第83回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会

日時

令和5年2月13日(月)10:00~12:00

場所

会議会場及び傍聴会場 厚生労働省専用第14会議室
(千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館12階)

議事

議事内容
○山本(眞)部会長 定刻になりましたので、ただいまから第83回「労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会」を開催いたします。
 本日は、使用者代表の須永委員が御欠席でございます。
 小野委員、清水委員、高木委員、川野委員、南部委員、清田委員、原田委員、藤原委員につきましては、オンラインで出席いただいております。
 本日は、全委員の3分の2以上の御出席を賜り、労働政策審議会令第9条の規定による開催に必要な定足数を満たしております。
 本日の部会は、対面のほか、オンライン形式でも御出席いただいております。開催に当たりまして、事務局からまず御説明がございますので、よろしくお願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 事務局の勤労者生活課長の大隈でございます。
 本日は対面のほか、Zoomによるオンライン参加をいただいておりますが、オンライン参加の方は、事前にお送りしております「会議の開催・参加方法について」も併せて御参照ください。
 部会の進行中は、会場もオンラインも、皆様のマイクをオフにしていただくようにお願いいたします。御発言される場合には、会場内の皆様におかれては挙手を、オンライン参加の方は「手を挙げる」ボタンを押していただき、部会長から指名があった後にマイクをオンにしていただき、お名前を名乗っていただいた上で御発言いただきますよう、お願いいたします。また、御発言が終わりましたらオフに戻していただきますようにお願いいたします。
 なお、本日は対面参加の方とオンライン参加の方と両方いらっしゃいます関係で、指名の順番については前後することがあるかと思います。なるべく挙手の順番となるように配慮したいと思いますけれども、その点、御了承いただければ幸いでございます。
 それでは、本日はよろしくお願いいたします。
○山本(眞)部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラをお持ちの方は撮影を終了してください。
 それでは、本日の「一般の中小企業退職金共済制度の財政検証のとりまとめについて」に入ります。
 まず、事務局から説明をお願いし、その後、委員の皆様から御意見等をいただければと思います。
 それでは、事務局、説明をお願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 それでは、事務局から御説明させていただきます。
 配付資料の資料「一般の中小企業退職金共済制度における退職金額の水準の検討について」を御覧いただければと思います。この議題につきましては、昨年10月18日のこの中退部会で事務局から資料をお出しして一度御議論いただいたものでございますが、本日、取りまとめに向けた資料ということで用意をさせていただきました。
 まず、表題は「一般の中小企業退職金共済制度における退職金額の水準の検討について(案)」ということでございます。
 まず、柱書きですけれども、当部会は、一般の中小企業退職金共済制度に関し中小企業退職金共済法第85条に基づく検討、これを「財政検証」といいますが、この財政検証を行ったところであるが、検討の結果取りまとめた当部会の意見は下記のとおりであるということで、記以下、大きく4つ記載させていただいております。
 まず、記の1でございます。一般中退は、単独では退職金制度を設けることが困難な中小企業のための簡便で加入が容易な社外積立型の退職金共済制度であり、制度創設以来、多くの中小企業に活用され、その従業員に退職金を支給してきたということでございます。それから、このような性格を有する一般中退は、中小企業に退職金制度を確保するための中心的で重要な制度であり、今後とも、長期的に安定した制度として維持されていくことが必要であるということで、後段は前回の御議論で多くの委員の方々から安定性が重要だということでございましたので、これも踏まえたものでございます。
 それから、記の2でございますが、こちらは当面の予定運用利回り、それから、付加退職金の取扱いについての結論を書いたものでございます。一般中退における当面の予定運用利回り及び付加退職金の取扱いに関する当部会の基本的な考え方は、以下のとおりである。(1)ですが、低金利の環境下で国内債券の利回りが現行の予定運用利回り1%を割り込んでいる現状では、確定利回り資産だけでは予定運用利回りの達成は困難であり、そのため、株式等のリスク性資産によって利回りを補う構造となることから、制度の安定のためには、資産の保有するリスクに見合った水準の剰余金を有することが必要となり、これを「剰余金の目標水準」ということとしておりますが、この剰余金の目標水準については、財政検証の最長サイクルである5年間の財政シミュレーションにおいて下位1%の確率で想定される損失額である5,400億円に設定することが適当であるとしております。(2)ですが、一般中退の予定運用利回りについては、現状、足下の剰余金が剰余金の目標水準におおむね達していることを踏まえ、加入者にとっての魅力も考慮し、現行の1%を維持することが望ましいとしております。(3)ですが、利益が生じた場合にその半分を付加退職金に充てることを基本としている現行の付加退職金の取扱いは、運用実績の振幅が大きい現在の環境下においては、資産を減少させる効果があり、一般中退の財政の安定性を損なわないような取扱いに見直すことが適当であるということでございます。2の部分は前回10月の議論、事務局からの御説明と各委員からの御意見を反映させたものでございます。
 記の3でございますが、こちらが具体的な今後の付加退職金の取扱いについての記述でございます。以上を踏まえ、当面、一般中退における剰余金の積立て及び付加退職金の支払いについては、以下のとおりとすることが適当であるということで、まず(1)ですが、前々年度の決算における累積剰余金の額の5,400億円に対する不足額を、各年度の前年度から2027年度までの残存年数で除した値を各年度における目標額としておりまして、こちらが単年度目標額の設定の仕方の記述でございます。
 (2)から(4)までが、毎年度の利益見込額の水準に応じてどのように剰余金と付加退職金に振り分けるかの記述でございます。まず(2)ですけれども、利益の見込額が単年度目標額以下であるときは、全て剰余金として積み立てることとします。(3)は、利益の見込額が単年度目標額を上回りその2倍に相当する額以下であるときは、当該利益の見込額のうち単年度目標額に相当する額を控除しこれを剰余金として積み立て、残額を付加退職金に充てるということです。ただし書がございますが、当該付加退職金に充てる額が、前々年度の決算における累積剰余金の額に0.01を乗じた額を超える場合は、その超えた分は剰余金として積み立てるということです。これが今回新しいルールとして入れたいと考えている付加退職金に充てる額に上限を設定して、それを超えた場合は剰余金とするという部分の記載でございます。(4)は、利益の見込額が単年度目標額の2倍に相当する額を上回るときは、当該利益の見込額の2分の1に相当する額を剰余金として積み立て、残りの2分の1に相当する額を付加退職金に充てるということですが、こちらもただし書がついております。これは先ほどの(3)のただし書と同様に、(4)の場合も付加退職金に充てる額が累積剰余金の額の1%を超えた場合は、超えた分は剰余金として積み立てるということでございます。
 記の4ですけれども、前回の10月の議論の中で各委員からいただいていた意見、主に次の財政検証に向けての御意見がございましたので、こちらで反映させていただいております。今回の付加退職金の取扱いの見直しの効果を見極めた上で、次回の財政検証で付加退職金制度について改めて検討を行うことが適当であるとしております。なお、今後、金融・経済情勢の急激な変化により財務状態に大幅な変化が生じた場合等には、必要に応じ、次回の財政検証の時期を柔軟に検討することが適当であるということで、今回の取りまとめの案としては以上でございます。
 参考資料をお付けしておりますので、簡単に御説明させていただければと思います。
 参考1が「新しい付加退職金支給ルール」の資料でございます。
 1ページ目は、前回10月の審議のときも同様の資料をつけておりましたけれども、新しい付加退職金支給ルールに置き換えた形でございます。右の下のところに棒グラフと赤い直線のグラフがございます。現在2021年度末の累積剰余金が5,272億円という水準でございます。今回目標とする額が5,400億円、これを2026年度末に達成することとなると、単年度ごとに26億円ずつ積み増していけば5年後に5,400億円に達するということでございます。
 具体的には次のページでございますが、令和5年度に当てはめるとどうなるかということです。いくつか場合分けが出てくるので複雑にはなるのですが、一番上のところに記載している単年度目標額は、グラフでも御説明した5,400億円まで足りない額を残り5年間ということで5で割って、26億円でございます。上限額というのが、付加退職金に回すことができる上限ということで、これは5,272億円の1%で、53億円までは付加退職金に回せるということでございます。
 この2つは現時点で定まっておりますが、その下に5つの場合分けがされております。利益見込額がまだ確定していないところでございますので、これがどういう値になるかによって5つのケースに分かれているということでございます。左上の利益見込額が0億円より小さい場合ということで、4年度の利益見込額がマイナスだったとすると、その場合は付加退職金に回す額は出てこないということでございます。2番で利益見込額額がプラスだったとしても0億円から26億円の間であれば、これも全部積立てに回すということでございます。3番のように利益見込額が26億円を上回る水準になったときに、この図でいうところの黄色い部分が付加退職金に回すことができるということになります。4と5はさらに利益見込額が多かった場合になりますが、一番多かった場合の5でいいますと、黄色い部分は53億円という付加退職金に回せる額の上限まで達してしまいますので、それを上回る利益の部分は再び利益剰余金に回すということでございます。
 いずれにしても4年度の利益見込額は3月にならないと分からないということなので、3月にこの利益見込額が出たところで5年度の付加退職金の水準、支給になるのかならないのか、支給としてもいくらになるのかが決定するということでございます。それについては、改めて中退部会にお諮りすることになる予定でございます。
 参考2は主な経済指標についての資料です。参考3は関係の参照条文でございます。こちらの説明は割愛させていただきます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○山本(眞)部会長 事務局から議論の取りまとめについて今の説明がありましたが、この説明に対して御質問や御意見がありましたら、会場の方は挙手をお願いします。オンラインの方は「手を挙げる」ボタンを押してください。指名させていただきますので、マイクをオンにしていただいて、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。
 皆様、よろしいでしょうか。よろしいようですね。
 前回議論をしていただいた中身をそのまま文章に起こしていただいたということですので、その文章に問題がなければこのまま進めてもよろしいかと思います。
 それでは、この事務局から説明がありました案を了承することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○山本(眞)部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局において、今回了承された付加退職金支給ルールに基づいて令和5年度の付加退職金支給率を算出していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、次回以降について説明をお願いいたします。
○大隈勤労者生活課長 本日は御審議いただきまして、ありがとうございました。
 次回の部会におきましては、今、部会長から御説明がございましたとおり、令和5年度の付加退職金支給率の諮問などを予定しております。日程については改めて御連絡させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○山本(眞)部会長 それでは、本日の部会はこれで終了とさせていただきます。皆様、ありがとうございました。