第3回 特定技能制度及び育成就労制度の技能評価に関する専門家会議 議事要旨

日時:令和30日() 10:00~12:00 
場所:Web会議 
出席者:漆原委員、後藤委員、佐久間委員、武雄委員、花山委員、堀委員 
厚生労働省人材開発統括官海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁政策、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構 
 
議題 
建設分野(土木業務区分、建築業務区分、ライフライン・設備業務区分)について 
自動車運送業分野(トラック運転者業務区分)について 
林業分野(林業業務区分)について 
 
【概要】 
 議題に示す業務区分で活用する特定技能評価試験、育成就労評価試験等について分野所管行政機関から説明があり、委員から主として以下のような意見があった。委員意見を踏まえて、各分野所管行政機関において試験の改善を検討することとなった。 
 
【各分野共通事項】 
 育成就労の3年目試験としては、技能検定3級又は育成就労評価試験専門級を実施する必要がある。その上で、更に高いレベルに特定技能1号評価試験があるべきであり、安易に特定技能評価試験を育成就労の3年目試験としないようにすべき。 
○ 実技試験が判断等試験のみで、体を動かす実技試験(製作等作業試験)ではない試験もあり、この内容では育成就労制度の目的である人材育成及び人材確保の達成状況を図るには不適切である。海外での製作等作業試験の実施が難しいという事情は十分理解するが、技能レベルの低い外国人が入国しないよう、業所管省庁で海外でも製作等作業試験を実施することが必要。 
○ 特定技能1号評価試験については、○×や二択ではなく、少なくとも三択や四択以上とすべき。 
○ 判断等試験による特定技能1号評価試験が、製作等作業試験を行っている技能検定3級と同等であるといえるのか。 
 
建設分野の特定技能評価試験に係る事項】 
○ 建設分野では労災発生率が高い。判断等試験では、労働安全衛生対策を含めた技能をはかるには不十分。特定技能評価試験を経て新たに入国する外国人が育成就労から移行した外国人と同等の技能を持つことを評価するため、特定技能評価試験において製作等作業試験を実施すべき。 
○ 試験時間と問題数を他の特定技能評価試験に合わせ、減らしたとの説明があったが、他の特定技能評価試験の試験時間や試験問題数が求められる「水準」と比べ十分であるとはいえないことから他の特定技能評価試験に合わせて試験問題数を減らす必要はないのではないか 
○ 実技試験の改善の方向性として、例えばVRやARを用いて現場作業を再現して試験を行うなど、物理的な資材を海外に持ち込まなくても技能を測れる手段を活用することもあるのではないか 
○ 建設分野に必要な技能は、知識でなく実際の作業ができるか確認する必要がある。パソコンの画面上の試験だけでは現場の即戦力となるかどうか不明確であるため、製作等作業試験の実施を検討すべき 
○ 海外で一般社団法人建設技能人材機構(JACの支援を受けつつ、建設分野の一部の業界団体が、技能の実習を外国人に対して行っているのであれば、現地に機材が用意できるということであり、製作等作業試験が実施できるのではないか。 
 
トラック運転者業務区分の特定技能評価試験に係る事項】 
○ トラックでの作業は、荷台からの転落の事故や、機械装置への挟まれといった労働災害が多い。積み下ろし作業ができること、安全運転ができることについて、判断等試験とするのではなく、製作等作業試験を行うよう改善してほしい。トラックやトラックの荷台のコンテナ積載は海外でも存在する。緊急時対応、積み下ろし点検等について製作等作業試験は海外で実施できるのではないか。分野所管行政機関からトラックなどを使用することで試験の受験料が高くなるとの説明もあったが、日本国内でトラック運転による事故が発生しないよう、安心、安全の観点から必要な技能をることは必要。 
○ 学科試験や判断等試験の内容を見ても、荷役業務に関する問題数が少なく、運転業務に関する問題数の比重が多い。荷役作業もトラック運転に関し重要な業務であるため、製作等作業の試験の実施や問題数の適切な設定をすべき。 
○ 試験問題の内容が日常的、常識的な問題となっており、専門性が乏しい。横断歩道の歩行者優先を問う問題などは、常識的なものである。 
 自動車学校を活用して、運転技能の実技試験を実施することを検討してはどうか。製作等作業試験を実施することが原則なので、製作等作業試験が物理的にできないということではなくて、できる限り実施する方向で検討してほしい 
 
林業分野に係る事項】 
 今後海外で試験を実施する場合も、実技試験は、現在行っている製作等作業試験実施すべき海外で製作等作業試験が実施できないのであれば、海外から受け入れることはせず、国内の育成就労スキルを高めて、技能検定に受かった者を特定技能で受け入れるべき 
 
(以上)