第33回労働政策審議会勤労者生活分科会議事録

雇用環境・均等局勤労者生活課

日時

令和6年3月27日(水)10:00~12:00

場所

会議会場及び傍聴会場 厚生労働省省議室
(千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館9階)

議事

議事内容
○山本(眞)分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第33回「労働政策審議会勤労者生活分科会」を開催いたします。
 今回より、労働者代表委員の鈴木優委員が新たに着任されております。よろしくお願いします。
 本日は、使用者代表委員の須永委員が御欠席でございます。また、中益委員、八野委員、藤澤委員、松本委員、山本陽子委員、佐藤委員、田中委員、仁平委員、阿久澤委員、木村委員、成島委員、原田委員につきましてはオンラインで出席いただいております。
 本日は、全委員の3分の2以上の御出席をいただいておりますので、労働政策審議会令第9条の規定による開催に必要な定足数を満たしております。
 本日の分科会は、対面のほか、オンラインでも御出席いただいておりますので、まず、その点について事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 事務局の勤労者生活課長の大隈でございます。
 本日は、対面のほか、オンラインでの御参加をいただいておりますが、オンラインの方は事前にお送りしております「会議の開催・参加方法について」も併せて御参照ください。
 分科会の進行中は皆様のマイクをオフにしていただくようお願いします。御発言される場合には、会場内の皆様は挙手を、オンライン参加の方は「手を挙げる」ボタンを押していただき、分科会長から指名があった後に、マイクをオンにしていただき、お名前を名乗っていただいた上で御発言をお願いいたします。御発言が終わりましたら、オフに戻していただきますようにお願いいたします。
 なお、本日は対面参加の方とオンライン参加の方と両方いらっしゃいます関係で、指名の順番につきましては前後することがあるかと思います。なるべく挙手の順番となるように配慮させていただきたいと思いますが、その点、御了承いただけますと幸いでございます。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラをお持ちの方は撮影を終了してください。
 それでは、本日の議題(1)の「勤労者財産形成促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」に入ります。
 まず、事務局から説明をお願いした上で、その後、委員の皆様から御意見等をいただきたいと思います。
 では、説明をお願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 それでは、議題(1)について御説明させていただきます。資料は、資料1と資料2になります。
 今回、財形法施行規則の一部改正省令ということで、厚生労働大臣から労働政策審議会長宛ての諮問文が資料1でございまして、表紙がついている後ろに「別紙」ということで、省令案要綱が縦書きで書いてございます。この内容を少し背景なども含めて書いたものが資料2になりますので、資料2のほうで御説明させていただければと思います。
 資料2の表紙をめくっていただきまして、2ページ目でございますが、「勤労者財産形成促進法施行規則の一部を改正する省令案」の概要でございます。
 まず、「I 改正の趣旨」でございます。これは、財形住宅貯蓄に関するものでございますが、財形住宅貯蓄は住宅の取得・増改築等の費用に充当することを目的とした貯蓄でございますけれども、この対象となる住宅につきまして、床面積、経過年数等に係る要件がこの省令で定められております。
 今般、令和6年度税制改正におきまして、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の見直しということで、いわゆる住宅ローン控除の見直しが行われる予定になっておりまして、租税特別措置法等の改正が予定されておりますが、これまで財形住宅貯蓄の対象となる住宅の要件につきましては、住宅ローン控除の対象となる住宅の要件等を参照して同様の内容で定めてきているという経緯がございますので、今回、財形則についても同様の改正を行いたいという内容でございます。
 「II 省令案の概要」です。(1)床面積要件等の改正ということで、現在の住宅の床面積要件が2つの○で記載されております。原則としては50平米以上の住宅ということになるのですけれども、2つ目の○が2年前に付け加わった要件で、ちょうど2年前の3月の勤労者生活分科会で諮問させていただいたものになります。住宅の新築又は建築後使用されたことのない住宅の取得をした場合であって、当該住宅が令和5年12月31日までに建築確認を受けたものであるときは、床面積が40平米以上とすることになっております。
 今回付け加えようとしているのは3番目のところでございます。これも同様に、新築又は建築後使用されたことのない住宅の取得の場合であって、当該住宅が認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅及び省エネ基準適合住宅に該当して、令和6年12月31日までに建築確認を受けたものという要件を満たす場合につきましては、40平米以上とするというものです。この3つ目のところは、※印のところに書いてございますとおり、今回の住宅ローン控除の見直しによって付け加わる条件と同様のものでございます。
 その下にまた書きがついておりますけれども、当該要件の確認のために必要な書類を、払出し等の際に提出する書類として追加するということで、例えば認定長期優良住宅に該当するかどうかの確認を財形の払出しの際に確認する必要がありますので、提出書類として財形則においても規定するという内容でございます。
 (2)の施行期日につきましては、令和6年度税制改正関係ですので4月1日施行としたいと思っておりまして、直前の時期にはなりますが、3月29日の公布を予定しているところでございます。
 内容については以上ですけれども、1点、パブリックコメントをしております。この省令改正案につきまして、2月22日から3月22日まで30日間パブリックコメントを行っておりますが、今回の改正内容と関係のある御意見はありませんでした。
 簡単ではございますけれども、説明は以上でございますので、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○山本(眞)分科会長 事務局から説明がありましたが、委員の方々から御質問や御意見がありましたら、会場の方は挙手をお願いします。オンラインの方は「手を挙げる」ボタンを押してください。指名の後、マイクをオンにしていただいて、お名前を名乗って発言をお願いいたします。
 それでは、この件について質問、御意見などはございますでしょうか。
 特にパブリックコメントでも意見がなかったようですので、よろしいですか。
 それでは、当分科会として、ただいま説明のありました省令案要綱については、厚生労働省案を妥当と認めて、労働政策審議会長宛て報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 それでは、妥当と認めるということで、労働政策審議会長宛てに報告することにいたしますので、事務局から報告案の配付と、オンライン参加の皆様に画面での共有をお願いいたします。
厚生労働省案は妥当と認めるという内容の案でございます。
 労働政策審議会令第6条第7項により、分科会の議決をもって審議会の議決とすることができるという規定がございますので、併せて同じ内容で厚生労働大臣宛てに答申されることになりますが、これもよろしいですね。
(首肯する委員あり)
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 それでは、そのように進めさせていただきます。
 では、議題(1)は以上です。
 議題(2)「財形制度をめぐる現状とこれまでの対応」に進みたいと思います。
 では、この件について事務局から説明をお願いします。
○大隈勤労者生活課長 続きまして、議題(2)の関係の御説明を申し上げます。資料は資料3と資料4、2つございます。
 まず、資料3のほうからでございますが、毎年度1回御報告申し上げている「財形制度をめぐる状況について」でございます。
 まず、1ページ目です。令和4年度の財形貯蓄の契約件数が636万件、貯蓄残高は約15兆円でございます。一定の規模を有しておりますけれども、長期時系列で見ていきますと減少傾向にございます。これは、これまでと同様の傾向でございますけれども、長期の低金利下にあったことや、NISAやiDeCoなどの多様な金融商品が出てきていることなどが背景にあると考えられます。
 2ページは、財形持家融資制度の実施状況でございます。こちらは、財形貯蓄をされている利用者の方が住宅の新築・増改築などの際に受けられる融資制度でございます。令和4年度につきまして、貸付決定件数522件、貸付決定額86億円ということで、単年度ごとに見た場合の実績としては前年度比8割ぐらいになってございます。
 こちらも長期時系列のグラフがその下にございますけれども、平成15年頃に1つの大きなピークがございます。その後、民間金融機関もかなりいろいろな住宅ローン商品を出してきていることもありまして、実績は低下傾向になり、ここ10年ぐらいはかなり少ない水準で推移しているという状況でございます。
 3ページ目は、ただいまの財形持家融資制度の実施状況の内訳になります。左側は実施機関別の内訳になりますけれども、グラフの下に凡例がついておりますが、一番多くを占める部分が転貸融資(勤労者退職金共済機構)という部分でございます。それ以外に、公務員を対象として国家公務員共済組合や地方公務員共済組合など、ほかの組織も一部行っておりますが、大部分は勤退機構が担っている部分になります。
 右側につきましては、勤退機構が実施している転貸融資の内訳でございます。これは、通常の金利で金利優遇措置なしの場合と、子育て世帯あるいは中小企業向けの金利優遇措置、これは0.2%軽減することになっておりますが、その利用者別の内訳です。一番濃い網かけで書いてある子育て勤労者向け金利優遇措置を利用されている方が、全体のおおむね70%前後で推移をしているということでございます。
 4ページでございますけれども、財形持家融資、財形制度の周知などを勤労者退職金共済機構が実施しております。独立行政法人ですので中期目標を立てて取り組んでいただいていますが、ちょうど令和5年度が第5期中期目標の初年度になっております。
 上半分の(1)、(2)、(3)が、中期目標で定めている業務です。融資業務の実施、利用促進対策を効果的に実施していただくこと、自立的な財政規律の下で財務運営をしていただくこと、こちらが機構に課せられている業務でございます。
 下のところが、実際に令和5年度にどのような取組を行ったかということになります。まだ令和5年度は完全に終わっておりませんけれども、上から2つ目のところ、例えば勤退機構は中退共の業務も行っておりますので、中退共未加入事業主に対する説明会等の場で財形制度についても併せて御説明をして、導入勧奨するという取組を行っております。
 それから、3つ目のところですが、若年層向けに財形制度があまり知られていないのではないかという御指摘や御意見もいただいていたところですが、大学生向けに財形制度の講義を今年度2回実施しております。後で詳しい資料が出てまいります。
 それ以外にも、各種説明会、広告、関係団体の方などへのリーフレットの配布、広報資料の配付等を行っております。
 次に、5ページは、直近の実績の振り返りでございます。同じく勤退機構の取組ですけれども、昨年度までが第4期中期目標期間でございまして、数値目標は左側に記載のとおりのものが定められておりました。これについて令和4年度の実績が右側にございます。基本的にこの目標はそれぞれ達成されておりますけれども、1つだけ、上から2つ目の財形持家融資等に関する相談受付件数が、目標としては毎年度700件以上となっていたところ、令和4年度の実績は566件で、この点は未達成でございます。
 ただ、財形持家融資に関連すると、そのすぐ下に新規借入れ申込み件数の目標もありまして、こちらは5年間の目標として2,080件という数を立てていましたが、これは5年間として見たときは3,382件でございまして、こちらで見ると達成という状況でございます。
 6ページでございます。ここから事例ですけれども、昨年3月に勤労者生活分科会で財形の状況を御説明した際に、各委員から、財形の利用促進のために広報活動、普及活動などをもっと工夫したらいいのではないかという御意見をいただいておりました。
 その一環として、上のところに書いてあるのが若い人向けの周知ということで、今年度につきましても令和5年9月に2回、駒澤大学経済学部の小西先生、日本FP協会の御協力をいただきまして、学生に講義を行っております。講義内容としては、ファイナンシャルプランナーの方からライフプランとお金に関する講義、厚生労働省から財形制度の御説明ということです。
 学生の反応としては、ここに吹き出しの形で書いてありますけれども、「ライフプランを立てずにそのまま過ごしていたら大変なことになっていたかも」、「貯蓄の大切さを改めて学ぶことができた」というような声をいただいているところです。
 それから、発信する媒体の工夫ということで、厚労省公式SNSも使って、X、フェイスブックに4月、5月、6月、7月、8月と少しずつ内容を変えながら発信をしております。
 また、昨年いただいていた意見としては、勤退機構の特設サイトにせっかくいろいろな情報が載っているのだけれども、その特設サイト自体が知られていないのではないかという御指摘もありましたので、SNSでの発信の際には特設サイトの御案内も併せて行っております。
 7ページは、厚労省メールマガジンなどへの掲載です。人事労務マガジンが、ホームページに掲載されておりますが、この1月、2月、3月に特集のような形で、財形の内容の御説明、勤退機構の特設サイトの御紹介などもしております。それから、その下ですが、別途メールマガジンでも発信をしております。
 一番下のところは、中小企業向けの周知も足りないのではないかということで、若手の経営者の方、関係団体の方、中退共に加入されている事業主の方などに周知を行ったところでございます。
 8ページですけれども、制度的な取組として、まず(1)のところがちょうど先ほど議題(1)で諮問し、答申をいただいた床面積要件の特例の延長でございます。2つ目は、子育て勤労者・中小企業勤労者への金利優遇措置の延長ということで、財形持家融資の中でも特に使われているのが子育て勤労者向けの優遇措置ですけれども、これは1年度ずつ措置して、それを延長するということにしておりますが、令和6年3月末で一旦切れるところをさらに1年間延長する予定でございます。
 9ページ以降は関係するデータでございますので、本日は説明を割愛させていただきます。
 続きまして、財形の関係で資料4の御説明をさせていただきます。こちらは、最近の政府部内での動きということで、閣議決定されたものがございますので、それの御説明でございます。
 まず表紙をめくっていただきまして、1ページ目です。金融商品取引法等の一部を改正する法律が令和5年11月に臨時国会で成立をしております。これは金融庁所管の法律で、金融関係の様々な内容が盛り込まれておりますが、財形に関係するのは左半分のところでございます。
 大きなくくりとしては、「顧客本位の業務運営・金融リテラシー」というくくりですが、一番上のところに書いてありますとおり、「成長の果実が家計に分配されるという『資金の好循環』を実現し、家計の安定的な資産形成を図る観点から、以下の取組を実施」ということで、その中で、赤枠で囲った部分の「金融リテラシーの向上」というものがございます。
 1つ目のところに、資産形成の支援に関する施策を総合的に推進するための「基本方針」を政府として策定するという内容が盛り込まれております。あわせて、その下ですけれども、利用者の立場に立って、金融経済教育を広く提供するための「金融経済教育推進機構」を創設するということもございまして、こちらの業務として、金融経済教育の教材・コンテンツの作成とか、学校や企業等への講座の展開、個人に対する個別相談といった内容が盛り込まれております。
 この法律を受けまして、次のページですけれども、「安定的な資産形成の支援に関する基本方針」が令和6年3月15日に閣議決定をされております。2ページ目が概要の一枚紙ですけれども、これも金融関係の多様な内容が入っておりますが、財形貯蓄に関係する部分を次のページに抜粋しておりますので、3ページを御覧いただければと思います。
 3ページの「II 国民の安定的な資産形成の支援に関する施策」の1番に、「国民の安定的な資産形成に資する制度の整備」とあります。(1)の「総論」の冒頭に財形についての記載が入っております。
 昭和46年に制定された財形法に基づく財形貯蓄は、職域を通じた資産形成手段として多くの企業で活用されている。財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄については、利子について税制上の優遇措置が講じられるなど、政府としても後押しし、資産形成を始める際の重要な選択肢になっており、多くの勤労者が利用できるようにすることが重要である。政府としては、こうした税制優遇を伴う資産形成支援制度の利用状況、高齢期の就労の拡大・長期化や、今後の経済・社会情勢の変化等を踏まえつつ、引き続き、必要な制度の整備や改善等に向けた検討を進めていくことが重要であるということで、財形についても資産形成を始める際の重要な選択肢ということや、多くの勤労者が利用できるようにすることが重要ということが閣議決定として盛り込まれたところでございます。
 それから、(4)の「顧客の立場に立ったアドバイザーの普及・促進」というところで、ここは、国民に気軽に相談して継続的に良質なアドバイスを受けられる環境を整備することが重要ということですが、その内容として、2行目ですけれども、「財形貯蓄・NISA・iDeCo等の税制優遇制度、多様化する金融商品・サービス等について」とありまして、NISA・iDeCoなどと並んで財形貯蓄も位置づけられているところでございます。
 4ページでございます。3番の「国民の安定的な資産形成に関する教育及び広報の推進」という項目の(2)に、資産形成の考え方について記載がございます。貯蓄と投資についての考え方のようなことが書かれています。
 資産形成の方法は「貯蓄」と「投資」に大別されるが、それぞれの金融商品の特性に留意しつつ、これらの組合せを検討していくことが重要である。金融商品の有するリスクやリターンは商品ごとに様々であるが、流動性・収益性・安全性の観点から、それぞれの特徴を理解する必要がある。例えば、一般的には、預貯金は、流動性や一定の元本保証があることに伴う安全性が高い一方、収益性は株式等に劣る場合が多い。株式等は、一定の収益性が期待できる一方で、元本割れのおそれも存在する。貯蓄が生活資金の基盤であることを踏まえれば、投資については余剰資金で行うなど、貯蓄と投資のバランスに留意して資産形成に取り組むことが重要であるということで、ここも貯蓄と投資の組合せ、貯蓄と投資のバランスに留意することが重要であるという内容が盛り込まれております。
 「(7)私的年金等の普及促進」ということで、公的年金の上乗せの給付としての企業年金やiDeCoなどの普及促進や政府横断的な広報について書かれておりますが、財形年金についてもここの私的年金等に含まれるものと考えております。
 5ページは、これに関連する法律の条文でございます。
 資料4は以上でございます。
 議題(2)の関係は、資料3の最近の状況と資料4の最近の政府の動きを御説明させていただきました。
 御説明は以上でございます。
○山本(眞)分科会長 今の説明について、御質問、御意見がございましたらいただければと思います。幾つか御質問、御意見をいただいた上で、まとめて事務局から回答、コメントをもらおうと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いします。
 鹿住委員、お願いします。
○鹿住委員 ありがとうございます。
 財形貯蓄制度の周知につきまして、大学等でも授業を行っていただいているということで、ありがとうございます。
 実は高等学校の家庭科で2022年度から金融教育が始まっております。銀行、証券、生命保険会社、いろいろな金融機関が教材等を作って家庭科教育にも参入しているというか、協力をなさっていると伺っております。
 金融教育の目的は、別にお金を増やしましょうということではなく、生活設計を生涯にわたって考えていきましょうということですので、ぜひ財形貯蓄の資料、制度の周知につきましても、パンフレットを送るぐらいでもよろしいかと思うのですけれども、家庭科の先生宛てに情報提供をしていただけるとよろしいのではないかと思っております。高校を卒業してすぐ就職する方もいらっしゃると思いますので、そういった意味で高等学校での周知も一つ意味があるかなと思っております。
 以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 芦川委員、お願いいたします。
○芦川委員 労働金庫協会の芦川でございます。よろしくお願いいたします。
 御案内いただきました「財形制度をめぐる状況」と「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」に関連し、財形貯蓄制度をさらに充実させていただきたく発言させていただきます。
 昨今、貯蓄から投資として、貯蓄か投資の二者択一化の向きもありますけれども、勤労者の資産形成におきましては、一人一人の年齢、家族構成、資産状況などを踏まえ、ライフプランに最適な金融商品の選択、ポートフォリオの形成が必要でございます。
 基本的な方針でも、安全性と収益性を踏まえ、貯蓄は生活資金の基盤、投資は余剰資金で行うとされています。また、多種多様化する金融トラブル、個々人の金融リテラシーの向上にも触れられています。
 私どもろうきん業態では、勤労者の方々への生活応援運動を展開し、職場のみならず教育現場でもセミナー等を開催し、マネートラブルの抑止をはじめ、金融リテラシーの向上に努めており、給与天引きで元本保証されている財形貯蓄制度は、勤労者の基本的で確固たる資産形成には極めて優れた制度と案内しております。金利ある世界が展望される環境では、その重要性はさらに高まるものと思われます。
 しかし、「財形制度をめぐる状況」でも案内いただきましたように、契約件数、貯蓄残高はともに減少傾向にあります。令和4年の勤労者世帯の貯蓄額は1,508万円で、勤労者以外の世帯の貯蓄額2,400万円とは900万円近くの差が存在しますし、持家をめぐる状況でも、自営業主世帯の8割超に対し、雇用者世帯は約6割にとどまり、持家のない20歳・30歳代世帯で10年以内の持家取得予定とする割合は、令和2年から4年の2年間にともに約15ポイント低下するなど、資産形成や住宅取得に財形制度による効果が見いだしにくい状況でございます。
 「基本的な方針」では、財形貯蓄は多くの企業で活用され、財形年金貯蓄及び財形住宅貯蓄について多くの勤労者が利用できるようにすることが重要、政府として資産形成支援制度の整備や改善に向けた検討が重要とされています。貴重な財形貯蓄制度をより多くの勤労者の方々に利用いただくため、手続や制度の見直しをいただきたいところでございます。
 「財形制度をめぐる状況」では、事業所導入割合の低下傾向や、企業規模が小さいほど導入率が低いことを御報告いただきましたけれども、財形貯蓄制度の事務負担がその一因と認識しています。「基本的な方針」では、従業員エンゲージメントの向上や中小企業への支援に言及されています。ペーパーレス化、印鑑レス化など、デジタル推進が求められる中、法定様式書面による手続や記載項目等の見直しの検討をお願いしたいところです。
 財形貯蓄制度におきましては、非課税払戻しについては各種要件が設定されておりますけれども、頻発する災害とか子育て支援などの非課税払戻しが可能になるような弾力的な対応や、多様化する雇用形態を踏まえ、正規雇用でない働く方々の財形制度利用促進なども検討いただきたいところです。
 そして、特に早期に改善をいただきたい内容は、昨年の本分科会でも要望いたしましたけれども、年金と住宅の非課税財形制度における加入年齢制限、55歳未満の引上げです。
 「基本的な方針」では、高齢期の就労の拡大、長期化や今後の経済・社会情勢を踏まえ、制度の整備や改善に向けた検討を進めることが重要とし、高齢期の豊かな生活には私的年金が重要な役割を果たすとして普及促進を図るとされています。雇用安定法で70歳までの就業機会確保が努力義務とされたことや、iDeCoでは企業型確定拠出年金などと同様に掛金拠出を65歳未満から70歳未満とする旨の報道もされています。また、住宅関連では、先ほど20歳・30歳代世帯で10年以内の持家取得予定割合の低下に触れましたが、60歳代世帯では逆に1.7%から14.2%に増加しております。高齢者層の資産形成、住宅取得支援に向け、改めて年金、住宅の非課税財形制度における加入年齢制限の引上げを検討願います。
 以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
 南部委員、お願いいたします。
○南部委員 ありがとうございます。
 私からも、財形制度について発言させていただきます。
 この制度については、この間の議論を踏まえ大学生や未加入の方々の周知に取り組んでいただきましたこと、まずは感謝申し上げます。また、引き続きの取組の強化をお願いいたします。
 その上で、先ほど御報告がございました3月に閣議決定された基本方針の総論にございますように、財形年金、財形住宅について、「利子について税制上の優遇措置が講じられるなど、政府としても後押しし、資産形成を始める際の重要な選択肢になっており、多くの勤労者が利用できるようにすることが重要である」とされております。また、「必要な制度の整備の改善等に向けた検討を進めていくことが重要である」とされておりまして、この実効性を高めるためにも、この間申し上げてございます2点を要望させていただきたいと思います。先ほどの芦川委員と重なるところがございますが、御承知おきをお願いいたします。
 1つ目でございますが、現在、改正高齢者雇用安定法によって、企業は70歳までの就業機会の確保に努めることになっております。ライフプランを考える上においても、70歳を大きな節目と考えることがこれからは求められます。しかし、先ほどもございましたように、財形制度の非課税の契約時の年齢制限はいまだ55歳となっております。現在の雇用情勢と一致した制度となるよう、70歳までの引上げを要望いたします。
 2点目でございます。あわせて、より多くの勤労者に活用される制度となるように、手続や申告書、申込書等の簡素化などの検討もぜひお願いいたします。
 以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 オンラインで手を挙げていただいている佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 御発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。ゴム連合の佐藤でございます。
 先ほどの芦川委員、南部委員の発言を補強させていただく形で、労働者の立場から意見を述べさせていただきます。
 まずもって、投資が資産形成の手段の一つであることは、全く異論はございません。しかし、諸外国と比較し、長期にわたって賃金が上がってこなかった我が国においては、とりわけ昨今の物価上昇により賃金が貯蓄にさえ十分回せない労働者が多く存在しております。それを踏まえれば、先ほど御説明の中にもありましたように、投資は当然余剰資金によって行われるべきものだと考えます。その中でも、財形貯蓄制度は、労働者が長期で安定した資産を形成するに当たっては大変重要かつ有用な制度であります。
 先ほど来言われていますが、改正高年齢者雇用安定法により70歳までの就労機会の確保が努力義務となった今、財形貯蓄の非課税制度の契約時の年齢制限が55歳未満であるというのは実態にそぐわないものであると思っております。財形貯蓄制度は、労働者にとって将来の安心に資するものであり、ぜひとも年齢制限の引上げ、改善をよろしくお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
 それでは、ここで事務局のほうからコメントをいただきます。
○大隈勤労者生活課長 御意見、ありがとうございました。
 まず、鹿住委員からいただいた御意見ですけれども、金融商品取引法等の一部改正と今回の基本方針策定を受けて、今後、金融経済教育を広げていくということですけれども、対象として学生、社会人といろいろあると思います。
 今回、基本方針においても、学校における金融経済教育の一層の充実が求められておりますので、大学生だけではなくて高校生などについても必要な周知を行っていくということになると思います。そのときの教材とかテキストは金融庁を中心に関係省庁で調整しているところでございます。
 実際、社会人向けと学生向けだと少し内容は違ってくると思いますので、高校生にどういう内容でどういう方法で周知していくかということは、効果的な周知方法を今後検討していきたいと思っております。
 それから、芦川委員、南部委員、佐藤委員からいただいた御意見でございますが、特に財形年金と財形住宅の非課税貯蓄の開始年齢が55歳未満ということについては、これまでこの分科会でも多くの御意見、御要望をいただいてきたところですけれども、今回、資産形成の基本方針が閣議決定されておりまして、先ほど御意見でも触れていただきましたように、多くの勤労者が財形を利用できるようにすることが重要という旨と、政府として、税制優遇を伴う資産形成制度の利用状況、高齢期の就労の拡大・長期化、今後の経済・社会情勢の変化を踏まえた必要な制度の整備や改善に向けた検討が重要という旨が盛り込まれております。
 こうした動きもありますので、政府全体の動き、それからiDeCoなどの他制度の見直しの状況なども踏まえつつ、まず年齢要件、それから先ほど御要望いただいた事務負担の軽減がどうやったらできるかといった点も含めて、財形制度の必要な改善あるいは見直しについて検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○山本(眞)分科会長 よろしいでしょうか。
 続いて、オンラインで手を挙げていただいている木村恵利子委員、お願いします。
○木村委員 ありがとうございます。全国中央会の木村と申します。
 私からも、皆様の意見と重なるところはあるのですけれども、広報に関して1点申し上げたいと思います。
 資料3の3ページに、財形持家融資制度の実施状況ということで、そもそも財形持家融資の転貸融資の件数が501件で、その横の表で転貸融資の内訳ということで、中小企業勤労者向け金利優遇措置の利用実績が4件となっております。中小企業の勤労者向けの優遇措置を令和7年3月まで1年間延長していただいたことは非常にありがたいと思っておりますけれども、その反面、令和4年度までの直近5年間で利用件数がずっと1桁という状況は、非常に残念な状況だなと感じております。この優遇措置を1年間延長していただきましたので、様々な周知の方法によって利用の件数を上げていただきたいと思います。
 資料3の4ページのところで、「利用促進対策の効果的実施」とありまして、「関係機関等と連携しつつ」とあるのですけれども、具体的に関係機関というのがどのようなところがあるのかといったことも教えていただきたいと思います。
 せっかくの国のバックアップのある制度ですので、私どもも周知のところは御協力したいと思いますけれども、1桁という非常に残念な状況ですので、あらゆる手段を使って実績を上げていただきたいなと思います。民間の様々な商品と比較して、結果選ばれていないといったこともあるかもしれないのですけれども、単純に認知されていない状況が恐らくあるのだろうと思いますので、そこは改善を図るように、利用促進に向けた取組は引き続き力を入れていただきたいと思いました。
 以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 続いて、オンラインで御出席の八野委員、お願いいたします。
○八野委員 先ほど来の各委員の先生と基本的に同じでございまして、この3月に閣議決定されました基本方針の中で、投資のみならず貯蓄についてしっかり書かれておる。また、財形貯蓄をいの一番に表記していただいて、政府の後押しも必要だというふうに書かれたことにつきましては非常に感謝していますし、厚労省さんを評価したいと思っております。
 その中で、特に財形貯蓄につきましては、一般財形が圧倒的に多い中で、特徴的な年金、以前は住宅を政策的に優遇して、非課税枠の拡大ということをやってきたわけでございますが、住宅につきましては、先ほど来の先生の御意見にありましたが、かつての住宅金融公庫融資がなくなり、金融の自由化、特に民間金融機関の住宅ローンの拡充が非常に激しくなる中でなかなか太刀打ちできない。かつては、公庫ローンと財形が一体化して融資を優遇していたわけですが、それがなくなったということで、これは一つ仕方がないのではないかなと。
 年金が増えてきていますが、これもまたiDeCoとの関係とかいろいろ出てくると思うのですが、一つ御提案ですが、せっかく閣議決定した時期でございますので、一般財形のうちに新しい特別の枠をつくって非課税を実現するという要求をされたらどうかなと思っています。
 特に、55歳、60歳、70歳という意見が各先生からあるのですが、私はそうではなくて若い人たち、若年層への優遇が必要ではないか。20代・30代の子育て世代の方が財形貯蓄を始められるとき、つまり、一般財形でいいのですが、財形貯蓄を始められるときに優遇策を講じていただきたい。一つは非課税ということがございますし、またはもう少し自由に下ろせるといいますか、必要なときに財形貯蓄のお金が使えるような、新しい仕組みをつくっていかないと、いつまでも住宅財形、年金財形ということではなくて、新しいそういうものを一般財形の中で考えていただくいいタイミングではないかと思っています。
 そういう意味でもう一つでございますが、金融庁さんが今回、金融経済教育推進機構という新しい機構をつくられましたが、ぜひ金融庁との連携、つまり、この機構との連携をしっかり厚労省さんのほうも取っていただいて、今言ったような財形貯蓄、つまり、貯蓄と投資のバランスというものが重要だということは分かっておるのですね。今、マスコミはNISAを含め投資、投資とあおっておりますけれども、財形貯蓄の必要性、有意義性、そのためには若い人が使いやすい制度に変えていただきたいなと。長くなりましたが、そういう御意見を申し上げたいと思います。
 以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
 続いて、藤澤委員、お願いします。
○藤澤委員 早稲田大学の藤澤と申します。よろしくお願いします。
 広報のところで1点コメントしたいと思います。
 私は年金関連の委員もやっていますが、そこでも広報の活動が過去に取り上げられたことがございます。例えば、年金の場合で言うと、学生との対話集会を実施したり、クイズノックとのユーチューブの動画を公開したり、学研と共同で学習の漫画を使うという周知の取組をしてございます。こういった取組が過去には評価されて、国際社会保障協会が開催する年金広報活動で受賞してございます。
 そういった活動もございますので、厚生労働省の中の年金局やほかの部局でやっている周知の活動を参考にしながら、ぜひ財形及び中退共の周知・広報に力を入れていただきたいと思ってございます。
 以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局のほうからコメントをいただければと思います。
○大隈勤労者生活課長 ありがとうございます。
 まず、木村委員からですけれども、広報の関係で、中小企業向けの周知ということで行っておりますが、財形そのものの利用促進、財形持家融資の利用促進、両面ですけれども、実態としては確かにおっしゃるとおり中小企業向けの金利優遇措置の利用が少ないということで、財形貯蓄そのものが比較的大企業がされている割合が多いこととか、いろいろ事務手続の関係があるかと思いますが、その点は、これからどうやったら特に中小企業の方に利用されるかは考えていきたいと思います。
 資料にありました財形持家融資の関係機関ということで、これは機構の立場から言うと、例えば融資に必要な資金を調達するということで各金融機関と連携しながら行っているとか、ほかに財形持家融資をやっている住宅金融支援機構とか、様々なところと連携しながらやっておりますので、そのあたりが該当するものでございます。
 それから、八野委員の御意見で、今回、基本方針に財形も位置づけられましたし、先ほどの御意見の回答でも申し上げましたけれども、政府全体の動きとかiDeCoの動きもございますので、若い方にどうやったら使われるような仕組みにできるかということも含めて、財形制度の必要な改善や見直しについて検討させていただければと思っております。
 金融庁との連携につきましても、金融経済教育推進機構は4月に設立されて、8月頃から本格的に稼動するという状況でございまして、まさに今どういう教材・コンテンツでどういう対象に展開していくかということをつくっているところでございますので、そうした過程でも、それから、実際に周知が動き始めた後でも、金融庁あるいは金融経済教育推進機構とよく連携をしていきたいと考えております。
 それから、藤澤委員から貴重な御意見をありがとうございます。年金関係とか、省内のほかの部局の同様の制度でどういう周知を行っているかというのも改めて調べて、参考にできるものは取り入れていきたいと考えております。
 以上でございます。
○山本(眞)分科会長 よろしいでしょうか。
 それでは、この件についてさらに御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインも大丈夫ですね。
 それでは、議題(2)については以上にさせていただきたいと思います。
 続いて、議題(3)「労働者協同組合の設立の状況等について」に進みます。
 これについて、事務局からよろしくお願いします。
○水野労働者協同組合業務室長 労働者協同組合業務室長の水野でございます。よろしくお願いいたします。
 資料5を御覧ください。令和4年10月に施行されました労働者協同組合の設立状況等について御説明をさせていただきます。
 1ページを御覧ください。
 改めてでございますけれども、労働者協同組合につきましては、労働者が組合員として出資し、その意見を反映して、自ら従事することを基本原理とする組織でございまして、この世の中には、株式会社、NPO、企業組合、そういった様々な法人類型がありますが、その一つに令和4年10月から加わったところでございます。地域のみんなで意見を出し合って、助け合いながら、地域社会の課題を解決していこうというような新しい法人制度ということで周知をしているところでございます。
 2ページを御覧ください。
 こちらは、労働者協同組合の設立状況をまとめたものでございます。令和6年3月24日現在で、1都1道2府26県で計79法人が設立をされております。
 設立された労働者協同組合は様々な事業が展開されておりまして、「分野の例」というところを御覧いただきますと、荒廃した山林を整備したキャンプ場の経営、葬祭業、成年後見支援、家事代行、給食のお弁当づくり、高齢者介護といった形で、様々な事業が実施されております。
 設立の内訳でございますけれども、右側を見ていただきますと、新規の設立が66法人、組織変更というところで、この法律が施行される前に先ほど申し上げた労働者協同組合の働き方を実践されてきた団体の皆さんは、解散という手続をせずに組織変更を行うことになっておりますけれども、企業組合からの組織変更が11法人、NPO法人からの組織変更が2法人になっております。
 3ページと4ページで、具体的な例を御説明したいと思います。
 まず、3ページを御覧いただければと思います。
 1つ目が、東白川村労働者協同組合という法人で、令和5年4月に設立されております。この法人は、岐阜県の東白川村という、白川郷というのが有名かと思いますが、その少し手前ぐらいにある、かなり過疎と高齢化が進む村でありまして、人口は2,000人を切っている、1,900人ぐらいと聞いておりますけれども、かなり高齢化が進んでおりまして、自分でできていたことができなくなりつつあるというところで、地域の困りごとを少しでも解消したいというところで設立をされました。
 メンバーでありますけれども、3つ目のポツのところにありますが、東京からの移住者の方でITプログラマー、元地域おこし協力隊の方で同様に東京からの移住者で、現在喫茶店を経営されている方、地元の会社で経理を担当されている地元出身の方、そういった多様な皆さんが集まって副業・兼業という形で設立をされております。
 具体的な事業としましては、2つ目のポツにありますけれども、草刈り、茶畑の管理代行を軸に事業を行っており、今後は生活支援・移動支援、そういったところにも事業を広げる予定とお聞きしています。
 特に、本格的に今検討しているというところは移動支援というところで、全国各地でこういった課題があると聞いていますけれども、中山間地域で移動がなかなか難しいというところで、村では交通空白地というところで福祉運送を行っておりますが、対象が要介護認定者に限定をされているということで、元気な高齢者の方々向けの移動サービスがないというところで、この法人では公共交通空白地有償運送というスキームで、研修も受けながら移動支援の事業を計画中とお聞きしております。
 4ページを御覧ください。
 次の事例も新規設立をされた法人でありまして、労働者協同組合上田でございます。この法人では、経験豊かな高齢者の方々が生き生きと働く場をつくろうというところで、任意団体を立ち上げて、その中ではボランティア活動ということで野菜づくりをしたり、様々な活動をされておりましたが、その活動の中で事業性が見えた営繕を行う事業を切り出して労働者協同組合として法人化をされております。
 まさに活動の実態は、第二の人生を私たちが主役となって、地域課題を解決していく仕事の担い手となるというところであります。
 資料上は書かれておりませんが、営繕の仕事をするというところも、メンバーの皆さんに電気工事を長らくやられた方がいらっしゃったというところで、その方の能力を生かした仕事を自分たちでやっていこうということに取り組まれたとお聞きしています。
 令和5年4月には、地元の方からの御紹介で、高齢者世帯から自宅の屋根の塗装をしてほしいといった相談を受けて、塗装の仕事をされています。資料4ページの右側にある写真が、まさに塗装されたお仕事というところです。
 地元の方にも様々なこういった活動をしているというお話をされまして、地域包括支援センター、社会福祉協議会、いわゆる社協でありますが、そういった方々とも連携をしながら取り組んでいるというところで、最近では地域包括支援センターの相談を通じて、地元で独居の高齢者の女性のおうちにお伺いして、エアコンの取りつけなどのお仕事もされているとお聞きしています。
 このように、高齢者の方々の活躍する場というところでの活動が出てきておりますので、こういった活動を期待しているところであります。
 5ページを御覧ください。
 厚生労働省の取組というところで、労働者協同組合の周知・広報を取り組んでいるところであります。昨年度から引き続きまして労働者協同組合の特設サイトを設けるとともに、今年度全国2か所で実施しておりますが、周知フォーラム、また相談窓口などの設置を実施しております。
 やはり、まだまだどういった法人なのかというところが分からない部分がありますが、具体的な取組が分かっていただけるようにというところでありまして、特設サイトの中では、様々な記事のほか、そういった文章を読むだけではなくて、映像で御覧いただけるようにというところで、厚生労働省の特設ユーチューブのところにも6~7分ぐらいの短い時間の動画などを配信しているところでございます。
 6ページを御覧いただきたいと思います。
 まさに、現在、国会で審議中の政府予算案で、我々のほうから現段階で御提案しているものを御紹介させていただきたいと思います。
 令和6年度当初予算案に盛り込んでいるものとしましては、先ほど申し上げた周知・広報のみならず、より地域で労働者協同組合の活用促進を図るという観点から、創意工夫ある地域の取組を支援するというところで、3か年のモデル事業を労働保険特別会計も活用して実施するということを提案しております。
 このモデル事業終了後には、事業を通じて得られた結果を取りまとめて、他の地域に横展開をということで活用することで、労働者協同組合を活用することでどのように多様な働き方の実現とか、多様な雇用機会の創出ができるのかというところを取り組んでいきたいと考えております。
 報告については以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
 それでは、今の報告について、御質問、御意見がありましたら、いただければと思います。
 まず、南部委員、お願いします。
○南部委員 ありがとうございます。
 この間、労働者協同組合法が施行されてから、様々な形で周知活動に取り組まれていることに本当に感謝申し上げます。
 また、今後、先ほど御報告がありましたように、さらなる推進を目指して検討委員会を設置し、モデル地域の選定、そして、運営などを検討されるということですが、モデル事業がスムーズに進むように、ぜひ当事者の意見などを十分反映できるような形の検討委員会をつくっていただけたらと思っております。
 また、法律の実効性を高めるためにも、全国に広がるように丁寧な周知活動を引き続きしていただくことと併せまして、今後も状況の報告をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 続いて、戎野委員、お願いします。
○戎野委員 御報告、ありがとうございました。
 ご説明をお伺いしまして、労働者協同組合が、働く人にとって、生き生きとした活動になっているということ、地域においても困りごとなどの解決に対応して重要な役割を担っているということで、大変有益な組織であることを改めて理解することができました。
 法施行からまだ1年半ですので、今後いろいろな展開が見えてくるかと思うのですけれども、先ほどお話がありました横展開ということでは、今後拡大を図るに当たり、今御紹介いただいた魅力的なすばらしい事例を一層広く御紹介していくことは大変大事ではありますけれども、他方で、美しいところだけではなくて、御苦労されたこと、悩まれたことなど、生々しい部分についてもぜひ一緒に情報として提供されていくことが、より多くの方が取り組んでいけることになるのではないかと思います。
 そして、2点目ですが、スタート時というのは、かなり準備もして勢いがあるところが多いですけれども、この後、持久力を持っていけるかというところも重要ですので、注意して今後我々も見守っていかなければいけないと思います。
 以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
 続いて、鹿住委員、お願いします。
○鹿住委員 ありがとうございます。専修大学の鹿住です。
 今、戎野委員がおっしゃったような生々しい部分なのですが、実は労協の関係者の方とか研究してらっしゃる方にちょっとお話を伺いました。
 4点ほどあるのですが、1つは、労協は新しい制度として発足したのですが、どうも自治体の、特に基礎自治体まで含めると、まだどういう性格の法人なのかということが周知徹底されていない。例えば営利法人として扱われてしまうということがあるそうです。実際、労働者派遣事業以外はどんな事業もできますので、営利事業として扱われてしまうという側面があり、例えば、先ほどの事例にもありましたとおり、自治体から事業を受託して実施してらっしゃる労協さんも結構あるかと思うのですが、そういったときに、どうしてもNPO法人とか非営利団体と比較をすると、営利法人は受託で不利になってしまうケースがある。NPO法人ができたときは、内閣府からどういう性格の法人かという通達が各自治体に出されたそうなのですが、労協につきましてはまだそういった通達が出されていないということで現場が混乱している。
 あと、担当部署がどこかというのが決まっていないらしく、ある方が不登校児の居場所づくりの事業を始めたいと労協を設立したのだけれども、市役所に相談に行ったとき、教育課に行ってもちょっと違う、子ども課に行っても違うと、たらい回しされて、結局、観光課が出てきた。なぜ観光課か分からないのですが、そういうふうに担当の部署がどうも自治体のほうではっきり決まってなくて、業務にしても何にしてもどこに相談に行ったらいいか分からないような、扱いが定まっていないという状況があるようです。
 もちろん労協は非営利の法人として設立されているのですが、一方で、前にも私は申し上げたのですが、こういった地域コミュニティに対していろいろな重要な製品・サービスを提供する事業は、普通の中小企業がほぼ同じ事業をやっています。御存じのとおり、官公需法で自治体は一定の割合の事業を中小企業に外注しなければいけないことになっております。中小企業を対象にした入札も行われているのですが、ここに例えば労協は非営利の法人だということで参加すると、一般の中小企業が不利な立場になるというか、一般の中小企業と労協が競合関係になってしまうことも懸念されます。
 ですので、非営利の法人ではあるのだけれども様々な事業ができるという点で、どういった取扱いをするのか、中小企業庁とも調整をしていただいて、自治体のほうにも、こういうやり方はどうかということで御指導いただいたほうがよろしいのかなという点がありました。
 もう一つ、細かい点なのですが、労働者が集まって組合をつくりますという趣旨でできた法人ですが、実は労協の理事長になると、実際にあった話だそうですが、税務署から、例えば主婦だった方で扶養に入っていて配偶者特別控除を受けていた方が、理事長になった途端に、1円でも収入があれば扶養から外れますと言われたと。
 同じような事例が昔ありまして、1990年代末から2000年初めの頃に、在宅ワークの方が、家内労働法を超えた部分の在宅ワークを始めて、個人事業の開始届を税務署に出した途端に、これで事業収入が1円でもあると、あなたは扶養から外れますと当時言われた方がたくさんいらっしゃったのです。その後、それはおかしいのではないかと。106万円ですか、一定の収入までは配偶者特別控除なり扶養に入るはずだから、1円でもあったらそこから外れるというのはおかしいですよねということで、あちこちでいろいろな場面を通じて訴えていったところ、ようやく税務署の取扱いが106万円を超えたらということになっていったということがありました。
 やはり新しい制度ができると、税務署の現場もそれぞれいろいろな解釈をされて対応されているようですので、そういったところも厚生労働省から通達を出していただくとよろしいのではないかなと思いました。
 同様に、労協の理事長になると雇用保険に入れないということも伺っております。要するに、被雇用者から雇用する立場になるわけですよね。雇用契約を結ぶわけですから。そうすると、雇用保険に入れない。でも、労働者の集まりの組合ですよねということになると、ちょっとそこが矛盾するのかなと。
 役員として専業でやっていらっしゃる方はごくわずかで、恐らく理事長とか役員になったとしても現場で一緒に働いてらっしゃる方がほとんどだと思うのですね。そういったときに、労災保険等が適用されないと困る場面もあるのではないかなと思いました。その辺の実態も御確認をいただければと思います。
 あと、これは現場の声で、法人税が高いと。特に、新設の法人で初年度から赤字であっても法人住民税の均等割7万円がかかってくるというのはちょっと厳しい。この辺、設立から2~3年は減税措置をしていただけないかというような御意見もあったようです。
 そういったことも含めて、新規に設立する場合、経営面もそうですし、税制面もそうですし、法務の面もそうだと思うのですが、相談する窓口が欲しいという御要望がありました。
 先ほど、特設サイトのほうでいろいろ情報提供をしていただいているというご説明がありましたが、個別具体的な内容の困りごと、課題もあるかと思いますので、全国にそれぞれ協議会ができればよろしいかと思うのですが、まだそこまでいっていないということであれば、自治体でもいいですし、中小企業団体中央会が担当されているか分からないのですが、そういった相談窓口をどこかにつくっていただければという御要望もありました。
 以上です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 オンラインの方、ちょっとお待ちいただけますか。ここで事務局に一旦コメントをいただくようにしたいと思います。よろしくお願いします。
○水野労働者協同組合業務室長 御指摘、どうもありがとうございます。
 まず、南部委員から御指摘いただきました、今回のモデル事業はスムーズに当事者の意見も反映しながら進めるべきという御指摘をいただきましたが、今回のモデル事業において、協議会のメンバーにつきましては都道府県が主の構成員になるというところはありますけれども、資料の6ページを御覧いただきますと、協議会のメンバーは市町村とか経済団体、労働組合、金融機関、農協、あとは当事者団体、これはあくまで協議会ごとに定まってくると思いますけれども、こういった協議会を立ててくると、当事者団体の皆さんとの連携がやはり大事ですし、それによってまさに創意工夫ある取組ができるのかなと思いますので、そういったところをしっかり反映しながら協議会を運営し、それを外に出していけるようなモデル例をつくっていければなと思っております。
 あと、全国に広がるように周知というところで、まだまだ周知が足りていないところはこちらとしても認識しているところでありますので、様々な機会を捉えて、ターゲットに応じた周知・広報にしっかり取り組んでいきたいと思いますし、本分科会の委員の皆様方にもしっかり報告をしながら取り組んでいきたいと思います。
 次に、戎野委員から、好事例のみならず失敗事例や設立で苦労した点というところの御指摘をいただきました。これまで、本分科会においても既に同様な御指摘いただいておりまして、そういった御指摘も踏まえて、先ほど説明が不足して恐縮でしたが、令和5年度に作成した様々な団体の好事例の中には、項目の中に活動に当たって生じた困難とか課題といったものも入れていただくようにする中で、もちろんこういうふうにうまくいったというのもありますけれども、例えば事業計画をどういうふうにつくっていくのがいいのかというのを組合員の中でいろいろ話しながら取り組んだという話とか、まだまだ認知度が低いところで様々なところで説明するのに苦労した、というようなお話も聞いております。そういったものも踏まえながら周知をしつつ、それらを一つの課題として我々は受け止めまして、しっかり今後の周知・広報や活用に取り組んでいきたいと思います。
 あと、2点目にいただきました、設立をするだけではないと。もちろん労働者協同組合は設立が終着点ではなくて、その後もしっかり持続していくことがまさに法律でうたわれているような地域の課題に取り組むというところだと思います。その点は非常に大事だと思っておりまして、労務管理の部分をどういうふうにやっていくかというところも含めて、その点もしっかり意識しながら、法人に対する周知・広報とか、様々な取組に生かしていきたいなと考えております。御指摘、ありがとうございます。
 鹿住委員から御指摘をいただきました点であります。1点目の自治体、基礎自治体でまだまだ周知が伝わっていないというのは我々としても認識をしております。労働者協同組合法上の行政庁につきましては国と都道府県というところになっておりまして、法律上も市町村は入っていないという部分もあります。
 ただ、今日御説明した事業を見ましても、地域の様々な課題というところで言えば、まちづくりも含めて基礎自治体のお立場は非常に重要だと思っています。そのため、厚生労働省におきましては、都道府県の皆さんとも協力をしながら、周知・広報については、市町村の皆様にぜひとも届くようにというところで、特に気を使いながらお話をさせていただいております。
 まずは、どういう法人なのかというのを知っていただくという観点から、今年度、福祉とか介護とか、厚生労働省においては様々な全国の課長会議がありますが、その場面では必ず労働者協同組合の事例をお話ししながら周知をさせていただいているところであります。
 担当課が決まっていないという御指摘がありましたが、そこの部分では、そもそも市町村の皆さんでどういうふうに活用するかというところでいろいろ悩まれている部分もあろうかと思います。
 令和6年度に御提案させていただいているモデル事業につきましては、先ほどの資料でもお示しさせていただいている都道府県のほか、市町村の方に関してもメンバーに入っていただくということも選択肢として入れておりますので、都道府県、市町村のみならず、そういった連携の中で取り組むような形で、こういった形で労働者協同組合を活用できるのだというのを市町村の方々にも知っていただけるようにと思っております。
 その他、御指摘いただいた、労働者協同組合の代表者になった場合に扶養を外れるとか、代表になった場合は雇用保険の被保険者になれないという部分は、現状の法制度の中での部分というところがありますので、そこの部分はすぐさま変えることは難しい部分もありますが、先ほどおっしゃっていただいた、例えば税務署の皆さんとの対応というのは、まさに新しい法人制度という部分がありますので、そこの部分についてはしっかり御理解いただくことが大事ですし、その辺りは関係省庁とも連携をしながら取り組んでいきたいと考えております。
 また、法人住民税(均等割)が7万円というところで最初は高いのではないかというところもありまして、ここは新規に労働者協同組合を設立する場合にどういう形で費用がかかるのかというところを知らないまま設立をされて、実はそれだけかかるというので御苦労されたみたいなお話もいろいろお聞きしているところであります。
 令和5年度に初めて、設立を踏まえたオンラインセミナーを実施しておりまして、その中では、設立を検討されている方に具体的な手順などを丁寧に御説明するようなセミナーも実施しております。その際には、御指摘もいただきましたけれども、当事者団体の方々とも連携をしながら、その場面で様々な御相談も受けながらという形で、結果、当事者団体の方々にも御協力いただきながらその後の伴走支援にもつながった事例もありますので、関係団体の皆さんとも連携を図りながら取り組んでいきたいと思っております。
 不足している部分もあるかもしれませんけれども、御説明としては以上でございます。
○山本(眞)分科会長 よろしいでしょうか。
 続いて、オンラインで参加いただいている木村委員、お願いいたします。
○木村委員 御説明ありがとうございました。
 私からは、2点質問をさせていただきたいと思います。
 まず、令和6年3月24日時点で79法人の設立ということで状況を御説明いただきましたけれども、こちらは法律施行から約1年半ということで、1年間労協として事業を回されたところがどれぐらいあるかといったところによるのですけれども、1年間事業を運営されて、その中でそうした組織の中で赤字のところがどれぐらいあるかといったところを把握されていれば教えていただきたいと思います。
 もう一点が、先ほど労働者によって組織を設立するということですけれども、一方で、代表者を置くことによって労働者の中でも雇用関係を結ぶといった組織だったと認識しておりますけれども、労協の組織の中で労働組合の設立はされているのかどうか、そこを把握されていれば教えていただきたいと思います。
 以上、2点です。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございます。
 続いて、八野委員、お願いします。
○八野委員 ほかの先生と一緒ですけれども、昨年来ずっと議論していたので、1年半で79法人できたということは、広報も含めて非常に貢献されたのではないかなということで評価したいと思っております。
 1つだけ単純な御要望でございますが、特設サイトを見せていただいたのですけれども、もう少し特設サイトを今後充実していただきたいなということでございます。個々の事例紹介も当然必要ですし、これを幾つもやられればいいのですけれども、これも切りがないと思いますので、ある程度数が集まってきましたので、全体の属性分析をしていただいて公表していただきたい。
 今、移行したものとか、新規とか、そういうものがございますけれども、1つは分野別で、子育て支援みたいなのはどうか、老人介護みたいなもの、また、地域おこしとか、住民で助け合うとか、いろいろな分野があると思うのですけれども、そういうものの件数も含めて少し整理していただいたらと思います。
 もう一つは、労働者協同組合は高齢者の方、女性の方が多いと思われます。また、障害を持った方も結構参加されているようでございますので、組合員の男女比率、高齢者割合、障害をお持ちの方とかいろいろな方の属性も分析して、これは当然個々ではなくて全体像でございますが、そういうものをこのサイトで広報していただくと、さらに見やすくなるというか、安心できて、取り組んでみようというような意識の一助になるのではないかということでございます。
 以上でございます。
○山本(眞)分科会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局のほうからコメントをお願いします。
○水野労働者協同組合業務室長 御質問、御指摘、どうもありがとうございます。
 まず、木村委員から御指摘いただきました、労働者協同組合は施行から1年半経過するというところで、法人の中で赤字になっているところがどれくらいあるのかといったところを把握しているかというところでございます。
 法人ができた後、事業報告書を所管する都道府県に提出するということになっておりますけれども、そのタイミングがまちまちで、厚生労働省のほうではどれぐらいが赤字になっているかというところは把握してございません。
 ただ、先ほど戎野委員から御指摘がありましたけれども、やはり事業は継続していくことが大事だと思っておりますので、所管する都道府県とも連携しながら、個別の法人に対する経営支援みたいなところまではできないかと思いますけれども、どういった傾向になっているのかというところは注意深く見ていきたいと思っております。
 2点目に関しまして、雇用関係にあるということで労働者協同組合の中に労働組合が設立されたかどうかというところでございますけれども、一律、労働組合が設立されているかどうかというところを照会して調べているところではございませんけれども、現時点で、厚生労働省において労働者協同組合の中で労働組合が設立されているという話は承知をしておりません。
 次に、八野委員から御指摘いただきました特設サイトに関しまして、一定の御評価をいただきましてどうもありがとうございます。とは言いながら、まだまだ法人制度が周知が足りていないというところは御指摘のとおりでありまして、今後、先ほどいただいた御指摘も踏まえてより充実をしていきたいと思っております。
 できるだけ多くの方にどういう法人格かというところで事例紹介を様々取り組んでおりますが、御指摘いただいたような属性の分析、例えば子育て支援のものがどういった形でどれぐらいあるか、組合員のうちの男女比率、高齢化率がどれくらいとか、そういった分析は今後この法人制度を周知していくという点において非常に重要な点だと思いますので、どういった形で改善ができるのか、充実できるのかというのはしっかり検討してまいりたいと考えております。
○山本(眞)分科会長 以上のようなことでよろしいでしょうか。
 ほかに御意見、御質問はございませんか。よろしいですか。
 それでは、(3)の議題についても終了させていただきたいと思います。
 本日の議題は全て済みましたので、以上になります。
 事務局のほうから何か御発言があればお願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 本日は、答申をいただくとともに、それぞれの議題に関する御審議をいただきまして、誠にありがとうございました。
 第1の議題の勤労者財産形成促進法施行規則につきましては、本日の答申を受けまして所定の省令の公布手続を進めさせていただければと思います。どうもありがとうございました。
○山本(眞)分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了させていただきます。今日はどうもありがとうございました。