第75回厚生科学審議会感染症部会 議事録

健康局 結核感染症課

日時

  • 令和5年4月27日(木)10:00~10:45

場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)

議題

  1. (1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の取扱いについて
  2. (2)基本指針について

議事

議事内容
○杉原エイズ対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまから、第75回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日、議事進行を務めさせていただきます健康局結核感染症課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、前回と同様、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますYouTube撮影用のカメラ撮りにつきましては議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御協力と御理解をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」を遵守いただきますよう、お願い申し上げます。
 なお、会議の冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
 本日はウェブ会議で開催することとしております。
 まず、ウェブ会議を開催に当たりまして、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は挙手機能を用いて挙手いただくか、チャットに発言される旨を記載いただき、座長から御指名されてから発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルがございましたら、あらかじめお知らせしております番号までお電話をいただきますようお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠席の状況につきまして御報告いたします。
 御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえまして、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順に失礼いたします。
 今村委員、大曲委員、賀来委員、釜萢委員、越田委員、白井委員、調委員、菅原委員、中野委員、成田委員、藤田委員、森田委員、山田委員、四柳委員、脇田委員。
 なお、本日、味澤委員、谷口委員、戸部委員からは御欠席の連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとしまして全国衛生部長会より家保様、また、全国保健所長会より内田様、全国知事会より玉川様の御出席をいただいております。
 現在、感染症部会の委員18名のうち15名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づきまして本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。なお、これ以降、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
 議事次第及び委員名簿、座席図、資料1-1から2-2、参考資料1-1から1-4となります。不備がございましたら事務局までお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は脇田座長にお願いいたします。
○脇田部会長 それでは、委員の皆様、参考人の皆様、改めましておはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入ってまいりたいと思います。事務局から既に委員の皆様には、資料の送付と説明がされていると思いますけれども、必要なポイントについて、事務局から議題1について、簡潔に御説明をよろしくお願いいたします。
○南結核感染症総括調整官 では、事務局から資料を御説明させていただきます。資料1-1に沿って御説明いたします。
 まず、1月27日に本部会におきまして新型コロナの感染症法上の位置づけにつきまして、私権制限に見合った国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがある状態とは考えられないことから、新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとし、5類感染症に位置づけるべきと御意見をいただいておりました。
 その後、同日の政府対策本部におきまして、5月8日に5類感染症に移行することを決定いたしまして、位置づけ変更前に改めて本部会の御意見をお伺いした上で、予定どおりに5月8日に位置づけの変更を行うかどうか、最終確認をさせていただくこととしておりました。
 本日の部会では、この本部決定に沿いまして、病原性の大きく異なる変異株が出現するなど、当時の判断の科学的な前提が異なる状況となっているかについて確認をお願いしたいと考えております。
 資料は事前に御説明をさせていただいておりますので、簡潔に御説明いたします。
 資料2ページ以降で感染状況・変異株の状況等をまとめております。新規感染者数につきましては足下で増加傾向ですが、水準自体は低い状況となっております。重症者数、死亡者数は減少傾向の後に横ばいとなってございます。
 今後の見通しにつきましては、2ページの下ですが、過去の経験でありますとか、アドバイザリーボードに示された専門家のシミュレーション等を踏まえますと、夏に向けて一定の感染拡大が生じることを想定して対応していくことが必要だと考えております。現在、自治体とも連携して、この対策の準備も進めているところです。
 変異株につきましては3ページ以降に記載しております。直近の状況を見ますと、アメリカで多く出ているXBB1.5系統、欧州で多くなっているXBB1.9系統の占める割合が上昇しております。国立感染症研究所において国内外の変異株の動向を確認いただいておりますが、いずれの系統につきましても感染者増加の優位性の知見というのはありますが、重症度の上昇を示す知見というのは現時点で確認されていない状況となっています。
 また、新たに懸念されるような変異株も世界的に確認されている状況ではないと考えています。
 また、リスク評価のところにもありますが、系統間で感染者増加の優位性、免疫逃避の可能性以外に重症度などのウイルスの性質が大きく変わる知見はなく、変異株の性質が流行動態に直接寄与する割合も低下しているというような評価もいただいているところでます。
 6ページに医療提供体制を記載しておりますが、全国的に病床使用率は低い状況となっています。
 以上が、感染状況・変異株の現状についての整理です。
 7ページ以降ですが、位置づけ変更に向けた対策の現在の準備状況について整理をしています。
 8ページに対策の全体像ということで整理をしております。発生動向の把握でありますとか医療提供体制など、5本の対策を今順次進めているところです。
 内容につきましては、既に本部会でもサーベイランス等を御議論いただいておりますし、厚生労働省のアドバイザリーボード等でもお示ししております内容になりますので、詳細については割愛いたしますが、現在、各種対策について自治体と調整をしながら準備を進めている状況です。
 特に医療提供体制につきましては、1月27日の本部会の取りまとめにおきましても移行については段階的に進めていくようにという御指摘をいただいておりましたが、都道府県におきまして移行計画を策定いただいております。12ページにその全体の概要を取りまとめてお示しさせていただいております。
 12ページの左下の参考に直近のオミクロン流行時の最大の入院者数等の概要を記載していますが、より幅広い医療機関での対応となるべく各都道府県で移行計画を策定し、準備いただいております。現在の積み上げ、全国の集計で言いますと、約8,400の医療機関で最大5万8000人の患者の受入体制というのを移行計画において確認していただいているという状況です。
 また、右側のほうですが、高齢者施設等に対する支援でありますとか、外来対応医療機関についてもより幅広い機関での対応となるよう、なるべく準備を今いただいているような状況となっています。位置づけ変更に向けて、こうした取組が着実に進んでいる状況です。
 以上のような対策の状況を踏まえまして、資料の19ページになりますが、本日、感染症部会において御確認いただきたい点です。本部会として意見を取りまとめていただいた1月27日以降に、病原性が大きく異なる変異株の出現など、科学的な前提が異なるような特段の事情が生じていないことについて御確認いただき、御意見をいただきたいと考えております。
 事務局からの説明は以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明をいただいたところですが、委員の先生方から御意見をいただいていきたいと思います。時間も限られていますので、例によってあいうえお順で御指名させていただきますので順番にお願いします。
 では、最初にまた、恐縮ですけれども、今村先生から順番にお願いします。
○今村委員 今村です。現在のウイルス特性と病態、流行状況、そして、医療提供体制などを総合的に判断して、予定どおり5類へ移行するという点については異論ありません。
 その上で、1点だけ医療体制についてコメントさせていただきます。
 医療提供体制においては、より幅広い医療機関が受け入れられるようにすることが前提でした。これまで前線で診療を行ってきた多くの医療機関では、今後はより一般医療との両立を目指すことになるため、むしろ各医療機関における受入数は、入院・外来ともに減少することが予想されます。診療できる医療機関が十分に増えていなければ、救急医療等の負荷が大きくなる冬の流行では、再び極めて厳しい状況に陥る可能性もあります。したがって、目標として積み上げた数値だけではなく、本当に新規医療機関が増えているかなど、5類移行後の受入状況について、随時確認をしていただけたらと思います。
 こちらからは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、大曲委員、お願いいたします。
○大曲委員 大曲です。今回の移行、改めてチェックということを伺っておりますが、私も賛成でございます。
 私は医療側におります人間でありますけれども、医療体制の移行に関しては段階的な移行ということで計画を組んでいただいております。ただ、実際に動かしてみて、何がどう動くのか、動かないのかというところはリアルタイムに確認しながら調整をしていく必要がありますので、その点には留意が必要と思います。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、賀来委員、お願いいたします。
○賀来委員 賀来でございます。5類に移行することに関しまして先ほど2人の先生もお話になりましたが、私も特に問題ないと考えております。
 ぜひお願いしたいのは、5類になってかなりいろいろな体制が変わります。その中で、国民の方々が5類に変わったことの変更点をしっかりと理解できるように、また、もし新たな変異株や様々な事象が起こりましたときには速やかにそのことをお伝えする。国民に対してしっかりとリスクコミュニケーションを取っていただきたい。そのことが国民の方が安全安心の中でウィズコロナの中で生活を過ごすことができる、それに対応することができると思いますので、ぜひとも細やかな情報の提供をお願いいたしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○脇田部会長 釜萢委員、お願いいたします。
○釜萢委員 現状の認識及び5月8日以降の5類への移行について賛同いたします。
 4月19日のアドバイザリーボードで提出されました提言にありますとおり、今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を覚悟した上で、感染に関連して亡くなられる方を減らすために、医療機関はもちろん高齢者施設等での集団感染をいかに抑え込むかが重要です。適切なワクチン接種の継続と高齢者施設などと医療とを平時からいかに結びつけるか、施設の協力、医療機関を実際に機能させられるかどうかにかかっていると考えます。
 以上です。
○脇田部会長 越田委員、お願いします。
○越田委員 金沢市福祉健康局の越田です。感染症法の位置づけの変更内容、時期、いずれも異存ございません。
 住民に近い立ち位置で地域医療に向き合っている私の立場から、以下2点、申し述べさせていただきたいと思います。
 1点目は、感染症法上の位置づけの変更直後から法定ではなくなりますが、感染者における推奨される療養期間や濃厚接触者の特定がなくなるということ、一律ではない個人や事業者の判断による基本的な感染対策、さらに5月7日、直近に感染が判明した場合の療養期間、こういった住民に直接関わる変更点に対して、混乱や誤解のない平易な表現でお伝えいただきたいと思っております。
 2点目は、資料1-1にもございます医療提供体制についてです。感染者数、重症者数が少ない状況では、爆発的な感染が起こる可能性は低いとは思いますが、もしそういった感染拡大が起こったの地域医療体制について、1点目、救急搬送困難事案を想定した組織横断的な救急医療体制、2点目、郡市医師会と連携した在宅医療支援体制、3点目、自治体の福祉部局と連携した高齢者入所施設等への介入、この3点について、今後、都道府県及び保健所設置市で策定されます予防計画に盛り込むだけではなくて、有事を想定したシミュレーションや訓練等も行うような働きかけをぜひお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、白井委員お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。5月8日から新型コロナウイルス感染症を類型変更して、感染症法上5類の定点報告の対象疾患として扱うことに賛成いたします。
 この部会や今までのアドバイザリーボードや新型コロナウイルス対策本部の御検討につきまして、本当に慎重に対応していただいたと思っております。この機を逃さず変更していただきたいと思っています。
 保健所は感染症の発生動向を定点によるトレンドで把握するということや、集団感染の兆しを施設や病院においてキャッチするように、業務の焦点を絞っていきたいと思っています。3年を経過しまして、特にオミクロン型の流行を全国の多くの地域でも経験したことで、診療所を含め多くの医療機関の方々が感染症に対応できるように工夫してきていることを現場でも実感しています。さらに何より多くの医療機関でこの疾患に対して関与していただけるようお願いしたいと思います。
 この機会に一般医療や在宅医療を含めての地域医療体制が再構築されるよう、このような体制が持続可能であるよう、5月8日から再スタートとして考えていきたいと思っておりますし、保健所の調整機能をそのために強化していきたいと思っています。個別の患者さんの対応は医療機関側に主役をお譲りして、お任せしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、調委員、お願いします。
○調委員 山口県環境保健センターの調です。よろしくお願いします。
 5月8日をもって5類に移行することについてですけれども、本日お示しいただきました資料にもあるとおり、現在の新型コロナウイルス感染症の流行状況、それから、重症患者数、ゲノム解析による変異などに関する情報を見ますと、流行は落ち着いた状況にあると思います。大型連休後、もしくは夏季休暇時期にある程度の流行が起こったとしても、5類移行後も新型コロナウイルスの特性を踏まえた当面の対策として、高額な治療薬及び入院費の補助、高齢者施設への集団発生に対する技術的な支援など、そういったことが行われることから、大きな混乱はないものと思っております。
 したがいまして、このタイミングで5類に移行することで、新型コロナウイルスに対応できる通常の社会が形成・維持されていくことを期待しております。
 個人の感染対策などにつきましては、しっかりとリスクコミュニケーションを行っていただきまして、主体的な選択を尊重することはもちろんですけれども、コロナと共存する社会においてどのような行動様式を取ったらいいのかということも、社会のコンセンサスをしっかり形成していくことも重要だと思います。
 これまで経験のあった医療機関、あるいは施設におきましても、5類移行後に個別具体的な対応として迷いが生じることもあると思いますので、情報の共有、あるいは学会等からの考え方を示していただきまして、混乱のないようにしていくことも重要だと思います。
 最後に、私に関連するサーベイランスについてですけれども、定点把握疾患になりますが、流行状況の把握をしっかりしていくことは重要だと思います。
 また、病原体のサーベイランスにつきましては、当面ゲノム解析が継続されることになりますけれども、それ以降、例えば呼吸器疾患のサーベイランスのときに病原体検査、ゲノム解析を含めた病原体検査をどのようにしていくのかということも極めて重要であり、今後議論をしていく必要があると思います。
 私からは以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、菅原委員、お願いします。
○菅原委員 東京医療保健大学の菅原でございます。
 5類に移行することに関しましては、私も特に異論はございません。
 その中で一つだけ、発生動向につきまして、これまでのようなインフルエンザと同じような表現の仕方で公開されていくと今のところはイメージしているのですが、インフルエンザの場合は警報とか注意報といったようなアラートの情報を公開されていると思うのですけれども、地方の感染症情報センターによってはいろいろな表現の仕方があろうかと思いますが、今後、コロナに関しましては、より分かりやすく、そういった情報を国民の皆さん、あるいは関係者の皆さんに分かるようにしていただきたいというのが強く思うところでございます。
 今までは、例えば感染症地方情報センターとか、国立感染症研究所のそういった情報をこちらから取りに行かなければ、今どうなっているか分からないようなことがあったかと思うのですけれども、その辺はどのように報道されていくのか、大変気になるところです。引き続き感染対策ということはもちろんなのですけれども、そういった動向に応じて、人々の気持ちも動きも異なり、そういう情報に応じて感染対策を強めたり弱めたり、気をつけたりということに直接的につながると思いますので、そういった情報提供を分かりやすくしていただくことを、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、中野委員お願いします。
○中野委員 川崎医科大学の中野でございます。
 今回、事務局からお示しいただきました今年の1月以降の新型コロナに関する状況の変化等を踏まえて、感染症法上の位置づけを5月8日から変更すること、それに伴って、位置づけ変更後の様々な対応、御紹介いただいた内容で異論はございません。
 一般的な感染症対策として、感染症の病原体の性質と私たち宿主、人類の免疫機能とか感受性とか、そういったことが大事だと思うのです。なので、病原体に関しましては、今後、今の株とは大きく病原性のかけ離れた変異株の出現への注意ということでも述べていただいておりますが、国内外の病原体の特性を引き続きしっかり監視していく体制がとても大事であろうということ。
 それと、医療体制のことは先ほど来たくさん出ておりますが、平時としての引き続き治療薬の開発、それと、平時としての予防接種体制の充実を忘れてはいけないと思っています。同じく呼吸器感染症のインフルエンザを例に挙げれば、2009年のH1N1pdmのパンデミックは別として、それ以外で私の40年の医師人生の中で、一番負担が大きかったのは1990年代後半、98年前後のときのインフルエンザの流行で高齢者の超過死亡とか、小児の脳症の問題、あの時期だと思います。あの時期は抗インフルエンザ薬もなかったですし、日本中で各世代のインフルエンザワクチンの接種率が最も低かった時代だということを忘れずに、感染症対策を平時から継続していきたいと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、成田委員、お願いします。
○成田委員 感染症法上の位置づけを5月8日に変更することについては異論ございません。その上で、1点申し上げます。
 感染再拡大への備えとして重要なのは、高齢者や妊婦、透析患者などのハイリスク層を守ることであり、そのためには高齢者とハイリスク層を対象としたワクチン接種を着実に進めていくこと、高齢者施設、特別支援学校、医療機関において集中検査の実施や感染対策を講じること、高齢者等医療支援型施設などを継続して、ハイリスク層のためのサージキャパシティーを用意しておくこと、こうしたことが重要となってまいります。
 国の措置において、9月末までとされているものもございますけれども、ぜひ感染状況や医療提供体制の状況に応じて、柔軟に対応していただければと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、藤田委員、お願いします。
○藤田委員 藤田です。5類への変更とそれに伴う対策の方針について異論はありません。
 今後、感染対策については個人や事業者の判断に委ねることを基本とするということから、それぞれが適切な判断ができるように、分かりやすい細やかな情報の提供というのは大変重要かと思っております。その点をお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、森田委員、お願いします。
○森田委員 森田です。現在の流行状況は引き続き安定した状況にあると判断されますので、変更案並びに対応策について賛成いたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、山田委員、お願いします。
○山田委員 私も5月7日と8日で5類へ変更するということに関して異存ありません。
 ただ1点、先ほど中野委員がおっしゃった重層的なサーベイランスを今後続けていくということですけれども、病原性の変化をきちんと把握することが極めて重要だと思います。ゲノムを見ていくこともいいのですけれども、本当に病原性の変化が世界各地でどのように起こっているかということを把握することが大事だと思っています。
 それに関しまして、もし仮に現在よりも病原性の高いウイルスが出現してくるようなことがあった場合、速やかに体制を整えるとおっしゃっているのですけれども、実際に見てみると、サーベイランスの時間のディレイがありますし、一般の方々の受け止め方が既に5類移行になる前から、もう全て終わったような雰囲気で行動される方も出ているように思えるので、実際にそういう新たな株が出てきたときに、速やかに対策を強化するというのは、かなりハードルが高くなってくるのではないかと思いますので、そういう認識に基づいて、次の事態への備えをしていただきたいと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、四柳委員お願いします。
○四柳委員 今回、事務局からお示しいただきました5類への移行、私も賛同いたします。また、急激な変化が社会に生じないように様々な配慮が行われていることを評価させていただきたいと思います。
 私のほうからは、国民へのメッセージということに関して一言コメントをさせていただきたいと思います。今回、5月8日以降、社会の変化が急速に加速をするということ、資料1の4ページでXBB1.9の話が出てまいりましたけれども、ワクチンで獲得した抗体をエスケープする株が急速に広がってくる可能性があるということで、今後、感染の機会はかなり増えるものと考えざるを得ないと思います。
 したがって、感染したかもしれないと思った国民が、きちんとそのときに対応できるような分かりやすい指針が必要だと思っております。厚生労働省のトップページが頻繁に更新されていて、これを見ると、昨年の9月26日には国民に向けて、感染をしたかもしれないというときの対応が示されております。
 最近、国から医療機関向けには分かりやすいリーフレットが示されていて、この中に、感染が疑われた場合の患者さんの対応ということも実は示されていますが、医療機関向けの中に隠れてしまっているので、国民に向けてのメッセージとしては弱いように思います。したがって、これをもう少し分かりやすいところに置いていただいて、都道府県などにも共有して頂きたいと思います。今のままだと検査も受けずに自宅療養をして、そのまま社会的制限もないので外に出ていくといった言動が危惧されると思いますので、そういった対応をお願いできればと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、参考人の皆様からも御意見を頂戴したいと思います。
 初めに、家保参考人、よろしくお願いします。
○家保参考人 高知県健康政策部長の家保と申します。今回の位置づけの変更、時期、変更後の対応の方針は非常に適切だと思っておりますし、ぜひともその方向で進めていただきたいと思います。
 各都道府県では、現地の医療機関、医師会と協力しながら、円滑な医療の提供、また、外来診療、先ほど釜萢先生がおっしゃいました福祉施設等での多発の抑制等に取り組んでいきたいと考えておりますので、引き続き国からの御支援なり、いろいろサポートをお願いしたいと思っております。
 もう1点、菅原委員もおっしゃったように、感染状況について、従来の全数からサーベイランスという定点観測になります。今まで感染者数の全数で県民・国民は感染の状況を把握しておりましたけれども、定点ということになりますとちょっと分かりにくい。ですので、インフルエンザと同様に、流行期に入った、注意報・警報というような水準を早期に示していただいて、そういう情報を各地域の県民の皆さん方に提供することで、意識的な行動変容につなげたいと思いますので、その辺りを早急に定義していただくようにお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、内田参考人お願いします。
○内田参考人 全国の保健所では5類移行の方針決定後、それぞれの地域でこれまで新型コロナウイルス感染症の入院受入れを続けていただいた病院なども含めまして、全ての病院や有床診療所につきまして、今後の入院受入方針を調査いたしました。ほぼ全ての医療機関がそれぞれの機能に応じた入院受入れを実施することを確認しております。外来対応につきましても、通常インフルエンザ診療をする医療機関につきましては、ほぼ全ての医療機関が外来対応を実施することを確認しております。
 また、これまで入院必要性の判断に携わらなかった外来医療機関向けに勉強会や研修会、こういったものも各地の保健所で実施されておりまして、医療機関間の入院調整に向けての準備も進んでおります。
 現状、高齢者施設や病院を中心とした集団感染は続いておりまして、保健所は今後も高齢者施設等の感染拡大防止対策に取り組んでまいります。
 以上のようなことから、全国保健所長会といたしましては、新型コロナウイルス感染症を5月8日に予定どおり5類に位置づけ変更することに関しまして、問題はないと考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 最後に、玉川参考人、よろしくお願いします。
○玉川参考人 全国知事会を代表して申し上げます。5類感染症への位置づけ変更に関しましては特段異論ございません。
 参考資料1-4として提出させていただいているとおり、全国知事会では、昨日「新型コロナウイルス感染症の位置づけ変更に係る対応に向けて」を取りまとめ、国に要請をさせていただいたところです。位置づけの変更により、国民や保健、医療の現場に混乱を生じさせることがないよう、国と地方の緊密な連携や、5類移行に伴い発生する費用への確実な財政支援、様々な場面における感染対策等の周知、ワクチン接種体制確保のための財政措置など、万全の対策を講じていただきますようお願いいたします。
 その上で、具体的に3点申し上げます。
 1点目、資料1-1の14ページにあります位置づけ変更後の療養の考え方、こちらについては外出を控えるかどうかを個人で判断するに当たり、非常に重要でありますことから、国においても広く国民に周知のほうをお願いいたします。
 2点目、資料1-1の9~10ページの発生動向等の把握におけるG-MISによる入院者数や検体採取等の報告については、医療機関等に過度な負担が生じないよう、適切かつ負担の少ない方法に順次切り替えていただきますようお願いいたします。
 最後に3点目、交通機関などを利用する際に、新型コロナウイルス感染症の患者であることのみを理由として拒否されることのないよう、関係省庁等と連携した対応をお願いいたします。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、委員の皆様、参考人の皆様から一通り御意見をいただいたと思います。もし、追加で御意見があれば後でまた伺いますけれども、最後に私のほうからも意見ということで、私の意見を述べる前に、谷口委員から、今朝御意見をいただいたので御紹介をしておきたいと思います。
 谷口委員のほうからは、事前レクと資料を見させていただいて意見を言いたいということでした。資料1-1の6ページに救急搬送のデータが示されていますが、感染者数が落ち着いたと思われている英国などの先行国においても救急の逼迫が見られているので、救急車の適正利用や一次救急の充実など、三次救急に余裕を持たせるような適切な施策がないと、このために二次及び三次救急が逼迫して死亡者が増加することが懸念されるので、この面の御対応をお願いしたい。
 2番目には、資料の10ページに感染症法に基づいて死亡情報を収集と記載されていますが、これは第15条に基づくと説明を受けました。15条を使用して死亡情報を収集するのであれば、ほかの重症者数など、必要な情報も15条で収集すればよいのではないでしょうかということで、これも御検討いただきたいということです。
 3番目にワクチンについて、接種券などの配付方法がばらばらで、要求しないともらえないところも多く、知らないから接種券が届かないから接種しないという事態は避けていただくようにお願いしたいということです。
 以上の3点の御対応をお考えいただいて、万が一、感染者の急増、重症者の急増、医療逼迫の際には適切な御対応いただくという前提で、5類への変更については異議なしとさせていただきますということでございました。
 それで、私のほうからですけれども、皆様から御意見がいろいろあったとおりに私も考えていますが、前回、5類移行前の最後のアドバイザリーボードで、現在のこれまでの全数把握の情報を使った感染状況のリスク評価ということでまとめさせていただいていますが、それを少しここで述べさせていただきたいと思います。
 5月8日以降、5類感染症と位置づけられることになると、これまで行われてきたようなリアルタイムのモニタリングが困難になります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行は継続して、死亡者も発生し続ける可能性が高い。そして、死亡リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ人たちに対する対策は、5月8日の5類への移行後も継続する必要があると考えられます。
 日本の人口は世界的に見ても特に高齢化率が高く、この集団に対する適切な追加免疫、ワクチンの接種の実施が求められます。また、高齢者の介護及び医療の現場における持続可能な感染対策の実施と、適切な医療へのアクセスの確保が求められます。ウイルスゲノムのモニタリング、そして抗体保有率の調査を含めたモニタリングを継続することも重要であるということでまとめさせていただいておりますので、ここで再度述べさせていただきました。
 それから、追加の意見としては、情報提供について委員の皆様から様々な御意見がございました。確かにそのとおりだと考えておりまして、特に5類に移行したときに、これまで毎日のように感染者数であったり感染のデータの周知をされて、それに基づいた判断をしていただいているところですけれども、特にデータの移行において、定点のデータということになりますので、週ごとのデータになりますので、変更について、よく国民に周知をしていただくということで、なぜ急にデータが出なくなったのだという誤解が生じないように、よく周知をしていただきたいと考えております。
 ということで、意見を述べさせていただきましたが、皆様から何か追加はございますか。特にはよろしいですね。
 それでは、ほとんどの先生方からは、5類への移行については異論がないと御発言をいただきましたけれども、この感染症部会が1月27日に新型コロナウイルス感染症について、新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとして5類感染症とすべきとした取りまとめ時点から、病原性が大きく異なる変異株が生じるなど、判断を変更するような特段の事情は認められないことを確認したいと思いますが、御異論はございませんでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、位置づけの変更後の対応につきましては、本日いただいた皆様の御意見を踏まえまして進めていただければと思います。
 それでは、次の議題に入りたいと思います。事務局から各委員に対して既に資料の送付と説明をいただいているところでありますが、必要なポイントについて、議題2について事務局から御説明をお願いいたします。
○長江結核感染症課長補佐 事務局の結核感染症課の長江でございます。事務局より簡単に御説明させていただきます。
 資料2-1、資料2-2は感染症法に基づく基本的な指針の一部改正についてでございます。こちらは3月の第73回の感染症部会において、事務局から資料2-1にある基本指針の改正の趣旨、ポイント、改正内容を提示させていただきました。そこで御意見をいただいたもの、この中で大まかに言いますと、項目の第9につきましては第74回の感染者部会でお諮りしました内容を反映、あとは法改正の内容の具体化や文言の適正化を行っておりまして、それを資料2-1として改めて提示させていただいております。
 また、資料2-2は今回の新旧の対照表となっております。
 以上が事務局の説明となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、ただいまの説明を踏まえまして、皆様から何か御意見・御質問等はございますでしょうか。特にこちらは大丈夫ですか。
 そうしましたら、特に御意見・御質問がないようでありましたら、この基本指針については必要な手続を進めていただくということにしたいと思います。
 本日の議題は以上になりますが、委員の皆様から何か御発言はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議事を事務局にお返ししたいと思います。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更につきましては、特段の事情が生じていないことを確認させていただきましたので、この後、加藤厚生労働大臣から感染症法第44条の2第3項に基づきまして、新型コロナウイルス感染症について5月7日をもって新型インフルエンザ等感染症ではなくなる旨の公表をさせていただく予定でございます。また、今後の対応に当たっては、委員の皆様の御意見を踏まえまして進めさせていただきたいと思っております。
 また、次回につきましては事務局より改めて御説明させていただきます。
 本日は、お忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございました。