第203回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和6年1月19日(金)15:00~16:00

場所

会場
厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)
傍聴会場
厚生労働省 職業安定局雇用開発企画課会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館14階国会側)

議事

議事内容
2024-1-19 労働政策審議会職業安定分科会(第203回)
 
○山川分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第203回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
 皆様方、大変お忙しい中、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 本日の委員の御出欠の状況でありますが、公益代表の黒澤委員、労働者代表の久松委員と平山委員、使用者代表の砂子田委員、小野委員、馬渡委員が御欠席と伺っております。
 カメラ撮影がありましたら、ここまでとさせていただきます。
 本日の分科会はZoomによるオンラインと会場での開催になります。オンラインでの発言方法につきましては、事前に事務局からお送りしております「職業安定分科会の開催参加方法について」に沿って御操作をお願いいたします。
 では、議事に入ります。
 議題は、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱についての諮問となっております。
 では、事務局から説明をお願いします。
○佐々木雇用開発企画課長 雇用開発企画課長でございます。私のほうから御説明させていただきます。資料1-1、1-2を御用意させていただいております。
 資料1-1でございますけれども、こちらは本日付けで大臣からの諮問をお願いしているところでございます。後ろに要綱がついておりますが、御説明のほうは資料1-2を使わせていただきいただきます。
 資料1-2の表紙をおめくりいただきまして、さらにその裏の資料になります。令和6年能登半島地震に係る雇用調整助成金の特例措置(案)としております。先週開催させていただきました分科会におきまして、現在やっている措置として一部御説明させていただいているものを含めこの特例措置(案)の全体像を示しておりますので若干重複しておりますが、表の上から4つ目、対象事業主から計画届までのところは前回の分科会で御説明させていただいたところでございまして、1月11日、既に要領の改正により措置させていただいております。
 対象事業主として令和6年能登半島地震に伴う経済上の理由により事業活動を縮小した全国の事業主、対象期間の初日が令和6年1月1日から6月30日までのもの、生産指標要件や雇用量要件、計画届の事後提出については前回の分科会で御報告させていただいたとおりでございます。
 本日御説明させていただくのは、その下の残業相殺のところからになります。残業相殺の部分は要領改正の事項になりますが、残業相殺として通常制度でありますと残業、所定外労働があった場合、休業等の実績から相当分、所定外労働があった部分を差し引くという措置をしております。こちらについて4県、新潟県、富山県、石川県、福井県、災害救助法が適用された地域がある都道府県になりますが、こちらについて撤廃するという措置を取らせていただきたいと思います。
 そして、本日諮問させていただくのは、その下からの部分になります。省令事項の部分の5つの事項になります。
 一つは支給日数でございます。通常制度1年100日で3年150日という上限がかかっておりますが、3年150日を適用しないという上で、さらに4県については1年100日を1年300日ということで措置させていただきたいと思っております。
 対象労働者につきまして、雇い入れ後6か月未満は対象外としておりますが、こちらを対象とすることとさせていただきたいと思います。
 また、クーリング要件としまして、過去に雇用調整助成金を受給した事業主は、1年を超えていることという要件がございますが、こちらを撤廃させていただく。
 さらに助成率につきまして、大企業2分の1、中小企業3分の2となっておりますが、4県の事業所が実施する休業、教育訓練、出向について、大企業3分の2、中小企業5分の4、こういう措置を取らせていただきたいと思います。
 それから、対象となる休業の規模について、これまで大企業15分の1以上、中小企業20分の1以上という要件が定められておりますが、4県について大企業30分の1以上、中小企業40分の1以上とさせていただければと思っております。
 これらの措置につきましては、これまで過去に災害があった場合に講じた措置に準じて行っております。今回、これまでの災害より加えて行うものとしましては、一つは助成率の部分につきまして、これまでは休業を特例措置で助成率を引き上げる場合の対象にしておりましたが、教育訓練、それから、出向についても対象とさせていただきたいと思っております。
 教育訓練につきましては、雇用調整助成金の様々な議論の中で教育訓練を重視していこうという流れもございますので、こちらも選択できるようにしておきたいということ。
 それから、出向につきましても、避難などが想定される中で、出向ということもあり得ると考え、こちらも対象とさせていただきたいと思っております。
 また、休業の規模についても、これまで災害の特例として講じたことがございませんでしたが、部分的な休業ということもあり得ると考えておりまして、こちらも今回、措置させていただきたいと思っております。
 本日諮問させていただいた後、御了承いただければ省令改正の手続を行いまして、来週以降早々に公布してまいりたいと思っております。
 私からの説明は以上になります。どうぞよろしくお願いいたします。
○山川分科会長 それでは、本件につきまして御質問・御意見がありましたら、挙手、または手を挙げるボタンをクリックしていただいて、私が指名させていただいた後に、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。
 大下委員、どうぞ。
○大下委員 御説明ありがとうございます。
 今回御説明いただいた被災地への迅速な支援、また、省令事項に係っておりますけれども、一部ですけれども、熊本の震災等の過去の例を上回る特例措置を設けていただいていることに大変感謝を申し上げたいと思っております。ぜひ迅速な対応をお願いしたいと思っております。
 その上で、被災地からの声を踏まえまして1点だけ要望を申し上げたいと思っております。昨日、日商では今回の震災に対する緊急要望を決議・公表させていただいておりまして、その中で雇調金については要件緩和や助成率の引き上げについて、括弧書きで度重なる被災等で甚大な被害をこうむった者に対する定額補助による負担軽減というのを添えさせていただいております。これは珠洲市ですけれども、コロナ後に何度か既に震災があって、その上で、今回の大きな地震ということで、地元の事業者は再建に向かう心が折れつつあるというのが現場からの声になってございます。
 足下は生活再建が優先かと思いますけれども、これにある程度めどが立てば、実際に事業再建に向けてのいろいろな相談が寄せられると思っております。方法は問いませんけれども、この点を十分に踏まえて、過去の事例にとらわれず、雇用の維持に対する手厚い支援の御検討をぜひ引き続きお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 冨髙委員、どうぞ。
○冨髙委員 今、大下委員がおっしゃったこととも重なりますけれども、今回の特例措置でございます。前回の分科会での意見であったり、被災地の状況を踏まえて大変迅速に助成率、また、対象となる企業規模や残業相殺などを検討いただきまして、その点について感謝を申し上げたいと思います。
 また、当該の地域の労働局においても被災された職員の方がいらっしゃると思います。現地で御尽力いただいていることに敬意を表したいと思います。なかなか体制整備もままならない部分もあるかと思いますけれども、応援体制など、適切な支援ができるよう体制も整えていただきながら、今回の内容を迅速に公布・周知いただきまして、適切かつ簡便に申請できるよう、リーフレットなどを用いた丁寧な案内をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問・御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 御要望のコメントをいただきましたが、事務局から何かございますか。
○佐々木雇用開発企画課長 制度の周知でございます。今回御答申いただければ、関係機関、中小企業を支援する様々な機関も現地にもあると思いますので、様々な機関とも連携しながらリーフレットなどがお手元に届くように、丁寧に対応してまいりたいと思っております。
○山川分科会長 ほかに御質問・御意見等はございますか。
 ございませんようでしたら、当分科会として厚生労働省案を妥当と認めて、その旨を私から御報告申し上げたいと考えておりますが、御異議はございませんでしょうか。
(委員首肯)
○山川分科会長 それでは、特段御異議がございませんでしたので報告文案の表示をお願いします。
(報告文案表示)
○山川分科会長 このように妥当と認めるということになっております。この文案で労働政策審議会会長宛てに報告するということにつきまして御異議はございませんでしょうか。
 それでは、御異議がございませんでしたので、そのように報告をさせていただきます。
 本議題につきましては以上となります。
 予定されておりました議題は以上でございますけれども、この際、委員の皆様方から何か御発言等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。大変ありがとうございました。お疲れさまでした。