第192回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

令和5年3月17日(金)16:00~18:30

場所

会場
厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)
傍聴会場
厚生労働省 職業安定局第2会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階公園側)

議事

議事内容
2023-3-17 労働政策審議会職業安定分科会(第192回)
○山川分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第192回「労働政策審議会職業安定分科会」を開催いたします。
 委員の皆様方、大変お忙しい中御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の御出欠の状況ですけれども、労働者代表の平山委員、使用者代表の小野委員が御欠席と伺っております。使用者代表の小阪委員におかれましては、所用により17時30分頃の御退席となります。
 では、カメラ撮影がありましたらここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○山川分科会長 本日の分科会は、Zoomによるオンラインと会場での開催になります。
 オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局よりお送りしております「職業安定分科会の開催・参加方法について」に沿って御操作をお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 議題1は「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(令和5年度の雇用関係助成金等)(諮問)」になっております。
 では、事務局から御説明をお願いします。
○弓総務課長 総務課長の弓です。どうぞよろしくお願いいたします。私から御説明を申し上げます。
 まず、資料1-1が省令の要綱になっております。御説明は資料1-2、省令案の概要を使いまして御説明申し上げます。
 1枚めくっていただきまして、1ページになります。雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案についてとなっております。雇用保険法に基づく各種助成金等につきまして、制度や規定の見直しを行うものでございます。見直しの対象となるのはこちらに記載している助成金等でございまして、下線を引いてあるものが職業安定分科会関係となりますので、こちらの助成金につきまして御説明申し上げます。
 一番下のところに施行期日等の記載があります。公布日につきましては3月31日を予定、施行期日につきましては4月1日を予定しております。
 2ページでございます。労働移動支援助成金、早期雇入れ支援コースの暫定措置(新型コロナウイルス感染症関係)の廃止となります。優遇助成におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響により離職した45歳以上の方を離職前の異なる業種の事業主が雇い入れた場合に40万円を加算しているものでございます。こちらにつきましては、現下の雇用助成は緩やかに持ち直しが見られているところでございまして、また人手不足感が高まっているといった状況を踏まえまして、この加算について廃止をすることとしています。
 3ページになります。特定求職者雇用開発助成金でございます。まず、マル1の特定就職困難者コース助成金の改正ですが、高年齢者につきまして、これまで65歳未満を対象としていたものでございますが、65歳以上の者を本助成金の対象とする改正を行いたいと考えております。
 マル2、生涯現役コース奨励金の廃止ですが、マル1のほうで65歳以上を対象とするということでございまして、こちらにつきましては廃止としたいと考えています。
 マル3、被災者雇用開発コース助成金の廃止となります。こちらは東日本大震災の被災地域における被災離職者等を雇い入れる事業主に対して助成を行っているものとなりますが、発災から約12年が経過しまして対象者が減少しているということから、廃止としたいと考えております。
 4ページにまいります。就職氷河期世代安定雇用実現コース助成金の改正となります。就職氷河期世代を正規労働者として雇い入れる事業主に対しての助成となります。
 最初のポツですが、こちらは対象範囲を生まれ年に規定をするという形のものでございます。
 また、その下のポツにつきましては、対象労働者の方が本来の趣旨に沿ったものとなるために、対象労働者から除外する者、また含む者についての整理を行っているものでございます。
 5ページになります。トライアル雇用助成金、一般トライアルコース助成金の改正です。こちらにつきましても対象範囲につきまして55歳未満の方という規定の仕方をしていましたが、生まれ年にするというもの、マル2は、コロナウイルス感染症対応のトライアルコース助成金につきまして、雇用情勢の持ち直しを踏まえまして廃止を行うといったものでございます。
 6ページ、産業雇用安定助成金の事業再構築支援コースの新設となります。こちらは急激に事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、新たな事業への進出等の事業再構築に必要な人材を雇い入れた場合、こちらの事業主に助成を行うといったものでございます。具体的な対象としましては、中小企業庁の事業再構築補助金の交付決定を受けた事業主となります。支給額ですが、下のほうに枠囲みがございまして、中小企業事業主に対しましては1人当たり280万円、中小企業事業主以外につきましては1人当たり200万円を予定しております。
 7ページにまいります。高年齢労働者処遇改善促進助成金の支給要件等の見直しとなります。高年齢継続基本給付金というものがございます。※印のところで注が書いてありますが、高年齢継続基本給付金、こちらは60歳以降に賃金が60歳時点の賃金の75%未満となった高年齢者に対しまして、賃金の15%を支給するものでございます。こちらについて賃金増額によりまして、この高年齢継続基本給付金の受給額を減少させた事業主に対しまして助成を行うものとなっています。
 支給要件の見直しを予定しておりまして、支給要件のところを御覧いただきますと、現行のマル2賃金規定を改定し、対象被保険者の賃金を増額する措置を講じたこととなっておりますが、改正後につきましては、賃金規定を改正し対象被保険者の賃金を一定の割合以上で増額する措置を講じたこと。※印で注釈を記載していますが、時間当たりの所定内賃金を60歳時点と比較して75%以上としていることを支給要領において規定を予定しております。処遇改善への取組を促進する内容への改正を予定しているところでございます。
 マル4のところで、これまでは賃金規定改定前後を比較しまして、高年齢雇用継続基本給付金の受給総額が95%以上減少していることといった要件を課しておりましたが、減少していることといった形への見直しを予定しております。
 8ページを御覧ください。雇用保険法第63条第1項第3号に掲げる事業の改正ということでございまして、2つ目の○から御覧いただきますと、就職氷河期世代訓練及びリカレント訓練の事業についての記載がございます。就職氷河期世代訓練というのは、就職氷河期世代を対象としまして教育訓練、実習等を行う事業主、事業団体等に対して委託して実施する事業でございます。リカレント訓練につきましては、大学もしくは高等専門学校等におきまして、新型コロナウイルス感染等の影響を受けた就業者、失業者等の再就職、転職支援のための事業として実施しているものでございます。
 こちらにつきまして、まず就職氷河期世代訓練につきましては、残念ながら実績が低調だったということで、令和4年度末での終了を予定しております。
 また、リカレント訓練ですけれども、こちらは委託事業と今、補助事業と両方の方式で実施しています。補助事業での訓練におきましては、大学側の創意工夫も期待できるということで、こちらは委託事業の方式を終了しまして、補助事業としての訓練を実施したいと考えているところでございます。
 9ページは、労働施策総合推進方法の規定としまして特定求職者雇用開発助成金の改正を行うものでございます。こちらにつきまして、65歳以上の方を追加するということを予定しております。
 10ページを御覧ください。トライアル雇用奨励金の若年・女性建設労働者トライアルコース助成金に関する暫定措置の廃止となります。こちらは新型コロナウイルス感染対応トライアルコース助成金の支給対象事業主に対しまして、上乗せ助成を一部実施しているものでございますけれども、こちらのトライアルコース助成金が廃止となりますので、若年・女性建設労働者トライアルコース助成金に関する上乗せ助成についても廃止を予定しているものです。
 2番目の人材開発支援助成金の建設労働者技能実習コース助成金の賃金助成における割増措置の延長でございます。こちらは自ら技能実習を行う場合や登録教習機関等で行う技能実習を受講させた場合に賃金の一部などを助成するものでございます。こちらにつきましては国交省が行っています建設キャリアアップシステムというものがございます。就業履歴を蓄積しまして建設労働者の処遇改善につなげていこうというものでございますが、こちらに対する割増措置を実施しております。こちらが令和5年3月31日までという期限となっておりますので、令和6年3月31日までに延長するものとなっています。
 11ページを御覧ください。生産性要件から賃上げに係る要件への切替えでございます。
 雇用関係助成金につきましては、生産性要件を導入している一部の助成金におきまして、生産性要件を導入しているところです。生産性要件につきましては、3年前との比較など、申請に係る事務負担も大きいといった問題がございまして、廃止などの見直しを行うものでございます。
 ただ、賃上げにも資すると考えられる一部の助成金につきましては、生産性要件に代えまして賃上げに係る要件に切り替えるということを予定しているものでございます。
 具体的には、事業主による取組の対象となる個々の労働者につきまして、1年以内に5%以上賃金が増加した場合には助成をするといったことを予定しております。
 12ページに、それぞれ廃止とする助成金、また生産性要件を値上げに係る要件に切り替える助成金について記載しているところでございます。
 13ページが同意制度に係る標識掲示義務の見直しとなります。
 雇用関係助成金におきましては、職業紹介事業者等から求職者を雇い入れることを想定しているものがございまして、この紹介を行う紹介事業者につきましては、助成金の適正な取扱いを担保するために、職業安定局長が定める条件に同意すること。また、その同意したということを利用する事業所または求職者の方々が確認可能となるように、定められた標識を事業所の見やすい場所に掲示することを定めているところでございます。
 3つ目の○ですが、書面掲示というところにつきまして、デジタル化の推進の関係から見直すようにという指示がございます。こうしたことから、標識の掲示につきまして見直しのための改正を行うものとなります。
 13ページが同様の内容等の規定を記載していますが、14ページの一番下のところに参考で記載しております。書面掲示の規定につきまして廃止しますが、現行におきましても厚生労働省のホームページにおきまして同意事業者につきましては一覧を公表しているところです。また、さらに事業所及び求職者の求めに応じて同意制度取扱証を提示することを実施要領に規定予定ということで、こちらにつきましては求職者の方などが確認したい場合には確認ができるといった状況は引き続き担保してまいりたいと考えているものでございます。
 対象となる助成金につきましては、15ページに記載をしております。
 私からの御説明は以上となります。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきまして御質問、御意見がありましたら「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、こちらで指名させていただいた後にお名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。項目がかなり多岐にわたりますけれども、御質問、御意見等ございませんでしょうか。
 大下委員、お願いします。
○大下委員 御説明ありがとうございます。
 雇用関係助成金等の見直しにつきまして、御説明いただいた内容はおおむね妥当と受け止めております。
 その上で1点、【2】という形で御説明いただいた生産性要件から賃上げ要件への切替えについては、条件が5%以上とされていますが、率直に申し上げてやや高い印象がございます。賃上げムードの非常に強い今、春闘でも予測は3%を超えるかどうか、中小企業は恐らくもう少し低い想定になろうかと思います。捉えようによっては、賃上げができる余力のある企業には助成をするが、そうではない企業には助成はしないというような印象もあります。
 大事なことは、大幅な賃上げではなくて、持続的・構造的な賃上げであると理解をしております。今回の要件設定が適正かどうか、今後の利用状況等、あるいは実際に窓口で企業がどのような反応をされたか、こういったところも踏まえて精査をいただいて、必要に応じて見直しを検討いただきたいと思います。
 私のほうからは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 では、津村委員、お願いします。
○津村委員 御説明ありがとうございました。
 私のほうからは大きく2点、意見を申し上げます。
 まず1つ目、各種助成金の見直しのうち、産業雇用安定助成金の関係です。従来からの雇用維持支援コース、昨年12月に創設されましたスキルアップ支援コースに続く3つ目のコースとして事業再構築支援コースを新設するとのことですが、産業雇用安定助成金は、いずれのコースであってもその名称のとおり雇用の安定が目的であると認識しております。したがいまして、この新たなコースにつきましても、雇用の安定という制度趣旨に沿った活用がなされるように、適切な制度運用をぜひお願いをしたいということが1点目です。
 2点目は、「生産性要件から賃上げに係る要件へ切替え」の関係です。本日開催されました人材開発分科会でも労働側から発言したと聞いていますけれども、この賃上げに関わる要件につきましては、定期昇給などによって賃金が上昇した労働者も上乗せ助成の対象になり得るため、政策の趣旨に合致しない制度利用がなされることを懸念しております。したがいまして、こうした点にも十分に留意されて、適宜検証され、見直すなど、適切な対応をお願いしておきたいと思います。
 私のほうからは以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 では、新田委員、どうぞ。
○新田委員 経団連、新田でございます。資料の説明、ありがとうございました。
 まず、全体的な印象の意見から申し上げたいと思いますが、今回のこの内容、まさにコロナ禍で講じてきた数々の特例措置の廃止ですとか、ポストコロナを見据えまして、新しい事業に進出する事業主の人材の確保の支援ですとか、あるいは就職氷河期世代に対する支援の継続といった改正案の全体的な方向性について、私も異論はございません。
 ただ、一方で、引き続き雇用保険財政は御承知のとおり危機的な状況にあるわけですので、継続的に効果検証をしっかりと行って、実効性の低い事業等については引き続き廃止も含めて見直しをしていっていただきたいと思います。
 それと、私は細かい論点で1点だけ、先ほどもう既にお二方から発言がありましたが、生産性要件から賃上げに係る要件への切替えの部分であります。趣旨として、事務的な面での効率化という観点、これは理解できると思っています。
 ただ、一方で、そもそも論を言うわけではないのですが、生産性要件、まさに企業が生み出した付加価値を全体評価するということになるのに対して、賃金要件というものは付加価値のうちそれがどれだけ賃金として労働者に分配されたかという部分になりますので、この考え方としてはかなり大きな見直しになると考えられるのではないかなと思っております。したがいまして、もう少し丁寧な説明をしっかりとしていただきたいと思いますし、切り替えたことによる影響や効果といったものも引き続きしっかりと検証していただきたいと思います。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 私からは1点質問ですが、資料1-2の11ページ、※印の2のところで、今ほど皆様からもお話がありましたが、「生産性要件から賃上げに係る要件への切替え」のところで、賃金が5%以上増加していることについては「改定前後3か月の賃金総額を比較して判断」とあります。本日の午前中の人材開発分科会の資料では、「改定前後6か月間」とされていましたし、ホームページ上の資料でも6か月となっています。これはどちらが正しいのかをお伺いできますか。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 事務局からいかがでしょうか。
○尾田保険課長 雇用保険課でございます。
 今、冨髙委員から御質問があった点につきましては、資料にございますとおり改定前後3か月で判断することにしております。ホームページのほうは確認できておりませんが、我々としては3か月と基準を定めているところでございます。
○山川分科会長 ただいまの御質問に対する回答についてはいかがでしょうか。何かございますか。
○冨髙委員 冨髙です。
 了解しました。全く同じ内容について、午前と午後で審議会資料が異なっているというのはいかがなものかと思いますし、前段の資料説明で訂正のコメントもありませんでしたので、連携を強化していただければと思います。
 今の話は直接諮問に関わるところではありませんが、先ほど津村委員からも発言があったように、労働側としては、生産性要件から賃上げに係る要件への切替えの制度趣旨に合致した助成になるのかという視点から懸念しています。具体的には、改定前後6か月間であれば定期昇給や昇格昇給などを実施しているかどうかの動向を把握でき、事後的な検証の際のエビデンスとし得るかと思いますが、改定前後3か月間とした場合には、定期昇給等がその期間にあったか否かが把握できないため、政策の趣旨に合致した制度利用がなされていることを検証しにくいのではないかということです。その点について見解があれば教えていただきたいと思います。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 ホームページ等につきまして今、調べておりますが、よろしいでしょうか。
○弓総務課長 資料につきましては、当初6か月と記載していたものを3か月に訂正させていただいた経緯がございます。そちらの訂正の手続が遅れまして、また、情報共有が不十分な中で、6か月というような資料を配付、また十分な御説明ができなかったということは申し訳なかったところでございまして、謝罪申し上げます。現時点で考えているのは3か月を予定しているものでございますので、訂正させていただきます。
○山川分科会長 冨髙委員、そうしますと先ほどはもし3か月とするとという御意見であったということでしょうか。
○冨髙委員 そうです。
○山川分科会長 事務局からどうぞ。
○尾田保険課長 雇用保険課でございます。
 御指摘ありがとうございます。私どもとしては、助成金の迅速審査、迅速支給という観点で3か月にしておりますけれども、その中では定期的に支払われる賃金を前後3か月それぞれの定着状況を見て確認することにしております。御懸念を十分理解した上で、今後この制度が適切に運用できるかどうかということは確認したいと思っております。
 また、大下委員、津村委員、新田委員から、同様に今後の精査・検証ということの御指摘をいただきました。今回、5%という賃上げ要件でスタートさせていただきましたが、本日いただいた意見も踏まえて十分検証した上で、今後の在り方については継続的に考えていきたいと思っております。ありがとうございます。
○山川分科会長 冨髙委員、いかがでしょうか。どうぞ。
○冨髙委員 ありがとうございます。その点については了解しました。
 ただ、生産性要件から賃上げに係る要件への切替えというのは、先ほど新田委員からも発言がありましたけれども、大きな見直しだと思っています。賃上げは非常に重要なことですが、生産性要件の政策効果、つまり生産性向上への寄与の度合いについて、丁寧な検証をした上で切り替えることが本来の筋なのかとも思っています。今後しっかりと検証していただき、適切な支給となるようにしていただければと思います。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 様々な御意見をいただきましたけれども、今後の運用あるいは利用状況等を見ての検証、またその結果に応じての見直しのお話は複数の委員の皆様方からなされたところであります。事務局からも、助成金という事柄の性質上そういうことはあり得るというようなお話であったかと思います。
 そうした御意見を受け止めていただいた上でということになりますけれども、そのほか特にございませんようでしたら、当分科会としては厚生労働省案をおおむね妥当と認めて、その旨を私から御報告するということでいかがかと思いますけれども、こうした方向で御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、報告文案の表示をお願いします。
(報告文案表示)
○山川分科会長 おおむね妥当という報告文案が表示されております。この報告文案によって労働政策審議会会長宛てに報告するということで、御異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、御異議ございませんようですので、このように報告をさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移ります。議題2は「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(雇用調整助成金の特例措置関係)(諮問)」となります。
 では、事務局から説明をお願いします。
○小宅雇用開発企画課長 事務局、雇用開発企画課長でございます。
 まず、資料2-2によりまして御説明させていただきます。
 この件につきましては、先般の本審議会におきまして、経過的な措置についても3月中で終了して、4月から完全に通常制度に移行するということでお諮りいたしまして、基本的に了承ということになっていたかと思います。
 その際、通常制度への移行後も、要件の簡素化などこれまで取り組んできたものについては継続できるものはできるようにというようなお声もございました。こういったことを踏まえまして、本資料におきまして、そういった御意見を踏まえた見直し点を御説明したいと思います。
 先般、こういった資料でお示ししまして、基本的に通常制度に戻すということにしておりました点のうち、そういった御意見を踏まえまして継続できるもの等について何点かまとめました。
 まず、1点目が、半ばぐらいに注がございますが、計画届の事前届出というところがございます。これについて、通常制度ですと当然ながら休業の前にいつやるかという計画を届けていただくところですが、4月から今まで事前届出不要でしたので、4月からということだと間に合わないというようなことも想定されますので、4月から6月までの間につきましては、事前届出は不要とするという運用にしたいと思っております。
 それから、少し下がりまして、短時間の一斉休業というものがございます。これにつきましては、短時間休業については一斉休業であることが要件となっております。また、教育訓練については就業日において勤務のほうはしないということになっておりますけれども、コロナ特例で緩和をしておりました。
 その運用状況を見ますと、引き続き実施可能ではないかということで、この短時間一斉休業については特例措置を恒久化してはどうかということでございます。
 それから、その少し下に残業相殺ということがございます。休業した一方で残業しているということですと、制度趣旨に反するということでございますので、残業した部分は差し引くということになるわけですけれども、これも計画届と同様にある程度計画的に運用しているというところがございますので、3か月間はこの運用を継続するということでございます。
 今の御説明は注4と書いてあるところでございますが、真ん中ぐらいに1年のクーリング期間が必要というところがございます。これにつきましては次のページになりますが、ちょっと複雑な制度ですので表で御説明いたします。通常ですと雇用調整助成金対象期間がありまして、受給可能な期間が1年間ございます。この期間中に受給した場合、次の1年間は受給できない。1年間経過すればまた受給可能になるという仕組みでございます。
 改正前とあります中段のところですが、これはこのコロナ特例期の扱いがどうなっていたかということです。本来の対象期間は1年なわけですけれども、1年では収束できないということで、この対象期間を、矢印を2本にしておりますけれども、1年を延ばすということで特例措置をしてきております。ですので、2本書いておりますが、実際は1本の線というようなイメージでございます。1年のところを3月31日まで延ばしてきているということになります。
 そうしますと、この期間が終わると次はクーリング期間ということで、4月1日からの1年間は受給不可ということになります。
 その下の今回の改正案というところですが、実際のコロナ特例期の活用状況を見ますと、かなり初期の段階だけ御活用になっていて、その後しばらく使っていないというような事業所も多数ございます。そうすると実質上は1年以上のクーリング期間をもうクリアしてしまっているというような事業所もあるということでございます。つきましては、コロナ特例を活用した場合につきましては、最終の判定基礎期間、言うなれば最後に使った期間から1年以上既に経過しているということであれば、中段のようなクーリング期間を4月以降新たにということではなくて、もうクーリング期間が終わったとみなして、1年以上経過していれば新たな対象期間に入ることができるというような措置にしてはどうかというものでございます。これが3ページ目の表のクーリング期間、注5で書いてあるところでございます。
 これらにつきましては省令で規定する必要があるものと、それから通達、要領レベルで対応できるものがございます。残業相殺については要領レベルの話でして、そのほかについては省令改正が必要になるということで、今回は残業相殺以外の3つの点について、資料2-1によりまして省令案要綱をお諮りしておるところでございます。
 資料2-1の第1の1ところが短時間一斉休業について書いておるところでございます。第1の2のところが計画届の事前届出について3か月分は不要とするということです。それから、第1の3のところが先ほど申し上げましたクーリング期間についての運用の話でございます。その他、経過設置や所要の規定が必要となりますので、その旨書いておるところでございます。
 説明は以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 では、本件につきまして御質問、御意見等がありましたら、先ほどと同様の方法で御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 今回の特例措置については、雇用情勢や感染状況、産業ごとの状況や人材育成など、様々な要素に関する議論がこの間なされて、段階的な引下げがされてきたものと考えています。通常制度に戻していくにあたっては、4月以降の雇用情勢や雇調金の活用状況なども引き続き注視していただきながら、適宜、この労働政策審議会において議論をしていくことが重要と考えています。
 また、4月に向けて、通常制度とは一部異なる運用となるような点や、産業雇用安定助成金の雇用維持コースの助成内容や申請手続についても、分かりやすさという観点でいま一度丁寧に周知をしていただければと思っています。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 馬渡委員、どうぞ。
○馬渡委員 中央会の馬渡でございます。
 4月以降、通常制度に戻していく中で、前回、中小企業にとって手続が煩雑な部分については何とか簡素化、特例措置のままにしていただけないかというようなお願いもしておりましたけれども、一部御配慮いただきまして、本当にありがとうございました。
 ただ、いろいろな理由はあるのかと思いますけれども、せっかくコロナ特例によって中小企業にとっていろいろな手続が煩雑な部分が簡素化されているといういい面があると考えておりますので、例えば計画届の事後提出についても、本文の中身を見ると状況によってこういう方々は3か月間は経過措置にかかわらず6月まではいいよと書いていただいているのですけれども、そこでこの中身がそのとおりになるかどうかというのが、まだ中小の事業者にとっては厳しい部分があるのかなと考えますので、いろいろな利用者の声も聴きながら、そういった部分も6月になってみてもなかなか厳しいというようなお話があれば、何とか延ばすのか、それともこの部分は恒久化をしていただくとか、そういったことも考えていただくとありがたいなと考えております。
 以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 運用を開始してみて、また状況を見ていただくというような御要望もあったところでありまして、その点は受け止めていただくことといたしまして、特にその他御質問、御意見がないようでしたら、こちらにつきましては厚生労働省案をおおむね妥当と認めて、私から報告を申し上げたいということでいかがかと思います。このような方向で御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、報告文案の表示をお願いします。
(報告文案表示)
○山川分科会長 おおむね妥当と認めるという報告文案でありますけれども、こちらの文案で労働政策審議会会長宛てに報告するということで、御異議ございませんでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 御異議ございませんでしたので、このように報告をさせていただきます。ありがとうございました。
 では、次の議題に移ります。議題の3番目は「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」でございます。
 こちらの内容につきましては、第179回、第180回の雇用保険部会におきまして、あらかじめ議論を行っていただいております。
 では、資料と雇用保険部会での議論につきまして、事務局から説明をお願いします。
○平川訓練受講支援室長 訓練受講支援室長でございます。
 求職者支援制度につきましては、コロナ禍におきまして離職を余儀なくされた非正規雇用労働者の方々に対する支援を強化するために、本年度末までの特例措置を導入しているところでございます。特例措置終了後の制度の在り方につきまして、昨年12月に開催されました第179回雇用保険部会、それから今週14日に開催されました第180回雇用保険部会におきまして御議論をいただいたところでございます。
 資料といたしまして、参考資料3がございます。こちらが第180回雇用保険部会の資料になりますので、この資料を用いまして、見直し案の内容について御説明をしたいと思っております。
 10ページになります。コロナ禍における特例措置の内容でございます。収入要件の緩和、出席要件の緩和、訓練対象者の拡大、訓練基準の緩和等を行っております。
 一番下の訓練基準以外の部分が職業安定分科会の所掌となってございます。
 11ページを御覧ください。本人収入要件につきましては、月8万円以下という要件であったところ、特例措置として、シフト制で働く方などについては月12万円以下ということで緩和をしてございます。
 この特例措置の利用状況につきましては、1.4%と低調にとどまっております。背景といたしましては、働きながら訓練を受講しており、かつ一定以上収入がある方はそれほど多くないこと。それから、特例措置の導入後、緊急事態宣言などの経済社会活動への制限が緩和されてきたことがあると考えてございます。
 見直し案といたしまして、緑の箱ですけれども、この状況を踏まえまして、本人収入要件の特例措置については、今年度末で終了することとしてはというものでございます。
 13ページを御覧ください。世帯収入要件につきましては、月25万円以下という要件を、特例措置といたしまして、月40万円以下に引き上げたところでございます。
 14ページを御覧いただきますと、まず【参考】ということで左の真ん中にございますけれども、月25万円以下という金額は、人事院が家計調査等を基に算出した標準生計費を勘案して設定しておりますけれども、ここには税金や社会保障費等といった非消費支出は含まれておりません。
 右の【図3】でございますが、これらの非消費支出は平成23年の求職者支援制度創設時から令和4年にかけまして3割程度増加をしてございます。直近では月7万円程度の負担になってございます。
 この特例措置の利用状況が9.5%ということで、一定程度利用されていると考えておりますけれども、左上の【図1】のとおり、本特例措置は女性の利用割合が高くなっておりまして、一方、右の【図2】で訓練受講者数につきましても女性の伸び率が高くなっていること等を踏まえますと、本特例措置は受講者の増に一定程度寄与したのではないかと考えてございます。
 そこで、前のページの下の緑の箱でございます。本制度を必要とする方の受講促進の観点から、先ほど申し上げました負担の実態も踏まえまして、この要件を月25万円以下から月30万円以下に引き上げてはどうかという見直し案になってございます。
 15ページでございます。出席要件ということで、この求職者支援制度につきましては、訓練プログラムを全て受講することが就職に結びつくという観点から、原則として1日でも欠席をいたしましたら給付金は不支給とするという取扱いとしております。
 一方で、病気などでやむを得ず欠席をせざるを得ない場合などは、訓練実施日の2割までは欠席を認めるという取扱いとしてございます。
 本特例措置につきましては、仕事のために訓練を欠席する場合は、病気の場合などと同様のやむを得ない欠席として取り扱うものでございます。
 本特例措置は、例えばシフト制労働者の方が急にシフトが入った等により本来予定されていた訓練日に訓練を受講できなくなる場合等を想定したものでございますけれども、利用状況が0.2%にとどまっておりまして、本年度末で終了してはどうかということが見直し案でございます。
 16ページでございます。こちらも出席要件の特例措置になりますけれども、こちらはやむを得ない理由以外の理由での欠席について、訓練実施日の2割まで認める一方、欠席日の給付金を日割りで減額するというものでございます。
 本特例措置の利用状況は26.1%ということで、一定程度活用されていると考えておりますけれども、訓練受講希望者の中に1日でも欠席すると全額不支給となるという本来の出席要件が受講促進の大きな妨げになっている方がいらっしゃるのではないかという観点から、ハローワークのほうで調査を行いました。
 17ページでございます。まず、求職者支援訓練には就労経験の少ない方を対象にした基礎コースが設定されておりますけれども、こういった就労経験の少ない方、訓練受講が有効であると考えられる方が必ずしも訓練受講を希望しないという声が以前からございます。上の【図1】のグラフですが、就労経験の少ない方について訓練受講につながらなかった理由についての調査をハローワーク職員に行ったものでございます。これまでのハローワーク職員の相談の中で、受講しない理由として、遅刻、欠席をせずに訓練に通い続ける自信がないという理由が最も多かったと答えた職員は、上から2つ目のグラフですけれども、約3割となってございます。
 また、このページの真ん中、【表1】というところで育児・介護中の方については、訓練受講者のうち育児・介護中の方が占める割合は10.8%となっておりまして、ハローワーク求職者における割合は16.6%ですけれども、それより低くなっております。
 この育児・介護中の方の訓練受講が低調な理由につきまして、ハローワークで同様の調査を行ったものが【図2】でございます。突発的な事情で訓練を休まざるを得ないことが想定され、訓練についていけなくなる、給付金がもらえなくなるといった不安があるためという理由が最も多いと回答した職員が2割強おりました。
 こういったことを踏まえまして、戻っていただいて前のページの下の緑の箱でございますけれども、訓練受講に配慮が必要な方の受講促進の観点から、基礎コース受講者及び育児・介護中の方に限った上で、現行の特例措置を恒久化してはどうかという見直し案でございます。
 18ページでございます。こちらは給付金の支給要件として金融資産要件というものがございますけれども、この要件が原因で訓練を受講しにくいといった要望は特にございませんでしたので、本要件については特例措置としては実施をしていないところでございます。
 19ページでございます。訓練対象者の要件ということで、離転職せずに働きながらスキルアップに取り組もうとする方を対象者に追加をいたした特例措置でございます。この特例措置の利用状況は32件ということで、大変少なかったところでございます。
 ただし、20ページを見ていただきますと、能力開発基本調査によりますと、正社員以外の方についても9割弱の方が向上させたいスキルがあると回答されておりますというのが【表1】のところでございます。また、【図1】で、向上させたい能力としてITの一般的な知識・能力や職種特有の実践的な能力など、職業訓練で身につけられるスキル習得へのニーズが高い。
 一方で、左下の【図2】ですけれども、正社員以外の方は実際に自己啓発を行った割合が低く、右の【図3】ですけれども、会社から費用補助を受けた割合が低いという結果になってございます。
 前のページに戻っていただきまして、下の緑のところでございます。こういった状況も踏まえまして、非正規雇用労働者等の主体的なスキルアップを促進し、成長分野を支える人材を確保する観点から、働きながらスキルアップを目指す方を訓練対象者に追加することとしてはどうかという見直しでございます。
 21ページでございます。こちらは職業訓練受講給付金の給付内容でございまして、職業訓練受講給付金といたしましては、月10万円の職業訓練受講手当のほかに、通所手当と寄宿手当を支給してございます。給付の仕組みといたしましては、支給要件を満たして月10万円の受講手当を受給できる方につきましては、必要な方について通所手当と寄宿手当が併せて支給されますけれども、受講手当を受給できない方については、通所手当等は支給されないという制度になってございます。
 次のページが通所手当の実態でございます。全国の平均支給額は1万数百円程度となっておりますが、地域によって平均支給額にばらつきがございます。また、個々に見た場合に交通費の負担が多くなるケースといたしまして、訓練実施施設が県の中心部や県外など遠方にある場合、それから電車やバスなどを組み合わせたり、特急や高速バスを使う必要があるなどの場合に負担が大きくなるケースがございます。自動車で通う場合でありましても、駐車場代やガソリン代の負担がかかるといったようなケースがございまして、全国のハローワークにおきまして、訓練期間中に毎月数万円の交通費がかかることが負担となって受講を断念するケースが発生しているところでございます。
 こういった状況を踏まえまして、10万円の受講給付金の対象とならない方のうち収入が一定額以下の方、具体的には本人収入月12万円以下、世帯収入34万円以下でございますけれども、こういった方々につきましては通所手当のみを支給することとしてはどうかという見直し案でございます。
 この見直し案につきまして、3月14日の雇用保険部会で御議論をいただいたところでございます。
 いただいた主な御意見といたしましては、まず、特例措置の検証につきましては踏み込みが足りない部分もあったので、より踏み込んだ検証を行うべき。
 今後も要件緩和の効果の検証を行い、必要があれば見直しを検討することも必要である。
 効果的な制度となるように、ほかの分科会とも連携して制度改善を行うべき。
 求職者支援制度の財源の在り方については、引き続き検討すべき。
 受講者数の増加も鑑み、安定財源の確保を図るべき。
 特例措置のうち仕事のために欠席した場合の特例措置につきましては、求職者支援制度を働く人に広げていく観点から、引き続き残すという考え方もあったのではないかと思うので、今後そういったニーズがあるか見ていき、必要な見直しを行っていくべきとの御意見をいただきました。
 御議論の結果としては、見直し案につきましては原案のとおりということで御了承いただいたところでございます。
 この関係の省令案の概要ですけれども、資料3-2でございます。5ページに見直し内容ということで、図でまとめてございます。御了承いただきましたら、本年4月1日以降に開始される訓練を受講する方について制度が適用される予定としてございます。
 御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきましても御質問、御意見等がありましたら同様の方法で御発言をお願いいたします。御質問、御意見等ございますでしょうか。
 西尾委員、お願いします。
○西尾委員 西尾です。
 1点、意見を申し上げておきたいと思います。
 今回の職業訓練受講給付金の支給要件、給付などに関する現行の特例措置を中心に検証を行ったということですので、特例措置の見直し内容ということであれば、データやアンケート結果を一定程度踏まえたものだと受け止めております。
 一方で、資料3-2の6ページで示されている受講者数は、年間目標5万人には及ばない状況です。
 また、参考資料3の20ページによると、正社員以外の方々の「向上させたい能力・スキル」については、「ITを使いこなす一般的な知識・能力」が41.3%でほかを大分引き離して高くなっている状況です。そういったデータや、職場の労働者の状況を見ますと、コロナ禍もあって相当DXが進んできたということもありますし、求められるスキルも変わってきていると見ております。
 そのように働き方の多様化が進んで、それから企業が求める人材像も変化してきているということですので、パート、有期、派遣などといった形で働く人たちに改めて支援が届いているのかという視点と、よりよい条件の職場への再就職や職場の定着につながっているのかという視点から、例えば世帯収入要件の設定の妥当性について検証することも必要です。それから、支給要件、給付内容の設定の妥当性や、支援すべき人に対する政策効果についての検証も必要ですし、周知をしっかり行って、その期初の目的がかなうようにしていくことが重要です。そのための制度改善の検討を引き続き行うことが必要だと思っています。
 雇用保険部会の議論とも重複するところも多いと思いますが、職業安定分科会の中でも意見をしておきたいと思います。
 以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 では、大下委員、どうぞ。
○大下委員 ありがとうございます。
 御説明いただいた内容はおおむね妥当と思うのですが、1点だけ悩ましい部分もあると思っております。求職者訓練の出席日数要件、仕事での欠席を2割まで認めるというのは残してもよかったのではないかとの印象も持っています。当然財政の問題もあると思うのですが、国を挙げて学び直し、リスキリングを進めようとするのであれば、できるだけ間口は広く、様々な事情でこうした制度の利用を躊躇する人の背中を押してあげることが大事なのではないかとも思います。
 確かに実際の利用は0.2%と極めて僅かですけれども、ある程度欠席が認められる、仕事と両立をしながら学ぶことができる制度になっていることは、結果として、この制度を利用しないでちゃんと全部出席をした人が受講に踏み出す安心につながった部分もあるのではないかと思っています。人手不足が極めて深刻化する中で、一人でも多くの人がこうした事業を活用して、企業の労働力として活躍していただきたいと思っておりますので、できる限りこうした制度の利用を検討されていらっしゃる方が、仕事との両立により利用をためらうことが極力少なくなるように、窓口での御案内、ある種の勇気づけを丁寧に行っていただきたいと思いますし、例えば振替受講であるとか、可能なものであればオンライン受講など、出席しやすい環境整備についてもさらに進めていただきたいと思っております。
 私からは以上です。
○山川分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 求職者支援制度の今後の在り方について、雇用保険部会での議論を含めて、今回、本分科会においても幾つか御意見をいただいたところであります。今回、訓練対象者の拡大等の変化が生じるという提案になっておりますので、今後も求職者支援制度についてはさらなる検証、検討はなされると理解しておりますが、その際には、本日あるいは雇用保険部会等でいただいた御指摘を十分に踏まえて対応するようにお願いしたいと思います。
 その上で、本件につきましては厚生労働省案をおおむね妥当と認めるということで、私から労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいという方向でいかがかと思いますが、そういう方向で御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上のようなことでよろしければ、報告文案の表示をお願いします。
(報告文案表示)
○山川分科会長 おおむね妥当と認めるということになっております。
 この報告文案で労働政策審議会会長宛てに報告するということで、御異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○山川分科会長 それでは、そのように報告させていただきます。
 この前の議題についてもそうですけれども、この種の問題はある種PDCAサイクル的にお話を進めていくことが要請されると思いますので、どうぞ運用を見ながらよろしくお願いいたします。
 では、本日予定されておりました議題は以上でございますけれども、この際、委員の皆様から何か御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ございませんでしたら、本日の分科会はこれで終了いたします。大変ありがとうございました。