ワクチン生産体制等緊急整備事業【第5次公募:ワクチン大規模臨床試験等支援事業】

次のとおり、ワクチン生産体制等緊急整備事業の推進を図るために必要な事業について募集をいたします。

令和5年5月24日
厚生労働省医政局

ワクチン生産体制等緊急整備事業について

 新型コロナウイルスを始めとした新たな感染症に対応するワクチンとして、バイオ医薬品の生産技術を応用した新しいタイプのワクチンの開発が世界中で行われています。一方で、日本においては、このような新しいタイプのワクチンを含むバイオ医薬品の生産体制は十分とはいえず、国内での生産体制の整備は喫緊の課題になっています。
 
 ワクチン生産体制等緊急整備事業(以下「本事業」という。)は、新型コロナウイルスを始めとした予期せぬ感染症の流行阻止・重症化予防に必要なワクチンを可能な限り迅速に製造し、日本国民のために確保するため、ワクチンを含むバイオ医薬品の生産体制を整備することを目的としています。
 
 このようなバイオ医薬品の生産体制を整備しておくことで、今後新たなウイルス等により、国内に影響を及ぼすような感染症が発生した際にも、必要なワクチンや医薬品をより迅速に製造することが可能となり、長期的な視点においても、国民の保健衛生の向上に寄与することが可能となります。
 
 本公募要項では、本事業の推進を図るために必要な事業について募集をいたします。応募された事業は、「専門的・学術的観点」等から評価委員会における評価を経たのちに、厚生労働省による採択事業の決定、そして助成金が交付されます。

公募事業の概要等について

1.事業概要(5次公募:ワクチン大規模臨床試験等支援事業)

 国民の生命の安全及び健康の確保に加え経済安全保障の観点から、国内におけるワクチンの研究開発能力及び供給能力の強化を図ることは極めて重要であり、令和3年6月1日に閣議決定された「ワクチン開発・生産体制強化戦略」においても、ワクチンを国内で開発・生産できる力を持つことの重要性が述べられるとともに、我が国におけるワクチンの研究開発・生産体制等における課題として、ワクチン開発・生産を担う国内産業の脆弱性や企業による研究開発投資の回収見通しの困難性などが指摘されています。
 
 感染症ワクチンの第Ⅲ相試験(大規模臨床試験等)においては、多くの健常者に接種し、そのうち感染症に罹患した者が何人いたかを治験薬接種者とプラセボ接種者で比較するため、数万人単位での被験者の確保が必要となります。しかしながら我が国ではこのような大規模臨床試験の経験が未だかつて無く、加えて第Ⅲ相試験を実施するための費用も数百億円程度となることも企業の投資判断におけるバリアとなり、迅速な試験実施に対する課題となっています。
 
 新型コロナウイルスワクチンについては、これまでに1次公募及び2次公募によって大規模臨床試験等の実施に係る支援を行い、一部の国内企業における取組も進んでいますが、今後のパンデミックに備えるべき重点感染症(公衆衛生危機管理において、救命、流行の抑制、社会活動の維持等、危機への医療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品や医療機器等(MCM)の利用可能性を確保することが必要な感染症)に対するワクチンについても、同様の支援を実施してワクチンの迅速な開発を後押しする必要があります。
 
 今般、重点感染症に対処するワクチンのうち、国内での実生産が計画され、かつ第Ⅰ相試験及び第Ⅱ相試験における有効性及び安全性が確認されるものについて、有効性を検証する大規模臨床試験等を行うために必要な経費を支援する5次公募を行うこととなりました。

2.採択方針

  • 事業費の規模:1事業あたり、原則として、500億円(事業期間内の総額)
  • 事業期間:可能な限り短期間であることが望ましい。
  • 採択事業数:3事業程度

応募に関する諸条件について

1.応募資格者

以下の要件を満たす法人(複数の法人が協力して要件を満たす場合を含む。)
  • 重点感染症に対処するワクチン(以下「開発ワクチン」という。)の国内での薬事承認取得に向けた開発を行うことを計画している国内の法人格を有する法人であること(注)。
  • 複数の法人が協力して事業を実施する場合、本事業の実施に主たる責任を持つ法人(国内で薬事承認申請を行うことを計画する法人等)が代表して応募を行うこと。
  • 開発ワクチンについては、原則として国内シーズ(国内で基礎研究の段階から研究開発が行われているワクチン)であること。なお、国内シーズでなく、海外での薬事承認取得も計画している場合には、国内での薬事申請を海外に先んじて行うものであること。
  • 国内での薬事承認取得に加え、海外での薬事承認取得も計画している場合には、国内での感染動向に応じた迅速な開発が可能、かつ、国内でのワクチン供給を最優先とする生産体制の構築が可能なシーズであること。
  • 応募時までに、開発ワクチンについて第Ⅰ相試験及び第Ⅱ相試験の実施目処がついており、有効性及び安全性を確認される見込みがあること(SCARDA等、国内外の機関からの研究費補助等の実績も考慮する。)。
  • 令和5年度末までの可能な限り早期に、海外での実施も含めた有効性を検証する大規模臨床試験等の実証的な研究を開始するものであること。
  • 原則、海外での事業を含め安定して収益がとれる具体的な経営計画を有し、提出できること。
  • 事業終了後も、国内に影響を及ぼすような感染症の発生・流行時に対応するワクチンを、国内で確実に開発・供給する意志を有すること。
  • 当該事業における経験を生かし、事業終了時に有事における海外第Ⅲ相試験の実施のスピードアップ等、ワクチンの最短開発プロセスを検討し、その結果を提出すること。
  • 複数の開発ワクチンに対する計画がある場合には、開発ワクチンごとに応募すること。
  • 知的財産権等の法的手続に関する問題によって事業の遂行に支障を生じるおそれがないこと。
  • 当該事業を的確に遂行するに足る技術的能力を有すること。

(注)外国法人(日本にある支店を含む)等、本公募の応募時において、国内の法人格を有していない法人にあっては、採択決定後、助成金の交付申請の時までに国内の法人格を有することを条件として応募の対象とします。

2.事業実施期間

 本公募で採択された場合は、原則として当省から事業採択の決定通知がなされた日以後であって、実際に事業を開始する日から臨床試験の終了までの日に3年間を加えた日までとします。なお、応募事業の採択後は、本事業の目的を達成することなく事業を途中で中止又は廃止することがないよう、ご留意ください。

3.対象経費の区分、補助率及び限度額等について

(1)対象経費の区分
 発症予防効果を検証する大規模臨床試験等の実証的な研究を行うために必要な経費として以下の区分とします。
 
 ア.治験薬製造に係る経費
  • 開発ワクチンの大規模臨床試験等を実施するために必要となる治験薬の製造(実生産スケールの製造ラインを用いて治験薬を製造する場合には、スケールアップの検討、試し製造に係る経費を含む。)、保管方法の検討に必要な経費、品質評価に係る経費
  • 治験薬の製造、保管に係る経費
  • その他、評価委員会の意見に基づき、厚生労働大臣が必要と認めた事業に要する経費
 
 イ.業務委託費等
  • 医薬品開発業務受託機関への業務委託費
  • 治験実施医療機関への業務委託費
  • 実施事業者自らが行う事務経費(賃金、謝礼金、旅費、需用費、役務費、使用料及び賃借料、委託費、備品購入費)

 ※留意事項
  • 開発ワクチンの製造及び保管に必要となる施設・設備の整備及び維持等に係る費用、消耗品費及び人件費は、対象経費となりません。
  • 実生産スケールで製造された開発ワクチンのうち、治験に用いた後の残余を薬事承認取得後に国内外へ出荷した場合、出荷したワクチンに係る原材料費、製造及び保管に要する経費を按分して返還頂きます。
  • 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)等の国内外の政府機関やCEPIから支援を受けている経費については、重複して支援を受けることはできません。

(2)補助率
  10 /10
 
(3)事業費用の返還
  • 第Ⅲ相試験終了後一定期間内に薬事承認された場合には、承認後の1年間において得られた企業売上の一部(5%)又は50億円のうち低い額を3年間に分割して返還頂きます。
  • 一定期間内に薬事承認が得られなかった場合には、その後1年間において得られた企業売上の一部(1%)又は5億円のうち低い額を3年間に分割して返還頂きます。

4.応募に当たっての留意事項

(1)助成金の不適正な使用等があった場合
 助成金を他の目的に使用した場合や、助成金の交付の決定若しくはこれに付された条件に違反した場合には、採択の取消し又は助成金の交付決定取消し、助成金の返還等の処分を行うことがあります。なお、本扱いについては、交付すべき助成金の額の確定があった後においても適用があるものとします。
 
(2)法令等の遵守について
 事業の実施にあっては、法令・倫理指針・条例等で求められることを遵守してください。なお、これらの遵守状況について調査を行うことがありますので、予めご了解ください。これらの法令等に違反して事業を実施した場合は、採択の取消し又は助成金の交付決定取消し、助成金の返還等の処分を行うことがあります。なお、本扱いについては、交付すべき助成金の額の確定があった後においても適用があるものとします。

5.応募申請書類の提出について

(1)提出期間
令和5年6月1日(木)~ 令和5年12月28日(木)目途 ※これ以降の提出については応相談
(受付時間は、9:30~12:00及び13:00~17:00とし、土・日・祝日の受付は行いません。)
上述期間中、随時提出可能といたしますが、採択事業数に達した時点で公募を終了いたします。
 
(2)提出方法
規定の書式に従って必要書類を作成の上、(3)の提出先に送付してください。申請書類は、簡易書留等、配達されたことが証明できる方法で、提出期間内に到着するよう余裕をもって投函してください。
 
(3)提出先
厚生労働省医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室宛
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
 
(4)提出書類
本事業に応募する法人の代表者は、規定の様式に従って事業計画書を提出してください。
なお、評価委員会において評価を行う際に、別途資料を求める場合があります。
  
(5)提出部数
[1]事業計画書、[2]参照別添資料(重要なものに限る。)及び[3]その他参照資料の目録(その他参照資料がある場合に限る。)を200ページ以内にまとめたものを20部(正本1部、写し19部。両面印刷。)並びにその電子媒体(DVD-R又はCD-R)10枚を提出してください。なお、電子媒体には、その他参照資料を含めることが可能です。
 
(6)その他
 ア.事業の成果
 事業の成果は、法人に帰属するものとします。

 イ.事業の公表
 事業の結果又はその経過の全部若しくは一部について、新聞、書籍、雑誌等において発表等を行う場合は、本事業の成果である旨を明らかにしてください。

 ウ.事業採択後の各書類提出期限
 事業採択後、当省が指示する助成金の交付申請書等の提出期限を守らない場合は、採択の取消しを行うこともありますので十分留意してください。

 エ.事業採択後の交付申請書の提出先等
 事業採択後の助成金の交付申請書の提出先、交付決定及び助成金交付は、厚生労働省が公募により採択した基金管理団体が実施主体となります。

 オ.個人情報の取扱い
 事業計画書又は交付申請書等に含まれる個人情報は、本事業の業務のために利用及び提供される場合があります。また、採択された個々の事業に関する情報(事業者名、助成額及び実施期間)も、公表される場合があります。

 カ.本公募要項に関する照会先
 厚生労働省医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室宛
 TEL:03-5253-1111  内線4050
 MAIL:tokutei_iyaku(at)mhlw.go.jp
 ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
 

事業の評価について

 事業の評価は、新規事業の採択の可否等について審査する「事前評価」、事業継続の可否等を審査する「中間評価」(※1)、事業終了後の成果を審査する「事後評価」(※2)の3つの過程に分けられます。
 
「事前評価」においては、外部専門家により構成される評価委員会における「専門的・学術的観点」、「事業継続の観点」からの意見をもとに、厚生労働大臣による「行政的観点」を含めた総合的な評価を行い、助成対象とする事業の選定・採択を行います。なお、必要に応じ、申請者に対して事業に対する背景、目的、構想、実施体制、展望等についてのヒアリングや施設の訪問調査を実施し、評価を行います。
 
 採択事業の決定後には、速やかに文書でもって申請者へ通知します。その際、評価委員会から指摘された事項も通知しますので、本事業の採択事業者は、誠実にその内容を履行すべく、適切かつ最大限の努力をすることが求められます。また、採択された事業の概要については、厚生労働省ホームページ等を通じて、公表をいたします。

 「中間評価」及び「事後評価」の具体的な方法については、本事業の基金管理団体により、詳細が決定されます。

※1:事業実施期間が複数年度で採択された事業であっても、中間評価の結果、途中で終了になる場合があります。

※2:中間評価又は事後評価により、事業の成果が著しく低く目的が達成されていないと認められる場合であって、その原因が応募者(複数の法人が協力して要件を満たして応募する場合は協力する法人を含む。)の責による場合は、助成金の返還を求めることがあります。(例:開発ワクチンについて、海外の規制当局に対して薬事申請がなされているにも関わらず、応募者の事情により、国内での薬事申請を行わなかった場合。)

※3:当該事業における経験を生かし、事業終了時に有事における海外第Ⅲ相試験の実施のスピードアップ等、ワクチンの最短開発プロセスを検討し、その結果を提出いただきます。

1.専門的・学術的観点からの評価に当たり考慮すべき事項

(1)事業の重要性
  • 有効性・安全性・品質の観点から有用なワクチンの開発に資する事業か
  • 国内シーズであるか。

(2)事業の実現性・即効性
  • 開発ワクチンに対して、国内外の政府機関又はCEPIからの研究費補助が取得されているか
  • 国内での感染動向に応じた迅速な開発が可能かつ国内でのワクチン供給を最優先とする生産体制の構築が可能か
  • 開発ワクチンと同じプラットフォームを用いたワクチンで、どの程度の臨床使用実績があるか
  • 現在までに、開発ワクチンの有効性・安全性に資するデータがどの程度取得されているか
  • 令和5年度中に、有効性を検証する大規模臨床試験等の実証的な研究に着手できる計画であるか
  • 国内における薬事承認取得が早期に、効率的に実施される計画であるか
  • 薬事承認取得後遅滞なく製造が開始できる準備状況か

2.事業継続的観点からの評価に当たり考慮すべき事項

(1)過去の実績・経験
  • 新薬開発(特に、新たなワクチン開発)の経験等から、遂行可能な事業であるか

(2)現時点までの確認事項
  • 特許・技術導入等に必要な法的手続き等の整備が適切になされているか
  • 第三者の特許権が存在しないことを調査により確認済みであるか。特許権が存在する場合にあっては、最低限、実施許諾等の手段によって安定的に当該技術を利用できることを確保できるか

(3)事業成果の継続保持
  • 事業終了後も、国内外で影響を及ぼすような感染症の発生・流行時に必要なワクチンや医薬品をより迅速に開発できる体制を確保できるか 
 (例)
 ・海外での事業を含め安定して収益がとれる具体的な経営計画
 ・他のワクチンやバイオ医薬品の開発
 ・開発体制の維持(関連機関との連携や人材等組織体制を含む)

3.行政的観点からの評価に当たり考慮すべき事項

(1)事業の倫理性等
  • 計画された臨床試験等が、各種ガイドライン及び倫理指針等に照らして適切か

(2)供給上の観点
  • 薬事承認取得後の、製造・供給能力(感染の立ち上がりに応じた出荷の時期と製造量、製造出荷スケジュール等)が確保できるか
  • 実際の供給にあたり、流通形態(供給される包装単位等)をどのように想定しているか

(3)効率性・経済性の観点
  • 提案された事業費は合理的かつ適正か

(4)その他  
  • 一定の内部留保等財務状況が良好か 
  • 事業計画書の策定にあたり、経済的効率性に配慮しているか

公募申請様式