者側としては、労使一体で実効性のある再発防止対策を検討・実施する、あるいは、メリット制の適用を受ける事業主の手続保障を実質的に担保する観点から、今回の結論では、事業主に提供される情報は必要十分な情報ではないことを大変残念に思います。
とはいえ、労災保険制度が抱える現代的、制度的な課題を踏まえ、幅広い見直しを提言した本報告案は、全体として意義のあるものと評価し、使用者側としてもおおむね妥当として了承いたします。
なお、報告案では、メリット制がもたらす事業主による報復行為や不利益取扱いの実態を把握し、その結果に基づき、事業主に対する情報提供の在り方について必要な検討を行うこととされています。使用者側の要望を踏まえ、3巡目の議論を経て追加された項目であり、私共として非常に重視する内容です。厚生労働省におかれましては、こちらの記述に従い、情報提供に関する議論を当部会にて着実に行うこと、その前提として、メリット制の懸念に関する実態把握に早期に着手し、その結果を当部会に早期に提示することをお願い申し上げます。働く方々の懸念に向き合い、公労使で検討を進めさせていただきたいと存じます。使用者側からは以上です。
○小畑部会長 ありがとうございました。他に御意見、御質問などはございますか。よろしいでしょうか。それでは、この報告につきまして厚生労働大臣に建議したいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○小畑部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのように進めたいと存じます。労働政策審議会令の規定等に基づきまして、本部会の議決をもって、分科会ないし審議会の議決とすることができるとされております。それでは、事務局から建議と報告のかがみをお配りください。
(事務局から建議と報告のかがみ配付)
○小畑部会長 それでは、お手元にあるかがみ文のとおり、部会長から分科会長宛て、分科会長から会長宛てに報告をし、この報告のとおり厚生労働大臣宛てに建議を行うことといたします。事務局から御発言はございますか。
○大臣官房審議官 審議官の松本でございます。この秋以降の御議論、誠にありがとうございました。本日頂戴いたしました建議に基づきまして、法的整備を含めた準備を速やかに進めまして、改めてお諮りしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いします。本日は、どうもありがとうございました。
○小畑部会長 事務局におかれましては、所要の作業を速やかに進めていただきますよう、よろしくお願いをいたします。本日予定した議題は以上ですので、部会は終了といたします。事務局から次回日程について、お知らせをお願いいたします。
○労災管理課長 次回の日程につきましては、事務局から追って御連絡いたします。
○小畑部会長 本日は以上といたします。皆様、お忙しい中、誠にありがとうございました。
それでは、議題に入ります。本日の議題は、「労災保険制度の在り方について」です。前回の労災保険部会では、論点整理について御議論いただきました。本日は、報告案について御議論いただきたいと思います。前回の論点整理と各委員からの御意見を踏まえた報告案を、事務局に作成していただきました。まず、事務局から報告案について御説明をお願いいたします。
○労災管理課長 それでは、資料「労災保険制度の見直しについて(報告)(案)」を御覧ください。前回、令和7年12月18日の部会の論点整理を基に、各委員からの御意見を踏まえ事務局が作成した報告案です。本部会では、令和7年9月から12月までの間、労災保険制度の具体的な課題について8回にわたって御議論いただいたところですが、冒頭に、「労災保険部会では、令和7年9月2日以降、就業構造の変化や働き方の多様化等を踏まえ、労働災害に対するセーフティネットを整備する観点から、精力的に議論を進めてきたところである。」こと、「当部会において労災保険制度の見直しについて検討を行った結果は、下記のとおりである。」こと、「この報告を受けて、厚生労働省においては、法的整備を含めた所要の措置を講ずることが適当である。」とまとめています。
「記」以下について、論点整理からの変更点を御説明します。まず、1 適用関係の(1)暫定任意適用事業です。労働者代表委員からの、「施行までの期間は、例えば5年など、あまりに長く取るべきではないと考えており、この点、今後報告書案をまとめるに当たって、その点に留意した記載としていただきたい」との御意見を踏まえ、論点整理では「施行までに十分な期間」でしたが、3行目のとおり、「円滑な施行に必要な期間」に修文しております。
続いて、(2)の特別加入制度についてです。「また」から始まる3段落目ですが、労働者代表委員からの「特別加入団体の承認取消しがあった場合の対応として、「特別加入者の不利益を軽減するための工夫を行う」としているが、この表現では加入者保護の観点では十分ではない。特別加入団体の取消しなどがあった場合でも、保険料を納めた期間内は特別加入者としてみなすなどして、確実に保険関係が継続するような措置を講じるべきであり、報告書の表現もその趣旨が明確となるようなものとすべき」との御意見を踏まえ、論点整理では、「特別加入者の不利益を軽減するための工夫を行う」でしたが、「消滅させる時期に配慮することが適当である」と修文しております。
また、同じく労働者代表委員からの、「特別加入の範囲を広げていく以前に、労基法の労働者概念を拡大して労災保険法本体の保護の範囲を拡大していくことが重要。こうした課題感も報告書で言及しておくべき」との御意見を踏まえ、4段落目の最初に、「なお、労災保険法の強制適用の範囲については、労働基準法上の「労働者」概念に関する議論も踏まえつつ、労働基準法との関係も含めた労災保険制度の位置づけ等も含め、専門的な見地から引き続き議論を行う必要があるが」という文章を追加しております。
2ページ、2 給付関係です。(1)の遺族(補償)等年金について、部会における使用者代表委員の御意見を踏まえ、最後に、「なお、遺族(補償)等年金の制度趣旨・目的を踏まえ、生計維持要件、給付期間、支給要件の妥当性を含めて遺族(補償)等年金の在り方を判断するため、これらの点について専門的な見地から引き続き議論を行う必要がある」という段落を追加しております。
3ページ、(4)の遅発性疾病に係る労災保険給付の給付基礎日額です。関係する通達の表現と合わせるため、1段落目の「最後」を、論点整理の「最終」から、そして1段落目と2段落目の「離職」を、同じく「退職」からそれぞれ修正しております。続いて、3 徴収関係の(1)メリット制についてです。こちらも2段落目について先ほどと同様、通達の表現に合わせるため、「最後」、「離職」と文言を修正しております。
(2)労災保険給付が及ぼす徴収手続の課題についてです。表現の適正化の観点から、1段落目の「同一災害」を、論点整理の「同一事故」から修正するとともに、「支給決定(不支給決定)」の次に、「(以下「支給決定等」という。)」という文言を追加しております。
4ページですが、「また」から始まる段落の「メリット収支率の算定の基礎となった労災保険給付に関する情報」の次に、「(以下「メリット基礎情報」という。)」を追加するとともに、実態把握の結果に基づき必要な検討を行うものとして、事業主に対する支給決定等に関する情報、すなわち「支給決定に関する情報」と「不支給決定に関する情報」、及び「メリット基礎情報」の3つの情報提供の在り方であることを明示するよう修正しております。
最後に4つ目の「なお」から始まる段落に、「事業主への情報提供は認めるべきではない」という労働者代表委員の御意見とその理由を、5つ目の「また」から始まる段落に、「事業主に、請求人と同時に同じ情報を提供し、請求人へと同様に決定理由も提供すべき」という使用者代表委員の御意見とその理由を記載しております。また、形式的な修正ですが、論点整理は各項目の文末は「○○が適当」という表現でしたが、報告案では、「○○が適当である」と修正するとともに、箇条書きであった各項目の冒頭に、「また」や「なお」等を追加して体裁を整えております。
なお、参考資料は、前回の部会における委員の主な御意見をまとめたものです。事務局からの説明は以上です。
○小畑部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から御説明がありました報告書案につきまして、御意見を伺いたいと思います。御意見等がございましたら、会場の委員におかれましては挙手を、オンラインで参加の委員におかれましては、チャットのメッセージから「発言希望」と御入力いただくか、挙手ボタンで御連絡をお願いいたします。いかがでしょうか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 まずはこの間、報告案を取りまとめいただきました事務局の皆様に感謝申し上げます。
労働側の報告案の受け止めについて申し上げる前に、1点特別加入制度に関して確認をさせていただきたい点があります。前回部会の論点整理における「特別加入者の不利益を軽減するための工夫を行うことが適当」という部分について、先ほど御報告いただいたとおり、「消滅させる時期に配慮することが適当」と記載を修文していただきました。この部分ですけれども、具体的にどのような措置を講じようとしているのか、この点だけお伺いしたいと思います。
○小畑部会長 では、事務局からお答えをお願いいたします。
○労災管理課長 この点につきましては、要件に該当しない特別加入団体が生じた際には、保険関係の消滅に先立ちまして、特別加入団体への改善命令を含む業務指導を行うことを考えています。また、それでも改善が見込めないため承認を取り消すこととなる場合には、特別加入者が不利益を被ることのないよう、次のような運用面での配慮を予定しております。具体的には、他に当該特別加入団体と同種の事業又は作業に係る特別加入団体が存在している場合には、都道府県労働局から他の特別加入団体への移行を勧奨すること、原則として十分な期間が経過してから、保険関係を消滅させることなどを考えております。
○小畑部会長 冨髙委員、いかがでしょうか。
○冨髙委員 ありがとうございました。これまでも申し上げているように、特別加入団体の承認の取消しがあった際に、加入者本人が突如無保険になるようなことについて懸念していますので、是非、今御説明があったように、行政として適切な加入者保護を図っていただきたいと思います。
その上で、報告案の受け止めについて申し上げたいと思います。改めてとなりますが、労災保険制度は、業務上の災害があった労働者と遺族の迅速かつ公正な保護を図る重要なセーフティネットですが、働き方が多様化する中、近年は全体的な制度検証は行われてきませんでした。そうした中で、昨年9月以降4か月にわたって、本日を含めて9回、短期集中ではありましたが、適用、給付、徴収の3点の視点から制度全体の検証を行って、労災保険制度のセーフティネット機能強化に向けた見直しの結論を導くことができました。この点は非常に意義があるものと考えています。
一方で、この間労使の意見の隔たりがある論点もありました。特に、徴収面でのメリット制、また、労災支給決定情報の事業主への提供という論点は、労使の意見の溝が深かったと考えています。
まず、メリット制です。今回は「存続」という結論とされましたが、これまでも申し上げているように、労災かくしや、保険給付受給者への不利益取扱いについての実態把握をしっかり行った上で、制度の在り方について引き続き継続的に検証していくことが必要であると考えております。
また、事業主への情報提供についてです。たとえ提供する情報をどんなに限定したとしても、それを糸口に情報提供を受けた事業主が労災保険給付請求者に不当なプレッシャーなどを与える懸念があり、こうしたことが生じれば労災請求の萎縮を招く可能性が拭えないという懸念はこれまで労働側から繰り返し申し上げてきたとおりです。さらに、そもそも労災支給決定情報の有無にかかわらず、事業場で何らか事故が生じた際に再発防止を図ることは事業主として当然の責務であり、この点も繰り返し申し上げてきました。こうした点で、労働側としては、事業主への情報提供を行うべきではないと申し上げてまいりましたけれども、この考えには今も変わりはなく、報告案に意見を付さざるを得なかった点は残念に思います。
ただ、先ほども申し上げたとおり、報告案全体を見てみますと、適用面での暫定任意適用事業の見直しや特別加入制度の適正化、給付面での遺族(補償)年金の見直し、また、対象は十分と言えませんが労災保険給付請求権の消滅時効期間の延長、さらには、遅発性疾病の給付基礎日額の見直しなどが示されています。こういった点は、労災保険制度のセーフティネット機能の拡充という点で重要な見直しであると考えており、確実に法改正などにつなげていくべきであると考えています。
今後は、この報告に基づいて、法案要綱、また、条文の作成等を行っていく流れになりますが、事務局におかれましては、法案要綱や条文に本報告の内容を正確に反映していただくことをお願い申し上げて、労働側としては報告案を了承することとしたいと思います。以上です。
○小畑部会長 ありがとうございました。他に御質問、御意見等はございますか。笠井委員、お願いいたします。
○笠井委員 使用者側を代表し、私から発言させていただきます。まず、昨年9月から8回にわたる当部会での議論を経て、本日、報告案の提示に至ったことについて、取りまとめに当たられた小畑部会長並びに事務局を務める厚生労働省の皆様に対し、敬意を表したいと思います。報告案の内容は、当部会に先立つ労災保険制度の在り方に関する研究会の中間報告書、それから、この間の部会における議論をおおむね踏まえたものと認識しています。適用、給付、徴収と3つの分野に分けた上で、労災保険制度全体にわたり幅広く見直しを提言することは、意義のあることと受け止めております。暫定任意適用事業や家事使用人の部分など、労使が方向性を共有し提言する部分も少なからずあります。
その一方、冨髙委員も言及されましたように、報告案の中には労使で立場に隔たりのある中身も含まれております。とりわけ、労災保険給付が及ぼす徴収手続の課題については、労使双方が意見を付しております。
使用者側としては、労使一体で実効性のある再発防止対策を検討・実施する、あるいは、メリット制の適用を受ける事業主の手続保障を実質的に担保する観点から、今回の結論では、事業主に提供される情報は必要十分な情報ではないことを大変残念に思います。
とはいえ、労災保険制度が抱える現代的、制度的な課題を踏まえ、幅広い見直しを提言した本報告案は、全体として意義のあるものと評価し、使用者側としてもおおむね妥当として了承いたします。
なお、報告案では、メリット制がもたらす事業主による報復行為や不利益取扱いの実態を把握し、その結果に基づき、事業主に対する情報提供の在り方について必要な検討を行うこととされています。使用者側の要望を踏まえ、3巡目の議論を経て追加された項目であり、私共として非常に重視する内容です。厚生労働省におかれましては、こちらの記述に従い、情報提供に関する議論を当部会にて着実に行うこと、その前提として、メリット制の懸念に関する実態把握に早期に着手し、その結果を当部会に早期に提示することをお願い申し上げます。働く方々の懸念に向き合い、公労使で検討を進めさせていただきたいと存じます。使用者側からは以上です。
○小畑部会長 ありがとうございました。他に御意見、御質問などはございますか。よろしいでしょうか。それでは、この報告につきまして厚生労働大臣に建議したいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○小畑部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのように進めたいと存じます。労働政策審議会令の規定等に基づきまして、本部会の議決をもって、分科会ないし審議会の議決とすることができるとされております。それでは、事務局から建議と報告のかがみをお配りください。
(事務局から建議と報告のかがみ配付)
○小畑部会長 それでは、お手元にあるかがみ文のとおり、部会長から分科会長宛て、分科会長から会長宛てに報告をし、この報告のとおり厚生労働大臣宛てに建議を行うことといたします。事務局から御発言はございますか。
○大臣官房審議官 審議官の松本でございます。この秋以降の御議論、誠にありがとうございました。本日頂戴いたしました建議に基づきまして、法的整備を含めた準備を速やかに進めまして、改めてお諮りしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いします。本日は、どうもありがとうございました。
○小畑部会長 事務局におかれましては、所要の作業を速やかに進めていただきますよう、よろしくお願いをいたします。本日予定した議題は以上ですので、部会は終了といたします。事務局から次回日程について、お知らせをお願いいたします。
○労災管理課長 次回の日程につきましては、事務局から追って御連絡いたします。
○小畑部会長 本日は以上といたします。皆様、お忙しい中、誠にありがとうございました。

