第83回厚生科学審議会感染症部会・第56回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(合同開催)議事録

日時

  • 令和6年3月14日(木)10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(7階)

議題

第一部(合同開催)
(1)新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定について
(2)感染症法に規定する移送に関する保健所等と消防機関の連携について
第二部(感染症部会単独開催)
(3)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況及び取組状況等について(報告)
(4)匿名感染症関連情報の第三者提供の施行について(報告)

議事

議事内容
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、時間になりましたので、ただいまから第83回厚生科学審議会感染症部会・第56回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(合同開催)を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 私、本日の議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、前回と同様、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますYouTube撮影用以外のカメラ撮りにつきましては、議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御協力と御理解のほどよろしくお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 本日は、ウェブ会議で開催することとしております。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、会議の進め方につきまして御連絡させていただきます。
 御発言をされる方は、まず、挙手機能を用いて挙手をいただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載いただきましてから、部会長から御指名をされてから御発言をいただきますようお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承のほどお願い申し上げます。
 また、会議の途中で機械トラブル等で長時間音声が聞こえないなどがございましたら、あらかじめお知らせしております電話番号までお電話いただきますようお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は2部構成となっておりまして、第1部は地域保健健康増進栄養部会との合同開催、第2部が感染症部会の単独開催となります。
 初めに、第1部、第2部両方御出席いただく感染症部会の委員から御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえまして、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順に失礼いたします。
 今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 釜萢委員。
○釜萢委員 釜萢です。どうぞよろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 谷口委員。
○谷口委員 谷口です。よろしくお願い申し上げます。
○杉原エイズ対策推進室長 土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 戸部委員。
○戸部委員 戸部です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 中野委員。
○中野委員 中野です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 成田委員。
○成田委員 成田でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 なお、味澤委員、小西委員からは御欠席の御連絡をいただいております。また、越田委員については遅れての参加との御連絡をいただいております。また、今村委員、中野委員におかれましては途中離席する可能性があると伺っております。
 本日、参考人といたしまして、全国保健所長会より内田様、東京消防庁より川原様、札幌市消防局より庄司様の御参加をいただいております。また、第2部より全国知事会の玉川様の御参加を予定しております。
 通信の確認を踏まえまして、お返事いただけますでしょうか。
 まず、内田参考人。
○内田参考人 内田です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 お願いいたします。
 川原参考人。お願いします。
 庄司参考人。
○庄司参考人 庄司です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 次に、地域保健健康増進栄養部会委員の出欠状況について御報告いたします。
 こちらにつきましても、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。なお、白井委員におかれましては、感染症部会も兼任されておりますので、省略させていただきます。五十音順に失礼いたします。
 荒籾委員。
○荒籾委員 荒籾です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 岡村委員。
○岡村委員 岡村と申します。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 尾﨑委員。
○尾﨑委員 尾﨑です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 黒瀨委員。
○黒瀨委員 黒瀨でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 祖父江委員。
○祖父江委員 祖父江です。よろしくお願いします。今、移動中なので、画面オフでお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 瀧本委員。
○瀧本委員 瀧本です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 武見委員。
○武見委員 武見です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 辻委員。
○辻委員長 辻です。どうぞよろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 友岡委員。
○友岡委員 友岡です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 長津委員。
○長津委員 長津でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 福田委員。
○福田委員 福田でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 松岡委員。
○松岡委員 松岡です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 松本委員。
○松本委員 松本です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 諸岡委員。
○諸岡委員 諸岡です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 なお、井伊委員、植木委員、大津委員、川俣委員、庄子委員、達増委員、田中委員、松下委員、松田委員、水澤委員、米川委員からは御欠席の連絡を受けております。
 また、達増委員の代理としまして野原岩手県保健福祉部長より御参加をいただき、参考人として日本看護協会より中野常任理事に御参加いただいております。
 そうしましたら、野原様、お返事いただくことは可能でしょうか。
○野原委員 野原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 また、中野参考人。
○中野参考人 中野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 また、山本委員におかれましては遅れて参加との御連絡をいただいております。
 以上のとおり、現在感染症部会19名中17名、地域保健健康増進栄養部会27名中16名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づきまして、本日の合同部会は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭の頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力のほどお願いいたします。
 なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第及び委員名簿、座席図、資料1から4、参考資料については1-1から1-3と、参考資料2と3になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は感染症部会の脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 改めまして、おはようございます。感染症部会の座長をしております脇田でございます。今日はどうぞよろしくお願いします。
 今日は第1部は合同開催ということで、議題も議事次第を見ていただきますと非常に分量が多いことになりますので、議事進行の都合上、意見を途中で区切らせていただくこともあり得ますが、御意見に関しては、メールで事務局に送っていただければ、その内容について確認をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
 それから、事務局、委員の皆さんにおかれましては、説明、そして、意見あるいは質問についてなるべく簡潔にしていただければ非常に助かるところですので、よろしくお願いします。
 まず、議題1に参ります。「新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定について」というところであります。こちらは合同開催となっております。
 それでは、既に各委員に対しては簡単に事前説明されていると思いますが、必要なポイントについて事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 資料1を御覧ください。
 こちらにつきましては、事前に簡単に御説明させていただいておりますので、概要に関してお話しさせていただければと思います。
 次のページをお願いいたします。行動計画につきましては、12月の感染症部会等でもお話ししておりますけれども、各論がまず13項目から構成されております。また、この13項目の中で今回は「情報収集・分析」「サーベイランス」「水際対策」「ワクチン」「医療」「治療薬・治療法」「検査」「保健」「物資」の上記9項目について御意見をいただきたいと思っております。
 この13項目の各論についてなのですけれども、同時に横断的な5つの視点が行動計画の改定で定められておりまして、人材育成、国と地方自治体との連携、DXの推進、研究開発への支援、国際連携ということで、こういった項目につきましても、それぞれの行動計画の各論の中に入ってくるということで、こういった観点でも御議論いただけますと幸いです。
 また、これらの各論につきましては、フェーズごとに計画が定められております。このフェーズというのは、平時、いわゆる準備期と呼ばれるときです。その後に初動期、これは政府の対策本部が立ち上がるまでの間の時期の対応ということで、初動対処を行う時期になります。そして、対応期が、対策本部が立ってから感染症の蔓延、そして、収束するまでに必要な対応の時期ということで、それぞれに対して計画を立てていく形になっております。
 次のページをお願いいたします。各論になりますけれども、「情報収集・分析」と「サーベイランス」という2つの観点でまとめてお話しさせていただければと思います。
 先に4ページをお願いできますでしょうか。こちらが考え方の整理になっておりますが、「情報収集・分析」と「サーベイランス」ということですけれども、「情報収集・分析」というのは、いわゆる「サーベイランス」の概念にも含まれないような情報を含めて、感染症に関する情報や国民生活・経済に関する情報、基本的人権の尊重に関する情報、そういった情報に関してどういった情報を収集していくかということに関しての考え方の整理でございます。「サーベイランス」に関しましては、感染症法に基づく患者発生サーベイランス、病原体サーベイランス、その他のサーベイランス等を含めて経時的に把握を行っていくようないわゆる感染症サーベイランスに限定した事項をこちらで整理しております。
 もう一度2ページに戻っていただきまして、まず「情報収集・分析」でございますが、こちらは今回の行動計画で「サーベイランス・情報収集」をまとめていたものが分かれているということになりますけれども、情報収集では、先ほどもお話ししました国内外の感染症の発生状況や国民生活・経済の情報等に関して記載を行っていくと。
 具体的に3つのフェーズの中で、準備期においては平時及び有事に行う情報収集・分析の考え方、そして、初動期においては初動の感染症の発生時期から行うべき情報収集や分析、リスク評価、そういったことの考え方、対応期には流行状況や国民経済・生活等に与える影響に関する分析及びその情報収集・分析の考え方と。これに加えまして、先ほどお話ししました横断的なテーマについても記載を行っていくということで、関係するテーマについても記載を行うことになっております。
 主な論点といたしましては、病原体のリスクや保健・医療体制に関する指標であったり、国民生活・国民経済に関する指標として、具体的な考え方を行動計画の中に記載をいたしまして、詳しい指標に関してはガイドラインに記載していくことになりますが、その指標をどのような形の範囲でどのような種類を記載していくかが論点となってくると考えております。
 次に、「サーベイランス」になりますけれども、3ページを御覧ください。「サーベイランス」は、いわゆる感染症サーベイランスの概念について記載をするとともに、個々のサーベイランスに関する事項に関しては、ガイドラインで記載をしていくというように整理したいと考えております。
 具体的には、行動計画の中では、準備期においては平時と有事に行うサーベイランスの考え方、そして、初動期は発生初期から行うべき複数のサーベイランスを併せて行っていくという考え方やリスク評価の考え方で、対応期においては柔軟にそういった重層的なサーベイランスをどのように行っていくか、感染対策等をそれを踏まえてどのように行っていくかという観点で議論を行いたいと考えております。
 主な論点としましては、下の赤囲みの中にありますけれども、今後目指すべきサーベイランスの全体像、ガイドラインに掲載すべきサーベイランスの種類と実施目的について、平時から有事への各サーベイランスの位置づけと対応の切替えについてとなってくると考えております。
 次、5ページをおめくりください。サーベイランスに関しては、主たるサーベイランス、分類が網羅的になっておりまして、あまりグループ分けされているわけではないですが、このようなものを今後ガイドラインに記載していくことを考えております。
 残りの2ページに関しましては、関連条文の参考資料となっております。
○川崎企画・検疫課検疫所管理室長 検疫所管理室長をしております川崎でございます。
 資料の8ページ、「水際対策」の関係の御説明をさせていただければと思います。これまで「水際対策」については章立てされていなかったのですが、今回は新たに「水際対策」を章立てすることとしております。その中で、基本理念といたしまして、水際対策は、病原体の国内侵入を完全に防ぐことは困難であることを前提といたしまして、国内への新型インフルエンザ等の病原体の侵入をできる限り遅らせることが目的であるということを明記したいと考えております。それから、質問、診察・検査、隔離・停留、待機要請、健康監視等の検疫措置、検疫飛行場及び検疫港の集約化等について、大まかな方針を記載する予定でございます。検疫措置、検疫飛行場及び検疫港の集約化等に係る細かい運用面につきましては、政府行動計画の章立てに沿って、ガイドラインに記載することとしております。
 政府行動計画の3つの段階に関しまして、準備期、初動期、対応期という3つのフェーズに分けまして、準備期では水際対策の実施に必要な体制の整備について、初動期に関しましては情報収集、検疫措置の実施・強化、対応期につきましては感染拡大等の状況を踏まえた水際対策の強化又は緩和について記載する予定でございます。
 今回主な論点といたしましては、特定検疫港等を指定することになるわけですけれども、従来「5空港4海港」、これは成田、羽田、関西、中部、福岡、この5空港と、海港に関しましては、横浜、神戸、関門、博多に限定をするということでしたが、飛行場につきましては、いわゆる5空港に次ぐ国際線の発着実績が多い新千歳と那覇を新たに追加して、対象の特定検疫港等の候補として門戸を広げておくと。ただし、これは感染症の状況により運用の判断は行うということとしたいと考えております。
 「水際対策」については以上です。
○鈴野予防接種課企画官 続きまして、「ワクチン」に関してでございます。12ページを御覧いただければと思います。従来の政府行動計画では、新型インフルエンザに重点を置いておりましたが、今般のコロナ対応で得た知見も踏まえまして、新型コロナウイルス等を含む新型インフルエンザ等感染症への対策を充実化したいと考えております。まず、基本理念としましては、令和3年に閣議決定されております「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づきまして、平時から緊急時におけるワクチンの迅速な開発・供給を可能にするために必要な施策に取り組むことが重要であるとともに、デジタル化を推進しまして、迅速に接種体制を構築することを明記したいと考えております。
 フェーズごとでございますが、まず、準備期におきましては平時におけるワクチンの研究開発やデジタル化等による接種体制の整備、初動期につきましては発生した感染症に対するワクチンの研究開発やワクチンの確保、対応期におきましては特定接種及び住民接種の体制構築について記載したいと考えております。
 主な論点としましては、まず、平時からのパンデミックワクチン等の開発の在り方、また、有事におけるワクチンの確保の在り方、最後に、デジタル技術を活用した迅速な接種体制の構築といったものが挙げられると考えております。
 「ワクチン」に関しては以上でございます。
○佐々木地域医療計画課長 続きまして、「医療」について医政局地域医療計画課より御説明申し上げます。
 16ページをお開きください。記載の考え方、ポイント、1点のみでございます。令和4年の感染症法改正に基づきまして、平時の段階から都道府県と医療機関との間で医療措置協定を締結し、有事に備えるということになりまして、これが主な論点でも記載しているところでございます。協定の種類は5つです。病床確保、発熱外来、自宅療養、後方支援、医療人材派遣となってございます。
 フェーズごとの記載のポイントを書いてございますけれども、今、申し上げました協定締結のほか、準備期においては人材育成、DXの推進、そして、都道府県連携協議会等の関係者の連携を記載していただく。それから、初動期から対応期にかけてでございますけれども、当初は感染症指定医療機関が関わり、その後、感染の広がりに伴いまして、流行初期には流行初期医療確保措置の対象となる協定締結医療機関が、そして、それ以降は、その他の協定締結医療機関も対応するという形で、順次拡充していくことをイメージしてございます。
 ちょうど18ページの参考資料の中で、右側のグラフでイメージを描いてございますけれども、コロナで約3年かかった全国的な体制整備を、発生の公表後6か月を目途に対応することをイメージしてございます。
 「医療」については以上でございます。
○杉原エイズ対策推進室長 次に、治療薬ですね。19ページを御覧ください。これまで「治療薬・治療法」につきましては、「医療」の中に含まれていたのですけれども、今回の改定において、新たに「治療薬・治療法」ということで章立てすることとなりました。「治療薬・治療法」の章では、具体的に治療薬・治療法の情報収集や研究開発を推進するということから、実際に薬事承認、製造、流通、投与に至るまでの各段階の取組について記載することとしております。
 各フェーズにつきましては、特に準備期においてはどのようなパンデミックが発生するかも分からないということがありますので、備えるという観点におきましては、まず、研究開発や一連の指定、研究開発、利活用体制の確保に関してのエコシステムを構築するために、まず、重点感染症を対象に備えるということを考えております。次に、初動期になりますけれども、実際に新たな感染症が発生したときには、その治療薬・治療法の研究開発の迅速な開始や利活用体制の整備に至る一連の取組を行うということで、その取組について記載したいと考えています。対応期につきましては、今度は開発したものが利用可能となっていくことが必要になってきますので、早期の治療薬・治療法が利用可能となるように研究開発を推進するとともに、医薬品を確保していくことについて記載したいと考えております。
 その他、横断的なテーマとしまして、研究開発に関しては治療薬、診断薬、ワクチン等も含みますが、そういったテーマや、国際連携、備蓄の考え方や流通についても言及したいと考えております。
 重点感染症につきましては先ほどお話ししたとおりですけれども、インフルエンザにつきましては従来の行動計画でも記載があるところでございまして、抗インフルエンザ薬の備蓄、流通ですとか、そういったことにつきましては、ガイドラインと行動計画それぞれ記載を引き続き行っていきたいと考えております。
 次、20ページなのですけれども、具体的な行動計画の検討事項としては、こちらに示しておりますような内容を想定しております。こちらにつきましては、危機対応医薬品等に関する小委員会で御議論いただいたところでございます。
 次の21ページになりますが、こういったものを迅速に開発するための、研究開発を迅速に推進するための仕組みとしまして、臨床研究ネットワークの実証事業を来年度から開始するということで、21ページ、22ページと、こちらは前回の感染症部会でもお示しさせていただきましたけれども、このようなものを推進していきたいと考えております。
 次に、「検査」でございます。23ページを御覧ください。「検査」につきましても同様に「医療」の中に含まれていたものを章立てしております。「検査」の項目では検査体制の整備、それぞれの検査の目的や特徴に関する項目、そちらはガイドラインに記載することになりますけれども、具体的な整備の考え方や実際にどのような体制を構築していくかの全体像につきまして、行動計画の中で記載をしていきます。
 準備期には検査体制をどのように考えるか、これは予防計画・検査措置協定に基づいたものとなりますけれども、それを踏まえまして、どのように平時と有事の検査体制を行っていくかの検討の考え方、初動期に関しましては実際に初期において行うべき検査体制やリスク評価に基づく検査体制整備、地方衛生研究所での検査体制等も含めましてそういったところの記載、そして、対応期におきましては流行状況や感染症のリスク評価に基づく検査体制の整備の考え方について記載したいと考えております。
 論点としましては、ガイドラインに掲載すべき検査の種類や範囲をどのようにするかということと、今回はコロナでいわゆる経済や一般の社会自体で検査が使われるような機会がございましたので、そういったことも踏まえまして、検査体制全体をどのように考えるかということについて議論したものを記載していきたいと考えております。
 24ページ、こちらがガイドラインに記載することを想定しております検査の種類と範囲のイメージになっております。具体的にはPCR、抗原定性検査、抗原定量検査、また、コロナでは診断目的では使用しませんでしたが、抗体検査、そして、ゲノム解析も検査の一部として検討したいと考えております。
 以上です。
 「保健」をお願いいたします。
○山本健康課長 25ページを御覧いただけますでしょうか。11番「保健」のパートでございます。この「保健」のパートにつきましては、従来の政府行動計画にはございませんでしたけれども、新型コロナ対応の中で地域での対応が非常に重要でありましたので、今回の改定においては「保健」として新設することを考えております。また、ガイドラインにつきましても、この行動計画の章立てに沿って「保健」として作成をすることを考えております。
 3つ目の矢羽根でございますけれども、この「保健」の章では、地域における保健所や地衛研等での感染症対応業務について記載をすることと考えておりまして、その際、フェーズについては記載のとおりで、準備期につきましては、有事に備えての平時の保健所、地衛研等の体制整備の考え方を記載をし、初動期につきましては、新型インフル等が発生した可能性がある段階から政府対策本部設置までの間の対応について移行準備の考え方を記載することを考えております。対応期につきましては、その後、感染状況に応じた感染症対応業務の考え方を記載することを考えておりまして、このほか、横断的なテーマとして、人材や国と地方自治体等の連携、DXの推進についても記載をすることとしております。
 論点としては、予防計画の改正や健康危機対処計画等の策定を今年度行っておりまして、また、そうしたものを踏まえて保健体制の整備をどのように行っていくかを挙げさせていただいております。
 以上でございます。
○鶴田医療機器政策室長 32ページの「物資」について、医療情報企画課より御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、記載の考え方、ポイントのところですけれども、従来の政府行動計画にはなかった物資の確保に関する章を、今回の改定において「物資」と新たに章立てをするということで新設したいと考えております。この章においては、改正感染症法の内容などを踏まえた記載をしたいと考えております。内容としましては、※のところに書いてありますが、令和4年の感染症法改正により、感染症対策物資等、これは医薬品、医療機器、個人防護具が含まれますけれども、これらの確保のため、平時における事業者からの需給状況等の報告徴収、緊急時における国から事業者への生産要請等、これらを行う枠組みが整備されておりますので、これらの規定を活用した内容を盛り込んでいきたいと考えております。
 フェーズごとに記載する内容としましては、準備期のところですが、有事に備えた国・都道府県・医療機関等における感染症対策物資の確保ということで、国・都道府県や協定締結医療機関等における備蓄の推進等について記載したいと考えております。初動期につきましては、感染症の拡大に備えた感染症対策物資等の供給確保に向けた準備及びその供給確保ということで、例えば生産事業者等における需給状況の確認、生産事業者等への生産要請の実施や準備、こういったものを記載したいと考えております。対応期ですけれども、感染状況に応じた感染症等対策物資等の供給確保ということで、不足する地域や医療機関への必要な感染症対策物資等の備蓄放出、こういったものを記載したいと考えております。
 主な論点ですが、平時からの計画的な物資の備蓄、国内における物資の需給状況の把握、また、有事における感染状況に応じた物資の円滑な供給確保、これらを論点として提示させていただければと思います。
 私からは以上です。
○脇田部会長 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から9項目について御説明がありました。委員、それから、参考人の皆様から御意見をいただくのですけれども、時間が限られていますので、3つのグループに分けて議論していきたいと考えています。最初に情報収集・分析、サーベイランス、水際対策と、最初に3つ項目を説明していただいたところです。その次のグループとしてはワクチンと治療薬と検査ということであります。3つ目のグループとして医療、保健、物資ということで各15分ずつぐらいで議論できればと考えていますが、全体に関わるような御意見もあると思いますので、それはそういったことだということで御意見を言っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 最初に、情報収集・分析、サーベイランス、水際対策等についての御意見があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。挙手ボタンを押していただければ、こちらから順番に御指名させていただきます。
 まず、坂本委員、谷口委員、そして、四柳委員の順番でお願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
 サーベイランスに関して意見があります。手短に申し上げます。
 サーベイランスのデータの活用としては、恐らく政策に生かすというところがあると思うのですけれども、公衆衛生サーベイランスのもともとの定義に戻りますと、フィードバックをして、そのデータの出どころに戻して望ましい行動を促すというところがございます。それを考えますと、対応期において、対応期は長期化する場合があるのですけれども、流行のフェーズあるいは治療薬やワクチンといった予防手段の拡充の有無によって、市民が望ましい行動選択ができるようにサーベイランスの種類、内容、そして、フィードバックする頻度をどのようにして設定をするか、それによって市民が健康を守るために取るべき行動が選べるような、そういう情報提供につなげていくというところも、対応期は長くなりますので、できれば盛り込んでいただければいいかと思います。
 5類になりましてから、コロナに関しても流行状況が一般市民に分かりづらいといったことがあります。そういったことも経験を踏まえまして、市民に対する対応期が長期化した場合の望ましい情報提供につながるサーベイランスの活用といった観点でも、ぜひ盛り込んでいただければと思います。
 ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 コミュニケーション、リスコミの項目は今回外れているわけですけれども、そこの部分ですね。リスクコミュニケーションのデータフィードバックといいますか、それが非常に重要だろうということでありました。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 谷口です。ありがとうございます。
 小委員会で議論されたことも少し踏まえてお話し申し上げます。
 今、坂本先生からもお話がありましたが、サーベイランスにはもう150年、200年の定義と原則がありますので、それをきちんと守っていっていただく。特に平常時のベースラインがないと異常など絶対に判断ができないので、小委員会でも平常時からきちんと行う、分母情報をもってきちんと行うと。そして、詳細な情報を全国全ての病院から取るなどは到底不可能ですし、原則的にも詳細な情報は絞って取るのが原則ですので、そういったところを考えて計画していただくことです。水際対策におけるサーベイランスについても言及がありましたけれども、これも分母がないと評価が出来ませんので、入国者がどのぐらいあって、どのぐらいが症状があって、その中のどのぐらいがインフルエンザなのかということ、そういったところをきちんとやっていただきたい。
 あと、これは全てに共通するのですけれども、フェーズが3つに分かれていますが、それぞれのトリガーは何らかの宣言ではなくて、きちんとリスクアセスメントを行って、当然感染研などは既にかなり前からやられるはずなのですが、そういった行政的なトリガーではなくて、きちんとリスクアセスメントに基づいてフェーズ移行を考えていただきたい。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 四柳先生、お願いします。
○四柳委員 ありがとうございます。
 2点コメントをさせていただければと思っております。
 まず、情報収集・分析のところです。これは実際には保健のところに絡むことではないかとも思います。新型コロナの時代に、我々はアドバイザリーボードで毎週のようにシミュレーションあるいはモデリングに関するようなデータは見てきたような気がするのですが、5類移行後、そういったデータはあまり見ないように思います。平時からそういったシミュレーション、モデリングに関するきちんとしたことを行っておかないと、有事の対応はできないと思いますし、今でもコロナでもインフルでも対応は可能だと思いますので、そういったシミュレーション、モデリングに関することをするということを、ガイドラインに書き込んでいただければと思っております。
 もう一つは、サーベイランスに関して、特に検疫の入国時のサーベイランスに関してです。ですから、水際対策も絡むことになります。今、海外では、入国時に症状のある方に関しては、拭い液を用いたサーベイランスをしています。今後海外との往来がますます増えることを考えると、こういったサーベイランスも非常に大事だということになると思いますので、ガイドラインの中に実際にその拭いのようなことも書き込んでいただく必要があるのかと思いました。
 もう一つは、海外の人に対する配慮ということです。これからますますたくさんの人が海外から入ってきて、多言語対応の問題があるだろうと思っています。入国後、症状があったときにどこの医療機関を受診すればいいのかということを分かりやすく伝えるようなことをどこかに書き込んでいただければと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 成田委員、手が挙がっています。お願いします。
○成田委員 成田でございます。
 私からはサーベイランスを進める上での前提について、少し意見を述べたいと思います。
 新型コロナ対応では、電子カルテシステムとHER-SYSの連携が十分ではないことにより、複数のシステムに同じような情報を入力する必要があるなど、医療機関や保健所の負荷が増大いたしました。そのため、医療DXについて、都としても電子カルテ情報の標準化や感染症に関するシステムをはじめとする保健・医療・介護分野のシステムとの連動性の向上など、医療DXの推進をお願いしてきたところでもありますし、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 お願いします。
○黒瀨委員 黒瀨でございます。
 成田委員のお話に連動しての話なのですけれども、確かに成田委員の御指摘のとおり、今回のコロナ対策においてかなり医療現場も入力の手間等で混乱をいたしましたし、かなり荷重がかかったことは否めないと思います。ただ、我々も措置協定に基づいた締結をしながら、発熱外来をできるだけ多くの医療機関に請け負っていただきたいということを、日本医師会としても都道府県医師会としてもお願いしているところであるのですけれども、残念ながら、現実としてその中にはまだ電子カルテの導入が進んでいない医療機関も多くございます。そういった先生方にも協力をいただけるようにするために、確かにDXを使って効率的にサーベイランスをしていくのは非常に重要なのですけれども、そこになかなか乗れない、まだそこまでDXが及んでいない診療所等にも協力いただくための、そういった方策等もお考えいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 このテーマですね。医療DX、保健や医療にも関わってくるということだろうと思います。
 ほか、いかがですか。
 そうしましたら、私からも情報収集、サーベイランスというところで、今回の新型コロナでもありましたけれども、海外の情報をいかにして迅速に収集するかといった海外情報収集の在り方についても、ぜひ書き込んでいただきたいと思っています。あとはまた全体のところで意見を申し上げたいと思います。
 そうしましたら、もしここのパートのところで事務局から何かレスポンスがあれば伺いたいと思いますが、いかがですか。
○杉原エイズ対策推進室長 事務局でございます。
 まず、坂本委員から御指摘のありました市民の望ましい行動選択にちゃんとインフォームできるようなサーベイランスということで、まさにそういったところの観点を、これは情報提供のところとの絡みになりますけれども、しっかり書き込んでいけるようにと思っております。
 また、平時のベースラインの情報に関しましても、今回コロナに関しては新しい感染症であったということで、まさに平時のベースラインがない中でどのように見ていくかということもありましたし、逆に戻していく、有事から平時に戻っていく中で、平時のデータ収集の在り方をどのように考えるかということが課題になりましたので、まさに以前も感染症部会で御議論いただいておりますけれども、急性呼吸器感染症サーベイランス等の今後の導入に向けて検討をしっかり進めていって、そういったデータを取れるようにしていきたいと考えております。
 シミュレーション、モデリングに関しましても、どのような形でやっていくかに関してガイドラインへの記載ということで情報をいただきました。
 電子カルテとサーベイランスの連携に関しましても、まさに現在進行形のことでございますが、こういったことに関してもしっかり書き込んでいけるようにしていきたいと考えております。
 海外の情報の収集の在り方につきましても、同様に大きな課題として認識しておりますので、この辺についても記載していきたいと考えております。
 また、入国時のサーベイランスにつきましては、検疫からお話はありますでしょうか。
○川崎企画・検疫課検疫所管理室長 入国時のサーベイランスでありますとか、外国人への多言語対応でありますとか、分かりやすい案内等の御指摘をいただきましたが、その辺につきましても、ガイドラインにおいて工夫をしたいと考えております。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、次に進ませていただきたいと思います。次のパートはワクチン、治療薬、検査といった主に研究開発のところで議論をしたいと思いますので、もし御意見があればお願いしたいと思います。
 中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。
 ワクチンに関して意見を述べさせていただきます。
 感染症対策を考える上で、私たち人間が免疫をつけるのは2つの方法しかなくて、その病気にかかるか、ワクチンを接種するか、その2つしかないと思っています。そして、病原体によって、例えば破傷風のように自然罹患や自然暴露では免疫がつかない疾患もあれば、コロナやインフルエンザのようにワクチンだけでは生涯続く長い免疫が維持できない疾患、病原体もございます。そのような観点も、病原体によって差があるのも事実なのですけれども、免疫をつけるのはかかるかワクチンかという2つの手段しかないということで、今回「ワクチン」を別項目として挙げていただいたことは非常に大切なことであると思いますし、私は高く評価したいと思っています。
 具体的な方法としては、平時とパンデミックが起こったときではいろいろ対応が異なると思うのです。例えば今回のコロナ、さらには2009年のH1N1pdmインフルエンザを振り返ってみても、例えば日常の接種体制は個別接種、それが個人の体調も見定めた上で一番適切な接種が行えると思いますが、パンデミックのときは、これまでも集団で接種することを行わないと乗り越えることはできなかったと思います。また、製剤に関しましても、平時になれば個別製剤が一番ありがたいですけれども、パンデミック時には1バイアルで何人分というものが必要になってくると思います。そういった観点も、少し細かいことではございますが、この行動計画ということでは考えていかなければならないと思っています。
 何点か付け加えますと、一つは、ワクチンのモダリティーの話。新しい病原体に関しましては、遺伝子情報を用いた例えばメッセンジャーRNAワクチン、例えばウイルスベクターワクチンというものが有用なのでしょうけれども、恐らくこれまでも長らく生ワクチン、不活化ワクチンと2種類のワクチンが使われてきたわけですが、病原体によって最も予防に適切なワクチンは、病原体によっても異なる気がしています。モダリティーごとにワクチンの特徴、病原体ごとの特徴も、研究としてとても大切だと思っています。
 もう一点は、備蓄のことでございます。今、国内で麻疹の患者さんが何人か発生していて、ちょっと気になっています。麻疹という疾患はワクチンでかなり日本では排除状態にあって、良好な状態にあるわけですけれども、1歳の子と就学前、年長組の子たちに定期接種としてワクチンを打っています。もしエクストラでどこかのコホート、どこかの世代に強化接種を行うとなった場合、ワクチンの供給に問題が出てくると思います。どの疾患に対してワクチンの備蓄を検討するかは難しいと思うのですけれども、ワクチンで既に多くの成果を上げた天然痘ウイルス、関連でエムポックスウイルス、世界で根絶間近なポリオウイルスなどは対象になってくると思いますが、備蓄のことももう少し考えてもいいのかと思いました。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 最後の部分は、まさに風疹の接種の対策のところで我々が直面した問題かと思います。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。白井です。
 ワクチンと検査について意見を申し上げたいと思いますが、ワクチンについては、先ほど先生からのお話もありましたけれども、この行動計画の中では情報提供が対応期になっているのですが、これも平時からリテラシーも含めてワクチンはどういう意味で使われるものかなどを、この行動計画の中に平時からの情報提供も挙げていただきたいと思います。これはいろいろな感染症についてリスクアセスメントをして、マネジメントの上、コミュニケーションということになると思うのですが、このワクチンはリスクを減らせるためのマネジメントの一つだと思うのです。そういうことを最初から情報提供していただきたいと思っております。
 検査については、今日、参考資料の中で24ページに種類と範囲ということで詳しくお示しいただきましたけれども、当初PCR検査がなかなかできなかったときなどは、保健所にすごく希望が多かったということなのですが、何のために検査をするのかというような、検査の種類によっても範囲によってもそうだと思うのですけれども、その目的をこの表の中にも示していただいて、ぜひ参考資料としても公表していただきたいと思っています。政府行動計画につきましても、行政だけではなく市民、国民が見るものだと思いますので、理解を助けるような形での資料提供をお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 大曲委員、お願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。国際医療センターの大曲です。
 治療と検査に関してコメントがございます。
 治療に関しては、これは検査もなのですけれども、実際の状況の緩和や改善、ミチゲーションでしょうか。そういう観点では、治療薬の役割は非常に大きいと思います。ただ、一方で、研究開発に関する国の重点の置き方という観点からすると、ワクチンはもちろん大事で、そちらに重点を置くのは大変私も重要だと思うのですが、治療薬研究あるいは検査試薬あるいは機器等の研究開発に関する予算は非常に小さいところで、大変心配しています。それで準備ができるのかというのが1点で、増やす必要があると思います。
 そうすると、具体的に準備をする必要が出てきます。こちらは今は厚労省でも小委員会ができて議論が始まっている重点感染症に対するMCMをどうやっていくのかという議論になると思います。準備をする必要があるわけなのですが、そのときに十分な未来予測といいますか、そういったものが必要だと思います。英国の取組の名前を借りればホライズンスキャニングといいますけれども、例えば5年後、10年後の状況がどうなのか、どういう病原体が、どういうリスクがあって、社会状況はどうなのかといったところ、あるいは新規技術の開発状況、治験の状況等を見た上で、未来の状況をある程度予測をした上で、振り返って何が必要か、準備が必要かといったところを進めていく必要があると思います。現状の見えるところだけの評価では、当然未来には対応できないだろうと思います。
 もう一点は、研究開発にはお金が絡んできます。その中では行政も大事で、企業の関わりが非常に大きくなってきます。例えば有事には研究費が使われたりしますけれども、研究費、機動的にできるのですが、単年度の執行であったりして非常に継続性が担保されないという問題があります。もう一つは、研究開発を進めるという意味では、MCMの研究開発はその後の利益性のことを考えると厳しいことがあるので、持続的にMCMを社会に提供するには、インセンティブは当然エコシステムの維持のために必要だと思います。そこにもお金が要ります。そういうところで、こうした研究開発等を機動的にできて長期間支えられるような財源、基金といったものが必要だと思います。
 2点目の検査なのですが、今、申し上げましたいわゆる未来予測、ホライズンスキャニングと基金の必要性に関しては、こちらにも当てはまると思います。
 もう一つは、検査のキャパの維持です。実はたまたま今回コロナの経過の中で様々な企業体が検査の機器の製造、試薬の製造あるいは検査を行う形で事業を立ち上げられていたりしますけれども、相談が来ているのは、どう維持しようかという話です。やれることがなくなっているので畳まなくてはとか、そういう話もありますし、それでは社会にとってインフラが失われるので、何とか別のことをやりながら維持したいということもおっしゃっています。何を言いたいかといいますと、この辺り、企業体が持続してキャパシティーを維持できるような対応をしていかないと、キャパシティーは失われていくということであります。検査できなくなるというところです。ですから、そこに対しては、この行動計画の中にもキャパシティーの維持あるいは拡充で具体的に財源も含めてどうするかを書く必要があると思っております。
 私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 最後の御意見のところは、検査だけではなくて感染症の研究開発というところで、今回のパンデミックで産官学の言わばエコシステムが成立したわけですけれども、それをいかにして維持をしていくのかが次のパンデミックに備えるために重要だといった御意見だったと思いました。
 次に、松岡委員、お願いします。
○松岡委員 松岡でございます。
 国保中央会においては、ワクチンの請求支払い業務を新型コロナワクチンの関係でいろいろ対応を御支援させていただきました。それを踏まえまして、今度は予防接種法の改正などをしまして、それから、予防接種のデジタル化ということで、一般的な予防接種においてもデジタル化を進めていくということになっております。これは平時の対応でございますが、こういう危機対応のときの予防接種のシステムをどういう形でやるかといったこともお考えいただければと思います。
 それから、接種体制の確保ですね。今回の新型コロナの経験を生かして、この確保についても十分考えておいていただければと思います。
 2点目ですが、ワクチン接種、ワクチン治療薬について、迅速な承認、安全確保の体制といったところを、今回の経験を生かして厚生労働省、PMDAにおかれましてはやっていただくように、こういう行動計画の中にも少し考えていただければと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 まだたくさん手が挙がっておりますけれども、なるべく簡潔に御意見をいただければと思っています。
 森田委員、お願いします。
○森田委員 森田です。
 検査について一言コメントさせていただきます。
 次のパンデミックでも、恐らくPCRが非常に重要な検査の方法になってくると思うのですけれども、今回の新型コロナの流行で検査数が足りないことが大きな問題になっていて、今後はいかに民間機関を迅速にあるいはアカデミアや医療機関を巻き込むかが重要で、参考資料の中にはそれは書かれているのですけれども、最初に感染研から地方衛研にプライマーを共有するという形で広げていくのはコアだと思うのですけれども、民間医療機関あるいはアカデミアに対してはプライマー等ではなくて、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール、クオリティーコントロールのことだと思うのですね。ですから、次回迅速にスケールを上げるために、こういうところも行動計画の中で十分準備をしておいていただけたらと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 続いて、四柳委員、お願いします。
○四柳委員 ありがとうございます。
 先ほどの大曲先生の御発言にも関連したことを述べさせていただきます。
 治療薬に関してです。現在MCMの委員会で、新興・再興感染症、重点感染症を中心とした薬剤開発ということが出ております。ただ、例えば今の新型コロナウイルス感染症にしても、パンデミックがずっと続いている状況ですので、この先、薬剤耐性ウイルスが出てくることが危惧されることだと思います。パンデミックを起こすパソジェンはある程度決まっているので、そういったものに対して薬剤耐性も念頭に置いたような開発ということが大切だと思います。企業等は最初の開発に関してはそれなりの投資もしているのですけれども、その次の矢になると、なかなかきちんとした財政支援等がないとできないと思いますので、その辺、これはMCMに関するものかもしれませんけれども、御検討いただければと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、四宮委員、お願いします。
○四宮委員 衛生環境研究所の四宮です。
 私は、地衛研全国協議会の感染症関係の部会長をやっており、検査に関してコメントします。
 「検査」の項目が別立てになったというのは非常によかったと思います。先ほど森田先生からもありましたけれども、地衛研、感染研だけではなくて広く検査キャパシティーを上げるということなのですけれども、次のパンデミックのようなことが起きたときに、それはかなり突然起こるわけですけれども、そのときに、最初のPCR検査については、感染研と地衛研にあるリアルタイムPCR機器は、プライマー・プローブを合成すれば全てのウイルスに適用できるいわゆる汎用機器なので、まずそれらが用いられる。新型コロナのときも実は1月16日に国の最初の陽性者報告があってから2週間、1月中には全国の全ての地衛研にプライマー・プローブが配られ、検査が可能になりました。これは国際的にも最も早い部類と思います。
 24のスライドで示されている医療機関や民間検査会社がそれに続いてキャパシティーを上げていくところなのですけれども、実は医療機関や民間に入っている機器は全自動あるいは半自動のものが多くて、それらは会社が新たなウイルスに特異的な試薬キットを開発するまでは、使えない場合があるので、この図では地衛研とほとんど同じタイミングなのですけれども、我々の中で話されているのは、恐らくそういう全自動の機器が新たなパンデミックに対応するのには2~3か月は必要なのではないかということで、それまでは地衛研などが頑張る必要があると考えています。
 また、今度のコロナで一般的になったゲノム解析なのですけれども、アメリカなどでは食中毒菌などもゲノム解析を行っていて、そういう検査にかけるコストの考え方、詳細検査を行うことで何が可能になるのか、その辺りの考え方も日本でも必要ではないかと思っています。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、今、手が挙がりました先生方には御意見をいただきました。
 私からも一言コメントなのですけれども、これは研究開発のパートということで、治療薬、ワクチン、検査ということなのですけれども、現在ワクチンはSCARDAという枠組みで多くの予算も投入して研究開発を進めているということですので、これはワクチンだけで感染症対策はできませんから、治療薬と検査についても同じような取組で研究開発を進めていただきたいということです。
 枠を外れるのですけれども、研究開発ということでいえば、感染症対策にワクチン、治療薬、検査だけではなくて、さらに様々な感染症対策や疫学研究といった感染症の研究そのものを臨床研究も含めて進行していく。研究開発のための臨床研究ネットワークという説明だったと思うのですけれども、まさにこのネットワークを活用して、感染症の臨床研究もぜひ推進をしていただく必要があるのではないかと考えています。
 それから、MCMに関して重点感染症の治療薬開発ということなのですけれども、実際には今回もレムデシビルがHCVの候補薬だったということで、どちらかというと市場性がすぐにはない重点感染症よりも、慢性感染症で患者が多くて市場があるといった感染症への研究開発の投資が、いざパンデミックになったときには非常に有効になることもありますので、そういった慢性感染症に対する研究開発の投資もぜひお願いしたいと。
 それから、研究開発を迅速に進めるための司令塔ですね。そこに専門家がぜひ関与して、大曲先生からもありましたけれども、機動的に対応できるような体制も構築していくべきではないかと考えていますというのが私の意見です。
 もしほかになければ、事務局から簡単にレスポンスがあればお願いしたいと思います。
○鈴野予防接種課企画官 まず、ワクチンの関係で幾つかコメントをいただきました。ありがとうございます。予防接種課の鈴野から御説明させていただきます。
 中野委員からですけれども、平時から今回のコロナのような集団接種やマルチドーズバイアルなどを念頭に置いた準備を考えていく必要があるということで、これはごもっともでございまして、今回の対応を踏まえて、具体的な行動計画を書いていきたいと考えております。
 また、モダリティーごとに異なった特性があるという中で研究を進めていくべきだということで、研究開発を平時から進めていく中でどこまで考慮できるか、きちんと受け止めて検討していきたいと思っております。
 備蓄に関して、まず、一般的には必要なワクチンが速やかに確保できるよう、平時から企業等と情報収集、情報連携して、どういった状況にあるかを把握していくことが第一だと思っております。その上で、病原体の種類や特性、また、十分な量がきちんと確保できるかといったことを踏まえまして、プレパンデミックワクチンのように備蓄が適当、必要なものがあるのかどうか検討していきたいと考えております。
 白井委員からリテラシーの関係、平時からということでございました。これは先ほどの説明で割愛してしまいまして恐縮ですけれども、12ページを御覧いただきますと、上段の青い箱、最後の「この他」というところで、ワクチンの情報に関する基本的な情報等の提供(リスコミ)などについても、各段階でちゃんとしかるべき対応を記載していくということで考えております。
 松岡委員から御指摘が2点ございました。ワクチンに関するデジタル化ということで、実は昨日、別の会議、予防接種基本方針部会で予防接種のデジタル化について状況を説明させていただきました。その際にも御説明をさせていただいたのですけれども、デジタル化におきましては、通常の定期接種で行われるものだけでなくて、今回の新型コロナのような臨時接種においても対応できるようなデジタル化の準備を進めておりますので、当然これからの有事のときにはそのシステムを使えるようにしていきたいと考えております。
 また、迅速承認や安全性の体制の確保等も考えてほしいということでございました。これにつきましては、資料をもう一度御覧いただきますと、12ページの後ろのほうにフェーズごとにもうちょっと詳しいものを書いてございまして、承認の関係ですと、14ページをお開きいただきますと、下段の赤い主な論点の「研究開発」というところの中段ですけれども、優先的な相談対応や承認審査の実施も盛り込んでいきたいと考えておりまして、安全性の観点でいいますと、15ページですけれども、主な論点ということで「副反応疑い報告等」と、今回のコロナの対応を踏まえまして、しっかりと行動計画に盛り込んでいきたいと考えております。
 ワクチンの関連は以上でございます。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。感染症対策課でございます。
 検査につきまして、白井委員から御指摘いただきまして、まさに何のために検査をするかということで、今回国民の生活の維持のためにも検査を活用するということもありましたし、検査そのものにも感度・特異度等の精度の問題など、そういったところでの技術的な論点が非常に大きいところではありますので、こういったところを含めて、検査をどのようなときにどのように使うのかに関しては、ガイドラインにしっかりと書き込めるようにしておきたいと考えております。
 また、大曲委員からも御指摘がございました。まさに研究予算の確保や未来予測をした上で今後どのように研究開発を進めていくかという研究開発の方向性を検討するということ、非常に重要なことだと思っておりますので、この辺に関してもしっかりとガイドライン等の中で書き込んでいきたいと思っておりますし、利益の予見性の確保、インセンティブをどのようにするかということ、これは平時において非常に重要な問題でございまして、基金の必要性にも御言及いただきましたけれども、この辺りに関してもどのように記載できるか検討していきたいと思っております。
 検査キャパシティーの維持という観点も、まさに脇田先生からも御指摘がございましたけれども、皆様御指摘いただいているところでありますが、汎用機器での地衛研での検査と民間での検査、それぞれどのように維持していくかもまた違う論点もあるかと思いますので、この辺につきましても、詳しくガイドラインの中でどこまで記載できるかに関しても検討させていただければと思っております。
 感染症課からは以上でございます。
○脇田部会長 大丈夫ですか。以上ですね。
 手が挙がりました。瀧本委員ですか。お願いします。
○瀧本委員 今回この検討会に参加させていただいて、感染症臨床研究ネットワークのイメージの中で、研究支援機関というものが挙がってございます。私どもの研究所の部署によっては感染症のそういったワクチン開発等々の研究もやっておりますし、疫学や知見を有しているものもございますので、こういったところとの連携で私どもも寄与できるのではないかと思ってコメントさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 基盤研のコミットメント、非常に重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 少し時間が押してきているので、次のパートに行きたいと思います。次は、医療、保健、物資というところで御意見をいただきたいのですけれども、全体を通しても共通のところもあると思いますので、併せて御意見いただければと思います。
 医師会から手が挙がっていますので、釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 釜萢です。
 医療提供体制が逼迫した状況かどうかは、情報収集・分析のところで評価をする必要がありますが、一方で、この医療の領域で医療措置協定を結んでいる医療機関が役割を果たしているかも評価・分析をして、場合によっては改めていかなくてはいけないというところがあるので、そこは両方ともに情報収集が非常に大事なのだろうと思います。両方やらないといけないだろうと思っています。
 それから、今回は新たな感染症に対する政府行動計画の検討ですから、新たな感染症対応に焦点が当たるのは当然ですけれども、こちらに多くの医療資源を使っている場合には、通常の医療がおろそかになってしまう可能性があって、そこのバランスをどうするかは非常に大事な問題なので、どれだけ行動計画の中に書き込めるか分かりませんけれども、通常の医療を求めている患者さんもたくさんおられる中で感染症の対応をしなければならない現実をどう乗り越えていくかということの視点がぜひ必要だと思いますので、指摘しておきます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、内田参考人、お願いします。
○内田参考人 まず、医療につきまして、計画に3つの段階を記載しておりますけれども、対応期においては協定締結医療機関による対応体制等となっております。通常の医療体制となるのが、厚労大臣による新興感染症に認められなくなったことの公表以降ということでありますと、今回の新型コロナウイルス感染症対応におけるオミクロン株による第6波から第8波のときのように、感染者数が膨大となっても診療できる医療機関が限られ、対応する医療機関の医療機能が阻害され、結果として過剰死亡が急増したといったことが繰り返されるおそれが大きいと思われます。現行の政府行動計画では、地域感染期には一般の医療機関において患者の診療を行う体制への移行が記載されていることも考慮し、また、地域によって感染状況がかなり異なるといったことも考慮していただき、対応期においては一般の医療機関において新型インフルエンザ等の患者の診療を行う体制への移行についても記載していただければと考えております。
 「保健」につきまして、今回新たな項を加えていただいたこと、大変感謝申し上げます。我々保健のコアの業務といたしましては、感染拡大防止と医療提供体制の調整、そういったものがかなりコアの業務となると思いますので、そういった部分の記載をぜひお願いしたいと思っております。
 最後ですが、国民生活・国民経済の安定の確保、今回説明はなかったのですが、日常生活物資や食料の確保、これについて、災害では3日間ということですが、感染症ですともうちょっと長く確保していただく必要があると思いますが、そういった備蓄を国民に呼びかけるところを特に強調していただければと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 日本看護協会、お願いします。
○中野参考人 日本看護協会の中野と申します。本日、井伊が参加できませんので、代わりに発言させていただきます。
 まず、私どもとしましても、「保健」という項を立てていただいたことに感謝申し上げます。
 その上で、1点目は、全体にも関わることかもしれないのですけれども、今般の政府行動計画の改定を受けまして、その後、都道府県と保健所がそれぞれ健康危機に関する計画策定をされていくのであろうということについては御説明のとおりですが、それぞれが計画を策定する際に、健康危機のフェーズに関する整合が図られていることが重要ではないかと思います。特に感染症発生の当初におきましては、国の宣言の前に現場が既に対応を始めることとなる場合が少なくないと思いますけれども、そういったことも踏まえて、フェーズの考え方や一定の基準を示すことで、現場での遅滞のない対応と各レベルでの連携が図られるのではないかと思っている次第です。とりわけ保健の分野では、いかに適切に対応できるかは各都道府県の力によるところが大きいと思います。今回の見直しによって3つの計画が可能な限り整合性を持って有用に機能するものになることを期待しています。
 2点目です。直接御説明がなかったですけれども、30ページにIHEATについての資料がございますので、ここで質問させていただければと思います。皆さん御存じのとおり、健康危機の状況下で保健所の機能を維持するためには、IHEATの仕組みが非常に重要だと思います。この仕組みが適切に稼働するためには、十分な人員が量的にも質的にも恒常的に確保されていることが必要だと思うのですが、そういった点から、現状どのぐらいのIHEAT要員の登録が進んでいて、研修状況がどのぐらいなのかということについて御教示いただけるとありがたいです。
 最後に、物資についてなのですけれども、特に備蓄という観点から、使用期限があるものの管理に留意することや物品を無駄にしないようにうまく回転させていく必要があるということは重々言われていることなのですけれども、実際には難しいこともあるように思います。また、物資の機能や品質は日進月歩で、どのように更新や見直しを行っていくのかという点も重要なのですが、一方で、これらが実際に運用していく点では難しいことは我々も経験済みです。ですから、今後改定していく際にどのようにそこら辺の注意を喚起するかということもぜひ御検討いただければと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 時間がなくなってきていますので、できるだけ簡潔にお願いしたいと思います。
 坂本委員、お願いします。
○坂本委員 ありがとうございます。
 医療と物資について簡潔に申し上げます。
 まず、医療なのですけれども、対応期において協力締結医療機関が対応するということが書かれておりまして、改正感染症法に基づいて流行初期に医療確保措置によって一定期間収入の補償が行われるといったただし書がございます。ただ、先ほど釜萢委員もおっしゃったように、流行の対応期が長期化してきた場合に、その対応する医療機関において相変わらず同じような感染対策を多少緩和していたとしても行わなければならず、かつまた現在も新型コロナでクラスターが発生して業務を縮小せざるを得ないといったことが相変わらず続いているわけなのです。そういったことも考えますと、流行状況に応じてあるいは流行している感染症の性質に応じて必要な医療機関に対する補償を継続できるような仕組みが必要だといったあたりの文言も、ぜひ入れられるようであればお願いしたいと考えております。
 もう一つ、物資に関しまして、今回医療機関での備蓄も推奨するとともに、地方自治体と国で備蓄を行うということが書かれておりますが、個人防護具が実際に現場で安全に使われるために、安全な着脱ができることや作業効率を阻害しないこと、あと、十分な防護機能があるといったことが必要になってまいります。ぜひ物資を選定するときにそういった観点からも、価格だけではなくて今、お伝えした3つの観点からも、現場で実際に使えるものを選んで供給していただけますと大変ありがたいです。
 以上になります。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 今、谷口先生からは御意見をチャットに入れていただきましたが、少し時間がないので、もしチャットに入れていただけるような意見があれば、そちらでお願いしたいと思います。
 次に、今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。
 こちらからは医療について1点のみ意見を述べさせていただきます。
 医療措置協定においては、病床数の設定が必要となります。今回のパンデミックで明確になったように、日本の病院における弱点の一つに、病床数が多くても1病床当たりの人員数が少ないということが挙げられます。そして、この部分を補うためには、人材に関する対策が重要となります。しかし、現状では人材に対する計画はまだまだ不足しているように感じています。この点については、しっかりと目標を定めて対策を進めることの必要性を書き込んでいただきたいと思っております。そこがしっかり書き込まれることによって、運用面のところでの対策が現場でも進められることになるのかと思っております。
 こちらからは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 人材育成、非常に重要なポイントだと思っています。
 続きまして、松本委員、お願いします。
○松本委員 松本です。お世話になります。
 私から保健の分野につきまして3点申し述べたいと思います。
 まず、当然のことですけれども、保健は行政が責任を持っているといったところに大きな特徴がございます。特に感染症法では疫学調査といった部分で居所が前提になっている、その人の住民票のあるところではなく居所が前提になっているということをきちんと言っておいていただかないと、なかなか体制が整わないといったところがございます。
 次に、BCPの発動を含めて全庁的な人員協力が初動期より必要になるということを、明確にしておいていただきたいと思います。保健所といった別組織から庁内の全体に向かって声を上げるというのはなかなか難しい状況にございますので、ぜひここは書き述べていただければと思います。
 続きまして、3点目でございますけれども、職員の健康管理が非常に重要となってまいりますので、超過勤務の実態把握など、そういった初期からの健康管理体制の充実も併せて必要だということにつきましても書き込んでいただけると助かります。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、辻委員、お願いします。
○辻委員長 ありがとうございます。
 私は、地域保健健康増進栄養部会長をやっておりますけれども、政府行動計画に「保健」というものが新設されたことについて、最初に御礼申し上げたいと思います。
 1点だけ申し上げます。25ページの論点を拝見しておりますと、これは保健所と地方衛研の話が主になっているようですけれども、今回のコロナのようなパンデミックになってきますと、保健所という地理的な範囲を超えて都道府県全体に広がっていったり、もっとさらに広域的になってくるところがあります。たとえば今回のコロナ対応ではワクチンの調達あるいは患者の入院先調整については、保健所の範囲を超えて都道府県として行ったということがありましたので、論点といたしましては、保健所、地衛研も大事なのですが、それに加えて都道府県の役割を明記していただきたいですし、また、保健・医療という全体の中では、この地域の医療機関との連携についても書き込んでいただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 続きまして、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
 「保健」について項目立てていただいたことにつきまして、その中に人材確保や育成などありますけれども、先ほどBCPの話もありましたが、初動のとき、それから、パンデミックの際、それは国としてのBCPなのかということや、都道府県ごとに感染状況に合わせてBCPを立てるのかということについて、その辺についても保健所の設置市においても感染症予防計画をつくっておりますし、保健所においても健康危機対処計画を策定中ではございますけれども、この辺と政府行動計画のそごがないようにというか、特に今日お話になかった国民生活・国民経済のところの項目との拮抗がないような形でのBCPを御示唆いただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 最後に、成田委員、よろしくお願いします。
○成田委員 私からは医療と物資について簡単に申し上げたいと思います。
 現在都道府県や保健所設置区市では、4月1日からの新たな予防計画について検討を進めているところでございまして、政府行動計画の改定に先行することとなっております。一方で、新たな予防計画は、政府行動計画に基づく都道府県行動計画との整合性を確保しなければならないこととされております。新たな予防計画に基づいて取組を進めている都道府県や保健所設置区市に混乱が生じませんよう「医療」をはじめとする各項目につきまして、予防計画の基本指針などとの整合性をしっかり図っていただければと思っております。
 また、物資についてでございます。内田参考人からもお話がありました自宅療養者の生活支援についてでございます。今般の新型コロナ対応において、都では自宅療養者の生活支援としてパルスオキシメーターの貸与や配食サービス支援、こうしたものを療養期間中に外出しなくても生活できるよう環境の整備に取り組んでまいりました。そのため、自宅療養者が安心して療養できる体制を確保できますよう、外出自粛対象者の生活支援につきましても政府行動計画に記載をしていただきたいと思います。
 以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 多くの意見を本当にありがとうございました。また、チャットに意見いただいたところは、事務局でまたしっかりと対応していただくようにしたいと思います。
 私からは少しだけ、物資に関して、今、マスクや様々なPPEに関しても国産化が進められていますけれども、さらに例えば抗生物質であったり、その原薬が足りなくなって、あるとき一定の薬がつくれないということがありましたので、そういった原材料のところの国産化についてもぜひ進めていただくことが必要ではないかと考えております。それが物資です。
 それから、全体を通して、皆さんのお話を聞いていても、今日の項目にはないですけれども、情報提供ということに関して、国民の理解をいかに得ていくか、そのためのコミュニケーションが必要ではないか。
 それから、様々な全ての項目において人材育成、医療においても、研究開発においても、保健においても、人材の育成をいかに計画的に進めていくかが非常に重要ですので、各項目においても人材育成という観点を書き込んでいただければと感じました。そういうところであります。
 時間がないところですけれども、事務局からどうしてもこの点はレスポンスしておきたいということがあればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○佐々木地域医療計画課長 それでは、医療について幾つかいただきましたので、手短にお答えしたいと思います。
 まず、措置協定の履行状況については、当然平時はもとより有事においても随時報告をいただき公表する、そういったプロセスを通じて評価・分析を図ってまいりたいと思っています。
 それから、通常医療とのバランスにつきましては、当然それは視座に置きながらも、経済活動といかにバランスを図っていくかを考えていきたいと思っています。
 全体的に先行している計画の整合性を意識しながら今後書いていきたいと思ってはいるのですけれども、そうした中で御指摘いただきましたような人材育成の部分や想定と大きく異なる場合の話、もしくは計画に基づく医療提供体制を大きく上回るおそれがある場合の対応についても行動計画に書いてまいりたいと思っています。
 流行初期以降の補償については、どこまで書けるかというのもあると思いますので、現時点で予断を持って言えない中、検討してまいりたいと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
○山本健康課長 保健のパートにつきまして、コメントさせていただきます。
 基本的には御指摘いただいた拡大防止や入院調整等の記載をしていくことやBCPのお話、また、保健所、地衛研という単位や都道府県全体で考えていく話が必要ではないかという御指摘等については、このガイドライン、計画に書くべきものは記載をし、また、それ以外で取組を進めるべきものは進めていきたいと考えております。
 また、フェーズの整合性につきましては、今、健康危機対処計画は1か月までの間に体制をというお話でお願いさせていただいているところだと思うのですけれども、その辺りは対応期の中でうまく記載をしていきたいと思っています。
 最後に、IHEATの登録者数と研修者数について御質問いただいておりましたけれども、これは法定化に伴って運営要領を改正して、今、登録等々を推進しているところで、手元に集計した推計がございませんので、きちんと整い次第、個別で対応させていただければと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 谷口委員からは人材育成には予算が重要だということで、予算の配慮をぜひよろしくお願いしますという話ですね。
 チャットの御意見もありがとうございました。そちらも事務局にノートをしていただきたいと思います。
 今日も本当に多くの意見をいただきましたので、このいただいた意見に沿って検討を進めていただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、次の議題に行きます。議題2ですね。こちら、事務局から説明いただけますか。
○松浦課長補佐 事務局でございます。
 それでは、私から資料2に沿って御説明をさせていただければと思います。感染症対策課から資料2に沿って簡単に説明申し上げまして、その後、総務省救急企画室から補足説明をさせていただければと思います。
 2ページでございますけれども、移送につきましては、感染症法に定められているところではございますけれども、今般の新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、平成26年、そして、令和2年5月の事務連絡を踏まえまして、移送について都道府県等の保健衛生部局で実施いただきまして、消防機関におきましては、地域の事情に応じて移送に協力をいただいたというところでございますが、個別のケースにおいては混乱が生じることがあったとも伺っております。それらを踏まえまして、厚生労働省及び総務省消防庁において、地方自治体へのヒアリング及びアンケートを実施いたしまして、検討を行いました。
 次のページをおめくりください。こちらは幾つかの自治体にヒアリングをした際に出た意見を記載したものでございますけれども、様々意見をいただきましたが、コロナ対応初期は、両者の間で様々な調整が必要でございましたが、その後、円滑な連携を実施した地域もあったと考えております。厚生労働省と消防庁が引き続き連携して、必要な指針を示していく必要があると考えております。
 ページをおめくりいただきますと、こちらは保健所設置自治体175自治体に厚生労働省からアンケートを実施いたしました主な結果でございまして、1.で消防機関との調整に苦労された主な内容を記載いたしまして、2.と3.と取組事例やうまく連携した事例についての自治体からのアンケート結果を記載しております。
 次のページをおめくりいただきまして、続きまして、こちらは全国の主な12消防本部へのアンケートを消防庁からいただいた結果でございまして、1つ目、2つ目にそれぞれ整理する必要性を感じているかどうかについての記載をいただきまして、3、4、5とそれぞれ事例等の紹介もいただいてございます。
 最後の6ページをおめくりください。今後の方針といたしましては、都道府県等と消防機関の役割分担の基本的な考え方を示すことによりまして、円滑な都道府県等と消防機関の連携体制の構築を推進し、併せて参考事例についても提示していきたいと考えております。
 中ほど、基本的な考え方といたしまして、それぞれの時期に応じた対応について記載をしております。感染症及び感染症法に基づく都道府県等の業務と消防法に基づく救急業務の関係性について、基本的な考え方を今後提示していければと思っております。
 下段については、参考事例についての提示もしていきたいと考えております。
 感染症対策課からの説明は以上でございます。
○鈴木救急企画室課長補佐 続きまして、総務省消防庁から3点ほど補足説明させていただきます。
 5ページの5に記載したとおり、今後連携をより高めていく上で、消防と保健所がお互いのことをよりよく知ったほうがいいと考えております。先ほど通常の医療をどうするかという話がありましたが、感染症以外の通常の救急搬送業務については、年々負担が重くなっております。また、真夏、真冬に感染症が拡大しましたが、真夏は熱中症、冬は積雪による転倒事故など、通常の救急搬送業務が忙しい中、移送にも協力していました。このような消防の救急の現場の実情、また、保健所の実情をお互いより知った上で、連携関係を深めていくのが大切だと思います。
 2つ目ですけれども、5ページの3に記載したとおり、今回のコロナ対応で連携をより深めていった事例が幾つかありました。これらの事例をもとに、保健所等が実施すること、民間搬送事業者が実施すること、消防が実施することを、あらかじめ明確化しておき、今後、各地域において、予防計画に基づく協定を結ぶ際の参考となるようなものが、国からお示しできればいいと思っています。
 最後が、5ページの2に記載したとおり、コロナ対応における効果的な事例等の振り返りをしましたが、コロナとは違った毒性や感染力を持つ感染症が出てきたときには、コロナ対応が100%正解かどうかは分かりませんので、ある程度の方針は示しつつ、あとは現場で臨機応変に運用ができる柔軟性を持たせることも大事だと思っております。
 消防庁からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、感染症の患者さんの救急搬送に関して、自治体、保健所と消防との連携という論点で御説明がありました。皆様から御意見、御質問等あればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 内田参考人、お願いします。
○内田参考人 今後の方針という6ページに表があったのですけれども、流行初期とそれ以降については、医療提供体制は協定締結医療機関で、都道府県の入院調整で、厚労大臣による新興感染症に認められなくなったことの公表により、通常の医療提供体制、平時の消防本部による病院選定となっております。今回の新型コロナウイルス感染症対応では、オミクロン株による第6波から8波においては、平時の消防本部による病院選定に委ねる地域も多かったこと、また、入院調整も医療が担当した地域も増加していたことなどから、通常の医療提供体制に移行であるとか、一番右端に書いてある入院調整の終了であるとか、病院選定は消防本部が行うように移行するといったものが、流行初期とそれ以降、特にそれ以降の部分ですが、そこにもかかるように表を変更していくのがいいのではないかと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 成田委員、お願いします。
○成田委員 今回このような議題を取り上げていただき、大変感謝申し上げたいと思います。
 新型コロナ対応では、感染拡大により保健所の移送能力を超える患者が発生いたしましたことから、東京消防庁に御協力をいただきながら患者を搬送する体制を確保いたしました。
 また、さらなる感染拡大を受け、東京都メディカルコントロール協議会における協議を経て、症状に応じて保健所の判断を求めることなく救急隊が搬送することが可能となりました。
 一方で、休日や夜間を中心に、患者の症状を直接確認していない保健所が搬送について判断することが困難という課題もございました。
 さらに昨年11月に、都では今村委員にも御協力いただきまして、感染症指定医療機関、消防庁、保健所と連携して、新型インフルエンザ等対応訓練を実施いたしましたが、そのときにも参加機関から、コロナ禍における対応を踏まえ、新興感染症発生時における搬送の在り方について検討していく必要があるとの御意見をいただいております。
 いずれにいたしましても、最も重要なことは、搬送の在り方によって患者の生命に影響するということでございます。その点を十分考えながら、今後新興感染症が発生した場合に、発生した感染症の重篤性、感染力、感染経路等を勘案した適切な移送を行うことができますよう、各都道府県や保健所設置区市が策定する感染症予防計画に基づきまして、関係機関が緊密に連携しながら検討を進めていく必要があります。
 検討、調整をスムーズに進めていけますよう、関係省庁が連携し、コロナ禍の課題等を踏まえた方針を各自治体や消防機関にお示しいただくなど、国として支援していただきますようお願いいたします。
 長くなりましたが、以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
 今回コロナを経験してということで、成田委員のお話も同意をしておるのですけれども、本当に消防の方々には助けていただいたと思います。
 ただ、初動期において、かなり感染性がよく分からないとか、病原性はといったところの不安はすごく大きいと思いますので、私たち保健所職員もその不安は同じなのですけれども、保健所と消防の現場の方々と訓練をするとか、また、感染防御についてのPPEの使い方であるとか、消毒であるとか、そういうところにつきましては研修をするとか、そういうことの共有をしていくことが平時から必要ではないかと思います。総務省から臨機応変にと言っていただいたところが、各都道府県においても国のトップからそのような意見をいただいたところで、確実性、臨機応変にというところを、それぞれの都道府県が消防組合等、消防の中で対応できればいいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがですか。チャットにも御意見いただいております。
 坂本委員、お願いします。
○坂本委員 病院の立場から申し上げますと、緊急性は低いけれども、都心部で自宅から病院間の搬送、移送というものが、非常に今回の新型コロナでは手段がないという方が多く発生しまして、大変でした。救急車を頼むほどではないし、保健所の移送手段も車が1台しかない、限られているといった状況がございましたので、そういった必ずしも緊急性は高くないけれども移動が必要な方の移動手段に関しても、今回の議題とは直接関係するものではないかもしれませんけれども、継続的にぜひ御検討いただければと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、もし事務局からレスポンスがあればお願いしたいと思います。チャットにも御意見が入っていますので、それも含めてお願いしたいと思います。
○松浦課長補佐 事務局でございます。
 御指摘ありがとうございます。
 内田参考人から御指摘いただいた調整の時期の記載ぶりについては、柔軟に読めるような記載を検討していきたいと思います。
 また、各地域で消防本部と保健所がうまく連携できるようということで御指摘いただいたと思っております。我々厚生労働省も消防庁とよく連携をいたしまして、適切に自治体が連携できるようなものをこれからつくっていきたいと思っております。
 また、坂本委員からも御指摘いただきましたけれども、移動の手段等については、今回タクシーを活用したという事例も紹介しておりますが、そのような事例等も紹介しながらお示ししていきたいと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 お願いします。
○鈴木救急企画室課長補佐 総務省消防庁です。
 委員の皆様、御意見ありがとうございます。
 最後の今後の方針の表につきましては、まだ素案として示された段階ですので、今後、厚生労働省とともにその詳細を詰めて、現場の運用が少しでもよくなるように尽力していきたいと思っています。引き続き御指導をよろしくお願いします。
 以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、さらなる御意見がなければ、ここでこの議論は以上にしたいと思います。
 皆様から御意見いただきました。引き続きこの取組を進めていただければと考えております。
 それでは、合同開催での議題は以上になりますが、事務局に一度お返しいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
 本日の委員の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
 引き続き感染症部会単独開催に移りたいと思います。地域保健健康増進栄養部会に御参加いただきました委員や参考人、関係者の皆様におかれましては、御退室いただいて結構でございます。どうもありがとうございました。
 また、全国知事会の玉川参考人に御入室いただきますので、今しばらくお待ちください。
(玉川参考人入室)
○杉原エイズ対策推進室長 お待たせいたしました。それでは、単独開催の感染症部会を始めたいと思います。
 感染症部会の委員の方で、土井先生におかれましては、途中退室されていらっしゃるということでよろしいでしょうか。
 現在、第2部よりオブザーバーとして全国知事会より玉川様の御参加をいただいております。
 通信の確認のため、玉川様、御発言いただけますでしょうか。
○玉川参考人 玉川でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 現在、感染症部会19名中15名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づきまして、本日の感染症部会が成立したことを御報告いたします。
 それでは、議事を進めていきたいと思います。
 脇田部会長、よろしくお願いします。
○脇田部会長 それでは、議事を再開したいと思います。
 次、議題の3と4ですね。最初は「新型コロナウイルス感染症の感染状況及び取組状況等について」、御報告ということですので、事務局から御説明いただきます。簡潔によろしくお願いします。
○荒木感染症対策課長 では、資料3でございます。
 1ページ、2ページということで、めくっていただきます。今、共有しております。いつも出しておりますように、コロナの感染の状況について、冬の波も落ち着いてきている状況でございます。
 次のページをお願いします。BA.2.86系統のJN.1が、世界的にもそうですし、日本でも大宗を占めてきている状況でございます。
 次のページをお願いいたします。これは入院状況で、先ほどの感染状況の波と同様にということでございます。
 最後に、救急搬送困難事案、今回冬の波においては、夏の波に比べると、この赤のところを見ていただくと分かるように、そこまで高くならなかったという状況でございます。
 次でございます。特例措置等についてということで、次のページをお願いいたします。これは昨年3月に公表させていただきました資料でございまして、一部9月15日に更新しておりますけれども、新型コロナウイルス感染症に関する特例措置についての動きでございます。ポイントは、この4月から新たな体系ということで、通常の対応へ完全移行するということでございます。
 次のページをお願いいたします。こちらが昨年10月から今年の3月末までと、昨年の5類移行後から9月末までの対象を示しているだけでございますので、飛ばさせていただきます。
 次のページでございます。医療体制の移行につきましては、令和6年4月以降、来月以降、広く一般の医療機関による対応に移行するということ等でございます。
 次のページをお願いいたします。その中で、医療体制も含めてですけれども、診療報酬改定で感染症に強い体制にするということでございます。こちらについても将来への新興感染症への備え、そして、感染症患者への対応ということで、令和6年度からというポイントが新しく診療報酬の中で認められているということでございます。こちらは6月からということでございます。
 次のページをお願いいたします。公費支援でございます。公費支援につきましては、4月以降は公費負担を終了しまして、医療保険の自己負担割合に応じた自己負担になること、他の疾病と同様に当然高額療養費制度が適用されますので、所得に応じては一定額以上の自己負担が生じない取扱いになりますということでございます。
 次のページでございます。高齢者施設、今回コロナでもクラスター等の対応がございました。かかり増し経費等の補助もしてきたところでございますが、こちらも介護報酬において加算の創設等を含めて、恒常的に感染症に強い体制に進めていくということでございます。
 次のページをお願いいたします。コロナについては通常の医療体制に移行するということでございますが、引き続きコロナ感染症についての取組とネクストパンデミックに対する対応を取っていくということでございます。
 次のページをお願いいたします。コロナについての4月以降でございます。まずはサーベイランスということで、現状でも行っておりますように、定点の医療機関による発生動向、サーベイランスを引き続き継続しまして、毎週公表していくということであったり、あるいは入国時も含めたゲノムサーベイランスですね。こちらの変異株の発生動向についても、解析数を見直しながら監視を継続するということ、さらには下水サーベイランスについても新たに事業として位置づけまして継続するということでございます。
 2番の情報発信、相談支援、こちらは先ほどのサーベイランスの情報も含めて引き続き定期的な情報発信をするということであったり、電話相談センターも当面継続するということ。
 3番のワクチン接種につきましては、重症化予防ということで、65歳以上の高齢者等に対しまして、秋冬の年1回接種ということで、定期のB類疾病と位置づけるということでございます。
 最後に、罹患後症状ということでございます。こちらについては引き続き厚労科研あるいはAMEDで研究を進めるとともに、「診療の手引き」の改訂あるいは給付対象となるような傷病手当金等の一般の支援制度、こちらについても引き続き周知を継続していくということでございます。
 一番下に書いてありますその他というところで、新型コロナあるいはインフルエンザを含める形で急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針を作成することについても今後検討したいと思っております。
 次のページ、これはネクストパンデミックに向けたということで、ずっと見ていただいているような令和4年の改正の感染症法の内容でございますので、割愛させていただきます。
 次のページをお願いいたします。こちらも体制の話ですね。昨年の9月から内閣感染症危機管理統括庁ができまして、感染症対策もでき、感染症、ネクストパンデミックに備えた体制になっているということでございます。
 次のページでございます。来年度予算案の概要でございます。先ほどからの議論がございますように、組織・体制の整備とともに人材育成が重要だということで、そちらについての予算措置、あるいは平時からの情報収集にしっかりと対応するということ、あるいはワクチンや治療薬の備蓄、検査体制の整備のため、行動計画に基づく例えばインフルエンザウイルス薬等の備蓄等も引き続き進めること、さらには情報の円滑な利活用のための基盤整備ということで、REBINDを活用した先ほどの臨床研究、医薬品開発等のネットワークの整備等も含めて予算案をつくっているところでございます。
 最後に、18ページでございます。こちらも前半の合同部会で議論いただきました行動計画の改定、前半は各論をしていただきましたが、全体像としましては、これも前回の部会でも御紹介していると思います。前々回の部会でも御紹介していると思いますが、今後の進め方の部分でございます。令和6年夏頃、今年の夏頃に政府行動計画とガイドラインの改定を予定するということで、これもネクストパンデミックに向けた体制と対応の一つでございます。
 以上でございます。
○脇田部会長 御報告ありがとうございました。
 新型コロナウイルス感染症に関して流行の現状と、2番目に特例措置についての御説明、3番目に今後の取組ということで御説明をいただきました。委員の皆様から御意見、御質問等あればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 谷口です。
 詳細な御報告をいただきまして、ありがとうございました。
 先ほどの坂本先生からのお話にもありましたけれども、今の流行状況は分子だけで見ていますので、正確に把握できていないと思いますし、WHOなどは非常に大きな流行だったということを言っているわけです。今、お話のあったように、今後ILIサーベイランスのようなサーベイランスをぜひとも進めていただいて、正確な流行状況が分かるように。
 あと、せんだって「The New England Journal of Medicine」に、コロナに罹患した人と罹患していない人では認知能力に大きな差が出てきている、つまり、罹患することによって認知能力が下がるというデータが出てきておりまして、非常にびっくりしました。というのは、子供は今、かなりたくさんの人がかかっています。これは大人のデータですけれども、もちろん子供では恐らく後遺症は少ないとは思うのですが、多分なしでは済まされないと思うのです。今後将来を担う子供たちが、こういったところで風邪だと思ってかかっていていいのかという気はしますので、そういったインパクトに対するコミュニケーションもきちんとやっていただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、玉川参考人、お願いします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 全国知事会の立場から簡単に4点申し上げさせていただきます。
 1点目です。4月からコロナ治療薬の公費負担も終了となります。患者の自己負担が増加することから、患者が必要な治療を継続的に受けられるよう、薬価の見直しにつきましては、引き続き御検討をお願いいたします。
 2点目です。新型コロナワクチンに関して、接種を希望される方が確実に接種できるよう、ワクチン価格の見直しや市町村への財政支援などにつきまして、引き続きの御検討とフォローアップをお願いいたします。
 3点目ですが、各種支援措置の終了によって国民や医療機関、高齢者施設等が混乱することがないよう、国においてもしっかりとした周知をお願いいたします。
 4点目です。今後病原性の強い変異株等が万が一発生する場合には、通常の医療体制では対応することが困難となり得る可能性もあります。速やかな病床の確保など機動的に対応ができるよう、引き続き地方との連携をお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。取りあえずよろしいですか。
 谷口先生から非常に重要な御指摘をいただきました。玉川参考人からも御指摘をいただいているところですけれども、事務局からレスポンスはございますか。
○荒木感染症対策課長 ありがとうございます。
 谷口委員からは引き続き行動計画の議論の中でも御指摘いただいておりますように、サーベイランスにおいては分母が分かるようにということで、ILIのような話もということでございますので、こちらについても引き続き検討したいと思っています。
 後遺症につきましては、新しいデータを示していただきましたけれども、我々も引き続き後遺症については取り組んでいくというように思っております。
 玉川参考人からいただきました4点、よくまとめていただきまして、分かりやすくということでいただきました。1点目は薬価の関係、こちらについてはなかなか相手がある話でもございますけれども、関係部署にはお伝えしたいと思っております。
 ワクチンについては、市町村体制の支援は引き続き必要だということでございますので、こちらも引き続き対応したいと思っています。
 各種支援の措置がということで、こちらの周知でございます。既にポスター等もつくりつつ、様々都道府県さんの御尽力もいただきながら周知を図っていきたいと思っておりますので、ぜひ御協力をよろしくお願いいたします。
 4点目、まさに今のコロナについても、例えば病原体が大きく変異するような形で毒性あるいは感染性が上がるということもありますので、サーベイランスについては引き続き行っていきますし、本当に迅速に対応できるように、そのための予防計画も都道府県さんにつくっていただいておりますが、これが速やかに動けるようにというための準備でございますので、ぜひ引き続き御協力をお願いしたいと思っています。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 谷口先生から御指摘があったように、新型コロナウイルス感染症の実際の本当の意味でのインパクトについてはまだなかなか分からないところも多いわけで、特に長期予後、生命予後だけではなくて、御指摘があった認知能力への影響など、そういったところをしっかりとフォローアップできるような研究体制を組んでいくことも重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 そのほか、いかがでしょうか。
 四宮委員、お願いします。
○四宮委員 14枚目のスライドの4月以降の主な取組の中の情報発信のところなのですけれども、5類移行後、定点報告である程度の感染状況等は把握できるのですけれども、新型コロナ感染症による死亡者というのは非常に分かりにくくなっていて、その集計が遅れるということもあると思いますが、全数報告の頃は重症者や死亡者も感染者数と同じくマスコミ等でも報道されていたので、コロナによる死亡者数はぜひ目につきやすいところで示していただければと思っています。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 事務局から今後の死亡者数、超過死亡等あるいは統計的なもので、どういう予定で公表されるか等々、レスポンスはございますか。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 コロナの死亡者数につきましては、一部の取組については今後のこともあるのですけれども、厚生労働省のウェブサイトでも情報提供は継続してこれまで行ってきておりますので、そちらにつきましては、今後も引き続き一定のものにつきましては情報提供をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ぜひ分かりやすい形で情報提供していただけるようにお願いをいたします。
 ほか、いかがですか。大丈夫ですか。
 4月からかなり変化があるということになります。ワクチンの接種に関してもそうですし、公費助成に関しても変化があるということになります。
 ありがとうございました。
 そうしましたら、この議題は以上とさせていただきます。
 次に、議題の4です。「匿名感染症関連情報の第三者提供の施行について」、御説明をお願いいたします。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
 次のスライドをお願いします。匿名感染症関連情報の第三者提供でございますが、法改正を受けまして、有識者会議で制度構築に当たっての基本的な考え方の整理を行い、その提言を踏まえ、現在、施行に向けて準備を進めているところでございます。
 次のスライドをお願いします。施行に向けた準備状況について簡単に御報告させていただきますけれども、政省令はこれまで部会で御説明させていただいて、今、4月1日施行に向けて事務手続を進めているところでございます。
 3つ目のガイドラインの関係ですけれども、提言を受けまして、案を今回参考資料3でお示ししておりますけれども、取りまとめさせていただいたところでございまして、基本的には先行しているNDB等のガイドラインと項立て等は踏襲しているところでございます。特徴的なところとしては、連結先をNDB、DPCDB、介護DBとしたというところと、公表物の満たすべき基準に「特定の社会属性をもつ層に対する差別・偏見につながるおそれのある公表内容となっていないこと」を明記した点と、感染症DBの英語表記を「iDB」という形にさせていただいたところでございます。
 最後のポツですけれども、今後利用者向けのホームページを年度末に公開をさせていただきまして、一番下ですけれども、4月1日以降、データ提供申出の受付開始予定ということで、施行、運用開始をさせていただく予定というところでございます。
 以上、簡単でございますけれども、準備状況の御説明、御報告でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 この感染症部会でも議論をしてきた匿名感染症関連情報の第三者提供についての施行ということで、4月1日に施行されるということで、現状、準備状況を御報告いただきました。何か皆様から御意見、御質問等はございますか。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 せんだっても少し申し上げましたが、昨今、いろいろな研究費などもビッグネームばかりというか、固定化されたようなところも結構あって、若手の方がなかなか研究費が取れないということはいろいろなところで課題になっていると思います。こういったデータでもって研究する場合においても、できるだけハードルを下げていただきたい。つまり、価格にしても、そういった申請にしても、割と皆さんが利用できるように、若手でも、研究費があまりなくても利用できるように、意欲のある方たちにぜひとも研究していただけるように、ハードルを下げていただければというのがお願いでございます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 この利用費用のところですね。公的な研究に関してだけではないかもしれないですけれども、若手の研究者、どのようになっていましたか。事務局から御説明いただけますか。
○横田感染症情報管理室長 参考資料3のガイドラインの14ページで手数料の関係の記載はございますけれども、こちらは政令改正のところで一度部会でも議論させていただいたと思いますけれども、NDB等の連結先のデータベースと基本的には横並びをそろえる必要があるということで、手数料の免除規定のところは、公的機関、補助金等を充てて感染症DBデータを利用する者、それから公的機関や補助金を受けてデータを利用する者から委託を受けた者が、手数料免除という形で規定させていただいているところでございます。ほかの連結先との横並びもありますので、制度開始当初はこの形でスタートをさせていただくということで、準備を進めているところでございます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 少なくとも公的機関あるいはAMED研究費等を受けて研究をするという場合は、その免除の規定があるということですね。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 こちらに関しても、今、御指摘のあった点もありますけれども、参考にしていただいて進めていただければと考えます。
 それでは、準備した議題は以上になりますが、委員の皆様から全体として何かございますか。特によろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局にお返しします。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
 本日の委員の皆様の御意見を踏まえまして、また、チャットにいただきました御意見も拝見させていただきまして、進めさせていただきたいと思います。
 この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
 また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日はお忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
○脇田部会長 皆様、どうもありがとうございました。
 議事進行が不手際で少し遅れましたけれども、今日も御協力ありがとうございました。これで失礼します。