第100回 厚生科学審議会感染症部会 議事録

日時

  • 令和7年11月14日(金)10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(5階)

議題

  1. (1)狂犬病予防法に基づく予防注射時期の見直しについて
  2. (2)抗インフルエンザウイルス薬の取扱いについて

議事

○小谷エイズ対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第100回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
 本日議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
 本日は、ウェブ会議で開催することとしております。会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、何とぞ御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえないなどのトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
 五十音順で失礼いたします。今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 越田委員。
○越田委員 越田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 成田委員。
○成田委員 成田です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 宮﨑委員。
○宮﨑委員 宮﨑です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 なお、大曲委員、小西委員、戸部委員、原委員、藤田委員から御欠席の連絡をいただいております。
 森川委員、島田委員から遅れて参加との御連絡をいただいております。
 また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構より俣野様の御参加をいただいておりますが、途中退席されると伺っております。
 以上、現在、感染症部会委員20名のうち13名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第及び委員名簿、座席図、あと、資料1、資料2、参考資料1、参考資料2になります。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 承知しました。それでは、本日の感染症部会、よろしくお願いいたします。
 まず、議事次第を御覧ください。今日の議題が2件ございます。1件目が狂犬病予防法に基づく予防注射時期の見直し、2件目が抗インフルエンザウイルス薬の取扱いということになっておりますので、順番に進めてまいりたいと思います。
 まず、最初の「(1)狂犬病予防法に基づく予防注射時期の見直しについて」でございます。こちらは資料1について、事務局から御説明をしていただきます。よろしくお願いします。
○大塚感染症情報管理室長 事務局の大塚でございます。議題の(1)につきまして御説明申し上げます。
 こちらの議題については、毎年4月1日から6月30日までの3か月の間に狂犬病予防注射を受けさせるという狂犬病予防法施行規則の規定について、その廃止を求める地方分権提案があったことから、自治体等の御意見を踏まえ、法令上の規定を廃止することについて御議論いただきたく、本日よろしくお願い申し上げます。
 まず、背景について御説明さしあげます。現行制度の説明は、2ページ目の上段に記載しております。
 狂犬病予防法において、犬の所有者は、その犬に毎年1回、狂犬病の予防注射を受けさせなければならず、市町村長はその犬の所有者に予防注射済票を交付しなければならないとされています。予防注射については狂犬病予防法施行規則に定められており、時期としては4月1日から6月30日までの間とされています。基本的には、この期間に予防注射を打たなくてはならず、これ以外の時期に注射した際には法令違反となってしまいます。
 ただし、狂犬病の免疫のない犬を新たに所有するに至った場合については、所有するに至った日から30日以内にその犬の予防注射を受けさせることとされており、その場合にあっては4月1日から6月30日までの間に打つ必要はありません。その犬が3月2日から3月31日の間に予防注射を打った場合は、翌年度の予防注射の注射済票を交付することとなっています。
 いただいた地方分権案の御説明に移ります。この2つの規定に関しまして、4月1日ではなく、3月2日から注射済票の交付年度が分かれることについては、飼い主にとって理解しづらく説明に時間を要することや、3月2日から3月31日の間に接種している犬について、翌年度4月から6月の接種は不要であるにもかかわらず、その犬の所有者が誤って翌年度4月から6月に予防注射を打ってしまう可能性があることといった理由から、また、接種時期が4月から6月となっていることについては、3か月以内に注射を受けることが困難な場合が存在すること、また、年度初めの繁忙期と重なるといった理由から、令和5年地方分権改革に関する提案募集において「狂犬病予防法施行規則における注射済票の交付について、毎年3月2日から同月31日までの間に実施する狂犬病予防注射で翌年度の注射済票を交付する規定を撤廃し、4月1日を境に交付年度を分けるよう、見直しを求める。それに伴い、予防注射の時期について、『4月1日から6月30日までの間に1回受けさせなければならない』とするのではなく、通年接種できるよう、見直しを求める。」との御意見を頂戴いたしました。
 地方分権改革でいただいた御提案に対して、令和5年度に閣議決定された対応方針としましては「狂犬病予防注射の時期については、通年での接種を可能とすることについて市区町村等の意見を踏まえて検討し、令和7年度中に結論を得る。その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」とされたところでございます。
 次のページに移ります。この方針に基づき自治体へのアンケートを行い、その結果を踏まえ対応案について検討いたしましたので、御説明させていただきます。
 まず、アンケートの結果でございます。今回、都道府県・市区町村にアンケートを実施し、全1,789自治体のうち、1,438自治体から回答があり、通年接種を可能とすることについて賛成意見が約7割という結果になりました。地方分権でいただいた御意見について、全自治体の御意見を伺うため、4月から6月が注射時期となっていることについて支障となっているか、また、どういった理由かについて伺ったところ、4月から6月が注射時期となっていることについて支障があると回答した自治体は3割程度、そのうちの8割以上が年度当初の繁忙期と重なるため業務の支障となっていることを理由として挙げられました。併せて、通年接種についての質問において、通年接種に反対する自治体からいただいた反対理由は、予防注射時期が分散することによる督促通知のタイミング等を含む啓発活動への支障が挙げられました。
 また、集中的な接種の取組の一環として、狂犬病予防業務において、自治体や地方獣医師会が協力し、1か所に犬を集めて集中的に接種を行う集合注射というものを9割以上の自治体が現在実施していますが、通年接種化に伴うそういった取組への影響を確認したところ、現在実施している自治体のうち、通年接種が可能となった後も集合注射を続けると回答した自治体は約6割を占めました。これらのことから、通年接種化について、おおむね賛成しているものの、督促通知のタイミングなどの接種率や抗体保有率が低下しない取組が重要と考えられます。
 地方分権での御提案及びアンケートの結果を受けた当省における対応案といたしましては、狂犬病予防法施行規則を改正し、4月から6月の期間中に狂犬病予防注射を実施しなければ法違反となる状況を是正するため、狂犬病予防注射の通年接種を可能とすること、3月2日から3月31日に接種した場合は翌年度の注射済票を交付する規定を廃止することを検討しております。これにより、やむを得ない事情により4月から6月に注射できない場合であっても法違反となる現行の制度設計を改善することができると考えております。
 なお、アンケート結果でもあるとおり、啓発活動における時期を集中させることのメリットもあるため、引き続き、4月から6月を予防注射強化期間と定めるなどの運用を行う予定です。また、自治体の運用にも関わることから、改正については令和8年4月1日公布、令和9年4月1日施行とする予定と考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 御説明あったとおり、令和5年の地方からの提案といいますか、地方分権改革に関する提案ということで、この狂犬病予防注射、狂犬病ワクチンの犬への注射の時期というものが4月から6月と定められていますけれども、それを通年にしてほしいという御提案があったということです。それによって、このワクチン接種の仕組みというものを分かりやすくしてはどうかということで、アンケートも取っていただいて自治体の御意見も伺ったというところで、これは進めてはいいのではないかという御提案と思いました。それは反対意見もあったわけですけれども、それに対する対応も検討していただいているというところです。
 この御説明を踏まえまして、委員、参考人の皆様から御意見を伺いたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 それでは、順番にお願いします。まず、土井先生、お願いします。
○土井委員 御説明ありがとうございました。
 接種間隔がばらつくということが一部の犬で発生するかと思うのですが、これは獣医学的には問題はないという理解でよろしいでしょうか。
○大塚感染症情報管理室長 ばらつきに関しましては、まず、1年に1回打たなければならないというところを変更するものではなく、あくまでも注射時期を4月から6月でなければいけないところを変えるものなので、接種間隔は基本的にはばらつかないと考えております。
○土井委員 失礼しました。例えば、まれなケースかもしれませんが、4月に接種していた方の犬が何らかの都合で、その次は年度後半に接種するというようなことがあった場合に、理屈上は2年ぐらいまで開いてしまうことがあるかもしれないのですが、そこは問題ないでしょうかという意図で御質問させていただきました。
○大塚感染症情報管理室長 こちらは、厚生労働科学研究の研究班におきまして、「2回以上接種群で接種後25か月以上経過群の免疫保有割合は79%」とされておりました。また、1914年から1933年にかけて大阪で発生した過去の記録に基づくと、基本再生産数は2.42と推定されておりまして、免疫保有個体が個体群の中にランダムに存在することを仮定すると、集団免疫を達成するための閾値は58.7%と計算されることが報告書の中で報告されております。また、先ほど申し上げたとおり、通年接種化しても法律上、年1回というところは変わらないので、引き続き、年1回の接種を周知していくこととしております。
○土井委員 大変よく分かりました。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 今、土井先生の御質問、接種時期が年度によって変わることによって、短いときもあるし、最大2年近くになってしまう場合があるということで、たしか抗体の保有というものが2年間近くは大丈夫だったというような説明もあったかと思いますので、またそれは後ほど確認をしてみたいと思います。
 まず、御質問を伺ってまいります。成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございました。東京都の成田です。予防注射時期の見直しについては、特に異論はありません。私からは4点、接種率、ワクチン製剤、先ほどお話もありましたワクチンの有効免疫期限や今後の運用について御意見申し上げたいと思います。
 まず最初に、通年接種への変更に伴い、いつでも接種を受けられるという意識が働くことにより、接種率の低下が懸念されます。現在の70%という接種率を低下させることがないよう、また、先ほどの御説明にもありましたけれども、強化月間を設定するなど、国と地方自治体が連携して接種率向上のための普及啓発に強く努める必要があると考えております。
 2点目に、ワクチン製剤なのですけれども、集団接種から個別接種に変更する自治体も出てくることと思われます。こうしたことから、現行のワクチンは1バイアル10頭分の製品であるため、廃棄ワクチンが多くなることが懸念されますので、この辺についても、今後、対応が必要になってくるのではないかと考えております。
 次に、ワクチンの有効免疫期限についてです。先ほどの土井委員、また、脇田部会長からもお話がありましたけれども、ワクチンの接種間隔が最大2年に及ぶ可能性があります。そのため、免疫状態が有効かどうかの判識別について、しっかりと国民が把握できるようにする必要があると思います。予防注射の有効免疫期限の科学的根拠もしっかりと国民、そして、獣医の方々等、皆さんにお示しいただく必要があると考えております。
 最後に、今後の運用です。今回の変更に伴いまして、飼い主及び行政事務に混乱を生じさせないよう、改めてガイドラインや手引を作成するなど、全国統一的な運用が図られるよう、取組を進めていただけますと幸いです。
 よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。実際に接種事務を行っていただくのは自治体ということで、自治体の委員の皆さんの御意見は非常に重要だと思っております。
 重なる御意見もあるかもしれませんので、まずは御意見を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。御説明いただいた内容については、私のところも動物行政をやっておりますので、職員の意見なども聞いて、やはり通年であったほうが現場の感覚としては、逆に4月から6月に受けられなかった方であるとか、あと、3月の前年度に受けた方がなかなか、その辺の対応や理解が十分ではないとか、説明が難しいということがありましたので、通年でやっていただくことで、接種率ももちろん確保しながらということなのですが、そのような形にしていただくことについて賛成です。
 通年になりますと、やはり集合注射の対応であるとか、個別接種であるとか、方法が変わってくるとは思いますけれども、接種される犬の飼い主の方については、4月から6月に受けられなかったことに対しての救済であるとか、そういうようなものも法律違反ではないということになって、むしろ、接種率がぜひ上がるような対応を自治体のほうで努力してやっていきたいなと思っています。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。接種時期を限定しないという方向性に関しては、利用者にとっては分かりやすい制度となるということで、メリットも大きいと思いますので、賛成いたします。
 3つほど御質問とお願いなのですけれども、接種時期が通年になったということで、先ほども出ています、忘れてしまう方が出てくると思われるのですが、そういった方にリマインダーの手紙などを送るといったことは予定されているのかということ。
 あと、接種率がどのように変化していくという、その評価に関してはどのように計画をされているのかというものが質問になります。
 近年、狂犬病のワクチンに対して不安があったりして接種させていない犬によって、その犬が人にかみついてしまうというような事例も発生しているようですし、あと、地域によって少し接種率に差があるといったような報告も出ているようなのですけれども、その辺りの狂犬病ワクチンの必要性や重要性に関するリスクコミュニケーションに関して、必要があれば強化をしていただくのがいいのではないかと思うのですけれども、それはお願いになります。
 以上です。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、続いて、越田委員、お願いします。
○越田委員 狂犬病予防接種の時期の通年化には、先ほど御説明があったとおり、接種間隔が2年近く空いても、公衆衛生学上、集団免疫がある程度担保できるようですので、賛成です。
 ちなみに、金沢市の場合は、令和6年度の犬の登録件数は約1万7000頭、その82%は年度内に予防接種を済ませておりました。市直営の集合接種は毎年4月と5月に27会場で延べ10日間開始して、約15%が集合注射、残りの85%が病院でワクチン接種をされています。それで現状では、基礎自治体は集合接種の接種券の発送や接種会場の確保等の段取りは前年度内に済ませておかないと間に合いません。大変慌ただしく事前準備を3月~4月に行っているので、年度当初の業務が落ち着き、集団接種が気候が安定する時期に行うことができることになれば、私どもとしては制度の変更は歓迎しております。
 また、注射済証の翌年の交付を避けて、3月に接種する動物病院が少ない状況ではありますが、年度替わりの際の注射票交付の煩雑化が避けられず、接種済証の即日発行は自治体にとっては大変歓迎されます。一方、督促通知に関しましては、実は金沢市は一昨年までは督促通知を出していたのですが、郵便料金の値上げによって、昨年度は出しませんでした。しかし、前年度に比べて大きく接種率が変わることはなかったということを申し添えておきます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 それでは、今、土井先生から最初に御質問ありましたけれども、そこはお答えいただいたということで、成田委員から4名の委員の先生方から御意見、御質問等をいただきました。こちらについて、事務局のほうからレスポンスいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大塚感染症情報管理室長 事務局より御回答申し上げます。
 成田委員からの御意見につきましては、まず、4月から6月に集中的に予防注射の啓発、また、集合注射を実施することは接種率の維持に効果的であるため、接種強化期間とするなどの対応も国としても取り組んでまいりたいと考えております。
○脇田部会長 10ドーズが1バイアルというところで、無駄になる可能性があるといったお話でした。
○大塚感染症情報管理室長 ワクチンの状況については、今でも集合注射ではないやり方も実施されておりますので、今回の制度改正によって大幅にそういった状況が変わるものとは、現在、考えてはおりません。しかしながら、委員御指摘のとおり、何らかそういった変化に伴う状況の変化、ワクチンの不足が起こることのないよう、厚生労働省としても状況について把握をし、必要に応じて関係省庁にも相談をして、制度が適切に実行されるように留意してまいりたいと考えております。
 また、ガイドラインや手引につきましても、何らかの形で作成し周知してまいりたいと考えております。
 次に、白井委員からの御意見につきまして承りました。ありがとうございます。
 坂本委員の御質問につきましては、督促のタイミングについてですが、督促については国からは実施しておりません。各自治体の御判断で、適宜実施しており、時期も自治体によって異なってくると考えております。
 また、接種率の変化については、今でも厚生労働省では接種率の状況につきまして、衛生行政報告例から毎年統計を取って、この内容をモニタリングしつつ、適切な運用となるよう取り組んでいるところで、引き続き、こちらの統計をもって接種率の変化についてきちんと確認してまいりたいと考えております。
 また、リスクコミュニケーションの強化という点につきましても、委員御指摘の点も含めて、リスクコミュニケーションの中で努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 今、督促あるいはリマインドと、それから、リスコミの重要性というお話がありました。どちらも重要だとは思いますが、越田委員から石川県での重要な経験を言っていただきまして、督促通知をやめてもあまり接種率が変わらなかったというところで、そこはやはりリスコミの重要性というものも考える必要があるということで、いかにして接種につながっていくようなコミュニケーションができるのかというところも非常に重要なポイントだと思いました。リマインドに関しては、しかし、必要であればやっていくようにするということもあろうかということですけれども、国としてはやられていないというところでございました。
 それで1点、私も確認したいのですけれども、この予防接種、ワクチン接種の有効性の期間、抗体価の推移とか、それは改めて、また研究をしていくというようなことはあるのでしょうかというところを御質問したいと思いますが、いかがでしょうか。
○大塚感染症情報管理室長 抗体価の推移については、今すぐに始めるという具体的な予定はございません。ただし、今後の状況を踏まえて、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 いずれにしても、接種率は統計等でフォローアップをしていただけるということですから、それと、接種率とともに抗体誘導の期間といいますか、そういったものも先ほどの集団免疫というところには重要かなと思いますので、ぜひ検討していただければと思いました。
 そのほか、いかがでしょうか。御意見ございますでしょうか。
 参考資料のほうでアンケートも見せていただきますと、特に1問目で、4月から6月がこの予防接種期間となっているということで、支障があると言っておられる自治体は3割程度なのですが、ただ、通年接種にすることに賛成しますかというところでは7割の自治体が賛成をされているというところがありまして、そういった意味で、これはやはり通年接種にしたほうがより分かりやすいし、利便性ということも上がるというようなところなのだろうということはアンケートからも読み取れるかなと思いました。
 よろしいですか。
 それでは、ありがとうございました。
 方向性としては大きな反対はないというところですけれども、御意見、御質問等ありましたので、その点を踏まえていただきまして、事務局から提案された案につきまして進めていただければということで、感染症部会としては了承したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○脇田部会長 ありがとうございました。それでは、事務局において手続を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、2件目の議題です。「(2)抗インフルエンザウイルス薬の取扱いについて」でございます。こちらも、資料2がありますので、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。事務局から、審議参加に関する遵守事項について御報告をさせていただければと思います。
 本日御出席いただいている委員の過去3年度における関連企業からの寄附金などの受け取り状況について申告いただき、事務局において当該内容を確認いたしました。
 その結果、四柳委員に関しましては、厚生科学審議会感染症部会審議参加規程に基づき、御意見をいただくことはできますが、議決には加わらないこととさせていただければと思いますので、以上、御報告とさせていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それを踏まえまして、それでは、資料2についての御説明をお願いいたします。
○安保総括調整官 聞こえますでしょうか。
○脇田部会長 聞こえております。
○安保総括調整官 では、事務局から資料2に基づき議題(2)について御説明いたします。
 まず、資料の2ページ目を御覧ください。こちらは、昨年の季節性インフルエンザの定点当たり報告数の推移でございます。
 季節性インフルエンザの患者報告数のグラフを掲載しておりますが、赤く囲ったところでございますが、昨年末に1医療機関当たり定点報告数が64.39人と、現在の集計方法となった以降、過去最多となったという状況でございます。また、御記憶にもあられると思いますが、この時期に抗インフルエンザ薬が医療機関などで入手できないといった報道がなされたところでございます。こうしたことを受けての対応を本議題でお諮りさせていただくということになります。
 資料の3ページ目を御覧ください。こちらは、季節性インフルエンザ流行期の抗インフルエンザウイルス薬不足への対応ということで、対応の経緯と全体像を示したものでございます。
 1つ目の●でございますが、昨年末の状況といたしましては、日本全体としては不足があったわけではありませんが、感染者の急増に伴う抗インフルエンザウイルス薬の需要が急増する中、一部品目の需要が増加したことにより、当該品目の製薬企業が供給を停止したことを受けて、多数の製薬企業が限定出荷を行ったため、市場における抗インフルエンザウイルス薬が偏在し、一部の医療機関・薬局で不足する状態となったということでございます。
 2つ目の●でございますが、一方で「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」等に基づきまして、新型インフルエンザ対策として、全罹患者の治療その他医療対応に必要な備蓄量として4500万人分を目標として、全体を備蓄しているところでございます。こちらの資料にも書かれておりますとおり、3500万人分を国と都道府県で均等に備蓄しているということで、国では1750万人分を備蓄しているところでございまして、急激な感染拡大が生じ、抗インフルエンザウイルス薬の入手が困難になった際に、国会などでそういった備蓄薬を使えないのかといった声が昨年あったところでございます。
 これについての対応案としてお示ししたのが下のボックスになります。まず、これは1、2の順での対応を想定しておりまして、まずは安定供給の取組といたしまして、1のところでございますが、製薬企業への増産の要請を行うとともに、医療機関・薬局卸業者への抗インフルエンザウイルス薬の過剰な発注の抑制などに係る協力依頼などの適正流通の指導といった対応などにより、想定を超える季節性インフルエンザの流行があった場合であっても、抗インフルエンザウイルス薬が安定的に供給される体制の整備を行うという安定供給の対応をまずは行ってまいりたいと考えております。
 そういった取組を行っても、それでもなお、供給停止のおそれが生じた場合は、2の対応をすることになりまして、国の備蓄薬を一時的に使用するといったような対応を取りたいといったものでございます。
 では、資料の4ページ目になります。こちらの資料は、先ほどお示しした対応2についての詳細の説明になります。
 1つ目の○は、経緯で述べたとおりでございますが、安定供給に係る対応を講じた上でもなお、患者の手に抗インフルエンザウイルス薬が行き渡らず、国民の不安が解消されない場合は、以下の○で示すとおりに、国の備蓄薬を一時的に使用することとしたいといったような方策でございます。
 まず、2つ目の○でございますが、実際に発動する状況といたしましては、こちらに記載のとおり、想定を超える季節性インフルエンザの流行があった場合、少なくとも季節性インフルエンザの定点当たり報告数が全国平均で30人、警報の基準として使われているものですが、これを超えた状態が続いていること、かつ企業が前シーズンまでの流行状況を踏まえた生産体制を組んでも、供給停止となる企業の発生が見込まれ、卸業者や医療機関などに対して抗インフルエンザウイルス薬の適正流通の指導をした場合においても円滑な供給が困難であると見込まれる場合などを発動条件として想定しております。
 3つ目の○でございますが、流れといたしましては、供給停止になるおそれが生じた製薬企業からの申請に基づきまして、厚生労働省で確認し、感染症部会に諮った上で、当該製薬企業が供給する品目について、一時的に使用することを決定するといった流れを考えております。
 そして、4つ目の○でございますが、使用する量につきましては、過去の議論、平成30年3月に新型インフルエンザ等対策有識者会議で議論された4500万人のうち3500万人分が新型インフルエンザの罹患者の治療などへの対応、1000万人分が新型と季節性インフルエンザの同時流行への対応のためとされていることを踏まえまして、流通備蓄分を含めて備蓄量が3500万人分を下回らない範囲で、一時的に使用することを考えております。
 その下、5つ目の○でございますが、備蓄薬の使用は、供給停止が見込まれる企業への貸付けにより行いまして、貸付けをした備蓄薬につきましては、当該企業の生産体制回復後、速やかに返納してもらうといったことを想定しております。
 この対応につきましては、下の「今後の予定」でございますが、こちらでお認めいただけましたら、新型インフルエンザ等対策推進会議においてお諮りし、その後、通知を発出するという流れで考えております。
 最後に、資料の5ページ目に移ります。こちらは新型インフルエンザ等対策政府行動計画に基づくガイドラインの改定案でございます。
 こちらの検討に伴いまして、こちらの文書は、主管は内閣官房の内閣感染症危機管理統括庁になりますが、こちらについて、左の赤字のように、先ほど申し上げたような内容を追記するような形で改正を予定しております。
 私からの説明は以上となります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 今、御説明があったとおり、2ページ目の図でもありましたが、昨シーズン、インフルエンザの患者さんの発生が年末から年始にかけて非常に集中したというところで、抗インフルエンザ薬の需要が非常に集中をして、それで一部の製薬企業が供給停止で、多くのところが限定出荷となって、抗インフルエンザウイルス薬が不足するという状況が発生したというところで、そのための対応策を御提案されたところだと思います。
 ただ、対応として、今年度はかなり、昨年度の3倍程度の増産を見込んでいるというところでありますので、ただ、それでも追いつかないという場合にこの備蓄薬を使用できるようにしたらどうかという御提案だったかと思います。
 今年、このシーズンも既にかなり、例年より早く患者さんが増えてきていますが、これが今後どういった展開になるかというところはなかなか予測が難しいところですけれども、対応策を早めに検討しておくということも重要だと思いますので、今回、感染症部会で皆様にお諮りをしているというところになろうかと思います。
 それでは、委員の皆様から御意見いただきたいと思いますので、委員、それから、参考人の先生方、お願いしたいと思います。
 では、まず、日本医師会の笹本委員、お願いします。
○笹本委員 医師会の笹本でございます。丁寧な御説明ありがとうございました。
 抗インフルエンザウイルス薬の安定供給に関しまして、昨年の流行期に医療機関への過剰な発注の抑制に係る協力依頼を行いました。これは大多数の医療機関の協力が得られました。しかしながら、医療機関に薬が届かないという報告が現実にはございました。
 国の報告では、供給量・在庫量が十分であるということが分かりましたが、製薬会社と卸の商慣習、また、卸と医療機関・薬局との商慣習などから、不足地域への円滑な流通が行われていないことが予想されました。
 今回の対応案で、医療機関・薬局と卸業者への抗インフルエンザウイルス薬の過剰な発注の抑制等に係る協力依頼に加えて「適正流通の指導といった対応等により」を追記いただきましたので、現在の流行期でも患者さんに必要な薬が届くようにしっかりと対応していただきたいと考えております。
 質問なのですが、この「適正流通の指導」というものがどういった段階で行われるか。例えば医療機関から不足の情報がある、自治体から不足の情報がある、あるいはモニタリングを行った結果で指導を行うとか、そこら辺のところを教えていただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 こちらも順番に、皆さんの意見を聞いてから、また事務局にレスポンスをいただこうと思います。四宮委員、お願いいたします。
○四宮委員 2枚目のスライドのグラフにあるように、昨シーズンだと週単位で急増しており、その前の2023/24のシーズンでは通年で流行期が続くような非常に特異な流行で、シーズンが始まってみないと実際の感染者数を事前に把握するのは難しいところもあろうかと思います。例えば昨年のような状況で、週単位で急増している場合に、製薬会社の増産のスピードが感染者の増加スピードに追いつくのかどうか。増産能力の内容についてよく分からないところもあるので、教えていただければと思います。
 それから、備蓄以外に、製薬メーカーの在庫や流通過程での在庫があると思いますが、先ほどの質問とも少し関係あるのですが、在庫とか流通の動きの把握をどこが行うのか、どのように把握されているのか、についても教えていただければと思います。以上の2点をお聞きしたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、次に、白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。御説明の中で、私の立場として自治体や保健所ができることは何かなと思ったのですが、昨年も地域によって流通の状況とか需給の逼迫の様子が違ったということがありますが、自治体とか保健所がそうならないように、何か期待される役割というものがあるのかどうかと思って聞いておりました。
 それに関連してかもしれませんが、できるだけインフルエンザにかからないようにといいますか、かかっても重症化しないようにワクチンの推奨ということについては、定期予防接種の65歳以上の方には御案内をしたりしていますけれども、一般の市民の方については任意接種のため、なかなか自治体としても積極的にはし難いといいますか、一般論として啓発はしておりますけれども、そういったところとの関連を考える必要があるのかということを考えておりました。
 それと、グラフの中で、今年は少し、去年の段階でしたけれども、今年のサーベイランスを見ますと、既に流行しておりますので、既にかかっている人がいるということになりますと、割とピークの山が低くなるのではないかというような期待をしたりするのですが、そういう予想があれば、今年も年末年始の休みが長いですので、できるだけそこに集中させないような対応ができたらとは思っています。
 また、備蓄薬を放出されるときには感染症部会で行われるということなのですが、かなり速やかに行われるということになると思いますので、その辺の判断であるとか、場合によっては書面になるのかとか、そういうことも予想としては教えていただけたらと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、宮﨑委員、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。私のほうから2点ほどお伺いしたいと思います。
 基本的に、この備蓄薬を使うということには賛成です。有効活用することができますので賛成なのですけれども、そのときに、もし運悪くパンデミックが来ると非常に悲惨なことになりますので、そのパンデミックリスクがあまり高くないということを当部会あるいはインフルエンザ対策部会等でリリースに際しては確認をしていただくことが必要なのかなと思ったことが一点ございます。
 もう一点は、先ほど四宮先生がおっしゃいましたけれども、もし増えてくるときの増え方の予測というものは難しいので、急峻に物すごい勢いで増えることを考えると、今のスレッシォルドとされていて、今回、スレッシォルドとして提案されています30人よりも20人とか、そういうことでスタンバイしておくのがよいのかなと思ったということが一点ございます。
 すみません。もう一点ございますけれども、備蓄薬には有効期限があると思います。それを少し延ばすことも科学的な根拠を持って検討することで有効活用できるのかなと思いました。
 以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 次に、成田委員、お願いします。
○成田委員 東京都の成田です。御説明ありがとうございました。抗インフルエンザウイルス薬の不足への対応について、特に異論はございません。
 備蓄薬の放出に当たりましては、流通価格に影響が生じないように、市場に流通している薬や医療機関が保有している薬の量を把握した上で決定することが重要であると思います。
 また、今、宮﨑委員からもお話がありましたが、放出される薬の使用期限は重要です。医療機関にこうした重要な情報が速やかに提供されるよう、御対応のほど、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 今年は日本の北のほうの流行が先行しているようですが、既に石川県でも注意報レベル、金沢市は警報の一歩手前です。抗インフルエンザウイルス薬のみでなくてと、鎮咳剤や鎮痛解熱剤といった内服薬も品薄になります。特に昨年年末年始は9連休でしたし、今年も昨年に続き9連休になるため、昨年の混乱を踏まえて、連休中に診療している医療機関には十分な量の薬剤の供給が保障される必要があるのではないかなと思われます。
 また、高齢者や基礎疾患のある方々に優先的に必要な薬剤が投与できるような仕組みはつくれないのかなというようなことも思っております。一方、卸販売業者の休日対応もきちんとしていただければ、臨床現場での混乱は少なくなるのかなとも考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、次に、島田委員、お願いします。
○島田委員 御説明ありがとうございました。案については賛成です。
 質問は2点で、これまでの御質問、御意見と重なる部分もあるのですけれども、今の案の中でといいますか、計画の中で、偏在を解消することができるのかということが一つ。
 2つ目は、これも重なる部分がありますが、企業の申請から厚労省の確認、感染症部会から使用までどのくらいのタイムラインを見込まれているか。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 先ほどの先生方の御意見と同じなのですけれども、気になる部分がありまして、スライドの4枚目の備蓄薬の使用についてですが、実際に発動する状況としては、想定を超える季節性インフルエンザの流行があった場合とされていて、それが定点当たり報告数(全国平均)が30人を超えた状態が続いていることという記載があります。急峻な伸びをする場合、要するに、サーベイランス上、急激に報告者数が伸びて30人を超えた場合は、通常4週間ぐらい続いてすとんと落ちるケースが多いので、この「30人を超えた状態が続いていること」という表現では恐らくタイミング的に遅いのではないかなと考えました。その辺りをどう捉えるかということを教えていただければ幸いです。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 たくさん御質問、御意見、どうもありがとうございました。
 事務局にはお答えをいただくのですけれども、私のほうからも1点、四宮先生が、企業の増産のスピードとか、あるいは生産能力というお話がありました。今年度は、昨年度の経験を踏まえてというところになると思うのですけれども、昨年と比べると、たしか3倍程度の量の増産ということになるわけですけれども、これは実際の生産のキャパシティーというものが実際にはまだもう少し、倍ぐらい伸ばせるとか、あるいはこの増産体制というものも、単に原料の備蓄みたいなものができているからこれだけ作れる可能性があるということなのか。その辺の、3倍にできるというところで、それがさらに増産の可能性等はあるのかとか、それから、先ほどスピードという部分がありましたので、その辺の企業のキャパシティーを少し確認しておきたいと思いました。
 そういうところで、それでは、いろいろな論点ありましたけれども、事務局に少し整理していただいてレスポンスをいただければと思います。よろしくお願いします。
○安保総括調整官 御質問、御意見ありがとうございます。まず、順に回答させていただきたいと思います。
 笹本先生からいただいた御質問につきましては、担当の医政局から回答させていただきたいと思います。
 また、四宮先生からいただいた増産能力ですとか備蓄以外の在庫につきましての質問につきましても担当の医政局から御説明させていただきたいと思います。
 あと、白井先生からいただきました、まず、自治体に期待する役割につきましては、今回お認めいただけましたら、自治体や製薬企業さん宛てにも通知を送りますので、自治体さんから医療機関などへの周知ですとか、そういったことをワクチンも含めて、インフルエンザ対策の取組をお願いしたいと考えております。
 また、御指摘がありました、今年も年末年始は長いということで、そういったものの対策につきましては、厚労省ホームページとかXですとか、そういったところで周知啓発等を考えていきたいと考えております。
 今回、オペレーションを発動する際の部会ですが、確かにこちらはリードタイム、スピード勝負の話になってきますので、持ち回り開催ですとか、そういったことを想定して、速やかに専門家の先生方に御意見を諮れればと考えております。
 次に、宮﨑先生の御質問でございます。この備蓄薬を季節性インフルエンザに使って、その後にパンデミックが起こった場合ということでございますが、こちらにつきましては、まさしく想定している同時流行のものでございまして、平成30年の議論とかですと、同時流行分に備えて1000万人分を取っておいたというものでございますので、まず、季節性が起きて、その後、パンデミックが起きたということに対しても、1000万人分の範囲であれば新型インフルエンザ対策に支障がないということで担当の内閣官房感染症危機管理統括庁さんとも話をさせていただいているところでございます。
 あとは、30人、20人の基準の話で、こちらにつきましては、三﨑先生からも話もありましたが、確かにおっしゃるとおり、スピード勝負というところではあるのですけれども、なかなか定点報告数が30人からどれだけ続くかというものは予測しにくいということでございまして、過去にも5週間とか6週間とか続いた例があるということです。我々としてやれることといたしましては、製薬企業さんから、供給停止が見込まれる場合なので、実際、供給停止になりそうな2~3週間前ぐらいにそういったお話をいただくということになっているのですけれども、それを踏まえて、速やかにそういった意思決定、判断を取るというようなことで、速やかに市場に流通させるような対応を取ってまいりたいと考えております。
 備蓄薬の有効期限につきましての御質問については、そこの点はすみません。確認させていただいて、追って回答させていただきたいと思います。
 成田先生からも薬の使用期限についての御質問がございましたので、その点は確認させていただきたいと思います。
 越田先生からございました1点目は、昨年の混乱を踏まえた対応ということで、白井先生からもいただいたとおり、今年は年末年始も長いということで、先ほど申し上げたような対応を検討させていただきたいと考えております。
 また、高齢者を優先にということでございますが、こちらにつきましては、私どもはインフルエンザ対策のQ&Aにおいても、高齢者の方ですとか重症化しやすい方については抗インフルエンザ薬の重症予防効果があるとお示しさせていただいているところでございます。
 卸の休日対応につきましては、担当の医政局から回答させていただきたいと思います。
 あと、島田先生の偏在解消につきましても、担当の医政局から御説明させていただきたいと思います。
 タイムラインにつきましては、先ほど申し上げましたが、基本的に供給停止になりそうな企業ということで、供給停止は、大体、話を聞いていますと、供給停止になりそうな3週間前辺りからおそれがあるということで、申請をいただきまして、それでなるべく私どもの中で早く確認と、感染症部会にお諮りして、3週間か、なるべく速やかに対応して放出、市場に流せるようにしてまいりたいと考えております。
 三﨑先生からいただいたのは先ほどの回答ということでございまして、脇田先生からいただいた御質問のスピードにつきましては、今、お答えした形で、原材料とか増産のキャパにつきましては担当の医政局から回答させていただきたいと思います。
 先ほど追って回答すると申し上げました薬の有効期限につきましては、企業次第ということで、延長可能なものについては製薬企業と話しながら、調整しながら進めていきたいと考えております。
 それでは、医政局、お願いいたします。
○松下医薬産業振興・医療情報企画課専門官 医政局医薬産業振興・医療情報企画課でございます。御質問について順にお答えさせていただきます。
 まず、卸売販売業者や医療機関に対する適正流通の指導をどのようにしていくかに関しまして御質問いただいたと認識しております。まず、医療機関・薬局に対しては、返品を前提にした過剰な発注を抑制し、必要量に見合った適切な在庫の確保や、製造ロットが古いことによる納入の拒否は慎むこと。また、卸売販売業者に対しては、発注があった医療機関等の在庫を確認した上で、必要量に見合った供給を行い、偏在が起こらないよう配慮することや、新規の医療機関等からの発注についても不利とならないよう配慮すること等を通知で協力を求めていく予定としております。
 また、行政でどのように流通状況を把握していくのかについても御質問いただきましたが、それにつきましては、まず毎週、メーカーや卸の保有量や医療機関・薬局への供給量について、報告を受けているところでございます。
 同様に、御質問の中にありました、医療機関に情報が伝わるようにという点につきましては、この情報につきまして、各医薬品の在庫量等を公表しておりまして、こちらは医療機関等にも把握しやすいように、SNSを活用し、周知を図っておるところでもございます。
 あと、地域間での流通の偏在などの対応も今回のこのスキームでできるのかという御質問もいただいておりますが、感染症につきましては、地域によって流行状況に違いが出る可能性も当然あると思われます。医薬品の流通でございますが、現在、卸売販売業者については、いわゆる広域卸と呼ばれる大手の会社が4社ございます。日本全国で展開しておりまして、まず、需要量に偏りがあれば、それらの営業所間で融通し合うため、その中で調整いただけるとは認識しております。仮に地域により大きな偏在がある状況が把握できれば、メーカーや卸売販売業者に不足している地域への融通については厚労省からも協力を求めることは可能と考えております。
 また、増産のリードタイムについて御質問もいただいておりますが、実際に感染症はかなり早く流行する可能性もありますので、リードタイムを考えると、実際の感染症の急激な流行に増産が間に合わない可能性は十分想定がされます。そのため、今回、このようなスキームを製薬企業や卸売販売業者などとも調整して、準備させていただいたところでございます。
 実際、どれぐらい、製薬企業に増産能力のキャパシティーがあるのかでございますが、今年度は各製造販売業者の御協力によって前年比で3倍まで増産していただいております。これに関しましては、今、リアルタイムで製造しているというわけではなくて、通年で、昨年度の実態を踏まえまして、昨シーズンの終わりから今日までにかけて、順次、各社が製造ラインを調整していただいて増産していただいたというところでございます。また当然、この抗インフルエンザウイルス薬以外にも複数のいろいろな医薬品を製造しておりますので、他の医薬品の供給にも影響が出ないような形で、昨年度のようなことが生じないよう、増産等も取り組んでいただいているところと聞いております。
 あと、卸売販売業者の休日対応についての御質問でございますが、緊急時に関しましては卸売販売業者においても夜間・休日等も含め対応をいただいていると承知しておりますが、一方で、頻繁な夜間・休日の対応というものは卸売販売業者の負担にもなり得ます。ある程度の予測可能である場合、例えば休日の前とかでございましたら、それに関しましては卸売販売業者と医療機関・薬局との間でしっかり必要量などコミュニケーションを取っていただきまして、緊急配送の本来の趣旨も理解いただき、休日に急いで配送が必要となることにならないよう、在庫管理を医療機関・薬局にも御協力いただきたいと考えているところでございます。
 医政局医薬産業振興・医療情報企画課から、回答は以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 詳細にお答えいただきましたけれども、聞き漏らしたかもしれないのですが、いわゆる解熱剤とかせき止めとか、そういった一般的な薬がしばしば不足するということもマスコミでよく最近言われるようなところはありますけれども、そちらもインフルエンザ流行が非常に広がると不足するような事態ということの御指摘が越田委員からもありましたけれども、そちらの対応というものは、今、どのようになっているか、少し教えていただいてもよろしいでしょうか。
○松下医薬産業振興・医療情報企画課専門官 こちらも医政局から回答させていただきます。
 今回、解熱鎮痛剤や鎮咳去痰薬の供給状況つきましても医療機関・薬局の皆様方や国民の皆様方にかなり御迷惑をおかけしているところ申し訳ございません。
 こちらにつきましては、まず、足元の供給不安の解消につきましても各種取組を進めているところではございます。また、中長期的な課題としましても業界の産業構造改革が必要なところもございまして、それに関しまして、今般の薬機法改正で造成します後発医薬品の基金も、今、準備しておりまして、中長期的な課題についても、厚労省で取り組んでいるところではございます。
 短期的に、今シーズンでございますが、同様に、また不足等が生じないように、引き続き、厚労省としても注視してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 基本的には、既にインフルエンザも流行が始まっていますから、インフルエンザの一般的な予防とか、そういった対策についてもコミュニケーションをしっかりとしていくところが重要であろうというところはありますが、いかがでしょうか。委員の皆様から、さらに御質問、あるいは聞き足りなかったところ等があれば、さらに御追加いただければと思いますけれども、どうでしょうか。
 1点、私のほうから、これは4ページに、実際に発動する状況を想定というところで、委員の皆様からも御指摘があった30人という定点の報告数がトリガーということで、ただ、これが本当に厳密な基準というよりは、やはり状況を見て判断するというところで、一つの目安という考えでいいのか。それとも、これを超えないとやらないというところなのか。そこだけ確認をしておきたいと思います。
○安保総括調整官 御質問ありがとうございます。
 脇田先生のおっしゃるとおり、こちらにつきましては、まず、肝となるのは、企業さん側が供給停止になりそうだということで申請するというところが発動条件のコアとなります。その前提として、何も感染拡大が起きていないのにということになると何のための制度なのかというところがありますので、こちらにつきましては、あくまでも警報値を超えたというような感染状況の基準は、さすがに必要だろうということで設定させていただいているものでございます。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。明確になったと思います。
 いかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。
 そうしましたら、今、委員の先生方からは大きな御異論といいますか、反対の意見はなく、むしろ、いろいろと御意見、御質問等あったというところですので、こちらは事務局に整理をしていただきまして、感染症部会としては、この事務局案について了承したいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
(異議なしの意思表示あり)
○脇田部会長 ありがとうございます。そうしましたら、こちらについても事務局で必要な手続を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、準備した議題は以上になりますが、そのほか、何かございますでしょうか。
 よろしいですか。
 そうしましたら、事務局にお返ししたいと思います。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございました。本日、100回目の感染症部会ということで、切りのよい会でした。
 すみません。何を言っているのか、失礼いたしました。
 本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
 この後、当方で、記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
 また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日は、お忙しい中、御出席いただき誠にありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 確かに、小谷さんが言われたとおり、100回目ということで、特に何もないわけですけれども、これを通過点として、感染症部会、また委員の先生方にお世話になりますが、どうぞよろしくお願いします。
 今日もありがとうございました。失礼します。