第56回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会・第79回厚生科学審議会感染症部会(合同開催)議事録

日時

  • 令和5年9月15日(金)10:00~12:00

場所

新橋ビジネスフォーラム(8階)

議題

第一部(感染症部会単独開催)
(1)匿名感染症関連情報の第三者提供に関する有識者会議の提言について(報告)
(2)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状について(報告)
(3)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況及び取組状況等について
第二部(合同開催)
(4)風しんの追加的対策の現状について
(5)今シーズンの季節性インフルエンザワクチンについて

議事

議事内容
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、ただいまから第79回厚生科学審議会感染症部会を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日、議事進行を務めさせていただきます感染症対策部感染症対策課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
 今回の議事につきましては、公開となります。また、前回と同様、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますYouTube撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 本日の会議は、ウェブ会議で開催することとしております。
 ウェブ会議の開催に当たりましては、会議の進め方について、これまでどおりですけれども、御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、挙手機能を用いて挙手いただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載いただきまして、部会長から指名されてから御発言いただくようお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしております番号までお電話をいただきますようお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠席の状況につきまして、御報告いたします。
 本日は2部構成となっておりまして、第1部は感染症部会単独開催、第2部は予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会との合同開催となります。
 初めに、第1部、第2部、両方御出席いただく感染症部会の委員の方々から御報告いたします。出席につきましては、通信の確認も踏まえまして、こちらからお名前を申し上げましたら一言お返事をいただければと思います。五十音順に失礼いたします。
 味澤委員。
○味澤委員 味澤です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 賀来委員。
○賀来委員 賀来です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 釜萢委員。
○釜萢委員 釜萢です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 越田委員。
○越田委員 越田でございます。どうかよろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 調委員。
○調委員 調です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 菅原委員。
○菅原委員 菅原です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 谷口委員。
○谷口委員 谷口です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 中野委員。
○中野委員 中野です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 成田委員。
○成田委員 成田でございます。カメラの調子が悪いようで、今、調整中です。失礼いたします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 森田委員。
○森田委員 森田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 山田委員。
○山田委員 山田です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 四柳委員。
○四柳委員 四柳です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 なお、小西委員と戸部委員からは御欠席の連絡をいただいております。
 現在、感染症部会委員19名のうち17名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づきまして、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 なお、本日は、オブザーバーとしまして、国立感染症研究所から鈴木様、全国保健所長会より藤田様、全国知事会より玉川様の御出席をいただいております。順番に通信の確認のために一言いただければと思います。
 鈴木様。
○鈴木参考人 鈴木です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 藤田様。
○藤田参考人 藤田です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 玉川様。
○玉川参考人 玉川です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○杉原エイズ対策推進室長 なお、以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿、座席表、資料1から5、参考資料1から5となります。不備がございましたら事務局までお申し出ください。
 また、9月1日付で厚生労働省に感染症対策部が設置されましたので、部会長決定に基づきまして、本部会は感染症対策部感染症対策課が事務局を行うこととなります。
 最初に、感染症対策部長に着任いたしました佐々木より御挨拶申し上げます。
○佐々木感染症対策部長 先生方、皆様、こんにちは。改めまして、厚生労働省感染症対策部長の佐々木でございます。
 政府においては、次の感染症への対策、準備に万全を期するために、9月1日付で内閣官房に内閣感染症危機管理統括庁を設置し、厚生労働省の健康・生活衛生局に感染症対策部を設置いたしました。
 部長は、私、佐々木が務めさせていただきます。また、担当の審議官で鳥井、企画・検疫課長に森田、感染症対策課長に荒木、予防接種課長に堀を配して、繰り返しになりますが、万全を期したいと考えております。
 さて、新型コロナウイルス感染症につきましては、本年4月27日の本部会で、病原性が大きく異なる変異株の出現等の科学的な前提が異なるような特段の事情は生じていないことが確認され、5月8日から感染症法上の5類感染症に移行いたしました。
 その後も感染状況を注視しながら、様々な対応を行ってきたところでございますし、何よりそれぞれの医療機関、市町村、都道府県、保健所、また、高齢者施設、薬局、様々な皆様に御協力をいただき、5か月近くなろうとしているところでございます。
 この間、政府といたしましても、3月10日の政府コロナ本部決定に基づいて、当面9月までの措置としての支援措置等を行ってきたところでございます。これまでの状況を踏まえて、本日は今後の考え方を事務局より報告をしたいと考えております。
 また、前回の本部会で御指摘をいただいた新型コロナウイルス感染症の罹患後症状や、匿名感染症関連情報の第三者提供の有識者会議の提言についても御報告したいと考えております。
 さらに、予防接種・ワクチン分科会基本方針部会との合同で、風しんや季節性インフルエンザについての御議論もお願いしたいと考えております。
 いずれも、現在、そして、今後の感染症対策のために非常に重要な課題でございます。委員の皆様方におかれましては、専門的な御知見を基に、忌憚のない御意見をいただきますようお願いしたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、着任及び冒頭の御挨拶とさせていただきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いしたいと思います。
○脇田部会長 それでは、ここからよろしくお願いいたします。
 また皆様の活発な御議論をいただきたいと考えていますが、今日は議題も多く、そして、この後ワクチン分科会の基本方針部会がありますので、少しタイトになります。ですから、少し時間を見ながら議事を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。意見が言い切れないといった場合には、またメールで事務局にお寄せいただければというところも出てくるかもしれませんので、なるべく簡潔に御意見を言っていただければと思います。事務局からの説明も簡潔にお願いしたいと思います。
 まず、議題ですね。今日は第1部の感染症部会が3題ございます。
 最初の議題の1「匿名感染症関連情報の第三者提供に関する有識者会議の提言について」ということで、事務局から資料1の御報告をお願いいたします。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
 資料を御説明させていただきます。議題1「匿名感染症関連情報の第三者提供に関する有識者会議の提言について」でございます。こちらは、報告事項となっております。
 こちらの経緯でございますけれども、昨年の感染症法の改正において、発生届等の感染症関連情報について、匿名化した上で第三者提供を可能とする条項が新たに規定されたところでございます。この法律については、令和6年4月1日からの施行が予定されており、施行に向けて具体的なガイドライン等に関して御議論いただくために、本年4月の当部会でも報告いたしましたが、健康局長が参集を求める有識者による会議を設置して、検討を進めてまいりました。今般、この有識者会議の提言が取りまとめられ、全文は参考資料1として配付させていただいておりますが、その概要が資料1として現在投映されているものになってございますので、こちらを基に御説明をさせていただきます。
 まず「基本的な考え方」ということで、制度構築に必要な具体的な事項を検討するに当たって共通する考え方を5点お示ししております。
 1点目が「国民保健の向上に資すること」でございます。本制度の立法趣旨を踏まえますと、感染症の重症度、ワクチン・治療薬の有効性、感染症の臨床経過や予後の分析など、ほかの情報と連結することによって可能となる分析が求められていることから、これらの具体的な社会ニーズに対応できるような制度設計を行う必要があるといった点でございます。
 2点目でございますけれども、こちらは「差別・偏見への配慮と個人情報保護の徹底」でございます。感染症法の基本理念を踏まえれば、まずは人権を尊重した制度となることが前提でございます。さらに、感染症関連情報については、患者等の機微な情報が多く含まれることから、個人情報の保護に万全を期す必要があり、匿名化された情報についても、個々の項目から個人が特定されないように留意する必要がございます。さらに、利用者への提供あるいは利用者が結果を公表する際の留意といたしましては、特定の社会属性を持つ層に対する差別・偏見につながらないようにすることが求められます。
 次、3点目は「感染症対策における基本的な調査等への国民の信頼・理解が得られるものであること」です。感染症関連情報の収集に当たっては、医療機関・保健所といった現場で診療や調査を実施する主体と国民の間での信頼関係が重要となります。将来の感染症対策の調査に対して国民の信頼・理解を損なうことがないように十分配慮した制度となることが求められます。
 次、4点目が「可能な限りの迅速な提供を実現すること」でございます。こちらは情報の抽出・提供が容易にできるよう、提供項目を必要な項目に絞るとともに、迅速性が失われないように複雑なデータ構造とならないように配慮することが必要となります。
 最後、5点目が「サーベイランスというデータの特性に留意すること」でございます。感染症法に基づき収集されるデータについては、蔓延期における医療機関・保健所の業務の逼迫や、そうした業務の負担の軽減を図るために行った発生届等の内容の絞り込みなどを踏まえますと、個々の項目の入力率やテキスト情報の入力内容にはおのずとばらつきが見られるといった特性があり、そういった点に留意することが必要ということでございます。
 次のスライドをお願いします。こちら、今、御説明した5つの基本的考え方に沿って、制度の個々の事項に関して「具体化に向けた提言」としまして、以下、掲げてございます。
 まず「(1)匿名感染症関連情報の提供等について」でございます。
 Iですけれども、提供可能とする感染症の候補です。第三者提供の仕組みは、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれのある感染症を念頭に置いて立法化されたものでございます。このため、次の感染症危機に備え、平時から運用経験を蓄積するため、また、大規模にデータが蓄積され、個人特定のリスクが比較的小さくなっているCOVID-19について提供をすると。ただし、中長期的には、運用実績や具体的なニーズ等を踏まえまして、平時から発生の多い疾患についても範囲拡大を検討するということが提言されております。
 次、IIが「提供項目の選定」でございます。国民保健の向上を目的とし、より幅広い研究者等が解析結果を創出できるよう迅速に提供していくことが重要である一方、感染症対策の調査に対して、国民の信頼・理解を得られることが提供の前提となります。このため、提供に当たっては、積極的疫学調査に基づく情報や発生届の項目のテキスト情報については、現時点では提供の対象としないこととして、また、個人特定に至らないように具体的提供項目を選定する際は、提供時に審査を行うことが提言されております。
 次、IIIが「連結対象とするデータベース等の候補」でございます。ほかの公的データベースとの連結に当たっては、法令上の根拠や技術的な連結可能性に加えまして、連結解析の具体的なニーズがあるかといった点を考慮する必要があり、制度開始当初は、具体的なニーズが確認できるNDB、DPCDB、介護DB、予防接種DBといった公的データベースが連結候補として考えられるとしております。また、連結先の拡大を検討する際には、具体的なニーズを把握した上で、個別に検討すべきといった点が提言されています。
 次のスライドをお願いします。「(2)情報の適切な取扱いについて」でございます。
 Iが「匿名化の方法」でございます。感染症法における匿名感染症関連情報については、感染症法56条の41において、その情報を復元することができないようにするため、厚生労働省令で定める基準に従い加工された情報とされているところです。この匿名化に当たっての加工情報については、NDB、介護DBといった連結先の基準を下回ることがないよう、同等性のある基準を策定すべきであること、さらに、発生症例が少ない時期の提供データについては、個別審査の中でその可否を判断することが望まれるといった点が提言されています。
 IIが「データの管理方法等」でございます。感染症法56条の44において、匿名感染症関連情報の利用者は漏えい等の防止の安全管理のために必要かつ適切なものとして厚生労働省令で定める措置を講じる必要があります。当該省令の具体化に向けまして、NDB、介護DB等の安全管理措置と同等の運用が保たれるよう省令を整備すべきであること、さらに、将来的にはより安全な解析環境を提供することを目的として検討されているHICの活用を視野に入れることが提言されています。
 最後に「(3)提供時・公表時における審査の在り方について」です。こちらにつきましては、解析結果の公表により個人が特定されたり、社会の特定層に不利益が生じることがないよう、提供時のみならず、公表時にも一定の審査を行う体制を確保することが望まれるとともに、提供時・公表時の審査ガイドラインについては、NDB等の運用も踏まえて具体化を図るといった点が提言されています。なお「相当の公益性」については、本制度が国民保健の向上に資する医療に関する分析といった点を主眼としている観点から、NDBにおける「相当の公益性」を有する業務を参考にするといったことが併せて提言されています。
 次のスライドをお願いします。今後の進め方についてでございますけれども、有識者会議の提言により示されたことは御説明したとおりでございまして、今後はこの提言内容を踏まえまして、関連する政省令案の策定を進めていくとともに、ガイドラインや利用者向けマニュアルの策定を行っていくこととしております。あわせて、データベースに必要なシステムの改修等を行い、令和6年4月1日の施行・運用開始に向けて準備を進めていくこととしているところでございます。
 報告内容は以上でございます。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、委員、参考人の皆様から御意見、御質問等ございましたらお願いしたいと思います。ごく簡潔にお願いできればと思いますが、いかがですか。
 それでは、谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。谷口です。
 こういう形で公開されることはとてもいいことだろうと思います。ただ、目的の中に、臨床的な治療の有効性やワクチンの有効性なども期待されていますので、恐らく連結しないと、今の届出情報だけでは何もできないと思いますので、今後の連結においては十分お考えいただくことが大切かと思います。
 2点目は、集計情報、もう既に個人情報のない定点データなど、こういうものはすぐにでも提供できるのではないかと思いますが、こういったサーベイランスデータの研究への提供に関してはどうお考えになっているのか教えていただければと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 せっかくこういった制度ができても、それをうまく活用していただかないと意味がないので、その点についての御質問だと思いました。
 ほかに手が挙がっていないので、事務局から谷口先生の御意見にレスポンスいただけますか。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
 御質問ありがとうございました。2点御質問いただいたかと思いますけれども、まず、データ解析に当たっては、ほかのデータベースとの連結が重要でないかという点でございますけれども、こちらは提言案でもございましたけれども、もともと連結されることを想定して検討を進めておりまして、連結対象とするデータベースといたしまして、NDBやDPCDB、介護DB、予防接種DBなどを想定しておりますので、ここら辺の連結ができるだけスムーズに行くように、今後ガイドラインやマニュアルの検討を進めていきたいと考えております。
 2点目、集計データの公表というところでございますけれども、こちらは今までも感染研でIDWRでございますとか、年報という形で各種必要なデータは取りまとめさせていただいているところかと思いますけれども、今後もし追加したほうが良いデータがあるということでございましたら、また検討は進めていきたいと考えているところでございます。
 簡単でございますけれども、回答は以上でございます。
○脇田部会長 谷口先生、もう一度、どうぞ。
○谷口委員 定点集計データは、感染研から公表されているのはごく一部でございまして、年齢群別のデータ、あるいはそういったより詳細な解析ができるデータは全く公開されていませんので、いい機会だと思いますので、そこを一緒にお考えいただけるといいかと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 その点は事務局にもぜひ御検討いただくようにお願いしたいと思います。
 そのほか、いかがですか。
 私から1点だけ、この提供の依頼というか、申請というか、それが許されるのは国内のみですか。それとも、外国からの提供依頼も受け付けることになりますか。
○横田感染症情報管理室長 こちらは基本的には法律で想定しているのは国内からという形になるかと思いますので、外国は国内の適当な代理人をもし必要があれば経由するなどの形が考えられるかとは思っておりますけれども、その辺も含めて今後マニュアルやガイドラインの中で必要に応じて整理は進めていきたいと思います。
○脇田部会長 分かりました。
 いずれにしても、このデータを活用していただいて、分析を広くしていただくこと、迅速にやっていただくことは非常に感染症対策上も重要になるということで、こういった検討がされていると思いますので、使いやすい方法、それを検討していただければと思います。
 さらなる御意見はよろしいでしょうか。
 もしなければ、今日、谷口先生からの御意見がございましたので、それも踏まえて、今日御報告いただいたこの提言に沿って検討をさらに進めていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次の議題に参ります。議題の2ですね。「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について」、こちらも御説明をお願いいたします。
○荒木感染症対策課長 事務局でございます。
 資料2「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について(現状、研究報告、今後の厚生労働省の対応)」について御報告させていただきます。
 これは前回の部会におきましても、複数の先生から御意見をいただいております。
 1ページ進んでいただきまして、罹患後症状につきましては「現状」というところに書いてありますように、WHOの定義においても、新型コロナウイルスに罹患した人に見られ、少なくとも2か月以上持続し、他の疾患による症状としての説明がつかないもの、通常は大体感染から3か月たった時点にも見られるということで、その3か月たった時点の2か月以上、そこまで2か月以上続いているということで定義されております。国内外においても様々な研究あるいはそういう疫学情報が出ておりますが、今の定義に従いまして、国内においての状況について大規模な研究をしました。その結果についての報告が今回の趣旨になります。
 主な症状は、こちらに記載のとおり、疲労感・倦怠感あるいは関節痛、筋肉痛といったいわゆる一般的な症状であったり、記憶障害あるいは頭痛等、そういうものがあるということで、多くの症状は基本的には経時的に改善するという一方で、1年後、12か月後にも症状が残存している患者さんが一定程度存在すると言われております。
 特に国内においての罹患後症状に関する主な課題として、例えば非感染者、コロナに感染していない方でも先ほどのような症状は呈することがあるのですが、それを対照群に置いた研究が限られている、あるいは小児に関する研究も限られている、あるいは流行株、直近ですとオミクロン株が流行株の主流になっておりますが、この流行株による罹患後症状を比較した研究は限られている、あるいはワクチン接種状況に関するそことの関係という報告は限られているということでございますので、この辺りの課題を少し分かるような形での研究報告を今回させていただきます。
 次のページ、お願いいたします。研究の一覧ということで、大きく2つ分けております。1つ目は厚生労働科学研究ということで、今回赤印にしております昨年度の実態調査、こちらの研究成果について御報告いたしますが、令和2年度から実態調査あるいは疫学調査という形でさせていただいているのが厚生労働科学研究で、下段の日本医療研究開発機構(AMED)研究は、例えばいわゆる病態解明であったり、あるいは治療薬の実用化研究だったり、そののような形の研究をしているものです。これは令和4年度から、そして、令和5年度も引き続きさせていただいているものでございます。
 次のページに参ります。今回「新型コロナウイルス感染症による他疾患を含めた医療・医学に与えた影響の解明に向けた研究」という大きな研究の中でさせていただきました。研究目的、COVID-19感染者の罹患後症状の疫学状況ということで、疫学状況のいわゆる交絡因子として解析しましたのは、例えば年代であったり、あるいは流行株別であったり、ワクチンの接種歴というものについて、さらに、これについて非感染者と比較した実態調査を行ったものでございます。対象は、大きく八尾市、品川区、札幌市の御協力を得まして、総計総で20万人弱ぐらいの大規模な研究となっております。方法ですが、自記式アンケート(オンライン回答および質問紙回答)ということで、今回小児もかなり多く、特に札幌ですと10万人規模で小児の方にも協力をいただいておりますので、保護者が回答している形になっております。罹患後症状の定義、先ほど申し上げましたように、感染から3か月経過した時点で、それまで少なくとも2か月以上持続していた症状ということで、この項目自体は国際的なISARICのフォローアッププロトコルの項目を採用したものでございます。
 主な結果は次のページに参ります。まずは罹患後症状の割合でございますが、今回の研究で何らかの罹患後症状を有したと回答した割合は、成人のほうが小児よりも2~4倍高かったということでございます。非感染者との比較でございますが、感染者が罹患後症状を有した割合は、非感染者が何らかの症状を有した割合よりも2~3倍高かったという結果になっております。あとは感染時期(流行期)による比較ということで、罹患後症状を有した割合は、アルファ・デルタ株が流行していた時期に比べまして、オミクロン株流行期で低かったというデータになっております。これは成人・小児、双方とも同じような傾向を示しております。そして、感染前のCOVID-19ワクチン接種歴による比較でございますが、罹患後症状を有した割合は、未接種者に比べまして、成人・小児とも感染前のワクチン接種者で低かったということになります。
 下の留意事項が重要でございまして、1つ目は、回答率について、症状のある人のほうが高くなるという回答バイアスであったり、あるいは少し前の話でございますので、感染者、非感染者ともに想起バイアスと呼ばれるような影響も否定できません。一番下に書いてありますように、ワクチンと罹患後症状の関係については、そもそもそれを検討することを目的とした研究デザインではございませんので、最終のワクチン接種からの経過時間あるいはワクチン接種者と非接種者の受療行動の違い等のワクチン接種に関する因子が調整されておりませんので、この結果、データの取扱いについては留意が必要だということになります。
 次のページでございます。今、結果Iで申し上げました具体的な数値というものがこちらになります。例えば4段目「症状があった者の割合」ということで、先ほどのいろいろな想起バイアス等もございますが、おおむね成人ですと10%から20%程度ということになっております。一方で、小児はこれよりも低い5%、6%程度というのが「症状があった者の割合」となります。非感染者はそれに比べて低いというデータをそちらに記載させていただいております。あとは訴える症状として、特にそこから2つ段落下「非感染者と比較し、訴えの割合が高かった罹患後症状」として、特徴的な味覚障害あるいは嗅覚障害というのは、小児はデータを取っておりませんが、成人についてはどこのコホートでも特異的に多かったということになります。ワクチン接種状況との関係については、先ほど申し上げましたように、留意が必要でございますけれども、「調整オッズ比」と書いてありますように、接種された方のほうが接種しなかった方よりもオッズ比として0.45あるいは0.75、0.52ということで、小児も含めて少し症状を呈するリスクが低かったというデータになっております。
 次のページでございます。最後でございますけれども、今後の対応でございます。今、御報告しました研究については、厚生労働科学研究、より中長期的な影響の観点で住民調査の継続と実態調査を行いたいと思います。特に「罹患後症状についての経年的な推移」、そして「罹患後症状のリスク因子」について、もう少し深掘りできればと思っています。さらに、AMED研究は、より詳しく病態解明あるいは治療につながる等の研究を行ってまいりたいと思います。
 さらに、本結果も含めて医療現場への周知・共有でございます。医療現場のみならず国民への正確な情報発信も必要だと思いますけれども、診療の手引と呼ばれるものにつきまして、現在ございますけれども、それをできるだけ早く本年中に、今、申し上げました国内の研究あるいは国外の研究も含めた最新知見を盛り込んで改訂したいと思っておりますし、全ての都道府県において既に公表は完了しておりますが、罹患後症状の診療を行っている医療機関のリスト、こちらも適宜都道府県と連携しながらアップデートしたいと思っております。
 さらに、経済的な支援制度として、引き続き既存の支援制度の周知ということで、労災保険あるいは障害年金等、あるいは生活困窮者自立支援制度等に基づいて、丁寧な相談支援事業も引き続き行っていきたいと思っております。
 以上、説明になります。
 参考につけておりますのが、少し詳細なこの研究班のデータであったり、一つ一つのコホートの取りまとめであったりするものでございますので、本日は説明は割愛させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの御説明を踏まえまして、委員、参考人の皆様から御意見、御質問等あればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 谷口委員、お願いします。
○谷口委員 研究結果についてレビューいただきまして、ありがとうございました。
 これは国民の健康に関わることですので、研究結果を基に、日本国政府はこれをどう考えているのかを明確に言っていただいたほうがいいのではないかと思います。しかも、その政策を考えるに当たって、まだこういう課題があるのであれば、それを国家的に進めるべきではないか。実際に出てくるのは、起こった後医療機関を整える、起こった後支援するというお話がほとんどでしたけれども、これを防止するために、国民の健康を守るために、国家は、審議会はどう考えるかは大事なことなのではないか。欧米は、全て例えば抗ウイルス薬によって後遺症の発生率が減らせる、あるいはワクチンによって減らせるというのを明確に国民に伝えて、実際に今後これが長引くに従って医療費もかかるわけですけれども、政府はどちらがコスト・ベネフィットがいいのかも踏まえて政策判断をしていただく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがですか。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。ありがとうございます。
 この調査については、本当に自治体の多数の方の御協力があってということで、初めて見たのですけれども、これをどうするか、何のために調査をしたのかを明らかにしていただくこととか、WHOや欧米が先行して調査しているということで、そこに日本も同じような概念でこのような状況があることを、海外との比較もしていただきたいと思いますので、症状や対策について御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 ほかはいかがですか。
 賀来先生、お願いします。
○賀来委員 ありがとうございます。
 罹患後症状の問題は非常に重要だと思います。現在、東京都でも数回ほど医療従事者向けのワークショップを開催し、きたる10月1日に学校関係者の方々に対してもワークショップを開催します。また、ワークショップに加えて、リーフレットなどのいろいろな資料も含めて公開しています。先ほどからも御意見がありますように、国民の方に広くこの罹患後症状のことをしっかりと知っていただく、そして、医療従事者の方々にも知っていただくことが大切だと思います。また、谷口先生が言われましたように、罹患後症状をどのように予防していくのか、いわゆる抗ウイルス薬で感染ウイルス量をできるだけ下げていく、あるいはワクチンなどの効果、そういったことも併せてぜひお伝えいただければ、それも広くお伝えいただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ここで一区切りさせていただきまして、事務局からレスポンスいただきますけれども、ワクチンの有効性であったり、治療薬の有効性、罹患後症状にも有効であることも周知をしていくと。抗ウイルス薬などは最近は軽症であまり医療機関にもかからない人も多くいると思いますので、周知も重要だと思いました。
 事務局からレスポンスいただけますでしょうか。
○荒木感染症対策課長 事務局でございます。
 谷口委員、白井委員、賀来委員も含めて、本当に御指摘、御助言をありがとうございます。まさに御指摘のとおりで、国としてこのような形で大規模に調査をさせていただきつつ、フォローアップも今年度もさせていただきますけれども、今のお三方の先生に御指摘いただいたように、まずは国民への正しい理解、普及啓発、そして、医療の専門家の方々にもその対象についての手引等のアップデートだけではなくて、より予防という観点あるいはこういう症状が出ることがあるのだよということも含めて、引き続きの研究の中ではそういう因子を捉えて、そして、国として発信できればと思っております。引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、時間の関係もありますので、ここで次に進ませていただきたいと思います。
 それでは、議題の3ですね。新型コロナウイルス感染症の感染状況と取組状況ということで、また御説明をお願いしたいと思います。
○荒木感染症対策課長 資料3「新型コロナウイルス感染症の感染状況及び取組状況等について」でございます。
 前回の感染症部会でもこちらのフォローアップ、最新の状況について御説明申し上げておりますけれども、前回7月以降の状況についての御説明になります。
 それでは、1ページめくっていただきまして、こちらは前回と全く一緒でございます。感染症の位置づけ変更、5月8日以降に基づきまして、このIの発生動向、そして、医療体制、患者対応、感染対策、ワクチンということで、それぞれの項目についてのアップデートを今回させていただきたいと思います。
 次のページ、お願いいたします。2ページ、これはIの発生動向の部分でございます。全体像はここに書いてありますように、これも大きく変わっておりませんけれども、新規入院者数、重症者数については、週次の基幹定点という形で進めさせていただくことを考えているところでございます。引き続きG-MISについても入院調整等で使用されているという実態もございますし、併せてこちらで両方、複層的な形でのサーベイランスを取りたいと思っております。
 次のページでございます。実際の直近の数字でございます。8月28日から9月3日ということで、コロナについては全国平均20を超える状況でございます。報告の推移がその右にございますように、一旦お盆前に14と下がったのですが、それ以降もまた少しずつ増えている状況が把握されているところでございます。都道府県によって若干差異はございますが、全国平均としての状況はそうなっています。
 次のページをお願いします。ビジュアルになっておりますのが、この4ページでございます。青の棒グラフを見ていただくと、お盆の前に少し下がっております。昨年のこの時期の流行も大体二峰性のような形になっておりましたので、しかも、今は9月、新学期が始まって、下の報告数の推移の中での年齢区分を見ていただくと「10歳未満」あるいは「10~14歳」、この辺りが少し増えている状況になっております。
 次のページでございます。これは先ほど申し上げましたG-MISのほうのデータで、新規入院者数については、8月の末に少しピークを迎えて、直近のデータとしては少し下がって見える状況でございますし、重症者数についても少しプラトーに達してきているのかという状況でございます。
 次のページをお願いします。6ページでございます。こちらは超過死亡ということでございますが、オレンジのところが直近の3週間のデータでございます。一番直近のデータについては過小という形になっておりますが、これは直近ほど過小になると。死亡届の遅れ等に伴う報告の遅延がございますので、これからまた後を追って増えてきますので、今の段階では判断できませんけれども、こういう状況、超過死亡は発生していないという状況でございます。
 次のページ、検査についても70万件を超えている状況でございます。
 次の8ページ、これは変異株でございます。変異株についてはEG.5.1が少しドミナントになりつつあるということで、この赤の線の2023年33週を基に、今の時点37週を予測した数値でございますが、より一層ドミナントになるのかということでございます。右の下に「世界的な発生動向とリスク評価」を新たに付け加えておりますが、現在主流のXBB系統あるいは過去のBA.2系統からスパイクたんぱくとして30以上のアミノ酸変異を有するような変異株BA.2.86というものが新しく出ていることについて、こちらに書かせていただいております。
 次のページ、お願いします。これも発生動向の一つでございますが、療養状況、入院病床の状況でございます。一番左の下のカラムが入院者数2万3000人強ということで、それぞれ確保病床と確保病床でないところで半数ずつ入院されているという全国の状況でございます。
 さらに、次の10ページでございます。これは救急搬送困難事案数ということで、夏の暑い時期の熱中症等も含めてあった部分がございます。大きいときには500%、コロナ前の日に比べて500%ということで、かなり厳しい状況であったということでございます。今は少し下がったように見える状況でございます。
 ここまでがサーベイランスの発生動向ですが、今回新たに11ページでございます。次のページです。これまでも御報告してきております抗体検査ですね。献血の血液、検査用の検体の残余検体を用いたものでございまして、第1回が昨年の11月、第2回が今年の2月、そして、前回第3回の報告が5月分、そして、第4回がそろいましたのが今年の7月分ということで、4回そろったということでございます。簡単に言いますと、上のカラムの「この結果」の部分ですが、第3回時点では42.8%だったものが、第4回では44.7%という形になっているということでございます。
 次のページをお願いします。都道府県別検体数をそろえてやっていますので、それをビジュアルとしてグラフに表したものでございます。青っぽいものが1回目、2回目で、3回目、4回目が赤っぽいもので、特に赤が濃いもの、これが4回目のデータになって、直近のデータです。1~2回目に比べて、3~4回目は上のほうにほぼ各県ごと来ているかというデータにはなっております。
 次のページでございます。これも今の似たようなことで、各都道府県別ではなくて年齢群に分けた抗体保有割合ということでございます。これも色の具合としては赤のほうが3回目、4回目でございますけれども、年齢ごと、若い世代のほうが男女に分けても5割を超える抗体保有率となっております。
 次のページ、お願いします。ここは後でまた参考人の鈴木先生にもフォローいただきますけれども、民間検査の残余検体、献血では測れない、いわゆる若い世代も含めたあるいはより高い年代を含めた献血ではない民間検体を用いた抗体の状況でございます。詳細は鈴木先生にお話をいただければと思っています。
 次のページでございます。医療体制、患者対応ということで、10月以降の見直し等の基本的な考え方という資料でございます。これまで9月末までについては、5類移行の新たな体系に向けた取組を実施してきております。そして、来年の4月、通常の対応へ移行する前提として、この10月から来年の3月末まで取組の見直しをし、重点化を図っていくということです。なぜかというと、冬の感染拡大にも備えて、重点的・集中的な入院体制の構築・確保が必要だろうということでございます。
 次のページでございます。具体的にはこちらの医療提供体制の移行の部分でございますけれども、こちらについての現状と具体的な措置と書かせていただいておりますが、例えば外来、入院、入院調整の部分については、3月10日の本部決定以降、5類移行前、そして、現行ということで、ある程度外来対応あるいは確保病床によらない形での入院患者の受入れ等、段階的に進めてきたところでございます。来年4月の移行に向けまして、移行計画等を延長しつつ、冬の感染拡大にも対応していきたいと思っているところでございます。具体的にというところで、一番右の措置にございますように、まずは移行計画の対象に外来を追加しますということでございます。一方で、設備整備あるいは個人防護具の確保などの支援は継続していくということでございます。入院については、新たな医療機関による受入れの促進とともに、確保病床については対象・期間を重点化した上で継続していくということでございます。そして、入院調整については、基本的には引き続き医療機関間で入院先を決定でございますが、行政による調整の枠組みも維持するということでございます。特に感染拡大局面における困難ケース等については、必要に応じて支援ということかと思っております。
 次のページ、17ページでございます。今のこと、特に確保病床のところをシェーマで表したものでございます。具体的な部分につきましては、対象範囲、いわゆる対象者につきましては「重症・中等症IIを中心とした入院患者」に重点化するということ、全国の傾向から、先ほど申し上げましたように、移行計画の5.9万人のうち、最大入院患者数の25%程度であります1.5万人の方が対象になるのではないかと考えているところでございます。また、国において感染状況に応じた段階あるいは即応病床の目安を示させていただきたいと思っておりまして、それに応じた病床確保料の支給を行うほか、額については、こちらに書いてありますように、診療報酬特例の見直しも参考にということで、現在の8割程度にすることとしております。下のイメージ図の赤い斜線が即応病床のイメージでございまして、10月中については、赤での四角に書いてありますように経過措置を導入するようなこととしております。10月の1か月間につきましては、感染状況にかかわらず段階I相当の即応病床を認めるということも考えているところでございます。
 次のページでございます。診療報酬については、ちょうど今、中医協を行っておりますが、ここに書いてありますように、現場の実態を踏まえて、点数の見直しを行っていく形になります。
 次のページでございます。患者等に対する公費支援でございます。コロナ治療薬あるいは入院医療費の自己負担分に係る公費支援、こちらについては、患者の急激な負担増が生じないように配慮しつつ、見直しを行った上で継続したいと考えております。治療薬につきましては、9月までについては、治療薬自体の費用は全額公費支援という形になっておりましたが、10月以降の対応では他の疾病との公平性の観点も踏まえまして、自己負担なしの扱いから、一定の自己負担を求めつつ、公費支援を継続したいと思っております。その自己負担につきましては、医療費の自己負担割合に応じた見直しということで、例えば高い重症化予防の効果がありますお薬が9万円以上するということでございますので、3割負担の方でもその1割ぐらいを持っていただきたいということで、3割負担の方で自己負担の上限を9,000円、2割負担の方を6,000円、1割負担の方を3,000円という形での見直しを行いたいと思っております。
 入院医療費でございます。現行は高額療養費制度の自己負担限度額から2万円を減額する形になっております。コロナの入院期間につきましては、5類移行後、5月8日以降ですけれども、そのデータとしましては、インフルエンザとほぼ同等の入院期間となっているところでございます。一方で、診療報酬上の特例加算も見直しはされるものの、例えばインフルエンザとはまだ差があるということでございますので、他の疾病との公平性の観点、そして、来年4月以降は通常の医療を目指すということでございますので、入院医療費について、高額療養費制度の自己負担限度額からの減額幅を今の2万円から1万円という形で見直して、公費支援を継続したいと思っております。
 次のページをお願いいたします。高齢者施設等への支援でございます。高齢者施設におきましても、各種支援を実施する中で、このコロナ感染症の流行時はもとより、落ち着いている状況においても、施設内療養は当然一定程度行われているところでございます。今後感染拡大、冬の感染拡大も予想されますので、医療逼迫を避けることなども考慮して、施設内療養あるいは医療機関からの受入れを行う施設等への支援というのは、一部要件あるいは金額等を見直した上で継続したいと思っております。具体的には、まずは感染者が発生した場合のかかり増し経費につきましては、この新型コロナ感染者への対応に係る業務手当について、1人当たりの補助上限として4,000円を設けるということ、次の施設内療養の補助ということで、現行、通常の補助1万円/日、追加補助1万円/日でございますけれども、こちらについては、補助単価として5,000円に見直すということ、追加補助の要件がクラスターの発生人数になっておりますが、大規模施設で現行5人以上というところを10人以上、小規模施設で2人以上というのを4人以上という形で見直しということを考えているところでございます。
 次のページをお願いいたします。今までのところが患者あるいは医療体制のところで、もう一つの続きとして、これは前回の感染症部会でも御指摘いただきました、いわゆる住民への注意喚起の目安は何らかないのかということでございます。インフルエンザのようにしっかりと複数年のデータがそろっているわけではないので、なかなか難しいところではございますけれども、こういう形で先生方の御意見も踏まえまして、過去の状況を踏まえ、この夏の新規患者数の増加あるいはこの冬の増加もあることを考えた際に、一定程度の目安を国として示すということを考えました。目安の設定の考え方あるいは目安の活用方法をこちらに書いておりますように、基本的には今、都道府県さんで独自の目安もつくられております。ですから、その独自の目安も当然使っていただきますし、必要であればこちらの基準を参考に設定していただきたいという趣旨でございます。具体的な目安は、例えば外来状況調査と呼ばれるものが25%を超えるとき、あるいは定点当たり報告数も、前回の例えば第8波以降の直近の波の外来逼迫の割合のピーク時から2週間前の定点報告数を超えるときということで、それぞれの都道府県で違った数字になろうかという部分はございます。あとは在院者数とか、確保病床使用率ということで、第7波、第8波等の直前の波の状況を勘案して、各都道府県で設定する際の目安としていただければと思っております。
 次のページをお願いいたします。基本的感染対策ということで、これはいわゆる感染対策の中での国民等への普及啓発の部分です。これはポスター・リーフレットあるいはSNS等を通じて、時宜に適した形で引き続き発信したいと思っています。
 次のページでございます。これはワクチンでございます。ワクチンにつきましては、春季接種については1日当たり約56万回というのが最高値として出ておりますが、次のページでございます。全体としては全国で2割、65歳以上は56%の方が打っていただいたということになります。
 最後のページでございますけれども、秋接種につきましては、9月20日スタートということで、用いるワクチンはXBB対応の1価のワクチンを基本として、もう間もなくスタートという状況になっております。
 それと、申し訳ございませんでした。19ページに戻っていただいてよろしいですか。説明の漏れがございました。欄外に小さく書いてありますが、冬の感染拡大に備える観点からということで、継続するものにつきまして、高齢者施設等における行政検査ということで、高齢者施設あるいは医療機関においてクラスターが発生あるいは医療従事者に対する周辺検査という場合には、行政検査として実施する際には補助を継続するということ、もう一つは、自治体さんが設置されておりますコロナの受診相談窓口、こちらについての公費支援も継続することを考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 抗体保有調査ですかね。
○荒木感染症対策課長 鈴木先生、お願いいたします。
○脇田部会長 お願いします。
○鈴木参考人 14ページ目について、簡単に説明させていただきます。今回から初めて実施した調査ですので、その調査の方法論等について少し御説明させていただきます。
 前のページで説明されました献血の残余を使った抗体保有調査の問題点が、16歳以上から69歳までしか調査対象にならないということで、高齢者の方、また、小児の方の情報が全く得られていなかったことが指摘されておりました。そこで、今回診療所の残余血清を使った抗体保有調査を企画しました。各診療所から民間検査会社に検査が依頼されていますが、その民間検査会社の残余血清を使って抗体の保有割合を評価するということになります。。このような調査は欧米では既に実施されておりまして、データが出てきております。そこで、日本でも同様の調査ができないかと考えて実施したものになります。
 こちらが結果になりますが、この結果の中で非常に重要なのは、0歳から14歳までのところの抗体保有割合が日本で初めて分かったということ、また、高齢者におきましても今年度の抗体保有割合が得られたということになります。その値のほうですが、献血調査で対象となっている年齢層において全体として、献血調査のデータと大きく変わらなかったということになりますが、年齢構成別に見ていきますと、若い方で献血調査よりも高い抗体保有割合という結果となっております。これについては、それぞれ調査におきまして、対象としている集団が異なりますので、どうしてもそこの選択バイアスがかかってしまって、結果に違いが出てくることになると考えております。
 一方で、年代間の傾向は一致していることが非常に重要で、特に今回重要なのが、小児に関しましては、20歳代と同じ程度の抗体保有割合で推移しているというところ、また、69歳以上の高齢者のところに関しましては、69歳とほとんど変わらないか若干低下する程度であることが分かったということと考えております。このようなデータは日本ではなかなかありませんでしたので、今後の対策を考える上では非常に貴重なデータと考えております。
 以上になります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、皆様から御発言をいただきますが、時間も限られているということを申し上げていますので、この案件に関しては皆様から御意見をいただくという形にしますが、簡潔にいただければと思います。いつもどおり「あいうえお」順で参りますので、順番に皆さんから御意見をいただくことにしたいと思います。
 まず、味澤委員からお願いいたします。
○味澤委員 国としては段階的に、本当の5類になるのは来年ということなのですけれども、今のところはうまくいっているのではないかと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。
 こちらからは17ページの病床確保料の取扱いについて、コメントを述べたいと思います。そのページの上段の説明部分の3つ目の○の文章があるのですけれども、病床確保の対象範囲を「重症・中等症IIを中心とした入院患者」に重点化すると記載されています。この部分で、単に「重症・中等症II」とせずに「重症・中等症IIを中心とした入院患者」としたことは、重要な対応であると考えています。現在も使われている「重症・中等症II」という重症度分類は、デルタ株以前のウイルス性肺炎を前提としてつくられた分類です。オミクロン株以降は、ウイルス性肺炎を起こさずに中等症以上に悪化し死亡する高齢者が増加しています。そのため、当初の重症度分類では、診療現場における必要人員など、現在の医療負荷とは合わなくなっています。5類移行後に新たに加わった医療機関の多くは、軽症例の患者を対象とする病院です。次の冬に向けては「重症・中等症II」には当てはまらないが、実際には診療や救急搬送への大きな負荷となる患者の受入れが重要なポイントとなることが予想されます。そのような対象者を「重症・中等症IIを中心とした入院患者」という枠組みに含められるようなリスク対策につながる制度設計をお願いしたいと思います。
 こちらからは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、大曲委員、お願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。大曲です。
 病床の確保料に関しては、入院患者さんは高齢者が増えまして、区分上は中等症Iなのですけれども、実際に見に行くと全身状態が悪い方が非常に多いのが現実ですので、そういう方々が確実に入院できるような病床の確保に資する、そのような制度にしていただければと思います。重症者だけではないのだ、いわゆる呼吸不全の人だけではないのだということです。
 そういう方々、入院される方々を減らす、させないという意味では、介護施設等へのサポートは極めて大事だと思っています。そもそも医療や院内感染防止対策が届かないところに届けるという意味では、相当の負担がかかるのだと思うのですけれども、その対策に関わられる先生方あるいは職員の方々の負担に応ずる形でのこのような加算等の対応は御継続いただければと思います。ここに力を入れるかどうかは、ベッドの確保という観点にも響いてくると思います。
 あとは、長期的に確保病床以外の病床でどれだけコロナの方を入院として受け入れていくかを考えたときには、負担というものは考える必要があると思います。インフルとの比較でよく語られますが、現実にはコロナの入院患者さんの医療者の負担は大きいですし、在院期間も長いというところです。それに見合う診療報酬になっているかというのは、正直、現場の医療者としては疑問を感じているところであります。ですから、長期的なところでは診療報酬上の対応は御検討いただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、賀来委員、お願いします。
○賀来委員 今、2人の先生がお話になりました入院に関する意見については私も同じ意見であります。もう一つは、治療薬についてですが、非常に高額となります。先日も外来に来られた方が、お金がかかるのだったらもう治療薬はいりませんということもありました。そのような現実を踏まえ、患者さん、国民の方々が治療を受けやすいような状況をこれからも継続してつくっていただければと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
 今日はまず先ほどの鈴木先生の御説明にもありました抗体価の調査に関して、非常に貴重なデータをお示しいただきました。質問を申し上げたいことは、海外のデータと簡単には比較できないとは思いますけれども、我が国のこの抗体の獲得状況が例えばイギリスなどと比べてどうなのかについて、後でコメントいただければ幸いでございます。
 病床確保に関しては、既に御発言いただいた方々のとおりでありますが、先ほどの荒木課長さんの話でも、10月に入ってまずこの17ページのIのところから考えるというお話です。一方で、17ページの上の四角のところに書いてありまして「重症・中等症IIを中心とした」は、もう今村先生のおっしゃるとおりなのですが、新型コロナ全入院患者の25%を目指すと。来年の4月以降はコロナ体制を卒業するという大きな方針の中で段階的にやっていくので、理解はしていますが、9ページのこの入院の直近の状況を見ても、確保病床に入っているのと一般病床に入っているのが半々の状態で、まだこれだけの方が入院している事実もありますので、混乱を来さないように注視して見ていっていただきたいと思います。
 それから、G-MISの利用に関しては、従来の方向よりもさらにG-MISを引き続き重視してその情報を利用するという方向については、大変意義が深いと思って賛同申し上げます。医療機関はG-MISの入力が大変だという面もありますけれども、しかし、もう大分慣れましたので、この提供した情報がしっかり利用されることは重要でありますので、その点の評価を申し上げたいと思います。
 それから、予防接種について一言ですが、23ページのこの5月8日以降の実績を見ますと、65歳に至らない方々の65歳未満の接種はかなり限定的ですね。来年の3月までは6か月以上の全国民が受けられる環境が整っているので、そのワクチンの接種機会を無駄にしないで、接種をもう少し受けていただいたほうがよいのではないか。特に今日御説明のあった罹患後症状との関係である程度物が言えるのであれば、そのことも含めて予防接種についての啓発を国民の皆さんにすべきではないかと感じました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 私から2点申させていただきたいと思います。1点目は、地域の実情とその対応ということで、資料3の2ページ、新型コロナの発生動向の把握について述べさせていただきます。
 医療機関からの発生届による全数報告は、昨年9月に全数把握が見直されたものの、保健所では感染者数の大まかな把握と、少なくとも入院患者につきましては、その後の感染者の状況もきっちり把握できておりました。しかし、5月8日以降は定点サーベイランスによる感染者の推移と県が5類移行後も取りまとめている病床使用率、さらに、平成17年2月に発出されました健康局長の通知、健発0222002号「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」、実はこの通知がまだ生きておりまして、高齢者施設からはおおむね10名以上の感染者が出たときに保健所に御報告をいただくことになっております。これらの情報から、地域での感染状況を推測しております。高齢者等の施設内クラスターは、サーベイランスには反映されていませんが、保健所ではこれらの情報から施設には機を逸せず職員が早期介入を行って、施設内感染状況の把握やゾーニングなどの指導を現在も行っております。
 振り返ってみますと、今回の感染は症状が非常に軽いので、当初は動き回ることができる幾つかの精神科病院で数十人単位の爆発的なクラスターが探知されました。しかし、病状が悪化して医療機関に搬送されて入院した場合、保健所は入院調整には関わっておりませんので、実態をつかみ切れていないのが現状でございます。また、診療所、いわゆるクリニックによっては、発熱患者の診療制限や外来での検査を行うか否かによって、クリニックごとの受診者数や逼迫状況が一律でないため、その逼迫度の量的把握は難しくなってきております。金沢市内の診療所のG-MISの入力の割合は、日によって多少差はありますものの、クリニックに関しましては約25か所、市内の診療所が437ございますので、5%程度です。したがって、G-MISで逼迫状況を把握するというのはなかなか難しいかという思いを持っております。逼迫と回答している医療機関が25%を超えるという指標は、住民への注意喚起等の目安には難しいかというのが現状でございます。
 とはいえ、私どもは定点報告、サーベイランスによる感染者の推移であるとか、入院病床使用率であるとか、入院患者数などを総合的に判断いたしまして、市長の定例会見や市の公式LINE、実は公式LINEの登録者は市の人口の約45%になっておりますので、そういった形でアラートを発信しております。ちなみに、市内43か所あります病院では33施設、77%が毎日G-MISを入力下さっています。
 2点目は、集団風邪の報告について気がついたことを報告させていただきます。
 厚労省から今年度は9月4日の週、36週からインフルエンザ施設別発生状況の新シーズンの調査開始との事務連絡がございました。この事務連絡では、例年同様、国への報告及び公表はインフルとインフル様症状を呈するものとなっております。新型コロナと診断された場合は、インフル様症状を呈していても、省かねばなりません。石川県では、県庁の担当課から県教委に対して、報告の際に可能な限り新型コロナと診断された感染者の報告も求める依頼をしてくれましたので、金沢市保健所でも9月4日以降の市内の学校での状況、学級閉鎖や休校措置の要因がインフルか新型コロナかを知ることはできます。ただし、この情報は公表されておりません。
 本市では、8月後半から市内の高校の学校祭が始まりまして、4年ぶりの従来型フルパッケージの開催のため、自分の高校だけではなくて、他校にも足を運ぶ高校生が非常に多かったので、新型コロナ、インフルいずれも高校生を中心に感染が拡大しておりました。そういう情報が医療機関から漏れ聞こえてきておりました。しかし、既に8月から感染拡大があっても、9月4日以降の新シーズンの前ですので、インフルエンザ施設別発生状況調査には反映されていません。特に今年はインフルが夏場でも感染者が多かったこと、新型コロナの感染が相変わらず広がっていることを考えますと、今後集団風邪の発生調査のちょっとしたピットホールかもしれません。今年だけの現象であればこのままでもいいのかもしれませんけれども、インフルの通年流行、新型コロナとの同時流行が今後も起こり得るならば、集団感染のシーズン調査の見直しも必要になってくるのではないかといったことを感じております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
 この間というか、5月8日から5類になってから9月までということで、その間についてはいろいろな移行期間でありましたので、あるべき地域医療体制の再構築を各自治体で努めてきたと思っています。大阪におきましても、880万都市ですが、入院調整を本当に病病でやっていただきまして、セーフティーネットで府が調整をしていた窓口については僅か3件だけで、保健所の調整も全くしないで入院していただいている状況がありました。そういうことを考えますと10月からですけれども、まだ段階的というところにつきましては、地域格差というか、地域の医療資源であるとか、その辺の地域医療体制の違いがあることを考えながらですが、今まで発言された先生方のお話にもあるのですけれども、コロナのための病床の確保というだけではなくて、高齢者の問題がかなり大きかったと思いますので、一般医療との融合の意識で再構築をしていくことを進めていく必要があるかと思います。その上で今年度中に感染症予防計画を都道府県でつくることになっておりますので、そういった形での移行で、来年4月からコロナだけではなくいろいろな流行の感染症が起こることに備えて病床の運用ができるような、今回の段階的な対応はその過程であると考えたいと思います。
 また、最後のほうで流行の指標の考え方についてお示しいただいたのですけれども、これにつきましては、自治体ごとにいろいろ考えていただいたらいいでしょうということなのですけれども、これを拝見しますと、医療の逼迫が起こらないような、そのための指標が中心になっているように見えるのですけれども、先ほどの抗体保有率や罹患率のことも考えますと、若い人たちの罹患、流行につきましては、病床使用率に反映しないと思うのですが、学校とか、保育所とか、幼稚園の活動にも流行状況が関わりますので、医療逼迫だけではなく、一般の方々については流行の指標をもう少し分かりやすく、感染対策を自主的に行う行動につながるような指標が欲しいと思いました。むしろこれは地域単位ではなく全国レベルで比較できるような分かりやすい単純なものがということで、改めてまた工夫していただくようにお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、調委員、お願いします。
○調委員 調です。よろしくお願いします。
 この夏のいわゆる第9波というのは、5類移行後初めての大きな流行だったと思うのですけれども、医療機関においても、保健所においても、それほど大きな混乱はなく対応できているのではないかと考えています。ただ、沖縄県で大きな流行があって医療が逼迫した、その実態については、コロナによって基礎疾患が重症化して、コロナ自体は回復したのだけれども、基幹的医療機関から退院もしくは転院できる患者さんについて、なかなか引取り手がないというところが医療の逼迫を引き起こしていると聞いています。実は県内でも同じような状況で、基幹的病院がやや厳しくなっているということも伺っています。そういった意味で、この10月以降の今年度いっぱいの移行期間は、この冬、大きな流行がある可能性はありますけれども、それに備えてしっかり対応していかないといけないと考えます。
 来年4月以降、完全に5類、通常の医療に移行するときにおいて、インフルエンザとの違いが、先ほど言いましたように、回復した本来転院すべき方の受け取りの医療機関の不足であったり、あるいはインフルに比べて5倍程度感染性が高いオミクロン株ということで、院内感染が起こったり、あるいは施設内での感染制御が難しいという点があると思いますので、受け取りの医療機関の診療報酬であったり、あるいは施設、あるいは医療機関での検査ですね。そういったものに対する支援は来年4月以降もある程度考えていく必要があるのではないかと考えています。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、菅原委員、お願いします。
○菅原委員 菅原です。
 私はスライド16番目に関わることを少しお話しさせていただきたいと思います。外来も入院もこの移行期間に入って、だんだんコロナの患者さんの対応をしている医療機関が増えていること、とてもよかったと思っております。一方、療養期間の考え方、5日間がかなり浸透しているとは思うのですが、特に医療従事者なのですが、大事を取ってといいますか、1週間ぐらい休ませているところがあると耳に入ってきています。流行状況によって療養者が増えた場合、療養期間が長ければ日常業務に支障が出てくる可能性もあると思います。徐々に解消されていくのかとも思うのですが、そういったこともまだ現実にはあるということがあります。
 基本的な感染対策という観点でいいますと、リスクのある場所ではマスクを着用しましょうというのは、引き続き注意喚起されていることだと思うのですが、医療機関にマスクなしで入ってくる方に着用を促すと、大方は応じてくださるのですが、時に逆切れされたというケースもあるということです。現在、コロナは少しずつ増えているか横ばいという状況の中で、高齢者や基礎疾患のある方を守らなくてはなりません。しかし、一般市民に対して注意喚起が届きにくくなっている現状があると感じます。報道などでもコロナに関するニュースが少なくなってきていますし、今日お話にありました罹患後症状などをひとつの根拠として国民に注意喚起をすることは重要なことなのではないか、一つのインパクトを持って伝わるのではないかと期待しております。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、谷口委員、お願いします。
○谷口委員 谷口です。
 3点申し上げたいと思います。1点目は血清疫学調査で、抗S抗体のデータがございましたが、これは恐らくオリジナルのウーハン株に対する抗体だろうと思います。現状のEG.5.1などの変異株に対しては、ほとんど低いと思いますので、あれを出されるに当たっては、そのリミテーションですね。これはウーハン株に対して、もしもあれがオミクロンに対してというのであれば別です。ただ、恐らくあれはウーハン株だと思いますので、それをきちんと言っていただいたほうがいい。ミスリーディングになる、つまり、日本人はこんなにたくさん抗体を持っているのだみたいに思われると非常に困ると思いますので、そこはきちんとリミテーションを書いていただきたいと思います。
 2点目、今、定点当たり20ぐらいというお話がありましたが、定点当たりコロナが20ということは、疑い例を含めるとコロナの陽性率は30%ぐらいですから、定点当たり60、70の患者さんが受診しています。実際に多くの医療機関では外来がかなり逼迫しています。また、これは夜間にでも、熱が出ると救急車を呼ぶというのはSNSにいっぱい出ていますけれども、コロナを診て救急を受けている医療機関は、実際のコロナを診ている医療機関よりもかなり少ないですから、特定の医療機関に集中しています。つまり、特定の医療機関は逼迫しています。これを考えると、一次救急をきちんと整備していただかないと医療体制の逼迫はなくなりませんし、今後冬に向けてより逼迫することになろうかと思いますので、そこを考えていただきたいと思います。
 3点目、医療費あるいは公費負担のお話が出ましたけれども、これはワクチンや治療薬あるいは基本的な予防対策、欧米では再びマスクをしましょうという提言を復活させているところもあるわけですね。実際にここに述べられているのは全て事後対応型ですから、事前対応型として感染者を増やさないような対策をしたほうがコストエフェクティブ、欧米にも全部出ています。ワクチンをしたほうが、マスクをしたほうがコストエフェクティブ、これは国民の血税を使って医療、しかも公費負担しているわけですから、そこを考えれば、どちらがいいのかというのは国家として考えていただくべきかと。
 先ほど国民の皆様に注意喚起が届きにくくなっているというお話がございましたが、これは例えばマスコミの方が厚生労働省になぜ第9波という言葉は使わないのですかと聞かれたそうですけれども、厚労省は第何波という定義はありませんし、そういったことは使いませんからというお答えだったそうです。実際には大きな流行になっているわけですから、そういったアナウンスがされない限り、余計に届きにくいものだと思います。マスコミさんは厚労省に忖度をして第9波は使わないと言っていましたけれども、今、いろいろなところで忖度の話があるみたいですけれども、明確なメッセージが国家として出てこないと、注意喚起は届かないものだろうと思います。
 以上3点でした。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。
 2点述べさせていただきます。1点目は、抗体価、血清疫学の調査に関してです。日赤の献血血液の結果、これは経時的な経過をお示し、計測していただいて、ありがとうございます。非常に有用な情報だと思います。加えて、N抗体の小児の年齢のデータが全くなかったわけですけれども、罹患者がどれぐらいというのを考える上で非常に役に立つと思いますので、まず、それをお示しいただいたことに感謝申し上げます。
 それに関してお願いなのですけれども、ぜひどういう方法で測定したかという使用された試薬を書いていただきたいと思います。なぜならば、N抗体にしても、谷口先生が先ほどS抗体のこともおっしゃいましたが、抗体価はまだ確立された方法ではなくて、それがここで50%とか75%とか数値が独り歩きして、なおかつこの数値がほかで引用されて、何々の調査では何%ですなどと比較されたりすると、真実が見えなくなってくる可能性があると思います。今回の調査でも、14ページで委託した検査機関のお名前は書いていただいてありますが、どこの検査キットを使ってどうだったのかが書かれていないので、それをぜひ御検討いただければと思います。
 もう一つは、様々な感染症対策のことに関してです。入院医療費も外来医療費も自己負担の上限額等を設定いただくということで、国民の皆様全てが必要な医療を受けていただける、これはもちろん大事なことだと思います。それには賛成いたします。それに加えて、ワクチンのことを申し上げさせていただきたいと思います。今回のコロナのことに限らず、我が国、予防が少しほかの国に比べて重視されていない側面があると思います。特例臨時接種をどうしていくかというのは、本日の会議ではなくて別の会で申し上げるべきことなのでしょうけれども、もし特例臨時接種がほかの制度に変わりますと、接種対象の方は一定の助成額が出ますが、それ以外の方々は完全な任意接種になります。例えば今日よく比較して論じられているインフルエンザ、インフルエンザは予防が大切です。65歳以上の高齢者、定期B類で設定されていますが、一定の年齢の小児たちは予防が大切だということで、国民の皆さんも医療者も予防を啓発して結構高い接種率で保たれていますが、そこはワクチンの接種費用をそのまま自己負担されているわけですね。こういったことが、恐らくインフルエンザのワクチンと今後コロナのワクチンの値段も差が出てくるでしょうから、均一に必要な手段を国民の皆様に届ける観点からは、そのような検討も今後必要かと考えておりますので、全体を見渡していただける会は本日の会かという気がいたしましたので、申し上げました。どうぞよろしくお願いします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 次に、成田委員、お願いします。
○成田委員 東京都の成田でございます。
 大変恐縮ですけれども、5点について意見を申し述べたいと思います。最初に、15ページに関連して、9月末までの各種措置の周知についてでございます。コロナ患者の受入れにつきまして、医療現場から介護が必要な患者に対応する人員の確保や、消毒等の院内感染対策に要する経費の負担が大きいとの話を聞いております。病床確保料の支給をはじめとする9月末までとされている措置につきましては、今後の感染状況や医療提供体制の状況などを踏まえた柔軟な対応を既に要望しているところでございますけれども、改めてよろしくお願いしたいと思います。また、10月以降の医療提供体制や公費支援の取扱い等について、都民、国民の不安や医療現場等の混乱を招かないよう、本日、口頭で数値等について説明がありましたけれども、見直しの具体的な内容を早期に御提示いただきますようお願いいたします。
 続いて、2点目、16ページに関連して、外来対応医療機関の指定や公表についてでございます。外来対応医療機関につきましては、医療機関情報の公表が診療体制に差し支えるとして、新型コロナの診療を実施していても、外来対応医療機関の指定を受けていない医療機関が多数実際にはございます。そのため、幅広い医療機関でコロナ診療に対応する体制づくりに当たっては、外来対応医療機関の拡大だけではなく、外来対応医療機関の指定は受けていなくても、実際に新型コロナの診療に対応する医療機関の状況も考慮する必要があると考えます。
 続いて、3点目、17ページの病床確保料の取扱いについてでございます。病床確保につきましては、対象範囲を重症・中等症を中心とした入院患者とするほか、国において感染状況に応じたフェーズ、即応病床の目安を示すとされております。一方、今村委員からお話がございましたけれども、オミクロン株流行下におきましては、実際に入院している患者は、コロナの肺炎症状は軽症ですけれども、高齢や併存する他疾患等により重症化のおそれがある患者や全身状態が悪化した患者が多くなっております。この点を踏まえまして、確保病床の対象範囲については、重症・中等症の患者に加え、併存する他疾患等により重症化のおそれがある患者も対象に含めるなど、患者の入院患者像の実態を踏まえた内容にしていただくようお願いいたします。
 また、いわゆる第7波、第8波におきましては、感染拡大期に短期間で入院患者が増減したことから、複数のフェーズ等を設定することで、急激な患者の増減に対して医療機関が柔軟に対応しにくくなることが懸念されます。そのため、フェーズ及び即応病床の運用につきましては、設定の有無も含めまして、都道府県が感染状況に応じて柔軟に対応できるようお願いいたします。
 加えて、病床確保料の見直しに当たりましては、見直し後も必要な病床を円滑に確保できますよう、関係者の皆様の理解を得た上で、丁寧に進めていただくようお願いいたします。その際、大曲委員からもお話がございましたが、確保した病床につきまして、確実に病床確保料の対象としていただくほか、医療機関の負担等に見合った補助単価を設定いただきますようお願いしたいと思います。
 4点目、18ページに関連して、診療報酬の取扱いについてでございます。コロナ患者の入院調整につきまして、医療機関間での入院調整に対する診療報酬上の加算、こちらは救急医療管理加算950点でございますけれども、こうしたものもあり、現在の病病・病診連携による入院調整が都においても進んでおります。こうした点を踏まえ、移行期間が終了する10月以降及び令和6年6月の診療報酬の改定に向けましては、現場を担う医療関係者等の意見を丁寧に聴取しながら、患者の円滑な受入れに資する評価を設定いただくようお願いいたします。
 最後に、19ページの患者等に対する公費支援でございます。コロナ治療薬や入院医療費の自己負担軽減については、高額な自己負担の発生により、特に透析など特別な配慮が必要な患者が治療薬の活用や入院をためらうケースが生じないよう、円滑に進めていく必要があります。本日、口頭でも自己負担額上限等をお示しいただきましたけれども、御負担に感じられる方もいるのではないかと心配しているところでございます。そのため、自己負担分に関わる公費支援の見直しに当たりましては、都民、国民の不安や医療の逼迫等を招かないよう、丁寧に進めていただくようお願いしたいと思います。
 長くなりましたが、私からは以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、藤田委員、お願いします。
○藤田委員 藤田です。
 基本的に今回の見直しの方針については、特に異論はありません。患者医療費の公費負担の部分について意見をと思っていましたが、まさに成田委員がおっしゃってくださったことと同じことを考えておりました。それ以上に加えることはありません。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、森田委員、お願いします。
○森田委員 森田です。
 患者さんが最近また増えてきて、特に基礎疾患のある方々の感染者の長期のウイルス排出あるいは重症化が臨床の場では結構問題になってきていると聞いておりますので、治療薬について公費支援の継続が決まったことは非常に重要かと思っております。
 鈴木先生にお示しいただいた抗体調査の結果、非常に貴重なデータだと思います。Nたんぱくに対する抗体はウイルスの系統間でよく保存されているので、特に高齢者の感染状況をよく示しているデータかと思いますけれども、Sたんぱくに対する抗体については、恐らくこれは高齢者に至るまでよくワクチン接種が進んだことを示しているとは思うのですけれども、今後のリスク評価に使えるというためには、中和抗体を見るのが一番いいとは思うのですけれども、少なくとも直近の流行している系統の株のSたんぱく抗原でこれをもう一回やってみる計画があるのかどうかということを、もし何かお考えでしたら教えていただけたらと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、山田委員、お願いします。
○山田委員 私も基本的には特に反対等はないのですけれども、1点だけ、先ほど菅原委員からお話があったと思いますけれども、国民の行動が物すごく変容していると私は感じています。5類移行によって恐怖感が拭われて、今までどおりにやっていいのだというような、そういう感覚がほとんど共有されてしまっていて、メディアでの報道も少なくなったことによって、基本的感染対策がおろそかになっていると思います。エンデミックな部分になっていくのは歓迎なのですね。ハードイミュニティーが出来上がっていきますので、ただ、エピデミックになった場合に医療体制等に負荷が生じるということが問題なので、エピデミックを起こさない、そのためには、これまで続けていた基本的感染対策を国民がきちんとやることが極めて重要だと思っていますので、5類移行でさえこれだけ国民の行動変容を促してしまったので、今後これをさらに段階的にインフルエンザに近づけていこうとすると、ますます恐怖感が薄れてルーズになっていくのではないかということを恐れています。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、四柳先生、御発言できますか。
○四柳委員 途中でウェブが切れてしまう可能性があるので、先ほどチャットで1回入れましたが、またコメントを送らせていただきます。時間の関係もありますので、これで失礼いたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、参考人の先生方にも御意見を伺います。
 玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 玉川でございます。
 全国知事会の立場から、コメントを4点ほど申し上げさせていただきます。
1点目です。病床確保料の取扱いについてです。資料17ページで本日示されましたが、先ほどお話がありましたように、全国的に感染拡大が高い水準で続いている状況下での見直しは、患者の受入れ体制に支障が生じる懸念があります。つきましては、各都道府県の個別の事情に応じて必要な対策が講じられるよう、病床確保料の対象となる感染状況の段階等の考え方については、弾力的な運用を認めていただくような配慮が必要と考えます。また、見直し案の想定を超えるような感染拡大期においては、設定以上の即応病床を確保する必要が生じる可能性があります。その際には、都道府県の実情に応じた柔軟な運用を認めていただくような配慮が必要と考えます。
 2点目です。同じ17ページの病床確保料に係る経過措置です。今般の資料に、10月中の経過措置を盛り込んでいただいたことに感謝申し上げます。一方で、9月も半ばになります。感染拡大中の局面にもあり、県によってはこの短期間で9割の即応病床を減とする調整が必要になるところもあります。医療現場に不要な混乱を招かないためにも、経過措置の運用に関しては、柔軟な対応をお願いいたします。
 3点目、18ページの診療報酬の扱いについては、病床確保料によらず医療体制を確保していくためにも、感染対策やコロナ患者の対応にかかる経費が、診療報酬で適切に評価されることが重要です。引き続き適切な評価について御検討をお願いします。
 最後、4点目です。19ページの患者等に関する公費支援です。本人の自己負担増によって、効果的な治療薬の使用を控えられると、入院患者増加につながることが懸念されます。負担額については、薬剤費が高額であることを踏まえた一定の配慮を今後ともお願いいたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 最後に、藤田参考人、お願いいたします。
○藤田参考人 全国保健所長会から藤田です。
 保健所長会から2点申し上げます。まず、5月8日以降ですけれども、各地域において、保健所等は、新型コロナ陽性者であっても一次、二次、三次医療の中で役割分担をし、連携して診られるよう医療体制を調整してきており、ようやく今まで入院受入れ経験がなかった病院にも広がってきたところです。このたび病床確保料を中等症II以上のために確保する病床に限定をすることで、確保料を受け取ることができない医療機関においては、たとえ軽症であってもコロナ陽性者の入院を受け入れないとの考え方に戻る要因に十分なり得ます。つまり、再び診る病院と診ない病院に分かれるということが生じ得ます。幅広い医療機関でコロナ診療を行う体制への移行を引き続き進めるためには、病床確保の補助金制度は廃止、あるいは廃止までの移行期として中等症II以上の患者を入院させた実績に応じた補助などが望ましいと考えます。また、地域によっては今回の継続を望んでいないとの声も聞かれることから、廃止時期を全国一律としない方法などの検討をお願いいたします。
 2点目です。外来診療においては、新型コロナに対する抗ウイルス薬の使用に関しまして、他の疾患治療のような医療経済的配慮が反映されない状況がありますことから、公費負担の見直し及び廃止は必要と考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 最後に私から、感染の状況のデータをお示しいただいて、ありがとうございました。定点サーベイランスのデータに加えて重層的なサーベイランスということで、様々なデータを出していただいていますが、1点、下水のサーベイランス、こちらが研究班のホームページが公開されてようやくいろいろな地域のデータが見られるようになってきたところですので、こういったものは受診行動とかに左右されないところなので、非常に参考になるデータになりますので、そこを加えていただくことも検討していただきたいと思っています。
 それから、抗体保有率のデータを示していただきました。これを見ますと、抗体保有率、欧米に比べると、先ほど海外との比較という話がありましたけれども、まだまだそれほど上がってきていない、これだけの流行があってもまだ5割程度というところなのですね。ですから、今回夏の流行でしたから、今後冬の流行もかなり多くなることも想定をしておく必要があると思います。ですから、皆さんにおっしゃっていただきましたが、個人の感染対策の呼びかけ、これはしっかりやっていく必要があると思いますし、ワクチンを、これは秋の接種ですね。国民全体が打てるようになりますので、そこはしっかり呼びかけをしていって、なるべく多くの方に打っていただくことが必要だと思います。
 また、インフルエンザの流行も既に始まってきている状況があると思いますので、インフルエンザワクチンについても接種の呼びかけ、こちらもお願いをしたいと思っております。
 それから、四柳先生からのコメントがチャットに入っております。特に私がそこで思ったのは、今、市中で去たん剤や解熱剤の流通が少し滞っているところがあるということですので、私も薬局でその話を聞いたことがありますので、その点はぜひよろしくお願いしたいと思います。
 時間が押していますけれども、抗体調査のところで幾つか質問がありましたので、そこだけ鈴木先生にコメントがあればいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○鈴木参考人 時間が押していますので簡単に、まず、海外のことについてですが、海外では大体2022年末で抗体保有割合は飽和しておりまして、UKですと23年は90%程度で推移しております。年齢に関しましては、2022年の6月のスイス・ジュネーブの調査データが出ていまして、その調査では6歳から9歳、10歳ぐらいが抗体保有割合のピークになっており、日本と同様の結果です。ただし、欧米は2022年の時点で90%程度の抗体保有割合であったということで、日本の状況はまだ去年の欧米の抗体保有割合には届いていないということも言えるのかと考えております。
 抗体検査の方法論については、この参考資料4につけております。御紹介できず申し訳ありませんでした。この資料にロシュ社の抗体検査キットを使っていることが記載されております。また、S抗体については、その力価についても解析をしております。ぜひ御覧ください。
 森田先生からの御質問に対して、おっしゃるとおりだと考えております。ただし、今回調査の関係上、残余血清を感染研に送付することはできておりません。ということで、この先の調査は少し難しいと考えています。ほかの方法論としましては、今回得られた結果をほかの調査と重ね合わせて、変異株に対してどの程度抗体価を持っているのかを推定することが必要かと考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それから、もし事務局から何かございましたら、どうぞ。
○荒木感染症対策課長 全体を通して貴重な御意見もいただきました。特に先ほどの議題2とかぶる部分もありますが、罹患後症状についてと同様でございますけれども、国民に丁寧に伝えていくことの重要性について各委員からもいただいたと思います。そこは10月以降の見直しについても同様かと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 皆様から大変多くの御意見をいただきましたので、その点を踏まえまして、事務局におかれましては、取組を引き続き進めていただくようによろしくお願いします。
 時間が押しておりますので、これで感染症部会単独の議題は以上にしたいと思いますが、何か最後に本当に追加はございますか。大丈夫ですか。
 どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 医政局地域医療計画課長の佐々木でございます。
 病床確保料あるいは確保病床の運用について、複数の委員から御指摘がございました。基本的に国からお示しする今回の段階や即応病床数の目安、この範囲の中で柔軟な対応はお願いできるかと思っています。ただ、感染の急拡大等があれば、個別に厚労省と相談していただきながら、運用でお願いしたいと思っているところでございます。またいろいろな経過措置や猶予は設けさせていただきまして、なるべく御要望を踏まえまして、柔らかい対応で対応してまいりたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、もう最後でよろしいですかね。
 それでは、感染症部会の単独の議題は以上となりますので、議事を一旦事務局にお返しいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
 本日の委員の皆様の御意見を踏まえまして、進めさせていただきたいと思います。
 そうしましたら、時間も押しておりますので、引き続きワクチン基本方針部会との合同会議を行います。
 オブザーバーとして御参加いただいた参考人の方々につきましては、御退室いただきまして構いません。どうぞよろしくお願いいたします。
 これから基本方針部会の委員の方で感染症部会の委員になられていない方に順次御入室いただきますので、少々お待ちください。
(委員待機)
○杉原エイズ対策推進室長 お待たせいたしました。それでは、基本方針部会の委員の先生方の御入室が済んだようでございますので、基本方針部会の参加者の方々につきまして、出席状況の御報告をさせていただければと思います。御出席の委員の先生方につきましては、通信の確認も踏まえまして、委員のお名前をこちらで申し上げますので、一言お返事いただければと思います。五十音順に失礼いたします。
 伊東亜矢子委員。
○伊東亜矢子委員 よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 
 伊藤澄信委員。
○伊藤澄信委員 はい。
○杉原エイズ対策推進室長 
 清元委員。
○清元委員 よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 宮入委員。
○宮入委員 よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。また、本日、参考人といたしまして、神奈川県衛生研究所長の多屋参考人の御出席をいただいております。通信確認を兼ねまして、多屋参考人、一言いただけますでしょうか。
○多屋参考人 多屋です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
 なお、本日は磯部委員、池田委員、神谷委員、坂元委員から御欠席の連絡をいただいております。
 感染症部会の委員につきましては、中途退室の先生は、四柳先生が退室されたという状況でしょうか。
 そういうことで、現在のところ、感染症部会16名のうち12名に御出席いただいておりまして、基本方針部会につきましては12名中8名に御出席いただいております。厚生科学審議会令に基づきまして、本日の合同会議は成立したことを御報告いたします。
 それでは、議事を進めていきたいと思います。
 ここからは脇田座長、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 承知しました。
 基本方針部会の先生方には、感染症部会の議論が少し延びまして、お待たせしたことをおわび申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、基本方針部会と感染症部会の合同部会ということで、議事を進めてまいりたいと思います。
 事務局から各委員には事前に資料の説明があったということですけれども、必要なポイントについて説明をしていただきます。
 それでは、議題の4ですね。「風しんの追加的対策の現状について」、事務局から御説明をお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。時間が押しておりまして、大変申し訳ありません。
 風しんにつきまして、簡単に御説明させていただければと思います。
 風しんの追加的対策につきましては、2019年より取組を開始しておりますが、この状況につきましては、令和3年12月17日の合同部会で状況について御説明をいたしまして、これまでの目標については、2021年度末までに抗体保有率を90%に引き上げるという目標でしたけれども、コロナの受診控え等様々な影響がございまして、当初の見込みどおりに進んでいなかったこともございまして、3年間後ろ倒しにしまして、1つ目の目標としては、2022年度12月までに対象世代の男性の抗体保有率を85%に引き上げる、2つ目の目標として、2024年度末までに抗体保有率を90%に引き上げる、という形で後ろ倒しにして変更しております。
 次のページをお願いいたします。それに伴いまして、3ページに記載がございますけれども、促進策として、クーポンの再送付を行うですとか、コロナのワクチンの大規模接種会場や職域接種会場においてリーフレットやポスターを用いて周知啓発を行ということ、そして、即日の抗体検査が判明する検査キット、これはIgM、IgGのイムノクロマト法の迅速キットですけれども、こちらを活用、導入するということで、この3点の促進策を実施しているところでございます。
 次のページを御覧ください。現状につきまして、抗体の検査数の累積件数と実施割合ということですがこれは対象者の人口を抗体検査のクーポン券の使用実績に基づきまして、国保中央会からの実績を基に当課で作成しているものですけれども、全体としては約29%でした。一方で県によってばらつきがかなりございます。都道府県別に見ますと、富山、秋田、岩手県が上位に来ている状況でございます。
 次のページをお願いいたします。また、予防接種の累積件数、実施率でございますが、こちらは実施率については、分母は対象人口の約21%が予防接種の対象となる抗体陰性者数として推計されており、そこうちの予防接種の実施数ということになりますが、約30%が全国値となっております。こちらに関しましても、かなり都道府県によるばらつきはある状況でございます。いずれも令和5年の6月時点の数字となります。
 次のページを御覧ください。こちらがクーポンの送付の状況と抗体検査・予防接種の実施状況になりますけれども、抗体検査につきましては、目標920万人に対して現時点での実績が449万人ということで、予防接種に関しましては、190万人に対して約97万人という状況になっております。この数字の中はクーポン券により実施された抗体検査のみで、自治体で独自に実施された集団抗体検査等の人数は含まれておりません。
 次、お願いいたします。現状の抗体保有割合につきましては、こちらは感染症研究所で実施されております流行予測調査の結果でございますが、この対象年代の男性の方々抗体保有割合は、大体2021年度で88%、2022年度で86%ということで、追加的対策を開始後開始後、5%程度上昇している状態が見てとれるかと思います。
 次のページが、2022年度の状況を過去との比較をしたものでございます。
 次のページをお願いいたします。こちらは現状と今後に向けた実施率向上策ということでございますが、実際に現在クーポン券の再発行を自治体に依頼しておりまして、同時に、厚労科研の研究班でナッジなど行動経済学的な見地を活用した啓発資料の作成、あとはナッジを用いた自治体向けの検査受検勧奨のための手引等を作成しておりまして、こちらを広く配布しておるところでございます。今後引き続きこういった啓発資料を活用いただきまして、対象者への受検勧奨を継続的に行うことと、対象者の利便性の向上のために、職場での抗体検査の受検ができるように、企業への働きかけを引き続き行っていきたいと考えております。こちらの下のところが、実際に研究班で作成された自治体向けのナッジ活用術の資料でございます。
 もう一点、先ほど3番目の促進策というところで御説明させていただきましたが、抗体定性検査キット、これは製品名としてバイオラインルベラIgG/IgMと呼ばれるものですけれども、こちらのキットにつきまして、現時点で医療機関を限定して導入するということについて、こちらも前回2021年12月の合同部会で御了承いただいているところでございます。
 こちらのキットにつきましては、実際に使用を開始しているところでございます。これはIgM/IgGのキットなものですから、IgM抗体陽性になることがあり得るのですけれども、こちらは偽陽性の可能性は避けられないということで、その辺は適切に対応する必要があるということがありまして、そこを評価するという目的で厚生労働科学研究を同時に走らせておりまして、こちらの厚労科研に御参加いただいている医療機関で使用していたものでございます。
 こちらについては、これまで実際に限定的に実施、導入していたのですけれども、この度キットの精度については検証が必要であるとの指摘が研究班よりございました。まず、この協力医療機関において、90名に抗風しんIgG検査を実施したところ、陽性約20%、陰性約80%ということで、高い陰性率でした。このため、研究班において本キットを用いて健康の成人の血清を用いてHI抗体価を測定したところ、実際の抗風しんのIgG抗体陽性と判断された方は、HI抗体の16以上の検体、実際にその陽性となる検体のうち、約2割にとどまっていたということで、少なくとも今回使用されたロットについては感度が不十分であると考えられたということでございます。なお、このキットにつきましては、こちらの研究班で協力をいただける医療機関のみ使用されておりまして、一般の医療機関に販売されているものではございません。
 これを受けまして、製造元のアボット社では原因究明のための検証を開始しておりまして、6月30日にロット間のばらつきが確認されたとして、この対象ロットの自主回収を開始しております。
 本キットにつきましては、アボット社における原因究明が終わるまで使用は適切でないと判断いたしまして、本追加的対策の事業での使用を中止しております。今後アボット社より検証結果が提出され次第、対策への再導入の可否を判断したいと考えております。なお、当課の使用中止を決定した時点で、本キットによる抗体検査を予約されていた方や、実際に検査が陰性でMRワクチンの接種を予約されていた方、MRワクチン接種済みの方に対しては、本キットの使用中止について医療機関から連絡させていただくために、こちらから事務連絡を5月24日時点で発出しております。また、自治体に対して問合せの対応をお願いしたいということで、事務連絡を発出しております。
 風しんの対策については、事務局からの報告は以上となります。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
 風しん対策ですけれども、主には2つということですかね。対象年齢の1952年から1978年の男性の抗体保有率は徐々に上昇ですが、ターゲットの90%にはまだ行っていないので、引き続き実施率、対策の向上を目指すというところ、そして、抗体のキットの問題点があったというところでありますので、委員の皆様から御意見、御質問があればお願いしたいと思います。
 越田委員、お願いします。
○越田委員 風しんに対する追加的対策につきましては、金沢市の対象者の約29.9%は抗体検査を受けているという結果でございます。このうち、ワクチン接種を行った者は抗体検査の受検者の17.7%でした。資料の5ページの対象世代の陰性の割合の全国平均21%から割り出してみますと、本市で抗体検査を受けた5万4,425人のうち、ワクチン接種が必要な感受性者は3,422人ということになりまして、誤差範囲として解釈してもいいのかもしれませんけれども、実際に陰性者の85%しか接種にたどり着いていないということになります。このことからも、迅速診断、同時接種が望まれますので、キットの早期の精度管理を期待しているところでございます。
 一方、保健所単位で行っている妊娠を希望する女性等への風しん抗体検査、これは別途動いていますが、この実施状況は、制度が始まった平成28年以降、昨年度までの累計の受検者数は、男性が3,236人、女性が3,200人でした。男女合わせての陰性率は11%でしたので、妊婦を取り巻く方々の感受性者は相当数がいらっしゃると推測されました。本制度は保健所が主体となっておりますが、追加的対策と同様に、住民と医療機関への制度の周知を図っていかなければならないと考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 いろいろな御努力をされていますが、なかなか難しいところがあると感じました。何度でも申し上げますが、抗体検査後にワクチンを打つよりも、ワクチンは抗体があっても問題がありませんので、こちらを考えていただいたほうがいいのではないかとは思います。
 あと、結局アクティブにキャンペーンを打つしかないと思います。そうすると、途上国のようにモバイルチームを使うとか、そういったほかの手を使うというのも、もう一つの手かとは思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 調委員、お願いします。
○調委員 抗体の定性検査キットについてなのですけれども、当初、IgMの偽陽性が懸念されたところなのですが、実際に使ってみると、IgGの感度不足が分かったということだったと思います。説明を受けて厚労省に確認していただいたところ、このアボット社のキットはアメリカ、ヨーロッパでも認可されていなくて、販売も行われていないということなので、ロット間のばらつきというよりは、そもそもキットの性能に懸念があるのではないかと思いますので、しっかりそれについて確認していただければと思います。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 山田委員、お願いします。
○山田委員 4ページと5ページのところに抗体検査数の累積件数と実施率、次のページに予防接種の累積件数と実施率という推計があるのですけれども、これは数値が例えば富山県で見ると検査実施率が45%で、ワクチン接種率が51%、そうすると、検査を受けた人のほとんど全部が受けたことにはなりませんかということで、ワクチン接種率の推計方法に問題があるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。取りあえず大丈夫ですね。
 それでは、事務局から越田委員、谷口委員、調委員、山田委員からあった内容について、レスポンスがあればお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございます。事務局でございます。
 まず、いただいた件で、予防接種の累積件数と実施率のことでございますが、こちらはまさに越田委員から御指摘のあったところでございますが、陰性者のうちの接種に結びついている方々は、現時点ではいわゆる人口の21%と言われる陰性の割合から算出した推計値でありますので、ばらつきはあり得るということで、こちらの数字に関しては、人口からの、いわゆる2017年の抗体保有率から推計される陰性の割合からの推計値の全国値を示しているということで、この抗体検査の累積件数と実施率とは必ずしも合致しないことがありますが、実際には受診をされて、抗体が陰性で、ワクチン接種にたどり着いている方々は8割から9割ぐらいという状況ですので、そういった実績になっているということで、一部陰性であってもワクチン接種されていない方もいらっしゃいますけれども、多くの方は接種されている状況と理解をしております。
 先ほどございましたキットの件につきましては、現在アボット社で原因究明を行っておりまして、少なくとも承認されたときには感度・特異度とも、いわゆる接種推奨とされるHI抗体価を用いたときの一致率は93%であったということですので、今回ロットによるばらつきがあったことは企業側確認されていますけれども、今回の研究班の結果がロットによるものなのか、そういったところも含めまして、今後検証結果を待ちたいと考えております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 谷口委員からもこのプログラム以外にもやったほうがいいのではないかという御提案がありましたけれども、多屋参考人からさらに何か御意見等があればお願いできますか。
○多屋参考人 多屋です。ありがとうございます。
 もちろん全員ワクチン接種できればよいのですけれども、費用の点などで難しかったのだと思います。今回このキットの感度が低かったことは非常に残念な結果でした。なぜかというと、このキットで陰性と分かった方の96%は当日ワクチンを受けるか、あるいはワクチンの接種を予約してくださっていたという結果も研究班で出ておりますので、陰性と分かればすぐに受けていただけるものであったと思います。幸いIgM抗体陽性者がいらっしゃいませんでしたので、何とか早くに解決をして使えるようになってほしいと思いました。
 それから、職場での健診に抗体検査が行われているのはまだまだ少なくて、一般の人に知られていないようです。先日ある大企業では、対象者1,000人のうち1回の職場健診で300人ぐらいの方が抗体検査を受けることができたというデータも発表されていますので、ぜひ2024年度末までのあと1年ちょっとですけれども、多くの人に知っていただいて、対象者の多くの方に受けてもらえるように、何とか別の対策なども考えていただきたいと思いました。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 幸い、現在、風しんの大きな流行はないのですけれども、今後また流行があり、そして、先天性風しん症の報告があるという事態をなるべく抑えていくという意味でも、このプログラムは重要だと思いますので、この風しんへの対応は今後も事務局におかれましては進めていただき、また、御報告をいただければと思っております。
 それでは、本件はよろしいですか。
 それでは、次の議題に入ります。議題の5について、インフルエンザのワクチンですね。こちらの御説明をお願いいたします。
○清水予防接種課ワクチン開発専門官 予防接種課でございます。
 それでは、資料5に基づきまして、今シーズンの季節性インフルエンザワクチンについて御説明させていただきます。
 こちらの内容につきましては、本年8月28日に実施された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の研究開発及び生産・流通部会でも議論させていただいた内容になりまして、こちらの部会でもお話をさせていただければと思っております。
 まず、2ページ目を御覧ください。こちら、ここ数年のインフルエンザの流行状況でございます。今年の流行状況が右上に載っているところではございますけれども、今年は2月以降から定点当たりの報告数が例年と比べて高い状況で推移しておりまして、35週目の報告数が2.56となっている状況でございます。
 続きまして、3ページ目でございます。こちらが部会で報告させていただいた資料と同じものになるのですけれども、インフルエンザワクチンの供給の年次推移でございます。季節性インフルエンザワクチンに関しまして、過去からの供給量と使用量を示したグラフになっております。供給量が緑色の棒グラフ、使用量が赤い折れ線グラフとなっておりまして、ここ数年の経緯が載っているところでございます。本年の令和5年の供給量が3121万本となる見込みでございます。
 続きまして、4ページ目のスライドでございます。こちらが3121万本がどういった形で供給されていくかを示した累積の供給量の週次の推移を示しております。令和5年度は9月末の時点で年度内の供給量の半分の1660万本が出荷される予定となっているところでございます。
 以上を踏まえまして、資料の1ページ目に戻ります。インフルエンザワクチンの供給対応についてというところで御説明させていただきます。
 1つ目の矢印のところから順次説明させていただきます。まず、定期接種の対象者の方がインフルエンザワクチンの接種を希望する場合、その機会を逸することがないよう、例年、ワクチンの効率的な使用に関して医療現場に働きかけを行っております。その前提の下、通常の年の使用量が3000万本以下となっているところでございます。令和5年度の供給量が3121万本となり、通常での使用量を超える供給量となる見込みでございます。また、9月末での供給量でございますけれども、年度内の供給量の半分以上を上回る1660万本、成人では回数としましては3320万回分、成人換算でございますが、その回数分が出荷される予定でございます。こちらは65歳以上の高齢者の9割が1回ずつ接種できる量に相当するところでございます。
 以上を踏まえまして、インフルエンザワクチンの接種を呼びかけと供給に対する対応を行っていきたいと考えております。
 供給に対する呼びかけ、緑の1個目のところでございますけれども、定期接種の対象者、65歳以上の高齢者等に関しまして、希望する場合には接種の機会を逸することがないよう、接種について呼びかけをしたいと、そのように考えております。
 もう一点の対応としましては、供給に対する対応というところでございまして、今年度も例年と同様、ワクチンの効率的な使用について現場に働きかけを行っていきたいと考えております。
 御説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 インフルエンザワクチンについて、現在のインフルエンザの流行状況、少し早い立ち上がりがあるのではないかということと、今年のワクチンの供給量ですね。こちらは問題はあまりなく供給される予定というところを御説明いただきました。委員の皆様から何か御意見、御質問等があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、谷口委員、白井委員の順番でお願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
 今年も十分なワクチンが供給されるということで、安心しておりますが、御存じのように、感染症流行予測調査事業のデータを見ると、例年、つまり、コロナ前の3分の2から半分ぐらいまで抗体保有率が落ちていますので、それが今、だらだらと続いている原因なのだろうとは思いますけれども、今のだらだらと続いているので、多分インフルエンザのサーベイランス、ストレインサーベイランスは行われていると思うのですが、どのような株が検出されているのかというのは、もしお分かりになれば御教示いただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
 インフルエンザのワクチンが10月から十分な量で供給されるということで、本当に早く打ちたいという方にも十分だと思うのですけれども、ちょうどコロナウイルスの秋冬の分も9月20日からということになりますので、去年もお示しいただいたと思いますけれども、同日の接種が可能だということで、そういうことも一般の方にお伝えいただくと、両方冬に備えて大事だということが分かると思いますので、併せての啓発をしていただくことがいいのではないかと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。大丈夫ですかね。
 それでは、谷口委員からあったウイルスの株の分析の状況はもし分かればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○杉原エイズ対策推進室長 事務局ですけれども、IASRを確認しないと分からないところでして、少々お待ちください。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 私もすぐに確認できないので、後ほど少し調べていただいて、事務局からまたお知らせいただければと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 白井委員からは、インフルとコロナのワクチン同時接種が可能なので、それも併せて周知・広報するべきではないかといった御意見でありました。
 よろしいですか。インフルエンザワクチンの接種もこの冬に向けて進めていく必要があるというところであります。
 特にさらなる御意見がないようであれば、このインフルエンザワクチンについても進めていただければと思っております。
○杉原エイズ対策推進室長 事務局です。
 今、IASRを確認いたしまして、35週の時点での報告数ですけれども、インフルエンザAのH1、これはH1N1パンデミック2009の株だと思いますが、それが4件で、H3が6件で、Bが1件というのが、現状、IASRで一番新しいデータでは出ているところでございます。
○脇田部会長 まだ数が少ないのですけれども、そういう状況ですね。
 さらにありますか。大丈夫ですか。
 よろしければ、少し時間が押して申し訳ありませんでした。
 それでは、事務局に議事をお返ししたいと思います。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。時間が押してしまいまして、委員の皆様、申し訳ございませんでした。
 今回いただきました御意見を踏まえまして、進めさせていただきたいと思います。
 この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
 また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただければと思います。
 本日はお忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
○脇田部会長 皆様、どうもありがとうございました。