第4回 創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会 議事録

日時

令和5年10月13日(金)14:00~

場所

厚生労働省 専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

議事録
○医薬品審査管理課長 それでは、第4回「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中、御参集いただきましてどうもありがとうございます。
 初めに、事務局から連絡事項を申し上げます。本日の会議は対面の会議とウェブ会議を併用しております。会議の内容はユーチューブでのライブ配信を行っております。発言される際は、オンラインで傍聴されている方に発言者が分かるように冒頭に名前をおっしゃってから発言をお願いします。
 続きまして、本日の検討会の構成員の出席状況ですが、本日、全員の先生方に御出席いただいております。どうもありがとうございます。
 最後に、資料の確認ですけれども、議事次第にお示しのとおり、資料1から4-2まで、それから参考資料1と2があります。ウェブで御参加の構成員におかれましては、ウェブ掲載された資料を御覧ください。直接お越しいただいている構成員におかれましては、お手元のタブレットを御確認いただければと思います。
 それでは、以後の議事進行は清田座長にお願いいたします。
○清田座長 清田です。こんにちは。
 これより本日の議事に入りますので、カメラ撮りはここまででお願いいたします。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○清田座長 議題1につきまして、まず柏谷構成員から製薬業界の意見について説明をお願いいたします。
○柏谷構成員 製薬協薬事委員会で委員長をしています、柏谷でございます。よろしくお願いいたします。
 本日、資料を25枚つけておりますけれども、10ページ以降は参考資料ということで、本日の説明は1枚目から9枚目ということで御承知おきいただければと思います。
 全体像を簡単に申し上げますと、今までの医薬品製造に関する薬事規制の変遷を説明させていただいた後に、20年前にも基本となる薬事規制が公布されているのですけれども、そこから20年たっていますので、その20年の間に実態のところはどうなっているか、どれだけサプライチェーンがグローバル化しているかということの御説明をさせていただいた後、先ほど申し上げました現状の日本の薬事規制がどうなっているかというところから、我々製薬団体が現在のグローバル化しているサプライチェーンを考えた上でどのような形が在るべき姿なのかというところを説明させていただいて、その現状と目指すべき姿の間にどれだけのギャップがあって、何がハードルとなっているのかというのを御説明させていただきます。最終的には日本独自で改革できるものに関してはいち早く手をつけて制度改革を行った後、最終的に目指す姿にどれだけ近づけていけるかというところを議論させていただければと思っております。
 それでは、2枚目のスライドに戻りまして、まずは現状の医薬品製造に関連する薬事規制が今どうなっているのかというお話をさせていただこうと思います。今、基本の骨格となっていますのが、2005年に施行されています薬事法がベースになっております。この資料にお書きしていますように、製造販売業の制度が導入されて、青字で書いています製造方法を変更する薬事手続として軽微変更届が導入された。GMP適合性調査に関しましては、承認後5年ごとの更新制というところが導入された。それがほぼ20年前の薬事法公布というところから始まり、2019年に公布され、2021年から施行されている薬機法では、その薬事手続に関しまして、ICHのQ12の変更計画確認(PACMP)制度の導入がされまして、GMP適合性調査制度に関しましては、先ほど申しました承認後5年ごとの更新制に加えて基準確認証制度の導入がされているというのが現状になっています。製薬業界としましては、GMP適合性調査制度に関しましては、さらにもう一歩進んだ形でリスクベースによる調査制度が導入されればと思っておるというのが現状でございます。
 次のスライドをお願いします。先ほど申し上げましたように、基本的には製造関係の薬事規制に関しましては20年前の立てつけが中心となっているのですけれども、20年前から考えて、今、どうなっているのかということをお話しさせていただければと思います。20年前にはもちろんグローバル企業もありましたので、サプライチェーンがグローバル化している会社もあったのですけれども、基本的には日本の国の中で製造完結するというのが基本だった。もし海外に出ていくとしても、安い原薬を求めてお隣の国等々から原薬を求めていたというだけの、割とサプライチェーンとしてはそれほど複雑化していなかったという時代があったのだと思います。
 ただ、20年たってきてどうなっているかと言いますと、さらに合理的なというか、安価といいますか、原薬の製造を海外に求めて、従前はグローバル企業だけの対応だったものが、実は内資・外資関係なく、また、先発・後発ともに関係なく、どんどん製造の委託化がグローバルに進んで、医薬品制度に関してはかなりグローバル化が日本の企業としても進んでいるという実態があります。
 ここでまた薬事担当者としては非常に難しい問題があるのですけれども、我々の日本で承認を取っている分に関しましては、製造される製造方法というのは承認書に記載されているわけですので、一つの承認書に書いてある。当然ですけれども、その承認書どおりに作っているわけですから、出来上がる製品も全世界にとっても一つであるということなのですけれども、やはりいろいろな国で作っているというのもあって、規格値の変更管理というのはその国々に応じて承認いただかないといけないというところもありまして、そういう手続をしておりますと、最終的には先ほど申し上げたように、一つの製品が出来上がるのに、一つの変更手続をすることで全世界において変更管理の手続をしないといけないというかなり各国の規制に合わせた対応が必要になるので、かなり薬事担当者としては難しい局面というか、非常に複雑な手続が必要になってくる。薬事担当者の中ではこのような手続が非常に複雑化していますので、一言で言うと何でやねんというところが実は薬事担当者としては大きな問題になっていて、この何でやねんというところが解決できないかという話が業界としては上がっているという状況でございます。
 3枚目のスライドに移ります。先ほど申し上げた日本の現状は、このような緑色の図になっているということで御説明させていただきたいと思います。それぞれ各カテゴリーがあって、それぞれに対して問題があるということで我々はお話をさせていただきたいのですけれども、中でも3つにフォーカスすると、一番上の「承認事項」の「変更手続き」というところが、日本では一変と軽微の2段階になっている。ここはまた後々何が問題なのかというのは御説明申し上げますので、まず日本というのは一変・軽微の2つになっているということを御理解いただいて、GMP適合性調査というのが、その調査の手法というのは先ほど申し上げましたように承認から5年ごとということで決められているというところも、業界団体からしたら改善の余地があるのではないかと。
 また、最後の3つ目、「局方」と書いていますけれども、日本の国ですので、日本薬局方に準じた対応が必要になってくる。後ほど申し上げますEP・USPというところであっても、日本薬局方に準じた考え方を導入しなければいけないというところがネックになっているというところが日本の現状でございます。
 次のスライドに行っていただきまして、業界として今の日本の現状に対して少し問題点があるなというお話をさせていただいたのですけれども、業界として究極に目指すべき姿というのは一体どこにあるのだろうということを業界内でディスカッションしました。そうなってきたときに、これはちょっと遠い先になってしまうかもしれませんけれども、いろいろな変更管理であるとか、左のカラムに書いてあるような事項に関しましては、日米欧の先進国で共通化したものにできないかというのが究極の目指すべき姿ということになっているのだろうと思います。なかなか実現が難しいというところは業界でも分かっておりますけれども、承認事項の変更管理に関しては各国共通であるとか、GMP調査に関しては欧米で導入されているようなリスクベース型で、これは日本の制度上仕方ない状況ではあるのですけれども、欧米のように、5年ごとの紋切り型の調査ではなくてリスクベース型の調査が妥当であろう。
 局方に関しても、局方の統合ということで、これは非常に難しいことも理解しております。というのは、局方の統合、ハーモナイズに関しましては、実は私が薬事担当者になった30年前から局方の統合についてディスカッションされているという現状を踏まえて、まだ統合されていないということを考えると、なかなかこの統合が難しいのは分かっているのですけれども、ここのところをできるだけ各局で寄り添うような形で持ってくることがグローバルのサプライチェーンを目指す上では必要なのではないかなと思っております。
 特に一番上の四角書きの中に書いていますけれども、品質データに関しましては、暑い寒いがございますから気候の影響は当然受けるのですけれども、ただ、臨床のように人種差があるわけではありませんで、最近のICMRA、ICHの国際整合の流れを考慮して、これらを共通の資料とすることで運用することがグローバルの動きに対しても妥当なのではないかなと考えております。
 次のスライドをお願いします。「目指すべき姿までの道程」ということで書かせていただいております。先ほど申し上げたように緑で書いてあるのが現状、右上に書いてあるものが目指すべき姿ということで黄色でお書きしていますけれども、せっかく目指すべき姿を掲げているのだったら、1~2年でそこに行こうという考えがあってもしかるべきなのですけれども、なかなかそれは我々業界から見ても厳しいものだと思っています。
 では、何がハードルになっているのかといいますと、先ほど申し上げましたように、各国において違う国でいろいろ製造等しているもので、当然その製造所に関してはそれぞれの国の規制を受ける。それぞれの規制は今、共通化されているものではないので、各国の規制の違いというところが大きなハードルになっている。
 また、インフラ整備に関しても必要になってきますし、あと、これから共通化していこうということで話をしても、今まで承認を取っているものをどうするという話も残っていますので、こちらをえいやでやることはかなりハードルが高いことは認識しておりますけれども、遠い目指すべき姿を目指すためには、やはりここのどこからか手をつけていかなければいけないということは考えております。
 先ほどから製造方法、GMP適合性調査、欧米局方に関して御説明さしあげているのですけれども、なぜこの3つにフォーカスして私が説明しているかというと、業界から考えたときに、この3つに関しては、各国の規制というよりかは日本独自の判断で変更していくことが可能ではないかというところに注目して、せめてまずはここから手をつけていきませんかという御提案を業界からしていきたいというところでございます。
 1つ目の製造方法のところですけれども、これはなかなか説明が難しいところがあるのですけれども、生じている問題として、一番右上、切替日に向けた生産調整の難易度の高さというのがございますけれども、一変承認されるタイミングと製品切替えのタイミングが各国の規制で違ってきますので、他国の考え方とは違うというのがありまして、なかなか生産調整が、承認を取ったときに、欧米は旧承認書に基づいた出荷が可能なのですけれども、日本は新しい承認書に基づいた出荷が基本的には必要になってくるということで、その辺のところも難しいというところもございますし、また、変更手続に関しましては、後ほど荒川さんから説明があると思いますけれども、同じ変更カテゴリーにおいても日本では欧米よりかなり時間がかかる場合がございます。特にバイオ医薬品などはかなり時間的な違いが生じて、日米欧で同時に変更していくというときには、かなり日本だけ足手まといになっているという現状があるということでございます。この辺のところの生じている問題について、可能な限り解消していく必要があるなと思っております。
 また、2つ目に行きまして、GMP適合性調査ですけれども、GMP適合性調査は、先ほども申し上げましたけれども、日本においては制度上、全ての製造所にGMP適用性調査を行わなければいけないということになっていますので、低リスクの製造所でも調査頻度が高い場合がある。欧米は、リスクベースでこういう適合性調査をやられていますので、リスクの低い製造所に関しては、高リスクの製造所と比較してGMPの適合性調査が入る頻度が低くなるという形で、強弱をつけて適切な調査をやられているという状況がございます。
 あと、欧米薬局方収載品等の取扱いですけれども、一番上に「日本で個別に審査・承認を経ないと製品出荷できない」とありますけれども、実は欧米薬局方に準拠している収載品を日本で承認を取る場合は、当然欧米薬局方ですので英語で記載されているのですけれども、それを日本語に訳して、それを別紙規格として添付して承認をいただかないといけないということもございまして、他国の収載品を日本語でわざわざ翻訳する必要もなく、そのまま受け入れてはどうですかというところにもつながっていっております。この辺のところを是正できれば、行政としては非常にありがたいと考えております。
 次のスライドに行っていただきまして、こちらは先ほどフォーカスした3つのことを考えておりますので、今、我々業界として望むところは、先ほど申し上げたように、欧米の行政当局を巻き込んでディスカッションしないといけないということは1~2年でできる話ではございませんので、日本独自の判断で変更できることとしては、青字で書いてあるこの3つの部分に関しては前向きに検討できるのではないかなと思っております。
 最後のページに行っていただきまして、「日本でできること」ということで、本検討会において議論したい課題に対する解決の方向性としてこの3つを挙げております。また繰り返しになって申し訳ないのですけれども、1つ目の製造方法を変更する手続制度としては、冒頭、日本での変更手続は2段階というお話をさせていただきましたけれども、こちらを欧米を参考に3段階の形式にして、日米欧で変更手続に関してあまり温度差のないような変更手続ができれば、薬事担当者としても非常に手続しやすいような環境になるのではないかと思っております。
 また、軽微変更は今、日本の中では最終的に内容が確認されるまでに時間を要しているという実態があるのですけれども、その辺のところも届出後に確実に業界から提出させていただいた資料が確認される制度への変更ができれば、これはまた製品を製造している立場としては非常にありがたく考えております。
 また、3つ目は、本日の中では厚生労働省さんから違う形で提案されると思うのですけれども、この3つ目に関しては、実はもう一段階加えることに関してなのですけれども、基本的にこの3段階の様式で導入するといいましても、承認取得時にはこの内容に関しては一変申請の対象ですよ、この記載に関しては軽微変更の対象ですよということで、日本の場合、承認取得時にはどういうカテゴリーの変更になるのかというのがある程度決められた形になっている。
 ただ、実際の製造現場で言いますと、欧米などはもうリスクベースの管理でそのように変更になっているのですけれども、同じものを10年間続けていると、承認を取った直後は、ここの変更を記載するのだったら一変が必要だよねと言っていても、10年ぐらい時間がたって継続的に作っていると、そのリスクというのが下がる場合がある。そういう場合は一変申請することなく軽微変更でいいではないかという考え方もあって、欧米ではそのような考え方が導入されていますので、日本もそういうリスクベースの在り方を導入したらどうだというのが1つ目に記載されている内容でございます。
 2つ目のGMP適合性調査ですけれども、こちらも製造方法と一緒なのですけれども、先ほどから申し上げていますように、5年ごとの定期調査ではなくて、そこも製造所によって、低リスクの製造所・高リスクの製造所という言い方が正しいのかどうかはあれですけれども、リスクに応じて調査する頻度を変えていくという手法も今後、必要になってくるのではないかと思っています。欧米では既に導入されていることも考えれば、日本でも導入可能かなと思っています。もしその考えを導入するのであれば、5年ごとの定期調査というのを廃止できて、リスクベースの調査というのが可能になるのではないかなと思います。
 今、1つ目で製造方法、2つ目でGMP調査のことをお話しさせていただきましたけれども、それぞれ別に動かすということは好ましくなく、変更手続制度とGMP調査制度というのは、同時に変えていくのだったら変えていくという形で並行して議論していくのが妥当かなと思っております。
 また、局方に関しましては、それぞれ日米欧の薬局を局方として受け入れる、日本局と同じような扱いで何とか扱うことができないかというのが3つ目の局方への提案になります。
 最終的に今までの提案を御説明させていただいて、業界として一番言いたいのは、黒字で白抜きで書いてある文字のところなのですけれども、障壁となり得る他国との法制度の違いを解消する。これを解消することによって一律の法規制対応ができるのではないかとも考えておりますし、こういうことをすることによってさらなる品質確保のための制度を総合的に整理することができれば、今後、日本の法制度においても非常に有益なものになるのではないかなと考えております。
 私からは以上になります。
○清田座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○事務局 それでは、事務局から資料1の御説明をさせていただきたいと思いますので、資料1を御覧いただけますでしょうか。
 まず、2ページ目に背景を記載しております。ちょうど今、柏谷構成員からも御説明のあったような背景とかぶるところがございますが、御説明いたします。まず1ポツ目ですが、医薬品の製造につきましては、グローバル化が進み、特定の製造所において製造された製品が世界各国に向けて出荷されることが通常となってきていると認識しております。この医薬品の製造方法等については、承認後、随時見直しが行われますが、その変更内容に応じて国・地域ごとの規制当局の審査等を受ける必要があります。このため、製造方法等の変更をしようとする場合は、全ての出荷先の規制当局に対する手続を完了する必要があるという状況です。
 審査の観点におきましては、これまでもICH等の国際的な枠組みを通じてハーモナイゼーションに取り組んできたところですが、なお、欧米と比較して日本の変更手続は長期間を要することから、在庫確保等の負担となっているとの指摘を受けており、今回の御検討をお願いするものです。
 なお、※書きに記載しておりますが、ちょうど今、柏谷構成員からも御指摘のあったGMP調査の関係につきましても、企業・規制当局双方の負担が大きく、また、審査期間の短縮を妨げる要因になっているとの指摘がありますので、これにつきましては、今回ではございませんが、次回以降の検討会での御検討の議題とさせていただければと思っております。
 3ページを御覧ください。医薬品の製造方法等の変更管理の薬事手続については、ICHQ12においては3つに分けて例示されておりますが、欧米と異なり、日本においては2つしか薬事手続がなく、いわゆる中リスクに対応するカテゴリーがないとされております。それから、欧米でのAnnual ReportやTypeIA Variationのような年次報告の仕組みがない状況となっております。
 具体的にどのような変更が一部変更や軽微変更に当たるのかにつきまして、別途資料3でお示ししておりますので、こちらを御覧いただけますでしょうか。資料3としては、一部変更と軽微変更の典型例として、あくまで例示ではございますが、お示しさせていただいております。この右側に書いてあるような内容が軽微変更の内容であり、中ほどの列が一部変更承認申請が必要というものですが、例えば真ん中の「製造方法の変更」で言えば、「管理上重要な工程パラメータの変更(滅菌条件など)」と記載していますが、こういったものの変更に当たっては一部変更承認申請が必要となりますが、右側を見ていただきまして、「その他の工程パラメータの変更(製造スケールなど)」については軽微変更届出でよいという取扱いとなっております。
 あるいは、一番下の「規格試験の変更」であれば、規格値、試験方法に関する主要な変更については一部変更ですが、規格値を狭める変更、あるいは日局等の国内公定書の改正に伴う変更であれば、軽微変更となっているといった違いのイメージとして認識いただければと思います。
 では、資料1に戻っていただきまして、4ページ目でございます。こちらは日本製薬工業協会が実施したアンケート調査の結果をお示ししております。アンケート調査による変更カテゴリーの日本と欧米の違いについてお示ししています。ページ4は、日本で一変とされた変更事項について、欧米ではどういった取扱いとなっているかということをお示ししたものです。例えば化成品につきましては、左下の円グラフでございますけれども、日本で一部変更が必要とされた変更事項のうち海外でも事前承認が必要とされた事項は、米国では38%、EUでは28%であり、多くはなかったという結果となっております。バイオと比べると少し違った要素となっておりますが、化成品ではそういった状況ということです。
 なお、このアンケートについて事前に委員からの御質問がありまして、調査の期間について御質問いただいており、確認させていただいたところ、ある期間をもって網羅的に申請品目を確認したものではないということで、アンケートの仕方としては、代表例として最大6事例を回答する形式とされていたと聞いております。なので、この割合につきましては、その点について御留意の上、御確認いただければと思っております。
 続きまして、5ページも同じくアンケート結果でありますが、逆に日本で軽微変更とされた変更事項の海外の状況についての結果でございます。こちらにつきましても、例えば化成品につきましては、日本で軽微変更とされた変更事項についてはほぼ全て海外でも届出相当または薬事手続なしのカテゴリーとされていたといった結果となっております。
 続いて、6ページは、同じくアンケート結果に基づきまして、審査期間の日米欧の差をお示ししております。事前承認に要する審査期間は、化成品、バイオ医薬品のいずれにおいても、欧米と比較して日本では長い傾向にあったといった結果でございました。
 こうした状況を踏まえまして、7ページですが、対応の方向性の1つ目、中等度変更事項の導入の案についてお示しさせていただきました。
 まず1ポツ目ですが、医薬品の製造方法等の変更管理については、欧米と同様に変更案を提出し、短期間の確認期間を経て変更を行うことができる新たな変更カテゴリーとして「中等度変更事項」を導入することとしてはどうかと考えております。短期間と申しますのは、下の試行イメージの右下のところに書いてありますが、欧米と同様に受理までの期間プラス30営業日程度の方向で検討してはどうかと考えております。「ただし」と書いていますが、確認中に照会事項が発生した場合はこの限りではないと記載しており、こちらも欧米と同じ取扱いだと認識しております。
 2ポツ目ですが、制度の詳細やフィージビリティーを検討するため、まずは対象を限定して試行的に導入してはどうかと考えております。また、試行における中等度変更事項の対象については、変更内容のリスクの程度に基づき2つのやり方を取ってはどうか。1つ目としては、初回申請または一部変更の審査において、あらかじめ中等度変更事項として特定された事項とすること。2番目としては、変更が生じた都度のPMDA相談で中等度変更事項への該当性を確認された事項としてはどうかと考えております。
 また、試行においての中等度変更事項に係る薬事手続は、現行の一変申請の一類型とした上で、その審査を短時間で実施することとしてはどうかと考えております。これは現行の法令上は一部変更か軽微変更かの2通りしかないことから、類型としては一変とした上で、試行的な実施の中ではそのように実施してはどうかと考えております。
 一番下ですが、試行的実施の方法、その結果を踏まえたその後の制度の在り方を含めた具体的な制度設計については、今後、国際整合性を踏まえながら製薬業界・行政間で引き続き議論していくこととしたらどうかと考えております。
 続きまして、8ページ、2つ目の対応の方向性ということで、年次報告の導入についてです。承認書上の製造方法等のうち重要度の低い事項、これは現状、軽微変更届の対象となっている事項を含むということで、そうした事項の記載については、例えば参考資料として位置づけるなどによって年次報告とすることができる制度を導入してはどうかと考えております。年次報告は、製造販売業者が希望により選択して利用できる位置づけとしてはどうかと考えております。例えば希望する場合には、あらかじめ承認書上で年次報告する旨をコミットメントするなどのことを想定しております。
 また、年次報告の内容の確認の方法ですが、これも例えばですが、PMDAの相談の枠組みを活用して行うこととしてはどうかと考えております。また、その際、過去に提出された軽微変更届の内容も含めて確認し、その確認を記録することも視野に入れて検討を進めてはどうかと考えております。こちらにつきましても、これ以上の具体的な制度設計については今後、製薬業界・行政間で議論していくこととしてはどうかと考えております。
 年次報告を導入した際のイメージを9ページ目に記載しております。こちらはイメージで完全に仮想的なものですので、そういう前提で御覧いただければと思っておりますが、左側ぐらいの製造方法の記載が現在の承認書上の製造方法などの記載のイメージでございますけれども、年次報告を導入した場合には、これを右側の記載ぐらいに簡略化できることとした上で、簡略化した部分について、参考資料として年次報告の対象とするといったイメージを持っております。ですので、年次報告を導入した場合においても、これまでの承認書の記載方法以上の情報を追加するというイメージではなく、これまで記載していた範囲のうち一部を年次報告に移行するといったイメージを持っております。
 最後の10ページ目ですが、承認書の記載事項の在り方についてということです。9ページに記載していたような承認書の記載事項につきまして、中等度変更事項や年次報告の導入に伴って、これについても欧米との制度の違いも含めて検討していく必要があると考えております。
 2ポツ目ですが、この記載事項につきましては、従来、平成17年2月10日付の通知において例示されておりました。この通知は、平成17年当時は日本の実情に合った優れた内容だったということですが、近年では、欧米の記載方法とは必ずしも一致していないといったこともあって、こちらに例示しているようなことも含めて課題が発生していると聞いております。
 3ポツ目、こうした課題につきましては、これまでも幾つかの場で製薬業界や行政との間で議論を行ってきておりますが、今回の見直しを仮に行う場合には、その導入に伴って、この記載事項の在り方につきましても検討していく必要があると考えております。その際には、2月10日付のこの通知を全面改正することも含めて、また、試行的な実施の方法にはとらわれず、国際的に整合したリスクベースの変更管理が実現できるよう、引き続き業界・行政間で議論を進めることとしてはどうかと考えております。
 以上でございます。
○清田座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、10月11日に公表されました「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会 中間取りまとめ」につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局医薬産業振興・医療情報企画課ベンチャー等支援戦略室長 医政局医薬産業振興・医療情報企画課でございます。私どもが事務局となりまして別途開催しております「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」の中間取りまとめについて御報告をさせていただきます。
 資料4-2が中間取りまとめ本体でございますが、本日は資料4-1の一枚紙を用いて御説明をさせていただきたいと思います。資料4-1を御覧ください。
 まず、本検討会の背景について御紹介をさせていただきます。この検討会自体は、本年6月9日付で取りまとめられました、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会の報告書におきまして、後発医薬品について、薬価や薬事制度を起因とする産業構造上の課題が指摘されたほか、後発医薬品産業のあるべき姿やその実現のための具体策を検討するための会議体を新設することが提言されたということを踏まえまして開催をさせていただいているものでございます。本年7月から開催をしているものでございます。
 資料4-1の1つ目の囲みでございます。中間取りまとめの位置づけでございますが、この検討会は、今後も議論を続ける予定としておりますが、検討会の論点のうち、薬価に関する課題については、中央社会保障医療審議会、中医協において、そして薬事に関係する課題につきましては、こちらの薬事規制のあり方に関する検討会において、それぞれ別の会議体において議論が行われていることを踏まえまして、そちらでの議論の参考となるように、先立って薬事や薬価に関係する事項について取りまとめを行うということでこの中間取りまとめを行ったものでございます。
 そのため、2つ目のポツにございますように、この中間取りまとめ以降も検討会においてほかの課題について議論を継続し、最終的には後発医薬品産業をめぐる構造的課題の解決に向けた一連の施策について提言を行う予定としております。
 続いて、中間取りまとめの内容でございます。大きく2つございまして、2つ目の四角囲みでございます。まず、1つ目の安定供給等の企業情報の可視化でございます。後発医薬品につきましては、どうしても価格のみでの差別化といいますか、価格競争が行われやすいという構造がございます。それを受けて、別の指標として品質が確保された後発品を安定供給できる企業が市場で評価、つまり医療現場等から選ばれて、結果的に優位となるという環境の整備を目指すため、関連する企業情報を公開させることとして、具体的に公表すべき項目の事例を挙げているものでございます。黒丸で様々記載させていただいておりますが、安定供給マニュアルの運用状況や製剤製造企業名など、安定供給体制に関する情報、それから自社品目の出荷状況や出荷停止事例などの供給状況に関する情報、医療関係者への情報提供の状況、緊急時に備えた余剰製造能力の確保や在庫による対応など、緊急時への備えの状況、そして他社が出荷停止した場合の増産対応など、業界全体の安定供給への貢献に関する情報などといった項目を例示として記載しております。
 また、2つ目のポツでございますが、これらの公表事項について基準を設定した上で厚生労働省で評価するとともに、公表事項以外の医薬品の供給計画やその実績といった企業情報も評価に反映し、その結果を薬価制度などに活用することも検討すべきとされております。※印にございますように、その評価の際には、最低限の基準を満たさない企業は低評価、基準を超えるような企業については高評価といっためり張りをつけること、また、導入時期については、企業側の負担も考慮して経過措置を設けるなど、優先順位をつけて柔軟に対応するといった指摘も併せて記載しております。
 続いて、3つ目の囲み、「少量多品目構造の解消」が2つ目のテーマでございます。6月の有識者検討会報告書におきましては、後発品産業の問題の一つとして、一つのメーカーが多数の種類の品目を製造することによる生産効率の低下や製造管理上のリスクの増大といった問題が発生するような、いわゆる少量多品目構造が指摘されているところでございます。この少量多品目構造の解消に向けて、今回の中間取りまとめでは、大きく3つの取組が例示されておりまして、1つ目は新規収載品目、新しく発売される品目数の絞り込みとして、安定供給に貢献しない企業の参入を抑制するということで、新規収載に当たって企業に対して安定供給に係る責任者の指定を求めるとともに、継続的に供給実績を報告させる仕組み等を検討すべきとしています。
 また、2点目は既収載品目、現に製造販売されている品目の統合を促進するために、品目統合後のスケールアップなどの増産が行いやすくなるように、製造方法の変更に係る薬事審査等の合理化に係る検討を行うべきとしています。この点は今、ほかの資料で御説明いただいた点かと思います。
 そして3点目は供給停止・薬価削除、いわゆる品目の撤退をする場合のプロセスにつきまして、医療上の必要性や市場のシェアが低い場合などの一定の条件に該当するような品目については供給停止プロセス手続の合理化・効率化の検討を行うべきとされております。
 4ポツ目は、追加としまして、今、御説明した取組以外にも新規収載品の品目数の抑制や既収載品の品目数の削減等、安定供給の確保に資するような薬価制度、その他の医薬品に係る制度的枠組みを検討すべきとしております。
 資料4-1の概要については以上でございまして、先ほど申し上げましたとおり、中間取りまとめの本文は資料4-2でございますので、適宜御確認をいただけますと幸いでございます。資料4に関する事務局からの御説明は以上でございます。
○清田座長 ありがとうございました。
 こちらで用意された資料は以上でございますけれども、これから皆様の御意見を伺いたいと思います。まず、柏谷構成員からの製薬協の御説明があって、それから事務局からのこう変えていこうかという御提案があって、それに関しまして、いやいやこうしたほうがいいとか、ああしたほうがいい、あるいはここが分からないという御意見があれば、まず柏谷さんからの追加はありますか。
○柏谷構成員 私からの追加コメントはございません。
 ついでに言わせていただきますと、厚生労働省さんから提案があったものに対して異論を唱えるものはありません。
○清田座長 ありがとうございます。
 それでは、御質問、御意見を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○中村構成員 中村でございますけれども、局方に全部が含まれるかどうかは私の専門外で、理解していませんけれども、今、添加物が小児科領域では世界的に問題になっていまして、日本の私たちの経験では、海外と日本の添加物が違っている場合に日本への導入が遅れた事例が何度かあったと理解していまして、添加物が局方に全部含まれているのかどうか分からないのですけれども、多分添加物はまた別にあると思うのですけれども、添加物のところも標準化していただかないと、特に海外で開発されたものを後で日本に導入しようとするときにすごくもめるということがあって、そこは前から何度かお伝えしているのですけれども、子供だけの問題ではないでしょうと言われて、その後の検討がないのですけれども、有効成分だけではなくて添加物のことも併せて標準化するべきだと思っております。よろしくお願いします。
○清田座長 事務局からいかがですか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局からお答えいたします。
 添加物についての標準化ということで、御質問の趣旨を捉え切れていないかもしれませんが、有効成分は同じなのだけれども添加物が違うということなのか、それとも同じ種類の添加物を使っているのだけれどもその規格が異なるということなのか。
○中村構成員 そこの詳しいところは今、事務局と日程調整させていただいていますけれども、私も専門外ですので、当方の成育の薬剤部の詳しい者とまた細かい話はさせていただければと思います。
 私が聞いた話だと、ちょっと添加物が違った場合に、日本であまりコモンではない添加物の場合に導入がもめたりしたことが過去にあったと聞いています。
 柏谷さん、何か御存じですか。
○柏谷構成員 詳細についてはもちろん存じ上げないのですけれども、日本で認められていない添加物の場合は、やはりかなり作業が必要になると認識しておりますので、恐らく先生はその辺のところをおっしゃっているのかなと。添加物辞典に載っていないものであるとか、添加物辞典に載っている使用量を超えるものというお話かなと思います。
○次世代ワクチン等審査推進室長 分かりました。
 改めて中村委員から詳しいお話を聞かせていただきたいと思っておりますし、今、中村委員に小児薬に関する研究班もやっていただいておりますので、そういった場も含めてまた意見交換させていただければと思っております。
○中村構成員 あと、添加物に関してもう一つ、これはまた今回の議論と少しずれるのですけれども、添加物の情報の開示のされ方が、今、ほかの国の人たちとも連携して、小児剤形に入っている添加物の調査をしているのですけれども、ちょっとうちの薬剤部の者に確認しましたら、例えば経口剤でベンジルアルコールが入っているとか、エタノールが入っているとまでは書いてあるのだけれども、どれぐらい入っているかが分からない。一個一個の剤形については恐らく基準以下なのですけれども、小児の難病の人は10剤とか飲んでおられる中で、足してどれぐらいになるかというのが分からなくて、今、世界中で問題になっています。だから、やはりそういったところの特に子供のリスクがある可能性があるものについては、どれぐらい入っているかというものが開示されていると、それが薬剤部のほうで足し算して確認できたりするので、そういった仕組みも必要かなと思っていますので、併せて御検討いただければと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○次世代ワクチン等審査推進室長 ありがとうございます。事務局からお答えいたします。
 今の添加剤の含有量の表示に関しては、通知等で定めているところがございます。注射剤などですと含量を具体的に記載していますが、内服の固形剤などですと、成分量として0.1%以下のものは微量という形で、具体的な記載をしなくてもよいといった形になっています。その辺りで今のままだと何か問題があるということであれば、そこは検討していきたいと思いますし、今、おっしゃられた小児の方が複数の剤を同時に摂取することによるリスクの程度とか、その表記の必要性という辺りの判断になってくるかなと思いますが、そこは今日の安定供給とは少し論点が違うところかと思いますので、改めて中村先生とお話しさせていただければと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○芦田構成員 芦田です。
 今日、厚労省から御提案いただいた改善の方向性について、特段異論はありません。その上で、2つほど質問をさせていただきたいと思います。
 一つは、資料1の6ページに、審査期間についてアメリカ、ヨーロッパ、日本の間の差のデータが示されています。化成品は6か月と4か月、もしくは4.5か月ということで、差はあるもののそれほど大きくないとも言えます。一方でバイオ医薬品のほうは3倍違うということで、非常に大きな違いだと思っています。
 私の質問は、どうしてこのような違いが生じているのかという点と、これをどう改善していくのかというところが今日の方向性には含まれていないと思いましたので、その点をお聞きしたいというのが1点目です。
 2点目は、後発品の検討会での中間取りまとめの内容に関連します。資料4-2を拝見すると、薬事に関するところについては既収載品目の統合ということで、統合後の品目の増産が行いやすくなるよう、製造方法の変更に係る薬事審査等の合理化に係る検討とあります。今日、提案いただいた改善の方向性で、この問題については解決するのでしょうか、という点を確認したいと思います。
○清田座長 今の2つの御質問に対してお答えいただけますでしょうか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局から説明をさせていただきます。
 まず、審査期間の日米欧の比較の御指摘ですけれども、今、資料1の6枚目にデータとして記載がございます。化成品で日本で6か月、バイオ製品で12か月かかっているというのは、処理期間の内部の目標値としてこのような6か月や12か月といった中で対応しているということなのですが、そこに目標値を置いているというのは、実際の審査にかかる期間や体制という現状を基にしたものかと思っております。特にバイオ医薬品の品質管理については専門性がある程度高いということで、その審査に対応できる職員の数、リソースも限界がありますので、そういった体制の中でこのような数字になっているということと理解しております。
 今後、この審査期間が早められるのかということについては、一つは今回、変更手続を見直すことによって、これまで事前承認という形を取っていた部分について、一定程度は中等度の変更区分に変わっていくものがあるかと思っておりますので、そういったものについては、まず事前承認の対象からは除かれるという形にはなります。また、それによって事前承認が必要なものが相対的に選別されて減ってくれば、そこにリソースを集中することによって改善できる部分もあるのではないかなとは思っております。
 ただ、実際に今回の見直しがうまくオペレーションとして回っていくかどうかなどは、当面の間は少し試行的な導入という形でいろいろな試行錯誤をしながらやっていく形にはなっていくかと思っておりますので、直ちに審査期間が大幅に短縮するという高い期待値を持っているわけではないのですが、その点についても努力はしていきたいと思っております。
 それから、2点目の品目統合を進める上で今回の変更手続の見直しが実際に寄与するのかというところです。これについても、品目統合のために製造方法の変更が必要になる具体的なケースはいろいろなものが含まれると思っておりまして、その中には、引き続き事前承認という手続が必要なものもあれば、中等度の変更カテゴリーに該当して手続を効率化できるものもあるかなと思っております。ですので、全てのケースで手続が早まるということではないかとは思うのですが、一定程度の寄与があるのではないかなと思っております。
 あとは、今日の説明した中には含まれておりませんが、もし品目統合に関連する業界の再編というのがある程度一定の期間に集中して進むような状況が予想されるのであれば、そのための変更手続のガイドラインを示すとか、あるいはその効率化について、特定の期間で工夫してやっていくということは考えられるのではないかなと思っておりますので、引き続き実際に品目統合がスムーズに進むような在り方というのは考えていきたいと思っております。
 以上です。
○清田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○芦田構成員 御回答どうもありがとうございました。
 今の御回答の中で、私の1点目の質問について、目標値が化成品では6か月、バイオ医薬品であれば12か月に設定しているという話と、バイオ医薬品の方が審査期間が長いことについては、専門性を要することと、体制の問題という話があったと思います。確かに今回御提案いただいたもので改善の方向には行くと思います。とはいうものの、今、おっしゃられたように専門性を持った人が足りないというのであれば、これまでもPMDAの体制についてはこの検討会でも出てきておりますけれども、審査期間を欧米並みに近づけていくためには、PMDAの体制面についても整備の検討が必要ではないかなと思います。
○清田座長 よろしいでしょうか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局です。
 御指摘を承らせていただきました。体制の整備ということですので、リソースの確保なども含めて計画的なものが必要になってくるかと思いますが、PMDAのほうも今後、次期中期計画に向けて動いていきますので、そうした中で、全体としての最適化は進めていきたいと思っております。
○清田座長 ウェブで参加されている花井構成員と眞島構成員から手が挙がっています。花井構成員から御質問を承りたいと思います。
○花井構成員 ありがとうございます。花井です。
 まず、意見と質問なのですけれども、意見は今、議論されていた点で、ある程度今のリソースで手続を簡略化することによって効率化を図ることによって欧米との審査格差を埋められるということをおっしゃっていますけれども、今あったように、もともとバイオ関係については少なからず血液をやってきましたので、CDERというのとCBERというのがFDAにあると思うのですけれども、そのバイオのほうがまだ脆弱であるということはかねがね指摘しており、かつ、最近は医薬品が高分子化し、かつ、再生医療等製品にはいわゆる絶対的なものがここに入っていくという中で、日本版CBERチームの評価というのは喫緊の課題として存在しているということなので、これは体制強化というのは特に高分子薬を扱えるスタッフはぜひ評価いただきたいという意見です。
 質問のほうなのですが、専門的なところで分かりにくいところがあるのですけれども、そもそも今まで一変と軽微変更の2段階を欧米並みの3段組みにするということは、概念としては極めて合理的で理解し得るのですけれども、そもそも原則として承認書とは一体何か問題というのがちょっと分かりにくくて、すなわち今回の提案は、一変変更の中身のちょっと軽微なところをすくって2段組みにして、軽微変更はそのまま残すという制度設計の御提案というふうに受け止めたのですけれども、そもそも最終的には全部が変更であるならば、3段組みにするほうが分かりやすいし、一変が2段組みになるとすると、かえって制度が海外から分かりにくくなるのではないかという心配と、そもそも軽微変更は承認書は変更していないのですかね。ちょっと認識が分からないのですけれども、何となく今までは一変変更の重さと軽微変更の差がすごくあって、そこの間のグレーゾーンというのが結構臨機応変と言ったら怒られますけれども、結構幅があったように思うのですけれども、今回、3段組みに直して欧米とそろえるということであれば、承認書という位置づけ自体、一体何を意味しているのかというところを、もう一回一般人にも分かるように御説明いただきたい。軽微変更の場合はどういうふうに扱われているのかということです。
 ユーザー側からすると、結局のところこういったものは、最終的なスペック、仕様というものの等質性を確保していて、それを国が承認しているというためのツールなので、最終的にプロダクトが一定程度の品質の範囲で、はるかに現実な形で規定されていて、最終製品が間違いなく同じもの、承認時と同じスペックであるということであれば、そのプロセスはユーザーからすればどうでもいいということになるのですけれども、承認書というものがあって、これによって等質性、品質というのが確保されているという文書であるならば、その文書の重さというものもあろうかと思うので、その辺の整理をもう一度御説明いただけないでしょうか。
○清田座長 事務局からお願いします。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局から説明いたします。
 承認書とは何かというところなのですけれども、日本の場合は承認書の中に製造方法について具体的に記載していただいて、それを承認するという形を取っています。具体的なイメージは、資料1のスライドで言うと9ページ目が一つのイメージですけれども、これは承認書の中にこういうことが製造方法欄に書かれているということをイメージとして示しております。
 現在の手続としては、一部変更承認であっても、軽微変更届であっても、いずれもこの承認書に記載されている内容について変更・修正する場合には、いずれかの手続が必要となっております。この点については、今後、中等度の区分を設けて3段階に分けたとしても基本的なところは変わらないという形で、承認書の製造方法の記載を変更するときの手続として事前承認か中等度の新たな区分か従来の軽微変更の届出かといういずれかで処理をしていく形になります。
 ただ、今回、もう一つ見直しをする年次報告というところで御説明を申し上げましたが、年次報告の対象とする部分については、承認書の記載とは位置づけを別に整理をして、先ほど参考資料という言葉で説明をさせていただきましたが、承認された事項とは別の参考資料という位置づけにした上で、年に1回変更届出をしてもらうという位置づけにするものです。ですので、その部分だけはこれまで承認書に記載されていた内容が別の参考資料という位置づけに変わってくるというところはあります。
 あともう一点、資料1の最後のスライドですけれども、承認書の記載事項の在り方についても、今後、検討を進めていきたいということを説明させていただきました。これは、承認書の製造方法欄に何をどこまで記載するのが一番よいのかということなのですが、今はここにお示ししている通知に基づいて記載をしていただいています。
 ただ、非常に細かく記載をさせているという現状がありまして、その場合にその内容を少しでも変更しようとした場合に薬事上の手続が発生してしまう、あるいはその変更手続を怠ってしまった場合には、承認書と齟齬のある形で製造が行われてしまうといった状況にもありますので、この承認書の記載内容そのものについても、本当に記載が必要なことは何なのかといった観点でも検討を進めていきたいということで最後に紹介をさせていただいたところです。
 以上で回答させていただいたつもりですが、もし御趣旨をうまく捉えられていないところがあれば、御指摘をいただければと思います。
 以上です。
○清田座長 お分かりになりましたでしょうか。
○花井構成員 よく分かりました。
 つまり、逆に言えば、あくまでこれは手続を合理的にするという議論であって、いわゆる基準自体は動かないのだという理解でいいということであれば、ユーザー側からすれば、むしろ今回の事務局案も、それから業界の方がお示しされたことは、方向性としては合理性という意味では正しいのだろうなとは思います。
 ただ、手続的合理性がある程度クライテリア自体を移動させるということになると、それは一つの大きな論点になり得るので、今回は手続の合理性という理解でよいということを確認できれば、それで大丈夫です。
○清田座長 ありがとうございます。
 それでは、眞島構成員から御質問があるようです。
○眞島構成員 ありがとうございます。3点ございます。
 1点目なのですけれども、先ほど柏谷構成員から、GMP適合性調整制度を使って製造工場の調査の要否はリスクに基づいて判断する、そして決定する方式にしてはどうかというお話があったと思います。大変すばらしいのではないかなと私は聞いていて思ったのですけれども、そこで1つ事例がありまして、2021年8月、多分皆さんも覚えていらっしゃると思うのですけれども、アブラキサンという膵臓がんを含めて様々ながんで使われているお薬が、フェニックス工場で作られているものに関して1年近く出荷停止になり、日本とオーストラリアはそのあおりを受けました。ところが、調べてみますと、オーストラリアのほうはフィニックス工場の薬は出荷停止にはなったのですけれども、他の工場で作っている医薬品をすんなりと輸入することができて、それを不足を回避できたということなのですね。日本の担当者の方に聞きましたら、日本はフェニックス工場でしか認可を受けていないので、イリノイ工場のものは輸入できないのですという話があって私どもも愕然としました。アブラキサンのような世界の医薬品販売額でトップ10に入るような会社が作っている医薬品は、いろいろな工場で作っていると思うのですけれども、それに関しては、工場ごとにこれを承認されているということのようですけれども、柏谷構成員に聞きたいのですが、GNPの新しい制度に基づくと、そういうこともリスクベースになるということで、同じ会社の他の工場の調査というのは承認のためには必要なくなる、オフになる可能性というのは出てくるのでしょうか。もう少し簡素化されるのでしょうかということが一つの質問でございます。
○清田座長 柏谷さん。
○柏谷構成員 柏谷です。ありがとうございます。
 どこの工場で作るかというのは、各国の会社の戦略でもありますので、一概にGMP云々というだけでは語り切れない部分もあるのかなと。
 ただ、リスクベースで考えることによって多少のハードルは下がってくるのかなと思いますので、将来的ないろいろなリスクを会社が考えて、製造工場を積極的に増やしていくという選択肢にも関わってくるのではないのかなとは思います。
 ただ、基本的にはいろいろな製造工場で製造するというのも逆にリスクになったりする場合もありますので、そのところは会社の判断によるのかなと思っております。
○清田座長 よろしいでしょうか。
○眞島構成員 そうすると、一つの会社でもって同じ商品を様々な工場で作っています、それを日本に輸入するという場合は、今、一工場で認可を受ければそこからは輸入できるということなのですけれども、それをもう少し広げて他の工場からの薬も輸入できるということには必ずしもつながらないという御判断ですか。
○柏谷構成員 柏谷です。そのとおりです。制度が変わったからといって急にいろいろ作れる製造工場を積極的に増やすというのも逆にまたリスクになる可能性もございますので、そこは各企業の判断によるものだと思います。
○眞島構成員 分かりました。ありがとうございます。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局からも発言をさせていただきます。
 今の眞島構成員からの御質問の点は、GMP調査のリスクベースでの対応というところの要素、すなわち、リスクの低いところは効率的な形で調査をするということに加えて、医療上不可欠な薬が供給逼迫したときに、よりフレキシブルな規制手続ができないかという別の観点の要素が加わって、全体として何が一番よいかという判断が求められる場面かなと思っておりますので、GMPのリスクベースの調査のみでそこに対応するというものとは少し違うのかなとは理解しております。
 アブラキサンの場合に具体的にどうだったかという詳細はちょっと私も承知はしていないのですが、製造所を切り替えることによって輸入できるということであれば、そのための薬事手続が必要になってきます。その薬事手続も、本当に医療上不可欠なものが逼迫している状況であればそこは最優先で審査をする、調査をするといった柔軟なことはこれまでもやってきておりますし、ある程度は可能かなとは思っておりますので、そういった対応も含めて考えていくことになるかなと思っております。
○清田座長 よろしいでしょうか。
○眞島構成員 ありがとうございます。
 今のに関してのコメントなのですけれども、オーストラリア政府では供給不足の医薬品リストに載った医薬品に関しては、緊急輸入を認めるという政府のルールがつくられています。同じようなことを日本でも薬事制度のルールとして決めることができないのかということが質問でございます。
○清田座長 難しい御質問ですけれども、いかがでしょうか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局からお答えいたします。
 まず、オーストラリアの制度が具体的にどのような制度設計になっているかについては勉強不足で私も詳細を把握できておりませんので、そこはまた確認をさせていただきたいなと思っております。
 日本の場合ですと、例えば今回のパンデミックのような感染症の蔓延といった事態において、特定の医薬品を緊急に使用する必要があるような場合には、特例承認や緊急承認で承認ができるという制度はあります。この制度の下では、品質に関するデータの提出を猶予するとか、GMP調査といった調査も省略・猶予するということも可能な制度になっておりますので、非常に緊急性の高い場合においてはそういった制度が存在するということであります。そこに該当しないような、もう少し一般的な平時であれば、先ほど申し上げたような審査や調査を最優先で急いで行うといった対応をまずは考えていくのかなと思っております。
 あとはもう一つ、薬事手続とは別に、もともと世界の限られた工場でしか作られていないようなものの場合には、その工場でトラブルがあって出荷が止まってしまったような場合、世界全体としても供給が逼迫するということがあります。そうなると、ある国が確保すると別の国が足りなくなるみたいな、世界全体として足りなくなる状況もありますので、その場合には薬事手続とはまた別の観点で考えないといけないこともあるかなとは思っております。
 以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
○眞島構成員 ありがとうございます。
 3点目の質問をさせてください。今は今までの通常の薬品と異なって核医薬品に関してのお話が出てきていなかったかと思うのですけれども、抗がん剤と違って核医薬品は半減期がかけられているために、ストックするということができないのですね。先ほどのアブラキサンの場合も最初にストックがあったので、それを少しずつ使いながらということを学会が決めてくださいましたけれども、我々が使っている核医薬品にはルタセラというお薬があります。大手製薬企業により米国東海岸と欧州で作られていまして、普通に考えれば、例えばニュージャージーの工場で何かあっても別に欧州から輸入できるから大丈夫と思うのですが、実は東海岸と欧州の工場で同時に生産停止の問題が起きました。さらに上乗せするようにヨーロッパで戦争が起きてしまってロジスティックも結構大変なことになったということがあります。今回の薬事規制に関する問題を解決し、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロス問題の解消も含めて、PMDAの方もそうなのですけれども、欧米のベンチャー系の方、あるいは製薬企業の方たちに承認申請しやすいように便宜を図るということが一つの大きな目標になっていますので、こういう方たちにも製造工場を日本に造ってくださいというお願いも同時にできないものかなと思って意見として述べさせていただきました。
 よろしくお願いします。
○清田座長 ありがとうございます。貴重な御意見として承っておきます。
○次世代ワクチン等審査推進室長 外国企業の誘致に関しては、薬事規制の中ではお答えできないので、御意見として承らせていただきたいと思っております。
 ちなみに放射性医薬品に関しては、先ほど核医薬品とおっしゃったのは放射性医薬品のことかと理解しましたが、おっしゃるとおり、様々な国際情勢によって海外から安定的に輸入が難しいケースも生じてくるということで、国産化を今後は進めていきましょうということで、今、政府として動いております。特に治療用の放射性医薬品というのは非常に半減期が短いこともあって、外国で何かトラブルがあったときの影響をより受けやすいというところがあります。この辺りは国産化を進める観点から品質や非臨床試験のガイドライン作りなども含めて、今、研究班なども動き始めて検討を始めているところですので、今後はそういったことを目指して必要な対応は進めていきたいと思っております。
 以上です。
○眞島構成員 ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○清田座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問はございますか。
 成川さん、どうぞ。
○成川構成員 成川です。ありがとうございます。
 今回の議題の中心であります製造方法等の変更管理について、欧米の例にならって中等度変更事項と年次報告を導入するためのフィージビリティースタディーをやるということには賛同したいと思います。ぜひ綿密にやっていただいて、御専門の方々とよく意見交換をして進めていただきたいと思っています。
 1つだけ、今回の御提案の中に中等度変更事項をあらかじめ特定するというフレーズがありまして、そこのフィージビリティーについてもぜひフィージビリティースタディーの中で十分検討していただきたいと思います。と申しますのは、今の軽微変更の制度の中でも、あらかじめ軽微変更に該当するところを特定するというところが課題になっていると聞いておりますので、そこの実際の運用の在り方も含めて試行の中で御検討いただきたいという要望を申し上げます。
 以上です。
○清田座長 これはよろしいですね。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局からお答えいたします。ありがとうございます。
 今回、中等度変更への当てはめについて、最初に特定する方法と、あとは変更が生じたその都度相談を事前にかませることによって判断していくという2つのルートを用意して、それを試行的にうまくいくか、まずはやってみるという形で提案させていただいております。
 実際に進める上では、何が中等度に当たるのかというある程度当てはめの基準となるようなものも必要となってきますし、あとはその都度相談で対応するとなった場合には、非常に大量の相談が一気に来た場合は処理し切れないというところもありますので、その辺のオペレーションがうまく回るかみたいなところも含めて、試行的期間の中で検討していく必要があろうかと思っておりますので、御指摘を踏まえて対応させていただきます。
○清田座長 どうぞ。
○柏谷構成員 柏谷です。ありがとうございます。
 業界からの意見ということで冒頭説明させていただきましたけれども、業界のほうとしましては、先ほど成川構成員からお話がありましたように、事前にこれは一変の事項であるとか、軽微の事項であるという決め打ちではなくて、時間の経過とともにカテゴリーが行ったり来たりするということもございますので、できればその都度、変更時にカテゴリー分けについて議論させていただくという形で将来的には落としていただけたらなと思っております。
 以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局からです。
 その点は今後、業界と規制当局の間で具体的なところは詰めながら調整をしていきたいと思っております。
○清田座長 これはカテゴリー分類をここに当てはめて、そこに当てはめた理由がどうしてこうなったというのは公表していくのでしょうか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 個別の事例についてということでしょうか。ある程度一般化したような基準づくりは必要かと思っております。個社の個々の製品についてこうであるというところまでは逐一公表はしないと思うのですが、一般化した形での基準のようなものはつくっていく必要があるかと思っております。
○清田座長 その基準は時とともに変わる可能性はあるのですね。
○医薬品審査管理課長 そのとおりです。
○清田座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○佐藤座長代理 国衛研の佐藤ですけれども、関連して、リスクベースの裁量の範囲というのは、欧米と日本では違うという認識が必要だと思います。特に後々の判断について刑事責任が問われる日本の規制当局と、問われないアメリカの規制当局では大きくそこのレベルが違っていると思いますので、リスクベースで判断できるようにというので日本ではどのような措置が取れるのかというのは考えていく必要があると思います。恐らく今、御議論いただいているように、判断に関するガイドラインというのを丁寧に作っていかないと、規制当局が自分の裁量で判断するというのはなかなかしにくいのではないかと思います。その辺は御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○清田座長 どうぞ。
○次世代ワクチン等審査推進室長 ありがとうございます。
 アメリカでの刑事責任の取扱い的なところは全く不勉強でしたけれども、そういった国ごとの背景事情の違いなどもあるかと思いますので、日本として最適なもの、一方で国際整合性という観点も必要かと思いますので、その辺りでバランスを取って進めていくのかなと考えております。ありがとうございます。
○清田座長 日本で刑事事件になる可能性というのはあるわけですか。
○佐藤座長代理 例えばエイズの問題などでも、判断について刑事責任を個人が問われています。そういう事例からすると、やはり日本では丁寧にガイドラインを作り込んでおかないと、なかなかフレキシブルな対応が取りにくいのではないかと危惧します。
 以上です。
○清田座長 理解しました。
 宮川先生、どうぞ。
○宮川構成員 私も今、そのことを指摘しようと思っていて、そのとおりなのです。ですから、そういう意味でカテゴリーをしっかりと定めるということを、非常にフレキシブルにやってもいいのですけれども、それができないために逆に2つに分けたりして逃げをつくらせないということをしてきた歴史的な背景があるのだろうと思います。その辺りのところをよく考えながらやっていかなくてはいけないということと、もちろん欧米と日本との違いというのは、審査に関する人的な配置にある程度違いがある。米国とEUと日本でどれだけ違いがあるのかといったら、やはり日本の人的な配置は少ないですね。幾らそのカテゴリーを分けたとしても、欧米ほどの人的な配置がなければスムーズな審査というのはできないし、うまく流れていかない。だから、その辺りの違いにより、年間で30数件、40件以下のところの件数になる。なぜ日本の場合になかなかうまくいかないのかといったら、やはりそういうところもあるという意味で、予算的な裏づけというものが明らかに少ないというところが日本の問題点ですから、その辺りのところもしっかりとこういう会議で主張していかないと、なかなか国が動いていけない。厚生労働省は理解しても、国として理解して動いていくということにならない。
 今般、首相が食料の話で相当なニュースになっているわけですけれども、人間の安全保障に関わるところの話をしているときに、明らかに桁数が違う予算の流れの違いがあるというか、厚生労働省のそういう予算というのは数十億という話で、結局は数百億に上がらない。食料のほうは数千億単位でそういう予算化がされているという明らかに桁が1~2桁違うという形の中で、工夫の中でやっていけることは確かに重要なことだと思いますけれども、そういう考え方を国がしていただかなければ、なかなか進めることができないということは、しっかりとこの検討会で表明していったほうがよろしいのではないかなと思っております。
 以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
 いかがですか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 ありがとうございます。サポーティブな応援をいただいたと理解しております。
 必要な予算や体制については適宜要求を行っていきたいと思いますし、そのときにこういった検討会の場で御了解いただいた方針というのはとても重要な指針になってくるかと思いますので、そういったものに基づいて必要な対応を行っていきたいと思っております。
○清田座長 石井先生。
○石井構成員 国衛研の石井でございます。製造方法欄のことと、局方のことについてコメントさせていただきたいと思います。
 まず、承認書の製造方法等の記載ですけれども、私の理解では、2月10日付通知で示された承認事項というのは、日本はその時点でリスクベースで重要な要素を絞り込んで承認事項としていた一方、海外は添付資料の細かいところまでメンテナンスをして年次報告を求めていたということで、日本は世界に先駆けてリスクベースの考えを取り入れていて、そのことがQ12でのエスタブリッシュトコンディションにつながっていったということもあり、薬事制度として十分しっかりしたものを持ってやってきたと認識をしております。それが一部の不祥事をきっかけに、本質を見失ったような形になってきていることを憂慮しておりました。今回の検討会でも、今日の議論のように現時点での問題を洗い出して、海外との整合性も考慮して、新しい方向に進めていただけることは非常によいことと思います。
 今日の議論にもございましたとおり、どういう変更がどのカテゴリーに当てはまるのかというのは、日本ではこれまで例示が出ていませんでしたので、通知改正の際には具体的な事例などを事務連絡でつけていただくなどすると、うまく運用につながるのではないかということをコメントさせていただきます。
 局方についてもよろしいですか。製薬協の御提案で、欧米局方を日局と同等の局方として受け入れるという御提案が出ておりましたが、これを局方の国際調和と捉えると、非常に御指摘のとおりでありまして、今後進めていくべき方向にあると思いますので、この辺りは厚労省のほうでも御支援いただけるとよいのかなと思います。
 ただ、現状、欧米の局方品であったとしても、日本の当局としては背景データや標準品の情報や変更の背景情報などを得ることができませんので、海外局方品であるからといって直ちに日本でも使えるということではないとも理解しております。その点で一層国際調和が求められるとコメントさせていただきます。
 以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
 これに関しましてはよろしいですか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局からお答え申し上げます。
 1点目につきましては、御指摘いただきましてありがとうございます。御指摘の点を踏まえて、今後、最適な制度の形というのを試行的なプロセスも含めて進めていきたいと思っております。
 2点目の局方の国際整合化につきましては、御説明いただきありがとうございます。この点は業界の御意見としても局方についての御指摘があったかと受け止めております。局方の国際化については、今、国際的にはPDGと呼ばれるグループがありまして、もともとは日米欧でやっていたものを最近、インドも加わって、4つの国・地域でやっているというものです。これは言葉のとおりといいますか、局方の国際的な整合性を目指すというものですが、今、基本的にやっているのは、いろいろな医薬品に横断的に適用されるような試験法であったり、添加物の規格に関することなどについて、整合化できるところは整合化していきましょうという話をしています。
 一方で、個々の医薬品ごとの規格みたいなところについては、国ごとにこれまで定めてきたものもありまして、なかなか整合化が難しいということも聞いております。これは単に日本だけの問題ではなくて、アメリカとEUとの間でも整合化が難しいと聞いておりますので、ここは一気に整合化が進むというものではないかと思うのですが、まずはできるところから進めていきたいと思っております。
 それから、欧州やアメリカの局方に対応したものを日本で受け入れることができないかという点については、日本の薬局方として収載されているものについてはそれに従っていただくということが制度上ございますが、例えば、非常に供給が逼迫しているような場合で、外国の局方に適合したものなら入手ができるみたいなときに、どこまで柔軟な対応ができるかについては検討はさせていただきたいなと思っております。
 以上です。
○清田座長 どうぞ。
○石井構成員 石井です。今の点、補足でコメントさせてください。
 審査管理課から御説明があったとおり、各条の調和のほうが一層難しく、一方で重要だという認識をしております。その際に、製品を持っておられる企業の方からのデータの提供などが非常にクリティカルだと認識しておりますので、業界からのサポートを是非お願いできたらと思います。
 以上です。
○清田座長 もうちょっと具体的におっしゃっていただけますか。
○石井構成員 すみません、日局と欧米局方で、例えば規格及び試験方法が違う場合に、ヘッドトゥーヘッドで比較したようなデータなどの御提示がありますと、日本の当局としても科学的な判断ができて受入れが速やかに進むという認識をしております。
○清田座長 柏谷さんからどうですか。
○柏谷構成員 ちょっと専門性に欠けるところがあって申し訳ないのですけれども、企業へのデータの提供依頼に関しては、適切に企業のほうから御回答申し上げているプロセスがあると思いますので、恐らく企業は提供しないという形ではないように思うのです。
○石井構成員 ありがとうございます。
 個別の事例までは把握できておりませんので、そのように認識して、また必要なルートで御相談があるのかなと思います。ありがとうございます。
○柏谷構成員 柏谷です。もし必要なものがあれば、それは適切に厚生労働省さん経由、もしくは日薬連経由で提供を促すということもプロセスとしてあるのかなと思いますので、また御議論させていただければと思います。よろしくお願いします。
○石井構成員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○清田座長 川上先生、どうぞ。
○川上構成員 川上です。
 資料1に関連してです。最後の対応の方向性については賛同しておりまして、特に反対というのはございません。
 2ページ目の背景のところですけれども、基本的には国際整合や調和については、各国によって制度が違うので、医薬品の製造方法の変更手続きを共通化していこうとの背景で書かれています。一方、資料4のジェネリック医薬品の産業構造検討会の取りまとめのことを考慮すると、背景として国際調和のことのみならず、例えば国内製造で主に国内市場向けの医薬品についても、新薬や長期収載品であってもジェネリック医薬品であっても、その製造方法の変更に関する薬事審査を合理化することは製薬企業にとってメリットがあり、医薬品の安定供給にもつながるかと思います。この資料1が最終的には本検討会の取りまとめのベースになっていくと思いますので、その背景は国際調和のことのみならず、国内向けに作られている医薬品や当該企業にも配慮して、今回のような対応を取っていくとの旨を背景の中にも書き込んでいただくと、より良い取りまとめになるかと思いますのでお願いいたします。
 以上です。
○清田座長 ありがとうございます。この目的ですね。ゴールというか、それも記載していただければ。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局です。御指摘ありがとうございます。
 この2ページ目に書いているところは、今、一番問題が大きく発生しているところの代表的なものとして、このようなグローバルなサプライチェーンの事例を紹介させていただいておりますが、今回の変更手続の見直し、リスクの程度に応じたカテゴリーの考え方というのは、国内で製造が完結するものについても基本的には同じ考え方が当てはまるのかなと思っておりますので、我々としてはその前提の下でずっと資料を作ってきたつもりだったのですけれども、御指摘の点は誤解のないように、今日の議事録で私の発言も残るかと思いますし、資料自体については今日の資料を差し替えるとかではないかとは思うのですが、最後に通知化していくときに当然どういった場合に適用されるかというところを明らかにしますので、そこで誤解のないような形にしていきたいと思っております。
○清田座長 よろしいでしょうか。
○川上構成員 ありがとうございます。
○清田座長 どうぞ。
○成川構成員 たびたびすみません、成川です。先ほど議論になった薬局方の問題について一言だけコメントさせていただきます。
 最近の後発品を中心にした安定供給の問題の中で、薬局方の果たす役割といいますか、その影響というのは大きいと認識をしています。私の記憶では、PDGという国際調和の活動が90年ぐらいからかれこれ30数年続いているわけで、一般試験法の合意など進捗してきているのですけれども、大きな目標である局方の調和というものに向けて、現時点でどれくらいの位置にいるのかというのがちょっと分からないところにいます。つまり、もう少し辛抱して継続していけば明るい未来が見えてくるのか、あるいはまだまだトンネルの先は長くて、1キロぐらいのトンネルの中の50メートル付近にいるのかがよく分からないので、御解説いただきたいのと、もし後者であるのであれば、安定供給という側面からは別の出口を見つける努力もしないといけないのかなということを最近感じておりますので、その辺りについて専門の先生、あるいは事務局の方からお考えをお聞きしたいなと思っております。
 以上です。
○清田座長 事務局の方から。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局から説明をさせていただきます。
 局方の整合化については、業界の柏谷構成員からの説明では局方の一本化みたいな究極的な姿の説明もあったかと思いますが、そこについてはまだ非常に長期的な課題かなと思っております。先ほど申し上げたように、整合化可能な部分は既に議論は進めているのですが、やはり整合化が難しい部分も非常にたくさんあります。そこは日本がこだわっているだけではなくて、アメリカにはアメリカの考え方があり、欧州には欧州の考え方があって、それぞれですり合わせが難しい部分もあるかと思いますので、それを一気に加速するというのはすぐには難しいのかなと思っております。
 一方で、私が先ほど少し申し上げた欧州や米国の薬局方でその規格に適合しているものを日本が受け入れるかどうか、そこは日本の判断になってくるかと思っております。そこについて、例えば供給逼迫を解決するためにそういったものを速やかに受け入れることが解決に資するような場面であれば、そこはフレキシビリティーなどを考えていくこともあり得るのではないかなと思っておりますし、具体的なことは少し検討させていただければなと思っておりますが、そういった問題意識でおります。
○清田座長 よろしいですか。
 どうぞ。
○PMDA審査マネジメント部長 事務局のPMDAの審査マネジメント部です。局方のPDGの活動は今、進んでおりまして、御存じようにICHの局方の部分がPDGという3国の局方の国際会議のほうに移りまして、今、試験方法と添加物の調和の合意が進んでおります。合意をすると言われている試験方法で31のうち30の調和が終わりまして、今、それぞれの手続を進めているところです。添加物に関しては62品目の調和をしようということですが、そのうち48の合意が終わりまして、今、国内の手続を進めているところです。
 先ほど審査管理課からもお話があったように、PDG自体が今まで日米欧だったのですが、インドが入りまして国際化が進む中で、国際調和を進めなければいけないということになっておりますので、今後、進めていきたいと思っております。
 あと、石井構成員がおっしゃったみたいに、各品目の調和というのはなかなか難しいところでございますが、こちらも少しずつ国立衛生研究所の先生方との協力も得まして進めていきたいと思っております。その中で、石井構成員がおっしゃられたように、日本の場合はどうしても実測値というか、データを先発メーカーから提供いただいて、それをベースにして規格、試験方法等を設定しておりますので、そこのところは私どものほうから各社の方々に情報提供をお願いしているところです。が、なかなか局方に入ってもメリットがあまり得られていないということで、なかなか労多くして益少なしというのが企業の方々の思いなので、協力がなかなか進まないというところではございます。今後とも国際調和に向けて、今、大きく背景も変わりましたし、我々のほうも国際調和は重要と考えておりますので、進めていきたいと思っております。現状は以上のとおりでございます。
○清田座長 よろしいですか。
 トンネルのどのぐらいだというのも答えてください。
○PMDA審査マネジメント部長 トンネルに向かって見ていて遠くに出口が見えているというぐらいかなと担当としては思っております。
○清田座長 だそうです。別の出口はまだ見つからないのではないですかね。
 どうぞ。
○柏谷構成員 先ほど成川構成員から遠い出口であるならば別の方法もという話がありましたけれども、今、企業としてうんとうなりたいところが、実はUSPであったり、EPであったり、もちろん英語で書かれております。それを日本の承認書に記載する場合は、わざわざUSP・EPを日本語に訳して、別紙規格として添付して日本の国から承認をいただかないといけないというステップを踏んでおります。どこまで受け入れるかというところになるのですけれども、せめてUSP・EP等の他国が局方としているものに関してはそのまま英語で受け入れていただくことも検討いただければ、別の局方の考え方としてはいいのではないかなと思っております。
 以上でございます。
○清田座長 いかがですか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 そこについては少し検討が必要と思いますが、例えば日本のものを逆に向こうが受け入れてくれるかといったら、それは受け入れてくれないと思いますので、そこは相互的なお互いに恩恵のある形を実現するという観点も必要かなと思っておりますし、あとは日本の局方にこれまで基づいてきた体系の上に積み重なっているというところも踏まえて、何ができるかということは引き続き考えていきたいなと思っております。
○清田座長 ありがとうございます。
 石井先生、どうぞ。
○石井構成員 国衛研の石井です。たびたび失礼いたします。
局方の収載に関しまして、20年前かもっと前だったのか、私が薬事に関わる前だったのですけれども、当時は局方に収載されることで、薬価の観点でインセンティブがつくような仕組みがあったと聞いております。経緯があってそこはなくなったとも聞いておりますけれども、局方に収載するに際してそれなりのリソースを企業の方に費やしていただく必要があるステップもあると思いますので、日本の公定書を維持・管理していく上でそういうところに予算を割くという方策が復活できるのかどうかも、可能であれば御検討いただけたらと思います。 以上です。
○医薬品審査管理課長 事務局ですけれども、私の記憶ですが、今でも薬価に関して言うと、最低薬価について局方にインセンティブがついていると認識しております。
 また、局方の国際調和について一般論で申し上げると、先ほどの柏谷先生に異論をつけるわけではないですけれども、外国の局方の和訳が無駄なので英語で認めろということで、それで現状の供給不安がなくなるのであれば、別に訳すだけなら今はGoogle翻訳でも全然訳せると思いますのでそれはそれで議論してもいいと思うのですけども、先ほど成川構成員が言われたように、本当に遠いのだったら別の道ということだと言われましたけれども、現状の供給問題に影響するのであれば、日局の対応についても柔軟に対応しますし、そういう方向でやっていかざるを得ないと思います。一方で、局方というのは重要な制度でありますので、その整合性を併せて取っていくということだという理解をしております。
○清田座長 よろしいでしょうか。
 ほかに御質問はございますか。
 どうぞ。
○奥田構成員 奥田でございます。
 資料1の事務局からの御提案において、方向性についてはそのとおりでいいと思っておりますが、一つの疑問としては、フィージビリティースタディーとして試行していくということでおっしゃっていたかと思いますけれども、この試行が本来は品質を確保することの目的で規制がかかっている、それを変えたことによるアウトカムがどうなるのかということに関して、変えたことによってのマイナス面がないということは前提だと思うのですが、その辺りの評価や問題がなかったからこれで成功だという判断をどのようにしていくかという考え方について教えていただければと思います。
○清田座長 お答えできますか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 品質への影響が今回の見直しによってどれぐらい生じるのか、生じないのかみたいなところのアウトカムの評価というのは、なかなか難しいものがあるかと思っております。品質のトラブルが起きる要因というのは、この変更手続だけに起因するものではなくて、様々なほかの要因もたくさん複合的にある中で起きてくるものだと思いますし、かつ、変更手続をしてから事が起こるまでのタイムラグみたいなものも何年かかるのか分からないところもありますので、直接的な効果の測定みたいなものは少し難しいといいますか、少なくとも私がこうやればできるだろうみたいなアイデアがすぐには思いつかないところではあります。
 一方で、最近も問題になっている品質上の課題については、決して品質上の問題が増えるようなことがないようにしなければいけないというのは当然守られないといけないところかなと思っております。この点については、この検討会が始まるきっかけにもなった別の有識者会議においても、最近の品質に起因する安定供給の問題を踏まえて、GMP調査の在り方であるとか、薬事監視の国と都道府県との連携であるとか、あるいはその質の向上といった指摘もなされています。
 GMPのところについては業界からの御提案の中にも今回含まれていましたが、それについては、早ければ次回の検討会で適宜議論をさせていただきたいなと思っております。そこは単純な緩和ということではなくて、どうすれば必要な品質管理をきちんとやっていくことができるかという観点も当然必要かと思っておりますので、そういったことも含めて、次回以降、議論をさせていただければと思っております。
 以上です。
○清田座長 よろしいでしょうか。
 花井構成員から御質問がございます。よろしくお願いします。
○花井構成員 花井です。ありがとうございます。
 先ほどちょっと行政官と刑法との関係に私どもの件で言及があったので、若干コメントしておきたいと思います。アメリカは、確かに国賠訴訟そのものは不可能なので、相当違う。行政責任というのが日本と違うということは事実ですが、刑事に関しては、ヨーロッパではエイズに関しては刑事責任を追及されている例があって、日本とヨーロッパではそんなに違いがないというところがございます。
 したがいまして、今のPMDAの方々もそうですけれども、一時期行政官がそういうことがあったので、保守的になっているみたいなところもございますが、現状は決してそんなことは恐らくなくて、それなりにまっとうな仕事をしている人が個人的に訴えられるということは起こらないということで理解してよいのかなと思います。取りあえずアメリカはその辺は屈強なので、ヨーロッパでは基本刑事責任を追及。フランスをはじめそうでありましたという認識です。
 それから、先ほど安定供給とGMPとの関係にも言及がございましたので、一応コメントをしておきますと、薬事でも血液はずっと多局生産と安定供給でやってきているので、実は血液製剤に関しては薬事なのだけれども、血液法によってある程度のコントロールをするという立てつけがございます。医薬品は全体として使えなかった場合にどうなるかというと、大体一番高く買ってくれるところに流れていくという構造になっており、一部の国、具体的に言うとカナダですが、一定程度政府内に供給責任という形で置いて、ショートしたときにはそこは契約によって優先供給をする契約が成り立っていて、その供給責任があるがゆえに、そのセクションが優先供給契約を結んで、自国の安定供給を確保するという立てつけも血液関係では存在しています。
 したがいまして、今回の訴訟の範囲外ではありますけれども、安定供給というときに、薬事でそういった立てつけを新たに追加して、供給責任を持たせるのも難しいとは思いますが、様々な計画であるとか受注体制をビジランスして、これから先も通用するセクションを薬事上に位置づけるという制度設計は、血液にならえば可能性はあるかなと認識しております。できましたら、そういうことも検討していかないと、今後、実はこういった規制のある程度の手続の緩和だけでは、やはり経済力によって薬が来ないということには手をつけようがないということもありますので、一つの検討は必要かなと思います。
 あと、GMPに関しても意見がございますけれども、次回以降、GMPの議論をされるということなので、今のところは以上でございます。
○清田座長 ありがとうございます。
 御提案として承っておきます。
○次世代ワクチン等審査推進室長 事務局です。ありがとうございます。
 御提案について承って、こちらの内部の検討で活用させていただきたいと思っております。
 安定供給のところに関しましては、薬機法上に位置づけるかどうかは別にして、本日、資料4でも紹介させていただきましたように、安定供給に関連するような情報の開示を求めるとか、それに基づいて市場で評価されたり、あるいは薬価等の関連制度の中で見ていくという中間取りまとめも出されておりますので、またそちらの会議で薬事・薬価以外の観点も含めて引き続き議論が行われていくとも承知しておりますので、また必要な部分は薬事側とも連携をして対応していきたいと思っております。
 以上です。
○清田座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○中村構成員 中村でございます。
 資料4-1に関係してもよろしいでしょうか。後発医薬品がメインなのですけれども。
○清田座長 何ページですか。
○中村構成員 資料4-1のまとめの一枚紙でございますけれども、緊急時の対応支障に関する云々と書いてあって、それから、公表事項以外の企業情報も評価に反映し、評価結果を薬価制度、その他医薬品に係る制度的枠組みに活用するということが書いてあって、非常に大事だと思うのですけれども、小児科学会の薬事委員会には、ここ数か月で10品目以上の薬の安定供給のための薬価再算定の手続をするためには学会から臨床上の必要性が高いという書類が必要であるということで、厚労省宛ての書類を出していただけないかというところで相談を受けているのですけれども、その中にはほぼ1社しか作っていないようなところがあって、年間の累計が1億も行かないようなもの、昨日も小児科学会の理事がよくぞこんな薬の販売を続けてくださってありがとうございますとおっしゃっていましたけれども、そういう薬がございます。
 そういったものが、実は聞いてみると1か所の工場でしか作っていなくて、福島のときにも、1か所の工場で作っていた薬が、工場が被災して甲状腺系の薬の流通がかなり厳しかったと聞いています。具体的にそれをどうやって解決したかの細かいところは私は内分泌医ではないので、専門外なので理解していませんけれども、そういう必須な医薬品で、抗がん剤などだと高い薬ですけれども、本当に安いのだけれども、小児科みたいなところに必須な医薬品で、すごく供給量が少なくて、会社としてほとんどもうかっていないのだけれども継続して作ってくれているような医薬品の会社は、本当に小児科医としては頭を下げたいというところなのですね。だから、そういった会社にインセンティブをちゃんとつけていただけるような枠組みがあると、小児科のお医者さんたちはとてもうれしいなと。
 実は昨日も2つの会社のヒアリングをして、そこでどこの工場で作っているのですかと言ったら1か所で、ここが被災してここで作れますかと言うといやと言って、それ以上言うと申し訳ないので、そういった可能性があることも含めて今後御検討くださいと申し上げたのですけれども、安定供給というのはそういったことも含めて御検討いただけると、我々小児科医としては非常にありがたいので、ぜひ御検討ください。
○清田座長 ありがとうございます。
 小児科だけではないですね、いっぱいあります。
○中村構成員 そうですね、成人でもそうかもしれません。小児科は特に薬価が安いので、見ているとこんな値段のものをよく売ってくれているなというのがいっぱいあるのです。
○清田座長 ですから、それをここで議論していこうということなのだと思います。
○中村構成員 はい、ぜひ。ありがとうございます。
○清田座長 よろしいですね。
○次世代ワクチン等審査推進室長 ありがとうございます。
 様々な課題があるものと認識しております。この検討会は薬事規制のところを取り扱っておりますけれども、ほかの課にも御指摘、問題意識を共有しながら、省として対応していきたいと思っております。
 以上です。
○清田座長 どうぞ。
○医政局医薬産業振興・医療情報企画課ベンチャー等支援戦略室長 恐れ入ります。医政局医薬産業振興・医療情報企画課でございます。私どもの部署で安定供給を担当させていただいております。
 今、御指摘いただきました小規模の企業も含めて、安定供給に関して各企業に対してどのような支援が行われているのかという点につきましては、資料4でも触れさせていただいておりますが、薬価の観点も含め、あるいはそのほかの方策も含めてどのような支援ができるかという点については引き続き私どもも含め検討させていただきたいと思います。
 1点補足をさせていただきますと、先ほど複数の委員からも御指摘をいただきましたように、今回、御議論いただいております製造方法の切替え等の問題につきましては、現在の供給不安にも関係していると考えております。現在、供給停止が発生している品目の中には、製造上のトラブルや原材料のサプライチェーン上の問題等に原因があって、製造方法等の改善や原材料の供給元の切替えに一定の手続が必要となっているケースもあるため、その手続きに必要なリソースや期間の短縮等が図られるということは、現在の供給不安の改善や将来の供給不安リスクの低減にも資するものだと考えておりますので、私ども安定供給の担当者としても、御議論いただいております制度の合理化・迅速化についてはぜひ進めていただきたいと切に感じております。
 以上でございます。
○清田座長 どうぞ。
○宮川構成員 宮川でございます。
 今、中村構成員からお話がありまして、座長もすごくうなずかれていましたが、いろいろな疾患の中でそういう薬が存在するということで、この安定供給のところでは、企業の可視化だけではなくて、明らかなインセンティブとペナルティーをしっかりと考えていただくことが必要です。インセンティブもなくてはいけないし、ペナルティーもなくてはいけない。そういうものも含めた可視化というものが必要で、そういうことを企業に約束してもらう、御協力いただくということの中でこの安定供給を実現できる形が出てくるのではないかなと思いますので、ぜひともそこは国としても進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○清田座長 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。今日は大体皆さんのイメージが出来上がって、ここを変えていきましょうと。ただ、変えるに当たってはちょっとクリアカットな線引きができない部分もあるという感じの理解で終わりたいと思うのですけれども、それでよろしいですか。
○次世代ワクチン等審査推進室長 ありがとうございます。
 事務局から提案させていただいた対応の方向性については基本的に合意いただいたものと受け取らせていただきます。
 一方で、試行的にまずやってみるというところに委ねている部分もありますので、そこは試行的にやった結果によって最適な姿というのがまた見えてくるかと思いますので、それも踏まえて最終化をさせていただきたいと思っております。
 また、もう一点、途中で申し上げたのですが、品質に関する事項として、GMP調査や薬事監視に関するテーマについては次回以降の会議で改めて議論の場を設けさせていただきたいと思っております。そちら側の議論も含めて、全体としてこの品質をどのように確保していくかという在り方については、それぞれの整合性などを含めた総合的な最適化を図っていく必要があるかと思っておりますので、もし今回御了解いただいた対応の方向性の中で必要な見直しが発生する部分があれば、そこはまた立ち戻って検討はさせていただきたいと思っておりますが、本日の時点では御了解をいただけたものとして進めさせていただければと思っております。
○清田座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○柏谷構成員 柏谷です。
 今日の話題ではなくて、1点確認なのですけれども、第1回のところでオーファン指定に関して検討会で議論させていただいて、前回、MRCTに参画する際の日本人症例ということで、そちらも厚労省さんからの具体的で分かりやすい資料の提供とともに、ここの検討会で合意を得られたと思っています。あれだけ適切な資料を提出されると、企業側としてはいつ通知としてリリースされるのかという期待が高まっておりまして、MRCTは先月ですので、しかも英語化が伴いますので時間が多少かかるだろうという話をしていますけれども、オーファンに関しては7月に議論された内容ですので、いち早く通知をしていただきたいと思っているのと、もし何か今、行政当局のほうでオーファンの通知を出すに当たってもめているとか、発出できないような理由があれば、ここで明らかにしてほしいなと思っています。
○清田座長 ちょっと趣旨が違いますけれども、何か情報があれば。
○次世代ワクチン等審査推進室長 これまでの検討会で御了解いただいた方向性に従って、必要な通知等の作成を今、それぞれ平行しながら動かしているところです。どうしても詳細な部分を詰めたりとか、実際にうまくワークするも含めて最適なものはどういったものであるかというところの調整に少し時間がかかっているというところであります。ここについてはなるべく早く進めさせていただきたいということ以上の具体的なことは申し上げられませんが、いずれの方向性についても非常に重要なことをこの会議の場で決めていただいたと思っておりますので、それが実際に実装できるような形に持っていけるよう、速やかに進めさせていただきたいと思っております。
○清田座長 鋭意努力をしていただいておるようでございますので、カミングスーンということで御理解いただければと思います。
 本日の検討会は以上ですが、事務局から何か御報告があれば、お願いいたします。
○次世代ワクチン等審査推進室長 特段の報告事項はございませんが、次回については改めて委員の皆様に御案内をさせていただきたいと思います。
○清田座長 ありがとうございます。
 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。お疲れさまでございました。