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第98回 厚生科学審議会感染症部会 議事録
日時
- 令和7年9月3日(水)10:00~12:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム(5階)
議題
- (1)急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスの実施状況について(報告)
- (2)急性呼吸器感染症(ARI)に関する特定感染症予防指針について
- (3)新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について(報告)
- (4)多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準について(報告)
議事
○小谷エイズ対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまから、第98回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
本日議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが多少生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえ、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順で失礼いたします。
今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 越田委員。
○越田委員 越田です。おはようございます。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 笹本委員。
○笹本委員 笹本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 戸部委員。
○戸部委員 戸部です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 成田委員。
○成田委員 成田です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 原委員。
○原委員 原です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 宮﨑委員。
○宮﨑委員 宮﨑です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
なお、小西委員、島田委員、白井委員から御欠席の連絡をいただいております。
また、坂本委員から遅れて参加との御連絡を、また、藤田委員につきましては、途中退席との御連絡をいただいております。
また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構より細澤様、堀様、俣野様の御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。
以上、現在、感染症部会委員20名のうち16名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第及び委員名簿、座席図、資料1、資料2-1、資料2-2、資料3、資料4になります。不備等がございましたら、事務局にお申しつけください。
それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 承知しました。皆様、改めまして、おはようございます。今日も感染症部会をよろしくお願いします。
では、早速ですけれども、議事に入ってまいりたいと思います。まず、議事次第を御覧ください。
今日は4つありまして、議題の1、3、4が御報告ということになっています。順番に進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
まず、議題の1ですけれども「急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスの実施状況について」の御報告です。資料の1につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 それでは、資料1について御報告させていただきます。1枚目をおめくりください。
急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスについて御報告させていただきます。
令和7年4月7日からARIサーベイランスが開始されております。改めてになりますけれどもARIサーベイランスの目的につきましては、ARIの定義に合致する症例数及び収集された検体または病原体から、各感染症の患者数や病原体の発生数を集計し、ARIの発生のトレンドやレベルを踏まえた、流行中の呼吸器感染症を把握することでございます。また、新興・再興感染症の発生を迅速に探知するという目的もございます。
症例定義につきましては、皆様方の御議論もいただいたところでございますけれども、定義のとおりとなっております。
現在、この回収状況につきましては、毎週金曜日、収集後に発行という形にしておりますが、ARIの年齢別、都道府県別患者数、検体採取週別の病原体別報告数、COVID-19のゲノムの解析結果などを一体的に把握が可能となっております。
3ページ目を御覧ください。
こちらがARI週報になります。令和7年4月25日、JIHSより第1報を発行、以降、毎週金曜日に発行していただいております。
こちらにつきましては、国内のARIの発生のトレンドやレベルを踏まえた流行状況の把握をすることを目的としております。
これを行うことによって分かるようになったことにつきましては、左下のほうに書いておりますけれども、年齢別、都道府県別のARIの発生動向が把握できるようになりました。
また、急激に患者数が増加している特定の層であるとか、都道府県が分かるようになったという形になっているところでございます。
4ページ目を御覧ください。
こちらにつきましては、病原体定点からの検定を用いた検体採取週ごとの病原体別報告数の推移と、あと、COVID-19の系統別検出状況の推移になっております。
こちらにつきましては、検体採取体制を統一いたしました。検体の採取体制につきましては、採取日を原則営業日のうち、週初めから数えて第2営業日に定め、目標提出数を定点当たり5検体/週とさせていただいております。
あわせて、地方衛生研究所において実施する検査も統一させていただいた結果、病原体別検出状況として、時系列での国内・地域別の病原体別の検出状況・傾向が分かるようになりました。
また同時に、全体に占める「検出なし」となった検体数の割合が分かるようにもなりました。
こちらは、基本的なARIサーベイランスが実施されており、このような状況であるということを事務局で御報告させていただきます。
以降の5、6ページにつきましては、参考資料となりますので、また、御覧いただければと思います。
事務局からの報告は以上になります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
ARIサーベイランスですけれども、4月から開始されて、もう5か月が過ぎたというところで、週報も毎週出していただいていますけれども、今、説明があったとおり、分かるようになったこともありますし、それから多分の委員の先生方からは、問題点の御指摘もあるのではないかと思いますが、ここで委員及び参考人の先生方から御質問あるいは御意見等をいただければと思います。
それでは、手を挙げていただければ、御指名させていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、まず、笹本委員、お願いいたします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。御丁寧な説明をありがとうございました。
質問がございます。資料1の2ページと3ページに、ARIの定点当たりの報告数の日本地図がございます。これを見ると、地域差があるように見えます。ARIの報告につきましては、医療機関によって報告の判断基準の差が出る可能性があるのではないかと思っています。そのことによる日本での地域差があるかどうかを教えていただきたいと思います。
また、もし地域差があるとすると、今後、例えば、北海道など、北のほうからARIが増えてきた場合、全国的な比較に影響が出る可能性がありますが、何か対応策は考えているかどうかを教えていただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
順次少し御意見をいただいてから、事務局に回答をしていただこうかなと思いますので、越田委員、まず、御意見をお願いいたします。
○越田委員 おはようございます。
改めまして、国内の急性呼吸器感染症の発生状況を把握するということで、未知の新興感染症、再興感染症の発生の発端を時機を逸することなく感知できるメリットは十分理解しております。
現時点で、定点をお願いをしています医療機関から耳を澄まして声を聞いておりますけれども、特に大きな反対意見は出てきていません。ただ、これから冬場になった場合、小児科定点の受診者は、ほとんどがARIなので、混乱が起きないかなという懸念が少しございます。
2点目は、マイコプラズマとレジオネラは基幹定点からのみ報告されるので、レジオネラはともかく、マイコプラズマの報告数が少し低く見積もられることはないかなということを懸念しております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
確かに、急性呼吸器感染症が増える冬は、まだ、経験していないので、これから、どういった混乱があるのか少し心配になると、特に小児科ですね。
○越田委員 加えて、もう一点、よろしいでしょうか。
○脇田部会長 どうぞ、お願いします。
○越田委員 病原体定点も、当初は抵抗がありまして、これまで病原体定点を担ってくださった医療機関が御辞退されましたが、新しく手を挙げてくださった先生におかれましては、ご自身が提出された検体の検査結果が還元されることで大変興味を示されておられます。医療機関への結果の還元が、ご協力いただくための後押しとなっているのではないかと感じております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、原委員、お願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
笹本委員、越田委員のコメントにも少し関連しますけれども、サーベイランス定点の設定の仕方に関しては、どのようになされているのかというのを少しお伺いしたいと思いました。年齢別とか地域別で、何か標準的に選び方があったのかどうかというのを1つ伺いたいと思いました。あと、マイコプラズマに関しても同様です。
あと、1点、検出なしといった場合の扱いについては、今後、どのようにされていくのかというところも気になりました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
では、ここで事務局のほうにレスポンスをいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 御意見ありがとうございます。
笹本委員、原委員のほうからもいただきました、まさに、こういった形で症例定義の観点、あとは、定点をどのように置いているのかということでございますが、こちらにつきましては、御指摘のとおり、ARIの症例定義というのは、範囲が幅広く、報告する医師ごとに判断が異なる可能性というのは否定できないものと思っております。
しかしながら、ARI定点設計においては、こちらは、昨年の第89回の感染症部会の場でも研究結果として御報告させていただいておりますが、ARI定点設計において、地域における人口の偏りによる発生動向結果の上振れ等も考慮して、そういった研究結果を踏まえた上で決定させていただいており、医師ごとに判断が異なることが、全国単位の統計に及ぼす影響の度合いは、必ずしも大きくはないのではないかということに基づいて設定させていただいており、また、定点の医療機関の設定につきましても、都道府県の中で十分議論された上で設定されているものと認識しておりますので、こちらについては、引き続き、我々としても注視していきたいと考えております。
その中でいただいておりますが、冬を今後迎えるに当たって、この定点の医療機関等が大きな負担になるのではないかということに関しては、脇田座長からも言われたとおり、まだ冬を迎えていないので分からないところがございますけれども、自治体や医療機関に対してサーベイランスに御協力いただけるよう、ARIサーベイランスに関するリーフレットであるとか、患者さんへの説明リーフレットについて、厚労省のホームページに周知するなど、適切に引き続き支援していきたいと考えているところでございます。
越田委員からいただきました、マイコプラズマ、レジオネラにつきましても、基本的にはARIとして、症候群サーベイランスという形で、まず取り上げながら、ある程度確定した時点でプラスアルファで、5類と報告する形になりますので、これもまた負担ではないかという意見もあるかもしれませんけれども、まずは、こちらを進めさせていただくというのが、大きな方針として努めていければと思っております。
あわせて、原委員からいただきました、検出なしについてどのように扱うのかということに関しては、まさに、これは大きな論点でございまして、まだ、現状は始まって4か月という状況なので、これをどう捉えていくのかというのは、少し注視していかないといけないところではございますけれども、この検出なしというものがどんどん増えてくるようなパターンになってくるときには、また、何かしら我々が感知できていない病原体が発見されている可能性があるということを踏まえて、しっかりとした対応を取っていくように使っていくものだと認識しております。
すみません、以上、事務局からの御説明とさせていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、ほかにいかがでしょうか。まだ、始まって5か月というところでありますので、メリットもあり、それから、少し懸念点もあるというところだったと思いますけれども、やはり1年間を通して、このサーベイランスを継続するというところで、また、様々な知見の蓄積ということが期待されると思っていますので、引き続き、事務局からはフィードバックをしていただいて、この部会においても意見を周知したいと思います。
四宮先生、お願いします。
○四宮委員 地方衛生研究所は、ARIサーベイランスの中で病原体サーベイランスを担っていますが、毎週病院当たり5検体ということで、検査数がかなり大きい数になるので懸念する部分もあったのですが、最初の3か月、4か月の状況を私が担当している地衛研全国協議会感染症対策部会の10か所の地衛研に状況を聞いたところ、いずれも順調に病原体サーベイランスの検査が進んでいるとのことでした。
それから、全国の集計でも出ていますが、4月から7月末では、パラインフル、ライノ/エンテロ、新型コロナの3つが上位を占めており、部会員のどの地域でもその3種類が今のところは上位を占めているので、人の移動等もあり、感染が広域で広がっているのではないかと思っています。
まだ始まったばかりですが、今のところ大きい混乱がなく進んでいるということを、御報告させていただきます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
地衛研での病原体の検出状況ですね、こちらを情報共有していただきました。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。大丈夫ですか。
そうしましたら、本日事務局から御報告をいただいた方向で、また、こちらのARIサーベイランスについて対応を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、次に進ませていただきます。
次は、議題の2番目「急性呼吸器感染症(ARI)に関する特定感染症予防指針について」でございます。
こちらは、資料の2ですので、2-1と2-2がありましたね。まず、資料の2-1ですか、こちらについて説明をお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 こちらにつきまして、事務局から御説明させていただきます。
資料2-1、こちらは、本日、ARIに関する特定感染症予防指針の策定について、御意見をいただきたいと思っております。
2ページ目は、先ほどのサーベイランスのときと同様の資料になりますので、御説明は割愛させていただきます。
今回、ARIについて、ARIサーベイランスを実施しているところではございますけれども、こちらにつきまして、ARIに関する特定感染症予防指針を策定したいと考えております。
現行としましては、感染症法に基づき、インフルエンザに関する特定感染症予防指針、インフル予防指針と言いますが、それにおいて総合的な対策の方針が示されております。
ただ、一方で、インフルエンザ以外のARIに関する包括的な方針が示されたものはなく、今回ARIの流行のトレンドの把握、未知の感染症も含めた幅広い感染症の速やかな実態の把握を目的とし、ARIを5類感染症に位置づけ、一体的なサーベイランスを開始しております。
こうしたことを踏まえまして、インフル予防指針を廃止して、ARIに関する指針を新たに策定することを、第86回の感染症部会で御了承いただいたところであり、本日、案として提示させていただくものでございます。
この見直しの期待される効果としましては、インフルの予防指針を参考にしながら、国、都道府県、医療関係者等が連携して取り組むべき対策を整理し、また、ARI全体を対象として包括的な対策を、冬とか季節にとらわれずに、通年を通じて講ずることにより、個々の感染症の流行や重症者の発生を全体として抑えることができるのではないかと考えております。
また、新たな重篤な呼吸器感染症が発生した場合にも、いち早く発生を覚知するとともに、また、新型インフル等対策に移行するまでの間、指針に基づく取組により、一定の感染拡大防止が期待できるものと考えているところでございます。
こちらの予防指針の具体的なところにつきましては、資料2-2に御提示させていただいておりますが、ここでは概要を御説明させていただきます。
概要としては7つの章があり、まず、第一としては原因究明、第二に発生の予防及び蔓延の防止、第三として医療の提供、第四として研究開発の推進、第五、六として国際機関・諸外国・関係機関との連携、第七に各論としまして、各感染症に応じた対応として、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を提示させていただいております。
個々の説明につきましては、お送りさせていただいておりますので、割愛させていただきますが、こちらの予防指針、資料2-1及び資料2-2につきまして、皆様方の御意見をいただけますと幸いです。
事務局からの資料の御説明は、以上とさせていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ただいま御説明いただいたとおりですけれども、4月のこの部会において、急性呼吸器感染症に対する予防指針ですね、これを策定することを了承したということで、そして、今日、その事務局案を出していただいているところになります。2-1は、その概要で、2-2のほうが本文ということになりますので、もう事前に委員の先生方にも見ていただいていると思いますけれども、この部会において、改めて、また、御意見、御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。
まず、今日、御欠席の白井委員から御意見をいただいておりまして、事務局から、その意見を御披露していただくということで、よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 白井委員のほうから、こちらについて御意見をいただいておりますので、代読させていただきます。
9月3日の部会に欠席いたしますので、意見を申し上げます。
ARIに関する特定感染症予防指針の策定に御検討いただきありがとうございます。特に、国、地方、医療関係者、一般市民におけて心得る対応をお示しいただき、主体が分かりやすいと思いました。サーベイランスや電磁的届出、AMR対策にも触れていただき、感謝申し上げます。なお、お示しいただきました案文で気になりました箇所を細かい点も含めまして御検討いただければ幸いです。
6ページ目の「三 一般的な予防方法の普及」の最後の行に、接種を希望しない者が接種を受けることがないよう努めることが必要であるのところは「努める」より誤接種の回避としても「留意する」のほうが、表現としてはよいのではないかと思いました。
同じくページ6の「第三 医療の提供」において「一 基本的考え方」の中で、治療においては、特に抗微生物薬等の投与が開始する場合のところは、投与する主体は医師ですので、医師を明記してはいかがでしょうか。その2行下の適切な量・投与間隔で投与することが重要であるに続けては「さらに、投与対象者(患者)が適切に服薬することを薬剤師と協力し、分かりやすく説明、指導する」を加えていただけないでしょうか。投与するだけではなく、ユーザーである患者が理解して適切に服薬することがAMR対策に何より重要であると思います。
ページ7「第四 研究開発の推進」の「一 基本的な考え方」の最後のフレーズで、AMEDと連携して研究基盤を整備しのところに「国内の研究基盤を整備し」と「国内」を追加していただけると、我が国の研究開発を推進するという意図が明確になるのではないでしょうか。
ページ9「第六 関係機関との連携の強化等」の「二 保健所および地方衛生研究所等の機能強化」について、地衛研に関する記載のところで、地域保健に関する情報の収集・整理・活用及び地域保健に関する関係者の中に、及び「保健所設置市を含み地域保健に関する関係者に」と「保健所設置市を含み」を加筆していただけないでしょうか。地域保健に関する関係者の中に保健所設置市も解釈に含まれると思いますが、保健所設置市においては、府県と保健所設置市の関係性に課題があることが多く、感染症予防計画や新型インフルエンザ行動計画の策定においても、府県と設置市のすり合わせが難しいところもあります。特に、地衛研を持たない保健所設置市が取り残されることがないよう、地衛研側で保健所設置市を配慮していているところもありますが、この指針に書いていただくことで、より円滑な連携ができることを期待したいです。
以上、代読させていただきました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、委員と参考人の皆様から御意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、まず、成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございます。
急性呼吸器感染症、ARIに関する特定感染症予防指針の策定につきまして、方向性に異論はございません。私からは、3点、意見を申し上げたいと思います。
まず、1点目、電磁的な方法による届出等の実施についてです。感染症の発生届の発生動向の迅速かつ効率的な把握のために、電磁的な方法による届出等の実施が重要です。都としても、都内医療機関に対しまして、感染症サーベイランスシステムへの入力の必要性について情報共有し、協力をお願いしているところです。
一方で、現行のシステムへの入力については、医療機関に負担が生じておりまして、利用に関してハードルがあります。指針の実効性をより高めるため、感染症サーベイランスシステムについては、国として速やかに電子カルテとの情報連携、医療機関及び保健所等の使いやすさを考慮したシステムへの改修を御検討いただければと思います。
2点目は、医療機関等情報支援システム、G-MISについてでございます。
指針に記載のとおり、新興感染症が流行した場合などに、迅速かつ効率的な医療機関の状況把握等にG-MISが活用できる可能性があります。
都では、新興感染症発生、蔓延時に備え、G-MISの入力訓練を実施しています。G-MISの効率的な活用のためには、平時からの活用促進のほか、都道府県が有するシステムやデータ等と連携できる仕組みとするなど、地域の実情に応じた柔軟な運用が可能となりますよう、システムの改善について御検討いただければと思います。
最後に3点目、包括的な仕組みづくりについてです。
将来的には、現場の負担軽減のため、同じ情報を複数のシステムに繰り返し入力することがないよう、包括的な仕組みの構築を御検討いただきたいと思います。
以上、3点となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、俣野参考人、お願いします。
○俣野参考人 基本的な方針については、全く意見はございませんが、その中の二番の発生防止等に関して、特にその中の三番、四番と、予防方法の普及等に関するところにおいて、もしできましたら、隔離等の問題の際に生じるような偏見とか、そういう問題に関する対応についても、メンションがあってもいいのではないかと考えましたので、その点だけコメントをさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
現時点で、ほかに手が挙がっていませんか、今村委員、それから、笹本委員、土井委員の順番でお願いします。
○今村委員 今村です。1点だけコメントをさせていただきます。
急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針を作成するということには大賛成です。
今回、様々な疾患がそこに入ってくる中で、急性呼吸器感染症は、発生の当初あるいは流行が全体に広がるまでの間に、かなり地域差が出ることが予想されます。その地域差が出ている段階に、どのように対応していくかということも非常に重要な視点でありまして、流行の段階が違えば、各地域での対策のタイミングも変わってくると思われますので、地域差が出ているときの情報の伝達あるいは共有、そこのところを各自治体と密な情報交換をするという内容がどこかに入っていると良いと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
どこまで想定して、どこまで書き込むかみたいなところがあるかと思いますけれども、事務局に検討していただくということかと思いますが、続いて、笹本委員、お願いします。
○笹本委員 笹本でございます。
内容につきましては、おおむね賛成なのですけれども、平時に何をしたらいいかという観点について、指針の中ではっきりとは示されていないと思われますので、平時にどのような対応をしたらいいかということについても記載したほうがいいのではないかと思います。御検討いただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、土井委員、お願いします。
○土井委員 ありがとうございます。私からは2点です。
1点目は、先ほど白井委員から御指摘のあった、接種を希望しない者が接種を受けることがないように努めなければならないのところは、全く私も同じことを感じましたが、これは、白井委員から御指摘をいただくことができました。
もう一点は、この特定感染症予防指針案で、今回、総論と各論という形で非常にきれいに整理されていると拝読しました。
その中で、各論の部分、インフルエンザと、それから新型コロナウイルス感染症ということで章立てをされています「第七 各感染症に応じた対応」です。インフルエンザについては、予防接種の推進、ワクチン等の供給、研究開発という形で章立てされて整理をされているのですけれども、新型コロナウイルス感染症については、かなり最低限の記載にとどまっていると感じました。
ただ、内容としては、恐らくワクチン等の供給ですとか、罹患後症状も含めた研究開発等は実際に対策を続けておられるところかと思いますので、もし可能でしたら、この両方の疾患が比較的バランスの取れた形で記載されていると、分かりやすいかなと感じました。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、四宮委員、お願いします。
○四宮委員 急性呼吸器感染症に関する予防指針が出ることは、非常にタイムリーだと思います。
序文に書かれているように、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえて、インフルエンザから急性呼吸器感染症に拡大した予防指針が出ることには賛成です。ただ、そこで挙げられている呼吸器感染症は、かなり網羅的になっていますが、コロナ前から感染症法に規定されている呼吸器感染症については、適切にサーベイランスをされていたと思います。
新型コロナで最も問題になった点は、やはり大規模感染症への対応という点で、様々な問題点が顕在化したと認識しています。
一方、ここでは、呼吸器感染症が網羅的に扱われていて、例えば、レジオネラは、それ自体は非常に重要な感染症ですが、ヒト-ヒト感染しないので、環境からの感染はあるにしても、大規模感染症にはならないと思います。
それで、第七章でインフルエンザと新型コロナを別立てにしているのは、大規模感染症の原因となる2つの感染症を重点的に扱っているということだと思いますが、それらに加えて、新興感染症も含めて、大規模感染症になり得るものについて、この予防指針の中で、重みづけをしたらどうかなとは感じました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 お願いします。
予防指針の案について、全体については、特に異論はございません。細かい文言は別として、概要については、私も賛同いたします。
1つ、デジタル化という話が出ていて、これは、先ほど成田委員がおっしゃったことと、私は全くの同意見なのですけれども、結局手入力をしている段階でデジタル化とは言い難いかなと思います。やはり電子カルテとの連携というのが非常に重要で、先ほど話に出たように、例えば、冬場は感染症の患者数が恐らく非常に増加するので、現在よりももっと入力に困難が生じてくるのではないかと思います。ですので、今後の対策として、やはり手入力ではなくて、もともとデータが入っているカルテとの連携ということを、ぜひお願いしたいなと思っているところです。
もう一つは、病原体の検査についてですが、陰性の場合に未知の病原体かもしれないということで、新規の感染症検知を目的の一つとしてARIの病原体サーベイランスを実施していると思いますが、検査はウイルスが中心になっていて、細菌検査は自治体によってはやっていないところもあると聞いています。百日咳などは耐性菌の問題もありますし、細菌検査について、今後どうするのかということを、お聞きしたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 越田です。
名称が、インフルエンザから急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針となったことについて、インフルエンザという病名に引っ張られなくなった、一般的な呼称による感染症であることに私は賛同いたします。それから、これらの感染症がが通年で、必ずしも冬季だけのものではないということに関しましても、分かりやすくなったかなということで、名称変更及び内容に関しては、特に異論はございません。
ただ、一般的には、2ページですか、インフルエンザに関しましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法、新型インフルエンザ等対策政府行動計画、新型インフルエンザ等対策政府行動計画ガイドライン、さらに基本的対処方針と、様々な計画、方針、ガイドラインがあって、地方自治体では、これに準拠した内容のものを作成することになっています。
従って、この特定感染症予防指針がバイブルとして活用されることを望んでおります。これが1点目です。
2点目は、実際にパンデミックのような状況になったときの話題も出ておりますが、臨床現場では、薬剤やワクチンの供給が非常に厳しくなってくる。抗生物質だけではなくて、鎮咳剤や解熱剤の供給も滞ってしまい、長期になると慢性的な供給不足が起こっております。従って、ワクチンだけではなくて、全ての薬剤の供給が滞りがないような体制を国主導で進めていただきたいとも思っております。
3点目は、成田委員がおっしゃっていた電磁的方法の開発、更に、三﨑委員が述べておられた電子カルテとの連動を切に希望いたします。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
一応一区切りというところで、皆様方から御意見をいただきました。ありがとうございます。
主にデジタル化であったり、それから、平時と有事の切り分けというところは、多く共通するところだったかと思います。
それで、各論のところの扱いですね、そこもあったのですけれども、私も、これはインフルエンザの予防指針から来たので、インフルの記載ぶりが多くなっている印象で、コロナが少し書いてあるという感じなのですけれども、先ほどの四宮先生の意見から考えると、いわゆる大規模感染症になりそうなものを特に強調しているという書きぶりなのか、それとも、本当に各論として様々な急性呼吸器感染症がある中で、主なものについても説明、解説を特に各論として置いているのか、考え方によって記載も変わってくるのかなと、今後いろいろな重要な感染症については詳しく書いていくのか、それとも大規模パンデミックあるいはアウトブレイクになりやすいようなものについて記載しておくのか、そこの考え方で少し変わってくるのかなという印象を受けたので、そこを少し検討していただければということ、各論の意義づけというか、どうしてこれを各論として置いているのかというところ、そこを考えてほしいということを感じております。
というところで、事務局からレスポンスをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
貴重な御意見というか、エールみたいな意見も多々いただいただきましたので、大変ありがたいなと思っております。皆様方からいただいた意見について、幾つか御回答させていただきたいと思います。
まず、書面でいただきました白井委員のコメントにつきましては、どのように記載ぶりを反映できるか、少し事務局としても検討させていただきたいと思っております。
その中で、土井委員からいただいた意見、それと併せてという形でいただいたところでございましたので、それについても併せて我々として反映を検討させていただきたいと思っております。
また、併せて多くの方からいただきました、やはりDX、いわゆるデジタル化ということに関しては、我々も政府全体として検討させていただいているところではございますので、できる限り負担がないような形で取り組んでいけたらとは考えておりますので、引き続き御意見等をいただければと思っております。
また、俣野参考人のほうからは、予防普及の考え方をしっかり書いていることが重要であると同時に、また、偏見対策といったところにつきまして、今回、6ページの第四の項目の中に、リスクコミュニケーションに努めるということを改めて明記させていただいております。コロナの中でも一部問題とされたところではございますが、いかに我々はリスクコミュニケーションを分かりやすく国民に対して通知していくことが重要かということを、改めてここの中に書いておりますので、そういった中で取り組んでいく必要があるものかなと考えております。
また、ほかにいただいたものとしましては、笹本委員からは平時にどのような対応をするのかということに関して、我々としても夏の時期だとか、冬とか、そういった観点を通して、特に増えるときには、こういった手指衛生であるとか、咳エチケット等の一般的な感染予防対策について周知しているところですが、これは通年を通じてやっていくことが重要であるということを、越田委員からもいただきましたので、こういった指針の中を、越田委員のお言葉を借りるならば、バイブルとして使っていただけるのであれば、多くの方々にも周知できるような形で、自治体とも連携しながら取り組んでいければなと考えているところでございます。
その他、今村委員からいただきました、基本的には、地域としてどのように連携していくのか、ARIは、どうしても地域の中でまず広がって、そこから全体的に広がっていくのではないかということがございましたので、こちらにつきましても、やはり、7ページ目の「三 流行が拡大した場合に備えた対応の強化」ということにおいて、幾つか書かせていただいております。
こちらにつきましては、地域の連携であるとか、医薬品の確保であるとか、そういった点に関しましては、先ほどの越田委員などの御意見も反映できているものではないかなとは考えているところでございます。
1点御質問と受け取っております。三﨑委員からいただいておりました、ARIについて、細菌検査についてのサーベイ検査がどうなのかということなのですけれども、少なくとも症候群としてのサーベイランスとしてARIを呈するものについては計上されているところでございますけれども、基本的に細菌につきましては、現状においては実施していないというのが、地衛研の統一した取組となっていることを一応御報告させていただきます。
その他もろもろ多くのところにつきましては、記載ぶりについて、どのような反映ができるかについて、御意見を踏まえて改めて検討させていただきたいと思っておりますが、少なくとも、この特定感染症予防指針につきましては、今回は新型コロナとインフルエンザを各論で提示させていただいているところでございますけれども、基本的に本指針は5年ごとに見直すこととしております。5年後見直しの際に、そのときの状況等を踏まえて、新たに各論として疾患を追加する可能性はございますので、そのときにおきまして、皆様方の御意見を踏まえながら検討させていただきたいと考えているところでございます。
事務局からの回答は以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ただいま、皆様の意見に対して事務局の考えも、今、示していただいたところですけれども、さらにその上で、御意見、御質問等あれば、また伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
四柳委員、宮﨑委員、そして、四宮委員の順番でお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 失礼します、部会長、坂本委員が入室されましたので、一応、御報告させていただきます。
○脇田部会長 分かりました。
それでは、まずは、意見をお願いします。
○四柳委員 四柳でございます。
8ページの研究推進中疫学研究の推進という三のところでございます。今般、結局コロナになって、超過死亡であるとか、あるいは罹患後症状であるとか、そういったものに関して、大規模な疫学調査を追ってすることになりました。
次のパンデミックが来たときも、罹患後に何が起こっているか、あるいは、今、申し上げた超過死亡の問題とか、書きぶりに少し工夫が必要かもしれませんけれども、そういったことに関して、疫学研究の推進のところに加筆をしていただければいいのかなと思いました。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
宮﨑委員、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
先ほど来話題になっておりました、大規模感染についてということに対応してなのですけれども、今回対象とされて、ここに書いてある疾患は、必ずしも大規模感染になりやすいものだけではなくて、例えば、オウム病ですとか、クラミジアですとか、百日咳、マイコプラズマ、レジオネラなど、実際の臨床の現場で診断とか治療が困難になる、あるいは致命的になる可能性が高い疾患が含まれていて、恐らく呼吸器感染症の専門家であれば、重要なものだと分かると思います。大規模感染症以外の視点といいますか、実際に疾病負荷が高い、あるいは予後が悪いという点を分かりやすくどこかに、例えば、第七にインフルと新型コロナウイルスがありますけれども、その他の事項として、マイコプラズマ等も含めて、簡単にまとめてでもよいので一言あるとすごく分かりやすくなるのかなと思いました。
もう一点ですけれども、今、四柳先生が罹患後症状のことを御指摘なさいました。特に疫学のときに、例えばマイコプラズマ等でも、肺炎等の回復期のときに、様々な関節炎ですとか、皮疹ですとか、膠原病様の症状が、ラグを持って出てくるということはよく知られておりますので、そういったことの疫学の調査も可能なような簡単な書きぶりを加えていただくと、より有効な指針となるのかなと思いましたので、追加させていただきます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
先ほど、七の各論のところの書きぶりで、必ずしも大規模感染症についていてだけではなくて、呼吸器感染症として診断が難しいものであったり、個別の特徴として罹患後症状があるようなもの、そういったものの解説も加えていったらいいのではないかと、そういった御意見ですね、すぐに対応ができるかどうか分かりませんけれども、事務局で御検討いただければと感じました。
続きまして、四宮委員、お願いします。
○四宮委員 先ほどの事務局の御説明に対する補足ですが、今度のARIの病原体定点の対象疾患の中には、A群溶血性レンサ球菌、百日咳、クラミジア肺炎、マイコプラズマ肺炎などの細菌性のものも入っています。
現在、地衛研で行われているARI病原体検査の標準的な方法は、感染研のインフルセンターが作成したマルチのウイルスの検出ですが、地衛研によっては細菌の検査も行っています。全国共通のマニュアルや陽性検体が利用できるわけではなく、また、どの程度の地衛研で細菌の病原体サーベイが行われているかの調査もまだできていませんが、個々の地衛研レベルでは実施されています。
それから、2025年に百日咳が非常に流行し、特にマクロライド耐性が医療機関で治療上の問題になっているということもあって、積極的疫学調査として、百日咳菌のマクロライド耐性を含む病原体サーベイランスがある程度の地衛研で行われたと思います。毎週病院当たり5検体のレギュラーな検査としては、ウイルスが中心になっていますが、細菌に関しても、個々の地衛研や自治体の考えに従って、ある程度行われていることを補足したいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そこの病原体検査の標準化といったところも、今後、ウイルスと細菌を含めてやっていくのかどうかというところは、今後の検討というお話だったかと思いました。
次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 全ての医療関係者がARIの定義を正しく理解していただくためにも今日御提示いただきました資料2-1の最後の表は、よく整理をされていて分かりやすいので、是非臨床現場でも活用されればよろしいのではないかと思います
更に、この表の中に、感染症法の分類を追記すると理解も深まるかなと思います。ARI、急性呼吸器感染症の定義と内容を特に医療従事者に広く知っていただく必要があるのではないかなと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
資料2-1の6ページのところですかね。そこに少し追加してほしいといったお話がありました。
続きまして、森田委員、お願いします。
○森田委員 どうもありがとうございます。
この指針は、非常によくまとめられていると思います。その中で、全部重要だと思うのですけれども、情報公開というのが、やはり1つ大きな要点だろうと思っています。
ここは、1-3のところに明記されていて、しかもJIHSがその責任機関ということで明示されているので安心しているのですけれども、新型コロナウイルス感染症の経験で、地方自治体の名前を出してくれるなという依頼といいますか、話があったことがあります。風評被害をおそれてですけれども、その辺はしっかりと対応していただきたいと思っています。
これに関連して、俣野先生の御発言にも連動するのですけれども、やはり偽情報とか誤情報とか、そういうものがSNSとかを通して拡散していく現状にあって、やはり、そういう誤情報に対する対応というところが、このリスクコミュニケーション、2-4のところで読めるといえば、読めるかもしれないのですけれども、そういうところを、もし可能であれば、もう少し追記していただくことがあってもいいかなと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
一通り、今、お話しいただきましたけれども、そのほか大丈夫ですか。
取りあえず、またここで、事務局に、今また改めていただいた意見に対してレスポンスをいただければと思います。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
四柳先生、御意見ありがとうございます。基本的にもう少し膨らませていったり、追記するべきではないかという御指摘だったと思っております。四柳先生からは、基本的な研究の推進の部分というのをしっかりやるべきではないかという御指摘をいただいたと思っておりますし、また、宮﨑委員からも同様の意見をいただいたと思っています。どこまで書けるのかというのは、改めて検討させていただきますが、表現については検討させていただきたいと思います。
また、第七の項目に、さらに別の項目をという話がございましたが、基本的には、今回につきましては、インフルエンザと新型コロナウイルスを軸とした形で進めさせていただきたいところでございますが、どういったものが可能かどうか、少し検討させていただきたいと思います。
越田委員からは、ARIの定義をしっかりと周知していくことというところに関して、アドバイスをいただいたものと認識しております。
2-1の後ろについております、ARIについてのまとめ方について、非常によくまとまっていると御評価いただき、ありがとうございます。
これも使いながら、しっかりと医療機関の関係者にARIを理解してもらうことの重要性ということの御指摘もいただきましたので、少し検討させていただきますし、あわせて、我々としても指針に書いたから終わりではなくて、しっかりと周知していくというプロセス自身は、しっかりこれからも努めていきたいと思っております。
俣野参考人及び森田委員からいただきました、やはり、今回我々としても、新たに追加しているリスクコミュニケーション、6ページ目の四の項目というところが、非常に重要であるという御指摘だと思っております。
読めるだけではなくて、もう少ししっかりと膨らませて、誤情報への対応だとか、リスコミ、偏見への対応などについても対応すべきというところだと思いますので、こちらについては少し検討させていただきたいと思います。
すみません、事務局からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
というところでありますが、いかがでしょうか、そのほか、さらにありますか。
原委員、そして、坂本委員、よろしくお願いします。
○原委員 前半の部分と後半の部分を併せてということなのですけれども、発生届に関するもので医療DXの必要性ですとか、疫学研究で後遺症のことなどが出てきておりますけれども、やはりここで自治体とか国で管理しているような各種データベースをどのようにつないでいくかというところも、この中にしっかり書いていただけるといいかなと思いました。
少し読んでみると、基盤をつくるとか、そういう文言はあるのですけれども、もう少し踏み込んで、今あるものをどのようにつなぐかというところまで書いていただければと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。遅れまして失礼いたしました。
私のほうからは、指針の2ページ目にあります感染経路の表記で「これらの急性呼吸器感染症は」から始まる文章で、終わりのほうに「飛沫感染や空気感染等を中心に感染が拡大し」と書いてあるのですけれども、この空気感染という言葉について、空気を介して広がるが、結核や麻疹のような形で広がるものではないという認識が、感染予防・制御に関わっている者の間では広まっていると思うのですが、一般の方の捉え方が、また様々になると思われますので、可能な範囲でもう少しその辺りの、インフルエンザや新型コロナを中心にするということであれば、それらの感染症と、その他の呼吸器感染症の感染経路の表記を少し工夫しいただけるといいのかなと思った次第です。
あとは、4ページに「注意報・警報の基準等の必要性も含めた検討を行うこととする」と書いてありますが、やや控え目な書きぶりになっているような印象も受けます。注意報・警報に関しては、新型コロナも含めて、なるべく流行の兆候が見られたら早めに一般の方にも伝わるような形で、何かできたほうがいいのではと思っておりますので、可能な範囲で少し踏み込んだ表現にしていただくといいのかなと思いました。
あと、5ページ、6ページに、全国及び地域別の発生動向調査の結果を定期的に公表する。6ページに、急性呼吸器感染症の流行状況を一般の方向けに提供していくということがあります。これは、いろいろな媒体やウェブサイトを使って、公開、周知されていくものと思いますが、JIHSのウェブサイトに関しましては、画面上見やすい感じにはなったのですけれども、実際に情報を探すのが非常に難しいということがあります。アルファベット4文字、5文字での従来の週報の名称が出ていたりということで、なじみのない医療従事者、また、さらに一般の方にとっては、流行状況を把握するのは困難かなと思われますので、今、改善の途中でいらっしゃるのかもしれないのですけれども、こちらは、一般向けにも分かりやすいような形にしていただけるとよりいいのではないかと思っております。
以上です。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
最後のところは、JIHSのウェブサイトの問題がありますので、そこは改善に努めていくということだろうと思いますが、そのほかなければ、事務局からまた再度レスポンスをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
まず、原委員のほうからは、繰り返し多くの委員からも御指摘いただいております、電磁化、DXの必要性についてのところでございます。電磁的な届出のところについての記載はございますけれども、もう少し書けないかということを御意見いただいていると思いますので、少し表記については検討させていただきます。
坂本委員からは、飛沫感染、空気感染という表現についてであるとか、注意報、警報についての検討について、注意報、警報についての具体的なところも、まだ、我々としても検討段階ではございますけれども、もう少し重みづけというか、肉づけした記載のほうが適切ではないかということですので、こちらも改めて内部で検討させていただきたいと思います。
JIHSは、引き続き連携させていただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 連携について、よろしくお願いいたします。今日もJIHSの人たちは、参考人として入っていただいていますので、また、そこも含めて改善してまいりたいと思います。
そのほか、大丈夫ですか。
非常に多くの御意見、コメントをいただきましてありがとうございました。ただ、おおむね方向性としては賛同していただけるという形の御意見だったと思います。
それで、1点、事務局に確認なのですけれども、今後の進め方について、例えばパブコメをやるとか、何かそういった予定とかがあれば教えていただけますか。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
こちらのほうで、本部会において、おおむね了解いただいた後、今回いただいた御指摘について、表記の修正等を改めて検討させていただきます。その上で、パブリックコメントを行い、その後、指針として提示させていただく形になりますので、その際に、また、こちらの部会のほうでも答申という形になると思いますが、そちらも含めて進めさせていただきたいと思っております。
○脇田部会長 分かりました。ありがとうございます。
今後の予定として、今、事務局からお話しいただいたような形で進めていくと、再度、最終案に関しては、もう一度諮問していただいて、答申するみたいな形ですかね、というところだと思いますので、それで、委員の皆様、大丈夫ですか、取りあえず、今日のところは、御意見をいろいろいただいていますので、また、事務局で再度検討をいただくという形で、部会としては、この案で、おおむね了承して、事務局において必要な手続を進めていただくことにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、そのような形で進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○木庭感染症対策課長 すみません、よろしいでしょうか。
○脇田部会長 どうぞ。
○木庭感染症対策課長 つけ加えことはないのですけれども、本当にたくさん貴重な御意見を賜りました。中身の修正に係る部分につきまして、いただいた御意見を丁寧にいろいろと検討させていただきまして、座長の先生とも御相談をさせていただきながら、修正を加えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、次に進みます。議題の3です。こちらは報告でありますが、先ほど少し話題に出ましたけれども、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について、研究の報告ということだと思いますが、資料の3について事務局から御説明をいただきます。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 続きまして、事務局より資料3「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状について」の研究報告という形で御報告させていただきたいと思います。
2ページ目を御覧ください。
改めまして、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について、定義などを明示させていただいております。
WHOは「post COVID-19 condition」の名称で新型コロナウイルスに罹患した人に見られ、少なくとも2か月以上持続し、ほかの疾患による症状として説明がつかないもの、通常は感染から3か月たった時点にも見られるとしているものになります。
令和5年度の厚生労働科学研究で得られた結果としては、令和5年度は、八尾市と札幌市の協力を得て住民調査を行い、下記の結果を得られたとなっています。
罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から18か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、成人では約5%、小児では約1%であったというものでございます。
3ページ目を御覧ください。
こちらは、罹患後症状に関する研究を一覧化させていただいたものになります。
本日は、この中で令和6年度、赤文字で書いております「新型コロナウイルス感染症による医学・医療・健康に与えた全般的影響の総括研究-今後の医療・保健制度構築の観点から-」という形で報告をさせていただきます。
4ページ目を御覧ください。
本研究の目的としましては、新型コロナウイルス感染症罹患後症状の長期的な影響、感染から24か月以上経過後、罹患後症状が持続するリスク因子、罹患後症状が持続した者における支援制度の利用状況について、非感染者との比較、罹患後症状の持続期間別の比較によって実態を明らかにすること及び新型コロナウイルス感染症の罹患後に、ME/CFSを発症する可能性を改めて調べることとし、対象は八尾市、札幌市それぞれで調査が実施されております。
方法としましては、自記式のアンケート、オンラインになっており、本研究における罹患後症状の定義は、WHOの定義にのっとった形としております。
有効回答者のうち、感染から24か月以上経過した感染者と非感染者を抽出したものとなっております。
5ページ目は、八尾市の回答者の背景となっております。
あわせて6ページ目が、札幌市の回答者の背景となっております。
7ページ目からは、その研究の結果となりますが、成人における罹患後症状の経時的推移です。
罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から24か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、八尾市の調査では3.5%、札幌市の調査では7.2%でした。
続きまして8ページ目、小児における罹患後症状の経時的推移です。
罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から24か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、八尾市の調査では0.3%、札幌市の調査では0.8%でした。
9ページ目、こちらは就業・就学への影響を成人において評価した形になってございます。
10ページ目は、小児においての結果という形になっております。
11ページ目は、社会経済状況の影響として世帯収入が増加した、変わらないと回答した者に対する減少した割合についての御報告という形になっております。
あわせて、こちらについては主観的経済状況がよくなった、変わらないと回答した者に対する、悪くなったと回答した者に対する割合を提示させていただいているところでございます。
12ページになりますが、罹患後症状が持続するリスク因子につきましては、まず、こちらは成人でございます。
八尾市の調査では、肥満は肥満でない者に比べて高く、基礎疾患あるいは基礎疾患なしに比べて約3倍という形のデータもございますし、札幌市の調査も同様な形で、こちらについては、10歳加齢で0.8倍、感染回数は2回以上が感染1回に比べて2.3倍など、数値として出てきております。いずれも有意差は認められていないという形になっております。
続きまして、13ページでございます。
こちらは、罹患後症状が持続したものにおける支援制度の利用状況でございます。
こちらにつきましても、罹患後症状が12か月以上持続した者で、使用していた者の割合であるとか、各支援制度の利用状況について、それぞれの方法について調査したものになってございます。
14ページに参ります。
14ページは、新型コロナウイルス感染症罹患後のME/CFSを発症する可能性についての検討でございます。
こちらにつきまして、ME/CFSに類似する症候ありの者の割合は、感染者では八尾市の調査で0.56%、札幌市の調査で0.79%、非感染者では八尾市の調査で0.54%、札幌市の調査で0.24%と、今回の住民調査においては、新型コロナウイルス感染症の罹患後にME/CFSに類似する症候ありの基準に合致する者の回答者の割合は、統計学的な有意差が認められなかったという報告となっております。
以上、こちらについての調査結果を取りまとめたものが、15ページ、16ページという形になってございます。罹患後症状の経時的推移、就学・就業への影響、社会経済状況への影響、罹患後症状が持続する因子、罹患後症状が持続した者における支援制度の利用状況、新型コロナウイルス感染症の罹患後にME/CFSを発症する可能性について、それぞれ報告いただいているところでございます。
こちらについて、分かりやすく表記したものが16ページの表と図となっております。
こちらは報告ではございませんが、こういった罹患後症状の方々に対した厚生労働省の対応についても、17ページに御説明させていただいております。
引き続き、新型コロナウイルスへの感染から3年以上にわたる罹患後症状の実態調査を行うような研究であったり、あとはAMED研究の中で、引き続き病態解明や予防治療等につながる研究を行っております。
あわせて、医療現場への周知、共有としまして「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊罹患後症状のマネジメント 第3.1版」を発行し、引き続き、かかりつけ医等や地域の医療機関等が適切な医療を提供できるよう、情報提供を行っております。
あわせて、診療の手引のポイントを解説した動画であるとか、生活や仕事で心がけていただくこと等をまとめたリーフレットなどを御用意させていただいており、自治体を含めた様々な場で活用できる資料の提供を継続してまいりたいと考えているところでございます。
一応、事務局からの今回の資料3についての御報告は、以上とさせていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状についての研究の御報告ということです。
私、1点確認なのですけれども、12ページのところで、ちょっと聞き間違いかもしれないですけれども、有意差はなかったみたいなお話があったかもしれないのですが、赤字のところは有意差があったところなのだけれども、感染の時期の波のところ以外は、八尾市と札幌市で共通するリスク因子というのはなかったと、そういう理解でよろしいですかね。
○小谷エイズ対策推進室長 座長、失礼いたしました。私、ちょっと読み間違えた形で、大きな間違いをしてしまいまして、申し訳ございません。有意差が認められたという形になっております。
○脇田部会長 はい、ありがとうございます。
それでは、委員及び参考人の先生方から御質問等あれば、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
参考人の先生から補足の説明があるのですかね、大丈夫ですかね。
では、委員の先生方から御意見をいただきます。
原委員、森川委員の順番でお願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
後ろ向き調査ということで、かなりいろいろな制約のある調査の結果だったかなと思うのですけれども、これをどのように、今後、利用していくのかというところを少し伺いたいのと、あと、制度を利用した人の割合が非常に少なかったということになりますが、実は、この人たちが本当に医療機関でも診断を受けて、医学的にも証明されたような後遺症であったと、そのように捉えられるのか、そういったところについて、御意見をいただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
森川委員、お願いします。
○森川委員 資料の12ページ目で、一般的に基礎疾患は、罹患後症状が持続するリスク因子と言われているのですけれども、八尾市のデータだと、それが当てはまるのですけれども、札幌市のデータは、むしろ0.73ということで低い数値になっています。これは基礎疾患の重症度とか、基礎疾患の種類によって、こういう違いが出てくるのかどうかと、その細かいデータは何かあるのでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、事務局から、何かもしレスポンスできることあれば、お願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
原委員からいただきました、こういった研究結果をどのように活用していくのかということにつきましては、我々としては、引き続き、17ページでございますけれども、研究であるとか、医療現場への周知であるとかなど、あとは対象となる支援制度のしっかりとした周知ということに努めていくということを我々としては使っていければ、この結果を踏まえて、さらに周知していければなと考えているところでございますので、引き続き我々としてできる対応を進めていくというところの大きな材料とさせていただければと考えているところでございます。
森川委員からいただきました、詳細なデータの部分につきましては、参考人のほうから、研究の内容についての部分ですので、お答えいただけますと幸いですが、いかがでしょうか。
○脇田部会長 お答えできますか、お願いします。
○細澤参考人 ありがとうございます。国立健康危機管理研究機構の細澤と申します。こちらの調査を担当させていただきました。
今、御質問いただきました基礎疾患につきましては、何らかの基礎疾患を全て1つにまとめて評価しておりますので、御指摘いただきましたように、様々な重症度の方が入っている可能性というのはあるかと思います。
どのような基礎疾患をお持ちでいらっしゃるのかというのは、アンケートの中で聞いておりますので、対象者の人数の方が限られてしまうというのはあるのですけれども、基礎疾患別に、罹患後症状の持続との関連を見ることを、今後していきたいと思います。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
原委員、お願いします。
○原委員 すみません、あわせて、先ほどの質問に半分回答をいただけなかったので、今回、セルフレポートの調査ということですけれども、診断がついて後遺症となっている方がいらっしゃったのかという点と、その方たちが、そういった支援のものを知らずに利用できなかったのかという点、その辺りが、もし分かれば教えていただきたいと思います。
○脇田部会長 こちらもいかがですか、これは、事務局からですか、それとも参考人の先生から聞きますか。
○小谷エイズ対策推進室長 研究の内容の部分になりますので、参考人のほうからお答えいただけますと幸いです。
○脇田部会長 では、お願いします。
○細澤参考人 ありがとうございます。
こちらの調査は自己申告になりますので、罹患後症状も、自己申告いただいた症状についてWHOの定義に照らし合わせたものになります。ですので、この中で、どのくらいの方が実際に医療機関で罹患後症状があると診断されていらっしゃるかというのは、調査ができていないのですけれども、今年また調査を行いますので、その際には、医療機関で罹患後症状と診断を受けていらっしゃるかどうかという点も見ていきたいと思います。
また、今年の調査におきましては、先ほど事務局の先生からもお話がありましたように、アンケート調査に加えて、症状が長期に続いていらっしゃる方を対象に、インタビュー調査をすることにしております。このような個別の調査をしていく中で、もう少し詳細に診断との関連も見ていくことができるかと思いますし、また、どのような症状が続いているのかとか、実際に生活に影響を与えているのかということも分析して、明らかにしていければと考えています。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
四柳委員、お願いします。
○四柳委員 ありがとうございました。
これは、本当に大事な調査です。、先ほど基礎疾患に関しては聴取をなさっているということ、それから、その後、実際に診断をして医療機関にということというお話が出ましたけれども、この調査自体は、恐らく罹患した際の症状がどのぐらい持続しているかということを基本的に見る調査だと思っています。
最近、例えば、ニューイングランド・ジャーナルにも、論文が出ましたけれども、罹患後新たに発生した合併症の問題も、医学的、社会的に大事なことではないかと思っていて、そういったことを、例えば調査することは可能なものなのでしょうか。
○脇田部会長 細澤先生、どうですか。
○細澤参考人 御質問ありがとうございます。
おっしゃるように、確かに新型コロナウイルス感染症にかかられて、その後どのような合併症が長期的に起きてくるのかということを見ていくことは、非常に重要なことだと考えております。
罹患後に新たに診断された疾患については、初年度の調査から聞いておりますので、これからさかのぼっていきまして、どのようなものが多く見られるのかを分析していきたいと考えております。
また、本調査とは少しずれてしまいますけれども、私どものセンターでは、今後レセプトデータを使って、コロナに感染された方々の合併症についても見ていく予定にしております。
以上です。
○四柳委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そのほか、いかがですか。
ちょっと進行がまずかったのですけれども、参考人の先生に、事務局からの報告の後に、補足の説明をしていただければよかったのですけれども、何か追加で御発言はありますか。
○細澤参考人 ありがとうございます。
事務局からの御説明に重複するところもあるのですけれども、この調査は、無症状、軽症の方を中心とする地域住民の方で、COVID-19に感染された方々の長期追跡をしてまいりました。
時間経過とともに、罹患後症状が持続する方の割合というのは、基本的には減っていくのですけれども、ただ、2年経過後も症状が持続されている方が一定数おられるということが明らかになりました。
このことが、特に成人の方においては、就学や就業、社会経済状況にも影響を及ぼしている可能性が示されていると考えています。
この結果を踏まえまして、今年もまた調査をしていくということと、特に罹患後症状が長期に続いている方を対象に詳細なインタビュー調査も実施してまいります。
また、本調査では、初回感染から持続している症状を追跡していますが、再感染をされる方も増えてきておりますので、今年は再感染によって新たに何か症状が出ているかどうかというのも調査していきます。
あと、最後に1点ですけれども、先ほど感染後に罹患後症状に関する疫学調査の必要性というお話が前の議題であったかと思います。私たちもこの調査を3年間続けてきまして、このような実態調査においては、どのような方、どのような集団を調査するかということとに加えて、どのように評価するかということが非常に重要であると考えております。
特に統一した評価指標を用いますと、ある程度、異なる地域においても一貫した結果が得られると考えておりますので、今後、この調査方法に関しても、ノウハウや知見を蓄積していく必要があると考えています。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
おっしゃるとおり、一定の割合で罹患後症状を示す方がいらっしゃって、それがかなり、割合は減ってくると言っても、長期にわたって、その症状が継続する方もいると。
さらに、新型コロナウイルス感染症の流行も、まだ無視できないような状況が続いているということなので、今後も、ぜひ研究を続けていただくことが重要かなと感じました。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。
ありがとうございました。ぜひ研究を継続して、また、その結果を教えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、次の議題に入りたいと思います。
議題の4番目「多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準について」の御報告です。
資料の4の御説明をよろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
毛色が大きく変わりますが、多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準について御報告させていただきます。資料の2ページ目を御覧ください。
過去の感染症部会及びAMR小委員会における議論をまとめております。
第92回厚生科学審議会感染症部会におきまして、薬剤耐性緑膿菌(Multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa)感染症について、これまでの定点把握対象疾患から全数把握対象疾患へ変更することについての御了承をいただいたところでございます。
一方で、この中において、基準につきましては、DTR(Difficult-to-treat)の基準を用いることについても議論すべきではないかとの御意見もいただき、AMR小委員会において議論してまいりました。
その中で、第10回AMR小委員会の中においては、日本語名称を多剤耐性緑膿菌に変更すること、薬剤耐性緑膿菌から多剤耐性緑膿菌に変更すること、届出基準における各抗菌薬の耐性の基準をCLSI、2019以降のバージョンに変更することについて議論し、了承いただきました。
その後、第11回の薬剤AMR小委員会におきまして、改めて、そのDTR基準を用いるかどうかということについて議論を行ったところでございますが、こちらにつきましては、基本的には、当分の間、対象抗菌薬は現行の届出基準を維持することにつきまして、小委員会の中で議論し、了承いただいたところでございます。
こちらにつきましては、基準変更に伴う臨床現場の負担や混乱などが大きな要素として挙げられたところでございます。
あわせて、以下について取り組むことが求められました。
全数化に伴い開始される病原体サーベイランス等の実施により、日本のMDRP感染症の現状を把握しながら、DTR基準の活用の方向性を模索していくこと。
及び感染症内科医だけに限らず、薬剤耐性菌治療に関わる医療関係者に対して、DTRに対する普及啓発を行い、現場の混乱を軽減するための取組を行っていくことが求められております。
以上を踏まえまして、第10回及び第11回AMR小委員会において、定点把握対象疾患に位置づけられている「薬剤耐性緑膿菌感染症」について、多剤耐性緑膿菌感染症と日本語表記を変更し、各抗菌薬の耐性の基準をCLSI2019以降のバージョンに変更するとともに、届出基準の対象抗菌薬は現行の基準を維持することとさせていただきたいと考えているところでございます。
事務局からの御報告は以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今、御報告いただいたとおり、以前の感染症部会でも議論をしたところですけれども、さらにAMR小委員会において議論をしていただきまして、今、まとめのところで御説明いただいたとおりとなるというところでございます。
この点に関しまして、委員の先生方、参考人の皆様から御意見、御質問等をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
原委員、お願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
質問になるのですけれども、今回、基準を新しいものではなくて現行のものにするという判断の中で、特異度が77.2%ということで、偽陽性率二十何%あるということで、少し控えたということだと思うのですけれども、これは、一般的にどれぐらいの偽陽性率であれば容認できると考えたらよいのかというところを教えていただければと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
これは、事務局のほうでレスポンス可能ですか。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
明確に基準設定の際のカットオフ値というものはないものと認識しておりますが、もともと第10回のAMR小委で提示させていただいた案の場合、偽陽性率が22.8%という値につきましては、国のサーベイランス基準としては、不適切ではないかということにつきまして、AMR小委員会の先生方の認識も一致しましたので、今回は、この基準を用いるのは不適切ではないかということをいただいたところでございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
四宮委員、お願いします。
○四宮委員 全数化されることには賛成ですが、3ページの3段落目に「全数化に伴い開始される病原体サーベイランスの実施により、日本のMDRP感染症の現状を把握しながら」というところで、平成29年の3月の厚労省通知では、全数報告のCRE等の届出があった場合に、その菌株を地方衛生研究所に提出して、詳細な耐性遺伝子の検査を行うことになっています。
それで、MDRPに関しても全数化されると、地衛研で検査が行われることになりますが、CREのときも感染研と地衛研で、検出すべき耐性遺伝子等について協議しましたので、今回も、感染研の先生、薬剤耐性研究センターの先生になると思うのですが、地衛研側とも情報共有していただきたいと思います。
地衛研の病原体サーベイランスのデータに基づいて、CREも、当初、イミペネム、メロペネム、両方の基準に基づいていたのが、メロペネム単独になったという経緯もありますので、今回のDTR基準の活用の方向性を模索していくという中には、病原体サーベイランスのデータを参考にしながら、CREの場合のような届出基準の変更も将来あり得ると、それも含めて、現行の基準ということになったのかなと理解していますので、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今のは御意見というところで、対応をよろしくお願いいたします。
それでは、そのほか、いかがでしょうか。
大体大丈夫でしょうか。
JIHSのAMR研究センターの対応ということも、今、四宮先生からありました。そこは、また、事務局を介して対応をお願いしたいと思います。
そのほか、大丈夫ですか。
ありがとうございました。
そうしましたら、今日御報告いただいた方向で対応を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、一応準備をしました議題4つ、これで終了ということになりますけれども、そのほかに先生方から何か御意見等あれば、今、いただきますが、大丈夫でしょうか。
ありがとうございました。そうしましたら、これで議事を事務局のほうにお返ししたいと思います。
○小谷エイズ対策推進室長 皆様、ありがとうございました。
本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえて、進めさせていただきたいと思います。
この後、当方で、記者ブリーフィングとして議事の概要を御説明させていただく予定としております。
また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡をさせていただきます。
本日は皆様方、大変お忙しい中、御出席いただきありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
本日議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが多少生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえ、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順で失礼いたします。
今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 越田委員。
○越田委員 越田です。おはようございます。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 笹本委員。
○笹本委員 笹本です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 戸部委員。
○戸部委員 戸部です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 成田委員。
○成田委員 成田です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 原委員。
○原委員 原です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 宮﨑委員。
○宮﨑委員 宮﨑です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
なお、小西委員、島田委員、白井委員から御欠席の連絡をいただいております。
また、坂本委員から遅れて参加との御連絡を、また、藤田委員につきましては、途中退席との御連絡をいただいております。
また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構より細澤様、堀様、俣野様の御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。
以上、現在、感染症部会委員20名のうち16名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第及び委員名簿、座席図、資料1、資料2-1、資料2-2、資料3、資料4になります。不備等がございましたら、事務局にお申しつけください。
それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 承知しました。皆様、改めまして、おはようございます。今日も感染症部会をよろしくお願いします。
では、早速ですけれども、議事に入ってまいりたいと思います。まず、議事次第を御覧ください。
今日は4つありまして、議題の1、3、4が御報告ということになっています。順番に進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
まず、議題の1ですけれども「急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスの実施状況について」の御報告です。資料の1につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 それでは、資料1について御報告させていただきます。1枚目をおめくりください。
急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスについて御報告させていただきます。
令和7年4月7日からARIサーベイランスが開始されております。改めてになりますけれどもARIサーベイランスの目的につきましては、ARIの定義に合致する症例数及び収集された検体または病原体から、各感染症の患者数や病原体の発生数を集計し、ARIの発生のトレンドやレベルを踏まえた、流行中の呼吸器感染症を把握することでございます。また、新興・再興感染症の発生を迅速に探知するという目的もございます。
症例定義につきましては、皆様方の御議論もいただいたところでございますけれども、定義のとおりとなっております。
現在、この回収状況につきましては、毎週金曜日、収集後に発行という形にしておりますが、ARIの年齢別、都道府県別患者数、検体採取週別の病原体別報告数、COVID-19のゲノムの解析結果などを一体的に把握が可能となっております。
3ページ目を御覧ください。
こちらがARI週報になります。令和7年4月25日、JIHSより第1報を発行、以降、毎週金曜日に発行していただいております。
こちらにつきましては、国内のARIの発生のトレンドやレベルを踏まえた流行状況の把握をすることを目的としております。
これを行うことによって分かるようになったことにつきましては、左下のほうに書いておりますけれども、年齢別、都道府県別のARIの発生動向が把握できるようになりました。
また、急激に患者数が増加している特定の層であるとか、都道府県が分かるようになったという形になっているところでございます。
4ページ目を御覧ください。
こちらにつきましては、病原体定点からの検定を用いた検体採取週ごとの病原体別報告数の推移と、あと、COVID-19の系統別検出状況の推移になっております。
こちらにつきましては、検体採取体制を統一いたしました。検体の採取体制につきましては、採取日を原則営業日のうち、週初めから数えて第2営業日に定め、目標提出数を定点当たり5検体/週とさせていただいております。
あわせて、地方衛生研究所において実施する検査も統一させていただいた結果、病原体別検出状況として、時系列での国内・地域別の病原体別の検出状況・傾向が分かるようになりました。
また同時に、全体に占める「検出なし」となった検体数の割合が分かるようにもなりました。
こちらは、基本的なARIサーベイランスが実施されており、このような状況であるということを事務局で御報告させていただきます。
以降の5、6ページにつきましては、参考資料となりますので、また、御覧いただければと思います。
事務局からの報告は以上になります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
ARIサーベイランスですけれども、4月から開始されて、もう5か月が過ぎたというところで、週報も毎週出していただいていますけれども、今、説明があったとおり、分かるようになったこともありますし、それから多分の委員の先生方からは、問題点の御指摘もあるのではないかと思いますが、ここで委員及び参考人の先生方から御質問あるいは御意見等をいただければと思います。
それでは、手を挙げていただければ、御指名させていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、まず、笹本委員、お願いいたします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。御丁寧な説明をありがとうございました。
質問がございます。資料1の2ページと3ページに、ARIの定点当たりの報告数の日本地図がございます。これを見ると、地域差があるように見えます。ARIの報告につきましては、医療機関によって報告の判断基準の差が出る可能性があるのではないかと思っています。そのことによる日本での地域差があるかどうかを教えていただきたいと思います。
また、もし地域差があるとすると、今後、例えば、北海道など、北のほうからARIが増えてきた場合、全国的な比較に影響が出る可能性がありますが、何か対応策は考えているかどうかを教えていただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
順次少し御意見をいただいてから、事務局に回答をしていただこうかなと思いますので、越田委員、まず、御意見をお願いいたします。
○越田委員 おはようございます。
改めまして、国内の急性呼吸器感染症の発生状況を把握するということで、未知の新興感染症、再興感染症の発生の発端を時機を逸することなく感知できるメリットは十分理解しております。
現時点で、定点をお願いをしています医療機関から耳を澄まして声を聞いておりますけれども、特に大きな反対意見は出てきていません。ただ、これから冬場になった場合、小児科定点の受診者は、ほとんどがARIなので、混乱が起きないかなという懸念が少しございます。
2点目は、マイコプラズマとレジオネラは基幹定点からのみ報告されるので、レジオネラはともかく、マイコプラズマの報告数が少し低く見積もられることはないかなということを懸念しております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
確かに、急性呼吸器感染症が増える冬は、まだ、経験していないので、これから、どういった混乱があるのか少し心配になると、特に小児科ですね。
○越田委員 加えて、もう一点、よろしいでしょうか。
○脇田部会長 どうぞ、お願いします。
○越田委員 病原体定点も、当初は抵抗がありまして、これまで病原体定点を担ってくださった医療機関が御辞退されましたが、新しく手を挙げてくださった先生におかれましては、ご自身が提出された検体の検査結果が還元されることで大変興味を示されておられます。医療機関への結果の還元が、ご協力いただくための後押しとなっているのではないかと感じております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、原委員、お願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
笹本委員、越田委員のコメントにも少し関連しますけれども、サーベイランス定点の設定の仕方に関しては、どのようになされているのかというのを少しお伺いしたいと思いました。年齢別とか地域別で、何か標準的に選び方があったのかどうかというのを1つ伺いたいと思いました。あと、マイコプラズマに関しても同様です。
あと、1点、検出なしといった場合の扱いについては、今後、どのようにされていくのかというところも気になりました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
では、ここで事務局のほうにレスポンスをいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 御意見ありがとうございます。
笹本委員、原委員のほうからもいただきました、まさに、こういった形で症例定義の観点、あとは、定点をどのように置いているのかということでございますが、こちらにつきましては、御指摘のとおり、ARIの症例定義というのは、範囲が幅広く、報告する医師ごとに判断が異なる可能性というのは否定できないものと思っております。
しかしながら、ARI定点設計においては、こちらは、昨年の第89回の感染症部会の場でも研究結果として御報告させていただいておりますが、ARI定点設計において、地域における人口の偏りによる発生動向結果の上振れ等も考慮して、そういった研究結果を踏まえた上で決定させていただいており、医師ごとに判断が異なることが、全国単位の統計に及ぼす影響の度合いは、必ずしも大きくはないのではないかということに基づいて設定させていただいており、また、定点の医療機関の設定につきましても、都道府県の中で十分議論された上で設定されているものと認識しておりますので、こちらについては、引き続き、我々としても注視していきたいと考えております。
その中でいただいておりますが、冬を今後迎えるに当たって、この定点の医療機関等が大きな負担になるのではないかということに関しては、脇田座長からも言われたとおり、まだ冬を迎えていないので分からないところがございますけれども、自治体や医療機関に対してサーベイランスに御協力いただけるよう、ARIサーベイランスに関するリーフレットであるとか、患者さんへの説明リーフレットについて、厚労省のホームページに周知するなど、適切に引き続き支援していきたいと考えているところでございます。
越田委員からいただきました、マイコプラズマ、レジオネラにつきましても、基本的にはARIとして、症候群サーベイランスという形で、まず取り上げながら、ある程度確定した時点でプラスアルファで、5類と報告する形になりますので、これもまた負担ではないかという意見もあるかもしれませんけれども、まずは、こちらを進めさせていただくというのが、大きな方針として努めていければと思っております。
あわせて、原委員からいただきました、検出なしについてどのように扱うのかということに関しては、まさに、これは大きな論点でございまして、まだ、現状は始まって4か月という状況なので、これをどう捉えていくのかというのは、少し注視していかないといけないところではございますけれども、この検出なしというものがどんどん増えてくるようなパターンになってくるときには、また、何かしら我々が感知できていない病原体が発見されている可能性があるということを踏まえて、しっかりとした対応を取っていくように使っていくものだと認識しております。
すみません、以上、事務局からの御説明とさせていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、ほかにいかがでしょうか。まだ、始まって5か月というところでありますので、メリットもあり、それから、少し懸念点もあるというところだったと思いますけれども、やはり1年間を通して、このサーベイランスを継続するというところで、また、様々な知見の蓄積ということが期待されると思っていますので、引き続き、事務局からはフィードバックをしていただいて、この部会においても意見を周知したいと思います。
四宮先生、お願いします。
○四宮委員 地方衛生研究所は、ARIサーベイランスの中で病原体サーベイランスを担っていますが、毎週病院当たり5検体ということで、検査数がかなり大きい数になるので懸念する部分もあったのですが、最初の3か月、4か月の状況を私が担当している地衛研全国協議会感染症対策部会の10か所の地衛研に状況を聞いたところ、いずれも順調に病原体サーベイランスの検査が進んでいるとのことでした。
それから、全国の集計でも出ていますが、4月から7月末では、パラインフル、ライノ/エンテロ、新型コロナの3つが上位を占めており、部会員のどの地域でもその3種類が今のところは上位を占めているので、人の移動等もあり、感染が広域で広がっているのではないかと思っています。
まだ始まったばかりですが、今のところ大きい混乱がなく進んでいるということを、御報告させていただきます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
地衛研での病原体の検出状況ですね、こちらを情報共有していただきました。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。大丈夫ですか。
そうしましたら、本日事務局から御報告をいただいた方向で、また、こちらのARIサーベイランスについて対応を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、次に進ませていただきます。
次は、議題の2番目「急性呼吸器感染症(ARI)に関する特定感染症予防指針について」でございます。
こちらは、資料の2ですので、2-1と2-2がありましたね。まず、資料の2-1ですか、こちらについて説明をお願いいたします。
○小谷エイズ対策推進室長 こちらにつきまして、事務局から御説明させていただきます。
資料2-1、こちらは、本日、ARIに関する特定感染症予防指針の策定について、御意見をいただきたいと思っております。
2ページ目は、先ほどのサーベイランスのときと同様の資料になりますので、御説明は割愛させていただきます。
今回、ARIについて、ARIサーベイランスを実施しているところではございますけれども、こちらにつきまして、ARIに関する特定感染症予防指針を策定したいと考えております。
現行としましては、感染症法に基づき、インフルエンザに関する特定感染症予防指針、インフル予防指針と言いますが、それにおいて総合的な対策の方針が示されております。
ただ、一方で、インフルエンザ以外のARIに関する包括的な方針が示されたものはなく、今回ARIの流行のトレンドの把握、未知の感染症も含めた幅広い感染症の速やかな実態の把握を目的とし、ARIを5類感染症に位置づけ、一体的なサーベイランスを開始しております。
こうしたことを踏まえまして、インフル予防指針を廃止して、ARIに関する指針を新たに策定することを、第86回の感染症部会で御了承いただいたところであり、本日、案として提示させていただくものでございます。
この見直しの期待される効果としましては、インフルの予防指針を参考にしながら、国、都道府県、医療関係者等が連携して取り組むべき対策を整理し、また、ARI全体を対象として包括的な対策を、冬とか季節にとらわれずに、通年を通じて講ずることにより、個々の感染症の流行や重症者の発生を全体として抑えることができるのではないかと考えております。
また、新たな重篤な呼吸器感染症が発生した場合にも、いち早く発生を覚知するとともに、また、新型インフル等対策に移行するまでの間、指針に基づく取組により、一定の感染拡大防止が期待できるものと考えているところでございます。
こちらの予防指針の具体的なところにつきましては、資料2-2に御提示させていただいておりますが、ここでは概要を御説明させていただきます。
概要としては7つの章があり、まず、第一としては原因究明、第二に発生の予防及び蔓延の防止、第三として医療の提供、第四として研究開発の推進、第五、六として国際機関・諸外国・関係機関との連携、第七に各論としまして、各感染症に応じた対応として、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を提示させていただいております。
個々の説明につきましては、お送りさせていただいておりますので、割愛させていただきますが、こちらの予防指針、資料2-1及び資料2-2につきまして、皆様方の御意見をいただけますと幸いです。
事務局からの資料の御説明は、以上とさせていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ただいま御説明いただいたとおりですけれども、4月のこの部会において、急性呼吸器感染症に対する予防指針ですね、これを策定することを了承したということで、そして、今日、その事務局案を出していただいているところになります。2-1は、その概要で、2-2のほうが本文ということになりますので、もう事前に委員の先生方にも見ていただいていると思いますけれども、この部会において、改めて、また、御意見、御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。
まず、今日、御欠席の白井委員から御意見をいただいておりまして、事務局から、その意見を御披露していただくということで、よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 白井委員のほうから、こちらについて御意見をいただいておりますので、代読させていただきます。
9月3日の部会に欠席いたしますので、意見を申し上げます。
ARIに関する特定感染症予防指針の策定に御検討いただきありがとうございます。特に、国、地方、医療関係者、一般市民におけて心得る対応をお示しいただき、主体が分かりやすいと思いました。サーベイランスや電磁的届出、AMR対策にも触れていただき、感謝申し上げます。なお、お示しいただきました案文で気になりました箇所を細かい点も含めまして御検討いただければ幸いです。
6ページ目の「三 一般的な予防方法の普及」の最後の行に、接種を希望しない者が接種を受けることがないよう努めることが必要であるのところは「努める」より誤接種の回避としても「留意する」のほうが、表現としてはよいのではないかと思いました。
同じくページ6の「第三 医療の提供」において「一 基本的考え方」の中で、治療においては、特に抗微生物薬等の投与が開始する場合のところは、投与する主体は医師ですので、医師を明記してはいかがでしょうか。その2行下の適切な量・投与間隔で投与することが重要であるに続けては「さらに、投与対象者(患者)が適切に服薬することを薬剤師と協力し、分かりやすく説明、指導する」を加えていただけないでしょうか。投与するだけではなく、ユーザーである患者が理解して適切に服薬することがAMR対策に何より重要であると思います。
ページ7「第四 研究開発の推進」の「一 基本的な考え方」の最後のフレーズで、AMEDと連携して研究基盤を整備しのところに「国内の研究基盤を整備し」と「国内」を追加していただけると、我が国の研究開発を推進するという意図が明確になるのではないでしょうか。
ページ9「第六 関係機関との連携の強化等」の「二 保健所および地方衛生研究所等の機能強化」について、地衛研に関する記載のところで、地域保健に関する情報の収集・整理・活用及び地域保健に関する関係者の中に、及び「保健所設置市を含み地域保健に関する関係者に」と「保健所設置市を含み」を加筆していただけないでしょうか。地域保健に関する関係者の中に保健所設置市も解釈に含まれると思いますが、保健所設置市においては、府県と保健所設置市の関係性に課題があることが多く、感染症予防計画や新型インフルエンザ行動計画の策定においても、府県と設置市のすり合わせが難しいところもあります。特に、地衛研を持たない保健所設置市が取り残されることがないよう、地衛研側で保健所設置市を配慮していているところもありますが、この指針に書いていただくことで、より円滑な連携ができることを期待したいです。
以上、代読させていただきました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、委員と参考人の皆様から御意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、まず、成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございます。
急性呼吸器感染症、ARIに関する特定感染症予防指針の策定につきまして、方向性に異論はございません。私からは、3点、意見を申し上げたいと思います。
まず、1点目、電磁的な方法による届出等の実施についてです。感染症の発生届の発生動向の迅速かつ効率的な把握のために、電磁的な方法による届出等の実施が重要です。都としても、都内医療機関に対しまして、感染症サーベイランスシステムへの入力の必要性について情報共有し、協力をお願いしているところです。
一方で、現行のシステムへの入力については、医療機関に負担が生じておりまして、利用に関してハードルがあります。指針の実効性をより高めるため、感染症サーベイランスシステムについては、国として速やかに電子カルテとの情報連携、医療機関及び保健所等の使いやすさを考慮したシステムへの改修を御検討いただければと思います。
2点目は、医療機関等情報支援システム、G-MISについてでございます。
指針に記載のとおり、新興感染症が流行した場合などに、迅速かつ効率的な医療機関の状況把握等にG-MISが活用できる可能性があります。
都では、新興感染症発生、蔓延時に備え、G-MISの入力訓練を実施しています。G-MISの効率的な活用のためには、平時からの活用促進のほか、都道府県が有するシステムやデータ等と連携できる仕組みとするなど、地域の実情に応じた柔軟な運用が可能となりますよう、システムの改善について御検討いただければと思います。
最後に3点目、包括的な仕組みづくりについてです。
将来的には、現場の負担軽減のため、同じ情報を複数のシステムに繰り返し入力することがないよう、包括的な仕組みの構築を御検討いただきたいと思います。
以上、3点となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、俣野参考人、お願いします。
○俣野参考人 基本的な方針については、全く意見はございませんが、その中の二番の発生防止等に関して、特にその中の三番、四番と、予防方法の普及等に関するところにおいて、もしできましたら、隔離等の問題の際に生じるような偏見とか、そういう問題に関する対応についても、メンションがあってもいいのではないかと考えましたので、その点だけコメントをさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
現時点で、ほかに手が挙がっていませんか、今村委員、それから、笹本委員、土井委員の順番でお願いします。
○今村委員 今村です。1点だけコメントをさせていただきます。
急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針を作成するということには大賛成です。
今回、様々な疾患がそこに入ってくる中で、急性呼吸器感染症は、発生の当初あるいは流行が全体に広がるまでの間に、かなり地域差が出ることが予想されます。その地域差が出ている段階に、どのように対応していくかということも非常に重要な視点でありまして、流行の段階が違えば、各地域での対策のタイミングも変わってくると思われますので、地域差が出ているときの情報の伝達あるいは共有、そこのところを各自治体と密な情報交換をするという内容がどこかに入っていると良いと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
どこまで想定して、どこまで書き込むかみたいなところがあるかと思いますけれども、事務局に検討していただくということかと思いますが、続いて、笹本委員、お願いします。
○笹本委員 笹本でございます。
内容につきましては、おおむね賛成なのですけれども、平時に何をしたらいいかという観点について、指針の中ではっきりとは示されていないと思われますので、平時にどのような対応をしたらいいかということについても記載したほうがいいのではないかと思います。御検討いただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、土井委員、お願いします。
○土井委員 ありがとうございます。私からは2点です。
1点目は、先ほど白井委員から御指摘のあった、接種を希望しない者が接種を受けることがないように努めなければならないのところは、全く私も同じことを感じましたが、これは、白井委員から御指摘をいただくことができました。
もう一点は、この特定感染症予防指針案で、今回、総論と各論という形で非常にきれいに整理されていると拝読しました。
その中で、各論の部分、インフルエンザと、それから新型コロナウイルス感染症ということで章立てをされています「第七 各感染症に応じた対応」です。インフルエンザについては、予防接種の推進、ワクチン等の供給、研究開発という形で章立てされて整理をされているのですけれども、新型コロナウイルス感染症については、かなり最低限の記載にとどまっていると感じました。
ただ、内容としては、恐らくワクチン等の供給ですとか、罹患後症状も含めた研究開発等は実際に対策を続けておられるところかと思いますので、もし可能でしたら、この両方の疾患が比較的バランスの取れた形で記載されていると、分かりやすいかなと感じました。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、四宮委員、お願いします。
○四宮委員 急性呼吸器感染症に関する予防指針が出ることは、非常にタイムリーだと思います。
序文に書かれているように、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえて、インフルエンザから急性呼吸器感染症に拡大した予防指針が出ることには賛成です。ただ、そこで挙げられている呼吸器感染症は、かなり網羅的になっていますが、コロナ前から感染症法に規定されている呼吸器感染症については、適切にサーベイランスをされていたと思います。
新型コロナで最も問題になった点は、やはり大規模感染症への対応という点で、様々な問題点が顕在化したと認識しています。
一方、ここでは、呼吸器感染症が網羅的に扱われていて、例えば、レジオネラは、それ自体は非常に重要な感染症ですが、ヒト-ヒト感染しないので、環境からの感染はあるにしても、大規模感染症にはならないと思います。
それで、第七章でインフルエンザと新型コロナを別立てにしているのは、大規模感染症の原因となる2つの感染症を重点的に扱っているということだと思いますが、それらに加えて、新興感染症も含めて、大規模感染症になり得るものについて、この予防指針の中で、重みづけをしたらどうかなとは感じました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 お願いします。
予防指針の案について、全体については、特に異論はございません。細かい文言は別として、概要については、私も賛同いたします。
1つ、デジタル化という話が出ていて、これは、先ほど成田委員がおっしゃったことと、私は全くの同意見なのですけれども、結局手入力をしている段階でデジタル化とは言い難いかなと思います。やはり電子カルテとの連携というのが非常に重要で、先ほど話に出たように、例えば、冬場は感染症の患者数が恐らく非常に増加するので、現在よりももっと入力に困難が生じてくるのではないかと思います。ですので、今後の対策として、やはり手入力ではなくて、もともとデータが入っているカルテとの連携ということを、ぜひお願いしたいなと思っているところです。
もう一つは、病原体の検査についてですが、陰性の場合に未知の病原体かもしれないということで、新規の感染症検知を目的の一つとしてARIの病原体サーベイランスを実施していると思いますが、検査はウイルスが中心になっていて、細菌検査は自治体によってはやっていないところもあると聞いています。百日咳などは耐性菌の問題もありますし、細菌検査について、今後どうするのかということを、お聞きしたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 越田です。
名称が、インフルエンザから急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針となったことについて、インフルエンザという病名に引っ張られなくなった、一般的な呼称による感染症であることに私は賛同いたします。それから、これらの感染症がが通年で、必ずしも冬季だけのものではないということに関しましても、分かりやすくなったかなということで、名称変更及び内容に関しては、特に異論はございません。
ただ、一般的には、2ページですか、インフルエンザに関しましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法、新型インフルエンザ等対策政府行動計画、新型インフルエンザ等対策政府行動計画ガイドライン、さらに基本的対処方針と、様々な計画、方針、ガイドラインがあって、地方自治体では、これに準拠した内容のものを作成することになっています。
従って、この特定感染症予防指針がバイブルとして活用されることを望んでおります。これが1点目です。
2点目は、実際にパンデミックのような状況になったときの話題も出ておりますが、臨床現場では、薬剤やワクチンの供給が非常に厳しくなってくる。抗生物質だけではなくて、鎮咳剤や解熱剤の供給も滞ってしまい、長期になると慢性的な供給不足が起こっております。従って、ワクチンだけではなくて、全ての薬剤の供給が滞りがないような体制を国主導で進めていただきたいとも思っております。
3点目は、成田委員がおっしゃっていた電磁的方法の開発、更に、三﨑委員が述べておられた電子カルテとの連動を切に希望いたします。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
一応一区切りというところで、皆様方から御意見をいただきました。ありがとうございます。
主にデジタル化であったり、それから、平時と有事の切り分けというところは、多く共通するところだったかと思います。
それで、各論のところの扱いですね、そこもあったのですけれども、私も、これはインフルエンザの予防指針から来たので、インフルの記載ぶりが多くなっている印象で、コロナが少し書いてあるという感じなのですけれども、先ほどの四宮先生の意見から考えると、いわゆる大規模感染症になりそうなものを特に強調しているという書きぶりなのか、それとも、本当に各論として様々な急性呼吸器感染症がある中で、主なものについても説明、解説を特に各論として置いているのか、考え方によって記載も変わってくるのかなと、今後いろいろな重要な感染症については詳しく書いていくのか、それとも大規模パンデミックあるいはアウトブレイクになりやすいようなものについて記載しておくのか、そこの考え方で少し変わってくるのかなという印象を受けたので、そこを少し検討していただければということ、各論の意義づけというか、どうしてこれを各論として置いているのかというところ、そこを考えてほしいということを感じております。
というところで、事務局からレスポンスをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
貴重な御意見というか、エールみたいな意見も多々いただいただきましたので、大変ありがたいなと思っております。皆様方からいただいた意見について、幾つか御回答させていただきたいと思います。
まず、書面でいただきました白井委員のコメントにつきましては、どのように記載ぶりを反映できるか、少し事務局としても検討させていただきたいと思っております。
その中で、土井委員からいただいた意見、それと併せてという形でいただいたところでございましたので、それについても併せて我々として反映を検討させていただきたいと思っております。
また、併せて多くの方からいただきました、やはりDX、いわゆるデジタル化ということに関しては、我々も政府全体として検討させていただいているところではございますので、できる限り負担がないような形で取り組んでいけたらとは考えておりますので、引き続き御意見等をいただければと思っております。
また、俣野参考人のほうからは、予防普及の考え方をしっかり書いていることが重要であると同時に、また、偏見対策といったところにつきまして、今回、6ページの第四の項目の中に、リスクコミュニケーションに努めるということを改めて明記させていただいております。コロナの中でも一部問題とされたところではございますが、いかに我々はリスクコミュニケーションを分かりやすく国民に対して通知していくことが重要かということを、改めてここの中に書いておりますので、そういった中で取り組んでいく必要があるものかなと考えております。
また、ほかにいただいたものとしましては、笹本委員からは平時にどのような対応をするのかということに関して、我々としても夏の時期だとか、冬とか、そういった観点を通して、特に増えるときには、こういった手指衛生であるとか、咳エチケット等の一般的な感染予防対策について周知しているところですが、これは通年を通じてやっていくことが重要であるということを、越田委員からもいただきましたので、こういった指針の中を、越田委員のお言葉を借りるならば、バイブルとして使っていただけるのであれば、多くの方々にも周知できるような形で、自治体とも連携しながら取り組んでいければなと考えているところでございます。
その他、今村委員からいただきました、基本的には、地域としてどのように連携していくのか、ARIは、どうしても地域の中でまず広がって、そこから全体的に広がっていくのではないかということがございましたので、こちらにつきましても、やはり、7ページ目の「三 流行が拡大した場合に備えた対応の強化」ということにおいて、幾つか書かせていただいております。
こちらにつきましては、地域の連携であるとか、医薬品の確保であるとか、そういった点に関しましては、先ほどの越田委員などの御意見も反映できているものではないかなとは考えているところでございます。
1点御質問と受け取っております。三﨑委員からいただいておりました、ARIについて、細菌検査についてのサーベイ検査がどうなのかということなのですけれども、少なくとも症候群としてのサーベイランスとしてARIを呈するものについては計上されているところでございますけれども、基本的に細菌につきましては、現状においては実施していないというのが、地衛研の統一した取組となっていることを一応御報告させていただきます。
その他もろもろ多くのところにつきましては、記載ぶりについて、どのような反映ができるかについて、御意見を踏まえて改めて検討させていただきたいと思っておりますが、少なくとも、この特定感染症予防指針につきましては、今回は新型コロナとインフルエンザを各論で提示させていただいているところでございますけれども、基本的に本指針は5年ごとに見直すこととしております。5年後見直しの際に、そのときの状況等を踏まえて、新たに各論として疾患を追加する可能性はございますので、そのときにおきまして、皆様方の御意見を踏まえながら検討させていただきたいと考えているところでございます。
事務局からの回答は以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ただいま、皆様の意見に対して事務局の考えも、今、示していただいたところですけれども、さらにその上で、御意見、御質問等あれば、また伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
四柳委員、宮﨑委員、そして、四宮委員の順番でお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 失礼します、部会長、坂本委員が入室されましたので、一応、御報告させていただきます。
○脇田部会長 分かりました。
それでは、まずは、意見をお願いします。
○四柳委員 四柳でございます。
8ページの研究推進中疫学研究の推進という三のところでございます。今般、結局コロナになって、超過死亡であるとか、あるいは罹患後症状であるとか、そういったものに関して、大規模な疫学調査を追ってすることになりました。
次のパンデミックが来たときも、罹患後に何が起こっているか、あるいは、今、申し上げた超過死亡の問題とか、書きぶりに少し工夫が必要かもしれませんけれども、そういったことに関して、疫学研究の推進のところに加筆をしていただければいいのかなと思いました。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
宮﨑委員、お願いします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
先ほど来話題になっておりました、大規模感染についてということに対応してなのですけれども、今回対象とされて、ここに書いてある疾患は、必ずしも大規模感染になりやすいものだけではなくて、例えば、オウム病ですとか、クラミジアですとか、百日咳、マイコプラズマ、レジオネラなど、実際の臨床の現場で診断とか治療が困難になる、あるいは致命的になる可能性が高い疾患が含まれていて、恐らく呼吸器感染症の専門家であれば、重要なものだと分かると思います。大規模感染症以外の視点といいますか、実際に疾病負荷が高い、あるいは予後が悪いという点を分かりやすくどこかに、例えば、第七にインフルと新型コロナウイルスがありますけれども、その他の事項として、マイコプラズマ等も含めて、簡単にまとめてでもよいので一言あるとすごく分かりやすくなるのかなと思いました。
もう一点ですけれども、今、四柳先生が罹患後症状のことを御指摘なさいました。特に疫学のときに、例えばマイコプラズマ等でも、肺炎等の回復期のときに、様々な関節炎ですとか、皮疹ですとか、膠原病様の症状が、ラグを持って出てくるということはよく知られておりますので、そういったことの疫学の調査も可能なような簡単な書きぶりを加えていただくと、より有効な指針となるのかなと思いましたので、追加させていただきます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
先ほど、七の各論のところの書きぶりで、必ずしも大規模感染症についていてだけではなくて、呼吸器感染症として診断が難しいものであったり、個別の特徴として罹患後症状があるようなもの、そういったものの解説も加えていったらいいのではないかと、そういった御意見ですね、すぐに対応ができるかどうか分かりませんけれども、事務局で御検討いただければと感じました。
続きまして、四宮委員、お願いします。
○四宮委員 先ほどの事務局の御説明に対する補足ですが、今度のARIの病原体定点の対象疾患の中には、A群溶血性レンサ球菌、百日咳、クラミジア肺炎、マイコプラズマ肺炎などの細菌性のものも入っています。
現在、地衛研で行われているARI病原体検査の標準的な方法は、感染研のインフルセンターが作成したマルチのウイルスの検出ですが、地衛研によっては細菌の検査も行っています。全国共通のマニュアルや陽性検体が利用できるわけではなく、また、どの程度の地衛研で細菌の病原体サーベイが行われているかの調査もまだできていませんが、個々の地衛研レベルでは実施されています。
それから、2025年に百日咳が非常に流行し、特にマクロライド耐性が医療機関で治療上の問題になっているということもあって、積極的疫学調査として、百日咳菌のマクロライド耐性を含む病原体サーベイランスがある程度の地衛研で行われたと思います。毎週病院当たり5検体のレギュラーな検査としては、ウイルスが中心になっていますが、細菌に関しても、個々の地衛研や自治体の考えに従って、ある程度行われていることを補足したいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そこの病原体検査の標準化といったところも、今後、ウイルスと細菌を含めてやっていくのかどうかというところは、今後の検討というお話だったかと思いました。
次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 全ての医療関係者がARIの定義を正しく理解していただくためにも今日御提示いただきました資料2-1の最後の表は、よく整理をされていて分かりやすいので、是非臨床現場でも活用されればよろしいのではないかと思います
更に、この表の中に、感染症法の分類を追記すると理解も深まるかなと思います。ARI、急性呼吸器感染症の定義と内容を特に医療従事者に広く知っていただく必要があるのではないかなと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
資料2-1の6ページのところですかね。そこに少し追加してほしいといったお話がありました。
続きまして、森田委員、お願いします。
○森田委員 どうもありがとうございます。
この指針は、非常によくまとめられていると思います。その中で、全部重要だと思うのですけれども、情報公開というのが、やはり1つ大きな要点だろうと思っています。
ここは、1-3のところに明記されていて、しかもJIHSがその責任機関ということで明示されているので安心しているのですけれども、新型コロナウイルス感染症の経験で、地方自治体の名前を出してくれるなという依頼といいますか、話があったことがあります。風評被害をおそれてですけれども、その辺はしっかりと対応していただきたいと思っています。
これに関連して、俣野先生の御発言にも連動するのですけれども、やはり偽情報とか誤情報とか、そういうものがSNSとかを通して拡散していく現状にあって、やはり、そういう誤情報に対する対応というところが、このリスクコミュニケーション、2-4のところで読めるといえば、読めるかもしれないのですけれども、そういうところを、もし可能であれば、もう少し追記していただくことがあってもいいかなと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
一通り、今、お話しいただきましたけれども、そのほか大丈夫ですか。
取りあえず、またここで、事務局に、今また改めていただいた意見に対してレスポンスをいただければと思います。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
四柳先生、御意見ありがとうございます。基本的にもう少し膨らませていったり、追記するべきではないかという御指摘だったと思っております。四柳先生からは、基本的な研究の推進の部分というのをしっかりやるべきではないかという御指摘をいただいたと思っておりますし、また、宮﨑委員からも同様の意見をいただいたと思っています。どこまで書けるのかというのは、改めて検討させていただきますが、表現については検討させていただきたいと思います。
また、第七の項目に、さらに別の項目をという話がございましたが、基本的には、今回につきましては、インフルエンザと新型コロナウイルスを軸とした形で進めさせていただきたいところでございますが、どういったものが可能かどうか、少し検討させていただきたいと思います。
越田委員からは、ARIの定義をしっかりと周知していくことというところに関して、アドバイスをいただいたものと認識しております。
2-1の後ろについております、ARIについてのまとめ方について、非常によくまとまっていると御評価いただき、ありがとうございます。
これも使いながら、しっかりと医療機関の関係者にARIを理解してもらうことの重要性ということの御指摘もいただきましたので、少し検討させていただきますし、あわせて、我々としても指針に書いたから終わりではなくて、しっかりと周知していくというプロセス自身は、しっかりこれからも努めていきたいと思っております。
俣野参考人及び森田委員からいただきました、やはり、今回我々としても、新たに追加しているリスクコミュニケーション、6ページ目の四の項目というところが、非常に重要であるという御指摘だと思っております。
読めるだけではなくて、もう少ししっかりと膨らませて、誤情報への対応だとか、リスコミ、偏見への対応などについても対応すべきというところだと思いますので、こちらについては少し検討させていただきたいと思います。
すみません、事務局からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
というところでありますが、いかがでしょうか、そのほか、さらにありますか。
原委員、そして、坂本委員、よろしくお願いします。
○原委員 前半の部分と後半の部分を併せてということなのですけれども、発生届に関するもので医療DXの必要性ですとか、疫学研究で後遺症のことなどが出てきておりますけれども、やはりここで自治体とか国で管理しているような各種データベースをどのようにつないでいくかというところも、この中にしっかり書いていただけるといいかなと思いました。
少し読んでみると、基盤をつくるとか、そういう文言はあるのですけれども、もう少し踏み込んで、今あるものをどのようにつなぐかというところまで書いていただければと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。遅れまして失礼いたしました。
私のほうからは、指針の2ページ目にあります感染経路の表記で「これらの急性呼吸器感染症は」から始まる文章で、終わりのほうに「飛沫感染や空気感染等を中心に感染が拡大し」と書いてあるのですけれども、この空気感染という言葉について、空気を介して広がるが、結核や麻疹のような形で広がるものではないという認識が、感染予防・制御に関わっている者の間では広まっていると思うのですが、一般の方の捉え方が、また様々になると思われますので、可能な範囲でもう少しその辺りの、インフルエンザや新型コロナを中心にするということであれば、それらの感染症と、その他の呼吸器感染症の感染経路の表記を少し工夫しいただけるといいのかなと思った次第です。
あとは、4ページに「注意報・警報の基準等の必要性も含めた検討を行うこととする」と書いてありますが、やや控え目な書きぶりになっているような印象も受けます。注意報・警報に関しては、新型コロナも含めて、なるべく流行の兆候が見られたら早めに一般の方にも伝わるような形で、何かできたほうがいいのではと思っておりますので、可能な範囲で少し踏み込んだ表現にしていただくといいのかなと思いました。
あと、5ページ、6ページに、全国及び地域別の発生動向調査の結果を定期的に公表する。6ページに、急性呼吸器感染症の流行状況を一般の方向けに提供していくということがあります。これは、いろいろな媒体やウェブサイトを使って、公開、周知されていくものと思いますが、JIHSのウェブサイトに関しましては、画面上見やすい感じにはなったのですけれども、実際に情報を探すのが非常に難しいということがあります。アルファベット4文字、5文字での従来の週報の名称が出ていたりということで、なじみのない医療従事者、また、さらに一般の方にとっては、流行状況を把握するのは困難かなと思われますので、今、改善の途中でいらっしゃるのかもしれないのですけれども、こちらは、一般向けにも分かりやすいような形にしていただけるとよりいいのではないかと思っております。
以上です。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
最後のところは、JIHSのウェブサイトの問題がありますので、そこは改善に努めていくということだろうと思いますが、そのほかなければ、事務局からまた再度レスポンスをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
まず、原委員のほうからは、繰り返し多くの委員からも御指摘いただいております、電磁化、DXの必要性についてのところでございます。電磁的な届出のところについての記載はございますけれども、もう少し書けないかということを御意見いただいていると思いますので、少し表記については検討させていただきます。
坂本委員からは、飛沫感染、空気感染という表現についてであるとか、注意報、警報についての検討について、注意報、警報についての具体的なところも、まだ、我々としても検討段階ではございますけれども、もう少し重みづけというか、肉づけした記載のほうが適切ではないかということですので、こちらも改めて内部で検討させていただきたいと思います。
JIHSは、引き続き連携させていただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 連携について、よろしくお願いいたします。今日もJIHSの人たちは、参考人として入っていただいていますので、また、そこも含めて改善してまいりたいと思います。
そのほか、大丈夫ですか。
非常に多くの御意見、コメントをいただきましてありがとうございました。ただ、おおむね方向性としては賛同していただけるという形の御意見だったと思います。
それで、1点、事務局に確認なのですけれども、今後の進め方について、例えばパブコメをやるとか、何かそういった予定とかがあれば教えていただけますか。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
こちらのほうで、本部会において、おおむね了解いただいた後、今回いただいた御指摘について、表記の修正等を改めて検討させていただきます。その上で、パブリックコメントを行い、その後、指針として提示させていただく形になりますので、その際に、また、こちらの部会のほうでも答申という形になると思いますが、そちらも含めて進めさせていただきたいと思っております。
○脇田部会長 分かりました。ありがとうございます。
今後の予定として、今、事務局からお話しいただいたような形で進めていくと、再度、最終案に関しては、もう一度諮問していただいて、答申するみたいな形ですかね、というところだと思いますので、それで、委員の皆様、大丈夫ですか、取りあえず、今日のところは、御意見をいろいろいただいていますので、また、事務局で再度検討をいただくという形で、部会としては、この案で、おおむね了承して、事務局において必要な手続を進めていただくことにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、そのような形で進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○木庭感染症対策課長 すみません、よろしいでしょうか。
○脇田部会長 どうぞ。
○木庭感染症対策課長 つけ加えことはないのですけれども、本当にたくさん貴重な御意見を賜りました。中身の修正に係る部分につきまして、いただいた御意見を丁寧にいろいろと検討させていただきまして、座長の先生とも御相談をさせていただきながら、修正を加えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、次に進みます。議題の3です。こちらは報告でありますが、先ほど少し話題に出ましたけれども、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について、研究の報告ということだと思いますが、資料の3について事務局から御説明をいただきます。よろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 続きまして、事務局より資料3「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状について」の研究報告という形で御報告させていただきたいと思います。
2ページ目を御覧ください。
改めまして、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について、定義などを明示させていただいております。
WHOは「post COVID-19 condition」の名称で新型コロナウイルスに罹患した人に見られ、少なくとも2か月以上持続し、ほかの疾患による症状として説明がつかないもの、通常は感染から3か月たった時点にも見られるとしているものになります。
令和5年度の厚生労働科学研究で得られた結果としては、令和5年度は、八尾市と札幌市の協力を得て住民調査を行い、下記の結果を得られたとなっています。
罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から18か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、成人では約5%、小児では約1%であったというものでございます。
3ページ目を御覧ください。
こちらは、罹患後症状に関する研究を一覧化させていただいたものになります。
本日は、この中で令和6年度、赤文字で書いております「新型コロナウイルス感染症による医学・医療・健康に与えた全般的影響の総括研究-今後の医療・保健制度構築の観点から-」という形で報告をさせていただきます。
4ページ目を御覧ください。
本研究の目的としましては、新型コロナウイルス感染症罹患後症状の長期的な影響、感染から24か月以上経過後、罹患後症状が持続するリスク因子、罹患後症状が持続した者における支援制度の利用状況について、非感染者との比較、罹患後症状の持続期間別の比較によって実態を明らかにすること及び新型コロナウイルス感染症の罹患後に、ME/CFSを発症する可能性を改めて調べることとし、対象は八尾市、札幌市それぞれで調査が実施されております。
方法としましては、自記式のアンケート、オンラインになっており、本研究における罹患後症状の定義は、WHOの定義にのっとった形としております。
有効回答者のうち、感染から24か月以上経過した感染者と非感染者を抽出したものとなっております。
5ページ目は、八尾市の回答者の背景となっております。
あわせて6ページ目が、札幌市の回答者の背景となっております。
7ページ目からは、その研究の結果となりますが、成人における罹患後症状の経時的推移です。
罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から24か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、八尾市の調査では3.5%、札幌市の調査では7.2%でした。
続きまして8ページ目、小児における罹患後症状の経時的推移です。
罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から24か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、八尾市の調査では0.3%、札幌市の調査では0.8%でした。
9ページ目、こちらは就業・就学への影響を成人において評価した形になってございます。
10ページ目は、小児においての結果という形になっております。
11ページ目は、社会経済状況の影響として世帯収入が増加した、変わらないと回答した者に対する減少した割合についての御報告という形になっております。
あわせて、こちらについては主観的経済状況がよくなった、変わらないと回答した者に対する、悪くなったと回答した者に対する割合を提示させていただいているところでございます。
12ページになりますが、罹患後症状が持続するリスク因子につきましては、まず、こちらは成人でございます。
八尾市の調査では、肥満は肥満でない者に比べて高く、基礎疾患あるいは基礎疾患なしに比べて約3倍という形のデータもございますし、札幌市の調査も同様な形で、こちらについては、10歳加齢で0.8倍、感染回数は2回以上が感染1回に比べて2.3倍など、数値として出てきております。いずれも有意差は認められていないという形になっております。
続きまして、13ページでございます。
こちらは、罹患後症状が持続したものにおける支援制度の利用状況でございます。
こちらにつきましても、罹患後症状が12か月以上持続した者で、使用していた者の割合であるとか、各支援制度の利用状況について、それぞれの方法について調査したものになってございます。
14ページに参ります。
14ページは、新型コロナウイルス感染症罹患後のME/CFSを発症する可能性についての検討でございます。
こちらにつきまして、ME/CFSに類似する症候ありの者の割合は、感染者では八尾市の調査で0.56%、札幌市の調査で0.79%、非感染者では八尾市の調査で0.54%、札幌市の調査で0.24%と、今回の住民調査においては、新型コロナウイルス感染症の罹患後にME/CFSに類似する症候ありの基準に合致する者の回答者の割合は、統計学的な有意差が認められなかったという報告となっております。
以上、こちらについての調査結果を取りまとめたものが、15ページ、16ページという形になってございます。罹患後症状の経時的推移、就学・就業への影響、社会経済状況への影響、罹患後症状が持続する因子、罹患後症状が持続した者における支援制度の利用状況、新型コロナウイルス感染症の罹患後にME/CFSを発症する可能性について、それぞれ報告いただいているところでございます。
こちらについて、分かりやすく表記したものが16ページの表と図となっております。
こちらは報告ではございませんが、こういった罹患後症状の方々に対した厚生労働省の対応についても、17ページに御説明させていただいております。
引き続き、新型コロナウイルスへの感染から3年以上にわたる罹患後症状の実態調査を行うような研究であったり、あとはAMED研究の中で、引き続き病態解明や予防治療等につながる研究を行っております。
あわせて、医療現場への周知、共有としまして「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊罹患後症状のマネジメント 第3.1版」を発行し、引き続き、かかりつけ医等や地域の医療機関等が適切な医療を提供できるよう、情報提供を行っております。
あわせて、診療の手引のポイントを解説した動画であるとか、生活や仕事で心がけていただくこと等をまとめたリーフレットなどを御用意させていただいており、自治体を含めた様々な場で活用できる資料の提供を継続してまいりたいと考えているところでございます。
一応、事務局からの今回の資料3についての御報告は、以上とさせていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状についての研究の御報告ということです。
私、1点確認なのですけれども、12ページのところで、ちょっと聞き間違いかもしれないですけれども、有意差はなかったみたいなお話があったかもしれないのですが、赤字のところは有意差があったところなのだけれども、感染の時期の波のところ以外は、八尾市と札幌市で共通するリスク因子というのはなかったと、そういう理解でよろしいですかね。
○小谷エイズ対策推進室長 座長、失礼いたしました。私、ちょっと読み間違えた形で、大きな間違いをしてしまいまして、申し訳ございません。有意差が認められたという形になっております。
○脇田部会長 はい、ありがとうございます。
それでは、委員及び参考人の先生方から御質問等あれば、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
参考人の先生から補足の説明があるのですかね、大丈夫ですかね。
では、委員の先生方から御意見をいただきます。
原委員、森川委員の順番でお願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
後ろ向き調査ということで、かなりいろいろな制約のある調査の結果だったかなと思うのですけれども、これをどのように、今後、利用していくのかというところを少し伺いたいのと、あと、制度を利用した人の割合が非常に少なかったということになりますが、実は、この人たちが本当に医療機関でも診断を受けて、医学的にも証明されたような後遺症であったと、そのように捉えられるのか、そういったところについて、御意見をいただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
森川委員、お願いします。
○森川委員 資料の12ページ目で、一般的に基礎疾患は、罹患後症状が持続するリスク因子と言われているのですけれども、八尾市のデータだと、それが当てはまるのですけれども、札幌市のデータは、むしろ0.73ということで低い数値になっています。これは基礎疾患の重症度とか、基礎疾患の種類によって、こういう違いが出てくるのかどうかと、その細かいデータは何かあるのでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、事務局から、何かもしレスポンスできることあれば、お願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
原委員からいただきました、こういった研究結果をどのように活用していくのかということにつきましては、我々としては、引き続き、17ページでございますけれども、研究であるとか、医療現場への周知であるとかなど、あとは対象となる支援制度のしっかりとした周知ということに努めていくということを我々としては使っていければ、この結果を踏まえて、さらに周知していければなと考えているところでございますので、引き続き我々としてできる対応を進めていくというところの大きな材料とさせていただければと考えているところでございます。
森川委員からいただきました、詳細なデータの部分につきましては、参考人のほうから、研究の内容についての部分ですので、お答えいただけますと幸いですが、いかがでしょうか。
○脇田部会長 お答えできますか、お願いします。
○細澤参考人 ありがとうございます。国立健康危機管理研究機構の細澤と申します。こちらの調査を担当させていただきました。
今、御質問いただきました基礎疾患につきましては、何らかの基礎疾患を全て1つにまとめて評価しておりますので、御指摘いただきましたように、様々な重症度の方が入っている可能性というのはあるかと思います。
どのような基礎疾患をお持ちでいらっしゃるのかというのは、アンケートの中で聞いておりますので、対象者の人数の方が限られてしまうというのはあるのですけれども、基礎疾患別に、罹患後症状の持続との関連を見ることを、今後していきたいと思います。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
原委員、お願いします。
○原委員 すみません、あわせて、先ほどの質問に半分回答をいただけなかったので、今回、セルフレポートの調査ということですけれども、診断がついて後遺症となっている方がいらっしゃったのかという点と、その方たちが、そういった支援のものを知らずに利用できなかったのかという点、その辺りが、もし分かれば教えていただきたいと思います。
○脇田部会長 こちらもいかがですか、これは、事務局からですか、それとも参考人の先生から聞きますか。
○小谷エイズ対策推進室長 研究の内容の部分になりますので、参考人のほうからお答えいただけますと幸いです。
○脇田部会長 では、お願いします。
○細澤参考人 ありがとうございます。
こちらの調査は自己申告になりますので、罹患後症状も、自己申告いただいた症状についてWHOの定義に照らし合わせたものになります。ですので、この中で、どのくらいの方が実際に医療機関で罹患後症状があると診断されていらっしゃるかというのは、調査ができていないのですけれども、今年また調査を行いますので、その際には、医療機関で罹患後症状と診断を受けていらっしゃるかどうかという点も見ていきたいと思います。
また、今年の調査におきましては、先ほど事務局の先生からもお話がありましたように、アンケート調査に加えて、症状が長期に続いていらっしゃる方を対象に、インタビュー調査をすることにしております。このような個別の調査をしていく中で、もう少し詳細に診断との関連も見ていくことができるかと思いますし、また、どのような症状が続いているのかとか、実際に生活に影響を与えているのかということも分析して、明らかにしていければと考えています。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
四柳委員、お願いします。
○四柳委員 ありがとうございました。
これは、本当に大事な調査です。、先ほど基礎疾患に関しては聴取をなさっているということ、それから、その後、実際に診断をして医療機関にということというお話が出ましたけれども、この調査自体は、恐らく罹患した際の症状がどのぐらい持続しているかということを基本的に見る調査だと思っています。
最近、例えば、ニューイングランド・ジャーナルにも、論文が出ましたけれども、罹患後新たに発生した合併症の問題も、医学的、社会的に大事なことではないかと思っていて、そういったことを、例えば調査することは可能なものなのでしょうか。
○脇田部会長 細澤先生、どうですか。
○細澤参考人 御質問ありがとうございます。
おっしゃるように、確かに新型コロナウイルス感染症にかかられて、その後どのような合併症が長期的に起きてくるのかということを見ていくことは、非常に重要なことだと考えております。
罹患後に新たに診断された疾患については、初年度の調査から聞いておりますので、これからさかのぼっていきまして、どのようなものが多く見られるのかを分析していきたいと考えております。
また、本調査とは少しずれてしまいますけれども、私どものセンターでは、今後レセプトデータを使って、コロナに感染された方々の合併症についても見ていく予定にしております。
以上です。
○四柳委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そのほか、いかがですか。
ちょっと進行がまずかったのですけれども、参考人の先生に、事務局からの報告の後に、補足の説明をしていただければよかったのですけれども、何か追加で御発言はありますか。
○細澤参考人 ありがとうございます。
事務局からの御説明に重複するところもあるのですけれども、この調査は、無症状、軽症の方を中心とする地域住民の方で、COVID-19に感染された方々の長期追跡をしてまいりました。
時間経過とともに、罹患後症状が持続する方の割合というのは、基本的には減っていくのですけれども、ただ、2年経過後も症状が持続されている方が一定数おられるということが明らかになりました。
このことが、特に成人の方においては、就学や就業、社会経済状況にも影響を及ぼしている可能性が示されていると考えています。
この結果を踏まえまして、今年もまた調査をしていくということと、特に罹患後症状が長期に続いている方を対象に詳細なインタビュー調査も実施してまいります。
また、本調査では、初回感染から持続している症状を追跡していますが、再感染をされる方も増えてきておりますので、今年は再感染によって新たに何か症状が出ているかどうかというのも調査していきます。
あと、最後に1点ですけれども、先ほど感染後に罹患後症状に関する疫学調査の必要性というお話が前の議題であったかと思います。私たちもこの調査を3年間続けてきまして、このような実態調査においては、どのような方、どのような集団を調査するかということとに加えて、どのように評価するかということが非常に重要であると考えております。
特に統一した評価指標を用いますと、ある程度、異なる地域においても一貫した結果が得られると考えておりますので、今後、この調査方法に関しても、ノウハウや知見を蓄積していく必要があると考えています。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
おっしゃるとおり、一定の割合で罹患後症状を示す方がいらっしゃって、それがかなり、割合は減ってくると言っても、長期にわたって、その症状が継続する方もいると。
さらに、新型コロナウイルス感染症の流行も、まだ無視できないような状況が続いているということなので、今後も、ぜひ研究を続けていただくことが重要かなと感じました。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。
ありがとうございました。ぜひ研究を継続して、また、その結果を教えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、次の議題に入りたいと思います。
議題の4番目「多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準について」の御報告です。
資料の4の御説明をよろしくお願いします。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
毛色が大きく変わりますが、多剤耐性緑膿菌感染症の届出基準について御報告させていただきます。資料の2ページ目を御覧ください。
過去の感染症部会及びAMR小委員会における議論をまとめております。
第92回厚生科学審議会感染症部会におきまして、薬剤耐性緑膿菌(Multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa)感染症について、これまでの定点把握対象疾患から全数把握対象疾患へ変更することについての御了承をいただいたところでございます。
一方で、この中において、基準につきましては、DTR(Difficult-to-treat)の基準を用いることについても議論すべきではないかとの御意見もいただき、AMR小委員会において議論してまいりました。
その中で、第10回AMR小委員会の中においては、日本語名称を多剤耐性緑膿菌に変更すること、薬剤耐性緑膿菌から多剤耐性緑膿菌に変更すること、届出基準における各抗菌薬の耐性の基準をCLSI、2019以降のバージョンに変更することについて議論し、了承いただきました。
その後、第11回の薬剤AMR小委員会におきまして、改めて、そのDTR基準を用いるかどうかということについて議論を行ったところでございますが、こちらにつきましては、基本的には、当分の間、対象抗菌薬は現行の届出基準を維持することにつきまして、小委員会の中で議論し、了承いただいたところでございます。
こちらにつきましては、基準変更に伴う臨床現場の負担や混乱などが大きな要素として挙げられたところでございます。
あわせて、以下について取り組むことが求められました。
全数化に伴い開始される病原体サーベイランス等の実施により、日本のMDRP感染症の現状を把握しながら、DTR基準の活用の方向性を模索していくこと。
及び感染症内科医だけに限らず、薬剤耐性菌治療に関わる医療関係者に対して、DTRに対する普及啓発を行い、現場の混乱を軽減するための取組を行っていくことが求められております。
以上を踏まえまして、第10回及び第11回AMR小委員会において、定点把握対象疾患に位置づけられている「薬剤耐性緑膿菌感染症」について、多剤耐性緑膿菌感染症と日本語表記を変更し、各抗菌薬の耐性の基準をCLSI2019以降のバージョンに変更するとともに、届出基準の対象抗菌薬は現行の基準を維持することとさせていただきたいと考えているところでございます。
事務局からの御報告は以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今、御報告いただいたとおり、以前の感染症部会でも議論をしたところですけれども、さらにAMR小委員会において議論をしていただきまして、今、まとめのところで御説明いただいたとおりとなるというところでございます。
この点に関しまして、委員の先生方、参考人の皆様から御意見、御質問等をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
原委員、お願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
質問になるのですけれども、今回、基準を新しいものではなくて現行のものにするという判断の中で、特異度が77.2%ということで、偽陽性率二十何%あるということで、少し控えたということだと思うのですけれども、これは、一般的にどれぐらいの偽陽性率であれば容認できると考えたらよいのかというところを教えていただければと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
これは、事務局のほうでレスポンス可能ですか。
○小谷エイズ対策推進室長 事務局でございます。
明確に基準設定の際のカットオフ値というものはないものと認識しておりますが、もともと第10回のAMR小委で提示させていただいた案の場合、偽陽性率が22.8%という値につきましては、国のサーベイランス基準としては、不適切ではないかということにつきまして、AMR小委員会の先生方の認識も一致しましたので、今回は、この基準を用いるのは不適切ではないかということをいただいたところでございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
四宮委員、お願いします。
○四宮委員 全数化されることには賛成ですが、3ページの3段落目に「全数化に伴い開始される病原体サーベイランスの実施により、日本のMDRP感染症の現状を把握しながら」というところで、平成29年の3月の厚労省通知では、全数報告のCRE等の届出があった場合に、その菌株を地方衛生研究所に提出して、詳細な耐性遺伝子の検査を行うことになっています。
それで、MDRPに関しても全数化されると、地衛研で検査が行われることになりますが、CREのときも感染研と地衛研で、検出すべき耐性遺伝子等について協議しましたので、今回も、感染研の先生、薬剤耐性研究センターの先生になると思うのですが、地衛研側とも情報共有していただきたいと思います。
地衛研の病原体サーベイランスのデータに基づいて、CREも、当初、イミペネム、メロペネム、両方の基準に基づいていたのが、メロペネム単独になったという経緯もありますので、今回のDTR基準の活用の方向性を模索していくという中には、病原体サーベイランスのデータを参考にしながら、CREの場合のような届出基準の変更も将来あり得ると、それも含めて、現行の基準ということになったのかなと理解していますので、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今のは御意見というところで、対応をよろしくお願いいたします。
それでは、そのほか、いかがでしょうか。
大体大丈夫でしょうか。
JIHSのAMR研究センターの対応ということも、今、四宮先生からありました。そこは、また、事務局を介して対応をお願いしたいと思います。
そのほか、大丈夫ですか。
ありがとうございました。
そうしましたら、今日御報告いただいた方向で対応を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、一応準備をしました議題4つ、これで終了ということになりますけれども、そのほかに先生方から何か御意見等あれば、今、いただきますが、大丈夫でしょうか。
ありがとうございました。そうしましたら、これで議事を事務局のほうにお返ししたいと思います。
○小谷エイズ対策推進室長 皆様、ありがとうございました。
本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえて、進めさせていただきたいと思います。
この後、当方で、記者ブリーフィングとして議事の概要を御説明させていただく予定としております。
また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡をさせていただきます。
本日は皆様方、大変お忙しい中、御出席いただきありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。




