第95回 厚生科学審議会感染症部会 議事録

日時

  • 令和7年5月28日(水)13:00~15:00

場所

新橋ビジネスフォーラム(8階)

議題

(1)プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類について
(2)狂犬病予防法に関する事務の変更について
(3)匿名感染症関連情報の第三者提供に係る年間実績について(報告)

議事

議事内容
○佐野エイズ対策推進室長 ただいまから第95回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
 私、本日議事進行を務めさせていただきます、感染症対策課の佐野と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
 本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、今回から新しく感染症部会に加わられた委員を御紹介いたします。
 国立健康危機管理研究機構総合研究開発支援局研究企画部長の宮崎義継様です。
○宮崎委員 よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 次に、委員の出欠状況について御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
 五十音順に、今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いします。
 越田委員。
○越田委員 越田です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 小西委員。
○小西委員 小西でございます。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 笹本委員。
○笹本委員 笹本です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いします。
 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 谷口委員。
○谷口委員 谷口です。よろしくお願い申し上げます。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 戸部委員。
○戸部委員 戸部です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 成田委員。
○成田委員 成田です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いします。
 三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 宮崎委員。
○宮崎委員 宮崎です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いします。
 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 なお、原委員、藤田委員から御欠席の連絡をいただいております。また、坂本委員、土井委員、戸部委員から途中退席との御連絡を、今村委員から途中離席との御連絡をいただいております。
 また、本日は参考人として、国立健康危機管理研究機構理事、俣野様の御参加をいただいております。
 以上、現在、感染症部会委員20名のうち18名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第及び委員名簿、座席図、資料1から3、参考資料1になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 承知しました。
 それでは、今年度最初の感染症部会となります。今日もよろしくお願いいたします。
 早速議事に入ってまいりたいと思いますが、まずその前に、審議参加に関する遵守事項についての御報告をよろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 本日、御出席されている委員の過去3年度における関連企業からの寄附金などの受け取り状況について申告いただき、事務局において当該内容を確認いたしました。その結果、審議不参加となる基準に該当された委員はいらっしゃいませんでしたので、御報告いたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入ってまいりたいと思います。
 まず、今日の議事次第を御覧ください。今日は議題が3つございます。最初の議題が「プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類について」ということであります。
 それでは、資料1について事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いします。
○野田健康・生活衛生局参与 事務局の野田から御説明させていただきます。
 資料1をお手元に御用意ください。「プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類について」という資料でございます。
 プレパンデミックワクチンにつきましては、これまでも感染症部会で御議論いただいてきたものでございますけれども、今年度また今後の備蓄の種類について御審議をいただければと思っております。
 まず1番目のプレパンデミックワクチンの備蓄の経緯についてでございます。プレパンデミックワクチンにつきましては、平成9年に世界で初めて鳥インフルエンザ、H5N1のウイルスによる感染確定者が報告され、その後、我が国では平成18年度からH5N1株のプレパンデミックワクチンの備蓄を行ってきたものでございます。
 備蓄するワクチンにつきましては、幾つかの視点を踏まえた上で、危機管理上の重要性が高いワクチン株の備蓄を優先することとしてきたものでございます。その後、H5N1からH7N9、またH5N8株を経まして、昨年の議論におきましては、H5N1株のEzo red fox株をワクチン株とすることとしたものでございます。
 次のページの2ポツ目でございますけれども、今後備蓄すべきワクチン株についてでございます。
 まず、近年の流行株についてでございますけれども、過去5年間に世界でヒトが感染した鳥インフルエンザウイルスにつきましては、7種類のインフルエンザウイルスの亜型に属していたという状況でございますけれども、特に令和3年以降に関して言いますと、Clade2.3.4.4bに属する高病原性鳥インフルエンザウイルスのH5N1の世界的な感染拡大に伴いまして、野生の哺乳類や農場の家畜等などでの発生報告が見られているという状況でございます。
 その上で、ヒトへの感染についてでございますけれども、ヒトのH5N1の感染事例につきましては、平成15年から令和7年1月28日時点までの報告に関して言いますと、世界各地で散発的に報告されている状況でございまして、ヒトの症例が報告されている鳥インフルエンザの中でも報告された症例数が多く、また致命率が高いウイルスでございます。
 特に令和2年1月以降の状況で申し上げますと、検出されたH5N1の多くのCladeは2.3.4.4bであったという状況でございます。
 また、H5N1に関して言いますと、効率的にヒトからヒトへ感染する能力を獲得しておらず、現時点ではヒトでのパンデミックに至る可能性は低いという状況でございますけれども、世界的に鳥類での感染拡大が認められ、哺乳類の感染例も多数報告されている状況でございますので、H5N1へのヒトの曝露機会が増加しており、今後も散発的なヒト感染例が報告される可能性が高いという状況でございます。
 なお、動物で感染が拡大する中でアミノ酸変異が蓄積して、ヒトへの感染性がより高くなったウイルスが今後出現する可能性は否定できないという状況でございます。
 H5亜型Clade2.3.4.4bワクチン株と流行株の抗原性についてでございますが、世界的に流行しておりますClade2.3.4.4bのうちWHOが示すワクチン候補株はH5N8の株とH5N1の株になっているという状況でございますが、このうちH5N1につきましては、安全性及び抗原性についてWHOによる確認が完了したワクチン株として使用可能かつ入手可能であるのは、現在、昨年度選んでいただきましたEzo red fox株によるものと、American wigeon株によるものの2つになっているという状況でございます。
 また、流行株とワクチン株の抗原性の比較のために、この2つのEzo red fox株とAmerican wigeon株に対するフェレットの感染血清を用いた赤血球凝集阻止試験を実施したところ、両株に対する血清は近年のH5N1の流行株とよく反応しているという状況で、両者の反応性に違いはないと判断されております。
 このような検討を踏まえまして、Ezo red fox株に対して有意性を示すワクチン株の情報はないことから、昨年同様、Ezo red fox株をプレパンデミックワクチンのワクチン株とすることとしてはどうかという形で考えております。
 また、令和8年度以降、備蓄するワクチン株の変更については、危機管理上の重要性の高い亜型のワクチン候補株の収集を優先的に進めつつ、引き続き、企業での製造可能性を含め、最新の知見を踏まえて検討を行っていくこととしてはどうかという形で考えております。
 私からは以上になります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 今御説明があったとおり、鳥インフルエンザの感染が家畜等である程度発生が見られているところで、ヒトへの感染の報告も散発的にあるということ。これが、ヒト-ヒト感染がより効率的になるような変異株が出てくると非常に懸念される事態になりますが、それに備えてプレパンデミックワクチンを備蓄していくということですね。さらに、ワクチン株としてはH5N1株のEzo red fox株を用いると。これは昨年と同様ということで、今年度もその備蓄を行うといった御提案だと思います。
 それでは、委員の先生方、あるいは参考人の先生から御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、私のほうからまず1点確認なのですけれども、今現在はAstrakhan株とEzo red fox株が両方備蓄されている現状だと思いますが、これハ現在の流行株といいますか、多く検出されているH5N1株に対しての反応性はどのような違いがあるのでしょうかというのをまずお聞きしたいと思います。お願いします。
○野田健康・生活衛生局参与 ありがとうございます。
 先ほど御説明させていただきましたように、現在備蓄を進めておりますEzo red foxに関しましては、現状の流行株に関して言うと、反応性がいいという状況になっております。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。
 笹本委員、お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
 ありがとうございました。私はこの件に賛成なのですが、確認をさせていただきたいです。参考資料1の4ページを見ますと、現在のプレパンデミックワクチンの備蓄の状況の表がございます。ここで令和7年度を見ますと、昨年、Ezo red fox株の備蓄を開始したところで、現在はAstrakhan株とEzo red fox株が500万人分ずつあるように見えます。今回、さらにEzo red fox株を500万人分増やすということになりますと、それは1000万人分になるということなのでしょうか。また、どの株が今どれぐらいの人数分がそれぞれあるのかということを御確認させていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○野田健康・生活衛生局参与 ありがとうございます。
 プレパンデミックワクチンに関しましては有効期限が2年間となりますので、現状、Astrakhan株を500万人分、そしてEzo red fox株を500万人分備蓄するという状況になっておりますが、今後、本日の御議論を受けまして、Ezo red fox株を仮に備蓄するという形になった場合には、備蓄を進めていく作業がございますので、その過程の中で、今後備蓄が開始された段階では、Astrakhan株はそろそろ有効期限が切れてきますので、ターンオーバー的になっていくという形で、Astrakhan株が抜けて、そしてEzo red fox株が500万人分プラス500万人分備蓄されるという状況になります。
○笹本委員 500万人分プラス500万人分ということでございましょうか。
○野田健康・生活衛生局参与 おっしゃるとおりでございます。
○笹本委員 ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 資料1にもありますけれども、3ページのところです。最大約1000万人分備蓄をするプレパンデミックワクチンということですので、年間500万人分を製造して、備蓄していくということです。2年前のものは期限が切れると次のものに替わっていくというような形だと理解をしていますので、2年前のAstrakhan株の備蓄が今年度製造するEzo red fox株に入れ替わっていくということかなと思っております。
 ほかにいかがでしょうか。
 まだないようですので、私のほうから。これで今までどおり1000万人分が備蓄をされていくことになりますけれども、最近の状況を見ると、いわゆるヒト-ヒト感染がもし始まったということが検知をされて、ワクチンを準備しなければいけないというときに、この備蓄のものが、どの程度の規模かということはありますけれども、実際に投与ができるように製剤化をするという工程はどの程度の期間を見込んでいるかということについて教えていただけますか。
○野田健康・生活衛生局参与 ありがとうございます。
 製剤化に関していいますと、危機管理上のものでございますので、一部備蓄をしているものについては製剤化をしていくことも進めているということになります。その上で、先ほど御説明しました資料1の3ページ目の最後にも書いておりますけれども、プレパンデミックワクチンに関しましては、基本的には特定接種の対象となる事業者への投与を想定したというもので備蓄をしておりますので、その人たちに対して打つかどうかという判断が、パンデミックが発生した時点で必要になってくるということになります。そして、その上で仮に特定接種を実施するという形になった場合には、プレパンデミックワクチンについて製剤化をしたものから順次打っていくという形でやっていきます。また、特定接種に関しましては、あくまでも初めの6か月の間、パンデミックワクチンが準備できるまでの間をある意味中つなぎするという形で、事業者を守るために使うことを想定しておりますので、そこに対応できるように製剤化し、打っていくということになります。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そうしますと、ほぼ6か月、半年の間に使えるようにしていくということだと思いました。
 それでは、白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。白井です。
 今お話を聞いたことも含めてなのですけれども、プレパンデミックワクチンをパンデミックの際には製剤化して適用にするということなのですけれども、その製造過程というか、国内で製造できるような状況の見通しができるのか、やはり海外からの供給を期待するのかとか、あと、それぞれの国でもプレパンデミックワクチンを選択していると思うのですが、それぞれのCladeに合わせての、それぞれの国のワクチンは互換性というか、それは同じだというふうに考えてよろしいのでしょうか。
○脇田部会長 お願いします。
○野田健康・生活衛生局参与 ありがとうございます。
 プレパンデミックワクチンに関して申し上げますと、まさにパンデミックが起こった際に対応すると。しかも、6か月以内に特定接種の対象となる事業者を守るという観点で備蓄をしているものでございますので、当然のことながら、国内で製造し、そして国内で今備蓄をしているというものでございますので、仮に例えば交通などが遮断されたとしても対応できるようにということを想定して作成し、備蓄をしているということでございますので、国内で製造しているものになります。
○脇田部会長 よろしいでしょうか。
○白井委員 もう一つの部分については、ほかの国との互換性という言い方というか、いろいろな海外との交流が活発になってきていると思いますので、ほかの国のワクチンも今備蓄している日本のプレパンデミックワクチンも同じような効果というか、遜色がないというか、そういうことを考えてよろしいのでしょうか。
○野田健康・生活衛生局参与 各国の状況はまちまちだと思っておりますけれども、特にワクチンに関しましては国際的な動きも動向を見てやっているところでございますが、ワクチンの製造の部分に関して言いますと、先ほど御説明させていただいたワクチン株をいかにしてやっていくかというところが重要でございますので、そこについては同じようなCladeで使ってやっているところでございますし、各国も現状事務局で把握している範囲ではございますけれども、同じCladeのワクチン株を使って備蓄しているというのが各国の状況であると理解をしております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 基本的にはWHOが示しているワクチン候補株に基づいて、どの国も製造株を決めているという理解でよろしいですかね。
○野田健康・生活衛生局参与 そのように理解をしております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 本御提案に反論はございません。ただ、先ほどもWHOの提言に基づくというお話でありましたが、今個人的に気になっているのは、アメリカの乳牛でかなり広がっていて、それがほかの動物にもスピルオーバーしているということなのです。これに対して今回のred foxが反応できるかどうかというのは今後の検討だと思うのですけれども、アメリカはWHOを脱退しましたので、今後そちらのウイルスの入手とか、あるいは情報の入手とか、これはJIHSの先生方にお伺いするべきなのかもしれませんが、そこのアップデートはどのように考えられているのでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 まずは事務局のほうからお返事いただければ。
○野田健康・生活衛生局参与 事務局のほうから御説明させていただきます。
 まず、一番初めに前段で御指摘いただきましたアメリカではやっている株に対しての反応性でございますけれども、そこにつきましては、資料1でも御説明させていただきましたが、実際に試験もしておりまして、そこについても反応性があるということを確認させていただいております。
 その上で、今後仮に新たに出てくるワクチン候補株などの入手についてでございますけれども、そこについては大変重要な課題だと考えております。特にこれはJIHS、さらにいうとこれまで国立感染症研究所としてやってきていただいていた、例えばWHOのコラボレーティングセンターとしての役割ですとか、試験機関としての研究所間同士のネットワークも重要ですし、また、国のレベルで申し上げますと、例えば先進国の幾つかの国とのネットワークもございますので、そのような個別のネットワークも使いながら、このようなワクチン株については入手をするということを引き続き行っていきたいと考えております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 JIHSのほうでは、今、事務局から御説明があったとおり、WHO-CCとして活動しているわけですけれども、そこにアメリカの拠点も2つあったと思います。ですから、そういった情報のやり取り、それからワクチン候補株のやり取り、あるいはウイルス株の入手もしていかなければいけないということなので、それが今後の課題になると思いますけれども、WHO-CCは感染研の長谷川先生が御担当されていますので、引き続きそこは情報を我々もしっかり共有していきたいと思っております。ありがとうございます。
 次にいかがでしょうか。
 森川委員、お願いします。
○森川委員 私も異存はないのですけれども、現在のプレパンデミックワクチンは全粒子床不活化ワクチンですが、今、研究開発とか臨床試験で世界的に見ると、メッセンジャーRNAのワクチンが承認されてくると思うのです。承認されたワクチンが複数になっていった場合の今後の備蓄方針というのは何か検討されているのでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 事務局、こちらはいかがでしょうか。
○野田健康・生活衛生局参与 ありがとうございます。
 まさに重要な点でございまして、事務局といたしましても、新たなモダリティーがいかに出てくるかというところを注視している状況でございます。特にプレパンデミックワクチンに関して言いますと、プロトタイプワクチンとして承認されたものを備蓄してきているという状況でございますが、現状ではまさに今御指摘をいただきましたように、細胞培養法でつくっているインフルエンザワクチンという形でプロトタイプワクチンは承認を受け、そして、それを備蓄してきている状況ではございますけれども、仮に今後、様々なモダリティーが広がってきた場合には、そこについても議論が必要になってくるであろうと考えております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 まだ議論をしていく段階であるといったお答えだったと思います。確かに今後の動向をしっかりとそこは見ていくということですね。より備蓄のしやすいモダリティー、製造のしやすいモダリティーが望まれる可能性もあるというふうに理解をしております。
 ほかはいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。
 そうしましたら、今回、事務局から御提案がありましたプレパンデミックワクチンの今年度の備蓄の種類は、昨年と同様にEzo red fox株を用いてプレパンデミックワクチンを製造して、それを備蓄していくといった御提案に関しましては、感染症部会として了承するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局におかれましては、今日も御意見いろいろありましたので、それも踏まえて進めていただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次の議事に入ります。2番目が「狂犬病予防法に関する事務の変更について」ということでございます。
 資料2についての御説明をよろしくお願いいたします。
○大塚感染症情報管理室長 事務局、大塚でございます。
 資料2に基づいて御説明をさせていただきます。「狂犬病予防法に関する事務の変更について」ということで、まず背景の1文目でございますが、狂犬病予防法における手続については、狂犬病の発生の予防・蔓延の防止等を目的として、犬の所有者は犬の所在地を管轄する市町村長に対して犬の登録義務がございます。また、引っ越し等でその犬の所在地を変更した場合には、引っ越し先の市町村長に新所在地を届け出なければなりません。届出を受け取った引っ越し先の市町村長は、引っ越し前の市町村長に、その犬の新しい所在地を通知することとなっております。そして、その通知を受け取った引っ越し前の市町村長は、引っ越し先の市町村に犬の原簿を送付することとなっております。
 次に、背景の2文目でございますが、3ページ目の資料を用いて御説明させていただきたいと思います。3ページ目を御覧ください。マイクロチップの登録制度と狂犬病予防法の特例制度が書かれているものとなるのですが、まず絵の左側を御覧ください。動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律によって、犬と猫はマイクロチップを装着することとされており、犬猫にマイクロチップを装着した場合には、マイクロチップ登録情報システムへの入力によって、犬猫の情報を登録しなければならないこととされております。
 次に、同じく左の下側なのですけれども、登録されたマイクロチップの情報は、システムを通じてマイクロチップの特例制度に参加している市町村長に通知がされることとなっており、市町村長がその通知を受けた場合は、その犬の所有者から狂犬病予防法に基づく登録の申請があったとみなされるため、冒頭に御説明さしあげた狂犬病予防法に基づく登録をする必要がございません。
 次に、スライドの1に戻ります。下のイメージ図の中央部分でございますが、所在地変更の場合も同じく、マイクロチップ情報が変更された場合、犬の所有者がその旨をマイクロチップ情報登録システムへ入力すると、引っ越し先の市町村が特例制度に参加していれば、システムから所在地変更の旨が通知されるため、犬の所有者は狂犬病予防法に基づく変更の届出を行う必要がございません。なお、この通知を受けた引っ越し先の市町村長は、引っ越し前の市町村長に犬の新所在地を通知しますが、その通知を受け取った引っ越し前の市町村長はその犬の原簿を消除することができます。
 イメージ図で「NEW」と書かれた緑色の矢印でございますが、今般、犬の登録情報の正確性向上のため、動物愛護管理法施行規則が改正され、令和7年9月1日から、引っ越し元の市町村が特例制度に参加している場合は、引っ越し元の市町村にもシステムから通知が送られることとなりました。
 改正の概要で、スライドのマル1の部分でございます。イメージ図でもマル1の部分ですが、動物愛護管理法施行規則の改正を踏まえて、引っ越し先、引っ越し元の両方の市町村が特例制度に参加している場合は、引っ越し先から引っ越し元に対して通知を行う必要性が実質的になくなることから、市町村の事務の合理化を図るために、その場合にはこの通知を不要とするため、狂犬病予防法施行令及び狂犬病予防法施行規則を改正するといった内容となっております。
 次に、スライドのマル2の部分でございますが、先ほど御説明さしあげた犬の原簿の消除につきましては、法令の規定上、引っ越し先からの通知があることを要件として消除を可能としております。このマル1の改正によって、引っ越し先からの通知がなくなることにより登録を消除する要件を満たすことができなくなってしまうところ、引き続き消除を可能とするために狂犬病予防法施行規則を改正するといった内容がマル2でございます。
 なお、動物愛護管理法施行規則の施行予定日に合わせて、これらの改正についても令和7年9月1日を施行予定としております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 ちょっとややこしい話ではあるのですけれども、狂犬病予防法に基づいて犬の所有者が犬と共に転出をした場合、新所在地を新たな市町村に届け出なければならないということがあるわけですけれども、マイクロチップのシステムに登録されている犬の場合、これが特例によって転出の届出はこれまでも不要だったということですね。これがさらに今回の改正によって、旧所在地への転出の通知が登録システムから行われることによって、自治体から元の自治体への通知も不要になる。それから、登録の消除も可能になるといったことであります。ただし、これは自治体が特例に参加しているかどうかというところも一つの条件となるというお話だったかと思います。そんな理解で合っていますか。
○大塚感染症情報管理室長 そうです。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問等を伺っていきたいと思います。いかがでしょうか。
 今村委員、お願いいたします。
○今村委員 今村です。
 今回示された対応によって、転出の届出や自治体間の通知が不要となり、手続の簡略化、そして事務的な負担の軽減が期待され、大変よい改正であると思います。一方、現時点で特例に参加している自治体の割合はそれほど多くないと伺っております。どのぐらいの割合が参加しているのか、そして、どのような理由で参加していないのか、その辺の整理も必要なのかなと思っております。
 今回のような改正の利点を多くの自治体が活用できるように、自治体が特例に参加しやすい環境づくりというのも同時に必要ではないかと思っております。ぜひそのような点も含めた包括的な改正を目指してもらえたらと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 1点ずつ事務局にお答えいただいていこうと思いますので、まず事務局からお願いできますか。
○大塚感染症情報管理室長 こちらは先生がおっしゃるとおり、特例に参加している自治体数は現時点で約20%弱となっております。なぜ参加が増えないのかというところについては、今まで窓口で手続をしていたものがインターネットの申請になることで、手数料徴収の機会がなくなって自治体の歳入が減ることなどが理由の一つと聞いております。
 御指摘のとおり、こちらは自治体から、これらの手数料徴収に関する要望等もいただいており、現在そういった徴収に向けた手続の検討を厚生労働省のほうでも行っているところでございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、次に参ります。越田委員、お願いします。
○越田委員 今村先生と同様で、このシステムそのものが全国的に稼働すれば大変すばらしいと私も思っております。ただ、調べてみましたら、全国で319の自治体しか特例に参加していない。全国の基礎自治体数は1,744ですので18%、非常に少ないです。例えば石川県は、19の市町のうち特例に参加しているのは1市だけです。まずはここの底上げをすることではないかと思います。
 自治体の登録料収入はひとつの課題です。金沢市の窓口における犬の登録手数料は1件3,000円、年間2,000件の登録がありますので、この通料収入がなっくなるのは市の財源的にはかなり厳しいということになります。また別の課題として、犬の登録方法の選択肢がインターネットのみいうことになりますと、全ての飼い主がご自身でネット登録をしなければならないことになります。そうなりますと、、ご自身でのインターネット登録が難しい方に対して、基礎自治体では従来通りの窓口登録を受け付けざるを得ないことになり、、当面ダブルスタンダードの登録制度を維持していかねばならないことになり、特例への参加を躊躇せざるを得ないのが現状です。
 加えて今後、狂犬病予防法によるワクチン接種歴がこのシステムに盛り込まれるということになりますと、予防接種を受けた後、飼い主が御自分で、接種情報を登録せねばならないことになるようです。結果、その接種履歴データが一旦環境省に上がって、自治体にバックするという仕組みとお聞きしました。そうなりますと飼い主によって接種歴情報が漏れなく入力されている必要があります。飼い主の入力に頼らないで、自治体が接種情報を把握するシステムでない限り、正確な接種率の把握はできないので、精度管理の面においても接種勧奨においても不都合が起きると思われます。世の中の全ての方々が現時点でアナログではなくてネット登録が可能であるという時代になれば、それはすばらしいのですけれども、それまでの間、何らかの対応策、場合によっては自治体内でネットの入力なり登録を援助するとか、そういったことが必要ではないかなということを担当者は申しておりました。
 
 この登録制度は将来的にはすばらしいシステムだと思っておりますので、制度の普及のためにはどうしたらいいかと前向きに議論をして進めていただきたいと個人的には思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 今村先生のお話と同様に、システムとしてはよいのだけれども、参加されている自治体がまだ20%弱ですか。それを底上げしていくために、手数料だけではなくて様々なハードルがあるのではないかといった御意見だったと思います。
 事務局のほうから何かレスポンスいただけますか。
○大塚感染症情報管理室長 御意見ありがとうございました。今後検討していく上で、先生からの御意見を踏まえて進めさせていただければと思います。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、成田委員、お願いします。
○成田委員 犬の登録の制度につきましては、狂犬病予防の根幹をなすものでございまして、その手続について、今回の政省令の改正は、所管する市町村の事務軽減が図られ、効率的な事務の運用となると思われるため、特に異論はございません。
 しかしながら、今村委員、越田委員もおっしゃっていたように、マイクロチップ登録による狂犬病予防法特例制度に参加していない市区町村が都においても多く、事務手続が複雑化しているような印象がございます。参加しない理由につきましても、先ほど事務局がお話しされたような内容を聞いているところでございます。今回の政省令の改正趣旨の実効性を高めていくためにも、関係する動物の愛護及び管理に関する法律を所管する環境省と連携を密にして、円滑な運用が図られますよう取組を進めていただければと思っております。
 私からは以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 こちらも改正には異論はないのだけれども、取組をもっと進めてほしいといった御意見だったかと思います。
 それでは、森川委員、お願いします。
○森川委員 今までの3人の委員の先生方の意見に全く同感なのですけれども、犬にマイクロチップを入れることを義務づけられているのは、犬のブリーダーで生まれたような犬についてはそうなのですけれども、それ以外は努力義務なので、例えば自宅等で出産したような犬には努力義務なのでチップをつけなくてもいいということになっていますので、特例措置に参加する自治体が非常に増えてきても、どうしてもチップのない犬というのは、今の環境省の動愛法でチップを入れるのだと必ず漏れがあるのです。そこがクリアできるように、将来的な話なのですけれども、そこを何とか全ての飼育されている犬がチップを義務づけられるような方向に環境省と話を持っていっていただけると、すばらしいシステムになるのではないかなと思いました。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 森川先生、ありがとうございました。
 今現在、全ての犬にチップが埋められているわけではなく、ブリーダーで出産される犬においては埋めるということです。
 今、成田委員、森川委員からも意見をいただきました。こちらも事務局からレスポンスいただけますか。
○大塚感染症情報管理室長 ありがとうございます。
 全頭義務化という話については、今後の議論かというところで、現在ではそういったことにはなっておりません。あと、特例への参加というところにつきましては、今回のこういった改正自体も特例に参加していただくインセンティブになるとこちらでも考えておりまして、引き続き参加自治体が増えていただけるよう対応してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 システムは非常によいといった賛同する御意見が多いわけですけれども、ただ、移行的な期間ということで、よりアナログなシステムとIT的なものが混在する状況になっているところが少し懸念材料で、できるだけこのシステムがより多くの犬に当てはまるような取組を進めていただきたいというところだと思いました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 事務局、こちらの案件は承認をいただくということではないということでよろしいですか。承認していただきますか。
○荒木感染症対策課長 可能であれば御承認いただければと思います。
○脇田部会長 分かりました。
 それでは、ただいま事務局から御提案いただいた狂犬病予防法に関する事務手続の変更について、御承認をいただけますでしょうか。
(委員首肯)
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、今日御意見を様々いただきましたので、それにも基づいて取組を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後の議題に参ります。こちらは御報告です。「匿名感染症関連情報の第三者提供に係る年間実績について」でございます。
 資料3ですね。御説明をよろしくお願いします。
○大塚感染症情報管理室長 資料3につきまして、続けて大塚より御説明をさせていただきます。
 こちらは、匿名感染症関連情報の第三者提供に係る年間実績について御報告させていただくものとなります。
 資料の1ページ目を御覧ください。令和4年の感染症法改正によって、匿名感染症関連情報の第三者提供の制度が創設されまして、昨年4月に開始いたしました。匿名感染症関連情報とは、厚生労働省が感染症法に基づいて、発生届に関して国が報告を受けた内容などについて、個人の特定ができない形で匿名化した情報のことです。厚生労働大臣は、国民保健の向上に資するため、匿名感染症関連情報を提供することができることとされており、提供申出者の範囲と利用目的は、こちらの資料に記載のとおり定められております。匿名感染症関連情報の第三者提供や公表の可否等については、厚生科学審議会感染症部会に設置した匿名感染症関連情報の第三者提供に関する小委員会において、専門的な観点から審査を行うこととされております。
 また、感染症部会長が感染症部会における追加の審査が必要と認めた案件につきましては、感染症部会で審議することとされていますが、昨年度の1年間で感染症部会で審議される案件はございませんでした。
 審査結果については、年に1回感染症部会で御報告することとされているため、今回御報告させていただいております。
 次に、資料の2ページをよろしくお願いします。令和6年度は匿名感染症関連情報の第三者提供に関する小委員会を5回開催しており、そのうちの4回は提供に関する個別審査を実施しております。新規申出の承諾件数は5件あり、内訳としては大学及びその他の研究機関が4件、公的機関が1件となっております。また、匿名感染症関連情報については、他のデータベースとの情報の連結も可能としているところ、NDB/DPCDBとの連結が1件、NDB/介護DBとの連結が1件、NDBとの連結が2件、連結なしのiDB単独が1件となっております。
 その他の実績ですが、制度開始から現在1年経過しているところで、公表された成果物はございません。また、不適切利用の発生もございません。実地監査につきましては、昨年度実施しております。
 以上、昨年度の匿名感染症関連情報の第三者提供について御報告させていただきました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 匿名感染症関連情報の第三者提供に関しての実績について御報告をいただいたところであります。
 それでは、委員の皆様から御質問、御意見等があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 まず1つ目としまして、匿名感染症関連情報というのは、恐らくCOVIDに限定したものではないと思うのです。国民の皆様からいただいたデータが感染症発生動向調査にあるわけで、米国なんかだと、例えばB型肝炎、急性肝炎を発症した人と死亡統計とかとリンクできて、B型肝炎にかかった方、C型肝炎にかかった方、最終的にどういう病気で亡くなったかまで追いかけることができると聞いたことがありますが、恐らくCOVIDだけではなくて、疾病対策、感染症対策にはそういったことも必要なのだろうと思います。そうすると、これはCOVIDに限らず今後広がっていくものと思いますが、そこはいかがでしょうかというのが1点目。
 2点目は、これに限らず、感染症情報はいっぱいあるわけですね。発生動向調査をやっていますから。日本でそういった疫学研究が非常に少ないのは、こういったデータがなかなか利用できないことも一つの原因だと思います。お隣の国なんかは結構簡単にダウンロードできたり、解析用データが普通に提供されている国もありますので、そういったほかの感染症発生動向調査に報告されたデータをどういうふうに今後の研究を促進するために提供していこうとお考えでしょうか。
 以上2点、お願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 今現在、提供されているHER-SYS関連、これも新型コロナの感染症情報以外に広がっていくのか。今後の感染症の疫学研究をさらに促進するためにどういった取組を行う考えがあるかと、そういったお話だったと思いますが、いかがでしょうか。
○大塚感染症情報管理室長 ありがとうございます。
 まず1点目につきましては、次の感染症危機に備えて平時から運用経験を蓄積していくために、また、大規模データが蓄積されて、結果として個人特定のリスクが比較的小さくなっているCOVID-19について、まずは提供を開始したものと理解しております。そして、提供対象疾患の範囲の拡大につきましては、運用の実績ですとか具体的なニーズ、これらを踏まえて今後検討するものとなっております。
 以上が1点目でございます。
 2点目は、研究や政策的ニーズというところの御意見、御質問だったかと理解しておりますが、さきのお答えの繰り返しになってしまうのですけれども、やはり研究や政策的ニーズにつきましても、それらを踏まえて今後検討するといった流れと考えております。
 以上でございます。
○谷口委員 ありがとうございます。
 研究のみならず、国家の対策としても報告されたデータというのは非常に有効に使っていただく必要がありますので、実際にB型肝炎、急性肝炎で報告された患者さんがその後どうなったか、多分きちんとフォローされていないと思うのです。それはもちろん研究者ではなくて、国家としてもきちんと使っていかれるような形にしていただけるとありがたいなと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 今後の感染症関連情報の提供の在り方、そして、その活用の在り方、両方に係ってくるのだろうと思いますので、今、谷口委員からは、研究だけではなくて政策のニーズにきちんと応えられるような知見を生み出すためにも必要だというところで、まさにおっしゃるとおりだと思います。ぜひそういったことも前向きに検討していく、進めるということが必要だと思いますし、研究者のほうからもそういった要求をしていかないと、なかなか動いていただけないということもありますので、ぜひそこは皆さんのほうからも声を上げていくべきだと思いました。ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 ありがとうございます。
 先ほどの谷口先生の御発言のように、データの提供を受けやすい状況というのをきちんとつくっていただくのが1つ大切だと思うのですが、もう一つは、これは提供データの内容に問題があっては困ると思います。例えば、HER-SYSのときに大量に患者報告が出たために二重登録があったりとか、様々な問題がありました。そういった正しくないデータをもし研究者のほうで解析してしまったとなると、ミスリーディングが生じてしまう可能性がありますので、そちらも少し留意していただきたいなと思うところです。
 以上です。ありがとうございます。
○脇田部会長 三﨑委員、ありがとうございました。
 その点、何か事務局のほうで検討されていることなどがあれば、レスポンスいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○大塚感染症情報管理室長 ありがとうございます。
 先生の御指摘はごもっともと理解しております。今の時点で先生の御指摘について、どういった具体的な対応というところの答えを持ち合わせていないので、御指摘を踏まえて今後の運用について進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○脇田部会長 解析に提供されるデータ、そして、研究者が解析に用いるデータというところで、どちらも、データのクリーニングというのが必要なのだろうと思います。具体的にどう解決すればいいのかというのは、なかなか私は分かりかねるところですけれども、その点は今後の検討課題ということでよろしいですか、三﨑先生。
○三﨑委員 よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 そのほかいかがでしょうか。
 越田委員、お願いします。
○越田委員 おっしゃるとおりだと思いますが、実際にコロナ禍でHER-SYSを入力していた現場にいた者としては、このデータがきちんと二次利用されるという意識が全くなくて、ただ毎日、追われ追われて入力していたような状況でした。従って、「今後新たな感染症パンデミックが起こった時には、日々の入力データが学術的にも利用される。」ということをお伝えしておくと、現場もその様な認識を持って入力をするのではないかと思われます。ある程度のデータクリーニングを現場で行った上で送信するというようなことがあってもいいのと、現場を経験した者としては思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 実際にそういった現場で非常に大変な状況で入力をしていただいたということですけれども、一方で、そういったデータをきちんと二次利用していただいて、研究に用いていくと。それがいろいろな還元をされていくということも、今後の同じような事象、あるいは違った事象があるかもしれませんが、そういったときに、やはりそういったデータがきちんと利用されていくのだという意識を持っていただくことにもなるかもしれないと思っておりますので、ぜひそこは両方から進めていけばと思いました。研究を進めることも重要ですし、今後のデータの入力のときに二次利用がされることもありますよということに意識を持っていただくということだと思いました。
 事務局、この点はよろしいでしょうか。
○大塚感染症情報管理室長 御指摘を踏まえて、今後対応を進めさせていただければと思います。ありがとうございます。
○脇田部会長 ということでございます。
 ほかはいかがでしょうか。まだまだ数がそれほど多くないわけですから、これがもっと活用されていくということも必要だと思います。今のところ3ページにお示しいただいた大学、あるいは感染研、それから医療センターというところに提供されていると。今後、その成果が公表された成果物として出ていくと。今のところまだないわけですから、これが重要かなと思いますので、皆さん、委員の先生方の周辺でも何か解析等で活用していただければと思うところであります。
 いかがでしょうか。大体大丈夫ですか。よろしいですか。
 ありがとうございました。これは御報告ですので、今、先生方からいただいた意見も踏まえていただいて、対応を進めていただければと思います。また御報告をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、準備した議題は以上になりますが、何か委員の先生方からあればと思いますが、いかがでしょうか。大丈夫ですか。
 それでは、議事は事務局のほうにお返ししたいと思います。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
 本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
 この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
 また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日は、お忙しい中、御出席いただきありがとうございました。
○脇田部会長 今日もどうもありがとうございました。
 また次回よろしくお願いします。それでは、失礼いたします。