第70回厚生科学審議会感染症部会 議事録

健康局 結核感染症課

日時

令和5年1月27日(金)10:00~12:00

場所

AP虎ノ門 A室(11階)

議題

(1)新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて(案)
 

議事

    
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第70回「感染症部会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日議事進行を務めさせていただきます健康局結核感染症課の杉原と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の議事は公開となります。また、前回と同様、議事の様子をYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しておりますYouTube撮影用のカメラ撮り以外のカメラ撮りにつきましては、議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解、御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意をお願いいたします。
 本日は新型コロナウイルス感染症における今般の状況等を勘案いたしまして、ウェブ会議で開催することとしております。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手いただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載いただき、座長から御指名されてから御発言いただくようお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合には、あらかじめお知らせしております番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠について御報告いたします。御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえまして、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順で失礼いたします。
 味澤委員。
 今村委員。
 大曲委員。
 賀来委員。
 釜萢委員。
 越田委員。
 白井委員。
 調委員。
 戸部委員。
 成田委員。
 西山委員。
 山田委員。
 脇田委員。
 なお、菅原委員、谷口委員、中野委員、中山委員、森田委員からは、御欠席の御連絡を受けております。
 また、オブザーバーといたしまして、全国知事会より伊藤様、全国保健所長会より内田様、全国衛生部長会より中澤様の御参加をいただいております。
 現在、感染症部会委員18名のうち13名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づきまして、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
(カメラ退室)
○杉原エイズ対策推進室長 それでは、議事に入る前に資料を確認させていただきます。
 議事次第及び委員名簿、座席表、資料1、資料2、資料3、資料4となります。不備がございましたら、事務局までお申し出ください。
 それでは、ここから進行を脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 承知しました。
 皆さん、おはようございます。また、月曜日から続けての開催となりますけれども、今日も活発な御議論をよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ってまいります。
 事務局からは既に事前に資料送付と説明をしていただいているということですけれども、必要なポイントにつきまして、資料についての御説明をよろしくお願いします。
○江浪結核感染症課長 それでは、資料1につきまして、御説明を申し上げたいと思います。
 資料1は、これまでの新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて部会で御議論いただきましたことの部会としてのまとめということで用意をさせていただいたものでございます。この資料に関しましては、事前に各委員にお送りさしあげた上で、いただいた御意見も踏まえてさらに修正を加えたものでございますので、内容を御確認いただければと思っております。
 1ページに「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけに関する検討経緯と基本的考え方」を述べた上で、2ページに「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更」について、いただいた御意見を整理してございます。
 3ページの頭にございますが、新型コロナウイルス感染症は、感染症法に基づく私権制限に見合った「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がある状態とは考えられないことから、新型インフルエンザ等感染症には該当しないものとし、5類感染症に位置づけるべきであるとしてございます。
 また、その下にこの変更の意味、この位置づけの変更によりまして、新型コロナウイルス感染症の感染対策が、現在の「新型インフルエンザ等感染症」として行政が様々な要請や関与をしていく仕組みから、今後は、個人の選択を尊重することを基本とする考え方へと転換していくこととなると。そのため、この位置づけ変更の考え方や内容についての丁寧な説明や、必要な情報の提供に努めることが政府に求められるということを述べさせていただいております。
 また、5類感染症へは、国民の生命と健康を守りながら移行することが重要であるということで、「3.変更に当たっての留意点」という、この点に留意して進めるべきであるということでございます。
 3ページから「変更に当たっての留意点」ということでございまして、位置づけの変更に関しては、速やかに行うことが望ましいが、変更に伴う各種対策の転換が、国民一人一人の生活や、各企業や医療機関の取組、地方行政に大きな影響を及ぼすため、今後3か月程度の準備期間を置いた上で行うべきであるとしてございます。
 また、今後は、季節性インフルエンザにおける診療体制を念頭に、医療体制等を構築していくことを目指していくということでございますが、位置づけの変更後も、その影響を緩和するための期間を設けて、必要な準備を進めながら段階的な移行を行うべきであるとしてございます。
 4ページでございますけれども、この影響を緩和するための段階的な移行については、今後政府による検討が必要であり、具体案をできるだけ早期に示していくことが必要であるとしてございます。
 また、今後、オミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現するなど、科学的な前提が異なる状況になれば、直ちに対応を見直すべきであるとしてございます。
 4ページから、論点ごとにさらに細部を書いてございます。まず1点目「患者等への対応」ということでございますが、位置づけの変更後、感染症法に基づく入院等の措置が終了するということでございますが、外来・入院の自己負担分の公費支援については、影響を緩和するための措置により、段階的に移行していくべきであることなどを整理してございます。
 その次に「医療提供体制」ということでございますが、こちらに関しましても、幅広い医療機関で新型コロナウイルス感染症患者が受診できるよう、必要となる感染対策を講じつつ段階的に移行していくべきであるということなどを整理させていただいてございます。
 また、3点目の「サーベイランス」に関しましては、重層的なサーベイランス体制を構築して検討していくということでございますけれども、患者さんの発生動向の把握につきましては、現状を確認した上で、患者さんごとの発生届を終了し、定点サーベイランスに移行することとして、速やかに具体的な実施方法を示す必要があるとしてございます。
 ゲノムサーベイランスの継続についての検討を進めていくこととともに、急性呼吸器感染症サーベイランスの在り方、あるいは病原体サーベイランスの在り方などについて、定点医療機関における負担なども考慮しながらこの部会におきまして引き続き検討を進めることとしてございます。
 6ページでございますが、「基本的な感染対策」といたしまして、マスクを含む基本的な感染対策について、行政が一律に適用すべきルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重すべきであるということ。個人の判断に委ねることを基本として、今では過剰とも言える感染対策はできる限り早期に見直しを行い、新型コロナウイルス感染症の特性を踏まえて、有効な方法について、引き続き丁寧に情報発信し、国民の理解と協力を得られるようにすべきであるとしてございます。
 また、マスクに関しましては、感染が大きく拡大している場合には適切なマスクの着用を呼びかけることも検討するべきであるということ。
 また、感染対策を実施するに当たっては、子供の健やかな発育・発達の妨げにならないよう配慮が必要であるということ。
 また、ハイリスク者を守るため、高齢者施設などにおける感染拡大を防ぐことができるよう、地域の支援も得ながら、感染対策に取り組むべきであるということを整理してございます。
 この資料に関しましては、冒頭に申し上げましたとおり、これまでいただきました御意見などを整理したものでございますけれども、この資料につきまして御審議いただければと考えてございます。よろしくお願いいたします。
 簡単に残りの資料に触れさせていただきます。
 資料2に関しましては、今、御説明申し上げました資料の概要ということで、主なポイントを抜き出したものということでございます。
 資料3に関しましては、先日開催いたしましたアドバイザリーボードにおきまして、委員から御提出をいただいた「これからの身近な感染対策を考えるにあたって(第一報)」ということでございます。
 資料4に関しましては、全国知事会からいただきました御意見ということでございます。
 私からの説明は以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から説明がございました。ここから委員及び参考人の皆様から御意見をいただければと思います。
 あらかじめ事務局から御連絡をしていましたとおり、また前回と同じように名簿の順番に従って指名をさせていただきますので、順に簡潔に御発言いただければと思いますけれども、本日欠席の菅原委員と谷口委員からは御意見を事務局にいただいていますので、事務局から代わって読み上げさせていただきます。よろしくお願いします。
○南結核感染症課総括調整官 では、事務局から読み上げさせていただきます。
 まず、菅原委員からの御意見でございます。代読いたします。
 1、御提示いただいた感染症法上の位置づけの中の「変更に当たっての留意点」に、今後、オミクロン株と病原性の異なる変異株が出現するなどの場合、直ちに対応を見直すは無論賛同いたしますし、たとえ行動制限を伴う対応に逆戻りであったとしても、必要時には速やかに見直すことが重要だと思います。また、国民にも、この疾患は今後もこのようなことが起こり得ることを重ねて説明していただきたいし、そのことが必要な対策を継続していくことへの後押しになるのではないかと思います。
 2、感染対策について、行政が一律にルールを求めるのではなくとありますが、例えばマスクを着用すべき場面や状況、逆に過剰な対策についても、できるだけ具体的に示していただきたいと思います。
 以上です。
 続きまして、谷口委員からの御意見を代読させていただきます。
 本来、感染症法の5類は、政府は情報提供のみで基本は国民の自助努力によって対応する感染症ですので、現状のCOVID-19にふさわしい類型ではないと考えますし、依然として国際社会はパンデミックイズオーバーとしているわけではありませんので、5類にするのは若干無理があり、現状の類型のままで2類相当を5類相当にすればよいだけのものと思っていましたが、それが法律的に不可能とすれば、5類とする以外には方法はないのだろうと思います。
 ただし、年に3回も大きな流行を起こし、そのたびに医療体制が逼迫するような疾患は5類にはありませんので、疫学的、臨床的、ウイルス学的に流行に変化があれば、それを鋭敏に捉えられるようなサーベイランスを設置し、直ちに方向転換できるということを条件に、5類に類型を変更することに賛成します。
 なお、現状の諸外国における変異株の流行によって死亡者が増えつつある状況を鑑みると、資料にあるような事項を確実に行うとともに、特に医療体制の拡充と院内感染対策の財政的支援は必要不可欠と考えます。
 以上でございます。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、こちらから順に指名させていただきますので、御発言をよろしくお願いします。
 「あいうえお」順ということになりますので、まず、味澤委員から御発言をお願いいたします。
○味澤委員 私は新型コロナを5類へ移行するのは、この規模、これは全医療機関で診なくてはいけないという状況を鑑みると、基本的には賛成です。この資料に示されたように、ただ、今までかなりがちがちにやってきましたので、急に5類と言われてもいろいろな問題が生じるというのはあり得ることなので、それに対して書かれているような準備をしていただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、今村委員、お願いいたします。
○今村委員 今村です。
 最初に、5類への移行についてコメントします。現在の感染症法において、私権制限を含む新型インフルエンザ等感染症から5類感染症へ移行するという考え方については、異論はありません。しかし、その一方で、類型変更によってウイルスの性質が変わるわけではなく、今後も当面は流行時期や規模を予想することのできない状況が続くことになります。前回の会議でも述べましたが、最も重要なのは、しっかりと国民の健康を守りながら、より安全に移行していくことです。現在は自治体や医療現場において日常的な感染対策の徹底や臨時の医療施設の設置等の様々な対応によって、多くの高齢者を守る対策が取られています。そのため、今後はできる限り国民への医療提供に悪影響が出ないよう、どのように段階的な移行を進めていくのかがポイントになると考えています。移行においては、自治体や医療体制を切り換えるための時間も必要となります。その点でも、今回3か月程度の準備期間を置いたことは評価されると思います。今後の段階的な移行においても、できるだけ早めにその内容と時期を示すよう努めていただくことを希望します。
 次に、(4)に記載されている「基本的な感染対策」についての意見を述べさせていただきます。ここには1月25日のアドバイザリーボード会議で専門家有志のメンバーから提出された「これからの身近な感染対策を考えるにあたって」という資料の中で示された、今後の対策における重要なポイントが追記されています。日常的な感染対策は、新型コロナウイルスに限らず多くの感染症に対して、人や場面あるいは流行状況によって適宜必要とされます。そのことを踏まえても、マスクを含む基本的な感染対策については個人の判断に委ねることを基本としたこと、子供への配慮を明確に示したことなど、大切な部分を入れ込んでくれたことを評価します。アドバイザリーボード会議で提出された資料は、今後のエビデンスや流行状況を見ながら、さらに深掘りして追加していく必要があります。それぞれの場面に必要な感染予防対策については、国民の理解が得られるようより丁寧な説明を継続していくことを望みます。
 こちらからは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、大曲委員、お願いします。
○大曲委員 ありがとうございます。国際医療研究センターの大曲です。
 まず、議案と今日御提示いただきました資料に基づく内容に関しては、私は賛成いたします。
 その上で、多少細部になりますけれども、今後の対策を進める上での留意点と現状を踏まえての留意点ということで、1~2点申し上げておきたいと思います。端的にはその医療体制をどう維持していくのかと感染防止対策なのですが、そこでの国民へのコミュニケーションという観点からです。
 1つ目は、重症化リスクの高い方への対応なのです。もちろん感染をさせないためにあらゆる配慮をすることは非常に大事なことであります。ただ、一方で、現在の医療の逼迫等は、実は新型コロナウイルス感染症の対策で行っている感染防止対策がかなり原因となっているのも事実です。端的には救急医療の逼迫、あるいは病床の確保が難しいというところは、2020年当時のいわゆる重症度の高いコロナの状況でつくられた感染防止対策が今も踏襲されているというところがあると思います。つまり、例えば入院時のスクリーニングであったり、かなり厳しい隔離などといったものがあります。例えば救急医療を取っても、救急車で来られた患者さん方のコロナスクリーニングをするだけでも15分、20分、30分は取りますし、それらが救急医療の逼迫にもろもろ考えてつながっているという点もあると思います。ですから、感染防止対策が重要なことは間違いないのですが、医療全体が回らなくなることは避けなければいけませんので、こうした省けるといいますか、多少緩和していいところは緩和できる、緩和していくということも積極的に考えていくということを申し上げたいと思います。これはむしろいわゆる医療あるいは介護に関わる方々はそう思っているのだと思うのですが、国民の御理解をいただかないとなかなか進められないところがありますので、まず申し上げておきたいのが1点です。
 類する話なのですが、罹患した後の方であります。これまでは法律の類型もありましたので、いわゆる隔離が行われてきたわけなのですけれども、今後どうなるかという話なのですが、特に高齢者等はそれらに関しては相当配慮が必要だと思っています。具体的には高齢者、ハイリスクの方が罹患をした、例えば介護施設にいらっしゃるという場合には、隔離をするというのが恐らくこのままの全体でいけばそういうことになるのだとなってしまいかねませんが、高齢者の生活全体の質や健康あるいは生命ということを考えると、確実に悪い方向に行くと思います。身体活動性の低下、認知機能の低下、骨折、隔離による医療事故といったものにつながります。ですから、類型が変わるというところもありますので、そうしたこれまでの法律に基づいた縛りは外れるわけですから、感染はしたとしても例えば身体活動性の保たれている方は生活の自由度をしっかり高めていく、それで健康を保つという配慮も必要だと思います。これは本来、職能団体がつくった指針等に基づいて事業体の判断で行っていくことなのだと思うのですが、ただ、こういうことを理解していただくには社会的な合意といいますか、国民の御理解が必要だと思います。そこに行き着くためには政府からの見解なり指針なりは必要だと思いますので、御留意いただきたいと思って発言をしました。
 以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 次に、賀来委員、お願いいたします。
○賀来委員 ありがとうございます。
 前回もお話を申し上げましたが、5類への変更について今回案をお示しいただきましたが、これについては賛同いたしたいと思います。
 ただ、その上で、前回もお話ししたように、非常に高い伝播性がいまだにあること、一定の重症化する可能性が高い方がおられること、後遺症の問題あるいは変異株が次々と出現していることなどを考えますと、いまだに極めてインパクトの高い感染症であるので、状況によっては今後フレキシブルに考えていく必要があるといったことをぜひお願いしたいと思います。
 また、特に先ほども先生方がお話しになりましたが、医療提供体制をいかにしっかりとつくり上げていくのかというのは、多くの病院あるいはほかの診療所でも診ていけるということも含めて、この辺りが非常に重要なポイントになると思いますので、3か月間、ある程度時間を置いて医療機関との調整も含めてしっかりとお願いをさせていただきたいと思います。特に重症化リスクの高い方への対応について、基礎疾患のある方、高齢者の方々に対してどのようにフォローしていくのかについて、しっかりとした体制づくりをお願いしたいと思います。
 感染対策について1点だけ、(4)の感染対策については、ある程度個人の主体性に任せていくことについては十分理解をしているのですが、ただ、この書きぶりを見てみると、少しマスクを特出ししているような印象を受けます。というのは「引き続き、効果的な換気や手洗いなどの手指衛生の励行をお願いする」、これはお願いベースではあるのですけれども、今、マスクが一つのシンボルというような形で、諸外国と全く違うような状況という形で捉えられている向きがどうもあるのではないかと思っております。マスクの有効性が高いことは「富岳」などのスーパーコンピューターでの解析やそのほか諸外国のデータでも示されていますし、もちろんここでもしっかりとマスクの有効性についてはうたっていただいていますが、実際にマスクを含めた基本的な感染対策は、換気や手洗い、ソーシャルディスタンス、3密を避けるというさまざまな対応を意味しますので、「引き続き、効果的な換気や手洗いなどの手指衛生の励行をお願いするべきである」と特出しをすると、5類になるとマスクを外してもよいという誤った印象を国民の方に与えてしまうことを非常に懸念しています。
 WHOのインフェクションコントロールのアドバイザーでもあるアメリカのCDCのマイク・ベル先生と、先日お話ししたときに、アメリカでは今回の新型コロナウイルス感染症の登場によって、ようやくマスクというものが感染のリスクを下げていくのだということが理解できるようになってきたとお話されていました。今までは全くそういう考え方がアメリカやヨーロッパではなかったわけですけれども、マスクの着用が基本的な感染対策で重要なことの一部であることの理解が進んだことは非常に重要であり、今後、アメリカに文化として根づくかどうかが非常に重要なポイントになっているとのことでした。日本でこれまで感染爆発が起こらなかったのは、国民の多くの方のマスクなどを含めた基本的な感染対策を遵守してきたこととワクチン接種の効果であったと思われます。今後は、全ての方がマスクをいつでもどこでもつける必要があるということは言うべきではないと思いますが、そのなかで、あえてマスクを特出しすることが、国民の方にマスクはしなくてもいいという印象を与えてしまうのではないかということを非常に懸念しています。
 マスクも基本的な感染対策の一つである、マスク着用も手洗いや換気の励行や3密を避ける、あるいはソーシャルディスタンスを取るという基本的な感染対策の一つであること、マスクをしっかりとつけるべきところはつけるということをぜひお伝えいただきたいと思っております。
 私からは以上です。
○脇田部会長 賀来先生、どうもありがとうございます。
 具体的な資料1に関する御意見もいただきました。今日、これが結論として出ていく文書になりますので、こちらについても具体的な御意見があれば伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 これまでも感染症部会でも発言をさせていただいておりますが、また、今日もほかの先生からも御指摘があったとおりですが、新型コロナウイルス感染症というのは、5類に類型として入れられている他の病気とかなり異なる特徴があって、その異なる特徴を踏まえると、特別の類型として一つ新型コロナを取り出すという選択も私はあってもよいのではないかとずっと思ってきました。しかし、法律改正に伴う手続等もあって、また、準備期間を十分置くという今回の取組からすれば、5類に入れるという選択も了解できるところではありますが、かなり他の5類の疾病とは異なるものであるということをもう一度考えておく必要があると思います。
 時間が限られておりますので、今日お示しになった文章に直接即して意見を申し上げたいと思います。1ページで、下段にIがあって、そのうちの2つ目のポツ「現時点において変異株の性質が流行の動態に直接的に寄与する割合は低下している」という記載があります。これはそこに米印が書いてあるように、齋藤先生から感染研から出されたこの報告書に基づいた文章であることも承知をしていますが、この意味するところは、例えばデルタ株に変わったときに感染の状況あるいは医療の提供等にかなり大きな変更を余儀なくされた、また、オミクロンになってもそういう状況があったという中で、現時点においてはオミクロンに関するオミクロンの派生というか、オミクロン関連の変異株が大体感染の主流になる状態が今後も予想されることから、あまり変異株の性質が流行の動向に直接的に寄与することはないのだという意味だろうと解釈をしているのですが、これを読まれた方は十分このことを理解なされるかどうかという点については疑問があって、なかなかこの書きぶりを変えるのも難しいかもしれませんけれども、意味するところはもう少し明瞭になるとよいと感じました。
 それから「変更に当たっての留意点」、3ページ以降ですけれども、ここの中で、これも私も指摘をしていたところですが、時間がないので文章を読み上げます。「感染対策の変更及びその速度により国によって感染リスクのレベルに違いが見られることを踏まえ、我が国の感染リスクのレベルをなるべく低く抑えるための取組が引き続き求められる」というような内容を加えていただきたいと思います。これは国によってその感染リスクのレベルが大分違うのであって、それは今後の我が国の感染対策の取組を工夫することによってもうちょっと低いレベルになり得るという議論がアドバイザリーボードでも盛んに意見が出ていたということを、できれば反映させたいと思います。
 それから、具体的な文章ではありませんが、4ページのこの「医療提供体制」に対しては、ここに書かれているような段階的な移行という配慮が今回しっかりうたわれているので、大変ありがたいと思います。しかし、一方で、医療機関あるいは介護、高齢者施設の現場においては、感染対策は引き続き同じように取組を続けなければならないと。その中で、いかに対応できる医療機関や施設を増やしていくかという不断の努力がぜひ必要であって、それは決して簡単、容易なことではないと思います。
 もう一点、5ページの「サーベイランス」についてですが、ここに2つ目のポツ、患者の発生動向把握については、感染症法に基づく患者ごとの届出(発生届)は終了し、定点サーベイランスに移行することとし、速やかに具体的な実施方法を示す必要がある、5類に移すことになるとこのようになることも十分理解はできているのですが、定点サーベイランスの準備がこれからそこに書いてあるように今後3か月ほどの間にしっかり整うのかどうかということについては、私自身、まだよく分からないと思っています。したがって、医療機関の届出の負担あるいは保健所の負担は残りますが、現状の届出の方式を少し延長する、継続するという選択も検討しておく必要があるのではないかと感じました。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、越田委員、お願いします。
○越田委員 金沢市福祉健康局の越田です。
 金沢市の保健所長も兼務しておりますので、前回に引き続き地方自治体から地域の現状を鑑みて、資料1の「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて」に関しての意見を述べさせていただきます。
 新型コロナウイルスが日本に上陸して以降は、3年間を経て8回の感染の波を経験し、その都度、波を乗り越えるために火事場のばか力とも思える業務のDX化、アウトソーシングなどを行ってまいりました。しかし、その間、2類相当に位置づけられていることゆえに過剰とも思われる感染対策に加え、必要性に疑問を感じながらも軽症者や濃厚接触者に対する行政対応に見切りをつけることができないまま、疲弊感だけが募っておりました。そんな中で、昨年9月に国が全数調査の見直しの号令をかけてくださったことによりまして、日常業務の現状をしっかりと受け止め、じっくりと考えを深め、今、なさねばならない地域の感染対策に時間を割くことができました。すなわち、無駄な経費と時間を本来注力せねばならないところに使うことができるようになりました。これらの経験からも、感染症対策に対峙する自治体にとっては、それを受け止める住民ともども、感染症法上の位置づけの変更は基本的には賛成です。
 3ページ以下の「変更に当たっての留意点」のうち、何点か意見を述べさせていただきたいと思います。まず、変更の時期ですが、年度替わりの4月は行政、企業、学校が少なからず混乱する時期ですし、現場における制度転換の準備のために御提示の3か月程度の準備期間を置くことには、全く異存はございません。しかしながら、影響の緩和のための段階的な移行を行うのであれば、国にはできるだけ早期にそのスケジュールを御提示いただきたいということを要望いたします。もちろん予算措置が必要なこともありますので、ぜひお願いしたいと思っております。
 「(1)患者等への対応」、特に医療費の公費負担の段階的な見直し、公設の医療相談窓口の継続にも、全く異存はございません。ただし、現在、診療・検査医療機関において無償で行われている検査につきましては、自己診断できる検査キットの精度が向上してまいりました。加えて、薬局等で容易に手に入れることもできますので、徐々に自己検査にシフトしていく方が医療機関で検査を行う場合の感染対策の軽減にも有効ではないかと思っております。
 次に「(2)医療提供体制」ですが、全ての医療機関で新型コロナウイルス感染者の受診を受け入れるべき時期に来ているとは思います。しかしながら、現在でも外来で発熱患者をできるだけ、ないしはほぼ全て診ないという医療機関がございますし、入院をお断りされる病院もあります。3年間で根づいたこの文化がそう簡単にコンバートすると思いませんので、医師会等々を通じて受け入れるための感染対策、その他を提示した上で、しかるべき啓発を行っていただくことも必要ではないかと感じております。また、命を守るという観点から、高齢者の入所施設への介入や重症者に対する入院調整は、当面の間、継続すべきであると考えております。ある日をもって保健所や都道府県の調整から病―病連携、病―診連携に移行するということは、命を守るという観点からでは少し難しいのではないかと感じております。医療提供体制の確立は命を守る担保が、大前提となるのではないかと思っております。
 「(3)サーベイランス」機能の継続は絶対に必要です。これまでに8回の感染拡大の波があり、その都度、医療逼迫であるとか、あるいは救える命が救えなかったことを経験しております。サーベイランスによって早期に感染の波を探知、予測することができるため、感染症対策の原則である後手にならないような対応を行うためにもサーベイランスは、どういう形であれ継続をしていただきたいと思っております。
 さらに「(4)基本的な感染対策」については、位置づけの変更とともに、行政主導のお手盛りの感染対策ではなく、今後は住民の皆さんが自らの命と健康を守るために、そして、他者への思いやりの心を持って、感染しない、感染させないためにどう行動すべきかを考える材料、ヒントを発信し続けることが必定であると考えております。すなわち、マスクだけではなく個々人の基本的な感染対策は、感染に対する知識と思いやりをベースに呼びかけていくべきかと思っております。
 最後に、この取りまとめには記載はありませんが、小児科領域の対応について述べさせていただきます。新型コロナに起因する小児の死亡例の取りまとめが、昨年秋、国立感染症研究所より公表されました。当初より高齢者や基礎疾患のある方の重症例、死亡例は多く報告されていましたが、そもそも小児の感染自体が少ない状況でした。しかしながら、オミクロン株が主流になって以降は、乳幼児、小児の感染が多く、しかも重症例も報告されています。子供へのワクチン接種の検討に併せて、学校保健安全法における新型コロナ感染症の位置づけ及び施行規則での就業停止や臨時休業についての検討を、感染症法上の位置づけの見直しに併せて改正することを御検討下さるようお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 続きまして、白井委員、お願いいたします。
○白井委員 枚方市保健所の所長の白井です。よろしくお願いします。
 この方針を出していただいたということで、概要が分かってきたということになりますけれども、この実現に向けて具体的にどのように実行するかということにつきまして、3点、質問も含めて発言させていただきたいと思います。
 まず、類型変更までの期間と変更後の対応ということなのですが、3か月をめどにということを大体お示しいただいているのですが、地域によっては準備が整ったところは足踏みをせずに移行できるのではないかと思っておりますし、例えばオール大阪で、大阪の場合には民間も公的医療機関も含めて全ての医療機関が対応するというような、また、病病連携での入院調整も始めておりますので、いろいろな背景があると思いますけれども、移行期間の長い短いということをあまり国のほうに示していただかなくても地方自治を尊重していただきたいと思っています。また、位置づけの変更の後に、移行期間は自治体によっていろいろ幅があるかもしれませんけれども、その辺が一定期間になるのか、移行期間の間にいろいろな自治体につきましては特に保健所の業務について多くの委託契約を行っておりますので、その業務の納め方を考えないといけないと思います。それにつきましては、補助金がその後も国から頂けるのか、改めて市の単費を使わないといけないのか、自治体の単費を使わないといけないのかということは、ちょうど議会をめどに考えないといけないということで差し迫っているところでございます。
 2番目につきましては、医療機関、医療提供体制なのですが、今回コロナ対応ということについて、たくさんの医療機関の合意によって対応できるようにという見通しをどのようにつけるかということになるのですが、コロナだけではなくて、現在一般医療または救急医療との弊害があるというところにおいて、そのバランスを取って重症度や緊急性を判断して適切な医療につなげる、本来の地域医療体制に戻していく必要があると思います。そもそもその対応ができていなかったことが露呈されているのであれば、地域医療体制の再構築の期間として移行期間を使う必要があるかと思います。また、災害においてもいろいろな複合災害を考えますと、コロナ対策、コロナに対応するような医療機関だけのことを考えているわけにはいかないと思いました。
 3番目ですけれども、サーベイランスも含めて既に次のパンデミックを考え、また、その防止などをしていかないといけないと思っているのですけれども、現在でも鳥インフルエンザの鳥の処分につきましては、例年以上にたくさんの地域でそういう対応をしております。それにつきましても自治体の業務でありますし、対応職員の健康管理、予防投薬につきましても保健所の業務となっています。そのようなことも差し迫ったことになるのではないかと思いますし、サーベイランスにつきまして、科学的知見の収集を行えるよう、これは地域保健法にも定められるようになりました地衛研との連携、保健所と自治体の連携を進められるよう、この類型変更以降でも恒常的に国の体制整備、自治体への支援をお願いしたいと思っております。
 私たち保健所、また、自治体におきましては、この新型コロナ対応の感染者の方につきましては、入院する方だけではなく、それ以上の桁違いの自宅療養の方々へ、また、地域の住民の皆様の不安や要望にそれぞれ全て応えることはできませんでしたけれども、必要な支援を行ってきました。5類に移行するということで、その方向が住民の方々自らが判断して行動できることを期待して、私権の制限の解除とともに、そのようなことが自律する国民であることを信じていきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、調委員、お願いします。
○調委員 調です。山口県環境保健センターですけれども、山口県の地方衛生研究所になります。
 まず、前回の会議でも申し上げましたけれども、現状のオミクロン株の病原性の低さを考えると、5類に分類することは賛成いたします。
 ただ、現行の感染症法の枠組みではそうなのですけれども、釜萢委員が言われたとおり感染性が非常に高いということ、それから、免疫逃避の変異が次々に起こってくるということ、それから、後遺症等のことを考えますと、なかなか一般の5類という対応では不十分なところもたくさんある感染症ではないかと考えています。その感染性の高さということによって、前回も申し上げましたけれども、院内感染、それから、施設内における感染は非常に制御が難しいということで、そこに対する支援は非常に重要で、続けていく必要があると思います。
 基本的にはそういうことなのですけれども、少し細かいことではありますが、これから3か月の猶予があって5類に変更していくと。ただ、必要な対策については通知等によって運用を続けることも十分可能だと思いますので、そういったことはしっかりと対応していただきたいと思います。特に、自治体における入院調整はある程度継続していく必要があるということを前回も申し上げたのですけれども、委員の先生方からもそういった意見が先ほども出ましたが、入院調整をするためには届出が必要なのですね。発生届をやめてしまうと情報も来ませんし、発生届を受け取ることによって自治体の責任が生じて、それによって入院の調整をすることが可能になっていたと。そうしますと、直ちに移行してその発生届をやめてしまうと、入院調整もできなくなるというところがあると思いますので、そういったところをきちんと制度的にしっかりと検討していただいて、速やかにスムーズに体制移行できるようなことを考慮していただければと思います。
 それから、マスクの着用について、賀来先生も言われたとおり、何かシンボリックに使われているというところは確かに心配でもありますけれども、逆に社会が変わっていくことが必要だということを考えると、マスクをすることを原則にするのか、それとも流行がある程度あるときにはマスクを着用するように呼びかけるのかというところはしっかりと考えて、コミュニケーションをしながら基本的な体制をつくっていく必要があるのではないかと思います。確かに学校現場で子供の成長のためにはマスクをしないことも重要だということも言われていまして、一方で、集団発生などがあって学校閉鎖あるいは学級閉鎖となって学校に行けない期間が出てくると、それによる発達に対する影響のほうがむしろ強いということも言われていますので、なかなか難しいとは思うのですけれども、その辺りをしっかりと考えていく必要があるかと思います。
 サーベイランスにつきましては、前回申し上げたとおり、いずれは定点把握になっていくわけですけれども、先ほど申し上げたとおり、発生届を当面どうするのかという問題は残ると思います。それから、ゲノムサーベイランスはしっかりと継続していくということが重要だと思います。
 それに関連して、先ほど釜萢委員が言われたとおり、この資料1の1ページのところに「現時点において変異株の性質が流行の動態に直接的に寄与する割合は低下している」と。この文章は実は私も若干の違和感を覚えております。現状そうなのかもしれませんけれども、今後どういった変異株が出てくるのか、今、アメリカでかなり主流を占めているXBB.1.5などは感染性も高いと言われていますので、ゲノムサーベイランスはおろそかにしてはいけないということと関連して、この文章には若干の違和感を覚えております。
 私からは簡単ですけれども、以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、戸部委員、お願いいたします。
○戸部委員 よろしくお願いいたします。
 全体として、頂いた資料に特段の異論はありません。
 その上で、2点コメントですが、3番の「変更に当たっての留意点」のところで、今回類型の見直しのために今から3か月間準備期間を置いて、さらにこの後、影響緩和のための期間を置くとのことですが、影響緩和期間が必要なものとそうでないものがあると思いますので、精査をお願いしたいと思います。例えば患者の医療負担については、感染症法上、5類は公費支援なしが原則ですので、少なくとも軽症者の医療費や検査費用などは事前に今から告知しておけば、3か月後の類型見直しと同時に打ち切りでもよいのではないかと思います。
 それから「(4)基本的な感染対策」のところで、1番目のポツの「行政が一律に適用すべきルールとして求めるのではなく」という部分、これは確かに硬直的なルールとして求めないというのはそのとおりですが、前回も申しましたが、5類への移行とマスクなどの感染対策は問題としては別ですので、一定の指針、考え方や推奨されるマスクの着用場面などを引き続き示していくことは、国の責任において必要なことだと思います。2番目のポツのところに、これが一例を示している部分かと思いますが、その中の「また」の後の「こうした者に該当しない場合でも」という部分が重要で、今後マスク着用の推奨場面を具体的に示していただきたいと思います。例えば混んでいる電車のような感染リスクを避けたいと思っても逃げ場がないような状況ではマスクを推奨するとか、いろいろあると思いますので、御検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、成田委員、お願いいたします。
○成田委員 東京都福祉保健局技監の成田でございます。
 取りまとめ案について、先日申し上げました意見を幅広く盛り込んでいただきまして、感謝申し上げます。
 その上で、3点ほど意見を申し述べたいと思います。まず、特措法に基づく臨時の医療施設につきまして、取りまとめ案の中に盛り込んでいただきましたが、今後の取扱いを検討と記載されております。先日も申し上げましたが、都では介護度が高い高齢者、障害を有する方、妊婦などの療養体制を適切に確保していくため、臨時の医療施設を設置し運営してまいりました。こうした臨時の医療施設は今後も不可欠であり、当面の間の臨時の医療施設の継続と、その際の消防法や建築基準法等の規制の適用除外の継続について、改めて要望させていただきます。
 次に、取りまとめ案に御記載のとおり、5類感染症に完全に移行していくためには、幅広い医療機関がコロナ患者に対応できるようになることが重要でございます。その点につきまして、医療現場からはプライマリーケアをはじめ、地域の対応力強化を図っていくべきであり、行政と連携した体制構築が必要との声がございます。今後の医療提供体制の在り方につきましては、そうした点も踏まえながら検討を進めていただきたいと思います。
 最後に、サービスの提供に必要な予算を措置していただくとともに、多くの自治体で来年度に向けた予算編成作業が待ったなしの状況となっており、早期の情報提供をぜひお願いいたします。コロナと共存する社会の実現に向け、国、自治体、医療機関等の関係者が引き続き緊密に連携し、取り組んでいければと思います。
 私からの発言は以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、西山委員、お願いいたします。
○西山委員 西山です。どうぞよろしくお願いします。
 今回の取りまとめに関しましては、5類に移行する部分に関して、特に異論はありません。
 その点を踏まえて、スケジュールにつきましては、地方自治体に影響が大きいので、できるだけ早い段階で示していただければと思います。特に準備期間と段階的な移行についても各自治体の規模によって既にもうできているので、段階的な移行の必要のない自治体もあれば3か月程度では間に合わない自治体もあるかもしれませんので、そこら辺は地方の声を聞きながらまとめていただければと思います。
 公費負担の部分に関しては、段階的に移行とあったのですけれども、ただ、公費負担がなくなったから、今は特に物価高騰でかなり地方経済は厳しい状況にありますので、受診控えなり、私は知識があれなのですけれども、ほかの5類の感染症は検査キットは市販のものがあるかどうか知らないのですけれども、例えばインフルエンザなどは市販のものがなかったと思いますので、コロナに関しては市販のキットはかなり充実していますので、自己検査してくださいねという流れになろうかと思うのですけれども、経済的に厳しいので検査をしないでというので、そこで特に気づいたら亡くなっていたみたいな事例が出てこないようにできればとは個人的には思っております。
 マスクに関しては、これまで日本人の特性なのかもしれませんけれども、何も言わずともこの冬の時期はマスクをされたりとか、花粉症の時期はマスクをしたり、マスクを着用することに特に抵抗がないというか、それがたまたま今回のコロナで一律でつけなければならないというので広がっている部分がありますので、5類になったからマスクを外していいよというアナウンスをしてしまうと、皆さんが外すとはなかなか考えにくいかと個人的には思っております。だから、本人の特性でマスクがつけられない、例えば発達障害をお持ちの方やマスクをつけられない方もおられますので、そこら辺はあくまでも自助、公助、共助とよく申しますけれども、自助できる部分ですので、皆さんの自己判断でというのはできるだけアナウンスをしていただければと思います。
 また、全体を通じて、できるだけアナウンスを国でしていただかないと、以前にも何回も申し上げましたけれども、このようになりましたとうちのほうが言っても、ニュースはこう言っているではないかということもありましたので、マスコミの皆さんも今回取材に来られていると思いますけれども、そこら辺の周知はできるだけ御協力をいただければと思います。
 また、最後、2ページの下から3行目の「全ての患者の補足」の「補足」は恐らく間違っているのかと思いますので、訂正していただければというのと、5ページの上から7行目に「高齢者施設」とあるのですが、最後の6ページの下から3行目「高齢者施設等」になっておりますし、こちらは「高齢者施設」となっていますので、重心障害施設等でも感染症対策、検査体制や医療支援をされていると思いますので、ここをできるだけ字句の統一をしていただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、山田委員、お願いいたします。
○山田委員 私も谷口委員や釜萢委員と同じように、5類はふさわしくないと思っています。ただ、5類に落とし込むことによって仮に強力な変異株が登場したときに対応が取れないのは困るということで厚労省の方にお話ししたところ、そこは法的にも問題ないので速やかに新たな類型に変更することは可能だとお聞きしましたので、そういうことを考えれば、5類に移行することに伴って生じてくるいろいろな問題点については、既にここに出席されている委員の先生方から御指摘がありましたので、その部分にうまく対応していただくということで、個人的には5類にすることにいつまでも反対するということではありません。したがって、今回御提案いただいたような形で対応していくことについては問題ないと思います。個々については先生方からいろいろな御指摘があったので、その点を踏まえて厚労省あるいは政府のほうで対策をしていっていただければと思います。
 ただ、今回露呈したのは、全てのシステムにおいて人員等が足りないと。要するに、日常的に平時ですらぎちぎちの体制で全てが行われてきていたのだということだと思います。したがって、この次にこのコロナが新たに変異をして影響の大きなものになるかどうかは別としても、新興感染症の出現は避けようのないものであって、それが10年に1度なのか5年に1度なのか分かりませんけれども、中にはパンデミックを起こすものは必ず出てくるという認識の下に、しかも、今回よりもケースフェータリティーレートやアールノートなどが大きい感染症が出てくることを否定することはできないわけですから、そういったものに対応できるだけの体力をつけておかなければいけない。それについて、見合った全てに対応するような巨大な体制は整えられないでしょうから、どの程度までならば国民的に許容ができて、その許容範囲ではここまでやるのだということをこれから検討していっていただきたいと思います。
 それから、5類になったからといって現在のパンデミックは終わったわけでも決してないので、そこの部分について国民へのリスクコミュニケーション、そこをきちんと図っていっていただきたいと思っています。
 以上です。ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、伊藤参考人、お願いいたします。
○伊藤参考人 福島県保健福祉部次長の伊藤でございます。本日は全国知事会を代表して申し上げます。よろしくお願いいたします。
 今ほど5類移行の方向性が示されましたが、全国知事会では本日の提出資料4のとおり、見直しに向けた国と地方の協議について、今月24日に国へ強く求めております。改めて総理の5類移行の検討指示という重い決断を高く評価するとともに、国民や保健・医療の現場に混乱を生じさせない円滑な移行の実現と、感染が継続する中にあっても国民の生命及び健康を守ることができるよう、都道府県との十分な協議を行った上での万全の対策をお願いいたします。
 以下、今回の議論について4点ほど発言いたします。まず、現場の地方自治体においては、コロナ対策の新たな段階への移行に向け、しっかりとした準備が必要となりますので、早急に対策の具体化を進め、ロードマップとともに提示いただくことをお願いいたします。
 また、5類への移行がなされたとしても、感染状況がコロナ前に戻るものでありませんので、今後の感染拡大に対応できる体制の確保が重要となります。特に外来・入院に関しては、全ての医療機関において確実に対応できる体制を構築できるかが極めて重要となります。このため、移行による施策の転換に当たっては、激変緩和のための適切な経過措置を設けるとともに、今後の体制構築のために必要となる新たな取組などをしっかりと見極め、実効性のある施策を講じていただくようお願いいたします。加えて、5類への移行に向けた対応に際して、地方自治体の負担が生じることのないよう、従来同様の財源措置を含めた検討をお願いいたします。
 さらに、国民の正しい理解の浸透も大変重要です。今後も感染流行の局面が想定される中、5類への変更によって感染対策が不十分なまま感染者が急激に増加することが懸念されます。5類の取扱いであっても場面に応じたマスクの着用を含め必要な感染対策をしっかり取っていただけるよう、国民の理解と協力が必要であることを政府において丁寧に分かりやすく説明していただくよう強くお願いいたします。
 最後に、繰り返しになりますが、都道府県等と十分に協議、意見交換を行い、しっかりと実務面でのすり合わせを行っていただくようお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、内田参考人、お願いいたします。
○内田参考人 全国保健所長会の内田でございます。
 このたび、医療提供体制の移行に当たりまして3か月間という準備期間を設けていただきまして、感謝を申し上げます。
 これまでも各地域で特にオミクロン株になってからのこの1年で新型コロナウイルス感染症患者の診療、特に外来対応でありますとか、自宅療養管理でありますとか、病診連携、病病連携による入院調整でありますとか、入院患者さんの受入れなど、地域の医療機関にお願いを申し上げまして、おかげさまで多くの医療機関に御対応をいただきました。かかりつけ患者さんを守るために御対応いただいた医療機関には本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
 まだこれらの対応に踏み切れていない医療機関でも、5類になる期日が決定すれば、これから3か月の間に対応していくことになります。位置づけの変更後の影響を緩和するための期間が設けられることになっておりますけれども、医療提供体制につきましては、この期間が必要であるという自治体は少ないのではないかと考えております。これまでの経緯から見まして、3か月間の準備期間で準備しない医療機関は、それ以上時間をかけても準備する可能性は非常に低いと考えられます。個別に医療機関にお聞きしますと、新型コロナ対応をしない理由は、感染法上の位置づけであり、5類相当になれば対応するとされるところであります。ただ、これには医療機関内においてもある程度の感染リスクがあることを国民の皆様に受容していただくことが重要であると思っております。社会全体である程度の感染リスクを受容するということであれば、医療機関も例外ではありません。私ども全国の保健所は、準備期間の3か月の間に、3か月と言わずにできるだけ早く全ての医療機関がかかりつけの患者さんへの対応ができるよう、各地域で準備を進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、中澤参考人、お願いいたします。
○中澤参考人 全国衛生部長会の中澤でございます。これまでの議論を取りまとめていただき、大変感謝申し上げます。
 本日お示しいただきました感染症法上の位置づけについては、賛成いたします。
 「変更に当たっての留意点」にある市民や関係者への理解を得るための十分なリスコミは、大変重要だと考えております。また、3年間行ってきたコロナ対策を変えていくということは、相当な労力が必要でありますので、移行期間を十分に取るということ、それから、個別の対策をほかの5類疾患と全て同等としていくことはそぐわないと思われる部分も多々ありますので、今後も議論を重ねていただきたいということ、それから、基本的な感染対策を今後も適切に継続することも必要だと考えております。
 3か月程度の準備期間ということですけれども、これから3か月ということになりますと、ちょうどゴールデンウイークの頃、5月8日と報道されておりましたけれども、私たち地方行政や関係機関によりましては、また、市民の皆さんの中でも様々な混乱が起きることが懸念されます。このため、国におかれましては、早めの情報発信と地方行政等に丁寧な御説明をお願いしたいと考えます。また、中には準備が間に合わないという自治体の声があった場合には、十分な御支援をよろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様、参考人の皆様に一通り御発言いただきましたので、最後に私のコメント、その後、もし時間があれば皆様から追加で希望があれば御発言いただくことにしたいと思います。
 私も皆様の御意見と同様に、この感染症法上の位置づけの変更に関しては原則賛成なのですが、資料1と資料2ですね。これが我々の結論となりますので、説明もいただいたのですけれども、その後読み込んで少し私が考えているところを、それから、今、皆様からいただいた意見で賛同するようなところについて述べたいと思います。
 まず、現状認識として、1ページのIの「新型コロナウイルス感染症に関する病原性、感染力、変異の可能性について」というところですけれども、これは確かに伝播性が高く、そして、重症化率、死亡率が低下しているということなのですけれども、アドバイザリーボード等でのリスク評価の認識はそれだけではなくて、オミクロン株の流行になって以降、感染者が多くなったことによって救急搬送困難事案が非常に増加してきていることもあり、医療への負荷は非常に高くなっている。さらに、死亡者が非常に大きく増加しているといったことは留意が必要だと考えていますので、その点、重症化率、死亡率が低下しているのだからもう大丈夫なのだという認識ではないことはしっかり書いておくべきだと思います。
 それから、委員の皆様から後遺症の点について、罹患後症候群ですか、それについての言及もございました。それから、Iの2つ目のポツのところで、これは昨日説明いただいたところから少し変更がされていて、よく分からない記載になってしまっているのです。御指摘があったとおり、現状、免疫逃避能がある変異株が出現しているということもありますし、さらに今後も新たな変異株の出現の可能性もあることもここにはしっかり記載をしておくべきではないかと考えております。
 それから、3ページの2ポツの位置づけの変更のところですね。ここの最後のポツのところで「ただし、5類感染症へは、国民の生命と健康を守りながら移行することが重要」ということなのですけれども、これはなぜ重要なのかという前提が少し不十分なのです。これは先ほどのコロナの現状の認識につながるところと、谷口先生から御意見としていただいたところが非常に重要だと思っていて「コロナの感染症はほかの5類感染症に分類される感染症とは異なって、1年を通して多くの感染者と死亡者が発生している状況が続いている。したがって、5類感染症の移行へは」というところにつなげていくべきではないかと考えます。
 それから「(2)医療提供体制」の1つ目のポツです。「必要となる感染対策を講じつつ」というところなのですけれども、これは必要な感染対策をやれば広く医療機関で診ていただけるようになるのかということであれば今までもそうだったろうと思いますので、それだけではなくて、「感染対策を含めて必要な措置を講じつつ、多くの医療機関で診療が可能となるような措置を段階的に」というような、十分に文章になっていませんが、そういった意味をそこに入れていただきたいと思います。
 それから、その下の「(3)サーベイランス」のところで、ここも皆さんから少し意見があったと思うのです。現状を考えると、なぜサーベイランスが重要なのか。これは流行が現在も継続をしていて、死亡者も増加していると。そういった現状を踏まえると、流行状況の正確な把握は今後も必要であり、最初のポツのところの最初にちゃんとそこを書き込んでおくべきではないかと考えました。
 それから、最後の「基本的な感染対策」のところですけれども、最初に「マスクを含む基本的な感染対策」ということで、マスクを少しシンボルというか、御発言がありました。やはりアイコン的にどうしてもなってしまいますので、最初のところは「マスクを含む」というのは要らないかもしれません。あるいはそこに「マスク」と入れたいのであれば、我々がこれまで学んできたことは、マスクであったり、換気であったりといった感染対策、これが非常に重要だというエビデンスも積み上げられてきているということでありますので、そこは「換気」も入れるか「マスク」を外すか、どちらか考えていただければと思います。
 それから、先ほど御意見があったとおり「行政が一律に適用すべきルールとして求めるのではなく」ということですけれども、ガイドラインというか、行動規範というか、健康習慣というか、名称は難しいのですけれども、そういった在り方を示していくことは重要だと思いますので、その上で個人の判断に委ねていくということだろうと思いました。
 2ポツ目のところも「高齢者など重症化リスクが高い者に感染を広げる可能性がある場合など」で、これはマスクだけが重要ではないですね。ですから、ここは「マスクや換気などが有効であること」と書いたほうが、これはただマスクをやっていればいいのかということになりますので、2つ「マスク」と出てきますけれども、そこはマスクの着用だけではないということは強調しておきたいと思います。
 私からは以上になります。
 それでは、少しまだ時間がありますので、委員の先生方から簡潔にもしあれば追加の御発言ということでお願いしますが、いかがでしょうか。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。白井です。
 5類感染症への移行について「国民の生命と健康を守りながら移行」というところについて、脇田先生が何で重要なのかを示すべきだとおっしゃっていただいたところに、私の発言の中にもありましたけれども、新型コロナ感染症だけではなくてほかの疾患において今、医療が限定されている部分がありますので、そういうことも含めて全ての医療を享受するために、5類になることでそれを解消できるという方向が重要ではないかと思っています。災害のことも言いましたけれども、そういう意味で、コロナだけではない医療体制の構築をここに述べていただきたいと思いました。
 サーベイランスについてですが、5類になると届出がなくなる、定点にという話もありましたし、ほかの5類とは違うという御意見もありまして、もちろん5類全体が全て同じような疾患ではありませんので、5類によってもインフルエンザでも入院サーベイランスということで重症な部分については報告があったりしますし、保健所の対応も従来やっていますので、この新型コロナウイルス感染症のサーベイランスをどのような形でまた次のパンデミックに備えてということについては、技術的に谷口先生であるとか、国立感染症研究所であるとか、そういうところで制度設計をしていただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 賀来委員、お願いします。
○賀来委員 今、お話にあったものと重なりますし、脇田先生あるいは谷口先生、釜萢先生がお話しになったことと重なるのですけれども、5類に下がったとしても新型コロナウイルス感染症は極めてインパクトがあるのだということ、すなわち新型コロナウイルスは非常にこれまでになく高い伝播性があって、基礎疾患を持っている方や高齢の方は重症化しやすく、若い世代であっても後遺症も起こってくる。加えて、変異株が次々と出現するという、新型コロナウイルス感染症の特徴をしっかりと記載し、5類ではあっても非常に特殊な感染症であるということは是非とも記載していただきたいと思います。国民の方に5類になっても引き続きまだパンデミックが終息していないことも含めて、過剰な対策は取る必要はないのですけれども、新型コロナウイルス感染症の特徴を明記していただき、引き続き注意していただきたいと、リスクコミュニケーションとして伝えることが非常に大切ではないかと思います。
 また、先ほど感染対策についても多くの委員の方が言われましたように、マスクだけを特出しするのではなくて、3密やソーシャルディスタンス、換気、消毒など総合的な感染対策を引き続きおこなっていただき、5類に変更したとしても引き続き基本的な感染対策は私たちのそれぞれが自分を守り、そして他人を守るために極めて重要であるということなどを記載していただくと、国民の方がより理解が深まるのではないかと思います。今回、医療体制が逼迫しているのか、その理由として新型コロナウイルス感染症のさまざまな特殊性があり、そのため、医療体制に非常に負荷がかかっているということも併せ新型コロナウイルス感染症が5類に変更されていくときに国民の方が理解できるようにしていただきたいと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 非常に重要な点だと思いました。まだ非常に多くの感染者がいて死亡者も出ている、流行が続いている疾患で、ほかの5類感染症とは異なる状況が非常に多いこと、釜萢先生からも御指摘がありました。アドバイザリーボードでも議論があるところですけれども、国によって感染対策が異なっていて、緩和の状況が変わっていて、それによって今後の流行状況が高くなるのか、それともある程度低く抑えられていくのか、それによって医療の逼迫状況も変わってくるということで、今後の本当の大きなターニングポイントにあるのだろうと考えております。
 今村先生、簡潔にお願いいたします。
○今村委員 今村です。
 以前の谷口先生、山田先生などの発言と重なってしまうのですけれども、今回の5類への移行のところで、かなり専門家と国民との意識の乖離はあったということは現実だと思うのです。そこは二者択一という中で、感染症は非常に長期にわたり変化して、なおかつ不確実性が高いという特徴が今回あったために、そこにはまり込まなかったと。5類の中には様々な感染症がありますから、いろいろな感染症を入れることは可能は可能なのです。ただ、今の感染症法をつくったときには、ここまで長期にわたる病態、あるいはここまで変化する病態、そして、不確実性が続くということを加味した感染症法になっていないというのが現実だと思います。そこに無理やり押し込んでいるところに無理があったことは間違いないことだと思います。そこに問題の大きなところがあるのだろうと。今回経験したところ、今も5類に入ったことによってここはというところを皆さん指摘されると思うのですけれども、そういうところが含まれてしっかり次のパンデミックを受け止められるようなものを、これは今回すぐできるものではないのですけれども、今回の議論が起きたところに立ち返って長期的な話合いを続けられたらと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 今村先生、ありがとうございました。
 ですから、新型コロナウイルス感染症、例えばアルファ株、デルタ株のときとオミクロン株で大きく状況は変わっているわけですね。次のパンデミックにどういったものが来るか分かりませんけれども、そういった様々な状況に備えられるような準備、これを我々は考えていくべきだという意見だと受け止めました。ありがとうございます。
 ほか、よろしいでしょうか。大体よろしいですかね。
 そうしましたら、部会といたしまして、今日の資料1、資料2ですね。これが取りまとめ案となっておりますので、今、皆様から様々御意見、それから、修正点もありました。こちらは事務局と私で相談をさせていただいて修正を入れることにして対応させていただきたいと思いますけれども、そういった前提でこの取りまとめ案を部会としてのまとめとしてお認めいただけるでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田部会長 皆様、うなずいていただきましたので、それでは、そのような形で取りまとめさせていただきます。必要な修正をした上で本部会としての意見のまとめとしたいと思います。
 事務局におかれましては、取りまとめの内容を踏まえまして、検討を進めていただきたいと考えております。
 それでは、議題は以上になりますので、事務局にお返しいたします。
○杉原エイズ対策推進室長 どうもありがとうございました。
 本日、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえるとともに、この取りまとめを新型コロナウイルス感染症対策の分科会にも報告の上、進めさせていただきたいと思います。
 この後、事務局から記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
 また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日はどうもお忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。