第218回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和7年12月16日(火)16:00~18:00

場所

会場
厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 12階公園側)
傍聴会場
厚生労働省 職業安定局第2会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)

議事

2025-12-16 労働政策審議会職業安定分科会(第218回)
 
○阿部分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第218回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
 皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の出欠状況ですが、労働者代表の石橋委員が御欠席と伺っております。
 なお、公益代表の小畑委員におかれましては、所用により、30分遅れての出席となります。また、使用者代表の馬渡委員は途中で御退席と伺っております。
 事務局におかれましては、古舘審議官が公務のため、遅れて出席すると伺っております。
 本日の分科会ですが、Zoomによるオンラインと会場での開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局より送付している「職業安定分科会の開催・参加方法について」に沿って操作いただきますようよろしくお願いいたします。
 当会議においては、原則ペーパーレスとしております。また、オンラインで御参加いただいている委員の皆様におかれましては、原則として画面をオンにしていただいて御参加いただくようお願いいたします。
 本日は、議事に先立ちまして、事務局より御報告がございます。
 よろしくお願いします。
○村山局長 職業安定局長でございます。
 本日の議題に入るに先立ちまして、今般、ハローワークにおいて発生いたしました不適切な事案について御報告申し上げます。
 本年9月、東京労働局のハローワーク墨田の若手職員が、架空の求職者を騙って採用面接を受け、就職件数を計上していたということが判明いたしました。この職員は、議題2で本日御説明申し上げます課題解決型支援モデル事業の担当部門に配置をされておりまして、部門独自の目標でございます職員1人当たりの就職件数月12件を大幅に上回ります月30件という個人目標を自ら定め、その達成のため、架空の求職者に成り済まして求人に応募する等の不適切な行為に及んだものと把握をいたしております。また、本件につきまして組織的な指示はなく、この職員個人が行った事案であることも併せて確認をいたしているところでございます。
 この職員が架空の求職者として応募した9社の皆様方に対しましては、速やかに御説明し、謝罪をさせていただきました。
 この職員の処分に関しましては、事実関係の精査が終わり次第、適切に対処する方針でございます。
 一方で、今般の事案がハローワークにおける目標管理に起因していることも踏まえまして、目標管理の取組は、単なる数値の達成ではなく、業務改善につなげることが目的であることに加え、目標の設定に当たりましては、上司の適切な指導の下に、適正な水準となるよう、改めての徹底が必要であると認識をしているところでございます。
 このため、先般、緊急の全国会議を開催いたしまして、公務員倫理と適正な目標管理を指示いたしますとともに、全ての労働局において同様の不適切な事案の有無等を調査しております。取りまとまり次第、委員の皆様方にも御報告さしあげたく存じます。
 なお、架空の求職者登録があったことなどに伴いまして、職業安定業務統計について、就職件数等の一部の数値を訂正いたしましたが、有効求人倍率及び新規求人倍率についての訂正はございません。
 このたびは、行政への信頼を損なう不適切な事案を生じさせてしまったこと、この場をお借りしまして改めて深くおわび申し上げる次第でございます。
 誠に申し訳ございませんでした。
 以上でございます。
○阿部分科会長 では、本件について御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただくようお願いいたします。
 では、西委員、お願いします。
○西委員 労働側の全建総連の西といいます。
 今の事案についてですけれども、私が職業安定分科会の委員になってから、私どもの職場で何度か採用面接を行いました。面接に来る人の多くは、大手の有料職業紹介事業者を通じて来られています。ただ、中には少数ですが、ハローワーク紹介で面接に来られる方もいらっしゃいます。委員をやっているということもあって、ハローワークからの紹介で来た人には私のほうから、何でハローワークなのというふうな質問をするようにしています。相手は、ハローワークのほうがいいからというふうな肯定的な回答をします。例えば親切に相談に応じるとか、押しつけないとか、こっちに考える時間を与える、その3点ぐらいをよくおっしゃいます。
 ハローワークの職業紹介は、有料職業紹介事業者がターゲットにしていない人たちも含めて幅広く行っています。こうした業務は、今後も国が責任を持って行うべき事業として担っていかなければなりません。今回の不適切な事案が、個別の事案なのか組織的に問題があったかを精査して、再発防止につなげていかなければなりません。
 事業がうまく回っているかどうかは、どうしても数値に置き換えて評価せざるを得ないところがあるかと思います。ただ、さっき局長もおっしゃいましたが、成果を求めるあまり、携わっている職員にとって、目標管理が重荷になっていなかったかどうか、そうしたことも検証して、公表すべきことはしっかり公表すべきではないか、そういうふうに思っているところでございますので発言させていただきます。
 以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 ほかに御発言ございますでしょうか。
 では、冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 西委員の発言と重複する部分もございますが、どのような理由があってもこういったことは行われるべきではないということ、また国の統計などにも若干ではありますが影響し得ることを考えれば、再発防止の徹底をお願いしたいと思います。また、今回の事案が当てはまるということではないのですが、全国的な調査も行うということですので、目標達成のためにハローワークの職員に過度なプレッシャーが生じていないかなど、組織風土上の問題がなかったかという点も併せて把握いただきたいと思います。
○阿部分科会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局から何か。
○村山局長 お二人の委員から御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
 御指摘、誠におっしゃるとおりだと思っております。目標管理の適正な実施、また職員管理の適正な実施、そして再発防止に向けまして、調査及び今後の地方官署の指導に努めてまいりたいと思っております。
 重ねてになりますけれども、このたびは誠に申し訳ございませんでした。この場を借りて、改めておわび申し上げる次第です。
 以上でございます。
○阿部分科会長 それでは、ほかに御発言がなければ本件は以上とさせていただきまして、議事に入りたいと思います。
 議題(1)ですが、「2025年度の年度目標に係る中間評価について(報告)」です。
 事務局より説明をお願いいたします。
○菱谷雇用政策課長 議題(1)につきまして、雇用政策課長の菱谷から御説明いたします。
 資料1-2を御覧ください。
 年度目標と評価につきましては、労働施策の運営実績を点検・評価して、施策のPDCAサイクルを実施するという趣旨で、職業安定分科会を含む各分科会におきまして実施しており、今回は、来年6月の年度評価に先立ちまして、4~9月までの実績に基づき、2025年度の中間評価を御報告させていただきます。
 大きく3つの柱がございますので、順に御説明いたします。
 1ページ目でございます。
 1つ目の柱の「ハローワークにおける職業紹介・人材確保等」につきまして、項目1、ハローワーク求職者の就職率は、目標が26.5%に対しまして、実績が24.0%と目標未達成。
 項目2、ハローワークにおける人材不足分野の就職件数は積上げのものですので、50%を達成しているかを見ると達成率49.7%で、ここまでは未達成。
 項目3、マザーズハローワーク事業は、重点支援対象者の就職率は目標が96.9%に対しまして実績が97.9%と達成、また、参考値として記載しております重点支援対象者の就職件数につきましても、前年同期比で若干増加しております。
 項目4、雇用保険受給者の早期再就職割合は、目標が34.3%に対しまして、実績は31.9%で未達成。
 項目5、ミドルシニア専門窓口における支援対象者の正社員就職率は、もともと就職氷河期世代の専門窓口であったものが、年齢を広げたものでございますけれども、目標が63.8%に対し、実績が58.6%と未達成。
 項目6、求職支援訓練受講者の就職率は、基礎コースの目標が58.0%、実践コースの目標が63.0%に対し、それぞれ実績が63.0%、65.0%とともに達成。
 項目7、生活保護受給者等就労自立促進事業の支援対象者の就職率は、目標が69.7%に対し、実績が67.7%と未達成となっております。
 それでは、3ページ目をお開きください。3ページ目以降では、各項目の達成状況を踏まえた評価と今後の方針について御説明いたします。
 項目1、ハローワーク求職者の就職率につきましては、目標を2.5ポイント下回る結果となっております。これは分母に当たる新規求職者が前年度並み、前年同期比マイナス0.1%である一方、分子に当たる就職件数が前年度を下回っている、前年同期比でマイナス4.8%、そうしたことによるものです。
 就職件数が減少した要因といたしましては、ハローワークにおける相談件数自体は、前年同期比プラス1.2%で増加しているものの、紹介件数が前年同期比マイナス2.1%となっており、相談を受けても実際の紹介までには結びついていないことや、新規求人数が前年同期比マイナス2.6%と減少していることなどが挙げられます。
 その背景として、求職者側は求人を吟味する傾向が続いていることや、65歳以上の求職者が増加していること、求人側は省人化投資の増加や求人疲れ、事務的職業等の新規求人数が減少していることなどが挙げられます。
 このため、今後の対策といたしましては、本年11月に、積極的な事業所訪問により事業所情報を充実させること、求職者ニーズがある職種の求人開拓やシニア歓迎求人の開拓など求人充足を意識した求人の確保に計画的・戦略的に取り組むことを指示しているところでございます。
 また、本省におきましても、周知動画を作成し、動画広告として展開するとともに、各労働局・ハローワークにおいても、SNS等を活用して周知に努めてまいります。
 4ページ目、項目2、ハローワークにおける人材不足分野の就職件数につきましては、半年間の実績では目標をやや下回るペースとなっております。就職件数が前年同期比でマイナス1.8%となっておりますが、その要因といたしましては、新規求職申込件数が前年同期比プラス1.1%、新規求人数が前年同期比プラス0.7%、相談件数が前年同期比プラス2.9%といずれも増加した一方で、紹介件数が前年同期比マイナス1.3%と減少していることが挙げられます。
 この背景といたしましては、求人と求職者のミスマッチや、未経験者が就業への不安等から求人への応募を躊躇する傾向があることが報告されております。
 このため、今年10月に各労働局・ハローワークに対しまして、求職者に対するマイページやSNS等を活用した能動的な情報提供や、セミナーや就職面接会、事業所見学会等の積極的な開催等によりマッチング機会の拡充を図り、実績の向上に取り組む旨の指示を行ったところです。
 また、医療・福祉分野については、所長等による求人開拓、求人条件の緩和などの求人充足支援を行う集中的なマッチング支援の強化、求人担当者と職業相談担当者が連携して事業所訪問することによる求職者に対する質の高い職業紹介の実施に取り組むよう指示しております。
 5ページ目でございます。
 項目3、マザーズハローワーク事業につきましては、重点支援対象者は子育て中の女性等であって、早期の就職を希望する者の就職率ですが、97.9%と目標を1.0ポイント上回る結果となっております。こちらにつきましては、担当者制によるきめ細かな職業相談・職業紹介を着実に実施したことによるものです。
 また、就職件数も前年同期比で上回っており、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 項目4、雇用保険受給者の早期再就職割合につきましては、目標を2.4ポイント下回る結果となっております。要因といたしましては、就職件数が減少していることのほか、自己都合で離職した者の割合が増加していること等が考えられるところです。
 また、自己都合離職者の給付制限期間が原則2か月から1か月に短縮となった本年4月からの制度見直しの影響もあると考えており、引き続き影響を注視していきたいと考えております。
 このため、求職活動を急がない求職者に対しまして、再就職手当の周知を含む早期再就職のメリットの説明を徹底し、必要な窓口サービスに誘導するなどの取組を行ってまいります。
 6ページ目、項目5、ミドルシニア専門窓口における支援対象者の正社員就職率につきましては、目標を5.2ポイント下回る結果となっております。こちらにつきましては、窓口の対象年齢を56歳以下から59歳以下に拡大したこと等に伴いまして、新たな支援対象者が前年同期比プラス11.4%で増加しており、正社員就職件数自体は前年同期比プラス3.3%で増加しているものの、新たな支援対象者の増加の幅のほうが大きかったということから、結果として就職率が押し下げられたものと考えております。セミナーなどを行いまして、引き続き対応に取り組んでまいります。
 求職者支援訓練受講者の就職率につきましては、基礎コース、実践コースともに目標を5.0ポイント、2.0ポイント上回る結果となってございます。こちらにつきましては、求人部門や職業紹介部門との連携を強化し、マッチングの促進を図ったことが結果につながったと考えており、引き続き就職率の向上に取り組んでまいります。
 7ページ目でございます。
 項目7、生活保護受給者就労自立促進事業の支援対象者の就職率につきましては、目標を2.0ポイント下回る結果となっております。これは、毎年8月に児童扶養手当受給者をハローワーク窓口に誘導するキャンペーンを行っておりまして、一時的に分母の求職者が増えたことが影響したものと考えております。例年、年度後半に就職率が上昇する傾向にございまして、今年度もきめ細かな就労支援を着実に実施してまいりたいと考えております。
 9ページ目でございます。
 2つ目の柱につきましては、「成長分野等への人材移動」でございます。
 項目8、早期再就職支援等助成金(再就職支援コース)による再就職者に係る早期再就職割合につきましては、目標が85.8%に対しまして、実績が63.2%と目標未達成。
 項目9、産業雇用安定センターによる出向・移籍の成立率につきましては、目標が64.1%に対しまして、実績が77.7%と目標を達成しております。
 まず項目8、早期再就職支援等助成金(再就職支援コース)の早期再就職割合につきましては、目標を22.6ポイント下回る結果となっております。これは、より条件のよい雇用形態を希望し、再就職までより長い期間を要した支給対象者が多かったこと等が要因だと考えておりますが、今後の対策といたしまして、早期からの再就職支援の実施を促し、求職者の再就職の早期化を図ってまいります。
 10ページ目でございます。
 項目9、産業雇用安定センターによる出向・移籍の成立率につきましては、目標を13.6ポイント上回る結果となっております。これは、出向・移籍の成立件数が対前年同期比プラス24.8%と大幅に増加したことによるもので、受入企業、送出企業の双方に対し、より多くの事業所訪問を行い、効果的なマッチングに向けた取組を強化したことが要因と考えております。引き続き、送出企業や受入企業の情報収集や開拓に努めてまいります。
 11ページ目でございます。
 最後の柱は「高齢者・外国人の就労促進」についてです。
 項目10、70歳までの高年齢者就業確保措置の実施率は、実績がまだ出ておりませんので、実績がバーとなっております。
 項目11、生涯現役支援窓口でのチーム支援による就職率は、60歳から64歳が目標92.1%に対し、実績が92.8%、65歳以上が目標90.7%に対しまして実績が92.9%と、ともに目標達成。
 項目12、シルバー人材センターにおける会員数及び会員の就業数は、会員数が達成率99.3%と少し目標に届かず、就職件数も49.0%と、50%をやや下回っております。
 項目13、外国人雇用サービスセンター等を経由した外国人求職者の就職件数は、定住外国人につきましては55.7%と、50%を上回っており、留学生については達成率45.7%と、50%には達していない状況です。
 12ページ目の項目11、生涯現役支援窓口でのチーム支援による就職率は、目標を0.7ポイント、2.2ポイントそれぞれ上回る結果となってございます。これは、新規求職申込件数が対前年同期比増加で推移する中、支援チームによる職業相談・職業紹介や、職業生活の再設計に係る就労支援等を総合的に実施するなどしたためですけれども、引き続き、支援チームによるきめ細かな支援を行ってまいります。
 13ページ目でございます。
 項目12、シルバー人材センターにおける会員数及び会員の就業数につきましては、会員数、会員の就業人日数ともに目標をやや下回る結果となっております。これは、70歳までの就業確保措置等の進展に伴いまして、会員の高齢化に歯止めがかかっていないことなどによるものです。このため、全国シルバー人材センター事業協会におきまして、会員拡大に向けた6か年計画を定めるとともに、女性会員の獲得をはじめとした周知広報等に取り組んでおり、この結果、女性会員が前年同期比プラス1.9%で増加、会員数も前年同期比プラスマイナス0.0%と横ばいとなっておりまして、会員数の減少にも歯止めの兆しが見えておりまして、こうした取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
 14ページ目でございます。
 まず、項目13、外国人雇用サービスセンター等を経由した外国人求職者の就職件数につきましては、目標を上回るペースとなっております。引き続き、マッチング機能の向上等に取り組んでまいります。
 また、留学生コーナー等を経由した留学生の就職件数につきましては、前年同期比でプラス13.7%のペースで増加しているものの、年度目標の達成率は50%を下回っております。これは、正式な内定日を10月1日以降に出す企業が多い関係で、上期の就職件数は抑えがちになることが要因ですが、10月以降に就職支援が本格化することから、引き続き、大学等との連携強化、企業面接会等を通じ、就職機会の提供に取り組んでまいります。
 私からの説明は以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 それでは、本件について御質問、御意見がありましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 ハローワークの求職者の就職率についてです。この指標は昨年度も目標を下回る実績だったと思います。資料に記載のとおり、求職者のニーズや選択肢の多様化を背景に、これまで以上にマッチングが難しくなっている側面はあるのだろうと思いますが、ハローワークの中核的な業務であり、非常に重要な指標だと考えております。
 資料に記載いただいている取組も当然重要だと思いますが、加えて魅力ある求人情報の掘り起こしや、個々人のニーズに応じたきめ細やかな支援を行うためは、やはりハローワークの質的・量的な体制の確保が不可欠です。ハローワークに求められる役割は非常に多岐にわたっていますので、就職率の向上だけではなく、様々な取組を着実に達成していくためにも、適正な人員配置や体制強化を引き続きお願いしたいと思います。
 以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 事務局から何かコメントはありますか。
○菱谷雇用政策課長 御指摘を踏まえて人員確保に努めてまいりたいと考えております。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 それでは、清田委員、お願いいたします。
○清田委員 御説明ありがとうございます。日商の清田でございます。
 若干この後の議題(2)にも一部関連をいたしますが、発言いたします。
 ただいまの冨髙委員の御発言にも相当重複をいたしますが、ハローワークの就職率に関して発言いたします。就職率に関して、多くの目標項目の中で、昨年度の評価実績と比較し下回っているものが多くあり、苦戦している状況が伺えます。他方で、地方を含める中小企業においては、ハローワークに対する期待は非常に高く、就職率の向上をはじめとした成果の向上には引き続き努めていただきたいと思っております。
 就職率に関して、相談件数は増加しているものの、紹介件数が減少しているという現状の分析がございました。この点から、求職者と求人者のマッチングの強化にさらに取り組んでいかなければならず、双方のニーズを深掘りしながらマッチングを進めていくようなコンサルティング機能の強化がますます求められてきている状況が伺えます。
 この後の資料2で御紹介いただいているとおり、サービスの質の向上に向けて様々取り組んでいただいていることも理解しております。他方で、小規模なハローワークなどでは取組にばらつきがある状況もうかがえますので、地域性なども関連するとは思いますが、ノウハウ不足やマンパワー不足といった点もハローワークで全般的に生じているのではないかと推察しております。
 マッチング機能の強化とともに、ハローワーク自体の体制強化に努めていただき、人だけではなく、DX化やAIの活用を含めて、この体制強化を補完していくような取組をぜひ進めていただければと思います。
 私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 御意見いただきましてありがとうございます。
 では、続いて、馬渡委員、お願いします。
○馬渡委員 全国中央会の馬渡でございます。
 ほかの方もおっしゃっていたので、重なる部分があるかもしれません。こういうふうに就職率、就職件数ともに数値目標を設定していただいて、達成に向けて進捗確認をやっていくというのは非常に大事だと思いますが、今回、不祥事がありましたから、数値目標とか数値自体を過度に押しつけたりされているということはないと思うのですけれども、全体的に見直しをされると思います。せっかくですからこれを機会に十分検証していただいて、無理なマッチングとかそういうことではなくて、先ほどから委員の方々がおっしゃっているように、いろいろな分析の方法を駆使して、きちんとマッチングをしていただきたいなと思います。
 後ろの議題のほうでもマッチングの話がありますので、後ほどまた意見は述べさせていただきます。
 以上でございます。
○阿部分科会長 御意見いただきましてありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 では、伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 労働側の伊藤でございます。
 6ページ目の⑤、中高年層への支援についてです。中高年層専門窓口の取組について、中間評価における達成率は91.8%で目標未達となっていると御説明いただきました。その要因として、新たな支援対象者の増加の幅が大きかったという分析がありますけれども、今後の達成のためにはもう少し課題の深掘りをする必要があると考えています。
 例えばハローワーク側の支援体制の構築が十分であったかどうか、あるいは支援対象者の増加により従来と異なる就職困難性の課題が見られたかなど、支援対象者の増加に対応できなかった要因を精査し、改善していくことも必要ではないかと考えています。
 こうした視点も踏まえて、目標達成に向けて取組の強化をお願いしたいと思います。
 以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 事務局から何かありますか。
○菱谷雇用政策課長 全体の話として、まず清田委員から、求人者、求職者のマッチングの強化とか、あるいはDX化、AI等、人員の体制の話もあるけれども、ノウハウも含めた体制強化みたいな御指摘がありました。そうした対応につきまして、関係課室でまた検討してまいりたいと思います。
 それから、中央会の馬渡委員からも同じように、進捗状況も踏まえて適度な目標をというお話がありました。一般に、年度目標自体は、労働政策の運営実績を点検・評価して、施策のPDCAサイクルを実施するという趣旨でやってきている、労使も含めた形で目標設定したものだと思っています。就職率という目標自体は意味があったと考えておりますけれども、こういったものを今後ともしっかり考えてまいりたいと考えております。
 それから、中高年層、ミドルシニアのところが未達だった理由について、課題の深掘りをということでございました。体制の話ももちろんあるとは思いますけれども、一旦4月から対象が広がった影響がございます。それに伴って、人員が一旦増えた場合でも年度の後半である程度就職につなげていくというところもあるかと思うので、上半期の実績だけで判断するということではなくて、下半期のデータの動きも見ながら、あるいはそこでやはり解消しないということであれば、おっしゃるように体制の話とかも含めて、次なる年の目標設定としてどういうものが適切かということについては、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。
 では、黒澤委員、お願いします。
○黒澤委員 ありがとうございます。
 最初の就職率とか就職件数の話です。私も皆様の御意見に同感ですが、ハローワークのセーフティーネットとしての意義ということを考えたときに、人手不足が進む中では、民間の職業紹介経由等、自力で仕事が見つけづらい人が求職者の中でも増えている可能性があるので、就職件数だけでなく、求職者の構成が経年的にどのように変化しているのかということを踏まえた上で、その属性に応じた就職率がどう変化したかを深掘りしていただけると、評価及び今後の方針において、より具体的な方向性が見えるのではないかと思いました。
 既に65歳以上の求職者が増えているということは書かれていますが、例えば失業期間ですとか、地域別にどう違うのかといった形で分析していただく。そうすれば、例えば就職困難者に対しては、より丁寧なコンサルティングをやったほうが有効であると分かっているので、そうしたことを踏まえたより具体的な形で今後の方針を記述していただけると思います。
 それから、去年も申し上げたことなのですけれども、アウトカムの部分についても、正社員としての就職率ですとか、定着率なども情報として収集できれば大変ありがたいなと思いました。それが1つ目です。
 もう一つが、これもいつも言っていることで本当に繰り返して申し訳ないのですけれども、シルバー人材センターのところです。就業の延べ時間とか会員数を増やすということを目標に掲げるのは、それはそれなりに意味がありますし、今般、女性の会員数が増えているということはすばらしいことだと思います。
 しかしながら、今後は労働力不足が続く中で、高齢者の雇用は増えていくけれども、他方で後期高齢者も増えていく。そうするとシルバーの平均年齢は上がっていかざるを得ないし、そういう対象者に有効活用していただけるようなセンターにしていかなければいけない。
 シルバーの社会的意義を考えたときに、就労だけではないだろう。就労という側面以上に、高齢者の居場所づくりや社会との接点の提供を支援する、それを通した生きがいの向上、健康増進を通した医療費の削減ということも非常に重要になってくるので、そのような側面をとらえるデータを持ってきていただき、それも踏まえた上でシルバー人材センターの評価をしていただきたいと思います。
 以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 事務局、お願いします。
○菱谷雇用政策課長 まず、アウトカムとか、1点目のハローワークの就職率について、その中身が変わってきているのであれば、それを踏まえた目標の設定の仕方の考え方みたいなことの御指摘がありました。中高年の方が増えているみたいな構成の変化は実際起こっていることかと思います。そうしたことを踏まえながら考えていくということかもしれません。
 一方で、定着率みたいな目標は技術的に難しいというようなものもございますので、どういったものが目標設定できるかということについて、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 それから、シルバー人材センターについての御意見がございました。昨年度の職業安定分科会におきまして、分科会の委員の皆様から、シルバー人材センターの役割や在り方の変化につきまして御意見があったことを踏まえまして、令和7年度、今年度の目標から、就業数のみではなくて、高齢者にとっての生きがいや社会参加の場としてのシルバー人材センターの役割を評価するために、新たに会員数という目標を今年度から設定したということになってございます。まずはこの目標設定によりまして、高齢者の居場所づくり、健康維持等を含む役割を裨益する高齢者の会員数を把握することを通じて、雇用政策以外の観点からも意義の評価につなげてまいりたいと考えておりますけれども、引き続き、ご指摘のような御意見を踏まえながら、今後とも検討してまいりたいと考えております。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、追加の御意見がないようですので、本件は以上にさせていただきたいと思いますが、各委員におかれましては、本日御指摘の点以外にもし追加で御意見がございましたら、事務局より後ほどお送りします意見記入用紙にて、12月23日までに御提出いただければと思います。
 当分科会としての「2025年度の年度目標に係る中間評価について」は、本日の議論に加え、欠席の委員の方々も含め、追加で御提出いただく御意見も踏まえて、私と事務局で相談して、取りまとめたいと考えております。
 そのような形で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 では、次の議題に移りたいと思います。議題(2)ですが、「令和6年度のハローワークのマッチング機能に関する業務の評価・改善の取組等について(報告)」です。
 事務局より説明をお願いします。
○土田公共職業安定所運営企画室長 職業安定局公共職業安定所運営企画室長の土田でございます。よろしくお願いいたします。
 では、議題(2)について、資料2を用いて御説明をさしあげたく思います。
 1ページ目をお開きください。
 柱書きに記載してございますとおり、ハローワーク総合評価と申しますのは、平成27年度から実施している、目標管理を通じて業務改善につなげるPDCAの取組でございます。
 下の図のとおり、まず各種の指標について、例えば就職件数の場合には、本省が都道府県労働局ごとに示した目標値を参考に、当該労働局がハローワークと協議をして、ハローワークごとの目標値を定めます。(2)にございますとおり、そうして定めた年度の目標を踏まえまして、年度終了時の実績を評価し、同じような規模のハローワークの中で相対評価を行った上で、結果をこの分科会や各都道府県の地方労働審議会等で御報告する。そして、(3)にございますとおり、中でも改善の必要が認められたハローワークには本省から必要な指導を行う一方で、高い評価となったハローワークにつきましては、例えば取り組んだ好事例を全国展開するなどして、ハローワーク全体の業務の改善につなげていくという仕組みでございます。
 2ページ目を御覧ください。具体的な指標の御紹介でございます。
 まず左上、主要指標でございますけれども、ハローワークの中核となるマッチング機能の成果を取る指標でございます。就職件数、充足数、雇用保険受給者の早期再就職割合が定められてございます。
 その下、補助指標については、ハローワークのサービスの質を測るもので、求職者、求人者それぞれの満足度を見ることとなっております。
 さらにその下、所重点指標につきましては、ハローワークの規模に応じまして2~8個の項目をこの中から選択することになってございます。例えば生活保護受給者等の就職率、障害者の就職件数など、個別の分野ごとの項目が並んでおります。
 次のページで御説明いたしますけれども、左側に並んでいる3つの項目は、年度の目標値を定め、その達成度合いを数値化して見る項目となってございます。
 これに対しまして右上の所重点項目、例えば積極的な事業所訪問や職員のキャリアコンサルティング研修の受講など、個々のハローワークにおいて、組織の質の向上や業務改善に向けて取り組んだことを評価する項目でございます。こちらは、それぞれの取組を一定水準で実施していれば、その分加算されるという仕組みになってございます。
 次の3ページ目を御覧ください。
 こちらが実際の数値の計算方法を示したものでございます。まずは先ほど御説明した左側に並んでいる項目について、その目標値に対する実績値の高さ低さに応じて点数を算出した後、先ほど御覧いただいた右上の項目の実施状況に応じて加点をする。ここまでで各ハローワークの点数が確定をいたしますので、その後、一番下にございますとおり、規模別の11のグループそれぞれの中でハローワークの点数を比較いたしまして、4段階のグレードに分けるということになります。
 次の4ページを御覧ください。
 こちらが、その結果としての令和6年度までの実績をまとめたものでございます。先に、グレード分けの仕組みを御説明いたしますと、同規模のハローワークグループの中の平均点数を算出いたしまして、これを上回るものは類型1、2のいずれかとなります。このうち、全ての項目で満点を取る場合には、非常に良好として類型1になります。一方で、平均点数を下回ると類型3または4のいずれかとなりまして、特に平均に対して隔たりが大きいところは類型4になるという仕組みでございます。
 令和6年度の結果ですけれども、御覧いただいておりますとおり、類型1、4が0で、類型2が224、類型3が204ということで、類型2と3に集約される形となりました。
 その結果について、次のページ5ページで御説明をいたします。
 より詳細に分析したものでございます。細かな数字がたくさん並んでおりますけれども、読み取れることが2点ございます。左下の平均値を御覧いただきますと、縦に並んでおりますのが、上が大規模ハローワーク、そこから下に行くにつれて小さな規模のハローワークグループが並んでおりますけれども、平均値の内訳が①、②と並んでおります。
こちらを御覧いただきますと、まず①、主要指標、補助指標、所重点指標の点数、つまり、目標値の達成度合いを見る項目の点数が全ての規模のグループで低下してございます。この点、具体的に分析をいたしますと、その上、柱書きに書いてございますとおり、特に主要指標のうち就職件数が目標値に至らず、軒並み点数が低下しているということが判明しております。その背景としまして、先ほど議題(1)で御説明さしあげましたとおり、求職の相談自体は行われているものの、求人の減少傾向だとか高齢求職者の増加、あるいは企業側の省人化の浸透など、様々な影響で求人の御紹介に至っていないこと等が要因と考えております。
 一方で、こちらの表の②、所重点項目を御覧いただきますと、こちらは全てのグループで増加していることがお分かりいただけるかと思います。この内訳ですけれども、先ほど触れました職員に計画的にキャリアコンサルティング研修を受講させるという、その取組を行うと加点がされるわけですが、その取組が全国で浸透いたしまして、点数の底上げにつながっていると見ております。
 次の6ページは各ハローワークの点数をプロットしたものでございます。
 今、御説明した2つの項目のうち、①をX軸、②をY軸として配置しているもので、色としましてはオレンジが令和5年度、青が令和6年度でございます。御覧いただくと、どの規模のグループも全て左上側に移動しているということがお分かりいただけるかと思います。すなわち、全体像として目標値の達成には様々な要因に苦慮したものの、サービスの質の向上にはそれぞれが積極的に取組を進めたという様子が見てとれるかと考えています。
 次に7ページを御覧ください。以上が令和6年度の結果でございますが、次に令和7年度、8年度の総合評価の在り方について御説明をいたします。
 まず、既に足元実施中の令和7年度におきましては、中ほどの枠囲いにございますとおり、主に2点の変更を行ってございます。
 まず1つ目、新卒ハローワーク等の実績の測り方についてなのですけれども、その主たるターゲットである就職に当たっての課題を抱える方に対する専門的な支援の質を見る項目であるという観点から、赤字のとおり、窓口で取り扱った方全てではなくて、その専門窓口の売りである担当者制による支援を受けた方の正社員就職率に変更をしてございます。
 また、その下、就職氷河期世代の方の支援につきましては、令和7年度より窓口の支援対象を就職氷河期世代を含む中高年層と拡大してございますので、それに合わせて定義を変更しております。
 続きまして、その下、令和8年度の総合評価の在り方についてです。こちらは、現場の意見も聞きながら現在検討中でございますけれども、具体的な案といたしまして、まず1点目、先ほど御説明さしあげましたとおり、令和6年度の結果を見ますと全体に就職件数の低下が生じておりますところ、その就職の前段階である紹介の件数が落ちているというところから、新規求職者1人当たりの紹介件数を追加することを検討してございます。
 また、一番下にありますとおり、今回、類型2と3に集中した相対評価、4段階の類型の在り方といたしまして、例えば全ての項目で満点を取らないと非常に良好と評価されないような現在の基準が妥当であるか等について、これも併せて検討しているところでございます。
 以上、ここまでがハローワーク総合評価の制度と令和6年度の結果等の御説明となりました。
 冒頭、局長より御説明した中で触れておりますとおり、この総合評価も目標管理に関する取組として、運用に当たっては十分配意が必要と考えております。これまでも、数字を上げることに注力するのではなく、業務の継続的な改善を意識したマネジメントを行うということでやってきたものでありますが、改めて現場の職員一人一人への認識の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 以後、幾つかこうしたPDCAサイクルの中で取り組んだ現場の好事例を手短に御紹介させていただきます。
 次の8ページを御覧ください。
 島根県松江所の取組事例として、求人者に対する積極的な支援を行った例でございます。現在、ハローワークでは、オンラインで求人を登録することが可能となっておりますけれども、それがゆえに事業主の方と職員とが直接顔を合わせる機会がそのままですと減っていく傾向にございます。このため、事業主に対する担当者制を敷きまして、その担当者が積極的に事業所を訪問して、職場や経営者の雰囲気、あるいは採用で特に重視する項目など、様々な情報を得ることとしております。加えて、求職者の方と日頃やり取りをしている職員も交えた所内の会議に、事業主の方自らが参加していただきまして、御紹介しやすい求人条件などについて直接意見交換をする取組を始めたということで、求人者の方からも評価のお声をいただいているということでございます。
 さらにその次、9ページを御覧ください。ここからは、業務改善コンクールというサービス改善の取組に係る入賞事例を3点御紹介してございます。先ほどの総合評価の所重点項目の中でも、これに入賞すると加点になりますし、入賞した取組を自分の所で導入をしても加点となる扱いとなっておりまして、現場の業務改善を慫慂しているところでございます。
 10ページ目を御覧ください。
 まず、1位優勝の愛知県名古屋中所の事例でございます。御案内のとおり、ハローワークの求人は、今はハローワークインターネットサービスというサイトで閲覧いただけるようになっているわけですが、現場ならではの工夫として、左下の写真にありますとおり、地元の住民の方々が選びそうな求人条件などを大きな文字のボタンで選択できるようにして、そこをぽつぽつとクリックしていけば簡単に求人検索ができる独自のホームページを設けるなどしております。
 また、所内のレイアウトといたしましても、右端の写真のように、周囲に聞こえないような、それでいて空間に圧迫感を与えないような透明のブースを設置して、求職者の方が安心して相談しやすい、見た目にも開放感のある環境を整備した取組でございます。
 続きまして、11ページ目を御覧ください。
 こちらは2位入賞で、同じ愛知県、今度は名古屋東所の事例でございます。名古屋東所では、地元自治体との連携の中で面接会を開催することになったところ、ハローワークの職員全員による投票式のポスター作成でまず所内の機運醸成を図ったほか、参加する求人者全てをイベント前に訪問いたしまして、面接会の場で、その紹介をする職員が実感を持って御相談できるようにしました。
 また、イベント当日も、左下の図にございますとおり、全ての求人者の前を通過して出口に向かう動線とすることで、なかなか求職者の方に関心を持っていただけない業種も含めまして、確実に求職者の目に触れる機会を確保するということに成功いたしましたものです。イベントに参加された来場者の満足度は92%、事業主の方におかれましては100%になるなど、大変効果的な開催となった事例でございます。
 続きまして、12ページを御覧ください。
 こちらは3位入賞の石川県輪島所の事例でございます。御案内のとおり、当該エリアでは、令和6年1月の能登半島地震の影響を受けまして、現在に至るまで人材確保が重要な課題となっているところ、ハローワークが一層サポートを強めることができるように、地元の信用金庫と協定を締結して、連携を深めたものでございます。
 具体的には、ハローワーク側で個人が特定できないように加工した求職者の情報リストを作成した上で、信用金庫の職員の方がそれを持って事業所を訪問することで、求人条件の緩和などにつながったということです。
 また、それまでハローワークを利用していただいたことのなかった事業者の方が、信用金庫さんからの御紹介で初めて求人提出をいただいたという事例もございまして、地域に根差した金融機関との連携が有効であると確認できた好事例と考えてございます。
 次に13ページを御覧ください。
 最後に、直近のハローワークで進めている取組を御紹介さしあげたく思います。御案内のとおり、ハローワークは雇用のセーフティーネットとして、就職に困難な課題を抱える方、地方部をはじめとして人材不足に悩む事業主に対する支援を期待されているところでございます。経験豊富な常勤職員を中心としたチームを通じ、そうした求人者と求職者への一体的かつきめ細かな支援に取り組む課題解決型モデル事業というものを令和6年度から実施してございます。
 次の14ページを御覧ください。
 取組の着眼点といたしましては、3色並んでございますとおり、まず1つ目に、就職に困難を抱える方に手厚いサービスを提供するもの、2つ目に、医療や介護など人材不足分野の事業主支援に取り組むもの、3つ目に、地場産業の事業主支援に取り組むものという3つの類型でございます。
 こうした課題に対し、求職者や求人者に対してチームによる担当者制を敷きまして、具体的な事例としては、例えば左下の写真にございますとおり、求人者と顔の見える関係を築く中で得られた職場の生の情報だとか、場合によっては職場の雰囲気の分かる動画などをハローワークの目につくところで紹介をしたり、あるいは真ん中の写真にございますとおり、個々の求人者に対して、実際におられる求職者の条件を念頭に、○○企業様宛ての提案書といった形で、求人条件の具体的な緩和を御提案するなど、先進的な取組を行っているところでございます。
 右下にございますとおり、求職者、求人者の双方から、ハローワークでこんな丁寧な支援をしてくれるなんてという高い評価もいただいておりまして、実際の就職率、充足率も高い水準となってございます。
 現在、この取組は18か所のハローワークで実施してございます。今後、全国への展開を目指しているところ、こうした取組も通じて、求職者、求人者の皆様方にハローワークが頼れる機関だと信頼いただけるように、必要な人員の確保に努めることも含めまして、しっかりと襟を正し、着実に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件について御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、平山委員、お願いします。
○平山委員 御説明ありがとうございました。
 資料2の4ページ、令和6年度のハローワーク総合評価の結果概要について、「非常に良好な成果」については前回より減少になったと御説明いただきました。
 一方で、所重点項目については、いずれのグループでも前回を上回る結果ということでした。これに関しては、11ページの具体的な取組事例にもあるようなハローワークごとの様々な工夫、あるいはプライバシーへの配慮なども含め、地域の実情に応じた非常にきめ細やかな支援が講じられているとも考えられるのではないかと思っています。引き続き、ハローワークそのものの機能向上に一層努めていただきたいと思います。
その上で、7ページ下段にあります令和8年度の総合評価における主な変更点(予定)というところで、2つ目の○に基準の見直しについて記載がございます。見直しに当たっては、評価の分散化が目的となることのないように、適切な見直しをお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 続いて、馬渡委員からもお願いいたします。
○馬渡委員 中央会の馬渡です。
 御説明ありがとうございました。
 総合評価とかPDCAに関しては、とてもよい取組だと感じますので、ぜひ進めていただきたいなと思うわけですけれども、御説明の中で、紹介までのところはこれまで同様にできているけれども、就職に至る件数が減っているというお話がありまして、その点について一言意見を述べたいと思います。
 先ほど好事例の発表もありました。いろいろ丁寧に細かくやっていただいているという評価があったかと思うのですけれども、そういう中で、私も中小企業の事業主でもありますので気になるのは、就職に至らなかったときに、ミスマッチの要因が相手の人物にあるのかとか、相手の方の能力が我々とミスマッチなのか、もしくは向こうの方から見て処遇がほかと比べて悪いのかとか、業務内容がどうしても合わないとか、そういった部分も掘り下げて確認をしていただいて、分析された結果をいろいろな企業に見える化をしていただくと非常に助かるなと感じました。
 求職者と事業者のお互いのニーズを掘り下げてマッチングをしていくということをPDCAの中にも入れていただいて、丁寧にやっていただければ、我々も非常に助かると思うのですけれども、いかがでしょうか。
 以上でございます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 では、平山委員と馬渡委員から御意見がございましたので、事務局からお願いします。
○土田公共職業安定所運営企画室長 ありがとうございます。
 まず平山委員の御指摘につきまして、ハローワークの運用、機能向上については引き続き努めてまいります。
 相対評価の基準の見直しのところについては、御指摘のとおりでございます。分散化することが目的というよりも、ハローワーク総合評価はハローワークの内部管理の仕組みでございますので、全てが高い基準のものを達成できないと良いハローワークとして評価されないというのが、ハローワークにおけるモチベーションの在り方としていいのかという観点で、むしろ良いところについてはちゃんと評価をしてあげられるようにということで検討したいと考えております。
 馬渡委員からの御指摘でございます。就職できなかったときのその要因がどこにあるのかを分析ということについて、御指摘のとおりかとは思います。最終的に就職に至らなかった理由は、個々人のいろいろな御事情等もあり一概に把握することは難しいとは思うのですが、先ほど申し上げましたとおり、例えば求人の条件として、こういうところをもうちょっと下げれば一般的には御就職いただいているよといったことを細かく御提示することはできるかと思いますので、そうした工夫を現場現場でしていきたいと考えてございます。
○阿部分科会長 では、ほかに御意見、御質問があれば御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本議題は以上とさせていただきます。
 次に、議題(3)ですが、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」でございます。
 事務局より説明をお願いします。
○向山労働移動支援室長 労働移動支援室長の向山と申します。
 初めに資料3-3を用いまして御説明したいと思います。
 今回の省令の改正事項につきましては、先日、10月17日の本分科会におきまして、能登地域の今後の雇用対策の方針について御説明をしたところでございますが、そのうち本年末で期限が到来する産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)の延長に関する件でございます。
 2ページをまず御覧いただきたいと思います。
 本資料は、先日の分科会で御説明したものを一部加筆したものでございますけれども、改めて本助成金の制度の内容、それから改正の背景等について、簡潔に御説明をしたいと思います。
 資料の中段に図がありますけれども、産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)につきましては、能登半島地震の影響を受けました事業主が、在籍型出向によりまして雇用の維持を図る場合に、出向元・出向先を問わずに支払った賃金の一部を助成するものでございます。この図にあるとおり、令和6年1月の発災から1年後の令和7年1月から、雇用調整助成金の2年目の特例と併せる形で、本年末まで1年間の特例措置として創設をしたものでございます。
 1ページを御覧いただきたいのですけれども、同じく先日の分科会でお示しした今後の在り方でございます。
 (1)の雇用調整助成金につきましては、被災地の有効求人倍率が高いことや、休業の長期化が働く方の意欲やスキルに与える影響を考慮いたしまして、予定どおり本年の12月をもって終了するということ。
 それから、(2)の産業雇用安定助成金につきましては、要件を緩和した上で、令和8年も延長して実施する。その際に、併せて申請手続の簡素化を行うという方針を御説明したところでございます。
 産業雇用安定助成金の具体的な見直し事項といたしましては、恐縮ですがまた2ページの下の方の表を御覧いただきます。
 内容としましては主に3つございます。これは先日の分科会で御説明した内容と変更はございません。
 1番の支給対象期間の延長につきましては、現行では本年12月末で期限が到来するものでありますが、令和8年12月31日まで1年間延長しようとするものでございます。
 2番の部分出向につきましてですが、部分出向といいますのが、労働者が出向期間の間に出向元と出向先の両方で勤務をするという勤務形態のことでございまして、現在の助成要件といたしましては、月の半分以上を出向先で勤務するということを要件としてございます。
 これにつきましては、復興が進んでいく中で、これまでよりも短い期間、例えば週1日というような期間を出向させたいというような現地の声なども踏まえまして、出向先での勤務を半分以上という要件から5分の1以上というところまで緩和をいたしまして、より助成金を使いやすくしようとするものでございます。
 3番目の申請手続の簡素化につきましては、同じく助成金をより使いやすくするという観点から、申請項目の簡素化や添付書類の削減などの簡素化を本年10月1日付で実施したところでございます。
 以上3点のうち1番のみが省令事項でございまして、本日、分科会の委員の皆様にお諮りするものでございます。
 2番の要領改正事項につきましては、省令案をお認めいただいた後に、その施行に併せて要領改正を行う予定としてございます。
 それでは、資料3-1の省令案要綱を御覧いただきたいと思います。
 本助成金の規定につきましては、雇用保険法施行規則の附則に規定がされております。
 改正の内容は主に2つでございます。1つ目は、先ほど説明したとおりでございますが、支給対象となる出向の期限を令和7年12月31日から1年間延長いたしまして令和8年12月31日とするということ。それからもう一つは、これに伴いまして、出向の期間の上限も1年間から2年間に延長するということでございます。
 省令案要綱の説明は以上でございますけれども、今回、延長しようとする産業雇用安定助成金と併せまして、その前提となります在籍型出向のマッチング支援につきましても、産業雇用センターや石川県の組織でありますILAC能登などとも連携をしながら、さらなる推進を図ってまいりたいと考えております。
 特に、現在、雇用調整助成金の特例を利用している事業主に対しまして、重点を置いて周知するなど、より一層休業から出向への支援をいたしまして、令和8年以降の能登地域の効果的な雇用対策を行ってまいりたいと考えております。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 では、本件について御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
 特に御質問、御意見ございませんか。
 では、特にないようでしたら、当分科会は議題(3)について厚生労働省案を妥当と認め、その旨を私から御報告申し上げたいと思います。
 これについて御意見ございますでしょうか。特にないですか。よろしいですか。
 よろしければ、今から報告文案を表示したいと思います。
(報告文案表示)
○阿部分科会長 御覧いただけますでしょうか。
 それでは、表示された報告文案により、労働政策審議会会長宛て報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告をさせていただきます。
 本議題は以上となります。なお、能登半島地震等に係る雇用対策については、ただいま議題となりました省令改正により一区切りとなりましたが、緊急時の雇用調整助成金の在り方につきましては、以前委員からも当分科会において平時にしっかり議論を行うべきとの御意見を頂戴しております。そこで、年明け以降、当分科会で議論できるように、事務局においては準備をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、次の議題に移りたいと思います。議題(4)です。「同一労働同一賃金部会の議論の状況について(報告)」でございます。
 では、事務局より御説明をお願いします。
○髙島需給調整事業課長 需給調整事業課長の髙島と申します。よろしくお願いいたします。
 私のほうから、議題(4)同一労働同一賃金部会の議論の状況について御説明をさせていただきます。
 お手元、資料4関係を御覧いただければと思います。
 まずは資料4-2を使って御説明をさせていただきます。
 本年1月に当職業安定分科会において、同一労働同一賃金制度の施行5年後の見直し検討を同一労働同一賃金部会で行っていく旨、併せて、部会における議論の状況につきまして、適時に職業安定分科会に御報告させていただく旨を御説明させていただきました。その上で、今年の7月の職業安定分科会において、労働者派遣法関係の論点等に関する検討状況について御報告をさせていただいた次第です。
 資料4-2の開催状況を御覧いただければお分かりいただけますとおり、これまで計13回の同一労働同一賃金部会を開催しておりまして、同一労働同一賃金ガイドラインや労働者派遣法関係などについて御議論いただいております。今月11日の部会では、これまでの議論を踏まえた報告書案をお示しして御議論をいただきました。本日は、7月と同様、同一労働同一賃金関係の中で派遣法関係の論点を中心に、報告書案に沿って御説明をさせていただければと思います。
 では、資料4-1を御覧いただければと思います。
 資料4-1「雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた取組の強化について(報告)(案)」となっております。こちらがいわゆる報告書案になりますけれども、この報告書案の構成としましては、これまでの同一労働同一賃金部会における議論を踏まえまして、まず「第1 基本的考え方」において、非正規雇用労働者の現状と働き方改革関連法の施行後の状況を踏まえた対応の方向性について触れました上で、その後、第2以降、必要な対応の具体的内容において、「均等・均衡待遇」、「労働者に対する待遇に関する説明義務の改善」、「公正な評価による待遇改善の促進等」、「行政による履行確保」の4本の柱で具体的な対応案を示しまして、その別添として、この資料の後ろのほうについているのですけれども、同一労働同一賃金ガイドラインの見直し案を新旧対照表の形でつけているものになっております。
 本日は、主に1~8ページの報告書の本体の部分について御紹介をさせていただきつつ、9ページ以降、新旧対照表の形式になっているガイドライン案につきましては、派遣法のポイントについて、御説明を簡単にさせていただければと考えております。
 では、また1ページに戻りまして御説明をさせていただきます。
 まず1ページの「第1 基本的な考え方」となります。こちらでは、どのような雇用形態又は就業形態を選択しても納得できる待遇を受けられるような社会を実現していくことが重要との考え方を踏まえまして、平成30年働き方改革関連法による各規定の整備や同一労働同一賃金ガイドラインの策定について触れました上で、法の施行後の状況等を踏まえた部会における検討の結果、厚生労働省において、本日の報告書の第2以降の報告を踏まえ、雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた取組の強化について、所要の措置を講ずることが適当とされております。非常にパラグラフの数も多いので、ポイントを絞りながら御説明をさせていただきます。
 続きまして、2ページ目で「第2 必要な対応の具体的内容」の「1 均等・均衡待遇」について説明をさせていただきます。
 「(1)同一労働同一賃金ガイドラインの更なる明確化」について、1つ目の○では、同一労働同一賃金ガイドラインのさらなる明確化を図ることが適当としておりますので、後ほどポイントを御説明させていただきます。
 2つ目の○では、同一労働同一賃金ガイドラインの見直しについて、関係者が理解しやすい周知啓発等に取り組むことが適当とされております。
 続きまして、「(2)パートタイム・有期雇用労働者及び派遣労働者の意見の反映」についてです。
 1つ目の○、2ページの最後のところでは、派遣労働者の過半数代表者や労働者全体の過半数代表者が事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮等を指針で示すことが適当とされております。こちらにつきましては、その際、労働条件分科会における議論の状況も踏まえて検討することが適当であるとされております。
 冒頭で御説明が漏れましたけれども、資料4-1につきましては、今月11日の同一労働同一賃金部会で用いられました資料をそのまま職業安定分科会の報告でも用いさせていただいております。一部下線が引いてある箇所は、同一労働同一賃金部会の議論の進展を踏まえて下線を引いているところになるのですけれども、本職業安定分科会においては、この報告が初めての報告案の御報告になりますので、恐縮ですが下線部分のところ、あと後ろの別添の案の新旧のところで一部赤字になっているところ等もございますが、こちらについては御放念いただきまして、私のほうで全体像を説明させていただければと思います。
 3ページ目から説明を続けさせていただきます。
 3ページに入って1つ目の○では、派遣労働者の意見が反映されるための工夫をするよう努めるべき旨を指針等で示すことが適当であるとされております。
 続きまして、2つ目と3つ目の○がございますけれども、労働者派遣法関連の事項としまして、労使協定方式の実効性の確保やそのために必要な労使協議に対する理解を深める必要があるとの御意見を踏まえ、2つ目の○では、派遣労働者における同一労働同一賃金の理解が深まるよう、労働者派遣法第30条の3及び第30条の4の規定の基本的な考え方や、労使協定の締結に当たり過半数代表者が適正に選出されていない場合には、労働者派遣法第30条の4に基づく労使協定とは認められず、派遣法第30条の3の規定による待遇の確保が求められることを指針等で示すことが適当であるとしています。
 3つ目の○では、派遣元事業主と労使協定を締結する過半数代表者の適正な選出や派遣労働者の意見の反映に当たっては、派遣労働者ごとに就業場所が異なるといった実情を踏まえた取組が派遣元事業主において実践されていることから、こうした取組の好事例等について、派遣元事業主等に対するさらなる周知啓発に取り組むことが適当であるとしております。
 続きまして、「(3)労働者派遣制度における待遇決定方式の運用改善の項目」となります。
 まず1つ目、「① 派遣先による待遇情報の提供」では、派遣先均等・均衡方式を活用する場合の派遣先による比較対象労働者の待遇等の情報提供の重要性に関する御意見を踏まえまして、派遣先から派遣元事業主への比較対象労働者の待遇等の情報提供が適切に行われるよう、リーフレット等により派遣先及び派遣元事業主に対する周知啓発に取り組むことが適当であるとしております。
 続きまして、「② 一般賃金の算出方法及び運用の改善」になります。
 1つ目の○では、代替可能な最新の統計調査の活用を検討すべきとの御意見を踏まえまして、一般通勤手当の算定に当たり利用している独立行政法人労働政策研究・研修機構による平成25年調査である「企業の諸手当等の人事処遇制度に関する調査」について、厚生労働省において実施している「就労条件総合調査」に変更することが適当であるとしております。
 2つ目の○、ページをまたぎますけれども、こちらでは協定対象派遣労働者の待遇改善を進める観点から、労使協定の締結に際し、1つ目、改定後の一般賃金水準を遵守した上で、経済・物価動向及び賃金動向を勘案して賃金を決定することについて、労使で十分に協議することが考えられること。
 2つ目、協定対象派遣労働者の賃金の額については、一般賃金の額が下がった場合であっても、見直し前の労使協定に定める額を基礎として、公正な待遇の確保について労使で十分に協議することが望まれること。
 3つ目、労使で十分に協議を行ったとしても、待遇を引き下げる場合は、労働条件の不利益変更となり得るものであり、労働条件の不利益変更には、労働契約法上、原則として労使双方の合意が必要であることに留意すること。
 このことについて指針等で示すことが適当であるとしております。
 その次に続きます1つ目の○ですけれども、能力や経験の蓄積を公正に評価した待遇の決定をさらに促進すべきとの御意見を踏まえまして、能力・経験調整指数の適切なあてはめが行われるよう、労使協定のイメージ等を改善することを通じて、適切な運用を促すことが適当であるとしております。
 その次の○ですけれども、派遣労働者の処遇改善に向けた円滑な労使協議の参考となるデータを示すべきとの御意見を踏まえまして、協定対象派遣労働者の賃金水準の改善に向けた労使協議が円滑に実施されるよう、職業安定業務統計から算出した一般賃金水準について、参考値として求人賃金の上限額の平均を追加することが適当であるとしております。
 続きまして、「③ 派遣料金交渉の適切な実施」になります。こちらでは、派遣労働者の待遇改善のためにはその原資となる派遣料金の確保は重要との御意見を踏まえまして、派遣先における派遣料金への配慮義務が適切に履行されるよう、派遣先が派遣元事業主からの派遣料金交渉に一切応じない場合等は、労働者派遣法第26条第11項の規定の趣旨を踏まえた対応とはいえないことを指針等で示すとともに、派遣料金交渉の場で活用できる賃金・物価動向等の情報をまとめたリーフレットをセミナーで周知する等、派遣先及び派遣元事業主に対する周知啓発を強化することが適当であるとしております。
 続きまして、最後の「④ 労使協定の周知等」になりますが、こちらの○では、派遣労働者が自身の職務内容や待遇等を理解し、納得性を高めることが重要との御意見を踏まえまして、労使協定のさらなる周知を図る観点から、労使協定を締結したとき、また、改定したときも含みますが、及び労働者を雇い入れたときは、署名や電子メール等による周知を行うことを指針等で示すことが適当であるとしております。
 続きまして、5ページの1つ目の○となりますが、就労開始後の賃金に関するトラブルの未然防止の取組が必要との御意見を踏まえまして、派遣労働者が自身の賃金について理解しやすくなるよう、労働者派遣をしようとするときの明示の様式例等を改善することを通じて、基本給に特殊勤務手当等に相当する額が盛り込まれている場合に理解しやすい明示を促すことが適当であるとしております。
 続きまして、「(4)福利厚生施設」です。
 1つ目の○はパートタイム・有期雇用労働者関係ですので、説明を割愛させていただきます。
 2つ目の○、派遣関係の事項でもございます。労働者派遣法関連では、派遣先指針において、福利厚生施設の例示として「駐車場」を指針等で示すことが適当であるとしております。
 続きまして、「(5)いわゆる「立証責任」」になります。
 こちらについては、法的枠組みの変更の是非等について議論が行われたが、意見が一致するには至らなかったとしております。後ほど、先日11日の同一労働同一賃金部会の議論を補足説明させていただきます。
 続きまして、5ページの最後の「2 労働者に対する待遇に関する説明義務の改善」になります。
 「(1)待遇の相違の内容及び理由等について事業主及び派遣元事業主に説明を求めることができる旨の労働条件明示事項への追加等」になりますけれども、1つ目の○では、待遇の相違の内容及び理由等について、派遣元事業主に説明を求めることができる旨を労働条件明示事項へ追加することが適当としております。
 2つ目の○になりますが、待遇についての納得性の向上は、紛争の防止にも資することを踏まえまして、派遣元事業主は、派遣労働者から待遇の相違の内容や理由等について説明の求めがない場合であっても、労働契約の更新時等に、待遇の相違の内容や理由等について、労働者が容易に理解できる内容の資料の交付や、待遇の相違の内容や理由等に関する説明を求めることができることを周知するといった対応を行うことが望ましいことを指針等で示すことが適当としております。こちらも後ほど11日の同一労働同一賃金部会の議論を補足説明させていただきます。
 続きまして、6ページの「(2)待遇の相違の内容及び理由等の説明の方法」になりますけれども、こちらでは、待遇の相違の内容や理由等に関する説明の方法について、資料を活用し口頭により説明する方法、または説明事項を全て記載した容易に理解できる内容の資料を交付する方法のいずれかとすること。また、資料を活用し口頭により説明する場合は活用した資料を交付することが望ましいこと、資料の交付が困難な場合についても、求めがあれば閲覧させる等の工夫に努めることを指針等で示すことを適当としております。
 続きまして、6ページの下の「3 公正な評価による待遇改善の促進等」になります。
 1つ目の○はパートタイム・有期雇用労働者関係ですので、説明を省略させていただきます。
 続きましての○ですけれども、労働者派遣法関連の事項としまして、派遣労働者の待遇改善に向けた好循環な取組が必要との御意見を踏まえまして、派遣元事業主は、派遣労働者の職務の成果等の評価、教育訓練やキャリアコンサルティングの実施、就業機会の確保及び提供を行うに当たって、その職務の成果等の向上により待遇が改善するよう、派遣労働者の希望に応じた評価結果のフィードバックや、これらの措置を総合的に行うよう努めること等の留意事項を指針等で示すことが適当である。また、派遣先は、派遣労働者の業務の遂行状況の情報を提供すること等により、派遣労働者の職務の評価等に協力することを指針等で示すことが適当であるとしております。
 次に、7ページですけれども、「(2)情報公表の促進」となります。
 1つ目については、省略をさせていただきます。
 2つ目、派遣法関連の事項としまして、派遣元事業主による労働者派遣実績やマージン率等に係る情報提供については、引き続き、自社のウェブサイトのほか、人材サービス総合サイトの活用が促進されるよう、セミナーによる周知啓発等を通じて、派遣元事業主による情報提供を支援することが適当であるとしております。
 その次、「(3)正社員転換支援・キャリアアップ」、「(4)「多様な正社員」制度の普及促進等」、ページをまたぎまして「(5)無期雇用フルタイム労働者」につきましては、説明を割愛させていただきます。
 8ページの「4 行政による履行確保」になります。
 こちらについて、これまでの各論点を踏まえた見直し方針について、行政による履行確保を図るための具体的な方法としまして、1つ目の○では、同一労働同一賃金のより一層の遵守徹底のため、行政及び関係機関による周知広報や取組支援を進めることが適当としております。
 また、2つ目の○では、行政ADR(裁判外紛争解決手続)について、利用が十分に進んでいるとは言い難い実態を踏まえ、さらなる利用促進を図ることが適当であるとしておりまして、3つ目の○では、均等・均衡待遇のさらなる徹底に向けまして、派遣元事業主の理解促進を図る観点から、必要に応じ、業所管省庁の御協力も得ながら、派遣労働者が多い業界への周知啓発等に積極的に取り組むことが適当であるとしております。こちらも後ほど先日11日の同一労働同一賃金部会の議論を補足説明させていただきます。
 こちらの資料で先日11日に同一労働同一賃金部会で議論を行っていただきました。そちらの議論の状況の御報告を簡単にさせていただければと思いますけれども、まずは同一労働同一賃金ガイドライン、9ページ目以降にあるものも含めて、同一労働同一賃金全体について、一般の方でも内容を分かりやすく理解できるように、工夫の上で周知を行うべきといった御意見がございました。
 また、派遣関係全般につきまして、今回の見直しを踏まえた履行確保の実効性を高めるために、派遣労働者の待遇の原資となる派遣料金について、派遣料金を改定し、原資を確保しなければいけないけれども、厳しい状況であるため、派遣先の協力が重要であるという御意見がございました。
 また、あわせまして、派遣法関係につきまして、派遣労働者や派遣元だけではなくて、派遣先も含めて、派遣関係者全体に対して周知・啓発でありますとか適切な指導が重要といったような御意見がございました。
 次に、個別事項となりますけれども、先ほど何点か補足しますと御説明申し上げた1つ目、いわゆる「立証責任」のところにつきましては、労働者側委員から、賃金格差が依然として残るとともに、待遇差の改善に消極的な手法などもある状況を踏まえれば、法の目的達成のためには、待遇の相違を設ける使用者に合理性の立証責任を課す法改正が必要との御意見があった一方、使用者側委員からは、現行法への理解が定着し、待遇改善の途上にあることを踏まえれば、法的枠組みを変えずに、労使コミュニケーションを通じて待遇改善や雇用慣行の見直しを進めるべきという御意見がございました。
 また、第2の2の(1)にありました待遇差の説明義務の関係のところですけれども、こちらにつきましては、労働者側委員より、労働者の立証責任の負担軽減のためには、労使間の情報格差の是正が重要であることを踏まえまして、労働者側からの求めの有無にかかわらず、待遇差の説明義務を事業主に課す法改正を行うべきとの御意見がございました。
 また、先ほど説明を省略いたしました無期雇用フルタイム労働者の箇所についても、労働者側委員と使用者側委員の双方から追加の御意見がございました。
 同じページの8ページにありました「4 行政による履行確保」につきましては、使用者側委員から、事業主による創意工夫や労使の真摯な議論を阻害しないよう、施行に際しては十分に配慮する必要があるとの御意見もございました。
 このほか、労働者側委員から、今後の検討課題として、今回の報告でまとまった際には、措置事項となるものですけれども、これらの措置事項について、法の趣旨を念頭に置きながら、経済社会の変化や働き方の多様化等を踏まえ、今後、施行状況等を把握した上で、法規制の在り方をしっかり検討することが重要との御意見をいただいております。
 続きまして、9ページ目以降、ポイントのみ資料4-1の別添、同一労働同一賃金ガイドライン見直しについて御説明をさせていただきます。
 表は、ガイドラインの見直し前後で比較できるように、記載を並べた上で見直し箇所に下線を引いて、見直しの趣旨や参考とした判例の詳細を吹き出しの形で追加をしているものとなります。
 労働者派遣法の関連の記載は、この中で「第4 派遣労働者」と「第5 協定対象派遣労働者」となりますけれども、基本的な見直しの考え方としましては、パートタイム・有期雇用労働法関連の見直し案と同様の見直し案としております。
 主にポイントとしましては、同一労働同一賃金の基本的な考え方を改めてお示しすること。また、法の施行後、この間、最高裁の判決等が出されている状況を踏まえまして、退職手当や各種手当、福利厚生等の記載の追加を行うこと。また、政府決定を踏まえた無期雇用・フルタイム労働者等へのガイドラインの考え方の普及などについて、同一労働同一賃金部会での議論を踏まえた見直しの案としております。
 9ページの目次ですけれども、見直しの案では、「第3 短時間・有期雇用労働者」と「第4 派遣労働者」で「3 退職手当」を新設しますとともに、「第6 所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ、事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者等」を新設しております。
 続きまして、通し番号で10ページの下から11ページについての「第1 目的」のところでございますけれども、こちらは同一労働同一賃金部会での御指摘を踏まえまして、平成30年の法改正の趣旨を明確化する記載を追加しております。
 続きまして、通し番号の12ページになりますが、「第2 基本的な考え方」のところにつきましては、今回の見直しを踏まえまして、ガイドラインに原則となる考え方や具体例が示されていない待遇であっても、不合理と認められる可能性がある旨を明確化する記載の追加や、記載項目の整理、法の目的を鑑み、通常の労働者の労働条件を不利益に変更することなく、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者の待遇を改善することが求められる旨を明確化するなどの見直しを行うとしております。
 続きまして、派遣労働者関係のところに参りますので、通し番号で36ページ以降となります。
 36ページ以降の「第4 派遣労働者」になります。こちらにつきましては、労働者派遣法関連の見直しなのですけれども、先ほど御説明をさせていただきましたとおり、基本的にパートタイム・有期雇用労働法に関連する裁判例や議論を踏まえた見直し事項については、派遣関係でも同様の見直しを行っております。
 その上で、独自の見直し事項を御報告、御説明させていただければと思いますけれども、57ページに「(4)病気休職(療養への専念を目的として付与する病気休暇を含む。以下この(4)において同じ。)」について、同一労働同一賃金部会において御意見がございましたところですけれども、派遣就業期間終了後、派遣元との雇用契約期間がある場合、まさに派遣元に戻った場合の病気休職の在り方に関する御意見を踏まえまして、この次の58ページに(注)を追加しております。
 (注)として、派遣先均等・均衡方式の有期雇用派遣労働者について、派遣就業期間終了後であってもパートタイム・有期雇用労働法に基づき、派遣元事業主の雇用する通常の労働者との不合理と認められる相違の解消等が求められることを明確化する記載を追加しております。
 あと数点ですが、61ページの「第5 協定対象派遣労働者」については、「第4 派遣労働者」の福利厚生その他と同様の見直しを予定しておりますので、詳細な説明は割愛をさせていただきます。
 66ページにつきましても、第6、追加されたところではありますが、こちらも説明を省略させていただきます。
 長くなりましたけれども、事務局からの説明は以上となります。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきまして御質問、御意見がございましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、原委員、お願いします。
○原(健)委員 
 御説明ありがとうございます。
 まず、同一労働同一賃金部会において、多岐にわたり真摯に御議論いただいている委員の皆様と事務局の皆様に改めて感謝申し上げたいと思います。
 報告書の内容を見る限りでは、ガイドラインの見直し、それから説明義務の運用改善も含めまして、待遇改善の観点で一歩前進するものと理解しております。
 職業安定分科会の所掌でもあります派遣労働について申し上げれば、一般賃金の改善や労使協定の周知の強化などは重要な見直し項目でありまして、報告書が取りまとまった際には、趣旨も含めて改正内容をしっかりと派遣元、派遣先、そして派遣労働者に周知いただくようお願いしたいと思います。
 その上で、報告書案の内容では、どのような働き方を選択しても納得できる待遇を受けられるようにするという「同一労働同一賃金」の目的達成の観点からは、まだまだ十分ではないという印象を受けております。参考資料で改めて現状を振り返りましたが、「同一労働同一賃金」の法規定の施行以降も、例えば参考資料1-3の22ページにありますように、依然として雇用形態間の待遇差も残っております。また、派遣労働でいえば、資料1-3の77ページにもありますように、自分の待遇がどのように決まっているかが分からないといった労働者も多数おられることが分かります。
 こうした施行状況を踏まえると、先ほど、同一労働同一賃金部会においても労働側委員が主張していると御説明いただきましたけれども、待遇差の立証責任の転換も含め、抜本的な法規制の強化が必要であるということは、改めて意見として申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○阿部分科会長 御意見いただきましてありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。
 では、新田委員、お願いします。
○新田委員 使用者側、経団連の新田でございます。
 詳細な御説明ありがとうございました。
 この資料の説明を聞く限り、子細にわたって様々な御議論をいただいた関係者各位と事務局の皆様に改めて敬意を表したいと思います。
 内容は非常に多岐にわたるものでありますので、少し先の話ではありますが、報告書がまとまりましたら、これをしっかりと関係者に周知する必要があると考えております。その際に、どのような形で分かりやすく周知するのかということについても、早め早めに、事務局に御検討いただきたいと考えております。
 報告書の中身につきましては、事業主の創意工夫や主体的な取組を阻害しないように、しっかりと整理した上で履行確保していくという観点が非常に大事だと考えております。
 今後も、部会の検討状況については、この分科会で御報告をいただきたいということを改めてお願い申し上げて、私からの発言とさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。
 原委員、新田委員から御意見がありましたが、そのほかにいらっしゃいませんでしょうか。
 では、御意見がありましたけれども、事務局のほうで何かありますか。
○髙島需給調整事業課長 ありがとうございます。
 御意見いただきましてありがとうございました。
 いただいた御意見、まさに同一労働同一賃金部会でも公労使各委員の皆様から御意見いただいている部分と非常に共通する部分も多くございます。また、実際に措置をするに当たっての周知等のお話もいただきましたので、事務局としてもよく認識した上で、今後の同一労働同一賃金部会の議論を続けさせていただきたいと思います。
 また、先ほど失礼ながら御紹介が漏れていたのですけれども、同一労働同一賃金部会は、本分科会の委員でもおられる小畑委員が部会長を務めて、議論を差配いただいております。
 こちら、今後また状況を御報告させていただきますし、また、同一労働同一賃金部会の報告が取りまとまった暁には、将来の話ですけれども、また改めて了承いただくべく、本職業安定分科会でも報告をさせていただきたいと考えております。
 以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。
 もしなければ本議題は以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 本日予定されている議題は以上でございますが、この際、委員から御発言はございませんでしょうか。
 では、予定されている議題は以上で終了いたしましたので、本日の分科会はこれで終了させていただきます。
 本日もありがとうございました。