第77回厚生科学審議会感染症部会 議事録

日時

  • 令和5年5月26日(金)10:00~11:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(5階)

議題

  1. (1)プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類について

議事

議事内容
○杉原エイズ対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまから第77回の「感染症部会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席、誠にありがとうございます。
 本日議事進行を務めさせていただきます結核感染症課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、これまでと同様に、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますYouTube撮影用のカメラや議事以外のカメラ撮り・録音につきましては議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の皆様におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は、「傍聴に関しての留意事項」遵守をお願いいたします。
 なお、会議の冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意をお願いいたします。
 今日につきましてもウェブ会議で開催することとしております。
 注意事項ですけれども、御発言される際は挙手機能を用いて挙手いただくか、チャット欄にコメントをいただきまして、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承をお願いいたします。また、会議の途中、長時間音声が聞こえない等のトラブルがございましたら、あらかじめお知らせしております番号までお電話でお伝えいただきますようお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況につきまして御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえまして、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順に失礼いたします。
 味澤委員。
○味澤委員 よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 賀来委員。
○賀来委員 賀来です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 釜萢委員。
○釜萢委員 釜萢です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 越田委員。
○越田委員 越田でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 調委員。
○調委員 調です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 菅原委員。
○菅原委員 菅原です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 谷口委員。
○谷口委員 谷口です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 成田委員。
○成田委員 成田でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 山田委員。
○山田委員 山田です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 なお、大曲委員、中野委員、森田委員、四柳委員から欠席の御連絡を、また、戸部委員におかれましては、途中参加の御連絡を受けております。
 また、オブザーバーとしまして、滋賀県豊郷町より小西医療保険課長に御参加いただいております。
○小西参考人 小西でございます。よろしくお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 お願いいたします。
 現在、感染症部会委員18名のうち14名に御出席いただくことになりますので、厚生科学審議会令に基づきまして本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りはこれまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、ここから先、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
 議事次第及び委員名簿、座席図、資料1、参考資料1と2となります。不備がございましたら事務局までお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は脇田座長にお願いいたします。
○脇田部会長 皆さん、おはようございます。今日も感染症部会、どうぞよろしくお願いします。
 今日は「プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類について」という議題が1つであります。時間が1時間、11時までということですので、効率のよい議事の運営にどうぞ御協力をよろしくお願いします。既に事務局のほうから各委員に対しまして資料の送付と説明をしていただいていると思います。必要なポイントについて、事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○竹下パンデミック対策推進室長 おはようございます。パンデミック対策推進室長の竹下です。
 私のほうから資料について説明させていただきます。資料については、資料1と参考資料1を用いて説明させていただきます。それでは、資料1のほうを見ていただければと思います。1つ目としてプレパンデミックワクチンの備蓄の経緯ということで、新型インフルエンザ対策のプレパンデミックワクチンにつきましては、平成9年に世界で初めて香港において鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスによる感染確定症例が報告されてから、平成18年よりプレパンデミックワクチンという形で備蓄を行うこととしております。
 この備蓄のワクチン株については、第19回厚生科学審議会において、検討時点において、近年の鳥インフルエンザの発生の疫学的な状況、パンデミック発生の危険性、パンデミックが発生した際の社会への影響、発生しているウイルスとワクチン株の抗原性の4つの視点を踏まえた上で、「危機管理上の重要性」が高いワクチン株の備蓄を優先することとしております。
 この検討の方針を踏まえた上で、第25回厚生科学審議会感染症部会(平成30年6月)のときに、近年の鳥インフルエンザの発生状況等から、従来のH5N1株からH7N9株を備蓄することとしており、第60回厚生科学審議会感染症部会(令和4年4月4日)においても、H7N9株を引き続き備蓄をするという形で現在行っているというのが現状でございます。
 今日、今後備蓄するワクチン株について御審議いただきたいのですが、そのことに関しましての現状について御説明しているのが2に書いてあるところでございます。
 近年の流行株については、過去5年間に世界でヒトが感染した鳥インフルエンザウイルスは、7種のインフルエンザウイルスの亜型に属していた。その中で、令和3年以降はClade 2.3.4.4bに属する高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)の世界的な感染拡大に伴い、海生哺乳類を含む野生哺乳類や農場のミンクなどでも発生が認められております。
 参考資料1の5ページ目に当たる「近年の鳥インフルエンザ発生の疫学的な状況」というものがまさにそのことを記載しているものでございまして、赤く塗られているところが発生地域ということでして、細かい字で恐縮ですが、主にH5N1というものが各国で出ているというのが現状でございます。
 なお、Clade 2.3.2.1cというのもアジアで出てはいるのですけれども、これ自体は限局的な発生ということで、世界的な拡大には至っていないというものでございます。
 続きまして、資料1の2ページ目を見ていただきたいのですけれども、ヒトへの感染についてということですが、こちらに関しましては、平成30年から令和5年3月3日時点で、発生のなかった平成30年を除いて、世界各地で散発的に報告されております。WHOに報告された感染者数は合計13例でして、そのうち4例が亡くなっているという状況です。平成15年から平成29年までの間では860例が出ております。
 H5N1では効率的にヒトからヒトへ感染する能力を獲得している状況ではないということは、感染症研究所が出されているリスクアセスメントでも報告はされているのですけれども、そういったことを踏まえた上で、現時点ではヒトでのパンデミックに至る可能性は低いということになっております。
 一方で、鳥類での感染拡大が認められ、哺乳類の感染例も多数報告されていることから、H5N1へのヒトの暴露機会が増加しており、今後も散発的なヒトの感染例が報告される可能性は高いということもされております。
 なお、動物で感染が拡大する中でアミノ酸変異が蓄積して、ヒトへの感染性がより高くなったウイルスが今後出現する可能性も否定できないということでございます。
 そういった状況を踏まえた上で、ワクチン株、どういったものを検討するのかというのが次のところに書いてある項目でございます。
 世界的に流行しているClade2.3.4.4bのうち、WHOが示すワクチン候補株はH5N8であるA/Astrakhan株、H5N6であるA/Fujian-Sanyuan株とH5N1であるA/chicken/Ghanaであります。このうち安全性と抗原性においてWHOによる確認が完了しているワクチンで、ワクチン株として使用可能であるものはA/Astrakhan株でございます。
 また、流行株とワクチン株の抗原性の比較のために、A/Astrakhanに対するフェレットの感染血清を用いた赤血球凝集阻止試験を実施したところ、A/Astrakhanに対する血清は最近の流行株とよく反応したと判断されたという報告を感染研から受けております。
 参考資料1の9ページ目にH5亜型における遺伝子系統樹を記載しております。ちょうど右上のほうにA/Ezo red fox/Hokkaido。これは2022年の、キタキツネのほうから出ている株になりますが、ここの株と今、御提案させていただいたA/Astrakhan株というのは、A/Ezo red foxから2つ下に下りたところに書いてあるものでございまして、系統樹上も近いものでございます。
 資料1に戻っていただきたいのですけれども、今後の備蓄方針としましては、上記の検討を踏まえた上で、今年度備蓄するワクチン株についてはA/Astrakhanとすることとしてはどうかということを提案させていただきたいと考えております。
 また、令和6年度以降、備蓄するワクチン株を変更するかについては、引き続き企業での製造可能性を含め、最新の知見を踏まえて早期に検討を行っていくこととしてはどうかと考えております。
 どうぞ御審議のほう、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ここから委員の皆様に御意見を伺っていこうと思います。時間が限られているということもありますので、また順番にこちらから御指名させていただいてという形で進めさせていただきます。いつも同じ順番で恐縮ですが、あいうえお順で、まず味澤委員から進めて、順次こちらから御指名をさせていただくという形で行きますので、よろしくお願いします。
 では、まず味澤委員から御発言いただけますでしょうか。
○味澤委員 今、説明がありましたように、近年の流行はH5N1の株であるということで、数年前にたしかH7N7で中国のほうで非常に問題になったので、H7N7を導入したという経緯がありますけれども、最近また変わってきているということで、出された案でよろしいのではないかと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、今村委員、お願いいたします。
○今村委員 今村です。
 先ほど説明がありましたように、流行の変化の状況、その中での株の変化、それを見ていくと、現在の準備すべきプレパンデミックワクチンというのが、提示のあった変更ということで問題はないかと思っております。
 現在ぴったりとマッチしたワクチンが存在しないというところで、抗原性の使えるワクチン、安全性も含めて使えるワクチンという選択で今回のワクチン選択となったということで理解しております。今後のワクチンの状況によって、より適したワクチンに変更する状況になれば、また同じようにして変更していただければと思っております。
 こちらからは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、賀来委員、お願いいたします。
○賀来委員 先ほども御説明がありましたように、様々な哺乳類も含めたワンヘルスの観点からも、今回A/Astrakhanという株を備蓄するワクチン株として選定していくということについて賛成いたします。今、お二人の先生も言われましたが、近年の流行状況、また疫学的な状況も見ながら、ワンヘルスという観点もふまえ、しっかりと株を選定していくという方針ですので、そのことについても賛成いたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 続きまして、釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 先ほど御説明いただきました内容で、H5N8のA/Astrakhanという株を備蓄するということについて賛成を申し上げます。その上で、今回すぐに検討ということにはならないと思いますけれども、プレパンデミックワクチンをパンデミックに備えて約1000万人分備蓄する。製造は細胞培養で行うというこの枠組みについて、当初始めたときよりもワクチンを取り巻く環境も変わってきているということもありますので、この方式が最もふさわしいのかどうかということについて、いずれ検討が必要だろうと思っておりまして、厚労省の中でもそのことの準備をしていただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 越田委員、お願いいたします。
○越田委員 私も先生方の仰せのとおり、事務局から説明のあった御提案に対して異存ございません。このまま進めていただければと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
 ワクチンのその選択については、特に私もこれでいいのではないかなと思っています。
 意見としまして、今後のリスクアセスメントについてですけれども、近年の鳥インフルエンザの疫学的情報、状況をお示しいただきましたが、自治体の中で鳥の処分において、当たった職員はかなりたくさんいるのですけれども、その中で抗体検査をモニタリングするとか、そういうことを考えていっているのか疑問です。もちろん防御のためにPPEを対応して、十分処分に当たっているということですが、そういう作業が多くなると、いろんなミスが起こるのではないかということも懸念されますので、タミフルを予防投与されたりとか、その辺、自治体や保健所の助言で対応をしておりますけれども、そちらのモニタリングも場合によっては要るのではないかなと思っていますので、御検討いただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 調委員、お願いいたします。
○調委員 よろしくお願いします。
 先生方が言われたとおり、厚労省の進め方に特に課題はないと思います。鳥インフルエンザウイルスが哺乳類への感染能力を獲得するというのは、ヒトの受容体はα2-6、それから鳥のウイルス受容体がα2-3のシアル酸ということで、ただ、ヒトも肺の奥のほう、細気管支から肺胞上皮に移行する部分に鳥型のα2-3、シアル酸があるということで、大量にウイルスに暴露されたときにはヒトへの感染が成立する。そういう状況にあるのだろうと思います。もちろん、至適温度、増殖の温度の因子もありますけれども。そういった中で、今、H5N1が鳥で非常に拡大していて、哺乳類の感染事例が出ていると。哺乳類の感染事例を見てみますと、アザラシとかなのです。これの感染経路は、結局、大量のウイルスが含まれている海水を吸い込んで、神経系、脳に主に感染していると。そうすると、呼吸器に対する感染とは全く違うので、アザラシが数百頭死亡していることをもって哺乳類に対する、つまり、ヒトに対する感染性が上がっていることが懸念される状態では恐らくないということは、説明は必要なのかなと思っています。
 したがって、H5N1をワクチン株、実際にはこの選択肢が少ないので、H5N8になるということなのですけれども、こちらを選ぶという根拠も若干薄い感じもいたしますが、今、H5N1が鳥の間で非常に拡大しているので、そのことが懸念されることでH5N8の選択というのは、ワクチン株が限られているということもありますけれども、限られた中での選択肢ということでいいと思います。
 ですので、リスクアセスメントといいますか、リスクコミュニケーションとして、今、本当にヒトに対する感染のリスクが高まっているかというと、必ずしもそうではないので、そこはきちんと伝えていくべきではないかなと思っています。
 あと、備蓄ワクチンの使用期限について、もう少し延長できないのかという議論が以前の感染症部会であったかと思うのですけれども、細胞以外の選択肢がないのかということも含めて、ウイルスをウイルスワクチンのままで備蓄するのか、どの程度備蓄しておくのか。生成したバルクをどの程度備蓄しておくのかということも、使用期限のことも考えながら決めていく、検討していく必要があるのではないかと思います。
 私のほうからは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、菅原委員、お願いいたします。
○菅原委員 ありがとうございます。
 私も御説明いただいた内容で特に異論ございません。賛成いたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 谷口委員、お願いいたします。
○谷口委員 谷口です。
 皆様方と同様ですが、今回のコロナを受けて、mRNAワクチンとか、いろんなモダリティのワクチンが出てきていますし、100日ミッションということもございますので、今後このワクチン戦略は包括的に見直していただくというのは、皆様と同じ意見でございます。
 ただ、現状ではこういうパンデミックが起こったときに一番苦労するのは、すぐにウイルス株が入手できるかということがあると思いますので、こういったことも含めて、今の2.3.4.4bと抗原性がきちっと類似している。つまり、効果が期待できる。こういったウイルス株をきちっと保存しておくというのは重要なことだと思いますし、H5N1は実際に流行していますし、HAとしての抗原性は、もちろんNが違うので、若干落ちるかもしれませんけれども、少なくともHAについてはきちっと抗原性が類似していますので、これを選択していただくことに賛成します。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次は戸部委員なのですけれども、まだ入っておられないようですので、成田委員にお願いいたします。
○成田委員 成田でございます。
 私もほかの委員の先生方と同様、厚労省のほうから御説明いただきましたワクチン株で異論はございません。また、今後の鳥インフルエンザの感染状況や流行株の状況につきましては、引き続きモニタリングの上、迅速に情報提供いただけますとありがたく存じます。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、藤田委員、お願いいたします。
○藤田委員 藤田です。
 御提案に異論ありません。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 次に、山田委員、お願いいたします。
○山田委員 私も今回の備蓄用の株の選択等については、特段異論はないのですけれども、何人かの先生から御指摘があったように、このストラテジーを少し見直す時期が来ているのではないかと思っています。というのは、もう20年近く同じことを繰り返しているわけですが、その間に鳥の間での流行というのは世界各地に広がっているのは事実なのですが、その割に人間へのスピルオーバーしか起こっていない。たまのですね。我々がターゲットとしている株は、人間に対するフィットネスが非常に弱い株で、恐らくそんなに心配する必要はないのではないかと思っています。ただ、H5N1のパンデミックがあったように、いつインフルエンザ、新型が出てくるか。これは予断を許さないことなので、それに備えるのであれば、いたずらに今の備蓄を続けるよりは、新しいモダリティであるmRNAワクチンをインフルエンザに使えるような研究を加速して、そういったものによって、例えば喜田先生のところで持っている鳥インフルエンザのパネル、そういったものとうまく組み合わせて、怪しげなものが登場したときに、改めてそういうmRNAみたいなものを増産できるような体制。
 したがって、季節性インフルエンザに対しても既存のワクチンでなく、mRNA等に根差したワクチンの開発を急ぐ必要がある。ワクチン開発に関しても、いろんな企業や大学にコンペティションさせるような格好よりは、国を挙げて大きなコンソーシアムみたいなものを構築して、そこで新たなモダリティを使った本当に有効なインフルエンザワクチンというものを、季節性と同時に新型に対するものを用意すると。そのような体制を急速につくる必要があると私自身は考えています。その間の移行期間は、今の方式を続けざるを得ないとは思っていますけれども、ぜひそういうふうな体制をつくっていただきたいと思っています。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、小西参考人にお願いしたいと思います。
○小西参考人 私も異論はございません。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、一巡したと思いますが、戸部委員はまだ入っておられないので、それでは、私のほうから。今、皆さんから御意見があったとおり、私も現状の対応としては、今、事務局から御提案があったA/Astrakhan株を備蓄ワクチンの候補としてするということに異論はございません。
 ただ、何人かの先生からございましたとおり、今のプレパンデミックワクチンを1000万人分細胞培養ワクチンで備蓄するというストラテジーを今、見直す時期にあるのではないかというところですので、それも事務局において一度検討していただくということが必要ではないかと思います。その際にmRNAが適切なのかどうかというところ。インフルエンザでmRNAワクチンがちゃんと有効性が確保できるというところもまだ十分にデータがないと思いますので、様々な観点から検討をしていただく必要があるのではないかと思いますので、今日の皆さんの意見は十分に参考にしていただければと思いました。
 一巡しましたが、御意見がさらにある方はいらっしゃいますか。大丈夫ですか。
 そうしましたら、今、皆様の御意見を伺いますと、事務局から提案された案については、感染症部会としては了承したいと思いますが、いかがでしょうか。
(委員首肯)
○脇田部会長 ありがとうございます。
 ただ、意見がございました。特に今後のワクチン戦略、現状の備蓄の方針というものを当面は継続するのかもしれませんが、新たなモダリティのワクチンも出てきているという中で、戦略を見直す時期にあるのではないか、その必要性があるのではないかといったところの御意見が多くあったと思いますので、事務局においてはその点、御検討をお願いしたいと思います。
 ということで、取りまとめさせていただきましたが、事務局のほう、いかがでしょうか。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
 いただいた御意見を踏まえまして今後も検討を進めていきたいと思います。また、ワクチンの備蓄の株選定につきましても御了承いただきまして、どうもありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、まだ戸部先生が入られていないのですけれども、予定よりも大分短く議事については済ませることができました。今日もどうもありがとうございました。
 それでは、議題は以上とさせていただきます。
 事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
 この件につきまして、いただきました御意見を踏まえて進めさせていただきたいと思います。
 この後、事務局より記者ブリーフィングをさせていただく予定としております。
 次回につきましては、事務局から改めて御連絡をさせていただければと思います。
 本日はお忙しい中、御出席いただきましてどうもありがとうございました。