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第38回労働政策審議会労働政策基本部会 議事録
政策統括官付政策統括室
日時
令和7年3月31日(月)16:00~18:00
場所
厚生労働省 省議室(9階)
出席者
- 委員(五十音順)
- 石﨑委員、石原委員、逢見委員、岡本委員、川﨑委員、佐々木かをり委員、武田委員、春川委員、守島部会長、山川委員、山田委員
- 事務局
- 田中厚生労働審議官、河野政策立案総括審議官、中井賃金政策推進室長、宇野政策統括官付参事官、藤木政策統括官付労働経済調査官、山田雇用環境・均等局総務課長、、溝口人材開発統括官付参事官(人材開発総務担当)、佐々木労働基準局総務課長、黒澤職業安定局総務課長
議題
(1)報告書(案)について
(2)その他
(2)その他
議事
- 議事内容
- ○守島部会長 定刻より少し前ですけれども始めたいと思います。
ただいまから、第38回「労働政策審議会労働政策基本部会」を開催いたしたいと思います。
皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。
頭撮りは、このぐらいで終わらせていただければと思います。
(カメラ退室)
○守島部会長 本日は、所用により、入山委員、大橋委員、佐々木勝委員、冨山委員が御欠席でございます。
また、所用のため、佐々木かをり委員は途中で御退席と伺っております。
議事に入ります前に、オンライン参加の委員の皆様に、事務局から説明があります。
○藤木政策統括官付労働経済調査官 オンラインでの開催に関して留意事項を説明いたします。
まず、原則としてカメラはオン、マイクはミュートとしてください。
御発言の際は「参加者パネル」の御自身のお名前の横にある「挙手ボタン」を押して、部会長から指名があるまでお待ちください。
部会長から指名後、マイクのミュートを解除して御発言ください。発言終了後は、マイクをミュートに戻し、再度「挙手ボタン」を押して挙手の状態を解除してください。
通信の状態などにより、音声での発言が難しい場合には、チャットで発言内容をお送りください。
また、会の最中に音声等のトラブルがございましたら、チャット機能でお知らせいただくか、事前に事務局からお送りしている電話番号まで御連絡ください。
以上になります。
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議題は「報告書(案)について」となっております。
まず、進め方について御説明いたします。最初に、事務局から報告書(案)につきまして説明いただいた後、その内容について、40分程度自由討議を行います。
その後、報告書の副題について、30分程度の自由討議を行いたいと思います。
それでは、事務局から、まず、報告書(案)について御説明をお願いいたします。
○藤木政策統括官付労働経済調査官 事務局の藤木です。どうぞよろしくお願いいたします。
私のほうから、まず、本日の資料について説明させていただきます。
まず、本日配付させていただいた資料ですが、資料1に、委員の皆様からいただいた素案についての御意見を踏まえました報告書の案をお配りしております。
資料において、前回の素案からの変更点を見え消しで作成したものをお配りしております。
また、参考資料の1でございますが、前回の部会でも御欠席でした冨山委員から、前回の素案について御意見をいただきましたので、配付させていただいております。
参考資料2でございますが、こちらは前回と同様でございますが、報告書のデータなどを集めたものとなります。
時間の関係もございますので、事務局からは、前回の部会からの主な修正箇所を簡単に説明させていただければと存じます。
それでは、報告書の案の説明のほうに移らせていただきます。
変更点が分かりやすいように、資料2を使って説明させていただければと思います。
資料2を御覧ください。
今回の修正につきましては、全体の文章について、素案のほうから改めて見直しまして、前回の部会から委員の皆様から様々な意見をいただきましたので、できるだけ盛り込んだ上で修正をさせていただいております。
資料2のつくりでございますが、前回からの追記した箇所は、原則赤で示しております。削除した箇所については、緑で記載しています。
それでは、お手元の資料2の表紙を御覧ください。
表紙には、前回の部会で議論がありましたように、副題を2案作成しております。こちらの副題については、先ほど部会長のほうから御説明がありましたように、報告書の本文の議論の後、御議論いただく予定でございますが、案1を「人口減少社会における、地方や中小企業で働くことへの魅力向上に向けて」と、案2については「急速に変化する社会における、地方や中小企業での魅力ある働き方に向けて」としております。
それでは、表紙をおめくりいただきまして、本文に移りたいと思います。
まず、1ページ目でございます。
1ページ目から4ページ目にかけては「地方や中小企業における課題の解消に向けた本部会からのメッセージ(要旨)」ということで、前回の意見を参考に、少し追加をしております。ここでは、AIが指数関数的とも言うべき急激な進化を続けるなど、産業構造がこれまでにない規模とスピードで変化する時代になっていることですとか、少子高齢化により、人口減少社会に向かっていることを触れつつ、報告書の内容を簡単でございますがまとめております。
また、1ページ目の最後の丸のところでございますが、前回の部会の議論で様々な委員の先生方から、読み手に分かりやすくしたほうがいいのではないかという御意見、情報発信を工夫するべきだという御意見がございましたので、そういった意見も踏まえつつ、次の2ページ目から4ページ目にかけて、本部会のメッセージとして、地方で働く皆様、地方の企業の皆様、中小企業で働く皆様、中小企業の経営者の皆様など、メッセージを作成しております。2ページ目から4ページ目を御覧ください。具体的なメッセージという形にはなりますが、例えばということでございますが、2ページ目を御覧いただきますと、地方で働いている、働こうとしている皆様へ、中小企業で働いている、働こうとしている皆様へとして、読んでいただきたい幾つかのポイントということで、なるべく分かりやすいように短くまとめています。その上で、なるべく報告書のほうの内容も読んでいただけるように、報告書のページ番号などを記載させていただいているというつくりにさせていただいております。
以上が、2ページ目から4ページ目の説明になります。
続いて、修正箇所としましては、6ページ目を御覧ください。
15行目の見出しについてでございますが「女性の正規雇用比率は主要国と比較して30代以降に低下する傾向」ということで修正させていただいている形でございます。
続いて、7ページ目を御覧ください。
7ページ目については、要因という言葉を前回の素案のほうでは使っておりましたが、こちらだと因果関係とかがはっきりせず分かりにくいといった点がございましたので、要因を課題として整理して、これ以降、地方・中小企業の課題として5つの課題という形で整理させていただいております。
8ページ目を御覧ください。
課題については、前回の部会での意見も踏まえつつ、もう少し分かりやすく整理させていただきました。
順番でございますが、賃金や職場環境を含めた処遇面を最初に持ってきまして、その後、若年女性を中心とした都市部への流出の話、その後、専門的な人材のミスマッチといった流れに修正させていただいております。
具体的にということでございますが、8ページ目、9ページ目にかけてでございますが、まず、課題の1ということで、課題の①-1で「地方における賃金等の労働条件の低さや情報発信の不足」とさせていただいております。
①-2として、こちらは処遇面の部分ということでございまして「社会インフラ維持に必要な産業・職種における賃金等の労働条件の低さ」ということで持ってきております。
その上で、改めて9ページ御覧ください。
課題の②ということで「地方・中小企業における多様で柔軟かつ安心な働き方の不足」。
課題の③でございますが、こちらは「固定的な性別役割意識を背景とした若年女性等の都市部への流出」。
最後に課題の④として「専門的な人材のミスマッチ」という形で整理させていただいております。
10ページを御覧ください。主な文章の修正箇所でございますが、課題の③の部分でございますが、固定的な性別役割意識を背景とした若年女性等への都市部への流出ということで、この場所を主に追記しておりまして、固定的な性別役割分担意識ですとか、性差に関する偏見などによって、女性の居場所、出番を奪っていることですとか、地方の企業経営者とか管理者等の理解が足りず、女性がやりがいを感じられない環境にあるのではないのかといったことを踏まえつつ、ジェンダーギャップの部分の記載を少し充実させているという形の修正を行っております。
続いて、13ページ目を御覧ください。
この部分でございますが、ここでは、2ページ目から4ページ目、部会のメッセージを先ほど紹介させていただきましたが、そういったこともあって、2章のタイトルのほうでございますが、素案のほうでは「二つの向上」「二つのギャップの解消」という形で設けておりましたが、地方・中小企業の課題の解消に向けて目指すべき施策の方向性という形で、タイトルを変えさせていただいております。
また、文章についての主な修正点のほうでございますが、まず、課題の②の部分でございますが、様々なライフステージに合わせた働き方が可能となって、結果として、より多くの働き手を増やすことにつながるといったことで、労働参加率の向上の部分を因果関係も含めて分かりやすく修正させていただいております。
課題の3の部分についてでございますが、前回の部会での意見を反映させるという形で修正させていただいておりまして、新たに企業で多様な働き方に関する制度が創設されたとしても、女性がその制度に固定化されてしまう懸念があるのではないかと意見ございましたので、そういった旨書き加えているというとや、そういった多様な働き方を推進して、労働参加率の向上を図る上でもジェンダーギャップの解消というのは重要であるということを書かせていただいております。
また、本部会では、このジェンダーギャップの解消というのは、企業にとっては、ダイバーシティ経営などを通じて、企業価値向上につながるということも意見がございましたので、そういったことも追記させていただいています。
資料の15ページ目の部分でございますが、素案では、要因という言葉を使っている関係で、少し表で整理していたのですが、この部分については、課題に書いたということもございますので、削除をしているという形で修正させていただいております。
続いて、施策の書いてある16ページ目の第3章の部分でございます。こちらのほうを御覧ください。
第3章については、まず、冒頭の部分に、大企業も含めて、我が国全体に当てはまる課題であることですとか、第3章において提言している施策というのは、特に地方や中小企業の皆様に取り組んでいただきたいということを書いているということと、こちらは、やや繰り返しにはなりますが、重要なポイントということで、本部会として、特に読んでいただきたい施策ということが、2ページ目から4ページ目に書いてあるということを明記させていただいております。
その上で「『労働生産性の向上』に資する施策」の部分でございますが、前回の部会の意見を踏まえて、16ページ目の終わりの辺りから17ページの目の最初のほうにかけてでございますが、AIの活用についていろいろな御意見がございました。
そういったことも踏まえて、AIの活用の重要性についての見出しというのも設けさせていただいて、AI等の自動化などの設備投資などに関する文章等を追記させていただいているといった修正をさせていただいております。
続いて、18ページ目を御覧ください。
18ページ目の真ん中辺りでございますが、社会インフラ維持に必要な職種の部分として、前回の部会の意見として、賃金と良質な雇用機会を提供できる企業が残っていくのではないのかといった部分を追記させていただいているところと、後段の部分でございますが、キャリアラダーのところでございます。この部分についても、労働生産性の向上の観点から、AIとかDXの重要性ということを記載させていただいているという形でございます。
続いて、19ページ目を御覧ください。
19ページ目のCCUSの事例の部分でございますが、より記載のほうを分かりやすくしているといった修正をさせていただいておりまして、建設技能労働者の経験とか技能を、賃金等処遇をつなげることを目的としているのだといったことが分かるように、少し記載ぶりのほうを工夫させていただいております。
続いて、20ページ目でございますが、1つ目の○の部分でございます。1つ目の○の部分において、先進的な取組の好事例収集も大事ではないのかといった部分を追記させていただいています。
21ページ目には、脚注の部分でございますが、企業が「経験がないことを理由に採用しない」といった現状について意見があったということを記載させていただいております。
続いて、22ページ目、真ん中辺りでございます。
前回の議論でございました、キャリアコンサルタントやハローワークについて、いろいろな議論がございました。こういった議論を反映させるような記載修正をさせていただいているという形にしております。
また、23ページ目を御覧ください。
23ページ目でございますが、こちらは求人情報の適正化の重要性について記載した上で、施策などを追記しているといった修正をしております。こちらが、労働生産性の向上の部分の施策についての主な修正箇所という形になります。
続いてでございますが、2つ目の部分、労働参加率の向上の部分でございますが、こちらは、24ページ、25ページを御覧ください。
長時間労働の抑制が重要であるのだということを、全体的に書いてあるという点と、労働者のニーズを踏まえて、あくまでも柔軟な働き方を推進するということが重要であるといったことを、より明確化しているという修正しています。また、前回の部会で議論がございました、男性育児への参加の促進というのも大事ではないのかといったこと、そういった必要性についても追記をさせていただいています。
また、24、25ページの部分でございますが、いわゆる中間的な働き方ということで、こちらも前回の部会で様々な意見がございました。こういった意見を反映できるようにということで、文書の見直しを行っています。中間的な働き方については、あくまで多様な働き方の選択肢のうちの1つであるということで、少し明記をさせていただいている点、多様な正社員制度、限定正社員制度については、転勤がないことを理由に、転勤を伴う社員より賃金が低いものの、同じだけの成果を求める事例があるということで、こういった制度を推進する上では、あくまでも均衡の取れた待遇の確保を同時に行うべきだという意見もあったことなどの旨を、追記させていただいております。
また、部会の議論でも、やや唐突感があったと御指摘を受けていた週休3日制についてでございますが、こちらは、改めて報告書の文章の流れを確認させていただきまして、脚注のほうの記載という形にしております。
続いてでございますが、26ページ目の部分でございますが、こちらは、商慣行、カスタマーハラスメント対策の部分でございます。
こちらは、事例とかヒアリングのところの部分の記載だったのでございますが、こちらは、社会全体の取組が重要だということと、厚労省においても取組を積極的に行うべきであるということで、こういった記載のほうを追記させていただいております。
以上が労働参加率の向上の部分でございまして、続いて、ジェンダーギャップの解消の部分でございますが、こちらは、前回の部会で、やや記載が薄いのではないのかという御意見がございましたので、26ページ目、27ページ目を御覧ください。
まず、小見出しとして「社会全体での取組みの推進」ということで追加させていただいた上で、文章についても、あくまで、全ての年齢層に、当然、取組をやらなくてはいけないということと、活動という関係も企業活動のみならず、地域活動とか様々な場面での取組の重要性があるのだといったことを記載させていただいた上で、男性の家事、育児の積極な参画とかの必要性といったことも含めて、記載を充実させる修正をさせていただいております。
最後になりますが、29ページ目の部分でございます。
EBPMの部分でございます。効果検証によって、効果的・効率的な政策立案につなげることが重要であるということを追記させていただいた上で、下の脚注の部分でございますが、働き方改革を、例えば、効果検証して考えられるのではないかという御意見がございましたので、そういった記載を追記させていただいております。
主な修正箇所の説明については、以上になります。御議論のほど、よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、報告書(案)のうち、副題以外の部分について自由討議に入りたいと思います。
御意見のある方から、どなたでもどうぞ。
春川委員、手を挙げていらっしゃいます、どうぞ。
○春川委員 ありがとうございます。
前回部会の素案から意見反映をいただき、ありがとうございます。
私からは、第3章について意見を述べさせていただきます。
今回の報告書で焦点としている地方・中小企業は、都市部または大企業よりも経営的体力の面も含めて様々な制約を受けていると認識しているところです。しかし、その中でもこの部会でヒアリングを行った企業からは、それぞれ創意工夫のもと、生産性と労働条件の両面を向上させて、人手不足を乗り越えてきているといった事例の紹介がありました。その点からも、資料1の15ページにあるように、「良質な雇用」の機会を提供する企業が今後も発展していくと考えています。
今は労働条件を現状維持したまま、人手不足に悩んでいる企業もあると思いますが、今回の報告書の内容、また、具体的な好事例というものも含めて、「良質な雇用」の機会を提供に向けて企業が労働条件を改善することを、行政としても促すようなアピールをこれからしていただきたいと考えています。
それに加えまして、そういった「良質な雇用」と生産性向上の両面というものを向上させていくには、労働政策だけではなく、産業政策と両輪で取り組んでいくことも必要であると思います。産業政策そのものは、厚生労働省の範疇から外れるとは思いますが、そういった大きな取組の提言を行うというのが、この基本部会の役割であろうと思っております。そういった視点も報告書に盛り込んでいただきたいということを意見として発言いたします。
私からは以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
では、続いて、石﨑委員、お願いいたします。
○石﨑委員 ありがとうございます。
まずは、これまでの取りまとめにつきまして、事務局の皆様に御礼申し上げたいと思います。
その上で、何点か意見を申し上げさせていただければと思いますが、今日で、今年度最後ということもあろうかと思いますので、最終的な表現ですとか、細かな点につきましては、座長に一任させていただきたいと思っているということを、あらかじめ申し添えさせていただきます。
その上で、これから申し上げる意見は、ほかの委員の方がおっしゃられた意見に関わるところも含まれるわけですけれども、まず、報告書の最初の1ページ目に要旨をつけていただいているかと思います。
ここの中で、AIの進化による社会構造の変化ということが出てきているわけですけれども、実は報告書の本文のほうを見てまいりますと、私の見落としでなければ、AIに関わる記述というのは、AIの活用によってより生産性を上げていこうとか、そういった文脈でAIの話が出てきているのですけれども、本文中には、このAIの進化による社会構造の変化に関わる話というのが、今の時点であまり出てきていないようにも読めます。
そのため、この辺りについて、本文中に入れられるのであれば入れていただくか、あるいは、ここのAIのまとめ方といいますか、ここの辺りの言及の要旨のほうを変えるか、いずれか御検討いただけたらよろしいのではないかと感じた次第です。
あわせて、脚注1が要旨のところで引用されているわけですけれども、1で引用されている内容のうち、前段は、今後の社会の姿に関わる意見であり、2文目は、今後のあるべき労働政策の在り方に関する意見ではないかと思いますので、もし差し支えなければ、1文目は現状を示す報告書本文中に引用し、かつ、2文目については、第2章以降の政策について提言する部分で引用するほうが、より適切ではないかと感じたところであります。
以上が1点目になります。
続きまして、報告書の11ページの辺りで、この中に、細かな表現なのですが、「新たに企業で多様な働き方に関する制度が創設されたとしても、その制度に固定化されてしまうという懸念があるとの意見があり」ということで、お一人の委員の方の意見という形で取り上げられているようにも思うのですけれども、こちらの報告書の流れからしても、また、現状からしても「意見があり」というよりは、そういう懸念があるからこそ、ジェンダーギャップの解消が重要であるという形で、「意見があり」という部分を削除して、ジェンダーギャップの解消の重要性というのを打ち出すほうが適切ではないかと、私は思いました。
また、その次の文章の、「ジェンダーギャップの解消は、ダイバーシティ経営を通じて企業価値の向上につながる」という、この部分についても「意見があった」としてしまうよりも、やはり、そういう側面があるということに関しては間違いないようにも思いますので、その点、しっかり打ち出していただいてよろしいのではないかと感じたところでございます。
以上が2点目で、また、最後の点ですが、報告書の21ページ目ですかね、こちらの脚注39で選択的週休3日制の導入に関する提案が取り上げられているかと思いますけれども、これもまさに労働時間、あるいは休暇に関する労働者のニーズを踏まえた多様な働き方の中の1つの選択肢というようにも思いますので、そうであるとすると、21ページの7行目から13行目の辺りで、本文中でそういう1つの選択肢として増やす取組というのも促していっていいのではないかということで、本文化することも検討いただいてもよろしいのではないかと思った次第でございます。
私からは以上になります。ありがとうございました。
○守島部会長 ありがとうございます。
続きまして、岡本委員、お願いいたします。
○岡本委員 報告書(案)の取りまとめ、ありがとうございました。
素案からかなり修正がされていますが、各委員からの意見を取り入れて、取り組むべき課題がより明確になったのではないかと思います。
地方や中小企業の人手不足への対応を考える上では、先ほど春川委員が指摘していました「良質な雇用」の提供という視点は、非常に重要だと思います。
加えて、アンコンシャスバイアスの解消も必要だと思います。アンコンシャスバイアス解消の必要性については、前回部会を欠席しましたので意見書を提出して、今回の報告書で追記していただきましたが、地方では、コミュニティーや地域のつながりが都市部よりも強い傾向があります。それ自体はもちろんよい面はあるものの、報告書でも記載のあるとおり、固定的性別役割分担意識につながって働きづらさや、暮らしづらさの基になっているという面もあります。
先週土曜日にNHKのEテレで「シリーズ日本人と東大 壁と翼 ~“女子学生2割”の問いかけ~」という番組を放送していました。御覧になった方もいらっしゃるかと思うのですけれども、東大の女子学生は、ここ20年の間、20%台を超えていないそうです。特に地方出身の女子学生の数が極めて少ないそうです。
現役東大生が高校生にアンケート調査をして、保護者にも聞き取りをしていたのですが、親が東大に行かせたくない理由に、結婚する上で、男の人よりも年収を稼いだらいけないとか、東大に行くともてない、結婚ができないという答えがあったそうです。
まだ、こんな考えがあるのかと驚きました。親世代は大体40代ぐらいかなと思うのですけれども、この年代でもそう思うのだと、本当にびっくりしました。
アンコンシャスバイアスは、人々のこうした意識や価値観の問題なので、是正するのは難しいという指摘もありますが、いつまでも放置すべきではありません。職場だけでなく、地域の課題として受け止め、重層的に解消していくことを要望したいと思います。
それから、先ほど石﨑委員よりダイバーシティ経営の部分で「意見があった」という書きぶりについて御意見がありましたけれども、私も石﨑委員の御意見に賛成です。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました
では、続いて、佐々木かをり委員、お願いいたします。
○佐々木かをり委員 このたびは、本当に取りまとめをどうもありがとうございます。皆様、御意見をされているので、私は簡単に、最初の副題のところ、今、案の1と2が出ている中ですけれども、私は2のほうが1よりはいいかなと思っておりまして、人口減少というよりも、急速に変化する社会という中で考えていると思いますので、1より2かなと思っているのと同時に、そこで、もし変えるのであれば、私もメールで事前にお送りできたらよかったのですけれども、急速に変化する社会での地方や中小企業の魅力ある働き方というと、どうしても個人の方々がどのように働くのかなと聞こえるかなと思ったので、例えば雇用の在り方とか、組織の在り方とか、そういったタイトルにしていただくとどうかなと思いました。小さなことですけれども、あとは皆様の御意見と一緒なので、ここだけコメントをさせていただきます。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
では、続きまして、川﨑委員、お願いいたします。
○川﨑委員 どうもありがとうございます。
今回取りまとめをどうもありがとうございました。前回伝えたところでの意見も反映してくださっていて、どうもありがとうございます。
私のほうからは、AIのことに関して一言コメントをさせていただければと思います。
石﨑委員のほうからもコメントがあったと認識していますが、AIで社会構造が変化していくということは、恐らくインターネットが出てきて大きく社会が変わったということと同じように、もう一回大きい技術革新が起きるタイミングに差しかかってくると思います。
単純に生産性の向上とか、人口減少下における働き方の部分での効果が大きいということだけではなくて、社会構造も大きく変えていくだけの要素を持ち得ているということで、これをどう取り入れていって、これから人口減少社会の中で、より豊かな社会構造と生活との両立を見ていくのかといったところでも、有効に使えていくものとも思うわけです。
今回、冨山委員のほうからも追加で御意見の資料があったと認識して、読ませてもいただきましたけれども、そういうことを踏まえて、AIを今回の提言の中でどれだけタイムリーにコメントしていくのかといったところは、追加の要素として、ぜひ御検討いただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
私からは、この点になります。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか、御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
では、武田委員、お願いいたします。
○武田委員 事務局におかれましては、取りまとめと前回の意見の反映をありがとうございました。
その上で、改めて拝見し感じた点を3点述べます。
1点目は、皆様がおっしゃられたAIについてです。恐らく2つの点が、本報告書の中で異なる言葉で使用されているように思いました。
1つは、AIの進化、もう1つは、AIの活用の進展という2つの言葉が使用されています。AIの問題については、AI自体が進化しており、従来のAIから生成AIに、生成AIから、恐らく今年はエージェントと言われていますが、AIエージェントが広がる、さらにその先には、汎用AI、そうしたAIの進化に応じて、仕事に与える影響や社会に与えるインパクトが大きく変化するという点です。
もう1つは、社会にAIが広がっていくことにより、産業構造や仕事のタスクが変化する点。もう一度見直していただいた上で、AIの進化とは、ここでは何を指すかをどこかに記載できれば良いと思います。AIの活用の進展については触れていらっしゃるので、少し整理いただきたいと思います。
2点目は、18ページの記載についてです。恐らく冨山委員のコメントを反映されようとしたのかと思いますが、赤字で履歴がついている報告書18ページの23行目、「現在のAIの進展のスピードを考えると、AI等の新しい技術については、労働者の代替性はなく」と記載されています。
しかし、冨山委員は、むしろ、AIの急激な指数関数的な進化を目の当たりにし、ホワイトカラー消滅のペースはさらに加速する確信を持ちましたとおっしゃっています。後段では、「アドバンスト」なエッセンシャルワーカーへの上方遷移は社会の持続性、経済の成長の両面で喫緊の課題であり、ここでは、「DXやAIは労働者の代替性はなく、むしろ補完的な」と記載されていますので、このままの文章だと少しミスリードになっているのではないかと思います。修文はお任せしますが、現在のAIの進展のスピードを考えると、ホワイトカラーへの影響は大きくなる一方で、エッセンシャルワーカーについては、「アドバンスト」なエッセンシャルワーカーでは、むしろ補完的な役割のほうが多いというニュアンスで修文をされると、冨山委員のおっしゃっているコメントと整合すると感じました。
他の方のコメントを踏まえ、このような記載になっているのかもしれませんので、冨山委員の意見書だけではなく、他の方の御意見も確認する必要がありますが、労働者の代替性はなく、と言い切るのは、いずれにしても、少々危ないと感じました。代替されるタスクと補完的なタスクと、恐らく両方あるのが、実際のところと思います。
3点目は、26ページにあります、ジェンダーギャップ、アンコンシャスバイアスに関してです。委員の皆様がおっしゃられたことに賛成で、意見というより、明言をいただきたいと思います。
そして、アンコンシャスバイアスの解消に向けて教育の政策の取組だけに言及されていらっしゃいますが、教育だけではなく、企業の中や政府への働きかけも、積極的に行っていくべきと思います。
管理職に占める割合や採用の割合の数を達成することに対して、企業は非常に熱心です。では、実際にそのポスト等に就いた場合、ダイバーシティで狙い通り経営の多様な見方によって、社会や、企業の経営が活性化していくかという点を考える必要があります。アンコンシャスバイアスがない世界で、真の意味でのダイバーシティが進むことが目指すところですので、その点を是正するような働きかけが政府や企業、教育レベルそれぞれの立場で必要という文章が1行だけでもあれば、良いと感じました。
いずれにしても、最終局面ですので、全体的に大きく見直すというよりは、部会長の御判断に応じて修文いただきたいと思います。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか、では、逢見委員、お願いいたします。
○逢見委員 まずは報告書(案)について、前回部会の各委員の意見なども踏まえて修正いただいたことに対して敬意を表したいと思います。
前回部会で、素案に対する意見として「これは一体誰に読んでもらおうとしているのか」という指摘がありまして、私自身もそのことは非常に重要だと思っておりました。
この基本部会の報告書というのは、労政審の他の分科会や部会と違って、建議を提出するというものでもなく、また、諮問されて答申するというものでもありません。言わば労働政策の方向性について、雇用政策に携わる関係部局の人たちはもちろんのこと、企業や労働者、さらには地方自治体など、いろいろな関係するステークホルダーのような方たちにも読んでもらって共感を得て、全体として政策の方向性のコンセンサスづくりに寄与するというものだろうと思うのです。
そういう意味で、冒頭にメッセージが示されておりまして、これは非常に的確であると思います。
本報告書がテーマとしている少子化とか労働力人口の減少という問題は、以前から指摘されていたことであり、その都度、様々な施策も講じられてきてはいます。しかしながら、労働力人口の減少というのは加速度的に進み、地方の疲弊というのも現実のものになっている。さらには経営環境の厳しさというのもあって、苦境に陥っている中小企業も少なくない。そういう意味では、取り上げているテーマは待ったなしの課題だと思います。
それに対する対策として、「良質な雇用」というのが言葉としてキーになっていて、これは非常に重要だと思うのです。その上で「良質な雇用」というのは、安定した雇用や労働条件という点はもちろんですけれども、広い意味で捉えれば、wellbeingなどの観点でいうと、大都市あるいは大企業にはない地方ならではの、あるいは中小企業としての魅力というのもあって、そういうものを打ち出すことによって、よそには負けない、ここしかない魅力があるというものも打ち出せれば、そこに地方として生き残っていく道もあるのではないかと思います。
そういったことが、この報告書の中で生かされていけば、非常に共感が得られる報告書になっていくのではないかと思います。
以上、感想を含めて意見として述べさせていただきます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに、山田委員、お願いいたします。
○山田委員 ありがとうございます。
事務局におかれましては、私もいろいろコメントをさせていただいて、ほとんど反映をしていただきまして、それに関して、改めて御礼申し上げたいと思います。
内容に関しては、既に何人かの委員がおっしゃったように、AIをはじめ、やはり新技術のインパクトというのは大きくなっていますので、そこは要旨のところだけにとどまらず、やはり本文中にも、もう少しその辺のところは書き込んだほうがいいなと、私も感じております。
内容は、大きくはそういうことなのですけれども、先ほど逢見委員がおっしゃったところとも関わるのですけれども、私もこの主体、読者に分けてこういうメッセージを書かれたというのは、すごくいいなと思ったのですが、少し気になったのは、表現ぶりが、例えば、最初の働いている、働こうとしている皆さんへのところで、最初のところは見える化を推進しますということ、これは、言わば政策の在り方を提案していくということなので、そこの方向性を示すというのはいいのですけれども、次のサポートをしていますとか、調べられますというのは、行政のPRな印象を受けないかなと思ったのです。
そこは、例えば、様々なサポートをしていきますとか、それを充実させていきますとか、体制を整備していきますとか。後ほど出てきますけれども、例えば、中小企業の皆様へというところが3ページにありますけれども、経営ビジョンの明確化を検討してみませんかと、何となくお客さん扱いしているのですけれども、いや、それはみんなやっていかないと駄目だろうと、やっていきましょうというか、明確化を検討していきましょうと、その表現ぶりというのは、難しいところはあるのですけれども、やはり主体は中小企業の経営者であり働く人たちですので、もう少し全体に主体性を喚起するような表現にしていったほうがいいのではないかと、そういう印象を持ちました。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか、では、山川委員、お願いいたします。
○山川委員 山川です。
私個人の意見は全部反映していただけたので、一応東大を出て結婚できなかった女子として、一応意見を申し上げると、先ほど来出ているジェンダーに関するコメントには、全て全面的に賛成です。
東大を出ると女子は結婚できないというのは、それはバイアスではなくて事実です。おおむね結婚しにくいなというのが、周りの女子を見ていて分かると思いますし、他方で、東大に行ったら男子は結婚できなくなるなどという人は皆無なので、何で結婚が難しくなるかということの背景には、いろいろな問題があって、これについては、もう全国民に考えてほしいなと強く思うところです。
それで、一応ほとんどいちゃもんみたいなコメントで大変申し訳ないのですが、本文の3ページの企業の皆様へというところに、呼びかけのところに、地方も中小企業もそうなのですけれども、「従業員のライフイベントに合わせた」働き方を推進するなどと、ここで割と突然ライフイベントの話が出てくるのですけれども、世の中には私のようにライフイベントもなく、楽しく生きている人もいるわけで、そういう人もやはり柔軟な働き方を必要としていますので、「労働者のニーズに合わせた」でいいのかなと。
それで、本文のほうも見たのですけれども、本文のほうは、割とバランスよく取れていて、もちろんライフイベントもあるし、そうではないのもあるねとなるのですけれども、ここでライフイベントを強調するのは、若干違和感があるし、逆に私みたいな人が読むと、ちょっとむかつくというところがあるので、そこは少し御検討いただければと思います。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか、では、石原委員、お願いいたします。
○石原委員 石原でございます。取りまとめと膨大な修正作業とありがとうございました。
3ページのところで、私も何となく企業の皆様へと、働こうとしている皆様へと言いながら、何と言うのか、何とかしてみませんかでいくのか、何々をします、私たちはしていますよ、しますよという話をするのか、少しトーンが統一されていないのが気になっておりますが、どう書くのがいいのか、私も答えがないのですが、気になっております。
特にすごく気になっているのが、3ページの一番上の企業の皆様へ、地方の企業の皆様への後に、人手の継続的な確保のためには生産性の向上が重要ですと、これがあまりよく分からないなと思って、ぴんとこないのではないかと思っていて、人手の継続的な確保のためには、生産性が向上して、収益体質がよくなって、賃金が上がることが大事だという話なのかなと解釈をしておるのですが、それは書かないと、あるいはそこに関してはあまり、賃金をどうしましょうという話は、今回すごく載っていないなと思ったりもしていて、生産性の向上が重要ですと、生産性が向上したら人手が来るのかというと、少し遠いのだと思うのですね。そういうときに、ここだけ何の説明もない気がしておりますというのが、少し気になっておりましたというところです。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかの方、いかがでしょうか、2回目でも構わないですけれども。
私が感じたのは2点あって、1つは、やはりAIが入ってきますというときの、先ほど武田委員もおっしゃっていましたけれども、入れ込み方が、やはり、あくまでも補完的なテクノロジーだという、そういう認識が強いように思いました。
それで、先ほど川﨑委員もおっしゃっていましたけれども、AIは、多分、社会構造を大きく変えるという言い方をしてしまうと、少し分かりにくくなるのですけれども、多分労働市場の需給の状態を大きく変えると、私は考えています。どういう人が求められていて、どういう人が供給されていくのかという部分が結構変わってくるので、そこの部分を、もう少しAIが入ることによって、求められる人材は変わってくるのですという部分を、もっと強く押し出したほうがいいかなという感じはします。
これは、地方とか中小企業という問題だけではなくて、これは冨山委員もお書きになっていますけれども、それだけではないので、2025年の3月、4月に出す報告書で、それについて、この認識だと世の中的には、少し遅れているという言い方がいいかどうか分かりませんけれども、もう少しAIが社会構造を変える、もしくは労働市場の需給の状態を変えるということをちゃんとおっしゃって、その上で、中小企業であるとか、地方の企業は何をしますかということを、もう少し強くお書きになったほうがいいというのが、1つのポイントです。
もう一つは、これは、ないものねだりになってしまうのかもしれませんけれども、労働市場が変わるというときに、やはり労働者の価値観であるとか、考え方が大きく変わっていますという部分が、特に中小企業であるとか、地方の企業にとってはヘルプにもなるし、また、それが阻害要因にもなると、そのように私は思っています。今、割と若い人たちと話を、うちの学生などと話していると、やはり地方でのんびり暮らしたいという言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、そういう希望を持っている学生も結構多くなってきていて、そういう人たちが満足して働けるようなことというのも、極めて重要だと思いますし、また、同時に転職であるとか、そういう考え方も非常に強くなってきているので、そういう意味では、そこの部分は地方企業にとっては、阻害要因になるのかもしれません。
いずれにしても、働く人の価値観とか意識という部分に関する言及が、もう少しあってもいいかなと、労働市場を変えるという意味では、大きくそこの部分というのは関係してくると思いますので、そんな感じがいたしましたというのが私の感想です。
いずれにしても、先ほど申しましたけれども、2025年の3月、4月に出す報告書で、AIに対する記述がこれだと、未来を考えている報告書なのかというのが、少し分かりにくいなというのが私の個人的な感想です。
ほかにどなたか、大丈夫ですかね。ありがとうございます。
それでは、御意見も大分出てきましたので、報告書(案)につきましては、本日の御議論を踏まえて、事務局で御修正いただき、その修正内容につきまして、私に一任していただくという形でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、続いて、先ほど佐々木かをり委員が少し言及なさいましたけれども、報告書の副題の案について、少し議論をさせていただきたいと思います。
報告書の副題についての御意見とか御質問がありましたら、まず、討議をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
石原委員、お願いいたします。
○石原委員 ありがとうございます。
私も佐々木かをり委員と同じで、案2のほうがいいのかなと思っておりまして、人口減少は、もちろん1つの大きなテーマなのですけれども、先ほどから出ているようなAIの進化というのも、労働社会を大きく変えるものですから、どういう前提を置くのかのところは人口減少社会におけるではなくて、急速に変化する社会におけるにしたほうがいいのかなと思っております。
また、後半部分も、地方や中小企業で働くことの魅力向上に向けてと副題を置いてしまうと、先ほど最初につくってくださった、皆様へというところの働こうとされている方へというのが、何かこの副題とそぐわないのかなと思っていて、地方や中小企業での働き方に向けてみたいな話にすれば、そこを何とかクリアできるのかなと思ったのですが、地方や中小企業で働くことの魅力向上に向けてという案1の側の後段を取ってしまうと、そこに働こうとされている方へというメッセージが入ってくるのが、主体が入れ替わってしまうような違和感があるのかなと思って、私は案2がいいなと思いました。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに、石﨑委員が手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。
○石﨑委員 ありがとうございます。
私も同じような趣旨で、案2のほうがよろしいのではないかと思っております。変化する社会という点は、これまで委員がおっしゃっていただいたところと同じでありますし、また、働くことそれ自体は、それ自体を魅力と感じるかどうかは、多分に主観的な部分がありますので、報告書としては、その働き方自体を良質なものにしていく、あるいはそれより、さらに魅力あるという言葉がよいのか、むしろ良質な雇用というほうがいいのか、若干そこは悩みを感じるところではあるのですけれども、いずれにしても、そのいずれかの、要するに雇用ないしは働き方に着目した表現にしていただけたらと思いました。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか。
では、逢見委員、お願いいたします。
○逢見委員 案1か案2かという話から少し離れますが、AIが議論になっている点についてです。AIについて、まだ日本は入り口にいるところだと思うのですけれども、最近、中国に行ってきた人の話を聞きました。この方はビジネスではなくて労働組合の人間なので、中国の労働組合の役員の人と会話をされたのですが、いわゆるフォーマルな会議での会話ではなく少し打ち解けた場で話を聞いたら、中国の人は、リサーチ結果や報告書は、全部AIに学ばせるという意味から、自分が手に入れたデータを全部AIに入れなさいと言われているそうです。その上で、そのテーマについて、自分とAIの両方が報告書を書いたうえで、両方提出しなさいと言われているとのことです。
そうすると、やはり人間のほうは、AIの書いたものよりも、より創造性のあるものをつくらなくてはいけないし、それが毎度毎度必ず言われて物すごく疲れるというのです。
そういう状況が、もう中国では起こっているということを考えると、日本も、例えば、こういう審議会の報告書もAIに同じテーマでつくらせて、両方を見比べてみるとかということが起きるのかもしれません。これはすごいことになるという感じがしておりまして、AIが押し寄せてくる変化のスピードを相当深刻に受け止めて、働き方も大きく変わるということ、そしてそれをうまく使うということを考えていかないといけないなと思っております。そうした観点で言うと、サブタイトルは、やはり皆さんと同じように、案2のほうがいいのではないかという感じがいたしました。産業の構造変化とかというものが、それぞれ受け止める人たちによって違いがあるかもしれませんが、大きな変化が押し寄せてきているという意味合いを含めて、メッセージとしては必要なのではないかという感じがいたしました。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか、オンラインの方も大丈夫ですかね。
そうすると、多くの方が多分2のほうの修正版を求めていらっしゃるように思うので、その方向で考えたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、この副題についても、私と事務局に一任していただければと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
これで一応本日の議題は終わりになりますので、この辺りで本日の議論は終了させていただきます。
委員の皆様には、昨年1月から10回にわたり、地方・中小企業における人手不足をテーマに活発な御議論をありがとうございました。
今後についてですけれども、労働政策審議会運営規程の第8条、第9条により、複数の分科会の所掌義務に属する事項について審議する当部会の報告書に関しましては、本審の議決を経て労働政策審議会の議決となります。したがいまして、本報告書につきましては、次回の労働政策審議会の本審に報告の予定であります。
今回の報告書につきましては、委員の皆様から広く国民に対して周知すべきとの御意見がございましたので、部会の取りまとめとして、本審に先立ち公表を予定しております。
公表についての詳細を、まず、事務局よりお願いいたします。
○藤木政策統括官付労働経済調査官 事務局から説明させていただきます。
本日の議論を踏まえて修正を行った報告書については、委員の皆様方に、後日、共有いたします。
その後、一応4月中をめどに公表を予定していると考えております。
以上になります。
○守島部会長 ありがとうございます。
それから、本日が第4期最後の部会となりますので、田中労働政策審議官から御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中厚生労働審議官 厚生労働審議官の田中でございます。一言御挨拶をさせていただきます。
守島部会長をはじめ、委員の皆様方におかれましては、今期の労働政策基本部会、昨年の1月から計10回という形になりましたけれども、活発な御議論をいただきました。本日も報告書の取りまとめに向けて、大変熱心な御議論をいただいたことに、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
今回の報告書につきましては、AIを含めまして産業構造、就業構造、これまでにないスピードで変化する時代となっていること、それから、人口構造、人口減少の問題に直面していることといったことを踏まえまして、地方・中小企業を中心に、今後の労働政策の在り方の御提言をいただけたものと考えております。
報告書の提言に示されました方向性をしっかり行政として受け止めまして、これからの労政審の関係部会、分科会におきまして検討を深めていくとともに、厚労省では必要な施策を進めてまいりたいと考えております。
前回の部会での御議論にもございましたが、広くこの報告の周知、発信に努め、活用をしてほしいという御議論、お話がございましたので、私どもとして、報告書の広報にも最大限努めてまいりたいと考えております。
委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、大変な御協力をいただきましたことに、改めて御礼申し上げますとともに、今後とも厚生労働行政につきまして御指導を賜りますようにお願い申し上げまして、簡単でございますが、私からの御礼の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○守島部会長 田中審議官、どうもありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、本日の「労働政策基本部会」は終了させていただきたいと思います。
御多忙の中、昨年1月から長きにわたり、10回にわたり御出席いただいた方もいらっしゃいます。どうもありがとうございました。