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第3回「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」議事録
日時
令和6年8月21日(水)14時00分~16時00分
場所
東京都千代田区平河町2丁目4-2
全国都市会館 第2会議室
全国都市会館 第2会議室
議題
ヒアリング(2回目)
- 妊産婦の当事者からのヒアリング
- 妊産婦の声を伝える者からのヒアリング
議事
- 議事内容
- ○柴田保険局保険課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第3回「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただき、ありがとうございます。
本日の会議は、傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行っております。アーカイブ配信はいたしませんので、あらかじめ御了承くださいますようお願いいたします。
まず、本日の構成員の出席状況について御報告いたします。
本日は、今村構成員、末松構成員、髙田構成員より御欠席の御連絡を頂いております。
また、本日は、御都合により、亀井構成員、田倉構成員、寺尾構成員、中西構成員はオンラインで御参加いただいております。
また、本日は、参考人として、まず妊産婦の当事者の方として、酒井祐子様、武田彩様、冨樫真凜様、また妊産婦の声を伝える方として、コネヒト株式会社の青柳有香様、株式会社ベネッセコーポレーションの久保田悠佑子様、株式会社赤ちゃん本舗の西峯佳恵様、一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク代表理事の佐藤拓代様、また、髙田構成員の代理出席として公益社団法人日本助産師会副会長の中根直子様、末松構成員の代理出席として鈴鹿市子ども保健課長の中川千恵子様、そのほか、公益社団法人日本産婦人科医会常務理事の宮﨑亮一郎様、公益社団法人日本小児科医会会長の伊藤隆一様、一般社団法人日本助産学会理事長の片岡弥恵子様、以上の12名の方々に御出席いただいております。
以上の参考人の方々におかれましては、議論の中で座長から発言を促された際に指名を受けて御発言いただくようお願いいたします。
それでは、会議冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの方は御退室をお願いいたします。
(カメラ退室)
○柴田課長補佐 では、以降の議事運営は田邊座長にお願いいたします。
○田邊座長 まず、議事に入る前に、濵口構成員、前田構成員より発言を求められているところです。濵口構成員、前田構成員、よろしくお願いいたします。
○濵口構成員 濵口でございます。一言だけお話をさせていただきます。
今般、出産にかかる診療報酬に関する報道がなされまして、皆様も目にされたことと思います。私、構成員の一人としまして、この検討会の設置要綱にあるとおり、妊娠・出産・産後に関する様々な支援等のさらなる強化の方向性について具体的な検討を行うということで、妊産婦さんが求める出産に対する支援方法をヒアリング等を通じて検討していくものであるということを改めてここで確認させていただきたいところでございます。
以上でございます。
○田邊座長 引き続き、前田構成員、よろしくお願いします。
○前田構成員 ありがとうございます。
日本産婦人科医会の前田でございます。
今、濵口構成員から出た話とほぼ同じでございますが、数日前のあるマスメディアの全国紙に、この検討会で行われている議論の結論がさも出たかのような報道がなされました。皆さんも御覧になった方がいらっしゃるかと思いますが、このように真摯に検討が行われているさなかにこのような報道がなされるのはいかがなものかと、恐らく厚生労働省さんはそんなことはないとおっしゃると思っておりますが、まずしっかり議論が行われた上で報道なされるようにしていただきたいと考えております。地方の会員から非常に心配の声が飛んでまいりますので、ぜひその点、よろしくお願いしたいと思います。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、事務局のほうからよろしくお願いします。
○佐藤保険局保険課長 保険課長でございます。
濵口構成員、また前田構成員から御指摘いただきました。「こども未来戦略」におきましては、2026年度を目途に出産費用の保険適用の導入を含め、出産に関する支援策のさらなる強化について検討を進める、と閣議決定がされております。それを踏まえて、この検討会において検討策を議論していただいているところでございますけれども、もちろん現時点で政府において、その結論、方向性も含めてでありますけれども、決まった方針はございません。ですので、こういう報道というものは事実ではございませんので、この点について改めて申し上げたいと思います。この検討会の場において、構成員、また参考人の皆様から丁寧に御意見を頂きながら、真摯な検討を進めていきたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
○鹿沼保険局長 座長、すみません。私のほうからもよろしいでしょうか。
○田邊座長 よろしくお願いします。
○鹿沼保険局長 保険局長でございます。
まずは、ああした報道が出て本日御参加の先生方に御心配、御懸念を抱かせたことにつきまして、本当に申し訳ございません。また、前田先生のおっしゃるように、現場の方々、大変御不安の声もあろうかと思います。こうした点につきましても、本当に申し訳ございません。
ただ、事実関係につきましては、今、佐藤のほうから申し上げたとおりでございます。当然ながら、この会で前回は医療関係の方々から大変貴重な御意見を賜りました。また、本日も当事者の方々からの貴重な御意見を賜ろうかと思っておりますし、また、その後、引き続き、熱心な御議論を頂くということだと思っております。したがいまして、今の段階で役所のほうで何か物事が決まっているというようなことはあり得ない話でございますので、その辺についてはしっかりお話しさせていただければと思いますし、いずれにしましても、ここでの皆様方の御議論、御意見、そういったものを踏まえて、私どもとして丁寧に進めていきたいと思っております。引き続き、自由闊達な御議論をお願いできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○田邊座長 ありがとうございました。
この検討会のテーマは論点が非常に多岐にわたっております。また、個々の論点に関しまして、十分に検討を加えて議論を進めていく必要がございます。事務局におかれましても、結論を急ぐことなく丁寧な検討会の運営をお願いしたいところでございます。また、関係の委員の皆様方の御協力もお願い申し上げる次第でございます。
それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入ってまいります。まずは、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○柴田課長補佐 事務局でございます。
お手元の資料の確認をさせていただきます。
傍聴いただいている方は厚生労働省のホームページから資料を御覧ください。
本日の資料は、資料1としまして、李構成員、西峯参考人からの提出資料
資料2としまして、久保田参考人からの提出資料
資料3としまして、佐藤参考人からの提出資料
資料4としまして、青柳参考人からの提出資料
そのほか、参考資料として、前回第2回検討会における主な意見
以上を御用意しております。過不足、乱丁等ございましたら、事務局にお申しつけください。
また、構成員と参考人の皆様には、本日の机上配付資料としまして、この後、議題1でヒアリングを行います妊産婦の当事者の3名の方々のプロフィールをまとめた資料を1枚配付しております。
以上でございます。
○田邊座長 ありがとうございました。
それでは、議事の進行に入ってまいりたいと思います。まず、議題1の「妊産婦の当事者からのヒアリング」を行いたいと存じます。
初めに、妊産婦の当事者として御出席賜っております酒井参考人、武田参考人、冨樫参考人、以上の3名より簡単に自己紹介をしていただきまして、その後、構成員と意見交換の時間を設けたいと思います。意見交換の時間はおおむね30分程度を予定しております。
まず、酒井参考人、それから武田参考人、その後、冨樫参考人の順に自己紹介をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○酒井参考人 本日は、オンラインで参加させていただいております。よろしくお願いします。
そちらのプロフィール表にもありますとおり、1980年生まれです。今、東京在住です。出産経験は2回で、2021年と2023年です。2021年は都内の個人クリニックで無痛分娩で出産いたしまして、2人目は都内の助産院で一般分娩というのでしょうか、出産いたしました。両親が近くにおりませんもので、夫婦2人で子育てに奮闘中ということで、今、下の子の育休中でございます。こどもの音声が入るかもしれませんが、御容赦いただけたらと思います。よろしくお願いします。
○田邊座長 ありがとうございました。
それでは、武田参考人、よろしくお願いします。
○武田参考人 武田彩と申します。
私は、1995年生まれ、大阪出身で神奈川育ちです。現在は、ここの近くのIT企業で働いているのですが、今、妊娠5か月、神奈川県内の自宅近くの病院で出産予定になるのですが、まだ予約は取れていないような状況です。よろしくお願いします。
○田邊座長 ありがとうございました。
それでは、冨樫参考人、よろしくお願いいたします。
○冨樫参考人 冨樫真凜と申します。よろしくお願いいたします。
私は、1999年生まれで、22歳のときに第1子を出産しました。そのとき、夫が山梨にいたので、山梨の病院で無痛分娩で出産しております。その後、都内に引っ越して、現在は都内で私はパートタイム、夫はスタートアップで結構激務なので、いわゆるワンオペをしながら育てているという形になります。よろしくお願いいたします。
○田邊座長 ありがとうございました。
それでは、妊産婦の当事者の方々に対しまして、質疑があれば挙手にてお願い申し上げます。
では、井本構成員、よろしくお願いいたします。
○井本構成員 では、御質問させていただきます。日本看護協会の井本でございます。
3名の方、妊娠中、子育て中のお忙しい中、検討会に御参加いただき、ありがとうございます。
冒頭に濵口構成員から説明がありましたように、この検討会は、妊娠・出産・産後に関わる支援策等の強化の方向性について具体的に検討していくということが趣旨になっておりますので、その観点からぜひ御質問させていただきたいと考えております。
1点目は、今までの御経験の中でどんな支援を専門家から受けたいと思ったか、2点目に、支援を受けた中で助かったこと、もしくはよかったこと、3点目に、もっとあるといいなと思われた支援を教えていただきたいです。3点あるので、エピソードの強いところでお一人お一人お聞かせいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○田邊座長 では、先ほどと同じ名簿順で申し訳ございませんけれども、酒井参考人、何かありましたら、よろしくお願いします。
○酒井参考人 支援としてありがたいこと、ありがたかったことという話なのですけれども、第2子出産のときに助産院で、いわゆる産前の情報提供というか、お産の進み方であるとか、あるいは実際にお産のシミュレーション、自分がおなかが痛くなって、こういうパターンがあってということを教えてもらえたというのがすごくありがたかったです。
逆に、第1子の無痛分娩のときには、そういったものが紙では配られたのですけれども、特段かみ砕いて教えていただくという機会がなかったので、無痛分娩ということもあって、お任せみたいな感じだったのですが、自分としては初めての出産でかなり戸惑いがありましたので、そこの情報提供を誰がするかというのはあるのですが、していただけるとうれしいし、第2子のときの自分の経験が第1子のときの自分にあったら、思いが違っただろうなと思います。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
それでは、武田参考人、お願いいたします。
○武田参考人 ありがとうございます。
私、まだ妊娠5か月になったばかりなので、正直、具体的な支援はあまり受けていないのですけれども、病院とか区役所のほうからこれからの流れについて簡単な用紙は頂くのですが、具体的に私が今から何をして、何を考えて、何を幾ら、お金の部分も物の部分も何をどう準備すればいいのかというのが分からなくて、とても不安で、SNSとか調べれば調べるほど情報は得ることはできるのですが、それが正しい情報なのか確認するすべも分からなかったり、調べれば調べるほど沼にはまっていくような感覚が今はあって、その部分が医療従事者の方だったり正しい情報を最低限しっかり伝えていただけると、すごく安心して、それだけは備えようとか準備しようというふうな形になるので、いいかなと思っています。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、冨樫参考人、よろしくお願いします。
○冨樫参考人 続いてになるのですが、武田さんのおっしゃることが物すごくよく分かるので、私もSNSで調べて、どんどんプラスアルファでこれはあったほうがいいのかもみたいな感じで、無限に買っておかなきゃいけないのかもみたいなリストが増えていった経験があります。実際、病院でこれは最低限必要なものとプラスアルファ必要なものを分けて提示されたらよかったかなという感覚と、産まれてみないと、母乳育児になるのか、ミルクになるのか、混合になるのかみたいな話も、産まれた後どういう分岐があるのかが全く分からなくて、グッズを準備する上でもそうですし、夫とどういうふうに育児の役割分担を設計していくかみたいなものでも見通しが立っていなかったというのは結構大変だったところです。もし医療従事者の方とか、産後入院している数日間の間に少しお話を聞けるところがあればもうちょっとよかったかなという点と、先ほど酒井さんが無痛分娩の話をおっしゃっていたのですが、私は逆に無痛分娩の説明会や勉強会が病院主催であって、それが物すごくありがたくて、当日、今、どの段階で何をされているのかというのが分かるというのはとてもよかったです。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、御質問をよろしくお願いします。
○松野構成員 武田さん、冨樫さん、酒井さん、本日はお忙しい中、ヒアリングに御参加いただき、ありがとうございます。連合の松野と申します。
私のほうから幾つか質問させていただければと思います。皆さんに対してなのですけれども、まだ武田さんは予約が取れていないということですが、これから出産されたい、あるいはほかのお二人の方は出産された施設を選んだポイントは何か、出産に当たって妊婦健診や出産にかかる費用、産後ケアなどの支援制度が分からないなど不安や心配だったこと、あるいは心配なことについて、教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○田邊座長 では、お願いいたします。
○酒井参考人 酒井が申し上げます。
選んだポイント、第1子に関しては無痛であるということをポイントに選びました。都内のクリニック、大学病院等々探しまして、費用の面で比較的安価だったので、そこの病院を選びました。第2子は助産院で出産したのですが、そこに関しては、第1子の無痛のときに、先ほど申し上げたとおり、あまりにも自分で情報が取れなかったので、出産のときにすごく後悔というか、そういう気持ちが残りまして、それで自分なりにいろいろと調べた結果、助産院でフォローを頂きながら出産したいと思って、そういうわけで出産しました。それがポイントです。
すみません。第2点目は。
○松野構成員 出産に当たって不安や心配だったことについてです。お願いいたします。
○酒井参考人 出産に関して第1子のときに事前に不安や心配だったことは特になかったです。ほかのお二人と違ってあまりSNSを見なかったし、無痛分娩なので、そんなに大変なことなく進むのではないかと思ってしまっていて、それでなかったです。第2子のときは、第1子の経験があるので、そこがなかったですという感じでした。
○田邊座長 ありがとうございます。
では、武田さんはまだ選び中だと思いますけれども、何か御意見ありましたらお願いいたします。
○武田参考人 ありがとうございます。
絶賛選び中というところなのですが、まず、出産一時金でいけるところというか、自己負担額が少ないところというので最初探していました。かつ、無痛分娩が可能なところで探していたのですけれども、私の住んでいる区内で出産できる病院が6~7か所あって、結構多いほうだったとは思いますが、安い順に見ていくと、安いところからしっかり予約が埋まってしまっていて、今、検討中のところは自己負担額が1番か2番目に高いところで、最低でも20万円は産むだけで足が出てしまうというのは感じているので、負担額はどうにかならないかと悩んでいて、区外に出るのか、それとも実家の近くのほうで探すのかというところで改めて悩んでいるところです。
不安なところは、やはりお金がどこまでかかってくるのかというのがホームページを見ても正直分かりにくいところで、幾らからというふうには書いてあるのですが、実際に自分の処置が何が必要になってくるのか、もちろんそのタイミングにならないと分からないことは理解しているのですが、とはいえ、自己負担額が幾らになるのか結構無限な気がしてしまっていて、その部分が怖いと思っています。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、冨樫参考人、よろしくお願いします。
○冨樫参考人 私も無痛分娩ができるというのが一番大事な要素で、山梨県全体で無痛分娩できるのが1か所しかなかったので、必然的にそこになりました。実際手出しが分娩費用だけで30万超えたので、今までの妊婦健診とか加算すると合計40数万はかかったという感じでした。
不安だったところでいうと、つわりがどのぐらい重いのか、妊婦期間はどんなふうに過ごすのか、働けるのか、全く分かっていなかったこと、もちろん個人差はあるのですが、それに対して軽減できる対処法があるのかどうか、あと、不安だったところは、出産のときに会陰切開といって裂ける前に切るみたいな処置があると思いますが、それが麻酔なしで行われるというふうにネットで書いてあって、本当にと思って、皮膚を麻酔なしで切るのかという不安が物すごくありました。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、佐野構成員、よろしくお願いします。
○佐野構成員 ありがとうございます。
健康保険組合連合会の佐野と申します。保険者という立場から御質問させていただきます。
本検討会では出産費用の保険適用がテーマに上がっております。冒頭にもありましたが、まだ具体的な検討項目が全く議論されていないという状況でございますので、抽象的な質問になって大変恐縮ですが、次の2点について皆さんにお伺いしたいと思います。まず1点目は、皆さんが保険適用ということについて期待していることは何なのかということです。2点目は、反対に保険適用するに当たって心配な部分、不安な部分、これはどういったことがあるのか、この2点について御意見をうかがいたいと思います。
以上でございます。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、よろしくお願いいたします。また順番で酒井参考人からお願いします。
○酒井参考人 まず、期待する部分ですけれども、結果、お金が安く済むということだと思うので、そこに物すごく期待しています。できたらゼロ円とかだと、安ければ安いほどありがたいというところで期待しています。
保険適用になることへの不安というところなのですが、安くなるというのはありがたいのですけれども、そうすると、産院とか、どこで産むかというところ、分娩の差別化というか、保険適用することによって今まで受けられていた医療が変わったりしないのかというところは少し不安です。言い方が適切ではないかもしれないですが、お金をたくさん取ることができるのでクリニックもこうやっていたけれども、保険適用になるからそうではなくなるみたいなことがないといいなと心配しています。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、武田参考人、よろしくお願いします。
○武田参考人 ありがとうございます。
保険適用は、自己負担額が少しでも減るというのが一番望んでいるところです。どうしてもこれから先、保育料だったり、いろんなところにお金が無限にかかってきてしまうところだと思いますので、その部分が少しでも減って、別のところにこどものためにお金を使えたらいいなと思っています。もちろん保険適用外だった部分とかも今までの経緯とかも理解しているつもりですし、出産や妊娠が病気ではないことは分かってはいるのですが、それでも出産や妊娠は後押しされていいことなのではないかというふうに気持ち的にも思っています。
不安なところは、もちろん所得格差が出ないように、影響しないようにしてほしいと思っているところと、懸念として、今後、保険適用になる部分と適用外になる部分が出産の一連の流れの中で出てくると思います。今も出産のセットでエステだったりいろんなプランが入っていて、そこも込みで何十万となっていると思いますが、そのプラスアルファのオプションが無限に増えないかというところだったり、その選択をどうやってしたらいいのかというところも事前に整理いただけると、選ぶ側としても分かりやすく楽に選ぶことができるのではないかと思っています。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
冨樫参考人、よろしくお願いします。
○冨樫参考人 似たような話ですが、保険適用への期待は、一番は負担額が減ることです。すごく欲を言えば、無痛分娩でも多少なり手出しが減ればうれしいと思います。
心配していることに関しては、酒井さんとかぶるかもしれないのですが、病院の経営というか、今、少子化で生まれてくるお子さんの数が減っている中で、1人当たりの単価を上げることでしか病院は成り立たないと思うと、保険適用しても、従来受けていた、それこそ無痛分娩ができるかできないかだったり、そもそも分娩自体をやっているかやっていないかみたいな話で、病院が分娩をやめたらどうしよう、選択肢が減ったらどうしようといった不安があります。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、亀井構成員、お手が挙がっていたと思いますので、よろしくお願いします。
○亀井構成員 ありがとうございます。突然ですみません。
話が戻ってしまうのですが、最初のところで濵口構成員と前田構成員がおっしゃったのと同じことで私もコメントすべきかと思いまして、基本的には同じことを申し上げたくて手を挙げさせていただいたのですが、あの報道が出たときは学会内は蜂の巣をつついたような騒ぎになりまして、これ以上やっても意味がないではないかという意見も出ましたので、私自身もこれはどういった経緯で出たのかというのを知りたくてコメントさせていただきたいと思ったまでです。話をぶり返しまして申し訳ございません。
○田邊座長 ありがとうございました。
恐らく事務局の回答が全てでありまして、事実はないというのと、あと、今後の検討会の議論をしっかりやって、それを形にしていきたい、この2点だと思います。
ほか、新居構成員、よろしくお願いします。
○新居構成員 manmaの新居と申します。
武田さんのほうから既にお話もあったかと思いますが、ほかのお二人にもお伺いしたいと思って幾つか質問させていただきます。
これからこどもを持とうかということを考える妊娠前と、実際に妊娠が分かったタイミングで出産にかかる費用に対する経済的な不安はどのぐらい感じたのかというところと、武田さんからさっき金額をどう工面しようかみたいな話もあったと思いますが、出産費用に関してどういうことをされてお金を捻出するかというところで事前に準備されたりしたことがあれば教えていただきたいと思います。
もう一点、出産されたお二人は、実際の想定に比べて費用が上がったということだったり、意外と抑えられたというような、費用に対する感覚があればお伺いしたいです。
○田邊座長 ありがとうございます。
では、回答のほうをよろしくお願いいたします。順番どおりで酒井参考人からお願いいたします。
○酒井参考人 申し上げます。
費用の負担のところですが、先ほどお二人のどちらかの方がおっしゃったのですけれども、ミニマムで幾らというような書き方だったので、何となくこれぐらいかなというようなところと、あと、SNSで見た情報、それぐらいでした。出産一時金と、会社のほうから手当金を頂ける予定だったので、そこを差し引いて大体これぐらいというところで夫と貯金の中から捻出したというような状況です。
想定より安かったか高かったかという話ですが、1人目のときは想定よりもとても高かったです。というのは、無痛分娩の一連の中で、通常の無痛分娩のようにするっといかなくて、吸引分娩と鉗子分娩というのをすることになりまして、要は赤ちゃんが下りてこなかったので、先生に外から引っ張り出してもらうということで、その2段階があったのです。それがオプションでプラス幾らというふうになるのですが、状況としては出産の最後のほう、陣痛が1分置きぐらいに来るような中で「酒井さん、このままではお子さんが下りてこなくて体力的にも危ない状況なので、吸引分娩をしたいと思いますけれども、チャレンジしていいですか」ということでチャレンジする。出てこなかったので「鉗子分娩で引っ張り出してもいいですか」と言われて「お願いします」というふうに、「お願いします」しかないと思いますが、その「お願いします」によってオプションの10万円、10万円が加算されていくという状況なので、産む前に事前にメニュー表を渡されて、金額がこうなったらこうというのは聞いていたものの、あまりにもそんな状況の中で駄目ですというふうに言えないので、そこが自分の中で、想定より高かった、個室にしたからとか、そういうレベルとは違う、メンタルに来るショックでした。総額が95万円だったと思うので、一時金を頂いても自分で50万円近く出したというところです。ちなみに、もちろんエステはないですし、個室は個室でしたけれども、御飯も通常の御飯というようなレベルでした。
第2子に関しては、助産院で出産したので、そもそもがトータルで60万円ぐらいだったので、手出しで10万円ぐらいで収まりました。事前に、第1子の経験があって、いろいろと助産院の方とやり取りができたので、お金の件に関しても結構聞くことができたので、第1子に関しては想定よりというような後悔は特になかったです。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
これからかと思いますけれども、武田参考人、よろしくお願いいたします。
○武田参考人 ありがとうございます。
今のお話を聞いて、幾らかかるのだろうというのがどきどきしている部分です。金額の部分は、やはり何円からしか書いていなかったり、聞いてもその場になってみないと分からないからというので、この処置をやるから幾ら上がりますと言われても、具体的なイメージは、私はまだ経験していないですし、その言葉の意味がまだ100%理解できていないというのが正直なところなので、不安は募る一方です。
捻出するためにどうしようかというのは、日々旦那とも相談はしているのですが、私自身、今、フルタイムで働いているので、次のボーナスまでは絶対に働かないといけない。前倒して産休とか取る制度も社内にはもちろんあるのですが、ボーナスだったり給与の面で一円でも多く稼いでおいたほうがいいというところで、産休に入るタイミングはぎりぎりまで延ばそうという判断を今のところはしていますし、復帰のめども、できるだけ早く戻らないと大変かなという漠然としたイメージで話してはいます。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
それでは、冨樫参考人、よろしくお願いします。
○冨樫参考人 経済不安に関しては、そもそもの生活コストを抑えるために山梨で産み育てることにしたというのは私がやった対策の一つで、結果的に今、東京に引っ越してきてはいるのですが、当時、最初の2年間ぐらいはずっと山梨だったというところでした。
想定よりどうだったかという話でいうと、全く想定額が算出できなかったので、産んでみて結構高いと思ったという感覚でした。私、実家が港区にありまして、港区が区独自の助成金で、出産に対してたしか合計81万円分の助成を港区独自で出していたので、出産金額がこんなに高いのだったら一回実家に住所を飛ばしておけばよかったかと思ってしまうぐらい高かったです。
○田邊座長 ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
では、よろしくお願いいたします。
○山縣副座長 ありがとうございます。
今、妊娠中の費用のことが大変だということはよく理解したのですが、別の視点からで、妊娠届出のときから妊娠中に地域の支援だとか、そういったものの関わりについてどうだったかということ、もう一点が、乳児家庭全戸訪問事業というのがありまして、いわゆるこんにちは赤ちゃん事業、そういうときにどういう方が来られて対応していただいたかといったこと、その2点について教えていただければと思います。
○田邊座長 では、酒井参考人、よろしくお願いします。
○酒井参考人 地域支援なのですが、母子手帳を頂きに行って、その際に保健師さんとお話しして、その後は区のほうから独自のお祝いを頂いたのかなと記憶しています。ただ、私、2021年に出産したとき、コロナ禍だったので、両親学級とかもなかったという状況だったので、今と大分違うかなと思います。こんにちは赤ちゃんに関しては地域の保健師さんが来ていただいたと記憶しています。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、武田参考人、現段階でもあれば。
○武田参考人 ありがとうございます。
1点目のみになってしまいますが、区役所のほうに提出しに行ったときに、まず環境がすてきだと思った記憶があります。というのも、窓口の数がほかの窓口よりも多くあって、たまたまそのタイミングで発達障害のお子さんがお母さんと一緒にいらしていたのですが、手続中に別の職員の方がお子さんを見てあげたり一緒に遊んであげたりというその雰囲気を見て、万が一というのはおかしいかもしれないのですが、何か病気のこどもが生まれたとしても安心だなというふうに思った記憶があります。
それ以外の支援についても、4か月のタイミングで職員の方からお電話を頂いて、これからこういう申請をしてくださいという区から独自の支援について御案内いただいたというのはすごくありがたかったですし、相談できる場所があるのだと思って精神的にちょっと安心できたというのはありました。
一方で、両親学級に関しては、御案内はもちろん頂いているのですけれども、平日の午前中しか開催がなくて、あいにく休みが取れない日だったり、土曜日の開催も枠がすごく狭くて、かつ土曜日の開催だったらお母さんだけで来てくださいとか、それは両親学級という言葉と違うのではないかと思ってしまったり、その予約の争奪戦に勝てるのかどうかも分からないですし、その辺りが不安なのと、自分の通っている産院のほうでも両親学級の開催がほとんどないところなので、その点で、参加したい意思はありつつもタイミングが合わないというところが、今、困っているところです。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、冨樫参考人、よろしくお願いします。
○冨樫参考人 妊娠時の地域の支援はそんなに印象に残っていないというのが正直なところです。山梨で妊娠して出産しているのですが、いろいろ紙は頂いて、産まれたらこういう手続をしてくださいとか、産まれた後の予防接種のスケジュールの紙、そういったものをまるっと頂くのですが、何回か足を運ぶときに別の紙をもらって、内容が違う紙なのだけれども、重複していて、どれを持っておいたらいいのか、一冊だけにしてほしいみたいな気持ちではありました。
こんにちは赤ちゃん訪問の助産師さんは明るいいい方が来ていただけて、自分から生後すぐお出かけすることが難しかったので、それはありがたかったという感じです。
○田邊座長 ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
では、よろしくお願いいたします。
○新居構成員 私も昨年11月に実は出産しまして、今の質問にn=4として答えさせていただきたいと思います。
私も冨樫さんと非常に近いような形で、妊娠が分かってから生まれるまでの行政の支援はほとんど記憶がなくて、やはり一番印象的なのは母子手帳の交付のタイミングで、物すごい量の資料を頂いて、取りあえず捨ててはいけないのではないかと思って全部ファイリングして大切に抱えて帰ったというのが唯一の接点かなという感じです。両親学級や母親学級もまさに争奪戦なので、予約開始日をカレンダーに入れて争奪戦に勝つぞみたいな感じで予約して、やっと行ったという感じなので、いわゆる伴走してもらったというような感じは正直なかったというところです。
産後1か月たった後に保健師さんがいらっしゃったのですが、ちょうど1か月健診と重なるような時期にいらっしゃって、1か月健診で体重を見てもらえるならその2週間後でいいわねみたいな感じで電話で言われて、結構のんびりいらっしゃったのですけれども、最初の1か月は不安だったので、もうちょっと早く来てくれないかなみたいなことはそのとき思ったという感じです。母子手帳を頂いた方も産後に来た方もみんな違う方だったので、特定の方とは言わないですが、産後不安なときに誰か相談できる特定の方と産前に知り合えていたら、もうちょっと安心だったのにという細切れ感はありました。
以上です。
○田邊座長 では、お願いします。
○山縣副座長 ありがとうございました。
今お聞きになって分かるように、地域差が結構大きいのです。例えば産前産後に2~3回ずつ訪問しているような地域もあったり、電話だけではなくてその間の訪問もしていたり、この辺りのところをもう少し地域の中で格差のないような形でやっていくというのが今回とても大切な点かと思いました。
こんにちは赤ちゃん事業も、保健師さん、助産師さんの数が足らなかったりして、民生委員の方が行ったりしても、なかなか話にならなかったり、こういう辺りのところも法律で決まったのでやっているみたいなところがどうしてもあって、中身をしっかりと吟味しながらやっていく必要があるかなと思いました。どうもありがとうございます。
○田邊座長 ありがとうございました。非常に重要なポイントかと思います。
ほか、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますか。
3名の参考人の方、非常にインフォーマティブな、非常に重要な情報を御提供いただきまして、ありがとうございました。御礼申し上げます。
それでは、次のヒアリングのほうに移ってまいりたいと思います。続きまして、議題の2の「妊産婦の声を伝える者からのヒアリング」に移ってまいりたいと存じます。資料1から資料4まで順に御発表いただいた後に全体を通じての質疑応答、意見交換の時間を設けたいと存じます。各資料につきまして、発表時間は10分を目安にお願いいたします。意見交換の時間を十分に確保できるよう御協力をお願いいたします。
まず、資料1の李構成員・西峯参考人からの提出資料について報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○李構成員 赤ちゃん本舗の李です。本日はこのような発言の機会を頂きまして、ありがとうございます。
私たち赤ちゃん本舗は、妊産婦の声を代弁する立場として本検討会に出席させていただいております。本日は私、李と、西峯より、ユーザーへのアンケート調査から見た妊産婦の現状についての報告をさせていただきます。
本日のレジュメといたしまして、まず赤ちゃん本舗についての一部御説明と、出産・妊娠に関する費用負担の実態把握、こちらのアンケート調査を行った内容について御報告させていただきます。
まず、御報告に当たる前段のお話と赤ちゃん本舗について少しお話をさせていただきます。
ここまで第1回、2回の検討会の内容を振り返り、どういった話題が多く上がったかということを私たち社内でいろいろと整理してみました。ステップとして、左側に記した医療の現状の話、また本日は妊産婦の現状のお話、次回が行政側のヒアリングとなっております。医療側と行政側、妊産婦の現状を踏まえて今後の検討会に生かすという内容になります。第1回、2回の検討会の中では、大きく4つのトピックスが出ていたと思っています。出産にかかる費用の構造について、医療従事者の人材不足について、周産期医療の体制確保が非常に困難になっている現状について、また、妊産婦への切れ目のない支援強化が必要、こういった内容についてです。これらの内容が検討会の中でトピックスとなっていました。本日、赤ちゃん本舗から御報告いたしますのは、妊産婦の実情について、妊娠以降どれぐらいの費用がかかるか、そういったイメージができているのかどうかなど、赤ちゃん本舗のユーザーに対してのアンケートを実施いたしました。
赤ちゃん本舗について少し説明させていただきます。日本国内の初産の方をベースとした場合の赤ちゃん本舗の会員登録の割合は約8割前後あります。赤ちゃん本舗登録者とその年の出産予定日を御登録いただいた初産の女性の数で比較しています。全国に126店舗ある赤ちゃん本舗で第1子の出生数8割に及ぶ会員登録を持っているということ、本アンケート調査はある種の信憑性を持っていると私たちは考えています。
本日、ここから妊娠・出産に関する費用負担の実態調査、アンケート調査の結果について報告させていただきます。
こちらのページが調査内容から見た報告のサマリーとなります。私たちは今回の検討会参加を受けまして、妊娠・出産を経験されている会員のお客様にアンケートといった形で質問を投げております。アンケート配信後、こちらのSNSコメントの抜粋にあるように、ユーザーの方々の投稿がいろいろと見られました。非常に関心の高さがうかがえる内容となっています。また、この後、アンケート調査の結果を報告するのですが、情報についての提供方法と複雑さ、これが非常に際立って感じた部分です。先ほど妊産婦の当事者として武田さんをはじめ参考人の皆さんがお話しされていたとおりだと非常に強く感じました。情報という部分では、せっかくの制度が理解されていない、周知ができていない、情報がばらばらになっている、分かりにくい、届出が煩雑、まだまだ課題があるように感じています。この後、アンケートからのサマリー報告と、また、アペンディックスに今回のアンケート結果の詳細を掲示しております。
では、ここで報告を弊社マーケティング本部の西峯に代わらせていただきます。
○西峯参考人 続きまして、私、西峯から御報告させていただきます。
まずはこのような場での発表の機会を頂きまして、誠にありがとうございます。今回のアンケートの実施と分析を務めました。よろしくお願いいたします。
アンケートの概要です。資料左のスマホ画面は、実際のアンケートフォームの冒頭部分です。今回の検討会のための調査であることを明記し、全33設問、当社アプリにて8月9日から11日の3日間にかけて実施、7500件もの貴重な御回答が集まりました。
次のページは、回答者のプロフィールです。お子様の年齢は妊娠中も含め、各年齢で1000件以上、一部店舗のない県の回答が少ないものの、全国区で回答がございました。本日はこの中から際立って見えたものをこの場でお伝えします。
次のページは、妊産婦さんや子育て中の親御さんからの声の定量分析です。妊娠中・産後にかかる費用が不明瞭、支援策の検討とともにまずは見える化をお願いしたいです。左側のグラフは、妊娠中にかかる費用について、妊娠が分かった時点での認識度を尋ねました。ほぼ全ての項目で90%近くの回答者が「費用が掛かること自体知らなかった」もしくは「金額はわからなかった」と回答しています。また、右側のグラフは、産後の費用の想定も「金額はわからない」と回答する方がおおむね30%を超えています。
また、国や自治体、健康保険などからの給付、その他控除についても、情報の見える化、整理、積極的な発信が必要です。妊娠中や産後に受けられる補助などでどんなものがあるか、妊娠が分かった時点での認識度を尋ねました。妊婦健診の補助や育児休業給付金、乳幼児医療の助成など、様々な項目を上げました。赤く塗ってある部分が「制度を知らなかった」もしくは「もらえる金額を知らなかった」という回答です。例えば一番上の項目は初回産科受診料支援事業というものですが、始まって間もない制度で、低所得者のみの対象ではありますが、認知度は低い状況です。2つ目の出産・子育て応援交付金についても、もっと広く知っていただくための積極的な情報発信が必要です。また、つわりなどで一時的に休職した方は傷病手当も受給可能ですが、認識は低い状態となっております。
次のページでは、さらにフリーコメントの定性分析も行いました。情報収集や手続の困難さを感じる声、助成や補助金がありながらもタイムラグや不足があり、負担を訴える声もありました。情報収集の困難さ、不明瞭さの中には、各種制度についての透明化や、妊娠中から産後にかかる費用の透明化を希望する声、申請手続の複雑さの中には、もっと簡単に申請できるようにしてほしい、手続のウェブ申請化をしてほしいという声、収入減少の不安と負担感の中には、育休手当が毎月入ると助かるという声、助成・補助金がありながらも感じる負担の中には、妊婦健診の補助券はあるが、毎回手出しがあった、地域によって出産育児一時金で足りて余る人、足りない人もいるという声が上がっています。
ここで特に注目したいのは、申請しなければもらえない、知らなければ損をするという仕組みへの不満の声です。どんなにいい制度、支援、サービスをつくっても、使っていただけない、使いにくいと感じさせてしまう場合、その価値は著しく低下してしまいます。妊娠は病気ではないと言われ、終始元気な方も一定数いらっしゃいますが、不調や不快な症状というのが続くことがあります。今は妊娠中も仕事をされている方も多く、体や気持ち、時間に余裕があると言える日のほうが少ないと捉えています。日常生活を送るだけでも大変な妊産婦さん、御家族の皆さんの手間をいかに省き、簡単簡潔にするかというのも必要な対応であると、小売業として妊産婦の方と日々接する立場として認識しております。
続きまして「どんな支援が欲しいですか」の問いに対して多かった御意見をまとめました。妊娠中から出産のことも多いのですが、産後の金銭的支援を強く希望する声がより多くありました。左のグラフは、金銭的な支援、そうでない支援も含めて、出産前のこと、産後のことに大きく分けると、産後の支援を求める声のほうがやや多い結果となりました。要望の多かった内容は、産前でいえば、情報の整理・発信、パパも一緒に育児をする社会づくり、金銭的な支援でいえば妊婦健診や出産費用の無償化、産後でいえば、産後ケアサービスや育休制度の拡充、各種手当の増額、保育料の無償化などです。実際のコメントを抜粋していますが、とにかく産後にお金がかかるという声が多く見受けられました。
今回の調査から定量的な数値として、助成に関する情報がまだまだ届いていない、届出が手間で分かりにくいこと、定性的な内容として、金銭的な負担を軽減したい、出産時だけではなく産後におけるものも含めてといった内容でした。
まとめますと、本日、赤ちゃん本舗からの提言は3つです。1つ目、各種制度(助成)の整理、見える化と情報発信から、助成を受けやすい環境の構築。2つ目、各種手続の工数の削減から、手間を省く仕組みづくり。3つ目、出産時以外の(産後も含めた)支援策の要望。こちらをお客様から承っております。審議、検討の際に御参考にしていただきたいと存じます。この後にアペンディックスとして今回の調査の全容をつけております。少しでも議論の参考にしていただければと思っております。
最後になりますが、今回の調査により、7500名以上の妊産婦を含む多くのユーザーの声を聞くことができました。社会や子育て環境が変化する中で多くの課題を抱えながらも、その声は妊娠・出産・子育てをよりよいものにしたいと願う子育てに向き合う人たちの未来に向けた希望の声だと感じています。私たち赤ちゃん本舗は、これからもこどもを産み育てやすい社会の実現を目指してまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。
○田邊座長 御報告ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、資料2に関しまして、久保田参考人からの御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○久保田参考人 今回、このような場での発表の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。ベネッセコーポレーションたまひよメディア事業部の久保田と申します。どうぞよろしくお願いします。
本日「たまひよ妊娠・出産白書2024」より、日本の出産・育児環境に対する父親・母親の認識とその声についてお伝えさせていただければと思います。
まず、冒頭に「たまひよ」のことを少し御紹介させてください。1993年に雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」を創刊いたしまして、2023年(去年)に30周年を迎えまして、今年31周年を迎える雑誌です。最初は雑誌から始まり、現在は雑誌やアプリ、WEBサイトを中心に妊娠・育児事業を各種展開させていただいております。また、この30年の間に、自治体や全国の産婦人科などとも接点を持たせていただきながら、妊産婦や御家族の方にいろんな情報やサービスを御提供させていただいております。
今回発表する資料の「たまひよ妊娠・出産白書」は2021年にスタートし、2024年で4回目を迎え、最新版のリリースを2025年3月に予定しております。こちらは、生後0か月から1歳6か月のお子さまを持つ父親・母親約2000人への調査になっております。第2回の2022年度版から父親も調査対象に加えております。
こちらの調査は、コロナ感染拡大によって立会い出産や両親学級ができない状況を踏まえて、妊産婦の実態に何か変化がおきているのではないかというところを調査し、世の中に発信するという目的でスタートしております。その後も、働き方、健康、ジェンダーの意識変化、男性育休など妊娠育児に関連した法制度整備など、急速なスピードで変化する社会状況や深刻な少子化などを受けて、父親・母親の今を世の中に発信することが必要であるとし、継続して調査を進めております。
この調査の中で聞いていることを抜粋してお伝えします。まず、「日本の社会は、子供を産み育てやすい社会だと思いますか?」という問いに対してですが、「あまりそう思わない」と「全くそう思わない」という方が、母親で75.0%、父親で59.1%という結果になっております。
中身を分析すると、母親のほうは前年と変わらず「出産・育児がしやすい社会」と思う割合が1割程度で推移しております。「あまりそう思わない」と「全くそう思わない」という方が2022年から7割を超える割合で、2023年度版も推移しております。父親のほうは、「産み育てやすい社会だと思いますか?」という問いに対しては「とてもそう思う」と「まあそう思う」という方が母親よりは割合が多いのですが、前年よりは減少しております。また、「あまりそう思わない」と「全くそう思わない」という方が増加している傾向になっております。
次は「日本社会において出産・育児がしやすいと思わない理由は何ですか?」とお聞きしております。母親・父親ともにトップは「経済的・金銭的な負担が大きいから」で、8割から9割を占める結果になっております。前年と比較すると、母親は「子育てしながらの家事の負担が大きいから」「子育てにおける体力的・身体的負担が大きいから」「子育てにおける精神的負担が大きいから」が増加、父親では「将来の社会への不安が大きいから」「子育てにおける精神的負担が大きいから」が理由として増加している結果になっております。
つまり、「日本の社会は、子どもを産み育てやすい社会だと思わない」は、母親75.0% 、父親59.1%であり、2022年から増加傾向で、理由は「経済的・金銭的な負担が大きい」が8割から9割を占めるということになり、子育て全般に関しての経済的・金銭的負担の不安というのがやはり大きいと感じております。経済的・金銭的負担というところですけれども、出産費用だけではなく妊娠時の健診から産後ケア、その後の医療、保育、教育と関わってくる一連の経済的負担に関して不安を感じていらっしゃる方が多いように感じております。出産費用等の負担軽減は父親・母親にとって非常に求められる傾向にあると感じております。
ここからは、参考になります。「2023年に妊娠・育児に関連して印象に残ったニュース・キーワードを教えてください」という問いに対して、男性も女性も「出産一時金引き上げ」が1位になっております。
また、この調査の方々に、「子どもを生んでよかったと思いますか?」を聞いたところ、ほぼ全員の父親・母親が「子どもを産んでよかった」と回答しております。なお、父親のTOP2では母親と同様に9割を超えており、TOP1(とてもそう思う)で7.5割程度になっています。父親も母親も「子どもを産んでよかった」と感じていらっしゃいます。
次は「あと何人、子どもがほしいとお考えですか?」という質問をしています。「あと1人以上欲しい」父親・母親は約7割なのですけれども、低下傾向にあります。母親で見ると、「あと1人以上ほしい」は2022年から5ポイント以上減少し、、低下傾向が続いています。一方「0人(もっと欲しいが難しい)」と思っていらっしゃる方が増加している傾向にあります。父親のほうも「あと1人以上」が前年から僅かに低下し、「0人(もっと欲しいが難しい)」が微増している状態になっております。
次に、「出産・育児にあたっての、父親の休暇取得状況」について聞いております。法制度の影響が大きく、父親の育休利用は大幅増加傾向にあります。出産・育児に当たっての父親の休暇取得状況をヒアリングしておりますが、母親・父親ともに、配偶者(父親ご自身)が「育児休業制度を利用し休みをとった」が最も高いです。2022年10月に新設された「産後パパ育休」利用者も含めると、制度利用による休暇取得者の増加は顕著になっております。「出産や産前産後のための休みはとっていない」という方は前年から減少しています。
また、「父親の休暇取得日数」を聞いておりますが、配偶者・パートナーの出産・育児に当たり休暇を取得した日数は「出産当日」「出産前後に2日~3日」は減少し、「1カ月~3カ月未満」が大幅に増加しています。「2週間~1カ月未満」「1カ月~3カ月未満」が3年連続で増加しており、育休休暇は徐々に浸透傾向にあるのではないかとうかがえます。
次に「男性育休が普及するためには何が必要ですか」とお聞きしたところ、「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」「育休中の収入補填」を必要と答えている方が多い結果になっております。父親の育児休業制度利用促進への必要条件として「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」が最も高いポイントで、「育休中の収入補填」や「昇進や昇給などにひびかない評価制度」が続く結果になっております。もっと育児に関わりたい男性は9割程度と多数を占めており、前年と同程度ですけれども、育児に関わりたいと思っている男性が高い水準でいらっしゃることが分かります。
以上、「たまひよ妊娠・出産白書2024」から抜粋して、妊娠・出産・子育てに関して経済的・金銭的負担、将来への不安を感じている母親・父親の声を中心にお伝えさせていただきました。日本は出産・育児をしにくいと感じる父親・母親が過半数を超えるという厳しい状況になっています。その一方で、後半、話題にさせていただきましたとおり、育休関連の法整備もありまして、父親の出産・子育てに関する変化が目覚ましいことや、ほぼ全員の父親・母親が「子どもを産んでよかった」と答えるなど、ポジティブなことも多いと考えています。「生まれてくる人」とそれを「育てる人」が祝福される社会へ「たまひよ」も貢献していきたく、引き続きよろしくお願いいたします。本日は御清聴ありがとうございました。
○田邊座長 御報告どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、資料3につきまして、佐藤参考人から御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○佐藤参考人 佐藤拓代です。このような時間を取っていただいて、本当に心から感謝しております。
私の資料は「妊娠・出産の無償化と国際水準の継続ケアの実現を」とタイトルを銘打ったところです。
私自身が医師として小児科医、産婦人科医、新生児科医として働き、あと、地域保健、公衆衛生の現場のところで長く働いてきた中で、大阪で働きましたので、こどもの虐待等いろんな事件を見ていて、妊娠期からのこども虐待予防が重要だと思い、ライフワークとして仕事をしてきているところです。
その中でも「全国妊娠SOSネットワーク」の代表理事も務めていますけれども、予期せぬ妊娠、思いがけない妊娠をした人たちは経済的な問題を抱えている人もたくさんおりまして、その人たちが、出産で受診するのにお金がかかる、あるいは妊婦健診受診券をもらったけれども、持ち出しが多い、あるいは出産費用は物すごくお金がかかるのではないのかという、先のことをネットで調べまして、出産に至らない、自分で分娩し、虐待し、0日死亡を起こすというような方たちも増えてきているところです。ですから「全国妊娠SOSネットワーク」では、妊娠SOSの相談窓口の質の向上と支援の質を上げることを目的として活動しておりますし、また「子どもと家族のための緊急提言プロジェクト」の共同代表としても活動してきております。
今日、私がお話ししますところは、緊急提言プロジェクトが今までやってきた成果として、当事者に対する質問から得たこと、感じたことを中心にお話をさせていただきます。
これが先ほど私がお話をしたことのサマリー的なところですが、「子どもと家族のための緊急提言プロジェクト」は2021年に団体発足して、コロナ禍での子育て支援等の問題が大きいということで、有識者、保育関係者、ジャーナリストなどで構成いたしまして、月に一遍とか、頻回な夜のオンラインでの勉強会を重ねてきました。その中で、コロナ禍で深刻化した妊産婦・親子の孤立の問題を重要視しまして、さらに勉強会等を続け、調査活動をし、この調査活動が今回の根拠になりました「出産費用に関するweb調査」なのですけれども、その問題も非常に大きいということを感じまして、調査をしたわけです。あと、与野党へのロビーイング、院内集会などを展開してまいりました。
中でも、先ほど何回も申し上げていますけれども、2022年4月、コロナ禍がちょっと過ぎた頃に「出産費用に関するweb調査」をしまして、当事者に対する調査が行われたというのは、これに特化した資料はこれが初めてではないかと思います。調査期間は非常に短期間で、2022年4月1日から15日だけで47都道府県から1236件の回答が集まりました。これは2018年1月1日以降に出産した人と区切っていますので、第1子もあり、第2子もありなのですけれども、直近に出産した人と言えるかと思います。各種団体の御協力を得て進めることができました。
調査結果から分かったことですが、出産育児一時金はそのときには42万円でしたけれども、それ以下で産めた人はわずか7%でした。42万円以下は、帝王切開になる、あるいは正常分娩ではなくて保険適用の分娩となってくると費用が少なくて済むわけで、費用の負担は軽減されていましたけれども、通常分娩では42万円以下だった人は九州、東北などのごく一部で、特に首都圏の出産費用が高かったです。61万円以上の83.3%は首都圏でした。首都圏というのは、皆様方御存じと思いますが、埼玉、千葉、東京、神奈川の4つと政令指定都市、特別区の回答は60.2%寄せられてきたわけです。全体の47.3%が61万円以上でしたが、その中の83.3%が首都圏で、回答数も多いのは多いのですけれども、61万円以上と答えている人は首都圏の人が多かったです。特に女性の年代は40歳以上が全体の8.6%なのですけれども、首都圏は78.3%と、特に2018年の1月以降に出産した人に区切っていますので、少なくとも36歳以上で出産したということになろうかと思いますが、不妊治療もし、分娩するとなってくると、首都圏は特に「産み場所を選べない」ということをアンケートで皆さん方がおっしゃっています。
さらに、妊産婦の多くが高い負担に驚いて公的支援の拡充を求めていました。「高いと思う」人が3分の2でした。しかも、感想を自由記載のところにいろいろ書いてくださっているのですけれども、「公的な負担がもっとあるといい」が67.6%、「負担大きく驚いた」が56.4%、「子ども産みにくい国」が50%、先ほどの調査の御回答からもありましたけれども、そのように考えていて、もう次のこどもは無理だと思うような声が寄せられていて、4人に1人は次の出産をちゅうちょするとなっています。
次に、入院予約金を求められた人が半数、エステや特別な食事など加算で負担増というのは、産むところがないから特に首都圏だと予約金を求められる人が多いわけですけれども、金額は5万円以上が6割、4人に1人が10万円以上であった。そして、出産費用を払ったのだけれども、エステとかマッサージというのが組み込まれていた。恐らくはそういうことを知らしめるようなことが医療機関のホームページにも出ているのでしょうけれども、実際に出産してみたら、しんどかったからエステとかマッサージは受けられないで退院したのだけれども、費用の中にはこれは恐らく含まれているのでしょうねというようなコメントでした。ですから、出産費用がどこまでがどうなのかというのがあまり分からず、総額としてこれぐらいだからというように捉えている利用者が多いのかなと思います。特別な食事は約3割でした。もちろんこれに物すごく満足している人もいたのですが、自由記述欄には、出産が国民皆保険の対象外、何で保険が利かないのかというような生の声、あるいは病院間の価格差が大、個々の価格の違いは何によるのだろうとか、現状への不満が噴出しておりました。
自由記述で具体的なところを書いてあるわけですが、これは皆さん方の生の声です。読んでいただきたいと思います。順序は、回答していただいたところから私たちがそうだなと思うようなところを抜いてはいるのですけれども、大多数の方がこれに近いような回答を出してきてくださいました。
たった2週間の調査で、しかも会員登録とか、そういうことをしていない調査で、こんな調査があるから御協力をお願いしますレベルな、アナログに近いような周知をして47都道府県から1200人を超えた回答があるというのは、私たち自身も驚きでした。この反響の大きさこそが妊産婦からの生のメッセージなのだと思うのです。私たちもこのことを報道提供しましたし、あるいは院内集会等でも、あるいは議員さんたちにも知っていただくというような活動をいたしました。メディアでも出産費用をめぐる報道が急増していますし、他方、国のほうでも研究費等で出産費用の調査をされているのですけれども、これは医療側が対象であったということで、住民側の調査と医療側の調査は価格でも違いが出てくるのは当然かと思いますが、現状はこうだったということです。ですから、医療側の調査も重要ではあるのですけれども、当事者中心の政策に、当事者がどう考えているのかということから方向転換していただきたいという思いがいっぱいです。
次は、内閣府の調査ですけれども、先ほどのベネッセさん等も産みにくい国という割合が出てきていたのですが。この4か国の調査は内閣府が5年置きにやっている調査です。子育てしにくい国の反対の「生み育てやすい国だと思うか」の回答の「どちらかといえばそう思わない」「全くそう思わない」というところを赤くくくっていますが、日本だけが61.1%なのです。特に日本はこの15年間で10%以上増えている。先ほどのベネッセさんのは2022年で68%ですから、そう思っている人たちがさらに増えているのかもしれないと思います。
子ども・子育て政策の改革として、私たちの緊急提言プロジェクトがやってきましたのは「すべての妊産婦と親子を孤立させない政策へ」ということで、一番最初の「安心して妊娠・出産、育児にのぞめる環境の確立」が今日私たちがお話ししたいことの中心ですけれども、それからさらに孤立させない出産をということで、全ての人に妊娠期からの伴走型支援ですね。入れ違いの日替わりメニューでの支援者ではない、やはり決まった形での支援者がいるということがすごく重要だと思います。このことをお話ししたいと思います。
次に、児童相談所での虐待対応件数は増加ということで、皆さん方御承知のところなのですけれども、いろんな施策を児童福祉でもやられているにもかかわらず、うなぎ登りに増えています。その中でも放置される妊娠の不安や悩みという、私たちがやってきている望まない妊娠、予期しない妊娠の相談窓口活動でやってきている人たちが相談できない裏には、絶対に言えない、お金がないから医療機関にはかかれない、そういった人たちがいます。人工妊娠中絶は年12万件ほどあります。虐待件数が多い。4人に1人が産後うつ、赤ちゃんポストへの妊娠相談も2017年以降170人、あるいは毎年起きる新生児の遺棄、0日死亡はなかなか解決されない問題だと思っております。そこの陰に費用のこともあるのではないかと思います。
次は、国の虐待死検証から分かる日本の課題です。先ほど言ったところが(1)ですけれども、特に(2)の専門機関の人材不足は、先ほども妊娠中あるいは産後の支援ということが当事者からのヒアリングでも出てきているところですが、連携・専門性に課題があると思っていますし、(3)の親となることへの支援がやはり不足しているのではないかと思うところです。それは次のスライドからも出てきます。
WHOは、First 1000days from pregnancyということで、人の成長にとって最も重要な時期などだということを言っています。280日が妊娠期で、後は720日、2歳までの支援が必要です。それから、ジェームス・ヘックマンという人が、2000年にノーベル経済学賞をもらったアメリカの方なのですけれども、公的投資の収益性が最も高いのは妊娠期から乳幼児期であるということを出してきています。
海外の状況はどうかということで、提案1です。一番下には日本を書いているのですけれども、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、デンマーク、スイスはみんな国民皆保険、保険の対象で、通常分娩が保険でカバーされている。産婦の自己負担はなし。個室料金はかかるところもありますけれども、我が国の状況と比べるとかなりの違いがあります。
さらに費用以外に、提案2としては、やはり周産期の専門家こそが継続的なケアをする。ハイリスク選別、それに対しての支援だけではなくて、誰にでも妊娠・出産の思いがけないことがたくさんあるのだという全員への予防的な支援をお願いしたいです。ノーリスクからの上流対策こそが、お産の満足度と虐待予防、愛着形成、親子関係構築に高い効果を発揮します。フィンランドの「ネウボラ」の話は皆さん御存じだと思うのですけれども、ネウボラで妊婦と家族を専門職がケアして、99%の妊婦が登録されているし、「0日死亡なんて聞いたことがありません」と現地ではおっしゃるのです。虐待死の大幅な減少が実現されています。
その次に、フィンランドのワンストップ支援拠点というのはこういう状況ですというのをちょっと出しています。どの家族も育児につまずくときがあるからこそ全員支援というのが功を奏しているのだろうと思いますし、予防的支援こそが社会コストを節減できているというようにフィンランドでいろんな文献が出てきています。
これはフィンランドの虐待死亡率の割合です。2006年から2010年が最終ですが、これ以降は虐待死亡数はないというようなことを研究者はおっしゃっています。誰でも支援が受けられるということがこれだけ虐待死を予防するということをまさに認識したところです。
ニュージーランドでも「Lead Maternity Carer」というのを導入されています。同じ助産師さんが伴走して、医療機関での分娩のときにもその助産師さんが担当者について腰をさすってくれているという、すごくいいケアをしてくださっています。これも流産や早産の予防などにも効果があるし、満足なお産にもつながっているということが書かれています。
あと、先ほどの伴走型支援は、ばらばらではなくて同じ専門職の伴走が必要であるし、提案3のところでは、共働き・共育てで父親の休暇取得率も高くなっているのですけれども、やはりこの人たちも支援ではなくて当事者として育児をしてくださるというようなメニューも入れていくことが大事ではないかと思います。
提案4は、各種の育児生活サポートを誰もが利用できるインフラとして整備していただきたいということを挙げています。
最後ですけれども、妊娠・出産・育児についての佐藤の思いということで、どの地域にも頼れる専門家や資源があることが分かるというところを目指していきたいと思うところです。
以上、時間を頂いて、ありがとうございました。私の話を終わらせていただきます。
○田邊座長 御報告どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、資料4に関しまして、青柳参考人から御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○青柳参考人 コネヒト株式会社の青柳有香と申します。
本日は「妊娠期から産後に妊産婦が置かれている現状と課題について」ということでお話をさせていただければと思います。
まず初めに、弊社のサービスと私の自己紹介を簡単にさせていただければと思います。弊社は「ママリ」というサービスを運営しております。「ママリ」は、全国350万人のユーザーに御利用いただいている子育て支援サービスです。妊娠・出産・育児等において悩みや困り事があった際に、同じような経験を持つママや先輩ママからのアドバイスや共感を得ることができるコミュニティーアプリを運営しております。また、先ほど息を潜めてしまっていて大変恐縮なのですが、私自身、現在、妊娠7か月の妊婦でございまして、当事者の立場からも本日はお話をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
早速でございますが、「ママリ」ユーザーに対してアンケートを実施いたしましたので、妊娠・出産・産後期におけるアンケートの概要と結果についてということで御報告させていただきます。
今回「ママリ」のユーザーに対して、妊娠中から4歳程度のママさんを中心にアンケートを実施しております。人口分布に比例した割合で妊産婦からの回答を全都道府県から3991件集めております。
参考資料として、回答者の構成比と年齢分布に関しては5枚目のスライドに記載しておりますので、御参照ください。
今回は妊娠期から産後まで下記のような調査を実施しております。妊娠期については妊娠期における費用調査、出産時については出産時における費用調査、また無痛分娩に関する実態調査、産後については産後のケアについての実態調査を実施しております。
まず、妊娠期から、妊娠期における費用調査ということで御報告させていただきます。妊娠期について「妊婦健診の費用に関して自己負担が発生したことがありますか」と尋ねたところ、妊婦の約9割に自己負担が発生しているという状況が分かりました。また「どのぐらい自己負担が発生しましたか」と尋ねたところ、1万円未満までという答えが43%、5万円未満までと答えた割合が36%、我々の調査では全体の8割がこちらの範囲に収まっているということが分かりました。
続いて「妊婦健診を受ける際に健診以外で自己負担が発生したことがありますか」と尋ねたところ、64%の方が妊婦健診以外にも自己負担が発生していると回答しています。妊婦健診以外に発生した費目としては、受診施設までの交通費、出生前診断等の健診以外での必要な検査、薬の処方等といった項目が多く挙げられておりました。
こうした現状から2点、御提言させていただければと思っております。
妊婦健診では、公費補助では賄えない部分に加えて、交通費、また公費補助対象外の健診費など想定外の自己負担が発生していることが分かりました。妊婦の経済的負担を軽減するために可能な限り公費補助を充実させていただきたいと考えております。
また、厚労省が実施している先行調査、また各自治体の公費負担状況、健診施設での費用負担等は一定可視化されていますが、情報が散在していて少し集めづらい状況になっていると感じています。「出産なび」等を活用して妊婦が効率的に、かつ納得度の高い選択ができるように、全国各自治体ごとの公費補助額と施設ごとの健診にかかる費用を一覧で可視化できるようにしていただきたいと考えております。この2点目に関して一覧で可視化できるようにしてほしいかということをユーザーに尋ねたところ、9割がぜひしてほしいということで意向も上がっております。
続きまして、出産時における費用調査と無痛分娩に関する実態調査について御報告させていただきます。「出産時に一時金を超えた自己負担額は幾らでしたか」と尋ねたところ、自己負担額が発生しなかったと答えた回答者は22%でした。実際に出産育児一時金を超えた自己負担額としては、10万円未満が最多の38%、次いで10万円から20万円未満が25%という結果となっておりました。
また「出産にかかるおおよその費用をいつ把握しましたか」と尋ねたところ、施設への支払い額が分かったのが産後だったと答えた回答者が4割となっておりました。特に退院する日になって支払い額が判明したと答えた回答者が最多となっておりました。また、出産にかかる費用に関して、32%が分娩施設から十分な説明を受けなかったとも回答しております。
次に、無痛分娩の状況について御報告させていただきます。出産時の無痛分娩希望者は、全国平均でならすと我々の調査では約2割となっておりました。都道府県別には東京都、神奈川県、千葉県など大都市圏が全国平均よりも無痛分娩希望割合が高い傾向となっておりました。無痛分娩希望者の少ない都道府県は、グラフの右側に記載がありますけれども、こちらの地域に関しては無痛分娩を受けられる対応施設がそもそもないとか少ないという実態が想定されます。また、無痛分娩を希望された方のうち、実際に27%が無痛分娩を受けることができなかったとも回答しております。なぜ希望どおりに受けられなかったかと理由を尋ねたところ、予定日より早く生まれてしまったとか帝王切開になってしまったなど、母子要因での無痛分娩の選択不可が最多の回答でありました。次いで、産院で対応できる時間帯ではなかった、また、そもそも無痛分娩が選べる産院が少なかったといった産院の要因による理由が挙げられておりました。
こうした現状から2点、御提言させていただきます。
出産に当たって約8割に自己負担が発生していることが分かりました。しかし、その具体的な支払い費用が分かったのは会計・退院の日であったと答えた割合が最多であったことからも、出産にかかる費用を早期に妊婦が把握できるように、分娩施設も説明機会を極力早期に設けていただきたいと考えております。また、何に幾らかかっているのかという費用の内訳を透明化していただいて、妊婦が自身の経済状況やニーズに応じてサービスを取捨選択できるようにしていただきたいと考えております。
また、分娩方法に関しても、無痛分娩は全国平均では2割のみの希望という状況とはなっていましたが、居住地によっては実施施設がそもそもない・少ないことから、妊婦が選択できない状況が発生していることが想定されます。妊婦がニーズに応じて分娩方法やサービス選択ができるように、施設の充実、また夜間・休日等でも希望の分娩方法が受けられるような医療体制をぜひ整備していただきたいと考えております。
続きまして、産後のケアについての実態調査を御報告させていただきます。「出産後に気分が落ち込んだ経験がありますか」と尋ねたところ、約8割が「ある」という回答となっております。一方で、「自治体が実施している産後ケア事業を受けたことがありますか」という質問をしたところ、「受けた」と答えた回答者は26%にとどまっております。産後ケア事業を受けなかった回答者のうち59%は、本来であれば受けたかったとも回答しております。産後ケア事業を受けたかったのに受けられなかった理由を尋ねたところ、最多としては「近くに利用できる施設がなかった」が26%、次いで「費用が高すぎた」が18%と続いておりました。また、その他で自由回答として尋ねたところ、受けられなかった理由として「上の子の預け先がなかった」「同伴が不可だった」「里帰りのため受けられなかった」という回答が多く集まっておりました。
次に「出産後、頼れる人、支援してくれる人はいましたか」と尋ねたところ、93%は「いた」と回答した一方、7%は「いなかった」と回答しております。頼れる人の内訳としては「夫・パートナー」「実母」に多くの回答が集まっておりました。一方で「行政サービスの支援を受けた」と答えた回答者は3%にとどまっている状況です。
こうした現状を受けて、産後についても2点、御提言させていただきます。
産後気分が落ち込んだことがあると答えた回答者が約8割いる中で、自治体が実施している産後ケアを受けた回答者は26%にとどまっている状況です。産後に必要なケアが受けられるようにメンタルケアの受け皿の整備など、居住地や出産場所の近くで産後ケアが受けられるような施設の充実、またサービスの拡充を求めます。
同時に、費用の適正化、申請手続の簡略化、子連れでもサービスが受けられるような体制の整備を求めます。
こちらのグラフは再掲になるのですけれども、産後にも産後ケア施設を一覧で可視化できるようにしてほしいという意向が9割、回答として集まっておりますので、参考資料として載せさせていただきました。
続きまして、ここからは私自身、妊娠7か月の妊婦当事者として、これまでの体験と課題感についてお話しさせていただければと思います。
まず、妊婦健診の持ち出しについてなのですけれども、私自身、現在妊娠7ヶ月で、出産までに受ける健診の全14回に対して、再検査も含めてなのですけれども、5回受診している状況です。今時点での自己負担額、持ち出しとしては3万2000円ぐらいとなっています。妊娠発覚から母子手帳を受け取るまでは、妊娠しても補助が受けられないということもありますので、実際にはさらに多くの自己負担をしているという状況です。個人的には、妊婦健診にここまで持ち出しが発生することを想定していなかったので、非常に想定外、予想外の出来事だったと感じています。
また、居住地による公的費用補助の違いに関してなのですけれども、私は現在の居住地から、妊娠後期に別の自治体への転居を予定しております。出産は里帰りをして長野県内で出産する予定となっております。里帰りを行うに当たって、現居住地と新居住地に確認したところ、今時点の住所では産婦健診の費用は還付の対象外になってしまう。ですけれども、新居住地は領収書があれば後ほど還付してもらえるということで、各自治体によっても対応が分かれるということが分かりました。出産時の住民票の所在によっても公費補助が変わる、すなわち自己負担額が変わるということは驚きでもありますし、若干不平等さを感じる出来事でもあったと感じております。
また、無痛分娩に関してなのですけれども、私自身は、里帰りする実家の近所に無痛分娩の対応施設があったので、出産時の体力温存や産後の早期回復を目的に無痛分娩を希望している状況です。弊社が行ったアンケートでも「無痛分娩を希望していたものの、無痛分娩の対応時間外に陣痛が起こってしまって実際には受けることができなかった」という声も上がっておりました。前回の検討会で資料として御提示がありましたけれども、妊婦の約半数は夜間の出産となっているデータもあるということを聞いております。24時間体制での対応が難しければ、無痛分娩を想定・希望していても受けられない事態になることもあって、どうしても怖いという感情が募ります。医療体制を24時間整え続けることの難しさということも重々理解はしているのですけれども、当事者としては、いつ陣痛が起きても受けたいサービスが受けられるような体制をぜひ整えていただきたいと考えております。
産後についてなのですけれども、私自身も、夫の実家、自身の実家も遠く離れていて、なかなか頼れる人が近くにいない中で子育てをしていくことになります。今回のアンケートでも、夫や実母、その他の家族が産後サポートしてくれたという声が多かったのですけれども、現時点では核家族・共働き家庭が増えている中で、必ずしもパートナーや実母、家族のサポートが受けられる人ばかりではないと感じております。行政や民間の産後ケア事業のサービスがより利用しやすくなって、産後のメンタルケアや育児相談を気軽に、かつ継続的に受けやすい環境を整えていただくことを望んでおります。
私からの発表は以上です。御清聴ありがとうございました。
○田邊座長 御報告どうもありがとうございました。
それでは、資料1から資料4につきまして、御意見、御質問等ございましたら挙手にてお願いいたします。
では、佐野構成員、よろしくお願いします。
○佐野構成員 ありがとうございます。
皆さんのアンケート調査を含めて大変興味深い内容についてご説明いただき、感謝したいと思います。
その中で、一点、コメントとして、海外の制度やデータについて資料がございましたが、これについては厚労省事務局のほうでも必要に応じて整理いただければと思っております。
また、質問としては、先ほどと同じ内容になりますが、2点確認させていただきたいと思います。1点目は、出産費用の保険適用ということについて期待していることはどういうことでしょうか。2点目は、保険適用について御不安もしくは懸念、心配されていることはどういうことでしょうか。この2点、お答えいただければと思います。
以上でございます。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、報告順ということでいうことで、まず、李構成員からお願いいたします。
○西峯参考人 赤ちゃん本舗、西峯です。
保険適用に関して期待することとしましては、やはり皆様、保険適用そのものというよりも費用が安くなるということに期待をしておりました。
懸念事項としましては、今回の回答では見える部分がなかったというのが御回答となります。
以上です。
○田邊座長 では、引き続き、久保田参考人、よろしくお願いします。
○久保田参考人 ありがとうございます。
私たちも保険適用という観点ではアンケートで聞いておりませんが、経済的不安というところがこどもを育てることの不安へ直結していたり、もう一人産むということの不安に通じているところがございますので、そういうところの軽減が大事なのかと思っております。
今回、中西もいますので、中西さん、何か追加でございますか。
○中西構成員 多分、保険適用イコール出費が減ると、イメージだけで期待している人が多いのではないかという感触を受けていまして、3割負担と今の一時金とをてんびんにかけたら本当は損する人もいるということに気がついているのかなと、ちょっと疑問を感じているところです。
○田邊座長 ありがとうございました。
それでは、佐藤参考人、よろしくお願いします。
○佐藤参考人 1点目の出産費用の保険適用化のところでは、やはり医療内容がある程度一定化される。でも、今まで丁寧にやってきたところはどうなるのだということもあろうかと思いますが、少なくともエステ等は入っていない料金としてはこれぐらいであるということと、あと、自己負担が50万円の出産育児一時金等で手当てされていくと、自己負担なく産めるようになるとすばらしいと思っているところです。
あと、不安のところでは、先ほどの無痛分娩のところでも出てきますし、医療の内容のところでも出てきましたが、ここについてもさらに検討して、医療機関がドクター1人ではそれに対応するのはなかなか難しい時代になっていると思うのですが、医療機関の高度化も保ちつつ、しかし住民側の今の不安になっているところも解決するような、海外には先ほどこんなことがありますよということで収集をお願いしたいということをおっしゃっていましたけれども、それもぜひとも参考にしていただいて、みんなで検討していくとありがたいと思っているところです。
○田邊座長 では、青柳参考人、よろしくお願いします。
○青柳参考人 期待としては、やはり保険適用になることで負担が軽減されるということがもちろんだとは思うのですけれども、先ほどお話にあったように、地域差によっても自己負担額は差が結構大きいところだと思います。先ほど私も発表させていただきましたように、我々の調査ですと1万円未満というところが43%ありますので、保険適用によって妊婦の負担が軽くなるのかどうかということは慎重に議論が必要なのではないかと思います。ただ、負担が軽減されるのであって、地域格差がなくなるという意味においては期待できる点ではないかと思っております。
不安という点かはちょっと分からないのですけれども、全体のパッケージでエステがあるとかいろんなことがどこまでが保険適用になるのかというところもこれからの議論になってくるかと思いますが、何に幾ら費用がかかっているのかを透明化した上で取捨選択できるようにする。妊婦が、ニーズや、受けたいサービスによって選ぶことができる。選んだ中で保険適用になるのかならないのか、そういったところをまず見える化していただくというところが一番重要になってくるのではないかと考えております。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、松野構成員、よろしくお願いします。
○松野構成員 ありがとうございます。連合の松野です。
それぞれの御発表をお伺いしまして、改めて妊婦健診や出産にかかる費用の見える化は不可欠だと感じましたし、産後ケアを含め、支援策を分かりやすく周知し、活用しやすくすることが重要だと感じたところでございます。
皆様に御質問させていただければと思います。先ほど当事者ヒアリングの中でも所得格差はあってはならないというお話もあったかと思いますが、皆様のアンケートの中で、もし世帯年収ごとに出産にかける費用を集計していれば教えていただけたらと思います。都内でも出産費用は施設によって数十万から百何十万とかなり幅があります。実際にかけた費用が分からなくても、世帯年収で出産する施設を選ぶ選択肢に幅があるのかどうかということをもし御存じでしたら教えてください。
あと、先ほど地域格差のお話もありましたけれども、コネヒトさんのところの調査でも無痛分娩に関して都道府県別の分析もされていらっしゃいますが、都道府県ごともしくは地域ごとで、出産費用だけでなく、そのほかの回答でも差異や特徴があれば教えていただけたらと思います。
また、個別に全国妊娠SOSネットワークさんの資料について御質問させていただけたらと思います。その前に、先ほどの伴走型支援というところ、妊産婦の心配や不安の解消、妊娠・出産・子育てに関する情報提供、産後ケアなどの様々な課題解決する手段の一つとして非常に興味深く聞かせていただいたところです。その上で、参考資料の33ページに出産費用の平均額が64万円となっていますが、厚生労働省の検討会でも出てきている施設の平均費用が48万円となっており、結構隔たりがあるかと思っております。この差は何だと思われるのか、御質問させていただけたらと思います。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、御回答をお願いしたいと思います。
では、佐藤参考人。
○佐藤参考人 追加であった私ども全妊ネットの佐藤のほうから回答いたします。
まず、世帯所得とのクロスですけれども、このアンケートでは世帯所得のことは聞いていないので私たちには分かりません。
それから、専門職の伴走支援というところと、48万と64万の話が出てきましたけれども、この費用のことを最初に聞いてから、それに含まれるのはエステとかマッサージとか、そういうことを聞いたのですけれども、そうすると、64万の費用の中でそういうものがあった。10%から20%がということで、御本人さんたちはそれを含めて出産費用だと思って64万円ということを答えたのだろうと思います。48万円は医療機関に対する調査ですので、恐らくは受け手側の認識の違いだろうというところです。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、引き続き、お願いいたします。
○李構成員 赤ちゃん本舗の李です。
先ほどの世帯所得に関してと分娩費用のところについては、こちらとしてもエリア別での集計は特段しておりません。なので、今回お渡ししているアペンディックスの中でもお示しはしていません。ただ、エリアごとによって所得に差があるということは事実としてある程度分かっている中で、それぞれの地域でお困り事としては、産院を選べない、選ぶ余地がないという方の回答もフリーアンサーの中では非常に多く見受けられましたので、選べるような、数という問題でもないのですけれども、そういう部分も今後いろいろ課題として考えていくべきなのではないかと私たちとしては考えております。
ほかの質問がありましたか。
○松野構成員 大丈夫です。よく分かりました。
○李構成員 ありがとうございます。
○田邊座長 では、引き続き、久保田参考人、よろしくお願いします。
○久保田参考人 ありがとうございます。
私どもの調査でもクロスの集計はしておりませんので、世帯年収、サポート、産院を選べる・選べないは分かりかねます。
○田邊座長 では、引き続き、青柳参考人、よろしくお願いします。
○青柳参考人 今回、私どもの調査でも世帯年収というところは伺っていないので、そちらに関してはお答えができない状況でございます。
また、無痛分娩以外の都道府県ごとに何か相関するものがあるかということですけれども、既に皆様の発表でもあったように、妊婦健診の費用に関して自己負担が発生したことがありますかという問いに関しては、やはり首都圏、大都市圏が特に割合が高く出ているという傾向があったということが一つ事実として言えるかなというところでございます。
ざっくりした回答で恐縮ですが、以上です。
○松野構成員 ありがとうございました。
○田邊座長 よろしゅうございますか。
では、前田構成員、よろしくお願いします。
○前田構成員 日本産婦人科医会の前田でございます。
皆さんの御発表を興味深く拝聴いたしました。
大体、共通して言えることは、妊婦さんの妊婦健診時における費用負担、それから出産時の費用負担、もちろん産後のことについても費用負担が発生する。これが少しでも安いほうがいい、これは十分理解できますし、それは我々も同じように思っております。一つは、それが果たして保険化という手段で達成しなくてはいけないのかどうか。もっと言えば、例えば東京都で分娩費用が平均で70万近くかかっていて、それが例えば一番低いところで恐縮ですけれども、島根県や熊本県では40万円台で済んでいる。その事実はおかしいと言えばおかしいけれども、普通の感覚でいうと、これはしようがないのではないかという気が我々はしているのです。当然、物価も高い。それから、初期設定の費用が非常に高い東京都で地方と同じ費用で事業が行われるというのはあり得ないことですね。疾患とはちょっと違う概念で、別に病気ではないから保険化するなと言っているわけではないけれども、病気とはまた一風違う、特にいろんなサービス、産後ケアとか、精神的なサポートとか、そういったものを含めたサービスが含まれてくる、そういった分娩という構造の中で、やはり都心部が少し高くなる、地方が安くなるというのは当たり前で、ただ、我々が今まで説明をうまくできなかったところに問題があるのだろうと思うのです。保険化して一律に地方も東京も同じ金額にしてしまうことに本当に意味があるのか、皆さんの費用負担を安くするほかの方法を考えることがむしろ正しいのではないかと思っております。
質問させていただければ、結局、皆さんの費用負担を少しでも安くして、安心して安全に産める環境を整えてあげるということが保険化というもの以外の方法で達成されるならば、それでもよろしいのかどうか、あるいは保険化ということにこだわりたいのかということが一つです。この質問をぜひ皆さんにお答えしていただきたい。
それから、佐藤先生がお示しいただいた資料、何回か拝見したことがあって、いつも勉強させていただいていますが、国民皆保険の国々が出ていて、日本が出ていて、日本だけ保険化されていないというところがありましたけれども、これはさっき佐野構成員がおっしゃったことも関係してくるのですが、ではほかの国はどうなのか。アメリカは出ていませんね。中国は出ていませんね。そういったいろんな国々で、国民皆保険でない国を含めて分娩費の構造がどうなっているのか、分娩に幾らぐらいお金がかかっているのか、そういった資料も国から出していただけると一つの参考になるのではないかと思います。
例えばアメリカなんかでは、分娩の費用は日本の比ではないと思うのです。しかも、2日で帰されている、1日で帰されているという現状がある中で、優等生の国だけ比べられてしまうと、日本はいかにも極悪非道の国みたいに見えますけれども、そうではないと思うのです。ですから、そういったこともぜひ国からもお示しいただきたいと思います。
我々も、妊婦さんたちが安く分娩できるというのはぜひ応援したいと思いますし、ぜひそうなってほしいと思いますが、我々が抱えている問題としては、できるだけ24時間、皆さんにサービスを提供したい中で、やはり人件費の問題とか、さっき青柳構成員がおっしゃった24時間体制の無痛分娩というのはどれぐらい費用がかかるのか、難しいのかというのはある程度分かっているつもりなので、それをどのように提供できるのかというのは暗中模索しているところでございます。無痛分娩に関しては、言い出すとまた焦点がぼけるのでやめますけれども、やはりそういった費用構造は非常にかかっているということをぜひ御理解いただいて、保険化するということは上限を抑えてしまうということになりますので、それでウィン・ウィンになるかというと、そうではないと思うのです。やはり医療機関で維持できないところが出てきますので、それをぜひ御理解いただきたいと思います。
先ほどの質問で保険化でなければいけないのか、あるいは費用負担がもっと軽くなればそれでよいのか、そういったところについて御質問してみたいと思います。
○田邊座長 では、回答をよろしくお願いします。
○李構成員 赤ちゃん本舗の李です。
今の保険適用化につきましては、私たち赤ちゃん本舗のユーザーの皆様のアンケートとしても、特段そこに具体的に言及しているわけではないです。どちらかというと、やはり出産費用と、先ほどいろいろ構成員の方からもお話がありましたように、退院するときにならないと見えなかった自己負担額だったり、あと、先ほども出た現居住地と、もしかしたら里帰りの場合だったり、いろいろと選択肢によってどれぐらい変わってくるのか、そういうものが見えないことに対する不安、あと、頑張って産んだのに、その先の産後にまた物すごく費用がかかってしまって、妊娠してから出産までの間にそう簡単に何でも計算できるほど実はそんなに体力的にも気持ち的にも余力がないというのが私たちの中では毎日のようにお客様から聞いていることですので、その中で、情報だけを開示しました、だから知らないほうが悪いですではなく、いかに自分に合ったものを分かりやすく、環境も体調も助成金も全部が違う中でどういうふうにその人たちに分かりやすく伝えていくか、ユーザーの人たちもそれを求めていると私たちは考えています。
以上です。
○田邊座長 では、久保田参考人、よろしくお願いします。
○久保田参考人 ありがとうございます。
私たちが読者の方々にお話を聞き、また、この調査を分析して感じることは、保険化かどうかというよりもまず、かかるお金がいくらなのかを知りたい、また、もらえるお金はいくらなのか、費用を抑えるためにはどうすればいいのかなど、お金について抜け漏れなく知りたい、ということです。もし保険になるのであれば、すべからく皆様にお届けできるサービスになるかと思いますが、そういうところが分かりやすいか、分かりにくいかというところと、平等にされるかというところが妊産婦さんやパパに分かりやすくなることが一番ポイントなのかと思います。なので、保険でないと、という話ではなく、安くできるとか、かかるお金、もらえるお金が分かりやすくなるというところがやはりポイントになってくるのではないかと思っております。
○田邊座長 ありがとうございます。
それでは、佐藤参考人。
○佐藤参考人 佐藤です。
保険化になりますと、医療の内容の標準化ができるかと思っているのです。手厚いところでプラスアルファをやっているところもあろうかと思うのですけれども、利用する側からすると、先ほども皆さんがおっしゃっているように、見える化で比べて、自分がどこの医療機関で分娩できるか分かると思います。今のままだと、幾らと出ていても、その中にエステが含まれているとか何とかというのも経験してみないと分からないということよりは、保険診療化して、ここら辺のところはレベルが一致してこうだと、それでプラスアルファ、ここのところは持ち出しで、これはサービスとして受けることができるとかいうように、選択のメニューといいますか、内容としてお産が保険診療化されていると考えやすくなるのではないかと思ったところです。
○田邊座長 では、青柳参考人、よろしくお願いします。
○青柳参考人 我々の調査ですと、出産時に自己負担が発生しなかったと答えた回答者も22%います。残りの8割は自己負担が発生しているということで、38%は10万円未満だったというお答えにもなってきているので、一律保険適用したからといって安くなるかどうかが分からない中で、費用の負担を減らしてほしいというところが皆さんの御意向になるかと思いますので、一概に保険適用すればいいというものでもないのかなと感じております。
皆さんおっしゃるように、費用が透明化されて、何に幾らかかっているのか、その費用に対する納得感や、選び取りたいサービスを自分が納得感をもって選ぶことができる、そういったことが重要になってくるかと思いますので、一律に保険適用すればいいということではなくて、先の議論として深めていければいいのかなと感じております。
以上です。
○前田構成員 ありがとうございました。
一言だけ最後に、佐藤先生からエステという言葉が出ていますけれども、地方の病院ではエステなんてやっていません。これは都心部の病院独特の発想ですから、分娩費が高いことがエステのせいにされてしまうと、ちょっとミスリードが起こると思うのです。それから、豪華な食事というのは、みんなフランス料理ではないのです。普通の保険の費用では賄えないようなおいしいものを出しているだけなのです。これはほとんどの医療機関がそうです。一部、確かに飛び抜けてすごくすてきな料理を出しているところもあるでしょうし、エステで高い費用を頂いているところもあるかもしれませんが、それはほんの一握りで、決して分娩費の高騰がエステのために起きているとは思わないでいただけたらと思います。
以上でございます。
○田邊座長 では、濵口構成員、よろしくお願いします。
○濵口構成員 私のほうからちょっとお話をさせていただきます。
今日は妊産婦の当事者あるいは当事者の声を伝えるヒアリングということでいろいろお話を伺って大変参考になりました。
最初に、現在は出産は保険適用外ということになっていること、それから、特に皆さんが気にされている妊婦健診の費用は自治体等が主体で行っているという制度の仕組みが国民のみなさんに理解されていないということがやはり一番の問題であって、そこのところは国、自治体を含めて、広報ということに関しては十分考えていかなければいけないと思いました。
もう一つは、先ほどの出産の費用についての説明ということになりますと、これは医療機関の責任でございますので、あらためて見直したいと思います。また、つい最近「出産なび」というものができたことを活用し、個々の医療機関が丁寧に説明をしつつ、こういった情報サイトがあることも知っていただかなければいけない。この2つはまず最初にお話をしたいと思います。
本日のヒアリング全体について、ユーザーとして、赤ちゃん本舗やたまひよの調査、その辺りのお話の中で、ここの検討会のタイトルでもあります「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策」ということについて、例えば赤ちゃん本舗の14ページにございますように、出産に関わる費用というよりも育児・教育、あるいは休職中の生活等の出産後の費用負担に不安を感じているという声が非常に多いということなので、このタイトルにあるとおり、出産というポイントだけではなくて切れ目のない支援ということを真剣に考えることが少子化対策の肝であることが改めてここで皆様のお声を聞けて明らかになったところだと思います。また、たまひよのご報告にもございましたように、お母さん、お父さんとも経済的・金銭的負担が非常に大きい。また、ここに出てきますけれども、産後ケア、医療、保育、教育等の経済的負担に非常に不安を感じているということなので、出産というポイントだけではなく不安を抱えているということがここでお示しいただけたのではないかと思います。
最後ですけれども、前回の検討会でお話ししましたけれども、医療安全の面の話でございます。本日、参考人として参加された方の中には、前回の議論を聞かれていない方もいらっしゃるかもしれませんが、日本は妊産婦死亡率、周産期死亡率の低さが世界一でございます。世界で最も安全に出産ができる国である。これは間違いないことでございます。ということは、医療従事者が必死の思いで安全を守っているところに裏づけされていることは間違いありません。
そして、無痛分娩については、後日にヒアリングがあろうかと思いますけれども、無痛分娩というのは全ての医療機関で安全に医療提供できるほど十分標準化されたものではございません。ということは、無痛分娩に対するリスクを踏まえて各医療機関の判断により提供体制が異なっているというのが現状なのです。もちろん、先ほどの声で24時間いつでも対応できるということが理想ではございますけれども、そういった現状、あるいは無痛分娩とは何かというところを改めて検討会の別の機会に専門家よりお話を頂けると御理解できるかと思います。要は、私ども医療者としては、医療安全ということを第一に考えていることをぜひ御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○田邊座長 ありがとうございました。
では、新居構成員、よろしくお願いします。
○新居構成員 今回、検討会は産前産後も含めるということで、改めて産後ケアの利用促進や充実ということをぜひお願いしたいということを、今回、皆さんの発表を通じて、私自身の体験も通じて改めて感じました。赤ちゃん本舗さんの発表でも30%ぐらいしか利用していない。ママリさんでも26%ということで、大体このぐらいの利用率で、ほとんど利用できていないのではないかということを改めて感じました。
この原因としては、今回挙げてくださっているように費用負担と情報提供不足というところかなと感じます。例えば費用負担でいくと、私の住んでいる地域でデイケアと宿泊、全部使った場合、3万円ぐらいの自己負担が生じるということで、出産でお金が飛び、こどもの準備でいろんなものを買ってお金が飛び、ではその中で、ぜいたくとは言わないのですけれども、自分の疲れを癒やすために3万円払うのかというような考え方に妊婦さんはなってしまうかなと感じます。そうなると、やはり節約の対象ということで、費用負担になかなか踏み切れないという方もいると思います。切れ目ない支援を考えるのであれば、産後ケアについても負担をもう少し減らしていく。伴走型で保健師さんが来るのは無料だけれども、産後ケアを利用してデイケアを使うと2000円というところの差は何か違和感があると思いました。
例えば私の一番近い産後ケアの施設だと、自治体からの補助だけでは賄えないようで、プラスアルファで数千円の自己負担を求めるということが最近始まりました。施設の側も補助だけで成り立たないと自己負担を求めていくということで、一番近い産後ケア施設があるのだけれども、それが数千円では使えなくて8000円ぐらいになってしまうとなると、利用者の方もなかなか利用しづらくなってしまうと思うので、施設側も持続可能な金額の補助が出て、使う人もできる限り負担が減る形で利用できるということが産後ケアは重要かなと思いました。
また、以前も申し上げたかもしれないのですけれども、情報提供のタイミングということで、産後ケアの情報提供が一番手厚かったのが母子手帳の交付のときで、母子手帳を交付していただくときは、出産の施設はどうしようか、そういうことで頭がいっぱいで、産後に自分が体が疲れて大変だというようなことはとても想像できないタイミングだと思います。妊娠後期の健診のタイミングや、入院中で退院前のタイミング、産後のことを考えるタイミングでちゃんと周知していただくことが重要だと思います。
その際に手続をするというような案内も同時にしていただくと、例えば今、精神的に不安な状態なので明日助産院で産後ケアを使いたいと思うと、何をするかというと、自治体のホームページを見て、自分の情報を一生懸命入力して、それを自治体が承認してくれると2~3日後に紙が届いて、その紙がないと助産院に行けないのです。だから、今、不安でも明日行けるわけではないというのが今の産後ケアの状況です。そういうような手続の煩雑さを考えると、もう少し前の段階からちゃんと周知して、その手続もできるだけ簡略化され、ネットで承認されたら、承認された画面を持って助産院に行けば明日使えるというほうが産後の方にとってはいいので、そういうような手続の面も今後改善していただきたいと思います。
また、産後ケアとか産後ヘルパーさんに関しては、インターネット上にさえ情報がないというのが現実で、近くの産後ケアの施設を調べようと思っても、口コミもなかったり情報もないので、どこに行ったら安心なのかということすら分からないところもありますので、自治体からの情報提供が非常に重要なタイミングだと思います。あなただったらこの近くの助産院がいいですよとか、お昼寝の時間を取りたいのか、助産院にできるだけ相談に乗ってもらいたいのか、産後ケアの施設もいろんな特色があるので、そういう情報提供も自治体からしていただけるとよいのかなと思います。
最後、赤ちゃん本舗さんの資料の38ページに産後ケアや相談先の情報ということが書いてあって、これが非常に重要と思いました。産後ケアの施設はもちろんなのですけれども、特に初めて出産して産後の1か月は、私も湿疹がちょっと出ただけで不安で、初めてのことなので誰かに相談したいけれども、産んだ病院にはもちろん相談できないし、保健師さんが来るのも1か月後だし、すごく孤独な1か月間がありました。産後の不安を誰かに相談できる、その相談先が、母子手帳交付のときから産後までの間が空白にならないように伴走してくれる方がいると非常に心強いと思いました。産後ケアは、今、3割しか使っていないという状況を変えていくために、費用負担や情報の周知、切れ目ない支援を実現するというところで、もう少し充実に向けて議論が深まっていくとうれしいと思いました。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。本日御出席の参考人の方から何か御発言等ございますか。
では、亀井構成員、よろしくお願いします。
○亀井構成員 学会として申し上げます。
時間がオーバーしていて申し訳ないのですけれども、多くの参考人の方々から御意見を頂きまして、特に妊娠・出産に関わるサービス、費用に関する情報提供の在り方、これに関しまして、我々学会としても非常に反省すべきところがあると思いました。今後は行政とも協力しながら、ワンストップで全て分かるような形での検討をさせていただきたいと思います。
それから、出産費用に関する経済的負担の軽減支援に関しましては、前回、私ども学会として提供しました情報を参考人の方々は御存じかどうか分かりませんので、申し上げますと、一応、大学病院、周産期母子医療センター、そういった大規模な施設では、先ほど佐藤参考人からお話のありましたようなエステやマッサージ、そういったものもございませんし、特別食の提供に関してもほとんど負担していただいておりませんけれども、それでも100万円以上の負担はほぼ人件費でかかっておりますので、その辺り、一般の方にも十分御理解いただいた上で議論を進めていただきたいと思います。佐藤参考人がおっしゃっていましたように、どの地域でも頼れる専門家集団がおられる、そういった今の体制、これをこのまましばらくの間は維持していただけるような形での結論を出していただければと思います。
以上です。
○田邊座長 ありがとうございました。
ほか、よろしゅうございますか。
では、ここで議論は終了させていただきたいと存じます。
本日も様々な、また貴重な御意見を頂戴いたしました。事務局におかれましては、次回以降の議論に向けて整理等、御準備いただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
これをもちまして、本日の議事は終了といたします。
今後の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
○柴田課長補佐 事務局でございます。
次回も引き続きヒアリングを実施することを予定しております。正式な議題、開催日程につきましては、追って御連絡を差し上げます。
○田邊座長 これをもちまして、第3回の検討会は終了したいと存じます。本日、誠にお暑い中、お集まりいただきまして、また貴重な御報告を賜りまして、御礼申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
それでは、散会いたします。