第208回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和6年9月27日(金)10:00~12:00

場所

会場
厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)
傍聴会場
厚生労働省 職業安定局第2会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)

議事

議事内容
2024-9-27 労働政策審議会職業安定分科会(第208回)
 
○山川分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第208回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
 皆様方、大変お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、議事に先立ちまして、職業安定分科会に新たに使用者代表委員として、三井倉庫株式会社代表取締役会長、久保高伸委員が就任されました。
 久保委員、一言御挨拶をお願いできるでしょうか。
○久保委員 久保でございます。
 御紹介いただきましたとおり、三井倉庫の代表取締役会長をしております。
 もともとは、私も10年以上前ですけれども、自動車業界におりまして、今は物流業界の三井倉庫という会社に勤務しております。限られたキャリアでありますし、知見も限られますけれども、一生懸命勉強もしながら、しっかりと役割を果たしていきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
○山川分科会長 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 本日の委員の御出欠ですが、労働者代表の小倉委員、石橋委員、使用者代表の小阪委員、砂子田委員、宮田委員が御欠席と伺っております。
 カメラ撮影がありましたら、ここまでとさせていただきます。
 本日の分科会は、Zoomによるオンラインと会場での開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局からお送りしております「職業安定分科会の開催参加方法について」に沿って御操作をお願いいたします。
 初めに、1点御連絡があります。2024年度の年度目標に対する第1四半期の実績につきまして、資料を机上に配付しておりますので、お知らせいたします。
 それでは、議題に移ります。
 最初の議題は「雇用保険法施行規則及び新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」でございます。
 それでは、事務局から説明をお願いします。
○岡雇用保険課長 雇用保険課でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料に沿って御説明いたします。
 資料1-1と1-2がございます。1-1のほうは、省令案要綱でございますので、資料1-2の概要に沿って御説明申し上げます。
 資料1-2の表紙をめくっていただきまして、省令案についてということで、2の「改正の概要」のところを御覧いただきたいと思います。
 先般、通常国会で成立しました雇用保険法等の一部を改正する法律の中で、基本手当の給付制限の見直しということで、自己都合の場合であっても自ら雇用安定及び就職の促進に資する訓練を行った場合は、給付制限を解除するという改正が行われました。その給付制限が解除されることとなる訓練の範囲を定めることとしてございます。
 ここに(1)から(4)までございますけれども、1つ目は、教育訓練給付の対象となる教育訓練。
 2つ目が、公共職業訓練。
 3つ目は、短期訓練受講費の支給対象となる教育訓練。これは、1つ目の教育訓練給付の支給対象となる教育訓練より期間が短いものということになります。
 4つ目として、これは、現時点では特に、この訓練といったものを想定しているものはありませんけれども、(1)から(3)までに掲げるもののほかで、被保険者または被保険者であった者が自発的に受講する訓練であって、雇用の安定及び就職の促進に資するものとして、職安定局長が定めるもの、この4つを省令で定めることを考えてございます。
 それから、次の黒ポツのところは手続でございまして、訓練の開始日あるいは終了日を確認することができる書類を安定所長のほうに出していただくということでございます。
 それから、2つ目の○でございますけれども、その他、雇用保険法施行規則及び臨時特例法の施行規則について、所要の改正ということで、法律のほうで就業手当の廃止が今回行われましたので、その要件等を定めております規定を削除するほか、臨時規則については、その規定の中で雇用保険法施行規則を引用している部分がありますけれども、雇用保険法施行規則のほうで、条ずれがありますので、そのハネ改正、形式改正を行うものでございます。それで、施行日については、令和7年の4月1日ということを予定してございます。
 なお、9月24日の雇用保険部会で、こちらについてお諮りいたしまして、おおむね妥当という結論をいただきました。
 議論の中で、先ほど給付制限の解除の(4)の訓練について、質の担保が図られるように十分注意してやってほしいという御意見をいただきましたので、その御意見を踏まえまして、今後しっかり運用していきたいと思っております。
 簡単でございますが、以上でございます。
○山川分科会長 それでは、本件につきまして、御質問、御意見等がありましたら、挙手またはZoomの方は手を挙げるボタンをクリックしていただいて、こちらで指名をさせていただいた後に、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 冨高委員、お願いします。
○冨高委員 ありがとうございます。
 雇用保険部会での発言は、先ほど事務局からもご説明いただきましたが、部会での意見を十分留意のうえ、制度の利用実績や、改正の効果も検証していただき、その結果などについて、当分科会に対しても適宜御報告いただければと思いますので、改めてお願い申し上げたいと思います。
 内容については、異論はございません。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 それでは、新田委員、お願いします。
○新田委員 御説明ありがとうございました。経団連の新田でございます。
 御説明いただいた諮問の内容につきましては、今回非常に多岐にわたる改正が行われた雇用保険法の施行に当たって、その規定整備の一環であると承知をしておりますし、今し方、冨高委員からも御紹介あったとおり、雇用保険部会で了承された内容ですので、私も異論ございません。
 今回の改正内容とその趣旨等が関係する多くの方々に正しく理解されるよう、周知を引き続きお願いしたいと思います。
 もう一点、給付制限を解除する訓練について申し上げます。改正の趣旨は労働者自らの雇用の安定と、再就職に資する訓練を受けた場合の給付制限解除と承知をしております。資料の1-2において、受講により給付制限を解除する訓練のうち、(4)で、安定局長が定めるものとあります。先ほど申し上げた改正の趣旨に照らして判断することが必要でありますし、(4)の規定に基づいて具体的に定める際には、必要に応じて雇用保険部会並びに職業安定分科会に相談、報告をするなど、適切に対応していただきたいと思います。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに特にございませんようでしたら、雇用保険部会の意見としても、おおむね妥当ということでございましたし、また、御要望等については、受け止めていただくということにいたしまして、当分科会としても、厚生労働省案をおおむね妥当と認めて、その旨、私から労働政策審議会会長宛てに御報告を申し上げたいと思いますが、そのようなことで、よろしいでしょうか。
 では、特段御意見はございませんでしたので、報告文案の表示をお願いします。
 この表示された報告文案によって労働政策審議会会長宛てに報告するということで、御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、御異議ございませんでしたので、そのように報告させていただきます。
 本議題につきましては以上になります。
 では、続きまして議題の2は「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」となります。
 事務局から説明をお願いします。
○岡雇用保険課長 それでは、資料の説明を申し上げます。
 資料2-1は、省令案要綱でございますので、資料2-2の概要のほうで御説明させていただきます。
 表紙をめくっていただきまして、まず、1ページ目の改正の概要の1つ目の○でございます。出生後休業支援給付金の創設に伴う省令の規定の整備でございます。
 1つ目のポツでございますけれども、出生後休業支援給付金の対象となる休業でございますけれども、育児休業給付金または出生児育児休業給付金の支給される休業が対象ということです。また、配偶者についても出生後休業を取っていただくということが要件になります。
 ただ、後で出てきますけれども、配偶者が休業することを要件としない場合、そういった場合も支給することになります。
 2つ目のポツでございますけれども、今、申し上げました、配偶者が休業の取得を要件としない場合として、配偶者のない者その他省令で定める者である場合ということで、対象となる子供が配偶者の子に該当しない者である場合等とすることと、それから、配偶者が休業することができない場合として省令で定める場合として、配偶者が日々雇用される者である場合等とするということでございます。
 2つ目のポツでございますけれども、出生後休業を分割して取得し、この給付金の支給を受けることができる場合として、育児休業給付金または出生児育児休業給付金の支給対象となる休業を分割して取得する場合ということになります。
 それから、次のポツでございますけれども、この給付金の支給申請手続は、原則として育児休業給付金または出生児育児休業給付金の支給申請と併せて行っていただくということでございます。
 以上が出生後休業支援給付金についてです。
 2つ目の○が、育児時短就業給付金の創設に伴う省令の規定の整備でございます。
 1つ目のポツは、申請手続の関係でございますけれども、支給申請書を提出する日までに賃金の証明書をハローワークのほうに出していただくということでございます。
 2つ目のポツでございますけれども、その給付については、被保険者が初日と末日を明らかにして、時短の申出を事業主にいたしまして、事業主がそれに基づいて時短措置を講じた、そういった就業であるということでございます。
 ただし、次の(1)から(4)のような事由に該当する場合は、その日まで、あるいはその日の前日までということでございます。
 1つ目が、子の死亡あるいは子供を養育しないこととなった事由が生じたこと。
 2つ目として、子が2歳に達したこと。
 3つ目として、被保険者が産前産後休業等を開始したこと。
 4つ目として、別の子供の時短就業を開始したこと、こういった場合については、それまでということになります。
 それから、その次の2つのポツがございますけれども、これは支給限度額についての規定を設けるということでございます。
 1つ目は、支給限度額の算定方法について、賃金構造基本統計調査の常用労働者の65歳未満の者が受けている一月当たりの決まって支給する現金給与額を4つの階層に分けまして、その一番上の階層の中間値を基礎として定めるということでございます。
 2つ目として、支払われた賃金の額が、時短の開始日の100分の90から100分の99までの間の場合は、100分の10から一定の割合で逓減する率を支給率として乗じるということで、その計算式を定めるものでございます。
 具体的には、ここにあります(1)に掲げる額から(2)と(3)の額を減じまして、それをまた(2)で割って得た率ということになります。
 具体的なイメージは、最後のページに図をつけてございます。
 その次のポツが、支給申請手続ですけれども、初めて支給を受けようとするときは、初日から起算して4か月以内に行っていただくということでございます。
 以上が時短就業給付金についてです。
 その次の○でございますけれども、これは、今回の法改正に伴うものではありませんけれども、日頃、現場のほうから上がってきた声を基に改正を行うものでございます。
 まず、1つ目が育児休業給付金の対象となる育児休業ですけれども、2回に分割して取得することができるわけですが、その例外として出向日の前日に育児休業している場合であって、出向日以後も引き続き休業するとき、こういった場合も追加するということでございます。
 これは、現行の取扱いでは、出向あるいは出向から戻ってくるときに、本人としては、引き続き休業している、同じ休業だと思っているわけですけれども、制度の扱いとしては、出向後は新たな休業を取ったという扱いにしておりまして、そうしますと、本人としては、次に分割取得をしたいと思ったときに、もう3回目になってしまうので、それは不合理ではないかということで、今回そういった場合は分割をできるようにしようというものが、この改正の内容でございます。
 次の○でございますけれども、出生児育児休業の支給申請手続につきまして、現行では、出生日から8週間を経過した日の翌日以降でないと、支給申請ができないという取扱いにしております。これは、出生時育児休業の休業が2回まで分割できるということと、通算で28日まで取れるということで、2回取る、あるいは28日通算するまで給付額全体が確定しないということで、現状では8週間を経過する日の後でないと、支給申請できないということにしております。ただ、最初からまとめて取ってしまった方、28日取ってしまった方、あるいはもう既に2回取ってしまった方も、8週間を経過しないと申請できないというのは、これも被保険者の方にとって合理的ではないだろうということで、既に2回取ってしまった場合、あるいは28日に達してしまった場合は、その翌日からも申請できるようにするものです。
 以上が、雇用保険法施行規則の改正の関係でございます。
 次に、社労士則の改正でございますけれども、社会保険労務士が行うことができる事務代理の範囲に、今回創設いたしました2つの給付についても対象とするという改正でございます。
 次のページに行きまして、生活保護法別表第一に規定する厚生労働省令で定める情報を定める省令の改正でございます。
 これは、生活保護の実施機関あるいは福祉事務所長の求めに応じて、厚生労働大臣が提供を行う情報として、現在も雇用保険法の各給付が定められてございます。
 これに、今回創設されます2つの給付についても追加をするということでございます。
 それから、その次のその他で関係省令について、所要の規定の整備を行うことということで、これは、高年齢者雇用安定法や、あるいは求職者支援法の施行規則について、ハネ改正、形式改正を行うものでございます。
 施行日でございますけれども、こちらも来年の4月1日の施行を予定してございます。
 なお、雇用保険部会では、制度が非常に複雑であるということもあって、周知をしっかりやってほしいという御意見をいただいております。
 また、この省令案については、おおむね妥当ということで御了承をいただいておるところでございます。御意見を踏まえまして、しっかりと周知、円滑な施行に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件について、御質問、御意見等がありましたら、先ほどと同様の方法で、挙手または手を挙げるボタンをクリックしていただければと思います。
 御質問、御意見等ございますでしょうか。
 平山委員、お願いします。
○平山委員 御説明ありがとうございました。
 出生後休業支援給付、それから育児時短就業給付に関わる省令案、こちらの内容については、承知いたしました。
 御説明にありましたとおり、先般の雇用保険部会でも、制度が複雑化しているという御意見がございました。育児に関わる制度は、今、伺っても、やはり多様かつ複雑と感じるところがございますので、対象となる労働者が確実に活用できるように、労働者並びに事業主の皆様方に対し、十分な周知をお願いしたいと思います。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、馬渡委員、お願いします。
○馬渡委員 全国中央会の馬渡でございます。
 今日の議題には賛同いたすものでありますけれども、1つ質問をしておりまして、育児休業給付が合わせて80%となった場合、昨今の人手不足とか、いろいろな状況を鑑みると、喜んで1か月分になるように事業主が、残りの2割を出したいなという感じになるわけでございますけれども、その場合に減額の規定があるということでございましたので質問をいたしておりました。
 聞きましたところ、8割プラス13%まで、残りの20%のうち13%までは、支払っても減額の対象にはならないとお聞きしましたけれども、本人たちからすると、社会保険料を免除されるから手取りは同じだといっても、やはりせっかく子供が生まれてきて、パパ育休を取ろうという機運でもありますので、100%になるまで事業主が出したとしても、減額の対象にならないような措置を講じていただければ幸いかなと思って、お願いの意見でございます。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 以上につきまして、事務局から何かございますか。
○岡雇用保険課長 事業主の方が任意で労働者の確保や定着のために賃金を出していただくというのは非常にいいことだと思います。
 ただ一方で、やはり先ほども委員からの御指摘もありましたけれども、社会保険料の減額措置などもありますので、そこは一定の制限がかかってしまわざるを得ないところは御理解いただきたいと思っております。
 そういったところについて誤解されることがないように、制度のほうをしっかり周知していきたいと思っております。
○山川分科会長 どうぞ。
○馬渡委員 8割に今回13%、出生後の給与支給というのが創設されたとしても、残り13%まで、93%になるまでは減額の対象になりませんということも周知していただくとうれしいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。ほかにございませんでしたら、先ほど来、具体的に制度が分かりやすくなるように周知をお願いしたいという御要望、御意見が重ねてございましたので、そちらは受け止めて運用に生かしていただきたいということでございますが、当分科会としては、この厚生労働省案については、おおむね妥当と認めて、私からその旨を御報告申し上げたいと思いますが、そのようなことで御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、こちらも報告文案の表示をお願いいたします。
 この表示された報告文案のように、労働政策審議会会長宛てに報告するということで御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、御異議ございませんでしたので、そのように報告をさせていただきます。本議題は以上となります。
 では、続きまして議題の3になります。「職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」。それから、議題4も併せてここで取り扱います。「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針の一部を改正する件案要綱について(諮問)」でございます。
 事務局から説明をお願いします。
○中嶋需給調整事業課長 議題の3及び議題の4につきまして、関連する内容でございますので、一括して説明のほうをさせていただきます。
 まず、議題の3でありますが、資料3-1として省令案要綱、それから資料3-2として省令案の概要をお示ししておりますところ、概要のほうの3-2を用いて内容を説明させていただきます。
 「1.改正の趣旨」というところを御覧ください。
 今回、講じようとする措置については、人手不足の状況の中、人材確保に当たって雇用仲介業の果たす役割が大きくなっていることなどに鑑み、その適正な事業運営の確保等を通じ、労働力の需給調整機能の強化を図るものでございます。
 そのための対応策といたしまして、1が、お祝い金禁止の実効性を確保するための方策を含め、法令遵守徹底のためのルールと施行の強化であります。
 2が、職種ごとの紹介手数料実績を含め、雇用仲介事業のさらなる見える化の促進、こういった観点から、労働力需給制度部会において議論をいただき、成案の取りまとめをいただきました。
 その内容を反映するために、職業安定法施行規則を改正するというのが、今回の改正趣旨でございます。
 次に「2.改正の概要」を御覧ください。
 この省令改正では、職業紹介事業について、職種ごとの紹介手数料実績の開示を求めることによりまして、事業のさらなる見える化を進め、既に開示項目としております紹介後の定着状況と併せ見ることで、より良い、効果的・効率的なマッチングを行っている事業者の選択に資するようにするものでございます。
 そのために、職業安定法施行規則第24条の8第3項第4号におきまして、有料職業紹介事業者がインターネットを利用して提供しなければならない情報の1つであります、手数料に関する事項につきまして、手数料の実績を含める改正を行うものでございます。
 詳細といたしましては、有料職業紹介事業者が取り扱う職種ごとの常用就職1件当たりにかかる平均手数料率の実績を含めるものでありまして、対象となる手数料としましては、職業安定法第32条の3第1項に定めます受付手数料や、紹介手数料等とし、その合計を求職者が従事する業務の1年間に見込まれる賃金額で割ると、こういう考え方で、職業安定局長の定めるところにより、算定いただくこととするものでございます。
 なお、手数料を定額で定める有料職業紹介事業者につきましては、平均手数料率の実績に代えまして、その額の実績とすることができることといたします。
 また、事業者の負担とのバランスも考慮いたしまして、対象となるのは、各有料職業紹介事業者の取扱い上位5職種に限り、それから、年間10件以下の職種は対象外といたします。この点は、職業安定局長通達である職業紹介事業の業務運営要領において定めてまいります。
 改正省令の公布日及び施行期日につきまして「4.施行期日等」のところにございます。
 今回の省令改正につきましては、事業者への周知や、年度単位で実績を取りまとめていただくこと等を考慮しまして、令和6年10月中下旬に公布し、令和7年4月1日施行とするものでございます。
 省令案の内容につきましては以上でございます。
 続きまして、議題の4のほうでございます。御説明いたします。
 こちらも資料4-1としては、告示案要綱、それから、資料4-2として概要を用意しておりますところ、概要のほう、4-2のほうで内容を御説明いたします。
 まず「1.改正の趣旨」でございます。
 こちらは、先ほど御説明をいたしました省令案と同じく、現在及び今後における人手不足の状況や、ミスマッチを緩和、改善するため、労働力の需給調整機能の強化を図るというものでございます。
 次に「2.改正の概要」を御覧ください。
 1つ目が、募集情報等提供事業者による金銭等提供の禁止です。
 既に職業紹介事業では、いわゆるお祝い金等の金銭等提供については、その離転職誘引効果や、求人側に残される手数料負担の問題等に鑑み、本指針において禁止をしております。
 募集情報等提供事業におきましても、現在、様々な趣旨、目的から、労働者になろうとするものに対する金銭等提供がされているところ、離転職や求人側の負担への転嫁など、紹介事業におけるのと同様の問題が生じているほか、労働者が金銭等の提供を受けるため、その登録する複数の募集情報等提供事業者に対して、就職の報告をすることが原因となりまして、求人企業が当該複数の募集情報等提供事業者から、成功報酬を請求される事案が生じておりまして、高額な違約金請求に発展するケースも見られること等を踏まえまして、職業紹介事業と同様に、本指針により原則禁止を措置するものでございます。
 具体的な規定ぶりといたしましては、職業紹介事業と同様とし、具体には、お手元に御覧いただけますように、募集情報等提供事業者が、労働者になろうとする者に対して金銭等を提供することにより募集情報等提供事業の利用の勧奨を行うことは好ましくなく、お祝い金その他これに類する名目で社会通念上相当と認められる程度を越えて金銭等を提供することによって利用の勧奨を行ってはならないこと、とするものでございます。
 それから、このページの下のほうでございますけれども、四角の囲みにつきましては、こちらは、募集情報等提供事業の業務運営要領における記載イメージを、御参考までに掲載をしたものでございます。
 要領におきましては、今回の措置の趣旨、すなわち金銭等の誘引により、労働市場における適正な需給調整機能の発揮に支障が生じないようにすること、このことに照らしまして、指針の規制対象外となるものとして、2つのものを記載することとしております。
 1として、提供するサービスの質の向上を図るため、サービス利用者からアンケート等への回答を求める場合であって、回答者全てに対してではなく、抽選による少数者に対して、500円程度の電子ギフト券等を提供するもの。
 2として、イベント来場者を確保するため、就職フェアへの来場及びブース訪問者に対して、500円程度の電子ギフト券等を提供するもの。(求人サイトへの登録の対価として提供されるものを除く。)であります。
 続いて、2つ目の改正事項でありますが、ページをおめくりいただきまして、職業紹介事業及び募集情報等提供事業の利用料金及び違約金明示についてでございます。
 先ほど述べましたような、一部で生じております、事業者・求人者間の利用料金や違約金をめぐるトラブルを防止するべく措置するものでございます。
 まず、職業紹介事業についてが、1つ目の黒ポツでありますが、その利用に関連して生じる違約金その他これに類するものとして、当該事業を利用する求人者が負担する金銭等について、当該金銭等の金額、当該金銭等が発生する条件及び解除方法を含む契約の内容について、当該求人者に分かりやすく明瞭かつ正確に記載した書面または電子メールその他の適切な方法により、あらかじめ当該求人者に対し誤解が生じないよう明示することとしております。
 また、募集情報等提供事業についても、2つ目の黒ポツでございますけれども、同様の規定ぶりになります。
 その利用に関連して生じる料金、違約金その他これに類するものとして、当該事業を利用する労働者の募集を行う者が負担する金銭等について、当該金銭等の金額、当該金銭等が発生する条件及び解除方法を含む契約の内容について、当該労働者の募集を行う者に分かりやすく、明瞭かつ正確に記載した書面または電子メールその他の適切な方法により、あらかじめ当該労働者の募集を行う者に対し誤解が生じないよう明示することとしております。
 両事業に共通するものとして、ただしといたしまして、職業紹介事業、募集情報等提供事業いずれも、口頭によるもののほか、ホームページの該当箇所を表示する等、求人者及び労働者の募集を行う者が同一文面を再読できない可能性のある方法によるものは、適切な方向により明示しているとは言えないこととしております。
 改正指針の公布日及び適用期日につきましては「4.施行期日等」に記載をいたしました。改正省令と同じく、令和6年10月中下旬に告示し、令和7年4月1日適用とするものであります。
 最後に、本件に係る労働力需給制度部会での議論につきまして、直近のものに絞り、御報告いたします。
 同部会には5月の会合で、医療等3分野の職業紹介事業に対する集中指導監督の実施結果を報告。あわせて、労働市場全体にわたる需給調整機能強化のための今般の対応に係る論点を提出しました。
 議論を踏まえ、7月の会合では、雇用仲介業の様々なビジネスモデルや規制の現状、募集情報等提供事業における労働者への金銭等提供の実態、求人者・求職者への影響等を示す相談事例等を整理し、議論に供しました。
 省令改正事項につきましては、これまでも取り組んできた職業紹介事業の見える化を進めるものであり、求人側が質の高いサービスを提供する事業者を選択できるようにすること。それにより、労働市場の需給調整機能を高めていくことが重要であるということ。また、詳細設計に当たっては、得られる効果と事業者の負担のバランスも考慮することという御指摘などをいただきました。
 指針改正事項につきましては、募集情報等提供の事業のやり方が変化している中で、一部に、求人側とのトラブルや早期離職等の問題が生じている現状を踏まえた必要な対応であるということ。施行に当たっては、周知や指導監督等を通じた実効性確保とともに、効果の把握が重要であること。また、都道府県労働局における対応の斉一性を確保していくことが重要である等の御指摘をいただきました。
 人材確保に当たっては、雇用仲介業の果たす役割が大きくなっており、健全な事業発展に資する環境整備、それによる労働市場のマッチング力の強化が重要との御指摘もいただきました。
 事務局からは、今般の措置により、現に生じている問題に適切に対処し、求人者、求職者双方が安心して雇用仲介業を利用できるようにすること。そのことも含め、事業の健全な発展と労働市場における需給調整機能の強化に努める旨、お答えいたしました。
 その上で、今月の会合にお諮りした省令及び指針の改正案要綱について、妥当とのまとめをいただきました。
 説明は以上でございます。
 御審議のほど、何とぞ、よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 それでは、以上の議題の3と議題の4につきまして、御質問、御意見等がありましたら、先ほどと同様の方法で御発言をお願いいたします。
 御質問、御意見等ございますでしょうか。
 久松委員、お願いします。
○久松委員 久松です。よろしくお願いします。御説明どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明でもあったとおり、労働力需給制度部会で検討されてきたものであり、省令及び指針の改正の内容については承知いたしました。
 お祝い金などによるトラブルや、ミスマッチが報告されている中で、本改正により、そういったトラブルなどが解消され、労働者の適切な就職活動につながることを期待しています。
 事務局におかれましては、改正内容を、職業紹介事業者や募集情報等提供事業者に十分周知していただくとともに、改正後の効果についても、しっかりと検証していただきたいと思います。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに御質問、御意見等ございますか。
 新田委員、お願いします。
○新田委員 経団連の新田でございます。御説明ありがとうございました。
 私からは、主に議題4について申し上げたいと思います。
 内容等については、先ほど御紹介があったとおり、需給制度部会で了承された内容ということで、異論はございません。
 先ほど、資料の4-2の中で、金銭等の提供禁止に関しての御説明がございました。
 「社会通念上相当と認められる程度かどうか」が判断基準となっていると理解いたしました。
 いわゆる公序良俗に関する規定で、実際には、個別具体的あるいは判断に至るための要件事実に基づいて判断していくことになると思います。判断の主な構成となる要件事実が大きく異ならないにもかかわらず、結論が異なることのないように、適用事例の共有等をしっかりとしていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 事務局からお願いします。
○中嶋需給調整事業課長 
 御指摘をいただきまして、大変ありがとうございます。
 久松委員から御指摘いただきました事業者への周知、それから、今般の施策の効果の検証、把握といったところにつきまして、効果を上げていく上で、非常に重要な点と存じますので、よく心得てまいりたいと思います。
 それから、新田委員からも御指摘をいただきました。ありがとうございます。
 お尋ねのありました社会通念上相当と認められる程度の判断につきましては、これは、職業紹介事業に係る現行の取扱いと同様にしていく考えでございまして、金銭等の趣旨ということだけではなくて、額ですとか、その有する離転職誘引効果ですとか、その他の労働市場への影響等について、個別具体に総合判断をするということになります。
 判断に当たりましては、実態を踏まえて適切に行ってまいりますし、御指摘をいただきました労働局における斉一的な運用ということについても、本省においてしっかり確保をしてまいりたいと存じます。御指摘、大変ありがとうございます。
○山川分科会長 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。御意見、御要望等につきましては、今、事務局からもお話がありましたけれども、受け止めて対応をしていただければと思います。
 結論については、特段の御異議はございませんでしたし、また、労働力需給制度部会でも妥当という結論でしたので、議題3、4を分けてお諮りしますが、まず、議題3の職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱についての諮問につきましては、当分科会は、厚生労働省案を妥当と認めて、その旨を私から御報告申し上げるということにしたいと思います。御意見等ございますでしょうか。
 それでは、こちらについて報告文案の表示をお願いします。
 こちらの表示された報告文案によって、労働政策審議会会長宛てに報告するということで御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 では、御異議ございませんでしたので、そのように報告をさせていただきます。
 続きまして、議題の4、職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針の一部を改正する件案要綱について(諮問)につきまして、こちらも、当分科会は厚生労働省案を妥当と認めて、その旨を私から御報告を申し上げるということとしたいと思います。こちらについて、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。では、こちらも報告文案の表示をお願いします。
 では、この表示された報告文案によって、労働政策審議会会長宛てに報告するということで御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 では、御異議ございませんでしたので、こちらもそのように報告をさせていただきます。
 本議題につきましては、以上となります。
 では、議題の5「令和5年度のハローワークのマッチング機能に関する業務の評価・改善の取組について(報告)」。こちらは、御報告事項になります。
 事務局から説明をお願いします。
○西海公共職業安定所運営企画室長 資料5につきまして御説明させていただきます。
 令和5年度のハローワーク総合評価の結果についてでございます。
 2ページ目でございますけれども、このハローワーク総合評価、毎年全てのハローワークにおきまして実施をしております。
 (1)のところにございますように、業務ごとに目標値を設定いたしまして、目標管理を実施しております。
 そして(2)のところにありますように、その評価の結果、また取組状況については公表しております。
 そして(3)のところにございますように、その結果に基づきまして、本省からハローワークあるいは労働局への指導に生かす、あるいは好事例については、全国展開を図っていく、こういった取組を行っているところでございます。
 次の3ページ目を御覧ください。
 こちらが、総合評価の指標の全体像でございますけれども、1のところにありますように、全てのハローワーク共通で評価をする指標ということで、主要指標の就職件数ですとか求人充足数、また、補助指標として、ハローワークを利用された方々の満足度を設定しております。
 また、右側の所重点項目において、職員の資質向上あるいは業務改善を図っていく、そういった取組に対する評価指標を設けております。
 2といたしまして、ハローワークがそれぞれ置かれております地域の雇用課題等に応じて設定する指標、こういったものを重点指標として設けているところでございます。
 次の4ページ目が、総合評価の評価方法でございます。
 冒頭のグレーのところにありますように、まず、労働市場の状況や業務量が同程度のハローワークを11のグループに分けまして、ハローワークごとに、先ほど御説明いたしました評価指標の目標の達成状況に応じて点数をつけまして、同じグループの中で相対評価を行うこととしております。
 次の5ページ目でございますが、こちらが令和5年度の総合評価の結果概要でございます。
 表のところを御覧いただきますと、類型1、一番良い評価のところですけれども、こちらは、令和4年度は4所だったところが、令和5年度は3所となっております。1所減っているということでございます。
 そして、一番下の類型4のところですけれども、令和4年度は9所だったところが、令和5年度は0所となっておりまして、こちらは大幅に改善が図られているという状況になってございます。
 なお、表下の注の3のところに書いてございますけれども、令和5年度の総合評価結果取りまとめに当たりましては、石川労働局の取扱いにつきまして、能登半島地震の対応を考慮しまして、令和5年度の総合評価の取りまとめには含めないと、石川局管内の6所については実施しないということで取り扱ってございます。
 令和4年度の総数、表の一番下のところですけれども、434所が令和5年度は428所になっているのはそういうことでございます。
 次の6ページを御覧いただければと思います。
 こちらは、規模グループ別の評価でございますけれども、まず、表の左側の平均値のところを見ていただきますと、特に総点数のところですけれども、一番上の最大のグループでは、前年度から1.9%アップしておりますけれども、それ以外のグループでは、若干減少しているという状況でございますが、0.5%から1.3%ということで、点数にすれば、10点前後ということですので、総体として見れば、平均値については、前年度と比べまして大きな変動はないと考えております。
 他方で、右側の標準偏差、そして変動係数ですけれども、こちらは三角、要は前年度と比べまして減少しているのが多く見られるということでございまして、つまり、各指標の目標達成度や、項目の取組状況につきまして、ばらつきが小さくなったということを示してございます。
 こちらは、内容について少し見ますと、評価結果が全てのグループで、前年度より大きく点数が上がった項目が、求人者への事業所訪問という指標でございました。
 この点数の増加が、全体の点数の底上げにつながり、ばらつきが小さくなったことに寄与していると考えております。
 背景といたしましては、本省といたしましても求人者支援の強化について、労働局、ハローワークに指示をしておりますし、また、令和5年の5月には、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行いたしましたことによって、事業所訪問を積極的に行いやすくなったと、そういったことが要因として考えられると思っております。
 次の7ページ目は、そのばらつきを示しております表でございまして、赤い四角が令和4年度の標準偏差、そして青い四角が令和5年度の標準偏差のラインを示しておりまして、赤い四角よりも青い四角は小さくなっているということで、ばらつきが小さくなっていることを示しているということでございます。
 次の8ページからが、この総合評価の中で事例を御紹介しているものになります。
 まず、この8ページは、神奈川・藤沢所の取組でございます。
 この中段左側のリニューアル内容というところの一番下のポツに書いてございますけれども、今、ハローワークの求人情報につきましては、ハローワークインターネットサービスで、スマホやパソコンから御覧いただけますので、この求人検索用の端末、ハローワークに置いておりますけれども、その利用者が減少しているところでございます。
 そういった求人検索用の端末を撤去いたしまして、ハローワークに来られた方の御自身のスマートフォンで見ていただく、あるいは据え置きのタブレットで代替すると、そういったことを予定してございます。
 そこで、この端末を設置していたスペースが空いてきますので、そのスペースを活用して、リニューアル、レイアウト変更を行ったというものでございます。
 このリニューアル内容の1つ目のポツにありますように、ベンチシート型予約相談スペースを設置したというのが、右下の写真のことでございます。
 こういったファミレスのような相談スペースを設けておりまして、プライバシーへの配慮ですとか、あるいは相談しやすい雰囲気づくり、こういったことを行っております。
 また、2つ目のポツにございますように、多目的個室ブースを3室設置したということで、そこで求人者のミニ面接会ですとか、あるいは求職者の採用面接の練習、そういったものに活用できるようにしているということでございます。
 右側、運用面の見直しのところにありますとおり、このレイアウト変更によりまして、業務の手法についても、いろいろ見直しをしておりまして、先ほどのベンチシート型の相談スペースを活用しました予約相談ですとか、面接の練習、こういったものも積極的に実施し、担当者制による個別支援を強化したということでございます。
 また、2つ目のポツにありますように、多目的ブースでオンラインの職業相談ですとか面接会、また、セミナーも多く実施するようになりまして、オンラインサービスの拡充も図っているということでございます。
 次の9ページ目を御覧ください。
 こちらは、群馬富岡所の事例でございます。
 左下に「ハロまるお仕事カード」とございますけれども、このような職業をイラストで書いた30枚のカードを使いまして、ハローワーク職員が、地域の小学校を訪問しまして体験学習を行ったという取組でございます。
 こういった事業を通じまして、小学生が職業に対する自身の興味ですとか、価値観を知ったり、あるいはこれまで知らなかった職業について理解を深める、そういった機会としたということでございまして、若年層のキャリア教育を行うとともに、また、ハローワークについても認知してもらえるように、取り組んだということでございます。
 次の10ページ目を御覧ください。
 こちらは、秋田・ハローワーク大曲所の取組でございます。
 中段のところにありますとおり、管内の自治体、美郷町と、それから町内の企業が立ち上げた団体と共催いたしまして、バスツアーによる職場見学会を実施したという取組でございます。
 ハローワーク職員もこの職場見学会に同行いたしまして、求職者の方も安心して、この見学会に参加できるようにしたということと、3つ目のポツにありますとおり、職員自身も、事業所訪問によりまして、仕事のより具体的な詳細な内容や、職場の雰囲気等を収集しまして、求人票に記載されていない、そういった情報を求職者への窓口の支援で生かしていく、そういった取組でございます。
 以上、御説明した3つの好事例についてですが、最初のレイアウト変更の藤沢所の取組につきましては、全国の労働局、ハローワーク職員を対象に開催しております、オンラインの報告勉強会がございまして、そういった勉強会でも、ほかのハローワークの参考になるように情報を共有しております。
 また、その他の2つの事例については、毎年本省で全労働局から好事例を募って取りまとめている事例集がございまして、そういったところにも掲載し、ほかのハローワークへの横展開を図っております。
 次の11ページを御覧ください。
 総合評価につきましては、それぞれの所の所長により分析をしております。
 2つ、その分析の内容を御紹介しております。
 1つ目が、宮崎・都城所でございます。こちらは、令和4年度総合評価の結果が類型3だったところが、類型1に令和5年度は上がってきたという所でございます。
 どういう取組をしたのかということがここに書いてございまして、1つ目のポツが、相談時に求職者に対しまして、紹介する求人を「プラス1・プラス2」して、いろいろな選択肢を示しながら求職者の相談を充実させたという取組をやったということ。
 そして、2つ目ですけれども、オンラインサービスを充実させたということで、紹介窓口職員全員を対象に、オンラインサービスの研修を実施いたしまして、求職者マイページの活用に積極的に取り組むとともに、オンラインハローワーク紹介についても、全員が取り組んで件数も増加をしたというものでございます。
 また、3ポツ目にありますとおり、LINEを通じた広報、求人情報誌の発信を行ったということでございます。
 その下が京都七条所の取組でございます。
 こちらは、1ポツ目にありますように、令和4年度の評価では類型4でございました。そこで令和5年度に、てこ入れを図りまして、類型2まで上がってきたということでございます。
 このマル1のところにありますとおり、安定所の幹部会議で随時進捗管理を行ったということで、総合評価の各指標の進捗管理を徹底してやるような体制にしたということ。
 そしてマル2のところにございますとおり、職員個々の業務状況についても、見える化をいたしまして、課題が見られる職員に対しては、フォローやアドバイスを実施したということでございます。
 また、次のポツにございますように、雇用保険受給者の早期再就職に向けた支援につきまして、受給者のニーズをしっかり把握・分析をしまして、重点的に支援を実施するような業務フローの見直しを行ったということでございます。
 次の12ページを御覧ください。
 こちらが令和6年度の総合評価の実施方法でございまして、変更点につきまして御説明をしたいと思います。
 マル1のところですけれども、この雇用保険受給者の早期再就職、そして、生涯現役窓口での65歳以上の就職件数、こちらにつきまして、件数から目標設定を率に変えることとしてございます。
 目標設定としては率を掲げつつ、実績の評価・分析におきましては、率を計算する際の分母・分子の件数も見ていきますので、率を目標としては掲げつつ、件数についても両方見ていくこととしてございます。
 2点目でございますけれども、求人者支援に関する指標・項目の評価引き上げでございます。
 2ポツ目にありますような職員による事業所訪問、そして、3つ目にありますような求人に対する担当者制の実施、こういったことを通じまして、求人者と顔の見える関係を築きながら、求人者支援を充実させていく、そういった取組の評価を引き上げるということをしております。
 3点目ですけれども、人材不足分野の就職件数につきまして、こちらは、選択的に指標を設定する位置づけとしておりましたけれども、対策を強化していく観点から、全ての安定所で評価指標として設定をする取扱いとする、こういった見直しを令和6年度に行いまして、評価を実施したいと考えております。
 以上でございます。
○山川分科会長 それでは、本件につきまして、御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 では、山田委員、お願いします。
○山田委員 御指名ありがとうございます。山田です。
 具体的な取組事例なども含めて、御説明ありがとうございました。
 私からは、次年度の取組に向けて2点、意見を申し上げさせていただきます。
 初めに、資料の3ページの1に記載されている早期再就職件数などの主要指標と、満足度などの補助指標についてですが、これらの指数や相関関係は、ハローワークの施策の在り方などにも影響するのではないかと考えます。
 つきましては、次年度以降、そのようなデータをお示しいただきながら御報告いただくと議論が深まるのではないかと思いますので、御検討いただきたいと思います。
 もう一つは、資料の5ページを見ますと、令和5年度は、類型4がゼロになっており、これは取組の成果であると受け止めておりますけれども、一方で、類型1、2も減少し、全体的には類型3に寄っているように思います。
 先ほどの御説明で、具体的な好事例を横展開いただいているということですし、所長による分析についても公表されているということですが、それが各ハローワークに合わせて、具体的なさらなる展開につながっていくように、事務局におけるフォローや、さらなる方策の検討などもお願いしたいと思います。
 以上です。よろしくお願いします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 事務局から何かございますか。
○西海公共職業安定所運営企画室長 まず、1点目の評価指標の中での相関関係についてということですけれども、少しどういった御説明ができるか、そこは、また来年度の評価の中で、どういう御報告の仕方をさせていただくか、検討させていただきたいと思います。
 また、積極的な横展開をということでございましたけれども、横展開につきましても、この評価指標の中で評価をすることとしております。
 先ほどもいろいろオンラインでの報告勉強会ですとか、事例集をつくって展開しているということもございましたけれども、御指摘のとおり、好事例については、他所に波及するように、横展開を積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○山川分科会長 山田委員、よろしいでしょうか。
○山田委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 では、大下委員、お願いします。
○大下委員 日本商工会議所の大下です。御説明ありがとうございました。
 また、各地での大変意欲的な取組をお聞かせいただき、人手不足に悩んでいる各中小企業にとっては大変心強く受け止めております。
 加えて、最後に御説明がありました、主な今後の評価の変更点、率を重視すること、また、事業所訪問を重視すること、加えて、人手不足の深刻な分野の就職件数、ここを必須項目とすること、いずれも今の状況をしっかりと受け止めた適切な御判断と、伺って感じておるところであります。
 実は、昨日、私ども日商の労働関係の会議で厚労省のハローワークサービス推進室の鈴木室長にお越しいただいて、これらの内容等々を御説明いただき、事業者の方と意見交換をさせていただく機会を設けさせていただきました。鈴木室長様には、お忙しいところ本当に感謝をしております。
 その中では、取組を非常に熱心にやっていただいていることは心強いですが、ハローワークごと、あるいはハローワークの担当者ごとで、対応の質にややばらつきがあり、大変熱心に取り組んでいただいているハローワークあるいは御担当者様もいますけれども、なかなかそうではないところもまだまだあるという声も上がっております。また、様々なハローワークで、先進的なお取組、意欲的なお取組をされている内容が、なかなか十分地域の中小企業に伝わっていないという点もあると受け止めております。
 今回の総合評価の取組を通じて、地域の中小企業にとってより一層頼れるハローワークとなっていただくこと、また、その取組がしっかりと地域の中小企業に伝わり、利用につながることを期待しております。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 事務局から何かございますか。
○西海公共職業安定所運営企画室長 まず、担当者によって対応にはばらつきがあるという点でございますけれども、総合評価の中におきましては、例えば、京都七条所の取組にもありましたけれども、この総合評価を行っていく中で、個々の職員についての取組状況についても、フォローしながらやっていくということはございます。
 また、総合評価とは別に、様々な機会を通じて、職員の人材育成をしっかりやっていかないといけないと思いますので、そういったところでも、職員の資質の向上にしっかり取り組んでいきたいと思っております。
 また、ハローワークがしっかり中小企業の皆様に頼りにされる存在であるようにという御指摘でしたけれども、おっしゃるとおりだと思っております。
 まず、ハローワークが行っております様々なサービスについて、しっかり認知していただいた上で、それを活用いただけるように、広報面も含めまして、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
○山川分科会長 大下委員、何かございますか。よろしいでしょうか。
○大下委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 黒澤委員、お願いします。
○黒澤委員 ありがとうございます。政策研究大学院大学の黒澤です。
 本当にすばらしい、いろいろな取組を御紹介いただきまして、ありがとうございます。
 その上で、1点だけ。先ほど3ページ目ですか、ハローワークの総合評価の主要指標ですとか、所重点項目があるところです。先ほど相関関係のお話がありましたけれども、特に所重点項目の中には、いわゆる次年度からは就職率等のアウトカムとして適切な指標に影響を与える要因になっているものもありますね。ですから、これは相関というよりも、一歩踏み込んで、回帰分析的なものをしていただき、その中で、例えば職員を計画的にキャリアコンサルをなさるとか、求職者の担当制をなさるとか、求人に対する担当制をなさるとか、そういったことの有無で就職率ですとか、満足度といったアウトカム指標にどういう影響があるのかということを分析され、そこで統計的に有意な影響があるものについては、非常に重視するべきだという整理をなさり、先ほども御紹介いただいたケーススタディとともに御活用いただいて、今後の改善につなげていただければと思いました。こういった方向性での分析も次年度からなさっていただき、もう既にやっていらっしゃるかもしれませんけれども、このような会議でも御説明いただけると大変ありがたいと思います。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 こちらは、事務局から何かございますか。
○西海公共職業安定所運営企画室長 各指標、項目の評価結果を、より今後の取組に効果的につなげていくようにと、そういった趣旨の御指摘だと思いますけれども、当然、各担当課室で、この評価結果については、実情を認識した上で次年度の取組には生かしているところではございますけれども、また、この分科会への報告の中でも、そういったところ、この評価結果が、どのようにアウトカムの指標に関連しているか、影響を与えているか、そういったところも少し分かりやすく示せるようなことができないか、検討したいと思っております。
○山川分科会長 黒澤委員、よろしいでしょうか。
○黒澤委員 ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 ほかに、御質問、御意見等ございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、本件は報告事項ですので、以上となります。
 次は、議題の6、その他になります。「特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)の支給要件の見直しについて」、事務局から説明をお願いします。
○渡辺雇用開発企画課長 雇用開発企画課でございます。
 「特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)の支給要件の見直しについて」御報告させていただきます。
 資料の6を御覧いただければと思います。
 今回の見直しは、省令の改正ではなく、支給要領の改正という形になりまして、要領の改正を行った9月18日以降の、この直近の分科会の開催となります本日に、御報告という形を取らせていただいております。
 資料の6の1枚目を御覧いただければと思いますが、この特定求職者雇用開発助成金は、高齢者や障害者、ひとり親家庭の親、就職氷河期世代などの就職が特に困難な方の雇用機会の増大を図るため、こうした方をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる事業者に対して、助成する仕組みとなっております。
 そして、この成長分野等人材確保育成コースでございますが、こちらは令和4年度に、人への投資の施策パッケージの1つとして、成長分野等への労働移動の円滑化を図ることを目的として創設されたものであります。
 2枚目を御参考で少し見ていただければと思うのですけれども、成長分野等人材確保・育成コースの概要を示したものでございます。
 この特定求職者雇用開発助成金の対象者について、マル1成長分野メニューというのがございますけれども、デジタル、グリーン等の成長分野の業務に従事する労働者として雇い入れる事業主、そして、マル2人材育成メニューでございますけれども、就労経験のない分野の業務に従事する労働者として雇い入れ、人材育成を行った上で賃金引き上げを行う事業主、この2つの取組を行った方々を対象として、通常コースの1.5倍の高額助成を行う、こうしたコースを、設けているということでございます。
 恐縮ですが、また1枚目に戻っていただきまして、今回の見直しの趣旨でございます。
 今申し上げたコースについて、成長分野や一定の技能を必要とする未経験分野への就職を希望する就職困難者の雇用機会の増大や賃上げを促進する観点から、このコースのより効果的な運用を図るため、9月18日付で支給要領の改正を行っているということでございます。
 その見直しの内容が、1枚目の下段にございます。
 1つは、就労経験の要件の見直しでございます。このコースの2つのメニューに共通する要件としまして、対象労働者の就労経験のない職業の判断について、これまでは過去通算1年以上の就労経験がない場合としておりましたものを、今回、過去5年間に通算1年以上の就労経験がない場合とし、パート・アルバイトの経験は、就労経験がないものとして扱うこととしたものでございます。
 2つ目の見直しの内容はこのコースの人材育成メニューにおける訓練時間要件の例外の追加です。
 人材育成メニューに係る教育訓練について、これまで50時間以上の訓練としていたところ、今回、厚生労働大臣が指定する教育訓練給付の講座のうち、公的職業資格の資格取得を目的とした講座を追加し、この訓練については、50時間未満であっても助成対象とすることとしたものです。
 以上が見直しの内容でございまして、この要領改正は10月からの適用を予定しております。これらの見直しによりまして、就職困難な方々の成長分野等への雇用機会の拡大や、公的職業資格の取得による未経験分野での採用後の賃上げに資するものと考えております。
 今後も制度の趣旨に沿った効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 それでは、ただいまの件につきまして、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。本件につきましては、要領の改正ということで報告事項でございます。
 では、本議題については以上になります。
 今回予定されておりました議題は以上で終了いたしましたけれども、この際ということで、委員の皆様から何か御発言等ございますか。
 大下委員、お願いします。
○大下委員 日商の大下です。ありがとうございます。
 今回の議題とは直接関わりはありませんが、能登半島地域における大雨による被害に関連して、1点発言をさせていただければと思っております。
 1月の地震、震災からの復旧・復興が進まない中での重ねての災害ということで、輪島、珠洲の商工会議所からは、地域事業者の大変厳しい実態を訴える声が寄せられてきております。
 雇用に関連しては、雇調金の特例を講じていただいておりますが、現地からは、特例期限の延長を望む声も上がってきているところであります。
 他方で、雇調金の特例が長引きますと、長期にわたって地域に休業者が発生するという課題もあり、なかなか悩ましい判断かなと思っているところです。
 一番心配されるのは、能登の地域から働き手が流出してしまうところにあろうかと思っております。
 今後、今回の災害も含めて雇調金の特例の扱い等々を検討されていくことになるのかなと思っておりますけれども、ぜひ厚労省としても、現地の厳しい実態を十分に踏まえて、様々な施策を組み合わせて地域における雇用の維持に向けて、柔軟な対応、対策をお願いしたいと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 直近の情報を踏まえた課題の御提起ということで受け止めて、御対応を検討していただければと、私としては考えております。
 よろしいですか。
○山田局長 安定局長です。
 今、御指摘いただいたように、震災に加えて今回の風水害のお話があって、そういった現状をよくよく我々としても把握させていただいた上で、一方で、雇調金のあるべき論というのもございますので、今、御指摘いただいたように様々な施策の組み合わせという観点も含めて、能登半島からの働き手の流出が一番現地では心配されていると思いますが、それに対応できるように検討を進めていきたいと思います。
○山川分科会長 大下委員、何かございますか、よろしいでしょうか。
○大下委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ほかに御発言はございますか。
 よろしいでしょうか。それでは、本日の分科会は、これで終了いたします。大変お疲れさまでした。