第194回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和5年6月20日(火)14:00~16:00

場所

会場
厚生労働省 政策統括官大会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館11階公園側)
傍聴会場
厚生労働省 雇用環境・均等局大会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館13階公園側)

議事

議事内容
2023-6-20 労働政策審議会職業安定分科会(第194回)
○弓総務課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第194回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
 皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 初めに、職業安定分科会長の選出について御報告させていただきます。
 職業安定分科会長は、労働政策審議会令第6条第4項に基づき、労働政策審議会の本審に所属する公益委員の中から、本審に属する委員より選出されることとなっております。
 事前に山川委員が選出されておりますので、御報告申し上げます。
 以降の議事進行につきましては、山川分科会長にお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 明治大学の山川でございます。
 前の期に引き続きまして、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、労働政策審議会令第6条6項によって、分科会長が分科会長代理を指名することとなっております。
 職業安定分科会の公益代表の委員の方の中から指名することになっておりますので、こちらにつきましては、阿部委員に事前にお願いして、内諾を得ております。
 よろしくお願いいたします。
 次に、議事に先立ちまして、新たに就任された委員の方を御紹介させていただきますので、御出席の方は、一言御挨拶をお願いいたしたいと思います。
 まず、公益代表委員につきましては、先ほど申し上げました、中央大学経済学部教授の阿部委員。
 それから、政策研究大学院大学副学長・理事・教授の黒澤委員が就任されております。
 本日、御両名は御欠席ということでございます。
 また、公益代表委員として、労働政策研究・研修機構統括研究員の堀委員が就任されております。
 一言御挨拶をお願いします。
○堀委員 初めて参加させていただきます、労働政策研究・研修機構の堀と申します。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○山川分科会長 よろしくお願いいたします。
 それから、労働者代表の委員として、全国建設労働組合総連合書記次長の小倉委員が新たに就任されておりますが、本日は御欠席ということでございます。
 なお、当分科会の下に置かれております各部会に所属する本審の委員、その他の委員であられます臨時委員、専門委員につきましては、労働政策審議会令第7条第2項の規定により、分科会長が指名することになっております。
 配付しております名簿のとおり、事前に指名させていただいております。
 本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の阿部委員、黒澤委員、橋本委員、
 労働者代表の小倉委員、
 使用者代表の小野委員、砂子田委員が御欠席になっております。
 それから、使用者代表の馬渡委員におかれましては、所用により、15時30分頃の御退席とのことです。
 また、事務局では、田中職業安定局長が公務のため御欠席となります。
 それでは、カメラ撮影がありましたら、ここまでとさせていただきます。
 では、議事に入ります。
 まず、本日最初の議題は「職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」でございます。
 議題内容につきましては、第357回「労働力需給制度部会」において、あらかじめ議論を行っていただいております。
 それでは、こちらの資料及び部会での議論につきまして、事務局から説明をお願いします。
○篠崎需給調整事業課長 事務局の需給調整事業課長でございます。
 議題1、職業安定法施行規則の一部を改正する省令案の関係について御説明いたします。
 省令改正の諮問となりますので、資料1-1が省令案要綱。
 資料1-2が省令案の概要となっております。
 要綱の説明の前に、参考資料1を使って、制度の現状や見直しの検討の背景などの説明を先にさせていただきたいと思います。
 参考資料1を御覧ください。
 1つ目でございます。
 項目は2つございますが、1つ目から説明させていただきます。
 まず「労働条件明示の追加について」です。
 「制度の現状」を御覧ください。
 職業安定法では、労働者の募集等に当たり、業務内容等の労働条件を明示しなければならないこととしております。
 明示事項は、業務の内容や労働契約の期間等でございまして、具体的明示事項を省令で定めております。
 今回は、明示事項の追加となります。
 明示する義務の主体は、公共職業安定所、職業紹介事業者、労働者の募集を行う者などでございます。
 なお、労働者の募集を行う者とは、法令用語になりますが、分かりやすく申し上げますと、一般的には求人企業のことと言ってもいいと思います。
 周知する際には、職業紹介事業者向けパンフ、求人企業向けパンフといったように、誰に宛てたものか分かりやすくなるようにする予定でございます。
 資料に目をお戻しください。
 また、労働基準法においても、労働契約締結時の義務として、労働条件の明示が義務づけられております。
 明示すべき事項について、両者は完全に重複するものではございませんが、業務内容、就業場所、労働契約の期間など、主要な事項については共通しております。これは、労働基準法に基づく労働条件の明示とともに、労働条件が不明確なことに起因する紛争の防止や適切なマッチングの一助とするものでございます。
 「見直し検討の背景」「対応案」について御説明いたします。
 労働基準法施行規則が改正されまして、令和6年4月1日から労働契約締結時における労働条件の明示について、明示すべき事項が追加されることとなりました。
 また、昨年秋に厚生労働省が取りまとめた「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」の雇用労働総合政策パッケージにおいても、労働市場の強化・見える化等を図っていくこととしております。
 そこで、これらの動きを踏まえまして、職業安定法施行規則においても、従事すべき業務の変更の範囲、就業の場所の変更の範囲、及び有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項、これにつきましては、通算契約期間または更新回数の上限を含むものでございますが、これについて明示すべき事項として追加するという内容になります。
 続いて、資料の2つ目でございます。
 手数料等の書面掲示義務、いわゆるアナログ規制について御説明いたします。
 「制度の現状」の部分を御覧ください。
 職業安定法施行規則第24条の5第4項において、有料職業紹介事業者に対し、手数料表や返戻金制度に関する事項を記載した書面及び事業の運営に関する規程について、事業所内に掲示することを義務づけております。
 次に、「見直し検討の背景」「対応案」の部分を御覧ください。
 今般、書面掲示に関する規制が、デジタル臨時行政調査会において策定された見直しプランにおいて、見直しの対象とされております。
 また、インターネットの普及等により、求職者や求人者等の職業紹介事業の利用者にとって、事業所内への掲示以外の方法でも、利便性が損なわれない状況となっていると考えております。
 そこで、有料職業紹介事業者に対し、手数料表や返戻金制度に関する事項、事業の運営に関する規程について、事業所内での掲示に限らず、インターネット等によっても可能とするという内容になります。
 次に、省令改正案の要綱を御説明いたします。
 資料1-1を御覧ください。
 要綱の具体的な部分でございます。
 第一は、労働条件の明示についてです。
 職業安定法第5条の3第4項に基づく労働条件の明示について、明示する事項として、従事すべき業務の内容の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項及び就業の場所の変更の範囲を追加することとします。
 第二は、有料職業紹介事業者の手数料表、返戻金制度に関する事項を記載した書面等の取扱いについてです。
 これらの書面等について、従前の掲示による方法に加え、新たにインターネットの利用その他の適切な方法により情報の提供を行うことを可能といたします。
 第三は、施行日についてです。
 この改正省令は、令和6年4月1日から施行することとします。
 なお、この施行を円滑にするために、周知に際しましては、労働基準法施行規則の改正と併せて、職業安定法施行規則の労働条件明示の追加の内容も周知するなど、省内でも関係部局とも連携して、分かりやすく、丁寧な周知に努めるようにしたいと考えております。
 説明の最後となりますが、事前に御審議いただきました労働力需給制度部会の状況を御報告いたします。
 労働力需給制度部会においては、5月24日に御審議いただきました。
 要綱につきましては、改正省令が遵守されるよう周知徹底を求める意見や、対象としまして、労働基準法と同じ対象の求人企業が対象になるわけでございますので、労働基準法施行規則と併せた周知といった御意見をいただいた上で、特段の異議なく、妥当との御意見をいただいております。
 資料の説明は以上となります。
 御審議のほどよろしくお願いします。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件諮問につきまして、当分科会として御審議をお願いしたいと思います。
 本件につきまして御質問、御意見がありましたら、挙手または「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、こちらで指名させていただいた後に、お名前をおっしゃってから御発言いただきますようお願いいたします。
 御質問、御意見等はございますでしょうか。
 馬渡委員、お願いします。
○馬渡委員 全国中央会の馬渡でございます。
 御説明ありがとうございました。
 有料職業紹介事業者の手数料表や返戻金の制度について、インターネットでも情報の提供を行うことができることとすると述べられているのですが、表題は「手数料等の書面掲示義務について」となっておりますので、周知される際には、どの部分が必ずやらなければいけない義務で、何ができることとするという規定なのかをもっと分かりやすくしていただければと思っております。
 また、ITをデジタル社会に持っていく、利便性を向上させようという観点から言うと、改正の趣旨に、紛争の未然防止のための見直しと記載してありますので、インターネットの情報提供は義務にしてもいいのではないかと考えますので、今後、検討項目として取り上げていただきたいと思います。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 周知に関する御要望、今後の検討課題の御指摘をいただきました。
 ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。
 平山委員、お願いします。
○平山委員 JAMの平山でございます。
 丁寧な説明をありがとうございました。
 まず、先月の労働力需給制度部会の中でも、労働者側より申し上げておりましたとおり、省令案要綱の内容につきましては、いずれも異論はありません。
 また、御説明でも周知徹底、関係各所との連携を行う旨の発言がありましたが、来年4月1日の施行に向けましては、改正内容の遵守に向けて、十分に周知徹底いただけるようによろしくお願いします。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 同様に周知に関する御意見、御要望をいただきました。
 ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、特にございませんようでしたら、御議論を踏まえて、当分科会としては、厚生労働省案を妥当と認め、その旨を私から御報告いたしたいと考えております。
 このような方向で、何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○山川分科会長 それでは、報告文案の表示をお願いします。
(報告文案表示)
○山川分科会長 表示されております報告文案のとおり、私から労働政策審議会会長宛てに報告するということで御異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山川分科会長 では、御異議ございませんでしたので、周知等に関する御要望、その他御指摘を踏まえつつ、本件につきましては、このように御報告させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 では、次の議題に移ります。
 次の議題は、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針等について、こちらは御報告になります。
 では、事務局から説明をお願いします。
○弓総務課長 総務課長の弓でございます。
 私から、骨太の方針等につきまして御説明申し上げます。
 まず、資料2-1を御覧ください。
 「経済財政運営と改革の基本方針2023」。
 こちらは、6月16日に閣議決定されたものの抜粋になります。
 1枚めくっていただきまして、赤字としてある部分が職業安定局関係の主な部分となっておりますので、こちらを中心に御説明したいと思います。
 「三位一体の労働市場改革による構造的賃上げの実現と『人への投資』の強化、分厚い中間層の形成」の中でございます。
 (三位一体の労働市場改革)におきまして、2つ目のパラの赤字の部分でございますが「リ・スキリングによる能力向上支援」の部分は、職業訓練給付の拡充、教育訓練中の生活を支えるための給付や融資制度の創設について検討するとしております。
 また、雇用調整助成金について、休業よりも教育訓練による雇用調整を選択しやすくなるよう、助成率等の見直しを行うとされているところです。
 下に参りまして「成長分野への労働移動の円滑化」の部分でございますが、失業給付制度において、自己都合による離職の場合に、失業給付を受給できない期間に関し、飛ばしますが、自己都合の場合の要件を緩和する方向で具体的設計を行うとしております。
 また、求職・求人に関して、官民が有する基礎的情報を加工して集約し、共有して、キャリアコンサルタントがその基礎的情報に基づき、働く方々のキャリアアップや、転職の相談に応じられる体制の整備等に取り組むとしております。
 2ページになります。
 (多様な働き方の推進)の中でございます。
 中段になりますが、週所定労働時間20時間未満の労働者に対する雇用保険の適用拡大について検討し、2028年度までを目途に実施する。
 「2.投資の拡大と経済社会改革の実行」の中の(技能実習制度及び特定技能制度の在り方の検討)という項目。
 中段以降、赤字にしておりますが、現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消して人材確保と人材育成を目的とした新たな制度を創設するとともに、特定技能制度は、制度を見直して適正化を図った上で、引き続き活用していくなどの方向で検討するとされております。
 3ページにも関係箇所がございますが、赤字の部分は特に記載しておりません。
 4ページを御覧いただきまして「第4章 中長期の経済財政運営」また「持続可能な社会保障制度の構築」の項目がございます。
 その中に、医療介護分野における職業紹介について、関係機関が連携して、公的な職業紹介の機能の強化に取り組むとともに、有料職業紹介事業の適正化に向けた指導監督や事例の周知を行うといった項目が盛り込まれているところでございます。
 続きまして、資料2-2を御覧ください。
 こちらも6月16日の閣議決定になりますが「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」でございます。
 重複する部分もございますが、主な関連する部分について御紹介してまいります。
 1ページでございます。
 「人への投資・構造的賃上げと『三位一体の労働市場改革の指針』」としまして「(4)リ・スキリングによる能力向上支援」の項目がございます。
 その中で、赤字の部分でございますが、雇用保険の教育訓練給付に関しては、飛ばしますが、リスキリングのプログラムを受講する場合の補助率や補助上限について、拡充を検討することとし、具体的な制度設計を行うとされております。
 次に、教育訓練給付の受給に係る手続について、オンラインを活用して、受給までの効率化を図るという項目。
 2ページでございます。
 「雇用調整助成金の見直し」でございまして、休業よりも教育訓練による雇用調整を選択しやすくするよう、助成率等の見直しを行うとされています。
 「(6)成長分野への労働移動の円滑化」の部分の「失業給付制度の見直し」の中では、自己都合の場合の要件を緩和する方向で具体的設計を行うとされています。
 3ページを御覧ください。
 「求人・求職・キャリアアップに関する官民情報の共有化」でございます。
 赤字の部分でございますが、成長分野への円滑な労働移動のため、求職・求人に関して、官民が有する基礎的情報を加工して集約し、共有して、キャリアコンサルタント、現在6.6万人が、その基礎的情報に基づき、働く方々のキャリアアップや転職の相談に応じられる体制を整備するといったものが盛り込まれております。
 4ページでございます。
 「副業・兼業の奨励」がございます。
 中身としまして、経産省の事業なども紹介されておりますが、副業・兼業を奨励するという項目。
 「また」以下でございますが、産業雇用安定助成金を活用し、企業の在籍型出向を推進するといったことも盛り込まれています。
 マル7としまして、情報インフラの整備がございます。
 厚生労働省が運営する「しょくばらぼ」の機能強化、利用促進、さらには「job tag」の機能強化と利便性の向上について記載されているところでございます。
 資料2-3を御覧いただきますと「こども未来戦略方針」。
 6月13日の閣議決定でございます。
 めくっていただきまして、1ページでございますが「個人の主体的なリ・スキリングへの直接支援」の中で、教育訓練給付について、訓練効果をより高める観点から、補助率等を含めた拡充を検討するということ。
 また、訓練期間中の生活を支えるための新たな給付や融資制度の創設についても記載されているところです。
 「3.共働き・共育ての推進」の中で「男性育休の取得促進」がございます。
 制度面と給付面の両面からの対応を抜本的に強化するとされておりまして、次のページに続きますが「給付面の対応」についての記載でございます。
 「『産後パパ育休』を念頭に」という文言がございますが、その後に、赤字の部分ですが、給付率を現行の67%から8割程度へ引き上げるとしておりまして、その下の○が「具体的には」ということで、さらに具体的に記載しているものです。
 両親ともに育児休業を取得することを促進するため、男性が一定期間以上の「産後パパ育休」を取得した場合には、その期間の給付率を引き上げる。
 女性の産休後の育休取得について、28日間を限度に給付率を引き上げることとし、2025年度からの実施を目指して検討を進めることとしています。
 また、育児休業給付を支える財政基盤を強化することとされております。
 さらに「育児期を通じた柔軟な働き方の推進」の中では、こどもが2歳未満の期間に、時短勤務を選択したことに伴う賃金の低下を補い、時短勤務の活用を促すための給付を創設すること。こちらについては、2025年度からの実施を目指すとしています。
 「多様な働き方と子育ての両立支援」としましては、現在、雇用保険が適用されていない週所定労働時間20時間未満の労働者についても、失業給付や育児休業給付等を受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向けた検討を進めるとされておりまして、2028年度までを目途に施行するとされているところでございます。
 3ページに参ります。
 こちらも安定的な財源の確保の項目がございまして(見える化)では、こども・子育て支援のための新たな特別会計、いわゆる「こども金庫」を創設し、既存の特別会計事業を統合するという方向性が示されております。
 所要の法案を2024年通常国会に提出するといったことも盛り込まれております。
 最後に、資料2-4でございます。
 「規制改革実施計画」につきまして、6月16日に閣議決定がなされております。
 1枚めくっていただきまして、こちらは赤字はございませんで、黒字のままでございますが、まず、雇用関係手続の見直しということで、(4)としまして「企業に求められる雇用関係手続の見直し」。
 雇用保険の事務手続については、企業が本社等での集中的な処理を行う場合の効率的な処理について述べられております。
 また、(6)としまして「企業による雇用関係情報の公開に関する方法等の見直し」でございます。
 こちらは、既存の女性の活躍推進企業データベースとか「しょくばらぼ」についての利用の促進とか周知などについての措置を講じるということ。
 また、それぞれ企業に公表を推奨すべき情報等について整理したガイドラインを策定するといったことが盛り込まれているものでございます。
 2ページを御覧いただきますと「医療・介護・保育分野における人材確保の円滑化のための有料職業紹介事業等の制度の見直し」でございます。
 文字が多くて、見にくくて恐縮でございますが、aでは、特別相談窓口の設置とか、集中的な指導監督を実施することが述べられております。
 bにおきましては、そちらの結果を把握した上での必要に応じた所要の措置の検討。
 cといたしましては、実勢手数料の平均値及び分布及び職種別の離職率について、地域ごと、また職種ごとの毎年度の公表についての検討が述べられております。
 さらには、紹介事業者ごとの離職状況について、適正な追跡調査の徹底と公表についての期間を2年から5年に延長。
 dとしましては、有料職業紹介事業者の認定制度につきまして、認定基準の追加等についての検討が述べられているところでございます。
 さらに、eでございますが、ハローワークの人材確保対策コーナーを中心とした求人者への支援の強化について記載されているところでございます。
 3ページに参りまして「失業認定のオンライン化」でございます。
 今年度夏からオンライン面談等の失業認定を実施することとしておりますが、効果検証を行うといったこと、また、失業認定の在り方についての検討を行うと記載されております。
 8でございます。
 「子育てに関する各種申請業務の負担軽減」としましても、雇用保険システムの改修等の検討についても述べられているところでございます。
 以上、駆け足になりますが、骨太方針等におきます安定行政関連の記載について御紹介させていただいたところでございます。
 具体的な検討については、今後検討となってまいりますが、審議会等におけます御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 私からの御説明は以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 非常に様々な事項について御説明いただきました。
 本件につきまして御質問、御意見等がありましたら、先ほどと同様の方法で御発言をお願いいたします。
 御質問、御意見等はございますでしょうか。
 新田委員、お願いします。
○新田委員 御説明ありがとうございました。
 御報告ということでありますし、今後検討ということでありますが、検討に当たっての意見等をあえて申し上げたいと思います。
 今、分科会長からもありましたとおり、様々な論点が示されているところでありますが、今回、その中でも、特にリスキリングによる能力向上支援に絞って申し上げたいと思います。
 今し方御説明がありましたように、骨太、あるいはグランドデザイン、実行計画改訂版「こども未来戦略方針」のいずれにおいても、リスキリングによる能力向上支援策がうたわれていて、その柱として、在職者への学び直しということで、特に個人への直接支援を拡充すると盛り込まれております。
 その柱として、雇用保険制度の教育訓練給付の拡充がそれぞれうたわれていると承知しております。
 ただ、一方で、御承知のとおり、今、雇用保険財政は非常に厳しい状況にあります。
 加えて、今回、リスキリングによる能力向上支援、その中の個人への直接支援をうたっている一方で、これも皆さん御承知のとおりですが、雇用保険の教育訓練給付は、労使それぞれの雇用保険、保険料のみで負担していて、要は、国庫の負担がない状況でありますので、この点について、教育訓練給付の拡充を政府として引き続きやっていくということであるならば、国庫負担も含めて、今後、ぜひ議論していきたいと強く申し上げておきたいと思います。
 あわせまして、今まさに政府が進められている5年で1兆という人への投資、加えて、我々も申し上げている円滑な労働移動のさらなる推進という観点から、まさにいわゆる雇用保険財政の再建に向けた早期の検討が必要とかねてから申し上げておりますが、この点について、さらに皆さんで認識を共有しながら議論を進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 教育訓練給付に関する国庫負担のお話、また、雇用保険の財政に関わる御意見をいただいたところであります。
 ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。
 冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 御説明いただいた骨太方針、新しい資本主義の実行計画、こども未来戦略方針について、それぞれに雇用保険制度に関する給付と、財源にも影響を与えそうな内容が非常に多く記載されています。これらはこれまで労政審で議論しておらず、これから議論されるものと思います。雇用保険制度に関連する部分で申し上げると、雇調金の助成率を見直して、教育訓練にシフトしていくという記載も実行計画には見られますが、従来から申し上げているとおり、雇調金、雇用保険制度は、雇用の維持・確保の目的が最大限担保されるべきことは今後も変わるものではないと考えております。この点はしっかりと守っていただきたいと思います。
 併せて、教育訓練の活用もたいへん重要だと考えておりますが、外部教育機関、訓練機関の情報提供など、まずは企業における訓練の円滑な実施の支援強化が重要であると考えておりますし、国庫負担も含め、在り方を検討すべきではないかと考えています。
 また、今回、雇用保険の適用拡大に関する部分についても触れられておりますが、こちらも非常に重要なテーマであり、社会保険制度との連動や、現在試行中のマルチジョブホルダーの制度との関係なども含めて、丁寧に議論を行った上で、十分に合意形成を図る必要があると考えております。
 いずれにしましても、今後の検討に当たっては、制度の趣旨やデータに基づき、国庫負担の在り方も含めて、労政審の各分科会・部会において適切に議論がされるようにお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 雇用保険に関わるお話で、特に雇用調整助成金、あるいは適用拡大についても御意見をいただいたところです。
 では、続きまして、馬渡委員、どうぞ。
○馬渡委員 全国中央会の馬渡でございます。
 御説明ありがとうございました。
 今、お二方がおっしゃった財源問題は、当然、問題意識はあるのですが、おっしゃったとおり、これからしっかりと考えていっていただきたい分野かと思います。
 私からは、お願いを含めて2点ほどございます。
 1点は、リスキリングのお話ですが、資料2-2を見ますと、リスキリングを行っていく上で、枕言葉に高い賃金が獲得できる分野、高いエンプロイアビリティーの向上が期待される分野で、IT系等、いろいろと書いてありますが、最後に申し訳程度に「観光・物流」とございます。
 我々は物流の業界なのですが、ITに労働移動があるのはいいと思うのです。成長分野に移動していくと。
 ただ、我々物流業界も、御存じのように、2024年問題がありまして、2030年頃には、日本全体で荷物の35%ほどが運べなくなると今取り沙汰されておりまして、医療とか介護、保育に限らず、我々のように、当面ロボットで代用できない、エッセンシャルワーカーと言われている部分にも人がある程度来ていただかないと、社会的なインフラが回っていかないと思いますので、ぜひそこら辺のところもしっかりと考えていただきたいというのが一つでございます。
 もう一つは、それを補完する制度なのかもしれませんが、資料2-1には、現行の技能実習制度は発展的解消するという記載がございます。
 海外から日本に働きに来られる方は、ファーストステップとしては、日本語をとにかく現地で学んだ後に、日本語能力試験のN2を取るぐらいまでは日本で勉強してから、日本の企業に入ってこられる方もいらっしゃいますので、これから技能実習に限らず、いろいろな外国人の方が入ってこられるのであれば、こういった語学の教育もスキルアップとして捉えていただいて、入管にお任せするだけではなくて、労働局の皆さんにもしっかりとその問題をグリップしていただいて、外国人材を安心して採用できるように、それから、採用後にキャリアアップ、日本語の能力アップも含めて人材教育を行えるように、これもリスキリングという範疇に考えていただけると幸いかと思って、意見を申し上げました。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 リスキリングとの関係、外国人労働に関しても御意見をいただきました。
 では、大下委員、どうぞ。
○大下委員 御説明ありがとうございます。
 日商の大下でございます。
 三位一体の労働市場改革につきまして、地方並びに中小企業の立場から2点だけお願いを申し上げたいと思います。
 1点目はリスキリングでございますが、個人への直接支援の拡充という方向性におおむね異論はありませんが、他方で、記載があるように、民間の教育会社によるOff-JTに重点を置くということになりますと、どうしても都市部、大企業で働く人に支援が偏って、地方、中小企業で働く人と格差がさらに開いていくのではないかという懸念がどうしても拭えません。
 引き続き企業経営の能力向上支援、それから何よりも地方を含む公的な職業訓練について、GX、DXなど、産業構造の変化にも対応した内容・規模の拡充をしっかりと図っていただき、地方で働く人、中小企業で働く人にもこのリスキリングの波がしっかりと及ぶことが非常に重要かと思っております。
 当然、そこには費用がかかってまいります。
 新田委員の御発言にもございました、雇用保険財政の安定化も不可欠でありますので、この点も含めて、国庫負担の拡充についてもぜひご検討いただく必要があると考えております。
 2点目は、労働移動の円滑化でございます。
 こちらについても、人手不足で悩んでいる中小企業からは、こうした政策が進むと、従業員の流出につながってしまうのではないかという懸念は、非常に根強いものがあります。
 自発的な転職による賃金上昇を促す政策と同時に、地方、中小企業、とりわけこちらは馬渡委員からも御発言がありましたが、運輸や介護など、地域において生活を支えていく産業において、しっかりと賃上げが実現し、なおかつ、従業員の能力開発が進んでいくような支援も拡充していく必要があると考えております。
 こうした点も含めて、今後、制度化あるいは制度の見直し等に当たっては、労政審の各分科会で十分に丁寧な議論をお願いしたいと思っております。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 地方、中小企業におけるリスキリング、それから労働移動の促進に伴う支援の必要性等についての御意見でございます。
 ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局から何かございますか。
○尾田雇用保険課長 雇用保険課長でございます。
 まず、雇用保険関係につきまして、様々な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 本日皆様からいただきました御意見を踏まえて検討、そして、今後、労働政策審議会で議論を進めてまいる際には、財政面も含めまして、皆様方に御意見をいただきながら十分に検討を進めてまいりたいと思っております。
 また、リスキリングに関する御意見等もいただきました。
 人材開発にも関わる部分でございますので、関係部署にも問題意識を伝えまして、今後の検討に生かしていきたいと思っております。
 ありがとうございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 本日は報告事項ということでございますが、説明にもありましたとおり、今後、必要に応じて所轄の分科会、または部会で御議論いただくことになるかと思いますので、その際は改めてよろしくお願いいたします。
 本日予定しておりました議題は以上になります。
 この際、委員の皆様から何か御発言等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。
 大変お疲れさまでした。