2025年12月10日 第26回 健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用WG 議事録

日時

令和7年12月10日(水)14:00~16:00

場所

WEB会議
AP虎ノ門 Aルーム(事務局、報道関係者のみ)

出席者

構成員(五十音順、敬称略)
オブザーバー(五十音順、敬称略)

議題

(1) 電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について
(2) 電子カルテの普及について
(3) その他

議事

議事内容
  1. 開会
【長嶺室長補佐】 事務局です。定刻になりましたので、ただいまより「第26回健康・医療・介護情報利活用検討会 医療等情報利活用ワーキンググループ」を開催します。皆様におかれましては、ご多用のところ本ワーキンググループにご出席いただき、誠にありがとうございます。
本日は、構成員の皆様はオンラインによる開催としております。会場での傍聴は報道関係者のみとしております。その他の傍聴希望者は、傍聴用Zoomウェビナーから傍聴していただいております。また、議事録作成やご意見を賜った時のご意見等の整理を事務局で正確に行うため、録画させていただくことをご承知おきください。
次に資料の確認をさせていただきます。議事次第、資料1、資料2、参考資料1の計4点を事前に送付しております。WEB会議の画面上で見えにくい時は、お手元の当該資料をご覧ください。もしお手元にない場合は、メッセージ等でご連絡いただけますと幸いです。
次に本日の委員の出欠状況についてご報告いたします。本日は、高倉構成員がご欠席、長島構成員と近藤構成員が遅れてのご参加、笠木構成員が途中退席される旨のご連絡をいただいております。会議中ご発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、澤主査の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、ご発言ください。ご発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますよう、お願いします。事務局からは以上です。
それでは、澤主査、議事進行をよろしくお願いします。
 
  1. 議事

(1)電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について
【澤主査】 本日の議題は3つです。
(1)電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について
(2)電子カルテの普及について
(3)その他
(1)は審議事項、(2)は報告事項です。
まず議題1「電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について」、資料1にて事務局から説明をお願いします。
【長嶺室長補佐】 事務局です。資料1をご確認ください。「電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について」ですが、1頁おめくりいただき、2頁が本日ご説明する内容です。まず、現在行っているモデル事業に関する進捗報告、また、それに基づく今後の進め方、最後に3文書6情報のうち処方情報について、少し方針の変更があるため、ご説明したいと思います。
5頁をご確認ください。令和7年2月からモデル事業を開始しています。2月の時点で開始できていたのは愛知県の藤田医科大学周辺の病院だけでしたが、令和7年12月8日時点で青字の9地域22医療機関でモデル事業を開始しています。
6頁をご確認ください。このモデル事業を進める中で、主な課題として以下のことを確認しています。まず一つ目として、現在、臨床情報(6情報)と文書情報(3文書)について、臨床情報と文書情報では検証項目が異なるため、令和7年2月のモデル事業開始後、先に臨床情報の登録から検証を開始しています。2点目として、医療機関や電子カルテによって違いはあるものの、臨床情報の登録に当たって課題が複数発生しており、その原因特定と解決が必要な状況になっています。2月以降、検証作業を鋭意進め、令和7年夏頃をピークに登録に関する課題は減少傾向にあります。3点目として、今後、情報を登録する医療機関と閲覧する医療機関の両者の改修を行った地域から、閲覧の検証も開始予定です。登録、閲覧双方について課題の把握・解消を図るとともに、医療現場の運用フローの検証も必要となる見込みです。4点目として、文書情報についても、今後、臨床情報の検証と並行して検証準備ができた地域から実証を行う予定で、現在準備を進めています。
こうした状況を踏まえ、今後の進め方について、8頁をご確認ください。1点目と2点目は先ほどの内容と重複していますので、まず3点目をご覧ください。今申し上げた現在のモデル事業で確認されている課題に対して、検証をする必要があるということで、再度この検証を経て、致命的な課題がないことを確認の上、3文書6情報のうち臨床現場で支障なく運用が可能な文書・情報から、来年度の冬頃をめどに全国で利用可能な状態にすることを目指したい、ということをお示ししています。
次に、処方情報について、ご説明します。10頁をご確認ください。処方情報の取扱いについて、これまで処方情報については、電子カルテ情報共有サービスにおける検討と、電子処方箋管理サービスにおける検討が並行して進んできました。令和5年5月24日の本ワーキンググループにおいて、6情報のうち処方情報については、電子カルテ情報共有サービスに登録された診療情報提供書又は退院時サマリーに含まれる処方情報を抽出してオンライン資格確認等システムに保存する、と方針が定まったと認識しています。一方、10頁下の図をご覧いただくと、それ以外の院外処方箋については、下の青の矢印の「電子処方箋管理サービス」でこれまでは取り扱っていましたが、院内処方分についても徐々に電子処方箋管理サービスでカバーするようになってきたのが現状です。
11頁をご確認ください。こうした背景を踏まえ、診療情報提供書で共有しようと考えていた処方情報についても、電子処方箋管理サービスで網羅的にカバーできることになったということが一つ。もう一つは、上に小さい字で書いていますが、コードの問題もあります。電子処方箋管理サービスでは今あるほぼ全ての薬剤について、コード管理ができる状況ですが、電子カルテ情報共有サービス側の処方情報のコードについては、全て網羅的にカバーできる状況にはなっていません。重なっている部分も多いので、一番下の「対応案」に記載のとおり、処方情報については、電子カルテ情報共有サービスにおける診療情報提供書からの抽出は行わないこととし、電子処方箋管理サービスに登録された情報とする、という取扱いにさせていただきたいと考えています。
資料1の説明は以上です。
【澤主査】 それでは今のご説明について、ご意見、コメント等ございますか。事務局からの回答については、ある程度まとめてご回答いただくようにお願いします。武田構成員、お願いします。
《意見交換》
【武田構成員】 方針としては良いのではないかと思いますが、コメントといいますか、お願いです。電子カルテ情報共有サービスは、モデル事業で電子カルテの改修などが入り、遅れているとのことですが、全国で運用開始した時に、また各医療機関で同じような改修が入ることがないように、一緒に対応してくれている電子カルテメーカーと協力し、モデル事業での改修で全国の医療機関がこのサービスを導入できるよう、ご配慮いただきながら進めていただけると幸いです。以上です。
【澤主査】 次に渡邊構成員、お願いします。
【渡邊構成員】 少し確認をさせていただきたく手を挙げました。3の処方情報についてです。電子処方箋管理サービスが先に走り始め、後から電子カルテ情報共有サービスが始まるに当たり、電子処方箋管理サービスを導入していない医療機関に関しては処方情報を電子処方箋管理サービスから抽出できないので、電子カルテ情報共有サービスから処方情報を活用するという話が、このワーキンググループで出たと記憶しています。その際に、別にデータが生成される部分で問題はないのか、という話をさせていただいたかと思います。今回、コード等の問題の中で、電子カルテ情報共有サービスから処方情報は抽出せず、電子処方箋管理サービスに登録された情報だけに戻す、という認識で間違いないでしょうか。その場合、電子処方箋管理サービスをまだ登録していない医療機関は、処方情報を抽出するすべがないため、今後、電子処方箋管理サービスを登録している医療機関のみ処方情報を抽出できる状況になる、と考えて間違いないでしょうか。確認です。
【澤主査】 次に山口構成員、お願いします。
【山口構成員】 今モデル事業が22医療機関に広がったというご説明がありましたが、モデル事業を行っている医療機関の患者に対して、どのような説明が行われているのか、また、22医療機関で共通した説明になっているのかを確認したいと思います。よろしくお願いします。
【澤主査】 印南構成員、お願いします。
【印南構成員】 処方情報はYJコードと一般名コード、さらにGS1コードの3つで付されると聞きましたが、医療機関はよく分かっていても、患者から見てそれぞれ違ったりすると、混乱が生じるのではないかと危惧します。山口構成員がおっしゃった、患者に対する説明にも絡みますが、患者には違いも含めてよく分かるように説明が必要ではないかと思います。その辺りはどうなっているかという質問です。以上です。
【澤主査】 事務局から回答させていただきます。
【新畑室長】 ご質問いただき、ありがとうございます。医療情報室長です。
武田構成員から、医療機関において電子カルテの改修の負担がかからないように、とのご指摘をいただきましたが、今後の具体的なスケジュールについては、次回以降のワーキンググループで示していきたいと思っています。過度な負担がかからないように配慮しながらスケジュールを組んでいきたいと思っています。
渡邊構成員からありました、電子処方箋管理サービスとの関係について、現在厚生労働省としても、電子処方箋管理サービスと電子カルテ情報共有サービスを一体的に推進していくことを考えています。電子処方箋の普及も進めていきますので、医療機関においても電子処方箋管理サービスから処方情報をご登録いただく、という認識で進めていくことを考えています。
山口構成員と印南構成員からありました、患者への説明の状況について、個々の医療機関における説明の方法については、詳細まで把握できていませんが、医療機関ごとの運用の中で説明がされていると認識しています。一方で、我々も技術解説書等の中で電子カルテ情報共有サービスの根幹となる運用方法についてご提示していますので、そちらは共通してご説明いただいているのではないかと考えています。以上となります。
【澤主査】 それでは続いて田宮構成員、お願いします。
【田宮構成員】 今回、モデル事業の進捗ということで全体像を拝見した中で、患者へのご説明にも関わりますが、最終的に国民が自宅等からマイナポータルで見る時のための準備も、モデル事業で一緒に進めていただかないと、運用する時にいろいろ課題が生じるのではないかということは、前から議論になっていたと思います。家族が代理で見られるか、高齢者で認知機能が低下した場合にどうするのか。また、いわゆるレセプト病名など患者に見せたくない病名については、医者がチェックをするということだったと思います。来年施行ということですので、その辺りも併せて慎重に準備していただきたいと思います。進行状況も伺えれば幸いです。
【澤主査】 続いて小野寺構成員、お願いします。
【小野寺構成員】 処方情報については今後診療情報提供書からの抽出は行わないとありますが、退院時サマリーに含まれる処方情報については引き続き抽出されると理解してよいかというのが、まず一点です。もう一点は、以前も話が出たと思いますが、患者に知られたくない処方やレセプト病名についてはフラグを立てて患者には知らせないようにする、ということだったと記憶しています。それについては、この過程の中でどのような取扱いになるのか、教えていただけませんか。以上です。
【澤主査】 続いて田河オブザーバー、お願いします。
【田河オブザーバー】 要望が一点あります。6頁の4つ目に「文書情報についても、今後臨床情報の検証と並行して検証準備ができた地域から実証を行う予定で準備を進めている」と記述があります。文書情報の検証はまだ開始されていませんが、医療法も改正されたところであり、文書情報に含まれる健診結果報告書については、保険者としても期待している機能です。文書情報の実証もできるだけ早く行っていただき、実際に役立つシステムを構成していただくようお願いします。以上です。
【澤主査】 続いて山口構成員、お願いします。
【山口構成員】 先ほどご回答いただきましたが、患者への説明については各医療機関に任せている、というニュアンスのお話だったと思います。医療機関任せであると患者の理解に差が生じる可能性もあると思いますので、どのような説明をされているのか、ぜひ医療機関に確認していただきたいと思いますが、それは可能でしょうか。
【澤主査】 続いて渡邊構成員、お願いします。
【渡邊構成員】 私も先ほどご回答いただいた部分の再質問で申し訳ありませんが、電子処方箋管理サービスのシステムを導入していない医療機関からは処方情報が登録できない状況になる、という認識で間違いありませんか。再確認です。
【澤主査】 ここで事務局から回答をお願いします。
【新畑室長】 ご質問いただき、ありがとうございます。田宮構成員からありました現在の進捗状況について、文書・情報登録のところでも課題が生じており、どのような情報を患者に見せていくかというところでも様々な課題が生じていますので、詳細は次回以降のワーキンググループでご説明したいと思います。
小野寺構成員からありました退院時サマリーの扱いについて、退院時サマリーについても電子カルテ情報共有サービスからは抽出せず、電子処方箋管理サービスから登録する、という取扱いにさせていただきたいと考えています。また、患者に知られたくない処方等の取扱いについては、電子処方箋管理サービスでの検討を一度確認をさせていただきたいと思います。
田河オブザーバーからありました健診結果報告書等の文書についても現在検討を行っていますので、こちらも課題等の詳細は次回以降お示ししたいと思いますが、取組の検討は進めていきたいと思っていますので、また報告させていただければと思います。
山口構成員からご質問いただいた点について、先ほどの私の説明では言葉足らずの部分がありました。医療機関においても運用は様々なので、個々の医療機関の中で説明がされているという認識です。どのような説明がされているかはモデル事業で確認することが可能ですので、我々も把握していきたいと思います。一方で、繰り返しになりますが、この場面ではこのように説明してほしいということは、我々も具体的にお示して、そのようにお願いをしているところです。
渡邊構成員からありました処方情報については、ご認識のとおり電子処方箋管理サービスから登録していくということです。電子処方箋管理サービスを導入いただけていない医療機関からは登録できないという、ご理解のとおりです。以上です。
【澤主査】 その他、ご意見、コメント等ございますか。利光構成員、お願いします。
【利光構成員】 一点教えていただきたいのですが、「実際のカルテは自費診療と保険診療でカルテナンバーを別にする必要がある、あるいはそうすることが望ましい」という話が前にあったかと思います。今回の文書情報については、自費診療か保険診療かに関わらず閲覧できると理解してよいでしょうか。
【澤主査】 事務局、お願いします。
【新畑室長】 基本的には保険診療の中の文書情報と考えています。
【利光構成員】 では自費診療でこういうものが流れた場合は、掲載されないということですか。
【新畑室長】 おっしゃるとおりです。
【利光構成員】 分かりました。ありがとうございます。
【澤主査】 それでは、こちらの施策を進めることに承認をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ご承認をいただいたものとします。

(2)電子カルテの普及について
【澤主査】 続いて議題2「電子カルテの普及について」、事務局より説明をお願いします。
【田中推進官】 それでは事務局から説明します。厚生労働省医政局、医療情報推進官の田中です。よろしくお願いします。
資料2「電子カルテの普及について」の1頁目をご覧ください。先ほど資料1でご説明した電子カルテ情報共有サービスの普及の前提となる、医療現場における電子カルテの導入状況についての説明です。こちらは厚生労働省の医療施設調査のデータで、最新のデータとなる令和5年における電子カルテシステムの普及状況は、一番右下の一般診療所が55.0%、一番左側の一般病院が65.6%と、病床規模別でかなりばらつきがあり、400床以上の医療機関では93.7%、200床未満では59.0%という状況です。
続いて、2頁をご覧ください。現場の方々が電子カルテの導入が難しいと考える理由についての調査です。こちらは日本医師会様が実施したアンケート調査の結果をお示ししています。左上の円グラフを見ていただくと、これは全国の紙カルテを利用中の診療所に対するアンケート調査ですが、現状54.2%の診療所が「導入が不可能」と回答をいただいています。その理由を左下に示していますが、「ITに不慣れ等、電子カルテの操作に時間がかかる」、「導入費用が高額である」、3点目として「導入しても数年しか使用する見込みがない」等が挙げられます。このような状況の中で、なかなか電子カルテの導入に踏み切れない、との声をいただいています。
3頁をご確認ください。このような現場の状況がある中で、政府としては、従前から説明しているとおり「遅くとも2030年には概ね全ての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す」という方針を掲げているところです。この目標に向かって、厚生労働省の方針で大きくお示ししているのが、真ん中の赤字部分で、オンプレミス型の現状の電子カルテから廉価なクラウドネイティブな電子カルテに移行していくことを目指す、としています。この大きな方針の具体的な対応について、まず医科診療所については、一番下の赤枠のところに記載しているとおり、大きく2つの対応方針があります。一つ目は、現在デジタル庁と共同で標準型電子カルテの開発を行っており、2026年度中の完成を目指して取り組んでいます。2つ目は、現在、医科診療所の電子カルテについては、既にクラウドネイティブ型の電子カルテが一定程度普及している状況も踏まえ、今年度中に医科診療所向け電子カルテの標準仕様、いわゆる基本要件をお示しすることを考えています。具体的にその中に盛り込む事項として、いわゆるクラウドネイティブ型とされるマルチテナント方式や、関係システムとの接続等を含めた標準仕様の策定を進めているところです。この2点の方向性で進めているところであり、一番下に記載のとおり、2026年夏までに電子カルテの具体的な普及計画を策定する、という運びになっています。
病院も含めて、電子カルテの普及に関する政府の施策の全体像について分かりやすく説明すべきだ、とのご指摘をいただいていますので、4頁では、現在政府が進めている取組の全体像を1枚にまとめています。真ん中にある診療所の緑の枠の中の「診療所向け電子カルテの標準仕様の策定」と「標準型電子カルテの開発」は、先ほど私が説明したとおりです。病院についても取組は同様です。下側にある青の枠をご覧ください。病院については現在、特に大規模な病院では部門システムが多かったり、トランザクションが複雑だったりする状況があるため、まずは中小規模の病院について電子カルテの標準仕様や部門システムとの連携仕様の策定の議論を進めているところです。まずは中小規模の病院についてクラウドネイティブを含めた標準仕様の策定を進めて、今後順次、大規模な病院へ展開を図っていければと考えています。こちらが全体像です。なお、一番下に小さな文字で脚注を入れていますが、「クラウドネイティブ型の電子カルテ」と申し上げている趣旨について補足させていただきます。最近のモダンな技術を活用したマルチテナントやスケーラビリティ等が確保されているクラウドの電子カルテのことを、この場では「クラウドネイティブ」と呼んでいます。オンプレミスで作っているものをそのままクラウド上に移し、病院ごとにアプリケーションサーバーを立ち上げるものは一般的に「リフト」と呼ばれていますが、この場ではそれと区別する趣旨でクラウドネイティブと呼ばせていただいています。
今ご説明したものをスケジュールの形で改めてお示ししているのが、5頁です。繰り返しになりますが、真ん中の診療所向けの電子カルテについては、まず標準型電子カルテの開発を進めて、令和8年度中の完成を目指し、それ以降の普及ということで矢羽根を書いています。その下の部分ですが、診療所向けの電子カルテについて標準仕様の策定を進めています。今後これを今年度内に策定した上でベンダーに対応いただき、その後、厚生労働省が認証し、普及に続けていく形で考えたいと思っています。病院についても、まずは中小規模の病院向けですが、標準仕様の議論を進めていますので、今後同じように標準仕様の策定、ベンダーによる開発、クラウドネイティブの推進という形で進めていきたいと考えています。
以上が全体像です。今ご説明した施策の詳細は6頁以降に付けています。現在、厚生労働省とデジタル庁が共同で開発している標準型電子カルテのコンセプトについての1枚紙です。先ほど日本医師会様のアンケート調査を引用しましたが、「電子カルテを導入した際の操作が難しくて対応できない」との声もいただいています。それも踏まえ、標準型電子カルテのコンセプトとしては、クリック操作を主とする感覚的に使いやすいシンプルなデザインにする予定です。一方で、電子カルテ情報共有サービスと電子処方箋の普及も見据え、こちらを導入すれば電子カルテ情報共有サービスを経由して診療情報提供書を閲覧することができる、あるいは、現場で設定を行えば検査会社から送られてくる検査データを電子カルテ情報共有サービスに提供することができる等、簡便に電子カルテ情報共有サービスへの対応が可能になるようなシステムとしたいと考えています。
現在、病院について標準仕様の策定の議論を進めていると申し上げましたが、概要を7頁と8頁にお示ししています。先ほど申し上げたとおり、病院については、かなりシステムが複雑であることも踏まえ、現在デジタル庁では、大きく3つの分野で議論を進めています。一つ目が電子カルテ本体について、電子カルテの標準仕様をどうしていくかという議論です。2つ目が右側の部門システムについてです。ご承知のとおり、病院には部門システムがかなり多くあります。それぞれの部門システムと電子カルテの間で、現在コードトランザクションがハウスコードで行われている実態があります。そうすると電子カルテと部門システムの連携がかなり複雑になるため、この部分の連携仕様の標準化についても現在議論が進められています。3つ目は、右下に示していますが、昨今、生成AIを活用し自動で診療録を作成するアプリケーションなど、業務効率化ツールがかなり出てきています。しかし、それぞれの病院で導入する際に、例えば「電子カルテを導入するに当たって、電子カルテ側のシステムの改修が必要になる」などの話があります。こうしたことも踏まえ、新たに導入される業務効率化ツールについても、インターフェイスを標準化し、簡便に導入いただけるようお示ししていきたいと、議論が進められているところです。
8頁では、まさにこの3つの論点について、今、デジタル庁で、協議会と分科会A・B・Cを設けていただいています。分科会Aでは一つ目の電子カルテの仕様について、分科会Bでは部門システムとの連携仕様について、分科会Cでは業務効率化ツールとのインターフェイスについて、それぞれ議論されています。こちらにはベンダー各社に入っていただき、仕様策定に関する議論が進められている状況です。
最後の9頁は、先ほどから私が「電子カルテの標準仕様」と申し上げている部分について、ざっくりとした項目と、具体的内容の例を整理しています。項目は、大きなところでは①から④の4つを考えています。一つ目が一番重要かと思いますが、電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋管理サービスといった政府の医療DXサービスとの接続インターフェイスを持っていることです。2つ目が、クラウドネイティブ型の電子カルテであることです。先ほどご説明したとおり、例えばマルチテナント方式を採用している、マネージドサービスを利用しているなど、モダンな技術を採用していることを考えています。3つ目は、先ほど申し上げた部門システムとの連携の関係です。今後コードなどインターフェイスの標準化を図っていきたいと考えているので、それも踏まえ、今後我々が示す標準的なインターフェイスに対応していることを挙げています。4つ目は、かなり現場からもご意見をいただくところです。現在、例えば病院で電子カルテを別のベンダーのものに切り替える時にデータの引き継ぎが難しい、との声をいただいています。データ出力・取込のインターフェイスのフォーマットが決まっていないので、この辺りを定めて、極力負担なく電子カルテの引き継ぎができるようにと考えて、この要件も入れています。その他、標準マスタ・コードへの対応や、安全管理に関するガイドラインへの準拠なども含め、標準仕様の策定について検討を進めている状況です。
以上が、電子カルテの普及に向けた現在の取組です。私からの報告は以上です。
【澤主査】 それでは今のご説明について、ご意見、コメント等ございますか。事務局からの回答については、ある程度まとめて回答いただくようにお願いします。小野寺構成員、お願いします。
《意見交換》
【小野寺構成員】 歯科診療所においては今、電子カルテはどのような内容を共有するかという検討を始めたところなので、医科診療所・病院の検討に比べて、おそらく2~3年遅れると理解しています。
お伺いしたいのは、5頁で、診療所について「電子カルテ導入済」「オンプレミス型」「クラウド型」「電子カルテ未導入」ということを既に把握されていますが、歯科診療所はここには含まれていないと思います。歯科診療所の場合、我々の調査では電子カルテ導入は二十数%程度としか分かっていません。歯科診療所に関して、もしそれぞれの数字を把握されていれば教えていただきたいと思います。以上です。
【澤主査】 続いて小尾構成員、お願いします。
【小尾構成員】 2点コメントです。1点目は、今回、基本的には標準仕様に基づいたクラウド型のシステムとして電子カルテの導入を目指すということだと思いますが、現状、医療機関としてはクラウド型よりもオンプレミス型が多く、医療情報ネットワークとの接続、オンライン資格確認等システムや他の様々なシステムとの接続は、基本的には医療機関から直接外部のシステムにつながっている状況だと思います。今後クラウド型が普及し、その量が増えていくと、クラウド間の連携が非常に重要になると考えています。7頁にあるように、クラウド間連携については、今回検討のスコープにまだ含まれていない状況だと思います。クラウド型のメリットとして、医療機関から直接様々なシステムにつながるのではなく、クラウド間で連携ができるのは大きな点なので、この部分については、できるだけ早めに検討を開始し、ある程度の仕様を出していただきたい、これが1点目の要望です。
もう一点は、クラウド型を推進するのはよいのですが、一方でネットワーク等のトラブルが発生した場合に、オンプレミス型のように医療機関内にシステムがないため、業務ができなくなります。オンライン資格確認等システムのように資格だけなら影響は少ないですが、業務そのものが止まってしまう可能性があります。標準型電子カルテを提供する事業者については、医療機関に対して一つの回線で十分というのではなく、バックアップ回線を必ず用意する形での提供を求めていくよう、お願いしたいと思います。以上です。
【澤主査】 続いて渡邊構成員、お願いします。
【渡邊構成員】 私からも一点お願いです。標準型電子カルテと記載されている部分でスケジュールが示されていますが、7頁のスライドの左下に「共通算定モジュール」と記載があります。保険局の診療報酬改定DXの中で、来年6月をめどに計算機部分のモジュールを提供し、その翌年、令和9年度の7月ぐらいにチェック機能も入れたモジュールを提供するという絵が描かれているかと思います。これらの部分は一体型として標準型電子カルテとして示されていく部分だと思うので、どのような機能やシステムを持った全体像なのか、ぜひ示していただきたいと思います。先ほど小野寺構成員からもありましたが、歯科や薬局でも標準型電子カルテ、標準型共通算定モジュールを導入した一体型で考えていかなければならないステップになると思うので、両局で連携したシステムの絵をぜひ示していただきたいと思います。よろしくお願いします。
【澤主査】 それでは続いて田河オブザーバー、お願いします。
【田河オブザーバー】 要望が一点あります。6頁に標準型電子カルテ(導入版)のコンセプトが示されています。導入版ということで、なるべく簡易なものを作るという考えは分かりますが、電子カルテ情報共有サービスは、3文書6情報の情報共有を、全国の医療機関、あるいは保険者、国民がそれぞれの立場に応じて利活用できるようにするものであると考えています。シンプルなものであっても、それらの機能が果たされるように考えていただきたいと願っています。以上です。
【澤主査】 続いて武田構成員、お願いします。
【武田構成員】 非常に大切な取組だと思って聞かせていただきました。診療所向けは2027年度から普及ということで、どんどん近づいていると思いますが、日本医師会の状況や診療所が電子カルテを導入しない理由などを考えると、こういったものができたからといって、お金をかけて導入していくことはなかなか難しいのではないかと思います。診療所側の理由ではなく、やはり患者側が電子カルテ情報共有サービスの利益を広く享受できることが大切だと思いますので、そういったところも強調しながら進めていただけるとよいのではないかと思いました。
もう一つは、病院側で部門システムとの連携は非常に大切なところであり、いろいろな病院が電子カルテをより導入しやすくなるという意味では、本当に大切な取組だと思いました。一方で、いろいろな理由で電子カルテを入れる予定がない病院もあるかと思います。そういう病院からすると、大きなシステムはなかなか入れられないと思った時に、先ほどの電子カルテ情報共有サービスに情報連携できるという観点で、診療所型のものだけでも入れるという選択肢もあるように思います。そのような可能性があるかどうかについてお聞きしたいと思います。以上です。
【澤主査】 それでは橋本構成員、お願いします。
【橋本構成員】 日本看護協会の橋本です。3頁の、先ほどの議論の中で、処方情報については電子カルテ情報共有サービスからの抽出はしないと決まりましたが、この薄く消えているところに、電子処方箋について「医療機関への導入は1割程度に留まる」との記載があります。こちらの有効性を高めるために、ぜひ引き続き電子カルテ情報共有サービス/電子処方箋管理サービスの導入も進めていただければと思います。
もう一点は、2030年までに全ての病院・診療所に電子カルテの導入を目指すということで、6頁に示されたように、非常に簡便なものに、とご提示がありました。実際にこれから導入される医療機関、特に診療所等では、業務プロセスの移行など、様々なことがあるかと思います。混乱が生じることも想像されますので、導入に当たってはぜひ支援なども丁寧に行っていただければと思います。以上です。
【澤主査】 それでは事務局よりお願いします。
【田中推進官】 事務局です。順次ご回答させていただきます。
まず小野寺構成員からご指摘があった、歯科診療所への電子カルテの導入の状況についてです。全体の電子カルテの導入率については、概ね先生がおっしゃられたパーセンテージのデータもあるものと認識しています。オンプレミス型かクラウドネイティブ型かという内訳については、申し訳ありませんが、我々が持ち合わせているデータでは詳細に把握できておりません。ただクラウドネイティブ型は医科診療所においても極めて最近広がり始めている状況ですので、歯科診療所においても、少なくとも大きく普及している状況ではないと考えています。今後、関係部局とも連携して実態把握をしながら、歯科診療所向けの電子カルテの普及についても考えていきたいと思っています。
続いて、小尾構成員からご指摘いただいた一つ目のクラウド間連携についてです。我々としてもクラウドネイティブ型を進めていくに当たって非常に重要な課題だと認識しています。クラウド間連携の議論を進めていくことは厚生労働省から打ち出していますので、ご指摘を踏まえて、議論を進めていけるようにしていきたいと考えています。2点目のネットワーク関連のご指摘について、これはBCPの観点で非常に重要なご指摘だと思います。電子カルテベンダーがそれぞれどのようなBCPを取っているかということにもなりますが、ご指摘を踏まえて、対応が取られるように検討していきたいと考えています。
続いて渡邊構成員からのご指摘は、診療報酬DXとの関連についてのご指摘だと受け止めています。レセコンの標準仕様、標準化については、ご指摘のとおり、現在保険局で検討を進めているところです。我々も電子カルテの標準仕様、標準化の議論をする際に保険局とも連携していますので、今後保険局と議論を進め、レセコンの標準仕様、標準化について、どのように平仄を合わせて議論を進めていくか、共有していきたいと思います。ご指摘のとおり、整合性が取れた形でお示しできるようにしたいと考えています。
田河オブザーバーからのご指摘は、導入版としてシンプルなものにするとしても、電子カルテ情報共有サービスにしっかり対応できるように、というご指摘だと受け止めました。まさに重要なご指摘かと思います。この導入版を入れていただくことで電子カルテ情報共有サービスの活用ができる、もしくは、患者にもそのメリットを感じていただけるよう、中身の機能面について引き続き検討していきたいと考えています。
武田構成員からのご指摘の1点目も、同様の内容だと受け止めています。標準型電子カルテ(導入版)を導入いただくことにより、患者にもしっかりとメリットが伝わるものにしていきたいと考えています。武田構成員から2点目として、病院の部門連携についてもご指摘いただいています。その辺りはしっかりと対応していきます。そもそも電子カルテの導入が難しいという病院について、標準型電子カルテのような選択肢もあるのではないか、とのご指摘をいただきました。現在、標準型電子カルテの機能を具体的にどのようにしていくかについて議論を進めていますので、ご指摘を踏まえて、そのような選択肢もご提示できるかどうか、併せて議論していきたいと考えています。
橋本構成員からご指摘いただいた電子処方箋の関連について、おっしゃるとおり、電子処方箋の普及も重要だと考えています。令和7年7月に厚生労働省からお示しした資料では、現在の医療機関での導入状況等を踏まえ、電子カルテの導入と合わせて電子処方箋の普及も進めていくという方針をお示ししたところです。今後、電子処方箋の導入も含めて標準仕様を策定し、電子カルテを普及していく予定です。そのような形で進めさせていただければと思っています。また、標準型電子カルテを含めて導入する際に、特にこれまで紙カルテだったところではかなりご負担があるというのは、おっしゃるとおりかと思います。今後、令和9年度以降の標準型電子カルテの普及に向けて、その辺りのご負担についてもしっかりと考慮した上で議論を進めていきたいと考えています。ご指摘をありがとうございます。
【澤主査】 それでは長島構成員、お願いします。
【長島構成員】 日本医師会の長島です。詳しいことは後ほどメール等にて意見を述べさせていただこうと思います。電子カルテ情報共有サービス及び標準型電子カルテについて、総論的なことを申し上げます。
日本医師会は、医療DXの目的として「国民・患者の皆様に安心安全で質の高い医療を提供すること」と「医療現場の業務負担・費用負担の軽減」の2つを掲げています。つまり、電子カルテ情報共有サービスや標準型電子カルテあるいは標準仕様は、それに資するものでなければならないと考えています。その観点から、例えば紙カルテを利用している診療所で「電子化に全く対応できない」「仮に誰かに入れてもらったとしても利用できない」という声がある診療所に強制的に入れれば、医療の提供ができなくなり、本末転倒だと思っています。
一方、医療DXが広がっていきますので、3つの観点が重要だと思います。医療DXをできるだけ少ない負担で導入・維持できるよう、国がしっかりと環境整備をすること。また、医療機関が直接医療DXのサービスを使えないとしても、その恩恵がしっかりと活用できるようにすること。そして、医療DXに対応できない国民や医療機関を決して取り残さないこと、です。
その観点から、一つは、絶対に拙速に進めるべきではありません。工程表は非常に重要ですが、実際に進める中で「ここはもう少し時間がかかる」「ここはもう少し丁寧に進めたほうがよい」ということが、モデル事業の中で出てくるはずです。それを踏まえてきちんとした現実的な計画をその都度確認して、組み直すことが極めて重要です。現場がついていけないものを無理に進めると、かえって医療DXが遅れると思います。スピード感は重要ですが、そればかりを重視して拙速に進めることは絶対にないよう、お願いできればと思います。
また、電子化に完全には対応できないとしても、例えば標準型電子カルテの導入型のように紙カルテを使いながら、あるいは既存の電子カルテを使いながらでも、医療DXで得られる情報を診療に活用できるような環境整備はとても大切なことです。また、様々な機能が五月雨に開発されて、それを医療現場が順次、五月雨に導入しなければいけないとなれば、現場の負担は極めて大きくなります。例えば電子カルテを新たに導入するタイミングや更新のタイミング、場合によっては診療報酬改定のタイミングなど、できるだけ負担なく、効率よく導入できるような仕組みも重要だと思います。さらに、電子化は非常にコストもかかり、多職種の関係者が関わりますので、診療所だけではなく中小規模の病院にとっても、極めて高いハードルがあると思います。こういうところもしっかりと国として全面的に支援していただくことが重要だと思います。私からは以上です。
【澤主査】 事務局からコメント等ございますか。
【田中推進官】 ご指摘いただいた点は非常に重要な観点だと思っています。現場の声も伺いながら、ご相談させていただきながら進めさせていただきたいと思います。
【澤主査】 それでは、以上で本日の議題は終了となります。

(3)その他
【澤主査】 最後にその他、また全体を通して何かご意見はありますか。よろしいですか。それでは議事を事務局にお返しします。
【長嶺室長補佐】 本日も活発なご議論をいただき、誠にありがとうございました。次回については、日程が決まりましたらご連絡させていただきます。また本日の議事録については作成次第ご発言者の皆様に確認いただき、その後公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 
  1. 閉会
【長嶺室長補佐】 それでは本日はこれで閉会とします。ありがとうございました。