第92回 厚生科学審議会感染症部会 議事録

日時

  • 令和6年12月13日(金)10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(地下1階)

議題

(1)国立健康危機管理研究機構の創設に伴う法令の所要の整備について
(2)5類感染症に指定されている薬剤耐性菌感染症の検討
(3)抗微生物薬適正使用の手引き改訂に向けて(報告)
(4)その他
 

議事

議事内容
○時岡感染症対策課長補佐 ただいまから、第92回「厚生科学審議会感染症部会」を開催します。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき、誠にありがとうございます。
 私、本日議事進行を務めさせていただきます感染症対策部感染症対策課長補佐の時岡と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
 本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
 五十音順に、今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いします。
 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いいたします。
 越田委員。
○越田委員 越田です。どうかよろしくお願いいたします。
○時岡感染症対策課長補佐 よろしくお願いします。
 坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 よろしくお願いします。
 笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いいたします。
 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いします。
 谷口委員。
○谷口委員 谷口です。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いします。
 中野委員。
○中野委員 中野です。よろしくお願いいたします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いいたします。
 成田委員。
○成田委員 成田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○時岡感染症対策課長補佐 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いいたします。
 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いいたします。
 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○時岡感染症対策課長補佐 お願いいたします。
 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。おはようございます。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 おはようございます。よろしくお願いします。
 なお、味澤委員、小西委員、白井委員、土井委員、戸部委員、森田委員から御欠席の連絡を、今村委員、成田委員から途中退席の可能性があると伺っています。
 また、本日は参考人として、国立感染症研究所より俣野様の御参加をいただきますが、遅れて参加されます。
 以上、現在、感染症部会委員19名のうち13名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第及び委員名簿、座席図、資料1から4になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 皆様、改めましておはようございます。本日も感染症部会、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は主な議題が3つ、それから4つ目がその他ということですけれども、まず議題1から入ってまいりたいと思います。議題1が「国立健康危機管理研究機構の創設に伴う法令の所要の整備について」でございます。
 資料1について事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いします。
○荒木感染症対策課長 事務局でございます。
 資料1、似たような表面と裏面があるのですが、表面の2024年12月13日となっております題字が「国立健康危機管理研究機構の創設に伴う法令の所要の整備について」というものに基づきまして御説明させていただきます。
 令和7年4月、来年の4月でございますが、国立感染症研究所と国立国際医療研究センター(NCGM)を統合し、国立健康危機管理研究機構を設立することになっております。
 これに伴いまして、感染症法におきまして、機構に対する厚生労働大臣の事務の委任規定及び権限の委任規定を設けたところでございます。機構職員が質問等を行う際の身分証の様式など、その実施に関し必要な事項を省令に規定したいと思っているところでございます。
 そしてもう一つ、感染症の予防及び感染症の患者の医療に関する法律等に基づく各種告示について、以下の内容の改正を行うということで、この各種告示、いわゆる特定感染症の基本的な指針であったり、それぞれの感染症のいわゆる予防指針、その改正対象の告示というのが、以下書いておりますように、今申し上げました感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針、以下それぞれの特定感染症予防指針となります。
 この改正対象の告示に対して、主な内容でございますが、一番下の段、「国立感染症研究所」や「国立国際医療研究センター」というような記載につきましては、「国立健康危機管理研究機構」に記載を変更する、置き換えるということでございます。
 主語が「国」となっていた記載のうち、「国立感染症研究所」が実施していた内容につきましては、「国立健康危機管理研究機構」を主語に明記したいと思っております。
 その他、機構と地方衛生研究所等との連携に係る地域保健法の改正等を踏まえた所要の改正を行うということで、定型的な改定を考えております。
 参考までに、裏というか、同じ資料1と書いてあるのですけれども、これは約2年前にこの審議会、感染症部会でお示ししたもので、関係法令の改正ということで、冒頭申し上げましたように、感染研が現に行っている事務等を新機構に委任するというようなことを含めたものでございまして、2年前の参考資料となっております。
 以上、簡単ながら資料1の御説明をさしあげました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 来年の4月に創設されます国立健康危機管理研究機構について、法令の整備ということで御説明をいただきました。
 いかがでしょうか。御意見、御質問等があればお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 基本的に所属の変更ですので、大きな異論ではないのですけれども、1つお伺いしたいのは、先ほどの1枚目のスライドの下の欄の2つ目のポツで、国立感染症研究所が主語になっていたものは書いてありましたけれども、国立国際医療研究センターについては触れられていませんが、それはこれまでの法令に国立国際医療研究センターが入っていないという理解でよろしいでしょうか。
○脇田部会長 それでは、今の点についていかがでしょうか。
○荒木感染症対策課長 谷口先生、ありがとうございます。
 私の説明が少し不十分だったところがございまして、もう一度確認いたしますと、改正の主な内容は3点ございます。
 1つは、既存の例えば指針等に書いてあります「国立感染症研究所」という記載、あるいは「国立国際医療研究センター」という記載、それぞれ別々にあった場合におきましては、両方とも「国立健康危機管理研究機構」に記載を入れ替えるというか、変更するということです。
 特に2ポツ目の部分は、主語が「国」としたとき、これまで国立感染研も国の一部でございますので、両方あり得る。「国は」というときに、「国立感染症研究所は」と読み替えるというか、実質はそうだと読めるようなものについては、まさに国立感染症研究所が実施した内容でございますので、国立健康危機管理研究機構に主語を明記するということございます。
 国立国際医療研究センターは、国立研究開発法人、独法でございますので、国立国際医療研究センターという記載でございまして、国としたときにはそこに含まれていないので、国に含まれるのは感染研だけだったというようなことですので、そういう分けた記載にしているところでございます。
 以上でございます。
○谷口委員 よく分かりました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。
 今、御説明、それから質疑もしていただいたとおり、名称の変更というところ、あるいは国の一部であった感染研が法人化されるというところで、記載の変更ということですので、内容に関してはそれほど変わるものではないという理解ではあります。
 また、身分証というところが出てきますけれども、これもこれまでFETP等が感染症法に基づいて立入調査あるいは調査に入るときに必要なものを引き続き規定していただくというところだと思います。
 よろしいですか。特に御質問等がないようであれば、今、事務局から提案されました所要の整備について、御了承をいただけるということでよろしいですか。
(委員首肯)
○脇田部会長 ありがとうございました。そうしましたら、今日大きな意見はそれほどなかったわけですけれども、この取組を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議事に進みたいと思います。議題2は「5類感染症に指定されている薬剤耐性菌感染症の検討」についてでございます。
 資料2について、事務局から御説明をいただきます。よろしくお願いします。
○亀谷感染症対策課長補佐 よろしくお願いいたします。感染症対策課の課長補佐をしております亀谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 10月16日に行われましたAMR小委員会において審議をさせていただいて、おおむね御賛同いただいた内容ではございますが、改めて「5類感染症に指定されている薬剤耐性菌感染症の検討」と題しまして、審議事項とさせていただければと思っております。
 次のスライドをお願いいたします。
 薬剤耐性アクションプランに書かれておりますように、目標2の中の戦略2.1感染症発生動向調査の強化で、5類感染症に指定された薬剤耐性菌感染症の必要に応じた届出基準等の見直しと書かれているところでございます。
 下にお示ししますのは、Bacterial Priority Pathogens Listです。WHOから出されているものでございますが、こちらの中に今、5類感染症になっている7つの病原体につきまして、このように記載がされているところでございます。7つの病原体に関しては赤字で示しているところでございます。
 右側でございますが、5類感染症、全数把握に関しては、○が4つ書かれているところ、定点把握に関しては3つ○が書かれているところでそれぞれ記載がされているところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 本日の検討内容でございますが、上から1、2、3、MRSA、PRSP、そしてCRE感染症に関しては、国際基準に合わせるという形で届出基準の見直しについて審議をいただければと思っております。4つ目ですが、全数把握の必要性及び妥当性の検討についてというところで、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症について審議をいただければと思っております。
 次のページをお願いいたします。
 まずMRSA感染症についてなのですが、事務局(案)としてこちらのように、いわゆるCLSIやEUCASTといった国際基準にのっとった届出基準の見直しについて御提案をさせていただいております。すなわち、こちらで赤字でお示ししておりますように、オキサシリンのディスク拡散法の届出基準を削除する、セフォキシチンのディスク拡散法と微量液体希釈法の届出基準を追加するというところで、10月16日に行われましたAMR小委員会で審議をしていただき、全委員の先生方から質問及び意見等なく同意をいただいたところでございます。
 次のページをお願いいたします。
 続きまして、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症になります。こちらも意図としては同様でございまして、CLSI、EUCASTといった国際基準と統一するために、届出基準を以下のとおりとしてはどうかということで、審議をさせていただければと思っております。
 すなわち、喀痰等でございますが、無菌検体以外から検出された場合、Penicillin GのMICを小委員会では4または8ということで、今まで無菌検体のみの届出基準しかなかったところでございますが、無菌検体以外を追記するということで同意をいただいたところでございました。
 次のページをお願いいたします。
 MICを4か8かどちらにするかというところで、その場では結論が出なかったところでございました。ここでいただいた御意見としては、上の1つ目の□に書かせていただいております。まずMICを8とした場合に、喀痰など無菌検体以外の株につきましては、小児の場合0%、成人の場合でも0.4%というところで、基準を8にすると実際の届出数がほとんどないということになってしまうのではないか。無菌検体以外もサーベイランスするという意味合いであれば、8ではなくて4のほうがより広くディテクトができるのではないかということで、4のほうが適切ではないかということで御意見をいただいたところでございました。
 こちらを踏まえて、基準(案)として再度、感染研の薬剤耐性研究センター及び日本臨床微生物学会と事務局のほうで検討を重ねまして、以下のとおりとさせていただきたいと思っております。すなわち、無菌検体以外は、Penicillin GのMICに関しては4以上というところで届出基準を追記させていただきたいと考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 続きまして、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症でございますが、事務局(案)として今、イミペネム、プラス、セフメタゾールのイミペネム基準というものと、メロペネムによるメロペネム基準の2つが届出基準として存在するという状況でございました。
 ところが、これに関しては、1つ目の□でお示ししておりますように、本来、本当にディテクトしたいもの、カルバペネマーゼ遺伝子陽性株(CgPE)がイミペネム基準ですとほとんど集めることができないのに対して、メロペネム基準ですと3分の2程度集めることができるという研究結果が出ておるところでございます。
 これを踏まえて、イミペネム及びセフメタゾールのディスク拡散法及び微量液体希釈法の基準を削除、メロペネム基準を現状維持すること、この2つを事務局案として、AMR小委員会における議題で審議をいただきまして、全員の先生方から同意をいただいたという状況でございました。
 次のページをお願いいたします。
 こちらに関しても、メロペネム基準を残すのだけれども、MICの数字についても継続して議論をいただいたところでございました。
 メロペネムのMIC2という基準ですと、カルバペネマーゼ産生CREのうち、13%程度を占めると言われるカルバペネム低感受性株を捉え切れないということが分かっているという状況であって、低感受性株の病原性、臨床的な評価というものができていない現状についても御意見をいただいております。
 しかしながら、メロペネムの最小発育阻止濃度(MIC)の1以下を測定できる施設はかなり少ないのではないかという現実的な御意見もいただいたところです。とはいえ、メロペネムのMICが低値であったとしても、カルバペネマーゼ産生株の可能性があるということを臨床検査技師等にしっかりと伝える必要があるという御意見をいただいていたところです。
 これを踏まえて、基準(案)として、再度、感染研の薬剤耐性研究センターの先生方及び日本臨床微生物学会の先生方と検討を事務局のほうで重ねまして、以下のとおりとさせていただきたいと考えております。
 赤字でお示ししたところでございますが、これを追記するという形、すなわちメロペネムのMICにかかわらず、カルバペネマーゼ産生またはカルバペネマーゼ遺伝子が確認されることというところで、上が無菌検体、下が無菌検体以外というところですが、この赤字で示したところを追記するという形で提案をさせていただきたいと考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 最後でございますが、薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症でございます。
 事務局(案)として、国内の薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症の発生動向を正確かつ迅速に把握することを目的として、基幹定点把握疾患から全数把握疾患としてはどうかということで案を出させていただいたところでありました。
 MDRP感染症につきましては、症例数がかなり減ってきているので、定点ではモニタリングが十分になされないという現状があったところでした。しかしながら、一例一例の臨床現場におけるインパクトは大きくあり、全数把握疾患とすることでしっかりとしたモニタリングを国からすべきということで、こちらを提案させていただいたという背景がございました。
 10月16日に行われたAMR小委員会での御意見でございますが、全数把握疾患に関しては、全委員の先生方に同意をいただいたところでございますが、こちらに関しては、引き続き時間をかけて審議をしていくべき内容があると事務局としては認識をしております。
 大きく分けて2つございまして、まず2ポツ目でございますが、全数化に賛同するのだが、MDR(多剤耐性)の定義が緑膿菌に関しては国際的な基準と異なっている点が気になる。また、近年では実臨床に寄り適したDTR(Difficult-to-treat:難治耐性)という基準もよく使われているので、届出基準についても議論されるほうがよいのではないかという議論を複数いただいたところでございます。
 また、3ポツ目でございますが、カルバペネム耐性という中でどの薬剤で見るのかというところです。臨床現場ではメロペネムの使用頻度が高いというところと、どの抗菌薬を届出基準とするかは明確なほうがいいというところです。こちらは上と似通ったところでございますが、名称の変更についても御意見をいただきました。すなわち、薬剤耐性ではなく、多剤耐性緑膿菌感染症に名称を変更するほうが、もともとのMDRPの直訳にもなりますし、より明確になるだろうということで、名称変更についても併せて行っていくべきではないかというところで御議論いただいたところでございました。
 事務局としては、全数化については全委員の先生方に同意をいただいたところですが、DTRという基準そのものをがらっと変えるべきではないかというところについて、引き続き時間をかけて議論をしていってはどうかと捉えているところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 今お話ししたところをまとめたのがこちらのスライドになっております。上3つ、MRSA、PRSP、CREにつきましては、国際基準にのっとった形で届出基準を変更するというところで共通しております。
 変更後の影響についても、現場の負担がこれによって大きくならないようにケアすることは極めて重要でございますが、届出の負担に関しては、MRSAについてはほぼ変わらない、PRSP、CREに関しては、むしろ減ると考えております。
 また、アクションプランの成果指標へのはねにつきましては、MRSAとCREについては影響なし、PRSPに関してはそもそも成果指標外というところで、影響がないと考えております。
 これらをもって、上3つに関しては改訂予定時期を令和7年4月と考えておるところでございます。
 一番下、MDRPでございますが、全数把握対象疾患とするというところにプラスして、MDRの基準についても、どのようにしていくかということで、引き続き審議をしたいと思っております。
 変更後の影響につきましては、届出の負担はやや増えると考えておりますが、全国の医療機関の数が分母に来ることを考えると、そこまで大きな届出の負担が増えるということは考えておりませんが、少し増えるということが予想されております。
 こちらにつきましては、改訂予定時期を令和8年4月と捉えまして、引き続き検討を重ねていきたいと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 5類感染症に指定されている薬剤耐性菌の届出基準等の変更ということでありまして、MRSAとペニシリン耐性肺炎球菌、そしてCREについては変更をするということで、小委員会でも議論があった。それから、薬剤耐性緑膿菌については、全数届けにはするのだけれども、基準等についてもうしばらく検討を続ける必要があるということで御説明をいただきました。
 意見をいただくのですが、今日欠席していらっしゃる土井委員から御意見をいただいていますので、事務局から御披露していただけますでしょうか。
○時岡感染症対策課長補佐 事務局でございます。
 土井委員の御意見について代読させていただきます。
 薬剤耐性緑膿菌感染症の届出基準については、AMR小委員会で御議論いただきましたように、臨床的意義や国際的なベンチマーキングの観点から、国外で標準となりつつある治療困難(DTR)緑膿菌の判定基準の採用を検討してはいかがでしょうか。
 以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 こちらに関しては、今後も検討をしていくということですから、AMR小委員会でもまた検討していただくということかと思います。
 それでは、委員の先生方から御意見いただくのですが、AMR小委員会で議論をしていただいていますので、大曲先生が委員長ということで御議論いただいたと思いますが、大曲先生、何か追加でコメント等ございますか。
○大曲委員 脇田部会長、ありがとうございます。
 よく説明していただきましたので、私のほうからは特段の追加のコメントはございません。
 緑膿菌のところは、土井委員からもお話がありましたけれども、世の中の流れもありますし、現場のこれまでやってきたこととの関係もありますし、まだ意見自体は集約されていないと思いますので、御提案いただいたように、しっかりと議論の期間を設けてやっていくことが私もよいと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。ということでございます。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問等いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、順番にお願いしていきたいと思いますが、まず四宮委員、お願いいたします。
○四宮委員 私も10月16日のAMR小委員会に参加したのですが、先ほど御説明があったスライドの8のCREの届出基準の見直しに関して、赤文字部分については当日の小委員会では議論されず、その後に追加された部分で、この追加部分を委員長は了承されていると聞いていますが、小委員会としては議論がなかったので、改めてこの機会に2点ほどお伺いしたいと思います。
 1つは、先ほど来強調されているように、MRSA、PRSPともに国際基準に沿った変更であるとのことです。現在、感染症法で規定されている7つの薬剤耐性感染症があるのですが、そのうちの6つは届出基準が薬剤感受性試験に基づく基準になっています。今度のCREの変更のみがカルバペネマーゼ遺伝子の確認ということが入ってきている。その経緯ですが、スライド8の上から2つ目の「日本の臨床検査では菌種同定と薬剤感受性検査を同時測定できる云々」とあって、「メロペネムのMIC 1μg/mL未満を測定できる施設は多くない」とあります。ここで、「日本の臨床検査では」という特殊事情を書かれているので、今回の届出が国際基準と照らし合わせてどうなのか。特にCREはまず海外で問題になった薬剤耐性ですので、海外では届出基準等が既に決められていると思うのですが、今回のCREの見直しが国際基準と照らしてどうなのかということが1点です。
 それから、2点目は、この基準が採用されるとして、検査方法でアとイがあるのですが、アが薬剤感受性試験に基づくMICで、2μg以上となっています。日本では先ほど書かれているように1μg未満の低濃度は測れないところが多いので、それを補完する意味で、イのカルバペネマーゼ産生、耐性遺伝子の確認となっていると思います。ですが、ア、イどちらでもいいという書きぶりになっているので、例えばイのメロペネムのMICにかかわらずということを拡大的に解釈すると、薬剤感受性試験をパスしても、PCRで耐性遺伝子が出たら届出できると読めてしまう可能性があります。アの薬剤感受性試験に基づく届出というのが他の薬剤耐性感染症でもゴールデンスタンダードになっているので、それを補完する意味でイがあると思いますので、「メロペネムのMICにかかわらず」というところを、薬剤感受性試験の結果がアを満たさなくてもとか、薬剤感受性試験は必ずやるという意味をイのほうにも含めたほうがより安全ではないかなと思います。
 その2点を質問したいと思います。
○脇田部会長 四宮先生、ありがとうございました。
 CREの届出基準のところで、国際基準と比べてどうかということと、それから、アとイが検査方法でありますが、イの部分の書きぶり、「に関わらず」というよりも、2μg以上でなくてもというか、そこの書きぶりがどうかという御指摘でした。
 事務局からお答えがもしあればお願いしたいと思います。
○亀谷感染症対策課長補佐 事務局でございます。
 四宮先生、貴重な御意見ありがとうございました。
 まず先生の御指摘のとおり、小委員会ではカルバペネマーゼ産生、カルバペネマーゼ遺伝子が確認されることが、MICにかかわらずというところは、後ほど追記したところでございます。こちらにつきましては、先生のお見立てどおりというか御認識のとおりでございまして、アのところでMICが2以上であるところというのがあくまでメインと考えておりまして、ここで拾い切れないMIC1以下のところでも、カルバペネマーゼ産生、カルバペネマーゼ遺伝子を持っている株というのは当然存在しますので、ここも広く集めるべきといった意図でございます。
 国際基準のところで申し上げると、確かにほかの6つの病原体とは違い、CREだけカルバペネマーゼ産生またはその遺伝子が確認されるところというのが入っているところでございますが、国際基準との比較というところで見ますと、米国のCDCのガイダンス、2015年になると思うのですが、ここでもカルバペネマーゼ産性というのが一応入っているとは事務局でも確認をしているところでございます。なので、補完するという意味で付け加えているところであるとまず事務局としては捉えております。
 しかしながら、確かにMICにかかわらずというところで、MICを測らなくてもよいではないかというように、必ずそういうふうに読む人が誰もいないというところまでは言い切れないかなと、確かに今の御指摘のとおりだなと思うところではございます。実際の治療現場においては、MICを必ず測定して、それを基に治療薬が決定されていくべきものだと考えております。基本的にMICを測らず治療に臨むということは考えにくいのではあるのですが、そうした可能性をより少なくするといった方向性は重要だと考えております。
 あくまでアがメインであるというところをしっかり強調した書き方、すなわちア、イという書き方ではなく、例えばイをただし書のようにするとか、そういった書き方を事務局としては提案させていただければと思っているところでございます。
 こちらについていかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 書きぶりを事務局で検討していただけるということですけれども、四宮先生いかがでしょうか。また案を先生にも相談していただくみたいな形のほうがよろしいですか。
○四宮委員 現案は、アでもいいし、イでもいいと書かれているので、イを拡大解釈して、耐性遺伝子の検出のみで届出をするような可能性がないともいえません。届出をする医師は必ずしも感染症の専門家の方ばかりではないので、先ほど事務局が言われたように、アを補完する意味でイがあるというふうな書きぶりにすればより望ましいと思います。
○脇田部会長 分かりました。事務局のほうで少し書きぶりを検討していただきたいと思います。ありがとうございます。
 続きまして、谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 サーベイランスという面からコメントをさせていただきたいと思うのですが、細菌学的な症例定義の変更につきましては、もちろん全く異論はございませんが、今の耐性菌サーベイランスはJANISというのが並行して走っているわけですし、発生動向調査における報告とある程度重複しているわけです。それぞれサーベイランスというのは、その出てきたデータをどのように料理して、どういった対策に使うかが明確に定められていないものはサーベイランスではないわけです。そうすると定点も全数も意味合いは異なりますが、例えば今の報告基準だと、外来、Community-Acquiredの感染も、院内でAcquiredした感染も一緒くたですよね。何を見ているか分からないわけです。
 実際にJANISが院内を見ているのであれば、例えば発生動向調査は地域全体を見るとか、何を見ているのかをはっきりさせるような、つまり、目的を明確にした症例定義にしていただいたほうがいいのではないか。今回いろいろな症例定義を見直すのであれば、そこを含めて考えていただかないと、これを見て何を意味しているのかというのがよく分からないことになってしまうのではないかと思いますので、全体の意義、目的を明確にして、症例定義も外来なのか、院内なのか、それを明確にして考えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○脇田部会長 谷口先生、御指摘ありがとうございます。目的を明確にしてほしいということですが、事務局、いかがでしょうか。
○亀谷感染症対策課長補佐 谷口先生、御意見いただきましてありがとうございます。
 今いただいた御意見に関しては、発生動向調査に関して根本に関わる議論と考えております。今、御指摘いただいたように、JANISは院内の感染症に関して、nosocomialでございますから、感受性情報について収集しておりまして、発生動向調査というのはそのコミュニティーも含むというところでございまして、確かに目的がかぶっているところに関しては、院内というところが共通しているといったところで、それは御認識のとおりのところもあるかなと思っております。
 発生動向調査の在り方の議論だと思いますので、今日に関してはテクニカルな議論をいただいておりますけれども、一つ一つの国際基準にのっとった形というところで、外に目を向けた形で御議論いただいているところでございますが、いま一度国内の中でそれぞれサーベイランスの目的がどのように分かれているのかというところについて、従事していただいている皆様に御納得をいただけるように、引き続き在り方についても検討を重ねていきたいと考えております。
 事務局としては以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 今回の4つの菌について、特に最初の3つに関しては届出基準というところで、テクニカルな議論が中心ということになろうかというところです。
 最後の薬剤耐性緑膿菌に関しては、定点から全数ということですから、そこはまたサーベイランスの意義というものが変わってくるということも御指摘のとおりだと思いますので、引き続き、薬剤耐性感染症、細菌感染症のサーベイランスの全体像をしっかりと検討していただいて、その意義、目的もまた示していただければと思います。ありがとうございます。
 谷口先生、いかがですか。お願いします。
○谷口委員 細菌学的なものだけがテクニカルではございません。エピデミオロジカルな意義というのもテクニカルですので、今のお話だとエピデミオロジカルな意義がテクニカルではないように聞こえるのですけれども、よろしくお願いします。
○脇田部会長 承知しました。そこはしっかりと受け止めて、事務局にもお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次に成田委員、お願いします。
○成田委員 成田でございます。
 丁寧な御説明ありがとうございました。
 今回御説明いただきました各種感染症の届出基準の見直しにつきましては、AMR小委員会の先生方と十分に御議論いただいている内容だと思います。国際基準に合わせるという方向性について異論はございません。
 ただ、サーベイランスの精度を担保するためには、届出を行う医療機関や保健所に対し、今回の見直しについて十分な周知期間を設ける必要があると考えております。また、見かけ上、届出数が少なくなることにより、AMRに対する国民の関心が低くなることも懸念されます。届出基準の見直しに当たっては、周知や説明をしっかり行っていただければと思います。
 あわせて、衛生検査所が薬剤耐性菌の検査を適切に行うことができますよう、分かりやすい技術指針等をお示しいただけますとありがたいです。
 以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 周知期間、あるいは説明を十分にしていただくといったところですね。それから、衛生研究所へのガイダンスというところの御指摘がありました。
 事務局からいかがでしょうか。レスポンスいただけますか。
○亀谷感染症対策課長補佐 成田先生、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。本当に御指摘のとおりかなと思っております。
 今日御議論いただいた内容でございますが、本当に衛生研究所の先生方も当然でございますし、医療機関で従事されている方も当然ですが、様々な方がこの変更によって対応をしていただくことになりますので、事務局ないしは感染症対策課としまして十分なコミュニケーションをカウンターパートの方々と取っていく、また十分な周知期間を取っていく、こういったことは極めて重要だと捉えておりますので、しっかりと対応していきたいと改めて申し上げさせていただきたいと思っております。
 また、AMRへの関心が低くなるのではないかという御意見もいただきましたけれども、これにつきましては、我々のほうでいま一度、AMRに関しての周知徹底というところで、臨床リファレンスセンターの先生方もそうですし、様々な方々と共に、関心を高めるべく日々活動しているところでございます。なので、そういった活動もより一層力を入れていきたいと考えておりますので、先生方にはどうぞ今後とも御指導のほどいただければと思っております。
 事務局からは以上でございます。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。その点はよろしくお願いいたします。
 それでは、四柳委員、お願いします。
○四柳委員 どうもありがとうございます。
 詳細な御報告ありがとうございました。
 特にMDRP、薬剤耐性緑膿菌は非常に大事で、9枚目に小さく書いていただきましたけれども、将来の病原体サーベイランスの可能性についてどの抗菌薬に対しても、プラスミド伝達にしても点突然変異にしても、遺伝子検査が必要な分野ですので、ぜひ病原体サーベイランスについて検討していただきたいと思っています。
 あともう一点、少し今日の議題からは外れますけれども、AMRという観点から一言追加をさせていただきたいと思います。2枚目にアクションプランの対象になる病原微生物を出していただいて、そこの中に、5類感染症のほかに非チフス性のものと淋菌が入っています。
 淋菌についてコメントをさせていただきたいと思っているのですけれども、JANISに入ってくるものではないですので、そういった意味では、先ほど谷口先生からも御発言がありましたけれども、外来においてサーベイランスをきちんと行ってAMR対策をしていかなければいけない5類感染症ということだと思います。
 現時点では、これに関してはAMEDあるいは厚労省の研究ということで、一部サーベイランスがされていると思うのですけれども、研究期間が切れてしまうとサーベイランスの連続性が失われてしまう危険性があります。耐性菌の問題になっている感染症ですので通常の疫学サーベイランスにしても、あるいは病原体サーベイランスにしても、国によって安定したきちんとした動向調査が必要なように思います。これは今すぐの問題ではありませんけれども、恐らくかなり時間を要する可能性があると思いますので、御検討を考えていただければと思って発言をさせていただきました。
 私からは以上でございます。
○脇田部会長 四柳先生、ありがとうございました。
 最初に薬剤耐性緑膿菌の遺伝子検査に関する御意見があり、それから淋菌の動向調査に関する御意見ということであります。
 2番目は今日の議題ではないのですけれども、薬剤耐性菌のサーベイランスということで御意見いただきました。
 事務局のほうから、コメント、レスポンスがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○亀谷感染症対策課長補佐 事務局でございます。
 貴重な御意見ありがとうございます。
 9枚目にありますMDRPの病原体サーベイランスのところでございますが、まさに御指摘のとおりだと思っておりますので、これについても鋭意引き続き検討を進めていきたいと考えております。
 淋菌のところでございますが、これも御認識のとおりだと思っております。播種性淋菌感染症みたいな極めて一部なものを除いてかもしれませんが、基本的に外来で対応される菌でございますし、AMRというところの影響がかなり色濃く世界的にも問題になっている菌と承知をしております。これに関しても病原体サーベイランスのお話をいただきましたが、この必要性についてもいま一度事務局内でも再認識をいたしまして、引き続き検討していきたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほかにいかがでしょうか。さらに御意見、御質問等あればお願いしたいと思いますが、大丈夫ですか。
 それでは、御意見ありがとうございました。この件はまだ議論を続けるというところもございますけれども、事務局におかれましては、今日、様々な御意見がありましたので、それも踏まえまして取組を進めていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
 それでは、次へ進めさせていただきます。議題3になります。こちらは報告ですけれども、「抗微生物薬適正使用の手引き改訂に向けて」です。
 資料3について御説明をお願いします。
○亀谷感染症対策課長補佐 事務局でございます。引き続き、亀谷のほうから説明をさせていただきたいと思います。
 こちらは御報告という形ではございますが、先月11月に抗微生物薬適正使用の手引き改訂に向けてということで、AMSの作業部会で議論をさせていただいたところでございます。
 現在、抗微生物薬適正使用の手引きにつきましては、昨年に第3版が出たところでございまして、執筆者の先生方をはじめ、様々なところでこれの周知を行っていただいた結果、かなり読者層が数または層ともに増えてきているところでございます。今回、この手引きの第4版への改訂に向けて、御報告という形ではございますが、説明をさせていただきたいと思っております。
 次のページをお願いいたします。
 まず、第4版の改訂につきまして、目玉の一つでございますが、歯科領域に踏み込むというところを挙げているところでございます。こちらのスライドは歯科領域の抗菌薬適正使用における現状と課題とまとめているところでございます。
 現状の2ポツ目を御覧いただければと思いますが、全国抗菌薬使用量調査におきますと、医科領域における内服抗菌薬は90%以上を占めておりますが、歯科領域ではさらにそれより多く、99%を内服抗菌薬が占めている。さらに歯科領域においては、本来ほとんどの場面においてペニシリン系の抗菌薬がファーストチョイスになるものと認識をしておりますが、ペニシリン以外のβラクタム系の抗菌薬が半数を占めている。その中でも第3世代のセファロスポリンが大部分を占めているというところで、真ん中にあります棒グラフの右側、水色のところがペニシリン以外のβラクタム系を示したものでございますので、割合としては減ってきているものの、まだまだ過半数、このうちの大部分が第3世代セファロスポリンでございます。これ以外にもマクロライドですとか、キノロンですとか、本来使われる黄色のペニシリン以外のところがほとんどを占めているという状況が続いているところでございます。
 本邦においても先行ガイドラインは様々御尽力をいただいているところではあるのですが、こうした使用量調査を鑑みると、必ずしもガイドラインに準じた処方になっていない状況があると推測されております。
 こうした課題を踏まえまして、課題に3ポツ挙げさせていただいておりますが、2ポツ目でございます。このような状況を踏まえると、国から適正使用の情報を発信することが必要だと考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 手引きの改訂についてまとめたものでありますが、歯科領域編については先ほど挙げたとおりでございます。
 事務局(案)というところ、2つ目の四角でありますが、こちらを御覧いただければと思います。歯科領域編については今申し上げたとおりでございます。
 あと、医科のところでございますが、かなり内容が充実してきているところでございますが、より幅広い読者層に、それぞれのターゲットに分かりやすいような書き方をするというところ。あとは、そもそもこの手引きにつきましては大方針という形で出させていただいておりますが、不必要な抗菌薬使用を減らすというところと、抗菌薬使用しなければいけないところでは不適切な抗菌薬使用を減らす、この2つに絞った書き方をいま一度徹底するというところで考えておりますが、2ポツ目でございますけれども、章立てを変更するというところを考えておりまして、現在、本編・別冊・補遺という3編構成となっておりますが、より章立てがどれを見ればいいのかを分かりやすくするために、医科・外来編、医科・入院編というふうに医科の章立てを変更する。また、歯科編をそこに加えて3編構成にし直すということを現在検討して、それぞれのパートで既に執筆を進めていただいているという状況でございます。
 また、第3版までの内容の整理、エビデンスの更新についても、当然進めていっているところでございます。
 こちらに関しては、AMR小委員会でも作業部会に先立って頭出しをさせていただいているところではございますが、全委員の先生方に御同意いただいているという状況でございます。
 次のページをお願いいたします。
 今後のスケジュール(案)についてでございます。先ほど申し上げたとおり11月19日に抗微生物薬適正使用の作業部会を開催しているところでございますが、このようなスケジュールで進めていくことを提案しておりまして、今まさに進めているところでございます。来年度の9月に日本語版の発出を予定しているところでございまして、引き続き、よりよいものになるように進めていきたいと考えております。
 以上、御報告でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 抗微生物薬適正使用の手引き、現在、第3版ということですけれども、これの改訂に向けて、章立てを少し変更することとともに、今日挙げていただきました歯医者さん、歯科領域における抗生物質の適正使用というところにも少し力点を置いて、別立てとして歯科領域編といったものを作って書き下ろすということを今、考えて、準備を進めているというところでございました。
 スケジュール(案)を示していただきましたけれども、現在、12月、今回の感染症部会でこの進め方について説明をしていただいたところになります。
 それでは、ただいまの事務局の御説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 今村先生、お願いします。
○今村委員 今村です。
 このたび御説明いただいた歯科における抗菌薬の多くが歯科診療所における内服抗菌薬ということで、歯科領域に向けてさらなるなる適正使用の推進を図るという試みは非常にいいものだと思うので、そこに関しては賛同します。
 その上で2点お願いしたいことがありまして、1点目は、現在のような抗菌薬に関わる教育を多分十分受けなかった比較的高齢な年齢層の医師も歯科のクリニックにかなり多い状況になっています。そのため、出来上がった手引きそのままではなくて、分冊版あるいは簡易版など、より分かりやすい手引きとして準備していただけるといいかなというのが1点目です。
 もう一点は配布方法なのですけれども、ホームページというのはプッシュ型でなければなかなか自分から見るということはあまりないというのと、恐らく配布のときには歯科医師会をイメージされると思うのですが、歯科診療所の方は、かなり多くの方が歯科医師会に入会していませんので、そういうところの診療所にも伝わる方法をぜひ御検討いただければと思います。
 以上2点になります。よろしくお願いします。
○脇田部会長 今村先生、ありがとうございました。
 歯科領域編を作ることには賛成だけれども、特に高齢の歯科医師の先生にこれが分かりやすく伝わるような概要版的なものを作ってほしいというところと、特に歯科医師の先生方で歯科医師会に入っていないような先生方にも周知ができるような方法を検討してほしいということですが、事務局いかがでしょうか。
○亀谷感染症対策課長補佐 今村先生、大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 まず、抗菌薬に関わる教育を受けていない層にどう届けるかというところで御意見をいただきました。今、上の世代の方々について御発言いただきましたけれども、それ以外の方も含めて、十分な教育を受けていない方々が一定数存在すると認識をしております。分かりやすく内容を書くために、例えばページ数が歯科領域に関してはそこまで大きくはならない予定でございまして、医科領域だと今、200ページぐらいあるのですが、歯科領域はかなりそれよりも絞った、本当に数十ページの規模になると考えておりまして、予防と治療だと予防のほうにも結構力点が置かれる分野だと思っておりますので、本当に不必要使用を減らすという極めてシンプルなメッセージがより強くなると思います。それに伴って、そこまでページ数が多くなるということは考えておらず、よりそのエッセンスが濃い状態でお届けできるのではないかと考えております。
 あと、そうはいっても結局どこを見ればいいのだというふうにもなるかもしれませんので、より現場にどう届けるかというところが重要だと思っています。1つ考えているのが、いわゆる1枚紙、1ページャーといいますか、この1枚を見ればよいというものを作ることも今、考えておりまして、画像の形式でホームページに上げるとかもできると思いますので、診察室に1枚貼っておけばいいとか、そういったことも考えているところではございます。まだ形になっているわけではないのですけれども、こういった方向で現在進めているところでございます。
 あとは一部の執筆の先生からもいただいているのですが、フォントが小さいかもしれないという結構現実的な御意見もいただいていまして、フォントの大きさというところまで、細部まで今、分かりやすさを進めているところでございますので、適宜御報告をさせていただきたいと思っております。
 もう一点、歯科医師会に入っていない先生方にどう届けるかというところは、正直申し上げまして課題の一つと考えております。適切にどう届くかというところで、またこれに関しては検討を進めていきたいと考えております。
 こちらが認識している課題と全く同じところでございましたので、大変貴重な御意見と受け止めております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、成田委員、お願いします。
○成田委員 成田でございます。
 御報告ありがとうございます。
 ただいまの御説明の手引きに歯科領域を追加することにつきましては、その方向性に異論はございません。
 ただいま、今村委員から周知に関する御意見がございました。都内には約1万もの歯科診療所が存在しておりまして、これらの歯科診療所に対して、抗微生物薬の適正使用に関する理解をどう浸透させていくかが課題であると私も認識しております。例えば診療報酬上の工夫なども念頭に置くなど、抗微生物薬の適正使用に関する周知について御配慮いただけますと幸いです。
 以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 手引きを作って、それをいかにきちんと取り入れていただくかというところの御意見だと思います。
 事務局いかがでしょうか。こちらもそのとおりだなということを思うわけですけれども。
○亀谷感染症対策課長補佐 事務局でございます。
 貴重な御意見、また非常に現実的な御意見をありがとうございます。本当に事務局としてもそのとおりだなと受け止めているところでございます。
 内容がいかによくても、手元に届かなければ意味がないというところは当然のことだと思いますので、いま一度、歯科のところもそうですし、医科のところに関しても、周知方法をどうするかというところで、これをより強化することも含めて検討を引き続きしていきたいと考えております。
 また、診療報酬というところにつきましても、いかにこの手引きを日常的に見ていただくかということを踏まえて、実効性を担保するというところだと思いますので、これに関しても、どのような在り方があるかというところも引き続き検討を重ねていきたいと考えております。大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。分かりやすい周知、それから実効性の担保、そういったところは非常に重要だと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
 さらにいかがでしょうか。御意見ございますか。
 今のところ手は挙がっていませんので、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。今、御説明いただいた内容に関しましては、委員の皆様から御意見いただきましたので、報告していただいた方向で対応を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、議題4「その他」になります。
 7月8日に開催された第86回感染症部会、そして10月24日の第91回感染症部会において、報告事項として取り扱いました「病原体の行政検査の取り扱いについて」でございます。様々な御意見をいただいたところでありますが、事務局から御報告をしていただきます。よろしくお願いします。
○時岡感染症対策課長補佐 ありがとうございます。事務局です。
 第91回感染症部会の議題2「病原体の行政検査の取り扱いについて(報告)」でございますが、委員の先生方からいただいた御意見を踏まえ、資料4のとおり、令和6年11月14日に課長通知を発出したことを御報告させていただきます。
 こちらの通知の1に記載があるとおり、感染症法に基づいて国立感染症研究所で実施する行政検査について、検体や結果等の所有権が国に帰属すること等を含め、取扱いを整理しております。なお、委員の先生方からも御意見いただきましたが、研究等を目的として国立感染症研究所に提出された検体等はこの通知の整理外であることを併せて申し添えます。
 事務局からは以上となります。
○脇田部会長 御報告ありがとうございました。
 既に2回報告をしていただいて、さらに御意見があった先生には事務局から御説明もしていただいていると伺っています。
 さらにこの件いかがでしょうか。何かこの場で御意見ありますか。よろしいですか。
 ありがとうございました。特に御意見がなければ、今日の議題は以上となりますが、そのほか何か委員の先生方からございますか。特にないですか。
 ありがとうございました。それでは、事務局にお返しをしたいと思います。
○時岡感染症対策課長補佐 ありがとうございました。
 本日の委員の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
 この後、当方で、記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
 また、次回については、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日は、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。
○脇田部会長 委員の皆様、どうも活発な御議論をありがとうございました。
 これで終了いたします。
 また次回よろしくお願いいたします。