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第44回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録
日時
令和7年8月28日(木) 10:00~12:00
場所
AP虎ノ門
(オンラインとのハイブリッド開催)
(オンラインとのハイブリッド開催)
議題
- 1.部会長の選任及び部会長代理の指名について
- 2.臨床研究中核病院の業務報告について
- 3.臨床研究中核病院の承認要件に係る取扱いについて
- 4.臨床研究法に定める疾病等報告について
- 5.その他
資料
議事
○医政局研究開発政策課課長補佐 定刻になりましたので、ただいまから「第44回厚生科学審議会臨床研究部会」を開催いたします。
本日は、前回から引き続きWebで開催いたします。会議全体でのお願いとなりますが、Webで参加されている委員の皆様におかれましては、御発言の前に画面下部の「挙手ボタン」をクリックしてください。部会長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。また、御発言終了後は、再度マイクをミュートにするとともに「手を下げる」をクリックし、手を下げた状態にしてくださいますようお願いいたします。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事務局まで御連絡ください。注意事項は以上です。
本日は、部会の定数14名に対して14名の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、委員及び事務局の交代について御報告いたします。前回の会議まで部会長を務めていただいた楠岡委員におかれましては、7月8日をもって任期満了につき、御退任となっておりますので御報告申し上げます。したがって議題1)については、事務局が代理で進行いたします。
また、事務局に人事異動がありましたので御紹介いたします。医薬産業振興・医療情報審議官の森です。
○医薬産業振興・医療情報審議官 よろしくお願いします。
○医政局研究開発政策課課長補佐 続いて、研究開発政策課治験推進室長の荒木です。
○研究開発政策課治験推進室長 よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発政策課課長補佐 続いて、本日の会議資料について、事務局より御説明いたします。会場参加の委員の皆様におかれましては、お手元の資料を御覧いただきますよう、よろしくお願いいたします。Webで参加されている委員の皆様におかれましては、事前に送付している資料、あるいはWeb上で資料を投影いたしますので御覧ください。資料は1~3、参考資料は1~7となっております。お手元で不足等ありましたら、事務局宛てにお申し付けください。
また、議事に入る前に、本日の審議事項に関する委員の利害関係の申告について御説明申し上げます。審議事項に関しては、事前に委員から利害関係の申告書を御提出いただき、参考資料7「厚生科学審議会臨床研究部会における利益相反の取扱いに関する規程」に沿って、退出が必要又は議決に参加できない委員はいないことを、あらかじめ確認しております。以上です。
それでは、円滑な議事進行のため、撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 それでは、議題1)「部会長選任及び部会長代理の指名について」に入ります。先ほど申し上げたとおり、楠岡委員の退任により新たに部会長を選出する必要があります。参考資料6の1ページ目を御覧ください。厚生科学審議会令第6条第3項に、部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任するとされております。この委員というのは厚生科学審議会の本委員を指します。お配りしている委員名簿において、◎が付いている川上純一委員、渡邉裕司委員の2名の互選により、部会長を選任することとなります。両委員より御意見等ありますでしょうか。
○川上委員 川上ですけれど……。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 恐れ入ります。音声が途切れ途切れでして、もう一度、川上委員、御発言いただけますでしょうか。音声はミュートになっているようです。
○川上委員 川上ですけれども、聞こえますでしょうか。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 大丈夫です。
○川上委員 私からは、臨床研究部会長に渡邉委員を推薦いたしたいと思います。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 ありがとうございます。渡邉委員を推薦いただいた御発言と聞きました。ただいま、川上委員より渡邉委員を推薦する御意見を頂きましたが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○医政局研究開発政策課治験推進室長 異議はないようですので、それでは渡邉委員に本部会の部会長をお願いしたいと思います。以降の進行については、渡邉部会長にお願いいたします。渡邉部会長、どうぞよろしくお願いいたします。一言、御挨拶いただけますでしょうか。
○渡邉部会長 ただいま、川上先生から臨床研究部会長の御推薦を賜りましたが、浜松医科大学の渡邉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私自身は内科学、臨床薬理学を専門として、これまでドラッグリポジショニングの研究、あるいは我が国の臨床研究の推進について、レギュラトリーサイエンスの立場から取り組んでまいりました。この臨床研究部会の役割は、我が国の臨床研究や治験の推進に関しても、また臨床研究中核病院の在り方に関しても、大変大きいと認識しております。これまでどおり、委員の皆様には御支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、早速本日の議事を進めてまいりたいと思います。まず、厚生科学審議会令第6条第5項により、臨床研究部会の部会長代理を指名することになっております。引き続き、藤原委員にお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○渡邉部会長 皆様のご了解をいただきましたので、それでは、部会長代理は引き続き藤原委員にお願いしたいと思います。藤原委員、どうぞよろしくお願いいたします。一言、御挨拶いただけるでしょうか。
○藤原部会長代理 謹んでお引き受けいたします。また、渡邉先生を支えてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○渡邉部会長 どうぞよろしくお願いいたします。それでは、お手元に配布されている議事次第により、議事を進行いたします。
議題2)です。議題2)は「臨床研究中核病院の業務報告について」です。事務局より、御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 再び事務局です。それでは資料1、「臨床研究中核病院業務報告内容確認表」の御説明をさせていただきます。資料1をお手元に御準備ください。1ページです。毎年提出される業務報告について実績を取りまとめ、翌年度のこの臨床研究部会で報告させていただくこととしています。こちらの資料は、臨床研究中核病院ごとに、令和5年度の状況について取りまとめたものです。令和6年3月31日までこの状況になり、その実績を概計的に取りまとめたものとなっております。非常にページ数の多い資料となり恐縮ですけれども、臨床研究中核病院の承認要件、人数や設備、実施する医師主導治験・臨床研究、論文数などを取りまとめております。内容に関しては事務局で確認をさせていただいており、長崎大学病院と神戸大学医学部附属病院を除く13の臨床研究中核病院については、全ての要件を満たしておりました。
少しページを飛ばして123ページです。こちらは長崎大学病院のページです。こちらと神戸大学病院に関しては、実施体制、設備要件、人員要件は要件を満たしておりますが、長崎大学病院の6の「特定臨床研究に関する計画の立案及び実施の実績」を御覧ください。同院は治験・臨床研究、結果論文の件数を満たしておりませんでした。
少しページを戻って、92ページが神戸大学病院の資料です。こちらを御覧ください。同院に関しては、結果論文の件数が規定を満たしていなかったということになっております。本件については、議題3)で詳しく御説明させていただきます。
また、資料1の各病院の資料の末尾に、各中核病院の医療法上の特定臨床研究に関する不適正事案について、事案の概要や対応状況、是正の措置をまとめていただいております。どのような事案が報告されているか。一例として、研究責任医師・分担医師以外の医師が同意の取得を取ったケースや、除外基準からの逸脱などが報告されております。
また、参考資料1の色刷りの資料の2ページを御覧ください。本部会で各拠点の特色を生かした治験や、臨床研究の実施という御議論を頂いたところですが、臨床研究中核病院の活動報告及び特色を紹介する資料を、各拠点で作成していただいたものが、こちらで病院ごとに紹介されております。ただいま映しているのは、北海道大学のものです。病院の概要や臨床研究中核病院としての特色、ビジョンなどが2ページに書かれており、3ページでは臨床研究中核病院としての支援内容の記載がされています。
最初の表が医師主導治験や臨床研究、企業治験が実施された数です。2つ目の表では、First-In-Humanの試験数やリアルワールドデータを用いた臨床研究、他施設支援、更には昨今話題となっている分散型治験(DCT)の実施件数、国際共同試験の参加件数を記載いただいております。
3つ目の表には、特定臨床研究の実施に伴い、発表者論文数や診療ガイドラインの根拠となった論文、薬事申請や承認の根拠になった論文数をまとめていただいております。
4ページに移って、2段目のカラムです。こちらには臨中としての広報活動や啓発体制、患者からの相談体制に関してまとめていただいております。この中で特色のある例としては、北海道大学病院において、人工知能を用いた大規模言語モデル(LLM)を活用したレイサマリーの概念を取り入れて、平易で分かりやすい情報提供ができるよう、着手しているといった御紹介が書かれております。
そのほかに特色のある啓発活動として16ページです。こちらは千葉大学医学部附属病院の活動です。県立千葉中学校の3年生を対象として、臨床試験の体験や臨床試験を考えるといった、理科の特別授業を行っているという御紹介がなされています。
続いて20ページです。こちらは東京大学医学部附属病院の取組です。外来で、デジタルサイネージを用いた臨床研究・治験の情報提供を行っております。また受診した患者向けに、臨床研究に関するパンフレットも定期的に発行・配置をしているという御紹介も頂いております。
続いて36ページです。こちらは名古屋大学医学部附属病院です。以前から取り組んでいた先端医療・医学研究に関連する市民公開講座に加え、近隣の非医療系の大学生に向けた出前セミナーを実施する、医療・環境をテーマとしたイベント参加を検討するなど、活動の場を更に広げながら、治験や臨床試験を含む医学研究について広報・周知活動を行っているとのことです。
次に、40ページを御覧ください。京都大学医学部附属病院の事例です。医薬品開発プロセスを体験できるすごろくを作成したという御報告を頂いております。ワークショップで活用し、意見交換などに使っているとのことです。等々、時間の関係で全ての拠点を御紹介することは難しいのですけれども、各病院でもホームページや市民講座の開催など、様々な方法で患者向けの広報などにも力を入れていると伺っております。
続いて他の医療機関への支援に関することを、少し御紹介したいと思います。52ページの一番上の枠です。ただいま投影しているのは、岡山大学の資料です。各臨床研究中核病院においては自院のみならず、他の特定機能病院や関連する病院の医療従事者を対象とし、特定臨床研究を行う方に対して、研修会やその他医療関係者に対する研修など、各拠点それぞれで人材育成にも力を入れていただいているというものです。
続いて、56ページです。上から3段目のカラムです。各臨床研究中核病院の分散型治験の体制整備・実施状況について、まとめていただいております。こちらは九州大学病院のものです。同院では医療技術総合促進事業で、DCTの体制整備事業に率先して取り組んでいただいております。実際に企業治験において、ePROを利用した治験の実施が報告されております。
続いて、国際共同治験に関する臨床研究・治験の話をさせていただければと思います。32ページです。こちらは国立がん研究センター中央病院の事例です。同院では企業治験について、3分の2を国際共同治験で実施しているということです。また、バンコクに現地事務所を設置し、アジア地域での臨床試験ネットワークの構築に取り組んでいらっしゃいます。
続いて33ページです。こちらはベンチャー企業への支援実施状況です。令和6年度に拠点の支援を活用し、顕著な成果や実績に結び付いた事例を御報告いただいております。
様々な活動が各臨床研究中核病院で行われておりますけれども、そういった特色のある取組について御紹介させていただきました。説明は以上です。
○渡邉部会長 御説明どうもありがとうございました。それぞれの臨床研究中核病院が、その特徴を更に伸ばすように活動し、また、臨床研究、治験のリテラシー高める工夫もされていることがよく分かりました。ただいまの報告に関して、何か御質問はありますか。渡部歌織先生、どうぞよろしくお願いします。
○渡部委員 ありがとうございました。それぞれの施設の実績が、分かりやすくまとめられていたと思います。それで、1つ教えていただきたいのですが、研究実績及びAROの支援実績の所に、企業治験という項目があるのですが、この数字を、ちょっといろいろな施設を拝見すると、ばらついているような気がいたしました。恐らく、基にしているデータが異なる可能性があるのではないかと思いましたので、どのような数字を挙げていただいているのかというのを、まず1点、教えていただければと思いました。よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発課課長補佐 事務局です。渡部先生、御質問ありがとうございます。こちらの企業治験の数に関しては、過去、各臨床研究中核病院から提出していただいております業務報告書をベースに、今回記載していただいております。ばらつきが生じている原因に関しては、正直、こちらとしても分析、解析は行ってはおりません。加えまして、この企業治験に関しては、臨中の要件として必須ではないこともあり、ARO部門で全て把握した数字を記載されているとは思うのですが、もしかしたら数字に関して、事務局のほうでバリデーションを取っているわけではないということを追記で御説明いたします。以上となります。ありがとうございます。
○渡部委員 ありがとうございます。業務報告書の様式2の所に、特定臨床研究を主導的に実施した件数ということで、企業治験も項目があり、それを拾っている施設であったり、そうではない基準で挙げている施設があるのではないかと思いましたので、お伺いをさせていただきました。
様式2のほうは、初回治験届を起点として、実績を記載するような形になっており、恐らく臨中で主導で企業治験をやっているわけではないので、初回治験届の数字を拾うということも、JRCTで公開されている情報ではないので、恐らく負担になっているのではないかというのも、やってみて実際に感じているところですので、企業治験のこの数字の評価や、求めるところも少し負担になっていないかなど、御配慮いただければ有り難いです。よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発課課長補佐 事務局です。渡部先生ありがとうございます。本資料も作成いただいているのは、なかなか御負担という声も伺っておりますので、また次年度以降、お願いする際にはその辺り検討させていただければと思います。ありがとうございました。
○渡部委員 よろしくお願いいたします。
○渡邉部会長 渡部先生、どうもありがとうございました。そのほかに、この業務報告に関して、何か御質問、コメント等がありましたらよろしくお願いいたします。花井先生、どうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。いわゆるARO支援実績の所で、一応主導と他施設共同と分けて報告されていると思うのですが、この主導のほうは分かるのですが、他施設共同の場合に、例えば他施設共同で、共同研究機関として一機関を支援する話と、他施設共同を主導する機関を支援する話では、相当、話が違うと思うのですが、この辺というのは、他施設共同というのはどのようなクライテリアになっているのですか。つまり、主導する機関を支援して、並走してサポートする話と、当施設から他施設共同に加わりたいのですがと頼む話では、全然この支援内容のレベルが違うと思うのですが、それは両方入っているという理解でしょうか。
○医政局研究開発課課長補佐 事務局です。花井先生ありがとうございます。こちら、他施設共同に関しては、参画をしていればということでやっておりますので、主導ではないものということで調査依頼を行っています。
○花井委員 ということは、主導のほうに他施設共同治験をどこかが、統括の機関を支援した場合は、この主導のほうに入るということですか。すみません、ちょっと基本的な質問で。
○医生局研究開発政策課治験推進室長 7番の表ですね。
○花井委員 そうですね、AROの支援件数という所で。
○医政局研究開発課課長補佐 少しお待ちください。
○佐藤(暁)委員 国立がん研究センターの佐藤です。もしよろしければ、私は報告書の作成を中核病院側で担当しているのでご説明させていただきます。
○渡邉部会長 佐藤先生、よろしくお願いします。
○佐藤(暁)委員 この医師主導治験と多施設共同に関しては、いわゆるPIが自分の施設にいるか、あとAROがその医師主導治験に対して包括的な支援を行ったかのどちらかの場合に記載することができ、先ほどおっしゃっていただいたように、そのうちの単施設と多施設試験を含んだ数が、例えば、今、出ている数では7で、多施設共同試験のみの場合は5だと理解しています。なので、先ほどおっしゃったように、これは多施設共同試験の中に参加施設として参加したら1カウントではなく、その施設の医師が主導する若しくは包括的に支援した場合に記載できるという形になっていると思います。
○花井委員 分かりました。ありがとうございます。
○渡邉部会長 佐藤先生、御説明、どうもありがとうございました。そのほか、コメント、御質問がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。特にありませんか。
ないようですので、続いて議題3)「臨床研究中核病院の承認要件に係る取扱いについて」に移りたいと思います。事務局より説明をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 それでは、「臨床研究中核病院の承認要件に係る取扱い」について御説明させていただきます。資料2の1ページの(表1:令和5年度業務報告)を御覧ください。先ほども申し上げましたとおり、令和5年度業務報告書において、長崎大学病院において医師主導治験、臨床研究実施件数と結果論文数が必要な数に達さなかった旨、また、神戸大学病院においては、結果論文数が要件を満たさなかった旨が報告されております。
具体的には、医師主導治験は8件以上、若しくは医師主導治験4件以上かつ特定臨床研究40件以上が求められ、結果論文数は45件以上を要件として求めております。しかし、長崎大学病院は医師主導治験が3件、特定臨床研究が23件、結果論文数が38件でした。神戸大学病院は、結果論文数が37件でした。なお、令和6年度の実績見込みについては、速報値ではありますが、(表2:令和6年度業務報告見込み)に書かれていますとおり、2拠点ともに要件を満たす見込みであるという報告を受けております。
2ページです。これまでの検討内容について、3つの要素について御説明させていただきます。1つ目は、「臨床研究・治験の推進に関する今後の方向性について 2019年版とりまとめ」の中の、「臨床研究中核病院に係る継続的な取組みの評価について」において、個別の臨床研究中核病院に関して、業務報告書において提出された内容が承認要件を満たさないような場合の対応について記載があり、本部会において、当該臨床研究中核病院の体制及び実績状況を確認し、適切な臨床研究の実施に係る見地から改善に係る意見をとりまとめ、社会保障審議会医療分科会に報告する。
社会保障審議会医療分科会は、本部会からの報告を踏まえ、当該臨床研究中核病院開設者に対し改善計画を求める。また、当該改善計画については期限を定めて、是正結果の報告を求める。そのようにされております。
2つ目について、新型コロナウイルス感染症拡大に関する影響についてです。令和3年1月に開催された第19回臨床研究部会で、新型コロナウイルス感染症拡大に鑑み「令和元年度及び令和2年度業務報告に係る方針案」が議論されました。その際、「承認要件充足に係る評価については、実態を把握しながら、柔軟な対応とする」こととされておりました。
3つ目は、令和4年4月に開催された第30回部会において、「臨床研究中核病院に係る継続的な取組みの評価について」に規定された、臨床研究部会から社会保障審議会医療分科会への報告の運用について、当該臨床研究中核病院から事情を聞いた上で、臨床研究部会としての意見を付記した上で、医療分科会に提出する。意見の内容に関しては一律に基準を決めて判断するのではなく、事案ごとに部会で検討するとの議論がされたところです。
3ページを御覧ください。これまでの検討内容を踏まえまして、今回の事案の取扱いについての論点を記載させていただきました。こちらは、長崎大学病院及び神戸大学病院の状況や改善策を踏まえた評価についてです。こちらに関しては、両病院より、要件が未達となった詳細と今後の対策に関して報告書が出ておりましたので、それを踏まえた説明をまずさせていただきます。
6ページを御覧ください。長崎大学病院の報告書によりますと、要件未達となった要因としましては、6ページの3行目、A.以下の1つ目のポツです。長崎県では高度急性期病棟の9割が長崎大学病院であり、重症者のほとんどを受け入れて対応しなければならなかった。コロナウイルス感染症拡大時期における長崎大学病院の対応や、あるいは3つ目のポツですが、地域の中核病院として、トリアージ、宿泊施設への医療従事者の派遣、県民に対するワクチン接種の対応など幅広い活動を行う必要があった点、こういったところがコロナの影響として報告を頂いております。
また、同じくコロナの影響ですが、B.の受診者の減少及び病院経営への影響の箇所、このページの中段やや下ですが、こちらの2つ目のパラグラフ、感染対策のための行動制限が緩和された以降の所です。こちらも、患者の戻りが極めて緩徐であったこと、そしてその結果、新規臨床研究の立ち上げが令和3年、4年にほぼなくなってしまった点、こちらの御報告を頂いております。これが要因の1つ目として長崎大学病院から御報告いただいております。
もう1つ要因として、7ページを御覧ください。②と③です。長崎大学病院においては、歯科医師部門の研究活動が大変盛んでして、臨床研究の約半数を歯科が占めておりました。ただ、当該診療科において医療事故が発生し、その結果、3か月間の診療休止や歯科医師の異動や辞職が生じ、研究にリソースが回せなかったこと。その後も体制整備を優先する必要があったことが原因として挙げられております。
これらを踏まえまして、今後の改善対策について報告を頂いております。同じく7ページの下です。①として、「診療科ラウンドの実施」を挙げていただいております。こちらは、令和4年度末より開始しているものです。内容としては、各診療科の医師、歯科医師が日常診療で抱いているクリニカルクエスチョンを臨床研究に結び付けるために、ARO部門の教職員が年に1回診療科を訪問し、研究を推進する土壌や環境を育成するという取組みです。この取組みは、早速、効果が出ているということで、2024年度は、新規臨床研究件数の28件の大半が本取組みによるものだということを御報告いただいております。
②の取組みとして、「臨床研究推進プロジェクトチームの設置」です。臨床研究実施の経験のある教員をこのチームのメンバーに任命し、伴走支援を行って計画段階から成果の発表までの支援を行うというものです。
③の取組みは、スタートアップ支援のインセンティブについてです。こちらについては10ページを御覧ください。こちらは大学病院が実施している研究スタートアップ支援のインセンティブの一覧です。右下にある「研究スタート支援金」のとおり、医師主導治験には1件100万円、臨床研究には50万円、左上に移り、CRBの審査料の全額、論文投稿時の英文校正料や論文掲載料の支給、また、PubMedにインデックスされている論文の場合には30万円を支給するといった対策を取っていると御報告を頂いております。このような要件未達に対する原因と改善計画を長崎大学病院から頂いております。
以上の報告を踏まえまして、資料2の3ページ、論点の所に戻っていただきまして、3の②です、「臨床研究中核病院に係る継続的な取組みの評価について」、第19回部会の方針及び第30回部会の議論を踏まえ。長崎大学病院の業務報告及び経緯と改善策に関して、以下の観点からそれぞれの拠点に関して、どのような意見を付記して社会保障審議会医療分科会に報告するか。長崎大学病院から説明された要件未達の背景について、病院の事情等から承認要件を充足しなかったことはやむを得ないと判断できるか。長崎大学病院から提出された改善策について、来年度以降の要件充足に向けて十分と考えられるかについて御議論いただければと思います。神戸大学病院に関しましては、また、この後、引き続き検討いただきますので、まずは長崎大学病院について御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○渡邉部会長 御説明ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に関して、長崎大学病院の状況や、改善策を踏まえた評価の論点について、委員の先生方には御議論いただきたいと思います。何か御意見等ありますか。長崎大学は、医師主導治験が3件、臨床研究が23件、また論文数が38件ということで、いずれも業務報告書については必要な数が満たせなかったということです。藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 長崎大学病院の資料2の1ページの数値について、ほかの中核病院の報告書との齟齬があるので、事務局にもう一遍確認したいのですが、長崎大学病院は、これは過去3年の特定臨床研究に係る実績というので、参考資料1で言いますと、59ページの長崎大学病院の所を見ますと、令和3年が医師主導試験なしで、令和4年が2件、令和5年が1件と。臨床研究は、令和3年11件、令和4年2件、令和5年10件。論文発表の実績、一番下の左側に、特定臨床研究の実施に伴うものが、各年度12、16、10となっているのですが、ここでは3、23、38になっております。ほかの中核病院の資料をざっと見てみますと、ほかの中核病院の資料は全部数字が、令和5年度の数字が個々挙げられているようで、神戸大学もそうです。神戸大学は参考資料、47ページです。神戸大学を見ますと、医師主導治験の実績は、各年度9、4、4で、神戸大学は4件ですし、臨床研究は22、40、43件で、論文は、一番左の令和5年37というのが載っています。長崎大学だけが多いのです。集計年度が1年度ではなくて3年です。ここには過去3年の実績と書いてあるのですが、ちょっと混乱していまして、本当はほかの中核病院と合わせると、ここは多分3、23、38ではなくて、1、10、10になってしまうのです。ですから、集計の仕方が、ほかの中核病院がおかしいのか、長崎がおかしいのか教えてほしいのですが。
○渡邉部会長 この辺の齟齬について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発政策課課長補佐 事務局です。藤原先生、御指摘ありがとうございました。本資料は、基本的に業務報告書の数字を書いていただくことになっていまして、過去3年分の所、例えば令和5年度であれば、令和3、4、5年度の数字を記載する資料になっておりますが、恐らく、この資料は令和5年度の単年度のものを記載しているもので、長崎大学の場合ですと、令和4年の2と令和5年の1を足して医師主導治験が3件になると考えております。
臨床研究の数に関しても、長崎大学は実際令和3年度に実施した実数が11、令和4年度が2、令和5年度が10ということで、合わせると23になります。長崎大学に関しては、資料の修正を依頼していると思います。以上です。
○渡邉部会長 藤原先生、よろしいですか。
○藤原委員 そうすると、資料1の業務実績報告書で、例えば、神戸大学は92ページですが、ここには4、43、37と書いてあります。これは資料2の数字と同じですが、各年度の数値を、先ほどの参考資料の47ページになると、合計値はもっと多くなるように思うのですが。例えば、臨床研究で、令和3年度からのトータルにすると62、105、医師主導治験になると13、4、その年その年で開始しているものと、継続しているものがあるので微妙なのかもしれませんが、この辺りがよく分からないなというのがあって、参考資料1、資料1、資料2を全部見ても、長崎大学はほかの中核に比べてもものすごく実績が低いのです。それも3年間ずっと低いので、今回改善計画をいろいろやられてますが、来年から本当に大丈夫かなというのが気になるところでした。集計の仕方はもう一遍自分でも見直してみます。ありがとうございます。
○渡邉部会長 ありがとうございました。これについては、実際に臨床研究中核病院の先生方がいらっしゃるのですが、この記載について何か御存じの方はいらっしゃいますか。佐藤先生、お願いします。
○佐藤(暁)委員 私は毎年書いているので、その経験で。例えば、今年提出する報告書に関しては、前年度から3年遡った分を足したものを業務実績報告書に記載しています。新規開始の件数のみで、継続は含まないという形になります。今回、対象になっている令和6年に出された報告書なので、3、4、5年分、新規開始医師主導治験を足した数が載っているのが正確で、藤原先生が御指摘のとおり、参考資料1のほうは、多分、3年分足したものをほかの拠点は書いていると思いますが、長崎大学病院は各年度の1年分だけを書いて、つまり、参考資料1の所だと、令和5年の所には、3、4、5が書かれたものが載っていて、令和4年の所には2、3、4が足されたものが書かれているという形で、毎年、過去3年分遡った新規の数を書いています。資料としては分かりにくいと前から思ってはいたのですが、毎年業務報告書に書いた合計の数値を書いていくというルールになっています。我々も昔1回間違って修正させていただいたことがありました。以上です。
○渡邉部会長 ありがとうございました。その考え方の整理というか、皆さんに統一をお願いしたいと思います。
○医政局研究開発政策課課長補佐 佐藤先生、渡邉先生、ありがとうございます。資料に関しては、依頼の際、定義をしっかりするようにいたします。長崎大学に関しては、過去3年分というように修正依頼をかけさせていただきます。
○渡邉部会長 それではよろしくお願いいたします。山口先生、よろしくお願いします。
○山口委員 山口です。今、いろいろと改善の策を立てられているのですが、歯科が研究の半分を占めていたと、先ほどの御説明にもありました。臨床研究中核病院の中で、歯科が研究の半分を占めるのは珍しいのではないかと私は思うのですが、研究の数だけではなくて、各科にわたっているかどうかということは確認されているのですか。というのも、あまりにも一部の科に集中してしまいますと、今回もそうですが、異動があったりすると、途端に数ががくんと減る可能性があると思いますが、そういったことも見ていかないと、今回のようなことになるのかと思いましたので、その辺りを確認させていただきたいと思います。
○渡邉部会長 ありがとうございます。
○医政局研究開発政策課課長補佐 事務局です。山口委員、御質問いただきありがとうございます。まず、診療の偏りとか、診療科ごとでどのような研究をしているかに関しては、事務局では特に評価などはしておりません。
○渡邉部会長 山口先生がおっしゃった御指摘の点は全くもっともで、1つの科に依存していると、他の状況によって随分パフォーマンスが左右されるということになると思います。だからこそ、この後の対応として、各診療科のラウンドの実施とか、全体の診療科においての臨床研究の促進といった対応が取られることになったのだと思いますが、山口先生の御指摘はそのとおりだと思います。これについて、ほかの先生方から何かコメント等ありますか。
○山口委員 追加でよろしいですか。
○渡邉部会長 お願いします。
○山口委員 今回のことは、やはり偏りがあるとこういったことにつながると思いますので、余り厳密にではないですが、ある程度各科にわたっているかどうか確認することも、少しあってもいいのではないかとは思いました。
○渡邉部会長 ありがとうございました。多分、論文の内容を見ると、偏っているかどうかというのは確認できると思いますが、それについては事務的作業が大変でしょうか。
○医政局研究開発政策課課長補佐 事務局です。実際、提出された論文に関しては、タイトル、アブストラクマム、デイトまでは場合によっては本文を読んで、医療向上の特定臨床研究に該当しているかどうかまでは吟味はしていますので、また、アプリケーションを見ますと、どこの方が出ているかは把握できると思いますので、今後業務報告書提出時に関して反映させていただければと考えております。
○渡邉部会長 山口先生、対応について、それ以上何かございますか。
○山口委員 いえ、厳密にするということではなくて、ある程度見ていただいて、ちょっと危ないなというところを事前に確認できて、注意することがあればいいのかなとは思いました。
○渡邉部会長 ありがとうございました。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 事務局です。山口先生、御指摘ありがとうございました。今回、長崎大学の事例については、例えば、資料2の11ページにあるとおり、診療科別の研究数が歯科が多い、研究を活発にされているのは大変良いことだとは思いますが、それ以外の診療科においても、いろいろと研究の風土を作っていただくために御努力されているということで、2020年も、実際に半分ぐらいは歯科以外の所が頑張っていただいている所もあるので、是非、そういったものを進めていただきたいとは考えております。また、他の臨床研究中核病院につきましても、診療科の偏り自身は、例えば特定の科に特化しているようなナショセンみたいな所もあるので、なかなかそれ自身が悪いというものではないのですが、複数の先生が臨床研究を支える形にならないと、ちょっとした人事異動や研究体制の変化によって、急に要件を満たさなくなってしまうという御指摘は全くそのとおりだと思いますので、引き続き、そういったところに関しては、臨床研究がしっかりと進められるように各病院にもお願いをしていきたいと考えております。ありがとうございました。
○渡邉部会長 ありがとうございました。ある科が頑張っていることが臨床研究中核病院の特徴となっている場合はあるかもしれませんので、その点も含めた評価は怠りなく今後もやっていきたいと思います。
ほかにこの件に関していかがですか。
○花井委員 花井です。ありがとうございます。臨床研究中核はどうあるべきかという話を考えて、今回の長崎大学を見ますと、いろいろ意見はあると思うのです。しかしながら、こういう大学病院というのは、通常はクライテリア10科診療科が必要なわけです。10の講座があって、それぞれは研究講座ですから、本来はそちらが主になりがちで、むしろ、臨床はもちろん大事ですが、そういうイメージが大学病院ですが、長崎大学に関しては、やはり地域性ということもあって、かなり地域の医療を支えるという病院診療機能が期待されていることが結果的にちょっと苦労したと見えるのですが、しかしそれをどう忖度するかみたいな話は、あんまりここでしても仕方ないかと思いますので、今回長崎大学は何となく実状は見えてきて、このように改善をして、各科ともできるようにするということで、これはこれでよしとすべきと考えます。
ただし、前にもありましたが、何回これが許されるか問題というのは考えておかなければいけないのではないかと。つまり、結局のところ、定性的にみんなで見て、この病院はこういう病院だねということをやる場でもないので、やはり、基準から落ちるということが、複数回続くという辺りで、ちょっと諦めたらとか、そういう話ができるのであって、やはり、今、臨中の基準が決まっている以上、この基準で評価するのですが、頑張って臨中になろうとしている施設もあるし、余裕でなっている施設もあるわけです。特に、AROの支援に関しては、一定程度体制を作れば、支援は困らないのです。研究するほうは、実は、診療現場の忙しさとか、人のリソースにかかっているので、今回、長崎大学は典型的にそれが現れていると思うのです。臨中としてそれをどう考えるかというのは大きな議論なので、今、この段階でするべきかどうかはちょっと思うのですが、何回までこれは許されるのですかぐらいのことは、一定程度ディスカッションしておいたほうがいいのかなと思います。以上です。
○渡邉部会長 ありがとうございました。確かに今回はコロナという要因があって、そこに診療のエフォートが割かれて、研究には十分なエフォートが割けなかったということもあると思います。また、このことを契機として体制としていろいろな工夫が、始まったと理解し、今回は了承するということでよろしいでしょうか。ただし、長崎大学において、もし、今後もこのような状況が続くようであれば、そのときには様々な可能性を含めて再検討ということでよろしいですか。
○花井委員 そうですね。全体としての議論だと思うのです。以前、大阪大学もそういうことがあったわけですが、そこのところは何か基準でやるしかなくて、臨中の指定が応援なのか、何なのかみたいな議論は法律的にはあるのですが、今回、長崎大学については、かなりいろいろな資料から、別の資料も見ると、現場が見えてくるわけです。そうすると、大変苦労されているということもよく分かるので、それはその施設が、今後、これだけの改善策で何とかしようとしているのですから、それは了承すべきということで、全体としてそれを臨中の基準で、何回基準を外せるかみたいなところは議論したらどうかなという提案で、今回の件に、これ限りだよみたいなことを付記する必要はないかとは思います。
○渡邉部会長 分かりました。ありがとうございます。第30回の部会においては、何か一律の基準を決めて判断するのではなく、事案ごとに部会で検討するとも書いてありますので、今回、この事案を皆さんに御理解いただいて、次に繰り返さないように指導もしていただきたいと思っております。よろしいでしょうか。そのほか、何か御意見等ありましたらお願いいたします。
それでは、今回の長崎大学病院に関しては、この改善策について対応が取られていることを確認したことで進めていきたいと思います。それでは続いて、神戸大学病院について、事務局より御説明をお願いします。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 事務局です。資料2の12ページを御覧ください。こちらは、神戸大学病院に関する資料です。今回、神戸大学病院に関しては、論文の要件を満たすことができなかったという御報告でした。その要因に関する経緯について記されていますが、13ページです。13ページの3行目の「しかしながら」から始まる段落ですが、更に進んで4行目、こちらもCOVID-19、コロナ関連に関する話ですけれども、コロナ対策に伴う院内診療体制の再編等を受け、既に実施中であった臨床研究への参加候補者に対する外来及び入院診療自体がままならない状況となったということで、事態の長期化につれて、結果的にいずれの研究においても、研究参加者の登録進捗に重大な支障を来す事態となったと御報告いただいています。
対策としては、登録期間の延長、研究参加施設の追加募集を行って適格症例数確保に努めたものの、十分な症例数を確保するのに時間を要し、又は必要な研究参加数を確保できないまま研究終了に至らざるを得ない研究が多数発生してしまったという状況を御報告いただいています。その結果、研究の論文化の遅延であったり、あるいは登録数不足等の理由によると思われるレビュアー等の査読対応や論文採択の困難が生じて、採択までの時間経過の延長や論文採択率自体の低下につながって、未達の原因となってしまったと御報告いただいています。それに対するてこ入れというか対策として、英文翻訳校正料金や投稿料金補助等の対策を行ったものの、2023年度末の時点での必要な論文件数の確保には至らず、45件の論文要件に到達したのは3か月遅れという結果になったと御報告いただいています。
全体の改善策としては、13ページの下のほうから対策が示されています。まず1つ目としては、ARO部門が特定臨床研究の進捗管理を行うと御報告いただいています。14ページです。2つ目、3つ目ですが、研究後の早期の論文化や「6か月以内に採択」された論文に関して、金銭的インセンティブを付けるといったことを追加の対応として御報告いただいています。
臨床研究数そのものの底上げ、増加に対する対応としては、15ページを御覧ください。15ページで示されていますのは、各診療科へのヒアリング、15ページの下段に書かれているⅴ)ですが、神戸医療産業都市推進機構との連携や、次ページに神戸大学関連病院群というのがありますけれども、そのうち臨床研究への意欲が高い機関とのアライアンスを作ること、更に進んでいただいて、姫路市と連携の上、寄附講座を設置してCRCの養成等を行うことを御報告いただいています。こういったことによって、臨床研究そのものの数を増やしていくといった対策を御報告いただいています。
これらの報告を踏まえて、論点に戻ります。資料2の3ページです。各病院の状況や改善策を踏まえた評価の論点ですが、神戸大学病院の業務報告及び経緯と改善策に関して、御議論いただければと思います。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○渡邉部会長 御説明どうもありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に関して、神戸大病院の状況や改善策を踏まえた評価の論点について、御議論下さい。神戸大学の場合は、45件の論文要件を3か月遅れで達しており、それについても対応策、ARO部門の進捗管理、また論文を書いた方々に対しては、金銭的なインセンティブを付ける等の対応が行われているということです。これについていかがでしょうか。藤原先生、お願いいたします。
○藤原委員 どうしても頭の中でクリアにならないので、もう一度事務局に教えてほしいのですが、参考資料1の47ページの神戸大学病院の所を見ると、論文実績は一番左の特定臨床研究の実施を伴うものが、令和3年度が45件、令和4年度が45件、令和5年度が37件と。資料2の1ページの令和5年度業務報告を見ても、先ほど過去3年の合計ですとおっしゃったように記憶しているのですが、3年間の合計論文数だと127件なのですよね。業務報告というのは、先ほど東病院の佐藤先生が3年間の合計額をサマリーしているとおっしゃっていたのですけれども、長崎以外のほかの中核病院の集計は、全て令和5年度の値だけが出ているように思うのです。しつこくて申し訳ないのですが、佐藤先生でもいいのですけれども、もう一度教えてもらえませんか。
○医政局研究開発政策課課長補佐 事務局です。藤原先生、神戸大学の資料の47ページの、令和5年度の37件という数字ですが、令和3年度、令和4年度、令和5年度にパブリックされたものの合計が37件となります。令和4年度の45件という数字に関しては、令和2年度、令和3年度、令和4年度を合わせて45件という数字です。その前の令和3年度のものに関しても45件になっていますが、令和1、2、3年度を合わせて45ということで、それぞれの数字がオーバーラップしているということです。非常に分かりにくい資料となっており、申し訳ございません。
○藤原委員 理解いたしました。それで統一されているのだったら、長崎の集計の仕方がおかしいということなのですよね。59ページの令和5年度業務実績では1件になっていますよね。これは、3年間の合計が1件なのか、その辺がはっきりしないのです。多分、論文実績は令和5年度業務報告では10件、これは、過去3年に遡った合計が10件ということなのであれば、論文数は先ほど38件とおっしゃっていたのですが、何かおかしいと思って、もう一度。
○医政局研究開発政策課課長補佐 事務局です。藤原先生、御指摘ありがとうございます。長崎大学の場合ですと、単年度で記載しておりますので、例えば論文数に関しては、令和3年度の12件、令和4年度の16件、令和5年度の10件を足して、12+16+10ということで38件になると、そういう数字になっております。
○藤原委員 分かりました。長崎大学の59ページのものを直してもらえば分かりやすくなるということですか。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 そのとおりです。
○藤原委員 分かりました。
○渡邉部会長 それでは、佐原先生、お願いいたします。
○佐原委員 私も同じ箇所についてなのですが、むしろ長崎大学の記載の仕方の方が分かりやすいのではないですか。もちろん、臨床研究中核病院業務報告を厚労省に提出するときには3年分の合計の数字を出してもらえばいいのですが、論文発表の実績という項目で様々な方に見てもらう資料であれば、むしろ長崎大学の記載の仕方の方にそろえたほうが見やすいような気がいたしましたので、意見させていただきました。以上です。
○渡邉部会長 ありがとうございます。事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発政策課治験推進室長 佐原先生、御指摘ありがとうございました。表現が誤認を与えるという話であろうと思いますので、表の書き方かまとめ方か、いずれにせよ何らかの改善を図りたいと思います。ありがとうございました。
○渡邉部会長 ありがとうございました。この資料統計についてはこれまでも続いていて、比較ということもあると思いますので、誤解を産まないように、分かりやすい形で整えていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。ほかにコメント、御意見等は特にございませんか。それでは、先生方の御意見を踏まえて、両大学の今回の報告については御了承いただいたと考えてよろしいでしょうか。それでよいという方は、申し訳ありませんが、挙手ボタンを押していただけますか。
ありがとうございます。先生方から御了承いただきました。それでは、長崎大学病院、神戸大学医学部附属病院の取扱いについては事務局にお願いして、今回頂いた意見を整理した上で、医療分科会への意見書案を作成いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。意見書案については、持ち回りで委員の方々の御確認を求めて、修正の内容は部会長預かりとさせていただきたいと思います。その後、医療分科会へ報告してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
続いて、議題4)「臨床研究法に定める疾病等報告について」です。事務局より御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課室長補佐 資料3の「臨床研究法に定める疾病等報告について」を御説明させていただきます。半期に一度本部会で御報告している疾病等報告について、令和6年度下半期分の疾病等報告を御報告いたします。1ページに示しているとおり、臨床研究法第15条第1項の規定により、令和6年10月から令和7年3月末までの疾病等の報告の状況について、別紙のとおり報告いたします。なお、当該報告内容に関し、認定臨床研究審査委員会から、臨床研究の対象者の安全性に大きな影響を及ぼす疾病等や不適合への措置として、臨床研究を中止すべき等の特記すべき意見が述べられたものとして厚生労働大臣に報告が行われたものはありませんでした。
2ページは、PMDAから受領している「疾病等報告整理結果通知書」です。未承認の医薬品等を用いる特定臨床研究の実施によると疑われるものは2件、医薬品が1件、もう一件が医療機器によるものです。適応外の医薬品等を用いる特定臨床研究の実施によると疑われるものは7件報告されており、全例が医薬品によるものとなっています。
3~5ページに、少し字が小さくて申し訳ないのですが、特定臨床研究の実施によると疑われるものの一覧を示しています。幾つか死亡等の転帰をたどったものはありますが、研究対象者と同様の患者群における一般的なイベントの発生率と比較して目立った差違はない旨、報告を受けています。いずれの研究も緊急対応を要するものとは判断いたしませんでした。御報告としては以上です。
○渡邉部会長 ありがとうございました。ただいまの報告に関して、御質問等はございますか。特に御質問等はないようです。この疾病等報告に関しても、臨床研究部会で報告を受けたということで、御了解いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発政策課室長補佐 ありがとうございます。
○渡邉部会長 ありがとうございました。
それでは、本日予定いたしました議題については以上です。そのほか、事務局から何か追加でありましたら、よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発政策課室長補佐 参考資料5を御覧ください。CRBの設置状況を1、2ページに、jRCTに登録されている特定臨床研究等の状況については3ページで御紹介しています。いつもの資料ですが、適宜御覧いただけますと幸いです。
次回の開催については、委員の皆様に追って事務局より御連絡を差し上げます。事務局からは以上です。
○渡邉部会長 ありがとうございました。それでは、これで全ての議題を終了いたしました。委員の皆様から何かコメント、御意見等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
本日は、第44回臨床研究部会に御参加いただき、どうもありがとうございました。本日は、これで閉会とさせていただきます。ありがとうございます。


 

