薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和4年度第5回運営委員会議事録

日時

令和5年3月20日(月)10:00~12:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員(6名):五十音順、敬称略 ◎委員長
日本赤十字社:敬称略
事務局:

議題

  1. 1.「血液法に定める「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」の5年ごとの再検討」について
  2. 2.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容
○仲島血液対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、血液事業部会令和4年度第5回運営委員会のWeb会議を開催したいと思います。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
 本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。この度、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。本日のWeb会議における委員の出席についてですが、委員6名全員に御出席いただいていることを御報告いたします。また、日本赤十字社血液事業本部より、皆川信也経営企画部次長、後藤直子技術部次長、国吉紀和経営企画部参事に御出席を頂いております。
 続いて、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き、御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に、マル1議事次第からマル5参考資料1までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。
 本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず御自身の名前と発言したい旨を御発言いただきますよう、お願いいたします。その後、委員長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員についてはチャットにその旨のメッセージを記入していただきますよう、事務局又は委員長からお願いする場合があります。その場合には、記入されたメッセージに応じて、委員長より発言者を御指名いただきます。
 また、本日のWeb会議に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がありますので、御了承いただければと思います。
 間もなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いします。それでは、以降の進行を田野﨑委員長にお願いいたします。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。皆様、おはようございます。これまでの説明に対して、御質問や御意見はありますか。よろしければ、議事に入りたいと思います。
 議題1、「血液法に定める「血液製剤の安定性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」の5年ごとの再検討」についてです。本日は、この議題審議が1つですので、時間を取って十分な議論をしたいと思います。事務局より資料の説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 本日用意しております資料は、資料1と、参考資料として、前回平成30年度の血液事業部会で御審議いただきました同方針の写しとなっております。資料1を御覧ください。「血液法に定める「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」の5年ごとの再検討について」説明いたします。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、血液法第9条の規定に基づき、少なくとも5年ごとに「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」に再検討を加え、必要があると認めるときは変更することとしております。
 前回平成30年の見直し、変更のときには、大きなトピックスが2つありました。規制改革の一環として、輸出貿易管理令の見直しがありました。血漿分画製剤が輸出されるということで、輸出のことをトピックスとしております。もう1つは、複数の採血事業者の参入を見据えたコンプライアンスの関係の強化の推進としておりました。そのほか、全体的に大きく見直しをしておりました。その後、この血液事業の中で大きな運用、変更等はなかったと考えておりますが、現在、血漿分画製剤の需要は増加傾向にある一方で、人口構造の変化から献血血液の将来的な確保に懸念があるため、こうした近年の状況変化を踏まえ、今後の血液事業の在り方について、基本方針の再検討に向け、意見交換をするものです。
 厚生労働省として現在考えている課題を以下に示しております。血液製剤の需給の将来見通しとして、先ほども触れました輸血用血液製剤、血漿分画製剤の需給見通しについては、少子高齢化等で献血可能人口の減少等がありますので、この辺りを多角的に検討したいということで、研究班を据えて検討していきたいと考えております。続いて献血血液の確保対策として、採血基準の在り方については、献血回数、年齢、献血可能時間の延長、新しい生活様式への対応、ボランティアの活用等も課題として考えております。採血基準の在り方として、献血回数、年齢等については、こちらも研究班で検討していきたいと考えております。それから、献血可能時間の延長や新型コロナウイルス感染症を経験してきたことから、新しい生活様式については、採血事業者である日本赤十字社と検討していきたいと考えております。ボランティアの活用としては、民間の献血推進組織等のボランティア団体の学校教育の関わりの在り方等があり、それらを厚労省としてもバックアップ、支援等を考えているということで、その辺りの検討も必要ではないかと考えております。
 続いて、血液製剤産業の持続可能性を高めるための産業構造の見直しについてです。1つ目に国内自給率の構造、2つ目に国内メーカーの強化、3つ目に輸出の在り方になります。血液法の理念に、国内自給と安定供給の確保がありますが、国内自給に関しては100%に達していない製剤も多いので、製造能力はありますが、採算が合わないため製造を見送られている製剤もあります。血漿分画製剤については国内メーカーの低い収益性が問題とされておりますが、収益性の改善に向けた対策ができていない現状が、国内自給率の低下につながっていることも考えられております。
 一方で原料血漿は、国内メーカーで一番需要の多いグロブリン製剤で必要量を要求している現状があり、連産工程で生じるグロブリン以外の中間原料、製剤などは余剰し、貴重な国内献血由来の原料血漿を有効活用できていない問題もあります。この問題の解消のため、輸出の在り方を更に検討していく必要がありますが、国内自給率の向上、安定供給を阻害することなく国内メーカーの強化につながる検討が必要になりますので、非常に難しく、解決に向けては様々なエビデンスのもと議論が必要かと考えております。今回の改正では、複雑で難しい問題の解消に向けて様々な角度から研究等を行うことを目的とした文書を盛り込むことにより、問題解消に向けた検討の着手を行っていきたいと考えております。
 続いて、血液製剤の安全性の向上の課題についてですが、細菌スクリーニングの導入を検討したいと考えております。血液製剤の安全性の向上のための取り組みとして、平成29年に発生した血小板製剤投与後の細菌感染死亡事例を受け、日本赤十字社において血小板製剤の細菌スクリーニングの導入について検討されております。また、令和4年11月にも同様の事例が発生し、細菌スクリーニングの早期導入に向けて引き続き検討を進めることが確認されました。当該検査について、基本方針に追記すると、安全性の向上のための新たな取り組みを記載できる一方、細菌スクリーニングは令和7年1月の供給開始を目指して検討されていますので、令和6年度の基本方針に記載する意味があるのかという点や、細菌スクリーニングをすれば細菌混入をゼロにできるという誤解を与える懸念がある点について御議論いただく必要があるのではないかと考えております。
 研究開発の推進として、血液製剤代替医薬品等の研究開発支援、有効性・安全性の高い治療方針の確立の推進の課題も検討しております。研究開発の推進として、製剤によっては原料血漿のほとんどを外国からの輸入に依存している現状に鑑み、代替医薬品を開発して国内自給の確保を推進する観点から、血液製剤代替医薬品等の研究開発支援を盛り込むことを検討しております。一方で血友病治療を例に挙げますと、国内献血由来製剤のシェアが下がり、遺伝子組換え製剤のシェアが伸びている状況があります。それぞれの製剤を使用した治療方法について、学会が主導して長期的な有効性や安全性、そして医療経済の面から比較検討して、治療法を確立することが必要と考えております。そのような取り組みを患者団体や国が支援していく方針を示すため、基本方針に有効性・安全性の高い治療方針の確立の推進を盛り込むことを検討しております。
 危機管理の観点を踏まえた供給体制の整備として、そこに係る課題として、災害時の配送手段等の検討も入れています。近年、いろいろな計画等を国等で策定している中で、脆弱性の評価等の観点から一部入れさせていただいて、今後検討していきたいと考えております。ここは、日本赤十字社とも合わせて検討していくことを考えております。
 最後に今回の再検討に係るスケジュールですが、事務局において文案を作成したいと考えております。それについて、パブリックコメントの実施も考えており、血液事業部会、運営委員会において、令和5年秋まで複数回で検討していきたいと考えております。その後、告示作業を行い、変更後の基本方針の適用は令和6年4月1日の予定としております。資料の説明は以上です。
○田野﨑委員長 本日は大きく6つの課題にまとめていただき、それぞれ方向性について御説明いただきました。委員の皆さんから御意見、御質問など頂ければと思います。まず初めに、よろしければこの課題の項目立てとして、6点について大きくまとめていただきましたが、何か追加して議論しておくべきことがあればお願いします。松下委員、お願いします。
○松下委員 まず、献血血液の確保においては、最近議論されている学校、特に高等学校へのアプローチが課題として上がっているので、基本方針に入れるかどうかはともかくとして、ブレーンストーミング的に今後進めていかないといけない課題ではありますので、御検討いただきたいと思っています。
 それと、安全性の向上の所で、細菌スクリーニングの導入について御説明いただきました。同時に日赤が計画されている置換・洗浄血小板の導入も非溶血性副作用、あるいは臨床副作用の軽減から非常に有効性が高いので、これについても引き続き進めていただきたいと考えています。
 また、危機管理の観点を踏まえた供給体制の整備の所なのですが、災害時の配送手段というお話がありました。それと同時に、昨年来、一部で緩和されつつある医療機関の間の製剤の融通についても、できればルールの整備が進めばいいと思います。
 さらに、その他ですが、これは輸血学会からの提案というか、現在進めているプロジェクトの報告です。平成5年制定の血液製剤保管管理マニュアルというものがありますが、現在の医療レベルに合わなくなってきている所がありますので、学会で改定したらどうかという声が出ていて、準備を進めているところです。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。松下委員からは、学校献血について、そして置換血小板の導入について、医療機関の血液製剤の連携・流通について、保管管理マニュアルについて、以上4点でよろしいですか。
○松下委員 左様でございます。
○田野﨑委員長 ほかに御意見等あれば、お願いいたします。武田委員、お願いします。
○武田委員 国内自給についてですが、入り口の議論が多いというか、どのようにして国内で血漿分画製剤をより作っていくかと、血漿をどのように集めていくかはもちろん重要な議論だとは思うのですが、その先でどのように国内自給を達成するためにそれが使われていくのかという出口のほうの議論も重要ではないかと思っています。現在、特にアルブミン製剤等は作れるキャパシティーはあるけれど、国内自給率は今、60%台後半というようなところもありますので、ほかの製剤についても作っていける余力をつくっても、その先に使われていくためにというようなことで、きちんと国のほうから意気込みというか、国内自給をしていくためにこういうことをやっていくのだと。例えば、前回の改定の中でも出てきたのですが、国民に対して国内自給の理念をきちんと説明をしていく、理解をしてもらう。医療従事者や患者や国民に対して、そういったことを理解してもらうような活動をしていくことも、是非この基本方針の中で強く訴えていく必要があるのではないかと考えています。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。重要な点だと思います。濵口委員、どうぞ。
○濵口委員 実は、私はWHOの会議に定期的に参加しています。WHOは国際的な標準化を目指して、各国のNRAの機能の向上ということで、様々な活動をしています。その1つとして、定期的に各国のNRAを訪問して状況を確認する活動が行われていて、血液製剤を含めた生物学的製剤への取組について、幾つかの質問項目、チェック項目が入っております。そういったものがまとめられた冊子が最近作られて、各国に配られている状況です。その中に、生物製剤への取り組みの中で、法律上ある程度裏付けのあるような活動が幾つか求められているようですので、できればWHOの動きと少し連動させるような文言を、必要に応じて今回の基本方針の中に加えていただくと、非常にスムーズに進むのではと思いました。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。濵口委員の今の発言についてですが、具体的にこういう所を入れていくべきであるというようなことがもしありましたら、簡単で結構ですのでお話いただけますか。
○濵口委員 ありがとうございます。具体的にWHOから発出されているチェック項目があります。血液製剤に関しても、例えば厚生労働省で行うべき業務として、グローバル・ベンチマーキング・ツールという冊子の中に幾つか項目として挙げられております。私自身、全てを見ているわけではないのですが、血液製剤の取り扱いについて重要な項目が挙げられています。関連する所で言いますと、監視(ビジランス)という言葉が1つの項目として様々書き込まれております。この場合は、ヘモビジランスと関係することになると思うのですが、こういったことを国としてきちんと法的な根拠の下に行っていく必要があるということが書き込まれている所もありました。今、WHOが求めているNRAの機能が十分にそこで満たされているということを、この基本方針の中で十分にカバーできるといいかなと思っております。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。こちらに関しては、チェック項目など、具体的内容を確認して、更にこれが盛り込まれるようにしていくのがいいのではと思います。ほかに御意見はいかがでしょうか。水上委員、どうぞ。
○水上委員 聞こえますか。
○田野﨑委員長 はい、聞こえます。
○水上委員 国立感染症研究所の水上です。今回策定していただきました血液製剤の安全性の向上に関する事項と、一部、感染研として直接関わることではないかと思うのですが、危機管理の観点を踏まえた供給体制の整備のところで、若干質問というか意見をいたします。今般のコロナパンデミックは、最終的にコロナ抗体保有率が40%を超えるという非常に大きな疫学背景の変化を来したと考えております。さらに、国民の90%以上が2回以上新規モダリティーの製剤であるmRNAワクチン等を接種している状況ですし、また、行動制限やマスク、消毒の奨励などによって、通年流行していたような様々な感染症が減少したり、また、原因が不明ですが、一部の自己免疫疾患等の発生が減少しているという報告もあります。このパンデミック期は、国民の疫学背景が大きく変化している時期、すなわち原料血漿中の抗体プロファイルに関しても大きく変化している可能性があることを考えております。
 この時期に採血された血液を原材料として製造された血液製剤の影響が、様々な観点からある程度、一定期間監視する必要があるのではないかと考えており、安全性向上に関してこういったパンデミック期、あるいは実際に大災害後といった原料血漿由来の製剤の有効性や安全性に関する評価を実施するなどといった記載を設けてもいいのではないかと考えております。また、そのために、ある一定数のプール血漿などを用いてそういった評価をすることも、体制として構築していければいいのではないかと考えています。
 また一方で、今回、この新型コロナウイルスの抗体を非常に多く含んだ血液が大量に献血血液の中にあるという状況ですので、もしかしたら将来のパンデミックに備えてこういった血漿を備蓄するということも検討してもいいのではということを考えております。パンデミック時の血液の有効利用の観点も、少し加味してもよいかと考えています。
 もう1つは危機管理の点です。昨年より国際状況が大きく変化して、また、トルコの大震災の発生があり、災害対策や国際協力の観点からも危機管理対応が再検討されています。報道等では、防衛省も独自で採血、血液保存、血液製剤の製造等を検討しているという報道がされております。特に災害協力に関して、やはり平時と同様な安全性の確保が迅速にできるような協力体制を構築したり、検討したり、又は近隣諸国でそういった大震災などが発生したときに、人道支援として血液製剤が輸出できる状況なのか、その場合においては、実際本当にできるのかということを検討し、再確認してもいいのではと考えております。特に近隣諸国に関しては、本邦との血液製剤の規格等の調和状況も障壁になってくる可能性もあるので、今一度どういう状況なのかを検討してもよいかと考えております。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。危機管理における供給体制の整備についての、より踏み込んだ所をどのように基本方針の中に落とし込むべきかというようなことはあるかと思います。ほかはよろしいでしょうか。以上、大体御意見を頂きましたが、今の御意見に対して、それぞれもう少し細かく何か御意見があれば、委員の先生方からお願いします。松本委員、お願いします。
○松本委員 医療的な課題というか、将来に向けての問題点、課題が挙げられているかと思います。まず1つ目が、製剤というか、余剰原料の話も出てまいりました。例えば原料血漿を分画に分ける際の方法なども、やはり各国で違う所があったりするとは思うのです。例えば、日本ではもう使われない余剰分画などを輸出するというのも、血漿分画製剤そのものを輸出するだけではなくて、そのような余剰分画の輸出、そして、それを利用して製造できるような国で製造してもらって、それを献血由来の製品として日本で販売するというようなことも可能だと思いますので、その辺りを目指すことが必要になってくるかなと感じております。
 もう1つは、先ほど、パンデミック下で抗体保有がいろいろ、日本国民の間でかなり感染された方も多いですし、90%以上の人が2回以上ワクチンを打っているという状況の中で、その抗体保有に関して今、献血者がどのような抗体を持っているか、日本赤十字社ではデータなどを取っているのか。あるいは、もし取っていないのであれば、抗体保有率を取っていくというような計画はあるのかどうかを質問させていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○田野﨑委員長 こちらに関して、日本赤十字社からお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 日赤の後藤です。原料血漿に含まれる抗体については、日本赤十字社でコンスタントにデータを取っているものはありません。ただ、分画メーカーで製造したグロブリン製剤について、各種抗体の抗体価をロットごとに調べているのは、今までもずっとあったかと思います。そのような中でやっていただくのがよろしいかなと。製造するときにはプール血漿になりますので、その原料から作った製剤の中に、実際どういう抗体があるかを調べるのが現実的ではないかと考えております。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員 ということは、現に行っているかどうかというのは、日本赤十字社では把握をしていないということでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 日赤の後藤です。日本赤十字社では、どのような抗体が含まれているかという分析はしておりません。血漿分画メーカーではデータとしては持っていると思いますが、各社がどのようなデータを取ってどのような公開の仕方をしているかは、日赤では把握しておりません。
○田野﨑委員長 ありがとうございました。
○松本委員 分かりました。ありがとうございます。そういうデータも分画メーカーの3社から上がってくると、非常にエビデンスとして有用なデータになるのではないかと考えますので、御検討いただければと思います。ありがとうございました。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。こちらは、国内のメーカーの強化というところにも関連してくることかと思います。松本委員の御指摘は臨床側としては非常に重要ではありますが、なかなか課題の一つであって、こちらについても含めて検討していってもいいかと思います。どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。私からは、この課題の中に、適正輸血について今までガイドラインがいろいろ出てきてはいますが、医療機関における適正輸血の在り方について、もう少し、免疫グロブリンの使用の仕方やアルブミンについても含めて議論をしていくべきではないかと考えております。それについても、何かしらの形で課題に加えていただければと考えております。ほかについては、いかがでしょうか。濵口委員、どうぞ。
○濵口委員 ありがとうございます。今、委員長がおっしゃいました、そのグロブリンの現状に基づく適正使用の項目は、非常に大事かなと思います。それぞれの疾患に対するグロブリンの使い方が、医療の現場と供給する側との間での情報の共有が非常に難しい状況かと思いますので、これは時間がかかるのではないかなと思います。場合によっては、それぞれの疾患ごとのグロブリンの使い方のようなところとも連携させていく必要があるかと思いますので、私も、これはじっくりと、この場だけではなく、場合によってはそれぞれの臨床の現場と連携を取りながら、ディスカッションする必要があるかなと思います。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。この基本方針の今回の課題の所、アカデミア、学会など、医療現場のほうで何をすべきかというところが、それほど多く含まれていなかったかなと思いますが、学会側としても、是非ともここに踏み込んで、そして議論をしていただく必要があるかと思っております。ほかに何か御意見があれば。そうしましたら、日本赤十字社の製造側のほうから、今までのところに加えて、何か御意見があれば御発言いただければと思いますが、ありますでしょうか。突然、振ってすみません。
○日本赤十字社血液事業本部皆川経営企画部次長 ありがとうございます。日本赤十字社の皆川でございます。基本方針の改正については、これから日赤としても血液対策課様と一緒に必要なところで検討をすることになると思いますが、採血基準の在り方について、過去から日赤としても検討している事項がありまして、日赤としましては、先ほど濵口先生から確かありましたが、その中に入っているかどうか私も定かではないのですが、国際基準という形でいきますと、200mL献血を日本では実施していますが、世界基準では400mLのみだとか、そういう点も含めて併せて進められたらとは、少し検討している段階でございます。体重の基準と採血量の最大の部分、この辺も国際基準がありますので、国民の皆さんに対しても、シンプルな基準を少し考えておりますが、これも含めて、血液対策課様と検討を進めなければいけないと考えております。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。こちらに関しても、研究班の中でも検討してきている課題ではありますが、なお、引き続き検討する必要があるかと思います。あと、全体の課題、項目について、濵口委員、どうぞ。
○濵口委員 ありがとうございます。今、日赤さんから提案のあった内容というのは、実は私が先ほど申しました、グローバル・ベンチマーキング・ツールの中には細かい内容としては入っておりませんが、非常に重要な課題と私も思っております。採血基準の研究班の中で、実はコロナの前に一応検討を始めたところでもありますので、できれば、引き続き検討していただいて、今回の中に組み込むかどうかは別ですが、急いで国際的な状況との照らし合わせが必要かと考えております。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかにはよろしいでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部皆川経営企画部次長 日本赤十字社の皆川です。先ほど各先生方から、新型コロナウイルスの抗体の保有率が40%という話が出たのですが、現在、47都道府県を対象に、日赤の献血者の検体を使って調べております。もし、そういうことが基本方針の再検討について必要であるのであれば、検討する必要があるのかと考えているところでございます。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。これまで様々な課題、あるいは方向性に関する御意見を頂きましたが、追加があればお願いしたいと思います。これらのことをどのように基本方針の改定案に盛り込むかが、次に必要になってくるかと思います。あとは、濵口委員に御指摘いただいたグローバル・ベンチマーク・ツールなどのチェック項目にも連携させていく必要があるかと思います。以上で大体よろしいでしょうか。そうしましたら、活発な御意見を、どうもありがとうございました。この議題については以上とさせていただき、基本方針の再検討については、運営委員会、血液事業部会に逐次報告を頂き、引き続き事務局でも検討をお願いいたします。
 最後に、議題2「その他」について、まず、武田委員からお願いいたします。
○武田委員 武田です。よろしくお願いします。前回の委員会の中でも発言させてもらったのですが、今後の議論の進め方、参加の仕方、対面で行うかオンラインで行うかについて、皆さんからも御意見を頂いたところかと思います。その後、国のほうからも、委員の中でそこは議論をしてという趣旨の連絡も頂いておりましたので、今後、この基本方針の再検討というのは非常に重要な議題にもなりますし、また、この運営委員会だけではなく、血液事業部会も含めての議論となっていくと思います。私の希望としては、できる限り委員の先生方とは対面で議論を深めていきたいと考えております。また、委員の皆さんの御意見も伺いながらとは思うのですが、できる限り対面で行いたいと思っているということをお伝えさせていただきたいと思います。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。この件に関しては、前回の運営委員会でも武田委員から御指摘いただきました。御指摘のように、本事案に関しては非常に重要なものでもありますので、できれば是非とも対面でのスケジュールを御検討いただければと思います。これに関して、松下委員、松本委員、水上委員が遠方ですので、皆さんが御参加できるかというところもあるかと思います。松下委員、いかがでしょうか。
○松下委員 2019年までは対面でやっておりましたので、早めにスケジュール調整をしていただけますと、予定を作って東京に行きたいと思います。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかの皆さんにおかれましても、今、お話がありましたように、できれば次回から、少なくともこの議案に関しては対面で議論ができる方向が、より充実した改正案ができるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。ほかに、「その他」に関して、何かありますでしょうか。事務局もよろしいですか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局からは特にありません。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。そうしましたら、本日の議題は以上となります。ほかに何か御意見等がありますでしょうか。よろしければ、事務局に議事進行を戻させていただきます。
○仲島血液対策課長補佐 田野﨑委員長、ありがとうございました。次回の運営委員会の日程については、別途、御連絡申し上げます。これにて、血液事業部会令和4年度第5回運営委員会を終了いたします。ありがとうございました。

(了)