令和5年度第14回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

日時

令和6年1月23日(火) 14:00~16:00

場所

厚生労働省 専用第 22 会議室
(オンライン会議場)

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻より少々早いのですが、先生方がおそろいになりましたので、令和5年度第14回「薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開会いたします。
 本日御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭に、元日に能登半島を中心として発生した大規模な地震でお亡くなりになられた皆様に心から哀悼の意をささげるとともに、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。
 今回の会議の公開については、YouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほど、お願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
 また、今回もウェブ開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。議事に先立ち、審議と進行方法などについて事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。
 発言のタイミングが重なったりした際は、調査会長から順に発言者を御指名いただきます。
 その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。
 また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。御不便等をおかけするかもしれませんが、何とぞ御理解、御協力のほど、お願い申し上げます。
 事務局からは以上です。
 それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長の岡委員にお願いいたします。
○岡座長 調査会長の岡でございます。座長を務めさせていただきますので、委員の皆様には円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
 今回もウェブ開催ということで、事務局から御説明がありましたが、これまでの御説明に御質問、御意見等はございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況等について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告します。
 現時点で6名中6名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により定足数に達していることを御報告申し上げます。本日の会議は成立することを報告申し上げます。
 続きまして、本日、参考人として御参加いただきます先生方を御紹介いたします。
 議題1「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の関係で、国立感染症研究所ハンセン病研究センターセンター長・真菌部部長の宮崎義継先生に御出席いただいております。
 また、日本産科婦人科学会常務理事医療制度検討委員会委員長の亀井良政先生、東京女子医科大学呼吸器内科学講座教授・講座主任の多賀谷悦子先生から書面で御意見を提出いただいております。
 以上でございます。
○岡座長 続きまして、審議参加に関する遵守事項について御説明をお願いします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の方々につきまして、議題1の対象品目、競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受け取り状況を報告いたします。
 対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業について、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認いただきましたところ、石井委員より、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。
 伊藤委員より、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。
 柿崎委員より、塩野義製薬株式会社より50万円を超えて500万円以下のお受け取り、ギリアド・サイエンシズ株式会社より50万円以下のお受け取り。
 舟越委員より、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。
 多賀谷参考人より、MSD株式会社より50万円以下のお受け取り。
 宮崎参考人より、MSD株式会社より50万円以下のお受け取りと御申告いただいております。
 柿崎委員におかれましては、議題1の審議中、御意見を述べることはできますが、議決に加わることはできません。
 その他の委員におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わっていただくことができます。また、参考人につきましても、意見陳述が可能なことを確認してございます。
 続きまして、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果についても御報告させていただきます。
 薬事分科会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますことを報告させていただきます。
 報告は以上です。
○岡座長 ただいまの事務局からの御説明に何か御意見、御質問等はございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。
 資料はあらかじめお送りさせていただいておりまして、議題1に関して、資料1-1から1-5及び参考資料1から3がございます。
 このほか、議事次第、資料一覧、委員・参考人名簿及び競合品目・競合企業リストがございます。お手元に御用意のない委員がいらっしゃいましたらお知らせください。
 なお、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御参照いただければと思います。
 以上です。
○岡座長 よろしいでしょうか。皆様、お手元にございますでしょうか。
 それでは、議題1「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の審議を行いたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1「緊急承認された医薬品(ゾコーバ錠)に係る対応について」を御覧ください。
 新型コロナウイルス感染症治療薬であるゾコーバ錠が緊急承認されたことに伴い、参考資料1としてお示ししている医薬品等安全対策部会での審議を踏まえ、安全対策調査会において副作用等報告の状況を考慮し、追加の安全対策の要否の評価をお願いするものです。
 製造販売業者からの副作用報告の状況について御説明します。資料1-2を御覧ください。
 今回の調査会の集計対象期間は2022年11月24日から本年1月14日であり、推定使用者数は92万5237人と製造販売業者から報告されており、こちらは納入数量に基づいて算出されています。
 当該期間において製造販売業者からの報告頻度は、2ページの(別紙)のとおりです。
 3ページの別添1に症状別報告件数をお示ししていますが、流産の症例は、患者のプライバシーへの配慮等を踏まえ、症例結果は委員限りとしております。
 5ページの別添2の症例一覧を御覧ください。前回の調査会でお示ししていた症例で追加の報告があったものは*を付している症例で、No.58からが新しく報告された症例です。
 7ページから別添3で、基礎疾患や症例経過をお示ししています。今回、副作用の転帰が死亡の症例1例について追加の報告がされていますので、PMDAの外部専門委員に評価を依頼しました。
 8~9ページの症例No.29の脳出血の症例の評価は、患者背景や死亡に至った経緯の詳細は得られておらず、時間的関係のみではゾコーバ錠と死亡との因果関係は評価できないといったコメントがありました。
 次に、医薬関係者からの副作用報告の状況について御説明いたします。資料1-3を御覧ください。
 集計対象期間において医薬関係者からの報告頻度は、2ページの(別紙)のとおりです。
 症状別報告件数については、3ページの別添1を御覧ください。
 次に、製造販売業者の公表資料である市販後安全性情報の報告を御説明いたします。資料1-4を御覧ください。
 集計対象期間において非重篤な副作用の報告頻度は、2/16ページの(別紙)のとおりです。
 また、非重篤症例の副作用の症状と報告件数は6/16ページから10/16ページのとおりです。
 12/16ページを御覧ください。RMPの重要な潜在的リスクである催奇形性に係る情報として、本剤服用後に妊娠が判明した症例は、先月から新たに報告されたものはなく、現時点で34例です。
 製造販売業者は、13/16ページの赤字のとおり、少しでも「妊娠している可能性を排除できない場合」は本剤の投与を控えていただきたい旨、周知しています。また、厚生労働省のX(旧Twitter)で、こども家庭庁の妊婦・妊娠を考える方向けの新型コロナウイルス感染症対策に関するリーフレットや、新型コロナウイルス感染症治療薬の中には妊娠中使用すべきではない薬があるため、月経後の性交渉等を含め、妊娠の可能性を医療従事者に相談するよう周知しております。
 15/16ページを御覧ください。RMPの重要な不足情報である、中等度以上の肝機能障害患者での安全性について、肝機能障害を有する被験者を対象とした臨床薬理試験は終了し、現在、PMDAにて試験結果を評価中となっています。市販後において中等度の肝機能障害のある患者へ本剤を投与した症例は6例収集され、副作用等は発現していないとのことです。
 最後に、肝機能障害を有する被験者を対象とした臨床薬理試験の結果概要について、資料1-5を御覧ください。
 試験報告書については、通常承認の審査の中でPMDAに提出され、現在評価中となっているため、本日は委員限りの資料としてお配りしています。
 RMPの重要な不足情報として、中等度以上の肝機能障害患者での安全性が設定された理由はこれらの患者に投与した際に本剤の血中濃度が上昇する可能性があること等のためですが、製造販売業者は、肝機能正常被験者と比べて、軽度及び中等度肝機能障害患者における薬物動態に臨床的に意味のある差は確認されなかったと結論付けています。
 説明は以上となります。
 また、亀井良政参考人に流産事例等に関して御説明したところ、今回追加の情報を得られたNo.56の流産の症例について、流産時期は妊娠判明時期から間もなくと思われるので、薬剤との直接的な因果関係があるとは断言できない初期の流産と考えます。No.65については、薬剤の内服時期は受精前の時期に相当すると考えるのが相当ですので、流産は薬剤内服とは無関係な自然流産と考え、薬剤の内服が妊娠経過に影響を与えた可能性はないと判断します。追加の安全対策は不要と考えますとの御意見をいただいております。
 多賀谷悦子参考人に現時点での副作用情報、妊娠事例等に関して御説明したところ、追加の安全対策は不要と考えるとの御意見をいただいております。
 御審議のほど、よろしくお願いします。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいま、亀井参考人及び多賀谷参考人の御意見を御紹介いただきましたけれども、続いて、御出席いただいております宮崎参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○宮崎参考人 よろしくお願いいたします。宮崎です。
 当局から詳しい経過等を見せていただきました。その結果、症例29ですが死亡例が1例ございました。この方の背景等の情報が入手困難であるということでしたので、因果関係については判断できないのですが、追加の情報が、特に基礎疾患についての情報が入手可能であれば入手いただきたいと思います。
 あと、流産の症例につきましては、亀井先生の御意見どおり、特段の追加の処置は必要ないかと思います。
 また、臨床薬理試験の結果が出ておりますけれども、こちらは現在、PMDAでも評価中ですので、PMDAの評価を経た意見を聞きたいと思います。
 以上となります。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、まず、今、いただいた宮崎参考人からの症例29の追加の基礎疾患の情報等についてということでしたけれども、何か事務局のほうでございますか。
○事務局 岡先生、すみません。もう一度よろしいでしょうか。
○岡座長 すみません。今、宮崎参考人のほうから症例29について基礎疾患等の情報があればという御意見だったかと思いますけれども、その点については何か事務局のほうでございますか。
○事務局 こちらの症例について、報告医の先生からはこれ以上の情報がないというお話を伺っていたかと思っているので、これ以上の調査は難しいのかなと考えております。
 また、肝障害を有する被験者を対象とした臨床薬理試験の結果については、現在、PMDAで評価中という状況ですので、こちらについても現時点での御意見は難しいのかなと思いました。
○岡座長 分かりました。
 よろしいですか。
 そうしましたら、委員の皆様から御意見、御質問等をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 聞こえていますでしょうか。大丈夫ですか。
○岡座長 聞こえています。お願いします。
○舟越委員 事務局に確認なのですが、1点目が資料1-4の4/16ページ目ですが、アナフィラキシーは電子添文並びにリスク管理計画の特定されたリスクとされていますが、使用上の注意から予測できない副作用として*が付されているアナフィラキシーショックは4件集積されているところです。このような関連性が高い副作用については潜在的リスクや電子添文などの改訂などの検討はされているものなのでしょうか。症例を細かく振り返っていないのですが、情報不足、因果関係評価中ということなのでしょうか。
 エンシトレルビルについてもアナフィラキシーの記載にとどまっているため、ショックも起こすことがどうかということについては現場としては大事な情報かと感じております。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。副作用のところはアナフィラキシーの表記でしたか。それで、そのショックについてはどうかという御質問かと思います。
○事務局 舟越先生、ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。事務局からです。
○岡座長 お願いします。
○事務局 今、御指摘いただいた点ですけれども、先生、御案内のとおりだと思いますが、添付文書にはアナフィラキシーの注意喚起はさせていただいているところでして、先生方からすれば、アナフィラキシーショックについても一定程度の起こり得る事象であるという範囲、つまり気をつけていただく範囲の中には入っているのではないかなと思っているところです。
 企業の資料ではアナフィラキシーショックについて「使用上の注意」から予測できない副作用ということで標記しており、添付文書をさらに変える必要があるかどうかは、今一度、確認したいと思いますが、いずれにしましても、アナフィラキシーショックが起こり得るというのは先生方でも気をつけていただきながら対応いただける範囲内ではないかなと考えております。
 以上です。
○舟越委員 ありがとうございました。
 ある程度集積されてくると、添付文書はよく「ショック、アナフィラキシー(頻度不明)」と書かれるケースと「アナフィラキシー(頻度不明)」だけにとどまっているケース等がございますので、まだ4件だからと、多分、評価中なのかなと思っていますけれども、今、少しずつコロナもまた増えておりますので、そういった集積が増えてくるときに一応注視しているという感じで、今、確認させていただきました。ありがとうございます。
 岡先生、あと、2件目をよろしいでしょうか。
○岡座長 どうぞ。
○舟越委員 こちらも事務局に確認に近いのですが、同じ資料1-4の5/16ページ目です。以前、本調査会で報告のあった薬物相互作用の2件ですが、こちらも*がついており「予測できない副作用を示します」と一応書いてあるのですが、こちらは併用注意、禁忌のラインリストに載っているもので、これは「予測できない」と掲載されているのはなぜなのか。
 同じページの中での塩野義のコメントでは、企業報告の中には無動とか血圧低下と書いてあるので、副作用であれば無動、血圧低下の部分に入ってくるのか。相互作用の部分で起きた有害事象は、逆にこの添付文書の部分に載ってくるものなのかが理解ができていなくて、解説をお願いしたいと思います。
○岡座長 事務局、分かりますでしょうか。この2例のあれです。
○事務局 企業に確認の上、改めて回答させていただければと思います。
○岡座長 では、よろしくお願いします。
 そうしましたら、そのほか、いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。
 あと、あるいは最後に肝機能障害の臨床薬理試験のデータなども添付されておりますけれども、治験自体については、また今度、御報告があるかと思いますが、よろしいですか。
 そうしましたら、今の薬物相互作用の件は横に置かせていただいて進めたいと思いますけれども、何か追加の安全対策等については現時点で特に御意見がないと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。両参考人の御意見も踏まえて、そして、宮崎先生の御意見を踏まえてということになりますけれども、よろしいですか。
 そうしましたら、議決を採りたいと思いますけれども、柿崎委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮願いたいと思います。
 何らかの安全対策について、皆様の御意見としては特に必要がないということかと思います。事務局からは、国民向けに、こども家庭庁の妊婦・妊娠を考える方向けの新型コロナウイルス感染症対策に関するリーフレットや新型コロナウイルス治療薬の中には妊娠中には使用すべきでない薬があるため、月経後の性交渉等を含め、妊娠の可能性を医療従事者に相談するようにXで周知したこと、肝機能障害の被験者を対象とした臨床薬理試験結果はPMDAで審査中であり、製造販売業者は当該試験において臨床的に意味のある差は確認されなかったと報告していることについて説明がありましたけれども、現状の報告状況等を踏まえ、現時点において、さらに追加の安全対策は行わないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。皆様、うなずいていただいたことが確認できましたので、異議なしということで進めさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。引き続き、今後の症例集積を注視してまいります。
 また、本調査会での議論につきましては、安全対策部会に報告いたします。
○岡座長 それでは、先ほどの舟越委員からの御質問についてはまた事務局で確認いただければと思います。
 本議題は終了したいと思います。
 亀井参考人、多賀谷参考人及び宮崎参考人におかれましては、貴重な御意見をいただきありがとうございました。
 予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かございますか。
○事務局 特にございません。
 次回開催については改めて御連絡いたします。
 事務局からは以上でございます。
○岡座長 それでは、本日の調査会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。