第91回 厚生科学審議会感染症部会 議事録

日時

  • 令和6年10月24日(木)10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(5階)

議題

  1. (1)医療DXの更なる推進と今後の対応方針について
  2. (2)病原体の行政検査の取り扱いについて(報告)

議事

議事内容
○佐野エイズ対策推進室長 ただいまから、第91回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき誠にありがとうございます。
 私、本日、議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の佐野と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
 本日はウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手をしていただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、委員の出席状況について御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お願いできればと思います。
 五十音順に、大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 越田委員。
○越田委員 越田でございます。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 谷口委員。
○谷口委員 谷口です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 成田委員。
○成田委員 成田です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 脇田委員におかれましては、今、接続不良で一旦抜けておられるとのことですので、つなぎ直したらまた御連絡いただけるということかと思います。
 なお、味澤委員、今村委員、小西委員、土井委員、戸部委員、中野委員、藤田委員からは御欠席の連絡をいただいております。
 以上、現在、感染症部会委員19名のうち12名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第及び委員名簿、座席図、資料1から2、参考資料1になります。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 聞こえていますか。今日はネットが少し不安定みたいな感じなので、よろしくお願いします。
 それでは、議事次第を御覧ください。今日は2件ございます。医療DXの件と病原体の行政検査の取扱いということであります。
 では、最初の議題に入ってまいりたいと思います。議題1は「医療DXの更なる推進と今後の対応方針について」でございます。資料1がありますので、事務局から説明をお願いいたします。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
 資料1「医療DXの更なる推進と今後の対応方針について」の御説明をさせていただきます。
 まず、こちらの議題ですけれども、初めに医療DXの推進に向けた政府全体の動きについて御説明をさせていただきまして、後半、こういった全体の動きを踏まえまして、現行の感染症法における課題と論点について整理した上で、今後の法整備も念頭に置きながら、今後の対応方針について御説明させていただければと思います。
 次のスライドをお願いします。こちらが今年度のいわゆる「骨太の方針」の抜粋になりますけれども、こちらで医療DXの関係に関しても記載が盛り込まれておりまして、下線の部分のところでございますが、まず「医療DXの推進に関する工程表」に基づいて「全国医療情報プラットフォーム」を構築することであるとか、あと、その下の真ん中辺でございますが、プラットフォームで共有される情報を医療技術の開発等のために二次利用する環境を整備すること、それから、その下の下線のところですけれども、社会保険診療報酬支払基金をこの医療DXに関連するシステム開発や運用主体として抜本的に改組すること、それから、一番下の下線のところですけれども、こういった医療DXに関する取組を推進するために必要な法整備を行うという記載がなされているところでございます。
 次のスライドをお願いします。こちらの4ページ目が工程表の全体像ということでございまして、関連部分を赤枠で囲っておりますが、現在、全国医療情報プラットフォームの基盤構築として電子カルテ情報共有サービスの整備を進めているところでございまして、令和7年以降に運用開始ということで準備を進めているところでございます。
 次のスライドをお願いします。こちらが全国医療情報プラットフォームの全体像のイメージ図でございますが、今、御説明した電子カルテ情報共有サービスが左上にありまして、あと、後ほど御説明しますが、こういった情報を一番下のIVのところで二次利用ということで活用のほうも進めていくという全体像になっているところでございます。
 次のスライドをお願いします。こちらは武見前大臣の下で取りまとめられました、厚生労働省として推進していく近未来の政策方針につきまして、近未来健康活躍社会戦略という形で取りまとめたものの抜粋でございますが、この中で赤枠で囲っている部分が今回の関連部分でございますけれども、まず上のほうですけれども、全国医療情報プラットフォームの構築ということで、次の感染症危機に備えまして電子カルテ情報と発生届との連携、それから臨床研究における電子カルテ情報との連携促進、それから、来年4月に発足するJIHS(国立健康危機管理研究機構)への情報集約というものが記載されているところでございます。それから、その下のところで「医療等情報の二次利用の推進」という部分に関しても記載がなされているところでございます。
 次のページをお願いします。こちらは引き続き近未来健康活躍社会戦略の抜粋になりますけれども、感染症危機管理体制を構築するために新しく国立健康危機管理研究機構(JIHS)を創設するということで、上の真ん中の四角のところですけれども、国立感染症研究所と国立国際医療研究センター(NCGM)を統合いたしまして、感染症総合サイエンスセンターを目指すということでございます。
 具体的な取組は下の4つのボックスで記載しておりますが、基本的には既に感染研やNCGMで実施していることが記載されていて、それに加えて今回のコロナの課題を踏まえた対応等も追加されているような状況でございます。
 次のスライドをお願いします。こちらはJIHSの関連法の概要ということで、既に国会で成立もしていまして、一番下の施行期日ですけれども、来年の4月1日に施行ということで、JIHSも来年4月に発足ということで現在準備を進めているところでございます。
 次のスライドをお願いします。こちらのスライドは改めてJIHSの目的・機能をまとめた資料でございますが、真ん中の「機構の機能」というところの図でございますが、様々な情報ソースからの情報を集約・分析いたしまして、右側ですけれども、政府に科学的知見を提供する役割を担うということでございまして、その下の緑の字のところですけれども、そういった中でDXの推進による情報連携・集約というものも重要になってくるというところでございます。
 次のスライドをお願いします。以上が全体像の概要でございまして、そういった動きも踏まえまして、現行の感染症法における課題や論点を整理した部分が後半の部分になります。
 次のスライドをお願いします。こちらでございますけれども、今年6月30日の医療保険部会の資料の抜粋でございますが、医療DXの推進に関する法整備に向けて検討が必要な事項の全体像というものでございます。感染症に関係する部分は赤枠で囲っておりますが、全部で3つあるのですけれども、そのうち本日の議題としては2点ということで、まず一番上のボックスのところですけれども、電子カルテ情報と発生届の連携など、電子カルテ情報共有サービスの利用等に関するものでございます。それから、一番下の赤囲みのところですけれども、先ほど来御説明している医療情報の二次利用の推進に関する部分というものになります。それぞれ順次説明させていただきます。
 次のスライドをお願いします。初めに、電子カルテ情報共有サービスの利用等に関してですけれども、次をお願いします。こちらは政府の工程表と、それから今年、全面改定されました新型インフルエンザ等政府行動計画の抜粋になりますが、下線を引いている部分になりますけれども、医療機関における発生届の入力業務の負担軽減について検討をするということが記載されていまして、その際には電子カルテ情報共有サービスの活用も見据えた検討が求められているという状況でございます。
 次のスライドをお願いします。こちらが電子カルテ情報共有サービスの全体の概要のイメージ図でございますが、紹介先の医療機関に診療情報提供書を電子的に共有したり、あとは左下になりますけれども、患者の6情報といったものを全国の医療機関等で閲覧できるようなサービスが実装される予定ということで、医療機関間で医療情報を共有できる仕組みの構築を目指しているというものでございます。
 次のスライドをお願いします。こちらが全体の運用開始までのロードマップということで、現在、こちらの開発が順次進められているところでございまして、右側の赤い字ですけれども、来年度、令和7年度中の本格稼働を目指しているというところでございます。
 次をお願いします。こちらは感染症法に基づく発生届の関係ですけれども、以前、部会でも議論させていただいておりますけれども、現在、こちらの感染症サーベイランスシステムによって医療機関からインターネットを経由して電磁的に届出が出せるような仕組みは既に構築済みという状況でございます。
 次のスライドをお願いします。こちらが課題や対応方針をまとめたものでございますが、まず上のブルーの囲みの部分でございますけれども、先ほどの工程表などにも記載があったとおり、医師が発生届の届け出を行う際に電子カルテ端末がインターネットに接続していないような場合は、届け出る際に二重入力という形で同一の情報を改めて入力する必要があり、負担になっているという現状があるということでございまして、それに対しての下の「対応方針」のところでございますけれども、電子カルテと発生届を連携いたしまして、なるべく二重入力をするようなことがなく届出ができるような仕組みを構築したらどうかと考えているところでございます。
 それから、下の薄い水色の囲みの部分でございますが、先ほど御説明しました、新たに創設されるJIHSが感染症の情報集約・分析の拠点になるということでございますので、感染症対策上必要なときは厚生労働大臣から支払基金等に対して電子カルテ情報等の提供を求めることができるようにしてはどうかということでございます。それから、電子カルテ情報を用いた調査研究をJIHSに委託することができることにしてはどうかということで考えているところでございます。
 次のスライドをお願いします。以上が電子カルテと発生届の連携でございまして、次が感染症関連情報の二次利用に関してでございます。
 次をお願いします。こちらが政府の工程表と昨年閣議決定された規制改革実施計画の抜粋になりますけれども、これらの文書で医療情報の利活用について論点整理や検討を進めるという記載が行われているところでございます。
 次をお願いします。こちらが医政局の検討会の下にワーキンググループを設置して医療等情報の二次利用に関して議論が行われてきたところでございまして、次のスライドをお願いします。そういった議論を踏まえました対応方針という形が右側の「今後の対応方針(案)」というところでまとめられているところでございますけれども、上から紹介しますと、まず電子カルテ情報共有サービスで共有される電子カルテ情報について二次利用を可能とすることというのが1点目に挙げられています。
 それから、その下のところでございますけれども、データ利活用が進んでいる諸外国だと、匿名化情報だけでなくて仮名化情報の利活用も進んでいるということで、我が国の公的DBについても仮名化情報の利活用を可能としてはどうかということでございます。
 それから、3点目が一番下のボックスでございますけれども、研究者等がリモートアクセスし、一元的かつ安全に利用・解析を行うことができるVisiting環境、いわゆるクラウド環境での情報連携基盤を構築して、あわせて、一番下のポツですけれども、利用申請の受付や審査を一元的に行う体制を整備することとしてはどうかということでございます。
 次のスライドをお願いします。こちらが今、御説明した今後の対応方針の全体のイメージ図でございますけれども、様々な公的DBがございますが、こちらをワンストップでクラウドで利用できるような環境整備を目指すということでございます。
 次をお願いします。こちらの下の「対応方針(案)」というところでございますが、今、御説明したとおり、全体の方針として医療等情報の二次利用に向けた全体の方針に沿う形で、感染症関連情報につきましても仮名化情報の利用・提供を可能としてはどうかということで、現在、既に匿名化情報は第三者提供をスタートしておりますけれども、新たに仮名化情報についても利用可能としてはどうかということでございます。また、その際、ほかの公的DBや新たに構築する電子カルテ情報DBとの連結解析も可能としてはどうかということでございます。
 次のスライドをお願いします。仮名化情報の利用・提供の際の管理や運用の方法、保護措置に関する具体的な対応についてということでございますけれども、データベースの管理や利用の場面・目的、それから利用者の保護措置・利用環境等について、そこに記載しているような形で必要な保護措置は講じる必要があるのではないかということで考えているところでございます。
 次のスライドをお願いします。こちらが最後のスライドになるかと思いますが、情報利用の審査の体制の一元化ということでございますけれども、こちらは先ほど御説明した二次利用のワーキンググループで議論を進めているところでございまして、こちらで引き続き検討を進めていくということでございますので、感染症関連情報につきましてもこれに含めるような形で引き続き関係部局で連携して対応の検討を進めていくことにしてはどうかということで考えているところでございます。
 資料は以上ですけれども、最後に全体のスケジュールでございますけれども、今、ちょうど各公的データベースの関係審議会でこういった御説明をしているところでございまして、早ければ来年の通常国会に医療DXの推進に関連する法案全体として提出させていただく予定で準備を進めているところでございます。
 資料1についての説明は以上でございます。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。医療DXの推進に関する情報と、それから感染症のほうに行ったときにその感染症関連情報の二次利用に関するお話がメインだったかと思います。
 それでは、委員の皆様から御意見をいただきたいと思いますけれども、今日御欠席の土井委員と中野委員から御意見をいただいていますので、事務局から代読していただけますでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 事務局でございます。
 それでは、私からまず土井委員の御意見につきまして御代読させていただきます。
 医療DXのさらなる推進と今後の対応方針について、医療介護関連公的データベースの二次利活用につき、仮名化情報の利活用、審査の一元化など、重要な施策が打ち出されており、大枠に異論ございません。
 一点、仮名化情報については利用可能な場面を「仮名化情報が必要と認められる場合」に限定するとありますが、匿名化情報では傾向をつかむことは可能ですが、科学的に堅牢な疫学データを得るためには仮名化情報が必須な場合が多いと想定されます。
 また、一旦匿名化情報で開始した調査・研究で仮名化情報が必要となった場合、最初からやり直すことになってしまい、迅速な情報提供に支障を来す懸念もあります。仮名化情報が必要かつ適切な調査・研究が遅滞なく承認、実施される体制の構築をぜひお願いいたします。
 続きまして、中野委員の意見を御代読させていただきます。
 医療DXのさらなる推進と今後の対応方針について、COVID-19パンデミックを経験し、感染症危機管理への迅速で適切な対応という観点から、我が国で立ち後れている医療DXの促進は喫緊の課題であることが再認識された。したがって、今回の本部会の議題である医療DXの促進という方向性に賛同する。
 そのための方策として、全国医療情報プラットフォームの構築は大きな柱であり、電子カルテ情報共有サービスには国内の全ての医療機関が参加することが望ましい。医療等情報の二次利用の推進についても、研究の推進と対策への活用という観点から賛成である。
 注意点として、個人情報に対する配慮はもちろんであるが、データベースに包含される情報の精度や解析に際しての留意点について述べておきたい。例えば、同一医療機関の受診患者でも同姓同名者や生年月日の同一者は多くいる。データベースに保管する際の情報の突合などに間違いがないように留意する必要性がある。また、健康保険証番号での照合などを想定し、転職や退職に伴う不具合が生じないようにしたい。すなわち、適切に「仮名化情報の連結解析」が可能なようにシステム整備が必要である。
 さらに、我が国の医療制度の特性から、保険診療の情報に関しては国民を幅広くカバーできると想定するが、定期予防接種情報との連結は不可欠である。加えて、任意接種ワクチンや自由診療に関する情報も包含するには細部の調整が必要になるが、国民の健康状態と各種保健医療行為という観点からはデータベースに盛り込むべき事項と考える。
 感染症法に基づく行政検査の検体に関する所有権と個人情報の整理について、今回の報告内容を確認した。内容に関して異議はない。追加事項になるが、現在、検体情報に関しては紙ベースで臨床現場と行政のやり取りが行われていると思うが、こちらもDX化を推進できればと考える。
 以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 お二人から御意見が出ていますが、こちらに関して事務局からレスポンスはございますか。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
 最初に、土井委員から仮名化情報が必要かつ適切な調査・研究が遅滞なく承認、実施される体制の構築をぜひお願いしますということで御意見をいただいたところでございますが、こちらはまず一般論になりますけれども、仮名化情報に関しては匿名化情報よりも多くの情報を利用することができるという反面、ほかの情報との照合により特定の個人を識別し得る情報であることから、本人の権利利益の保護のために適切な措置を講じる必要があるということで、その一環として仮名化情報の利用可能な場面は必要と認められる場合に限定することが適切であるということで資料にも記載させていただいているところでございます。したがいまして、匿名化情報により研究目的が達成可能であることが明らかな場合はまず匿名化情報を利用していただくことが適切であると考えているところでございます。
 それから、公的データベースの仮名化情報の提供につきましては、利用者の利便性の観点を考慮しつつ、利用申請の受付窓口や審査の体制については原則的に一元化を図って、審査の手順や内容の統一を行うことを検討しているところでございます。そういったところで仮名化情報の必要性に関する審査の方法も含めまして、審査体制の一元化の具体的な内容については今後、関係者とも議論を行った上で検討を進めていくこととしておりまして、その際には、今、御指摘いただいたような観点も踏まえながら検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 それからもう一つ、中野委員から連結解析に当たっての留意事項等の御指摘がございましたが、公的データベースの仮名化情報を連結する際の個人識別子について、今のところ例えば最も古い被保険者番号をハッシュ化したいわゆるID5と呼ばれる識別子を利用することを想定しているところでございますけれども、具体的には各データベースが保有する情報や今後収集する情報等も考慮して検討していく必要があると考えているところでございます。
 一方、現在、感染症に関しては匿名感染症関連情報のデータベースがございますけれども、こちらは被保険者番号を保有していないところでございますので、そういった場合、現状は片仮名の氏名、生年月日、性別を用いて特定個人を識別するID4と言われる識別子を生成して、それで他のデータベースと連結可能な状況で提供しているところでございますけれども、こちらにつきましては、御指摘があったとおり氏名の変更や生年月日の入力誤りなどがあったりすると必ずしもほかの公的データベースとうまく連結できないような場合もあり得るという課題があるのは承知しているところでございます。
 こういったことも踏まえまして、今後、公的データベースの仮名化情報が適切に連結も含めて利用・提供されるよう、関係者と議論を行った上で検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 それから、予防接種情報等の連結は必須だという御指摘もありましたけれども、こちらにつきましては、現在、予防接種は令和8年以降から匿名化情報を提供すべく準備を進めているところと承知しておりまして、今日も御議論がありましたけれども、さらにその後、仮名化情報についても医療DXの推進に関する法整備を行った上でそれぞれ利用や提供を行うことを想定しておりまして、そういった整備が進めば、ほかの公的データベースと仮名化情報も含めて連結解析が可能となると考えているところでございます。
 説明が長くなってしまいましたけれども、以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 医療DXの推進と二次利用の懸念事項といったところの御指摘でしたが、多くの点に関しては今後検討ということですので、また感染症部会にもフィードバックをしていただければと思いました。ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方から御意見をいただこうと思いますが、いかがでしょうか。手を挙げていただければ、こちらから御指名させていただきます。
 それでは、谷口委員、それから白井委員の順番でお願いします。
○谷口委員 三重病院の谷口と申します。詳細な御説明をいただきましてありがとうございました。
 まず、今回のパンデミックの課題としては、サーベイランスというのが一番大きかったと思うのですが、発生届を電子カルテ経由で、つまりインターネットをわざわざ介すことがなくできるようになるというところは今回の一つの進歩だと思いますので、これはありがとうございます。
 ただ、もう一点、電子カルテ情報の共有に当たっては、今のところ3文書6情報と言われていますが、少なくとも診断名というのは保険病名が入ってくるわけですので、そうするとその診断名は疑い、あるいは確定で入っていますけれども、これを自動的にカウントできると考えてよろしいでしょうか。特に届出をもらわなくても、それを共有していればカウントはできるはずですし、多くの世界の国々はそれで大まかな数をカウントしておりましたので、それができると考えてよろしいでしょうかというのが1つ目の質問です。
 2つ目の質問が、スライド4に検査値の共有というのがあったのですけれども、ここに「生活習慣病、救急」というのがあります。これは3文書6情報の6情報の中には感染症情報というのが入っていると思うのですけれども、この検査値の中に感染症関連の検査値が入っていくと、より詳しい自動的なサーベイランスが可能になると思います。この検査値の共有の中に感染症関連の検査値が入っていますか、これが2つ目の質問でございます。
 3つ目の質問が、電子カルテ情報というのを求めることができるとか、JIHSが求めることができるとか、いろいろ出てくるのですけれども、この電子カルテ情報とは何でしょうか。一般的に我々が思う電子カルテ情報というのは電子カルテに入っているデータそのものですので、解析の方法によっていろいろなことができるわけですが、どこまでをもって電子カルテ情報と言われているのかというのが質問です。
 以上が質問ですが、最後にお願いというか意見ですけれども、スライドの中に世界をリードする体制、あるいは全ての機能が世界トップレベルであると記載されています。例えば現在、英国などでは全ての電子カルテ情報がクラウドベースで共有されていますので、症候群サーベイランス、あるいは検査値、耐性菌に至るまで全て自動的に収集できる体制になっています。世界トップレベルを目指していかれるということですので、最終的にはそういったところを目指しているという理解でよろしいでしょうか。また、目指していただきたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの谷口委員からの御指摘に事務局からレスポンスいただけますでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 そうしましたら、3点いただきましたけれども、まず1点目は感染症対策課から御説明させていただきたいと思います。3文書6情報の診断名でカウントできるかという部分でございますけれども、こちらは谷口委員からも御指摘があったかと思いますけれども、現状ですと疑い例や診断のレベルがまちまちであったりして、必ずしも感染症法に基づく届出基準を満たしているかどうかというところがなかなかはっきりしないような点もございますし、また、電子カルテ共有サービスも本日御説明したとおり、令和7年度以降導入ということですけれども、医療機関も段階的に増加していくということになっているということで、直ちにそういった形で運用するということは難しいのかなとは考えているところでございます。今後、実際の電子カルテ共有サービスの運用状況も踏まえつつ、また関連部局とも連携相談しながら、どういったことができるかというものは引き続き検討させていただければと考えているところでございます。
 以上でございます。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。電子カルテ情報の共有サービスやデータベースの二次利用などを担当しております。
 2点目の御質問にありました検査値ですけれども、これは生活習慣病関連の項目や救急時に有用な項目の一部をまずは共有するということで始めようとしているところでございます。具体的には、生化学的検査、血液学的検査、尿検査、内分泌学的検査などの項目、全部で40項目ぐらいのものをまずは共有していくということでございます。今後もこの検査の項目についてはさらに拡充をしていくべきという御意見は各方面からもいただいておりますので、今日の御意見も踏まえてさらに検討はしていきたいと思っております。
 それから、3点目の電子カルテ情報の範囲でございますけれども、今回、共有されますのは、まずは3文書6情報ということで令和7年度から始めるということになっておりますので、最初に共有されるのはカルテ情報の中でもその範囲に限定されるものでございます。ただ、これにつきましても、今後、さらに情報の拡充を検討していくということになってございます。具体的には今後、透析に関する情報や蘇生処置に関する情報、または歯科や看護に関する情報を追加していくということころまでは出ておりますが、その中でも具体的にどこを共有するのかというのは引き続き検討していきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
○谷口委員 ありがとうございました。
 感染症部会ですので、より生活習慣病、その他はとても重要ですし、今後、在宅に向かうに当たってもとても重要なことなのですけれども、感染症部会ですので、感染症に関わる情報をいかに共有するかというのも今後、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 谷口先生、ありがとうございました。
 続きまして、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
 感染症の届出を受け取る保健所の立場としても考えてみたいと思ったのですけれども、教えていただきたいのが、運用開始までのロードマップのところの15ページにモデル事業と書いていただいているのですけれども、これはどのような形のモデルというか、その前の14ページにいろいろ概要を書いていただいているのですが、この中のどの部分のモデルをされるのかとか、このモデル事業はどこの地域だとか、どういう対象でやられるのか、また、届出とカルテ情報というか、それを電子カルテとしてひもづけるというか、一致させるといったことになると、どこの自治体が対象なのか、これは今から公募なのか、手挙げなのか、もう決まっているのか、その辺を教えていただきたいのと、それがこのロードマップでは点線になっているのですが、その後、モデル事業として続けられるのか、もうこれは正式運用として本格稼働に乗っていくということになる点線なのか、JIHSができる前の1月から3月のモデル事業ですので、JIHSとどういう関連を持ってモデル事業がつながっていくのか、その辺のイメージが分からないので、今、分かっている範囲で教えていただきたいと思っています。
 よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 事務局、いかがでしょうか。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。
 モデル事業のことでございました。今回、15ページに書いています来年の1月からスタートしますモデル事業につきましては、あくまでも3文書6情報を共有するということは電子カルテ情報共有サービスに関するものでございます。このモデル事業の中では発生届を電子カルテ情報共有サービスを経由して届け出るというところまでは今回は行わないということでございます。あくまでも3文書6情報を医療機関間で共有するという事業をまずやるということでございます。
 実際の地域ですけれども、今、全国10か所ぐらいの地域、またはそこの病院・診療所と調整をしているところでございます。このモデル事業は来年1月から3か月間ないし半年程度はやらせていただこうと思っておりますけれども、その後、来年の通常国会への法案提出を目指しておりますが、その法案が成立すれば、令和7年度中に3文書6情報の共有というのは本格施行、本格稼働していきたいということで考えております。
○脇田部会長 ありがとうございました。
○白井委員 ありがとうございます。
 その中でいろいろ課題が出ると思いますし、モデル事業で確認できないことも課題になって出てくるかもしれませんが、それ以降も運用についてはよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございます。
 次の感染症危機に備えました電子カルテ情報共有サービスの利用等の方針や医療等情報の二次利用の推進に向けた対応方針につきましては、方向性に異論はございません。
 ただいま御説明いただきました内容につきましては、医療機関の中で電子カルテシステムが導入されていることが前提になっていると思われますけれども、現場では電子カルテが導入されていない医療機関がいまだに多いのが実情でございます。本方針の実効性を高めていくためには医療機関での電子カルテの普及が進むことが極めて重要でございまして、電子カルテ未導入の医療機関に対しまして、国において必要な支援や取組を進めていただけますとありがたく存じます。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうですね、電子カルテが導入されていないところではこのシステムを利用できないということですから、その点、事務局からいかがですか。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。
 現在、厚生労働省では電子カルテ未導入の診療所向けに標準型電子カルテの開発を進めております。今、デジタル庁と一緒に取り組んでおりまして、来年3月をめどにα版を開発をすることにしております。このα版につきましても一定期間はモデル事業をして、その後、検証・改修をした後、本格版という形にして未導入の診療所向けに普及をさせていくという考えでございます。
 また、既に電子カルテが入っている病院におきましても標準化対応へのシステム改修が必要になってございますので、それにつきまして、厚生労働省から2分の1の改修費用の補助を用意しているところでございますので、こうした取組で電子カルテの普及と電子カルテ情報共有サービスの普及をしていきたいと考えております。
○脇田部会長 ありがとうございました。小さな診療所等でこういった標準型の電子カルテが導入されるということは非常に重要かと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、四柳委員、お願いします。
○四柳委員 どうもありがとうございます。
 私からはDXに関して2点、それから利活用に関して1点、意見を申し述べさせていただきます。
 まず、DXに関してです。、リアルタイムサーベイランスに関して申し述べたいと思います。今般の能登半島地震の際には、感染研、NCGM、学会などの協力でJ-SPEED等を使ったリアルタイムに情報が把握、解析されました。今後、パンデミックとは言えないまでもある程度の規模の感染症の流行が起こったときには、同じような手法を使ったリアルタイムサーベイランスというのは大切な役割を果たすと思います。もちろんデータクリーニング等は必要ですけれども、できましたらば、リアルタイムサーベイランスを行うプラットフォームを一つの選択肢として作成していただいてきちんと提示していただくと、将来的には役立つのではないかなと思いました。これが第1点でございます。
 第2点は、健康診断データについてです。どのようなデータを入力していくかを14ページで詳しく示していただきました。全体のDXはロードマップが非常に長いので、どういったデータが活用しやすいのかということを考えていくことが非常に大事だと思います。今日はカルテ入力の話が多かったですけれども、カルテ入力は定期通院をしている方の把握には役立ちますけれども、そうではない方の把握には難しいところもあると思っています。その点では、14ページに書いてありますけれども、健康診断のデータの活用は非常に大事だと思います。これは非常に多くの人が決まった様式で受けておられるし、倫理的なハードルが一段低いのではないかなと思います。例えば今般のコロナのときに、どういった基礎疾患を持っている人は重症化しやすいかという議論がたくさんございました。健康診断を行われているようであればそのデータをそのまま持ってくることが可能です。レセプトデータも使うとかなり客観的にそういった感染症に対する対策を組むことができるかと思いますので、お考えいただければと思います。以上が第2点になります。
 第3点は利活用のことなのですけれども、研究面でのことが今日の話の中心でしたが、それ以外にもデータを実際の行政対応等に役立てていただくのも大事だろうなと思います。先進的な、あるいは専門家の多い自治体であれば利活用が進みやすいと思いますが、恐らく自治体間で差異が生じてくるような気がいたします。優れた解析の仕方等に関してはそれを取り入れていただいて、どの自治体でもある程度平準化された、質の高い解析ができるようなプラットフォームがあってもいいのではないかなと思いました。
 以上、3点でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。事務局からレスポンスいただけますか。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
 3点いただいたかと思いますけれども、まず1点目のリアルタイムサーベイランスの関係でございますけれども、こちらは本日の御説明の中でも資料の17ページ目の下段で電子カルテ情報の活用、JIHSによる調査研究というところでありましたけれども、感染症対策上必要な場合は厚生労働大臣から支払基金に電子カルテ情報の提供を求めることができることとしてはどうかというところで記載をしておりまして、何か感染症の発生動向の変動を把握したような場合は、迅速にそういった情報を入手して様々な情報の把握、分析等を行えるような体制を目指していきたいと考えているところでございます。
 それから、2点目のDXで何が活用できるかということで、カルテ情報以外の健康診断のデータというところでございますけれども、こちらは将来的にデータの一元化などが進んでいけば、そういったものも連結解析などを行いまして、重症化因子の把握などのいろいろな分析にも活用できるかと思いますので、そういった方向で検討は進めていきたいと考えているところでございます。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。
 3点目のデータの利活用についての御質問についてお答え申し上げます。まさに医療や介護のデータの二次利活用によりまして、研究分野だけではなくて行政の政策への応用は十分ユースケースとしてあり得ると思っております。今のナショナルデータベースの利用を見ましても、確かに利用が多い自治体とそうでないところは一定の差があるのだろうと思っております。現在の厚生労働省のデータベースの利用環境につきましてはなかなか厳しい御意見もいただいているところでございますので、今回、まさにこういった一元的なクラウド基盤をつくって利用のハードルを下げていく、利用しやすい環境をつくっていくということも大事だろうと思っておりますので、そういったことを進めれば、より多くの自治体間でデータの利活用が進められるのではないかと考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。ぜひ御指摘の点を踏まえて進めていただければと思います。
 続きまして、笹本委員、お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。3点ほどございます。
 まず、医療DXの推進に賛成でございますが、大病院だけではなく小規模な個人診療所も含めて参画するための設備投資が必要となりますので、医療DXの推進に向けて多くの医療機関が参画できるよう、財政的な支援をお願いいたします。
 次に、電子カルテ情報共有サービスで扱われます3文書6情報のうち、診療情報提供書と退院時サマリーには個人情報が多く含まれます。一方で、手書きの文書をPDF化しているものが多くございます。テキスト以外の画像などにも個人情報が多く含まれておりますので、取扱いに十分な配慮をお願いいたします。
○脇田部会長 笹本先生、声が個人情報が多いので注意してくださいというところまでは聞こえていましたが、その後、聞こえなくなりました。
○笹本委員 恐れ入ります。今は聞こえますでしょうか。
○脇田部会長 聞こえています。
○笹本委員 分かりました。ありがとうございます。
 個人情報が含まれる点にはぜひ御配慮をお願いいたします。
 最後に、仮名化して研究するということには反対いたしませんけれども、研究等の成果物が公表された後、個人情報の漏えいや営利目的等の目的外利用が行われていないかなどの公表後の検証・監視は全く行われておりません。ぜひ検証のシステムの構築を御検討いただきたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 御意見ありがとうございました。
 この点、いかがでしょうか。事務局からレスポンスをお願いします。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。
 DXの推進について、特に診療所への財政支援ということで、これにつきましては各方面からもいろいろ御意見をいただいているところでございます。先ほど申し上げました標準型電子カルテにつきましては、機能としてはシンプルでありながらもクラウドをベースにしてなるべく安価なものをつくって普及をさせていきたいと思っておりますので、診療所の方々が取り入れやすいようなものにしていきたいと思ってございます。
 それから、共有サービスで共有します3文書6情報でございますが、これはもちろん個人情報が入った情報になりますので、その取扱いについては十分注意をしていきたいということであります。支払基金のほうでこれを取り扱うことになりますけれども、十分なセキュリティー対策、また、今回、支払基金を抜本的に改組することにしておりますので、さらにそういった対策も強化をしていきたいと考えております。
 それから、3点目の成果物の公表後の取扱いでございますけれども、これにつきましては成果物の中にまず個人が特定されている情報が含まれていないかというのはきちんとガイドラインに沿って確認していくということが大前提だろうと思います。その上でその成果物がどう使われていくかというのはどこまで追っていくことができるかというのはなかなか難しい問題だと思いますけれども、まずはきちんと成果物の内容を確認して、その確認を経ないで勝手に公表されることがないように対応していくということをやっていきたいと考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 笹本委員、よろしいですか。
○笹本委員 ぜひ御検討いただきたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 金沢市福祉健康局の越田でございます。
 これまでのご意見と多少重複するところがありますが、5点ほど、細かいことも含めまして意見を述べさせていただきたいと思います。
 基本的には御提示のDX化に関しては賛成であります。しかし、いまだに地方では、電子カルテが導入されていない医療機関が結構多くて、地元医師会とはまだファクスでやり取りをしているというクリニックもあります。この点に関しては、財政的な支援も必要ですが、早急に医療DX化によるメリット、あるいはこんなすてきなことだということをきちんとお伝えする。そして、多くの医療機関に電子カルテが導入をすることを祈っております。
 2点目は、地方ではそれなりに患者情報の共有ということはされておりまして、例えば石川県では、IDリンクをはじめ、いろいろなシステムが稼働しています。こういった先行的に導入されているシステムと今後新しくオールジャパンで導入されるものがなだらかに移行できる、あるいはあまり違和感なく使えることができるような仕組みにしていただくことを要望します。
 3点目は、コロナ禍で我々行政機関は、医療機関からたくさんの情報をいただきましたし、最終的には電子化が進みました。ただ、誤入力がどうしてもあります。先ほどお聞きしました生年月日であるとか、個人情報を同定するためには電話番号も必要だと思いますが、誤入力がありますと、データクリーニングにかなりの時間がかかりました。このことを踏まえて、誤入力が起きそうなときにはあらかじめアラートがたつような仕組みでないと、修正するエネルギーがかなり大きかったことを経験いたしました。新システム導入に当たっては御検討していただけるとよろしいかと思います。
 4点目は、四柳委員からも御指摘がございました、災害時です。私どもも能登半島地震を経験いたしました。全く初めてのことで、走りながら考える、走りながら利用するという形で何とかつじつまは合った様な気がします。特に災害時に関しては日頃からの訓練が必要ではないかと。平時から机上訓練などを行って災害時に対応できるようなことが大切ではないかと思っております。
 5点目は、当面は電子カルテを導入してデータの共有を図ることによって、医療機関、行政機関、介護施設等の横の連携の構築が目的かと思われます。しかし、将来的には一個人の縦情報、すなわち母子健康手帳から始まって介護手帳までつながるような個々人の健康記録がポータルサイトなりマイナポータルで見ることができるような、住民に還元できるような、国民に還元できるようなシステムになるといいのではないかと思います。特に保健所でいろいろな情報に携わっていますと、個人の健康情報を個々人が間違いのない形でキープされているのかということが気になります。将来的には個人の情報が縦でつながって、国民に還元されるとよろしいのではないかと思っております。
 以上5点です。
○脇田部会長 越田委員、ありがとうございました。
 私もかなり以前から肝炎の病診連携の研究に携わってきましたけれども、石川県はIDリンクを使って、それは非常に早くから患者情報の共有がされていたというところがあるので、そういったものからいかにしてスムーズに移行ができていくかというところの御意見もありました。
 事務局、いかがでしょうか。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。御指摘をいただきましてありがとうございます。
 DXのメリットを伝えていくのはそのとおりでございます。医療現場や国民の皆様にもしっかりと周知・広報してメリットを浸透させていきたいと思っております。
 また、2点目の地方での患者情報の共有は、御指摘があったようにIDリンクを使って行われている地域医療情報連携ネットワークなども承知をしておりまして、石川や函館など、一部では本当にうまくいっている例も承知をしております。こうした取組と電子カルテ情報共有サービスをうまく住み分けつつ、また、連携をして発展できるようにしていきたいと考えております。
 それから、3点目の誤入力の問題は、御指摘はごもっともと思っております。我々の3文書6情報の共有のときにもシステム的にバリデーションチェックをかけて、身長と体重が逆になっているような機械的なミスはできるだけそこでチェックができるような設計を組もうとしているところでございます。
 それから、災害時の対応について、まさに電子カルテ情報共有サービスの大きなメリットの一つがこの災害時対応だと思ってございます。地域を越えて患者さんが避難をして搬送されてくるというときにも、このカルテ情報がしっかり共有されて医療を提供できるということが重要だと思っておりますので、災害時にこそメリットが出るようなシステムをしっかりつくっていきたいと思ってございます。
 また、最後の一個人の縦情報ということでございます。今回の電子カルテ情報共有サービスでも、マイナポータルで御自身の過去の診療情報を見ることができるようにいたします。既にマイナポータルではレセプトや特定健診の情報が見られるようになっておりますけれども、さらに自治体の検診情報も自治体の取組で見られるようになっているところが増えてきつつありますので、そういった形でマイナポータルで個人が様々な医療や健康診断の情報を見ることができるような体制をDXの中でつくっていきたいと考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 越田委員、よろしいでしょうか。
○越田委員 詳細な御回答をありがとうございました。
○脇田部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、次に坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
 私からは届出に関することが1つと、二次利用に関して1つ申し述べさせていただきます。
 全体的な方向性には賛同いたします。
 届出に関してなのですけれども、病院にいる立場から申し上げますと、感染症法上の届出疾患というのが非常に多くて、対象が多いということから関連する診療科というのが多岐にわたります。また、届出のタイミングも直ちに届け出ねばならないもの、7日以内に届け出ねばならないのとタイミングがそれぞれあり、また、届出を要する基準というものがあって、さらにこの対象やタイミング、基準が時々改定をされるということで、周知をするというのが非常に大変で、時々遅れてしまうとか、忘れてしまうといったことが起こっております。
 そのため、こうした拾い漏れを防ぐという観点からも、理想的には、将来的には病院が積極的に届出をしなくとも、電子カルテから自動的にデータを抽出していただく仕組みがあるというのが目指すべきところではないかなと思っております。
 ただ、そうはいってもすぐにはそれが難しいという状況もお話を伺って理解いたしましたので、例えば病院からアクティブに提出をしなければいけない期間がまだ続くのであれば、入力せねばならない項目をなるべく少なくて済むように、例えば氏名と住所だけが反映される、ほかは全部手入力でまたどこかから探してきて入力せねばならないということがなくて済む、できるだけ電子カルテから必要なデータが抽出されて提出できるという仕組みをぜひつくっていただきたいなというのが要望でございます。
 もう一つ、二次利用に関してなのですけれども、現在、医療関連感染、特にカテーテルやライン類、あるいは手術によって起こる臨床的な感染症を拾って報告するということが望ましいと診療報酬の要件などでも盛り込まれていますけれども、また、第三者機関による病院機能評価などでもこうしたラインやカテーテルを使っている部門、あるいは行っている手術に対して網羅的にリスクを測定して改善しましょうということが推進されています。それは非常に大事なことなのですけれども、実際に電子カルテ、あるいはその他の診療記録からデータを抽出するというところに非常に多くのマンパワー、時間を要するために、なかなかこれが進まない。それがあるがために、他の先進国と比べて、こうした臨床的な医療関連感染の国のデータベースの構築というのがなかなか難しくなっている、一つのボトルネックになっていると考えられます。したがいまして、将来的にDXが進む中で、ぜひこうした臨床的な医療関連感染の発生率、また、その発生要因についてもなるべく負担なく抽出されて国のデータベースができて、国際的な比較も行うことができるような体制をぜひつくっていただければなと思っております。これも要望でございます。
 以上です。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 最初のところの届出にデータを自動的に入力できるようなシステムについて、標準型電子カルテではそういったものが導入されるのかというところもありますし、その点も含めて事務局からレスポンスいただければと思います。
○横田感染症情報管理室長 感染症対策課でございます。御意見ありがとうございました。
 感染症法の発生届が各疾患いろいろまちまちというところは、感染症の特徴や発生動向の把握に必要な項目ということでどうしても必ずしも横並びになっていないところがあるのは御指摘のとおりでございますが、理想的にはそういう届出に頼らずというところを目指すべきという御意見は冒頭、谷口委員からもいただいたとおりで、将来的にはそういった部分も電子カルテ情報共有サービスの運用状況を見ながら活用できるかどうかというところは検討を進めていきたいと思いますけれども、いずれにしても直ちには難しい状況ということでございまして、発生届と電子カルテ情報の連携の部分でなるべく入力負担を減らすということで、今、御指摘のあったような部分も踏まえまして、できるだけ自動的に抽出できる部分は抽出できるような形ということで検討は進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それからもう一点、二次利用に関しましても、実際どういった情報がどこまで使えるかというのは運用状況を見ながらということになるかと思いますけれども、今、御意見いただいた部分も含めまして、集めた情報というのが有効活用されることが大事だと思いますので、様々な対策や政策に生かせるような形で利活用を進めていけるよう検討は進めていきたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 データの自動抽出まではなかなかハードルが高いかもしれないですけれども、氏名、年齢、住所といった標準的な項目についてはカルテから自動的に入力ができるような、届出のファイルを開くと自動的にそれが表示されるということができれば、かなり入力の負荷が減るのかなというところが坂本先生の御指摘だったと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
○坂本委員 住所以外のいろいろな多岐にわたる項目もありますので、できたらなるべく多くの項目を自動的に抽出していただけるとさらにありがたいというところでございます。
 あと、学会ともぜひ連携していただいて、医療関連感染のデータの抽出に関してはノウハウがありますので、ぜひそういった連携も進めていただければなという要望でございます。
 ありがとうございました。
○脇田部会長 では、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 続きまして、大曲委員、お願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。
 まず、御提案事項は全部賛成いたします。やるべきことだと思っております。
 2点だけ要望といいますか、意見がありまして、1点目は、これは公的データベース、医療介護関係のデータベースのデータの利活用のことに関してなのですが、僕は細かいことを存じ上げないのですけれども、実際にうちのチームでも利活用している者の意見を聞くと、やはり予後情報が非常に重要であると。例えば退院時の状態などは非常に重要であるので、提供されるデータセットの中にはそうした予後の情報というものが入るような御配慮をいただければと思います。実際、コロナの対応をしたときも、いろいろな疫学的な、あるいは治験に係るような解析も来ましたけれども、予後情報というのは非常に重要で、そちらに関してぜひデータセットに入るように御検討いただければと思います。
 2点目は、四柳先生もおっしゃっていましたけれども、これは感染症も災害も含めてですが、有事にいかにデータをリアルタイム、あるいはそれに近い形で使えるかというのは非常に重要だと思います。そういう意味では、もちろん有事は現場からデータを引っ張ってくるのが一番早いので、今日、御提示いただいた内容だと、電子カルテから得られた情報をなるたけ早く即時的に使っていくというのが、将来的にはそれだけではないのかもしれませんが、一つの方法だろうと思います。
 ただ、それがインフラとして整うにはそれなりに時間がかかるだろうとも思うので、そういう意味では、それが整うまでは個別に情報を取るような、それこそJ-SPEEDのようなものを使いながらも、一方で公的なデータベースの役割というのは非常に大きいのではないかと思うので、そういう意味では公的データベースのデータが現場で発生してから利活用が可能になるまでの時間を、いろいろ事情があるのはよくよく存じ上げておりますが、なるたけ短くしていただければと思います。データの正確性等々の担保、個人情報の保護という観点の御配慮が本当に必要なのはよく分かるのですが、特に有事のときには何らかの別の取決めをして、なるたけ早く使えるようにすることが重要だと思いましたので、申し上げておきたいと思いました。コロナのときにとにかく早く状況が分かるデータを出すようにということで御指示をいただいて、いろいろとやりましたけれども、なかなかデータが出てこないというところで動けなかったことが非常に反省としてありますので、申し上げておきます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 有事の際には入力も大変なのですけれども、そのデータが利用可能になるまでのタイムラグというのも短くする必要があるといった御指摘だったと思います。
 事務局、2点あったと思いますが、いかがでしょうか。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。
 1点目の公的データベースの活用の中での予後情報ということでございましたけれども、今でもナショナルデータベースの中で、最近、死亡情報を取り込むことを始めたところでございます。今後、これが拡充してくれば、死亡情報を含めた分析ができるようになるのではないかと思っております。
 また、電子カルテ情報の3文書6情報のデータベースもさらに充実してくれば、転院後の情報を含めたアウトカムをレセプト情報と組み合わせて分析していくということが可能になっていくものと考えております。
 いずれにしても電子カルテ情報データベースのほうはこれから構築をしていくということなので、データがたまっていくまでに相当の時間を要すると思っていますけれども、ユースケースとしてはそういったことが期待できると思ってございます。
○横田感染症情報管理室長 感染症対策課でございますけれども、予後情報のほうで1点加えさせていただきますと、コロナを踏まえて感染症法の改正で退院届を新たに規定して、新型インフルや新感染症が発生した場合には届出をしていただくような仕組みを新たに設けておりますので、そういった情報も今後は活用し得るのかなと考えているところでございます。
 それから、2点目に御指摘のあった有事の際にデータをリアルタイムでというところは、繰り返しになりますけれども、現場からなるべく早く引っ張ってくるということができるように関係部局等も含めていろいろ連携して対応を検討していきたいと思います。それから、当面ということで御説明がありましたけれども、DICTやJ-SPEEDの活用も含めてということで、先日、DICTの事務局を厚生労働省の委託事業という形で体制強化などもしているところでございますので、有事対応に関しましてはいろいろな観点から引き続き体制強化を進めていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 今、大曲先生から御指摘があったとおり、有事においてのデータ利活用のハードルをちょっと下げるといった取決めをあらかじめ考えておいてはどうなのだというところの御指摘もありましたので、そこもぜひ御検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。
 手を挙げていただいた先生には一通りお話をいただいたと思いますが、そのほか追加でさらに御意見、御質問等があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。今、医療DXの構築も進んでいるという現在進行形でありまして、今後もさらにいろいろとフィードバックされてくる情報もあると思います。必要に応じてまたこの部会にも御報告いただいて、委員の先生方から御意見をいただくといったことがより良いものにしていくことに重要だと思いますので、事務局におかれましてはよろしくお願いいたします。
 それでは、さらに御意見がなければ、今日も様々な御意見をいただきましたので、それを踏まえて取組を進めていただければ幸いです。よろしくお願いします。
 では、次に参りたいと思います。次は病原体の行政検査の取扱い、検体の取扱いですね。これは7月の感染症部会で出された御意見について事務局で整理をしていただいたという内容を御報告いただきます。これまでも議論してきましたので、それについて事務局から資料2の御説明をお願いいたします。
○野田パンデミック対策推進室長 資料2を用いまして御説明させていただきます。パンデミック対策推進室長の野田博之でございます。
 先ほど御紹介いただきました本年7月に開催いたしました第86回厚生科学審議会感染症部会におきまして、病原体の行政検査の取扱いについて報告を行い、地衛研等から国に提出された行政検体等の所有権については国に帰属すると整理する旨の報告を行わせていただきました。その際に、委員の先生方から主に所有権に関する整理、そして検体を採取された患者に対する個人情報に関する整理について、より詳細に検討が必要との御意見をいただきましたので、改めて整理を行わせていただきました。
 なお、今回の整理につきましては、感染症法に基づき採取され、感染研に提出された行政検体についての所有権等の整理でございます。それ以外の研究のために感染研に提出された検体の所有権について整理したものではございません。研究のために提出されたものの取扱いにつきましては、個別に研究者の間で相談いただくものと考えております。
 資料2の2ページ目でございますけれども、1点目の所有権に関する整理についてでございます。
まず、患者等の都道府県等への検体の所有権移転についてでございますけれども、患者等の検体は、感染症対策の必要性から感染症法に基づいて採取や検査が実施されるものでございます。検体を患者等本人に返還すること等は想定されておりません。そのため、検体等の採取等により、都道府県等はその所有権を取得すると整理することが可能となります。
 続きまして、都道府県等から国への所有権移転についてでございますけれども、都道府県等が国に検査を依頼する際に送付される検体そのもの、検体送付票及び同定依頼票については、都道府県等が返還を求めていない実務を踏まえ、その所有権は民法上、国に帰属すると整理することが可能となります。そして、その所有権を有する検体から得られた検査結果及び分離した病原体等は、国に所有権が帰属するものと整理可能となります。
 これらの整理の下で、第86回感染症部会での意見を踏まえ、都道府県等から国に提出された検体等の所有権は国に帰属することを入念的に課長通知で明確化することとさせていただきたいと考えております。
 なお、感染研で実際に得られた行政検査の検査結果については、スライドの4ページ目にございますけれども、国立感染症研究所、地方衛生研究所、保健所、都道府県から伸びる矢印に「結果報告」と記載させていただいておりますけれども、都道府県や保健所にも報告され、さらには必要に応じて医療機関や患者等にも結果が共有されることが想定されますので、この取扱いについては今回の所有権の整理にかかわらず、これまでと変更なく行われるものと考えております。
 2点目の検体を採取された患者等に対する個人情報に関する整理についてでございます。個人情報保護法上、資料に記載させていただいたとおりでございますけれども、個人情報は生存する個人に関する情報であって、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む特定の個人を識別することができるもの、または個人識別符号が含まれているものとなっております。行政検査用に国に提出される検体送付票及び同定依頼表に記載のある事項については、国に届く時点では患者等の情報については匿名化されており、国は当該情報を基に個人を特定できないことから、直ちに個人情報に当たらないと考えております。ただし、検体を抽出されたヒトゲノムデータについては要配慮個人情報に該当する可能性がございますので、国が研究機関や企業等に対して検体を提供する際には、患者からヒトゲノムデータを抽出する可能性がある旨の文書同意を得ている場合を除いてヒトゲノムデータを抽出する研究等の利活用は不可とし、提出先における利活用目的を限定することといたします。具体的な利活用のスキームについては、今後、通知で示すことを予定しております。
 私からは以上になります。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明を踏まえまして、委員の先生方からも御意見をいただきたいと思いますが、こちらも本日御欠席の土井委員からコメントをいただいていますので、事務局から御披露いただけますか。
○佐野エイズ対策推進室長 事務局でございます。
 それでは、私から土井委員の御意見につきまして御代読させていただきます。
 病原体の行政検査の取扱いについて、所有権、個人情報に関する整理はいずれも長年課題だった点であり、検討内容に賛成です。ヒトゲノムデータを抽出する研究等への利活用についてですが、感染症の疫学調査ではメタゲノム解析が行われる場面が多くなっています。一次目的は病原体の解析でも、二次的にヒトゲノムの一部がデータに入ってきてしまうことがあります。このような病原体を念頭に置いたメタゲノム解析におけるヒトゲノムデータの取扱いについても御検討いただければ幸いです。
 以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございます。検体を解析すると病原体のゲノム解析でヒトゲノムデータが混ざってくる場合があるといった御指摘でした。
 事務局、いかがでしょうか。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。
 まず、特定の病原体をターゲットに解析を行うような場合には、ターゲットとなる病原体に特異的なゲノムのみを増幅して解析するため、基本的にヒトゲノムを増幅解析することにはならないと考えております。
 そして、今、御指摘をいただきました、網羅的にゲノム解析を行う場合、病原体以外のものを含めて様々なゲノムが増幅されることになるため、結果的にヒトゲノムを増幅されることは考えられると思っておりますが、そこから個人情報が特定されるような解析を意図的に行わない限り、個人情報になり得る結果を得ることはできないと考えております。
 このことから、行政検体に限らず、研究者には一次目的か二次目的かに関係なくヒトゲノムを抽出する利活用は不可と明示すること、また、研究計画書で申請した以外の目的に使用しないよう契約書も取り交わすということを考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 関連して、2ページのヒトゲノムデータを抽出する研究等の利活用は不可とし、提供先における利活用目的を限定するということになっていますけれども、これはヒトゲノムの解析はもちろん不可なのだけれども、要するにそれ以外の利活用をしたい研究目的はそもそも限定をしておくという意味ですか。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。基本的には、今後、利活用の手続については通知でお示しをするという形で考えておりますけれども、もちろんその利活用の方法について申請をいただいた上でそれを提供するという形になりますので、その際に申請をいただいた内容に限定をした上で利用していただくということを考えております。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 1点だけ確認ですけれども、最終的に感染症法に基づいてお願いした検体の結果は医療機関にも御報告をいただくということでした。御報告いただいたものに関しては、日常診療、あるいは研究に使うということは問題がないという理解でよろしいでしょうか。
○脇田部会長 診療に使用するということと、それから研究に使用するというところの両者という御質問だったと思いますが、いかがでしょうか。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。まさにこれまでも行われているものを御確認いただいた話だと思っておりますけれども、これまでも行政検体を解析した結果をお返しした結果の情報につきましては、診療所、また、研究などに使われてきているものでございますので、それは、引き続き、これまでどおりに行われていくものという形で考えております。
○谷口委員 ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 四宮委員、お願いします。
○四宮委員 スライド2の部分で、前回、少し議論になった、例えば行政検査のうち地衛研で検査が完了する場合、そういうことも実際多いので、その場合は都道府県が所有権を有するというところが書かれたことはいいと思います。
 もちろん全体としては行政検査等が行われる検体、あるいはそこから分離される微生物というのはナショナルリソースとしての側面もありますので、感染症対策に必要な研究等に利活用されるというのはもちろん基本的に賛成しています。
 それから、地衛研でできない検査や非常にまれな病原体の検査は現状でも感染研に直接依頼することがあるので、その場合、その検体、あるいはそこから分離された微生物が国の所有になるというところも整理されたと思います。
 私からの質問なのですが、都道府県の地衛研で行政検査として検査されて、それからさらにその詳細検査を感染研に依頼することがあります。それから、それとは別の形で、例えば腸管出血性大腸菌のようなものは地衛研で検査そのものは完了することが多いのですが、感染研にその菌株を提供して、そこでゲノム解析とか、さらに上位の検査をするものがあります。劇症型溶連菌感染症に関しても届出があればこれも地衛研で検査した後に感染研に菌株を提供することになっています。そうすると、原所有者が都道府県で、二次所有者が国という場合がありえますが、その場合、国がそこからさらに利活用をしたいということがあったときに、原所有者の同意が必要で、通常、菌株を譲渡・提供した場合には元の提供者の同意が必要というのが学術の世界では慣例化されているのですが、この場合はどのように考えるべきかということが質問です。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 野田室長、お願いします。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。
 今、学術の観点での御質問をいただきました。今回整理させていただきましたのは、行政検査での所有権の扱いを御説明させていただいたわけですけれども、もちろんこれまでも四宮先生から御指摘をいただいていますように、学術での扱いについて御疑問があるというところは承知をしております。まさに学術での使い方につきましてはまず2つの切り口があると思っておりますけれども、行政検査で得られた結果について学術的な報告を行っていく、これは論文を含めてだと思っておりますけれども、それにつきましてはこれまでも行われている話ではあるとは思っているのですけれども、貢献度に応じましてオーサーシップを持っている方に対して出していくという話だと思っております。それにつきましては、例えば感染研などが研究という形で研究者が入っていく場合には、感染研を含めて研究者の間で個別に調整していくという話になっていると思っております。それについては国が所有権を持っている、いないに限らず、学術的な行動を制限するものではないという形で考えております。
 もう一つは検体について、例えば行政検査以外の目的で感染研に提供した場合の扱いという御質問だと思っております。後者の話につきましては、今回整理をさせていただいた内容については行政検査に用いた検体についての所有権でございますので、それ以外の研究などに用いる検体についての整理については何ら触れるものではございません。ですので、それについては、例えば感染研の研究者と地衛研の研究者の間で、その所有権については適宜御相談いただくという形で考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 四宮先生、これで整理できますでしょうか。
○四宮委員 私の聞き方がよくなかったかもしれませんけれども、私の質問はシンプルで、地衛研、それからその次に感染研でも追加の行政検査をした場合に、所有権が国と都道府県にまたがるわけですけれども、国のほうで第三者に提供したいといったときに、原所有者の都道府県や地衛研の同意が必要かというのが私の質問です。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。
 そもそも検体の所有権につきましては、それぞれ検体については、今の御質問の部分で言いますと、地衛研に残っている検体と感染研に行政検査として提供された検体が2つあるという形で考えております。その場合には、地衛研に残っている検体については当然地衛研の所有権になりますし、感染研に行政検査として提供された検体については国の所有権という形で考えております。
 もちろんその中で例えば研究などでその結果を使っていく場合については、先ほど御説明させていただいたように研究者の間でそのオーサーシップについて御議論いただくという形になりますし、また、所有権という観点で言いますと、国の持っている検体の所有権については国の所有権であり、そして地衛研で持っている検体の所有権については地衛研の所有権になるという形で考えております。
○脇田部会長 四宮先生、いかがですか。
○四宮委員 具体的に言うと、例えば先ほど言ったように腸管出血性大腸菌は地衛研で分離されて、その後に感染研に菌株を提供することになっています。その場合、分離したのは地衛研ですので、その菌株の所有権は地衛研や都道府県になります。感染研は全国から収集して菌株を保持していますけれども、感染研からEHECの菌株を大学、あるいは民間に提供したいという考えがあったときに、基本的には原所有者の同意が必要だと私は思うのですけれども、その点をお聞きしたいわけです。
○脇田部会長 私から確認ですけれども、菌株の解析というところは行政検査になっていましたか。
○四宮委員 行政検査の場合もあると思います。
○脇田部会長 分かりました。
 では、野田室長、お願いいたします。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。
 行政検査に当たるものでございますと、その検体と病原体につきましては、地衛研に残っているものについては地衛研の所有権になりますし、また、国に提供されたものについては国の所有権になるという形になります。ですので、ぎりぎりと所有権の話で言いますと、その所有権については国の所有権になるという形になります。もちろん研究をさらに進めていくという観点のアカデミアの話で申し上げますと、これまでどおりどういう形でオーサーシップなどを発生させるかというところは個別に研究者の間で議論いただくという形になっていると思っております。
○脇田部会長 御質問は利活用ですね。感染研に残るわけですから、それに第三者への利活用の依頼があった場合に、四宮先生なら四宮先生のところの許諾を得る必要があるかという御質問だと思うのですけれども。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。
 所有権については、今、御説明させていただいたとおり国に所有権があるものでございますので、国から例えば地衛研に了解を得る必要はないという整理になります。
○脇田部会長 というところですが、四宮先生、どうですか。
○四宮委員 それは少し議論があると思います。なぜ私がこれを言っているかいうと、腸管出血性大腸菌株の感染研から第三者機関への譲渡ということで地衛研にその旨の打診が最近あって、地衛研のほうでも少し問題になっているからです。
 それから、学術の世界では最初に分離した人に所有権があるので、その人から他の方に菌株やウイルス株を譲渡した場合には、そこからさらに第三者に分配するためには原所有者の同意が要るというのが慣例的な考えですので、今回もそれが適用されるのではないかと思うのですけれども。
○脇田部会長 分かりました。
 なので、検体の行政検査としての提出と、それから分離をされた菌株の提出の場合で少し考え方が異なってくる可能性があるのではないかという指摘ということでよろしいですね。
○四宮委員 それもありますね。検体と分離株というのも違いますので。
○脇田部会長 なので、それは本当に検体の提出を同一に整理していいのかという問題提起だと思いますので、そこはもう一度検討していただいてもいいのではないかと私も思うのですが、事務局、いかがですか。
○荒木感染症対策課長 感染症対策課の荒木でございます。
 確かに御指摘いただいた、例えば菌株の違いというのがあるかもしれませんけれども、まさにそのために今回、入念的に課長通知で明確化するためにもこういう整理をさせていただきました。すなわち何かというと、行政検体として地衛研から感染研に提出されたものについては所有権が明確に移転しているというところにございますので、そうなると、所有権を有した国としてそれを第三者にどう提供するかについては国の判断ですることができる。
 一方で、学術的、あるいは慣例的な形で、例えばオーサーシップをどう書くかというのは多分相談になるということかなと思います。それも含めて入念的に通知をさせていただきたいと思っています。
 以上です。
○脇田部会長 ということですけれども、四宮先生、どうですか。
○四宮委員 分かりました。
 その考えでいくと、所有権が都道府県と国にまたがるということはなくて、その時点で移転するということになるわけですね。
○野田パンデミック対策推進室長 御指摘のとおりです。
○四宮委員 それは地衛研全国協議会などと議論の余地はあるような感じがします。あまりそれを推し進めると、検査依頼自体のところがスムーズにいくのかなという懸念もちょっとあるところですけれども、ここですぐ結論が出ることでもないので、また議論できればと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 四宮先生がおっしゃっていることもよく分かりますので、来月、地全協もありますし、議論をもう少ししたほうがいいかなという印象を受けたところです。
 事務局、何かありますか。
○野田パンデミック対策推進室長 丁寧に御説明させていただく形にしたいと思います。ありがとうございます。
○野田パンデミック対策推進室長 続きまして、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
 私は最初は簡単に確認と思ったのですけれども、今、四宮先生のお話をお聞きしながら、参考のところで行政検査の検体と結果の流れを示していただいたところに保健所というものもありまして、保健所から直接感染研に検体が行って報告が来るという部分についても保健所も同じような立場だなと思いましたので、保健所の検査室から提供したものも保健所に所有権があるわけではなくて国のほうにあると認識しましたけれども、地衛研の機能強化や研究機能ということの充実を考えると、国に検体を提出し、その結果だけをもらうだけではなくて、一緒に研究をしていくということが協力してできたらいいなと思います。国のほうでこのような研究をする、第三者提供もするといったときに、その背景に保健所もあり、地衛研もありということを思っていただきながら、場合によっては共同研究者として一緒に関わっていただけるとありがたいなと思います。
 最初に確認したかったのは、感染研が来年度からJIHSになると思いますので、JIHSになったときの窓口などということもまた通知などで出していただけると思いますが、その辺の整理もよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 こちらはいかがですか。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。
 今回の話については所有権でございますけれども、まさに研究についても重要だと思っておりますので、引き続き研究が進んでいくように、国としても後押しをしていきたいと考えております。
 また、JIHSに関しましては来年4月1日から感染研がJIHSになっていくというところもございますので、それについても読み替えなどが入っているような通知とさせていただきたいという形で考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 次に、谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 四宮先生の御意見をサポートしたいと思います。研究者の方々はよく御存じだと思いますが、どこが早くやったかといったことは極めて熾烈な戦いなのですね。実際に検体というのは研究者にとっては極めて重要なものだろうと思います。自分たちが分離した検体をほかの自分たちの知らないところで研究されて、そちらに何らかのプライオリティーが移るというのは、僕は微生物の研究者ではないのでそういったことはないのですけれども、ただ、微生物の研究者の方とこれまで付き合ってきたところ、それは研究というところをきちんと尊重しないといけないと思います。これは脇田先生ならよく御理解いただけるだろうと思います。もしこのまま所有権が国だから国が勝手にしますよというのであれば、恐らくもう行政検体では出しませんということになろうかと思います。これはさらなる研究においては共同研究をするなり、きちんとした形で提供元との同意がないといろいろな問題が起こると思いますので、以上でございます。
○脇田部会長 御意見ありがとうございます。
 おっしゃることはよく分かるのですけれども、先ほど四宮先生の御指摘にあったとおり、研究者というか地衛研の研究者が分離をしたところで一段階入って、分離をした病原体を提供した場合、さらなる解析を感染研に求めてというか、感染研のほうが求めているという枠組みで集めているということになるわけですけれども、そういったものの取扱いと、いわゆる行政検査を依頼して検体を感染研に提出した場合で、そこは少し意味合いが違うのかなと僕は感じたところなのですね。だから、地衛研の先生方にもそういったところの御意見をもう少し伺ってもいいのかなという印象は持ちましたというところです。
 事務局からレスポンスはありますか。
○野田パンデミック対策推進室長 ありがとうございます。
 研究のまさにオーサーシップなどを含めたところについて進めていくというところは重要な話でございますし、また、研究の中でのある意味いざこざ的な部分を少なくしていくということは研究の推進のためにも重要なことだと思っております。ですので、今回、所有権については整理をさせていただいておりますけれども、どういう形で研究を進めていくかというところについては、これまでも感染研の先生方も含めて御議論いただき、ときには問題も起こってきたものだと思っておりますけれども、そこについてはきちんと研究がうまくいくためにも、きちんとうまくオーサーシップを含めて整理をしていく必要があると思っております。
 また、研究を進めていくというところは重要だと思っておりますので、繰り返しになりますけれども、国としてはそこを後押ししていくということも行っていきたいと思っておりますし、また、先ほど御要望いただきました、今後、特に地衛研の先生方に十分に今回の通知について御説明するということを進めさせていただきたいと思っております。
 ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 四宮先生、何か追加の御意見等はございますか。
○四宮委員 バイオリポジトリ、ナショナルリソースとして検体、あるいは分離病原体を感染症対策に生かすよう提供するのはもちろん重要だと認識しているのですけれども、手続的に、合意の下にというプロセスを残したほうがいいのではないかなと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 それは医療機関で採取された検体を提出した場合というよりも、地衛研のほうで何らかの菌体を分離するとか、ウイルスを分離するといったプロセスが入ったものに関してという御意見と考えてもいいですか。
○四宮委員 そうですね。検体や分離株の所有権の整理ということは今回初めてなされたので、感染研や地衛研についてもその辺りはやや曖昧なところがありますが、明確化することによる結果が連携体制を強化するような方向であるのが望ましいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 ということでありますので、ここは事務局の方も理解していただけるところだと思いますから、もう少し議論をしたいというところではあります。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 パブリックヘルスパーパスということをきちんとお考えいただくのがいいのではないか。いわゆる個人の論文やアカデミックパーパスというのとパブリックヘルスパーパスというのは違いますので、このパブリックヘルスパーパスというのをきちんと前面に出していただければいいのではないかなと思いました。
 ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 もちろんこれは検体の利活用ということを進めるためにオーナーシップ、所有権というものを明確化して、それで利活用していただこうという枠組みを今、推進してこうというところの議論でありますので、そこは明らかなのだろうなと思うのですけれども、ただ、そうはいいましても人間がやっていることですので、いろいろこれまでも感染研と地衛研の間で検体にまつわるいろいろなことというのはもちろんあったところですので、そこは私としても理解はしているところであります。
 それでは、さらなる御意見はいかがでしょうか。大丈夫ですか。
 こちらも御報告いただいた内容で進めていただければと思うのですけれども、今日も四宮先生、谷口先生から御意見がありましたので、そこも十分に考慮していただいて、なるべくスムーズにこの利活用のシステムが進むようにお願いしたいと思います。
 それでは、今日準備しました議題は以上になりますが、そのほかに先生方から何かここで御意見、あるいは御質問等があればと思いますが、大丈夫でしょうか。
 それでは、今日の議事は以上になりますので、事務局にお返ししたいと思います。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございました。本日の委員の皆様の御意見を踏まえて進めさせていただきたいと思います。
 この後、事務局のほうで記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
 また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日は大変お忙しい中、御出席いただきありがとうございました。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、またよろしくお願いいたします。失礼いたします。