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第73回厚生科学審議会感染症部会 議事録
健康局 結核感染症課
日時
令和5年3月13日(月)13:00~15:00
場所
厚生労働省 専用第15会議室(12階)
議題
- (1)基本指針及び予防計画の見直し等について
- (2)次の感染症危機に備えた感染症により死亡した者の情報収集について
- (3)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の呼称について
- (4)改正感染症法について
- (5)その他
議事
- 議事内容
- ○杉原エイズ対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまから、第73回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席、誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます結核感染症課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。また、前回と同様、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますYouTube撮影用のカメラ撮り以外は議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
また、傍聴の方々は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議の冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
本日はウェブ会議で開催することとしております。
まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言いただく場合は、まず、挙手機能を用いて挙手いただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載いただきまして、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルがございましたら、あらかじめお知らせしております番号までお電話をいただきますようお願いいたします。
続きまして、委員の出欠席の状況につきまして御報告いたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえてこちらからお名前を申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順に失礼いたします。
今村委員、大曲委員、釜萢委員、越田委員、白井委員、菅原委員、谷口委員、戸部委員、中野委員、成田委員、西山委員、藤田委員、森田委員、山田委員、四柳委員、脇田委員。
なお、味澤委員、加来委員、調委員から御欠席の連絡を受けております。
なお、オブザーバーとしまして、今回も全国知事会より金成様に御参加をいただいております。
現在、感染症部会委員19名のうち16名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づきまして本日の会議は成立したことを御報告いたします。
それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音することができませんので御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
まず、議事次第及び委員名簿、座席表、資料1から5、参考資料1から6になります。もし不備がございましたら事務局までお申し出ください。
それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 委員の皆様、事務局の皆様、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
杉原さんの声が非常に聞き取りにくいので、マイクに近づいてはっきりと大きな声で話していただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、事務局から各委員に対しては事前に資料を送っていただいて、説明もしていただいたと思います。まず、必要なポイントについて、事務局から議題1について説明をお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 よろしくお願いします。資料1を御覧ください。
基本指針及び予防計画の見直しについてということでございます。こちらは前回の部会でも取り上げさせていただきましたけれども、2月17日の感染症部会におきましては、基本指針と予防指針を策定するに当たって検討が必要な事項と検討の進め方について御報告をさせていただきました。
今回、数値目標を設定する事項のうち、医療につきましては第8次医療計画検討会におきまして取りまとめに向けた議論を行っておりまして、その内容を踏まえまして、本部会において基本指針と予防計画を策定するに当たって検討が必要な事項につきまして、御検討いただきたいと考えております。
3ページ目を御覧ください。検討が必要な事項と検討の進め方でございます。
まず、検討が必要な事項としましては、予防計画の実効性を担保するために定めることとされた数値目標について、どの事項について数値目標を設定する必要があるかという点。
2つ目が、数値目標について具体的にどのような考え方で都道府県に設定するようお示しするかという点でございます。
なお、第8次の医療計画検討会におきましては取りまとめ議論を行っております。直近では3月9日に開催をしております。それを踏まえまして、検討が必要な事項につきまして、特に以下の2点について御意見をいただきたいと考えております。
1点目が医療提供体制以外に関する数値目標について、2点目が医療提供体制に係る数値目標と整合性を図る他の数値目標の設定に当たっての考え方についてでございます。
まず、予防計画の数値目標の事項について、どのような事項を定めるかということについて御議論いただきたいと考えております。
5ページ目を御覧ください。こちらは予防計画における数値目標ですが、昨年9月5日に開催しました感染症部会におきましては、医療提供体制、検査、宿泊施設、物資の確保について設定する案をお示ししておりますけれども、2月17日に開催しました感染症部会におきましては、人員や業務の量に着目して数値目標を設定することも重要であるという御意見をいただいているところでございます。
医療に係る数値目標につきましては、3月9日に行われました第8次医療計画検討会の取りまとめの議論におきまして、こちらにお示ししております数値目標を設定することとされております。
6ページ目を御覧ください。数値目標を設定する事項につきましては、前回いただいたご意見を踏まえまして、医療、検査、宿泊、物資以外の事項としまして、次の感染症対策担う人材の育成と資質の向上、そして、保健所の流行初期から早期に体制を整備できるようにするための体制の整備という2点をさらに追加してはどうかということを考えております。
また、こちらに関しまして、9月5日に行われた感染症部会で示した案も踏まえまして、その設定する事項ごとに数値目標案をこちらのとおり、どういった目標の項目を設定するかというのをお示ししておりますので、こちらの案につきまして御意見をいただけますと幸いです。
数値目標の考え方についても御説明させていただきます。8ページ目を御覧ください。こちらは既に事前に御説明させていただいておりますけれども、第8次医療計画検討会においては取りまとめの議論が行われました。対象とする感染症につきましては、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症を基本としまして、まずは現在対応しており、さらにこれまでの対応の経験を生かすことができる新型コロナウイルス感染症への対応を念頭に取り組むということとなっております。国内での発生早期の段階は現行の感染症指定医療機関の感染症病床を中心に対応、その際に当該の感染症指定医療機関は感染症についての知見の収集と分析を行うこと。
その後、感染症の発生の公表後の流行初期、大体3か月ぐらいを目安としますが、現行の感染症指定医療機関を含めて流行初期医療確保措置つきの協定締結医療機関を中心に対応していくということ。
そして、流行初期以降、これらに加えて、その他の協定締結医療機関のうち、公的医療機関等を中心として対応していく。その後、さらに3か月後程度、つまり発生の公表以降6か月後ほど程度をめどに、順次速やかに全ての協定締結医療機関で対応できる体制を確保していくという考え方でございます。
ただ、検査能力や宿泊の居室の数につきましても、医療提供体制の状況と整合性を図りつつ数値目標を設定することが重要であるということで、特に流行初期につきましては、次の点に留意が必要であるということをご指摘いただいております。
まず、検査の能力については、特に検査法の確立に一定の時間を要しますので、国などの公的機関によるPCRを基本とした検査体制が中心になると想定されるということ。
また、宿泊療養施設の居室数の確保につきましては、病原性の明らかでない感染症に対しては、流行初期は主に入院医療を中心とした体制になることが考えられること、また、国内の一般の宿泊需要にも大きく左右されることから、宿泊客の入れ替えですとか、受け入れの準備に一定の時間を要するということ。
また、流行初期以降につきましては、新型コロナウイルス感染症の検査需要が縮小した後、検査業務に参入した民間検査会社が事業を継続しているかが不透明であるといった特性があるということ。
こういった点に留意が必要であるということを御指摘いただいております。
この案を踏まえまして、医療提供体制につきましては初期に立ち上げる数値目標を設定するということ。それについては発生の公表後、基本的に1週間以内をめどにするということ。また、感染症の流行状況は変動しますので、流行の初期の対応だけではなくて、最大の体制の確保を念頭に流行初期以降の対応についても数値目標を設定するということ。具体的には、流行初期の経過直後の3か月時点で公的医療機関を中心とした体制を立ち上げる。さらに発表後6か月後をめどにした段階で、目標数の病床や発熱外来を立ち上げるということを目指す方向としてはどうかということでございます。
また、検査体制につきましても整合性を見つつ数値目標を設定する。医療提供体制との整合性を保ちつつ数値目標を設定することといたしますけれども、数値目標を設定する時点についてどのように考えるべきかということにつきまして、御意見をいただきますと幸いでございます。
最後に、基本指針全体のお話をさせていただきますが、今般の感染症法の改正に基づきまして、国が定める基本指針につきましては令和5年の早い時期を予定しておりまして、3月中にパブリックコメントを実施したいと考えております。基本指針で追加する事項につきましては、11ページ目を御参照いただければと思います。こちらで主に新設となっているところが7か所ございますが、こちらを踏まえてということで御意見等がございましたらお伺いしたいと考えております。
事務局からは以上でございます。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、今、事務局から御説明がありました。委員及び参考人の皆様から御意見をこれからいただいていこうと思います。
○杉原エイズ対策推進室長 脇田部会長、先ほどの第8次の医療計画の検討会につきまして、医政局のほうからも御報告を先にさせていただいてよろしいでしょうか。
○脇田部会長 分かりました。それではお願いします。
○山田大臣官房参事官 医政局参事官でございます。お手元の参考資料1が検討会の意見の取りまとめ案ということで、簡単に御報告させていただきます。
1ページの上段のほう、この検討会の開催趣旨ということでありまして、都道府県で令和6年4月から開始の第8次医療計画に6事業目として追加されました新興感染症に係る医療の部分の計画策定に資するようにということで、その前提となります、特に昨年の改正感染症法で盛り込まれました県と医療機関との間の医療措置協定の締結協議等が円滑に進むようにということで、考えられる論点を中心に対応の方向性として意見をまとめていただいているものでございます。
1ページの下段に目次がありますけれども、その下、先ほどもありましたけれども、想定する新興感染症、これを前提ということで、これらにつきましては基本的にはこれまでの国会等での議論をまとめているものでございます。
2ページを御覧いただきまして、新興感染症発生からの一連の対応ということでありまして、これまでの検討会での議論、また、社会保障審議会医療部会での議論でもありましたけれども、大臣による発生の公表、これは実質的には新興感染症に位置づける旨の公表でありまして、実際には海外、次いで国内で、この位置づけの前から感染症が発生しているということでありまして、この間からの現行の感染症指定医療機関の対応が重要ということで、また、それも含めた国による知見の収集、周知が重要といった旨の御意見がありまして、それらにつきまして、国による周知、情報提供の重要性、また、それがあって協定締結医療機関が対応していく旨が盛り込まれているところでございます。
また、数値目標についての段階的設定についての御意見がありまして、流行初期の基本的に3か月の段階と、その後の3か月後ということですけれども、まず、3か月後の時点では、今般の改正感染症法によりまして協定の仕組みのほかに、公的医療機関等に対しては医療の提供の義務づけの規定が設けられたことも踏まえまして、流行初期対応以外の公的医療機関等が中心となった対応とした上で、その後、全ての協定締結医療機関で3か月程度かけて、つまり発生公表後から6か月程度かけて順次対応していくことを目指す旨が盛り込まれております。
4ページの下段になりますけれども、先日の感染症部会でも御意見がありました数値目標の関係でございます。
一つは新型コロナ対応の実績値につきまして、それを上回るとするよりも目標を明確にということで、コロナ実績の最大値の体制を目指すことにしてございます。後ほどのページに出てきますけれども、コロナ対応での最大値としまして全国で病床数5.1万床、また、発熱外来への医療機関数4.2万機関を確保しておりますけれども、そういった最大値を目指していくということでございます。
もう1点、御意見として最も多かったのは、数値目標に限りませんけれども、新型コロナを想定しつつも全く未知のウイルスが来た場合などについての対応につきましては、数値目標のほか、計画や協定の内容も柔軟に変更を可としていくなど、機動的な対応を図っていく。その判断は国が行うということで、その旨を盛り込んでいるところでございます。
次に多かった意見としましては、3~4ページにかけての協定締結に当たっての基本的方針のところの4ページの4つ目の○の関係であります。協定締結、また、実施に当たっての医療機関に対する支援の必要性についてということでありまして、こちらに国は都道府県の計画の策定に向けた検討状況や医療機関との協定締結に向けた協議状況を踏まえながら、協定を締結する医療機関に対する必要な支援について検討する旨が盛り込まれております。
その他、予防計画とも関連する主な意見としまして、3ページの中ほどの感染症法の予防計画や新型インフル特措法の行動計画との整合ということでありまして、これにつきましては要望計画の指針案のほうでも記載が見込まれているものでございまして、また、8ページの下のほうに入院調整の件の記載、また、16ページの中ほどには感染症対応に当たる人材の育成ということでありまして、これらの記載の内容の一部も含め、より詳細な記載が予防計画の指針のほうでも見込まれているということでございます。
このほか、計画検討会におきましては、今後の予定とこの取りまとめの位置づけに関する御意見がありまして、予定につきましては。都道府県が来年度早期に計画策定作業に入れるように、この取りまとめを受けまして事務局のほうで医療計画作成の指針等を1~2か月かけて速やかに策定していくということであります。また、この位置づけにつきましては、この取りまとめの内容は国が指針等を策定するに当たっての参考資料でありまして、都道府県や医療機関がこれに画一的に縛られることなく柔軟に対応できるよう留意するべきであるといったことが確認されたところでございます。
主な議論の経過は以上でありまして、3月9日の検討会では、大筋は了ということで、座長一任ということで、月内をめどにまとめることとされているところでございます。
報告は以上であります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今、事務局からお二人、御説明がございましたので、ただいまの御説明も踏まえて、皆様から御意見をいただくことにしてまいります。
先ほど少し言いましたけれども、既に事務局から御連絡が行っていると思いますが、名簿の順番に御意見をいただこうと思いますので、簡潔に御発言いただければと思います。
初めに、今日欠席の調委員からは御意見をいただいていますので、事務局から代読していただければと思います。お願いします。
○杉原エイズ対策推進室長 代読させていただきます。
9ページ目の数値目標の設定の考え方について、今後の新興感染症の発生における地方衛生研究所の初期対応について、感染症の探知から感染研による検査試薬の開発、地域への配付、少数の検査体制の確立までに2~3週間、厚生労働大臣の公表後、約1か月後までに地方衛生研究所での最大の検査数で対応が可能と考える。
また、11ページ目の基本指針の改正について、可能であれば、本庁医師の確保と研修に係る事項を入れてほしい。
以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、毎回同じ順番で申し訳ないのですけれども、まず、今村委員、よろしくお願いします。
○今村委員 こちらからは医療提供体制以外の数値目標について、2点コメントを述べさせていただきます。
まずは6ページの1つ目の○についての意見になります。ここでは人材の養成及び資質の向上を追加課題として挙げ、数値目標の設定を考えようとしていることは、よい方向性だと思います。しかし、この難しい課題を数値に落とし込む際には、最終的な目標がどこにあるのかを十分に考えて進めていくことが必要だと考えます。例えば下の表に記載されている都道府県等が定める数値目標案になりますが、そこにおいては人材の養成及び支出の向上として、現状では職員に対する研修実施回数が提案されています。しかし、単に研修実施回数を目標としただけでは開催することが目標として研修会が設定されてしまい、本来の目標につながらない研修会となってしまう可能性もあります。したがって、どんな内容がどの対象に行われるのか、そして、実際に本番で役立つのかなど、目標へつながる研修の質に関する詳細を決めておくことも考えておかなければならないと思っています。
次に、9ページの一番下の○についてとなります。流行初期における検査体制と宿泊療養体制については、通常体制からの受入体制の物理的な転換及びそこで対応する人員配置がボトルネックとなります。特に人員の配置については、通常の医療を行いながら人員を転換していくことになるので、ある程度は時間がかかる可能性を考える必要があると思います。
こちらからは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、大曲委員、お願いします。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いいたします。
まず、もともとの6ページのところの数値目標の項目等々に関しては考えていましたけれども、これでよろしいのではないか。追加は特にございません。
あとは意見が求められていたところで9ページの一番下の検査体制と宿泊医療体制、先ほど調先生にもコメントをいただきましたけれども、ここに関しては、参考という観点では東京都の資料があるので見直すと、検査体制は民間への委託等々まで進むのは確か2020年2月いっぱいかかっていたはずですので、1か月ぐらいかかるのだなというのが1点。それと、宿泊療養に関しても実際に開始になったのが2020年4月7日、実際にその議論が始まったのが東京での数が増え始めた2020年3月中旬ぐらいだったと思いますので、やはり1か月ぐらいかかっているというところがありますので、一月というのは一つのメルクマールではないかと思いました。
以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございます。
加来先生がお休みですので、続いて、釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 まず、数値目標の中で医療提供体制の発熱外来については、これまでの検査等の実績がしっかり数として把握できる状況だと思いますので、それぞれの発熱外来で実際にどのように検査が実施され、そして、それの積み上げがどうなったのかということをきちんと確認した上で、数値目標が設定される必要があると思います。
それから、先ほどの調先生のお話の中に、地方衛生研究所においての感染初期の検査体制については、国立感染研からの必要な資材の提供があれば、速やかに最大の検査数まで引き上げられるという大変力強い御指摘がありました。
また一方、先ほど大曲先生も言われましたけれども、この検査については、民間に委託をして民間の検査機関もフルに活用して検査を実施しなければいけないという事態が想定されますので、民間に委託というのも、どのくらいの時間でそれが立ち上がるのか、民間の検査機関もずっとフルの検査ができるように体制を整えるというのは、感染していない時期には不可能だと思いますので、その辺りのところを、いざというときにどのように立ち上げて対応できるのかということについては、常に準備状況について確認をしていただいて、そして、体制が整っているかどうかということをみんなで共有しておくことが必要だろうと思います。なかなかこのことに対する支援というのも、財政的にも限度がありますし、難しいのですけれども、なるべくそこが実現可能になるように、国としてもさらなる御支援を賜りたいと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、越田委員、お願いします。
○越田委員 私も2点、一つ一つは医療提供体制以外の数値目標について、細かいのですけれども、5つ述べさせていただきます。
1点目は移送・搬送の手段です。まず、感染者そのものの移送については、救急医療としての救急車のみではなく、感染症に関しては公共交通機関の利用ができないということもあり、感染者の重症度にかかわらず移送・搬送手段、具体的には民間救急やタクシーの確保が必要と思われます。また、検体の搬送、在宅療養者に対する生活物資、薬剤の搬送に関しましても、輸送会社との事前協議の上、搬送手段の確保が必要ではないか、人も物も搬送手段は大事であると今回感じました。
2点目は情報提供ツールです。住民に対して速やかかつ安定した情報提供を行うためには、臨機応変に対応できるコールセンターの開設や電話回線の確保、チャットサービスやショートメッセージ等のSNSを利用した複数の情報提供手段を確保しておく必要があると思われます。また、首長が定期的に情報発信することは効果的であったので、盛り込んでいただくのもよろしいかと考えております。
3点目は、先生方がおっしゃっていたような検査体制です。未知のウイルスの場合は、当初は感染研・地衛研主導で、都道府県単位でできるだけ早期に診断法を確定できるような準備が必要と思われます。そのためには検査機器を確保し、有事の検査業務に対応できる人材の養成を進めればならないと思われます。また、ある程度検査手法が確立した時点で、地域の民間検査会社に速やかに検査業務を委託できるような制度設計が必要で、検査が可能になるまでの期間と検査可能件数を掲げるとともに、平時からの設備投資と職員研修を行う必要がある。やはり1~2か月はかかるかなと思っております。
4点目は人材です。感染症法に位置づけられる感染症の場合は、医療職だけではなく、膨大な事務処理を行う事務職員が必要となります。行政職の異動や応援で賄うことができる範囲を超えた場合に、保健所等への人材の派遣や業務を外部委託できるような人材派遣会社との速やかな連携ができるような感染症有事を想定した研修、ないしは業務提携を行っておくのも大切ではないかと考えております。また、本題と少し外れますが、医療従事者に関しては、有事の際に潜在的人材を活用するために、配偶者特別控除を時限的に撤廃することも検討していただきたいと思います。今回、新型コロナワクチンへの看護師の従事に関しては、このおかげで多くの志願者がございました。
5点目は、致死率の高い感染症の場合、感染によってお亡くなりになった場合の対応です。御遺体への対処、火葬施設やこれに関わる人員体制のある程度のシミュレーションはしておかねばならないかなと思っております。
続きまして、医療供給体制に関わる数値目標と整合性に関わるほかの数値目標の設定に当たっての考え方、これについて3点述べさせていただきたいと思います。医療提供体制に関しては、感染拡大のフェーズによって異なってくることが想定されます。病原体が明らかになっていない段階では、入院医療が中心であり、資料1の9ページの記載はおおむね賛成でございます。ここで気づいたことを3点述べさせていただきます。
1点目は、感染症有事であっても滞ってはならない通常医療をどこまで継続するか、何を優先するかということをある程度提示する指標が必要ではないかと考えます。
2点目は感染者の救急搬送、特に自宅や入所施設から医療機関、医療機関から高度な医療機関へのいわゆる予断を許さない上向きの救急搬送体制です。消防本部の救急隊編成、すなわち車両と人材の確保、弾力的な拡大運用がどの程度まで可能であるかを示すことになろうかと思います。
3点目は高齢者や障害者の入所施設の数値目標です。在宅医療フェーズ、すなわち自宅療養が主流となった際に、施設内療養も視野に入れた体制が必要となってまいります。その際には施設ごとに提携医療機関を必ず設定をしておいて、きっちりと機能するようにしておかねばなりません。すなわち施設内での感染管理であるとか、施設内での可能な限りの治療であるとか、急変時の見極め、そういったことをきちんとできるような医療機関、医師との連携が必要です。個々の社会福祉施設での確保が難しいようならば、行政サイドで臨機応変に現場に入って応援してくれるような医療機関、医師を一定数確保していくといった数値目標も必要ではないかと思っております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
自治体が考えているようなこと、現場で考えているようなことを既に言っていただきましたので、私のほうからは6ページで部分的に気になったところです。宿泊療養体制なのですが、確保居室数というところが、単に居室の数を上げるということではなくて、この内訳に医療と連携ができる宿泊施設であるとか、あとは高齢者向けとか介護が必要な場合の宿泊療養施設であるとか、そういった観点でも数を出しておく必要があるのではないかなと思いました。医療的には要配慮者といった面では、災害の部分でもこの点は必要かなと思っています。
また、物資の確保に当たるかどうか分からないのですけれども、ここでは個人防護服と書いてありますが、保健所の体制整備にも関わるかと思うのですが、人員体制のソフト面だけではなくて、ハード面での環境整備ということの課題が現在でもあります。新型コロナの最初の頃、2020年3月ぐらいに保健所長会でアンケートを取りまして、Wi-Fi環境であるとか情報ツールが整っているかということを聞いたところ、6割未満の保健所でしか整備がされていないということが分かりました。そういったことを考えますと、情報ツールであるとか保健所におけるWi-Fi環境であるとか、情報収集や分析に関わるツールの整備ということも、その自治体では100%に近いぐらい設定して、これは有事にも使えるために今から必要と思っています。
そういう意味で、保健所の体制整備と物資の確保の中に入るかなと思いましたが、保健所の体制整備の中の人員確保については、フェーズに応じた人員体制を段階的に設定する必要があると思っています。それぞれの自治体によって、今回の新型コロナについても経験値が違うと思うのですが、人口減少社会において数を上げたところでどこから人が来るのかといったところもとても不安でありますので、どこまでのフェーズに応じた人員体制、それと、Wi-Fiであるとか、IT技術とかDXの環境整備によって、人員だけではない、そのような技術を使っての管理が可能となると思います。
今回のHER-SYSについて、突貫工事で、使い勝手が悪いというようなこともありましたけれども、そういうような技術を使っての目標設定は難しいかと思いますが、それも保健所の体制整備に含めてほしいと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、菅原委員、お願いします。
○菅原委員 菅原です。ありがとうございます。数値目標の項目の中で、物資の確保というところで少し意見を述べさせていただきたいと思います。
ある程度の備蓄をするということなのですけれども、備蓄といいましても、例えば次の有事がいつ来るか分からないという中で、そういった備蓄物品の劣化とか、マスクがいつまで機能を担保できるかというようなことも含めて、各病院で多分ローテーションしていかなくてはならないと思うのです。そういった場合の仕組みとか、あるいは経済的な援助とか、そういったこともセットで、この数値目標を備蓄という中で考えていただきたいなというのが一つです。
それと、いざ有事となった場合に、備蓄してあるものはすぐなくなってしまうと思うので、それをどんどん供給していくような体制もセットで必要ではないかなと思いましたので、これは物資のことだけではないかもしれませんけれども、機能を落とさないようなレベルをずっと維持していく、医療従事者の安全も担保できるようにということを継続できるような体制も必要ではないかなと思いました。
それと、ちょっと論点がずれるかもしれませんけれども、次の有事の際、1週間以内にいろいろな体制を整えるというようなことが示されています。今回のパンデミックでも話題になりました通常の医療が停滞してしまうというような事態が起こってはならないと思います。次なる感染症に集中できる病院と通常医療をきちんと展開していける病院というのは、これもまたセットで体制を整えていくことも考えていかなければならないのだろうと思います。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、谷口委員、お願いします。
○谷口委員 三重病院の谷口と申します。
まず、数値設定についてですが、今回、病床数で数値がいろいろ確保されたのですけれども、病床数で7~8割、ほぼもう動かない状況であったことは皆さんよく御存じのとおりだと思います。にもかかわらず、次も病床数で数値目標を設定するのかなというのは少し疑問で、どうしてそのようになったのか御説明いただきたいなと思いました。通常であればスタッフ数と病床数、つまり医師数・看護師数を含めた何名まで診療が可能かという数字にしていただいたほうが、病院としてはより現実的であろうかと思います。
また、同様に検査数、これは宿泊施設も同じだろうと思います。部屋だけあっても見る人がいなければ、あまり意味がありません。同じく検査数ですけれども、我々は県からNGSでウイルスのシーケンス解析を1週間でどのぐらいできるかという御質問をいただいたときに、1サイクルでどのぐらい時間がかかって、その間に何検体が1回で回せて、それが1日に何サイクル回せて、それを回せる人間が何人いるか、補充できるかということを考えて御返事をさせていただきました。このように考えると、やはり検査も台数とか施設数ではなくて検査できる数というのを具体的にしておかないと、結果的に数字はあったけれども、できなかったではないかという、今回と同じような状況になるのではないかということを危惧いたします。
3点目は研修ですが、研修してできるようになればそんなに楽なことはないわけです。特に座学の回数だけで、ほかの事業でも時々ありますが、年に1回しなくてはいけないからみたいな研修がありますけれども、現実問題として、例えば保健所であれば専門家の指導を得たフィールド調査を年に何回そういったことをしたか、医療機関においては感染管理が必要な感染者数を何人見てきたか、そういった数値目標のほうがより具体的ではないかなと思いました。
次に、流行初期の検査体制、数値目標を設定するところがございましたけれども、これは時期ではなくて、その数値目標を設定する目的だろうと思います。診断のための目的と今回のように非特異的な症状をきたす疾患の中で、つまり上気道、あるいは呼吸器症状をきたす疾患の中に含まれるような疾患の場合には、当初はサーチ・アンド・コンテインメントを行う必要があります。そうすると、時期によっては疑い例というのが大量に出てまいります。そういった場合には、もちろん検査の必要数というのは非常に大きく増加します。そういった目的を考えて設定すべきではないかなと思います。
最後に、基本指針ですけれども、この基本指針については現場の考えを入れて、このような方針でやっていただければいいかなと思うのですが、実際に現在の感染症法に含まれる感染の中に、今回のCOVID-19のように年に2回も3回も流行を繰り返して、そのたびに医療が逼迫するような疾患というのは入っていないのです。つまり今の感染症法では、こういった疾患に対する本当のepidemic prone diseaseに対応するような枠組みがないのではないかと危惧します。そうすると、今回の感染症法改正では、医療についての改正がたくさん記載されていますが、実際に幾つもの感染ウェーブがくるような疾患に対する感染症対策という考え方を取り入れた改正が必要ではないかと思料します。
以上でございます。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、戸部委員お願いします。
○戸部委員 戸部です。よろしくお願いいたします。
私も全体として異論はないのですが、2点だけコメントいたします。
まず、6ページの数値目標の件ですが、人材育成と資質の向上については、今村委員、谷口委員と同じ意見で、研修の実施回数だけでいいのかという不安はあります。研修の質に関する要素を組み込んで、一定の質が担保された研修の実施回数という形に修正してはいかがかと思います。
2点目は、9ページの一番下の検査体制、宿泊医療体制についての数値目標設定時期ですが、流行初期については大曲委員から具体的なデータをお示しいただきましたが、私も1か月ぐらいではどうかと考えます。流行初期以降については、医療提供体制と同じ3か月後の時点でよいと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。ありがとうございます。
今日いただいたのは、医療提供体制以外に設定する数値目標ということと、あと、医療提供体制に関わる数値目標と整合性を図る他の数値目標の設定に当たっての考え方ということで、今回、事務局にお示しいただいた案は、今回のコロナの経験を基に様々な項目が盛り込まれていて、私もこの3年間のことを振り返ってみたのですけれども、かなり広く捉えていただいてあるなと思います。
ただ、具体的な実効性とか現場での効果ということに関しては、多くの委員の方もこれまで指摘されてきましたが、自分も3年間、いろいろ現場で仕事をやってみて、病態とか疾患の特性とかが分かってくるにつれて、いろいろ軌道修正が行われるように思っています。そうであれば数値目標というのはもちろんある程度設定して、それは現行の案で異論はないのですが、予算のこととか人員のこととかを考えても、それが全て準備できるわけではないので、並行して、例えばそこをフィードバックできる、例えばコロナで医療逼迫と言えば、救急搬送困難事例がどれだけあるかというのは、現在の医療体制が十分に機能しているかどうかをモニタリングする一つの指標にはなると思いますので、そんなことを考えていかなければならないのではないかと思っています。
また、ワクチンの例で言いますと、これまで我が国が備蓄してきたのは、新型のインフルエンザ、H5とかH7を想定したインフルエンザ、あるいはバイオテロ等を想定して天然痘ということがあったかと思いますが、そういったワクチンは今まで一度も使ったことはなかったわけで、使わないに越したことはないのですが、その一方、現場では、たまたま麻疹の輸入例があって麻疹が流行したりすると、現場ではワクチンが足らない感が出たりもするわけなので、現場でのシミュレーションというのをもう少し続けていきながら、身近なところでも役に立つ準備というのも並行していったほうが、何か新しい感染症が来たときに慌てないのではないかなと思っています。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、成田委員、お願いします。
○成田委員 私からは9ページ、予防計画の数値目標の考え方について意見を申し述べたいと思います。予防計画の策定に当たっては、新型コロナを念頭に置き、公表直後、公表後1週間ということでございますけれども、これと3か月、6か月に期間を分けて医療提供体制を確保することとされております。先ほど中野委員からもお話がございましたけれども、この3年を振り返りましても、新型コロナであっても変異株ごとに病原性や感染力が異なり、必要とされる医療提供体制も異なっておりました。このため、予防計画の前提となる感染症の病原性や各時点で必要とされる医療提供体制の確保水準等について、明確にしていく必要があるのではないかと考えます。
その上で、新たな感染症は新型コロナとは異なることから、予防計画の数値目標が独り歩きしないようにするとともに、通常医療とのバランスなど、地域の実情に合わせて柔軟に調整できるよう記載を工夫することが必要であると思います。
また、厚生労働大臣による公表後、基本的に1週間以内を目途に医療提供体制を立ち上げることとされております。今までの経験からも、通常新しい感染症は海外で発生して日本に入ってくるというようなことから、ある程度推測はできるのかもしれませんけれども、発生当初はウイルス病原性が明らかでないことから、医療機関等においては最大限の感染防止対策を取りながら対応することが必要であり、1週間以内というのは少し対応が難しいのではないかと思います。例えば大臣公表前の段階から国から都道府県等に情報提供があって、各医療機関で準備に着手するといった前提があれば、その旨の明記が必要であると考えております。
また、検査体制、宿泊療養についても同様でございまして、特に宿泊療養を例に挙げれば、人員については、医療従事者の方であるとか、消毒の担当の方であるとか、搬送、またはゾーニングの工事など様々な対応が必要であって、幾ら事前に協定が締結されているとはいえ、なかなか1週間というのは厳しく、一定の期間が経験からも必要であると考えます。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、西山委員、お願いします。
○西山委員 西山です。私のほうも全体として特にこれといった異論はないです。
先ほど何名かの先生からも御指摘があったかと思うのですが、6ページの人材育成と資質の向上の研修実施回数、研修の回数だけでいいのかという点については、質を担保されたほうがいいという御意見もあったとおりなのですけれども、その辺をもう少し盛り込んだほうがいいのかなと思いました。
あと、保健所の改正整備の上、最大業務量を見込んだ人員確保数というのがあって、確かに保健所の人員確保は当然必要かと思うのですけれども、ここはなかなか難しいというのと、最大業務量を見込んでしまうと、最終的に計画目標、数値目標を達成できたかどうかという検証を行う際に、最大業務量を見込んだ人員確保数というのは、業務がなければ当然確保ができなくなってくるので、特に財政当局に人員確保するのでこのぐらいの人数が欲しいという目標値というのを計画に上げていただいているのはいいかと思うのですけれども、最大業務量というと、かなり過大になってしまうのかなという点だけ懸念をしております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、藤田委員、お願いします。
○藤田委員 6ページの事項については、特に事務局案に付け加える意見というのはありません。
9ページですけれども、検査体制、宿泊療養体制については諸事情を考える必要があると、1週間では難しいというのは実情としてあるのだろうとは思うのですけれども、特に宿泊療養施設については、これがあってきちんと患者を振り分けることができるということが、病床の圧迫を避けることにもつながってくるのかなという面もあるのではないかと思うと、できるだけ早く数値を明らかにする必要あるのではないかと思いました。今回、実態として1か月ぐらいかかったというお話がいろいろと出ておりますけれども、今後、宿泊療養施設との間でも協定を締結することが予定されていると考えたときに、もう少し初動を早めることもできるのではないかとも思った次第です。ただ、ここは実情に合わせて実際にどこまでできるのかという実情にできるだけ合わせた期間を設定していただくのが適切かと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、森田委員、お願いします。
○森田委員 まず、この数値目標の案についてです。検査体制につきまして、現行では地研にある検査機器の確保数ということになっておりますけれども、検査にはいろいろありますので、検査の種類を書いていただくことと、それから、機器の数ではなくて、1日に2回回せる機械、5回回せる機械、もっと回せる機械がありますので、1日当たりの検査数として表記するほうが、より実効的であると思います。
それから、機械だけあっても動きませんので、これを動かす人員に関しての目標といいますか、数値があってしかるべきかなと思います。実際、どこの県とは言いませんけれども、4月から検査に係る人員を減らすところもございますし、この点は地方自治体にこういう能力を確保していただくという観点からは、人員まで書いていただきたいと思っています。
それから、医療体制との整合性についてですけれども、医療提供体制で、例えば入院数と外来患者数を想定したら、少なくともそれに見合った検査はできるぐらいの能力がないといけないと思いますので、そこのところは整合性がないといけないと思います。
それから、ここに直接的に関係しないのですけれども、今回の新型コロナの流行で試薬がなくなってしまうというようなことを経験しました。これは地方自治体の責任ではなくて国の責任ということで、試薬の供給に対する方針といいますか、対応はしていただきたいなと思います。日本国内で供給できるような体制が望ましいと思っております。
それから、物資の確保ですけれども、現在の案では協定締結医療機関数ということになっております。ここに十分に備蓄しているという非常にベイグな表現で量を表そうとしているのですけれども、これではよく分かりにくいので、協定締結医療機関数プラス備蓄量ということを書いておくべきではないのかなと思っております。
それから、上の1.2の項目です。これは両方とも賛成なのですけれども、特に保健所の体制整備は非常に重要だと思っています。ここには人員に関しても数値ということを自治体側で何らかの目標を設定してほしいと思います。
最後に、9ページの立ち上げる時期についてどう考えるかという意見ですけれども、これは大曲委員、ほかの委員もおっしゃっていましたけれども、同じ意見でございます。
以上であります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、山田委員、お願いします。
○山田委員 山田です。いつものことですけれども、皆さんが大事なことを大分言われたのでオーバーラップすることだらけになってしまったのですが、1点、今、直前に森田委員からも指摘がありましたように、私も検査体制は検査器具等の確保は当然ですけれども、やはり人間の数だと思います。検査をする要員を確保する目標を掲げても、この人たちも感染するリスクがあるわけです。せっかく確保した人間が病に倒れてしまっては実際に検査が進まなくなる。これは医療関係者もみんなそうなのですけれども、そういう方たちが実際に感染する可能性も念頭に置きつつ数値目標を立てていかないと回らなくなるのではないかということを一つ考えています。
それから、人材の確保と同時に人材の養成・資質向上が必要だと思います。これも先ほど多くの先生方から御指摘があったように、研修なんて意味がないと言ったら怒られると思うのですけれども、多分研修などをするよりは、できる人を確保することのほうがはるかに大事なのではないかと思っています。これは部局ごとに必要な人数も人材も違うと思うので、先ほど言いましたような、そういう人たちの何%かは病で失われることを想定した上で確保する必要がある。ただ、際限なく膨らませることもできませんので、アクセプタブルレベルといったものを市民とよく意思疎通をして、これ以上は経済的なことから考えて不可能だというようなことの説明も透明性を持ってやるべきだろうと思っています。
あと、目標設定の考え方の前提の話です。今回のコロナを考えれば、先ほどの1か月、3か月という期間が想定されますけれども、例えばデータベースにないような感染症が出てきてしまえば、次世代シーケンサーでシーケンサーは分かっても全然何者か分からないというような事態もあるでしょうから、必ずしも1か月、3か月、6か月というわけにいかないので、もっと臨機応変にできるように、本当はシナリオツリーみたいなものをつくって、こういう場合にはこんな感じという相当数のシナリオを用意して、それに従って最大値、いろいろなことを想定して、ここまでの確保数、そういった数値目標を設定していくのが本来重要なのではないかなと思っています。
以上です。どうもありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、四柳委員、お願いします。
○四柳委員 私のほうからは3ページ目の医療提供体制以外に設定する数値目標というところと、医療提供体制に関わる数値目標と整合性を図る他の数値目標の設定に当たっての考え方ということで、2点ほど述べさせていただきたいと思います。
1点目は、先ほど越野委員もおっしゃられましたけれども、いろいろな人的なもの、あるいは物資の搬送に関する問題でございます。私自身は比較的早い時期から検体搬送に関わってきましたけれども、実際には保健所の職員が忙しい中病院に検体を取りに来て、それを地衛研に持っていかなければいけないということで、そんなところで保健所の職員の時間がとられるのはいかがなものかと実は思っておりました。もちろん今は改善をされましたし、民間の方が搬送するような仕組みを取り入れているところがありますので、これから恐らく改善をし得るところだと思っています。
そういった意味では、検体の搬送体制に保健所の職員が、当初は仕方ないところがあるのかもしれませんけれども、あまり取られないような体制をつくる必要があるのではないかなと思いますので、例えばどのぐらいの職員がどのぐらいの時間を割かれたかということは大事なのではないかなということを1点目として挙げさせていただきます。
もう1点目は、広い意味での搬送困難の話です。搬送困難ということになると、どうしても救急搬送のことが挙がってくると思いますけれども、今般、いわゆる宿泊療養施設というのは結局ほとんど使われなかったと言っていいと思います。その原因の大きなところは日本の家庭の構成に私はあるだろうと思っています。核家族になっていて、例えばお子さんと若い夫婦だけ、あるいは妊婦がいらっしゃるところ、あるいは高齢者とその家族だけが暮らしているような、結局搬送もできないし、そういった方から離れて自分が入院するわけにもいかないような家庭環境がたくさんあったと私は認識をしています。
搬送困難の中で、本来だったら入院適用があって入院を希望したものにかかわらず、今申し上げたようなお子さんの要件、あるいは妊婦の要件、あるいは高齢者との同居の要件等で、結局自宅療養をせざるを得なかった案件をもう少し分析をしていただいたほうが、これからこの傾向が日本はますます強くなっていくだろうと思いますので、次のパンデミックのときに慌てないためにも必要なことかなと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続きまして、金成参考人、お願いします。
○金成参考人 よろしくお願いいたします。こちらからは3点申し上げます。
1点目、医療提供体制において、感染初期対応においては1週間で病床を即応化し、3か月後から順次拡大し、6か月程度を目途に全ての協定締結医療機関での対応を目指すとしていることについてです。今後の協定締結に際しては履行確保措置規定もあり、医療機関においては、これらのハードルにより協定締結に二の足を踏むことが想定されます。このため、感染初期の即応化においては、事前のアナウンス期間の設定や、柔軟な人員配置ができるよう、診療報酬上の施設基準の特例を設けるなど、現実的な受入体制確保への配慮を行うとともに、病原性の特性や医療機関の対応水準を踏まえ、想定と異なる場合には柔軟な対応も可能とすることを分かりやすく明示いただくなど、医療機関が協定締結に対して必要以上にハードルが高いと感じることがないよう、配慮をお願いしたいと存じます。
2点目は新たな目標設定の項目として追加されています保健所の体制整備についてです。多くの自治体においては、感染拡大状況に応じて保健所業務の一部を本部で一元的に対応したほか、外部委託や民間派遣職員等で対応するなど、柔軟に体制を整備してまいりました。そうした中で、国による緊急事態宣言発出等の強い外出制限が打ち出され、また、病原性が大きく変化し、保健所業務の内容や業務量も変化していきました。
こうしたことから、保健所がこれまで対応してきた業務の中でアウトソーシングすべき業務など、整理・検討した上で最大業務量の考え方を示していただくとともに、都道府県において必要な人員が確保できるよう、国において予算措置を講じていただくようお願いします。また、想定される新たな感染症に向けた政府行動計画の改定なども考慮した上での考え方をお示し願います。
最後に3点目、検査体制及び宿泊療養体制の数値目標を設定する時点につきましては、資料に記載のある特性に加え、検査手法の確立、検査試薬の製造販売の拡充、検査機関の増加などに時間がかかることも考慮するとともに、医療提供体制の拡大と連携した適切な時点の数値目標を設定していただくことで、より効率的な体制の整備が可能になるものと考えています。また、検査体制については民間検査機関等の協力が不可欠であり、その体制構築については、国としてしっかりと対応していただくようお願いいたします。
以上です。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
最後に私のほうからですけれども、先ほど山田先生からもありましたが、この数値目標が設定できたときに、我々はこれをどのように考えているかというと、今回の新型コロナのパンデミック、そして、2009年の新型インフルの経験を基にして考えるわけですけれども、どういった感染症の流行でこういった目標がちゃんとマッチするのかという確認は必要だと思います。
その上で、6ページのところで、私は検査体制のことを申し上げたいと思うのですけれども、森田先生からもありましたが、地衛研の検査機器の確保数というところが前面に出ていますが、これは検査能力の中に入るものであると思いますので、そこは表にそんなに第一に出てくるものではないだろう。
その上で、検査能力というのは、例えばキャパシティー、これは検査機器であり、検査の人材であり、試薬の確保であり、輸送体制の確保ということで、それぞれ問題がありましたので、例えば機器であれば、検査機器の確保と書いてありますけれども、これは地衛研で機器がばらばらで、そのために感染研でプロトコルをつくっても、それぞれの地衛研で異なる機械でバリデーションをしなくてはいけないということがありましたので、できれば同じような機械を設定していただくとことも必要かと思いました。
それから、輸送体制が今回も非常に問題で、先ほど四柳先生からもありましたけれども、保健所の先生方が運ぶというようなことを行っていたので、なるべく早く民間の輸送会社の人が運べるような体制を確保していくことが重要だと思います。
もう一つ、検査能力というのは能力だけではなくて、精度管理が非常に重要です。精度管理も数値目標に入れ込むべきだと思います。能力と精度、これがちゃんと確保されないと臨床の検査として使えないわけですから、大学にあるPCRの機械を活用しろという意見も多かったのですけれども、もし、そういうものを今後活用するのであれば、それはどのような要件で活用できるかというところも考える必要があると思います。
その上で、検査ですけれども、本当の初期、これはPCRを念頭に置いてある話だと思うのです。最初にリアルタイムPCRが確立されるまで、数週間から1か月程度でできますので、その間は本当に手作業でPCR検査をやりますので、そこに本当に検査をしっかりやれる人員を確保していくということが必要になりますので、よりレイバー・コンシューミングな話なので、そこの人員の確保をしっかりしていく。リアルタイムPCRの確保ができれば、そこからは検査機器であったり、試薬の確保ということでいけると思うのです。試薬のほうも先ほどありました国産の試薬をきちんと確保できるような体制を確保していくことが必要だと思います。
そして、一定期間経過してさらに検査能力の拡張が必要になれば、今度は公的機関から民間への移行ということになりますので、民間の検査会社が、コロナが終わったから止めたということにならないように、こちらもできれば何らかの協定を結んで、協定を結んでくれた人には一応機器の確保ということでちゃんと支援を続けて、いざというときにそちらの検査を民間ですぐに走らせていただくような体制をつくっていくことが大事だと思います。
いずれにしても精度管理をきっちりやっていくことが非常に重要だと思っております。
私のほうからは以上になります。
それでは、皆様、御意見をありがとうございました。
さらに何か追加等があれば、よろしいですか。
ありがとうございました。基本指針の改正につきましては、皆様の意見を踏まえまして引き続き事務局で検討を進めていただきたいと考えます。
また、施行日までの時間を鑑みますと、並行して、この基本指針の改正に関する感染症法施行規則のパブリックコメントについては進めていただくように、よろしくお願いいたします。
もし、追加の御意見等がなければ、ここの議題は皆様から御意見をいただくということですので、次に入ってまいりたいと思います。
それでは、議題2について、事務局から説明をお願いいたします。
○江浪結核感染症課長 それでは、資料2につきまして御説明を申し上げたいと思います。
お手元の「次の感染症危機に備えた感染症により死亡した方の情報収集について」を御覧いただければと思います。
背景・目的でございますけれども、今般の新型コロナウイルスへの対応を踏まえまして、主に次の感染症危機に備えた取組として、感染症法15条第2項に基づきまして、感染症に罹患した方が死亡した事実、死亡場所、死亡の原因などを把握する取組を進めてはどうかということでございます。
対象とする感染症に関しましては、新型インフルエンザ等感染症、新感染症、指定感染症など、国民の生命及び健康に重大な影響を与える感染症として、具体的には個々の感染症の性質に応じまして個別に判断をしていきたいと考えてございます。
収集する情報と方法でございますけれども、感染症法第15条第2項に基づき、自治体から死亡届、死亡診断書の死亡情報のうち、必要なものを収集するということでございます。一方で、これらの情報に関しましては、死亡届などから作成される人口動態調査の死亡票の作成及び提出をもって、自治体の収集の対応に替えることとしたいと思っております。これによりまして、自治体等の新たな業務の負荷を少なくするということでございます。
収集の期間でございますけれども、例えば新型インフルエンザ等感染症を対象とする場合に関しまして、国内において発生した場合には、公表等がされる時点から当該感染症が新型インフルエンザ等感染症と認められなくなった旨が公表された後、一連の感染症対策が終了する時点を想定してございます。具体的に収集する期間につきましては、それぞれの感染症の性質に応じて個別に判断をしていきたいと思っております。
こういった取組を進めるに当たりまして、その他のところでございますけれども、死亡届の届書の標準様式を改正して、届け出られた事項が、所要の感染症対策に用いられる旨を記載することとしたいと思っております。
また、これらの取組に関しましては、令和5年4月1日から新型コロナウイルス感染症に対して実施をしていきたいと考えてございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に対して、何か皆様から御意見・御質問等があればお願いしたいと思います。
今村先生、お願いします。
○今村委員 死亡者数の情報収集に関する重要性については、アドバイザリーボード会議でも分析結果を報告させていただきました。今後の死亡者数の把握方法の改善へ向けて迅速に対応を始めていただいたことを高く評価したいと思います。その上で、1点のみコメントしたいと思います。
情報収集においては、5番の文章で説明されている「死亡届の届書の標準様式の改正」の内容が重要になるので、しっかりとその中身を検討しておくことが必要だと考えます。医療機関からの死亡届においては、関連する疾患名に新型コロナウイルス感染症と記載するかどうかは医師の判断となり、その判断基準にはかなり差があることが予想されます。例えば現場からは死亡に関連していると考えられても、感染リスクがなくなってからも新型コロナウイルス感染症と記載することで、葬儀等の死亡後の対応に影響が出るため、あえて記載しなかったという意見もありました。また、死亡までの期間が長くなるほど死亡原因との因果関係の判断は難しくなってきます。このようなことを考慮して、関連疾患として感染症名を記載する基準を、この機会にもう少し整理できるとよいかもしれません。
もう1点、質問があります。4番の収集期間のところに、「一連の感染症対策が終了する時点を想定」ということが示されていますが、5月8日の時点で新型コロナウイルス感染症は、この2番の対象とする感染症から外れてしまい5類へ移行してしまいます。当面、その後の部分はその後も当面は、この「一連の感染症対策が終了する時点を想定」に該当する物として、しばらく延期されるものなのかどうか、その辺が決まっておりましたら、御意見をお願いしますでしょうか。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
谷口委員、お願いします。
○谷口委員 こういった枠組みを設置いただくことはとても好ましいことだと思います。これは一つのサーベイランスですので、不可欠であるものが定義だと思います。急性期死亡、あるいはコロナの場合には感染した後、心血管疾患とか脳卒中のリスクが高くなることは既に分かっているわけですから、遠隔死亡ということも必要だろうと思いますので、その定義を医師の皆様にきちんと分かるように御説明いただかないと、結果的に何を集めているか分からないということになるかもしれませんので、その定義をきちんとしていただくと嬉しいなと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続いて、金成参考人、お願いします。
○金成参考人 感染症により死亡した方の情報を収集・分析していくことは、疫学的見地からも重要であると考えております。ただし、人口動態調査の死亡票等の収集に当たっては、市町村、保健所、都道府県に新たな負担が生じないよう、制度構築をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次は、藤田委員、お願いします。
○藤田委員 いただいた資料の収集する情報及び方法のところで、感染症法15条2項に基づいてということになっている点にちょっと疑問を感じております。15条2項というのは感染症の発生を予防し、または蔓延を防止するため緊急の必要があると認めるときという前提がついておりまして、既に5類移行が決まっているこの状況で、緊急の必要があると認めるときに当たるのかどうかということについては、かなり無理がある解釈ではないかと思っておりますが、その点をどのように整理をされているのか、お聞きしたいと思っております。
また、以前に出されている通知の関係では、感染者が死亡したときに速やかに厚生労働省に報告するとあるが、どのような根拠に基づくものかというQに対して、この15条に基づく積極的疫学調査の一環で得られた情報について、同条第8項での報告を求めているということが前提になっていて、同条2項が前提にはなっていないこととの関係をどのように整理するのかということをお聞きしたいと思っています。
最終的には、平成4年に改正された感染症法の44条の3の6で、今後は死者の情報も報告を受けるということになっているわけですけれども、最終的には本来はここの条項に基づいて情報収集するということを考えておられるという理解でよいのかどうか、その点もお聞きしたいと思っております。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
成田委員、お願いします。
○成田委員 死亡者の情報というのは極めて重要でございまして、こうした情報を収集するにおいて、自治体の負担も御考慮いただいたことについては感謝を申し上げたいと思います。ただ、次の感染症の危機に機動的に対応していくためには、死亡者や重症者をどのようにモニタリングしていくのか、この全体像をお示しいただけるとありがたいと思いました。その上で、今回御提案いただいた死亡者情報の収集方法の位置づけを明確にしていただければと思っております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、とりあえずここまでで、幾つか質問・御意見がありましたので、事務局からレスポンスをいただきたいと思いますが、いかがですか。
○江浪結核感染症課長 御質問いただきました点につきまして、お答えを申し上げたいと思います。
まず、今回の取組でございますけれども、今回の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえたものでございます。今回の新型コロナウイルス感染症の発生に当たりましては、当初全ての患者さんについて届け出を求めて、届け出られた患者さんについて、療養期間中に亡くなった場合には、その原因を問わず亡くなられた場合には御報告をいただくということで対応してまいりました。特に感染の発生の初期においては、先ほどの議論にも通じるところがございますが、原則全ての方に例えば入院をしていただくというような形でしっかり情報を集めるということで対応していく。これからもそういった対応が当初は基本になってくるのだろうと考えてございます。
一方で、感染が拡大してくるにしたがいまして、そういった形での情報の収集については、どうしても限界が出てくるという中で、今回御提案申し上げました死亡届、死亡診断書の内容を収集するという取組を開始しておきたいということでございます。
今回の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえましたときに、特に感染が一定程度拡大して以降の死亡情報の収集を確実に行うために、今回御提案をしているような死亡届、死亡診断書の情報収集に取り組みたいということでございます。特に今般の新型コロナウイルス感染症の現状ということで考えますと、新型コロナウイルス感染症の感染症対策としての重要性に関しましては、今般5類に移行するということでございますけれども、引き続き年に何回も感染拡大を起こす感染症ということでございまして、患者さんの発生動向のモニタリング、これについては定点でということで既に御報告を申し上げておりますけれども、それと併せて、例えば亡くなられる方についての捕捉をどのようにしていくのか。そういうことにつきましても、こういった取組をベースにしまして、また改めて、どのように取り組んでいくのかということを御提案申し上げたいと考えてございます。
感染症法の第15条第2項の規定を用いて、今回こういった取組を開始するということでございますけれども、この新型コロナウイルス感染症に関しましては、現時点でも新型インフルエンザ等感染症に位置づけられる感染症ということでございますし、5類への移行ということもございますけれども、5類に移行した後も引き続き感染拡大を起こす可能性があるという中で、このモニタリング体制をしっかり整備しておきたいということでございますので、御質問にございましたけれども、新型コロナウイルス感染症に関しましては5月8日に特段の事情、新たな変異株による感染拡大、そういった重症度の異なるような感染拡大というものがない限りにおいて、5月8日から5類に移行するということで、また、この感染症部会でも御確認いただくということでございますが、その後に関しましても、引き続き入院調整等を含め、自治体のほうで行われるということもございますので、この取組によりまして把握をしていきたいと考えてございます。
実際にこの取組だけでは、情報の迅速性ということについては、まだ課題がございます。感染状況の把握とか、もし通常ではない死亡の蓄積があった場合に、どのように対応するかということも念頭に置きながら、新型コロナウイルス感染症5類移行後の死亡者数の把握に関しましては、本日以降の感染症部会におきまして、その全体像をお示ししてお伝えしていきたいと考えてございます。感染症法上、15条第2項に基づく取組、これまでも小児死亡の把握でありますとか、行政に与えられた裁量の範囲内で最低限というところでございますが、この感染症対策の中で必要な場合には、この規定に基づきまして取組を行ってまいりました。したがいまして、今回、死亡の把握ということに関しましても、感染症法15条第2項で行っていくということが可能であると、行政のほうでは整理をしているところでございます。
私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
委員の先生方、追加で何かコメントはありますか。全体像については、またお示しをしていただくということだと思います。
今村委員、どうぞ。
○今村委員 議事録はなくていい話です。今、かなり幾つもの質問に対する回答がされたと思うのですけれども、ちょっと聞きづらかったので、恐らくそれぞれの質問に対する回答を把握しきれていない方がそれなりにいそうな、表情を見ていてもそんな感じだったので、特に質問として挙がっていた部分の回答に関して、簡潔な箇条書きでも構わないので後から文書でみんなに送ってくれると助かるかと思うのですけれども、可能でしょうか。
○脇田部会長 江浪課長、いかがですか。
○江浪結核感染症課長 失礼いたしました。そのように対応させていただきます。
○脇田部会長 そういう形で、今村先生、よろしいですか。
一応今、課長からは、皆さんからの御質問に対する回答は一通りしていただいたと私は理解したのですけれども、確かに会場の音声が少し聞きづらいところがあるので、皆さんが少し分かりにくかったかなというところでありますので、事務局のほうに、そのような対応をしていただくということです。よろしくお願いします。
さらに追加の御意見・御質問等はございますか。
それでは、今いただいた御意見もありますので、それらを踏まえまして、引き続き事務局のほうで検討を進めていただくということにしたいと思います。
それでは、次は議題3について、事務局から御説明をお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 資料3「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の呼称について」という資料を御覧ください。こちらは新型コロナウイルス感染症の呼称につきまして、これまで報道等もございましたけれども、御意見をいただければと思います。
まず、新型コロナウイルス感染症は病原性等の大きな変化がなければ、5月8日に5類に位置づけるということで検討が進んでいるわけですけれども、その呼称につきましては、当面の間、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」を用いることとしまして、将来的にウイルスの特性にさらなる変化等があれば呼称を見直すこととしてはどうかと、事務局としては考えております。
現状、WHOの国際疾病分類、ICD上は、疾患名についてはCoronavirus disease 2019ということでCOVID-19とされておりますけれども、呼称としては「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」を用いることとしてはどうかと考えております。
併せて、法令上、5類感染症に位置づける際も現行の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の定義を用いて規定してはどうかと考えております。こちらの省令上の位置づけの案に関しましては2ページ目を御参照いただければと思います。
、新型コロナウイルス感染症という名称を当面用いることについての考慮事項ですけれども、名称として、今後、感染症対策を行わなくてよいというようなメッセージと受け取られないように、丁寧なリスクコミュニケーションを行う必要があるということ。また、一般的な風邪のコロナウイルスとの比較では引き続き新型のウイルスであるということ。また、新型コロナウイルス感染症、新型コロナという名称が国民に既に定着しているということがございます。
こちらに関しましては、前々回の1月27日のときにもご議論いただきました類型の変更に当たっての留意点の中にもこのような点が指摘されておりまして、こういったことを踏まえての呼称の変更の提案でございます。
更に、法令上の定義ですけれども、2020年2月に指定感染症としまして「新型コロナウイルス感染症」が指定されましたが、この際、法令上の定義としては、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルスであるものに限る。)さらに病原体は、「令和2年1月に中華人民共和国からWHOに対して人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。」とされたものが、2021年2月の法改正で、「新型インフルエンザ等感染症」の中の「新型コロナウイルス感染症」という箱の中の感染症の具体的な名称として「新型コロナウイルス感染症」、これが同じようにベータコロナウイルス属のコロナウイルスであって令和2年1月に中華人民共和国からWHOに対して人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限るという名称になっております。5月8日にこのまま類型変更がなされればということになりますが、この場合は、「新型コロナウイルス感染症」という箱自体は新型インフルエンザ等感染症の中に法令の規則上残るわけですけれども、感染症の名前としては、現時点では「新型コロナウイルス感染症」として5類感染症に位置づけるという変更の提案でございます。
3ページ目の参照条文ところです。新型インフルエンザ等感染症、先ほどお話ししました箱の問題ですけれども、6条7項というところです。次に掲げる感染性の疾病をいうというところの3つ目に「新型コロナウイルス感染症」がございます。こちらは新たに人から人に伝搬伝播する能力を有することとなったコロナウイルスを病原体とする感染症であって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速な蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあると認められるものとされております。これが先ほどの2ページ目のところでございました「新型インフルエンザ等感染症」の中に規定される「新型コロナウイルス感染症」の定義でございます。
また、現行の「新型コロナウイルス感染症」の感染症名が法律の中に規定があるかということですけれども、附則第二条に記載があるという状況でございます。
事務局からの説明は以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
新型コロナウイルス感染症、現在のCOVID-19の呼称について変更せずにそのままということです。それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、委員の皆様、参考人の皆様から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
山田委員、お願いします。
○山田委員 今の名前を残す理由に、今後、感染対策は行わなくてもよいと受け取られたくないという御説明だったと思うのですけれども、実際、本日からマスクがオプショナルになったというのは、かなりの多くの人たちがそういうような誤解をしている可能性があると私は思うのです。それと比べれば、名称の変更というのは、それほど大きなメッセージにはならないのではないか。従来の風邪のコロナウイルスと比べれば、新型であることに変わりはないということもおっしゃっていますけれども、新型であり続けるというのは次に新型という言葉が使いにくくなるということで、コロナウイルス感染症(2019)、例えばそんな形で以前の2009年のインフルエンザと同じような扱いにしても、そんなに問題ないのではないかと私は思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
白井委員、お願いします。
○白井委員 私も名前にこだわるわけではないのですけれども、WHOというか世界的にCOVID-19としている感染症の名前を日本だけが新型とつける必要はないのではないかなと思いました。一般の人が「新型」を取ったら緩むというのですけれども、コロナウイルスといったら、皆さんは風邪のコロナではなくて、今流行っているものだと思うのです。新型コロナウイルスと出たときに、コロナウイルスとは何だろうと思ったら、そもそも4種類の風邪のウイルスでということを気づいたと思うのですが、今、一般にはコロナといったら新型コロナのことを言っていますので、このコロナウイルスの名称変更の時期というのは、今がチャンスではないかなと思います。もし今、新型コロナウイルス感染症でそのままいっていると、今度、いつ変えるタイミングなのか、次が出てきたら「新型」を取るのか、ちょっとどうかと思いましたので意見を申し上げておきたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 今、2人からそのような御意見が出ましたが、これはいろいろ今日までの間に検討もあったことであると承知をしています。その中で、引き続き同じウイルスであって、そして、対応の方法についてはいろいろこれまでの経験を踏まえて、対応しやすくなった部分もあるし、それから、免疫を獲得した人が増えたということはありますけれども、相変わらず今後も感染の拡大が見られてくることも予想されることから、私はこの形での整理に賛成を申し上げます。
では、いつの時期に変えるのかということで、一つは新型インフルエンザ等感染症の中には新型コロナウイルス感染症という名称が残るわけなので、そこのところは分かりにくいなという気もしますけれども、それは今後の検討の中で整理していけばよいと思います。したがいまして、今回はウイルスが変わるわけでもないし、これまで大変苦労したウイルスが今はこういう状況なのだということで、この名称で私はよろしいのではないかと思って賛成の意見を申し上げます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。そうしたら、私の意見を言いますけれども、新型インフルエンザが季節性インフルエンザになったというのは、本当に季節性インフルエンザとしてのインパクトと同等になったということも踏まえてということだったと思います。この新型コロナというのが、いわゆる風邪のコロナウイルスと同等のインパクトがあったかというと、まだまだなかなかそこまではいっていなくて、これからも流行が繰り返す可能性があり、季節性はまだ認められない。そして、入院とか死亡のインパクトについてもまだかなり大きいものがあるということになろうかと思います。
今、エピデミックな状況から今後エンデミックになってくることは想定されていますけれども、まだ病気として少し不安定な状況が今後続くということなので、もう少し様子を見てといいますか、アドバイザリーボードで議論しているところでは、状況をしっかりと見ていく必要があるのではないかと、名称のことについては議論していないですけれども、この感染症について、季節性インフルエンザと同じように考えていいのかという議論はありますけれども、そこまでは行っていない状況なので、もう少し名称についても、今、釜萢先生がおっしゃったようなところかなと私も思っています。
よろしいですか。それでは、ありがとうございました。
事務局から今後の進め方で御発言はございますか。
○江浪結核感染症課長 名称のことにつきましては、御提案させていただいた形で進めさせていただきまして、今後の感染状況を見ながら、名称のことについては御相談を申し上げたいということでございます。
私のほうから、この機会に1点、御報告的でございますけれども、参考資料6として、この新型コロナウイルス感染症の5類以降の基本的感染対策に関しまして、厚生労働省のアドバイザリーボードの専門家の方々からも御意見を伺っているところでございます。これを踏まえました対応としましては、現在、特定感染症予防指針の策定をどうするかということも含めて検討してございまして、そういったものを作成することになりました場合には、また、本部会のほうでも御議論をいただきたいと考えてございます。
また、ただいま御議論いただきました新型コロナウイルス感染症を5類感染症に位置づける際の法令上の規定をどうするかということでございましたり、2月に御議論いただきました患者さんの発生動向の把握方法などにつきまして、省令改正に向けたパブリックコメントなど、必要な手続を進めていきたいと考えてございます。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今、江浪課長のほうからは、今後5類に移行した場合の後に、特定感染症予防指針の作成についても検討していくので議論が必要ということです。それから、法令上の規定等もあるいうことでありました。よろしいですか。
それでは、次に進ませていただきます。議題4、事務局から御説明をお願いいたします。
○江浪結核感染症課長 議題4に関しましては、資料4でございますけれども、昨年成立いたしました改正感染症法等の令和6年4月1日の施行に伴う関係政令の整備についての御報告でございます。
まず、感染症法施行令につきまして、外来医療、在宅医療を受け入れる第二種協定指定医療機関に指定訪問看護事業者を含めることとするほか、協定締結医療機関、宿泊療養施設、検査機関などの設置費用に関する都道府県の補助や都道府県が支弁する協定に要する費用などに係る国の補助についての規定を整備するというものでございます。
また、新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令につきまして、医療関係者の確保が困難な場合において、歯科医師への検体採取などの実施の要請を行った際の実費の弁償について規定を整備するというものでございます。これは昨年成立した改正感染症法の6年4月1日の施行に伴う関係政令の整備ということでございますので、御報告を申し上げるということでございます。
私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
感染症の改正に伴って規定の整備ということで御説明をいただきました。
委員の先生方から何か御意見等はございますでしょうか。
越田委員、お願いします。
○越田委員 ここの中で、指定訪問看護事業者を規定することに関して、私は賛成いたします。実は健康調査であるとか保健所がやってまいりました業務の中で、看護協会に委託してもやりきれない部分が多々ありました。しかも訪問できるという強みを持ってらっしゃるということもございますので、在宅療養者への心強い支援が期待できます。ぜひ盛り込んでいただきたいと思っておりましたし大歓迎です。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
金成参考人、お願いします。
○金成参考人 1点改めてお願いでございます。今回示された各種財政支援策や、また、歯科医師等に係る特例規定について確実に履行できるよう、必要な財源の確保、地方への必要な措置をお願いしたいと存じます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
続きまして、成田委員、お願いします。
○成田委員 ただいまの金成参考人と同じ意見なのですけれども、都道府県が医療機関と協定を締結していく際には、同時に財政支援についても提示していく必要がございます。財政支援の詳細を早期に明らかにしていただくこと、また、国において協定のひな形等を作成していただいて補助に関しても御記載いただく。こういったことを御検討いただけますと、大変ありがたく存じます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、今、御意見をいただきましたので、事務局のほうでは、その御意見も踏まえて政令改正に向けて作業を進めていただくということと思います。
ありがとうございました。
それでは、次に進ませていただきます。議題5、事務局から御説明をお願いいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 資料5を御参照ください。こちらは第2回の献血時の検査用の検体の残余血清を使った新型コロナウイルスの抗体保有状況の実態調査の結果の速報でございます。
こちらに関しましては抗N抗体と呼ばれますけれども、コロナの感染によって陽性になる抗体を測定するもので、こちらは住民ベースで行ってきた大規模な調査に加えまして、昨年の秋から献血時の全国の調査も実施しているものです。前回の実施時には各都道府県の結果を踏まえて日本全体の結果として陽性割合28.6%という結果でございました。これは第7波までを踏まえたものでしたけれども、いわゆる第8波を踏まえまして、第2回の調査を2月19日から27日に実施いたしました。こちらは1万3000人、全国の献血者から系統抽出によりサンプルを入手しておりまして、それをベースに抗体保有状況を確認しております。
こちらの調査に関しましては、現在単純集計を行ったもので、いわゆる年齢階級であったり性別といったものを補正していませんので、献血に来る年齢階級の分布と一般の人口の分布の差があった場合には、抗体保有状況に差が生じる可能性があります。こちらに関しましては、前回の第1回のときも国立感染症研究所のほうで、その補正を行った結果を後日公表しておりますけれども、こちらに関しては第2回の検査に関しても公表する予定でおります。単純集計を行った場合におきましては、令和5年の2月の時点で全国の抗体保有状況は42.3%でございました。
2ページ目以降に抗体保有状況の各都道府県別の状況が記載されております。こちらも全て単純集計であるということ。また、対象の年齢が献血の対象年齢ですので16歳から69歳に限定されるということ。70歳以上の高齢者や小児の分布というのは、ここからは分からないということがございますので、その点に留保が必要となります。
その分布を見まして、実際に都道府県別の抗体保有状況をグラフにして、95%信頼区間をつけて表示したものが3ページ目になります。
4ページ目は年齢階級別の抗体保有状況となります。16歳から19歳、若い年齢のほうが高めで推移していまして、年齢を経ることに下がっていく傾向がございます。これは第1回と同様ですが、第1回と比較しまして、いずれも全体的に上がっているという状況です。
5ページ目ですけれども、性別・年齢群別の細かい分析情報となります。こちらの結果は、今後4月に最終的に5類に移行するかどうかの検討上も重要な調査ですので、御報告させていただいた次第でございます。
事務局からは以上です。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、委員・参考人の皆様から御意見があればお願いしたいと思います。
山田委員、お願いします。
○山田委員 意見ではなくて質問です。ここで使った血液の献血者の感染状況だとか、ワクチン接種状況というのは把握できるのでしょうか。
それから、この血清を使って抗N抗体だけではなくて、抗S抗体も測れると思うのですけれども、そういうことはやっておられるのでしょうか。
○脇田部会長 それでは、谷口委員、お願いします。
○谷口委員 確実に上がっているのだなという感じはしましたけれども、最後に、5月の5類移行時にこれを参考にされると聞こえたのです。そうすると、エンデミックの判断です。国民がどのぐらい、いわゆるハイブリッド免疫みたいな免疫を持っているかというのも考えた上で、5類移行を最終判断すると理解してよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
前回の調査から10%以上の上昇ということでありますが、ボランティアの抗体調査をずっとやっていましたけれども、それよりもかなり速報性があるということなので、献血ということでもちろんバイアスもあるわけですけれども、ただ、全国の調査にもなりますし、免疫の保有状況に関する調査では非常に重要なものだと思います。これは定期的に今後やっていくということを予定されているでしょうか。5類になるということもありますけれども、もしやるのであれば、どのぐらいの頻度で継続されるのかということについて、私のほうからも質問したいと思います。
それでは、事務局のほうからレスポンスをいただければお願いしたいと思います。
○杉原エイズ対策推進室長 まず、山田委員から御質問の件ですけれども、感染状況やワクチンの接種状況に関しましては、献血での質問事項の一部の情報しか分かりませんので、把握できる調査ではないというのが前提でございます。
一方で、献血検体に関しては、診断されて4週間以内の方ですとか、あと、呼吸器症状がある方で、症状発症から2週間以内、症状消失から3日以内の方は、そもそも献血ができないことになります。濃厚接触者の方も最終接触から2週間以内の場合はできないことになっておりますので、それらに該当しないかというのが条件になっておりますが、ワクチン接種歴や感染歴の有無が聴取できる調査ではないということでございます。
また、今後の移行に当たって参考にするという観点でございますが、あくまでこれは感染による抗体保有状況を確認しているということでございまして、これまでも1月以降、部会の中でも御議論いただいております様々な要件の中の一つの参考資料という位置づけでして、これを用いて判断しなければいけないものではございませんが、そのための感染状況の把握、これまでの流行でどのような形で抗体ができていくかを把握するという意味で重要な情報ということで、情報提供させていただいている次第でございます。
最後、脇田委員からいただきました定期的に調査する予定かということですけれども、こちらにつきましては、これからも定期的に把握を行っていきたいと考えております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
山田委員、お願いします。
○山田委員 せっかく今後も続けていかれるのであれば、多分、質問事項の中に感染の既往といったものを含めていただければ、自覚症状のありなしでいいのですけれども、そうすると、不顕性感染率だとか、それから、S抗体を測ることによって、ワクチンの効果もある程度類推できるのではないかと思うので、そういう試みをしていただけるといいなと思うのですが、いかがでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございました。
事務局、いかがですか。
○杉原エイズ対策推進室長 こちらは特別にこのために調査を行っているものというわけではなくて、あくまで献血の残余検体を用いているということで、その観点で記載事項とか聴取事項を調査票に新たに加えるというのはなかなか難しいところではあるかなと考えております。
抗S抗体に関しましては、どのような形で対応できるか、S抗体に関しては、現状ワクチン接種の割合はかなり高いですけれども、例えばどれぐらい検体数が必要かとか、別途検討が必要あるかと思いますので、こちらは事業として実施するかどうかにつきましても、改めて検討させていただきます。
○脇田部会長 S抗体については改めて検討していただく。測定は測れば測れるのですけれども、ありがとうございます。
この結果を見ますと、今4割程度ということですから、欧米に比べるとまだかなり低いような状況です。特にイギリスなどを見ますと、流行状況は減衰振動といって、振動しながら徐々に定着していくようなところになってきているというところですが、日本はまだそこまでいっていないのではないかという議論をアドバイザリーボードでもしているということです。ですから、ワクチンはもちろん接種率が上がっていますが、まだまだ感染感受性のある人が欧米に比べれば多いということになりますので、今後も流行拡大する可能性があるということかと思いました。ただ、一定の感染を今後も考えていく必要があるということです。
ありがとうございました。ほかにありますか。大丈夫ですか。
それでは、こちらの調査もまた進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。非常に参考になると思います。
ほかに委員の皆様から、今日の議題全体を踏まえてでも結構ですが何かございますか。
最初の議題1のところで、皆様から意見をいただいて、事務局からは特にレスポンスをいただかなかったのですけれども、何か事務局からありますか。
○山田大臣官房参事官 医政局参事官でございます。ありがとうございます。
医療提供体制の数値目標で病床数にしていることの理由についての御質問がありましたけれども、今回、未知のウイルスで、どう対応していくか、また、どう数値目標を立てていくか、非常に難しい課題ということで様々な議論ある中で、これまでコロナ対応ということで、様々な変異した差異とかも含めて対応してきた実績、いわば財産を次の新興感染症対応に生かしていこうという中で、そうしますと、これまでのコロナ対応の中で各県医療機関とも病床確保計画というものを定期的に立てながら対応してきた実績もございますので、まずは病床数を目標に設置していくということで、対応していこうということで、今回させていただいているというのが一つでございます。
また、ほかの御意見で、通常医療との両立、通常医療の確保の重要性についての御指摘がございまして、そちらはまさに医療部会検討会でも多くの御意見がありまして、随所に取りまとめ案のほうにも記載をしておりますけれども、今回の改正感染症法の仕組みの中で、全ての医療機関が協定の締結の協議に応じるという義務の規定もございますので、各都道府県が各医療機関と協議をしながら、地域において感染症医療、また、それを補完できる通常医療も提供する医療機関の役割分担といったことも地域で確保してきていただきたい。そういうこともやっていこうという中で、今回、法律の中で後方支援の仕組みがありますが、今までは比較的コロナの回復患者の退院を受け入れる医療機関ということでしておりましたけれども、今回の法律では、それに加えまして、感染症医療ではなく、通常医療を代わって対応するというのも後方支援の医療機関の役割と位置づけられておりますので、後方支援の医療機関数についても目標を定めるということで対応していきたいというのがございます。
最後に3点目、流行初期の1週間で医療の立ち上げ、これにつきまして、その前から十分な情報提供をという御指摘がありまして、これはまさに大きな課題でございます。これも取りまとめの随所に記載がありますけれども、大臣の発生の公表と位置づける前からの、実際にはコロナの例を取りましても、20年2月1日の指定感染症に位置づけられる前から実際の国内での発生が1月15日にあったわけでありますから、その位置づけの前の2週間ほど前から、さらには位置づけてからの1週間と2~3週間の期間がありますので、その間での国の知見の獲得、また、現行の感染症指定医療機関の実績、そういった情報をしっかり周知しながら各県、また、医療機関に対応していただこうということ、事前の周知をしっかりと対応していこうということで考えておりますので、そういった今日の御意見も引き続き今後の指針、また、医療計画のほうにも指針、通知を示していきますので、そこに反映しながら、分かりやすいメッセージを発していきたいと考えております。
医療の関係は以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
皆さんからもチャットに御意見が入っているのですけれども、会場の発言が非常に聞き取りにくいような状況なので、議題2のところで今村先生から御指摘がありましたけれども、今日の事務局からの御発言等も簡単にまとめていただいて、また、委員のほうにそれぞれ周知していただけるとありがたいと思います。それから、ZOOM会議をハイブリッドでやっていますと、委員の先生方からの発言は非常にクリアに聞けるのですけれども、会場からの発言が非常に分かりにくいことが、会議室、あるいは音響の設定の具合かもしれませんけれども、分かりにくいときがあるので、事前のチェックをしっかりしていただくか、会場も集まらずに個別にやっていただくか、何か工夫をしていただかないと、委員の先生方にせっかく集まっていただいていますけれども、せっかくいろいろ説明していただいても十分に理解できないようなところがあるので、次回ぜひよろしくお願いいたします。
委員の先生方、よろしいですか。
今、改めて御説明をありがとうございました。
それでは、議事のほうは事務局へお返ししたいと思います。
○杉原エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
委員の皆様の御意見を踏まえて進めさせていただきたいと思います。
また、今回、音声等が非常につながりにくくて申し訳ありませんでした。もうちょっとクリアな音声になるように、次回以降は心がけたいと思います。
この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
また、次回以降につきましては、事務局より改めて予定等を御連絡させていただきます。
本日は、お忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございました。