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第114回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会議事録
1.日時 令和6年12月17日(火) 13時00分~14時44分
2.場所 AP虎ノ門 ルームA(※一部オンライン)
(東京都千代田区内幸町 1 丁目 3-1 幸ビルディング)
3.出席委員
(公益代表委員)
○学習院大学経済学部経営学科教授、一橋大学名誉教授 守島 基博
○明治大学法学部教授 小西 康之
○慶應義塾大学医学部・大学院健康マネジメント研究科教授 武林 亨
○名古屋大学大学院法学研究科教授 中野 妙子
○大阪大学理事・副学長 水島 郁子
○読売新聞東京本社編集委員 宮智 泉
(労働者代表委員)
○全日本海員組合中央執行委員政策局長 立川 博行
○日本労働組合総連合会総合政策推進局総合政策推進局長 冨髙 裕子
○UAゼンセン労働条件局部長 花烏賊 明広
○全国建設労働組合総連合労働対策部長 松尾 慎一郎
○日本科学エネルギー産業労働組合連合会副事務局長 金井 一久
○日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員 平川 達斎
(使用者代表委員)
○一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹 坂下 多身
○東京海上ホールディングス株式会社人事部シニアマイスター 砂原 和仁
○日本通運株式会社人財戦略部次長 武知 紘子
○日本製鉄株式会社人事労政部部長 福田 寛
○西松建設株式会社安全環境本部安全部担当部長 最川 隆由
4.議題
(1)特定フリーランス事業の特別加入団体に関するヒアリング
(2)労災保険財政懇談会について(報告)
(3)令和6年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会について(報告)
(4)労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況について(報告)
(5)その他
5.議事
○守島部会長 定刻となりましたので、ただいまから「第114回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」を開催いたします。本日の部会は、会場及びオンラインの両方で実施しております。委員の出欠状況ですが、二宮委員が御欠席と伺っております。出席者は現在17名ですが、公益代表、労働者代表、使用者代表、それぞれ3分の1以上の出席がございますので、定足数を満たしていることを御報告いたします。
委員に交代がありましたので、お知らせしたいと思います。永井学委員に代わりまして、日本化学エネルギー産業労働組合連合会副事務局長の金井一久様でございます。次に、柏田達範委員に代わりまして、UAゼンセン労働条件局部長の花烏賊昭広様でございます。次に、田久悟委員に代わりまして、全国建設労働組合総連合書記次長の松尾慎一郎様でございます。カメラは、ここまでです。
それでは、議題に入りたいと思います。第1の議題は、特定フリーランス事業の特別加入団体に関するヒアリングです。本日は、連合フリーランス労災保険センターの団体からのヒアリングを予定しております。まずは、団体から御説明いただいた後に質疑応答に入りたいと思います。
それでは、連合フリーランス労災保険センターの北野様から御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
○連合フリーランス労災保険センター 皆様、大変お疲れさまです。ただいま御紹介いただきました連合フリーランス労災保険センターで副理事長を仰せつかっております北野と申します。本日は、貴重な機会を頂きまして、感謝申し上げます。弊センターの取組について説明をさせていただきたいと思います。
それでは、2ページを御覧ください。本日は連合フリーランス労災保険センターの団体概要、そして、既に11月から事業を運営させていただいておりますので具体的な加入事務の流れや災害防止教育等について、御説明をさせていただきます。
3ページを御覧ください。まず、団体概要です。ネーミングのとおり、弊センターは連合が設立母体となって設立した特別加入団体です。所在地は連合本部内に置いており、役員も連合本部の役員が担い、設立母体である連合が責任を持って運営をすることにいたしております。また、資料には記載しておりませんが、会員の皆様の会費で事業を運営することもありますので、運営のガバナンスをしっかり遵守する観点から、評議員会で理事の運営執行責任を監督するとともに、会計監査についても外部監査を受けるという体制を構築しております。
4ページを御覧ください。まず、特別加入団体の大きな要件の1つになっております「都道府県ごとに加入者が訪問可能な窓口の設置」ですが、連合は北海道から沖縄まで、全て都道府県に地方連合会の事務所がありますので、弊センターも地方連合会に加入希望者の訪問可能な窓口を設置し、連携をしながら対応させていただく体制も構築しております。ちなみに、地方連合会も含めて役職員がしっかり特別加入制度の理解を深め、更には運営に当たっての注意事項など周知するための学習会も開催してきたところです。
続いて、5ページを御覧ください。なぜ、連合が特別加入団体の設立に至ったのか、その背景ですが、スライドの中段のレ点部分に3つのことを記載させていただきました。まずは、いわゆる「曖昧な雇用」で働く者が急増しているということ。さらに、その「曖昧な雇用」の急増に伴って従来の労働関係法令では保護対象にならない事例も増加しているということ。そして、とりわけコロナ禍において、そうした方々のセーフティネットの脆弱さが顕在化をしたことに問題意識を持ち、この団体の設立に至ったということです。
6ページを御覧ください。連合が直近に行ったフリーランスの意識調査の中でも、5人に1人が仕事中や移動中にけがや病気を患ったことがある実態や災害補償に対するニーズが浮き彫りになったところです。
また、スライドには付けてはおりませんが、今回の意識調査で1つ特筆すべきことがありました。労災保険の特別加入の意向についての調査結果では「利用したいと思わない」あるいは「分からない」と回答したフリーランスの方の割合が約75%に上るということです。そして、その理由で最も多いのは、「制度がよく分からない」というものが3割強と多かったのです。この調査からしても、加入を進めるためには、まずはしっかり労災保険の特別加入制度の理解浸透が重要だと認識をしております。
7ページを御覧ください。これは連合フリーランス労災保険センターの設立趣意書です。今回の特定フリーランス事業に係る労災保険の特別加入の枠組みについては、フリーランスの方々のセーフティネットの拡充につながるという認識のもと、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、連合が全ての働く仲間の「必ず側にいる存在」として社会的役割を発揮していこうということで、特別加入団体「連合フリーランス労災保険センター」を設立いたしました。この設立趣意に沿い、今後は、労災保険の特別加入制度を広く知っていただく。更には加入促進活動を通じてフリーランスで働く方々の安全衛生に関する意識向上と、より安心・安全に働ける環境を整えていくことを目的として、事業運営をしていきたいと思っております。
8ページを御覧ください。これは特別加入団体の1つの要件である「フリーランス全般の支援のための活動実績がある」ということにかかわるものです。連合は、2020年5月にフリーランスをはじめとした「『曖昧な雇用』に対する考え方」を確認しました。その内容は、政策面と運動面の両面での取組を進めていく方針ですが、この運動面の取組として2020年10月にフリーランスとして働く方のWebサイト「Wor-Q(ワーク)」を立ち上げました。更には緩やかにつながる会員制度として連合ネットワーク会員制度を設けたところです。ちなみに、この「Wor-Q(ワーク)」の「Q」は本来であれば「K」ですが、この「Q」の意味合いはフリーランスで働く人たちの疑問、若しくはお困りごとに本気で解決していく、クエスチョン(Question)に答えていくという意味での「Q」ということで、「ワーク」とお読みいただければ幸いです。
現在、ネットワーク会員については、12月1日現在で1,153名の方が会員として登録いただき、職種も多岐にわたっています。
9ページを御覧ください。先ほど申し上げた2020年10月のWor-Qサイトオープンに引き続き、1年後の2021年10月にはWor-Qサポートセンターを開設し、Wor-Q共済の開始をしました。御案内のとおり、保険は1人で入ると掛金が高いので、Wor-Q共済は団体扱いで手軽な掛金で万一に備えていただくということで、基本共済に加えて生命、医療、個人賠償、そして所得補償というオプション加入もできるようにしてきたところです。更には、フリーランスの方々の課題を可視化しながら解決を進めていくために、Wor-Qアドバイザリーボードの設置やフリーランスサミットの開催にも取り組んできました。
10ページには、先月の11月30日に開催しましたフリーランスサミットの様子を掲載しているので、御覧いただければと思います。
続いて、11ページを御覧ください。ここでは、連合フリーランス労災保険センターにおける特別加入・脱退・労災給付の請求等の各種支援の具体的取組について御説明申し上げたいと思います。先ほど申し上げましたとおり、弊センターでは全国47都道府県の加入希望者の訪問可能な窓口を設置し、その地方の窓口と本部が連携をしながら特別加入の申込み、更には脱退、そして保険給付事務等の各種手続の支援にきめ細かく対応できる体制を整え、対応させていただいているところです。
12ページを御覧ください。その具体的なイメージです。弊センターでは、まず、特別加入制度のPRをして制度の理解を浸透させることと、災害防止教育を行うことにしております。また、特別加入事務等、更には電話やメールなどの相談・問合せ対応については、労働組合福祉協会様に委託していますが、この委託に当たっては、福祉協会と両者で綿密な連携を取り、加入状況や加入者の労災事故の状況も共有する体制を取っています。なお、この労働組合福祉協会については、社会保険労務士の事務所の併設をしておりまして、給付金の請求事務をはじめ、事務処理全般について連携をし、対応させていただいているところです。労働組合福祉協会の詳細は16ページに記載しておりますので、御覧いただければと思います。いずれにしても、相談・問合せ等について全国の相談窓口に来ることもありますし、労働組合福祉協会とも綿密に連携を取りながら、加入者が困らないようにスムーズな対応に努めています。
13ページを御覧ください。災害防止教育について御説明申し上げたいと思います。スライドの上のほうにありますが、連合では第14次労働災害防止計画を踏まえて、「労働安全衛生の取り組み指針」を策定しております。その中でフリーランスの方も含めて職場で災害防止をしていく考え方を打ち出しており、弊センターとしても災害防止教育は特別加入団体の極めて重要な役割だと認識をしています。弊センターでは災害防止規程を策定した上で、しっかりとした災害防止教育を行っていくという観点で事業運営をしてまいります。
14ページを御覧ください。具体的な実施計画です。加入者との関係で言えば、当然加入時が大きな接点でもありますので、加入時にしっかりフォローすることに加え、加入者全員を対象に毎年6月から7月を目途に災害防止に関する研修を実施する予定です。ただ、今回、加入者がフリーランス全般ということもありますので、災害防止教育の内容についても、まずは全業種に共通するような基本的な災害防止知識の啓発を行ってまいりたいと思っています。その上で、業種別、作業別にフィットするような研修も実施したいと考えています。こちらについては加入状況を踏まえて業種や作業のメニューの拡充を図っていきたいと思っております。
最後に15ページを御覧ください。現時点の加入状況とその属性について御説明申し上げたいと思います。12月4日時点の加入者数は331名です。その属性ですが、性別では約75%の方が男性、年代別では御覧のとおり、50歳代がボリュームゾーンになっていますが、幅広い年代の方が加入されています。そして、地域別には、やはり、7大都市圏が多いのですが、ほぼ全ての県からの申込みを頂いているところです。それから職種ですが、異なる分野の業務を兼業されている方も多くいますが、便宜的に集計をしたところ、電気、機械等の技術者、更には土木・建設・建築に付随する業務の方が多くなっています。ちなみに、直近、12月16日現在の加入者数は435名となり、12月4日時点から100名増という状況になっています。その他、詳細はお読みいただければと思います。
最後になりましたが、連合は雇用で働く者だけではなく、フリーランスも含む全ての働く仲間の「必ず側にいる存在」であり続けるために、社会的役割として連合フリーランス労災保険センターを設置いたしました。この決意を持って今後も特別加入団体を運営していきたいと思います。以上、私からの説明は終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。
○守島部会長 北野様、ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関しまして御意見、御質問があればお伺いしたいと思います。会場の方は挙手をしていただいて、オンラインの方はチャットのメッセージから発言希望と書いていただくか、挙手ボタンで御連絡をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。平川委員、お願いいたします。
○平川委員 御説明ありがとうございました。私から1点質問させていただきたいと思います。15ページの加入者属性を見ますと、年代別では50歳代以降の方で190名、半数以上を占めているといった状況です。この点、災害防止教育についてはまずは全業種共通の内容でやっていくということではありますが、若者と高齢者の方では災害防止の視点も異なると思われます。ついては、高齢者に適した特別な内容の災害防止の研修というのを、今後行う予定があるのかについてお聞かせください。お願いします。
○守島部会長 お願いします。
○連合フリーランス労災保険センター 御質問ありがとうございました。高齢者の災害防止リスクを踏まえ、特別な研修を行う予定はあるのかという御質問だと受け止めました。加入者のニーズに答えて災害防止教育を拡充するということは本当に重要なことだと思っており、特に高齢者には、転倒災害や腰痛などになりやすいという特性があるということも重々承知しております。そうしたことも頭に入れながら、今後研修内容の充実も検討したいと思っておりますが、まずは1人でも多くの方に御加入いただき、しっかりとした研修ができるよう体制整備に努め、必要に応じて検討させていただきたいと思っております。
○平川委員 ありがとうございます。まずは、はじめの全業種共通の教育というところで、いろいろとニーズや御意見等が研修の中で出てくると思いますので、引き続き、それぞれの実態に即した実のある研修をよろしくお願いします。ありがとうございました。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見のある方。立川委員、お願いいたします。
○立川委員 説明ありがとうございました。加入の実務について少し確認をさせていただければと思います。様々な業種の方が加入相談に来られると思っているのですが、そのような中で、既に特別加入制度がある業種とのすみ分けが難しい事例もあるのではないかと思います。そのようなときに、どのような対応をされているのか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○連合フリーランス労災保険センター ありがとうございました。業種のすみ分けの問題は、非常に大きな課題だと思っております。実務としては、既にある特別加入業種に該当するという方がいらっしゃった場合は、厚労省のサイトに掲載されている特別加入団体の一覧を御案内させていただいたり、場合によっては、加入可能な特別加入団体を調べて紹介もさせていただいたりしているところです。
業種の問題で特に多いのが建設や貨物運送、そして介護、家事の支援従事者でして、さらにITフリーランス、芸能という方も課題が多いところです。センターでどの業種に当てはまるかという判断に困る場合は、1件1件、労働局に問合せをさせていただいています。
ただ、ここで問題がありまして、労働局の判断が局ごとによって異なることや、後から判断が変更された場合もあるということです。1つ例を出させていただきますと、ある県の労働局では、電気保安業の方が、建設業の一人親方の特別加入では入れないからということで、弊センターのフリーランスの特別加入で対応をしてほしいと言われたのですが、別の県では逆のことを言われたということもあります。私どもが労働局に確認する労力も大変でありますが、何よりも希望者がたらい回しにならないようにしたい。こういう状況があることは本当に心苦しいと思っています。
そこで、これは厚生労働省へのお願いにもなるのかもしれませんが、特別加入団体の枠組みを作った以上は、これは厚生労働省本省としてきちんとした統一的な見解も示していただければ有り難いと思っているところです。
○立川委員 ありがとうございました。今、北野さんからお話がありましたが、厚生労働省本省としても、業種のすみ分けがはっきり分かるような見解を示していただいて、加入者や労働局が混乱しないような形で制度運営ができるようにお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。オンラインの武林委員が手を挙げてらっしゃいます。どうぞ。
○武林委員 ありがとうございます。1点伺いたいのですが、この仕組みの場合に、普通に会社員で働いている方が、兼業・副業としてフリーランスで働くということも想定されていると思うのですが、そのような方は、フリーランス事業については、ここに加入することができる制度になっているという理解で合っておりますでしょうか。
○連合フリーランス労災保険センター 兼業であっても、特定受託事業者で対象業種の方であれば可能だと認識をしております。
○武林委員 これまでには、そういう方は実績として加入をされているのか、あるいは何かアプローチをされたようなことはあるのでしょうか。
○連合フリーランス労災保険センター 詳細に兼業の状況を把握しておりませんので、そのような実績があるかどうかは、現時点では確認できておりません。
○武林委員 分かりました。今、議論されているように、やはり、こういう方たちの長時間労働への懸念ということは社会的には結構共有されているかと思いますので、先ほど御説明があった教育等の中でも、そういった観点で、是非早めに入れていただいて、やっていただくといいのかなと思いましたので、コメントさせていただきました。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。続いて、オンラインの水島委員、お願いいたします。
○水島委員 水島でございます。北野様、本日は御説明を頂き、ありがとうございました。加入状況について伺います。連合フリーランス労災保険センターさんのホームページを拝見しますと、先着1,000名、入会金・会費等無料とありまして、先ほどの御説明でも1か月ちょっとで約400名が加入したということは、非常に加入が進んでいるという印象を受けましたが、連合さんのほうで、これが予想どおりであったかということを伺わせていただきたいと思います
それから、もう1点は、この入会金・会費等無料に関して、このように無料というふうに打ち出されたのは、加入者を増やすための取組と理解いたしましたが、ただ今後、この1,000人を超えた場合に、会費の負担を重く感じて、加入を躊躇される方も出てくるように思います。この点につきまして、何かお考え、御意見がありましたら教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○連合フリーランス労災保険センター 御質問ありがとうございました。先ほど、現時点の加入者数を申し上げましたが、我々がまず重要であると考えているのは、フリーランスの方が安心・安全に働いていただくために、1人でも多くの方に労災保険に入っていただきたいということであり、具体的な加入者の目標などは明示しておりませんでした。
ただし、冒頭に申し上げたとおり、弊センターも加入者から頂く会費で運営させていただくことになりますので、収支を度外視した運営ということは考えていません。経営的な言い方をしますと、損益分岐点はどこなのかということも念頭に置きながら、安心して事業継続できる、持続可能な事業運営に努めてまいりたいと思っています。そういう意味では、まずは加入の入口に対するハードルを少しでも下げることで加入の勢いがつくのではないかと考えて「トリプル0キャンペーン」という名称で1,000名限定でスタートを打たせていただいたということです。先生がおっしゃるとおり、それが今後どう影響するかというのは十分精査できておりませんが、いずれにしましても、安定的に持続可能な事業運営をし、フリーランスの皆様の労働安全意識の向上、更には安心・安全に働ける環境整備に向けて、連合として、弊センターとして対応していきたいと思っております。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかにどなたかいらっしゃいますでしょうか。松尾委員、よろしくお願いいたします。
○松尾委員 全建総連の松尾です。まずは今の取組に敬意を表したいと思います。その中で、フリーランス、建設で言うと一人親方等も、現場での一人作業というのが多くなると、先ほど出たような長時間労働も含めて、あらゆる業種でそういうことが想定される中でその辺の自覚的な、作業の関係で自分が体を壊してしまう、あるいは体調が悪くて通勤で現場へ行くときに事故に巻き込まれることも考えられると思います。その辺の支援事業等については、どのような形を考えてらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
○連合フリーランス労災保険センター 御質問ありがとうございました。当センターの災害防止規程の中にも、交通災害防止というのは基本中の基本で入れさせていただいております。加入状況などを分析すると、フリーランスの方も拠点の移動が多い方が移動中のケガや事故などを心配されて加入意向を示している、または加入意識が高かったということもあります。したがって、先ほど申し上げたように、交通災害防止に向けた意識啓発については、災害防止研修等の中で充実をさせてまいりたいと思っております。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかにどなたか。坂下委員、お願いいたします。
○坂下委員 経団連の坂下です。本日は御説明いただきましてありがとうございます。また、丁寧な資料も御用意いただきましてありがとうございます。質問を幾つかさせていただきたいと思います。
まず、先ほどの御説明の中で、12月4日現在の加入者が331人で、そこから100人増えたということですが、増えた100人の傾向は、331人時点の傾向と同様に、高齢の方や建設や技術者が多いのか、その辺りについて教えてください。
次に、大変関心を持っおりますのが、資料の14ページです。特別加入団体にはこの安全教育、災害防止教育に対する期待が非常に高くございます。加入者全員を対象とした研修や加入時のフォローアップなど、きめ細かく対応していただいていることに感謝申し上げます。他方で、業種別・作業別については、今後、加入状況を見ながらということだと思いますが、現時点で予定されていることや、代表的なものでも結構ですので、もう少し具体的に教えていただければと思います。
また、昨年の11月20日の労災保険部会の議論の中で、労災防止教育のカリキュラム内容、教材については、当面の間、厚生労働省が関与して作成するということが記載されていたと思いますが、その状況につきまして、これはどちらにお聞きしたらよいか分かりませんが、教えていただければと思います。
最後に、連合フリーランス労災保険センター様の略称をどのような呼び方すればよろしいか教えてください。
○連合フリーランス労災保険センター ありがとうございました。4つほど頂いたと思います。少し認識が間違っていれば、もう一度質問いただければと思います。
1つ目は、12月4日から12月16日にかけて加入者が100名増えているが、その100名の属性をどのように分析しているのかということでしたが、その部分に特化した分析はしておりません。ただし、12月4日時点は資料15ページに記載した属性ですので、技術者が多く、社労士、弁護士という士業も多かったという分析しています。また、年齢別には50歳代以上が多かったところです。
それから2つ目、業種別・作業別に検討している災害防止教育の具体的な内容はというご質問についてです。これは、3つ目としてご質問がありました、厚生労働省が作成を進めているフリーランス全般に関わる災害防止に向けた研修素材である「フリーランスの業務災害防止テキスト」が出来た段階において、それをベースに、適宜アレンジしながら、加入実態に合った研修内容の中身にしてまいりたいと思っております。業種別に1つ1つ作るというのは、今回の加入対象が全業種にまたがりますし、兼業されている方も視野に入れると大変ですので、まずは屋内作業、屋外作業という作業別に災害防止教育のメニューを用意することは必要なのではないかと現時点で思っているところです。厚生労働省と連携しつつということになりますが、今頂いた意見も踏まえ、加入状況、更には今後の受講者の反応なども見て、業種ごと、若しくは作業ごとに選択可能な教育メニューのような拡充も検討していく必要があると認識しております。2つ目と3つ目が重なりますが、お答えになっていれば有り難いと思います。以上でございます。
○坂下委員 略称に関してはいかがですか。
○連合フリーランス労災保険センター 失礼しました。我々の中では「フリホケ」と呼んでおります。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。中野委員、お願いいたします。
○中野委員 ありがとうございます。2点、お伺いしたく思います。1点目は、以前にフリーランスの方々への特別加入を検討した際に拝見した資料などですと、フリーランスの方は全国に1万人を超えるほどいらっしゃるという統計も出ておりました。加入開始から1か月で300人、400人というペースは、先ほども目標値を定めていたわけではないというお話もありましたが、スタートとしては割と順調なのかなと思います。一方で、潜在的なニーズに対してはまだまだ足りていないのではないかと思えるようなところもあります。任意での加入ですので、フリーランスの方たち御自身が入りたいと思わなければ、なかなか入ってはいただけないのですが、加入の促進や広報といったところを、どのように取り組んでいかれるのかというのが1点目です。
それから、もう1点は、もともと連合さんのWor-Qという仕組で団体共済を提供していらっしゃったということで、もともと提供していらっしゃった共済保険と、この特別加入の仕組みとのすみ分け、役割分担といったようなものは、どのようになっているのかということをお伺いしたいと思いました。お願いします。
○連合フリーランス労災保険センター ありがとうございました。弊センターとしても、制度開始から1か月少々で400名の方にご加入いただいたことは有り難いと思っております。一方で先生がおっしゃるとおり、潜在的ニーズをまだ掘り起こしていないという前に、やはり労災保険特別加入制度を、もっと言えばフリーランスの全業種が対象となった本制度が11月1日から始まっているということがまだまだ知られていないのではないかと思っています。今回、問合せが早々にあったというのは、報道を見た、厚生労働省のサイトを見た、労働局や労働基準監督署からの紹介があったということで、実はどちらかというと、労災保険制度の特別加入自体をを知っている方が加入できると知ったというケースが多くいらっしゃったと思います。そういう意味では、これから本当にこのニーズを掘り起こしていくためには、まず制度をしっかり周知をしていくということが重要だと思っています。今、連合ではあらゆるSNSも使いながら、まず制度の発信をさせていただいているということですので、今後もこの点に力を入れながら対応してまいりたいと思っております。また、いろいろな業界にも働き掛けをできればと思っているところでございます。
それから、2つ目です。Wor-Q共済とのすみ分けです。労災保険の特別加入制度は国の制度ですので、Wor-Q共済は、そこでカバーできない部分を任意で入っていただくというものです。そういう意味では、すみ分けはできていると考えています。したがって、まずはしっかり労災保険の特別加入をしていただき、その上乗せとして賠償補償や所得補償といったオプションも含めて、任意でWor-Q共済にご加入いただきたいという思いです。ただ、我々のWor-Q共済は余り広がっていないので、その点は課題であると考えています。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。ありがとうございます。それでは、この議題についてはこのぐらいとしたいと思います。委員の皆様におかれましては、本日お聞きした内容について今後の議論の参考にしていただければと思います。
では、次の議題に移ります。次の議題は、労災保険財政懇談会についてとなります。まず、事務局より御説明をお願いいたします。
○労災保険財政数理室長 労災保険財政懇談会について、御報告させていただきます。資料は、お手元に配布しております資料2と参考資料1を用いて御説明いたします。まず、この労災保険財政懇談会は、労災保険財政を取り巻く経済情勢の動向を踏まえつつ、賃金上昇率や運用利回りの設定を含む責任準備金の算定方法や労災保険財政に係る課題等を検証するため、社会保障や保険数理の外部有識者から専門的知見に基づく御意見を頂き、検討に資することとするということで実施しているものです。
令和5年度の責任準備金の算定について、簡単に御説明申し上げます。参考資料1を御覧ください。こちらが本年9月30日に開催いたしました労災保険財政懇談会の資料です。通し番号の6ページを御覧ください。こちらに、労災保険の積立金・責任準備金についてというところを記載しております。御案内のとおり、労災保険では将来にわたって長期間の給付を行う年金給付がありますので、その原資を積立金という形で保有しております。令和5年度末で、上の「積立金について」の枠の中の一番下の行に書いてありますとおり、7兆8,454億円となっております。
続きまして、その下の「責任準備金について」という所ですが、これは現に年金給付を受けておられる被災者又は御遺族に対して、今後、将来にわたって支払うこととなる年金給付額の総額を、保険数理に基づいて現価計算した額で、令和5年度末における責任準備金は、一番下の行に書いてありますとおり、7兆7,167億円となっております。
この積立金の額と責任準備金の額を見比べていただきますと、積立金が責任準備金を上回っておりますので、被災者又は御遺族に、将来にわたって確実に年金をお支払いできる財政状況になっているということが御理解いただけるかと思います。
この令和5年度末の責任準備金の算出には、将来の賃金上昇率と予定運用利回りを設定する必要があります。同じく通し番号の17ページを御覧ください。賃金上昇率の設定についてという所ですが、長期にわたって年金を受給する方の年金額に現実の稼得能力を反映させるために、年金給付額を賃金上昇率で毎年スライドしておりますので、責任準備金の算定でも賃金上昇率を掛けまして、将来の年金給付額を算出しております。これまでの財政懇談会の議論に加えまして、昨今の経済情勢や政府見通し等を基に賃金上昇率を、1.7%と設定しております。
続きまして、通し番号の22ページを御覧ください。運用利回りの設定についてです。労災保険では、積立金の全額を財務省の財政融資資金に預託するとされておりますので、利子収入があります。今後6年間で予定される平均の利回りを基に運用利回りの設定を、1.12%としております。将来の年金給付額を現価計算して責任準備金を算出しております。
続きまして、資料2を御覧ください。こちらが、先ほど御説明した資料を用いて開催いたしました労災保険財政懇談会の場で頂いた御意見です。4つありますが、まず、1つ目の丸印で、責任準備金の算定の基礎となる賃金上昇率1.7%及び運用利回り1.12%について、内閣府の中長期試算による経済見通しや財政融資資金に預託している預託金利を参考に設定したことについて、おおむね問題はないとの御意見を頂いております。
2つ目は、厚生年金の給付にあるマクロ経済スライドや物価スライドといった労災保険制度のスライドと異なる仕組みを有することから、今後、責任準備金の算定方法を見直す場合には、厚生年金との併給調整の影響を考慮することの是非について検討するよう御意見を頂きました。
3つ目は、責任準備金の算定等について、近年、高齢者の就労や外国人労働者が増えていることから、今後、労働災害の性質が変化する可能性があり、これらの傾向については都度把握しておくことが非常に重要であるとの御意見を頂きました。
最後の4つ目は、責任準備金の算定に用いる残存表について、現状、年金を支給する事由が生じた日から起算して、受給権を失うまでの残存実績等から作成しているが、今後、年金受給者の高齢化が考えられることから、年齢別の死亡傾向を残存表に反映してはどうかとの御意見を頂きました。労災保険財政懇談会に関する御報告は以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見、御質問を受けたいと思います。先ほどと同じように会場の方は挙手を、オンラインの方はチャットでの発言希望、若しくは挙手ボタンで御連絡をお願いいたします。最川委員、お願いします。
○最川委員 西松建設の最川と申します。御説明ありがとうございました。少し質問させていただきたいのですが、参考資料1の通し番号14ページ、責任準備金の算定についての所で少し気になる点がありましたので教えていただければと思います。14ページの一番上の「新規受給者数」の所で令和4年度と令和5年度の表があるのですが、その中で「傷病(補償)年金」の「じん肺」の新規受給者数が令和4年度は129名だったのに対して、令和5年度が457名と、おおよそ3倍に増えています。これが続くようだと責任準備金の計算にも関わってきますので、その辺りの増えた理由等を、もし把握していれば教えていただきたいと思います。以上です。
○労災保険業務課長 御質問ありがとうございます。労災保険業務課の田中と申します。最川委員から御指摘がありました「じん肺」の新規受給者が129から457と3倍強になっているというところですが、明らかに例年の傾向とも違っておりまして、ここの数字につきましては、その増加した要因を現在調査中ですので、また改めてということにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○最川委員 現時点でも、次回のときでもいいのですが、私の認識では、じん肺はトンネルじん肺が結構、主だったと思うのですが、その辺りのトンネルじん肺は、私の印象では年々減ってきているという印象がありましたので、これはトンネルじん肺が増えたのか、それ以外のじん肺が増えていってるのか、その辺りの要素も一緒に調査していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○労災保険業務課長 承知しました。ありがとうございます。
○守島部会長 それでは、砂原委員、お願いします。
○砂原委員 今のことに関連しまして、新規は増えているにもかかわらず、現在の受給者数はむしろ減っているという形なので、そこも併せて御確認いただければと思いました。以上です。
○労災保険業務課長 新規のこの増加自体が、数値について少し疑問がありますので、全体的には、もう減少傾向にあるのはトレンドとして間違いはないのですが、その辺りも含めて調査をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。オンラインの方もよろしいですか。ありがとうございました。では、特段の意見はないようですので、この議題は終わりにさせていただきたいと思います。
次の議題は、令和6年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会についてです。まず、事務局から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 それでは、先月の11月25日ですけれども、今年度の第2回社会復帰促進等事業に関する検討会が開催されました。この第2回の検討会では、来年度の概算要求の概要及び労災保険経済概況についてというものと、社会復帰促進等事業の主な新規拡充事業について御説明いたしまして、委員の皆様から様々な御意見を頂いたところです。簡単ですが、当日、御説明した資料の内容と主な御意見を御報告させていただきます。検討会で説明した資料ですが、お手元に参考2ということで分厚い資料がございますけれども、そちらのほうでポイントを絞って簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
資料1を御覧ください。参考資料のほうの1です。こちらは横表になっていますけれども、労働保険特別会計労災勘定に来年度概算要求の内容をお示しするものです。労災勘定における歳入が1兆2,392億円、前年度比で210億円の減、歳出が1兆975億円で前年度比74億円の増となっています。主な増減の内訳は下のほうの黄色い所に書いています。左側の歳入ですが、雇用者所得の増等によって保険料収入が158億円増と見込まれる一方で、繰入未済金と言いまして、これは前年度までに歳入計上されていない保険料収入に当たるわけですけれども、これが291億円減と、ここが大きな要因となって歳入としては減となっています。一方で、右側の歳出ですけれども、保険給付費や特別支給金の支給実績の減によりまして、前年度64億円の減を見込む一方、社会復帰促進等事業費の所は、主に未払賃金立替払いの増などによりまして42億円の増、事務費の所も、各種システム経費の増などによりまして120億円の増となっています。
資料2から資料5までは、労災勘定全体、社会復帰促進等事業費の内訳や推移についての資料です。適宜、御参照いただければと思います。
資料6を御覧ください。こちらは未払賃金立替払事業の推移をお示ししています。特に2ページ目の今年度上半期の立替払いの状況ですが、こちらを見ますと、対前年度同時期と比べて2割ほど増となっているものです。
資料7以降は、個別の施策に関する概算要求の状況ということで、資料8は来年度の概算要求における主な新規拡充施策をお示しするものです。内容がかなり多いのでこの場での説明は割愛させていただきます。簡単ですが、以上が当日の説明資料となります。御説明した資料を基に様々な御意見を頂いた結果につきましては、部会の資料3を御覧ください。議事要旨を資料3でお配りしていますので、そちらを御覧いただければと思います。
1ページですが、こちらは総論的な御意見の所です。1つ目の○は、先ほど説明を割愛しましたが、資料3につきまして未払賃金立替払事業を含む決算額が記載されている所ですけれども、これを除いた決算額も示してほしいといった御要望を頂き、次回以降、対応したいと思っています。2つ目から4つ目の○が、社会復帰促進等事業における各種の事業につきまして、PDCAサイクルを回して自己評価している点を評価するといった御意見を頂いたのと併せて、引き続き予算の縮減や、効果的、効率的な事業運営に努めていただきたいといった御意見も頂戴しているところです。
2ページを御覧ください。2ページ目からは個別の事業についての御意見を頂いたところです。№7の労災疾病臨床研究補助金事業ですが、こちらは被災労働者の早期の職場復帰などに寄与する研究を行う研究者を公募し、その研究に必要な経費を補助するものです。令和7年度から様々な研究を新たに実施することになったことから、予算が増額となったわけですけれども、こちらについて本事業として必要な研究を精査していただき、増額幅が最小限となるように努力いただきたいといった御意見を頂戴しています。
№20の職場における化学物質管理の総合対策の事業は、化学物質の危険有害性の情報伝達に必要なラベル表示、SDS、安全データシートなど、化学物質の管理に関する相談窓口の設置などを行う事業です。こちら、令和7年度はSDS、安全データシートの標準化、電子化の推進等を進めるための補助金事業を、新たに実施する関係から増額となったところです。その中の1ポツ目にありますように、今後一層、電子化・標準化についての需要が高まっていく中で、こうした事業が行われることは評価したいといった御意見を頂戴しています。
№25の職場におけるハラスメントへの対応事業です。こちらはハラスメントに係る周知・啓発などを実施する事業ですけれども、ハラスメント事案の解決のための伴走型支援事業を新たに実施することなどから増額となっています。これに対しては、2ポツ目にありますとおり、増額内容についての重要性は理解するが、令和5年度はD評価であったことから、本来は事業の廃止又は大胆な見直しが必要であることに留意いただきたい、といった御意見を頂戴しています。
№27の第三次産業労働災害防止対策支援等事業です。こちらは第三次産業における転倒や腰痛などの労働災害防止や、高齢労働者の労災防止の取組支援であるエイジフレンドリー補助金事業などを実施する事業です。特にエイジフレンドリー補助金の新たなコース設定によって増額をしているものです。これに対しては、エイジフレンドリー補助金の拡充は歓迎したいといった御意見を頂戴しています。
一番下、№33の外国人技能実習機構の交付金です。こちらは令和9年度の育成就労制度の開始を見据え、機構のシステム開発や人員など体制整備に必要な予算を確保いただきたいといった御意見を頂戴しています。
3ページになります。№35の産業医学振興経費です。こちらは産業医学振興財団や産業医科大学に対する補助を行う事業です。この補助金においては、産業医科大学の学生に対する就学資金の貸与を行っているところですが、産業医の離脱対策は厚労省としてもフォローして、安定した事業運営をしていただきたいといった御意見を頂戴しています。
№36の未払賃金立替払事務実施費につきましては、御案内のとおり、立替払い額が増えていることから、必要な予算を確保いただき、年度途中で支払えなくなったということがないようにしていただきたいといった御意見を頂戴しています。
№37の過重労働の解消などの事業につきましては、働き方改革推進支援センターの設置や働き方改革推進支援助成金による中小企業、小規模事業者への助成措置などを実施する事業です。こちらについては中小企業や働く人の実情を踏まえて、働き方改革の趣旨や狙い、事業者、労働者のメリットを改めて周知いただき、引き続き手厚い支援をお願いしたいといった御意見を頂いています。
№41の独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費の事業につきましては、足下の大きな労働環境の変化についての調査研究をしっかり進めて、今後の施策にいかしていただきたいといった御意見を頂いています。
最後、新規事業ですが、フリーランスに対する相談支援等の環境整備事業につきましては、今年度は一般会計のみで予算措置されているところですけれども、来年度からは労災勘定にて経費の負担を行うため、新規事業として掲載しているというものです。これに対しては、労災の相談がどれほどの件数か分からない中で施策の重要性を考えると、一般会計で措置すべきではないかといった御意見を頂いたところです。
以上が検討会の御説明になりますが、11月25日の検討会以後の動きとして1つあるのが、現在、国会で審議中の補正予算がございます。労災勘定においても労災勘定で措置したものが2点ほどございます。まず、資料6でも御説明しましたが、未払賃金立替払事業につきましては、足下の執行が延びていることを踏まえまして、24億円の追加をしているところです。もう1つ、全国の労災病院におきまして医療DXのためのシステム更改の経費として、7億円の追加をしているところです。以上、その後の動きとして補足させていただきました。私からの説明は以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関しまして御意見、御質問がある方はお願いしたいと思います。先ほどと同じルーティンでお願いしたいと思います。花烏賊委員、お願いいたします。
○花烏賊委員 御説明ありがとうございました。意見を2つ申し述べます。まず未払賃金立替払事業についてです。この事業は、御説明にもありましたとおり令和7年度の概算要求上、大幅な増額要求となっております。令和6年度は半期で半分以上の予算を消化したために補正予算で24億円積み増しているという御説明もありましたが、次年度以降、予算不足で円滑な支払いに支障を来すことのないよう、本予算をしっかり確保していただきたいと思います。
次に、働く女性の健康支援事業についてです。この事業はD評価を受け減額要求となっています。しかし、現在、雇用環境・均等分科会で行われている女性活躍推進法改正の議論においても、働く女性の健康支援の重要性を踏まえ、どのように推進をしていくかが議論になっています。そうした中、本当に減額要求でいいのかというところを懸念しています。制度改正のタイミングであることも踏まえ、この健康支援の取組が後退しないよう、行政としてしっかりと対応いただきたいと思います。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問のある方、いらっしゃいますか。平川委員、お願いいたします。
○平川委員 1点、産業医学振興経費についてお願いをさせていただきたいと思います。この振興経費については、これまでも労側から産業医の育成などの観点から重要性を訴えてきたところであり、令和7年度概算要求上増額要求とした点については評価をしたいと思います。前回の部会でも労側から指摘させていただきましたが、中小企業や地方におきましては、専任の産業医が不足しているといった状況が続いており、その状況は深刻化していると認識しています。私の出身は製造業であり、製造業の現場作業従業員はみな安全に気をつけて作業をしていますし、会社のほうも、設備も含めた安全対策は重々やっているのですが、残念ながら災害が発生してしまっている現状があります。そうしたときに事業所ごとに産業医がいることが、我々の命、仲間の命を守るといった観点からも重要と考えていますので、引き続き、本取組を進めていただきたいと思います。また、安全衛生分科会でストレスチェックの全事業所への適用の拡大が検討されているとも聞いており、今後、ますます産業医の役割が重要性を増すと考えます。したがって産業医学振興経費については、しっかりと予算を確保して、産業医の育成と定着に努めていただきたいと考えています。よろしくお願いします。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問のある方はいらっしゃいますか。冨高委員お願いいたします。
○冨高委員 資料3の3ページ、新規のフリーランスの相談支援等の環境整備事業について、1つ意見、要望を申し上げたいと思います。資料に記載のとおり、社復事業懇談会においても、財源の出所についてはいろいろ意見があるものの施策自体は非常に重要だという意見があったようです。また、11月からフリーランス法が施行されたことも踏まえれば、我々もこの事業は非常に重要だと考えています。したがって、予算をしっかり確保してフリーランスの相談支援等の体制を整えていただきたいと思っているところです。
その上で、1つ課題提起したいのですが、2021年にJILPTが行った調査で、労基署で労働者性に疑義がある方が相談に行っても、労災保険の特別加入をしていると、労働者ではないと判断をされがちであるという分析内容が出ています。労災保険の特別加入制度は、フリーランスの方々が安心して働くことができるために非常に重要であると考えていますけれども、それが労働者性を否定するような要素として使われるのは本末転倒であると思います。労基署の実務においても、その点、しっかりと意識して対応していただきたいと思っていますので、要望として申し上げたいと思います。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。金井委員、お願いいたします。
○金井委員 №37の過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直しについてです。質問ですが、参考資料2の冊子で資料7の4/11ページに記載がありますが、この事業については、「働き方改革支援助成金」の支給実績とポータルサイトでの診断実績が目標未達成であったことを踏まえて、令和7年度の概算要求上は前年度比で2億円の減額要求となっています。この減額の内訳を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○守島部会長 ありがとうございます。どうされますか。
○労災管理課長 担当、条件政策課はいますか。
○労働条件政策課 労働条件政策課です。今、御質問いただきました減額になっている点ですが、働き方改革推進支援助成金については、まず増減の理由として、一応、この助成金については複数コースがございまして、一部のコースで利用が低調であったところがございましたので、令和7年度の要求の段階でそのコースごとの件数を見直したことにより、減になっているというものです。減額の金額としては、トータルで約7,000万円から8,000万円弱の金額が、この助成金のマイナス分ということになります。以上です。
○金井委員 ありがとうございます。助成金につきましては、勤務間インターバルの導入支援や年休取得に関わる助成コース等もあると聞いていますが、これらは今行われている労働基準法の見直しに関する有識者研究会の中で大きな論点になっていると認識しています。特に勤務間インターバルについては、義務化も視野に規制強化の議論が行われていると理解しています。概算要求済ではありますが、政策の整合性を取る観点からも予算はしっかり確保していくべきと考えていますので、意見として伝えさせていただきたいと思います。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見のある方はいらっしゃいますか。坂下委員、お願いいたします。
○坂下委員 経団連の坂下でございます。労災管理課長から補正予算の関係で、労災保険病院に7億円の追加という御説明がありましたが、その理由をもう少し御説明していただけますでしょうか。
○労災管理課長 計画課はいますか。
○安全衛生部計画課 安全衛生部計画課でございます。補正予算で計上させていただいているのは、労災病院は全部で29ございますが、引き続き医療DXに対応するためには、近々にシステム更改が到来する15の病院においてシステム更改を行う必要があり、その経費を計上したところ7億円ということです。
○坂下委員 システムの更改のための必要な経費として計上されているということですが、労災病院に関しては、労災病院そのものの効率化やスリム化等、様々な課題があると思います。今回、このような形になっていますが、労災病院の予算措置に関しましては、それぞれの労災病院の現状の経営状況等を踏まえた特例的な対応という理解でよろしいでしょうか。補正予算で追加を行うとしても継続的にということではないと理解していますが、よろしいでしょうか。
○安全衛生部計画課 ありがとうございます。今、お話いただいたとおりでございます。今の経営状況も踏まえ、医療DXに対応するためにはどうしても必要な経費ということで措置したものでありまして、特例的なものということで間違いございません。もともと労災病院は診療報酬を基礎としてやることになっていますので、その方針は一切変わってないということで御理解いただければと思います。
○守島部会長 砂原委員、お願いいたします。
○砂原委員 関連して御質問させてください。医療DXでシステム更新が必要ということでしたけれども、公的な色彩の強い医療機関としては、同様に国立病院機構の病院や、地域医療機能推進機構の病院、もっと言えば独立研究開発法人のがんセンター、循環器病センターというような病院もございます。それらと労災病院を比較した時に、同様・同水準の予算措置がされて、追加でこういう費用を出しているのかどうか。出していないのであれば、なぜ労災病院だけ出す必要があるのかを確認させていただきたいと思います。
○安全衛生部計画課 ありがとうございます。申し訳ないですが、NHOとかJCHOの状況はちょっと把握していないですが、病院全体が物価高の関係で非常に経営が厳しくなっていると聞いています。そのような中で健安機構については、令和5年度の決算や令和6年度の執行状況を踏まえ、医療DXへの対応や安全な医療の提供に支障を来すおそれがあるということで、国病機構などはそれぞれの判断だと思いますけれども、我々としてはそのような状況から予算措置が必要という判断をしたところです。
○砂原委員 ありがとうございます。そういう意味で、予算執行したものについてどうこう言うつもりはないのですが、今後のことを考える際に、生業はちょっと違いますけれども、同様な公的色彩の強い医療機関と比べて、この労災病院がどうなのかという比較を行った上で、予算措置をすることを是非御検討いただきたいと思いました。
○安全衛生部計画課 ありがとうございました。労災病院の設置は、もともと労働災害が発生しうる炭鉱や工場などが集まる地域に多く設置されておりまして、立地的に経営が厳しいという側面があります。労災病院を運営しているのは独立行政法人ですので、我々国が直接指示できるものではありませんが、収支改善に向けた取組をしっかりと進めるようお願いをしているところです。国のほうでもよくチェックしていきたいと思います。○守島部会長 どうぞ。
○審議官(労災、賃金担当) 審議官の田中でございます。補足ですけれども、医療DXの関係の御質問だったと思いますが、国病も含めて補正予算、あるいは来年度予算など、かなり力を入れて予算導入することになっています。額は手元にないのですが、そういう意味では流れに乗り遅れないようにということで、今回、措置をさせていただいているということでよろしくお願い申し上げます。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問のある方、いらっしゃいますか。ありがとうございます。オンラインの方も大丈夫ですね。それでは、この議題は終わりにさせていただきたいと思います。次の議題ですが、次は、労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況についてです。まず、事務局から御説明いただきたいと思います。
○労働保険徴収課長 労働保険徴収課長の宿里でございます。私から議題4の労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況についてのうち、労働保険関連手続に係る電子申請の状況について、資料4により御報告いたします。
資料4の1ページを御覧ください。オンライン利用率引上げに係る基本計画について御説明いたします。厚生労働省では、令和3年度に規制改革実施計画に基づき、年間10万件以上の手続について、オンライン利用率を引き上げるための「基本計画」を策定しました。
基本計画におきましては、対象事業ごとにオンライン利用率の目標値、オンライン利用率引上げに向けた課題、課題解決のためのアクションプランを定めております。このうち、労働保険関連手続につきましては、資料の対象手続に記載した労働保険料の申告等、5つの手続について、令和8年度末までにオンライン利用率を全体として30%に引き上げることを目標として定め、課題解決のためのアクションプランとして、資料のアクションプランに記載したa~eの取組を行うこととしております。基本計画につきましては、少なくとも年1回利用者目線での第三者チェックを受け、その結果を踏まえて見直しを行うこととしております。このため、毎年、基本計画に係る実績を労災保険部会に御報告し、委員の方々から御意見を頂くこととしているところです。
資料4の2ページを御覧ください。オンライン利用率の状況について御報告いたします。表2は、電子申請件数と電子申請利用率につきまして、昨年度の実績と今年度(上期)の速報値を記載しております。対象手続①~⑤までの合計で利用率は、昨年度の実績は22.3%、今年度(上期)の速報値では26.5%となっております。グラフには昨年度末の過去5年度の推移を記載しております。基本計画策定後の令和4年度以降の傾向からは、令和8年度末までに利用率を30%に引き上げるという目標を達成することは十分可能であると見込んでおります。
資料4の3ページを御覧ください。労働保険関連手続におけるアクションプランの履行状況について御報告いたします。いずれも継続的に取組を実施しているものですが、今年度においてはaに記載したとおり、オンライン申請に係る初期設定や申請方法の説明について、労働保険事務組合や社会保険労務士事務所にも対象を拡大したり、dに記載したとおり、年度更新期間においてテレビCMなどの広告媒体を利用して、更なる周知を図ったりするなど、取組の充実を図ったところです。今後も、引き続きオンライン利用率の進捗及びアクションプランの履行状況を踏まえ、効果的な取組方法等を検討し、オンライン利用率の引上げに取り組むこととしております。私からの御報告は以上です。よろしくお願いいたします。
○補償課長 引き続きまして、補償課長の児屋野でございます。特別加入の部分について説明申し上げます。重なっている部分は割愛させていただきまして、資料5の1ページを御覧ください。真ん中に労災保険加入についての対象手続を記載させていただいております。①特別加入に関する変更届(中小事業主等及び一人親方等)、②特別加入に関する変更届(海外派遣者)、③特別加入の申請、④特別加入の脱退の申請、⑤給付基礎日額の変更申請、特別加入のほうは、これら5つについて目標を定めて、目標に向けて努力しているところであります。このうち、①、②については、令和7年度末までに50%を目標、それから、③~⑤については20%に引き上げるという目標にしております。アクションプランにつきましては、その下に書かれておりますが、a、b、cというアクションプランを定めて進めているところです。
2ページです。令和5年度までの状況と、令和6年度上半期における途中経過の報告です。令和5年度末において、①②においては41.16%、あるいは42.55%というところでありまして、③以下は14.3%あるいは27.49%、7.57%というものです。途中報告でありますが、令和6年度上半期を見ていただきますと、右肩上がりになっています。下には、これまでの5年間についての流れをグラフで表しております。上の緑と青のものが50%目標の①、②でして、③以下が、27.43%のピンクから灰色、黄色の数字です。このうち、ピンク色で表している特別加入の脱退の申請については、目標である20%を超えています。それら以外については順当に右肩上がりですが、若干、黄色の所の給付基礎日額の変更申請が少し遅れているような状況です。
次のページです。アクションプランについての取組をまとめさせていただいております。令和6年度までの取り組みにおきましては、真ん中のbの所を中心に取り組んでおりまして、特別加入に関する変更届について、入力必須項目の所をハイライトで目立つようにしたりといったシステムの改修などを行っているところです。
また、令和5年2月27日にリリースした手続として、下の①~④について既にリリースしているという御報告です。引き続きアクションプランに基づいて、前向きに取組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。特別加入の部分は以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見や御質問がありましたらお受けしたいと思います。挙手でお願いします。オンラインの方も挙手でお知らせください。どなたかいらっしゃいますか。では、最川委員、お願いいたします。
○最川委員 西松建設の最川です。御説明ありがとうございました。基本的な考え方の話なのですけれども、オンライン化するのは私も賛成なのですが、オンライン化によってそれに携わる方の手間と時間が削減され、将来的に人数が削減されるようなことを目指していただいていると思うのですけれども、普及上昇率を見ると、大体2~5%で、このままいくと、完全に電子化になるには30年とか、そういう先の話です。その間は人でやるものと、オンライン申請を普及していくというダブルでお金が、多分今までよりも、この20、30年は余分なお金が掛かってくる。民間企業でいけば、例えば10年とか20年後に採算が取れるような、そういうところを目指してやっていくと思うのですけれども、来年度の何パーセント目標のようなものはあるのですが、最終的に、例えば10年後は電子申請だけにする目標があって、そこに目指してやっていくような、そういう目標値みたいなものがあって目指しているのなら、逆にそれを教えていただきたいのです。
○労働保険徴収課長 労働保険徴収課長の宿里です。御指摘ありがとうございます。現在のところは、将来的な絵姿というものを完全に描き切って、それに向けた取組を進めているという状況ではございません。オンライン申請について、普及は進んでいるのですが、一方で、思ったように普及が進んでいないところもあります。こうしたことについては、やはり、それ相応の事情というものが事業主のほうにもあるのかなと思っておりまして、将来は80%、100%といった目標を立てられる状況にはありません。引き続き、事業者、事業主の方々のニーズといったものがどのようなところにあるのかといったことも見極めながら、いろいろな施策を展開して、オンライン利用の普及の促進を図ってまいりたいと考えております。
ここに記載した取組のほかに、例えばシステムの改修などについても、計画的に取り組んでまいりたいと思いますので、まずは令和8年度末までの目標を達成して、その状況を踏まえて、更に将来に向けた取組ということを検討してまいりたいと考えております。直接の回答になっておりませんが、現在の認識は以上のとおりです。
○最川委員 なかなか100%の回答というのが難しいことは認識しているのですけれども、長中期目標というのか、少なくともそういうのを立てて、その効果の検証を含めて、特にオンラインはシステム改修とか、システムを維持するお金も掛かるので、それを継続的にずっとお金を掛けていくというのは、それは労災保険のお金なのでしょうか。本来、労災に遭われた方に支給するところがメインにならなければいけないところを、なるべくそれ以外のものを減らしていくという目標は常に立てていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
○労働保険徴収課長 御指摘ありがとうございます。オンライン化を進めていくということは、事業主の方々はじめ、国民の皆様の利便性の向上ということが、一つ効果としてありますが、御指摘のように、予算の執行を効率化していくという効果もあろうかと考えております。こうしたことを、ニーズを踏まえながら、また、効率化ということも十分に意識しながら、可能な限り長期的な取組、長期的な視点を持って、その下で今できることを考えていくと、そうした姿勢で臨んでいきたいと考えております。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御意見や御質問のある方はいらっしゃいますか。では、坂下委員、お願いいたします。
○坂下委員 だた今の最川委員からの御質問について、80%、100%というのは高い目標で、現時点では難しいということでございましたが、基本計画の対象手続について、電子申請の利用率が上がっているデータもお示しいただきましたので、引き続き、しっかりと対応していただきたいと思います。御尽力に感謝申し上げます。
2点ほど御質問したいと思います。1つは、資料4の2ページの⑤労働保険料/一般拠出金還付請求書の令和6年度上期が10.1%、令和5年度は7.5%となっているところと、資料5の2ページの、給付基礎日額の変更申請が令和5年度だと7.57%となっている点について、この両方とも⑤の所の数字が低いですが、ほかと比べて、ここが非常に低くなっている分析のようなものがあれば教えていただきたいと思います。
2点目は、資料5の2ページですが、特別加入の手続に関する手続の電子化、申請利用率について、令和5年度では特別加入の申請が14.3%しかないのですが、変更届については41.16%と、40%を超えていて、とても差がありますが、その理由について分かれば教えてください。
○労働保険徴収課長 御質問ありがとうございます。労働保険料等の還付請求書についてお答えを申し上げます。御指摘のとおり、労働保険関連手続のうち、還付請求書、これは過払いとなっていた労働保険料等があった場合に、還付を請求していただくという手続ですが、そのオンライン利用率が相対的に低くなっております。その要因について、詳しく調べたことはありませんので、推察を交えてお答えさせていただきます。1つは、この手続が過払いとなっていた労働保険料等があることが確認された場合に、都道府県労働局と事業主との間で還付金の額の確認などが行われ、こうした確認に引き続いて、還付請求書の提出がなされることが通常であります。また、還付請求書の提出は、事業の廃止後になされる場合も多いということがあります。このように、他の手続と比較すると事情が異なる面があります。
もう1つは、労働保険料の申告納付手続のオンライン申請につきましては、毎年度、年度更新が行われる時期に集中的に周知と利用勧奨を行っておりますが、還付請求の提出のような随時行われる手続については、オンライン申請に係る周知、利用勧奨が必ずしも徹底されていないこともあろうかと思っております。こうしたことを踏まえまして、今後は、引き続き実情の把握に努めながら、例えば労働保険料等の過払いがあったことが確認され、還付請求書の提出が予定されることとなった場合には、都道府県労働局においてオンライン申請について、併せて周知と利用勧奨を行うなど、効果的な対応を検討してまいりたいと考えております。私からは以上です。
○補償課長 引き続きまして、資料5の特別加入関係ですが、2ページの⑤の所の給付基礎日額の変更申請の率が低いという御指摘ですけれども、特別加入の給付基礎日額については、年度を通して同一金額でやってくださいというお願いをしてございまして、それに伴いまして、変更の申請については、年度末若しくは年度更新と合わせてやるという、その2つの方式がございます。このうち、年度更新に合わせてやるという手続については、実は所定の様式を提出せずにできるという、割と簡略にできるようなことになっておりまして、推算の域も出ませんけれども、そういうような簡便な手続ができるので、申請書を出さなくてもいいというようなことからも、少し利用率が落ちているのかなという感じがしております。
もう1つの御質問については、加入の申請と、変更届の電子の利用率に随分この差があるということですが、加入の申請については、中小事業主若しくは海外派遣あるいは一人親方と、それら全部が混ざった数字が出ておりまして、このうち一人親方の所だけ取り出すと、一番最も利用率が低くて、それが10%台ということになっております。一人親方等の特別加入団体は御案内のとおり、団体の適格の審査を行う必要があって、定款・約款あるいはその組織運営状況に関する書類あるいは災害防止の書類を添付してもらうことになっておりまして、1つの申請書に添付書類がたくさん付くようなこともあって、そういうものがもしかすると、申請の足を引っ張っているのかなという感じはしております。いずれにいたしましても、特別加入の諸手続、年度更新や労働保険事務組合の事務等と関係がありますので、連携しつつ、取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御質問や御意見のある方はいらっしゃいますか。大丈夫でしょうか。オンラインのほうは大丈夫ですか。ありがとうございます。それでは、この議題はここまでとさせていただきたいと思います。
次の議題はその他となっております。これについては、事務局より意見、報告事項がありますので、よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 それでは、御報告をさせていただきます。お手元に、労災保険制度の在り方に関する研究会の開催要綱という資料をお配りしているかと思いますが、そちらを御覧ください。
こうした研究会を新たに設置するという御報告になります。資料の趣旨・目的の所にもありますけれども、御案内のとおり、労災保険制度というのは、業務上の災害発生に際して、事業主の補償負担の緩和を図り、労働者に対する迅速かつ公正な保護を確保するために、昭和22年に制定されております。近年の改正としましては、二次健康診断等給付の創設は平成12年、通勤災害保護制度の拡充は平成17年、船員保険を統合した改正が平成19年、それから、直近が複数業務要因災害に関する保険給付を作り、これは令和2年に改正をしてきております。今般、女性の労働参加の進展や、更なる就業形態の多様化など、労災保険制度を取り巻く環境は、常に変化を続けているということも踏まえまして、労災保険制度の現代的な課題を包括的に検討することを目的に、表題にあります労災保険制度の在り方に関する研究会を設置することといたしました。
研究会のメンバーは、裏面のほうに一覧を載せております。社会保障の専門家、また、当部会の公益委員の法学者の先生方にも御参画いただくということにしております。第1回の会合は1週間後の12月24日の17時から予定しております。第1回では、学識者、参集者の皆様によるフリーディスカッションを予定しております。また、研究会での議論の成果につきましては、当部会にも改めて御報告をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。私からの御報告は以上になります。
○守島部会長 ありがとうございます。ただいまの研究会に関する御説明について、御意見や御質問がありましたらお伺いしたいと思います。特にありませんか。オンラインの方も大丈夫ですか。特段の御意見がないようですので、その他で何かありましたらお伺いいたしますけれども、いかがでしょうか。
それでは、本日予定した議題は以上となりますので、部会は終了させていただきたいと思います。次回の日程につきましては、事務局より、追って連絡することとさせていただきます。本日は以上となります。皆様お忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。