2025年12月24日 第27回 健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用WG 議事録

日時

令和7年12月24日(水)14:00~16:00

場所

WEB会議
AP虎ノ門 I,Jルーム(事務局、報道関係者のみ)

出席者

構成員(五十音順、敬称略)
オブザーバー(五十音順、敬称略)

議題

(1)  電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について
(2)  その他

議事

議事内容
  1. 開会
【長嶺室長補佐】 事務局です。定刻になりましたので、ただいまより「第27回健康・医療・介護情報利活用検討会 医療等情報利活用ワーキンググループ」を開催いたします。皆様におかれましては、師走のお忙しい中、本ワーキンググループにご出席いただき、誠にありがとうございます。
本日は、構成員の皆様はオンラインによる開催とし、会場での傍聴は報道関係者のみとしております。その他の傍聴希望者は、傍聴用 Zoom ウェビナーから傍聴していただいております。また、議事録作成やご意見を賜った時のご意見の整理を事務局で正確に行うため、録画させていただくことをご承知おきください。
次に資料の確認をさせていただきます。議事次第、資料1、参考資料1の計3点を事前に送付しております。WEB会議の画面上で見えにくい時は、お手元の資料をご覧ください。
次に本日の委員の出欠状況についてご報告いたします。本日は、笠木構成員、利光構成員、渡邊構成員からご欠席のご連絡をいただいております。渡邊構成員については、代理として日本薬剤師会から田中様が出席いただいております。また、田宮構成員、橋本構成員から途中参加される旨のご連絡をいただいております。会議中ご発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、澤主査の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、ご発言ください。ご発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますよう、お願いいたします。事務局からは以上です。
それでは、澤主査、議事進行をよろしくお願いいたします。
 
  1. 議事

(1)電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について
【澤主査】 本日の議題は2つです。
(1)電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について
(2)その他
(1)は審議事項となっております。
まず議題1「電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について」として、資料1にて事務局から説明をお願いします。
【長嶺室長補佐】 資料1についてご説明いたします。
本日お話しさせていただく内容は、資料2頁記載の6点です。主に前回12月10日の第26回医療等情報利活用ワーキンググループでご報告したモデル事業の中身について、もう少し詳細をお伝えするとともに、それを踏まえて今後どのようなスケジュール感で進めていくかという内容になっています。
資料3頁をご覧ください。本日の内容についてです。前回の第26回医療等情報利活用ワーキンググループにおいて、令和8年度冬頃の運用開始に向け、モデル事業にて検証を進めていく旨をご報告したところです。前述のスケジュールで進めていくため、本日はモデル事業でどのような課題が明らかになっているか、また、それを踏まえ、どの情報からどのように対応していくかについて改善点を反映した対応方針(システム改修にかかる技術解説書の方向性等)をお示ししたいと思っています。本日は、特にご確認いただきたい事項について論点としてお示しし、ご意見をいただきたいと思っています。また、電子カルテ情報共有サービスを利用して電子カルテ情報の一部を共有するにあたり、共有される情報の考え方やシステムの利用方法など、利用する医療従事者向けの指針(仮)を今後お示しする必要もあるのではないかということで、本指針作成の進め方についてもご意見を賜りたいと思っています。最後に、本指針作成にあたり、これまでの本ワーキンググループでの議論に加え、モデル事業等で確認された課題を踏まえ、今後の情報登録、共有、閲覧にかかる方針を定めるにあたり、技術作業班で検討を進めたいと思っているため、この点についてもご報告したいと思います。
まず「モデル事業で明らかになった課題と対応案について」です。資料5頁をご覧ください。本年2月からスタートしたモデル事業は、臨床情報の登録から開始していることは前回もご報告したとおりです。臨床情報を登録するにあたり、大きく分けて3つのエラーが発生しています。一つ目は中央側の要因、つまり電子カルテ情報共有サービス側の要因、2つ目は資格関係の要因、そして3つ目がその他システム関連の要因です。米印で補足情報も載せていますが、大きく分けるとこれら3つの要因があります。要因①である、情報基盤側、電子カルテ情報共有サービス側の要因については、今年の夏までに概ね解消しました。要因②と③については引き続きエラーは発生していますが、ベンダーや医療機関によっては、ほぼ全てのエラーを解消したところもありますし、まだ一部エラーが残っているところもある状況です。エラーの要因となる技術的な課題の対応としては、技術解説書での解説やその他ドキュメント類への反映等を通して、他のベンダーの皆様への展開準備を進めているところです。一方、その他技術的な課題の他にも、医療機関での運用上の整理が必要な部分もあるので、本ワーキンググループにおいてご意見をいただきたいと考えています。資料5頁下部の臨床情報登録の実行件数とエラー率の推移を示したグラフの見方については、ピンクがエラー件数、青が成功件数で、その割合(エラー率)を示しているのが黄色の線です。7月29日から8月4日の期間でエラー率が急激に上がっています。これは、システムを改変する必要がある部分が生じ、システム更改を行ったため、少し外れ値のようになっています。その後エラー自体は順調に下がってきていますが、10月になって、新たな医療機関が参入したため、エラー率が少し上がっているという関係性になっています。
資料6頁をご覧ください。前回、モデル事業で確認されている課題の詳細をもう少し示してほしいとのご意見をいただいていたので、資格情報と文書情報について、どのようなエラーが発生しているかをお示ししているものです。まず一つ目、資格情報についてです。電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋管理サービスでは、被保険者証記号・番号・枝番を用いてデータ登録等を行っていただきます。一方、モデル事業では、枝番の情報がレセプトコンピュータの中にないことがままあり、一人ひとりを一意に特定できないため、電子カルテ情報共有サービスの中で情報がうまく紐づかないということが起きています。これについては、枝番までしっかりレセプトコンピュータの中に入れていただくという対応が必要である旨を、引き続き周知していく必要があります。次に、診療情報提供書の課題は、主に3点あります。1点目は、技術解説書どおりに実装すると、読みづらい診療情報提供書になってしまうという課題です。これについては後ほど少し触れさせていただきたいと思います。2点目は、診療情報提供書を書く時に、普段は「 A 病院に紹介状を書いておきますね」という形で進めていると思いますが、今まで黙示の同意により行っていたことをシステム側でわざわざ同意を取ることが難しいので、どのような方針で運用する必要があるかを丁寧に周知する必要があります。3点目は、今回の診療情報提供書の交換にあたり搭載している閲覧保留の仕組みが難しいとのご指摘があります。次に、退院時サマリーです。これも先ほどと同様、技術解説書どおりに実装すると読みづらくなってしまうという課題です。退院時サマリー独自の課題としては、診療情報提供書に添付しないと退院時サマリーの送付ができないことです。しかし、実際の現場運用では別途違うタイミングで送ることもあるため、方法としてどのような対応が必要かが課題になっています。健診情報については、主に同意取得に関する運用の検討が必要ですが、まだ文書情報の交換ができていないこともあり、検証が進んでいない領域となります。
資料7頁をご覧ください。ここからが対応案になります。特に退院時サマリーについて、診療情報提供書と別のタイミングで送付する場合、どのような対応を取るべきかについてお示ししています。
絵でご説明するほうがわかりやすいため、資料8頁をご覧ください。簡単に申し上げると、診療情報提供書そのものの登録ではなく、どの診療情報提供書に紐づく退院時サマリーなのかを明らかにする必要があるため、頭紙程度の診療情報提供書をシステムで自動作成し、退院時サマリーを添付して送っていただくことにより、診療情報提供書と異なるタイミングでも送付できるようにすることを考えています。
資料9頁は同じような内容ですので、割愛させていただきます。
資料10頁をご覧ください。次は臨床情報側の課題について情報ごとにご説明いたします。傷病名については、共有すべき病名の定義についてもう少し合意形成が必要なのではないかということです。検査については、検査項目の単位を統一する方針が医療現場に負担となっていることや、医療機関で採用している検査試薬等に対応する JLAC11 コードをもう少し整備する必要があることです。感染症については、医療機関での患者への説明タイミングを踏まえた登録方法・運用方法について調整が必要です。処方については、前回第26回ワーキンググループの方針としてお示ししているので割愛させていただきます。薬剤アレルギーについては、消失したアレルギーであっても、登録した医療機関以外の、他の医療機関が後から消すことができないため、どのように運用していくのか、また、重症度や確認状況の登録指針についてもう少し合意形成する必要があるのではないか、ということが課題となっています。
資料11頁をご覧ください。対応案として今回お示しできる部分についてです。まず検査項目の単位の取扱いです。今申し上げたとおり、43+5項目については電子カルテ情報共有サービスで指定された単位に統一して登録していただきたいということを今までの方針としていますが、モデル事業の中でも、統一することが難しい検査など、医療現場で対応が難しい現状が見えてきています。一方で、患者がマイナポータル等で情報を閲覧する際に単位が統一されていないと理解しづらいのではないかとのご指摘もあります。当面の対応策としては、電子カルテから登録する検査結果値の単位については、医療機関ごとに取り扱っている単位で登録をしていただこうと考えています。ただ、並行して、特にマイナポータルで検査情報を提供する場合の単位のあり方について、引き続き検討を進めていきたいと考えています。
資料12頁と13頁は、単位を統一して表示した場合と、単位を統一しなかった場合の表示イメージをお示ししていますので、後ほどご参考までにご確認いただければと思います。
資料14頁以降は「情報ごとの今後の進め方について」です。
資料15頁をご覧ください。それぞれの情報について、いつ、どのタイミングで何をするかをお示ししています。資格情報については、先ほどお伝えしたとおり、枝番を含む医療保険の被保険者番号を電子カルテ情報共有サービスで適切に活用できるよう、対応について周知等を事務局でも進めていきたいと思っています。
文書情報については、診療情報提供書の「見やすさ」に配慮した技術解説書に修正していく予定です。詳細は、12月以降に出させていただく技術解説書でお示しする予定です。同意取得などの運用方法については、モデル事業での指摘を踏まえた対応や、各病院での適切な周知方法を検討していきたいと思っています。閲覧保留については、文書情報の検証を進めながら、引き続きモデル事業で検証を行い、対応方法を検討していきたいと思っています。退院時サマリーについては、診療情報提供書への添付と、頭紙を作ることによっての単独送付のどちらもできることとする、ということで、今回の技術解説書に掲載したいと思っています。健診については引き続き検証を進めていきます。臨床情報について、検査の単位の統一方法は引き続き検討していきますが、今回の技術解説書の中では、各医療機関が採用している単位でお送りくださいということで、少し書き換えていきたいと思っています。傷病名、感染症、薬剤アレルギー、その他アレルギーについては、この後ご相談する技術作業班で、引き続き合意形成が必要となる論点についてお示しし、議論を進め、来年度以降の技術解説書に載せることを考えています。
今回お示しする「技術解説書の主な変更点について」は、資料17頁以降でご説明します。まず、診療情報提供書・退院時サマリーが読みづらい点です。具体的には、資料17頁左側のイメージになるということです。普段の診療情報提供書では、例えば傷病名が3つあれば、3つ縦に並ぶ状態となりますが、医療機関間で通常あまりやりとりしない情報まで掲載されるため、この示し方を技術解説書で修正しています。右側の診療情報提供書で医療機関間がやりとりできるイメージをお伝えすることになります。
傷病名を登録するにあたって、レセプト請求や情報登録をする際には、資料18頁左側のように病名を登録する場所があるかと思います。今後は右側のようにリストから選ぶとその傷病名だけが選ばれる、もしリストになければ自由記載でも入力できる形に、技術解説書を少し詳細化して、分かりやすくしていくことを考えています。
資料19頁をご覧ください。退院時サマリーを違うタイミングで送ることについても、先ほどお示ししたとおり、新しい技術解説書で少し運用方法をお示ししています。
資料20頁をご覧ください。処方情報についてです。第26回のワーキンググループにおいて、処方情報は電子カルテ情報共有サービスではなく、電子処方箋管理サービスで登録された情報を活用していくことをお示しさせていただいています。今回の技術解説書に処方情報関連で直接的な修正点はないものの、電子カルテ情報共有サービス側の情報表示に変更が入る予定のため、右側にお示しさせていただいた臨床情報の帳票イメージが少し変わるかと思います。内容が確定したら、技術解説書に掲載させていただきたいと思います。
資料22頁をご覧ください。医療従事者向け利用指針(仮)についてです。この後ご説明する技術作業班で議論していく内容として、病名等、幾つか情報があります。この辺りの情報について整理ができてきたら、医療機関あるいはシステムベンダ向けの実装ガイド等は今まで作成されていますが、情報登録にあたっての共有情報の考え方など、医療従事者の皆様向けの指針は十分作成されていないため、定義等が把握しづらい状況なのではないかということで、指針を作成することを考えています。資料22頁下の対応案の2点目について、利用指針には、例えば共有情報の定義や考え方、また情報を登録する際の電子カルテ上の操作について、ここをクリックしないと情報共有されないといった内容が必要であれば入れていきたいと考えています。
今後の技術作業班についてお示ししているのが、資料24頁です。これまでの技術作業班の位置づけ・検討内容については、電子カルテ情報共有サービスのシステム構築にあたり、医療従事者目線で議論が必要な部分について、主に検討する場として位置づけてきたところです。これまで、記載の4点について議論をしてきました。今後の方針については、現時点で、令和7年2月から開始したモデル事業における課題として、先ほどお示しした傷病名、検査・感染症、アレルギー情報について、これまで整理されている情報も活用しながら議論を進めたいと思っています。テーマに応じて必要な委員の方々を事務局でも検討させていただき、協力を求めることとしてはどうかと考えています。
最後に、これら全てを含め、今後のスケジュール感をお示ししているのが、資料26頁です。技術解説書の改訂、モデル医療機関における電子カルテの改修、整理事項に関する技術作業班、これら3つの検討を踏まえ、今後は以下のスケジュールで進めることとしてはどうかと考えています。資料26頁下のスケジュールにお示ししているとおり本日の議論を踏まえ、技術解説書2.0.0版を出させていただきます。これについては下の「新たなモデル医療機関」の黄色の矢印で「(改修を必要とする検証事項)技術解説書2.0.0版に伴う電子カルテ改修」と書いていますが、モデル医療機関の皆様にまずは2.0.0版についてご対応いただき、検証を進めたいと考えています。並行して情報閲覧、文書情報のやりとりなど、改修が不要な検証事項については、技術解説書に則った改修をせずとも、引き続き検証を進めていきたいと考えています。並行して、年明けから病名やアレルギー情報について技術作業班で検討することが、上の「国・支払基金」の真ん中の緑の矢印になります。技術作業班での検討を進め、ある程度方針が定まったところから医療従事者向け利用指針(仮)を作成する、また、決定事項に基づいて改めて要件定義や技術解説書を改版させていただき、令和8年度の冬頃に技術解説書3.0版と全国的な運用開始を目指す、ということをお示ししています。
お時間をいただきましたが、資料1のご説明は以上となります。
【澤主査】 それでは今のご説明について、ご意見、コメント等、ございますか。事務局からの回答は、ある程度まとめてご回答いただくようにお願いします。山口構成員、お願いします。
《意見交換》
【山口構成員】 事前に説明をいただいた時に、診療情報提供書について、例えば移転などで次にどこに行くかが決まっていない場合、暫定的にどこかの医療機関で閲覧保留にしておいて、後でしっかり決まってから連絡するというやり方をご説明いただきましたが、今の説明や資料からは、それが落ちています。そういった方法はできなくなったのか、それとも別の方法になったのか、理由を教えていただきたいと思います。その上でまた意見を述べることができればと思っています。お答え次第なので、ご回答をいただいた後に、もう一度発言したいと思います。
【澤主査】 では次に長島構成員、お願いします。
【長島構成員】 まず全体的な考え方として、電子カルテ情報共有サービスは、単独でやるべきものではなく、電子カルテの標準化、標準型電子カルテあるいは電子処方箋管理サービスと一体的に進めてもらわなければいけないと考えています。電子カルテ情報共有サービスと連携するために、全国に何百とある電子カルテが個々に対応するのは極めて大変なことで、非現実的です。まさに今進めている標準型電子カルテあるいは電子カルテの標準仕様を決める中で、どうすれば電子カルテ情報共有サービスにしっかりと連携できるのかが最も重要です。その観点からモデル事業のこれまでの成果をきちんと丁寧に検証し、標準化にしっかり反映させていくこと、あるいは今進んでいる標準化の考えを、電子カルテ情報共有サービスの指針や考え方にしっかり反映させていくことが、極めて重要だと思っています。特に最初に提供される予定の標準型電子カルテの導入版は、例えば紙カルテなどを使っていたとしても利用可能な、医療情報が共有できるようなアプリだと聞いていますが、これがしっかり使うことができれば既存の電子カルテでも電子カルテ情報共有サービスにつなぐことが可能になると望ましいと思っています。
もう一つは、全国で300以上あると言われている地域医療情報連携ネットワークがありますが、現在3文書6情報だけではなく、それを大幅に上回る豊富な情報の連携が既にできています。いわば県道や市町村道がしっかりできているということです。これが、この電子カルテ情報共有サービスという、いわば国道につながると、今まであるインフラをそのまま活用できて有効かと思います。したがって、今後検証を行う上では、地域医療情報連携ネットワークと連携してどう活用できるかという視点も非常に重要だと思っています。そのような形で、まず一体的にしっかり進めていただきたいと思います。
また情報としては、レセプトコンピュータからの情報もおそらく非常に役に立つということで、こちらも今進んでいる共通算定モジュール、あるいは標準型レセプトコンピュータとも一体的に進めていくべきだと思います。
さらに、現在は今までのモデル事業を検証する段階だと思います。丁寧に検証を行って課題を明確にし、方向性を明らかにした上で、次の新しいモデル事業を行うべきです。したがって現在は、様々な仕様や指針を決める場合にも、先走って細かいことを決めるのではなく、基本的な考え方や方針だけをまず決めて、細かいことはその後丁寧に決めていくべきだと考えています。私からは以上です。
【澤主査】 続きまして、武田構成員、お願いします。
【武田構成員】 技術作業班で利用者向けの指針を作るのは、非常に良い方針だと思います。電子カルテ情報共有サービスは、情報を共有することによって医療安全上貢献するところと、逆に医療安全上の新たなリスクになるところがあります。必要に応じてとありましたが、ぜひ積極的に技術作業班に医療安全に関わる方を入れて、議論していただきたいと思います。
もう一つは、その議論に患者を加えることを考えていただきたいと思っています。電子カルテ情報共有サービスで、マイナポータルから患者自身もデータを見ることができます。検査結果の単位がそろっていないことは、医療機関側からするとよくある話でしょうが、患者に大きな誤解を生み、間違った理解につながる可能性もあると思います。チャレンジングなところがあると思いますが、このようなサービスは患者目線から逃れることはできないので、ぜひ患者の議論への参画についてもご検討いただきたいと思います。
また、診療情報提供書で必要な情報を出していくという形でしたが、出元の医療機関がどのような情報を自分たちが公開しているのか、ブラックボックス化することだけは良くないと思います。紹介状を書く側の医療機関が、自分たちがどのような情報を公開できているか、しっかり把握できるように仕組みを作っていただきたいと思います。以上です。
【澤主査】 続きまして、田中構成員代理、お願いします。
【田中様(渡邊構成員代理)】 現段階で文書送信システムは、診療情報提供書を送信するシステムしかなく、退院時サマリーを単独で送付できないシステムになっています。今回、自動生成される診療情報提供書を頭紙として対応するということになっていますが、3文書6情報を送ることが最終目的ではありませんので、やはり将来的な発展や目指す姿で行っていただけると幸いです。この先、本当にスムーズに事が運ぶようにしていただきたいというお願いになります。
また、資料15頁に文書情報・臨床情報の今後の対応方針が示されており、現場で重要なデータに関しては技術作業班での検討がされていますが、今まであったはずの技術作業班の開催自体がどうなっているのかと思うところがあります。せっかく設置した技術作業班ですので、これまでの人員を有効に、そしてその都度必要な方々に助けを求めてプラスしていくような形で進めていただけたらと思います。
続いて、処方について、前回のワーキンググループで決まったということになっていますが、電子処方箋管理サービスに登録しない医療機関における処方情報の活用のために、電子カルテ情報共有サービスにおける診療情報提供等の情報を活用することになり、コードの問題等もあって停止になったと認識しています。それぞれの項目で取り急ぎの対応が必要だと思いますが、今後、幅広い有効活用を見据えたシステムの構築という観点においては、この辺りも改修が必要になっていくのかということを継続して検討していただきたいと思っています。
さらに、電子カルテ情報共有サービス自体は、医療機関同士の連携はもちろん、最終的には医療機関と薬局の連携も期待されています。現在分かっている問題については技術作業班でしっかり検討し、解決していただき、医療機関と薬局の連携に関する議論も始めていただけたらと思っています。
最後に、電子での情報連携が今後主流になっていくと思われますが、患者自身のリテラシー等いろいろありますが、電子処方箋管理サービスと同じように、できるところからやっていくこと、全体が動くのではなく、一部から動きだす形でも進めていかないと、前に進まない状況に技術作業班等もなっているのではないかと思います。その辺りの検討もよろしくお願いします。私からは以上です。
【澤主査】 一旦こちらで事務局から回答します。
【新畑室長】 山口構成員からいただいた診療情報提供書の閲覧保留の取扱いの件について、山口構成員がおっしゃった、以前ワーキンググループでもご説明させていただいた運用については、かなり複雑であり、今のやり方は難しいのではないか、とのご意見もいただいています。一方で、移転した場合や宛先を変える場合の取扱いは、閲覧保留の機能自体をどのように活用できるのかも含め、引き続きモデル事業での検証を行い、対応方法について検討したいと考えており、資料15頁の診療情報提供書の部分で記載しています。一旦これで回答させていただき、ご質問等があれば、よろしくお願いします。
長島構成員からいただいた、電子カルテの標準仕様や電子処方箋管理サービスの取組を一体的に行っていくことについて、本当にそうしていくべきだと思っていますし、7月1日の「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チームでも、そのような方向性をご提示しているところです。前回のワーキンググループでも、電子カルテ情報共有サービスの接続のインターフェースについては、電子カルテの標準仕様の中に組み込まれていくとお伝えしていたところです。電子カルテ情報共有サービスの検討が電子カルテの標準仕様にもつながっていくことは、一体的に整合性をもってご説明できるように、事務局としても努力していきたいと思っています。
また地域医療情報連携ネットワークとの整合性といいますか、どのように連携できるかについては、現在、地域医療情報連携ネットワークに関する調査事業も行っています。調査結果の取りまとめを踏まえた検討や、現状のモデル地域においても地域医療情報連携ネットワークを使っている地域もありますので、地域の皆様のご意見をいただきながら引き続き検討していきたいと思います。今後のモデル事業についても丁寧な検証をしながら進めていくいうことは、ご認識のとおりと考えています。大きなルールを決めなければいけないところもありますし、ルールの粒度をどの段階でどのように決めていくかも意識しながら、丁寧に進めていきたいと考えています。
武田構成員からいただいた、技術作業班のメンバーについては、様々な議題を取り扱うことを想定しており、必要に応じてご参画いただくメンバーを検討していきたいと思っています。診療情報提供書等で医療機関がどのような情報を公開しているか分かるように、ということについて、まさに今回の検討の中で、少し技術的な話になりますが、診療情報提供書にどのような情報を書いて、どのような情報が医療機関に共有されていくのかが分かる仕様にしていく予定ですので、いただいたご意見を踏まえながら進めていきたいと思っています。
田中様からは、将来の展望や薬局との連携、あるいは一部でも動かしていくべきではないか、というご指摘をいただいたと思っています。今回の診療情報提供書の頭紙の取扱いは、様々な情報を共有できるようになっていく可能性もありますし、もちろん将来的な拡張も踏まえて、このような検討結果といいますか、やり方を提示させていただいています。先ほどのモデル事業の検証を丁寧に進めていくことにも関連しますが、どのようなところに課題があるのかということと解決できる方策を整理しながら、事務局としても進められるところを進めていきたいと考えています。
一旦ご質問に関しては以上になります。
【澤主査】 ご意見、コメント等を続けていきます。小野寺構成員、お願いします。
【小野寺構成員】 日本歯科医師会の小野寺です。私ども歯科の事情を少し話さなければいけませんが、現在、電子カルテ情報共有サービスについては、電子カルテにどのような項目を挙げるか、まだ検討中です。来年には大体の方針が決まり、再来年にはアルファ版が出て、その次の年に本格運用になると今のところ聞いています。そういう意味では、我々は医科の状況を見ながら進めているところです。今まで処方情報については退院時サマリーや診療情報提供書から持ってくるという話でしたが、本日午前中の内部会議で電子処方箋管理サービスから持ってくることになったという話をしたら、知らなかった等の反応がありましたので、これから大変になると思っています。
先ほども電子処方箋管理サービスと電子カルテ情報共有サービスは一体化して進めるという話がありましたが、歯科の場合、それは3~4年後になるため、難しいということになります。歯科の場合は院内処方が7割程度で、院外処方は2~3割です。また日本歯科医師会はHPKI カードの認証局を持っておらず、歯科医師は2万7,000円程度の費用がかかるため、電子処方箋管理サービスを導入する歯科医療機関が少ないという現状があります。一方、我々歯科の院内処方情報についても、できるだけ医科とも情報共有しなければいけないということもあるので、電子処方箋管理サービスを導入しやすい環境づくりは、ぜひお願いしたいと思っています。以上です。
【澤主査】 続いて田河オブザーバー、お願いします。
【田河オブザーバー】 健保連の田河です。意見と質問があります。まず意見について、資料15頁に示されている今後の対応方針案に異論はありませんが、健診情報については、記載のとおり、文書情報のモデル事業が開始次第、できるだけ早く確認をお願いしたいと思っています。また、この対応方針に取り組むのが先決であると思いますが、患者の立場からは、任意の取組となっている患者サマリーについても、標準的なものは検討してもよいのではないかと考えています。
あとは質問といいますか、確認ですが、資料11頁に「当分の間、電子カルテから登録する検査結果値の単位については、医療機関ごとに取り扱っている単位で登録することとする」とあります。健診については、健診マスタに設定されている単位で登録される仕組みだと思うので、単位についてばらつきはあまり出ないのではないかと考えていますが、よろしいでしょうか。特に健診については国民が見る資料なので、分かりやすい形が大事だと考えています。以上です。
【澤主査】 山口構成員、お願いします。
【山口構成員】 診療情報提供書について、先ほどのご回答を踏まえて発言したいと思います。私たちが電話相談を受けている中で、「紹介状を書いてくださいとお願いしても、書かない、書けないと言われた」という相談が多くあります。その理由の一つとして、診療報酬点数の要件として、1か月に1回、1医療機関につき診療情報提供料が請求できるということになっていて、どこの病院なのかという宛先が決まっていない場合、診療報酬が請求できないため書けないと言われているようです。私が資料から落ちたと言ったのは、暫定的に病院名を伝えて、後から決まったら伝えるという方法であったとしても、診療情報提供料は請求できないと聞いています。そもそも請求できないのであれば、閲覧保留という機能を使わない可能性もあると思うので、その問題もあわせて考えないといけないのではないかと思っています。先ほど出てきた移転の場合では、すぐに決めることもできないので、患者が困った状況にならないように配慮して考えていただきたいと思います。そこを少しお伝えしておきたいと思いました。以上です。
【澤主査】 続いて高倉構成員、お願いします。
【高倉構成員】 今の山口構成員の話に近いところがありますが、資料5頁に、エラー率が徐々に下がっているグラフが出ていたと思います。全般的には下がっていることが分かる一方で、いろいろな運用上の問題がありエラー率が下がらなくなってきているとのご説明もあったかと思います。本来であれば徐々に慣れてきてエラーは下がるはずが、手元の資料を見ると10~20%のエラー率を維持していて、実際の医療現場での運用とモデル事業で想定している仕事の流れに、どこか齟齬があるのではないかと気にしています。
また、資料26頁のスケジュールを見ると、あと半年ほどかけて技術作業班でモデル事業の見直しをかけていくとのご説明があったと思います。先ほど、診療報酬請求の観点から紹介状が書けないという話もありましたが、実際の医療現場の仕事の流れと今回想定しているモデル事業の流れに、どこか齟齬があるとしたら、早めにその問題はつぶしておいていただきたいと思います。今日のご説明を伺っていても、最後は仕方がないので運用で逃げるという説明に聞こえなくもなかった部分があります。もちろんそれは最後の手段として残すのはありだと思いますが、最初から「最後は運用で逃げるから大丈夫でしょう」という安易な設計でやっていくと、本番運用の時に、動かない、使えないということが連発すると危惧しています。以上です。
【澤主査】 続いて小尾構成員、お願いします。
【小尾構成員】 一点確認したいのですが、モデル事業で課題となっていた資格情報の部分についてです。資格情報の整合性が取れないことで登録ができなかった事例が出ているようです。枝番がなくて登録できないということですが、一方で、オンライン資格確認等システムとの連携が十分取れていないとすると、仮に電子カルテに誤った番号が入っていた場合に、誤った形で登録されることはないのでしょうか。技術解説書を見ると、 identifier だけで患者を特定しているように見えます。例えば4情報の照合なども行わないと、仮に番号が間違っていた時に、他人の情報に紐づいてしまうことが起きるのではないかと思っています。この部分を確認させてください。
【澤主査】 では事務局、お願いします。
【新畑室長】 小野寺構成員からいただいた点について、歯科医療機関での電子カルテ情報共有サービスの導入に向けて検討を進めているところです。医科とは異なる状況や背景も加味しながら、取組を進めていきたいと思います。既に電子処方箋管理サービスについても院内処方サービスは徐々に始めているところなので、その取組も並行して進めながら、歯科の電子カルテ情報共有サービスについても今後検討していきたいと思っています。
田河オブザーバーからいただいたご意見は、そのように認識しています。健診情報についても、できるだけ早く検証できるように進めていきたいと思っています。患者サマリーについては任意実装になっていますので、一旦モデル事業の枠から外していますが、患者サマリーを今後導入していけるように引き続き検討を進めていきます。また、ご質問いただいた健診の単位について、今回お話しした医療機関で単位を統一できるのか、ここで統一して登録していくのかは、これまでお示ししていた43項目と感染症5項目の関係であり、健診については先ほど田河オブザーバーがおっしゃっていただいたとおり、健診マスタで既に単位が定められているので、それを登録いただくということで、ご理解のとおりだと考えています。
山口構成員からいただいた、診療情報提供書の今までの運用については、様々なやり方があると思っています。一方で、電子カルテ情報共有サービスで、医療機関に送ることを考えた時に、電子的に送ることになりますので、基本的に宛先が必要になります。宛先がないものを電子的に送ることは難しいので、その取扱いについては別途検討する必要があるかと思います。また、閲覧保留の機能について、移転のところで、一回送ったものを、異なる医療機関に行きたいとなった時にどのように次の医療機関に送るのか、そのような運用も、この機能等も踏まえながら引き続き検討していく必要がありますので、様々な利用シーンを想定しながら検討を進めていきたいと思っています。
高倉構成員からは、システムで対応する部分と運用のところを、運用に寄せすぎないように、というご意見をいただいたと思っています。事務局としてもモデル事業を進めながら、どうしても運用で対応していく部分は残っていくと思いますが、システムで対応していく部分とのバランスについては丁寧に検証しながら検討していきたいと考えています。
最後に、小尾構成員からいただいた identifier の部分について、生年月日等の他の情報とも照合しながら登録は確認していますので、 identifier の番号だけで確認しているわけでないことは、ご認識いただければと思います。一方でレセプトコンピュータと電子カルテの連携で、枝番付きの被保険者番号は連携ができないと登録が難しいサービスなので、そういった連携は円滑に進めていただけるよう、医療機関の皆様にも今後対応方針を相談しながら進めていきたいと考えています。以上です。
【澤主査】 それではその他に、ご意見、コメント等、ございますか。本日は、項目数が多いですが、こちらの一つの審議事項となっています。それでは、こちらの施策を進めることにご承認をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ご承認をいただけたものとします。

(2)その他
【澤主査】 以上で本日の議題は終了となりますが、最後にその他、また全体を通して何かご意見等ございますか。長島構成員、お願いします。
【長島構成員】 資料26頁に「今後のスケジュール(案)」があります。医療DX全体の工程表もありますが、やはり実際にいろいろなことをやってみると、医療現場には多様性があり、解決すべき課題がたくさん出てくると思いますので、一歩ずつ着実に進めていくことが極めて重要です。スケジュールは当然重要ですが、スケジュールありき、工程表ありきで拙速に進めることは、絶対にあってはなりません。これは何よりも国民のためになりませんし、かえって遅くなりますので、しっかりと丁寧に進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【新畑室長】 おっしゃるとおり、スケジュールありきではなく、丁寧に検証しながら、国民や医療機関の皆様に利活用いただけるシステムにしていきたいと思います。ありがとうございます。
【澤主査】 他にございますか。田中構成員代理、お願いします。
【田中様(渡邊構成員代理)】 技術作業班は半年足らずでやっていく想定ですので、やはりタイトなスケジュールで進んでいくのではないかと思っています。技術作業班に、本当に現場を知っている人をできるだけ入れていただきたいと思いますので、そのような人選をしていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
【澤主査】 ご意見ありがとうございます。それでは議事は以上となります。事務局にお返しします。
【長嶺室長補佐】 本日も活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。本日の議事録については、作成次第ご発言者の皆様に確認いただき、その後公開させていただきます。よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。


  1. 閉会
【長嶺室長補佐】 本日も誠にありがとうございました。本日はこれで閉会とします。活発なご議論をありがとうございました。