- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会) >
- 令和5年度第6回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録
令和5年度第6回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録
日時
令和5年8月30日(水) 14:30~16:00
場所
厚生労働省 専用第21会議室
(オンライン会議場)
(オンライン会議場)
議事
○医薬安全対策課長 それでは、お待たせしまして、大変失礼いたしました。
これから「令和5年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開会させていただきます。
本日の御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中御出席をいただきまして、ありがとうございます。
今回の会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録につきましては、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。議事に先立ち、審議の進行方法などについて事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より、御説明申し上げます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。
御発言のタイミングが重なったりした際は、調査会長から順に発言者を御指名いただきます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので御確認をお願いいたします。
御不便等をおかけするかもしれませんが、御理解、御協力のほど、お願い申し上げます。
事務局からは以上になります。
それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長の岡委員、お願いいたします。
○岡座長 調査会長の岡でございます。座長を務めさせていただきますので、委員の皆様方には円滑な議事進行に御協力をお願いしたいと思います。
今回もWeb開催ということで、事務局から御説明がございましたが、これまでの御説明に何か御意見、御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況等について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告いたします。舟越委員は御出席の予定と伺っておりますが、少し遅れているようでございます。現時点で6名中5名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規程により定足数に達しており、本日の会議は成立することを報告申し上げます。
続きまして、本日、参考人として御参加いただく先生方を紹介いたします。
議題1「一般用医薬品イソコナゾールのリスク区分」の関係で、日本産科婦人科学会より、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 茨城県地域産科婦人科学講座教授 寺内公一先生。
議題2「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の関係で、東京女子医科大学呼吸器内科学講座 教授・基幹分野長の多賀谷悦子先生。
国立感染症研究所 ハンセン病研究センターセンター長・真菌部部長の宮﨑義継先生に御出席いただいております。
以上になります。
○岡座長 続きまして、審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の方々につきまして、議題1及び議題2の対象品目、競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を報告いたします。
対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業について、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認をいただきましたところ、石井委員より、大正製薬株式会社、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。
柿崎委員より、塩野義製薬株式会社より50万を超えて500万円以下のお受け取り、田辺三菱製薬株式会社、ギリアド・サイエンシズ株式会社より50万円以下のお受け取り。
舟越委員より、田辺三菱製薬株式会社、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。
多賀谷参考人より、MSD株式会社より50万円以下のお受け取りと御申告いただいております。
柿崎委員におかれましては、議題2の審議中、御意見を述べることはできますが、議決に加わることはできません。
その他の委員におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わっていただくことができます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しております。
続きまして、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。
薬事分科会規程第11条におきましては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告いたします。
以上になります。
○岡座長 ありがとうございます。
ただいまの事務局から説明に対して、御意見、御質問等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。
資料はあらかじめお送りさせていただいており、議題1に関して資料1-1及び1-2、議題2に関して資料2-1~2-4及び参考資料2-1~2-3がございます。
このほか、議事次第・資料一覧、委員・参考人名簿及び競合品目・競合企業リストがございます。お手元に御用意のない委員がいらっしゃいましたら、お知らせくださいますようお願いいたします。
なお、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方は、そちらの御参照をお願いいたします。
以上になります。
○岡座長 よろしいでしょうか。お手元にございますでしょうか。
それでは、議題1「一般用医薬品イソコナゾールのリスク区分について」の審議を行いたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。
表に記載されている品目は現在、第1類医薬品に指定されており、このたび、製造販売後調査の終了に伴い、一般用医薬品としてのリスク区分の検討をお願いするものです。
まず、一般用医薬品のリスク区分の評価の流れについて御説明いたします。資料1-1、7ページの「スイッチOTC薬に係る要指導医薬品から一般用医薬品への移行の流れ」を御覧ください。図の左から順に御説明いたします。
まず、販売開始後原則3年間は製造販売後調査が行われ、その期間は要指導医薬品に区分されます。製造販売開始後2年以降で、特別調査の目標症例数を集めた時点で中間報告書が提出されます。中間報告書をもって、安全対策調査会で、一般用医薬品としての販売の可否について評価します。
次に、製造販売後調査終了から1年間は第1類医薬品として区分され、この1年間に、一般用医薬品としてのリスク区分を決定することになります。
本日御議論いただくイソコナゾール硝酸塩は、現在この段階にあり、第1類医薬品に分類されています。本日は、図の②リスク区分の判断の安全対策調査会に当たります。
リスク区分の検討手順としましては、まず、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行います。その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行います。
次に、医薬品等安全対策部会にて、安全対策調査会における事前整理やパブリックコメントの結果等について、調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっております。
続いて、一般用医薬品のリスク区分を説明させていただきます。資料1-1、6ページ「一般用医薬品のリスク区分」を御覧ください。
第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、または、新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務がございます。
第2類医薬品につきましては、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品で、第1類医薬品を除くもので、厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師または登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。
第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師または登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は、情報提供するための設備から7メートル以内の範囲に陳列する、指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされております。
第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師または登録販売者により販売されます。
続いて今回御審議いただくイソコナゾールについて説明いたします。資料1-2を御覧ください。
成分・含量ですが、1錠中にイソコナゾール硝酸塩を600mg含むものです。販売名は「メンソレータムフレディCC1」「メンソレータムフレディCC1A」です。効能・効果は、膣カンジダの再発(以前に医師から、膣カンジダの診断・治療を受けたことのある人に限る)です。「メンソレータムフレディCC1」と「メンソレータムフレディCC1A」の違いは、膣深部に挿入するアプリケーターが付属しているかいないかのみであり、用法・用量は「成人(15歳以上60歳未満)1回1錠を膣深部に挿入する(できれば就寝前)。ただし、3日間経過しても症状の改善が見られないか、6日間経過しても症状が消失しない場合は医師の診断を受けること」とされています。
同じページ下の製造販売後調査概要を御覧ください。
特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数1,064症例で、副作用が58例117件ございました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、月経中間期出血(不正出血)、細菌性外陰腟炎、腟部異臭、頻尿、不眠症、悪心が各1件報告されました。
使用者もしくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、副作用は117例165件ございました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、異物感、月経障害、出血、下腹部痛、口渇、頭痛、違和感、腹痛、外陰腟の炎症等が報告されました。
3ページ目を御覧ください。
これまで御説明した副作用発現状況をまとめたものとなっており、本剤で報告された副作用及び類薬の副作用発現状況をその種類別にまとめております。また、本剤と同一有効成分である医療用医薬品のデータも参考に掲載しております。
なお、医療用医薬品は、300mg製剤及び100mg製剤があり、本剤の1日当たりの用量は300mg製剤と同一です。
続いて「2.適正使用状況について」です。特別調査において、本製剤の適用疾患以外への使用はありませんでしたが、再発ではない例が3例ありました。また「使用上の注意」からの逸脱例として、60歳以上の使用15例、糖尿病17例、腟カンジダ用以外の外用薬の使用14例がありました。
この症例を含む「使用上の注意」からの逸脱例については、企業において、販売店へ販売時の説明や確認を改めて依頼するとともに、情報入手の都度、使用者及び販売店に注意喚起を行っております。
4~23ページは製造販売後調査報告書、24~27ページは添付文書、28~29ページは適正使用のためのチェックシート、30ページ目以降は使用者向けの説明資材を添付しています。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございました。
それでは、本日御出席いただいております、寺内参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○寺内参考人 日本産科婦人科学会 東京医科歯科大学産婦人科の寺内と申します。
ただいま事務局から御説明がございましたように、重篤な副作用等はないという点で、安全性に対して大きな懸念はないと考えますけれども、一方で、外陰部の腫脹等、現疾患との区別というのが難しい点もありますけれども、それなりに注意を払うべき副作用があるということ。
あと、手法について、ある程度の理解が必要とされるということを鑑みますと、類薬が全て1類になっているということも踏まえまして、1類のままにするのが適切であると考えます。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、委員の皆様から御意見、御質問などをいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
今、参考人の御意見として、安全性は、注意が必要だけれども大きな懸念はなく、使用法の理解等については、十分説明が必要というお話だったかと思いますけれども、特に御質問はないでしょうか。
そうしましたら、議決に移りたいと思いますけれども、佐藤委員、カメラが切れておりますので、挙手のマークで、もしよろしければ、御意見をいただければと思います。
一般用医薬品イソコナゾールのリスク区分については、ただいまの御意見を基に第1類とすることでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 佐藤委員も挙手をしていただいて、後の委員の先生は、首肯をされておりますので、御異議なしということにさせていただきます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。
本日御審議いただきました結果に基づいて、パブリックコメントの実施の手続を進めさせていただきます。
○岡座長 それでは、本議題を終了したいと思います。
寺内参考人におかれましては、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。
○寺内参考人 ありがとうございました。
○岡座長 これ以降は御意見を求める予定はございませんので、途中で御退席いただいても差し支えはございません。ありがとうございました。
○寺内参考人 失礼いたします。ありがとうございました。
○岡座長 それでは、議題の2「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の審議を行いたいと思います。
事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-1「緊急承認された医薬品(ゾコーバ錠)に係る対応について」を御覧ください。
新型コロナウイルス感染症治療薬であるゾコーバ錠が緊急承認されたことに伴い、参考資料2-1としてお示ししている医薬品等安全対策部会での審議を踏まえ、安全対策調査会において副作用等報告の状況を考慮し、追加の安全対策の要否の評価をお願いするものです。
製造販売業者からの副作用報告の状況について、御説明いたします。資料2-2を御覧ください。
今回の調査会の集計対象期間は、11月24日から8月20日であり、推定使用者数は52万7374人と製造販売業者から報告されており、こちらは納入数量に基づいて算出されております。
当該期間において製造販売業者からの報告頻度は2ページ別紙のとおりです。
3ページの別添1に症状別報告件数をお示ししております。
4ページの別添2の症例一覧を御覧ください。前回の調査会でお示していた症例で追加の報告があったものは、アスタリスクを付している症例で、No.10より後ろが新しく報告された症例です。
5ページから別添3で基礎疾患や症例経過をお示ししています。今回、副作用の転帰が死亡の症例として2例報告されていますので、PMDAの外部専門委員に評価を依頼しました。
5~8ページの症例No.6のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の評価は、原疾患の経過の情報が少なく評価が難しいが、本薬内服開始前からLDHが高値となっており、本薬投与開始前に原疾患が増悪していた可能性があること、現時点で本薬1回だけの内服が原疾患の増悪に影響したとは考えにくいとのコメントがありました。
17~20ページの症例No.14の劇症肝炎の評価は、AST/ALTの上昇が軽度で、数日で改善していることなどから劇症肝炎との診断には疑問があること、判断に当たって肝性脳症に関する情報もあったほうがよいこと、経過が薬物による肝炎・肝不全に至った事象とは考えにくいといったコメントがございました。
次に、医薬関係者からの副作用報告の状況について、御説明いたします。資料2-3を御覧ください。
集計対象期間において医薬関係者からの報告頻度は2ページ別紙のとおりです。
症状別報告件数については、3ページの別添1を御覧ください。
最後に、製造販売業者の公表資料である市販後安全性情報の報告を御説明いたします。資料2-4を御覧ください。
集計対象期間において非重篤な副作用の報告頻度は、2/13ページ別紙のとおりです。また、非重篤症例の副作用の症状と報告件数は6~9/13ページのとおりです。
11/13ページを御覧ください。RMPの重要な潜在的リスクである催奇形性に係る情報として、服用後に妊娠が判明した症例が新たに8例報告されたとのことです。この一部には本剤の承認後からの、国立成育医療研究センター内に設置されている妊娠と薬情報センターに寄せられた相談の情報が含まれています。
製造販売業者は、12/13ページの赤字のとおり、少しでも妊娠している可能性を排除できない場合は、本剤の投与を控えていただきたい旨を周知しています。
また、資料にはありませんが、厚生労働省としては、改めて事務連絡を発出し、資材の活用の徹底と、妊娠と薬情報センターの活用を周知するとともに、妊娠と薬についてSNSであるX(旧Twitter)や厚労省ホームページによる周知を継続いたします。
妊娠と薬情報センターの相談事例の6例は、現在、詳細調査中のため、追加の情報が得られましたら、改めて対応について検討できればと考えています。
最終ページである13/13ページを御覧ください。RMPの重要な不足情報である中等度以上の肝機能障害患者での安全性については、前回の安対調査会から追加された情報はありません。
説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
それでは、本議題につきましては、御出席いただいております参考人の先生方から御意見をいただきたいと思います。
まず、多賀谷参考人、御意見をいただけますでしょうか。
○多賀谷参考人 女子医大の多賀谷と申します。
今、お話を伺ってというか、資料を見たときに、先ほどの2例の死亡例というのが、1回の投与ということで、直接死因との関与ということは不明であるということですが、両方ともリンパ腫、血液疾患の患者さんで、前投与としてベクルリーとかを使っているような患者さんで、それでも症状がということで使われている患者さんの場合、私たちの施設もそうですけれども、原因疾患が血液疾患の患者さんでは、やはり注意が必要かなということは考えられます。
ゾコーバ錠の場合は、併用禁忌の薬剤について、かなり私たち医療者としては気をつけてチェックをしているのですが、原疾患が重症な患者さんでは、一言患者さんのほうにも、こういうリスクがある可能性もお話をしたほうがいいと思いました。
あとは、妊娠の件は、この会議で毎回のように出ていて、途中から確実に問診票をつけましょうとか、チェック項目をかなり確認しましょうということで、何回かの会議で追加の問診とか、そういうお話が出ていたと思うのですが、やはり、こういう症例が増えていまして、また、流産の症例が1例あり、関連性は不明とはなっておりますが、こういう症例が問題になってくると思いますので、改めて、妊娠可能性のチェックは、さらに検討していく必要があると思います。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
続きまして、宮﨑参考人、お願いできますでしょうか。
○宮﨑参考人 感染研の宮﨑です。よろしくお願いいたします。
今、事務局から説明がございました、まず、重篤な副反応に関する報告なのですけれども、私も症例の経過を伺いまして、現状では、本薬との関連が明確とは言い難いのかなと考えております。追加の情報収集をお願いしたいところです。
また、今回報告はございませんでしたけれども、重篤な副反応のうち、急性汎発性発疹性膿疱症が1例出ております。
この疾病については、当局のほうで引き続き注視していってもらうと伺いましたので、その点は、よろしくお願いしたいと思います。
また、再々出てきております妊婦さんに対する処方が、引き続き確認された事案についてですけれども、この点に関しましても、処方に際して投与の必要性を十分に検討するように、医療現場のほうにも再依頼すると伺いました。
さらに、資材活用の徹底のお願いをする対策も行うということでしたので、現状においては、妊婦さん等への対策ということは、以上のことで大丈夫かなと考えております。それ以上の追加の必要性は、今のところはないと考えました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
特にございませんでしょうか。そうしますと、参考人のお二人の先生の御意見では、血液疾患等の背景疾患のあるような方について、注意が必要かもしれないという御意見をいただいたこと。
あと、妊娠も含めてですけれども、周知を引き続き続けていくということが必要かといったような御意見だったかなと思いますけれども、多賀谷参考人に教えていただきたいのですけれども、この血液疾患というのは、COVIDとの関係でということなのでしょうか、この薬との関係という御意見なのか、ちょっとそこが分からなかったのですけれども。
○多賀谷参考人 多分、今までほかの委員会でも言われたように、1回の投与で、それが直接薬の投与によるものとは、ちょっと言い難いとは私も思います。
ただ、やはり血液疾患の方がコロナになると重篤になりますので、この患者さんのように、いろいろ前もってベクルリーも使って、それで次の抗ウイルス剤を使ってと、今までみたいに単剤ではなくて、いろいろな薬を次々使うような重篤な症例の場合は、やはり現場が気をつけることを周知しておいたほうがいいかなと思いました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
本当に現場での御苦労のお話かと思いました。ありがとうございます。
あと、宮﨑参考人からは皮膚の発疹性膿疱症も含めて、ともかく引き続き注視していくことが大事かという御意見だったかと思いますけれども、委員の先生方、よろしいでしょうか。
そうしましたら、議決を取りたいと思います。
事務局からは、引き続き、医療関係者向けに、妊娠に係る資材活用の徹底、そして、妊娠と薬情報センターの活用を周知する事務連絡の発出を行うこと。そして、国民向けに、X(旧 Twitter)や厚労省ホームページによる周知を継続するなどの御説明がありました。
それに加えて、さらに現状の報告状況等を踏まえて、現時点においては、さらに追加の安全対策を行う必要はないということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 ありがとうございます。
佐藤委員も挙手のマークをいただいておりますので、御異議なしということで進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局より御説明をいただけますでしょうか。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。
引き続き、今後の症例集積を注視してまいります。
また、本調査会での議論につきましては、安全対策部会に報告いたします。
○岡座長 ありがとうございます。
引き続き、こうした周知活動をよろしくお願いいたします。使用例が増えてきたということで、さらに周知の必要があるのだなと、やはり私も感じました。
それでは、本議題を終了したいと思います。
多賀谷参考人並びに宮﨑参考人におかれましては、お忙しい中貴重な御意見いただき、ありがとうございました。
予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 特にございません。
次回の開催につきましては、改めて御連絡をいたします。
事務局からは以上になります。
○岡座長 それでは、本日の調査会は閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
※ なお、舟越委員は所用により欠席となった。
これから「令和5年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開会させていただきます。
本日の御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中御出席をいただきまして、ありがとうございます。
今回の会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録につきましては、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。議事に先立ち、審議の進行方法などについて事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より、御説明申し上げます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。
御発言のタイミングが重なったりした際は、調査会長から順に発言者を御指名いただきます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので御確認をお願いいたします。
御不便等をおかけするかもしれませんが、御理解、御協力のほど、お願い申し上げます。
事務局からは以上になります。
それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長の岡委員、お願いいたします。
○岡座長 調査会長の岡でございます。座長を務めさせていただきますので、委員の皆様方には円滑な議事進行に御協力をお願いしたいと思います。
今回もWeb開催ということで、事務局から御説明がございましたが、これまでの御説明に何か御意見、御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況等について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告いたします。舟越委員は御出席の予定と伺っておりますが、少し遅れているようでございます。現時点で6名中5名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規程により定足数に達しており、本日の会議は成立することを報告申し上げます。
続きまして、本日、参考人として御参加いただく先生方を紹介いたします。
議題1「一般用医薬品イソコナゾールのリスク区分」の関係で、日本産科婦人科学会より、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 茨城県地域産科婦人科学講座教授 寺内公一先生。
議題2「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の関係で、東京女子医科大学呼吸器内科学講座 教授・基幹分野長の多賀谷悦子先生。
国立感染症研究所 ハンセン病研究センターセンター長・真菌部部長の宮﨑義継先生に御出席いただいております。
以上になります。
○岡座長 続きまして、審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の方々につきまして、議題1及び議題2の対象品目、競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を報告いたします。
対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業について、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認をいただきましたところ、石井委員より、大正製薬株式会社、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。
柿崎委員より、塩野義製薬株式会社より50万を超えて500万円以下のお受け取り、田辺三菱製薬株式会社、ギリアド・サイエンシズ株式会社より50万円以下のお受け取り。
舟越委員より、田辺三菱製薬株式会社、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。
多賀谷参考人より、MSD株式会社より50万円以下のお受け取りと御申告いただいております。
柿崎委員におかれましては、議題2の審議中、御意見を述べることはできますが、議決に加わることはできません。
その他の委員におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わっていただくことができます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しております。
続きまして、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。
薬事分科会規程第11条におきましては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告いたします。
以上になります。
○岡座長 ありがとうございます。
ただいまの事務局から説明に対して、御意見、御質問等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。
資料はあらかじめお送りさせていただいており、議題1に関して資料1-1及び1-2、議題2に関して資料2-1~2-4及び参考資料2-1~2-3がございます。
このほか、議事次第・資料一覧、委員・参考人名簿及び競合品目・競合企業リストがございます。お手元に御用意のない委員がいらっしゃいましたら、お知らせくださいますようお願いいたします。
なお、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方は、そちらの御参照をお願いいたします。
以上になります。
○岡座長 よろしいでしょうか。お手元にございますでしょうか。
それでは、議題1「一般用医薬品イソコナゾールのリスク区分について」の審議を行いたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。
表に記載されている品目は現在、第1類医薬品に指定されており、このたび、製造販売後調査の終了に伴い、一般用医薬品としてのリスク区分の検討をお願いするものです。
まず、一般用医薬品のリスク区分の評価の流れについて御説明いたします。資料1-1、7ページの「スイッチOTC薬に係る要指導医薬品から一般用医薬品への移行の流れ」を御覧ください。図の左から順に御説明いたします。
まず、販売開始後原則3年間は製造販売後調査が行われ、その期間は要指導医薬品に区分されます。製造販売開始後2年以降で、特別調査の目標症例数を集めた時点で中間報告書が提出されます。中間報告書をもって、安全対策調査会で、一般用医薬品としての販売の可否について評価します。
次に、製造販売後調査終了から1年間は第1類医薬品として区分され、この1年間に、一般用医薬品としてのリスク区分を決定することになります。
本日御議論いただくイソコナゾール硝酸塩は、現在この段階にあり、第1類医薬品に分類されています。本日は、図の②リスク区分の判断の安全対策調査会に当たります。
リスク区分の検討手順としましては、まず、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行います。その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行います。
次に、医薬品等安全対策部会にて、安全対策調査会における事前整理やパブリックコメントの結果等について、調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっております。
続いて、一般用医薬品のリスク区分を説明させていただきます。資料1-1、6ページ「一般用医薬品のリスク区分」を御覧ください。
第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、または、新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務がございます。
第2類医薬品につきましては、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品で、第1類医薬品を除くもので、厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師または登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。
第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師または登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は、情報提供するための設備から7メートル以内の範囲に陳列する、指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされております。
第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師または登録販売者により販売されます。
続いて今回御審議いただくイソコナゾールについて説明いたします。資料1-2を御覧ください。
成分・含量ですが、1錠中にイソコナゾール硝酸塩を600mg含むものです。販売名は「メンソレータムフレディCC1」「メンソレータムフレディCC1A」です。効能・効果は、膣カンジダの再発(以前に医師から、膣カンジダの診断・治療を受けたことのある人に限る)です。「メンソレータムフレディCC1」と「メンソレータムフレディCC1A」の違いは、膣深部に挿入するアプリケーターが付属しているかいないかのみであり、用法・用量は「成人(15歳以上60歳未満)1回1錠を膣深部に挿入する(できれば就寝前)。ただし、3日間経過しても症状の改善が見られないか、6日間経過しても症状が消失しない場合は医師の診断を受けること」とされています。
同じページ下の製造販売後調査概要を御覧ください。
特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数1,064症例で、副作用が58例117件ございました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、月経中間期出血(不正出血)、細菌性外陰腟炎、腟部異臭、頻尿、不眠症、悪心が各1件報告されました。
使用者もしくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、副作用は117例165件ございました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、異物感、月経障害、出血、下腹部痛、口渇、頭痛、違和感、腹痛、外陰腟の炎症等が報告されました。
3ページ目を御覧ください。
これまで御説明した副作用発現状況をまとめたものとなっており、本剤で報告された副作用及び類薬の副作用発現状況をその種類別にまとめております。また、本剤と同一有効成分である医療用医薬品のデータも参考に掲載しております。
なお、医療用医薬品は、300mg製剤及び100mg製剤があり、本剤の1日当たりの用量は300mg製剤と同一です。
続いて「2.適正使用状況について」です。特別調査において、本製剤の適用疾患以外への使用はありませんでしたが、再発ではない例が3例ありました。また「使用上の注意」からの逸脱例として、60歳以上の使用15例、糖尿病17例、腟カンジダ用以外の外用薬の使用14例がありました。
この症例を含む「使用上の注意」からの逸脱例については、企業において、販売店へ販売時の説明や確認を改めて依頼するとともに、情報入手の都度、使用者及び販売店に注意喚起を行っております。
4~23ページは製造販売後調査報告書、24~27ページは添付文書、28~29ページは適正使用のためのチェックシート、30ページ目以降は使用者向けの説明資材を添付しています。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございました。
それでは、本日御出席いただいております、寺内参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○寺内参考人 日本産科婦人科学会 東京医科歯科大学産婦人科の寺内と申します。
ただいま事務局から御説明がございましたように、重篤な副作用等はないという点で、安全性に対して大きな懸念はないと考えますけれども、一方で、外陰部の腫脹等、現疾患との区別というのが難しい点もありますけれども、それなりに注意を払うべき副作用があるということ。
あと、手法について、ある程度の理解が必要とされるということを鑑みますと、類薬が全て1類になっているということも踏まえまして、1類のままにするのが適切であると考えます。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、委員の皆様から御意見、御質問などをいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
今、参考人の御意見として、安全性は、注意が必要だけれども大きな懸念はなく、使用法の理解等については、十分説明が必要というお話だったかと思いますけれども、特に御質問はないでしょうか。
そうしましたら、議決に移りたいと思いますけれども、佐藤委員、カメラが切れておりますので、挙手のマークで、もしよろしければ、御意見をいただければと思います。
一般用医薬品イソコナゾールのリスク区分については、ただいまの御意見を基に第1類とすることでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 佐藤委員も挙手をしていただいて、後の委員の先生は、首肯をされておりますので、御異議なしということにさせていただきます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。
本日御審議いただきました結果に基づいて、パブリックコメントの実施の手続を進めさせていただきます。
○岡座長 それでは、本議題を終了したいと思います。
寺内参考人におかれましては、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。
○寺内参考人 ありがとうございました。
○岡座長 これ以降は御意見を求める予定はございませんので、途中で御退席いただいても差し支えはございません。ありがとうございました。
○寺内参考人 失礼いたします。ありがとうございました。
○岡座長 それでは、議題の2「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の審議を行いたいと思います。
事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-1「緊急承認された医薬品(ゾコーバ錠)に係る対応について」を御覧ください。
新型コロナウイルス感染症治療薬であるゾコーバ錠が緊急承認されたことに伴い、参考資料2-1としてお示ししている医薬品等安全対策部会での審議を踏まえ、安全対策調査会において副作用等報告の状況を考慮し、追加の安全対策の要否の評価をお願いするものです。
製造販売業者からの副作用報告の状況について、御説明いたします。資料2-2を御覧ください。
今回の調査会の集計対象期間は、11月24日から8月20日であり、推定使用者数は52万7374人と製造販売業者から報告されており、こちらは納入数量に基づいて算出されております。
当該期間において製造販売業者からの報告頻度は2ページ別紙のとおりです。
3ページの別添1に症状別報告件数をお示ししております。
4ページの別添2の症例一覧を御覧ください。前回の調査会でお示していた症例で追加の報告があったものは、アスタリスクを付している症例で、No.10より後ろが新しく報告された症例です。
5ページから別添3で基礎疾患や症例経過をお示ししています。今回、副作用の転帰が死亡の症例として2例報告されていますので、PMDAの外部専門委員に評価を依頼しました。
5~8ページの症例No.6のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の評価は、原疾患の経過の情報が少なく評価が難しいが、本薬内服開始前からLDHが高値となっており、本薬投与開始前に原疾患が増悪していた可能性があること、現時点で本薬1回だけの内服が原疾患の増悪に影響したとは考えにくいとのコメントがありました。
17~20ページの症例No.14の劇症肝炎の評価は、AST/ALTの上昇が軽度で、数日で改善していることなどから劇症肝炎との診断には疑問があること、判断に当たって肝性脳症に関する情報もあったほうがよいこと、経過が薬物による肝炎・肝不全に至った事象とは考えにくいといったコメントがございました。
次に、医薬関係者からの副作用報告の状況について、御説明いたします。資料2-3を御覧ください。
集計対象期間において医薬関係者からの報告頻度は2ページ別紙のとおりです。
症状別報告件数については、3ページの別添1を御覧ください。
最後に、製造販売業者の公表資料である市販後安全性情報の報告を御説明いたします。資料2-4を御覧ください。
集計対象期間において非重篤な副作用の報告頻度は、2/13ページ別紙のとおりです。また、非重篤症例の副作用の症状と報告件数は6~9/13ページのとおりです。
11/13ページを御覧ください。RMPの重要な潜在的リスクである催奇形性に係る情報として、服用後に妊娠が判明した症例が新たに8例報告されたとのことです。この一部には本剤の承認後からの、国立成育医療研究センター内に設置されている妊娠と薬情報センターに寄せられた相談の情報が含まれています。
製造販売業者は、12/13ページの赤字のとおり、少しでも妊娠している可能性を排除できない場合は、本剤の投与を控えていただきたい旨を周知しています。
また、資料にはありませんが、厚生労働省としては、改めて事務連絡を発出し、資材の活用の徹底と、妊娠と薬情報センターの活用を周知するとともに、妊娠と薬についてSNSであるX(旧Twitter)や厚労省ホームページによる周知を継続いたします。
妊娠と薬情報センターの相談事例の6例は、現在、詳細調査中のため、追加の情報が得られましたら、改めて対応について検討できればと考えています。
最終ページである13/13ページを御覧ください。RMPの重要な不足情報である中等度以上の肝機能障害患者での安全性については、前回の安対調査会から追加された情報はありません。
説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
それでは、本議題につきましては、御出席いただいております参考人の先生方から御意見をいただきたいと思います。
まず、多賀谷参考人、御意見をいただけますでしょうか。
○多賀谷参考人 女子医大の多賀谷と申します。
今、お話を伺ってというか、資料を見たときに、先ほどの2例の死亡例というのが、1回の投与ということで、直接死因との関与ということは不明であるということですが、両方ともリンパ腫、血液疾患の患者さんで、前投与としてベクルリーとかを使っているような患者さんで、それでも症状がということで使われている患者さんの場合、私たちの施設もそうですけれども、原因疾患が血液疾患の患者さんでは、やはり注意が必要かなということは考えられます。
ゾコーバ錠の場合は、併用禁忌の薬剤について、かなり私たち医療者としては気をつけてチェックをしているのですが、原疾患が重症な患者さんでは、一言患者さんのほうにも、こういうリスクがある可能性もお話をしたほうがいいと思いました。
あとは、妊娠の件は、この会議で毎回のように出ていて、途中から確実に問診票をつけましょうとか、チェック項目をかなり確認しましょうということで、何回かの会議で追加の問診とか、そういうお話が出ていたと思うのですが、やはり、こういう症例が増えていまして、また、流産の症例が1例あり、関連性は不明とはなっておりますが、こういう症例が問題になってくると思いますので、改めて、妊娠可能性のチェックは、さらに検討していく必要があると思います。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
続きまして、宮﨑参考人、お願いできますでしょうか。
○宮﨑参考人 感染研の宮﨑です。よろしくお願いいたします。
今、事務局から説明がございました、まず、重篤な副反応に関する報告なのですけれども、私も症例の経過を伺いまして、現状では、本薬との関連が明確とは言い難いのかなと考えております。追加の情報収集をお願いしたいところです。
また、今回報告はございませんでしたけれども、重篤な副反応のうち、急性汎発性発疹性膿疱症が1例出ております。
この疾病については、当局のほうで引き続き注視していってもらうと伺いましたので、その点は、よろしくお願いしたいと思います。
また、再々出てきております妊婦さんに対する処方が、引き続き確認された事案についてですけれども、この点に関しましても、処方に際して投与の必要性を十分に検討するように、医療現場のほうにも再依頼すると伺いました。
さらに、資材活用の徹底のお願いをする対策も行うということでしたので、現状においては、妊婦さん等への対策ということは、以上のことで大丈夫かなと考えております。それ以上の追加の必要性は、今のところはないと考えました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
特にございませんでしょうか。そうしますと、参考人のお二人の先生の御意見では、血液疾患等の背景疾患のあるような方について、注意が必要かもしれないという御意見をいただいたこと。
あと、妊娠も含めてですけれども、周知を引き続き続けていくということが必要かといったような御意見だったかなと思いますけれども、多賀谷参考人に教えていただきたいのですけれども、この血液疾患というのは、COVIDとの関係でということなのでしょうか、この薬との関係という御意見なのか、ちょっとそこが分からなかったのですけれども。
○多賀谷参考人 多分、今までほかの委員会でも言われたように、1回の投与で、それが直接薬の投与によるものとは、ちょっと言い難いとは私も思います。
ただ、やはり血液疾患の方がコロナになると重篤になりますので、この患者さんのように、いろいろ前もってベクルリーも使って、それで次の抗ウイルス剤を使ってと、今までみたいに単剤ではなくて、いろいろな薬を次々使うような重篤な症例の場合は、やはり現場が気をつけることを周知しておいたほうがいいかなと思いました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
本当に現場での御苦労のお話かと思いました。ありがとうございます。
あと、宮﨑参考人からは皮膚の発疹性膿疱症も含めて、ともかく引き続き注視していくことが大事かという御意見だったかと思いますけれども、委員の先生方、よろしいでしょうか。
そうしましたら、議決を取りたいと思います。
事務局からは、引き続き、医療関係者向けに、妊娠に係る資材活用の徹底、そして、妊娠と薬情報センターの活用を周知する事務連絡の発出を行うこと。そして、国民向けに、X(旧 Twitter)や厚労省ホームページによる周知を継続するなどの御説明がありました。
それに加えて、さらに現状の報告状況等を踏まえて、現時点においては、さらに追加の安全対策を行う必要はないということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 ありがとうございます。
佐藤委員も挙手のマークをいただいておりますので、御異議なしということで進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局より御説明をいただけますでしょうか。
○事務局 御議論いただき、ありがとうございました。
引き続き、今後の症例集積を注視してまいります。
また、本調査会での議論につきましては、安全対策部会に報告いたします。
○岡座長 ありがとうございます。
引き続き、こうした周知活動をよろしくお願いいたします。使用例が増えてきたということで、さらに周知の必要があるのだなと、やはり私も感じました。
それでは、本議題を終了したいと思います。
多賀谷参考人並びに宮﨑参考人におかれましては、お忙しい中貴重な御意見いただき、ありがとうございました。
予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 特にございません。
次回の開催につきましては、改めて御連絡をいたします。
事務局からは以上になります。
○岡座長 それでは、本日の調査会は閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
※ なお、舟越委員は所用により欠席となった。