第207回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和6年6月21日(金)10:00~12:00

場所

会場
厚生労働省 専用第14会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階国会側)
傍聴会場
厚生労働省 職業安定局雇用開発企画課会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館14階国会側)

議事

議事内容
2024-6-21 労働政策審議会職業安定分科会(第207回)
○山川分科会長 では、定刻になりましたので、ただいまから、第207回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
 皆様方、大変お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の御出欠ですが、公益代表の黒澤委員、小畑委員、労働者代表の小倉委員、石橋委員、平山委員、山田委員、使用者代表の小野委員、小阪委員、馬渡委員が御欠席と伺っております。
 事務局では、田中高齢・障害者雇用開発審議官が公務のため途中で退席いたします。
 では、カメラ撮影がありましたら、ここまでとさせていただきます。
 本日の分科会は、Zoomによるオンラインと会場での開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局からお送りしております「職業安定分科会の開催参加方法について」に沿って御操作をお願いいたします。
 初めに、1点御連絡があります。
 雇用調整助成金の令和5年秋の年次公開検証、いわゆる行政事業レビューにおける指摘事項に対する対応状況について、本年4月22日の行政改革推進会議に提出した資料を配付しておりますので、お知らせいたします。
 それでは、議題に移ります。
 最初の議題は「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(人材確保等支援助成金の特例措置関係)(諮問)」となります。
 議題に入ります前に、職業安定局長から御発言があるとのことですので、お願いいたします。
○山田局長 職業安定局長の山田です。
 最初の議題について、まず、私からおわびをさせていただきたいと思います。
 派遣労働者の同一労働同一賃金を労使の協定で実施する場合に御参照いただく一般労働者の賃金の水準を、毎年度、局長通達によりお示ししておりますが、そのうち、今年度適用の地域指数の1つであるハローワーク別地域指数の一部に誤りがあり、先月、5月24日に訂正し公表いたしました。
 原因は、職員の事務処理の誤りであり、今後このようなことが二度と生じないように、再発防止を徹底してまいります。
 労使の皆様、関係する皆様に御心配、御迷惑をおかけすることになりましたことを深くおわび申し上げます。
 今回の訂正に伴い、影響の及ぶ派遣元事業主の方には、労使協定の再締結とともに、4月当初から再締結までの期間における差額を補う対応を検討いただくよう、要請いたしました。
 また、この要請を受けて対応いただく事業主に対する支援策を労働力需給制度部会において、2回にわたり御議論をいただきました。
 労働局の現場では、関係する派遣元に個別に連絡を取らせていただき、本件に係る周知や要請を行ってまいりますが、支援策を授けていただくことがかなえば、その活用を案内するなど、さらにきめ細かく個別のフォローに尽くしてまいります。
 この後、課長から詳しく説明させますが、まずは私からおわび申し上げるとともに、現場での対応を尽くす旨、それから、再発防止を徹底する決意を述べさせていただきました。
 本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○山川分科会長 それでは、事務局から説明をお願いします。
○中嶋需給調整事業課長 承知しました。需給調整事業課長の中嶋でございます。
 議題の1、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について、御説明申し上げます。
 諮問をさせていただく案件でございますので、資料は1-1として省令案要綱を、また、資料1-2として省令案の概要をお示ししております。
 本件は申し述べましたように、私どもの事務処理誤りに伴う事案でございまして、労使の皆様、関係する皆様に大変御迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。
 資料の1-2、概要に沿いまして、事案及び対応等について御説明をさせていただきます。
 まず、事案の内容でありますが、資料1-2でありますが、1ページ目の「1.改正の趣旨」のところの1つ目の○にありますように、本件は、派遣労働者の同一労働同一賃金の施行のために、私どもが昨年8月に発出をした通達でお示ししました2つある地域指数のうちの1つである、ハローワーク別地域指数の一部について誤って算定、掲載していたことが分かり、訂正をしたものでございます。
 この誤りの原因について申し上げます。
 ハローワーク別地域指数を算定するときに必要となるデータは、434のハローワーク別の求人賃金の情報です。これらは、ハローワークシステムに入っているのですが、大きなシステムでありますので、434のハローワーク以外に、マザーズハローワークのような附属施設における情報も入っております。指数の集計には用いない、こうした附属施設のデータを全て削除した上で集計しなければならないところ、これを1か所削除し損ねて集計してしまったために、集計するセルが1行ずれてしまいまして、当該箇所以降の指数の算定に誤りが生じてしまったというものでございます。
 この誤りが分かったきっかけですが、私ども来年度に適用する新しい一般賃金水準を、この夏にはお示ししなければなりませんので、その作業を開始しましたところ、今年度の数値に誤りがある可能性に担当班で気づき、よく確認をした結果、誤りがあることが分かったものでございます。私どもの事務処理の誤りであり、大変申し訳ございません。
 このことに伴いまして、派遣元の現場での御対応を幾つかお願いしていく必要が生じており、そのことについて申し上げます。
 こちらの※印の1に記しましたように、派遣元事業所におきましては、私どもの通達を参照して、職種別の平均賃金に地域指数を掛けた値である一般賃金水準以上となるように、自社の賃金制度を労使協定により設定いただくという仕組みであります。
 このため、2つ目の○に記しましたように、今回誤りのあった、ハローワーク別地域指数を参照して、本年度の労使協定を締結している派遣元事業主におかれましては、自社の賃金制度が、訂正後の一般賃金水準に満たない場合が生じうるところであります。
 この場合には、労使協定の再締結が必要となるということ。この改定については、9月30日までを経過措置期間として定め、この期間内に行っていただけるよう、お願いと個別のフォローを行ってまいります。仮にこの期間内には完了しない場合も、できる限り早期に行っていただけるよう、お願いとフォローをしてまいります。
 あわせまして、今回お諮りをする措置との関係では、この労使協定の改定に伴いまして、4月当初から協定見直しまでの間について、現行の協定と新協定との差が生じますところ、これを補うことの検討要請を派遣元事業所の方にさせていただいております。
 こうした中で派遣元の事業所における、これらの取組が円滑に進むよう、助成措置を雇用保険二事業で設けさせていただくことをお諮りするものでございます。
 助成措置の内容につきまして「2.改正の概要」のところを御覧ください。
 人材確保等支援助成金の暫定措置を設け、今年度内に派遣元において行われる取組を支援させていただくものです。
 具体的内容を2つのポツで整理をいたしました。
 1つ目のポツが、助成対象となる取組であります。本年度に適用される賃金制度につきまして、派遣元事業主が訂正後の指数による一般賃金水準以上となるよう、労使協定を再締結するとともに、年度当初から協定再締結までの期間における差額を補う対応等を実施した場合を対象とする。今年度内に実施したものに限るとしております。
 あわせて、※印の2を御覧ください。
 ここで、現行協定に基づく自社の賃金額が訂正後の指数による一般賃金水準以上ではあるものの、同水準に対する自社の賃金額の相対優位度を維持するために賃金引上げを行った場合も含むものとするとしております。
 これは、訂正後の一般賃金水準に照らしたときに、もともと労使の御努力で一般賃金水準以上よりも一定程度高いところで協定を締結していたため、これを下回ることとはならなかったものの、その相対優位度が損なわれるようなケースについて、賃金を引き上げた上で4月当初からの差分を補うのであれば、同様に支援の対象とするというものでございます。
 続いて、2つ目のポツ、ページの一番下のところになります。こちらが助成額についてとなります。
 賃金制度の整備に係る基本経費として定額5万円。これに雇用する派遣労働者の人数に応じた額として、1人につき1万円を加えた額を支給するということ。
 また、次のページの1行目になりますが、括弧書きをいたしましたように、これを超える額がかかる場合であれば、当該かかった額を支給するというものでございます。このような助成をさせていただく総額といたしましては、7500万円と試算しております。
 施行期日等について申し上げます。こちらは、ページの下のほうの4ポツでございます。答申をいただけますれば、今月28日に公布、同日に施行とさせていただきたいと存じます。
 私どもの現場、都道府県労働局におきましては、毎年6月末までに全ての派遣元事業主から事業報告を受けることとなっておりまして、その際には、6月1日時点で締結している労使協定の写しを提出いただくこととなっております。
 このことを通じまして、誤りがあったハローワーク別地域指数を参照している労使協定については、全てを把握することが可能でありますので、労働局において、そのような協定である事業所について、個別に連絡を取らせていただき、本件に係る周知や要請等を行っていくこととしております。
 今月中に、本助成措置について交付、施行することにより、今、申し上げた周知や要請を行う際、助成措置についても併せて案内し、活用いただくことで取組を進めていただくようにしてまいります。
 こうした内容の助成措置について検討し、まとめていただきました労働力需給制度部会での議論の状況について報告をさせていただきます。
 同部会におきましては、事務局より、本件事案の報告とおわび、再発防止策のほか、派遣元の労使に御対応いただく事項等について説明したことを受け、5月29日と6月7日の2回にわたり、派遣元における取組を支援するための方策を中心に、また、再発防止策等についても御議論いただきました。
 その結果、支援を行うこと及び支援の内容については、本日御説明させていただいたものにて御了承いただきました。
 また、雇用保険二事業で支援を実施することについては、本来であれば、生じ得ない経費の負担であり、雇用保険二事業の会計から費用拠出を行う点については疑問を感じるという御意見、本来、集計ミスであるため、雇用保険二事業からの支出により、派遣事業を行っていない中小企業者が負担する財源から賄うのかという点もあるという御意見、雇用保険二事業の財政は非常に厳しい状況にあり、今回の支援策の財源を事業主連帯に求めることの妥当性について、合理的で納得できる説明が必要という御意見、今後、これを前例として雇用保険二事業を活用すべきではないという御意見などの御意見をいただきましたところ、2回にわたって御議論をいただきまして、本件は、労働者の賃金に関する事象であること、迅速性が求められること、対応が生じるのは小規模の派遣元であると考えられること、今回に限っての措置であること、今回のことは前例としないこと等を総合的に御勘案いただき、今回については、二事業で実施することはやむを得ないというところでお認めいただきました。
 また、労働局の現場で、この支援策の活用も含め、派遣元における個々の取組を、その置かれた状況を丁寧にお伺いしながらフォローしていくよう、また、進捗状況について部会に報告するよう御指摘をいただきました。
 そして、再発防止策として、外部業者を活用したチェックの強化を進めることと併せて、外部業者を活用しても、なお、誤りの可能性は残ることに鑑みれば、デジタル技術を活用して、ヒューマンエラーの排除を進めるべきことなど、御指摘をいただきました。
 御指摘を踏まえまして、厚生労働省では、授けていただきます支援措置を活用して、現場で取組をいただく個々の派遣元の状況に応じた丁寧な対応に尽くしてまいります。また、その進捗状況について、部会に報告等をさせていただきます。
 そして、今回のような事案が二度と生じないよう、御指摘いただいた観点をしっかりと踏まえながら、担当課の業務体制やプロセス管理の強化はもとより、課の内外におけるチェック方法の強化、ヒューマンエラーの排除といった観点から、再発防止策を実行してまいります。
 具体的には、数値の確定作業に当たって外部業者を活用した確認、これは外部業者において同じ作業を行い、作業終了後に担当班が作業したものと突合するベリファイの方式であります。これを導入した上で、外部業者とのベリファイ方式による確認を行っても、なお、残り得るヒューマンエラーの可能性を排除するために、集計には用いないデータを削除する工程に人が関与せずに、デジタル技術で対応する方法を追求しているところでございます。
 また、作業の前提、発注の前提が誤っていないことが重要である旨の御指摘もいただいており、この点でのエラー排除にも重点を置いて、二度とこのような誤りが生じないよう、全力を尽くしてまいります。
 資料の1-1のほうは、省令案要綱でございますが、内容といたしましては、今、申し上げましたとおり、人材確保等支援助成コース助成金で支給する派遣元事業主の要件、助成額、それから、施行期日等を整理したものでございます。
 資料の説明等は以上でございます。
 私どもの事務処理の誤りにより、大変御迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳ございません。
 御審議のほどを、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○山川分科会長 それでは、本件につきまして、御質問、御意見がありましたら挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、こちらで指名させていただいた後に、お名前をおっしゃってから、御発言をいただきますようお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 大下委員、お願いします。
○大下委員 日商の大下です。御説明ありがとうございます。
 部会での意見に重ねてという形になりますが、今回の措置について、発言をさせていただきたいと思います。
 今回の暫定措置について、我々として十分納得できるものではございませんが、御説明にもございましたとおり、働く人の賃金に関わることでもあり、迅速な対応が求められ、また、小規模な事業者への支援も速やかに取り行う必要があるということから、今回に限っての措置として、やむなしと受け止めております。
 要因となった事務処理のミス等について、再発防止に努めるとの決意重く受け止めますが、取組を徹底していただきたいと思います。
 ただ、全ての事業において、ミスが絶対に生じないということはあり得ないということを前提に、様々な対応をしっかり考えておくことが必要であり、そうでなければ、全体の仕組みとして破綻をしているのではないかなと思います。少なくとも今回の措置を前例として、何かミスがあって費用が発生した場合に、雇用保険二事業に頼るということなく、本来の出すべき財布から出すという仕組みも含めて、今後の対応について、ぜひ御検討をいただきたいと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 久松委員、お願いします。
○久松委員 私鉄総連の久松です。御説明ありがとうございました。
 事務局から労働力需給制度部会での議論や指摘についても報告をいただきましたが、本件は労働者にとって労働の対価であり生活の糧でもある賃金に影響を与える大きな問題です。
 本来支払うべき賃金との差分が、対象労働者に迅速かつ確実に支払われることが重要ということを、改めて申し上げておきたいと思います。
 他の委員からの御発言や、労働力需給制度部会における委員の指摘を十分に踏まえた上で、支援策の周知をはじめとした丁寧なサポート、派遣労働者への支払実績の確認、再発防止策について徹底いただきたいと思います。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 新田委員、お願いします。
○新田委員 ありがとうございます。
 先ほどの大下委員とかなり重なる部分もありますが、意見を申し上げたいと思います。
 冒頭に山田局長から、おわびと併せて、今後の対応について決意表明があったことは、私としても重く受け止めているところでございます。
 加えて、先ほど改正する省令案の内容について、御説明を詳細にいただき、労働力需給制度部会での議論の内容についても詳細に御説明いただいた点については、感謝申し上げたいと思います。
 さらに、そもそもこの指数の誤りをしっかりと公表されて、対応を御検討いただいたことについても、行政のあるべき姿と受け止めております。
 ただ、やはりどうしても腑に落ちないところを少し申し上げたいと思います。政府の誤りによって生じた今回のこの事案への対応を、政府による費用負担ではなくて、事業主だけが拠出し先般のコロナ禍において大幅に雇調金が活用されたことによって危機的な財政状況にある雇用保険二事業で手当をすることに対して、疑問が完全に払拭されたとは、到底言い難いと思っているところでございます。
 そもそも、こういう何らかのヒューマンエラーは、どうしても一定程度避け難い部分があると思っていまして、それは政府の事務処理においても当然起こるべきものという前提に立ちながら、考えていく必要があります。にもかかわらず、こういった場合の取扱いについて、費用面を含めてきちんと定めていないということに加えて、政府の誤りとそれに伴う訂正によって想定していなかった負担を、一部かもしれませんが、小規模の派遣元事業主に強いる結果となったことは、やはり非常に遺憾と言わざるを得ません。
 雇用保険二事業は、雇用政策において非常に重要な役割を担っていると認識はしていますけれども、一方で、雇用政策の全てを担うものでもないと考えております。
 特に今回、このような形で雇用保険二事業で負担することが、今後の二事業の在り方に影響を与えるのではないかという懸念を強くしていることを申し上げておきたいと思います。
 しかしながら、派遣労働者の同一労働同一賃金を通じた公正な待遇の確保が、重要な政策課題であるという認識は、経団連としても持っております。今回の事案について迅速な対応が必要であること、事業主に対する助成であること、加えて、労働力需給制度部会において、労使双方でしっかりと議論をし、導き出された結論であることなどを重く受け止め、様々な事情を総合的に勘案すれば、今回に限った措置であることを条件として、やむを得ないと考えているところであります。
 最後になりますが、今後の再発防止策の十分な検討と実施、これは冒頭に山田局長からも決意表明がありましたが、決意の表明にとどまらず、しっかりとそれを担保していただくことは当然として、派遣元事業主等への支援策の周知、それとともに、その内容について分かりやすいリーフレットあるいはQ&Aを作成して、今回の支援の措置の趣旨ですとか、活用の方法が派遣元事業主に確実に伝わるように、できる限りの取組を強くお願いします。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 本日、欠席議員の馬渡委員から、書面で御意見をいただいております。私宛てですので代読をさせていただきます。
 令和6年6月21日、職業安定分科会長、山川隆一殿、馬渡雅俊。
 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(人材確保等支援助成金の特例措置関係)諮問に関する意見。
 本日の分科会には、所用により出席することができないため、標記議題について、本紙にて、意見を申し述べさせていただきますので、よろしくお取り計らいいただきますようお願い申し上げます。
 資料1-2にて、改正の趣旨について書かれているが、これは、厚生労働省の誤りにより生じた負担を雇用保険二事業、要するに事業主負担により措置しようというもの。このことについては、労働力需給制度部会において議論がなされてきたことは承知しているところ、その中では、雇用保険二事業の財源が厳しい状況の中で、このような措置により処理されることについての是非や内容、そして、再発防止策等についての議論がなされ、結果としては労使双方が今回の措置内容について一致を見たと承知している。
 事務局に申し上げたいのは、本日この場にて、再発防止策に基づき、今後このようなミスを発生させないこと、また、措置は今回に限ったものであり、先例としない旨、改めて明確に示していただきたいと考えている。
 雇用保険二事業は、その目的のためにのみ、適切な形で執行されることを切に要望するものである。
 以上。
 以上が馬渡委員の書面による御意見でございます。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。特にございませんようでしたら、これまでいただいた御意見を振り返ってみますと、委員の皆様から支援の措置の財源について、政府の誤りから生じた事案への対応を雇用保険二事業で実施することへの疑問が完全に払拭されたとは言えず、今後の前例とすべきではないという御意見をいただきました。
 同時に、早急な対応が求められることや、労働力需給制度部会の結論など、様々な事情を総合的に考慮すれば、今回に限った措置として、やむを得ないとの御意見もいただきました。
 また、今回の支援策や分かりやすい周知、案内を通じて影響を受ける個々の派遣元の労使における取組をしっかりサポートしていくべきという御指摘もいただきました。
 さらに、もとより、今回の政府の誤りそれ自体、また、それが一部派遣元の労使に影響が及ぶことは誠に遺憾であって、再発防止の徹底を強く求めるという御指摘がございました。
 これらの委員の方々の御意見は、重要なものであると考えます。政府におかれましては、以上を重く受け止めて今後の対応に当たるよう、十分に御留意をお願いしたいと思います。
 事務局から何かございますか。
○中嶋需給調整事業課長 委員の皆様から、大変厳しい各般の御指摘をいただきました。しっかりと受け止めをさせていただきました。心得てまいりたいと存じます。
 また、分科会長からも、おまとめの御指摘をいただきました。御指摘を重く受け止めまして今後の対応に当たるよう、十分心得てまいります。
○山川分科会長 委員の先生方、よろしいでしょうか。
 それでは、先ほどまとめさせていただきました委員の先生方の御意見、また、冒頭の局長の御挨拶、ただいまの事務局の御発言も踏まえまして、諮問のありました支援措置を実施することについて、当分科会は厚生労働省案をおおむね妥当と認めて、その旨、私から労働政策審議会会長宛てに御報告を申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、報告文案の表示をお願いいたします。
 以上、表記された報告文は、おおむね妥当ということですが、これによって労働政策審議会会長宛てに報告をするということで、御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、御異議ございませんでしたので、そのように報告をさせていただきます。
 本議題は以上となります。
 では、議題の2「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(地域雇用開発助成金の特例措置関係)(諮問)」になります。
 事務局から説明をお願いします。
○福岡地域雇用対策課長 地域雇用対策課長でございます。
 2番目の案件は、地域雇用開発助成金の能登半島地震特例コースの制度案について、雇用保険法施行規則、省令改正が必要になりますので、本改正の諮問について御説明をさせていただきたいと思います。
 資料につきましては、資料の2-1が省令案の要綱、資料の2-2が省令案の概要となっておりますが、まず、今回の創設を検討している制度案について、大変恐縮ですが、後ろのほうに参考資料1というものがございますので、こちらを使って、まず、説明をさせていただきたいと思います。
 おめくりいただきまして、まず1枚目「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」の概要図でございます。
 これは、現行でも運用しております、言わば通常コースということで御理解いただければと思いますが、この助成金の特徴につきましては、1の「事業の目的」に記載がございますとおり、事業所の設置・整備を行うとともに求職者を雇い入れた事業主に対して助成するというものでございます。
 この通常コースにつきましては、2の対象地域のところにございますとおり、いわゆる雇用情勢の著しく厳しい地域、あるいは有人離島、こうした一部の地域を指定して実施している助成金になります。
 助成内容につきましては、そこにございますとおり、雇い入れた人数と、設置・整備の費用に応じて一律の支給額を1年ごと、労働者の維持ができていれば3回の支給ということで運用している助成金でございます。
 この助成金の内容を踏まえまして、その次のページになりますが、1月に発災いたしました能登半島地震を踏まえまして、今回、能登半島地震特例コースを検討しているところでございます。
 これは、平成28年4月に熊本地震が起きましたが、このときに発災後6か月後を施行日として、熊本地震特例コースを創設しておりますが、これを参考にして今回検討しているものでございます。
 2番目の事業の概要のところを御覧いただきたいのですが、まず、対象地域でございます。
 今回、石川県の6市町、いわゆる能登6市町を対象にしております。この6市町で事業所を設置・整備する事業主、これが対象となります。
 熊本地震のときは、災害救助法適用地域となる熊本県全域を対象にしておりましたが、今回は被災状況が非常に甚大であり、かつ、雇用情勢が悪化して厳しい、雇用創出が必要な能登6市町を対象としているということでございます。
 特例措置期間につきましては、1年限りの暫定措置として考えております。
 また、支給要件でございますが、この助成金は、事業所の設置・整備と求職者の雇入れが必要になりますけれども、まず、設置・整備につきましては、注の1にございますとおり、地震特例コースであるということに鑑みまして、本来、対象としていない修理・修繕を対象にしております。
 また、本来対象にしていない福利厚生的な施設であります、宿舎であるとか、通勤車両であるとか、こうした経費も、この地震特例コースでは対象にしております。これは、熊本地震の特例コース並びでございます。
 また、注の2にございますとおり、求職者の雇入れにつきましては、地震発生から施行日前日に一時離職となった方の雇入れ、再雇用も求職者の雇入れに含むことにしております。
 この一時離職者につきましては、いわゆる雇用保険の特例措置で、一時離職となった方、この方の雇入れも対象にするということでございます。これも熊本地震特例コース並びということでございます。
 助成期間につきましては、先ほど、通常コースのときに申し上げましたが、同様に1年ごと最大3年間、これは、労働者が維持をされたらという条件になりますけれども、3回まで助成することになります。
 右側の助成内容でございますが、これは、まず、通常コースとの違いということで、熊本地震のときもそうでありますが、全体的に支給額を倍額にしてございます。
 その上で、今回の能登特例地震、特例コース案でございますが、求職者の雇入れ、厳密には対象労働者の増加人数になりますが、これを従来3人以上としているところを、2人以上に、まず、要件緩和を考えているところでございます。
 加えて、設置・整備費用につきましては、本来、熊本地震のときもそうですけれども、300万円以上としていたところを、100万円以上と下限を緩和することを考えているところでございます。
 これにつきましては、能登6市町が、非常に小規模事業所の割合が高いということで、それぞれ要件緩和をしているということでございます。
 その次の資料を御覧いただきたいと思います。これは措置内容の比較表ということで、左側が通常コース、真ん中が熊本地震特例コース、右側が今回検討しております能登半島特例コースの案でございます。
 まず、熊本地震特例コースのところで赤字になっているのが、通常コースプラスアルファで措置をしているもの、例えば、支給額につきましては、先ほど申し上げましたとおり、通常の原則2倍としているという内容でございます。
 能登半島地震特例コース案でございますが、緑字にしている部分につきましては、さらに熊本地震特例コースの内容からプラスアルファで対応を考えているものでございます。
 先ほど申し上げましたように、設置・整備費用につきましては、100万円に下限を要件緩和しておりますし、一番下の雇入れ人数につきましては、本来、創業だけは2人以上ということにしておりますが、創業要件を問わず、2人以上に緩和をしているということでございます。
 その次のページを御覧いただきたいと思います。
 能登半島地震特例コースで、今回新たに要件を加えておるのは、一番下の雇用調整助成金との同時支給についてでございます。
 通常コース、熊本地震特例コースにおいては、雇用調整助成金、休業に対する助成、片や、求職者を雇い入れるという助成については、いわゆる併給調整をしており、同時受給は認めていなかったところですけれども、今回、能登半島地震の特性を踏まえて、雇用調整助成金と能登半島特例コースの同時受給を認めるという形にさせていただきたいと考えております。
 これは、能登半島地震、休業している方が、例えば、金沢にそのまま避難をされていて、実際は休業から復帰する予定をしていたものの、なかなか御自身の御事情で復帰ができないというような状況も今回はあるだろうという中で、そうした中で、企業は、新規で事業再開をする際に、新たに雇入れをするケースも考えられるであろうという中で、能登半島地震の特性を踏まえて、今回限りの措置ということで、新たに加えているものでございます。
 以上、制度概要を簡単に御説明いたしましたが、その次のページにデータが書いておりますけれども、これは先ほど申し上げた6市町の雇用情勢が非常に厳しいと、具体的には管轄ハローワークは七尾所と輪島所になります。
 また、その次のページにつきましては、能登の6市町の小規模事業所割合が、熊本県よりも相当数高くなっているというデータを示しているものでございます。
 続きまして、省令改正の内容について御説明をさせていただきたいと思います。
 資料をお戻りいただきまして、資料2-2、省令案の概要を御覧いただきたいと思います。
 おめくりいただきまして、改正の趣旨につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、2の改正の概要に記載されておりますのが、今回、雇用保険法の施行規則に規定をする部分でございます。
 先ほど能登半島の特例コースということで、便宜上申し上げましたが、これは通常コースの、いわゆる特例措置ということで、今回措置を講ずるものでございます。
 省令に記載をするのは、具体的には、どのような事業主を対象にするかというものを規定するものでございます。
 2の○の(1)でございますが、先ほど御説明しましたとおり、能登の6市町において事業所を設置・整備する事業主、これをまず対象にすることを省令に記載しております。
 また(2)番目、施行日から1年が経過するまでの間に事業所の設置・整備及びそれに伴う労働者の雇入れに関する計画を都道府県労働局長に提出した事業主を対象にすると。
 最後(3)番目でございますけれども、基準期間において事業所の設置・整備に伴い、継続して雇用する労働者として、2人以上雇い入れる事業主を対象にするということを定めているものでございます。
 ※印に基準期間の説明がございますが、本地震が発生した、1月の1日から計画を提出した日までの間で、事業主が指定する日から、先ほど申し上げました事業所の設置・整備を完了した旨の届出をした日とございますけれども、これは、どういうことかといいますと、1月1日の地震発災から事業所の設置・整備であるとか、求職者の雇入れ、この事業の実施を、これまでの間でも、今回の助成金の対象にするということを明記しているものでございます。
 最後になりますが、4番目の施行期日でございますが、今回御答申をいただいた暁には、7月1日の施行ということを考えておるところでございます。
 説明は以上でございます。何とぞ、御審議のほどよろしくお願いをいたします。
○山川分科会長 それでは、本件について御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様の方法で御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 冨高委員、お願いします。
○冨高委員 ありがとうございます。
 今、御説明いただいた助成の内容ですが、現在の被災地の状況や、能登半島の特性を踏まえ、あくまでも能登半島地震の特例的措置だと理解をしているところです。
 内容としては、特段異論ございませんが、従来から申し上げているとおり、今回の助成金を含めて、厚労省以外からも様々支援が行われていると思いますので、個々の支援の特徴や手続きなどについて、事業主や労働者にとって分かりやすく、また、趣旨に沿った助成がなされるよう、周知や対応をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 事務長から何かございますか。
○福岡地域雇用対策課長 ありがとうございます。
 確かに、今回は石川県のほうでも、7月1日で県の単独事業ということで、能登の復興に向けた支援を様々対応すると聞いております。また、国のほかの省庁でも、能登の復興に向けての対応があると承知しておりますが、そういったところと連携して、活用いただく企業の方には分かりやすく説明することは極めて大事だと思いますので、7月1日以降、しっかりと対応してまいりたいと考えております。ありがとうございました。
○山川分科会長 冨高委員、何かございますか。よろしいでしょうか。
 では、大下委員お願いします。
○大下委員 日商の大下です。御説明ありがとうございます。
 私も内容については異論ございません。現在、仙台で日本商工会議所の会議を開催しており、そちらから参加させていただいております。昨日も輪島商工会議所の方とお話をさせていただきまして、なかなか復旧・復興が進まず、事業者の方も非常に先が見えない状況にあり、特に従業員に関しては非常に離職が多く、その結果、なかなか事業が再開できないという声も実際に伺ってきております。残った従業員については、雇調金を活用して何とか雇用の維持をしているということで、今後の事業再開あるいは雇用確保への支援について、ぜひ手厚いものをお願いしたいというお話も伺っております。
 今回の内容については、繰り返しになりますけれども、全く異論ございません。利用状況等も踏まえながら、復興・復旧に向け、人の手当という部分について、ぜひ最大限のお取組をお願いしたいと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 現地の実情を直接聞かれた御意見、ありがとうございました。
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 では、特にございませんでしたら、当分科会は、厚生労働省案をおおむね妥当と認め、その旨を私から御報告申し上げることとしたいと思います。このようなことで御意見はございますでしょうか。
 では、ございませんでしたら、報告文案の表示をお願いします。
 表示されております、おおむね妥当という報告文案で、労働政策審議会会長宛てに報告することで御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、御異議ございませんでしたので、そのように報告をさせていただきます。
 本議題は以上となります。
 議題の3「雇用保険法施行規則及び生活保護法別表第一に規定する厚生労働省令で定める情報を定める省令の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」となります。
 事務局から説明をお願いします。
○尾田雇用保険課長 雇用保険課長でございます。
 資料につきましては、資料の3-1、3-2でございます。3-2を御覧いただければと思います。
 おめくりいただきまして、少し飛ばしまして、3ページ目以降で御説明させていただきます。
 まず、こちらの3ページの表でございますけれども、今国会におきまして、雇用保険法等の一部を改正する法律、そして、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律、こちらの法律がそれぞれ5月10日、6月5日に成立いたしました。
 それらの法律に盛り込まれております雇用保険法改正の改正内容につきまして、施行日ごとにまとめたのが、こちらの表でございます。
 なお、本日、参考資料2のほうに、法案の概要等の資料を載せておりますので、御参照いただければと思います。
 こちらにお示ししておりますもののうち、今回、省令改正について諮問いたしますのが、赤で囲んでおります、令和6年10月1日施行の教育訓練給付金の給付率の引上げ関係でございます。
 おめくりいただきまして、4ページ目でございます。
 こちらが改正の全体像でございます。現在、教育訓練給付金につきましては、3つのカテゴリーに分けまして給付水準を決めているところでございます。
 専門実践、特定一般、一般とございますが、今回は専門実践と特定一般について見直しをさせていただきたいと思っております。
 まず、真ん中の特定一般でございます。現在、このカテゴリーにつきましては、給付水準は受講費用の40%、上限20万円ということで実施しておりますが、これに今回追加給付といたしまして、修了後に資格取得と就職を実現した場合に、追加の10%の給付、上限5万円を支給したいと考えておりまして、合計で最大、一番下でございますが、50%、上限25万円という給付にさせていただきたいということでございます。
 一方、左の専門実践でございますが、現在、こちらは修了を前提といたしまして、受講費用の50%、年間上限40万円という給付を行っておりますとともに、追加給付として、修了後の資格取得、就職を要件といたしまして20%、年間上限16万円の追加給付を行っております。
 これに、さらに訓練前後で賃金が5%以上上昇したことを要件といたしまして10%、年間上限8万円の給付を追加いたしまして、合計で最大80%、年間上限64万円としたいというのが、改正内容の全体像でございます。
 このうち、新しい追加給付でございます、賃金上昇が5%以上、こちらの要件の内容と確認方法につきまして、資料で御説明したいと思います。
 5ページ目を飛ばしまして、6ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは、上段が訓練前に離職された方のイメージ、下段が訓練前からずっと在職されている方のイメージでございます。
 まず、上段の訓練前に離職された方につきましては、訓練開始前、直前の離職から過去6か月間の賃金を、まず、参照賃金として計算いたします。
 こちらの賃金の計算の考え方は、基本手当、失業給付の離職前賃金の計算と同様で考えておりまして、臨時で支払われる賃金あるいは3か月ごとに支払われる賃金、そういったものを除きまして、月々支払われる賃金をベースとして計算するということで考えております。
 この賃金と、訓練修了後に資格取得、就職を実現した後の1年間のうち、任意の連続6か月間、これを選択いただきまして、こちらの賃金と比較するということでございます。
 これを比較して5%以上上昇していた場合に、給付要件を満たすということでございます。
 一方、在職者の方につきましては、訓練開始前に離職がございませんので、訓練開始日の前日を離職とみなしまして、そこから過去6か月間の賃金を計算いたします。
 訓練修了後は資格取得を起点といたしまして、そこから1年間のうち、任意の6か月間を選択いただきまして、そちらの賃金を計算し、5%以上の上昇を確認すると、こういったことで考えております。
 一方、下の注釈でございます。今回の制度改正、法律改正とは直接の関係がございませんが、現在、一部不具合があるところの訂正ということも併せて講じたいと思っております。
 具体的には、介護福祉士等の資格につきまして、修了後1年以内に資格取得というのが、現在の追加給付の要件となっておりますが、これらの試験については、修了後1年以内に合格が得られない場合があるということでございます。
 このために、こういったものも対象となるように、やむを得ず1年を超える場合も対象となるように、今回併せて省令改正で措置を講じたいと思っております。
 次の7ページ目でございますが、この賃金の確認につきましては、給与明細とともに事業主の証明をお願いしたいと思っております。
 その証明内容でございますが、現在の離職時賃金の証明と同様の形で、なるべく同じような形で労使の皆様の負担軽減と、事務処理上の簡便さを図っていきたいと考えております。
 8ページ目でございますが、なお、今回の教育訓練給付の改正につきましては、法案審議の過程で衆議院、参議院両院で附帯決議をいただいております。
 参議院のほうで代表させて御説明させていただきますが、教育訓練給付について効果的な給付の観点から、講座の効果、賃金上昇の確認方法等の十分な検証を行い、その結果を踏まえ、指定講座の見直し等を含め、労働政策審議会において必要な検討を行うこと。このようなことが求められているということでございます。
 お戻りいただきまして、この資料の1ページ目から、以上の内容を要綱にお示ししたものの概要という形で簡単に御説明させていただきたいと思います。
 まず、冒頭の○でございますが、こちらは特定一般の追加給付に関して記載しております。修了し、資格取得等をし、かつ雇用され、または雇用されている方については、給付率を50%、上限25万円とする。こちらのほうで、こういう要件を全て満たした場合の最大の給付水準ということで規定させていただいております。
 次に専門実践でございますが、訓練を修了し資格取得等をし、かつ雇用され、または雇用されている者のうち、賃金が5%以上上昇した方につきましては、給付率を80%、そして上限でございますが、先ほど年間上限64万円と示しておりましたが、これを3倍いたしまして3年間の上限として、上限192万円ということで規定しております。
 以下、マル1、マル2は、今、資料でお示ししました、マル1は訓練修了後の賃金、マル2が訓練開始前の賃金ということで書いております。
 3番目の○でございますが、このうち専門実践教育訓練給付金については、10年間の上限というものも併せて規定されておりまして、こちらのほうも今回給付率引上げに伴いまして、192万円に引き上げるということでございます。
 一方、注の※3で書いておりますところを少し御説明いたしますと、この192万円というのは3年間の課程での上限でございますが、一方、一部4年間の修業年限が規定されている訓練がございます。
 具体的には、専門職大学と管理栄養士の課程が、現在、対象になっておりますが、これらにつきましては、この上限につきまして64の4倍の256万ということで、例外的にこのような規定をさせていただいているところでございます。
 続きまして、2ページ目でございます。
 こちらは手続関係でございますが、まず、特定一般の追加給付につきまして、ハローワークの所長は申請期限をお知らせし、2行目でございますが、給付対象者は、申請期間内に、受講費用の証明書類、資格の取得等の証明書類を添付して提出すること。
 まず、申請を行うべき期間でございますが、下の※の4でございます。こちらは、資格取得等から1か月以内という期限を定めさせていただきたいと思います。
 これは、現在の専門実践教育訓練給付金の追加給付も同様に1か月以内となっておりますので、それを踏襲させていただいております。
 続きまして、上の2つ目の○でございますが、専門実践の追加給付につきまして、こちらもハローワークの所長が申請期限をお知らせし、給付対象者は、3行目以下でございますが、申請期間内に、教育訓練の受講前後の賃金額の証明書類、受給資格者証等を添付して提出しなければならないとしております。
 下の※5でございますが、こちらのほうは、起点となる日から6か月を経過した日から起算して6か月以内とございます。要するに1年以内、先ほど6ページのほうで比較対象となる賃金につきまして、訓練修了等を得た後の1年以内に任意の6か月間の賃金を計算して比較すると申しましたが、その1年を、こちらの申請期限とさせていただきたいと考えております。
 3番目は、ハローワークにおきまして支給決定をしたときは、7日以内に支給するというものです。
 次の○でございますが、これは生活保護法別表のほうで、福祉事務所等から資料の提供の求めがあった場合に提出する情報ということを省令で規定しておりますが、こちらに専門実践教育訓練給付金に係る情報というのが規定されております。
 今回、この改正に伴いまして、一部雇用保険法施行規則の条項ずれが生じますので、そちらに関連する形式的な整理でございます。
 最後の○2つでございますが、施行につきましては、令和6年10月1日から、そして、適用されますのは、この施行日以降に教育訓練を開始した方について適用するとさせていただきたいと思います。
 本件につきましては、19日に開催されました雇用保険部会におきまして御議論いただきました。
 御意見といたしましては、効果検証あるいは周知について御意見を賜りまして、その上で、おおむね妥当とおまとめいただいたところでございます。
 以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 それでは、本件につきまして、御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様の方法で御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 西尾委員、お願いします。
○西尾委員 UAゼンセンの西尾です。
 教育訓練給付に関する雇用保険法の改正に伴う省令改正ということですが、本法案の成立に当たっては、8ページに示されている附帯決議が付されてます。
 その中に、「効果的な給付の観点から、講座の効果、賃金上昇の確認方法などの十分な検証を行う」という記載がございます。
 賃金上昇が定期昇給などではなく、訓練受講の結果として賃金が上昇しているのだということを確認できることが重要だと考えています。
 一方で、ハローワーク窓口での確認作業などを考えますと、今回の提案でやむを得ないということもございますが、今後、賃金上昇と訓練の成果について、検証が十分に行えるよう、提出する書類を充実させるなど、必要なデータの収集や検証方法の検討を実施していただきたいと思います。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。御要望をいただきました。
 事務局から何かございますか。
○尾田雇用保険課長 御指摘ありがとうございます。
 私どもといたしましても、まずはこのような形で、事務処理上の簡便さという、労使の皆様にとっても、あるいはハローワークにとってもということで、スタートをさせていただきたいと思いますが、御指摘は十分踏まえて、事後に検証ができるように工夫をしてまいりたいと思います。御指摘ありがとうござい。
○山川分科会長 西尾委員、何かございます。
○西尾委員 お願いします。
○山川分科会長 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 新田委員、お願いします。
○新田委員 経団連の新田でございます。丁寧な資料の説明、どうもありがとうございました。
 内容については、既に雇用保険部会で、おおむね妥当で了承されていると承知しており、異論はございません。
 今回の雇用保険法改正は非常に多岐にわたる内容ですので、従前から申し上げているとおり、その内容を適宜適切な形での周知を引き続きお願いしたいと思います。
 その上で、先ほど資料3-2で説明された、教育訓練後の賃金の確認方法について1点だけ申し上げます。任意の6か月間を労働者が選ぶというくだりがありますが、任意の期間を労働者側が選択するケースは、私が知る限り、雇用保険制度にはなかったのではないかと思っております。これは恐らく、転職した際に、すぐに全ての賃金項目が支払われるわけではなくて、試用期間終了後ですとか、一定の期間が経過後に支給される賃金項目があることを想定しての設定ではないかと理解をしているところでございます。
 ただ、労働者自らが期間を選択できるということでありますので、申請の際に事業主、労働者双方に混乱が生じないように、ハローワークを含めて、例えば具体例を示すなど、できる限り丁寧な周知とその徹底をぜひお願いします。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 こちらも事務局から何かございますか。
○尾田雇用保険課長 御指摘ありがとうございます。
 私のほうで趣旨について御説明が足りておりませんでした。まさしく新田委員がおっしゃったとおりでございまして、就職後すぐに賃金が上がる場合もあれば、少したって、新田委員がおっしゃった、いわゆる試用期間6か月というものもございますので、そういった方について、対象となり得るようにということで、1年の幅を持たせて、その間の任意の6か月ということにさせていただきました。
 ただ、それに伴いまして、この任意の6か月という期間の取り方について、雇用保険制度について例がないというのは、これもまた御指摘のとおりでございます。
 御指摘を踏まえまして、私どもといたしましても、労働者、事業主の皆様、この間のやり取りで混乱が生じないように、具体的なイメージを示したような、分かりやすい周知をしっかりしていきたいと思っております。御指摘ありがとうございます。
○山川分科会長 新田委員、よろしいでしょうか。
○新田委員 よろしくお願いします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見等ございますか。
 ございませんでしたら、当分科会は、厚生労働省案をおおむね妥当と認めて、その旨を私から御報告申し上げたいと思います。このようなことで、御意見等ございますでしょうか。
 ございませんでしたら、報告文案の表示をお願いします。
 雇用保険部会で、おおむね妥当という御報告をいただいておりますので、当分科会としては、それを援用するというか、雇用保険部会の報告のとおりという形になります。これで御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、御異議ございませんでしたので、このような形で報告をさせていただきます。
 本議題は以上となります。
 議題4「2023年度の評価及び2024年度目標の設定について」でございます。
 事務局から説明をお願いします。
○吉田雇用政策課長 議題4につきまして、雇用政策課長の吉田から御説明いたします。
 まず、23年度評価であります。当分科会における政策評価につきましては、例年9月頃に行っておりましたが、昨年、委員から前倒しすべきという御意見をいただいたことを踏まえ、23年度評価から四半期程度前倒しすることとし、中間評価を昨年12月に実施いたしました。そして、今般、年度全体の評価をお願いするという次第です。
 資料4-1に基づき説明いたします。
 評価指標は3つの柱のもと、12の項目で構成されております。
 柱の1つ目が「ハローワークにおける職業紹介・人材確保等」。
 2つ目が「成長分野等への人材移動」。
 3つ目が「高齢者・外国人の就労促進」です。
 1つ目の柱「ハローワークにおける職業紹介・人材確保等」について、1ページ目を御覧ください。
 こちらにつきまして、7つの項目になります。そして表の一番右の列に、23年度の実績を記載しております。
 23年度の実績の項目欄に達成率の記載があり、こちらが100%を超えているものが目標達成、100%に届いていないものが未達成ということでありまして、項目の1番、2番、そして6番うちの実践コースの訓練におきまして、目標が未達成という結果となっております。
 以下、各項目について、詳細を御説明いたします。3ページ目をお開きください。
 項目の1つ目「ハローワーク求職者の就職率」です。
 こちらにつきましては、26.8%と22年度を上回ることができましたが、目標に対して未達成となりました。
 2つ目のポツに要因の分析がございます。都道府県労働局によりますと、物価高騰などによる影響で、求職者は賃金や勤務時間といった条件がよりよい求人を求めて、以前よりも求人を慎重に検討すると。その結果として求職活動が長期化するといった傾向が見られております。
 そして、実際、紹介件数も減少しておりますので、こうしたことが目標未達成の要因ではないかと考えております。
 今後の取組につきまして、3つ目のポツでありますが、求職者ニーズの高い求人の確保に取り組むこと、そして、事業所訪問や求人開拓を積極的に行っていくとともに、求職者が応募しやすい条件設定や、求人票の記載内容の充実といった形で、求人の充足支援を積極的に行ってまいります。
 また、4つ目のポツですが、昨年度末に新たな求人充足支援に関するマニュアルを作成し、求人充足支援に関する好事例やノウハウを全国のハローワークへ共有しております。こうした取組で、24年度の目標達成に向けて頑張っていきたいということであります。
 2つ目、人材確保対策コーナー設置ハローワークにおける人材不足分野の充足数であります。
 こちらにつきましては、実績がわずかに目標に届かなかったという結果となっております。
 要因についてですが、全職種におきまして、新規求職の申込件数が減少し、人材不足分野につきましても、同様に申込みの件数が減少しております。
 とりわけ、この分野において、介護が占める割合が非常に大きいわけですけれども、介護分野での申込み件数が減少したことが、充足件数全体の未達成につながったと考えております。
 今後につきましてですが、まず、コーナーを2か所、115から117に拡充することとしております。そして、業界団体等と連携したセミナー、事業者見学会といったイベントを実施すること。また、有資格者や未経験者の方に対して、マイページからイベント情報や求人情報を提供するといったことで、こちらの分野への取り込みを図ってまいりたいと考えております。
 資料の5ページですけれども、目標自体は件数ですけれども、昨年、充足率でも見られるようにしてはどうかという御意見がありましたので、こちらについて、表の形で記載をしております。御参照ください。
 続きまして、項目3、マザーズハローワークであります。こちらは目標を達成するという結果になっております。
 要因につきましては、担当者制によるきめ細かな職業相談や職業紹介を行ったこと、仕事と子育てが両立しやすい求人の確保が進んだことなどが考えられます。引き続き、こうした両立を図りやすい求人の確保などに向けて取り組んでまいります。
 項目の4番、5ページ目の下のほうでありますが、雇用保険受給者の早期再就職の割合であります。
 こちらも、目標を上回る結果となりました。
 要因につきましては、ハローワークに定期的に来所する雇用保険受給者のニーズを把握し、リーフレットやオンラインなどを活用した早期再就職の実現に向けた働きかけや、面接会といった各種イベントの積極的な開催など、様々な対策の強化によるものと考えられます。
 今後につきまして、こうした施策にしっかり取り組むとともに、職員向けにメルマガやオンラインといった形で、好事例を共有するなど、全国的に取り組んでまいりたいと考えております。
 6ページに参りまして、5番目の項目、就職氷河期世代専門窓口における支援対象者の正社員就職率であります。
 こちらも目標を上回る結果となりました。
 要因としましては、就職氷河期世代限定の、あるいは就職氷河期世代歓迎の求人、これらを積極的に確保できたことや、各種イベントについて関係機関との連携などができたこと、また、地域の実情に合った取組などができたことといったものによるものと考えられます。引き続き、求職者のニーズを踏まえた取組を実施してまいりたいと考えております。
 同じページの下のほう、6番目、求職者支援制度による職業訓練の就職率であります。
 こちらは、指標として基礎コースと実践コース、2つ指標を設定しておりますが、基礎コースにつきましては目標を上回り、実践コースについては目標を下回ったという結果となっております。
 実践コースについて目標を下回った要因ですが、コロナ禍における特例措置として行っていた短時間・短期間訓練や、地域や場所を選ばずに訓練を提供できるというメリットはありますが、そうしたe-ラーニングの一部で就職率が低調であったことが考えられます。
 また、地域によっては、訓練内容に見合う求人が少ないといったことで、求職活動が長期化したことも考えられます。
 今後につきましては、今年度より短期間・短時間訓練の訓練期間や、訓練時間の基準の下限を引き上げたこと、就職率の下限を下回った訓練実施機関の再参入に係る認定基準の厳格化などにより、訓練の質を高めるといった取組を行っております。
 また、引き続き、担当者制によるきめ細かな個別・伴奏型の支援、求人部門と訓練部門の連携の強化といったことで、マッチングを促進してまいりたいと考えております。
 7ページの項目7、生活保護受給者等就労自立促進事業の支援対象者の就職率です。
 こちらは、目標を上回りました。
 要因としては、ハローワークと地方公共団体の連携のもと、両機関の支援チームによる就労支援が着実に実施されたことといったことが考えられます。引き続き、関係機関と連携しながらの就労支援に取り組んでまいります。
 8ページ、2つ目の柱、成長分野等への人材移動であります。
 こちらは、項目が2つありまして、右側の列を見ていただきますと、23年度につきましては両項目ともに目標達成という結果となっております。
 8ページの下のほう、労働移動支援助成金による再就職者に係る早期再就職割合につきましてですが、目標を上回った要因としては、再就職者のうち、早期再就職に比較的有利であるとされる45歳未満の方の割合が比較的高かったこと。また、45歳以上の方についても、人手不足感を背景に早期再就職を果たしていたこと。そして、新たにリーフレットを作成し、離職を余儀なくされた労働者の求職活動や再就職支援が、事業主の責務であるといったことの周知や助成金の周知などを行ったことが考えられます。
 今後につきましても、こうした施策について適切に周知するとともに、新たにSNSなどを活用して、周知、広報に取り組んでまいりたいと考えております。
 9ページ目、項目の9、産業雇用安定センターによる出向・移籍の成立率であります。
 こちらも目標を上回る結果となっております。
 要因としては、昨年秋まで在籍型出向を活用し、雇用維持を行った事業主に対する助成措置があったことで、こうした在籍型出向が活用しやすい状況にあったためと考えられます。
 また、事業主に対するアンケートを行い、その結果に基づき、在籍型出向などに関心のある事業主に訪問するなど、効率的なマッチングに取り組んだことも要因の1つと考えております。
 本年度につきましてですが、訪問前に訪問先を戦略的に決定するための会議を実施するなど、労働局と産業雇用安定センターの連携を深め、より効率的に送出し企業や、受入れ企業の情報収集や開拓に努めてまいりたいと思います。
 10ページ、高齢者・外国人の就労促進であります。
 項目としては、マル10、マル11、マル12の3つがございます。
 一番右側の23年度実績の列を御覧いただきますと、10番目、生涯現役支援窓口のチーム支援による就職率につきましては、60歳から64歳層と65歳以上の層と2つ指標がありますが、どちらも目標を達成しております。
 項目11、シルバー人材センターにおける会員の就業率につきましては、目標を下回っております。
 項目12、外国人につきましては、定住外国人と留学生と2つ指標がありますが、どちらも目標を達成しております。
 項目10につきまして、11ページ、分析でありますが、どちらも目標を達成した結果となっております。
 要因としましては、ハローワークにおける高齢者の新規就職申込件数が増加傾向で推移する中で、支援チームによる支援を効果的に実施したこと、高年齢求職者の就労ニーズに合った求人の確保が進んだためと考えられます。
 引き続き、きめ細かな職業相談や職業紹介、そして職業生活の再設計に係る就労支援などに取り組んでまいりたいと思います。
 11ページの下、シルバー人材センターの就業数です。
 こちらにつきましては、目標を下回った結果となっております。
 要因としては、70歳までの就業確保措置の努力義務化や、人手不足を背景に、年齢にかかわらず雇用される機会が増加したことなどにより、センターへの新規入会者が減少するとともに高齢化していること、センターが提供する仕事と会員の希望が必ずしもマッチしないケースが見られることが要因として考えられます。
 対策につきましては、引き続き広報活動の強化を進めるとともに、オンラインでの入会手続や、女性の会員獲得に向けた取組を通じて、会員数の増加を図るとともに、ホワイトカラー層向けの職域など、会員のニーズに対応した就業先の開拓、移動手段がないことで、未就業を選択する会員に対しては、バスなどによって集合型の就業場への送迎体制を構築するなど、マッチングの強化を図ってまいりたいと思います。
 最後、12ページですが、外国人であります。
 外国人については、定住外国人と留学生2つの項目で、目標を上回っております。
 定住外国人のほうですが、要因としては就職支援に係る好事例を各労働局で共有したものであると考えております。引き続き、こうした事例を全国で共有して、マッチングの機能を底上げしてまいりたいと思います。
 留学生につきましてですが、こちらは留学生向けのイベントなどで、回数や参加者数が増えているといったこと、そして、定住外国人と同様に、ノウハウの好事例の共有が進んだといったことが考えられます。引き続き、大学等と連携して、留学層からの支援をしてまいりたいと思います。
 以上が、資料4-1でございます。
 続きまして、資料4-2に基づいて、2024年度の目標について御説明いたします。
 1ページ目をお開きください。
 一番左側の列に、2024年度の年度目標の案を記載しております。
 こちらの目標設定に当たりましては、例年、目標を上回った項目については、その目標を上回った実績を含めて、過去3年の平均を取る、あるいは過去3年の平均にさらに上乗せした目標を設定するということ、そして、目標を下回ったものについては据え置くということで、基本的に作業をしております。
 まずは、年度実績が年度目標を下回った項目でありますが、具体的には、1番、2番、6番、11番の各項目であります。
 このうち6番目については、23年度と同じ目標を設定しております。
 1番のハローワークの求職者の就職率ですが、こちらは昨年度の目標は27.5%でしたが、これを下方修正した目標26.9%を掲げております。
 こちらは、先ほど御説明したとおり求職者の方が、求人を慎重に検討する傾向がある中で、同じ水準を目標とすることは難しいと考え、過去3年の平均を取りますと26.8という数字になるところ、こちらが23年度と同じ実績値となりますので、それよりも少し上乗せするという形で設定したものであります。
 2つ目、人材確保対策コーナーにつきましては、目標未達成でしたが、目標を上方修正して設定しております。
 こちらは、新たにコーナーを2つ拡充することや、対象職種を追加することを踏まえて、これまでの1か所当たりの実績値に箇所数を掛けて算出し、目標を設定しております。
 11番目、シルバー人材センターですけれども、前年度の6400万人日から下方修正して、6200万人日としております。
 これにつきましては、23年度の実績、6145万人日を上回るという形で、再設定したものであります。
 残りの項目は全て目標を達成しておりますので、基本的には3年平均なり、これをプラスアルファするという形で設定しております。
 3番目と7番目と8番目につきましては、3年平均の数字であります。
 8番目につきましては、事業の名前が変わりまして、早期再就職支援等助成金といった形になっております。
 4番、5番、10番、12番につきましては、過去3年間のトレンドは、おおむね増加の傾向にありますので、過去3年平均や23年度実績を、さらに上乗せする形での目標設定としております。
 残りました9番目でありますが、産業雇用安定センターの出向につきましては、コロナ禍で雇用維持の手段としてかなり活用されたこと、そして、昨年10月まで助成措置があったことから、かなりの高水準となると思っておりますので、助成措置がなかった直近の3か年、すなわち、2018年、2019年、2023年度の平均を踏まえて、こうした数字に設定しております。
 資料の説明としては以上になります。
 なお、昨年までは、この年度評価の際に、新年度の四半期の数字をお示ししておりましたが、年度評価を前倒したことで、2024年度の四半期の数字は、まだまとまっておりません。まとまり次第、当分科会にお示ししたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 それでは、本件につきまして、御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様の方法で御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 冨高委員、どうぞ。
○冨高委員 ありがとうございます。
 例年9月の分科会で示されていた評価と目標設定でございますが、前倒ししていただくことで、各職場においても様々取組を進めやすくなるものと理解しております。
 その上で、3点意見を申し上げたいと思います。
 まず1点目は、1のハローワークにおける目標全般についてです。先ほど目標未達の項目も幾つかあるということを御説明いただきましたが、伴走型支援の推進などによって、全ての項目で前年を上回る実績だったことは意義があると考えております。
 ただ、近年、ハローワークに対しては様々なところから業務上の期待もかなりあり、機能強化を行っていくことで、当然のことながらハローワークの業務全体が増大してきていると思います。
 引き続き、求職者に十分な支援を行うことが重要だと考えておりますので、あわせてハローワークの体制強化についても、取組を行っていただきたいと考えています。
 2点目は、マザーズハローワークにおける重点支援対象者の就職率です。
 これを見てみますと、経年的に高い実績が続いていて、特に2023年度は、97.2%と非常に高い実績となっており、すばらしいことだと思っています。今後、この重点支援対象者の方たちだけではなく、その他の支援対象者の実績把握なども含めて、マザーズハローワーク事業全体の底上げを図っていくという視点で検討していくことも必要ではないかと思いますので、意見として述べさせていただきます。
 最後、3点目は、マル10の生涯現役支援窓口でのチーム支援による就職率です。
 昨年度実績も踏まえて、昨年度の目標を上回る目標設定になっていると思いますが、国としても高齢者への支援は重要なものだと考えていらっしゃると思いますし、高齢者の就労の意欲も高まっていると思いますので、引き続き高齢者のニーズに沿った求人の確保や、チームによる就職支援の強化を、ぜひ実施していただきたいと思います。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 事務局から何かございますか。
○國分首席職業指導官 首席職業指導官でございます。
 冨高委員からハローワーク全般と、それからマザーズハローワークについて、御意見を賜りましたので、それについて、少しお答えをさせていただきます。
 ハローワークに対して激励というのか、期待ということでいただきました。ありがとうございます。
 私どもとしても、現状、なかなか目標値が届いていない部分もありますので、しっかり求職者の方への支援と併せて、求人者への就職支援をしっかりやってまいりたいと思います。
 ここにいろいろ取組を資料に書かせていただいていますけれども、やはりハローワーク職員への事例の共有ですとか、勉強会を通じて研鑽をするということ。それから、体制の整備についても併せて検討してまいりたいと思います。
 それから、マザーズハローワークにつきましての実績につきまして、御指摘いただいたとおり、やはり我々としても少し重点対象者以外の窓口全体で、どういう成果が上がっているのか、その辺りも踏まえて、事業運営を心がけてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○山川分科会長 冨高委員、何かございますか。よろしいでしょうか。
 では、課長、どうぞ。
○武田高齢者雇用対策課長 高齢者雇用対策課長でございます。
 生涯現役支援窓口に対する指摘、ありがとうございます。
 やはり高齢化に伴いまして、支援対象者が増えておりますので、そういった方々に対して、支援チームによるきめ細かな相談、職業紹介、職業生活設計に関する、就職支援等に取り組んで、1人でも多くの高齢者の就職実現に、引き続き努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 では、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 ありがとうございます。
 私は、今、高齢者雇用のお話がありましたけれども、シルバー人材センターについて、少し意見を申し上げたいと思っています。
 今回、シルバー人材センターの目標値が、若干ですけれども届かなかった。次年度の目標は、少し控え目な数字で設定するということだったと思います。その原因は、分析のところに書いてあったとおりだと思うのです。
 これは、去年の数字だと思うのですけれども、事業統計を見ますと、10年以上前に比べると、会員の平均年齢が4歳、5歳上がっている。
 それから、会員の年齢区分を見ると、75歳以上が45%を占めているとか、10年前、20年前の労働市場政策の中でシルバー人材センターを捉えていたような状況と、今とは少し違うのではないかという気がするのです。
 一部雇対法の中で安近短を外して、通常の就業に近いような就業をシルバー人材センターがあっせんしているケースも、地域によってあると承知しておりますが、それ以外は、入会する会員も生きがい、社会参加というのが一番トップになっているというのが、10年以上続いているということもありますので、シルバー人材センターの評価をここでやるのか、それとも別途違うところでやるのか、少し考えたほうがいいのではないかと。例えば、安近短を外している地域については、通常の就業状態に近いような気がしますので、それは、こちらで評価をするということもあり得るかもしれませんけれども、それ以外に75歳以上とか、80歳の方のところを労働市場政策の中で考えていくのかどうかというのも含めて、今後、少し御検討いただければと思いました。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 こちらは、将来の政策的な評価の方向性にも関わることですが、何かございますか。
 お願いします。
○武田高齢者雇用対策課長 高齢者雇用対策課長でございます。御指摘ありがとうございます。
 シルバーのほうは、請負の方々が確かに多いということでございますが、派遣ですとか、職業紹介といった雇用によるものも多くなっております。
 それから、生きがい就労を目的に入られている方々が40%ということでございますが、経済的な理由によって入られたいという方が20%と、かなりこれもボリュームとして多くなっておりますので、引き続き、高齢者の方々の多様な就業機会の提供、確保ですとか、企業の人手不足の解消、働きながら育児等に取り組む現役世代の下支え等の貢献、こういったものに、ますます取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○山川分科会長 阿部委員、何かございますか。
○阿部委員 いいえ、分かりました。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 個人的には、私も背景について同様の感想を抱いておりまして、高齢者雇用の高年齢者雇用安定法が65歳、さらに70歳までの雇用という方向に来ているという変化が、現段階でのシルバー人材センターの機能の変化にも影響しているのかなと、背景事情について感想を抱いていたところでございます。
 何かほかに御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。本日は、特に追加の御意見はございませんようでしたので、こちらの議題は、以上にさせていただきたいと思います。
 各委員におかれましては、本日御発言いただいた点以外に、もし、追加で御意見がございましたら、事務局からお送りします委員意見記入用紙で、7月3日までに事務局まで御提出をいただければと思います。
 つきましては、当分科会としても2023年度の評価、それから、2024年度の目標につきましては、これまでと同様の形ですが、本日いただきました御意見、それから追加で御提出をいただきました御意見が、もしありましたら、その意見も踏まえて、私と事務局で相談して取りまとめをしたいと考えております。こういうことでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 特段、御意見、御異議ございませんでしたので、これまでと同様に、そのようにさせていただきたいと思います。
 本議題は以上となります。
 本日予定されておりました議題は、以上で終了いたしました。
 この際、委員の皆様から何か御発言等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、本日の分科会は、これで終了いたします。皆様、大変お疲れさまでした。